JP5164303B2 - 記録装置、画像処理装置、データ生成方法、コンピュータプログラム、および記録システム - Google Patents

記録装置、画像処理装置、データ生成方法、コンピュータプログラム、および記録システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像データの濃度レベルに応じて、被記録媒体に対する高濃度のドットと低濃度のドットの形成量を決定するための記録装置、画像処理装置、データ生成方法、コンピュータプログラム、および記録システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録装置としては、例えば、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の3色のインク、あるいはシアン,マゼンタ,イエロー,ブラック(K)の4色のインクを用い、それらのインクを被記録媒体に打ち込むことによって、ドットを形成するものがある。このような記録装置においては、画像のハイライト部(低濃度領域)において、ドットが目立って粒状感が大きくなってしまう場合がある。このようなドットの粒状感を小さくする方法としては、シアンやマゼンタなど明度の低いインクに関して、通常のインク濃度の1/3〜1/6程度の低濃度の淡インクをも用いる方法がある。淡インクを用いての記録方式としては、次の3つがある。
(1)ハイライト部に淡インクを打ち込み、シャドウ(高濃度領域)に淡インクを重ね打ちする。
(2)ハイライト部に淡インクを打ち込み、シャドウ部に濃インクを打ち込む。
(3)ハイライト部に淡インクを打ち込み、中濃度領域に中濃度のインクを打ち込み、シャドウ部に濃インクを打ち込む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)の記録方式の場合は、淡インクを重ね打ちすることによってシャドウ部の濃度アップを図るため、通常よりも淡インクの消費量が多くなって、ランニングコストが高くついてしまう。さらに、濃度を確保するために、特に2次色や3次色などの記録時には、インクの打ち込み量の増加によって、インクが溢れて、画質低下が起きてしまう。また、インクの最大打ち込み量との関係から、使用可能な被記録媒体が限定される。
【0004】
上記(2)の記録方式の場合は、ハイライト部とシャドウ部に打ち込むインクを使い分けることで、ハイライト部における粒状感の低減と、シャドウ部における濃度アップおよびインク消費量の低減と、の両立を図っている。しかし、淡インクの濃度を可能な限り薄くした場合、ハイライト部の粒状感は小さくなるが、淡インクと濃インクとの濃度差が大きくなるため、淡インクのドットの形成領域内に濃インクのドットが入り始める中濃度領域においては、ドットが目立って粒状感が大きくなってしまう。また、中濃度領域におけるドットの粒状感を小さくすべく、淡インクの濃度を上げた場合には、その淡インクのドットが見えてしまい、ハイライト部におけるドットが目立って粒状感が大きくなってしまう。
【0005】
上記(3)の記録方式の場合は、中濃度のインクを用いることによって、中濃度領域におけるドットの粒状感は小さくなるが、1つの色相に対して、濃インク、中濃度インク、および淡インク吐出用の3種の記録ヘッド、および3種のインクを備える必要があり、コストアップの要因となってしまう。さらに、画像処理を行う際に、1つの色相に対して3つの色テーブルをもたなけらばならないために、画像処理が複雑になってしまう。
【0006】
また、淡インクを使用しない記録方式としては、淡インクを用いた上記(1),(2),(3)と同様の画質を達成するために、例えば、ドットを形成するインク滴を約0.5pl(ピコリットル)の小液滴とし、通常よりも小さいドットを形成して、ハイライト部の粒状感を低減する方法がある。しかし、この記録方式では、記録解像度が上がって記録速度が遅くなったり、インク滴を目標着弾位置に安定的に着弾させることが難しくなり、また記録ヘッドの製造が困難となるために、記録ヘッドの歩留まりの悪化によるコストアップを招くおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、低濃度のドットと高濃度のドットの形成量を最適に設定して、全濃度領域に渡ってドットの粒状感を小さくすることができる記録装置、画像処理装置、データ生成方法、コンピュータプログラム、および記録システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録装置は、第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録することが可能な記録装置において、画像の階調レベルに応じて前記被記録媒体の単位領域に付与する前記第1のインクの最大量は、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上であり、前記第1のインクの付与量は、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少し、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零となってから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルは、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルであり、前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数は、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多いことを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置は、第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録するための画像データを生成する画像処理装置であって、前記被記録媒体の単位領域に記録すべき画像の階調レベルを示す入力画像データに基づいて、前記第1のインクの前記単位領域に対する付与量および前記第2のインクの前記単位領域に対する付与量に対応する画像データを生成するための生成手段を備え、前記生成手段は、前記単位領域に付与する前記第1のインクの最大量を、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上とし、前記第1のインクの付与量を、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少させ、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零としてから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルを、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルとし、前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数を、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多くするように、前記画像データを生成することを特徴とする。
