JP2002169005A - 光学素子、光学装置および撮影装置 - Google Patents
光学素子、光学装置および撮影装置Info
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Abstract
学素子の薄型化を図ることが難しい。 【解決手段】 導電性又は有極性を有する第1の液体2
21およびこの第1の液体と混合することのない第2の
液体222を容器240,250内に収容し、第1の液
体に接する第1の電極251と容器側に設けられた第2
の電極243間への印加電圧の変化に応じて第1の液体
と第2の液体との界面224の形状が変化することによ
り光学特性が変化する光学素子において、容器における
光軸方向を向いた内面であって第2の液体の上記界面と
は反対側の面が接する界面対向面のうち中心側部分30
2を、周辺側部分241よりも上記界面側に形成する。
Description
ティング効果(電気毛管現象)を利用した光学素子およ
びこの光学素子を有する光学装置に関する。
なく可変焦点化にするために種々の提案がなされてい
る。
では、透明液体を密閉容器に封止し、容器が備えている
第1電極と導電性弾性板との間に電位差を与えるように
した光学素子が提案されている。
板との間に電位差を与えることにより、クーロン力によ
る吸引力を発生させて両者の間隔を狭め、両者の間隔か
ら排斥された透明液体の体積をもって、透明弾性板の中
央部分を透明液体に背向して凸形に変形させ、凸状に変
形した透明弾性板と透明板と両者の間を満たしている透
明液体とで凸レンズを形成させる。そして、この上記電
位差を変化させることによって凸レンズのパワーを変化
させることで、可変焦点の光学素子を構成している。
気毛管現象)を用いた可変焦点レンズが、国際特許99
/18456号にて開示されている。この可変焦点レン
ズでは、電気エネルギを直接、密閉容器に封止された第
1の透明液体と第2の透明液体との界面が形成するレン
ズの形状変化に用いることができるため、レンズを機械
的に移動させること無く可変焦点にすることができる。
その動作原理について本願図7〜図13を用いて説明す
る。
を示す断面図である。なお、ここでは、光軸123が上
下方向に延びているものとして説明する。
を示している。102は中央に凹部を設けた透明アクリ
ル製の透明基板である。この透明基板102の上面に
は、所定の表面抵抗率を有した、薄膜上の抵抗体である
透明電極103が形成され、その上面には透明アクリル
製の絶縁層104が密着して設けられる。なお、この透
明電極103には、後述するように複数の接続部が設け
られているが、図7および図8では示していない。
レプリカ樹脂を滴下し、ガラス板で押しつけて表面を平
滑にした後、UV照射を行い硬化させて形成する。絶縁
層104の上面には、遮光性を有した円筒型の容器本体
105が接着固定され、その上面には透明アクリル製の
上カバー106が接着固定される。
部に直径D3の開口を有した絞り板107が配置され
る。
本体105および上カバー106で囲まれた所定体積の
密閉空間、すなわち液室を有した筐体たる容器が形成さ
れる。そして、液室の壁面には、以下に示す表面処理が
施されている。
D1の範囲内に撥水処理剤が塗布され、撥水膜111が
形成されている。撥水処理剤としては、フッ素化合物等
が好適である。
外側の範囲には、親水処理剤が塗布され、親水膜112
が形成されている。親水剤としては、界面活性剤、親水
性ポリマー等が好適である。
2の範囲内に親水処理が施され、親水膜112と同様の
性質を有した親水膜113が形成されている。
材は、光軸123に対して回転対称形状をしている。
おり、ここに棒状電極125が挿入される。棒状電極1
25と孔との隙間は接着剤で封止され、液室の密閉性が
維持されている。
示)と棒状電極125には給電回路126が接続され、
スイッチ127の操作で両電極間に所定の電圧が印加可
能になっている。
す2種類の液体が充填収容される。まず、絶縁層104
上の撥水膜111の上には、第2の液体122が所定量
だけ滴下される。第2の液体122は無色透明で、比重
1.06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイル
が用いられる。
体121が充填される。第1の液体121は、水とエチ
ルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩
が加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38
の電解液である。
122は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに
混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そし
