JP2002213558A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JP2002213558A
JP2002213558A JP2001012291A JP2001012291A JP2002213558A JP 2002213558 A JP2002213558 A JP 2002213558A JP 2001012291 A JP2001012291 A JP 2001012291A JP 2001012291 A JP2001012291 A JP 2001012291A JP 2002213558 A JP2002213558 A JP 2002213558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
continuously variable
variable transmission
rolling element
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001012291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3565169B2 (ja
Inventor
Yasuharu Taketsuna
靖治 竹綱
Shigenori Tamaoki
茂紀 玉置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001012291A priority Critical patent/JP3565169B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to DE60231847T priority patent/DE60231847D1/de
Priority to EP07119641A priority patent/EP1881233B1/en
Priority to PCT/JP2002/000124 priority patent/WO2002057655A1/ja
Priority to EP02732103A priority patent/EP1353091B1/en
Priority to DE60223900T priority patent/DE60223900T2/de
Priority to US10/250,902 priority patent/US7211024B2/en
Publication of JP2002213558A publication Critical patent/JP2002213558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3565169B2 publication Critical patent/JP3565169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0412Cooling or heating; Control of temperature
    • F16H57/0415Air cooling or ventilation; Heat exchangers; Thermal insulations
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0427Guidance of lubricant on rotary parts, e.g. using baffles for collecting lubricant by centrifugal force
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクの伝達に伴って生じる熱を積極的に放
散させてディスクやローラの冷却を効率良くおこなうこ
とのできるトロイダル型無段変速機を提供する。 【解決手段】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
材の互いに対向する転動面に油膜を介して外周面を接触
させた転動体4が配置されるとともに、その転動体4を
回転自在に保持する保持部材13が設けられたトロイダ
ル型無段変速機であって、前記転動体4の軸線方向での
少なくとも一方の端面の回転中心側の複数箇所に向けて
潤滑油を噴射する潤滑油供給孔138が前記保持部材1
3に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一対の回転部材
の間に転動体を挟み込み、一方の回転部材を回転させる
ことにより、その転動体を介して他方の回転部材にトル
クを伝達し、かつその転動体と各回転部材との間でのト
ルクの伝達箇所を半径方向で変位させることにより、変
速比を連続的に変化させるように構成されたトロイダル
型(もしくはトラクション式)の無段変速機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の無段変速機は、例えば互いに対
向して配置された一対のディスクの間に円盤状のローラ
を挟み込んだ構成であって、その一対のディスクの対向
面のうち所定の半径より外側の部分が、それらの対向面
の中心位置を中心とした円に一致する円弧面をなし、そ
の円弧面が円周方向に連続しており、このように3次元
方向に湾曲している面がトロイダル面であって、そのト
ロイダル面を転動面としてローラが挟み付けられてい
る。そのローラは、外周部の厚さ方向に沿う断面形状
が、ディスクの転動面の円弧形状に一致する円弧面とさ
れた円盤体である。したがって、一方のディスクを回転
させることにより、そのローラが回転し、それに伴って
他方のディスクが回転する。そして、ローラを傾けて、
一方のディスクに対する接触部の半径位置すなわちディ
スクの中心軸線からの半径位置を外側に移動させ、かつ
他方のディスクに対する接触部の半径位置を内周側に移
動させることにより、それぞれの接触部の半径の比に応
じた変速比が設定されるようになっている。
【0003】この種のトロイダル型無段変速機で伝達さ
れるトルクの大きさは、ディスクによってローラを挟み
付ける荷重に従って変化し、ディスクがローラを挟み付
けるいわゆる挟圧力が大きいほど、伝達可能なトルクが
大きくなる。また、トロイダル型無段変速機では、ディ
スクとローラとの間に油膜を形成し、その油膜のせん断
応力を利用してトルクの伝達をおこなっており、ディス
クとローラとの間で伝達するトルクが大きいほど油膜の
せん断応力が大きくなり、そのトルクの伝達箇所での発
熱量が多くなる。
【0004】上記のディスクやローラは、一般に、金属
を素材として表面硬さを向上させる処理をおこなってい
るが、運転中における上述した発熱で温度が上昇する
と、その強度や耐摩耗性などの機械的特性が低下する。
そこで、従来、ローラの外周部に潤滑油を積極的に吹き
付け、ローラが回転することによりその潤滑油をディス
クとローラとが接触する界面に供給し、その結果、油膜
を形成するとともに、冷却をおこなうように構成した装