【0010】
本発明のデータ生成方法は、第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録するための画像データを生成するデータ生成方法であって、前記被記録媒体の単位領域に記録すべき画像の階調レベルを示す入力画像データに基づいて、前記第1のインクの前記単位領域に対する付与量および前記第2のインクの前記単位領域に対する付与量に対応する画像データを生成するための生成工程を備え、前記生成工程は、前記単位領域に付与する前記第1のインクの最大量を、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上とし、前記第1のインクの付与量を、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少させ、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零としてから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルを、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルとし、前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数を、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多くするように、前記画像データを生成することを特徴とする。
【0011】
本発明のコンピュータプログラムは、上記のデータ生成方法をコンピュータによって実行させることを特徴とする。
本発明の記録システムは、第1のインクと当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて被記録媒体に画像を記録することが可能な記録装置と、当該記録装置において記録されるべき画像の階調レベルを示す画像データを供給するためのデータ供給装置と、を含む記録システムであって、前記画像データに基づいて前記被記録媒体の単位領域に対して付与する前記第1のインクの最大量は、前記画像データに基づいて前記単位領域に対して付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上であり、前記第1のインクの付与量は、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少し、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零となってから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルは、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルであり、前記画像データに基づいて前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数は、前記画像データに基づいて前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多いことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の特徴構成部分の実施形態の説明に先立ち、まず、本発明の基本構成部分の実施形態を図1から図10に基づいて説明する。
【0013】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0014】
そして、本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0015】
ここで、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0016】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0017】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外郭は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0018】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
また、前記下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0019】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0020】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0021】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0022】
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0023】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0024】
(記録部)
ここで、記録部について説明するに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0025】
記録ヘッドカートリッジ
まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に基づき説明する。
【0026】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0027】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0028】
そして,記録ヘッドH1001は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0029】
記録素子基板H1100には、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。また、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0030】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0031】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0032】
(キャリッジ)
次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0033】