て、両液体121,122は界面124を形成し、混ざ
り合わずにそれぞれが独立して存在する。
る。まず、図7に示すように、第1の液体121と透明
電極103間に電圧が印加されていない場合、界面12
4の形状は、両液体121,122間の界面張力、第1
の液体121と絶縁層104上の撥水膜111あるいは
親水膜112との界面張力、第2の液体122と絶縁層
104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界面
張力および第2の液体122の体積で決まる。
の材料であるシリコーンオイルと、撥水膜111との界
面張力が相対的に小さくなるように材料選定されてい
る。すなわち、両材料間の濡れ性が高いため、第2の液
体122が形成するレンズ状液滴の外縁は広がる性向を
持ち、外縁が撥水膜111の塗布領域に一致したところ
で安定する。つまり、第2の液体122が形成するレン
ズ底面の直径A1は、撥水膜111の直径D1に等し
い。
述したように互いに等しいため、これら両液体121,
122には見かけ上重力は作用しない。このため、界面
124は球面になり、その曲率半径および高さh1は第
2の液体122の体積により決まる。また、第1の液体
121の光軸上の厚さはt1になる。
液体121と透明電極103間に電圧が印加されると、
エレクトロウェッティング効果によって第1の液体12
1と親水膜112との界面張力が減少し、第1の液体1
21が親水膜112と撥水膜111の境界を乗り越えて
撥水膜111上に入り込む。
122が作るレンズの底面の直径はA1からA2に減少
し、高さはh1からh2に増加する。また、第1の液体
121の光軸上の厚さはt2になる。
によって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化
し、両液体121,122間の界面124の形状が変わ
る。このため、給電回路126の電圧制御によって界面
124の形状を自在に変えることができる光学素子が実
現できる。
2が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとして
のパワーが付与されることになり、光学素子101は界
面124の形状変化によって焦点距離が可変であるレン
ズとなる。
方が曲率半径が短くなるので、図8に示した状態の光学
素子101の方が図7の状態に比べて光学素子101の
焦点距離が短くなる。
る2液界面の変形原理は、国際特許99/18456号
に開示されており、界面124は、同特許の図2に記載
された2液界面のポジションAおよびBに相当する。
学素子101の変形との関係を示している。
101に対して電圧値V0の電圧を印加すると、時定数
t11で光学素子101の界面124の変形が始まる
(図9(b)参照)。このまま電圧印加を続けていて
も、界面124が所望の変化量δ0に達する迄にはかな
り長い時間が必要となる。そこで、光学系としては誤差
として許容できる変形量、例えば図9(b)においては
所望の界面変化量δ0の95%(0.95δ0と表記)
まで界面124が変形した時(時刻t12)に所望の変
形量に達したと見なす。
1の次の制御、例えば光学素子101に印加している電
圧値を変更するといった制御には進まない設定になって
いる。なお、この許容できる変形量は、光学素子101
が組込まれる光学系に基づいて決定されるものである。
給電制御回路の構成を示している。ここでは、透明電極
103の複数の接続部に等しい電圧が印加された場合の
動作を説明する。
中央演算処理装置(以下、CPUと略す)であり、RO
M、RAM、EEPROM、A/D変換機能、D/A変
換機能、PWM(Pulse Width Modulation)機能を有す
る1チップマイコンである。
の直流電源、133は電源132から出力された電圧を
CPU130の制御信号に応じて所望の電圧値へと昇圧
するDC/DCコンバータ、134,135はCPU1
30の制御信号、例えばPWM機能が実現される周波数
/デューティ比可変信号に応じて、その信号レベルをD
C/DCコンバータ133で昇圧された電圧レベルにま
で増幅する増幅器である。
明電極103に、増幅器135は光学素子101の棒状
電極125にそれぞれ接続されている。なお、ここでは
説明を簡略化するために、透明電極103には増幅器1
34から出力される電圧がその表面に一定の値として印
加されるものとする。
に応じて、電源132の出力電圧がDC/DCコンバー
タ133、増幅器134、増幅器135によって所望の
電圧値、周波数およびデューティで光学素子101に印
加されるようになる。
力される電圧波形を示している。なお、DC/DCコン
バータ133から増幅器134,135へそれぞれ10
0Vの電圧が出力されたものとして以下説明を行う。
4,135はそれぞれ光学素子101に接続されてい
る。増幅器134からは、図11(b)に示すように、