置が、特表2000−507667号によって提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載され
た発明によれば、ローラの外周部に吹き付けられた潤滑
油が、ローラの回転によってディスクとの接触部位に運
ばれ、両者の間に油膜を形成することができ、またロー
ラの外周部に多量の潤滑油が接触するので、その部分の
冷却をおこなうことができる。しかしながら、発熱によ
る温度上昇が問題となるのは、ローラが高速で回転して
いる場合が一般的であり、したがって潤滑油を上記の公
報に記載されているようにローラの外周部に吹き付けて
も、その潤滑油の多くが遠心力によって直ちに飛散し易
い。そのため、ディスクに供給される潤滑油の量が必ず
しも充分ではなく、ディスクを充分に冷却できないこと
により、トルクの伝達容量が制約を受ける不都合があっ
た。
【0006】この発明は、上記の技術的な課題に着目し
て成されたものであって、冷却効果に優れたトロイダル
型無段変速機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、上述したローラなど
の転動体もしくは上述したディスクなどの回転部材にお
けるトルクの伝達に直接関与しない部位に、放熱のため
の構造を設けたことを特徴とするものである。より具体
的には、請求項1の発明は、一対の回転部材の間に、こ
れらの回転部材の互いに対向する転動面に油膜を介して
外周面を接触させた転動体が配置されるとともに、その
転動体を回転自在に保持する保持部材が設けられたトロ
イダル型無段変速機において、前記転動体の軸線方向で
の少なくとも一方の端面の回転中心側の複数箇所に向け
て潤滑油を噴射する潤滑油供給孔が前記保持部材に設け
られていることを特徴とする無段変速機である。
【0008】したがって請求項1の発明では、転動体を
挟み込んでいる回転部材のいずれか一方を回転させるこ
とにより、その転動面に油膜を介して接触している転動
体が回転し、さらにその転動体から油膜を介して他方の
回転部材にトルクが伝達され、結局、一方の回転部材か
ら他方の回転部材に対してトルクが伝達される。その場
合、転動体を回転部材の回転中心軸線に対して傾斜させ
ると、転動体の各回転部材に対する接触位置の半径が異
なるので、その半径の比率に応じた変速比が設定され
る。そしてその転動体の軸線方向での少なくとも一方の
端面の回転中心側の複数部分に保持部材の供給孔から潤
滑油が噴射される。その潤滑油は、転動体が回転してい
ることによりその端面の全体に広がって流れ、その間に
転動体から熱を奪って転動体を冷却する。
【0009】また、請求項2の発明は、一対の回転部材
の間に、これらの回転部材の互いに対向する転動面に外
周面を油膜を介して接触させた転動体が配置されるとと
もに、その転動体を回転自在に保持する保持部材が設け
られ、その保持部材によって回転自在に保持された前記
転動体に潤滑油を供給するように構成されたトロイダル
型無段変速機において、前記保持部材が、前記転動体の
軸線方向での少なくとも一方の端面に対向して該端面の
大半を覆う円板部分を有していることを特徴とする無段
変速機である。
【0010】したがって請求項2の発明では、請求項1
の発明と同様に、一方の回転部材から他方の回転部材に
対して転動体を介してトルクが伝達され、かつその転動
体が回転部材の回転中心軸線に対して傾斜することによ
り、変速比が所定の値に設定される。その転動体に対し
て潤滑油が供給されており、これに対してその転動体の
軸線方向での少なくとも一方の端面が保持部材における
円板部分で覆われ、両者の間に潤滑油が充満した状態に
保持される。その結果、転動体がその端面側に保持され
た潤滑油によって熱を奪われて冷却される。
【0011】さらに、請求項3の発明は、請求項2にお
ける前記円板部分の外周部に、その円板部分と前記転動
体の軸線方向での端面との間に油溜めを形成するシール
材が設けられていることを特徴とする無段変速機であ
る。
【0012】したがって請求項3の発明では、請求項2
の発明による作用に加えて、転動体の軸線方向での少な
くとも一方の端面側に、シール材によって油溜めが形成
され、ここに充満している潤滑油によって転動体が冷却
される。
【0013】またさらに、請求項4の発明は、一対の回
転部材の間に、これらの回転部材の互いに対向する転動
面に油膜を介して外周面を接触させた転動体が配置され
るとともに、その転動体を回転自在に保持する保持部材
が設けられたトロイダル型無段変速機において、前記転
動体の軸線方向での少なくとも一方の端面に、凹凸部が
形成されていることを特徴とする無段変速機である。
【0014】その凹凸部は、請求項5に記載されている
ように、放熱用のフィンとすることができる。
【0015】したがって請求項4あるいは5の発明で
は、請求項1の発明と同様に、一方の回転部材から他方
の回転部材に対して転動体を介してトルクが伝達され、
かつその転動体が回転部材の回転中心軸線に対して傾斜
することにより、変速比が所定の値に設定される。その
転動体の軸線方向での少なくとも一方の端面から空気も
しくは潤滑油に対する放熱がフィンによって促進され、
その結果、転動体が積極的に冷却される。
【0016】請求項4における凹凸部は、請求項6に記
載されているように、潤滑油の流れを乱流とする微細突
起とすることができる。
【0017】したがって請求項4あるいは6の発明で
は、転動体が回転することにより生じるその端面での潤
滑油の流動が、微細突起によって乱流とされる。その結
果、転動体から潤滑油に対する熱伝達率が大きくなり、
転動体が潤滑油によって積極的に冷却される。
【0018】そしてさらに、請求項7の発明は、請求項
1ないし6のいずれかにおける前記回転部材もしくは転
動体の表面が、熱放射を促進する黒体化処理されている
ことを特徴とする無段変速機である。
【0019】したがって請求項7の発明では、請求項1
ないし6のいずれかの発明における作用に加え、回転部
材もしくは転動体の表面からの熱放散が積極的に生じ、
その結果、回転部材もしくは転動体の冷却が促進され、
その温度上昇が防止もしくは抑制される。
【0020】一方、請求項8の発明は、一対の回転部材
の間に、これらの回転部材の互いに対向する転動面に外
周面を油膜を介して接触させた転動体が配置されるとと
もに、その転動体を回転自在に保持する保持部材が設け
られたトロイダル型無段変速機において、前記回転部材
の前記転動面以外のいずれかの部位に放熱用のフィンが
形成されていることを特徴とする無段変速機である。
【0021】したがって請求項8の発明では、請求項1
の発明と同様に、一方の回転部材から他方の回転部材に
対して転動体を介してトルクが伝達され、かつその転動
体が回転部材の回転中心軸線に対して傾斜することによ
り、変速比が所定の値に設定される。その回転部材は、
回転することによりその周囲の空気もしくは潤滑油に対
して相対的に流動を生じさせた状態で接触する。その場
合、回転部材からその周囲の空気もしくは潤滑油に対す
る熱伝達がフィンによって促進され、その結果、回転部
材が積極的に冷却される。
【0022】そして、請求項9の発明は、一対の回転部
材の間に、これらの回転部材の互いに対向する転動面に
