JPH04357043A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、インクジェット記録ヘッドは、
ガラス、プラスチック、金属などが流路の構成部材とし
て使われているが、インク吐出ノズル面に撥水処理を施
すことにより吐出ノズルのまわりに、インクが不均一に
溜ることにより生ずる、吐出インクの飛行曲がりを防止
しているものが多い。しかし、従来のインクジェット記
録ヘッドは、非使用時にはインク流路内に何も充填され
ていない状態、あるいはインクを充填した状態か、もし
くは特開平２−３３１０に示されているように親水効果
のある混合液を充填した状態で保管されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の非使用
時に何も充填されない状態で保管されたヘッドにおいて
は、空気中の水蒸気吸着や酸化等により撥水効果が劣化
してしまい、またヘッド流路内にインクもしくは親水効
果のある混合液を充填させた状態で保管されたヘッドに
おいてもインクもしくは混合液がノズル先端から漏れ、
その部分の濡れ性を上げてしまうため、いずれも再使用
時に吐出ノズルのまわりにインクが不均一に溜るように
なり、吐出インク飛行曲がりが起こり、吐出安定性が劣
化するという課題があった。

【０００４】本発明は前記課題を解決するためのもので
ありその目的は撥水処理が施されているインク吐出ノズ
ル面の撥水性を持続していて、吐出安定性に優れたイン
クジェット記録ヘッドを提供するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは記録ヘッド製造後使用者への輸送中および
倉庫保管中もしくは使用者が長期に渡り記録装置の使用
を中断する場合等の非使用時にインク吐出面に撥水性保
持効果のある液体を接触させていることを特徴とする。

【０００６】撥水性保持効果のある液体としては揮発性
の低いポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の
多価アルコール類やフロラードＦＣ−９５、ＦＣ−９８
、ＦＣ−１２９、ＦＣ−１３５、ＦＣ−１７０Ｃ、ＦＣ
−４３０（いずれも３Ｍ社製）、サーフロンＳ−３８１
、Ｓ−３８２、Ｓ−１１１、Ｓ−１１２、Ｓ−１３１、
Ｓ−１４１、Ｓ−１２１（旭硝子株式会社製）等のフッ
素系界面活性剤を含む混合液等があげられる。インク吐
出面に撥水性保持効果のある液体を接触させる方法とし
ては該液体を吸収体によって保持し、インク吐出ノズル
面に接触させる方法、または粘着テープによって保持し
、インク吐出ノズル面に接触させる方法等がある。

【０００７】

【実施例】本発明を実施例に基づき詳細に説明する。

【０００８】（実施例１）図１は本発明に関する実施例
１の模式図である。インクジェット記録ヘッド１の流路
５内には何も充填されていないか、または、インクもし
くは親水効果のある混合液等を充填していても良い。イ
ンク吐出ノズル面４に施されている撥水処理は、テフロ
ン蒸着、フッ素樹脂コーティング、金蒸着、テフロンと
金属を共析させたメッキなどが望ましい。吸収体３には
発泡体樹脂、不織布、パルプ等を用い、撥水性保持効果
のある液体６がしみこませてあり、インク吐出ノズル面
４に液体６と共に接触している。この液体６は撥水面の
撥水効果を保ち、空気中の水蒸気吸着や酸化等による撥
水面の撥水効果の劣化を防ぐ効果がある。また、少量の
インクもしくは親水効果のある混合液が吸収体３に浸透
してもその効果は変わらないものである。本実施例にお
いて、撥水保持効果のある液体として、液体６に、フロ
ラードＦＣ４３０（３Ｍ社製）・・・５０ｗｔ％ポリエ
チレングリコール　　　　　　　　　　・・・５０ｗｔ
％の混合液を用いた。吸収体ケース２は吸収体３をイン
ク吐出ノズル面４に接触させ、保持するためのものであ
り、インクジェット記録ヘッドが長期に渡り非使用状態
になる直前に装着するものでも良いし、記録装置にあら
かじめ装備されていて、記録ヘッドの再使用時には記録
ヘッドの吐出面の保護キャップとして使用されるもので
あっても良い。

【０００９】（実施例２）図２は本発明に関する実施例
２の模式図である。本実施例は前述した実施例１と吸収
体ケース２を粘着テープ７にした点が異なり、他は同様
である。これにより吸収体３を保持するコストが低下で
きる。

