JP2002249925A - 耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維、抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、抗菌性ポリアミド織編物及び抗菌性ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維、抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、抗菌性ポリアミド織編物及び抗菌性ポリアミド繊維の製造方法

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JP2002249925A
JP2002249925A JP2001052699A JP2001052699A JP2002249925A JP 2002249925 A JP2002249925 A JP 2002249925A JP 2001052699 A JP2001052699 A JP 2001052699A JP 2001052699 A JP2001052699 A JP 2001052699A JP 2002249925 A JP2002249925 A JP 2002249925A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な抗菌性を発現し、アルカリ処理を行っ
ても変色(着色)が少なく、かつ洗濯後の抗菌性の低下
が著しく少ない耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維
及び抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、その製造方法を提供
する。 【解決手段】 酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%
含有しているポリアミド樹脂からなり、アルカリ処理前
後の色差ΔEが2.5以下であり、かつ50洗後の静菌
活性値が2.2以上であることを特徴とする耐洗濯性に
優れた抗菌性ポリアミド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌剤を含有する
樹脂からなる繊維であって、アルカリ処理を行っても変
色(着色)が少なく、かつ耐洗濯性に優れた抗菌性ポリ
アミド繊維及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6をはじめとするポリアミド繊
維等の合成繊維に抗菌性を有する粉体を含有させた抗菌
性繊維は、これまでに数多く提案されている。中でも、
銀系の無機物質は抗菌剤として広く使用されており、銀
イオンを担持させたリン酸塩系抗菌剤、銀イオンを担持
させたゼオライト系抗菌剤、銀イオンを担持させたヒド
ロキシアパタイト焼成物系抗菌剤等が使用されている。
【0003】このような銀系の無機抗菌剤を含有する繊
維は、抗菌性が良好でその耐久性も優れているが、製織
性を向上させるために付与した糊剤を染色前の工程で洗
い流すためにアルカリ処理を行うと、抗菌成分である銀
の酸化が起こって変色(着色)し、その結果、抗菌性が
低下するので、アルカリ処理を行うような用途には使用
し難いという欠点があった。
【0004】そこで、変色を防止し、繊維の白度や鮮明
性を向上させるために、過炭酸ナトリウムや次亜塩素酸
ナトリウム、あるいはメルカプト基を持たないアゾール
化合物などの変色防止剤で処理した抗菌性繊維が、特開
平4−50376号公報や特開平6−264360号公
報、特開平6−272173号公報に提案されている。
しかしながら、これらの繊維は、変色防止剤による処理
のみではアルカリ処理を行ったときの変色(着色)を十
分に回避することができず、処理も煩雑であり、衣料用
などの白度や鮮明性が要求される用途には使用し難いと
いう問題があった。
【0005】これらの問題を解決するために、本発明者
らは、特開平11−293521号公報において、粒子
の表面をカップリング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子
を含有させることで、アルカリ処理をおこなっても変色
(着色)が少ない抗菌性ポリアミド繊維を提案した。こ
の繊維は、アルカリ処理後に着色が少ない、優れた抗菌
性繊維である。しかしながら、この繊維の製造において
は、紡糸中に抗菌剤が繊維表面にブリードアウトしてく
る傾向があり、得られる繊維中の抗菌剤の分布が不均一
(特に表面に局在したもの)となることがあった。この
ため多洗後には繊維表面から抗菌剤が脱落し、抗菌性能
の持続性が十分でないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、良好な抗菌性を発現し、アルカリ処理を行っ
ても変色(着色)が少なく、かつ洗濯後の抗菌性の低下
が著しく少ない耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維
及び抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、その製造方法を提供
することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は次の(1)〜(4)を要旨とす
るものである。 (1)酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%含有して
いるポリアミド樹脂からなり、アルカリ処理前後の色差
ΔEが2.5以下であり、かつ50洗後の静菌活性値が
2.2以上であることを特徴とする耐洗濯性に優れた抗
菌性ポリアミド繊維。 (2)(1)記載の抗菌性ポリアミド繊維に捲縮を付与
してなる抗菌性ポリアミド捲縮加工糸。 (3)(1)記載の抗菌性ポリアミド繊維又は(2)記
載の抗菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用
いて製編織した抗菌性ポリアミド織編物。 (4)酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%含有する
ポリアミド樹脂チップを水分率が0.01〜0.2質量
%となるように調整した後に溶融紡糸し、ノズル面より
400mm以内で固化させることを特徴とする(1)記載
の抗菌性ポリアミド繊維の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の繊維を構成するポリアミドとしては、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン46
等の単独あるいはこれらの共重合体、またはブレンドし
たもの等が挙げられる。そして、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば、艶消剤、改質剤、制電剤、顔料等を
含んだものでもよい。
【0009】本発明の繊維に含有させる抗菌剤は酸化亜
鉛微粒子である。酸化亜鉛微粒子は、紫外線吸収や脱臭
という作用に加えて、殺菌、抗菌作用を有している。酸
化亜鉛微粒子の殺菌及び抗菌性能は、酸化亜鉛の化学的
な性質の一つである硫黄との高い親和性により発現する