外周面を油膜を介して接触させた転動体が配置されると
ともに、その転動体を回転自在に保持する保持部材が設
けられたトロイダル型無段変速機において、前記回転部
材における前記転動面とは反対側の面に向けて潤滑油を
供給する油路が設けられるとともに、その潤滑油が供給
される前記面に、潤滑油の流れを乱流とする微細突起が
形成されていることを特徴とする無段変速機である。
【0023】したがって請求項9の発明では、請求項1
の発明と同様に、一方の回転部材から他方の回転部材に
対して転動体を介してトルクが伝達され、かつその転動
体が回転部材の回転中心軸線に対して傾斜することによ
り、変速比が所定の値に設定される。その回転部材の転
動面とは反対側のいわゆる背面に対して潤滑油が供給さ
れ、その潤滑油は回転部材の回転によって遠心力により
外周側に流動する。その場合、回転部材の背面に形成さ
れている微細突起によって潤滑油が乱流とされる。その
結果、回転部材と潤滑油との間の熱伝達率が大きくな
り、回転部材が潤滑油によって積極的に冷却される。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするトロ
イダル型無段変速機の一例について説明すると、図9に
ダブルキャビティ式のフルトロイダル型無段変速機1が
模式的に示されており、このトロイダル型無段変速機1
では、一対の入力ディスク2が互いにいわゆる背中合わ
せに配置され、これらの入力ディスク2に対向するよう
に、すなわちこれらの入力ディスク2を挟んだ状態に一
対の出力ディスク3が配置されている。
【0025】これらのディスク2,3は、従来のトロイ
ダル型無段変速機におけるディスクと同様に、互いに対
向する面のうち所定の半径より外周側の部分の形状が、
中心軸線をとおる平面で切断した断面が一定半径の円弧
面となる形状であって、その円弧面をなす転動面2B,
3Bの間に、アイドル部材もしくは伝動部材に相当する
パワーローラ(転動体)4が挟み込まれている。すなわ
ち、図9における右側の出力ディスク3が軸線方向に対
して固定され、かつ左側の出力ディスク3の背面側(転
動面2B,3Bとは反対側)に油圧室5が設けられ、伝
達するべきトルクに応じた油圧をその油圧室5に供給す
ることにより、各入力ディスク2と出力ディスク3とで
パワーローラ4を挟み付けるようになっている。すなわ
ち各ディスク2,3でパワーローラ4を挟み付ける挟圧
力を、油圧室5に供給する油圧によって生じさせるよう
に構成されている。
【0026】なお、各出力ディスク3はその中心軸線に
沿って配置された出力軸6によって一体回転するように
連結されており、その出力軸6は各入力ディスク2の中
心部を貫通するとともに、各入力ディスク2と出力軸6
との間に軸受7が配置され、これら入力ディスク2と出
力軸6とが相対回転できるように構成されている。
【0027】また、その出力軸6と平行に入力軸8が回
転自在に配置されている。その入力軸8は無段変速機1
の全長より僅かに長く、その前後両端部と中間部との合
計三箇所に歯車9,10,11が取り付けられている。
その中間部の歯車10が、前記各入力ディスク2と一体
化されている歯車12に噛合している。したがって入力
軸8からこれらの歯車10,12を介して無段変速機1
にトルクを入力するようになっている。
【0028】さらに、上記のパワーローラ4は、円盤状
の部材であって、その外周部の断面形状が各ディスク
2,3の転動面2B,3Bの円弧の曲率に一致する曲率
の曲面に形成されており、したがって各ディスク2,3
に対してパワーローラ4が傾斜して、そのパワーローラ
4とディスク2,3との接触部の半径位置が任意に変化
するようになっている。このパワーローラ4は、各入力
ディスク2と出力ディスク3との間に3個、等間隔に配
置されており、無段変速機1の全体としては合計6個設
けられている。
【0029】そして、各パワーローラ4は、保持部材で
あるキャリジ13によって回転自在でかつ傾動自在に保
持されている。このキャリジ13には、パワーローラ4
の外周面に潤滑油を供給するための潤滑油路が、後述す
るように形成されている。
【0030】なお、入力軸8に取り付けられている歯車
9に噛合した入力歯車14が設けられている。そして、
この入力歯車14をエンジンなどの動力源(図示せず)
の動力で回転させるようになっている。
【0031】図1の(A)および(B)にパワーローラ
4およびキャリジ13の一例を示してある。ここに示す
キャリジ13は、パワーローラ4より僅かに小径の一対
の円板部分131を備えており、その各円板部分131
の直径方向で対向する二箇所が、パワーローラ4の外径
より外側に突出するとともに、互いに対向する面側に延
びて突き合わせ部132を形成している。そして、各円
板部分131がその突き合わせ部132を突き合わせて
一体に組み付けられ、その結果、これらの円板部分13
1の間に、パワーローラ4の厚さより幾分厚い空間部が
形成され、ここにパワーローラ4が収容されている。よ
り具体的には、パワーローラ4はその中心部に軸41を
備えており、その軸41が、前記各円板部分131の中
心部に取り付けた軸受133によって回転自在に保持さ
れ、その結果、パワーローラ4がキャリジ13に回転自
在に保持されている。
【0032】一方の突き合わせ部132には、軸状の部
材であるステム134が取り付けられている。このステ
ム134が、油圧シリンダなどの直動型のアクチュエー
タ(図示せず)に、揺動可能に連結されており、前記各
ディスク2,3に挟み込まれたパワーローラ4をそのア
クチュエータによって前後動させ、それに伴ってパワー
ローラ4を各ディスク2,3の回転中心軸線に対して傾
斜させるようになっている。
【0033】また、ステム134の中心軸線に沿って油
路135が形成されている。その油路135のアクチュ
エータ側の端部は、図示しない潤滑油供給源に連通され
ている。また、その油路135に連通する他の油路13
6が、前記各円板部分131に形成されている。すなわ
ち円板部分131の直径方向に沿って一方の突き合わせ
部132から他方の突き合わせ部132に亘り、円板部
分131を貫通する油路136が形成され、各円板部分
131における油路136は、その突き合わせ面に開口
している。
【0034】したがって図1に示すように、上下の円板
部分131における油路136は、その突き合わせ部1
32で互いに連通している。そして、一方の突き合わせ
部132にステム134が連結されていることにより、
ステム134における油路135が、円板部分131側
の油路136に連通されている。なお、各円板部分13
1に形成における油路136は、それぞれの軸受133
の部分で、その外周側を巡るように環状に形成され、し
たがって軸受133に潤滑油を供給するように構成され
ている。
【0035】各突き合わせ部132には、油路136に
連通する潤滑油噴射口137が、パワーローラ4の外周
面に向けて開口した状態に形成されている。また、各円
板部分131における中心部に近い位置には、パワーロ
ーラ4の軸線方向での端面すなわち図1における上面と
下面とに向けて潤滑油を供給する複数の潤滑油供給孔1
38が、それぞれの円板部分131における油路136
