JP2002145830A - 重合性液晶化合物、該化合物を含有する重合性液晶組成物及びその重合体 - Google Patents
重合性液晶化合物、該化合物を含有する重合性液晶組成物及びその重合体Info
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Abstract
く、粘度が非常に大きくなく、かつ重合後の透明性に優
れ、また機械的強度が高い重合性液晶化合物、該化合物
を含有する重合性液晶組成物、及びこれらの重合体を提
供する。 【解決手段】 分子中に2個以上の重合性官能基、及び
重合性でない芳香環、脂環、複素環及び縮合環からなる
群から選ばれる同一又は異なる2〜10個の環を有してお
り、2つの環を連結する基として-CH2CH2COO-もしくは-C
H2CH2OCO-を少なくとも一つ有することを特徴とする重
合性液晶化合物、該重合性液晶化合物を含有する重合性
液晶組成物、及びこれらの重合体。 【効果】 本発明の重合性液晶化合物及び重合性液晶組
成物は、位相差フィルムや光学的ローパスフィルター等
の製造を容易にする。また、本発明の重合体は、位相差
フィルムや光学的ローパスフィルターとして有用であ
る。
Description
物、該化合物を含有する重合性液晶組成物及び、該重合
性化合物又は該重合性液晶組成物の重合体に関する。
下、重合性液晶化合物)又はこのような化合物を少なく
とも一つ含有する重合性液晶組成物を、液晶状態で配向
させた後、その状態で紫外線等の活性エネルギー線を照
射すると、液晶分子の配向状態構造を固定化した重合体
を作製することができる。このようにして得られた重合
体は、屈折率、誘電率、磁化率、弾性率、熱膨張率等の
物理的性質の異方性を有していることから、例えば、位
相差板、偏光板、偏光プリズム、導波路、圧電素子、非
線形光学素子、各種光フィルター、コレステリック液晶
相等の選択反射を利用した顔料、光ファイバー等の被覆
剤として応用可能である。特開平8-3111号公報において
上記応用に向けた重合性液晶組成物が開示されている。
該公報に開示された重合性液晶組成物は室温で液晶性を
示すという特徴を有するものの、重合後の透明性や機械
的強度が不十分であるという欠点があった。ドイツ国公
開特許DE4408171及びDE4226994には重合性官能基を2つ
有する多官能の重合性液晶化合物及び重合性液晶組成物
が開示されている。これらの化合物は液晶相を示す温度
が高いため、転移点を下げるには多くの種類の液晶化合
物を用いる必要があるということや室温において結晶が
析出してしまいやすいという欠点があった。また、PCT
国際公開WO98/23580及び特開平10-310612号公報には一
分子中に液晶骨格(メソゲン)を複数有する重合性液晶化
合物が開示されている。このような材料は、粘度が非常
に大きく、配向工程においてディスクリネーション等の
配向欠陥が生じた場合、消失させるのに多大な時間が必
要になり、生産性が悪化するという問題があった。
は、液晶相を示す温度が低く、結晶が析出しにくく、粘
度が非常に大きくなく、かつ重合後の透明性に優れ、ま
た機械的強度が高い重合性液晶化合物、該化合物を含有
する重合性組成物、及びこれらの重合体を提供すること
にある。
決するために重合性液晶化合物の化学構造に着目し、検
討した結果、特定の部分化学構造を有する化合物が有用
であることを見出し、以下の重合性液晶化合物、該化合
物を含有する重合性液晶組成物及びこれらの重合体を見
出した。
基、及び重合性でない芳香環、脂環、複素環及び縮合環
からなる群から選ばれる同一又は異なる2〜10個の環を
有しており、2つの環を連結する基として-CH2CH2COO-も
しくは-CH2CH2OCO-を少なくとも一つ有することを特徴
とする重合性液晶化合物。
スペーサー基を表し、X1、X2、L1はそれぞれ独立的に連
結基を表し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-
CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連
結基であり、A1、A2は独立的に芳香環、脂環、複素環及
び縮合環を表し、nは1〜9の整数を表す)で表されること
を特徴とする発明1記載の重合性液晶化合物。
れ独立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-を表
し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2CH2OC
O-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-を表し、それ以外は独立
的に単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH2CH2
-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、
-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH
=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=
CH-を表し、S1及びS2は隣接しない炭素原子が酸素原子
で置換されていても良く、また水素原子が酸素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基で置換されていても良い炭素原子
数2〜18のアルキレン基、もしくはシリコン原子数が2〜
18のシロキサン基を表わすことを特徴とする発明2記載
の重合性液晶化合物。
-、-OCO-を表し、Y1、Y2はそれぞれ独立的に-COO-、-OC
O-を表し、p、qはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表
し、1,4-フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、
アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲ
ン原子で一つ以上置換されていても良い)で表される発
明1から3いずれか一つに記載の重合性液晶化合物。
ーサー基を表し、X1、X2、L1はそれぞれ独立的に連結基
を表し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2C
H2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連結基
であり、R1は水素原子、もしくはP1と同じ意味を表し、
A1、A2は独立的に芳香環、脂環、複素環及び縮合環を表
し、nは2〜9の整数を表し、mは0〜2の整数を表す)で表
されることを特徴とする発明1記載の重合性液晶化合
物。
れぞれ独立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-
を表し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2C
H2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-を表し、それ以外は
独立的に単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH
2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=C
H-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH
2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH 2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-
OCO-CH=CH-を表し、S1及びS2は隣接しない炭素原子が酸
素原子で置換されていても良く、また水素原子が酸素原
子、ハロゲン原子、シアノ基で置換されていても良い炭
素原子数2〜18のアルキレン基、もしくはシリコン原子
数が2〜18のシロキサン基を表わすことを特徴とする発
明5記載の重合性液晶化合物。
合性液晶化合物を含有することを特徴とする重合性液晶
組成物。 発明8、一般式(IV)
整数を表し、6員環A、B、Cはそれぞれ独立的に、1,4-フ
ェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4-フ
ェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1つ又は隣接し
ない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4-シ
クロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基を表し、こ
れらの6員環A、B、Cは、さらに炭素原子数1〜7のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、
ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3、Y4
はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH
2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)
4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-C
H2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-を表し、Y5は
単結合、-O-、-OCO-、-COO-、-CH=CH-COO-を表し、Z1は
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子1〜20の
炭化水素基を表す)で表される重合性液晶化合物を含有
することを特徴とする発明7記載の重合性液晶組成物。
整数を表し、tは0又は1の整数を表し、6員環D、E、Fは
それぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、隣接しないCH基
が窒素で置換された1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキ
シレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫
黄原子で置換された1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シク
ロヘキセニル基を表し、これらの6員環D、E、Fは、さら
に炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカ
ノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以上置換
されていても良く、Y6、Y7はそれぞれ独立的に単結合、
-CH2CH 2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-C
H=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH
2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-
OCO-CH=CH-を表し、Y8は単結合、-O-、-OCO-、-COO-、-
CH=CH-COO-を表し、Z2は水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、炭素原子1〜20の炭化水素基を表す)で表される重
合性液晶化合物を含有することを特徴とする発明7また
は8記載の重合性液晶組成物。
とを特徴とする発明7から9のいずれか一つに記載の重合
性液晶組成物。 発明11、発明1から6のいずれか一つに記載の重合性液晶
化合物または発明7から10のいずれか一つに記載の重合
性液晶組成物の重合体。 本発明の重合性化合物の特徴は、2つの環を連結する基
として-CH2CH2COO-もしくは-CH2CH2OCO-を少なくとも一
つ有することである。この連結基を導入することによ
り、化合物の液晶温度範囲を大きく損なうことなく、液
晶下限温度を効果的に低減できることを見出し、本発明
を提供するに至った。
明する。本発明の重合性液晶化合物に使用できる重合性
官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイ
ルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、
エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、
メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCONH-、CH2=CCl
-、CHCl=CH-、RCH=CHCOO- (Rは塩素、フッ素、または炭
素原子数1〜10の炭化水素基を表す)が挙げられる。これ
らの中でもアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキ
シ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニルオキシ基が好
ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。また本
発明の重合性液晶化合物に使用できる芳香環、脂環、複
素環及び縮合環としては、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,4-トリアジン、1,3,
5-トリアジン、テトラジン、ジヒドロオキサジン、シク
ロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シ
クロヘキサノン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒド
ロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオピラン、ジチ
アン、オキサチアン、ジオキサボリナン、ナフタレン、
ジオキサナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キノリ
ン、クマリン、キノキサリン、デカヒドロナフタレン、
インダン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フ
ェナンスレン、ジヒドロフェナントレン、パーヒドロフ
ェナントレン、ジオキサパーヒドロフェナントレン、フ
ルオレン、フルオレノン、シクロヘプタン、シクロヘプ
タトリエンオン、コレステン、ビシクロ[2.2.2]オクタ
ンやビシクロ[2.2.2]オクテン、1,5-ジオキサスピロ(5.
5)ウンデカン、1,5-ジチアスピロ(5.5)ウンデカン、ト
リフェニレン、トルクセン、ポルフィリン、フタロシア
ニンを使用することができる。これらの中でも、ベンゼ
ン、シクロヘキサン、フェナントレン、ナフタレン、テ
トラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンが好まし
い。これらの環は、炭素原子数1〜7のアルキル基、アル
コキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原
子で一つ以上置換されていても良い。アルキル基として
はメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基が望
ましく、メチル基とエチル基が特に好ましい。アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基が好ましく、アルカノイル基としてはア
セチル基、プロピオニル基、ブチロイル基が好ましく、
ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原
子が好ましく、フッ素原子と塩素原子が特に好ましい。
環の数は2〜10個が好ましく、3〜6がさらに好ましい。
選ばれた2〜6個の環は、単結合やエステル結合等の共有
結合によって結合されるが、環と環の結合のうち、少な
くとも一つは、-CH2CH2COO-もしくは-CH2CH2OCO-である
必要がある。分子全体の形状としては、分子として液晶
性を示すか、液晶材料と良好な相溶性を示すよう、液晶
の技術分野で知られているように棒状、バナナ状(折れ
曲がった分子)、円盤状であるのが好ましい。
般式(I)
明の重合性液晶化合物に使用できる重合性官能基して上
に述べた例から独立的に選ばれるのが好ましい。A1及び
A2は、本発明の重合性液晶化合物に使用できる芳香環、
脂環、複素環及び縮合環からなる群として上に述べた例
から独立的に選ばれるのが好ましい。X1及びX2は、それ
ぞれ独立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-か
ら選択するのが好ましい。L1のうち少なくとも一つは-C
H2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-か
ら選ばれる連結基であるが、それ以外の連結基としては
独立的に単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH
2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=C
H-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH
2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-
OCO-CH=CH-から選択するのが好ましく、単結合、-CH2CH
2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH
-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、
-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-
CH=CH-から選択するのがより好ましい。S1及びS2は2価
のスペーサー基を示し、柔軟性を有するものが好まし
く、隣接しない炭素原子が酸素原子で置換されていても
良く、また水素原子が酸素原子、ハロゲン原子、シアノ
基で置換されていても良い炭素原子数2〜18のアルキレ
ン基、もしくはシリコン原子数が2〜18のシロキサン基
から選択するのが好ましい。これらの2価のスペーサー
基は直線状であっても分岐状であっても良く、不斉原子
を持っていても良い。nは1〜9の整数であり、2〜5の整
数であるのが好ましい。nが1〜2の整数であるときに
は、L1のうち、1個が-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOC
H2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連結基であるのが好
ましく、nが3〜5の整数であるときにはL1のうち、1〜2
個が-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2
CH2-から選ばれる連結基であるのが好ましく、nが6〜9
のときにはL1のうち2〜4個が-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO
-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連結基であ
るのが好ましい。
状の分子において-(A1-L1)n-A2-の骨格としては以下の
ものが挙げられるが、本発明の重合性液晶化合物におい
て使用できる骨格はこれらに制限されるものではない。
-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-、単結合、-CH2-、-O-、-
S-、-CO-、-OCOO-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO
-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2
CH2CH2O-、-OCH2CH2CH 2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH
=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-を表し、1,4-フェニレ
ン基は、炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、
アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以
上置換されていても良い。また、1,4-フェニレン基中の
炭素原子は窒素原子で1つ以上置換されていても良い。
また、1,4-フェニレン基全体を1,4-シクロヘキシル基、
ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジ
イル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルで
置換しても良く、これらの環は炭素原子数1〜7のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、
ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、また環
中の炭素原子は窒素原子、酸素原子、硫黄原子で置換さ
れていても良い)
以下のものが挙げられるが、本発明の重合性液晶化合物
において使用できるスペーサー基はこれらに制限される
ものではない。
し、m3は1〜3の整数を表し、m4は1〜9の整数を表す)
棒状もしくはバナナ状の分子のうち、棒状分子がさらに
好ましい。このような棒状分子としては、一般式(II)で
表される化合物が特に好ましい。
-、-OCO-を表し、Y1、Y2はそれぞれ独立的に-COO-、-OC
O-を表し、p、qはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表
し、1,4-フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、
アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲ
ン原子で一つ以上置換されていても良い) 一般式(II)で表される化合物は、特に液晶下限温度が低
い傾向にあるため、好ましい。P、qはそれぞれ独立的に
3〜8の整数が好ましく、3〜6の整数が特に好ましい。一
般式(II)で表される化合物の具体的な例を以下に挙げる
が、本発明の重合性液晶化合物はこれらに限定されるも
のではない。
I)
合性液晶化合物に使用できる重合性官能基して上に述べ
た例から独立的に選ばれるのが好ましい。A1、A2は本発
明の重合性液晶化合物に使用できる芳香環、脂環、複素
環及び縮合環からなる群として上に述べた例から独立的
に選ばれるのが好ましい。L1のうち少なくとも一つは-C
H2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-か
ら選ばれる連結基であるが、それ以外の連結基としては
独立的に単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH
2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=C
H-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH
2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-
OCO-CH=CH-から選択するのが好ましい。X1及びX2は、そ
れぞれ独立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-
から選択するのが好ましい。S1及びS2は、2価のスペー
サー基を示し、柔軟性を有するものが好ましく、隣接し
ない炭素原子が酸素原子で置換されていても良く、また
水素原子が酸素原子、ハロゲン原子、シアノ基で置換さ
れていても良い炭素原子数2〜18のアルキレン基、もし
くはシリコン原子数が2〜18のシロキサン基から選択す
るのが好ましい。これらの2価のスペーサー基は直線状
であっても分岐状であっても良く、不斉原子を持ってい
ても良い。nは2〜9の整数であり、mは0〜2の整数を表
す。R1は、水素原子、もしくはP1と同じ意味を表す。
いて、-S1-P1及び-S2-R1を除いた骨格としては、以下の
ものが挙げられるが、本発明の重合性液晶化合物におい
て使用できる骨格はこれらに制限されるものではない。
明する。本発明の重合性液晶組成物には、本発明の重合
性液晶化合物を少なくとも30質量%以上含有させるのが
好ましく、50質量%以上含有させるのがさらに好まし
く、70質量%以上含有させるのが特に好ましい。また、
本発明の重合性液晶組成物には、本発明の重合性液晶化
合物を2種以上含有させるのが特に好ましい。
重合性液晶化合物の他にも、公知の重合性液晶化合物を
含有することができる。この場合、分子内に通常この技
術分野で液晶骨格と認められる骨格と重合性官能基を同
時に有する化合物であれば、特に制限なく使用すること
ができる。しかしながら、当該液晶骨格は、少なくとも
2つ又は3つの6員環を有するものが特に好ましい。重合
性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロ
イルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド
基、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル
基、メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCONH-、CH2=
CCl-、CHCl=CH-、RCH=CHCOO- (Rは塩素、フッ素、また
は炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す)が挙げられる
が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、
ビニルオキシ基、メルカプト基がさらに好ましく、アク
リロイルオキシ基が特に好ましい。一分子中に複数の重
合性官能基を有する化合物の場合には、重合性官能基の
種類が異なっていてもよい。例えば、重合性官能基を2
つ有する化合物の場合、一方がアクリロイルオキシ基、
他方がビニルオキシ基であってもよい。一分子中に一つ
の重合性官能基を有する単官能重合性液晶化合物として
は、一般式(IV)
整数を表し、6員環A、B、Cはそれぞれ独立的に、1,4-フ
ェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4-フ
ェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1つ又は隣接し
ない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4-シ
クロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基を表し、こ
れらの6員環A、B、Cは、さらに炭素原子数1〜7のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、
ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3、Y4
はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH
2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)
4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-C
H2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-を表し、Y5は
単結合、-O-、-OCO-、-COO-、-CH=CH-COO-を表し、Z1は
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子1〜20の
炭化水素基を表す)で表される液晶性(メタ)アクリレー
トを含有することが好ましい。
合物の中でも、一般式(V)
子数1〜10のアルキル基を表す)で表される化合物や、一
般式(VI)
子数1〜10のアルキル基を表す)で表されるものが好まし
い。これら一般式(V)と一般式(VI)の化合物は、単独で
用いても良いし、組み合わせて用いても良い。組み合わ
せて用いる場合、一般式(V)と一般式(VI)の化合物の濃
度を等しくするのが好ましい。
として、式(a-1)〜(a-25)の化合物の構造と相転移温度
を以下に示す。しかしながら、本発明の液晶組成物にお
いて使用することができる化合物はこれらに限定される
ものではない。(式中、シクロヘキサン環はトランスシ
クロヘキサン環を表し、数字は相転移温度を表し、Cは
結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等
方性液体相をそれぞれ表す)
V)で表されるような単官能重合性液晶化合物以外にも、
他の単官能重合性液晶化合物を含有させても良い。この
ような化合物の具体例として、式(a-26)〜(a-35)の化合
物の構造と相転移温度を以下に示す。しかしながら、本
発明の液晶組成物において使用することができる化合物
はこれらに限定されるものではない。(式中、シクロヘ
キサン環はトランスシクロヘキサン環を表し、数字は相
転移温度を表し、Cは結晶相、Nはネマチック相、Sはス
メクチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表す)
整数を表し、tは0又は1の整数を表し、6員環D、E、Fは
それぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、隣接しないCH基
が窒素で置換された1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキ
シレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は
硫黄原子で置換された1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シ
クロヘキセニル基を表し、これらの6員環D、E、Fは、さ
らに炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アル
カノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以上置
換されていても良く、Y6、Y7はそれぞれ独立的に単結
合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C
-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2
CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-CO
O-、-OCO-CH=CH-を表し、Y8は単結合、-O-、-OCO-、-CO
O-、-CH=CH-COO-を表し、Z 2は水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、炭素原子1〜20の炭化水素基を表す)で表
される単官能重合性液晶化合物を含有することも好まし
い。このような化合物においては、sは2〜12の整数が好
ましく、2〜8の整数がさらに好ましく、2〜6の整数が特
に好ましい。一般式(VII)で表される化合物の具体的な
例として、式(a-36)〜(a-50)の化合物の構造を以下に示
す。しかしながら、本発明の液晶組成物において使用す
ることができる化合物はこれらに限定されるものではな
い。
表し、R3は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。) 一分子中に2つの重合性官能基を有する2官能重合性液晶
化合物としては、式(a-51)〜式(a-60)の化合物を挙げる
ことができる。しかしながら、本発明の液晶組成物にお
いて使用することができる化合物はこれらに限定される
ものではない。
ル基を表し、u、vはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表
す。) また、特開平10-310612公報に開示されている式(a-61)
のような分子内に2つ以上の液晶骨格を有する2官能重合
性液晶化合物を含有しても良い。
2)のような3官能重合性液晶化合物を含有しても良い。
されている式(a-63)のような4官能重合性液晶化合物を
含有しても良い。
有していない液晶性化合物を含有していても良い。重合
性を有さない液晶化合物としては、一般式(VIII)、(IX)
ていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基またはアル
コキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子
数3〜16のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数1〜10の
アルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル
基を表し、環G、環H、環I、環J及び環Kはそれぞれ独立
的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニ
レン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フ
ェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、フェナンスレ
ン-2,7-ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基、トランス
-1,4-シクロへキシレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイ
ル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジ
ン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン
-2,5-ジイル基またはピリダジン-2,5-ジイル基を表し、
j、kはそれぞれ独立的に0、1もしくは2を表し、Y9、
Y10、Y11、Y12はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-
(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-また
は-C≡C-を表し、Z4はシアノ基、フッ素原子、塩素原
子、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、
ジフルオロメトキシ基、水素原子、3,3,3-トリフルオロ
エトキシ基、R4または-OR4を表し、R4は炭素原子数1〜1
2のアルキル基または、2〜12のアルケニル基を表し、
Z3、Z5は水素原子、フッ素原子または塩素原子を表す)
を挙げることができる。このような非重合性の液晶化合
物を含有させる場合には、一般式(VIII)及び一般式(IX)
から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上含有させるの
が好ましい。R4、R5、R6はそれぞれ独立的にフッ素置換
されていても良い炭素原子数2〜8のアルキル基またはア
ルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子
数3〜8のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数1〜5のア
ルコキシ基で置換された炭素原子数2〜8のアルキル基が
好ましく、環G、環H、環I、環J及び環Kはそれぞれ独立
的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-フェニ
レン基、トランス-1,4-シクロへキシレン基、ピリミジ
ン-2,5-ジイル基が好ましく、Y9、Y10、Y11、Y12はそれ
ぞれ独立的に単結合、-COO-、-OCO-、-CH=CH-または-C
≡C-が好ましく、単結合、-COO-、-OCO-がさらに好まし
い。また、Z3、Z4、Z5のうち2つがフッ素原子であり、
他の一つが水素原子であることや、Z4がシアノ基である
ことが好ましい。本発明の重合性液晶組成物において、
非重合性液晶化合物から構成される成分は、成分それ自
体でネマチック液晶性もしくはキラルスメクチックC相
を呈するように設計するのが好ましい。キラルスメクチ
ックC相を呈するよう設計する場合には、環構造として
ピリミジンを、連結基としてエステル構造を有する化合
物を含有するよう設計するのが好ましい。
子、つまり電界や磁界の印加によっても特性が変化しな
い素子、例えば、位相差フィルムや光学的ローパスフィ
ルターの材料として用いる場合には、重合性を有してい
ない液晶性化合物の含有量は、0〜30質量%が好ましく、
0〜20質量%がさらに好ましく、0〜10質量%が特に好まし
い。本発明の重合性液晶組成物を能動的な素子、つまり
電界や磁界の印加によって特性が変化し、光学的なスイ
ッチとして機能するような素子、例えば、高分子安定化
素子の材料として用いる場合には、重合性を有していな
い液晶性化合物の含有量は、5〜99質量%が好ましく、40
〜98質量%がさらに好ましく、80〜98質量%が特に好まし
い。添加することができる重合性を有していない液晶性
化合物は特に制限がなく、この技術分野において液晶性
化合物と認識されるものであれば使用することができる
が、極性基としてシアノ基やフッ素原子等のハロゲン原
子を有する液晶性化合物は、電界の印加によって配向を
制御しやすいので、このような化合物を用いることは好
ましい。特に極性基としてフッ素原子等のハロゲン原子
のみを有するように重合性液晶組成物を設計すると、TF
T(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等の能動素
子による駆動に適した高い保持率を示す液晶組成物を得
られるので特に好ましい。
合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示さない
化合物を添加することもできる。このような化合物とし
ては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマーある
いは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであ
れば特に制限なく使用することができるが、その添加量
は組成物として液晶性を呈するように調整する必要があ
る。本発明の液晶組成物は、光学素子の作製に応用する
場合には、室温で、典型的には25℃において液晶相を呈
することが好ましい。
で液晶相と認識される相を示す組成物であればよい。そ
のような組成物の中でも、液晶相として、ネマチック
相、スメクチックA相、(キラル)スメクチックC相、コレ
ステリック相、ディスコティック相を発現するものが好
ましい。この中でも、ネマチック相は良好な配向性を有
するため、特に好ましい。また、(キラル)スメクチック
C相を示す場合には、該(キラル)スメクチックC相の温度
領域より高い温度領域でスメクチックA相を、該スメク
チックA相の温度領域より高い温度領域でネマチック相
を、それぞれ発現する液晶組成物は、良好な配向性を得
られる傾向にあるので好ましい。
は40℃以下であることが望ましい。液晶下限温度が低い
ほど、低い温度において配向させることや、低い温度に
おいて紫外線等の活性エネルギー線の照射により配向固
定を行うことができ、良好な均一性の確保が容易にな
る。このことから、液晶下限温度は30℃以下がさらに好
ましく、25℃以下が特に好ましい。
℃以下に調整するのが好ましく、80℃以下がより好まし
く、60℃以下がさらに好ましく、55℃以下が特に好まし
く、50℃以下が非常に好ましい。このようにすると、注
入工程等において本発明の液晶組成物を等方性液体相に
する必要がある場合でも、90℃を越えるような高い温度
にする必要が無く、結果として望ましくない熱重合の誘
起を避けることができる。
反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤を
添加することができる。光重合開始剤としては、ベンゾ
インエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン
類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイ
ド等が挙げられる。その添加量は、液晶組成物に対して
0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜1質量%がさらに好まし
く、0.03〜1質量%の範囲が特に好ましい。また、本発明
の重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させる
ために、安定剤を添加することもできる。使用できる安
定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモ
ノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロ
ガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β-
ナフチルアミン類、β-ナフトール類、ニトロソ化合物
等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液
晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.0
2〜0.5質量%がさらに好ましく、0.03〜0.1質量%が特に
好ましい。
の螺旋構造を内部に有する重合体を得ることを目的とし
て、キラル化合物を添加することもできる。そのような
目的で使用するキラル化合物は、それ自体が液晶性を示
す必要は無く、また重合性官能基を有していても、有し
ていなくても良い。また、その螺旋の向きは、重合体の
使用用途によって適宜選択することができる。そのよう
なキラル化合物としては、例えば、キラル基としてコレ
ステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステ
アリン酸コレステロール、キラル基として2-メチルブチ
ル基を有するビーディーエイチ社(BDH社;イギリス国)
製の「CB-15」、「C-15」、メルク社(ドイツ国)製の「S-108
2」、チッソ社製の「CM-19」、「CM-20」、「CM」;キラル基と
して1-メチルヘプチル基を有するメルク社製の「S-81
1」、チッソ社製の「CM-21」、「CM-22」などを挙げることが
できる。キラル化合物を添加する場合の好ましい添加量
は、液晶組成物の用途によるが、重合して得られる重合
体の厚み(d)を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d
/P)が0.1〜100の範囲となる量が好ましく、0.1〜20の範
囲となる量がさらに好ましい。
ィルムや配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料、保護
膜等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金
属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材
料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、
多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオ
ン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加するこ
ともできる。
発明の重合性液晶化合物または重合性液晶組成物を重合
させることによって製造される重合体は種々の用途に利
用できる。例えば、本発明の重合性液晶化合物または重
合性液晶組成物を、配向させない状態で重合させた場
合、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用
可能である。また、本発明の重合性液晶化合物または重
合性液晶組成物を配向させた状態において、重合させる
ことにより製造された重合体は、物理的性質に異方性を
有しており、有用である。このような重合体は、例え
ば、本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物表
面を、布等でラビング処理した基板、もしくは有機薄膜
を形成した基板表面を布等でラビング処理した基板、あ
るいはSiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板上に担持
させるか、基板間に挟持させた後、本発明の液晶を重合
させることによって製造することができる。
を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーテ
ィング、ダイコーティング、エクストルージョンコーテ
ィング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティン
グ、グラビアコーティング、スプレーコーティング、デ
ィッピング、プリント法等を挙げることができる。また
コーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加
しても良い。有機溶媒としては、酢酸エチル、テトラヒ
ドロフラン、トルエン、ヘキサン、メタノール、エタノ
ール、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニト
リル、セロソルブ類を挙げることができる。これらは単
独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合
性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。
また、その添加量は90質量%以下が好ましい。添加した
有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾
燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重
合性液晶材料の塗布性をさらに向上させるためには、基
板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合
性液晶材料にレベリング剤を添加するのも有効である。
基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けるのは、重合
性液晶材料を重合させて得られる重合体と基板の密着性
が良くない場合に、密着性を向上させる手段としても有
効である。
を基板間に挟持させる方法としては、毛細管現象を利用
した注入法が挙げられる。基板間に形成された空間を減
圧し、その後、重合性液晶材料を注入する手段も有効で
ある。
外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用や、
電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配
向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良
い。さらに、ラビングに代わる配向処理方法として、光
配向法を用いることもできる。この方法は、例えば、ポ
リビニルシンナメート等の分子内に光二量化反応する官
能基を有する有機薄膜、光で異性化する官能基を有する
有機薄膜又はポリイミド等の有機薄膜に、偏光した光、
好ましくは偏光した紫外線を照射することによって、配
向膜を形成するものである。この光配向法に光マスクを
適用することにより配向のパターン化が容易に達成でき
るので、重合体内部の分子配向も精密に制御することが
可能となる。
構成部分として有していても良い。基板を構成する材料
は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができ
る。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリ
スルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリ
エーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料
としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げ
られる。
よって適当な配向性を得られない場合、公知の方法に従
ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の
有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングし
ても良い。また、通常のツイステッド・ネマチック(TN)
素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック(STN)素
子で使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄
膜は、重合体内部の分子配向構造を更に精密に制御する
ことができることから、特に好ましい。また、電場によ
って配向状態を制御する場合には、電極層を有する基板
を使用する。この場合、電極上に前述のポリイミド薄膜
等の有機薄膜を形成するのが好ましい。
の配向状態としては、液晶の技術分野で一般的に知られ
ている種々の配向状態をとらせることができる。配向状
態の一例としては、ホモジニアス(水平)配向、傾いたホ
モジニアス配向、ホメオトロピック(垂直)配向、傾いた
ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向、ツイステッ
ドネマチック配向、スーパー・ツイステッド・ネマチッ
ク配向状態を挙げることができる。また、これらの配向
の組み合わせや、場所ごとに配向状態を変えてパターン
化しても良い。傾いたホモジニアス配向、及び傾いたホ
メオトロピック配向の場合、双方の場合とも基板面と液
晶分子長軸のなす角度が0度または90度以外になってい
る状態を意味する。基板面と液晶分子長軸のなす角度
は、作製する重合体の用途・機能によって選択すれば良
い。基板面と液晶分子長軸のなす角度を10〜80度、さら
に好ましくは、20〜70度の範囲に設定した場合、製造さ
れる重合体は、液晶ディスプレイの視野角を広く改善す
るための光学部材として使用可能である。また、液晶組
成物の配向状態をハイブリッド配向にした場合も、製造
される重合体は液晶ディスプレイの視野角を広く改善す
るための光学部材として使用可能である。また、基板面
と液晶分子長軸のなす角度を30〜60度、さらに好ましく
は、40〜50度、特に好ましくは45度に設定した場合、製
造される重合体には、偏光分離能を効率良く付与するこ
とができる。このような重合体は、偏光分離素子や光学
的ローパスフィルターとして有用である。また、液晶組
成物の配向状態をハイブリッド配向にした場合も、製造
される重合体は偏光光学素子や光学的ローパスフィルタ
ーとして有用である。一方、ツイステッドネマチック配
向、スーパー・ツイステッド・ネマチック配向、コレス
テリック配向に代表されるような螺旋構造を有する配向
構造も有用である。ねじり角度を60〜270度に設定した
場合、液晶表示素子の光学補償用途に有用である。ま
た、螺旋ピッチを調節し、特定の波長領域を選択的に反
射するように設定した場合、製造される重合体はノッチ
フィルターや反射型カラーフィルターとして利用可能で
あり、有用である。また、選択的に反射する波長領域を
赤外線の領域に設定すれば、熱線カットフィルターとし
ても有用である。また、ホモジニアス配向、ホメオトロ
ピック配向状態にした場合、プラスチックを延伸処理し
たものと比較して、屈折率の異方性が大きいため、重合
体としての厚みが薄くてすむという利点があり、有用で
ある。また、液晶セル内部に、光学補償板を作り込める
可能性もある。反射型液晶表示素子の光学補償に用いる
場合、この特性は重要であり、特に1/4波長板としての
利用は極めて重要である。
晶組成物を重合させる方法としては、迅速な重合の進行
が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー
線を照射することによって重合させる方法が好ましい。
紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非
偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基
板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくと
も照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透
明性が与えられていなければならない。また、光照射時
にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場
や磁場または温度等の条件を変化させることにより、未
重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギ
ー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。
また、照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態
が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、
光重合によって重合体を製造しようとする場合には、意
図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室
温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合さ
せることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1m
W/cm2〜2W/cm2が好ましい。強度が0.1mW/cm2以下の場
合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生
産性が悪化してしまい、2W/cm2以上の場合、重合性液晶
化合物または重合性液晶組成物が劣化してしまう危険が
ある。
初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ること
を目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度
は50〜250℃の範囲で、また熱処理時間は30秒〜12時間
の範囲が好ましい。このような方法によって製造される
本発明の重合体は、基板から剥離して単体で用いても、
剥離せずに用いても良い。また、得られた重合体を積層
しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(1) 4-ヒドロキシ安息香酸138.1g、6-クロロ-1-ヘキサノー
ル136.1g、水酸化ナトリウム84.0g、ヨウ化カリウム25.
0g、エタノール440ml、水440mlから成る混合物を撹拌し
ながら、80℃で32時間加熱した。得られた反応液を室温
まで冷却後、反応液に飽和食塩水1000mlを加え、反応液
の水層が弱酸性になるまで希塩酸を加えた。この反応溶
液に酢酸エチル1000mlを加えて抽出を行った。有機層を
水洗した後、有機溶媒を減圧留去し、さらに風乾して式
(s-1)の化合物を223.9g得た。
ンスルホン酸27.0g、ヒドロキノン6.0g、トルエン420m
l、n-へキサン180ml、テトラヒドロフラン260mlから成
る混合物を加熱撹拌し、生成してくる水を留去しながら
6時間還流させた。反応液を室温まで冷却後、反応液に
飽和食塩水1000ml、酢酸エチル800mlを加えて抽出を行
った。有機層を水洗した後、有機溶媒を減圧留去して粗
生成物231.4g得た。次に、n-へキサン400mlとトルエン1
00mlの混合物からの再結晶を2回行い、式(s-2)の化合物
を111.8g得た。
ルアルコール4.0g、4-ジメチルアミノピリジン0.5g、1-
エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩7.0g、4-ジメチルアミノピリジン0.5g、塩化メチ
レン150mlからなる混合物を室温で20分間撹拌した。こ
の反応液に、式(s-2)の化合物10.6g、1-エチル-3-(3-ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩7.0g、4-
ジメチルアミノピリジン0.5g、塩化メチレン50mlからな
る混合物を加え、さらに8時間室温で撹拌した。反応終
了後、反応液を水洗し、有機層を減圧留去することによ
り粗生成物24.5g得た。得られた粗生成物を酢酸エチル
を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(Rf=1.0)、及び60mlのエタノールからの再結晶、メタノ
ール60ml及び塩化メチレン25mlからなる混合溶媒からの
再結晶により精製して、式(s-3)の重合性液晶化合物を1
3.5g得た。
マチック相へ相転移し、81℃で等方性液体相に相転移し
た。
(2) 4-ヒドロキシ安息香酸メチル91.3g、3-クロロ-1-プロパ
ノール68.1g、炭酸カリウム99.0g、ジメチルホルムアミ
ド360mlからなる混合物をを撹拌しながら、80℃で16時
間加熱還流した。得られた反応液を室温まで冷却後、反
応液に飽和食塩水800mlを加え、反応液の水層が弱酸性
になるまで希塩酸を加えた。この反応溶液にテトラヒド
ロフラン1000mlを加えて抽出を行った。有機溶媒を減圧
留去し、式(s-4)の粗生成物を133.1g得た。
タノール100ml、水100mlから成る混合物を、撹拌しなが
ら4時間加熱還流させた。反応液を室温まで冷却後、反
応液に塩酸を加えて中和した。次に反応液に飽和食塩水
1000mlを加え、さらにテトラヒドロフラン1000mlを加え
て抽出を行った。有機溶媒を減圧留去し粗生成物118.5g
得た。次に、トルエン200ml及びテトラヒドロフラン100
mlからなる混合溶媒を用いた再結晶を行い、式(s-5)の
化合物88.0g得た。
スルホン酸20.0g、ヒドロキノン4.0g、トルエン200ml、
ヘキサン1504ml、テトラヒドロフラン150mlからなる混
合物を加熱撹拌し、生成してくる水をディーンスターク
水分離器で留去しながら、8時間還流させた。反応液を
室温まで冷却後、反応液に飽和食塩水1000mlを加えて反
応液を洗浄した。有機層に酢酸エチル900ml加えた後、
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mlで2回洗浄
した。さらに有機層を水1000mlで3回洗浄した後、有機
溶媒を減圧留去して粗生成物54.2gを得た。トルエン300
mlとヘキサン200mlの混合溶媒からの再結晶、トルエン2
00mlとヘキサン100mlの混合溶媒からの再結晶により精
製し、式(s-6)の化合物を45.3g得た。
ルアルコール3.2g、4-ジメチルアミノピリジン0.6g、1-
エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩9.4g、テトラヒドロフラン150mlからなる混合物
を6時間室温で撹拌した。反応液に飽和食塩水200ml、酢
酸エチル400mlを加えて抽出を行った。有機層を水洗し
た後、有機溶媒を減圧留去して粗生成物15.7g得た。得
られた粗生成物をトルエンと酢酸エチルの混合溶媒(容
量比で酢酸エチル:トルエン=1:5、Rf=0.50)を展開溶媒
とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び40mlの
メタノールからの再結晶により精製し、式(s-7)の重合
性液晶化合物3.0gを得た。
マチック相へ相転移し、84℃で等方性液体相に相転移し
た。
(1) 化合物(a-1)の重合性液晶化合物50質量部
℃)でネマチック液晶相を呈した。ネマチック相−等方
性液体相転移温度は46℃であった。また、589nmで測定
したne(異常光の屈折率)は1.662で、no(常光の屈折率)
は1.510、複屈折率は0.152であった。
物(s-7)30質量部、組成物(A)70質量部から成る組成物
(B)を調製した。この組成物(B)は室温でネマチック相を
示し、ネマチック−等方性液体相転移温度は56℃であっ
た。また3時間以上、結晶が析出しなかった。
(2) 実施例2で合成した重合性液晶化合物(s-7)40質量部、組
成物(A)60質量部から成る組成物(C)を調製した。この組
成物(C)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は60℃であった。また1時間以上、
結晶が析出しなかった。
(3) 実施例2で合成した重合性液晶化合物(s-7)50質量部、組
成物(A)50質量部から成る組成物(D)を調製した。この組
成物(D)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は64℃であった。また1時間以上、
結晶が析出しなかった。
(4) 実施例2で合成した重合性液晶化合物(s-7)60質量部、組
成物(A)40質量部から成る組成物(E)を調製した。この組
成物(E)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は67℃であった。また30分以上、結
晶が析出しなかった。
(5) 実施例2で合成した重合性液晶化合物(s-7)70質量部、組
成物(A)30質量部から成る組成物(F)を調製した。この組
成物(F)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は71℃であった。また30分以上、結
晶が析出しなかった。
(6) 実施例1で合成した重合性液晶化合物(s-3)20質量部、組
成物(A)80質量部から成る組成物(G)を調製した。この組
成物(G)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は56℃であった。また48時間以上、
結晶が析出しなかった。589nmで測定したne(異常光の屈
折率)は1.671で、no(常光の屈折率)は1.507、複屈折率
は0.164であった。また20℃での粘度は56.3cpであっ
た。
(7) 実施例1で合成した重合性液晶化合物(s-3)40質量部、組
成物(A)80質量部から成る組成物(H)を調製した。この組
成物(H)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は62℃であった。また1時間以上、
結晶が析出しなかった。589nmで測定したne(異常光の屈
折率)は1.675で、no(常光の屈折率)は1.504、複屈折率
は0.171であった。
(8) 実施例1で合成した重合性液晶化合物(s-3)60質量部、組
成物(A)80質量部から成る組成物(I)を調製した。この組
成物(I)は室温でネマチック相を示し、ネマチック−等
方性液体相転移温度は68℃であった。また30分以上、結
晶が析出しなかった。
(10) 実施例5で調製した重合性液晶組成物(D)99質量部、光重
合開始剤イルガキュアー651(チバスペシャリティケミカ
ルズ社製)1質量部からなる重合性液晶組成物(J)を調製
した。この組成物(J)は室温でネマチック相を示し、ネ
マチック−等方性液体相転移温度は62℃であった。また
1時間以上、結晶が析出しなかった。
(11) 実施例6で調製した重合性液晶組成物(E)99質量部、光重
合開始剤イルガキュアー651(チバスペシャリティケミカ
ルズ社製)1質量部からなる重合性液晶組成物(K)を調製
した。この組成物(K)は室温でネマチック相を示し、ネ
マチック−等方性液体相転移温度は65℃であった。また
30分以上、結晶が析出しなかった。
(12) 実施例1で得た重合性液晶化合物(s-3)及び実施例2で得
た重合性液晶化合物(s-7)を混合したところ、任意の割
合で良く相溶した。(s-3)の重合性液晶化合物50質量
部、(s-7)の重合性液晶化合物50質量部からなる重合性
液晶組成物は、室温でネマチック相を示した。また、30
分以上結晶が析出しなかった。
を示した。相転移温度は、結晶−スメクチック相が87
℃、スメクチック相−ネマチック相が91℃、ネマチック
相−等方性液体相が110℃である)、
物(L)は、室温(25℃)でネマチック液晶相を示し、ネマ
チック相−等方性液体相転移温度は64℃であった。この
重合性液晶組成物(L)は、15分以内に結晶が析出した。
組成物(L)99質量部、光重合開始剤イルガキュアー651
(チバスペシャリティケミカルズ社製)1質量部からなる
重合性液晶組成物(M)を調製した。この組成物(M)は室温
でネマチック相を示し、ネマチック−等方性液体相転移
温度は60℃であった。この重合性液晶組成物(M)は、15
分以内に結晶が析出した。
発明の重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物
は、結晶が析出しにくいことがわかる。
スセル(液晶を一軸配向するよう配向処理を施したガラ
スセル)に、実施例11で調製した組成物(J)を室温にて注
入した。注入後、均一な一軸配向が得られているのが確
認できた。次に、室温(25℃)にてウルトラバイオレット
社のUVGL-25を用いて1mW/cm2の紫外線を10分間照射し
て、組成物(J)を重合させ、重合体を得た。得られた重
合体は、方向によって屈折率が異なっており、光学異方
体として機能することが確かめられた。ガラスセルにい
れたままの重合体のヘイズは1.8%であった。さらに、ガ
ラス製液晶セルを分解して、得られた重合体単体を取り
出し、耐熱性を検討したところ、150℃においても配向
は乱れず、問題の無いことを確認できた。また、得られ
た重合体はゲル状ではなく機械的特性も優れていた。
スセル(液晶を一軸配向するよう配向処理を施したガラ
スセル)に、実施例12で調製した組成物(K)を室温にて注
入した。注入後、迅速に均一な一軸配向が得られている
のが確認できた。次に、室温(25℃)にてウルトラバイオ
レット社のUVGL-25を用いて1mW/cm2の紫外線を10分間照
射して、組成物(K)を重合させ、重合体を得た。得られ
た重合体は、方向によって屈折率が異なっており、光学
異方体として機能することが確かめられた。ガラスセル
にいれたままの重合体のヘイズは1.7%であった。さら
に、ガラス製液晶セルを分解して、得られた重合体単体
を取り出し、耐熱性を検討したところ、150℃において
も配向は乱れず、問題の無いことを確認できた。また、
得られた重合体はゲル状ではなく機械的特性も優れてい
た。
スセル(液晶を一軸配向するよう配向処理を施したガラ
スセル)に、比較例で調製した組成物(M)を室温にて注入
した。注入後、均一な一軸配向が得られているのが確認
できた。次に、室温(25℃)にてウルトラバイオレット社
のUVGL-25を用いて1mW/cm2の紫外線を10分間照射して、
組成物(M)を重合させ、重合体を得た。得られた重合体
は、方向によって屈折率が異なっており、光学異方体と
して機能することが確かめられた。ガラスセルにいれた
ままの重合体のヘイズは13.5%であった。
重合性液晶組成物を用いて重合体を作製すると、ヘイズ
が低減された透明性の高いものが得られることがわか
る。
温度が約60℃と低い。また本発明の重合性液晶組成物
は、室温で液晶性を示し、結晶が析出しにくい。また、
重合後に得られる重合体フィルムは透明性、機械的特性
に優れた重合体を与える。この点から本発明の重合性液
晶組成物は、位相差フィルムや光学的ローパスフィルタ
ー等の製造を容易にするものであり、きわめて有用であ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 一分子中に2個以上の重合性官能基、及
び重合性でない芳香環、脂環、複素環及び縮合環からな
る群から選ばれる同一又は異なる2〜10個の環を有して
おり、2つの環を連結する基として-CH2CH2COO-もしくは
-CH2CH2OCO-を少なくとも一つ有することを特徴とする
重合性液晶化合物。 - 【請求項2】 一般式(I) 【化1】 (式中、P1、P2は重合性官能基を表し、S1及びS2は2価の
スペーサー基を表し、X1、X2、L1はそれぞれ独立的に連
結基を表し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-
CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連
結基であり、A1、A2は独立的に芳香環、脂環、複素環及
び縮合環を表し、nは1〜9の整数を表す)で表されること
を特徴とする請求項1記載の重合性液晶化合物。 - 【請求項3】 一般式(I)においてX1、X2がそれぞれ独
立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-を表し、
L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、
-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-を表し、それ以外は独立的に
単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH2CH2-、-
CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=
CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-
CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-
を表し、S1及びS2は隣接しない炭素原子が酸素原子で置
換されていても良く、また水素原子が酸素原子、ハロゲ
ン原子、シアノ基で置換されていても良い炭素原子数2
〜18のアルキレン基、もしくはシリコン原子数が2〜18
のシロキサン基を表わすことを特徴とする請求項2記載
の重合性液晶化合物。 - 【請求項4】 一般式(II) 【化2】 (式中、W1、W2はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO
-、-OCO-を表し、Y1、Y2はそれぞれ独立的に-COO-、-OC
O-を表し、p、qはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表
し、1,4-フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、
アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲ
ン原子で一つ以上置換されていても良い)で表される請
求項1から3いずれか一つの請求項に記載の重合性液晶化
合物。 - 【請求項5】 一般式(III) 【化3】 (式中、P1は重合性官能基を表し、S1及びS2は2価のスペ
ーサー基を表し、X1、X2、L1はそれぞれ独立的に連結基
を表し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2C
H2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-から選ばれる連結基
であり、R1は水素原子、もしくはP1と同じ意味を表し、
A1、A2は独立的に芳香環、脂環、複素環及び縮合環を表
し、nは2〜9の整数を表し、mは0〜2の整数を表す)で表
されることを特徴とする請求項1記載の重合性液晶化合
物。 - 【請求項6】 一般式(III)において、X1、X2がそれぞ
れ独立的に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-を表
し、L1のうち少なくとも一つは-CH2CH2COO-、-CH2CH2OC
O-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-を表し、それ以外は独立
的に単結合、-CH2-、-O-、-S-、-CO-、-OCOO-、-CH2CH2
-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、
-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH
=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=
CH-を表し、S1及びS2は隣接しない炭素原子が酸素原子
で置換されていても良く、また水素原子が酸素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基で置換されていても良い炭素原子
数2〜18のアルキレン基、もしくはシリコン原子数が2〜
18のシロキサン基を表わすことを特徴とする請求項5記
載の重合性液晶化合物。 - 【請求項7】 請求項1から6にいずれか一つの請求項に
記載の重合性液晶化合物を含有することを特徴とする重
合性液晶組成物。 - 【請求項8】 一般式(IV) 【化4】 (式中、X7は水素原子又はメチル基を表し、rは0又は1の
整数を表し、6員環A、B、Cはそれぞれ独立的に、1,4-フ
ェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4-フ
ェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1つ又は隣接し
ない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4-シ
クロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基を表し、こ
れらの6員環A、B、Cは、さらに炭素原子数1〜7のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルカノイル基、又はシアノ基、
ハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3、Y4
はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH
2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)
4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-C
H2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-を表し、Y5は
単結合、-O-、-OCO-、-COO-、-CH=CH-COO-を表し、Z1は
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子1〜20の
炭化水素基を表す)で表される重合性液晶化合物を含有
することを特徴とする請求項7記載の重合性液晶組成
物。 - 【請求項9】 一般式(VII) 【化5】 (式中、X8は水素原子又はメチル基を表し、sは2〜18の
整数を表し、tは0又は1の整数を表し、6員環D、E、Fは
それぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、隣接しないCH基
が窒素で置換された1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキ
シレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫
黄原子で置換された1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シク
ロヘキセニル基を表し、これらの6員環D、E、Fは、さら
に炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカ
ノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で一つ以上置換
されていても良く、Y6、Y7はそれぞれ独立的に単結合、
-CH2CH 2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-C
H=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH
2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-
OCO-CH=CH-を表し、Y8は単結合、-O-、-OCO-、-COO-、-
CH=CH-COO-を表し、Z2は水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、炭素原子1〜20の炭化水素基を表す)で表される重
合性液晶化合物を含有することを特徴とする請求項7ま
たは8記載の重合性液晶組成物。 - 【請求項10】 液晶下限温度が40℃以下であることを
特徴とする請求項7から9のいずれか一つの請求項に記載
の重合性液晶組成物。 - 【請求項11】 請求項1から6のいずれか一つの請求項
に記載の重合性液晶化合物または請求項7から10のいず
れか一つの請求項に記載の重合性液晶組成物の重合体。
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