ものと考えられる。詳細には、菌類の細胞膜内に存在す
る酵素のチオール基に酸化亜鉛微粒子が何らかの形で作
用し、菌類の活性を低下させるものと類推される。
【0010】また、本発明においては、酸化亜鉛微粒子
はその表面がカップリング剤で被覆処理されていること
が好ましい。なぜなら、酸化亜鉛は、光触媒活性を有す
るために、樹脂中に含有させたときに光劣化を生じるこ
とがあるためである。
【0011】この酸化亜鉛微粒子の光触媒活性は粒子表
面における反応であり、粒子の表面を処理することによ
り活性を抑制しようとする試みは従来よりなされてい
る。例えば、酸素や水との接触を断つためのマイクロカ
プセル化表面処理がなされていたが、この処理を施した
酸化亜鉛微粒子は、光学的には酸化亜鉛の性質を有して
いるが、化学的には酸化亜鉛の性質を失うという問題が
あった。
【0012】そこで、本発明においては、酸化亜鉛微粒
子の欠点である光触媒活性を抑制し、かつ光学的にも化
学的にも酸化亜鉛の性質を有するようにするために、粒
子の表面をカップリング剤で被覆処理したものを用いる
ことが好ましい。
【0013】カップリング剤としては、特に限定される
ものではないが、シランカップリング剤が好ましく、例
えば、信越化学社製のシランカップリング剤KBM−4
03、KBM−503が挙げられる。
【0014】また、シランカップリング剤以外のカップ
リング剤としては、チタン系、アルミニウム系、ジルコ
ニウム系、ジルコアルミネート系等のカップリング剤が
挙げられる。
【0015】そして、カップリング剤の被覆量は、酸化
亜鉛微粒子の表面積にもよるが、おおむね0.1〜20
質量%程度とすることが好ましい。このように酸化亜鉛
微粒子の表面がカップリング剤で被覆されていることに
よって、酸化亜鉛微粒子が有する光触媒活性を少量の被
覆量で無駄なく十分に抑制することができ、一方では、
紫外線吸収作用や抗菌、殺菌等の作用をそのまま維持す
ることができる。このため、このようなカップリング剤
で表面が被覆された酸化亜鉛微粒子を含有する繊維は、
紫外線による変色が防止され、同時に抗菌や殺菌等の効
果が達成される。
【0016】なお、本発明において、抗菌剤として上記
のようなカップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を
用いる場合、紫外線により励起される光触媒活性が高
く、ポリマーの劣化が促進されやすいため、ヒンダード
フェノール系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系などの有機系紫外線吸収剤
や、酸化防止剤などを繊維に添加させることが望まし
い。
【0017】また、本発明においては、上記のようなカ
ップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子も好適に用い
ることができるが、これは後述するような本発明の製造
方法を採用することにより、酸化亜鉛微粒子を繊維中に
均一に分布させることができるためである。通常、酸化
亜鉛微粒子を樹脂中に分散させた場合は、分散性が悪
く、酸化亜鉛微粒子の凝集が大きいほど樹脂の劣化が早
くなる。しかしながら、本発明の抗菌性繊維は酸化亜鉛
微粒子が均一に分散しているので、樹脂の劣化が抑えら
れ、カップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を用い
ても、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とする
ことができる。
【0018】本発明の繊維においては、酸化亜鉛微粒子
のポリアミド樹脂中の含有量を0.1〜5.0質量%、
好ましくは0.2〜3.5質量%、より好ましくは0.
3〜2.0質量%とする。含有量が0.1質量%未満で
あると、抗菌性が十分に付与された繊維とならず、含有
量が5.0質量%を超えると、紡糸や延伸時に糸切れが
発生したり、製織時にガイド、筬、綜絖等の摩耗による
糸切れや毛羽等が多発し、操業性が悪化する。さらに、
抗菌性能が飽和してコスト高となるばかりか強伸度等の
糸質性能が低下する。
【0019】そして、酸化亜鉛微粒子は、紡糸から巻き
取りまでの工程において、ガイド摩耗等の問題が生じな
いようにし、工程通過性をよくするために、また、ノズ
ルパック圧の上昇も防ぐために、平均粒径0.01〜
5.0μm程度のものとすることが好ましい。
【0020】さらに、本発明の繊維には、抗菌性の発現
を阻害しないものであれば、後加工により防ダニ剤、消
臭剤等を付与してもよいし、撥水加工、透湿防水加工等
を施してもよい。
【0021】本発明の繊維は、アルカリ処理前後の色差
ΔEが2.5以下である。酸化亜鉛粒子の表面がカップ
リング剤で被覆処理されていない場合は、アルカリ処理
前後の色差ΔEは、2.5以下、好ましくは2.0以
下、さらに好ましくは1.5以下である。抗菌剤として
前記したようなカップリング剤で表面処理された酸化亜
鉛微粒子を用いると、より変色(着色)を防止すること
ができ、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.0以下とす
ることができ、好ましくは1.5以下、さらに好ましく
は1.0以下である。すなわち、この値は、主に銀系の
抗菌剤を使用することで生じていたアルカリ処理による
変色(着色)がないことを示す指数である。
【0022】本発明におけるアルカリ処理前後の色差Δ
Eとは、アルカリ処理後の抗菌性繊維と同アルカリ処理
前の抗菌性繊維との色差ΔEであり、アルカリ処理前及
び処理後の繊維を筒編みした編物を8枚重ねにして、分
光光度計(マクベス社製、CE−3100)を用いて測
定することにより行う。
【0023】このアルカリ処理前後の色差ΔEが2.5
を超えると、精練処理等のアルカリ処理により繊維が着
色する度合いが大きく、顔料や着色剤を含有しない繊維
の場合は白度が低下し、顔料や着色剤を含有する着色繊
維の場合は、鮮明性が低下し、品位の低下した繊維とな
る。また、アルカリとの反応により抗菌性が著しく低下
している場合もあり、好ましくない。また、含有させる
顔料や着色剤としては、カーボンブラック(特にチャン
ネルタイプが好ましい)や黄色顔料(例えば、Bayer社
製Yellow10G)、青色顔料(例えば、大日精化社製シア
ニンブルー)、緑色顔料(例えば、大日精化社製シアニ
ングリーン)、赤色顔料(例えば、DIC社製スレン系レ
ッド)、紫色顔料(例えば、SANDOZ社製サンドリンバイ
オレットBL)等が挙げられる。
【0024】次に、本発明の繊維は、50洗後の静菌活
性値が2.2以上である。かつ、50洗後の殺菌活性値
が0以上であることが好ましい。50洗後の静菌活性値
とは、抗菌性繊維又は捲縮加工糸を筒編みした編物を用
い、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)が定める
繊維製品の定量的抗菌性試験方法(統一試験法)マニュ
アルに準じ、試験菌として黄色ブドウ状球菌(Staphylo
coccus aureus ATCC 6538P)を用いて菌数を測定し、下
記計算式より算出している。サンプルは、未処理、アル
カリ処理、50洗後、耐候後(未処理サンプルを直接耐
候処理した)について評価する。なお、アルカリ処理