に連通した状態に形成されている。なお、この潤滑油供
給孔138は、ピンホール状の複数の孔として形成して
もよく、あるいは潤滑油が膜状になって噴き出すように
細いスリット状に形成してもよい。したがってステム1
34における油路135を介して各円板部分131の油
路136に潤滑油を供給することにより、軸受133に
対して潤滑油が供給されると同時に、パワーローラ4の
外周面および上下両面に向けて潤滑油が噴射されるよう
になっている。
【0036】上記の無段変速機1では、エンジンなどの
図示しない動力源で入力歯車14を回転させることによ
り、これに噛合している歯車9および入力軸8を介して
入力ディスク2にトルクが伝達される。入力ディスク2
が回転すると、その転動面2Bに油膜を介して接触して
いるパワーローラ4が回転し、さらにこのパワーローラ
4が油膜を介して出力ディスク3の転動面3Bに接触し
ているので、出力ディスク3が回転する。そして、その
出力ディスク3と一体化されている出力軸6が回転す
る。
【0037】その場合、パワーローラ4の回転数は、入
力ディスク2の回転数およびその転動面2Bとの接触箇
所の回転中心から半径によって決まる。また、出力ディ
スク3の回転数は、パワーローラ4の回転数およびその
パワーローラ4が転動面3Bに接触している箇所の回転
中心からの半径によって決まる。したがって入力ディス
ク2に対する出力ディスク3の相対回転数は、パワーロ
ーラ4がそれぞれの転動面2B,3Bに接触する箇所の
半径位置によって決まり、パワーローラ4を出力軸6の
中心軸線に対して傾動させて転動面2B,3Bに対する
接触箇所を変化させることにより、変速比が連続的に変
化する。
【0038】このように無段変速機1が動作している状
態では、前記ステム134の油路135を介してキャリ
ジ13に潤滑油が供給されている。したがって前記各円
板部分131の油路136に潤滑油が加圧して送られ、
その結果、潤滑油噴射口137からパワーローラ4の外
周面に潤滑油が吹き付けられる。こうしてパワーローラ
4の外周面に付着されられた潤滑油は、パワーローラ4
が回転していることにより各ディスク2,3との接触部
分に運ばれ、主として両者の間に油膜を形成する。そし
て、その油膜のせん断応力を利用してパワーローラ4と
各ディスク2,3との間でトルクの伝達がおこなわれ
る。また、パワーローラ4に吹き付けられた潤滑油の一
部は、遠心力で飛散されられるが、パワーローラ4に接
触することによりパワーローラ4から熱を奪い、その結
果、パワーローラ4が冷却される。
【0039】また、油路136に供給された潤滑油は、
潤滑油供給孔138からパワーローラ4の回転中心に近
い箇所に向けて噴射される。その潤滑油は、パワーロー
ラ4が回転していることによる遠心力で、パワーローラ
4の上面および下面の外周側に流動し、その全面に広が
る。特に、上述した無段変速機1では、パワーローラ4
の上下両面がキャリジ13の円板部分131によって覆
われていて完全な解放空間とはなっていないので、潤滑
油供給孔138から噴射された潤滑油はパワーローラ4
の上下両面に積極的に塗りつけられた状態となる。その
結果、パワーローラ4と潤滑油との接触面積が広くなっ
てパワーローラ4から潤滑油に対する熱伝達が促進さ
れ、パワーローラ4が積極的に冷却される。
【0040】すなわち、潤滑油供給孔138から噴射し
た潤滑油は、パワーローラ4の上下両面に広がってパワ
ーローラ4から熱を奪い、かつパワーローラ4の外周部
から遠心力で振り切られるので、パワーローラ4が効率
よく冷却される。また、その潤滑油の一部は、各ディス
ク2,3の転動面2B,3Bに振り掛けられるので、各
ディスク2,3がその潤滑油によって熱を奪われて冷却
される。
【0041】このように上記の無段変速機1では、パワ
ーローラ4の軸線方向での端面すなわち図1での上面あ
るいは下面に向けて複数箇所から潤滑油を供給するよう
に構成したので、パワーローラ4の上面あるいは下面の
全体に潤滑油を膜状に拡散させて供給でき、その結果、
パワーローラ4と潤滑油との間の熱伝達率が向上してパ
ワーローラ4が効果的に冷却される。また、パワーロー
ラ4のの上面あるいは下面が、保持部材であるキャリジ
13の円板部分131で覆われているので、パワーロー
ラ4の上面側あるいは下面側に潤滑油を保持させること
が可能になり、その結果、パワーローラ4と潤滑油との
間の熱伝達率が向上してパワーローラ4が効果的に冷却
される。
【0042】上述したようにパワーローラ4と円板部分
131との間に潤滑油を保持させれば、パワーローラ4
と潤滑油との接触を促進してパワーローラ4を効果的に
冷却できる。したがってその潤滑油の保持のために、パ
ワーローラ4とキャリジ13との間に油溜めが生じるよ
うに構成することとしてもよい。その例を図2に示して
ある。
【0043】ここに示す例は、前記円板部分131にお
けるパワーローラ4に対向する面の外周側の部分に、パ
ワーローラ4との間の空間部分を液密状態に封鎖するシ
ール材139を設けた例である。すなわち、このシール
材139は、キャリジ13に取り付けられるとともに、
パワーローラ4の上面あるいは下面に摺接している。し
たがって前述した潤滑油供給孔138から噴射された潤
滑油は、パワーローラ4の上面および下面を広がりなが
ら外周側に流れるが、シール材139によってその流動
が止められるので、シール材139より内周側の部分に
油溜めが生じる。その結果、パワーローラ4の大半の部
分が潤滑油によって覆われて潤滑油に熱を奪われるの
で、パワーローラ4を効果的に冷却することができる。
【0044】なお、シール材139より内周側の油溜め
に潤滑油が完全に滞留すると、その温度が次第に高くな
って冷却作用が生じなくなるので、これを防ぐために、
シール材139の一部に切り欠き部を形成し、あるいは
円板部分131に貫通孔を形成することにより、潤滑油
を順次漏洩させてパワーローラ4の上下両面側に潤滑油
の流動を生じさせることが好ましい。
【0045】パワーローラ4の冷却は、上述したように
周囲の潤滑油もしくは空気に対して放熱することにより
おこなわれるので、パワーローラ4の冷却効果を高める
ために、その表面に凹凸部を形成することが好ましい。
その凹凸部の一例として、放熱面積を拡大するためにフ
ィン15を形成した例を図3に示してある。この図3に
示すパワーローラ4においては、その上下両面に薄肉の
多数のフィン15が形成されている。このフィン15
は、環状もしくは螺旋状あるいは所定長さごとに間隔を
あけて配列された円弧状等の適宜の形状とすることがで
きる。
【0046】上記のフィン15は、その周囲の潤滑油や
空気に対する放熱面積を拡大するためのものであるか
ら、図1あるいは図2に示すように円板部分131を備
えたキャリジ13で保持することができ、あるいはこれ
に替えて一対の矩形板状の部材からなる従来のキャリジ
で図3に示すパワーローラ4を保持することとしてもよ
い。すなわち、パワーローラ4の外周面に対してのみ潤
滑油を吹き付け、上下両面は外気に曝して空冷する場合
であっても、フィン15による放熱量が増大してパワー
ローラ4を効果的に冷却することができる。