CPU130の制御信号により所望の周波数、デューテ
ィ比で矩形波形の電圧が出力される。
に示したようにCPU130の制御信号により、増幅器
134とは逆位相で、同一周波数、同一デューティ比の
矩形波形の電圧が出力される。これにより、光学素子1
01の透明電極103および棒状電極125間に印加さ
れる電圧は、図11(d)に示すように±100Vの矩
形波形の電圧、つまり交流電圧となる。
子101には交流電圧が印加されることになる。
圧の印加開始からの実効値は図11(e)の様に表すこ
とができるので、以後、光学素子101に印加する交流
電圧の波形を図11(e)にならって表すこととする。
から矩形波形の電圧が出力されるものとして説明した
が、正弦波出力でも同様の構成となる。
132が組込まれた場合について説明を行ったが、外付
けの電源によって光学素子101に交流印加されるよう
にしてもよい。
について説明する。同図において、301は光学素子の
全体を示す。302は円盤形の透明アクリルあるいはガ
ラス製の第1の封止板である。
内径寸法は下方向に向かって徐々に直径が大きくなって
いる。この電極リング303は、不導体でできたリング
部材の表面に、カーボンと樹脂の混合物等の抵抗体を設
けたリング状部材である。
ル樹脂等でできた絶縁層304が密着形成される。絶縁
層304の内径寸法は均一なため、厚さは下に向かって
徐々に増加する。そして絶縁層304の内面全周の下側
には撥水処理剤が塗布され、撥水膜311が形成されて
いるとともに、絶縁層304の内面全周の上側には親水
処理剤が塗布され、親水膜312が形成されている。
ラス製の第2の封止板で、その一部には孔が開けられ
た、ここに棒状電極325が挿入される。棒状電極32
5と孔との隙間は接着剤で封止される。
径を制限する絞り板であり、第2の封止板306の上面
に固定される。そして、第1の封止板302、電極リン
グ303および第2の封止板306は互いに接着固定さ
れ、これらの部材で囲まれた所定体積の密閉空間、すな
わち液室を有した筐体としての容器が形成される。
は光軸323に対して軸対称形状をなしている。そし
て、液室には、以下に示す2種類の液体が充填される。
2が、その液柱の高さが撥水膜311形成部と同一の高
さになる分量だけ滴下される。第2の液体322は無色
透明で、比重1.06、室温での屈折率1.49のシリ
コーンオイルが用いられる。続いて、液室内の残りの空
間には、第1の液体321が充填される。第1の液体3
21は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、
更に所定量の食塩が加えられた、比重1.06、室温で
の屈折率1.38の電解液である。
322は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに
混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そし
て、両液体321,322は界面324を形成し、混ざ
り合わずにそれぞれが独立して存在する。
(容器)の内壁、第1の液体321および第2の液体3
22の3物質が交わる点、すなわち界面324の外縁部
に働く3つの界面張力の釣り合いで決まる。
同一の構成および作用をなす給電回路である。
リング303に接続され、増幅器135は棒状電極32
5に接続されている。
は棒状電極325を介して電圧が印加され、エレクトロ
ウェッティング効果によって界面324が変形する。
の変形と、この変形によってもたらされる光学作用につ
いて図13を用いて説明する。
ていない場合、図13(a)に示すように、界面324
の形状は、両液体321,322間の界面張力、第1の
液体321と絶縁層304上の撥水膜311あるいは親
水膜312との界面張力、第2の液体322と絶縁層3
04上の撥水膜311あるいは親水膜312との界面張
力、および第2の液体322の体積で決まる。また、第
1の液体321の光軸上の厚さはh1になる。
ると、エレクトロウェッティング効果によって第1の液
体321と親水膜312との界面張力が減少し、第1の
液体321が親水膜312と撥水膜311の境界を乗り
越えて撥水膜311上に入り込む。この結果、図13
(b)に示すように、第2の液体322の高さはh1か
らh2に増加する。また、第1の液体321の光軸上の
厚さはt2になる。
303間への電圧印加によって、2種類の液体の界面張
力の釣り合いが変化し、両液体321,322間の界面
324の形状が変わる。こうして、給電回路131の電
圧制御によって界面324の形状を自在に変えられる光
学素子が実現できる。
2が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとして
のパワーが付与されることになり、光学素子301は界
面324の形状変化によって焦点距離が変化する可変焦
点レンズとなる。