は、0.1%水酸化ナトリウム水溶液で30分間煮沸し
て行い、50洗は、アルカリ処理後のサンプルをJIS
L 0217の103の方法で行う。耐候処理は、J
IS L 0842に準拠し、カーボンアークフェード
メーターを用い、63℃で20時間、照射(4級照射)
を行う。 静菌活性値=LogB−LogC 殺菌活性値=LogA−LogC A:標準布(無加工布)の接種直後に回収した菌数の平
均値を示す。 B:標準布(無加工布)の18時間培養後回収した菌数
の平均値を示す。 C:加工布の18時間培養後回収した菌数の平均値を示
す。
【0025】50洗後の殺菌活性値とは、抗菌性繊維又
は捲縮加工糸を筒編みした編物を用い、繊維製品新機能
評価協議会(JAFET)が定める繊維製品の定量的抗
菌性試験方法(統一試験法)マニュアルに準じ、試験菌
として黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus ATCC
6538P)、肺炎桿菌(ATCC4352)を用いる。そ
して、上記の静菌活性値と同様にして未処理、50洗後
の殺菌活性値を求める。
【0026】本発明において、50洗後の静菌活性値と
殺菌活性値を基準として採用する意味は以下のとおりで
ある。すなわち、従来のような後加工工程で抗菌剤を繊
維表面に被覆した繊維や抗菌剤を含有させたとしても繊
維表面に抗菌剤が局在化した繊維では、高々数回〜10
回程度の洗濯で抗菌性が著しく低下してしまうため、特
に洗濯回数が多い衣料用途では使用が難しい。一方、本
発明における洗濯回数50回は従来方法に比べ著しく耐
洗濯性が向上したもの(従来法が数回〜10回に比べ、
50回)であり、この50洗という数値は、例えば繊維
製品新機能評価協議会(JAFET)のSEK評価の洗濯回数が
最大でも50洗(衣料・寝具等)であることから判断し
て、衣料用途でも十分な耐洗濯性を有しているといえ
る。
【0027】そして、抗菌効果と防臭効果の検討(繊維
製品新機能評価協議会抗菌防臭加工部会評価基準WG報
告書)より、静菌活性値が2.2以上の時に皮膚常在菌
による臭気の発生が押さえられる。そこで、本発明にお
いて、衣料用に用いる際の実質的な抗菌効果が発現され
る指標である静菌活性値が2.2以上を採用する。
【0028】50洗後の静菌活性値が2.2よりも小さ
いとき、多洗後に抗菌性が低下してしまい、抗菌性を持
続できない繊維となる。このため、耐洗濯性が要求され
るような衣料、メディカル用途などには使用し難くな
る。本発明の抗菌性繊維においては、50洗後の静菌活
性値は2.2以上であるが、特に、3.0以上、さらに
は4.0以上であることが好ましい。
【0029】そして、本発明の抗菌性繊維は50洗後の
殺菌活性値が0以上であることが好ましい。殺菌活性値
は、JAFETが定める制菌加工評価であり、この値が
0以上である場合に、繊維上の菌の増殖を抑制する。こ
のため、生活環境(リビング、ライフ)やケア環境(ヘ
ルス、メディカル)の向上を目指した用途に好適に使用
することが可能となる。50洗後の殺菌活性値は、1.
0以上がより好ましく、さらに好ましくは2.0以上で
ある。
【0030】さらに、本発明の抗菌性繊維においては、
上記で示した殺菌活性値の測定方法において使用した2
種類の菌のみならず、大腸菌、緑膿菌、MRSAに対す
る殺菌効果も有するものであり、これらの菌を上記と同
様にして測定、評価した50洗後の殺菌活性値の値も0
以上であることが好ましく、これらの殺菌活性値のより
好ましい値は1.0以上であり、さらに好ましい値は
2.0以上である。特に黄色ブドウ状球菌及び肺炎桿菌
に加え、MRSAに対する殺菌活性値が0以上のものは
医療機関などのメディカル環境の向上を目指した用途に
好適に使用することが可能となる。
【0031】本発明の繊維において、上記のような50
洗後の静菌活性値や殺菌活性値が良好な値を示すのは、
後述するような本発明の製造方法を採用することによ
り、抗菌剤(酸化亜鉛微粒子)を繊維中に均一に分布さ
せることができるためである。これにより、繊維表面に
抗菌剤が局在化して繊維表面から抗菌剤が脱落すること
がなく、耐洗濯性(持続性)に優れた抗菌性を有する繊
維となる。
【0032】そして、本発明の抗菌性ポリアミド繊維に
おいては、繊維の横断面形状を異形度20〜60%の異
形断面とすることが好ましい。このような異形断面形状
とすることにより、フィラメントの表面積が増すため抗
菌性能が向上する。また後記のノズル面より吐出後の糸
条の冷却に有利となり、固化点をよりノズル面に近くす
ることができる。これらのため本発明の抗菌性繊維の効
果、酸化亜鉛微粒子の効果が十分に発揮され、抗菌性及
びその持続性が向上する。これにより、酸化亜鉛微粒子
の含有量を減少させることもできるので、コストを軽減
することもできる。
【0033】本発明の繊維における異形度とは、フィラ
メントの横断面形状における内接円の直径を外接円の直
径で除した値に100を乗じた数値(%)をいう。この
ような形としては、三角や四角等の多角形のものや、凹
凸を多数有する多葉断面形状のもの、また、田型や井型
形状のものが挙げられる。
【0034】そして、本発明の繊維においては、異形、
異形でないにかかわらず、中空部を有していてもよく、
製織時の糸切れや毛羽の発生等を回避するために、芯部
に酸化亜鉛微粒子を含有させた芯鞘構造としてもよい。
【0035】さらに、本発明の繊維は、短繊維でも長繊
維でもよく、長繊維としてはマルチフィラメントでもモ
ノフィラメントでもよく、短繊維、長繊維ともに単糸繊
度0.5〜2300dtexのものが挙げられる。
【0036】次に、本発明の抗菌性繊維の製造方法につ
いて説明する。本発明の製造方法においては、酸化亜鉛
微粒子もしくは粒子の表面をカップリング剤で被覆処理
した酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%含有するポ
リアミド樹脂チップを製造し、チップの水分率が0.0
1〜0.2質量%、好ましくは0.03〜0.15質量
%、より好ましくは0.05〜0.10質量%となるよ
うに調整し、溶融紡糸を行う。なお、酸化亜鉛微粒子を
0.1〜5.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを
製造する際には、あらかじめこの量の酸化亜鉛微粒子を
含有するチップを作成する方法のみならず、酸化亜鉛微
粒子をポリアミド樹脂チップにブレンドする方法や、あ
らかじめ酸化亜鉛微粒子を高濃度に含有したポリアミド
樹脂チップを製造し、このチップと通常のポリアミドと
をブレンドするマスターチップ法などを採用することが
できる。ただし、いずれの場合も、使用する樹脂チップ
の水分率が上記の範囲となるように調製する。
【0037】樹脂チップの水分率を上記の範囲内のもの
とするには、90〜160℃程度で乾燥させればよい。
得られるポリアミド繊維の着色や変色には、樹脂チップ
中の水分率が関与している。これは、ポリアミド繊維が
溶融状態では加水分解等の劣化を受けやすいためである
と思われ、水分率が増加するほど、得られる繊維のアル
カリ処理後の着色や変色は大きくなる。すなわち、アル
カリ処理を施す前の繊維においては、着色や変色の差が
なくても、チップの水分率が大きいものほど、アルカリ
処理後の繊維は着色や変色が大きくなる。そこで、樹脂