図2に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0034】
また、キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(図7参照、以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0035】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参照)。
【0036】
[スキャナ]
この実施形態におけるプリンタは、上述した記録ヘッドカートリッジH1000の代わりにキャリッジM4001にスキャナを装着することで読取装置としても使用することができる。
【0037】
このスキャナは、プリンタ側のキャリッジM4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うことにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができる。
【0038】
図6(a)および(b)は、このスキャナM6000の概略構成を説明するために、スキャナM6000を上下逆にして示す図である。
【0039】
図示のように、スキャナホルダM6001は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要な光学系・処理回路などが収納されている。また、このスキャナM6000をキャリッジM4001へと装着した時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM6006が設けられており、このレンズM6006により原稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズM6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射される。
【0040】
スキャナホルダM6001の底部に固定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM6001の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱することができる。
【0041】
また、スキャナホルダM6001には、読取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出するよう設けられており、キャリッジM4001へとスキャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPCB M6004がキャリッジM4001側のコンタクトFPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるようになっている。
【0042】
[プリンタの電気回路の構成]
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図7は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概略的に示す図である。
【0043】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0044】
さらに、メインPCBE0014はこの実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)センサE0009、カバーセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM1400を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源をなすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PGモータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンプティセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0045】
図8は、メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。図において、E1001はCPUであり、このCPU E1001は内部に発振回路E1005に接続されたクロックジェネレータ(CG) E1002を有し、その出力信号E1019によりシステムクロックを発生する。また、制御バスE1014を通じてROM E1004およびASIC(Application Specific Integrated Circuit) E1006に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、ASIC E1006の制御、電源キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーからの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接続されるインクエンプティ検出信号(INKS)E1011及びサーミスタによる温度検出信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御を司る。
【0046】
ここで、ヘッド検出信号E1013は、記録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インクエンプティ検出信号E1011はインクエンプティセンサE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0047】
E1008はCRモータドライバであって、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのCRモータ制御信号E1036に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、CRモータE0001を駆動する。E1009はLF/PGモータドライバであって、モータ電源E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータを駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生成してPGモータを駆動する。
【0048】