【0047】凹凸部の他の例を図4に示してある。ここ
に示す例は、パワーローラ4を潤滑油によって冷却する
よう構成した例であって、その上下両面に潤滑油を乱流
とするための微細突起16が形成されている。その微細
突起16は、図4に拡大して示してあるように、パワー
ローラ4の中心を向く面が垂直面とされ、かつその垂直
面から外周側に延びる面が傾斜面とされた断面三角形を
成す鋸歯状の突起であり、そのピッチpと高さhとの比
率(p/h)が7〜10に設定されている。なお、この
微細突起16は、円周方向に連続した環状に形成しても
よく、あるいは円周方向には一定間隔ごとにかつ半径方
向には交互に形成してもよい。
【0048】また、上記の微細突起16は、切削加工や
プレス加工などの機械加工によって規則的に配列された
突起として形成してもよく、あるいはこれに替えて表面
粗さを粗くすることにより不規則に配列された突起とし
て形成しもよい。その場合、その微細突起のピッチと高
さとの比率は、平均で10〜13程度とすることが好ま
しい。
【0049】上記の微細突起16を形成したパワーロー
ラ4は、上述した図1あるいは図2に示す円板部分13
1を有するキャリジ13に取り付けて使用することが好
ましく、トルクの伝達時にはその上下両面の回転中心側
の部分に潤滑油が供給される。そして、その潤滑油は、
パワーローラ4が回転していることによる遠心力で外周
側に流れるが、前記微細突起16を形成してあることに
より、潤滑油は乱流となる。その結果、パワーローラ4
の表面と潤滑油との間の熱伝達率が大きくなるので、パ
ワーローラ4から潤滑油に伝達される熱量が多くなり、
パワーローラ4が効果的に冷却される。
【0050】前述したようにトロイダル型無段変速機1
ではディスク2,3とパワーローラ4との間でトルクが
伝達されることに伴って熱が発生するから、そのトルク
の伝達に関与するディスク2,3の温度も高くなる。そ
して、このディスク2,3の転動面2B,3Bにおける
面圧が高く、その耐久性や耐摩耗性は高温ほど低下する
ので、ディスク2,3を積極的に冷却することが望まれ
る。
【0051】ディスク2,3を冷却する場合、上述した
パワーローラ4の冷却と同様に、空冷と潤滑油による冷
却とのいずれも採用することができる。空冷をおこなう
構造としては、例えば図5に示すように、転動面2B,
3Bとは反対側の背面に、多数の薄板状のフィン17を
形成した構成を採用することができる。なお、このフィ
ン17は円周方向に連続した環状のフィン、あるいは円
周方向に間欠的に配列した円弧状のフィンなどの適宜の
形状とすることができる。
【0052】したがって上記のフィン17を形成したデ
ィスク2,3が回転すると、その周囲の空気がディスク
2,3に対して相対的に流動することになるので、フィ
ン17に空気を吹き付けて強制空冷する状態となる。そ
の結果、フィン17を形成したことにより放熱面積が拡
大されていることと相俟って、ディスク2,3が背面側
から積極的に空冷され、その温度上昇が防止もしくは抑
制される。
【0053】他方、潤滑油によって冷却するための構成
を図6に示してある。ここに示す例では、ディスク2,
3の背面に微細突起18が形成されている。この微細突
起18は、前述した図4に示すパワーローラ4における
微細突起16と同様の形状であって、ディスク2,3の
回転中心を向く面が垂直面とされた断面が鋸歯状を成
し、そのピッチpと高さhとの比率(p/h)が7〜1
0に設定されている。この微細突起16は、機械加工に
より規則的に配列した突起として形成してもよく、ある
いは表面粗さを粗くすることにより不規則に形成された
突起であってもよい。さらに、ディスク2,3を支持し
ている出力軸6には、ディスク2,3の背面に向けて潤
滑油を噴出させる油路19が形成されている。
【0054】したがって図5に示す構成では、ディスク
2,3が回転すると、油路19からその背面に向けて潤
滑油が噴射され、その潤滑油はディスク2,3の回転に
伴う遠心力によって外周側に流動する。その潤滑油が流
動する面には、上記の微細突起18が形成されていてい
わゆる荒れた面となっているので、潤滑油は乱流とな
る。その結果、ディスク2,3と潤滑油との間の熱伝達
率が大きくなり、トルクの伝達に伴って発生した熱が潤
滑油に積極的に伝達され、ディスク2,3が冷却され
る。
【0055】なお、潤滑油がディスク2,3に接触して
いる時間がある程度長いほど、両者の間の熱伝達量が多
くなる、そこで例えば、図7に示すように、外周部に貫
通孔20を形成したカバー21を、ディスク2,3の背
面側を覆うように取り付け、油路19から噴射した潤滑
油をそのカバー21の内部に保持してディスク2,3と
の接触時間をある程度長くすることが好ましい。また、
そのカバー21の内周側の端部を、図8に示すように、
出力軸6に形成したフランジ部6Aの外周面に、シール
材22を介して接触させ、そのカバー21の内部に油室
23を形成してもよい。
【0056】ところで、熱の放散は、熱伝達以外に熱輻
射(熱放射)によっても生じる。そこで上述したディス
ク2,3およびパワーローラ4ならびにキャリジ13の
少なくともいずれかの表面が、放射率が高くなるように
黒体化処理されている。その黒体化処理は、熱処理や、
セラミックもしくは樹脂などのコーティング処理等適宜
の方法でよい。このような構成であれば、ディスク2,
3やパワーローラ4などの温度が上昇した場合、それに
応じて熱輻射による熱の放散量が多くなるので、ディス
ク2,3やパワーローラ4などの温度上昇を防止もしく
は抑制することができる。
【0057】なお、この発明は、上述した各具体例に限
定されないのであって、シングルキャビティ型の無段変
速機やハーフトロイダル型の無段変速機に適用すること
ができる。また、ディスクを空冷するためのフィンは、
要は、転動面以外の部位に形成されていればよいのであ
って、外周側の面であってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、転動体の軸線方向での少なくとも一方の端面の
回転中心側の複数部分に保持部材の供給孔から潤滑油が
噴射され、その潤滑油が、遠心力によりその端面の全体
に広がって流れ、その間に転動体から熱を奪って転動体
を冷却するので、転動体や回転部材の温度の上昇が防止
もしくは抑制され、その結果、無段変速機の伝達トルク
容量を増大させることができ、またその耐久性を向上さ
せることができる。
【0059】また、請求項2の発明によれば、転動体の
軸線方向での少なくとも一方の端面が保持部材における
円板部分で覆われ、両者の間に潤滑油が充満した状態に
保持されるから、転動体がその端面側に保持された潤滑
油よって熱を奪われて冷却される。そのため、転動体や
回転部材の温度の上昇が防止もしくは抑制されて、無段
変速機の伝達トルク容量を増大させることができ、また
その耐久性を向上させることができる。
【0060】さらに、請求項3の発明によれば、転動体
の軸線方向での少なくとも一方の端面側に、シール材に
よって油溜めが形成され、ここに充満している潤滑油に
よって転動体が冷却されるので、転動体や回転部材の温
度の上昇が防止もしくは抑制されて、無段変速機の伝達