チップの水分率を上記の範囲内のものとするには、90
〜160℃程度で乾燥させればよい。
【0038】チップの水分率が0.2質量%を超える
と、得られる繊維のアルカリ処理後の着色や変色が大き
くなり、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とす
ることが困難となり、チップの水分率が0.01質量%
未満であると、チップを乾燥させる工程が長くなり、コ
ストが高くなり、得られる繊維の強伸度等の物性も低下
しやすくなる。
【0039】さらに、本発明の方法においては、固化点
をノズル面から400mm以内とする必要がある。本発明
においてノズル面から固化点までの距離は、得られる繊
維の繊維内部の抗菌剤の分散状態に非常に大きな影響を
およぼす。ここでいう固化点とは、ノズルより吐出した
糸条の繊径が最初に実質的に一定になった点であり、い
わゆる糸条が固化する点である。このノズル面から固化
する点までの距離の計算方法は、モノフィラメントでは
その単糸の値であり、マルチフィラメントでは、各単糸
の平均値である。
【0040】通常の紡糸条件における固化点は、単糸繊
度にもよるが、600〜2000mmの範囲内である。本
発明においては、以下に説明するような方法を採用し
て、固化点がノズル面から400mm以内となるように冷
却、固化させる必要がある。すなわち、固化点をノズル
面から400mm以内とすることにより、ノズル孔から吐
出した溶融状態のポリアミドが冷却、固化する時間が短
くなり、抗菌剤が繊維表面にブリードアウトすることを
防ぐことができ、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維
内に均一に含有された繊維とすることが可能となる。
【0041】抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に
均一に分散された繊維とすることができることによっ
て、抗菌剤が繊維表面から脱落することがなくなり、抗
菌性能持続期間が長くなり、耐洗濯性に優れたものとな
る。さらに、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に
均一に分散された繊維とすることができることによっ
て、樹脂の劣化が抑えられ、カップリング処理を行わな
い酸化亜鉛微粒子を用いても、アルカリ処理前後の色差
ΔEを2.5以下とすることができる。
【0042】固化点がノズル面により近いほど、繊維表
面に抗菌剤がブリードアウトすることを防ぐことがで
き、抗菌剤を繊維内に均一分散させることができるの
で、中でも、350mm以内とすることが好ましい。
【0043】固化点を400mm以内とするための方法と
しては、ノズル孔から吐出する際のポリマー温度を低く
抑えること、ノズル孔から吐出した溶融ポリアミドを冷
却するための冷却風の吹付温度を低くしたり、吹付風量
を多くすること、糸条の冷却を水等の液媒で行うこと等
の手段が挙げられる。
【0044】ノズル孔から吐出する際のポリマー温度を
低く抑える手段を採用する際には、吐出時のポリマー温
度を235〜255℃とすることが好ましく、さらに好
ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下と
する。通常の紡糸条件ではポリマー温度は255℃を超
えることが多く、例えば258℃の場合、通常の冷却条
件では、固化点を400mm以内とすることが難しく、繊
維表面に抗菌剤がブリードアウトすることがある。一
方、吐出時のポリマー温度が235℃よりも低い場合
は、未溶解物等の発生により紡糸時に糸切れが発生しや
すくなる。
【0045】冷却風による冷却の場合は、冷却風の温度
を10℃以下とすることが好ましい。冷却風の温度が1
0℃を超えると、固化点を400mm以内とすることは難
しい。
【0046】冷却風の吹付風量は多いほど冷却には有利
となり好ましく、冷却風の吹き付け速度を1.5〜2.
5m/分とすることが好ましく、さらに好ましくは1.
7〜2.3m/分である。風速が2.5m/分を超える
と、紡糸時に糸切れが発生しやすくなり好ましくない。
通常の条件では、風速は1.5m/分未満としており、
1.5m/分未満では冷却が不十分となり固化点を40
0mm以内とすることが困難となる場合がある。
【0047】繊維を冷却、固化させるときには、単糸繊
度の大きさが関係し、単糸繊維が小さいほど表面積が大
きくなるため冷却に有利となる。そこで、単糸繊度が
3.3dtex未満のものは、冷却風による冷却を採用
し、単糸繊度が3.3〜100dtexの繊維の場合
は、冷却効率が高い、後述するようなローラ式又はスリ
ットノズル式の液媒による冷却を採用することが好まし
い。さらに、単糸繊度が100dtexを超える繊維の
場合は、さらに冷却効率が高い、後述するような液浴に
浸漬させる方法や噴霧装置等により吹き付ける方法を採
用することが好ましい。
【0048】次に、液媒による冷却手段について説明す
る。冷却媒体として、水や油剤等の液媒を用いるもの
で、これらを用いて冷却すると、比熱の関係から冷却風
よりもより効率良く冷却されるため、単糸繊度が3.3
dtex以上の繊維の場合であっても固化点を400mm
以内とすることが容易となる。
【0049】具体的には、図1に示すようなローラ式の
液媒供給手段や図2に示すようなスリットノズル式の液
媒供給手段をノズル面より400mm以内、好ましくは、
350mm以内に設けて、糸条を冷却、固化させること
が好ましい。これら、ローラ式又はスリットノズル式の
液媒供給手段は、後述する液浴に浸漬させる方法や噴霧
装置等により吹き付ける方法に比べて、紡糸速度を10
00m/分以上にすることができるため、生産性の面か
らもより好ましい。
【0050】図1に示すローラ式の液媒供給手段では、
液浴6中の液体5をローラ4に供給して糸条1(固化
前)に付与する。図2に示すスリットノズル式の液媒供
給手段では、液体供給管3より液体付与ノズル2に供給
された油剤を糸条1(固化前)に付与する。その他に
は、液浴に浸漬させる方法や噴霧装置等により液媒を付
与する方法でもよい。以上のこれらの冷却手段は、単独
で用いてもよく、2以上の手段を併用してもよい。ま
た、冷却風吹き付け装置とともに併用して、冷却しても
よい。
【0051】ここでいう液媒とは、例えば水やポリアル
キルグリコール、または鉱物油、有機酸、エーテル類等
を含む紡糸油剤が好ましく、これらを単独で用いても、
混合して用いてもよい。また液媒には、仕上げ剤等の種
々の添加剤が含まれていてもよい。
【0052】これらの液媒の温度としては、低いほど糸
条の冷却効果が高くなるが、経済的な面から−20〜5
0℃とすることが好ましく、さらに好ましくは−10〜
30℃、より好ましくは0〜10℃である。
【0053】このような方法により本発明の抗菌性繊維
を製造すると、紡糸中に抗菌剤が繊維表面にブリードア
ウトしないため、得られる繊維は、繊維内に抗菌剤が含
有され、繊維中の抗菌剤の分布も均一のものとなる。こ
のため多洗後でも繊維表面から抗菌剤が脱落せず、抗菌
性が維持され、耐洗濯性が要求されるような衣料用途、
さらには医療用途にも好適に使用することが可能とな
る。また、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に均