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1006からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。パラレルI/F E0016は、ASIC E1006からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続されるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、またパラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC E1006に伝達する。シリアルI/F E0017は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E1028を、外部に接続されるシリアルI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1006に伝達する。
【0049】
一方、電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1006からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0050】
またヘッド電源信号E1039は、メインPCB E0014上で平滑化された後にフレキシブルフラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
E1007はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低下を検出して、CPU E1001及びASIC E1006にリセット信号(RESET)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0051】
このASIC E1006は1チップの半導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCPU E1001によって制御され、前述したCRモータ制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレルI/F E0016およびシリアルI/F E0017との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するためのセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010からのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0052】
さらに、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフレキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッドH1000に供給される。
【0053】
図9は、ASIC E1006の内部構成例を示すブロック図である。
【0054】
なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
【0055】
図中、E2002はPLLコントローラであり、図9に示すようにCPU E1001から出力されるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(PLLON)E2033により、ASIC E1006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
【0056】
また、E2001はCPUインターフェース(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、CPU E1001から出力されるソフトリセット信号(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2031及び制御バスE1014からの制御信号により、以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行ない、CPU E1001に対して割り込み信号(INT)E2034を出力し、ASIC E1006内部での割り込みの発生を知らせる。
【0057】
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用するバッファとして、上記の各記録用データバッファに代えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデータバッファE2026、送出バッファE2028などの領域を有する。
【0058】
また、このDRAM E2005は、CPU E1001の動作に必要なワーク領域としても使用されている。すなわち、E2004はDRAM制御部であり、制御バスによるCPU E1001からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行なう。
【0059】
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書込みデータE2038、E2041、E2044、E2053、E2055、E2057などをDRAM制御部E2004に出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータE2040、E2043、E2045、E2051、E2054、E2056、E2058、E2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0060】
また、E2006は、IEEE 1284I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、パラレルI/F E0016を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0016からの受信データ(PIF受信データE2036)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(1284送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0061】
E2007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、シリアルI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシリアルI/F E0017からの受信データ(USB受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(USB送信データ(RDUSB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信する。受信制御部E2008は、1284I/F E2006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
E2009は圧縮・伸長DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に書込む。
【0062】
