JP2002096455A - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置の記録制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置の記録制御方法

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JP2002096455A
JP2002096455A JP2000252938A JP2000252938A JP2002096455A JP 2002096455 A JP2002096455 A JP 2002096455A JP 2000252938 A JP2000252938 A JP 2000252938A JP 2000252938 A JP2000252938 A JP 2000252938A JP 2002096455 A JP2002096455 A JP 2002096455A
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徳宏 川床
Tetsuya Edamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白スジや濃度ムラなどによる画像品質の低下
を抑えつつ、高解像度の画像を高速形成し得るようにす
る。 【解決手段】 マルチパス記録方式を用いたインクジェ
ット記録装置において、同一走査記録領域内を所定のピ
ッチにて分割し、各分割領域に対し前記間引きマスクパ
ターンによって定まる記録デューティーを異なる値に設
定する。また、前記各主走査によって形成される同一領
域のうち、両端部に位置する分割領域に対する記録デュ
ーティーをその内側に位置する分割領域の記録デューテ
ィーより小なる値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクをノズルか
ら吐出して記録を行なうインクジェット記録装置、特
に、複数のノズルからなるノズル群を複数配列してなる
記録ヘッドを用い、所定の記録媒体における同一の主走
査記録領域に対し異なるノズル群によって複数回主走査
を行ない、各主走査により間引きマスクパターンに従っ
て間引き画像を形成し画像を完成させるようにした所謂
マルチパス方式を採る記録装置に関し、さらに詳しく
は、濃度むらや白すじなどの画像劣化要因の低減に関す
るものである。
【0002】なお、本発明は、一般的なプリント装置の
ほか、複写機や通信システムを有するファクシミリ、プ
リント部を有するワードプロセッサなどの装置、さらに
は各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装
置に適用可能な他、捺染装置やエッチングなどの加工装
置にも応用することができる。
【0003】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて紙やプラスチック薄板等
の記録媒体上にドットパターンからなる画像を記録して
いくように構成されている。この記録装置は、その記録
方式によりインクジェット方式、ワイヤドット方式、サ
ーマル方式、レーザービーム方式等に分類することがで
き、このうち、インクジェット方式を用いた記録装置
(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドのノズルの
吐出口からインク(記録液)を例えば滴として吐出飛翔
させ、これを記録媒体に付着させて記録するよう構成さ
れている。
【0004】数多くの記録装置が使用される近年では、
記録装置に対し高速記録、高解像度、高画像品質、低騒
音などが要求されており、このような要求に応える記録
装置としては前記インクジェット記録装置を挙げること
ができる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッ
ドからインクを吐出させて記録を行うため、上記要求を
満たすのにインク吐出方向の安定化、インク吐出量の安
定化が要求される。
【0005】このため、インクジェット記録装置では、
回復装置など装置本体側での改善が種々なされている
が、インク吐出量の安定化は、記録ヘッド単体の性能に
依存するところが大きい。すなわち、記録ヘッドの吐出
口の形状やインクを吐出するために利用されるエネルギ
ーを発生する電気熱変換体(吐出ヒータ)や電気機械変
換体(ピエゾ素子)などの素子のバラツキ等、記録ヘッ
ド製作工程時に生じる僅かな誤差が、それぞれ吐出され
るインクの吐出量や吐出方向の向きに大きく影響を及ぼ
し、最終的に形成される画像の濃度ムラとして画像品位
を劣化させる原因となっている。
【0006】この現象の具体例を図36(a)、(b)
及び(c)に示す。図36(a)において、1101は
マルチノズルヘッドであり、ここでは説明を簡略化する
ため、8個のノズル(本明細書では、特にことわらない
限り吐出口ないしこれに連通する液路及びインク吐出に
利用されるエネルギーを発生する素子を総括して「ノズ
ル」と言うものとする。)1102によって構成されて
いるものとする。また、1103はマルチノズル110
2よって吐出されたインクドロップレットであり、通常
は図示のように揃った吐出量で、揃った方向にインクが
吐出されるのが理想とされる。つまり、この様な状態で
吐出が行われれば、図36(b)に示すように紙面上に
揃った大きさのドットが着弾され、全体的にも図36
(c)に示すような濃度ムラの無い一様な画像が得られ
る。
【0007】しかしながら、実際には、ノズル1つ1つ
にはそれぞれバラツキがあり、そのまま上記と同じよう
に記録を行った場合には、図37(a)に示すようにそ
れぞれのノズル1102より吐出されるインクドロップ
レット1103の大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙
面上においては図37(b)に示すようになる。この図
によれば、ヘッド主走査方向に対し、周期的に白紙の部
分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重なり合
ったり、あるいはこの図の中央部分に見られるような白
筋が発生したりしている。この様な状態で記録されたド
ットの集まりはノズルの配列方向に対し、図37(c)
に示した濃度分布となり、結果的に、通常は人間の目で
見たときにこれらの現象が濃度ムラとして感知される。
【0008】そこでこの濃度ムラ対策として、次のよう
な方法が提案されている。図38(a)、(b)、
(c)及び図39(a)、(b)、(c)によりこの方
式を説明する。この方法では、前述の図36で示した記
録領域を完成させるべく、図38(a)、(b)、
(c)及び図39(a)、(b)、(c)に示すよう
に、記録ヘッド2001によって3回のスキャン(主記
録走査)を行っているが、図中、縦方向8画素の半分で
ある4画素を単位とする記録走査領域は2回の記録走査
(パス)で完成されている。この場合、記録ヘッド20
01内の8ノズルは、上側の4ノズル(上側ノズル群)
と、下側の4ノズル(下側ノズル群)のグループに分け
られ、1ノズルが1回のスキャンで記録するドットは、
規定の画像データをある所定の画像データ配列に従っ
て、約半分に間引いたものである。そして、2回目のス
キャン時に残りの半分のドットを先に形成した間引き画
像に埋め込むことにより、4画素単位領域の記録を完成
させるようになっている。
【0009】以上のような記録法はマルチパス記録方法
と称す。この記録方法を実施すれば、図37(a)で示
したようにインク吐出量及び吐出方向にバラツキのある
ノズルを備えた記録ヘッドを使用したとしても、各ノズ
ル固有の記録画像への影響が半減されるので、記録され
た画像は図38(b)に示すようになり、図37(b)
に示すような黒筋や白筋が余り目立たなくなる。従っ
て、濃度ムラも図38(c)に示すように図37(c)
に示す場合と比べ、かなり緩和される。しかしながら、
このようなマルチパス記録法を行った場合にも、各主走
査の記録デューティーによっては全く濃度ムラが解消さ
れなかったり、中間調では新たな濃度ムラの発生が確認
されている。そこで特開平7‐52465号公報では、
マルチパス記録において紙送り量を乱数的に設定するこ
とで、各記録領域のピッチを可変としている。これによ
り、スジムラの周期はランダム化され、スジムラは目立
ちにくくなり高品質な画像形成が実現される。
【0010】さらに、特開平8‐25693号公報で
は、記録ヘッドの前回の1走査により記録された画像
と、次の走査によって記録する画像とを一部重複させて
記録するものが開示されている。ここでは、前回の1ス
キャンにより記録される画像データのうち、次のスキャ
ンと重複する領域に対して記録する記録データをランダ
ムマスクパターンでマスクする。さらに次のスキャンで
記録する画像データのうち、前回のスキャンと重複する
領域に記録する記録データをランダムマスクパターンの
反転パターンでマスクする。そして、得られた画像デー
タを用いて記録を行う。
【0011】ところで、現在では画像の高解像度化やカ
ラー化が進み、画像品位が目覚しく向上し、1ドット当
たりの吐出量を小さくすることで、さらなる高解像度画
像を実現してゆく一方、より銀縁写真に迫る画質を実現
するために、基本となる4色のインク(シアン、マゼン
タ、イエロー、ブラック)の他に、濃度を薄くした淡イ
ンクを同時に記録する技術が提案、実施されている。し
かしながら、1ドットあたりの吐出量を小さくすること
による弊害(ドットの着弾位置ずれ、吐出安定性など)
も懸念されている。
【0012】例えば、各色吐出量4pl、1200dp
iピッチにて256ノズルを有する記録ヘッドにて画像
を形成する場合、記録ヘッド両端部のノズルの着弾位置
が大幅にずれてしまう現象(以下、この現象を端部よれ
と称す)が発生するという不都合が生じた。図40にイ
ンク滴の着弾位置は紙送りの境界にて大きくよれた状態
を示す。図示のように、1200dpiピッチで、吐出
量4plの記録ヘッドにおいては、記録し始める数ドッ
トの着弾位置はよれていないが、キャリッジが加速する
につれてよれはじめ、約50μm程よれる。
【0013】図41に、記録ヘッド1101の両端部の
ドットが既によれ始めているとき、キャリッジ方向から
見た記録ヘッド1101の吐出傾向を模式的に示す。図
示のように、記録ヘッド両端部の数ノズル1102は内
斜傾向にあることが明らかとなっている。こうした傾向
は、4p1のような極小ドットにて画像を形成する場合
に特に顕著に見られる。そして、このドットのよれが、
視覚特性上、白スジとして認知される部分を形成する。
このため、従来では、マルチパス数を増やすことによっ
て視覚的に白すじを目立たないようにすることが考えら
れている。
【0014】しかしながら、上述の各従来技術にあって
は、いずれも次のようなさらに改善すべき点があった。
【0015】すなわち、上記特開平7−52465号公
報に記載の技術にあっては、記録媒体の送り量を乱数的
に設定しているため、白スジの発生頻度はランダム化さ
れるものの、白スジの発生低減には更なる改良が望まれ
る。
【0016】また、特開平8−25693号公報では、
記録媒体に対して前回の1スキャンにより記録された画
像領域と、次のスキャンによる画像領域とを一部重複さ
せて記録していたため、濃度スジの発生は改善される。
しかし、記録ヘッドの両端部のノズルの着弾位置精度が
図40及び図41に示すように大きくずれる現象が発生
した場合、そのずれが白スジとして視覚特性上感知され
てしまう。
【0017】しかも、前記各公報に記載の技術にあって
は、通常の紙送りピッチに対し、紙送りピッチを変えて
制御しているため、スループットの低下が懸念されてい
る。
【0018】また、前述のようにマルチパス数を増大さ
せることによって白スジを目立たないようにすること
も、スループットを低下させる。こうしたスループット
の低下は、近年の記録装置に要求される高速記録化の実
現を妨げる要因となっていた。
【0019】本発明は上記従来技術の問題点に着目して
なされたもので、白スジや濃度ムラなどによる画像品質
の低下を抑えつつ、高解像度の画像を高速に形成するこ
とが可能な記録装置及び記録方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明は次のような構成を有する。
【0021】すなわち、本発明は、複数のノズルからな
るノズル群を複数備える記録ヘッドを用いて記録媒体に
画像を形成させるインクジェット記録装置であって、前
記記録媒体における同一の主走査記録領域に対し異なる
ノズル群によって複数回主走査を行うと共に前記複数回
の主走査各々においては、間引きマスクパターンに従っ
て間引き画像を形成することにより画像を完成させる手
段と、前記同一記録走査領域内を主走査方向と異なる副
走査方向に沿って所定のピッチで分割し、各分割領域に
対し前記間引きマスクパターンによって定まる記録デュ
ーティーを異なる値に設定する記録デューティー設定手
段と、を備えることを特徴とする。
【0022】また、本発明は、複数のノズルからなるノ
ズル群を複数備える記録ヘッドを用いて記録媒体に画像
を形成させるインクジェット記録方法であって、前記記
録媒体における同一の主走査記録領域に対し異なるノズ
ル群によって複数回主走査を行うと共に、前記複数回の
走査の各々においては間引きマスクパターンに従って間
引き画像を形成し、前記同一走査記録領域内は、主走査
方向と異なる副走査方向に沿って所定ピッチにて分割さ
れ、前記画像形成にあたり、各分割領域に対し前記間引
きマスクパターンによって定まる記録デューティーは異
なる値であることを特徴とする。
【0023】また、本発明は、複数のノズルからなるノ
ズル群を複数備える記録ヘッドを用いて記録媒体に画像
を形成させるインクジェット記録装置の記録制御方法で
あって、前記インクジェット記録装置に対し、前記記録
媒体における同一の主走査記録領域に対し異なるノズル
群によって複数回主走査を行うと共に、前記複数回の走
査の各々においては間引きマスクパターンに従って間引
き画像を形成することにより画像を完成させるようにす
る一方、前記同一走査記録領域内を、主走査方向と異な
る副走査方向に沿って所定ピッチにて分割し、前記画像
形成にあたり各分割領域に対し前記間引きマスクパター
ンによって定まる記録デューティーを異なる値とするこ
とを特徴とする。
【0024】さらに、本発明に適用する記録ヘッドとし
ては、複数色のインクに対応したノズル列を配設し、カ
ラー記録データに基づきカラー画像を形成すべくインク
を吐出し得るものとしたり、各ノズルから1回の吐出動
作によって吐出される記録液の液量が4pl以下である
ものとしたり、記録ヘッドが600dpi以上の高精細
なドットを形成し得るものとしたりすることが考えられ
る。
【0025】また、前記各主走査によって形成される同
一領域のうち、両端部に位置する分割領域に対する記録
デューティーをその内側に位置する分割領域の記録デュ
ーティーより小なる値に設定することも考えられる。
【0026】以上の構成を有する本発明においては、同
一走査記録領域内が所定のピッチで分割され、各分割領
域内のデューティーを異なるものとしたため、通常のピ
ッチで紙送り動作を行った場合にも、認知されるバンデ
ィングは短いピッチで発生するため、視覚特性上、この
バンディングか濃度ムラとして認知されることはなくな
り、良好な画像品質を得ることができる。
【0027】また、前記各分割領域の中の両端部に位置
する領域の記録デューティーを他の領域のデューティー
より小さな値に設定し、端部ノズルの使用頻度を抑える
ことにより、端部ノズルにおける着弾位置のずれ数を低
減することができ、確実に白スジの発生を低減すること
ができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る液体吐出記録ヘッドを備える記録装置に係る実施形態
を説明する。
【0029】なお、以下に説明する実施形態では、イン
クジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを
例に挙げ説明する。
【0030】そして、本明細書において、「プリント」
(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意
の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、
また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであ
るか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、
パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も
言うものとする。
【0031】ここで、「プリント媒体」とは、一般的な
プリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プ
ラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミック
ス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものと
する。
【0032】さらに、「インク」(「液体」という場合
もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈
されるべきもので、プリント媒体上に付与されることに
よって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント
媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体
に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供
され得る液体を言うものとする。
【0033】[装置本体]図1及び図2にインクジェッ
ト記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1に