一に分散された繊維とすることができることによって、
樹脂の劣化が抑えられ、カップリング処理を行わない酸
化亜鉛微粒子を用いても、アルカリ処理前後の色差ΔE
を2.5以下とすることができる。さらに、本発明の繊
維は耐候処理後の抗菌性能も高く、耐候処理後の靜菌活
性値が2.2以上となる。この理由は明らかではない
が、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、均一に分布するこ
とから耐候処理による抗菌剤の劣化も抑制されるものと
推測される。
【0054】本発明の抗菌性ポリアミド繊維を製造する
場合、紡糸した未延伸糸を一旦巻き取った後延伸する二
工程法でも、紡糸した糸条を冷却後、100m/分以上
の速度で巻き取る直接紡糸延伸法により製造してもよ
い。
【0055】本発明の繊維を、溶融紡糸後一旦巻き取
り、延伸する二工程法により製造する場合には、25〜
1500m/分程度の速度で巻き取り、その後、延伸倍
率1.5〜6.0倍程度で延伸することが好ましく、糸
条の種類により熱延伸としても、室温程度の冷延伸とし
てもよく、熱延伸の場合は50〜170℃程度で行うこ
とが好ましい。
【0056】直接紡糸延伸法により製造する場合には、
溶融紡糸した糸条を一旦巻き取ることなく、100m/
分以上の速度で巻き取って製造する。このとき、単糸繊
度が大きい繊維を得るときほど、紡糸速度が遅いほうが
好ましく、例えば単糸繊度が0.6〜3.3dtexで
は500〜5000m/分が好ましく、3.3〜100
dtexでは500〜3000m/分が好ましく、10
0dtexを超えるときは100〜1500m/分とす
ることが好ましい。巻き取るまでの間で延伸を行っても
よく、この場合は、50〜 150℃程度に加熱しながら、倍
率1.1〜3.0倍程度で熱延伸を行うことが好まし
い。
【0057】ここで、本発明の製造方法の一例として直
接紡糸延伸法を採用した場合の工程図を図3を用いて説
明する。スピンヘッド9に載置された紡糸口金10から
紡糸された糸条1に、スリットノズル2より冷却媒体を
付与して冷却固化させる。このとき、冷却風を吹き付け
る冷却装置12を併用し、冷却を行う。その後、引取ロ
ーラ13a、13bを経て、巻取装置14で巻き取る。
【0058】さらに、モノフィラメントの場合の工程図
の一例を図4を用いて説明する。スピンヘッド9に載置
された紡糸口金10から紡糸されたモノフィラメント2
1を液浴15にて冷却後、引取ローラ13で引き取り、
複数の延伸ローラ16間に温風ヒータ17を設け、熱延
伸、熱セットを行い、巻取装置14で巻き取る。
【0059】そして、本発明の捲縮加工糸の場合は、上
記のようにして得られた繊維に捲縮加工を施すものであ
るが、捲縮を付与する方法としては、例えば、仮撚加工
法、押込捲縮加工法、加熱流体による流体押込捲縮加工
法等が挙げられる。中でも、品質安定性やコストの面で
仮撚加工法が好ましい。
【0060】仮撚加工機としては、ピンタイプやディス
クタイプの施撚装置を備えた一般的な仮撚加工機を用い
ることができる。仮撚加工条件は、一般的な条件範囲で
適宜選択すればよく、通常は仮撚数(T/M)と繊維繊
度(d)の平方根との積で表される仮撚係数が1500
0〜33000の範囲となるようにすることが好まし
い。しかしながら、捲縮が得られる限りこれらに限定さ
れるものではなく、仮撚加工後にトルクを抑制するため
連続して熱処理を行う2段ヒータ仮撚加工を行ってもよ
い。
【0061】そして、本発明の抗菌性ポリアミド織編物
は、本発明の抗菌性ポリアミド繊維又は抗菌性ポリアミ
ド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いて製編織して得ら
れたものである。すなわち、本発明の抗菌性ポリアミド
織編物は、織編物を構成する繊維の全てに本発明の抗菌
性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工糸を用いたものが好
ましいが、十分な抗菌性が得られる範囲であれば、予め
本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工糸と、
これ以外の繊維との交絡混繊糸や合撚糸等を製造してお
き、このような混繊糸や合撚糸を製編織したもの、ある
いは、本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工
糸と、これ以外の繊維とを交織、交編したものでもよ
い。
【0062】なお、上記のような織編物中の抗菌性繊維
又は捲縮加工糸の割合は、要求される抗菌性能や風合等
の用途により適宜選択すればよい。また、織編物とする
際の組織等の条件は特に限定されるものではなく、常法
により行えばよい。
【0063】そして、本発明の抗菌性ポリアミド繊維及
び捲縮加工糸はアルカリ処理前後の色差ΔEが2.5以
下であり、顔料や着色剤を含有しないときには白度が、
これらを含有するときには鮮明性に優れており、また抗
菌性能の持続期間が長い。したがって、これらの繊維又
は捲縮加工糸を一部又は全部に用いた本発明の織編物は
所望の色に染色を行うことができ、且つ耐洗濯性が要求
されるような用途に使用することができる。
【0064】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中の特性値の測定は、次のとおりに
行った。 (a) 強伸度 JIS L1090に準拠して測定した。 (b) 抗菌性 前記の方法にて測定した。なお、殺菌活性値について
は、大腸菌、緑膿菌、MRSAを用いた値についても測
定した。 (c) アルカリ処理前後の色差ΔE 前記の方法で行った。 (d) 耐候処理 前記の方法で行った。 (e) 固化点の測定(位置) 繊径測定装置(ZIMMER社製 460A/5)を用
い、ノズル面より下方に5cmずつの間隔でそれぞれの
位置で繊径を30秒測定し、平均値をとり、グラフを作
成する。そして、その平均値が一定(平均値が±1%以
内)になった最初の点(ノズル面下方からの距離)を糸
条の固化点とする。
【0065】実施例1 相対粘度(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温
度25℃で測定)が2.53、抗菌剤として酸化亜鉛微粒
子(平均粒径0.2μm)を1.0質量%含有し、また
紫外線吸収剤として2(2’−ヒドロキシ−4’オクト
キシフェニル)ベンゾトリアゾール(住友化学工業社
製)を0.5質量%含有するナイロン6チップを用い、
このチップの水分率を0.10質量%に調整した後、エ
クストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度255
℃で溶融し、孔径が0.3mmの紡糸孔を24個有する
紡糸口金より吐出させた。冷却装置より冷却風を吹き付
けて糸条を冷却、固化させ、オイリングローラで油剤を
付与した後、巻取速度4000m/分で巻き取って、4
4dtex/24fの抗菌性繊維を得た。
【0066】実施例2、比較例1〜2 抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、吐出ポリ
マー温度、固化点の位置、冷却風の吹付温度及び風量を
表1に示すように種々変更した。それ以外は、実施例1
と同様とした。