【００１０】（実施例３）図３は本発明に関する実施例
３の模式図である。本実施例は前述した実施例１および
２と異なっている点は、吸収体３を使用せずに、インク
ジェット記録ヘッド１のインク吐出面４に撥水性保持効
果のある液体６を塗布し、粘着テープ７で保持する点で
ある。吸収体３を使わないことにより複雑な形状の吐出
ノズル面４であってもノズル面全体に完全に液体６を接
触させることができる。

【００１１】（比較例１）実施例１と同様にし、吸収体
３には何もしみこませない状態とする。

【００１２】（比較例２）実施例２と同様にし、吸収体
３には何もしみこませない状態とする。

【００１３】（比較例３）実施例３と同様にし、インク
吐出面４に撥水性保持効果のある液体６を塗布しないで
、粘着テープ７でノズル面を保護する。

【００１４】前記実施例１〜３および比較例１〜３のイ
ンクジェット記録ヘッドをそれぞれ流路内に何も充填し
ない状態、下記組成の親水性保持液Ａを充填した状態お
よび下記組成のインクＢを充填した状態で４０℃で１カ
月間放置した後、インクＢを充填し、インクジェット記
録装置により印字し、以下の方法で印字品質を評価した
。そのときの吐出ノズル面の材質および撥水処理方法と
印字品質評価結果を表１に示す。

【００１５】 親水性保持液Ａの組成： エチレングリコール　　　　　　　　９９ｗｔ％ダイレ
クトブラック１５４　　　　１ｗｔ％インクＢの組成： フードブラック２　　　　　　　　　　　　２ｗｔ％グ
リセリン　　　　　　　　　　　　　　　　　　５ｗｔ
％エタノール　　　　　　　　　　　　　　　　　　５
ｗｔ％水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　８８ｗｔ％印字品質評価方法： １ページの連続印字を行なった後、３０秒待機させ再度
印字をさせる。そのときの印字状態を確認し飛行曲がり
の有無をチェックし、以下の基準に従って判断する。

【００１６】 全く曲がらない　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　◎やや曲がるが文字判別に影響ない　　　
　　　　　○曲がりが発生し文字判別に影響を与える　
　△ひどく曲がり文字が読み取れない　　　　　　　　
×

【００１７】

【表１】

【００１８】

【表２】

【００１９】

【表３】

【００２０】

【表４】

【００２１】

【表５】

【００２２】表１〜表５より明らかなように比較例１〜
３のインクジェット記録ヘッドは常温下に１カ月間放置
するといずれも吐出インク滴飛行曲がりが発生し、文字
が判別しにくくなってしまうのに対し、実施例１〜３の
インクジェット記録ヘッドによればインク吐出ノズル面
に撥水性保持効果のある液体が接触しているため常温下
に１カ月間放置しても吐出インク滴飛行曲がりが全く起
こらないかまたはやや曲がっても文字判別に影響ない程
度であった。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、記録
装置の非使用時に前記撥水性を保持する液体をインク吐
出ノズル面に接触させておくと、吐出ノズル面は空気中
の水蒸気吸着や酸化が起こらず、撥水面の劣化はない。 またヘッドのインク流路内に充填されているインクや、
親水効果のある混合液が漏れ出しても撥水面の撥水効果
を保ち、印字安定性の高いインクジェット記録装置が提
供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の模式図である。

【図２】実施例２の模式図である。

【図３】実施例３の模式図である。

【符号の説明】

１　　インクジェット記録ヘッド ２　　吸収体ケース ３　　吸収体 ４　　インク吐出ノズル面 ５　　流路 ６　　撥水性保持効果のある液体 ７　　粘着テープ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インクジェット記録ヘッドにおいて非使用
   時にインク吐出ノズル面に撥水性保持効果のある液体を
   接触させていることを特徴とするインクジェット記録ヘ
   ッド。
2. 【請求項２】前記撥水性保持効果のある液体を吸収体に
   よって保持し、インク吐出ノズル面に接触させているこ
   とを特徴とする請求項１記載のインクジェット記録ヘッ
   ド。
3. 【請求項３】前記撥水性保持効果のある液体を粘着テー
   プによって保持し、インク吐出ノズル面に接触させてい
   る事を特徴とする請求項１記載のインクジェット記録ヘ
   ッド。