おいて、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1
000の外殻は、下ケースM1001、上ケースM10
02、アクセスカバーM1003及び排出トレイM10
04を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシ
ャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0034】シャーシM3019は、所定の剛性を有す
る複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨
格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっ
ている。また、下ケースM1001は装置本体M100
0の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体
M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、
両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納す
る収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体
M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部
が形成されている。
【0035】さらに、排出トレイM1004は、その一
端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その
回転によって下ケースM1001の前面部に形成される
前記開口部を開閉させ得るようになっている。このた
め、記録動作を実行させる際には、排出トレイM100
4を前面側へと回転させて開口部を開成させることによ
り、ここから記録シートが排出可能となると共に排出さ
れた記録シートPを順次積載し得るようになっている。
また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM
1004a、M1004bが収納されており、必要に応
じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持
面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0036】アクセスカバーM1003は、その一端部
が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形
成される開口部を開閉し得るようになっており、このア
クセスカバーM1003を開くことによって本体内部に
収納されている記録ヘッドカートリッジH1000ある
いはインクタンクH1900等の交換が可能となる。な
お、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM10
03を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバ
ー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバ
ーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することに
より、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようにな
っている。
【0037】また、上ケースM1002の後部上面に
は、電源キーE0018及びレジュームキーE0019
が押下可能に設けられると共に、LED E0020が
設けられており、電源キーE0018を押下すると、L
ED E0020が点灯し記録可能であることをオペレ
ータに知らせるものとなっている。また、LED E0
020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタの
トラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を
有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこ
ともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レ
ジュームキーE0019を押下することによって記録が
再開されるようになっている。
【0038】[記録動作機構]次に、プリンタの装置本
体M1000に収納、保持される本実施形態における記
録動作機構について説明する。
【0039】本実施形態における記録動作機構として
は、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自
動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出さ
れる記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記
録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬
送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートP
に所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する
回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されて
いる。
【0040】(記録部)ここで、記録部について説明す
るに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって
移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキ
ャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッド
カートリッジH1000とからなる。
【0041】記録ヘッドカートリッジ まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジにつ
いて図3〜5に基づき説明する。
【0042】この実施形態における記録ヘッドカートリ
ッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留する
インクタンクH1900と、このインクタンクH190
0から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから
吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッ
ドH1001は、後述するキャリッジM4001に対し
て着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を
採るものとなっている。
【0043】ここに示す記録ヘッドカートリッジH10
00では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするた
め、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシ
アン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエロー
の各色独立のインクタンクH1900が用意されてお
り、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH100
1に対して着脱自在となっている。
【0044】そして、記録ヘッドH1001は、図5の
分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第
1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第
2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、
流路形成部材H1600、フィルターH1700、シー
ルゴムH1800から構成されている。
【0045】記録素子基板H1100には、Si基板の
片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記
録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術
により形成され、この記録素子に対応した複数のインク
流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフ
ィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にイ
ンクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するよ
うに形成されている。また、記録素子基板H1100は
第1のプレートH1200に接着固定されており、ここ
には、前記記録素子基板H1100にインクを供給する
ためのインク供給口H1201が形成されている。さら
に、第1のプレートH1200には、開口部を有する第
2のプレートH1400が接着固定されており、この第
2のプレートH1400を介して、電気配線基板H13
00が記録素子基板H1100に対して電気的に接続さ
れるよう保持されている。この電気配線基板H1300
は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための
電気信号を印加するものであり、記録素子基板H110
0に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本
体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H
1301とを有しており、外部信号入力端子H1301
は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決
め固定されている。
【0046】一方、インクタンクH1900を着脱可能
に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部
材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、イ
ンクタンクH1900から第1のプレートH1200に
亘るインク流路H1501を形成している。また、イン
クタンクH1900と係合するインク流路H1501の
インクタンク側端部には、フィルターH1700が設け
られており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るように
なっている。また、インクタンクH1900との係合部
にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのイ
ンクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0047】さらに、前述のようにタンクホルダーH1
500、流路形成部材H1600、フィルターH170
0及びシールゴムH1800から構成されるタンクホル
ダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレー
トH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレ
ートH1400から構成される記録素子部とを、接着等
で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成し
ている。
【0048】キャリッジ 次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH100
0を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0049】図2に示すように、キャリッジM4001
には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH10
01をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内
するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッド
H1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘ
ッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押
圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられてい
る。すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリ
ッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して
回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001と
の係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート
(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッド
H1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着
する構成となっている。
【0050】また、キャリッジM4001の記録ヘッド
H1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブル
プリントケーブル(図7参照、以下、コンタクトFPC
と称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E
0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設
けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301
とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記
録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るよう
になっている。
【0051】ここでコンタクトFPC E0011のコ
ンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示の
ゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力
とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコン
タクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能
とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC
E0011はキャリッジM4001の背面に搭載され
たキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参
照)。
【0052】[スキャナ]この実施形態におけるプリン
タは、上述した記録ヘッドカートリッジH1000の代
わりにキャリッジM4001にスキャナを装着すること
で読取装置としても使用することができる。
【0053】このスキャナは、プリンタ側のキャリッジ
M4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代え
て給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程
で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取
り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うこ
とにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができ
る。
【0054】図6(a)および(b)は、このスキャナ
M6000の概略構成を説明するために、スキャナM6
000を上下逆にして示す図である。
【0055】図示のように、スキャナホルダM6001
は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要
な光学系・処理回路などが収納されている。また、この
スキャナM6000をキャリッジM4001へと装着し
た時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM60
06が設けられており、このレンズM6006により原
稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿
画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズ
M6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から
発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射
される。
【0056】スキャナホルダM6001の底部に固定さ
れたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6
001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられた
ルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への