【0067】実施例3、比較例3 ナイロン6チップに顔料としてサンドリンバイオレット
BL(SAN−DOZ社製)を0.01質量%添加し、
抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、吐出ポリ
マー温度、固化点の位置、冷却風の吹付温度及び風量を
表1に示すように種々変更した。それ以外は、実施例1
と同様とした。
【0068】実施例4 トリローバル形状をした紡糸孔を24個有する紡糸口金
を用い、抗菌剤の含有量を表1に示すように変更した。
それ以外は実施例1と同様として、異形度33%の三角
断面形状の44dtex/24fの抗菌性繊維を得た。
【0069】実施例1〜4、比較例1〜3で得られた繊
維の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評
価を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1から明らかなように、実施例1〜4で
得られた抗菌性繊維は、強伸度等の糸質物性に優れ、抗
菌性(静菌活性値及び殺菌活性値)の評価が高く、アル
カリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及び耐候処
理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗
濯性の要求される用途に良好に使用できるものであっ
た。また、実施例1〜4の繊維は、直接紡糸延伸法で製
造したが、ガイド摩耗などが発生せず、操業性よく製造
することができた。一方、比較例1は、抗菌剤を含有し
ていなかったため、抗菌性を有しないものであった。比
較例2は、抗菌剤の含有量が高すぎたため、紡糸時や延
伸時に糸切れが発生し、繊維を得ることができなかっ
た。比較例3は、チップ中の水分率が高い状態で溶融紡
糸を行い、固化点がノズル面より400mm以内の位置
とすることができなかったため、得られた繊維のアルカ
リ処理前後の色差が高く、また50洗後の抗菌性能が急
激に低下したものとなった。
【0072】実施例5〜6、比較例4 抗菌剤の含有量を表2に示すように変更し、紡糸孔を3
4個有する紡糸口金を用いた。それ以外は実施例1と同
様にして、70dtex/34fの抗菌性ポリアミド繊
維を得た。 次に、この繊維に、フィードローラ、仮撚
ヒータ、ピンタイプの仮撚施撚装置、デリベリローラ、
捲取装置を順に備えた仮撚加工機を使用し、表2に示す
ように仮撚加工条件を種々変更して加工を施し、捲縮加
工糸を得た。得られた捲縮加工糸の強度、伸度、抗菌
性、アルカリ処理前後の色差の評価を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2から明らかなように、実施例5〜6で
得られた抗菌性捲縮加工糸は、強伸度等の糸質物性に優
れ、抗菌性の評価が高く、また、アルカリ処理前後の色
差が小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評
価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される
用途に良好に使用できるものであった。一方、比較例4
は、抗菌剤を含有していなかったため、抗菌性を有して
いないものであった。
【0075】実施例7 実施例1の繊維を経糸と緯糸として用いて、経密度14
0本/2.54cm、緯密度108本/2.54cmの
平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理
前後の色差について測定、評価した。なお、これらの評
価、測定は、この実施例7のみならず、下記の実施例8
〜10においても、前記記載の評価、測定方法のうち編
物で行っていたものを織物で行ったものとした。
【0076】実施例8 実施例5の捲縮加工糸を経糸と緯糸として用いて、経密
度114本/2.54cm、緯密度86本/2.54c
mの平織物を製織した。それ以外は実施例7と同様とし
た。
【0077】実施例9 実施例1の繊維を経糸に用い、比較例1の繊維を緯糸に
用いて、経密度140本/2.54cm、緯密度108
本/2.54cmの平織物(抗菌性繊維の混率56%)
を製織した。それ以外は実施例7と同様とした。
【0078】実施例10 実施例5の捲縮加工糸と比較例4の捲縮加工糸とにデュ
ポン社製インターレーサーJD−1を用いて空気交絡処
理を施した交絡混繊糸を緯糸とし、比較例4の捲縮加工
糸を経糸として、経密度114本/2.54cm、緯密
度62本/2.54cmの平織物(抗菌性捲縮加工糸の
混率26%)を製織した。それ以外は実施例7と同様と
した。
【0079】実施例11 実施例1の繊維を用い、メッシュ組織にてトリコット編
物を得た。
【0080】実施例12 実施例1の繊維と比較例1の繊維を用い、モックローデ
ィアの組織にて交編編物(筒編、抗菌性繊維の混率65
%)を得た。
【0081】実施例7〜10の織物と実施例11〜12
の編物との抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価結果
を表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】表3から明らかなように、本発明の抗菌性
繊維や抗菌性捲縮加工糸を全て又は一部に用いた織編物
は、抗菌性の評価が高く、アルカリ処理前後の色差も小
さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高
いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に
良好に使用できるものであった。
【0084】実施例13 相対粘度が2.53であり、抗菌剤としてシランカップ
リング剤で表面が被覆処理された酸化亜鉛微粒子(三井
金属社製 Z−NOUVE、平均粒径0.2μm)を
1.1質量%含有した、ナイロン6チップを用いた。そ
して、このチップの水分率を0.07質量%に調整した
後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度
248℃で溶融し、孔径が0.3mmの紡糸孔を24個
有する紡糸口金より吐出させた。冷却装置より表4に示
す条件で冷却風を吹き付けて糸条を冷却、固化させ、オ
イリングローラで油剤を付与した後、巻取速度4000
m/分で巻き取って、44dtex/24fの抗菌性繊
維を得た。
【0085】実施例14〜15、比較例5〜6 抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、冷却風の
吹付温度及び風量、固化点の位置を表4に示すように種
々変更した以外は、実施例13と同様に行った。
【0086】実施例16 ナイロン6チップに、顔料としてサンドリンバイオレッ
トBL(SANDOZ社製)を0.01質量%添加し、抗菌
剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、固化点の位置
を表1に示すように種々変更した以外は、実施例13と
同様に行った。
【0087】実施例17〜19、比較例7 抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、冷却風の
