JP2000081562A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP2000081562A
JP2000081562A JP30029998A JP30029998A JP2000081562A JP 2000081562 A JP2000081562 A JP 2000081562A JP 30029998 A JP30029998 A JP 30029998A JP 30029998 A JP30029998 A JP 30029998A JP 2000081562 A JP2000081562 A JP 2000081562A
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lens
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Kimihiko Nishioka
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性可変光学素子を備え、光学素子の
光学特性を変化させた時の収差やフレアーの変動を補正
する。 【解決手段】 電子回路のMTF特性を変化させるか
画像処理方法を変化させて収差やフレアーの変動を補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可変焦点レンズ、可
変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変焦点ミラ
ー等の光学特性可変光学素子を備えた撮像装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の可変焦点レンズは、ガラスを研磨
して製造したレンズを用い、レンズ自体で焦点距離を変
化させることができないために、例えばカメラのズーム
レンズのように、レンズ群の一部を光軸方向に移動させ
て焦点距離を変化させるために、機械的構造が複雑であ
る。
【0003】このような欠点を除去するためには、レン
ズ自体の焦点距離を変化させる必要があり、例えば図3
6に示すように偏光板151と液晶レンズ152を用い
た光学系が提案されている。この光学系で用いる液晶レ
ンズ152は、レンズ153aと153bと、これらレ
ンズ153a、153bの間に透明電極154aと15
4bを介して設けた液晶層155とを有している。この
液晶レンズ152の透明電極154a、154b間にス
イッチ156を介して交流電源157を接続し、液晶層
155に選択的に電界を印加することにより、液晶層の
屈折率を変化させるように構成されている。
【0004】この図36に示すような偏光板151を液
晶レンズ152とにより構成された光学系は、光学系に
例えば自然光を入射させると、その所定の直線偏光成分
のみが偏光板151を透過し、液晶レンズに入射する。
【0005】ここで図36に示すように、スイッチ15
6がオフで液晶レンズ152の液晶層155に電界が印
加されない状態では、液晶分子155aはその長軸が入
射する直線偏光と同じ方向に向くため、液晶層155の
屈折率が高くなり、液晶レンズ152の焦点距離が短く
なる。
【0006】これに対し、図37に示すように、スイッ
チ156がオンであって、液晶層155に電界が印加さ
れた状態では、液晶分子155aは、その長軸方向が光
軸と平行になるので液晶層155の屈折率が低くなり、
液晶レンズ152の焦点距離は長くなる。
【0007】このように、図36,37に示す光学系
は、液晶レンズ152に選択的に電界を印加することに
より、その焦点距離が変化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図36,37に示す液
晶レンズを用いた光学系は、液晶レンズ152の前方に
偏光板151を配置して、所定の直線偏光成分のみを液
晶レンズ152に入射させる必要があり、そのために偏
光板151を透過して液晶レンズ152に入射する光が
減少し、光の利用効率が減少するという欠点がある。
【0009】又、このように利用効率が低いために、こ
の光学系を適用し得る製品が限定され、汎用性に欠ける
という欠点もある。更に焦点距離を変化させるのに時間
を要するという欠点もある。
【0010】又以上述べた液晶レンズ等の光学特性可変
光学素子は、その光学特性例えば焦点距離を変化させた
とき、収差が変動したりフレアーが増大する等の欠点が
ある。
【0011】本発明は、光学特性可変光学素子を備えた
撮像装置で、光学特性を変化させた時の収差やフレアー
の変動を補正するようにした撮像装置を提供するもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の撮像装置は、光
学特性可変光学素子を有するもので、その光学特性可変
光学素子の光学特性を変化させた時の収差変動等を電子
回路のMTF特性を変化させるか、画像処理方法を変化
させることにより補正するようにしたことを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】次の本発明の光学特性可変光学素
子の実施の形態について述べる。
【0014】本発明の光学特性可変光学素子の第1の実
施の形態についてその光学素子として可変焦点レンズを
例として述べると、例えば図1に示す通りの構成であ
る。図1において1は屈折率の異方性が負の液晶、2は
配向膜、3は透明電極で透明基板4、5に設けられてい
る。
【0015】このような構成の光学素子において、屈折
率の異方性が負の液晶1は、屈折率楕円体が図2に示す
ような形状をし、次の式(1)にて示す関係を有するこ
とを特徴としている。
【0016】 ne<nox, ne<noy (1) ここでneは異常光線の屈折率、noxはx方向偏光の屈
折率、noyはy方向偏光の屈折率である。
【0017】又、上記液晶1は、下記式(2)を満足す
る。 nox=noy≡no (2) ただしnoは常光線の屈折率である。
【0018】このような屈折率の異方性が負の液晶より
なる可変焦点光学素子は、電圧が印加されない場合、液
晶1の分子のz方向が光軸の方向つまりZ方向を向くよ
うに配向膜3が形成されている。
【0019】このとき入射光に対する液晶の屈折率はn
oであって、光学素子は凸レンズとして作用する。
【0020】次に図1においてスイッチ9をオンにする
と液晶分子10の方向は図3に示すように向くため入射
光に対する屈折率は、下記式(3)のようになり低下す
る。 n=(ne+no)/2 (3)
【0021】このような屈折力の低下により、素子は凸
レンズとしての屈折力が弱くなり焦点距離が大になって
可変焦点レンズとして作用する。又可変抵抗13を変化
させることにより、屈折率の変化は連続的になり、した
がって光学素子の焦点距離は連続的に変化させ得る。
【0022】ここで、配向膜2は液晶分子10を垂直配
向するように作られており、液晶分子10の方位角A
は、図4に示すようにx,y平面内でランダムになる。
【0023】したがって、どのような偏光の光が光学素
子に入射しても同一の焦点距離を有する可変焦点レンズ
として作用する。
【0024】なお、液晶1はもともと図1に示すような
ホメオトロピック配向を有する性質を有しており、その
ため配向膜2は用いなくともよい。
【0025】また、液晶分子10の配向を変えるために
電圧の変化に代えて電場の周波数、磁場、温度等を変化
させてもよい。
【0026】又、液晶分子10が図5に示すように規則
的にほぼ直交する配向にしても図4に示す場合と同様な
効果が得られる。この時の液晶分子10の配列の周期S
は、下記式(4)のように使用する光の波長λに比べて
小さい方が光の散乱が少なくフレアーが減るため好まし
い。 0.5nm<S<λ (4)
【0027】ここで波長λは可視光の場合350nm〜
700nmである。つまり可視光の場合式(4)は下記
の通りである。 0.5nm<S<700nm
【0028】又、近赤外光の場合は、波長λは650n
m〜1200nmであり、したがって式(4)は下記の
ように表わすことができる。0.5nm<S<1200
nm
【0029】図5に示すように液晶分子10を配向させ
るためには、図6に示すようなピッチSの細かい溝11
を規則的に設ければよい。この溝11の深さは0.1n
m〜 数十nmで、例えば、日本光学会発行の菊田・
岩田共著、「波長より細かな格子構造による光制御光
学」27巻1号12頁〜17頁(1998)に記載され
ているような、描画露光とエッチングにより作ることが
できる。又、エッチング等により溝を形成した型を作
り、この型を用いてプラスチックに転写してもよい。
【0030】図6に示すパターンの代わりに、図7に示
すような格子パターンの凹凸12等を用いてもよく、
x,y平面内で見た時の液晶分子10の方位が平均して
いればよい。つまり液晶1の屈折率が方位により異なら
なければよい。
【0031】このパターンは、配向膜3ではなく、透明
基板5又は6の表面に形成してもよい。この場合、配向
膜3は省略し得ることもある。又微細な溝11はへこみ
でなく逆に出っ張っていてもよい。
【0032】このように、xy平面内での液晶分子10
の方位を平均化して偏光によらず、ぼけない液晶レンズ
は、液晶が屈折率の異方性が負の場合のみでなく、下記
式(5)に示すような正のネマチック液晶を用いても、
図1と同様の構成の本発明の光学特性光学素子が実現で
きる。 ne>no (5)
【0033】又、高分子分散液晶、カイラルスメクチッ
ク液晶、カイラルコレステリック液晶、強誘電性液晶、
反誘電性液晶、強誘電体等の電気光学効果、磁気光学効
果をもつ物質も本発明に適用できる。
【0034】上記の各物質は、本発明の前記実施の形態
の他、後に詳細に述べる実施の形態にも適用できる。
【0035】図8、図9は、本発明の他の第2の実施の
形態を示す図で、光軸方向及びそれと直交する方向に電
場を加えることにより液晶14の配向変化を高速にした
液晶レンズの例である。
【0036】これら図における、液晶14は図1に示す
液晶と同様屈折率異方性が負の液晶である。又この実施
の形態は、電場を印加する部材として、図1等に示すよ
うな電極とこれに接続する交流電源8、スイッチ9、可
変抵抗13よりなる部材のほかに光軸6を挟んで相対し
て配置した電極19とこれに接続する交流電源18、ス
イッチ16、可変抵抗17よりなる他の電場を印加する
部材を備えた構成の光学特性可変光学素子(可変焦点レ
ンズ)である。
【0037】この可変焦点レンズつまり、液晶レンズに
おいて、図8はスイッチ9がオンでスイッチ16がオフ
の状態を示してある。
【0038】この液晶レンズ15の焦点距離を変化させ
るためには、図9に示すようにスイッチ9をオフにし、
これとほぼ同時にスイッチ16をオンにする。これによ
り電極19を通して液晶14に電場が加わり、液晶14
は、そのz方向を光軸と平行に変え、したがって液晶レ
ンズの屈折率は大になり凹レンズとしての作用が強くな
り焦点距離が変化する。
【0039】図10は、図8、図9に示す液晶光学素子
15を+z軸方向より見た図であって、電極19の配置
位置とその形を示した図である。
【0040】図11は、図8、図9、図10に示す第2
の実施の形態の変形例であって、これらと電極19の配
置位置と形状が異なる変形例である。尚図11において
(A)は+z方向から見た図、(B)は−x方向から見
た図である。つまり図11(B)に示す透明基板4又は
5のうちの少なくとも一方の外周部に図11(A)のよ
うに透明電極4とは絶縁された状態で電極19を設けた
もので、図10に示すものとほぼ同様の効果が得られ
る。
【0041】図8等に示す第2の実施の形態は、液晶分
子14のz軸を光軸6に平行に向ける時の応答速度が図
3等に示す実施の形態の液晶レンズに比べて速くできる
ことが特徴である。
【0042】また、液晶分子14には、液晶レンズ15
の焦点距離が長い場合も短くなる場合も電場が加わって
おり、液晶分子の配向にばらつきが少なく光の散乱が少
ない点で優れている。
【0043】また、可変抵抗13および17を適当に調
整することによって液晶レンズ15の焦点距離を連続的
に変化させることができる。その時の液晶分子14の配
向は図8に示すスイッチ9がオンでスイッチ16がオフ
の状態と、図9に示すスイッチ9がオフでスイッチ16
がオンの状態の中間の状態になる。
【0044】以上の説明は、液晶分子10又は14の駆
動交流周波数に対する誘電異方性も屈折率異方性と同様
に負であるとして説明した。
【0045】このような液晶の例としてはディスコティ
ック液晶があげられている。
【0046】また、図8等に示す第2の実施の形態にお
いて液晶分子14の代わりに正の屈折率異方性と誘電異
方性をもつネマチック液晶20を用いた液晶レンズが図
12に示す可変焦点レンズ21である。したがって下記
の式(5)の関係が成り立つ。 ne>no (5)
【0047】ネマチック液晶20は、螺旋状にピッチP
で配向している。
【0048】図12は、前記可変焦点レンズを用いたデ
ジタルカメラ撮像装置である。この図12に示す撮像装
置にて用いられている可変焦点レンズは、一つの液晶分
子20の方向はほぼX−Y平面に平行である。液晶のピ
ッチPの値が可変焦点レンズ21を使用する光の波長λ
の20倍〜60倍程度以下であるとすれば、液晶分子2
0は、実用上等方媒質であるとみなすことができる。
【0049】今ピッチPが波長λ以下つまり下記式
(6)にて示す通りであるとする。 P<λ (6)
【0050】するとこの液晶は等方媒質に近づく。以下
その理由をのべる。
【0051】今、下記条件(5−1)を満足するとす
る。 P<<λ (5−1)
【0052】このように、ピッチPが光の波長λに比べ
て非常に小さいと、液晶は入射光の偏光によらず、下記
(5−2)にて与えられる屈折率n’をもつ媒質として
作用する。 n’=(ne+no)/2 (5−2)
【0053】次に、ジョーンズのベクトルと行列によっ
て、なぜ、この実施の形態のネマチック液晶が実行的に
屈折率n’の等方的な媒質としてふるまうのかを説明す
る。
【0054】コロナ社発行の吉野勝美、尾崎雅則共著
「液晶とディスプレイ応用の基礎」の85頁〜92頁に
示される、式によれば、絶対的な位相の変化exp(−
iα)を含めた時、図12に示した厚さdのネマテック
液晶に対するジョーンズの行列Wtは下記の式(5−
3)にて与えられる。
【0055】ただし、Φ、Γ、α、X、R(−Φ)は夫
々下記の式(5−4)、(5−5)、(5−6)、(5
−7)、(5−8)の通りである。 Φ=2πd/P (5−4) ここで、常光を液晶分子の短軸方向の偏光と定義し、異
常光を液晶分子の長軸方向の偏光、又は、長軸を光軸に
垂直な平面へ投影した時の方向の偏光と定義すると、Γ
はネマテック液晶による常光と異常光の位相差を表わ
す。
【0056】なお、Φはネマテック液晶の液晶分子の、
捩れ角をラジアンで表わしたものである。又式(5−
3)、式(5−8)の座標系は、図12に示すx,y,
z軸のように取るものとする。つまり、x軸は紙面の表
から裏側へ向かっており、y軸はカイラルネマテック液
晶の入射面での液晶分子長軸の方向である。式(5−
1)の条件のもとで、式(5−3)のWtがどのように
なるかを調べてみる。
【0057】式(5−1)は次の式(5−9)のように
変形できる。 0<P/λ<<1 (5−9)
【0058】そこでp/λ→0の時、式(5−3)のW
tの極限値WtLを求める。
【0059】Γ/Φは(5−10)にて与えられる。 Γ/Φ=(ne−no)(P/λ) (5−10)
【0060】したがって、P/λ<<1のときΓ/Φは
式(5−11)に示すようになる。
【0061】 |Γ/Φ|<<1 (5−11)
【0062】したがってP/λ→0のとき|Γ/Φ|→
0となる。
【0063】式(5−11)の条件のもとでは、式(5
−7)のXは、下記式(5−12)、(5−13)、
(5−14)のようになる。 と近似でき、P/λ→0のとき、それぞれ、 X→Φ (5−16) cosX→cosΦ (5−17) となるので、P/λ→0のとき、WtLは(5−20)の
ようになる。
【0064】これは屈折率n’=(ne+no)/2、厚
さdの、光軸に沿って等方な媒質のジョーンズ行列にほ
かならない。
【0065】したがって、P/λ<<1であるので、図
12の可変焦点レンズ21は、屈折率n’のレンズとし
て作用しぼけのない結像が実現できる。
【0066】尚、図14のように液晶が中間の配列の場
合においても、neの値を、neとnoのある中間の値で
ある異常光の屈折率ne’で置きかえることで、上記の
式(5−3)〜(5−20)を満足するようにすること
が可能である。
【0067】尚、図12のように構成することにより電
圧の印加のしかたとしては、連続可変に限らず、いくつ
かの離散的な電圧値の中から印加電圧を選択するように
しても、可変焦点レンズが実現できる。
【0068】ここで、図12のような構成の可変焦点レ
ンズの実際的な例について、詳細に説明する。
【0069】式(5−20)にはP/λ→0の極限の場
合が示されているが、実際の液晶レンズ、可変焦点レン
ズではかならずしも極限値があてはまらない場合もある
ので、式(5−3)の近似式を導いてみる。P/λ<1
でなくても良い。
【0070】式(5−3)をP/λの1次までを考えて
近似すると、次のようになる。つまり、式(5−12)
〜式(5−14)で、P/λの1次まで、即ち式(5−
10)より、Γ/Φの1次までを残し、Γ/Φの2次以
上を省略すると式(5−21)のようになる。
【0071】これら式(5−20)、(5−21)、
(5−22)より下記式(5−23)が得られる。
【0072】したがって、WtNの値が、等方媒質のジョ
ーンズ行列とほぼ等しいとみなせるためには、|i・Γ
/2Φ|が0に近ければよい。この時WtNは下記式(5
−24)に近づく。
【0073】この式(5−24)は、液晶が入射光の偏
光方向Γ/4・Γ/Φだけ回転するが、等方媒質である
とみなせることを意味している。
【0074】したがって、式(5−25)を満足する、
つまりおよそ式(5−26)を満足すれば、ぼけない可
変焦点レンズが得られる。
【0075】 |i・(Γ/2Φ)|≒0 (5−25) |Γ/2Φ|<0.11 (5−26) 式(5−10)より、Γ/2Φは下記式(5−27)に
て表わされる。
【0076】実際のレンズ付撮像装置、例えば電子カメ
ラ、VTRカメラ、電子内視鏡等の、比較的低コストの
製品等のレンズに本発明の可変焦点レンズを用いる場
合、固体撮像素子の画素数が少なく、高解像を要求しな
い場合もあるので、式(5−26)は条件をゆるめるこ
とができ、下記条件(5−28)を満足すればよい。 |Γ/2Φ|<1 (5−28)
【0077】画素数の多い電子撮像装置のレンズ、フィ
ルムカメラ、顕微鏡等の高画質の製品等のレンズでは高
解像が要求されるので、下記条件(5−29)を満足す
ることが望ましい。 |Γ/2Φ|<π/6 (5−29)
【0078】光ディスクのレンズ等結像に用いないレン
ズあるいは画素数の少ない電子撮像装置等の場合、条件
はさらにゆるめられ、下記条件(5−30)を満足すれ
ばよい。 |Γ/2Φ|<π (5−30)
【0079】尚、本実施の形態に共通して言えることで
あるが、液晶がらせん状の配列の時、液晶分子の長軸方
向が光軸に対して垂直でない時、つまり斜めの時は、式
(5−1)、式(5−26)〜式(5−30)のne
上記のne’で置きかえればよい。
【0080】次に設計例を述べる。
【0081】ネマテック液晶の厚さdは、薄いとレンズ
のパワーが弱く役に立たないし、厚いと光が散乱しフレ
アの原因となるので、厚さdは下記条件(5−31)を
満足することが望ましい。 2μ<d<300μ (5−31)
【0082】又、光の波長λは可視光を考えると、下記
条件(5−32)の範囲である。 0.35μ<λ<0.7μ (5−32)
【0083】又、ne−noの値は液晶の物性で決まり、
下記(5−33)の範囲の物質が多い。 0.01<|ne−no|<0.4 (5−33)
【0084】次に設計例として下記第1〜第4の設計例
を示す。 第1設計例 d=15μ λ=0.5μ ne−no=0.2 P=0.06μ したがって Γ/2Φ=(1/2)・0.2×0.06/0.5=
0.012 となり、式(5−20)、式(5−28)、式(5−2
9)、式(5−30)を満たす。
【0085】第2設計例 d=50μ λ=0.6μ ne−no=0.25 P=0.5μ したがって Γ/2Φ=(1/2)・0.5×0.25/0.6=
0.1042 となり、式(5−26)、式(5−28)、式(5−2
9)、式(5−30)を満たす。
【0086】第3設計例 d=100μ λ=0.55μ ne−no=0.2 P=3μ したがって Γ/2Φ=(1/2)・0.2×3/0.55=0.5
454 となり、式(5−28)、式(5−30)を満たす。
【0087】第4設計例 d=200μ λ=0.95μ ne−no=0.2 P=7μ したがって Γ/2Φ=(1/2)・0.2×7/0.95=0.7
37 となり、式(5−28)、式(5−30)を満たす。
【0088】以上の各設計例は、カイラルネマチック液
晶を例にとって説明したが、ネマチック液晶のらせんの
ピッチを用いる光の波長よりも小さくするためには、カ
イラル剤を液晶に混ぜるとよい。
【0089】カイラル剤としては、コレステリック液晶
又は合成品の光学活性化合物等が用いられる。下記化学
式(1)、化学式(2)はネマチック液晶の例で又化学
式(3)、化学式(4)はカイラル剤の例である。
【0090】前記式(5−30)において、展型的な液
晶の例で考えると ne−no=0.1 として (1/2)×0.1(P/λ)<π より P<20π・λ≒62.8λ (5−61)が得ら
れる。同様にne−no=0.1を式(5−28)にあて
はめると、P<20λ (5−6
2)が得られる。
【0091】したがって液晶を用いる製品によって式
(5−61)又は式(5−62)を満足するようにすれ
ば、ぼけ(フレアー)の少ない可変焦点レンズ等の光学
特性可変光学素子が得られる。又式(5−1)〜(5−
30)はネマチック液晶に限らず、ピッチPの螺旋構造
をもつ液晶すべてにあてはまる。そのような液晶の例と
しては、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘
電性液晶、反強誘電性液晶等が挙げられる。
【0092】図13は、図12に示す撮像装置で用いる
可変焦点レンズ21をZ方向より見た図で、電極22
a,22b,22c,23a,23b,23cを可変焦
点レンズ21の外周に6分割して透明電極4とは絶縁し
て配置されている。これら電極の対22a−23a,2
2b−23b,22c−23cは、3連スイッチ24に
より順番に交流電圧が加わるようになっている。このよ
うに電場の方向を変えることにより液晶の配向がほぼ等
方的になるようにできる。もし、一方向だけに電場をか
けると液晶分子の螺旋がほどけてしまうことがある。
【0093】次に図12、図13に示す装置の動作につ
いて述べる。
【0094】まず、スイッチ9がオンの時、3連スイッ
チ24はオフにしておく。これにより液晶分子20は分
子長軸が光軸とほぼ平行になっている。この時液晶レン
ズ部25は弱いパワーの凹レンズになる。
【0095】次にスイッチ9をオフにして、同時に3連
スイッチ24をオンにすると、液晶分子20には横方向
の電場が加わるために、分子20の配向は高速で図12
に示すように変わる。
【0096】又、3連スイッチ24の三つの電極に加わ
る電圧の切り換えの周期Tは、次の関係を満足させる必
要がある。
【0097】図12に示す光学系で、3連スイッチ24
がオフでスイッチ9がオンの状態で、ある時刻にスイッ
チ9をオフにすると液晶分子20は配向膜3の配向規制
力等により3連スイッチをオンにしなくとも、自然に図
12に示すような配向になる。
【0098】このように、自然に図12に示すような配
向になるまでの時間をτとすると次の関係を有すること
が必要である。 T≦τ (7) もしTがあまり大で上記(7)を満足しないと液晶分子
20の螺旋がほどけて液晶分子20の配向が配向膜2に
平行なホモジニアス配向になるおそれがある。
【0099】上記式(7)は実用的には下記式(7−
1)を満足すればよい。 T≦10τ (7−1) この式(7−1)を満足しないと、電極22、23に加
わる電圧が弱いと、液晶分子20が完全な螺旋状配向に
なるまでに時間がかかる場合もあるからである。
【0100】なお、液晶分子20の配向が一度図12に
示すような状態に戻った後は、3連スイッチ24を継続
的にオフにしてもよい。つまり、液晶分子20の配向が
光軸7に平行な状態のホメオトロピック配向からスイッ
チ9をオフにしても図12に示すような螺旋状配向に変
化するまでの間だけ3連スイッチ24をオンにしておい
てもよい。これにより電気を節約でき有利である。
【0101】又、図14に示すように可変抵抗13およ
び17を適当に調整して液晶分子20の方向を光軸に対
して斜めに配列させることによって可変焦点レンズ21
の焦点距離を連続的に変えることができる。つまりズー
ムレンズ等に用いると便利である。
【0102】図15は、第3の実施の形態を示す図で、
図12乃至図14に示す可変焦点レンズをズームレンズ
に用いた例である。図において21A、21Bは夫々図
12等に示す可変焦点レンズ21であり、そのうち21
Aは絞り26の前方に又、21Bは絞り26の後方に配
置された夫々前群と後群である。つまりこのズームレン
ズは、凹の作用をもつ可変焦点レンズ21Aよりなる負
の屈折力の前群と絞り26と凸の作用をもつ可変焦点レ
ンズ21Aと凸レンズ29よりなり全体として正の屈折
力をもつ後群とよりなり、各レンズを機械的に移動させ
ることなしに可変焦点レンズ21Aと21Bの焦点距離
を変化させることにより、レンズ系全系の焦点距離を変
化させると共に像面の移動を補正することができる。
又、同様にピント合わせを行なうことができる。
【0103】又、この例では、可変焦点レンズ21Aを
駆動してその焦点距離を変化させる際に液晶25bに加
える電界強度を変化させる代りに電界の周波数をf1
2、f3、f4の4段階に変化させるもので、液晶とし
て周波数によって誘電異方性の符号が変わる液晶を用い
ている。周波数f1、f2、f3、f4をf1<f2<f3
4とすると液晶25bの誘電異方性がf1とf4とで符
号が逆になるように選んでいる。
【0104】このズームレンズにおいて、スイッチ24
を切り換えることにより、周波数を変化させる。この場
合、電極22Fは省略してもよい。又周波数は、f1
2、f3、f4のように段階的に変化させる代りに連続
的に変化させるようにしてもよい。又周波数の変化と同
時に電界の強さを変化させてもよい。
【0105】又、液晶21A、21Bは螺旋状液晶に限
らず誘電異方性が周波数とともに変化する液晶を高分子
中に分散させた高分子分散液晶を用いてもよい。可変焦
点レンズ21Bは、高分子分散液晶を用いた光学特性可
変光学素子の一例である。
【0106】周波数を連続的に変え得る交流電源9eが
二つの電極3に接続され、交流電源の周波数を変えるこ
とにより光学素子の焦点距離を変化させ得る。
【0107】また液晶レンズ21Aと液晶レンズ21B
とを連動させることによって、ズーミングを行なうこと
ができる。又、液晶レンズ21Bのみを変化させればフ
ォーカシングを行なうことができる。
【0108】尚、電極22Gは用いなくともよいし、交
流電源9eの周波数fの変化に連動させて22Gに加わ
る電圧を変化させてもよい。
【0109】尚、図12に示す撮像装置において、液晶
分子20の代わりにカイラルコレスチック液晶、カイラ
ルスメチック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、屈
折率異方性が負の液晶、強誘電体高分子分散液晶等を用
いてもよい。これら液晶を用いた場合も前記式(6)、
(7)、(7−1)、(5−26)、(5−28)、
(5−29)、(5−30)、(5−61)、(5−6
2)は同様にあてはまる。
【0110】図16、図17に示す光学系は、図12に
示す光学系において、液晶分子20の代わりにポリマー
の中に直径の平均値がDのネマチック液晶34を粒状に
配置したものである。
【0111】この図16、17に示す例は、分割電極2
2、23は、図13と同じような動作をするがレンズ3
2、33の周辺に透明電極3に対し絶縁させ配置されて
いる。又3連スイッチ24の動作は、図12、13に示
す光学系と同じである。
【0112】この図16、17に示す光学系は、スイッ
チ9がオンであり、液晶分子29が図16に示すように
ホメオトロピック配向の状態であり、又スイッチ9をオ
フにし、3連スイッチ24をオンにすると液晶分子29
に横方向の電場が加わり液晶分子29は高速に、ややラ
ンダムではあるがxy平面に平行に配向し、図17のよ
うになる。又式(7)、(7−1)は、いずれも図1
6、17の光学系にもあてはまる。
【0113】このように、つまり図17のように液晶分
子29の配列は、光軸6に直角に近く液晶35の屈折率
の変化が一層大になる点で優れている。
【0114】ここで、液晶分子34の平均径Dが下記条
件(8)を満足するようにすれば、光の散乱を防ぐこと
ができ望ましい。 D<λ/5 (8) ただしλは入射する光の波長である。
【0115】又、液晶35の厚さが薄い場合、式(8)
の代わりに下記の式(8−1)を満足すれば実用上問題
はない。 D<2λ (8−1)
【0116】また液晶35の全体の体積に対して液晶分
子34の占める割合をffとすると可変焦点レンズとし
ての効果が十分得られるようにするためには下記条件
(9)を満足することが望ましい。 0.5<ff<0.999 (9)
【0117】ffの値が条件(10)の上限0.999
を超えるとポリマーが少なくなり、液晶分子34の粒子
が形成できなくなる。又下限の0.5を下回ると可変焦
点レンズとしての効果つまり焦点距離の変化量が減少す
る。
【0118】又ポリマーを多くして液晶35を固体状に
近づけたいときは、条件(9)の代わりに下記条件(9
−1)を満足することが望ましい。 0.1<ff<0.5 (9−1)
【0119】図18は、本発明の光学系の他の実施の形
態を示すもので、温度を変化させて液晶の屈折率を変化
させるようにした光学系の例を示す。
【0120】正の屈折率異方性をもつネマチック液晶3
6は、転移温度TC以下の場合、図18に示すようにZ
方向に分子長軸を向けたホメオトロピック配向であり、
屈折率が低いnOの状態である。この時、図示するよう
にスイッチ9はオンである。
【0121】次にヒーター41のスイッチ43をオンに
して、ヒーター41により液晶を加熱することにより液
晶分子36の温度が転移温度TCよりも高くなると図1
9に示すように液晶分子36がランダムに動く透明な液
体になる。この時、スイッチ9はオフにしておく。
【0122】この図19に示す状態では、液晶分子36
の屈折率nは下記の式(10)にて与えられる。 n=(2nO+ne)/3 (10)
【0123】つまり液晶の屈折率nは高くなり、その結
果、凸レンズ32bの屈折力が強くなる。
【0124】図18の状態において、配向膜2による配
向規制力が充分であれは、スイッチ9はオフでもよい。
しかし、スイッチ9をオンにすれば液晶分子36が規則
的に並ぶため液晶分子33による光の散乱を防止し得る
ので望ましい。
【0125】液晶に液体への相転移をおこさせるため
に、図18、図19に示す光学系は、ヒーター41を用
いて加熱したが、交流電源の周波数を高周波にして液晶
分子33の分子振動を高めることによって温度を上昇さ
せて相転移をおこさせてもよい。
【0126】以上述べた本発明の光学特性可変光学素子
は、光学素子を構成する液晶の分子の配向を変えるため
に主として電場の強さと方向を変化させることにより行
なった。
【0127】しかしながら、液晶分子の配向を変えるた
めには、電場の強さ等の変化に限ることなく、液晶に加
える電場の周波数を変えることによっても行なうことが
できる。又磁場の強さを変化させることによっても液晶
分子の配向を変えることができる。
【0128】又、このように液晶に加える電場の周波数
を変化させることによって液晶分子の配向を変化させる
方法や、液晶に加える磁場の強さを変化させる方法は、
例えば、図1、図3、図8、図9、図12、図15、図
16、図19、図20等に例として示した各光学系に対
して適用することができる。
【0129】電場の周波数の変化により液晶分子の配向
を変化させる方法においては、誘電異方性の正、負が入
れ替わる液晶を用いれば、電場の周波数の変化により高
速に液晶分子の配向を変化させ得るため特に有利であ
る。
【0130】又、図20は磁場Hによって屈折率を変化
させるレンズの例を示す。この図において、45はレン
ズ、46は磁気光学効果をもつ物質、47は基板、48
は配向膜、49Aはスイッチ、49Bは交流電源、49
Cは可変抵抗、49Dはコイル、49Eは鉄芯である。
【0131】使用する磁気光学効果をもつ物質46とし
ては、鉛ガラス、水長、液晶等がある。配向膜48は液
晶の場合は設けた方が良い。
【0132】又高速にて液晶分子の配向を変化させるた
めには、電圧がオフの状態の代わりにある程度の電圧を
あらかじめ付与しておくことが好ましい。そして、液晶
分子の配向を変化させたい時に、電圧をより高い電圧に
することにより液晶分子の配向を高速で変化させ得る。
【0133】前述の図12に示す例は、光学特性可変光
学素子を用いた本発明のデジタルカメラ用撮像装置であ
るが、この例について更に詳細に述べる。
【0134】図12において、絞り26の後方に可変焦
点液晶レンズ21と凹面を含むレンズ28と凸レンズ4
2と液晶レンズ部25とにて構成された光学系が配置さ
れている。凸レンズ42は、固体撮像素子30に対して
主光線が垂直又はほぼ垂直例えば固体撮像素子の受光面
に対して主光線の角度が90°±20°で入射するよう
にするために設けてある。又、凹レンズ28はペッツバ
ール和を改善して像面湾曲を補正するために設けてあ
る。又絞り26側(入射側)の凸レンズ27は、物体側
の面が凸面であり、これにより球面収差を良好に補正す
るようにしている。又液晶レンズ25は、色収差を補正
するために凹レンズの形状にしてある。又、レンズ2
7、28、29のレンズ面のうちのいずれかの面を非球
面にすることにより収差を一層良好に補正することが可
能になり好ましい。又液晶レンズ25は絞り26の近傍
に位置させることが液晶レンズ25の有効径を小さくす
ることができ、その厚さを減少させ得るため好ましい。
【0135】更に液晶レンズ25の中の液晶分子20の
配向が変化した場合、凸レンズ27、液晶レンズ25、
凹レンズ28、凸レンズ29からなる光学系の収差が変
動し、又液晶レンズ25によって生ずる光の散乱の大き
さも変化し、これによって光学系31のMTFが変化す
る。
【0136】前述の図12にて示す撮像装置において
は、前記の収差の変動や光の散乱の大きさの変化による
MTFの変化を電子回路にて補正するようにしている。
つまり物***置の変化によりピント合わせを行なうため
に液晶レンズ25の焦点距離を変化させたときのMTF
の変化の補償を、回路44の中のエンハンス回路あるい
は画像処理回路の処理を変えて行なうようにした。具体
的には、ウイナーフィルター等のデジタルフィルターの
特性を変化させる、あるいはエンハンス回路のエッジ強
調の量を変える等の手段を用いればよい。ここでMTF
の変化は光学系31の設計データから求めてもよく、又
実際のカメラを1台1台測定してMTF補償量を変えて
もよい。
【0137】図35は、前記電子回路による補正に付い
て説明するための図で、この図では、赤外光投射型のア
クティブ測距方式での測距をおこなう例である。ここで
得られた距離情報によって、液晶レンズのMTF変化を
補うべく、エンハンス量等が選択される。そしてデジタ
ルフィルターが掛けられて最終画像が作られる。
【0138】図21は、本発明の撮像装置の他の例を示
す図で、自由曲面レンズ51(非回転対称面を有するレ
ンズ)を用いたデジタルカメラ50の例である。52は
可変焦点ミラー、53はアルミコーティングされた薄
膜、54は電極、55は固体撮像素子、56は基板、5
7は電源、58はスイッチ、59は可変抵抗器である。
【0139】可変焦点ミラー52の例としては、オプテ
ィックス コミュニケーションズ(Optics Co
mmunications),140巻(1997年)
187頁乃至190頁に示されているメンブレインミラ
ーがあり、電極54の間に電圧を印加すると静電気力に
より薄膜53を変形させて反射鏡の焦点距離が変化す
る。そしてピント調整ができる。物体からの光60は自
由曲面プリズム51の面R1、R2で屈折され、反射鏡
(薄膜)53にて反射され、自由曲面プリズム51の面
3で反射され、面R4で屈折されてから固体撮像素子5
5に入射する。
【0140】このように、この装置は、自由曲面R1
2、R3、R4および反射鏡53とにより撮像光学系を
構成する。特に自由曲面R1、R2、R3、R4の形状を最
適化することにより物体像の収差を最小にしている。
【0141】図21の撮像装置において、反射鏡の開口
の形状は、非点収差等を補正するためにY軸方向に長い
楕円形にするのがよい。反射鏡52への入射光と反射鏡
52からの出射光を含む平面と反射鏡52との交線の方
向に長い楕円形にするのがよい。又、この図に示す例で
は、反射鏡52と薄膜53と固体撮像素子55とを別体
で作って基板56上に配置している。しかし、反射鏡5
2および薄膜53をシリコンリソグラフィープロセス等
で作ることもできるので基板56をシリコンにて形成
し、固体撮像素子55と共にリソグラフィープロセスで
反射鏡52の少なくとも一部を基板56上に形成しても
よい。
【0142】これによって、固体撮像素子55と共に反
射鏡52とが一体化され小型化、低コスト化等の点で有
利である。また反射鏡52は固定焦点のミラーとしても
良い。この場合でも反射鏡52はリソグラフィープロセ
スで作ることができる。
【0143】又、図示していないが、基板56上に反射
型液晶ディスプレー又は透過型液晶ディスプレーをリソ
グラフィープロセスにより一体に形成してもよい。この
基板56は、ガラスにて形成してもよく、このガラス基
板上に薄膜トランジスター等の技術により固体撮像素子
や液晶ディスプレーを形成すればよい。
【0144】尚、自由曲面プリズム51は、プラスチッ
クモールドやガラスモールド等にて形成することにより
任意の所望形状の曲面を容易に形成することができ、製
作も簡単である。
【0145】図22は自由曲面プリズム51を用いたデ
ジタルカメラの他の例である。このデジタルカメラは、
図21に示すデジタルカメラにおける反射鏡52の代わ
りに可変焦点ミラー61を用いた例である。
【0146】可変焦点ミラー61は、自由曲面プリズム
51の面R2にこのプリズム51と一体に設けてある。
この可変焦点ミラー61は、反射鏡62、自由曲面プリ
ズムの面R2に形成した透明電極63と、配向膜64、
65とよりなり、配向膜64、65との間に液晶66を
設けたものである。
【0147】ここで、可変焦点ミラー61は、自由曲面
プリズム51とは別体にて形成し、両者を貼り合わせて
もよく、又自由曲面プリズムの面R2に透明電極63と
配向膜64とを形成してもよい。
【0148】物体よりデジタルカメラへ入射する光60
は、図21に示すカメラと同様に自由曲面プリズム51
の面R1、R2にて夫々屈折され、その後反射鏡62にて
反射され、配向膜64、液晶65、配向膜63、透明電
極62を通って自由曲面プリズム51に入射し、面R3
にて反射され面R4より出射して固体撮像素子55の受
光面に入射する。ここで、可変焦点ミラー61に加える
電圧を変化させることによりこのミラー61の焦点距離
を変化させ、ピント調整することが可能である。
【0149】この可変焦点ミラー61にて用いる液晶6
6には高分子分散液晶が用いられており、図15、図1
6、図17にもとづき説明したように、液晶分子に加わ
る電場を変化させることによって、例えば、図16に示
す状態から図17に示す状態に変化し、これにより液晶
の屈折率は変化し、可変焦点ミラーの焦点距離は変化す
る。
【0150】この図22に示すデジタルカメラの実施の
形態の場合、この図に示すように図16に示すデジタル
カメラにて用いられている電極22、23は用いなくと
も図16のデジタルカメラと同様の作用を有する。
【0151】つまり図22において、スイッチ58がオ
フの場合、液晶の配列はランダムであり、屈折率の高い
状態にある。したがって可変焦点ミラー61は光を収束
させる作用が強い。ここでスイッチ58をオンにすると
液晶は一方向に揃った配列になるので、屈折率は低くな
り、光を収束させる作用は弱くなる。したがって可変焦
点ミラー61は焦点調整が行なわれる。
【0152】また可変焦点ミラー61を自由曲面プリズ
ム51に二つ以上用いることによりズームレンズとして
用いることが可能になる。
【0153】又、図21に示すデジタルカメラの可変焦
点ミラー52を図22に示す可変焦点ミラー61におき
代えてもよい。又配向膜64、65は用いなくともよ
い。
【0154】又、可変焦点ミラー61の液晶光学素子と
して透明電極63を電極を兼ねた反射鏡62で代用して
もよい。
【0155】また高分子分散液晶66の替わりに螺旋配
向のネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチッ
ク液晶等を用いてもよい。
【0156】図23は、図21又は図22に示すデジタ
ルカメラにおける反射鏡53又は可変焦点ミラー61の
代わりに回折光学素子70を用いた例である。つまり回
折光学素子70は反射鏡72上に形成された回折面71
と透明電極73、配向膜74と、液晶75とより構成さ
れている。
【0157】この図23に示すデジタルカメラ76は、
物体よりの光が、他の例と同様に自由曲面プリズムに入
射し、プリズム51を透過後回折光学素子70に入射
し、ここで回折面71にて回折作用を受けた後に回折光
学素子70を射出して再び自由曲面プリズム51に入射
し、図示するように反射してからこれより射出して固体
撮像素子55に入射する。
【0158】ここでスイッチ77をオンにすると液晶分
子の配向が垂直方向に変わり回折光学素子70の回折次
数が変化するために焦点距離が変化してフォーカシング
を行なうことができる。
【0159】ここで液晶分子のピッチは、図12に示す
液晶と同様に式(6)を満足する。又この例は、回折面
71が反射面になっており、反射型の回折光学素子の例
である。
【0160】図24は図12に示す可変焦点レンズを用
いた可変焦点眼鏡の例である。つまり眼鏡レンズとして
可変焦点レンズを用いたもので、レンズ30H、31H
と配向膜(図示せず)と電極3等よりなる可変焦点レン
ズを眼鏡枠80に取り付けた構成である。
【0161】尚図において、8、18は交流電源、9、
24はスイッチ、13、17は可変抵抗、25は液晶で
ある。又Pはピッチである。
【0162】この可変焦点レンズは、電極22、23が
図15に示すものと同様にレンズ30H、31Hの周辺
部に設けられている。この電極22、23を透明電極に
すれば、眼鏡の視野の周辺が明るくなり好ましい。
【0163】以上述べた本発明の実施の形態は、光学特
性可変光学素子として主として可変焦点レンズを用いた
ものであるが、光学特性可変光学素子として、回折光学
素子、フレネルレンズ、プリズム、レンチキュラーレン
ズ等を用いてもよい。夫々の素子を構成する光の屈折又
は反射する部分を屈折率可変物質つまり種々の液晶、強
誘電体、電気光学効果を持つ物質にておきかえればよ
い。
【0164】又、液晶の分子配向を変化させるために電
場以外に磁場、電場の周波数、磁場の周波数を変化させ
てもよい。
【0165】以上述べた本発明の光学特性可変光学素子
を用いた光学系は、物体像を形成しその像をCCDや銀
塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行なう
撮影装置、とりわけカメラや内視鏡に用いることができ
る。また、物体像を接眼レンズを通して観察する観察装
置、とりわけカメラのファインダー部の対物光学系とし
ても用いることが可能である。以下に、その実施形態を
例示する。
【0166】図25、26、27は、第5の実施の形態
で本発明の光学特性可変光学素子を含む結像光学系を電
子カメラのファインダー部の対物光学系に組み込んだ構
成の概念図を示す。これらの図のうち図25は電子カメ
ラ80の外観を示す前方斜視図、図26は同後方斜視
図、図27は電子カメラ80の構成を示す断面図であ
る。電子カメラ80は、この実施の形態では、撮影用光
路82を有する撮影光学系81、ファインダー用光路8
4を有するファインダー光学系83、レリーズ85、フ
ラッシュ86、液晶表示モニター87等を含み、カメラ
80の上部に配置されたレリーズ85を押圧すると、そ
れに連動して撮影用対物光学系88を通して撮影が行な
われる。撮影用対物光学系は、透過型の光学特性可変光
学素子(ここでは液晶を用いている)を、複数備えてお
り、ズーミングやフォーカシング作用を行なう。撮影用
対物光学系88によって形成された物体像が、ローパス
フィルター、赤外カットフィルター等のフィルタ91を
介してCCD89の撮像面90上に形成される。このC
CD89で受光された物体像は、処理手段92を介し、
電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニタ
ー87に表示される。また、この処理手段92にはメモ
リー等が配置され、撮影された電子画像を記録すること
もできる。なお、このメモリーは処理手段92と別体に
設けてもよいし、フロッピーディスク等により電子的に
記録書き込みを行なうように構成してもよい。またCC
D89の代わりに銀塩フィルムを配置した銀塩カメラと
して構成してもよい。
【0167】さらに、ファインダー用光路84には、反
射型光学特性可変光学素子を備えた結像光学系をファイ
ンダー用対物光学系として配置してある。また、カバー
部材として正のパワーを有するカバーレンズ94を配置
し、画角を拡大している。なお、このカバーレンズ94
と結像光学系の絞りSより物体側のプリズムVP1とで
ファインダー用対物光学系93の前群GFを、結像光学
系の絞りSより像側のプリズムVPでファインダー用対
物光学系93の後群GRを構成している。絞りSを挟ん
だ前群GFと後群GRのおのおのに、光学特性可変光学
素子を配置することにより、ズーミングとフォーカシン
グを行なっている。ここでは、反射プリズムと一体形成
した、反射型の光学特性可変光学素子を用いている。こ
こでは、液晶66Hを用いているが、前述した通り光学
特性を変化させることによりズーミングとフォーカシン
グの操作を行なっている。この制御は、処理手段により
撮影用対物光学系のズーミング、フォーカシング作用に
連動して行なわれる。このファインダー用対物光学系9
3によって形成された物体像は、像正立部材であるポロ
フリズム95の視野枠97上に形成される。尚、視野枠
97は、ポロプリズム95の第1反射面96と第2反射
面98との間を分離し、その間に視野枠97は配置され
ている。このポリプリズム95の後方には、正立正像に
された像を観察者眼球Eに導く接眼光学系99が配置さ
れている。
【0168】このように構成されたカメラ80は、ファ
インダー用対物光学系93を少ない光学部材で構成で
き、高性能及び小型化が実現できると共に、対物光学系
93の光路自体を折り曲げて構成できるため、カメラ内
部での配置の自由度が増し、設計上有利となる。
【0169】次に、図28は、本発明の結像光学系を電
子カメラ80の撮影部の対物光学系88に組み込んだ構
成の概念図を示す。この例の場合、撮影用光路82上に
配置された撮影用対物光学系88は、反射型の光学特性
可変光学素子を用いた結像光学系である。この撮影用対
物光学系により形成された物体像は、ローパスフィルタ
ー、赤外カットフィルター等のフィルタ91を介してC
CD89の撮像面90上に形成される。このCCD89
で受光された物体像は、処理手段92を介し、液晶表示
素子(LCD)100上に電子像として表示される。ま
た、この処理手段92は、CCD89で撮影された物体
像を電子情報として記録する記録手段101の制御も行
なう。LCD100に表示された画像は、接眼光学系9
9を介して観察者の眼Eに導かれる。この接眼光学系9
9は、本発明の結像光学系に用いられているものと同様
の形態を持つ光学特性可変光学素子を備えた偏芯プリズ
ムからなり、前記光学素子の特性を変化させることによ
り観察者の視度に合わせてLCDの虚像の奥行きを調整
可能としている。この例では入射面102と、反射面1
03と、反射と屈折とを兼用する面104の3面から構
成されている。また、2つの反射作用を持った面10
3、104のうち少なくとも一方の面、望ましくは両方
の面が、光束にパワーを与え、かつ、偏芯収差を補正す
る唯一の対称面を持つ面対称自由曲面にて構成されてい
る。そして、この唯一の対称面は、撮影用対物光学系8
8の前後の群GF、GRに配置された偏芯プリズム、V
P1、VP2が有する面対称自由曲面の唯一の対称面と
略同一平面上に形成されている。ここでも液晶66Hを
用いた反射型の光学特性可変光学素子が用いられてい
る。
【0170】このように構成されたカメラ80は、撮影
用対物光学系88を少ない光学部材で構成でき、高性能
で小型にできると共に、光学系全体を同一平面上に並べ
て配置できるため、この配置平面と垂直方向の厚みの薄
型化が実現できる。
【0171】次に、図29は、本発明の光学特性可変光
学素子を電子内視鏡の観察系の対物光学系120に組み
込んだ構成の概念図を示す。この例の場合も、観察系の
対物光学系110は、ズーミングフォーカシングを行な
う反射型光学特性可変光学素子128を備えた結像光学
系を用いている。これら反射型光学特性可変光学素子は
液晶66Hが用いられている。この電子内視鏡は、図2
9(A)に示すように、電子内視鏡111と、照明光を
供給する光源装置112と、その電子内視鏡111に対
応する信号処理を行なうビデオプロセッサ113と、こ
のビデオプロセッサ113から出力される映像信号を表
示するモニター114と、このビデオプロセッサ113
と接続され映像信号等に記録するVTRデッキ115、
および、ビデオディスク116と、映像信号を映像とし
てプリントアウトするビデオプリンタ117と共に構成
されており、電子内視鏡111の挿入部118の先端部
119は、図29(B)に示すように構成されている。
光源装置112から照明された光束は、ライトガイドフ
ァイバー束126を通って照明用対物光学系127によ
り、観察部位を照明する。そして、この観察部位からの
光が、カバー部材124を介して、観察用対物光学系1
25によって物体像として形成される。この物体像は、
ローパスフーフィルター、赤外カットフィルター等のフ
ィルター121を介してCCD122の撮像面123上
に形成される。さらに、この物体像は、CCD122に
よって映像信号に変換され、その映像信号は、図29
(A)に示すビデオプロセッサ113により、モニター
114上に直接表示されると共に、VTRデッキ11
5、ビデオディスク116中に記録され、また、ビデオ
プリンタ117から映像としてプリントアウトされる。
【0172】このように構成された内視鏡は、ズーミン
グや、フォーカシング機能を備えているにもかかわら
ず、少ない光学部材で構成でき、高性能・小型化が実現
できる。
【0173】また、以上のプリズムを複数用いた実施の
形態の結像光学系の前群や後群に設けられた偏芯プリズ
ムとしては、何れも光学面3面からなり、その中の1面
が全反射作用と透過作用とを兼用する面で構成された内
部反射回数2回のタイプのプリズムを用いたが、本発明
に用いる偏芯プリズムはこれに限られるものではない。
【0174】本発明に用いることができるいくつかの可
変焦点プリズムVPの例を図30〜図32に示す。な
お、いずれも像面136に結像するプリズムVPとして
説明するが、光路を逆にして像面136側から被写体か
らの光線が入射し、瞳131側に結像するプリズムVP
としても使用することができる。又単体で結像光学系
や、観察光学系として構成してもよい。又、どの面に光
学特性可変光学素子を用いるかは、使用形態により決定
してよい。
【0175】図30の場合は、プリズムVPは第1面1
32、第2面133、第3面134、第4面135から
なり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面13
2で屈折してプリズムVPに入射し、第2面133で内
部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第4面
135に入射して屈折されて、像面136に結像する。
光学特性可変光学素子を第3面134と第2面133に
設けることにより、ズーミングとフォーカシングを可能
としている。
【0176】図31の場合は、プリズムVPは第1面1
32、第2面133、第3面134、第4面135から
なり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面13
2で屈折してプリズムVPに入射し、第2面133で内
部反射し、第3面134に入射して全反射し、第4面1
35に入射して内部反射し、再び第3面134に入射し
て今度は屈折されて、像面136に結像する。ここで
は、第2面133と第4面135に光学特性可変光学素
子を用いた。
【0177】図32の場合は、プリズムVPは第1面1
32、第2面133、第3面134、第4面135から
なり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面13
2で屈折してプリズムVPに入射し、第2面133で内
部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面
133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射
して屈折されて、像面136に結像する。ここでは第2
面133と第3面134に光学特性可変光学素子を用い
た。
【0178】又、本発明の光学特性可変光学素子は、画
像表示装置に利用することができる。この画像表示装置
を用いた第6の実施の形態として、図33に頭部装着型
の画像表示装置を観察者頭部に装着した状態を、図34
にその断面図を示す。この構成は、本発明の反射型光学
特性可変光学素子を視度調節のために用いた偏芯プリズ
ム光学系を図34に示すように接眼光学系140として
用いており、接眼光学系140と画像表示素子141か
らなる組みを左右一対用意し、それらを眼輻距離だけ離
して支持することにより、両眼で観察できる据え付け型
又は頭部装着型画像表示装置のようなポータブル型の画
像表示装置142として構成されている。
【0179】すなわち、表示装置本体142には、上記
のような接眼光学系140が左右一対備えられ、それら
に対応して像面に液晶表示素子からなる画像表示素子1
41が配置されている。そして、表示装置本体142に
は、図33に示すように、左右に連続して図示のような
側頭フレーム143が設けられ、表示装置本体142を
観察者の眼前に保持できるようになっている。
【0180】また、側頭フレーム143にはスピーカー
144が付設されており、画像観察と共に立体音響を聞
くことができるようになっている。このようにスピーカ
ー144を有する表示装置本体142には、映像音声伝
達コード145を介してポータブルビデオカセット等の
再生装置136が接続されているので、観察者はこの再
生装置146を図示のようにベルト箇所等の任意の位置
に保持して、映像音響を楽しむことができるようになっ
ている。図33の符号147は再生装置146のスイッ
チ、ボリューム等の調節部である。なお、表示装置本体
142の内部に映像処理、音声処理回路等の電子部品を
内蔵させてある。
【0181】なお、コード145は先端をジャックにし
て、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよ
い。さらに、TV電波受信用チューナーに接続してTV
鑑賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピ
ュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメ
ッセージ映像等を受信するようにしてもよい。又、邪魔
なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部か
らの信号を電波によって受信するようにしてもよい。
【0182】本発明において、特許請求の範囲に記載す
るもののほか下記の各項に記載するものもその目的に寄
与し得る。
【0183】(1) 電気光学効果又は磁気光学効果を
持つ物質に電場又は磁場を加えることにより前記物質の
屈折率を変化させて光学特性を変化させることを特徴と
する光学特性可変光学素子。
【0184】(2) 入射光軸にほぼ垂直な面内での液
晶分子の方位が前記面内でほぼ均一な液晶に電場又は磁
場または温度を加えることにより液晶の屈折率を変化さ
せて光学特性を変化させるようにしたことを特徴とする
光学特性可変光学素子。
【0185】(3) 前記(1)の項に記載する光学特
性可変光学素子を用いた可変焦点レンズ。
【0186】(4) 電気光学効果を持つ物質の入射光
軸にほぼ垂直な面内で方位が前記面内でほぼ均一である
物質をもちい、前記物質の屈折率を変化させることによ
り光学特性を変化させることを特徴とする光学特性可変
光学素子。
【0187】(5) 前記(2)の項に記載する光学素
子で、前記液晶の方位を規制する部材を備え、前記部材
を描画露光とエッチングあるいはリソグラフィー技術を
用いて加工したことを特徴とする光学特性可変光学素
子。
【0188】(6) 電気光学効果を持つ物質あるいは
前記磁気光学効果を持つ物質の方位を規制するための部
材を設け、前記部材が描画露光とエッチングあるいはリ
ソグラフィー技術を用いて加工したことを特徴とする光
学特性可変光学素子。
【0189】(7) 前記の(5)又は(6)の光学素
子で、前記方位を規制する部材が下記条件(4)を満足
することを特徴とする光学特性可変光学素子。 0.5nm<S<λ (4)
【0190】(8) 光学素子が液晶よりなり、前記液
晶が負の屈折率異方性を持つことを特徴とする光学特性
可変光学素子。
【0191】(9) 液晶素子と、前記液晶素子の光軸
とほぼ直交する方向に電場を加える部材とを備え、前記
部材による電場が時間と共に方向を変化させるようにし
たことを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0192】(10) 液晶素子と、前記液晶素子の光
軸とほぼ平行な方向に電場を加える部材と、前記液晶素
子の光軸とほぼ直交する方向に電場を加える部材とを備
えたことを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0193】(11) 前記の(7)、(8)、(9)
又は(10)に記載する光学素子で、下記式(7)を満
足することを特徴とする光学特性可変光学素子。 T≦τ (7)
【0194】(12) 前記(11)の項に記載する光
学素子で、条件(7)の代りに下記条件式(7−1)を
満足することを特徴とする光学特性可変光学素子。 T≦10τ (7−1)
【0195】(13) 前記の(1)、(7)、
(8)、(9)、(10)、(11)又は(12)の項
に記載する光学素子で、前記光学素子が螺旋状の配向の
液晶であることを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0196】(14) 前記の(13)の項に記載する
光学素子で、下記式(6)、(5−61)、(5−6
2)、(5−28)、(5−29)、(5−30)のい
ずれかを満足することを特徴とする光学特性可変光学素
子。 P<λ (6) P<20π・λ≒62.8λ (5−61) P<20λ (5−62) |Γ/2Φ|<1 (5−28) |Γ/2Φ|<π/6 (5−29) |Γ/2Φ|<π (5−30)
【0197】(15) 前記の(1)、(7)、
(8)、(9)、(10)、(11)又は(12)の項
に記載する光学素子で、前記光学素子として高分子分散
液晶素子を用いたことを特徴とする光学特性可変光学素
子。
【0198】(16) 下記式(8)、(8−1)
(9)、(9−1)のうちの少なくとも一つの式を満足
することを特徴とする高分子分散液晶を用いた光学特性
可変光学素子。 D<λ/5 (8) D<2λ (8−1) 0.5<ff<0.999 (9) 0.1<ff<0.5 (9−1)
【0199】(17) 前記(15)の項に記載する光
学素子で、下記式(8−1)、(9−1)のうちの少な
くとも一つの式を満足することを特徴とする光学特性可
変光学素子。 D<2λ (8−1) 0.1<ff<0.5 (9−1)
【0200】(18) 温度変化により液晶相と液体の
相転移を起こし、屈折力を変える光学特性可変光学素
子。
【0201】(19) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)又は(17)の項に記載
する光学素子で、強度可変の磁場を加えて液晶の配向方
向を制御することを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0202】(20) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)又は(17)の項に記載
する光学素子で、電場の強さあるいは周波数を変化させ
ることによって液晶の配向方向を制御することを特徴と
する光学特性可変光学素子。
【0203】(21) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)又は(17)の項に記載
する光学素子で、前記光学素子として電場の周波数によ
って誘電異方性が変化する液晶素子を用いたことを特徴
とする光学特性可変光学素子。
【0204】(22) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)又は(21)の項に記載する光学素
子で、液晶の代わりに電気光学効果を有する物質、磁気
光学効果を有する物質、強誘電体等のうちの一つを用い
ることを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0205】(23) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学特性可変光学素子を備えた撮像装置。
【0206】(24) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学特性可変光学素子を備えた可変焦点眼鏡。
【0207】(25) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学特性可変光学素子を備えた光学機器。
【0208】(26) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学素子を用いた撮像装置で、前記光学素子の特性
の変化に合わせて電子回路のMTF特性あるいは画像処
理方法を変化させることを特徴とする撮像装置。
【0209】(27) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学素子を用いた撮像装置で、ピント調整に伴う前
記光学素子の特性の変化に合わせて電子回路のMTF特
性あるいは画像処理方法を変化させることを特徴とする
撮像装置。
【0210】(28) 前記の(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、
(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、
(19)、(20)、(21)又は(22)の項に記載
する光学素子を用いた撮像装置で、ズーミングに伴う前
記光学素子の特性の変化に合わせて電子回路のMTF特
性あるいは画像処理方法を変化させることを特徴とする
撮像装置。
【0211】
【発明の効果】本発明によれば、光学特性可変光学素子
の光学特性を変化させた時例えば焦点距離を変化させた
時に生ずる収差変動等を電子回路のMTF特性を変化さ
せる等の手段により容易に補正し得るようにしたもの
で、常に例えばぼけ等のない良好な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の構成を示す図
【図2】 屈折率の異方性が負の液晶の屈折率楕円体
【図3】 本発明の第1の実施の形態で電場を加えた状
態を示す図
【図4】 液晶分子の配向状態を示す図
【図5】 液晶分子の配向状態を示す図
【図6】 配向膜に形成されているパターン
【図7】 配向膜に形成されている他のパターン
【図8】 本発明の第2の実施の形態の構成を示す図
【図9】 本発明の第2の実施の形態の構成を示す図
【図10】 図8、9の実施の形態でz軸方向より見た
【図11】 本発明の第2の実施の形態の変形例
【図12】 本発明の第2の実施の形態の光学素子を用
いた撮像装置を示す図
【図13】 図12の撮像装置でZ方向より見た図
【図14】 本発明の光学特性可変光学素子を用いた可
変焦点光学系の構成を示す図
【図15】 本発明の光学素子を用いたズームレンズを
備えた撮像装置を示す図
【図16】 液晶の代りにポリマーを用いた液晶素子を
示す図
【図17】 液晶の代りにポリマーを用いた液晶素子を
示す図
【図18】 本発明の第3の実施の形態の構成を示す図
【図19】 本発明の第3の実施の形態の構成を示す図
【図20】 本発明の光学素子で磁場により配向を変化
させる例を示す図
【図21】 本発明の第4の実施の形態で可変焦点ミラ
ーの構成を示す図
【図22】 本発明の第4の実施の形態の他の例を示す
【図23】 本発明の第4の実施の形態の他の例を示す
【図24】 本発明の光学素子を用いた可変焦点眼鏡で
ある第5の実施の形態を示す図
【図25】 第6の実施の形態で本発明を適用した電子
カメラの前方斜視図
【図26】 第6の実施の形態の後方斜視図
【図27】 第6の実施の形態の断面図
【図28】 第6の実施の形態の変形例
【図29】 第7の実施の形態で本発明を電子内視鏡に
適用した例
【図30】 本発明に適用可能な偏芯プリズムの例
【図31】 本発明に適用可能な偏芯プリズムの他の例
【図32】 本発明に適用可能な偏芯プリズムの他の例
【図33】 本発明の光学特性可変光学素子を適用した
画像表示装置
【図34】 図33の画像表示装置の断面図
【図35】 本発明の撮像装置により得られた画像を補
正する電子回路を示す図
【図36】 従来の液晶レンズを用いた光学系の構成を
示す図
【図37】 他の従来の液晶レンズを用いた光学系の構
成を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 13/36 G03B 3/00 A Fターム(参考) 2H011 AA03 BB01 2H042 AA03 AA05 AA22 CA01 2H049 AA08 AA17 AA18 AA51 AA55 AA63 AA64 2H051 AA00 BB11 CD11 CD12 CD23 CD30 EB13 GB01 GB02 GB05 GB15 2H088 EA42 GA02 GA03 GA04 GA10 HA10 HA21 HA23 HA24 HA26 HA27 JA17 JA20 MA01 MA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学特性可変光学素子を有し、前記光
    学素子の特性の変化に合わせて電子回路のMTF特性あ
    るいは画像処理方法を変化させることを特徴とする撮像
    装置。
  2. 【請求項2】 ピント調整に伴う前記光学素子の特性
    変化に合わせて電子回路のMTF特性あるいは画像処理
    方法を変化させることを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 ズーミングに伴う前記光学素子の特性
    変化に合わせて電子回路のMTF特性あるいは画像処理
    方法を変化させることを特徴とする撮像装置。
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