3(b)の状態での界面324の方が曲率半径が短くな
るので、図13(b)の光学素子301の方が図13
(a)の状態に比べて光学素子301の焦点距離が短く
なる。
による2液界面の変形原理も、国際特許99/1845
6号に開示されており、界面324は、同特許の図6に
記載された2液界面のポジションAおよびBに相当す
る。
に、透明液体を密閉容器に封止収容した可変焦点光学素
子においては、光軸方向の厚みを薄くしたいという要求
がある。
を、その強度を犠牲にして薄型にすることによって光学
素子全体の薄型化を図るには無理があり、また、薄型化
のために部品同士のクリアランスを小さくするにも限界
がある。
は、薄型化に関する説明はなされていない。
グ効果を利用した光学素子において、光軸方向について
の薄型化を図ることができるようにすることを目的とし
ている。
めに、導電性又は有極性を有する第1の液体およびこの
第1の液体と混合することのない第2の液体を容器内に
収容し、第1の液体に接する第1の電極と容器側に設け
られた第2の電極間への印加電圧の変化に応じて第1の
液体と第2の液体との界面の形状が変化することにより
光学特性が変化する光学素子において、容器における光
軸方向を向いた内面であって第2の液体の上記界面とは
反対側の面が接する界面対向面のうち中心側部分を、周
辺側部分よりも上記界面側に形成している。
て上記界面の周辺部が光軸方向に変位することにより、
上記界面の形状(曲率)が変化する。このため、上記界
面対向面のうち中心側部分を周辺側部分よりも上記界面
側に形成しておく(容器の内部における中心側の光軸方
向寸法を周辺側の光軸方向寸法よりも小さくしておく)
ことにより、必要な上記界面の周辺部の変位量(つまり
は、界面全体の曲率変化量)を確保しつつ、光学素子の
中心側部分の光軸方向厚さを薄くすることが可能とな
る。
を図ることにより、この光学素子が含まれるレンズユニ
ットを構成するレンズの設計自由度が増し、またレンズ
ユニット全体の光軸方向の寸法を短くすることが可能と
なる。
辺壁部において、上記界面対向面の中心側部分よりも上
記界面とは反対側の位置まで延出させておくと、上記界
面の周辺部を界面対向面の中心側部分の光軸方向位置を
超えて上記界面とは反対側まで変位させることが可能と
なり、上記界面の大きな曲率変化量を得ることが可能で
ある。
ち光軸方向一端側が他端側よりも光軸に近づくように傾
けることによって、第2の電極を光軸方向に平行とする
場合に比べて、光学素子の周辺側の薄型化を図ることが
可能である。
とするシート状に形成し、容器における光軸方向を向い
た内面であって第1の液体の上記界面とは反対側の面が
接する面の周辺側部分に沿って配置することにより、容
器の周辺壁部の全体に沿うように第2の電極を配置した
上で、第1の電極やこれに対する配線が光軸方向に突出
することのない、つまりは薄型の光学素子を構成するこ
とが可能である。
第2の電極間への印加電圧を変化させる給電制御回路と
を設けて光学装置を構成したり、上記光学素子を含む撮
影光学系と給電制御回路とを設けて撮影装置を構成した
りすれば、薄型の光学装置および撮影装置を構成するこ
とが可能である。
には、本発明の第1実施形態である光学素子の構成を示
している。なお、ここでは光軸223が上下方向に延び
ているものとして説明する。
全体を示している。240は不導体で形成された下容器
である。この下容器240の底面のうち周辺部には第1
の凹部241が形成されているとともに、これよりも内
径側(中心側)には第1の封止板202を保持する第2
の凹部242が形成されている。第1の封止板202
は、透明アクリルあるいはガラスにより形成されてい
る。
は第2の電極リング343が設けられており、この第2
の電極リング243の表面には、電極端面243aもカ
バーするアクリル樹脂等でできた絶縁層244が密着形
成されている。
223に対して下端側が上端側よりも光軸223に近づ
くように傾いている。このため、第1の電極リング24
3と絶縁層244も共に光軸223に対して傾いてい
る。
て徐々に増加している。また、絶縁層244の内面全周
の下側には、撥水処理剤が塗布されて撥水層211が形
成されている。さらに、絶縁層244の内面全周の上側
には、親水処理剤が塗布されて親水層212が形成され
ている。
り、その内径側で、透明アクリルあるいはガラスにより
形成された第2の封止板206を保持する。また、上容
器250の周辺部下面には、シート状の第1の電極リン
グ251が密着形成されている。
絶縁層252が密着形成されているが、後述する第1の
液体221に接してこれに電圧を印加するための露出部
251aが備わるように、絶縁層252は第1の電極リ
ング251の外縁側のみをカバーするように形成されて
いる。
250とを液密に封止することにより、下容器240、
上容器250、第1の封止板202および第2の封止板