E2013は記録バッファ転送DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1007の制御によってワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファE2014上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)する。また、E2012はワーククリアDMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御によって記録バッファ転送DMAコントローラ E2013による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0063】
E2015は記録データ展開DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録データ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理されている。
【0064】
E2018はヘッド制御部で、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行なう。
【0065】
また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
また、スキャナ読み取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021として入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処理DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055をDRAM E2005上のスキャナデータバッファE2026に書込む。
E2027はスキャナデータ圧縮DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナデータバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書込み転送する。
【0066】
E2019はエンコーダ信号処理部であり、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E1001に提供する。CPU E1001はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。また、E2020はCRモータ制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、CRモータ制御信号E1036を出力する。
【0067】
E2022はセンサ信号処理部で、PGセンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサE0009、及びGAPセンサE0008等から出力される各検出信号E1033,E1025,E1026,E1027を受けて、CPUE1001の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ E2021に対してセンサ検出信号E2052を出力する。
【0068】
LF/PGモータ制御用DMAコントローラE2021は、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、DRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御信号E1033を出力する他、動作モードによっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E1033を出力する。
また、E2030はLED制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
【0069】
[プリンタの動作]
次に、上記のように構成された本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0070】
AC電源に装置本体1000が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0071】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0072】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0073】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0074】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップ8へと進む。
【0075】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0076】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0077】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0078】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0079】
なお、本発明が有効に用いられる一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0080】
(第1の実施形態)
次に、本発明の特徴的な構成部分の第1の実施形態について説明する。
【0081】
「ヘッド構成および記録方式」
本実施形態においては、キャリッジM4001に搭載される記録ヘッドH1001として、図11から図13のような構成の記録ヘッドHが用いられる。本例の記録ヘッドHにおいては、インクを吐出可能な複数の吐出口Pが2列(以下、「ノズル列」ともいう)L1,L2を成すように形成されている。ノズル列L1,L2は、被記録媒体が搬送される矢印Bの副走査方向に延在する。ノズルを構成する吐出口Pは、ノズル列L1,L2のそれぞれにおいて、600dpiに相当する間隔をピッチPyとして、128個(128ノズル分)ずつ形成されている。また、ノズル列L1の吐出口Pとノズル列L2の吐出口Pは、矢印Yの副走査方向に1200dpiに相当する半ピッチ(Py/2)だけずらされている。矢印Xは、記録ヘッドHが往復移動する主走査方向である。そして、これら2列の計256の吐出口Pから同色インクを吐出することにより、副走査方向におけるドット密度を1200dpiとして、画像を記録することができる。したがって、副走査方向における記録解像度は、ノズル列L1,L2の一方のみしかない場合の2倍となる。なお、本例の場合は、後述する理由により、ノズルから吐出されたインクによって形成されるドットの直径が45μmとなるようにしている。
1200dpiに相当する間隔は21.7μmである。
【0082】