トルク容量を増大させることができ、またその耐久性を
向上させることができる。
【0061】またさらに、請求項4あるいは5の発明に
よれば、転動体の軸線方向での少なくとも一方の端面か
ら空気もしくは潤滑油に対する放熱がフィンによって促
進され、その結果、転動体が積極的に冷却されるから、
転動体や回転部材の温度の上昇が防止もしくは抑制され
て、無段変速機の伝達トルク容量を増大させることがで
き、またその耐久性を向上させることができる。
【0062】また、請求項6の発明によれば、転動体が
回転することにより生じるその端面での潤滑油の流動
が、微細突起によって乱流とされるので、転動体から潤
滑油に対する熱伝達率が大きくなり、転動体が潤滑油に
よって積極的に冷却される。そのため、転動体や回転部
材の温度の上昇が防止もしくは抑制されて、無段変速機
の伝達トルク容量を増大させることができ、またその耐
久性を向上させることができる。
【0063】そしてさらに、請求項7の発明によれば、
回転部材もしくは転動体の表面が、熱放射を促進する黒
体化処理されていて回転部材もしくは転動体の表面から
の熱放散が積極的に生じるので、回転部材もしくは転動
体の冷却が促進され、その温度上昇が防止もしくは抑制
され、ひいては無段変速機の伝達トルク容量を増大させ
ることができ、またその耐久性を向上させることができ
る。
【0064】一方、請求項8の発明によれば、回転部材
が回転することによりその周囲の空気もしくは潤滑油に
対して相対的に流動を生じさせた状態で回転部材が接触
し、その場合、回転部材からその周囲の空気もしくは潤
滑油に対する熱伝達がフィンによって促進され、その結
果、回転部材が積極的に冷却される。そのため、転動体
や回転部材の温度の上昇が防止もしくは抑制されて、無
段変速機の伝達トルク容量を増大させることができ、ま
たその耐久性を向上させることができる。
【0065】そして、請求項9の発明によれば、回転部
材の転動面とは反対側のいわゆる背面に対して潤滑油が
供給され、その潤滑油が遠心力により外周側に流動し、
その場合、回転部材の背面に形成されている微細突起に
よって潤滑油が乱流とされるので、回転部材と潤滑油と
の間の熱伝達率が大きくなり、回転部材が潤滑油によっ
て積極的に冷却される。そのため、転動体や回転部材の
温度の上昇が防止もしくは抑制されて、無段変速機の伝
達トルク容量を増大させることができ、またその耐久性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る無段変速機におけるパワーロ
ーラの一例を示す図であって、(A)は平面図、(B)
は断面図である。
【図2】 この発明に係る無段変速機におけるパワーロ
ーラの他の例を示す断面図である。
【図3】 この発明に係る無段変速機で使用できるフィ
ンを形成したパワーローラの例を示す縦断側面図であ
る。
【図4】 この発明に係る無段変速機で使用できる微細
突起を形成したパワーローラの例を示す縦断側面図であ
る。
【図5】 この発明に係る無段変速機で使用できるフィ
ンを形成したディスクの例を示す縦断側面図である。
【図6】 この発明に係る無段変速機で使用できる微細
突起を形成したディスクの例を示す側面図である。
【図7】 ディスクの背面側にカバーを取り付けた例を
示す縦断側面図である。
【図8】 ディスクの背面側にカバーを取り付けて油室
を形成した例を示す縦断側面図である。
【図9】 この発明に係る無段変速機の全体的な構成の
一例を示す模式的な縦断側面図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 2…入力ディスク、 3…出力ディ
スク、 2B,3B…転動面、 4…パワーローラ、
13…キャリジ、 131…円板部分、 135,13
6…油路、 138…潤滑油供給孔、 139…シール
材、 15,17…フィン、 16,18…微細突起、
19…油路。
フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA03 BA08 BD01 BE09 CA05 CB06 EC03 EC06 EC07 ED08 3J063 AB33 AC03 BA15 CA01 CB36 XH03 XH13 XH42

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
    材の互いに対向する転動面に油膜を介して外周面を接触
    させた転動体が配置されるとともに、その転動体を回転
    自在に保持する保持部材が設けられたトロイダル型無段
    変速機において、 前記転動体の軸線方向での少なくとも一方の端面の回転
    中心側の複数箇所に向けて潤滑油を噴射する潤滑油供給
    孔が前記保持部材に設けられていることを特徴とするト
    ロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
    材の互いに対向する転動面に外周面を油膜を介して接触
    させた転動体が配置されるとともに、その転動体を回転
    自在に保持する保持部材が設けられ、その保持部材によ
    って回転自在に保持された前記転動体に潤滑油を供給す
    るように構成されたトロイダル型無段変速機において、 前記保持部材が、前記転動体の軸線方向での少なくとも
    一方の端面に対向して該端面の大半を覆う円板部分を有
    していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記円板部分の外周部に、その円板部分
    と前記転動体の軸線方向での端面との間に油溜めを形成
    するシール材が設けられていることを特徴とする請求項
    2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
    材の互いに対向する転動面に油膜を介して外周面を接触
    させた転動体が配置されるとともに、その転動体を回転
    自在に保持する保持部材が設けられたトロイダル型無段
    変速機において、 前記転動体の軸線方向での少なくとも一方の端面に、凹
    凸部が形成されていることを特徴とするトロイダル型無
    段変速機。
  5. 【請求項5】 前記凹凸部が、放熱用のフィンであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速
    機。
  6. 【請求項6】 前記凹凸部が、潤滑油の流れを乱流とす
    る微細突起であることを特徴とする請求項4に記載のト
    ロイダル型無段変速機。
  7. 【請求項7】 前記回転部材もしくは転動体の表面が、
    熱放射を促進する黒体化処理されていることを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のトロイダル型無
    段変速機。
  8. 【請求項8】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
    材の互いに対向する転動面に外周面を油膜を介して接触
    させた転動体が配置されるとともに、その転動体を回転