206で囲まれた所定体積の液室を有した筐体としての
容器が形成される。
状をなしている。そして、液室には、以下に示す2種類
の液体が充填される。
2の上面および下容器240の周辺側の底面(これらが
界面対向面に相当する)には、第2の液体222が、そ
の液柱の高さが周辺壁部の撥水膜211の中間の高さに
なる分量だけ滴下される。
06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイルが用
いられる。続いて、液室内の残りの空間には、第1の液
体221が充填される。第1の液体221は、水とエチ
ルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩
が加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38
の電解液(導電性又は有極性を有する液体)である。
222は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに
混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そし
て、両液体221,222は界面224を形成し、混ざ
り合わずにそれぞれが独立して存在する。
(容器)の内面、第1の液体221および第2の液体2
22の3物質が交わる点、すなわち界面224の外縁部
に働く3つの界面張力の釣り合いで決まる。
電極リング203とに接続された給電回路である。な
お、この給電回路231の構成および作用は、図10に
示した給電回路126と同一である。
ず)はそれぞれ、第1の電極リング251および第2の
電極リング243から上容器250の下面に沿って光軸
直交方向に引き出された端子部251b,243bに接
続されている。これにより、例えば図10に示した光学
素子301のように、電極325および配線が光学素子
から光軸方向に突出することを回避でき、電極を含めた
光学素子全体の薄型化に有効である。
第1の電極リング251および第2の電極リング243
を介して電圧が印加されると、エレクトロウェッティン
グ効果によって界面224が変形する。
の変形と、この変形によってもたらされる光学作用につ
いて説明する。
ていない場合、図1に示すように、界面224の形状
は、両液体221,222間の界面張力、第1の液体2
21と絶縁層244上の撥水膜211あるいは親水膜2
12との界面張力、第2の液体222と絶縁層244上
の撥水膜211あるいは親水膜212との界面張力、お
よび第2の液体222の体積で決まる。
ると、エレクトロウェッティング効果によって第1の液
体221と親水膜212との界面張力が減少し、第1の
液体221が親水膜212と撥水膜211との境界を乗
り越えて撥水膜211上に入り込む。この結果、図2に
示すように、第2の液体222の光軸上での高さが増加
する。
51,243を通じた第1の液体221への電圧印加に
よって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、
両液体221,222間の界面224の形状が変わる。
こうして、給電回路231の電圧制御によって界面22
4の形状を自在に変えられる光学素子が実現できる。
2が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとして
の光学パワー(1/f:fは焦点距離)が付与されるこ
とになり、光学素子230は界面224の形状変化によ
って焦点距離が変化する可変焦点レンズとなる。
の界面224の方が曲率半径が短くなるので、図2の状
態の方が図1の状態に比べて光学素子230の焦点距離
が短くなる。
ている。図3に示すように、電圧を印加した時の界面2
24の周縁部は、撥水層211(ないし絶縁層244)
の下端部からL1だけ離れた位置にあり(これは界面2
24と絶縁層とのクリアランスに相当する)、また絶縁
層244と下容器240に設けられた第1の凹部241
とのクリアランス、つまりは電極リング243、絶縁層
244、下容器240のそれぞれの製造誤差や組立て誤
差を吸収するためのクリアランスはL2となっている。
する1つの項目に液室高さが挙げられるが、その中でも
上記両クリアランスL1,L2、つまりメカ的なクリア
ランスによる制限が大きなウエイトを占めている。
リアランスが必要な個所である周辺部のみ液室の高さが
大きい設定となっている。つまり、容器底面のうち第1
の電極リング243の近傍である周辺部に、内径側の第
1の封止板202の上面よりも下がった凹部241を設
け、容器の周壁部に設けた第2の電極リング243の下
部を、第1の封止板202の上面よりも下側(界面22
4とは反対側)まで延ばすことで、液室内の周辺部の高
さT2を確保している。このため、上記クリアランスを
十分にとることができる。
なメカ的な制限がないので、凹部241よりも第1の封