着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM60
01の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であ
り、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジ
H1000と同様の操作で着脱することができる。
【0057】また、スキャナホルダM6001には、読
取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板
に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出す
るよう設けられており、キャリッジM4001へとスキ
ャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPC
B M6004がキャリッジM4001側のコンタクト
FPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4
001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるよ
うになっている。
【0058】[プリンタの電気回路の構成]次に、本発
明の実施形態における電気的回路構成を説明する。図7
は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概
略的に示す図である。
【0059】この実施形態における電気的回路は、主に
キャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPC
B(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニッ
トE0015等によって構成されている。ここで、電源
ユニットE0015は、メインPCB E0014と接
続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。ま
た、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM400
1(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、
コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの
信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、
キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサ
E0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコ
ーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004
との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシ
ブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じ
てメインPCB E0014へと出力する。
【0060】さらに、メインPCB E0014はこの
実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動
制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出セン
サ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)
センサE0009、カバーセンサE0022、パラレル
インターフェース(パラレルI/F)E0016、シリ
アルインターフェース(シリアルI/F)E0017、
リジュームキーE0019、LED E0020、電源
キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポ
ートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM14
00を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモ
ータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源を
なすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回
動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PG
モータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御す
る他、インクエンプティセンサE0006、GAPセン
サE0008、PGセンサE0010、CRFFC E
0012、電源ユニットE0015との接続インターフ
ェイスを有する。
【0061】図8Aおよび8Bは、メインPCB E0
014の内部構成を示すブロック図である。図におい
て、E1001はCPUであり、このCPU E100
1は内部に発振回路E1005に接続されたクロックジ
ェネレータ(PCG) E1002を有し、その出力信
号E1019によりシステムクロックを発生する。ま
た、制御バスE1014を通じてROM E1004お
よびASIC(Application Specific Integrated Circ
uit) E1006に接続され、ROMに格納されたプ
ログラムに従って、ASIC E1006の制御、電源
キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーか
らの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、
ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知
を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によ
りブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/Dコンバ
ータE1003に接続されるインクエンプティ検出信号
(INKS)E1011及びサーミスタによる温度検出
信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その
他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット
記録装置の駆動制御を司る。
【0062】ここで、ヘッド検出信号E1013は、記
録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラ
ットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及
びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011
を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インク
エンプティ検出信号E1011はインクエンプティセン
サE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信
号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられ
たサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0063】E1008はCRモータドライバであっ
て、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、AS
IC E1006からのCRモータ制御信号E1036
に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、C
RモータE0001を駆動する。E1009はLF/P
Gモータドライバであって、モータ電源E1040を駆
動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制
御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ
駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータ
を駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生
成してPGモータを駆動する。
【0064】E1010は電源制御回路であり、ASI
C E1006からの電源制御信号E1024に従って
発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
パラレルI/F E0016は、ASIC E1006
からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続さ
れるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、また
パラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC
E1006に伝達する。シリアルI/F E0017
は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E
1028を、外部に接続されるシリアルI/Fケーブル
E1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの
信号をASIC E1006に伝達する。
【0065】一方、電源ユニットE0015からは、ヘ
ッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E
1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給さ
れる。また、ASIC E1006からのヘッド電源O
N信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号
(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入
力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源
E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE
0015から供給されたロジック電源(VDD)E10
41は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPC
B E0014内外の各部へ供給される。
【0066】またヘッド電源信号E1039は、メイン
PCB E0014上で平滑化された後にフレキシブル
フラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッド
カートリッジH1000の駆動に用いられる。E100
7はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低
下を検出して、CPU E1001及びASIC E1
006にリセット信号(RESET)E1015を供給
し、初期化を行なう。
【0067】このASIC E1006は1チップの半
導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCP
U E1001によって制御され、前述したCRモータ
制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制
御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及
びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレル
I/F E0016およびシリアルI/F E0017
との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007から
のPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE
0009からのASF検出信号(ASFS)E102
6、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するため
のセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出
信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010か
らのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知し
て、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じ
てCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基
づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の
駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0068】さらに、エンコーダ信号(ENC)E10
20の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド
制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH100
0とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。こ
こにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフ
レキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力さ
れるCRエンコーダセンサE0004の出力信号であ
る。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブル
フラットケーブルE0012、キャリッジ基板E001
3、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッ
ドH1000に供給される。
【0069】図9(a)および(b)は、ASIC E
1006の内部構成例を示すブロック図である。
【0070】なお、同図において、各ブロック間の接続
については、記録データやモータ制御データ等、ヘッド
や各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示
しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書き
に係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制
御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略し
ている。
【0071】図中、E2002はPLLコントローラで
あり、図9に示すようにCPU E1001から出力さ
れるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御
信号(PLLON)E2033により、ASIC E1
006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)
を発生する。
【0072】また、E2001はCPUインターフェー
ス(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、
CPU E1001から出力されるソフトリセット信号
(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2
031及び制御バスE1014からの制御信号により、
以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み
書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割
り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行な
い、CPU E1001に対して割り込み信号(IN
T)E2034を出力し、ASIC E1006内部で
の割り込みの発生を知らせる。
【0073】また、E2005はDRAMであり、記録
用のデータバッファとして、受信バッファE2010、
ワークバッファE2011、プリントバッファE201
4、展開用データバッファE2016などの各領域を有
すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE
2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用す
るバッファとして、上記の各記録用データバッファに代
えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、ス
キャナデータバッファE2026、送出バッファE20
28などの領域を有する。
【0074】また、このDRAM E2005は、CP
U E1001の動作に必要なワーク領域としても使用
されている。すなわち、E2004はDRAM制御部で
あり、制御バスによるCPU E1001からDRAM
E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E