また、本例の場合は、マルチパス記録方式を採用して、同一ラスタ上の画素を複数のノズルを用いて記録する。例えば、8パス片方向記録方式または8パス双方向記録方式を採用した場合には、記録ヘッドHの8回のパス(走査)によって同一ラスタを8つの異なるノズルを用いて記録することなり、個々のノズルにおけるインクの吐出方向のバラツキなどに起因する画像の乱れの影響を小さく抑えることができる。また、片方向記録方式の場合は、記録ヘッドHの一方向の走査時にのみ記録動作し、双方向記録方式の場合は、記録ヘッドHの双方向の走査時に記録動作することになる。
【0083】
さらに本例の場合は、後述するように、主走査方向における記録解像度を基本記録密度1200dpiの2倍の2400dpiとし、主走査方向と副走査方向における記録解像度を(2400dpi×1200dpi)としている。また、ハーフトーン(中間調レベル)は、誤差拡散法(ED)を用いて記録する。
【0084】
また、本例の場合、ホスト装置から記録装置に入力される画像データの解像度は(600ppi×600ppi)となっている。記録装置は、図22(b)のように、(2400dpi×1200dpi)の記録モードに対応すべく、主走査方向が4画素かつ副走査方向が2画素の4×2の記録領域毎に階調表現を行う。言い換えれば、600ppi×600ppiの解像度に相当する単位領域(単位面積)毎に階調表現を行っている。なお、その各単位領域において表現される階調数を階調レベル0〜8の9階調としている。また、本例の場合、記録ヘッドHは図12のように6つ備えられ、それぞれシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のインク、淡シアン(Lc),淡マゼンタ(Lm)のインクを吐出する。シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のインクは比較的高い染料濃度を有する濃インクであり、淡シアン(Lc),淡マゼンタ(Lm)のインクは、濃インクの1/6の濃度であって比較的低い染料濃度を有する淡インクである。このように、2つのノズル列L1,L2が形成された記録ヘッドH毎から、異なるインクを吐出することによってカラー画像が記録できる。仮に、(1200dpi×1200dpi)の記録モードに対する場合には、図22(a)のように、主走査方向が2画素かつ副走査方向が2画素の2×2の記録領域(600ppi×600ppiの解像度に相当する単位領域)毎に階調表現を行う。
【0085】
図13においてhはヒータ(電気熱変換体)であり、駆動信号に応じて、インク滴I’の吐出エネルギーとして利用される熱エネルギーを発生する。そのヒータhの熱エネルギーによってノズル内のインクIに膜沸騰が生じ、その際の発泡エネルギーによって、吐出口Pからインク滴I’が吐出される。
【0086】
「打ち込み量と濃度との関係」
次に、ドットを形成するために被記録媒体に打ち込まれるインクの打ち込み量と、記録濃度との関係を図14に基づいて説明する。
【0087】
ここで、打ち込み量とは、図22に示されるような1200dpi×1200dpiの解像度に対応する単位領域を1画素と定義した場合に、当該1画素を埋め尽くす程度の大きさのドットが、当該1画素に対してどくらいの量(個数)形成されるかということを示す指標であり、1画素当たりに1ドットが形成されるときのインクの打ち込み量を100%としている。従って、1画素当たりに2ドットが形成されるときのインク量は200%となり、1画素あたりに3ドットが形成されるときのインクの打ち込み量は300%となる。これから明らかなように、図22(a)では、1200dpi×1200dpiの各単位領域に対して1ドットずつ形成されているので、打ち込み量は100%であり、図22(b)では、1200dpi×1200dpiの各単位領域に対して2ドットずつ形成されているので、打ち込み量は200%である。
【0088】
また、打ち込み量の定義の仕方としてはこれに限定されるものではなく、下記のように定義してもよい。すなわち、図22に示されるように、600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域を埋め尽くすのに必要なドット数が当該単位領域に対して形成された場合に、打ち込み量100%と定義しても良い。具体的には、図22(a)のように600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域に対して、4個のドットが形成された場合に打ち込み量100%とし、図22(b)のように600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域に対して、8個のドットが形成された場合に打ち込み量200%とする。従って、600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域に、5個のドットが形成された場合には打ち込み量125%となり、当該単位領域に7個のドットが形成された場合には打ち込み量175%となる。
【0089】
このように本明細書において『打ち込み量』とは、1200dpi×1200dpiの解像度に相当する単位領域、600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域等の、予め定めされた所定の単位領域(単位面積)を埋め尽くすのに必要なドット数(N個)が、当該単位領域に対して形成された場合に、打ち込み量100%と定義している。従って、予め定めされた所定の単位領域(単位面積)に2N個のドットが形成された場合、打ち込み量200%となり、予め定めされた所定の単位領域(単位面積)に1.75N個のドットが形成された場合、打ち込み量175%となる。
【0090】
図14に示されるように、濃インクの場合、インクの打ち込み量が0%から100%までは、ほぼリニアに濃度アップが図られる。しかし、打ち込み量が125%を超えると濃度がほとんど上がらなくなってしまう。さらに、打ち込み量が200%以上ともなると、濃度アップどころか逆に濃度が下がったり、インクの溢れによる画質劣化が生じてしまう。したがって、2次色、3次色以上の記録時におけるインクの合計打ちこみ量に関しては、125%以上無理に打ち込んでも、画質面におけるメリットはあまりないことが分かる。
【0091】
一方、淡インクの場合、インクの打ちこみ量が0%から200%までは、ほぼリニアに濃度アップが図られる。さらに、打ち込み量を300%まで増やすと,濃度自体はほとんど上がらなくなり、しかもインクが被記録媒体から溢れて画質劣化が生じてしまうこともある。したがって、淡インクに関しては、インクの打ちこみ量を0%から、200%を上回る300%未満の範囲で使用する限り、通常の100%使用時よりも濃度アップと、優れた階調性が得られることになる。
【0092】
本実施形態においては、予め定めされた所定の単位面積当たりに対する濃インクと淡インクの打ち込み量は、ルックアップテーブル(LUT)を用いて決定される。
【0093】
図15は、従来のLUTの説明図である。このLUTは、入力階調レベル(入力画像データの濃度レベル)に応じて淡インクの打ち込み量を徐々に増やし、そして、その打ち込み量を100%から130%の最大量とした後に、その打ち込み量を徐々に減らす。また、淡インクが最大量打ち込まれた時の入力階調レベルを境として、濃インクの打ち込みが始まり、そして入力階調レベルに応じて濃インクの打ち込み量を徐々に増やし、入力階調レベルが最大になったときに濃インクの打ち込み量が最大となる。