止板202の上面を界面224側に高くすることで、液
室内径側の高さをT2より小さいT1としている。つま
り、第1の封止板202の上面を、凹部241に比べて
第2の液体222側に入り込ませた形にしている。な
お、内径側の液室高さT1は、界面224の変形による
光学素子230の光学性能を満足できる高さは確保され
ている。
は、内径側の液室高さは上容器250の下面と第1の封
止板202の上面とで規定される高さT1となってお
り、周辺側の液室高さは上容器250(第2の電極リン
グ251)の下面と下容器240の凹部241とで規定
される高さT2となっている。そして、T1<T2の関
係にある。
化量)を十分確保しつつ、容器(つまりは光学素子23
0)の内径側の光軸方向厚さを、周辺側の厚さよりも薄
くすることができる。
243を光軸223に対して傾けることにより、周辺側
の液室高さT2を、図12および13に示した光学素子
301の液室高さ(t1+h1)よりも小さくしてい
る。この結果、光学素子230の周辺側の薄型化も可能
である。
実施形態である光学素子の構成を示している。この光学
素子370は、図12に示した光学素子301の第1の
封止板302に代えて、その形状が、第2の電極リング
303の近傍である周辺側部分から光軸323に向かっ
て徐々に界面324側に凸となるよう変化する第1の封
止板372を使用したものである。これにより、液室の
高さは、周辺側が高く、内径側が低くなる。
説明した周辺部でのクリアランスを確保することができ
るとともに、光学素子370の内径側での光軸方向厚さ
を薄くすることができる。
各実施形態にて説明したものに限らず、光軸方向を向い
た内面であって第2の液体の界面(第1および第2の液
体の界面)とは反対側の面が接する界面対向面のうち中
心側部分を、周辺側部分よりも上記界面側に形成した容
器であればよい。
として円盤形状に形成し、第2の電極を円形リング状に
形成した場合について説明したが、容器を矩形盤状や多
角形盤状に形成してもよい。この場合、容器の形状に合
わせて第2の電極を矩形又は多角形リング(枠)状に形
成して容器の周辺壁部に配置する。
形状にかかわらず適用することができる。
形態の光学素子230を光学装置としての撮影装置に応
用した例を示している。本実施形態の撮影装置550
は、静止画像を撮像素子で電気信号に光電変換し、これ
をデジタルデータとして記録する、いわゆるデジタルス
チルカメラである。
らなる撮影光学系(結像光学系)であり、第1レンズ群
541、第2レンズ群542および光学素子230によ
り構成される。
41の光軸方向の進退で焦点調節がなされ、光学素子2
30のパワー変化でズーミングがなされる。第2レンズ
群542は移動しないリレーレンズ群である。
541と第2レンズ群542の間に配置され、第1レン
ズ群541と光学素子230との間には、絞り開口径を
変化させて撮影光量を調整するための絞りユニット54
3が配置されている。
結像面)には、撮像素子544が配置される。これは、
照射された光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換
部、この電荷を蓄える電荷蓄積部およびこの電荷を転送
して外部に送出する電荷転送部からなる2次元CCD等
の光電変換素子が用いられる。
子544から入力したアナログの画像信号をA/D変換
し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強
調等の画像処理を施す。
撮像素子544を通じて取得した被写体像やこの撮影装
置550の動作状況を表示する。
プログラム実行状態に起動するメインスイッチである。
(W)側およびテレ(T)側のズームスイッチであり、
撮影者によるこれらズームスイッチの操作に応じて、撮
影光学系540の焦点距離の変更駆動が行われる。
群で、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、シャッタ
ー秒時等を設定する撮影条件設定スイッチ等で構成され
る。
に用いられる位相差検出式の焦点検出動作を行うもの
や、三角測量の原理を用いて被写体までの距離を検出す
るもの等が用いられる。
レンズ群541を光軸方向に進退させるアクチュエータ
とドライバ回路を含み、焦点検出装置555で演算され
たフォーカス信号に基づいてフォーカス動作を行ない、
撮影光学系540を合焦させる。
像信号を記録する。具体的には、着脱可能なPCカード
型のフラッシュメモリ等が好適である。
U530の動作を示す制御フローチャートである。以
下、図5および図6を用いて撮影装置550の動作を説
明する。
チ552がオン操作されたかどうかを判別し、オン操作
されていない時はそのまま各種スイッチの操作を待つ待
機モードの状態となる。ステップS101においてメイ
ンスイッチ552がオン操作されたと判定すると、待機