    自在に保持する保持部材が設けられたトロイダル型無段
    変速機において、 前記回転部材の前記転動面以外のいずれかの部位に放熱
    用のフィンが形成されていることを特徴とするトロイダ
    ル型無段変速機。
  9. 【請求項9】 一対の回転部材の間に、これらの回転部
    材の互いに対向する転動面に外周面を油膜を介して接触
    させた転動体が配置されるとともに、その転動体を回転
    自在に保持する保持部材が設けられたトロイダル型無段
    変速機において、 前記回転部材における前記転動面とは反対側の面に向け
    て潤滑油を供給する油路が設けられるとともに、その潤
    滑油が供給される前記面に、潤滑油の流れを乱流とする
    微細突起が形成されていることを特徴とするトロイダル
    型無段変速機。
JP2001012291A 2001-01-19 2001-01-19 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP3565169B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001012291A JP3565169B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トロイダル型無段変速機
EP07119641A EP1881233B1 (en) 2001-01-19 2002-01-11 Toroidal type continuously variable transmission
PCT/JP2002/000124 WO2002057655A1 (fr) 2001-01-19 2002-01-11 Transmission toroidale continuellement variable
EP02732103A EP1353091B1 (en) 2001-01-19 2002-01-11 Toroidal continuously variable transmission
DE60231847T DE60231847D1 (de) 2001-01-19 2002-01-11 Stufenloses Toroidgetriebe
DE60223900T DE60223900T2 (de) 2001-01-19 2002-01-11 Stufenlos verstellbares toroidgetriebe
US10/250,902 US7211024B2 (en) 2001-01-19 2002-01-11 Toroidal type continuously variable transmission

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001012291A JP3565169B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トロイダル型無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002213558A true JP2002213558A (ja) 2002-07-31
JP3565169B2 JP3565169B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=18879321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001012291A Expired - Fee Related JP3565169B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トロイダル型無段変速機

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7211024B2 (ja)
EP (2) EP1881233B1 (ja)
JP (1) JP3565169B2 (ja)
DE (2) DE60223900T2 (ja)
WO (1) WO2002057655A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180923A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2011127630A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Jtekt Corp トロイダル型無段変速機
JP2018537632A (ja) * 2015-12-10 2018-12-20 トランスミッション・シーヴイティーコープ・インコーポレーテッド トロイダルcvt用ローラー冷却装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10244824A1 (de) * 2002-09-26 2004-04-08 Bayerische Motoren Werke Ag Toroidgetriebe mit an den Zwischenrollen angeordneten Ölsammeleinrichtungen
US7832297B2 (en) 2005-04-19 2010-11-16 Hewatt Chris B Method and apparatus for gyroscopic propulsion
WO2006131778A1 (en) * 2005-06-10 2006-12-14 International Innovations Limited Continuously variable transmission system
KR100806580B1 (ko) * 2005-12-06 2008-02-28 엘지전자 주식회사 연료전지 시스템의 전력제어장치 및 방법
ES2643067T3 (es) 2009-10-08 2017-11-21 Ultimate Transmissions Pty Ltd Motor de tracción toroidal total
JP5755689B2 (ja) * 2013-06-26 2015-07-29 川崎重工業株式会社 トロイダル型無段変速機

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4629444A (en) * 1982-06-01 1986-12-16 Dayco Corporation Belt pulley and method of making the same
US4484487A (en) * 1983-01-03 1984-11-27 Excelermatic Inc. Hydraulically controlled infinitely variable traction roller transmission
JPS6193659A (ja) 1984-10-13 1986-05-12 Fujitsu Ltd 密着形イメ−ジセンサの製造方法
JPH0210855Y2 (ja) * 1984-11-22 1990-03-16