2003からDRAM E2005へのアクセスとを切
り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行
なう。
【0075】DMA制御部E2003では、各ブロック
からのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス
信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書
込みデータE2038、E2041、E2044、E2
053、E2055、E2057などをDRAM制御部
E20042出力してDRAMアクセスを行なう。また
読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの
読み出しデータE2040、E2043、E2045、
E2051、E2054、E2056、E2058、E
2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0076】また、E2006は、IEEE 1284
I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCP
U E1001の制御により、パラレルI/F E00
16を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通
信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI
/F E0016からの受信データ(PIF受信データ
E2036)をDMA処理によって受信制御部E200
8へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E
2005内の送出バッファE2028に格納されたデー
タ(1284送信データ(RDPIF)E2059)を
DMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0077】E2007は、ユニバーサルシリアルバス
(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を
介したCPU E1001の制御により、シリアルI/
FE0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との
双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシ
リアルI/F E0017からの受信データ(USB受
信データE2037)をDMA処理により受信制御部E
2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM
E2005内の送出バッファE2028に格納された
データ(USB送信データ(RDUSB)E2058)
をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信
する。受信制御部E2008は、1284I/F E2
006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択
されたI/Fからの受信データ(WDIF)E203
8)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信
バッファ書込みアドレスに、書込む。E2009は圧縮
・伸長DMAコントローラであり、CPUI/F E2
001を介したCPUE1001の制御により、受信バ
ッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデ
ータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受
信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ
(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧
縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041とし
てワークバッファ領域に書込む。
【0078】E2013は記録バッファ転送DMAコン
トローラで、CPUI/F E2001を介したCPU
E1007の制御によってワークバッファE2011
上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各
記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000への
データ転送順序に適するようなプリントバッファE20
14上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E20
44)する。また、E2012はワーククリアDMAコ
ントローラであり、CPUI/F E2001を介した
CPU E1001の制御によって記録バッファ転送D
MAコントローラ E2013による転送が完了したワ
ークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデ
ータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0079】E2015は記録データ展開DMAコント
ローラであり、CPUI/F E2001を介したCP
U E1001の制御により、ヘッド制御部E2018
からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガと
して、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録
コードと展開用データバッファE2016上に書込まれ
た展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDH
DG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WD
HDG)E2047としてカラムバッファE2017に
書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘ
ッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録
データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録デー
タ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E
2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって
両ブロックにより共有管理されている。
【0080】E2018はヘッド制御部で、CPUI/
F E2001を介したCPU E1001の制御によ
り、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH
1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう
他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動
タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開D
MAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E
2050の出力を行なう。
【0081】また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミ
ング信号E2049に従って、カラムバッファから展開
記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデ
ータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカー
トリッジH1000に出力する。また、スキャナ読み取
りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021として
入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDR
AM E2005上のスキャナ取込みバッファE202
4へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処
理DMAコントローラであり、CPUI/F E200
1を介したCPUE1001の制御により、スキャナ取
込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読
み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均
化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E20
55をDRAM E2005上のスキャナデータバッフ
ァE2026に書込む。E2027はスキャナデータ圧
縮DMAコントローラで、CPUI/F E2001を
介したCPU E1001の制御により、スキャナデー
タバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E
2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ
(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書
込み転送する。
【0082】E2019はエンコーダ信号処理部であ
り、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1
001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タ
イミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号
E1020から得られるキャリッジM4001の位置や
速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E
1001に提供する。CPU E1001はこの情報に
基づき、CRモータE0001の制御における各種パラ
メータを決定する。また、E2020はCRモータ制御
部であり、CPUI/F E2001を介したCPU
E1001の制御により、CRモータ制御信号E103
6を出力する。
【0083】E2022はセンサ信号処理部で、PGセ
ンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサ
E0009、及びGAPセンサE0008等から出力さ
れる各検出信号E1033、E1025、E1026、
E1027を受けて、CPUE1001の制御で定めら
れたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPUE10
01に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコン
トローラ E2021に対してセンサ検出信号E205
2を出力する。
【0084】LF/PGモータ制御用DMAコントロー
ラE2021は、CPUI/F E2001を介したC
PU E1001の制御により、DRAM E2005
上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆
動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルス
モータ制御信号E1033を出力する他、動作モードに
よっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパル
スモータ制御信号E1033を出力する。また、E20
30はLED制御部であり、CPUI/F E2001
を介したCPU E1001の制御により、LED駆動
信号E1038を出力する。さらに、E2029はポー
ト制御部であり、CPUI/F E2001を介したC
PU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E
1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制
御信号E1024を出力する。
【0085】[プリンタの動作]次に、上記のように構
成された本発明の実施形態におけるインクジェット記録
装置の動作を図10のフローチャートに基づき説明す
る。
【0086】AC電源に装置本体1000が接続される
と、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を
行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびR
AMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、
電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0087】次にステップS2では、装置本体M100
0の上ケースM1002に設けられた電源キーE001
8がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE00
18が押された場合には、次のステップS3へと移行
し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0088】この第2の初期化処理では、本装置の各種
駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわ
ち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行う
に際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0089】次にステップS4ではイベント待ちを行な
う。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令
イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび
内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベント
が発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0090】例えば、ステップS4で外部I/Fからの
印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へ
と移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベ
ントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同
ステップでその他のイベントが発生した場合にはステッ
プS11へと移行する。ここで、ステップS5では、外
部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、
用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判
断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に
記憶し、ステップS6へと進む。次いでステップS6で
はステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始
し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進
む。ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作
では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一
旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001
を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動
を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納
されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給
して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動
作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFロ
ーラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送
る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fか
らの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステ
ップ8へと進む。
【0091】ステップS8では、LFモータE0002
を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全
に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰
返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上
に完全に排紙された状態となる。
【0092】次にステップS9では、記録すべき全ペー
ジの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきペ
ージが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以
下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、
記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記
録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次の
イベントを待つ。
【0093】一方、ステップS10ではプリンタ終了処
理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種
モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切
断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4
に進み、次のイベントを待つ。
【0094】また、ステップS11では、上記以外の他
のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネル
キーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回
復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終
了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0095】なお、本発明が有効に用いられる一形態
は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液
体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0096】[ヘッドの構成]ここで、本実施形態で用
いるヘッドH1001の吐出口群の構成配置について説
明する。
【0097】図11は本実施形態で用いた高密度記録を
実現するためのヘッドの模式的正面図である。この例で
は、1列当り、600dpi(ドット/インチ)のピッ
チ(約42μmピッチ)で128個の吐出口を配列した
吐出口列を1色当り2列互いに副走査方向(紙送り方
向)に約21μmずらして、主走査方向(キャリッジス
キャン方向)に設けてあり、1色当り合計256個の吐
出口にて1200dpiの解像度を実現している。さら
に、図示の例ではそのような吐出口列を6色に対応して
主走査方向に並置し、6色について合計ぬふ列の吐出口
列で1200dpiの記録を行う一体構造のヘッド構成
としている。但し、製造上は並列する2色分が1チップ
として同時に作成され、その後3チップを並列して接着
させる構成をとっているので、隣り合う2チップ(ブラ
ック(Bk)及びライトシアン(LC)の組、ライトマ
ゼンタ(LM)およびシアン(C)の組、マゼンタ
(M)およびイエロー(Y)の組)は他に比べ駆動条件
が似通ったものとなっている。1200dpiの場合、
紙面上では約21μm四方の画素領域となるが、本実施
形態に用いるドロップ(液滴)は、4plで、紙面状で
は、約45μm直径の円形ドットを形成する。
【0098】(本発明の特徴的構成)次に、本発明の実
施形態における特徴的構成、作用を図面に基づき説明す
る。なお、各図中、上述の基本構成と同一もしくは相当
部分には同一符号を付す。
【0099】(第1の実施形態)ここで、まず、上記記
録ヘッドを用いたインクジェット記録装置および記録方
法の第1実施形態を説明する。なお、この実施形態にお
けるインクジェット記録装置は、一つの記録領域に対す
る画像を4回の主記録走査(4パス)を実行することに
よって完成させるマルチパス記録方式を採るものであ
る。
【0100】図12は、この実施形態における画像処理
部を概略的に示すブロック図である。
【0101】図中、11は入力端子、12は記録バッフ
ァ、13は濃度ムラ(スジムラ)検出部、14はパス数
設定部、15はマスク処理部、16はマスクパターンテ
ーブル、17はヘッドI/F部、H1001は記録ヘッ
ドを示している。
【0102】ここで、入力端子11から入力されたビッ
トマップデータは、図9に示すプリントバッファE20
14、展開用データバッファE2016、データ展開D
MAE2015を含めた総合的部分に相当する不図示の
記録バッファ制御部により、記録バッファ12(図9に
示すカラムバッファE2017に相当)の所定のアドレ
スに格納される。記録バッファ12は1スキャンと紙送
り量分のビットマップデータを格納できる容量を有し、
FIFOメモリのような紙送り量単位のリングバッファ
を構成している。記録バッファ制御部は、記録バッファ
12を制御し、1スキャン分のビットマップデータが記
録バッファ12に格納されるとプリンタエンジンを起動
し、記録ヘッドの各ノズルの位置に応じて記録バッファ
12よりビットマップデータを読み出し、パス数設定部
14に入力する。また、入力端子11から次回のスキャ
ンのビットマップデータが入力されると、記録バッファ
12の空き領域(記録が完了した紙送り量に相当する領
域)に格納するように記録バッファ12を制御する。
【0103】一方、前記スジムラ検出部13は、記録ヘ
ッドH1001の各色毎のスジムラ量、例えばヨレ量、
吐出量、吐出速度などを検出する。この検出ブ13は、
例えば、所定のパッチあるいはパターンなどのテスト画
像を記録ヘッドにて記録させる制御部と、テスト画像を
光学的センサを用いて読み取らせる読取部と、その読取
結果に基づいて記録ヘッドH1001の各色毎のスジム
ラ量を推定評価する演算部と、その演算結果を格納する
EEPROMとを有する構成とすることができる。
【0104】この場合、読取部としては、例えば、図6
(a)、(b)に示すような構成を備えるスキャナM6
000を用いることが考えられる。このスキャナM60
00を、記録ヘッドカートリッジH1000に代えてキ
ャリッジM4001に装着し、キャリッジM4001と
共にスキャナM6000を主走査方向に移動させること
により、テスト画像を読み取らせることができる。ま
た、記録装置内の記録用紙の搬送路上に光学スキャナを
取り付けておき、記録直後のパターンをそのスキャナに
よって読み取って解析するようにしても良い。
【0105】ここで、画像処理部におけるパス数設定部
のより具体的構成例を説明する。パス数設定部14では
分割パス数を決定し、そのパス数をマスク処理部15へ
出力する。マスクパターンテーブル16では予め格納さ
れているマスクパターンテーブル、例えば、2パス記
録、4パス記録、8パス記録のマスクパターンから、必
要なマスクパターンを決定された分割パス数に応じて選
択し、マスク処理プ15に出力する。マスク処理部15
は記録バッファ12に架空のされているビットマップデ
ータをマスクパタンーン用いて各パス記録毎にマスクし
てヘッドドライバに出力すると、ヘッドドライバではそ
のマスクされたビットマップデータを記録ヘッド18が
用いる順に並び替え、記録ヘッド18に転送する。
【0106】図21はパス数決定部14の詳細な構成を
示すブロック図である。
【0107】図21において、141はK成分記録デー
タを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決定
部、142はC成分記録データを用いて記録するときの
パス数を決定するパス数決定部、143はM成分記録デ
ータを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決
定部、144はY成分記録データを用いて記録するとき
のパス数を決定するパス数決定部、145はパス数決定
部141〜144で決定された夫々の色成分の記録に関
するパス数の最大パス数を検出するパス数決定部であ
る。
【0108】さて、スジムラ検出部13によって検出さ
れた各色インクを吐出するためのノズル毎のスジムラ情
報、例えば、ヨレの標準偏差、平均値、最大ヨレ、イン
ク吐出量、吐出速慶等はパス数決定部141〜144へ
と転送される。また、各色成分毎に記録バッファ12に
格納された各走査毎のビットマップデータがパス数決定
部141〜144へ転送される。そして、各色成分記録
データ毎に分割パス数を決宰する。
【0109】この決定は、スジムラ検出部13によって
検出されるスジムラの一因となる種々の因子に基づいて
なされる。例えぱ、そのような因子の内の各色インクを
吐出するためのノズル群毎のヨレ情報に着目すると、そ
のヨレ情報に基づきある閾値を設定する。例えば、ヨレ
の標準偏差で3.6μmと2つの閾値を設定し、これら
の閾値とヨレ量(σ)とを比較し、σ≦3μmの範囲で
は2パス記録、3<σ≦6μmのは倍では4パス記録、
σ>6μmの範囲では8パス記録を行うことができるよ
うビットマップデータの分割パス数を予め設定してお
く。
【0110】この他にスジムラの発生原因となる各因子
に関しても同様な方法で、各因子に関する最適な記録パ
ス数を決定する。これら各因子に関して重み付けを行な
い、パス数決定部141〜144では各色成分毎にパス
数を決定し、その結果をパス数決定部145へ出力す
る。パス数決定部145ではパス決定部141〜144
にて決定された各色成分毎のパス数のうち最大となるパ
ス数を抽出しマスク部115へ出カする。そして、マス
ク処理部15ではそのパス数に応じたマスクパターンを
選択し、マスクされたビットマツプデータをヘッドドラ
イバへ転送する。なお、考慮する因子がヨレ情報のみで
あれば、重みづけは必要ないことは言うまでもない。
【0111】次に、以上のような方法を臭体的な画像記
録に適用してパス数を決定する処理について説明する。
【0112】図22は1ぺ一ジの記録媒体に複数の色の
領域から構成される画像を記録する例を示す図である。
図22において、41は記録媒体(記録用紙)の有効記
録領域、42は黒色記録領域、43は赤色記録領域、4
4は緑色記録領域、45は青色記録領域、46は黒色記
録領域、47は自然画記録領域である。
【0113】ここでは記録ヘッド1のKインクを吐出す
るノズル、Cインクを吐出するノズル、Mインクを吐出
するノズル、Yインクを吐出するノズルに関するヨレの
標準偏差がそれぞれ、1、2、3、4μmであり、これ
らヨレの標準偏差に基づき決定した閾値(上述した2つ
の閾値)によりパス数を決定する場合について、図23
に示すフローチャートを参照して説明する。
【0114】まず、ステップS100では、黒記録領域
42のバンド記録、あるいは、記録ヘッド1の1走査分
のために用いられるビットマップデータを記録バッファ
113に転送する。この場合のデータはK成分記録デー
タである。
【0115】次に、ステップS110では、パス数決定
部141〜144において、上述した決定方法に従って
記録パス数を決定する。上述したように、黒記録領域の
記録にはK成分記録データのみが用いられるので、パス
数決定部141のみが用いられ、他のパス数決定部14
2〜144に対してパス数を決定するために用いるビッ
トマップデータが存在しない。上述のように、Kインク
を吐出するノズルに関するヨレの標準偏差はσ=1(μ
m)であるので、黒色記録領域42を記録する際のパス
数が“2”と決定される。
【0116】さらに、ステップS120では、パス数決
定部141〜144において決定されたパス数がパス数
決定部145へ転送され、最終的なパス数が決定され
る。
【0117】そして、ステップS130では、パス数決
定部145における決定結果に基づいて、マルチパス記
録が実行される。なお、黒記録領域42の記録には、パ
ス数決定部141の決定結果のみが反映され、2パス記
録が開始される。
【0118】最後に、ステップS140では、記録ヘッ
ド1の1層差分の記録が終了するたび毎に一連の記録動
作を終了したかどうかを調べる。ここで、記録動作が続
行する場合には、処理はステップS100に戻って上述
の処理を繰り返すが・記録媒体に対する記録を完了した
と判断される場合には、処理は終了する。
【0119】図5に示す画像を記録する場合、黒色記録
領域42の記録が完了すると、次に赤色睨録領城43の
記録が開始される。
【0120】赤色記録領域43を記録する場合には、M
成分記録データとY成分記録データとが用いられるの
で、ステップS110の処理では、パス決定部143お
よび144において、M成分記録データとY成分記録デ
ータを夫々用いて記録する場合のパス数が決定される。
上述のように、Mインクを吐出するノズルに関するヨレ
の標準偏差はσ=3(μm)であり、Yインクを吐出す
るノズルに関するヨレの標準偏差はσ≡4(μm)であ
るので、Mインクを用いた紀録のパス数が“2”、Yイ
ンクを用いた記録のパス数が“4”と決定される。な
お、この場合の記録では、パス数決定部141、142
に対してパス数を決定するために用いるビットマップデ
ータが存在しない。
【0121】従って、パス数決定部143、144から
の出カがパス数決定部145へ転送され、その結果、最
大パス数、即ち、“4”が抽出され、赤色記録領域43
に対しては4パス記録が開始される。
【0122】緑色記録領域44および青色記録領域45
への記録においても同様な処理がなされる。
【0123】次に、主走査方向に黒色記録領域46およ
び自然画記録領域47とが混在する領域を記録する場合
には、黒色記録領域46の記録に対してはK成分記録デ
ータのみが用いられるので、自然画記録領域47の記録
に対して、C、M、Y成分記録データが用いられるので
記録バッファ113に格納されたK、C、M、Y成分か
ら構成される記録データが各色成分毎にビットマップデ
ータがパス数決定部121〜124に入力され、各色の
記録に関して、パス数がそれぞれ、“2”、“2”、
“4”、“4”と決定される。
【0124】その後、これらの値がパス数決定部145
へ転送され、これらの値の最大値である“4”を抽出
し、4パス記録を開始する。
【0125】従って、以上説明した実施形態に従えば、
各色インクを吐出する記録ヘッド18のノズルの精度情
報(ヨレ情報)と各色成分の1走査毎の記録データとに
基づいて、各走査毎のパス数を動的に決定しているた
め、スジムラを低滅しつつ、且つ、高速記録を行うこと
が可能となる。
【0126】なお、スジムラを発生させる因子としてヨ
レ情報以外の因子についても同様に閾値を設定し、これ
らの因子毎に重みづけをして複数の因子を総合的に評価
し、最適なパス数を決定しても良い。
【0127】図24は画像処理部の他の機能構成例を示
すブロック図である。図24において、図21〜図23
に示す実施形態で脱明したのと同じ構成要素には同じ参
照番号を付し、その説明は省略する。特に、図24で
は、入力端子11からパス数決定部145の前段までを
示している。
【0128】図24に示すように、記録バッファ12と
入力端子11との間にはバッファ判定部302が設けら
れ、記録バッファ12は自然画用のK成分データを格納
する記録バッファ303と、文字記録用のK成分データ
を格納する配銀バッファ304と、C成分データを格納
する記録バッファ305と、M成分データを格納する記
録バッファ306と、Y成分データを格納する記録バッ
ファ307とから構成されている。
【0129】また、図21〜図23に示す実施形態で説
明したパス数決定部141は、この実施形態では、自然
画用K成分データを用いた記録に関するパス数を決定す
るパス数決定部141aと、文字記録用K成分データを
用いた記録に関するパス数を決定するパス数決定部14
1bとに分けられて構成されている。従って、バッファ
判定部302は入力端子301より入カされたデータを
記録バッファ12に格納する際に、そのデータが自然画
を形成するデータであるか或いは文字画像を形成するデ
ータであるかを判定する。文字と自然画の分離方法につ
いては、従来から、画像の局所的な性質(ヒストグラ
ム、周波数測定)を利用した方法など種々の実現手段が
存在する。従って、その分離ができる限り本発明ではど
のような分離方法を用いても良い。
【0130】通常、文字画像を記録をする場合、自然画
を記録する場合に比べて、睨録ヘッド個々のばらつきの
許容範囲が広い。つまり、スジとして認識される許容幅
囲が広くなる。
【0131】図25は1ぺ一ジの記録媒体に記録される
画像に黒文字と自然画とが混在する例を示す図である。
図25において、51は記録媒体の有効記録領域、52
は黒文字記録領域、53は自然画記録領域である。
【0132】図8に示すような画像を記録する場合、始
めに黒文宇領域52のみを記録するため、記録バッファ
304にのみ全てのビットマップデータが格納され
る。。このため、文字記録用K成分記録データだけを用
いた記録がなされる場合、パス数決定部141bでは、
そのパス数の決定に用いる閾値を緩和し、即ち、スジム
ラ検出部13より得られる記録ヘッド18の特性情報等
によって算出される閾値を小さく設定し、より少ないパ
ス数が選択されるようにする。
【0133】図21〜図23に示す実施形態で説明した
ようにKインクによる記録のヨレの標準偏差が1μmで
ある場合、図21〜図23に示す実施形態で設定した閾
値に従えば、そのデータが文字画像を形成するために用
いられるか、自然画を形成するために用いられるかに係
りなく、2パス記録が行なわれる。
【0134】しかしながら、この実施形態では、バッフ
ァ判定部302での判定に従って、K成分データが自然
画を形成するために用いられる場合には、そのビットマ
ップデータを記録バッファ303へと転送し、そのデー
タを用いて記録する際のパス数はパス数決定部141a
で決定され、そのK成分データが文字画像を形成するた
めに用いられる場合には、そのビットマップデータを記
録バッファ303へと転送し、そのデータを用いて記録
する際のパス数はパス数決定部141bで決定される。
【0135】そして、パス数決定部141aでは、図2
1〜図23に示す例と同様にパス数決定を行なうが、パ
ス数決定部141bでは文字画像形成の品質がスジムラ
の影讐に対して広い許容範囲をもつため、標準偏差(σ
がσ≦3μmの籟囲では1パス記録、3<σ≦6μmの
範囲では2パス記録、σ>6μmの範囲では4パス記録
を行なうようにパス数を決定する。
【0136】その結果、この実施形態に従えば、ヨレの
標準偏差が小さいなら、黒文字領域52を1パスで記録
する可能性もあり、高速記録が可能となる。
【0137】なお、他の記録領域に関しては前述の図2
1〜図23に示す例と同様の方法でパス数が決定される
ため説明は省略する。
【0138】また、図24に示す構成では、K成分記録
データにっいてのみ文字記録用と自然画像記録用とに区
別するようにしているが、他の色成分データに関しても
同様に文字記録用の記録バッファとパス数決定部を備え
ることにより、カラー文字に対しても同様の処理をする
ことができ、高速記録を実現することが可能となる。
【0139】図26は画像処理部のさらに他の機能構成
例を示すブロック図である。
【0140】図26において、図21〜図24に示す例
で説明したのと同一の構成要素には同じ参照番号を付
し、その脱明は省略する。特に、図26では、入力端子
111からパス数決定部140までを示している。
【0141】図26において、130はデータ総量計測
部である。
【0142】ここでは、スジムラ要因として挙げられる
各々の因子の経時変化について着目している。記録ヘッ
ドの特性、例えば、インク吐出量、インク吐出速度等が
記録時間と共に変化していくことは周知の事実である。
【0143】そこで、この例では、データ総量計測部1
30で記録媒体ぺ一ジ単位のデータ総量をカウントし、
あるぺ一ジ数に相当するデータ量を超えた場合、この回
路が起動し、パス数決定部14における閾値を緩和する
ように制御する。
【0144】例えば、パス数決定部14がパス数を
“2”と決定しようとしている場合、記録データによっ
て睨録される画像が3ぺ一ジ以上超えている場合等にこ
の回路が起動し、スジムラ検出部13によって得られ
る、例えば、ヨレの標準偏差とその問値とを比較して決
定されるパス数を増すように制御する。
【0145】その結果、ここに示す例によれば、通常の
場合(例えば、2パス記録)に対しスジムラが多いた
め、決定されるパス数が増加する。このように、データ
総量計測部を設け、その測定結果をパス数の決定に反映
させているため、インク吐出量、インク吐出速度等の記
録ヘッドの特性の経時変化による変動の影響を緩和する
ことが可能となり、より高品位な画像記録に貢献する。
【0146】ところで、画像処理部において、各パスに
て行なう記録デューティーは次のようにして設定されて
いる。すなわち、4パスにて画像記録を行う際、従来ま
では各パスの記録デューティーは100/パス数=25
%の記録デューティーで設定している。これはマルチパ
ス記録方式の典型的な例であり、パス数を増すことによ
りスジムラなどの濃度ムラによる画像劣化を軽減してい
る。
【0147】しかしながら、こうした従来のマルチパス
方式にあっては、記録ヘッドの吐出精度、インクの打ち
込み順序等の影響により濃度ムラ(以下、バンディング
と称す)が発生している。また、上記のような端部ヨレ
の影響により、白スジが紙送りピッチ毎に顕著に現れ、
これが視覚特性において認知され画像劣化として判断さ
れる。特に往復記録にて画像を形成する場合は打ち込み
順序差による色味の違いも生じ、これがバンディングと
して現れるため、画像の劣化は一層顕著に現れる。
【0148】そこで、この実施形態においては、特有の
マスク処理を行なうことにより、視覚的にバンディング
を見えにくくしている。すなわち、この実施形態におい
ては、同一走査領域E(パス領域)を2分割し、各分割
領域e1、e2における記録デューティーを異なるもの
とする(分割デューティーとする)ことにより、視覚特
性上、バンディングを見えにくくするものとなってい
る。図13(a)、図14(a)及び図13(b)、図
13(b)は、各分割領域e1、e2の記録デューティ
ーの設定例をそれぞれ示している。
【0149】図15(a)は、各分割領域e1、e2が
均一のデューティーによって形成された通常のマルチパ
ス記録された画像を示し、図15(b)は、前記2分割
デューティーによって形成された画像を示す。なお、図
16において、H100Tは、各パス領域Eの記録を行
なう複数のノズル群を示しており、各ノズル群は複数
(図では4個)のノズルnによってそれぞれ構成されて
いる。
【0150】ここで、図14(a)に示す均一デューテ
ィーによって形成された画像では、例えば一様なベタパ
ターンを記録した場合、紙送りピッチでバンディングが
発生する。この紙送りピッチ程度のピッチでは視覚特性
上、バンディングの存在が認知されてしまい、画像品質
の劣化を感じる。ところが、この実施形態では、紙送り
ピッチの半分のピッチでバンディングが発生するため、
そのバンディング発生ピッチは、視覚特性上、認知され
るピッチ内に収まり、画像品質の劣化を感じさせること
はない。
【0151】本発明者の実験によれば、338μmのピ
ッチでは、打ち込み順序差などによる濃度ムラ(バンデ
ィング)が視覚上認識されにくいことを確認している。
但し、それ以上ピッチを減少させても顕著な効果は見ら
れなかった。また、分割数に関しては、例えば4パス記
録の場合、各パス領域を4分割した場合に、画像劣化軽
減効果が顕著に現れた。
【0152】以上のように、ある一定領域Eをマルチパ
ス記録に記録する場合、少ないパス数ほど記録デューテ
ィーの設定領域を細分化する方が往復記録にはより好ま
しいと言える。なお、この記録デューティーは、マルチ
パス数、分割数の最適な値を種々のメディア特性(吸収
性、にじみ等)に応じて選択、設定するようにすること
も可能である。これは、予めマスクテーブルに格納して
おき、上記の条件に応じて適宜読み出すようにすること
で実施できる。
【0153】(第2の実施形態)次に、この発明におけ
るインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
の第2の実施形態を説明する。
【0154】この第2の実施形態では、前記各主走査に
よって形成される同一パス領域Eのうち、記録ヘッドの
両端部に対応する分割領域e1、e2の記録デューティ
ーがその両端部に対応する分割領域e1、e2の内側に
位置する分割領域の記録デューティーより小なる値に設
定されるものである。
【0155】すなわち、図17(a)に示すように、従
来より行なわれている通常の4パス記録(分割数1)の
場合、各ノズル列を4つのパス領域Eに分け、各記録領
域Eの記録デューティーを25%としているが、この実
施形態においては、図17(b)に示すように各パス領
域Eを2分割して分割領域e1、e2を設定し、かつ記
録ヘッドH1001の両端部分のノズルnに対応する分
割領域e1、e2の記録デューティーを他の分割領域e
1、e2より低い値(6.25%)に設定したものであ
り、各パス領域内の記録デューティーは、18.75%
〜31.25%までの分布となる。そして、このように
各分割領域e1、e2における記録デューティーを設定
することにより、記録ヘッドの両端部に位置するノズル
nの使用頻度は低減され、端部ヨレの発生数を確実に抑
えることができ、白スジの発生を低減することができ
る。この白スジの抑制効果は、第2の実施形態において
形成される画像(図19参照)と、従来の4パス記録に
よって形成される画像(図18参照)とを比較すれば明
らかである。
【0156】図18に示す画像は、各パス領域Eへの記
録デューティーを均一な値(25%デューティー)に設
定して形成される画像である。図示のように、この画像
では、4ドット中の1ドット(25%)に端部ヨレが発
生することとなり、この端部ヨレの発生は、マルチパス
数がさらに減少した場合に一層顕著となり、これが白ス
ジとして明確に認知されることとなる。これに対し、こ
の第2の実施形態においては、4パス記録の場合にあっ
て、図17(b)に示すように、端部の分割領域e1、
e2の記録デューティーが6.25%(従来の均一デュ
ーティーの1/4)に設定され、かつ記録ヘッドH10
01の中央部に近い領域ほど記録デューティーが高くな
るように設定されている。
【0157】このように、端部の記録デューティーを低
い値に設定することより、画像における端部ヨレは、1
6ドット中1ドットという極めて低い頻度で発生するこ
ととなり、その端部ヨレが白スジとして認識されること
はなくなる。従って、画像におけるバンドルが上記第1
の実施形態と同様に解消されることに加え、さらに端部
ヨレに起因する白スジの発生も解消でき、より高品質な
画像を得ることができる。
【0158】なお、この第2の実施形態においては、パ
ス領域Eを2分割した場合を例にとり説明したが、上記
分割数は3分割以上とすることも可能である。例えば、
図20(a)、図20(b)に示すように、一つのパス
領域Eを4つの分割領域e1、e2、e3、e4に分割
することも可能である。この場合、両端部に位置する分
割領域e1、e4の記録デューティーは、12.5%と
いう比較的低い値に設定され、かつ、その他の分割領域
は、ここでも記録ヘッドの内側に向かうに従って高い値
に設定されている。
【0159】また、図20(b)において、M1はこの
記録デューティーを設定するためのランダムマスクパタ
ーンを、図20(a)におけるMは、均一デューティー
にて4パス記録を行なう場合のランダムマスクパターン
をそれぞれ模式的に示している。図からも明らかなよう
に、マスクパターンMは、集中ドットdが均一に存在し
ているが、マスクパターンM1は端部に向かうに従って
集中ドットd1がより分散された状態となっている。
【0160】(第3の実施形態)次に本発明におけるイ
ンクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の第
3の実施形態を説明する。
【0161】上記第1、第2の実施形態では、乱数の周
期が短い場合、出力画像に繰り返しパターンが生じた
り、乱数として一様乱数を用いたとき、乱数の低周波成
分により粒状性が悪化するということも懸念される。そ
こで、この実施形態では、複数の記録素子を有する記録
ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動する移動手段
と、前記記録ヘッドを複数の領域に分割し、記録媒体上
の同一領域に対して、前記記録ヘッドの分割された同一
のまたは異なる領域を用いて複数回の走査を行い、各走
査で間引きパターンに従って間引き画像を形成して画像
を完成させる記録装置において、任意のレベルで二値化
された際に、非記録画素と記録画素の配置が視覚的に好
ましくなるような疑似周期的マスク配列と、前記マスク
配列から複数のマスクパターンを生成するマスク生成手
段と、前記マスクパターンを前記各記録領域に対する間
引きパターンとして記録データを間引くための間引き手
段とを有することを特徴とする。
【0162】上記構成において、疑似周期的マスク配列
(擬似ランダムマスク配列とも呼ぶ)は、一様乱数と比
べて低周波成分が少ないため、繰り返しパターンの発生
や粒状性の悪化を防止するように働く。図27は本発明
の第3例である画像記録装置の構成を示すブロック図で
ある。10は画像データの入力端子、11は一回の走査
により印字される画像データを蓄積しておくための画像
バッファ、12は画像データとマスクデータの同期を取
るためのアドレスカウンタ、13はマスクデータを生成
するマスク生成部、14はマスクデータを格納するため
のマスクバッファ、15は画像データとマスクデータか
らヘッド駆動信号を生成するマスク処理部、16はヘッ
ド駆動信号に従い画像を形成するプリンタ、17は予め
他の装置により生成された母マスクデータを格納するた
めの母マスクメモリ(ROM)である。
【0163】プリンタ16は、記録ヘッド101を記録
媒体104に対して相対的に縦横に移動することによ
り、記録媒体上に画像を形成する。記録ヘッド101は
複数の記録素子から構成され、各記録素子はインクジェ
ット方式によりインクを記録媒体上に吐出することによ
り画像を形成するものとする。102は記録ヘッドを移
動するための移動部であり、103は記録媒体を搬送す
る搬送部である。このようなプリンタにおいては、記録
ヘッド101を構成する記録素子の配置や特性のばらつ
き、あるいは移動装置および搬送装置の機械的精度等に
より、画像上に帯状の濃度むらが発生することは避け難
い。
【0164】図28は記録ヘッド101の構成例を示す
図である。図28においては、説明を簡単にするため用
紙搬送方向に記録素子が一列に配置された構成を有する
記録ヘッドを示しているが、記録素子の数、配置は任意
であり、たとえば記録素子が複数列あっても、記録素子
がジグザグに配置されているような構成であっても良
い。図28において、120は記録素子であり縦に一定
間隔で16個配置されている。
【0165】記録ヘッド101は記録媒体104に対
し、左から右に移動しながら一定の駆動間隔で各記録素
子を駆動し記録媒体上に画像を記録する。一回の走査が
終了すると、記録ヘッドを左端に戻すと同時に、記録媒
体を一定量搬送する。以上の処理を繰り返すことにより
画像の記録が行われる。
【0166】一回の走査毎の記録媒体の搬送量を記録素
子の数より少なくすることによりマルチパス記録法によ
る印字が行われる。本実施形態では、記録媒体の搬送量
を記録素子の数の1/4とした場合について説明する。
【0167】図29(a)〜図29(d)は、マスク処
理部15により画像バッファ11およびマスクバッファ
14から記録ヘッド制御信号を生成する手順を説明する
図である。画像バッファ11は、横方向が印字可能な横
画素数と同数で、縦方向が記録素子と同数の画素を記録
できるメモリである。図29(a)〜図29(d)では
都合上、横画素数を16画素としているが、実際の画像
バッファの横画素数は、記録媒体の横方向に記録可能な
画素数と同数である。例えば、記録媒体上で記録可能な
領域の横幅が8インチであり、プリンタの解像度が60
0DPIであれば、記録可能な横画素数は、4800画
素であるから、画像バッファの横画素数も4800画素
となる。図29(a)〜(d)において、各ます目が画
素に対応しており、白のます目30は当該画素を記録し
ないことを表し、黒のます目31は当該画素を記録する
ことを表す。また、マスクバッファ14のサイズは横方
向は16画素、縦方向は記録素子と同数の16画素とし
た。
【0168】図29(a)は、第一の走査における記録
ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図
である。まず、第一の走査においては画像バッファ11
の下側4画素分の領域に入力画像の上端から4画素分の
画像データが格納される。次に、後述する手順によりマ
スク生成部13から生成された第一のマスクパターン3
2と画像バッファ11の画素毎のAND演算を行い、ヘ
ッド駆動信号を生成する。すなわち、画像バッファ11
およびマスクパターン32が両方とも記録状態の画素に
対応する記録素子のみを駆動する。
【0169】図29(b)は、第二の走査における記録
ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図
である。第一の走査が行われた後、搬送部103により
記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行
われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移
動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子よ
り取得し画像バッファに格納する。図では説明の都合
上、画像データを移動しているように表現しているが、
画像バッファをリングバッファとして構成しておけばバ
ッファ内での画像データの移動をアドレスカウンタの変
更のみで処理できるため便利である。次に、後述する手
順によりマスク生成部13から生成された第二のマスク
パターン34と画像バッファ11の画素毎のAND演算
を行い、ヘッド駆動信号35を生成する。
【0170】図29(c)は、第3の走査における記録
ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図
である。第二の走査が行われた後、搬送部103により
記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行
われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移
動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子よ
り取得し画像バッファに格納する。次に、後述する手段
によりマスク生成部13から生成された第三のマスクパ
ターン36と画像バッファ11の画素毎のAND演算を
行い、ヘッド駆動信号を生成する。
【0171】図29(d)は、第4の走査における記録
ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図
である。第三の走査が行われた後、搬送部103により
記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行
われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移
動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子よ
り取得し画像バッファに格納する。次に、後述する手段
によりマスク生成部13から生成された第四のマスクパ
ターン38と画像バッファ11の画素毎のAND演算を
行い、ヘッド駆動信号を生成する。
【0172】以上の4回の走査により、画像上端の4画
素分の画像の印字処理が終了する。以下同様な処理を繰
り返すことにより、画像全体の印字処理を行う。なお、
第五の走査においては、すでに画像上端4画素分の印字
は終了しているので、画像バッファ上端4画素分のデー
タを捨て、新たに生じた空き領域に追加の4画素分のデ
ータを格納する。
【0173】次に、母マスクデータの作成手順を図30
のフローチャートに従って説明する。本実施形態におい
ては、母マスクのサイズは縦横16画素とする。まず、
1レベル目のドット配置をランダムに一つ決める(ステ
ップS40)。ここでは、最初のドット位置を(x0、
y0)とする。次に、母マスクデータを初期化する(ス
テップS41)。すなわち最初のドット位置(x0、y
0)のマスク値を254にその他のマスク値を255と
する。次にポテンシャルの初期化を行う(ステップS4
2)。ポテンシャルはドット位置からの距離rに対して
以下の関数f(r)で与えられるものとする。
【0174】 f(r)=−0.41r+1.21 (r<2) f(r)=2.76exp(−r) (2≦r<10) f(r)=0 (r≧10) 従って、ドット位置(x0、y0)による、マスク位置
(x、y)に対するポテンシャルP(x、y)は、次式
で求められる。
【0175】
【数1】
【0176】図32にポテンシャルの形を示す。このよ
うな斥力型のポテンシャルをドット位置に対して与える
ことにより、すでに発生しているドットの付近に新たな
ドットが生じることを防ぐ。なお、ポテンシャルの裾が
マスクの領域を越える場合は、図33に示すようにマス
ク領域の反対側に折り返して計算する。これは、マスク
境界においてドット配置の不連続性を発生させないため
である。次に、ポテンシャルの最も小さい位置を検索し
その位置にドットを追加する(ステップS43)。ポテ
ンシャルの最小値を持つ位置が複数ある場合は、ランダ
ムに一つの位置を選択する。次に、新たに追加したドッ
トを含むすべてのドットの位置に対応するマスク値を1
減らす(ステップS44)。次に、新たに追加したドッ
トに対するポテンシャルを加算する(ステップS4
5)。追加したドットの位置を(x1、y1)とする
と、新たなポテンシャルは次式により求められる。
【0177】
【数2】
【0178】前記ステップS43、S44、S45を母
マスクのすべての画素位置にドットが追加されるまで繰
り返す。以上のようにして母マスクの生成が行われる。
このような手順により、マスク値が一様に分散した視覚
的に好ましい疑似周期的マスクパターンを生成すること
ができる。なお、母マスクの生成のための手段は、本画
像記録装置に組み込まれる必要はなく、あらかじめ別個
の母マスク生成装置により母マスクデータを生成し、結
果の母マスクデータのみを母マスクメモリに格納するも
のとする。尚、本実施形態にて適用した数式は類似数式
であれば、特に限定しなくても構わないものとする。
【0179】次に、図31のフローチャートに従い、マ
スク生成部13によりマスクバッファ14に格納される
マスクデータ32、34、36、38の生成手順を説明
する。母マスクは縦横16画素で各マスク値が0から2
55の値を持つ。まず、マスクデータをマルチパスの走
査回数に量子化する(ステップS50)。すなわち、本
実施形態では4回の走査によるマルチパス印字であるか
ら、マスク値0から63を第一パスに、マスク値64か
ら127を第二パスに、マスク値128から191を第
三パスに、マスク値192から255を第四パスに割り
当てる。次に、各パスに対応するマスクデータの画素を
オンにする(ステップS52)。すなわち、第一パスの
マスクデータ32の第一パスに割り当てられた画素位置
をオンにし、第二パスのマスクデータ34の第二パスに
割り当てられた画素位置をオンとし、第三パスのマスク
データ36の第三パスに割り当てられた画素位置をオン
とし、第四パスのマスクデータ38の第四パスに割り当
てられた画素位置をオンとする。次に、各パスにおける
搬送量に対応して、マスクデータをローテーションする
(ステップS52)。すなわち、マスクデータ34を上
に4画素分、マスクデータ36を上に8画素分、マスク
データ38を上に12画素分ローテーションする。
【0180】以上のような構成により、ドットの分散性
の高い疑似周期配列の母マスクを用いることにより、短
い周期の乱数を用いた場合に生じる繰り返しパターン
や、一様乱数によるマスクを用いた場合に生じる粒状性
の悪化を防ぐことができる。なお、上記手段により生成
したマスクパターンを以後、擬似周期配列マスクパター
ンと定義する。
【0181】ここで、擬似周期配列マスクパターンに
て、図34に示すように、同一走査領域E(パス領域)
を2分割し、各分割領域e1、e2における記録デュー
ティーを異なるものとした場合について説明する。この
ような分割デューティーとすることにより、視覚特性
上、バンディングを見えにくくするものとなっている。
図13(a)および図13(b)、図14(c)は、分
割領域e1、e2の記録デューティーの設定例をそれぞ
れ示している。図15(a)は、各分割領域e1、e2
が均一のデューティーによって形成された画像を示し、
図15(b)は前記2分割デューティーによって形成さ
れた画像を示す。いずれの画像もキャリッジを往復動す
ることにより、形成された場合、打ち込み順序の差に起
因する色ムラが上記模式図の如く顕著に見られる。な
お、図34において、H100Tは、各パス領域Eの記
録を行う複数のノズル群を示しており各ノズル群は(図
では4個)のノズルnによってそれぞれ構成されてい
る。
【0182】ここで前述の図14(a)に示す均一デュ
ーティーによって形成された画像では、例えば一様なベ
タパターンを記録した場合、紙送りピッチでバンディン
グが発生する。この紙送りピッチ程度のピッチでは視覚
特性上、バンディングの存在が認知されてしまい、画像
品質の劣化を感じる。ところが、この第3の実施形態に
おいても、前記第1の実施形態、第2の実施形態と同様
に、紙送りピッチの半分のピッチでバンディングが発生
するため、そのバンディング発生ピッチは視覚特性上、
認知されるピッチ内におさまり、画像品質の劣化を感じ
させることはない。本発明者の実験によれば、338μ
mのピッチでは、打ち込み順序差などによる色ムラ(バ
ンディング)が視覚特性上認識されにくいことを確認し
ている。但し、それ以上のピッチを減少させても顕著な
効果は見られなかった。また、分割数に関しては、例え
ば4パス記録の場合、各パス領域を4分割した場合に、
画像劣化軽減効果が顕著に現れる。
【0183】さらに、従来までのランダム関数により生
成したマスクパターンの場合に対し、粒状性、マスクの
周期性(テクスチャ)といった面での飛躍的に改善して
いることを確認している。
【0184】以上のように、ある一定領域Eをマルチパ
ス記録にて記録する場合、少ないパス数ほど記録デュー
ティーの設定領域を細分化する方が往復記録にはより好
ましいと言える。なお、この記録デューティーは、マル
チパス数、分割数の最適な値を種々のメディア特性(吸
収性、にじみ)に応じて選択、設定するようにすること
も可能である。これは、予めマスクテーブルに格納して
おき、上記のの条件に応じて適宜読み出すようにするこ
とで実現できる。
【0185】(第4の実施形態)次に、本発明における
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の
第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態におい
ては、第3実施形態に示す生成手段と同様な手法にて、
前記各主走査によって形成される同一パス領域Eのう
ち、記録ヘッドの分割領域e1、e2の記録デューティ
ーがその両端部に対応する分割領域e1、e2の内側に
位置する分割領域の記録デューティーより小なる値に設
定されるものである。
【0186】すなわち図17(a)に示すように、従来
より行われている通常の4パス記録(パス内分割数1)
の場合、各ノズル列を4つのパス領域Eに分け、各記録
領域Eの記録デューティーを25%としているが、この
実施形態においては、図17(b)に示すように各パス
領域Eを2分割して分割領域e1、e2を設定し、かつ
記録ヘッドH1001の両端部分のノズルnに対応する
分割領域e1、e2の記録デューティーをほかの分割領
域e1、e2より低い値(6.25%)に設定したもの
であり、各パス領域内の記録デューティーは、18.7
5%〜31.25%までの分布となる。そして、このよ
うにe1、e2における記録デューティーを設定するこ
とにより、記録ヘッドの両端部に位置するノズルnの使
用頻度は低減され、端部ヨレの発生数を確実に抑えるこ
とができ、白スジの発生を低減することができる。この
白スジ抑制効果は、第2の実施形態において形成される
画像(図19参照)と、従来の4パス記録によって形成
される画像(図18参照)とを比較すれば明らかとな
る。
【0187】図18に示す画像は、各パス領域Eへの記
録デューティーを均一な値(25%デューティー)に設
定して形成される画像である。図示のように、この画像
では4ドット中の1ドット(25%)に端部ヨレが発生
することになり、この端部ヨレの発生は、マルチパス数
をさらに減少させたた場合に一層顕著となり、これが白
スジとして明確に認知されることとなる。これに対し、
図19に示す画像は、同じ4パス記録の場合にあって図
17Bに示すように、端部の分割領域e1、e2の記録
デューティーが6.25%(従来の均一デューティーの
1/4)に設定され、かつ記録ヘッドH1001の中央
部に近い領域ほど記録デューティーが高くなるように設
定されている。このように、端部の記録デューティーを
低い値に設定することにより、画像における端部ヨレ
は、16ドット中1ドットという極めて低い頻度で発生
することとなり、その端部ヨレが白スジとして認知され
ることはなくなる。従って、画像におけるバンドルが上
記第1の実施形態と同様に解消されることに加え、さら
に端部ヨレに起因する白スジの発生も解消でき、より高
品質な画像を得ることができる。
【0188】なお、この第2実施形態においては、パス
領域Eを2分割した場合を例にとり説明しているが、上
記分割数は3分割以上とすることも可能である。例え
ば、図35(a)は全ての分割領域e1,e2,e3,
e4で記録デューティーが25%という均一なマスクパ
ターンを示している。これに対し、図35(b)に示す
ように、両端部に位置する分割領域e1、e4の記録デ
ューティーは6.25%という比較的低い値に設定さ
れ、かつその分割領域はここでも記録ヘッドの内側へ向
かうに従って高い値に設定されている。なお、図35
(a)においては、記録デューティーが25%という均
一なマスクパターンであるので、上述のように、分割す
ることは必ずしも必要ではない。
【0189】また、図35(b)において、M1はこの
記録デューティーを設定するための擬似周期配列マスク
パターンを、図35(a)におけるMは、均一デューテ
ィーにて4パス記録を行う場合の擬似周期配列マスクパ
ターンをそれぞれ模式的に示している。図からも明らか
なように、マスクパターンM1は端部に向かう従って集
中ドットd1がより分散された状態となっている。
【0190】このように、上記第3の実施形態及び第4
の実施形態によれば、擬似周期的配列にて視覚的に好ま
しいドット配置を持つマスクパターンを生成することに
より、乱数によるマスクパターンに比べて、繰り返しパ
ターンの発生や粒状性をより低減することができる。
【0191】なお、本発明が有効に用いられる一形態
は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液
体に膜沸騰を生じさせ、気泡を形成する形態である。
【0192】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
各記録走査にて記録される同一記録領域内を分割し、そ
の分割領域における記録デューティーを異なるものにし
たため、通常紙送りピッチにて認知されるバンディング
の発生領域を短くすることができ視角特性上、優れた効
果が得られる。また、前記各主走査によって形成される
同一領域のうち、両端部に位置する分割領域に対する記
録デューティーをその内側に位置する分割領域の記録デ
ューティーより小なる値に設定し、記録ヘッドの両端部
に位置するノズルの使用頻度を抑えるようにしたため、
端部ノズルにおける液滴の着弾位置ズレの発生回数を低
減することができ、より良好な画像品質を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットプリ
ンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの外装部材を取り外した状
態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるプリンタに用いる記
録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図であ
る。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解
斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分
解斜視図である。
【図6】(a),(b)は図3の記録ヘッドカートリッ
ジに代えて本発明の実施形態によるプリンタに搭載可能
なスキャナカートリッジの構成を示すために、そのスキ
ャナカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態のプリンタにおける電気的
回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示した電気回路のうちメインPCBの内
部構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示したメインPCBのうちASICの内
部構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態のプリンタの動作例を示
すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態における記録ヘッド
を模式的に示す平面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態における画像処理部
を示すブロック図である。
【図13】同上実施形態における4パス記録において各
パス内での記録デューティを示す図で、(a)は各走査
記録領域均一なデューティ(25%)で記録する場合
を、(b)は各走査記録領域の記録デューティを異なる
ものとした場合をそれぞれ示している。
【図14】同上実施形態における4パス記録において各
パス内の記録デューティーを示す図で、(a)は均一な
デューティに設定した場合を、(b)は各パス内の各分
割領域における記録デューティを異なる値に設定した場
合をそれぞれ示している。
【図15】(a)は同上実施形態において通常の4パス
記録に使用するランダムマスタパターンを示す模式図、
(b)は同上実施形態において4パス記録に使用するラ
ンダムマスタパターンを示す模式図である。
【図16】同上実施形態において4パス記録にて形成さ
れる画像の模式図であり、各パス領域内を2分割し、各
領域内の記録デューティーを異なる値に設定した場合を
示している。
【図17】同上実施形態において4パス記録における各
パス内の記録デューティーを示す図で、(a)は均一な
デューティーに設定した場合を、(b)は各パス内の各
分割領域における記録デューティーを異なる値に設定し
た場合をそれぞれ示す。
【図18】同上実施形態において4パス記録にて形成さ
れる画像の模式図であり、(a)は各パス領域内を均一
記録デューティーにて形成した場合を、(b)は各パス
領域内を2分割し、各領域内の記録デューティーを異な
る値に設定した場合をそれぞれ示している。
【図19】同上実施形態において、4パス記録において
記録領域の端部のみを6.25%の記録デューティにて
形成した画像を示す模式図である。
【図20】(a)は均一デューティーにて4パス記録を
行なう場合のランダムマスクパターンを、(b)は異な
る記録デューティーを設定するためのランダムマスクパ
ターンをそれぞれ模式的に示す図である。
【図21】同上実施形態におけるパス数決定部の詳細な
構成を示すブロック図である。
【図22】同上実施形態において1ページの記録媒体に
複数の色の領域から構成される画像を記録する例を示す
図である。
【図23】同上実施形態においてヨレの標準偏差に基づ
き決定した閾値によりパス数を決定する場合のフローチ
ャートである。
【図24】同上実施形態における画像処理の他の機能構
成例を示すブロック図である。
【図25】同上実施形態において1ページの記録媒体に
記録される画像に黒文字と自然画とが混在する例を示す
図である。
【図26】同上実施形態における画像処理のさらに他の
機能構成例を示すブロック図である。
【図27】本発明の第3の実施形態である画像記録装置
の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における記録ヘッド
の構成例を示す図である。
【図29】同上実施形態におけるマスク処理部によって
画像バッファ及びマスクバッファから記録ヘッド制御信
号を生成する手順を説明する図であり、(a)は第1走
査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク
処理を示した図、(b)は第2走査における記録ヘッド
制御信号を生成するためのマスク処理を示した図、
(c)は第3走査における記録ヘッド制御信号を生成す
るためのマスク処理を示した図、(d)は第4走査にお
ける記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を
示した図である。
【図30】同上実施形態における母マスクデータの作成
手順を示すフローチャートである。
【図31】同上実施形態においてマスク処理部によりマ
スクバッファに格納されるマスクデータの生成手順を示
すフローチャートである。
【図32】同上実施形態においてマスク位置に対するポ
テンシャルを示す図である。
【図33】同上実施形態においてポテンシャルの裾がマ
スクの領域を越える場合の計算方法を示す説明図であ
る。
【図34】同上実施形態において4パス記録にて形成さ
れる画像の模式図であり、各パス領域を2分割し、各領
域内の記録デューティーを擬似周期配列マスクパターン
を用いて異なる値に設定した場合を示す図である。
【図35】(a)は一つのパス領域を4分割し、各パス
領域の記録デューティーを均一デューティにて4パス記
録を行う場合の擬似周期配列マスクパターンを模式的に
示す図、(b)は一つのパス領域を4分割し、各パス領
域の記録デューティーを異なる値に設定した状態、及び
その状態における擬似周期配列的マスクパターンを模式
的に示す図である。
【図36】(a)は記録ヘッドから吐出されるインク滴
の適正吐出状態を示す模式図、(b)は同図(a)のイ
ンク滴の吐出によって得られる滴濃度ムラの無い画像を
示す模式図、(c)は同図(b)に示す画像の濃度分布
を示す線図である。
【図37】(a)は記録ヘッドから吐出されるインク滴
のバラツキ状態を示す模式図、(b)は同図(a)のイ
ンク滴の吐出によって得られる滴濃度ムラの生じた画像
を示す模式図、(c)は同図(b)に示す画像の濃度分
布を示す線図である。
【図38】同上実施形態において、マルチパス記録(2
パス記録)を行なった場合を示す図であり、(a)は記
録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出状態を示す模式
図、(b)は同図(a)のインク滴の吐出によって得ら
れる滴濃度ムラの生じた画像を示す模式図、(c)は同
図(b)に示す画像の濃度分布を示す線図である。
【図39】同上実施形態において、マルチパス記録(2
パス記録)によって形成される画像を示す図であり、
(a)は1パス目で形成される画像を、(b)は2パス
目で形成される画像を、(c)は3パス目で形成される
画像をそれぞれ示している。
【図40】記録ヘッドを模式的に示す平面図である。
【図41】記録ヘッド側から見た液滴の端部よれ現象発
生状態を示す模式図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体 M1001 下ケース M1002 上ケース M1003 アクセスカバー M1004 排出トレイ M2015 紙間調整レバー M2003 排紙ローラ M3001 LFローラ M3019 シャーシ M3022 自動給送部 M3029 搬送部 M3030 排出部 M4000 記録部 M4001 キャリッジ M4002 キャリッジカバー M4007 ヘッドセットレバー M4021 キャリッジ軸 M5000 回復系ユニット M6000 スキャナ M6001 スキャナホルダ M6003 スキャナカバー M6004 スキャナコンタクトPCB M6005 スキャナ照明レンズ M6006 スキャナ読取レンズ1 M6100 保管箱 M6101 保管箱ベース M6102 保管箱カバー M6103 保管箱キャップ M6104 保管箱バネ E0001 キャリッジモータ E0002 LFモータ E0003 PGモータ E0004 エンコーダセンサ E0005 エンコーダスケール E0006 インクエンドセンサ E0007 PEセンサ E0008 GAPセンサ(紙間センサ) E0009 ASFセンサ E0010 PGセンサ E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリント
ケーブル) E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブ
ル) E0013 キャリッジ基板 E0014 メイン基板 E0015 電源ユニット E0016 パラレルI/F E0017 シリアルI/F E0018 電源キー E0019 リジュームキー E0020 LED E0021 ブザー E0022 カバーセンサ E1001 CPU E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ) E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ) E1004 ROM E1005 発振回路 E1006 ASIC E1007 リセット回路 E1008 CRモータドライバ E1009 LF/PGモータドライバ E1010 電源制御回路 E1011 INKS(インクエンド検出信号) E1012 TH(サーミスタ温度検出信号) E1013 HSENS(ヘッド検出信号) E1014 制御バス E1015 RESET(リセット信号) E1016 RESUME(リジュームキー入力) E1017 POWER(電源キー入力) E1018 BUZ(ブザー信号) E1019 発振回路出力信号 E1020 ENC(エンコーダ信号) E1021 ヘッド制御信号 E1022 VHON(ヘッド電源ON信号) E1023 VMON(モータ電源ON信号) E1024 電源制御信号 E1025 PES(PE検出信号) E1026 ASFS(ASF検出信号) E1027 GAPS(GAP検出信号) E0028 シリアルI/F信号 E1029 シリアルI/Fケーブル E1030 パラレルI/F信号 E1031 パラレルI/Fケーブル E1032 PGS(PG検出信号) E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号) E1034 PGモータ駆動信号 E1035 LFモータ駆動信号 E1036 CRモータ制御信号 E1037 CRモータ駆動信号 E0038 LED駆動信号 E1039 VH(ヘッド電源) E1040 VM(モータ電源) E1041 VDD(ロジック電源) E1042 COVS(カバー検出信号) E2001 CPU I/F E2002 PLL E2003 DMA制御部 E2004 DRAM制御部 E2005 DRAM E2006 1284 I/F E2007 USB I/F E2008 受信制御部 E2009 圧縮・伸長DMA E2010 受信バッファ E2011 ワークバッファ E2012 ワークエリアDMA E2013 記録バッファ転送DMA E2014 プリントバッファ E2015 記録データ展開DMA E2016 展開用データバッファ E2017 カラムバッファ E2018 ヘッド制御部 E2019 エンコーダ信号処理部 E2020 CRモータ制御部 E2021 LF/PGモータ制御部 E2022 センサ信号処理部 E2023 モータ制御バッファ E2024 スキャナ取込みバッファ E2025 スキャナデータ処理DMA E2026 スキャナデータバッファ E2027 スキャナデータ圧縮DMA E2028 送出バッファ E2029 ポート制御部 E2030 LED制御部 E2031 CLK(クロック信号) E2032 PDWM(ソフト制御信号) E2033 PLLON(PLL制御信号) E2034 INT(割り込み信号) E2036 PIF受信データ E2037 USB受信データ E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ) E2039 受信バッファ制御部 E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/
ラスタデータ) E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/
記録コード) E2042 WDWF(ワークフィルデータ) E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ
/記録コード) E2044 WDWP(並べ替え記録コード) E2045 RDHDG(記録展開用データ) E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ
/展開記録データ) E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ
/展開記録データ) E2049 ヘッド駆動タイミング信号 E2050 データ展開タイミング信号 E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み
出しデータ) E2052 センサ検出信号 E2053 WDHD(取込みデータ) E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデー
タ) E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/
処理済データ) E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ
/処理済データ) E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧
縮データ) E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮デー
タ) E2059 RDPIF(1284送信データ) H1000 記録ヘッドカートリッジ H1001 記録ヘッド H1100 記録素子基板 H1100T 吐出口 H1200 第1のプレート H1201 インク供給口 H1300 電気配線基板 H1301 外部信号入力端子 H1400 第2のプレート H1500 タンクホルダー H1501 インク流路 H1600 流路形成部材 H1700 フィルター H1800 シールゴム H1900 インクタンク n ノズル N ノズル群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後田 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川床 徳宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 枝村 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小笠原 隆行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA06 EA08 EA11 EB27 EB29 EB42 EC11 EC71 EC74 EC75 EC77 EC78 EE02 FA03 HA22 HA58

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルからなるノズル群を複数備
    える記録ヘッドを用いて記録媒体に画像を形成させるイ
    ンクジェット記録装置であって、 前記記録媒体における同一の主走査記録領域に対し異な
    るノズル群によって複数回主走査を行うと共に前記複数
    回の主走査各々においては、間引きマスクパターンに従
    って間引き画像を形成することにより画像を完成させる
    手段と、 前記同一記録走査領域内を主走査方向と異なる副走査方
    向に沿って所定のピッチで分割し、各分割領域に対し前
    記間引きマスクパターンによって定まる記録デューティ
    ーを異なる値に設定する記録デューティー設定手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録デューティー設定手段は、前記
    各主走査によって形成される同一領域のうち、両端部に
    位置する分割領域に対する記録デューティーをその内側
    に位置する分割領域に対する記録デューティーより小な
    る値に設定したことを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記間引きマスクパターンは、記録する
    画像の解像度より低い解像度にて配置されていることを
    特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記間引きマスクパターンは、任意のレ
    ベルで二値化された際に、非記録画素と記録画素とが一
    様に分散配置される擬似周期的配列である個とを特徴と
    する請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、複数色のインクに対
    応したノズル列に配設してなり、カラー記録データに基
    づきカラー画像を形成すべくインクを吐出することを特
    徴とする請求項1ないし4いずれか記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドを用いた記録画像に生じ
    るスジムラ量を検出するスジムラ量検出手段をさらに備
    え、前記スジムラ量検出手段は、所定のテスト画像を記
    録ヘッドにて記録させる制御部と、テスト画像を光学的
    センサを用いて読み取らせる読み取り部と、その読み取
    り結果に基づいて記録ヘッドのスジムラ量を求める演算
    部と、その演算部の演算結果を格納するレジスタとを有
    することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の
    インクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、各ノズルから1回の
    吐出動作によって吐出されるインクの量が4pl以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の
    インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、各ノズルから1回の
    吐出動作によって吐出される記録液による平均ドット径
    が50μm以下であることを特徴とする請求項1ないし
    7いずれか記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドは、600dpi以上の
    記録密度でドットを形成する請求項1ないし8いずれか
    記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによ
    ってインクに気泡を発生させ、その気泡の圧力によって
    インクを吐出させることを特徴とする請求項1ないし9
    いずれか記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 複数のノズルからなるノズル群を複数
    備える記録ヘッドを用いて記録媒体に画像を形成させる
    インクジェット記録方法であって、 前記記録媒体における同一の主走査記録領域に対し異な
    るノズル群によって複数回主走査を行うと共に、前記複
    数回の走査の各々においては間引きマスクパターンに従
    って間引き画像を形成し、 前記同一走査記録領域内は、主走査方向と異なる副走査
    方向に沿って所定ピッチにて分割され、前記画像形成に
    あたり、各分割領域に対し前記間引きマスクパターンに
    よって定まる記録デューティーは異なる値であることを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記各主走査によって形成される同一
    領域のうち、両端部に位置する分割領域の記録デューテ
    ィーをその内側に位置する分割領域の記録デューティー
    より小なる値に設定する請求項11記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  13. 【請求項13】 前記間引きマスクパターンは、記録す
    る画像の解像度より低い解像度にて配置されていること
    を特徴とする請求項11または12記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  14. 【請求項14】 前記間引きマスクパターンは、任意の
    レベルで二値化された際に、非記録画素と記録素とが一
    様に分散して配置される擬似周期的配列であることを特
    徴とする請求項11ないし13いずれか記載のインクジ
    ェット記録方法。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドは複数色のインクに対
    応したノズル列を配設してなり、カラー記録データに基
    づきカラー画像を形成すべくインクを吐出する請求項1
    1ないし14いずれか記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 前記記録ヘッドを用いた記録画像に生
    じるスジムラ量を検出するステップをさらに備え、前記
    スジムラ量検出ステップは、所定のテスト画像を記録ヘ
    ッドにて記録させるステップと、テスト画像を光学的セ
    ンサを用いて読み取らせる読み取りステップと、その読
    み取り結果に基づいて記録ヘッドのスジムラ量を求める
    演算ステップと、その演算ステップにおける演算結果を
    レジスタに格納するステップとを有することを特徴とす
    る請求項11ないし15いずれか記載のインクジェット
    記録方法。
  17. 【請求項17】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによ
    ってインクに気泡を発生させ、前記気泡の圧力によって
    インクを吐出させることを特徴とする請求項11ないし
    16いずれか記載のインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 複数のノズルからなるノズル群を複数
    備える記録ヘッドを用いて記録媒体に画像を形成させる
    インクジェット記録装置の記録制御方法であって、 前記インクジェット記録装置に対し、前記記録媒体にお
    ける同一の主走査記録領域に対し異なるノズル群によっ
    て複数回主走査を行うと共に、前記複数回の走査の各々
    においては間引きマスクパターンに従って間引き画像を
    形成することにより画像を完成させるようにする一方、 前記同一走査記録領域内を、主走査方向と異なる副走査
    方向に沿って所定ピッチにて分割し、前記画像形成にあ
    たり各分割領域に対し前記間引きマスクパターンによっ
    て定まる記録デューティーを異なる値とすることを特徴
    とするインクジェット記録装置の記録制御方法。
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