モードを解除し、次のステップS102以降へと進む。
条件の設定を受け付ける。例えば、露出制御モードの設
定(シャッター優先AE、プログラムAE等)や画質モ
ード(記録画素数の大小、画像圧縮率の大小等)、スト
ロボモード(強制発光、発光禁止等)等の設定を受け付
ける。
側ズームスイッチ553aが操作されたか否かを判別す
る。オン操作されていない場合はステップS104に進
む。ここでW側ズームスイッチ553aが操作された場
合は、ステップS121に移行する。
チ553aの操作量(操作方向やオン時間等)を検出
し、その操作量に基づいて対応する焦点距離変化量を演
算する(S122)。そして、ステップS123では、
その演算結果によって光学素子230への印加電圧量を
決定し、給電回路131の出力電圧を制御して光学素子
230に電圧を印加する(S124)。そしてステップ
S102へ戻る。
作され続けている場合は、ステップS102からステッ
プS124を繰り返し実行し、W側ズームスイッチ55
3aのオン操作が終了した時点でステップS104へと
移行する。
側ズームスイッチ553bが操作されたか否かを判別す
る。オン操作されていない場合はステップS105に進
む。ここでT側ズームスイッチ553bが操作された場
合は、ステップS121に移行する。
チ553bの操作量(操作方向やオン時間等)を検出
し、その操作量に基づいて対応する焦点距離変化量を演
算する(S122)。そして、ステップS123では、
その演算結果によって光学素子230への印加電圧量を
決定し、給電回路231の出力電圧を制御して光学素子
230に電圧を印加する(S124)。そしてステップ
S102へ戻る。
作され続けている場合は、ステップS102からステッ
プS124を繰り返し実行し、T側ズームスイッチ15
3bのオン操作が終了した時点でステップS105へと
移行する。
作スイッチ群554のうち、撮影準備スイッチ(図6の
フローチャートではSW1と表記)のオン操作が行われ
たか否かを判別する。オン操作されていない場合はステ
ップS102に戻り、撮影条件設定の受付けや、ズーム
スイッチ553の操作の判別を繰り返す。ステップS1
05で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定する
と、ステップS111へ移行する。
よび信号処理回路545を駆動して、プレビュー画像を
取得する。プレビュー画像とは、最終記録用画像の撮影
条件を適切に設定するためおよび撮影者に撮影構図を把
握させるために撮影前に取得する画像のことである。
で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。具
体的には、撮像素子544が出力する画像信号におい
て、最高、最低および平均の出力信号レベルを演算し、
撮像素子544に入射する光量を認識する。
で認識した受光量に基いて、撮影光学系540内に設け
られた絞りユニット543を駆動して適正光量になるよ
うに絞りユニット543の開口径を調整する。
で取得したプレビュー画像を表示器551に表示する。
続いて、ステップS115では、焦点検出装置555を
用いて撮影光学系540の焦点調節状態を検出する。続
いて、ステップS116では、フォーカス駆動回路55
6を通じて第1レンズ群141を光軸方向に進退させ、
合焦動作を行なう。
イッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がな
されたか否かを判別する。オン操作されていない時はス
テップS111に戻り、プレビュー画像の取得からフォ
ーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作す
ると、ステップS117からステップS131にジャン
プする。
わち撮像素子544上に結像した被写体像を光電変換
し、光学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷
蓄積部に蓄積される。
で蓄積された電荷を電荷転送ラインを介して読み出し、
読み出しされたアナログ信号を信号処理回路145に入
力させる。
5において、入力したアナログ画像信号をA/D変換
し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強
調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU53
0内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮等
を施す。
33で得られた画像信号をメモリ557に記録すると同
時に、ステップS135にて一旦プレビュー画像を消去
した後に、ステップS133で得られた画像信号を表示
器551に改めて表示する。その後、給電回路231を
制御して光学素子230への電圧印加をオフし(S13