JPS63163095A (ja) 1986-12-26 1988-07-06 Hitachi Ltd 軸受冷却装置
GB9214190D0 (en) * 1992-07-03 1992-08-12 Robinson Leslie K Improvements in or relating to continuously-variable-ratio transmissions of the toroidal-race rolling-traction type
JPH06341514A (ja) * 1993-06-01 1994-12-13 Maki Shinko:Kk 減速機
JPH093571A (ja) 1995-06-14 1997-01-07 Mitsubishi Shindoh Co Ltd ヒートシンク
GB9606897D0 (en) 1996-04-01 1996-06-05 Greenwood Christopher J Roller assembly
JPH1061725A (ja) 1996-08-22 1998-03-06 Tsubakimoto Chain Co 放熱チェーン
JPH10132047A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Jatco Corp フルトロイダル型無段変速機
JPH11132304A (ja) 1997-10-31 1999-05-21 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JP4144063B2 (ja) 1998-03-27 2008-09-03 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機の潤滑装置
JPH11336868A (ja) 1998-05-21 1999-12-07 Nissan Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機
JP3697101B2 (ja) 1999-03-09 2005-09-21 三菱重工業株式会社 油タンク内空気抜き装置
JP2001221309A (ja) 2000-02-09 2001-08-17 Toyota Motor Corp 車両用無段変速機
JP2002106667A (ja) * 2000-10-04 2002-04-10 Honda Motor Co Ltd トロイダル型無段変速機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180923A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2011127630A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Jtekt Corp トロイダル型無段変速機
JP2018537632A (ja) * 2015-12-10 2018-12-20 トランスミッション・シーヴイティーコープ・インコーポレーテッド トロイダルcvt用ローラー冷却装置
US11035459B2 (en) 2015-12-10 2021-06-15 Transmission Cvtcorp Inc. Roller cooling arrangement for toroidal CVT

Also Published As

Publication number Publication date
US20040043860A1 (en) 2004-03-04
JP3565169B2 (ja) 2004-09-15
WO2002057655A1 (fr) 2002-07-25
US7211024B2 (en) 2007-05-01
EP1353091A1 (en) 2003-10-15
EP1881233A3 (en) 2008-03-19
DE60231847D1 (de) 2009-05-14
EP1881233A2 (en) 2008-01-23
DE60223900D1 (de) 2008-01-17
DE60223900T2 (de) 2008-11-13
EP1353091B1 (en) 2007-12-05
EP1881233B1 (en) 2009-04-01
EP1353091A4 (en) 2006-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3531607B2 (ja) トロイダル型無段変速機およびフルトロイダル型無段変速機
JPH04300447A (ja) トルクコンバータのロックアップクラッチ
JP2002213558A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH04151053A (ja) トラクション型変速装置
JP2007321931A (ja) トロイダル型無段変速機
US5695424A (en) Planetary carrier having a porous washer
JP4144063B2 (ja) トロイダル型無段変速機の潤滑装置
JP3932027B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH0314947A (ja) 遊星歯車装置のキャリア組立体
KR19990023131A (ko) 열발생기
JP2003247552A (ja) 転がり玉軸受用冠形保持器の製造方法、転がり玉軸受用冠形保持器の製造に用いられる金型、転がり玉軸受用冠形保持器、転がり玉軸受
JPH11201251A (ja) トロイダル型無段変速機用ローディングカム
JP2000205362A5 (ja)
JP4288760B2 (ja) トロイダル型無段変速機のパワーローラ軸受
JP4100072B2 (ja) フルトロイダル型無段変速機
JP2000110839A (ja) 複列玉軸受
JP3991354B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4110463B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2001187951A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3629909B2 (ja) トロイダル型無段変速機のディスク支持方法
JP2002031217A (ja) 湿式摩擦係合装置の冷却構造
JP2005003108A (ja) スプライン装置およびこれを用いたトロイダル型無段変速機
JP3696373B2 (ja) 無段変速機
JP2002021959A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3705719B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040409

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees