JP2002119313A - ネックレス等の装飾具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 細い径のロープ体であっても、吸着性能が低
下することなく、その吸着性能を維持すると共に、形状
記憶性を保持させて装飾具としての機能を有効に発揮さ
せ、環状体の環状径を使用者の好みに応じて適宜に調整
することができるようにしたこと。 【解決手段】 適宜の長さを有するロープ体１を磁性材
で成形し、このロープ体１の長さ方向に沿った断面分割
面に異極を着磁し、このロープ体１を巻回して輪形ロー
プ部３の外周吸着部位３ａと両端ロープ部４の内周吸着
部位４ａとを吸着させて適宜の径を有する環状体５を形
成し、この環状体５の吸着部位の途中に保持部材６を設
けて吸着状態を保持するようにしたネックレス等の装飾
具である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ネックレス、ブレ
スレット、指輪、ループタイ、ベルト或はその他のロー
プ体で構成されるネックレス等の装飾具に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、この種の装飾具は、環形状にした
装飾具をリング等の止着部材で止着して環状形の状態
で、首回りや腕、指等に装着するようにしている。

【０００３】このうち、ネックレスの一般の使用方法
は、チェーンや紐状部を首の回りに付けてチェーン等の
両端部に設けたフックや止着具で首回りに装着するよう
にしたり、又は、無端状のネックレスを２連又は３連に
巻回して首回りに装着するようにしている。

【０００４】しかし、これらのネックレス等の装飾具
は、止着部材が極めて小さく、かつ複雑であるため、首
回り等への装着や取外しが面倒であるばかりでなく、環
状装飾具の径は、商品毎に決まっているので、使用者の
好みに応じて、その径を任意に伸縮させて使用できるも
のではない。

【０００５】一方、本来、無端状のネックレスは、２連
又は３連に首回りに巻き回して使用するものであるた
め、ネックレスの径を適宜の径に伸縮させて使用できる
ものとはいえない。

【０００６】そこで、本発明者は、上述のように、環状
形の装飾具の径を任意に変えることができない等の問題
点を解決するため、既に、実開平４−３６８２１号公報
（実公平７−３４５７０号）を提案している。同公報で
提案し、既に実施している装飾具の製品は、国内はもと
より世界的に好評を博し、装飾具として、新しい商品ア
イテムの一つに位置付けられるまでに普及している。

【０００７】ところで、本発明者が提案している環状体
の製品（商標名ムーンレイ）は、現在広く愛用されてい
るが、ロープ体の径が１．５ｍｍ程度の細いものを要求
されたときに、可能な範囲で着磁しても、ロープ体が細
径であるため、磁力によ吸磁性能がやや低下することが
確認された。

【０００８】従って、このような細いロープ体をネック
レスとして使用する場合、使用中に汗などがロープ体の
外周面に付着すると、ロープ体同士の吸着性能が低下す
るおそれがある。また、ロープ体で構成した環状体の下
部に飾体を吊り下げると、飾体の重量により、環状体に
荷重がかかって変形したり、または、ロープ体の吸着部
位の長さが短い場合も吸着性能が低下するおそれがある
ため、ロープ体に吸着している両端部分が離れてしま
い、ネックレスとしての機能が損なわれる等の課題を有
している。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の課題点に鑑み改善したものであり、その目的とすると
ころは、細い径のロープ体であっても、吸着性能を維持
すると共に、形状記憶性を保持させて装飾具としての機
能を有効に発揮させ、環状体の環状径を使用者の好みに
応じて適宜に調整することができるようにしたことにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、適宜の長さを有するロープ
体を磁性材で成形し、このロープ体の長さ方向に沿った
断面分割面に異極を着磁し、このロープ体を巻回して輪
形ロープ部の吸着部位と両端ロープ部の吸着部位とを吸
着させて適宜の径を有する環状体を形成し、この環状体
の吸着部位の途中に保持部材を設けて止着性能と環状体
の径を調整する自在性能を有するようにしたネックレス
等の装飾具である。

【００１１】請求項２に係る発明は、輪形ロープ部の吸
着部位である外周面と両端ロープ部の吸着部位である内
周面とを吸着させて適宜径の環状体を形成するようにし
ており、請求項３に係る発明は、上記保持部材の構造
を、断面楕円形のパイプ本体に曲折部を形成して、ロー
プ体とパイプ本体内周面との摩擦抵抗を大きくして、環
状体の形状保持機能と、環状径の調整を可能としてい
る。

【００１２】請求項４に係る発明は、曲折部について、
パイプ本体の中央部分に設けたアール部と両端に設けた
突出部より成る構造にしたものであり、外観の美感性は
基より、保持性と操作性に優れている。

【００１３】請求項５に係る発明は、上記のロープ体に
ついて、予かじめ環状形に形状記憶させておくことによ
り、ロープ体の吸着性能が向上して、形態の保持性が良
好となる。

【００１４】請求項６における発明は、上記ロープ体の
外表面を薄膜で被覆して装飾性と耐久性と使用感を良好
にしている。また、請求項７における発明は、上記環状
体の略中央下部に適宜の飾体を配設するようにしてい
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明における装飾具をネ
ックレスに適用した一例を図面に従って詳細に説明す
る。図１に示すネックレスに対応する適宜の長さを有す
るロープ体１を磁性材で成形している。この磁性材は、
Ｆｅ₃Ｏ₄を原料に仮焼・粉砕し、成型・焼成して異方性
フェライト磁石をフレキシブルな線形状に成形したり、
或はフェライト粉末や希土類・コバルト合金粉末に結合
剤として樹脂を混合して押出成形によりフレキシブルな
線形状に成形する。その他、この磁性材には、各種のも
のを挙げることができるが、例えば、熱可塑性樹脂又は
熱硬化性樹脂とフェライト粉末又は希土類マグネット粉
末を混合して練り込み、均一にした後、射出成型によっ
て成型加工されたプラスチックマグネットがあり、或は
ラバーマグネット等がある。

【００１６】この磁性材の押出し成型時に、ロープ体１
の長さ方向に沿って、図２に示すように断面分割面にＳ
極とＮ極との異極を着磁することもでき、また、押出成
形時に、環形状に予め形状記憶されるように押出成形す
るようにして、ネックレス等の環形状に対応できるよう
にすることも可能である。

【００１７】また、このロープ体１の外表面を加熱する
ことにより収縮する樹脂製の熱収縮筒膜で被覆して薄膜
２を設ける。この薄膜２の成形時に環形状態に形状記憶
されるような工程を経ても良い。このロープ体１に適宜
の色彩や光沢を有するシリコン樹脂又はアクリル樹脂等
でコーテイングした後に熱収縮筒膜２で被覆すると、適
宜の色彩を施すことができる。更には、ロープ体１に適
宜の色彩や光沢を有するシリコン樹脂又はアクリル樹脂
等でのみコーテイングして薄膜２を設けるようにしても
良い。また、上記のように、熱収縮筒膜２を透明又は半
透明にすることもできるが、熱収縮筒膜２自体を着色し
て黒色や有彩色のロープ体１とすることも可能である。
その他、金等の薄膜２をコーテイング又はスパッタリン
グ等の蒸着手段で被覆するようにしても良い。

【００１８】次いで、ロープ体１の外表面に薄膜２を被
覆した後に、上記の例とは異なり、この時点で、ロープ
体１の長さ方向に沿って、図２に示すように断面分割面
にＳ極とＮ極との異極を任意の着磁機によって着磁させ
る。そして、図１に示すように、このロープ体１を巻回
して輪形ロープ部３の外周吸着部位３ａと両端ロープ部
４の内周吸着部位４ａとを吸着させて首周りに対応する
適宜の径を有する環状体５を形成する。

【００１９】この環状体５の吸着部位の中央位置に、金
等の金属や樹脂等で成形した筒状の保持部材６を設けて
吸着状態を保持するようにしている。この保持部材６
は、図３から図５に示すように、パイプ材を断面楕円形
に形成してパイプ本体７を設け、このパイプ本体７に曲
折部８を形成し、ロープ体１とパイプ本体７の内周面と
の摩擦抵抗を大きくしてロープ体１の保持と環状体５の
径の調整を円滑に、かつ自在に行なえるようにしてい
る。そして、この曲折部８は、パイプ本体７の中央部分
に設けたアール部８ａと両端に設けた突出部８ｂより成
る。この保持部材６の形状や構造は、これに限定される
ことなく、各種の形状や構造を実施に応じて適宜に選択
することができる。

【００２０】又、図１と図６に示すように、環状体５の
中央下部に適宜の飾体９を配設している。本例におい
て、飾体９のリング部９ａを介してロープ部１に通して
吊り下げている。この飾体９は、各種の飾体を含み、そ
の取付け手段も各種の例が包含するものとする。なお、
図中１１はロープ体１の両端に設けたキャップ状の飾部
であり、この飾部１１も装飾効果を発揮させている。図
７は、保持部材の他例を示したものであり、同図におい
て２本のアール状のパイプ１０ａ、１０ｂの両端をロー
付けして保持部材１０を構成している。

【００２１】次に、上述した実施形態の作用を説明す
る。図６において、一側に保持部材６を挿入したロープ
体１を首回りに巻きつけ、他側のロープ体１の先端を保
持部材６に挿入して両端ロープ部４を適宜の位置まで調
整すると、保持部材６内のロープ体１は並列状態を保持
し、両端の突出部８ｂより突出した両端ロープ部４，４
が交叉するように輪形ロープ部３の外周面位置に延出し
て輪形ロープ部３の吸着部位である外周面３ａと両端ロ
ープ部４の吸着部位である内周面４ａとが吸着して適宜
径の環状体５を形成し、環状体５は相似形を呈すること
になり、機能美が一段と向上し、装飾具としての価値が
増す。

【００２２】この場合、環状体５の中央部に保持部材６
を設けているから、パイプ本体７の中央部分のアール部
８ａである曲折部８の内周面と２本のロープ体１，１の
下部とが摩擦抵抗を発生させ、かつ突出部８ｂである曲
折部８の内周面と一側のロープ体１の上部と、他側のロ
ープ体１の下部とが摩擦抵抗を発生させ、このとき、環
状に記憶形態を有するロープ体１は、確実に環形状体を
維持しながら吸着保持され、環状体５の環状径の調整も
自在である。また、両端の突出部８ｂによってロープ体
１は、環形状を保持しながら突出される。又、環状体５
は、形状記憶形態を有しているから、使用中ばかりでは
なく、本製品を保管する際にも環状形を長期にわたって
保持することができ、装飾具としての装飾価値が高いば
かりでなく、各種の使用価値を有している。

【００２３】

【発明の効果】以上のことから明らかなように、請求項
１に係る発明によると、ロープ体を吸着させて環状体を
構成し、この環状体を保持部材によって吸着状態を保持
するようにしているため、ロープ体の太さや細さに影響
を受けることなく、吸着状態を確実に保持させて、使用
中に外れたり、みだりにずれることがない。

【００２４】また、請求項２に係る発明は、輪形ロープ
部と両端ロープとが確実に吸着されて装飾性の良好な装
飾具を提供することができる。

【００２５】請求項３に係る発明はロープ体とパイプ本
体の曲折部との接触部位の摩擦抵抗を大きくしてロープ
体の保持性と、適宜の摺動性を良好にすることにより、
装飾具としての機能の向上と操作性を良好にすることが
できる。

【００２６】請求項４に係る発明は、パイプ本体の中央
部分と両端部に曲折部を設けているので、環状体の環状
形に影響を与えることなく、保持機能を保持させること
ができる。

【００２７】また、請求項５に係る発明は、ロープ体を
成形する際に、予め環形状に形状記憶させているため、
常に使用中に環状形を保持させ、保管中にも環状体は、
常に環状形を維持しているため、ロープ体の吸着性能が
低下することがない。

【００２８】請求項６に係る発明は、ロープ体の外表面
に薄膜を被覆しているので、形態を保持させるばかりで
なく、装飾具としての機能が向上し、使用感も良好とな
り、耐久性の向上にも寄与する。

【００２９】更に、請求項７に係る発明は、環状体の中
央下部に適宜の飾体を配設するようにしたので、装飾具
の価値を一段と向上させることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における装飾具の一例を示したネックレ
スの正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１における保持部材の部分を示した部分拡大
図である。

【図４】図３の縦断面図である。

【図５】図３のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】図１における装着前のネックレスの正面図であ
る。

【図７】他例を示すネックレスの部分断面図である。

【符号の説明】

１ ロープ体 ２ 薄膜 ３ 輪形ロープ部 ３ａ 外周吸着部位 ４ 両端ロープ部 ４ａ 内周吸着部位 ５ 環状体 ６ 保持部材 ７ パイプ本体 ８ 曲折部 ８ａ アール部 ８ｂ 突出部 ９ 飾体

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の長さを有するロープ体を磁性材で
   成形し、このロープ体の長さ方向に沿った断面分割面に
   異極を着磁し、このロープ体を巻回して輪形ロープ部の
   吸着部位と両端ロープ部の吸着部位とを吸着させて適宜
   の径を有する環状体を形成し、この環状体の吸着部位の
   途中に保持部材を設けて止着性能と自在性能を有するよ
   うにしたことを特徴とするネックレス等の装飾具。
2. 【請求項２】 上記輪形ロープ部の吸着部位である外周
   面と両端ロープ部の吸着部位である内周面とを吸着させ
   て適宜径の環状体を形成するようにした請求項１に記載
   のネックレス等の装飾具。
3. 【請求項３】 上記保持部材は、断面楕円形のパイプ本
   体に曲折部を形成して、ロープ体とパイプ本体内周面と
   の摩擦抵抗を大きくした請求項１又は２に記載のネック
   レス等の装飾具。
4. 【請求項４】 上記の曲折部は、パイプ本体の中央部分
   に設けたアール部と両端に設けた突出部より成る請求項
   ３に記載のネックレス等の装飾具。
5. 【請求項５】 上記のロープ体は、予かじめ環状形に形
   状記憶させている請求項１乃至４の何れかに記載のネッ
   クレス等の装飾具。
6. 【請求項６】 上記ロープ体の外表面を薄膜で被覆した
   請求項１乃至５の何れかに記載のネックレス等の装飾
   具。
7. 【請求項７】 上記環状体の中央下部に適宜の飾体を配
   設した請求項１乃至６の何れかに記載のネックレス等の
   装飾具。