6)、一連の撮影動作を終了する。
学素子を用いた場合について説明したが、第2実施形態
にて説明した光学素子も用いることができる。
てデジタルスチルカメラを取り挙げたが、本発明の光学
素子は、ビデオカメラや銀塩カメラといった他の撮影装
置や光学系を備えた各種光学装置にも効果を損なわずに
適用することができる。
容器内面における第2の液体と接する界面対向面のうち
中心側部分を周辺側部分よりも2液の界面側に形成して
おくことにより、必要な上記界面の周辺部の変位量(つ
まりは、界面全体の曲率変化量)を確保しつつ、光学素
子の中心側部分の光軸方向厚さを薄くすることができ
る。
薄型化を図ることにより、この光学素子が含まれるレン
ズユニットを構成するレンズの設計自由度が増し、また
レンズユニット全体の光軸方向の寸法を短くすることが
できる。
いて、上記界面対向面の中心側部分よりも上記界面とは
反対側の位置まで延出させておくと、上記界面の周辺部
を界面対向面の中心側部分の光軸方向位置を超えて上記
界面とは反対側まで変位させることができ、上記界面の
大きな曲率変化量を得ることができる。
ち光軸方向一端側が他端側よりも光軸に近づくように傾
けることによって、第2の電極を光軸方向に平行とする
場合に比べて、光学素子の周辺側の薄型化を図ることが
できる。
とするシート状に形成し、容器における光軸方向を向い
た内面であって第1の液体の上記界面とは反対側の面が
接する面の周辺側部分に沿って配置すれば、容器の周辺
壁部の全体に沿うように第2の電極を配置した上で、第
1の電極やこれに対する配線が光軸方向に突出すること
のない、つまりは薄型の光学素子を構成することができ
る。
第2の電極間への印加電圧を変化させる給電制御回路と
を設けて光学装置を構成したり、上記光学素子を含む撮
影光学系と給電制御回路とを設けて撮影装置を構成した
りすれば、薄型の光学装置および撮影装置を実現するこ
とができる。
印加時)の断面構成図である。
る
成図である。
置)の構成図である。
る。
である。
図である
形量との関係を示す説明図である。
給電制御回路の構成図である。
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 導電性又は有極性を有する第1の液体お
よびこの第1の液体と混合することのない第2の液体を
容器内に収容し、前記第1の液体に接する第1の電極と
前記容器側に設けられた第2の電極間への印加電圧の変
化に応じて前記第1の液体と前記第2の液体との界面の
形状が変化することにより光学特性が変化する光学素子
において、 前記容器における光軸方向を向いた内面であって前記第
2の液体の前記界面とは反対側の面が接する界面対向面
のうち中心側部分を、周辺側部分よりも前記界面側に形
成したことを特徴とする光学素子。 - 【請求項2】 前記第2の電極を、前記容器の周辺壁部
に配置したことを特徴とする請求項1に記載の光学素
子。 - 【請求項3】 前記容器の内部における中心側の光軸方
向寸法が、周辺側の光軸方向寸法よりも小さいことを特
徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。 - 【請求項4】 前記第2の電極が、前記容器の周辺壁部
において、前記界面対向面の中心側部分よりも前記界面
とは反対側の位置まで延出していることを特徴とする請
求項2に記載の光学素子。 - 【請求項5】 前記容器の中心側部分の光軸方向厚さ
が、周辺側部分の光軸方向厚さよりも薄いことを特徴と
する請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。 - 【請求項6】 前記第2の電極が、この第2の電極のう
ち光軸方向一端側が他端側よりも光軸に近づくように傾
いていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに
記載の光学素子。 - 【請求項7】 前記第1の電極を、光軸方向を厚さ方向
とするシート状に形成し、前記容器における光軸方向を
向いた内面であって前記第1の液体の前記界面とは反対
側の面が接する面の周辺側部分に沿って配置したことを
特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光学素
子。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の光学
素子と、前記第1および第2の電極間への印加電圧を変
化させる給電制御回路とを有することを特徴とする光学
装置。 - 【請求項9】 請求項1から7のいずれかに記載の光学
素子を含む撮影光学系と、前記第1および第2の電極間
への印加電圧を変化させる給電制御回路とを有すること
を特徴とする撮影装置。
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