吹付温度及び風量、固化点の位置、吐出ポリマー温度を
表4に示すように種々変更した以外は、実施例13と同
様の方法にて78dtex/24fの繊維を得た。
【0088】実施例20、比較例8 ナイロン6チップに、顔料としてyellow10G(BAYEL社
製)を0.1質量%添加し、抗菌剤の含有量、ナイロン
6チップの水分率、冷却風の吹付温度及び風量、固化点
の位置、吐出ポリマー温度を表4に示すように種々変更
した以外は、実施例13と同様の方法にて78dtex
/24fの繊維を得た。
【0089】実施例13〜20、比較例5〜8で得られ
た繊維の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差
の評価を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】実施例21 実施例13で用いたものと相対粘度が同じである表面被
覆された酸化亜鉛微粒子の含有量が1.0質量%である
ナイロン6チップを用い、このチップの水分率を0.1
0質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機
に供給し、紡糸温度255℃で溶融し、孔径が0.3m
mの紡糸孔を34個有する紡糸口金より吐出させた。口
金面より390mm下方(固化点とする)の位置に、図
1に示すローラ式の液媒供給手段を設け、液媒として水
を使用し、糸条に付与して冷却固化させた。このとき、
水の温度は25℃で付与量は5ミリリットル/分であっ
た。続いて固化後の糸条にオイリングローラで油剤を付
与した後、巻取速度3000m/分で巻き取って、23
5dtex/34fの抗菌性繊維を得た。
【0092】実施例22、比較例9 抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、固化点の
位置を表5に示すように変更した。それ以外は実施例2
1と同じとした。
【0093】実施例23〜24、比較例10 ローラ式の液媒供給手段に代えて、図2に示すスリット
ノズル式の液媒供給手段を用い、10℃の水を10ミリ
リットル/分で付与した。さらに、抗菌剤の含有量、ナ
イロン6チップの水分率、固化点の位置を表5に示すよ
うに変更した。それ以外は実施例21と同様とした。
【0094】実施例21〜24、比較例9〜10で得ら
れた繊維の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色
差の評価結果を表5に示す。
【0095】
【表5】
【0096】実施例25 実施例13で用いたものと相対粘度が同じである表面被
覆された酸化亜鉛微粒子を1.0質量%含有するナイロ
ン6チップを用い、このチップの水分率を0.05質量
%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給
し、紡糸温度255℃で溶融し、孔径が2.0mmの紡
糸孔より吐出させた。紡出モノフィラメントをノズル面
から20mm下方に設置した水浴で冷却後、常法に従い
合計5.3倍に延伸し、熱セットを行い、1120dt
exの抗菌性モノフィラメントを得た。
【0097】実施例26〜27、比較例11〜12 抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、固化点の
位置を表6に示すように変更した。それ以外は実施例2
5と同様とした。
【0098】実施例25〜27、比較例11〜12で得
られたモノフィラメントの強度、伸度、抗菌性、アルカ
リ処理前後の色差の評価結果を表6に示す。
【0099】
【表6】
【0100】表4〜6から明らかなように、実施例13
〜24で得られた抗菌性繊維及び実施例25〜27で得
られた抗菌性モノフィラメントは、強伸度等の糸質物性
に優れ、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗
後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮
明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できる
ものであった。また、実施例13〜27の繊維およびモ
ノフィラメントは、直接紡糸延伸法で製造したが、ガイ
ド摩耗等もなく、操業性よく製造することができた。一
方、比較例5〜8は、冷却条件等が最適でなく、固化点
をノズル面より400mm以内の位置とすることができ
なかったため、アルカリ処理前の抗菌性は高いものの、
50洗後に抗菌性能が急激に低下し、また耐候処理後の
抗菌性もかなり低下したものとなった。比較例9〜12
は、ローラ又はスリット型の液媒供給手段の位置及び冷
却浴の位置(固化点)がノズル面より400mm以内で
なかったため、同様にアルカリ処理前の抗菌性は高いも
のの、50洗後に抗菌性能が急激に低下し、また耐候処
理後の抗菌性もかなり低下したものとなった。
【0101】実施例28〜29、比較例13 抗菌剤の含有量を表7に示すように変更し、また紡糸孔
を34個有する紡糸口金を用いた。それ以外は実施例1
3と同様にして、78dtex/34fの繊維を得た。
得られた抗菌性ポリアミド繊維に、フィードローラ、仮
撚ヒータ、ピンタイプの仮撚施撚装置、デリベリロー
ラ、捲取装置を順に備えた仮撚加工機を使用し、表7に
示すように仮撚加工条件を種々変更して加工を施し、捲
縮加工糸を得た。得られた捲縮加工糸の強度、伸度、抗
菌性、アルカリ処理前後の色差を表7に示す。
【0102】
【表7】
【0103】表7から明らかなように、実施例28〜2
9で得られた抗菌性繊維は、強伸度等の糸質物性に優
れ、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及
び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性
及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるもの
であった。一方、比較例13は、抗菌剤を含有していな
かったため、抗菌性を有していないものであった。
【0104】実施例30 実施例13の繊維を経糸と緯糸として用いて、経密度1
40本/2.54cm、緯密度108本/2.54cm
の平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処
理前後の色差について測定、評価した。これらの評価、
測定は、前記記載の評価、測定方法のうち編物で行って
いたものを織物で行ったものとした。
【0105】実施例31 実施例28の捲縮加工糸を経糸と緯糸として用いて、経
密度114本/2.54cm、緯密度86本/2.54
cmの平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカ
リ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評
価した。
【0106】実施例32 実施例13の繊維を経糸とし、比較例13の繊維を緯糸
に用い、経密度140本/2.54cm、緯密度108
本/2.54cmの平織物(抗菌性繊維の混率56%)
を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の
色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0107】実施例33 実施例28の捲縮加工糸と比較例13の捲縮加工糸につ
き、デュポン社製インターレーサーJD−1を用いて空
気交絡処理を施して交絡混繊糸をえた。この交絡混繊糸
を緯糸とし、経糸に比較例13の捲縮加工糸を用い、経
密度114本/2.54cm、緯密度62本/2.54
cmの平織物(抗菌性捲縮加工糸の混率26%)を製織
した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差に
ついて実施例30と同様に測定、評価した。
【0108】実施例34 実施例13の繊維を用い、メッシュ組織にてトリコット
編物を得た。このトリコット編物の抗菌性、アルカリ処
理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価し
た。
【0109】実施例35 実施例13の繊維と比較例13の繊維を用い、モックロ
ーディアの組織にて交編編物(筒編、抗菌性繊維の混率
65%)を得た。この交編編物の抗菌性、アルカリ処理
前後の色差について実施例30と同様に測定、評価し
た。
【0110】実施例30〜33の織物と実施例34〜3
5の編物との、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価
結果を表8に示す。
【0111】
【表8】
【0112】表8から明らかなように、本発明の抗菌性
繊維や抗菌性捲縮加工糸をすべてまたは一部に用いた織
編物は、抗菌性の評価が高く、アルカリ処理前後の色差
が小さく、白度や鮮明性を要求される用途に良好に使用
できるものであった。
【0113】
【発明の効果】本発明の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリア
ミド繊維及び抗菌性ポリアミド捲縮加工糸は、アルカリ
処理を行っても変色(着色)や抗菌性の低下がほとんど
なく、さらに、耐洗濯性にも優れた良好な抗菌性を有
し、強伸度にも優れ、白度や鮮明性が要求される用途に
も好適に使用することが可能となる。そして、本発明の
抗菌性ポリアミド繊維の製造方法によれば、上記のよう
な繊維及び捲縮加工糸を操業性よく得ることができる。
さらに、本発明の抗菌性ポリアミド織編物は、本発明の
抗菌性ポリアミド繊維又は抗菌性ポリアミド捲縮加工糸
を少なくとも一部に用いているため、耐洗濯性にも優れ
た良好な抗菌性を発現し、アルカリ処理を行っても変色
(着色)や抗菌性の低下がほとんどなく、白度や鮮明性
が要求される用途にも好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用するローラ式の液媒供
給手段の一実施態様を示す概略図である。
【図2】本発明の製造方法で使用するスリットノズル式
の液媒供給手段の一実施態様を示す概略図である。
【図3】本発明の製造方法の一実施態様を示す一部概略
工程図である。
【図4】本発明の製造方法の他の実施態様を示す一部概
略工程図である。
【符号の説明】
1 糸条 2 スリットノズル 3 液体供給管 4 ローラ 5 液体 6 液浴 9 スピンヘッド 10 紡糸口金 12 冷却装置 13 引取ローラ 14 巻取装置 15 液浴 16 延伸ローラ 17 温風ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 D03D 15/00 E D04B 1/16 D04B 1/16 1/20 1/20 21/00 21/00 B 21/18 21/18 (72)発明者 藤井 実 大阪市中央区久太郎町四丁目1番3号 ユ ニチカファイバー株式会社内 Fターム(参考) 4L002 AA06 AB00 AB04 AC00 BB01 CA01 DA05 EA00 4L035 AA02 AA09 BB36 BB54 DD02 EE11 EE20 FF08 FF10 GG03 JJ05 JJ30 KK01 KK03 KK05 LC01 LC02 4L036 MA06 MA20 MA24 MA33 PA05 UA08 UA26 4L048 AA24 AA56 AB07 AB21 BA01 DA01 DA13 DA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%
    含有しているポリアミド樹脂からなり、アルカリ処理前
    後の色差ΔEが2.5以下であり、かつ50洗後の静菌
    活性値が2.2以上であることを特徴とする耐洗濯性に
    優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 50洗後の殺菌活性値が0以上である請
    求項1記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛微粒子を、粒子の表面をカップ
    リング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子とし、アルカリ
    処理前後の色差ΔEが2.0以下である請求項1又は2
    記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  4. 【請求項4】 繊維の横断面形状が、異形度20〜60
    %の異形断面形状である、請求項1、2又は3記載の耐
    洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の耐洗濯性
    に優れた抗菌性ポリアミド繊維に捲縮を付与してなる抗
    菌性ポリアミド捲縮加工糸。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載の耐洗濯性
    に優れた抗菌性ポリアミド繊維、又は請求項5記載の抗
    菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いて製
    編織した抗菌性ポリアミド織編物。
  7. 【請求項7】 酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%
    含有するポリアミド樹脂チップを水分率が0.01〜
    0.2質量%となるように調整した後に溶融紡糸し、ノ
    ズル面より400mm以内で固化させることを特徴とする
    請求項1、2又は4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリ
    アミド繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 粒子の表面をカップリング剤で被覆処理
    した酸化亜鉛微粒子を0.1〜5.0質量%含有するポ
    リアミド樹脂チップを水分率が0.01〜0.2質量%
    となるように調整した後に溶融紡糸し、ノズル面より4
    00mm以内で固化させることを特徴とする請求項3又は
    4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維の製造
    方法。
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