【0094】
図16は、本実施形態において用いるLUTの説明図である。このLUTは、淡インクの最大打ち込み量を200%(第1最大量)としている。そのため、図15の従来のLUTを用いた場合に比して、淡インクが最大量打ち込まれときの入力階調レベルが上がると共に、そのときのドット濃度も上がる。そのため、濃インクを打ち込み始めるときの入力階調レベルが上がる。その結果、濃インクを打ち込み始める時点において、淡インクの打ち込み量を最大の200%とした場合には、図18中右側のグラフのように、淡インクの200%の打ち込みによる濃度と、濃インクの濃度との差(コントラスト)が比較的小さいC2となる。したがって、濃インクを打ち込み始める中濃度領域において、ドットを目立たなくして、粒状感を小さくすることができる。これに対し、図15の従来のLUTを用いた場合には、濃インクを打ち込み始める時点において、淡インクの打ち込み量を最大の100%としたときに、図18中左側のグラフのように、淡インクの100%の打ち込みによる濃度と、濃インクの濃度との差(コントラスト)が比較的大きいC1(>C2)となる。そのため、濃インクを打ち込み始める中濃度領域において、ドットが目立って粒状感が大きくなってしまう。
【0095】
さらに、図16のLUTを用いた場合には、濃インクを打ち込み始めるときの入力階調レベルが上がるために、入力階調レベルに対する濃インクの打ち込み量の変化勾配は、図15の従来のLUTを用いた場合よりも大きくなる。そのため、図16のように、濃インクを打ち込み始めてからの中濃度領域、つまり粒状感を与えやすい濃度領域(階調レベルの幅)Aを狭くし、かつ濃インクが打ち込まれる濃度領域(階調レベルの幅)Bも狭くすることができる。この結果、図15の従来のLUTを用いた場合に比して、全ての濃度領域において粒状感の小さい高品位の画像を記録することができる。また、図16では、濃インクの最大打ち込み量が100%(第2最大量)に設定されている。
【0096】
このように本実施形態では、所定の単位面積に対する淡ドット(低濃度ドット)と濃ドット(高濃度ドット)の形成量を決定するに際し、図16に示されるようなLUTを用いる。そのLUTでは、少なくとも打ち込み量200%まではリニアに濃度上昇していく淡インクでは、最大打ち込み量を200%(第1最大量)とし、打ち込み量100%までリニアに濃度上昇していく濃インクでは、最大打ち込み量を100%(第2最大量)としている。これにより、粒状感の目立ちにくい淡インクのみで形成される階調レベル(濃度レベル)の幅を大きくでき、一方、粒状感が比較的目立ちやすい濃インクが形成される階調レベル(濃度レベル)の幅を小さくすることができるため、画像全体としての粒状感を低減させることができる。
【0097】
なお、本発明においては、濃インクの打ち込みが開始される所定の階調レベルとしては、図16に示されるように、淡インクが最大量打ち込まれる場合に対応する階調レベルよりも低い階調レベルであることが好ましい。すなわち、淡インクの打ち込み量が第1の最大量(200%)に達する前に、濃インクの打ち込みを開始することが好ましいのである。しかしながら、濃インクを打ち込み始める階調レベルが低すぎる場合、つまり、淡インクの打ち込み量が少ない時点で濃インクの打ち込みを開始した場合には、粒状感の低減を図ることができない。そのため、濃インクの打ち込みが開始される所定の階調レベルとしては、少なくとも淡インクの打ち込み量が175%に達した後の階調レベルを設定することが好ましい。淡インクの打ち込み量が175%以上である階調レベルから、濃インクの打ち込みを開始する場合、従来に比して、淡インクのみで形成される濃度領域の幅が広がり、粒状感の目立ちやすい濃ドットが形成される濃度領域が狭まるので、全体として粒状感が低減される。このように、濃インクの打ち込みが開始される所定の階調レベルを、淡インクが最大量打ち込まれる場合に対応する階調レベルよりも低い階調レベルに設定することで、淡ドットによる記録から濃ドットによる記録へのつなぎ目における混色が極めてスムースになり、記録画像の品質が極めて高くなる。
【0098】
図17は、従来のLUTと本発明にて用いるLUTとを比較した図である。特に、濃度領域A(濃インクを打ち込み始めてからの中濃度領域、つまり粒状感が目立ちやすい濃度領域),B(濃インクが打ち込まれる濃度領域)と、それに対応する従来のLUTにおける濃度領域A’,B’とを比較している図である。本例の場合、領域A,A’,B,B’に相当する階調レベルの幅は、A=50,A’=100,B=95,B’=175となり、A<A’,B<B’となる。これから明らかなように、本発明では、従来に比して、濃インクが打ち込まれる濃度領域(階調レベルの幅)Bを小とし、粒状感が目立ちやすい濃度領域(階調レベルの幅)Aを狭くすることで、ドットの粒状感を低減しているのである。
【0099】
なお、本実施形態において用いるLUTとしては、図16に示されるように、淡インクの打ち込み量が第1の最大量(200%)に達する前に、濃インクの打ち込みを開始するようなテーブルでもよいし、または図17に示されるように、淡インクの打ち込み量が第1の最大量(200%)に達したところで、濃インクの打ち込みを開始するようなテーブルでもよい。このように本実施形態では、濃インクの打ち込みが開始される所定の階調レベル(濃度レベル)としては、淡インクの最大打ち込み量である第1最大量に対応する濃度レベル以下の濃度レベル、または第1最大量に対応する濃度レベルを越えた濃度レベルに設定すればよいのである。つまり、濃インクの打ち込みが開始される所定の階調レベル(濃度レベル)は、低濃度のドットが所定量形成されるときの所定の濃度レベルよりも高い濃度レベルに設定すればよい。
【0100】
「画素とドットとの関係」
記録解像度が1200dpi×1200dpiの場合、図19のように、1画素当たりの面積Aは448μm2となる。したがって、その1画素を埋めるために最低限必要となるドット径は、1画素の対角線の距離30μmとなり、そのドット面積S0は706.5μm2となる。この値は1画素あたりの面積に対して約1.5倍(158%)以上にあたる。しかし実際には、プリンタの機械的誤差(記録ヘッドにおけるインクの着弾精度や紙送り誤差等)として約10μmを加える必要がある.したがって、最適なドット径は40μmとなる。そのドットの面積は1257μm2となり、1画素当たりの面積Aに対して約2.8倍となる。このように、記録解像度が1200dpi×1200dpi以上の高解像度プリンタでは、必要解像度を確保するために、ドット面積を単位画素面積当たり2.0倍以上とするように、ドット径を定める必要がある。このような条件を満たさないドット径の場合には、エリアファクタが充分でないために、ドットの着弾精度の乱れや紙送り誤差、キャリッジの移動誤差によって、バンディング(主走査方向の濃 度ムラ)などが起こりやすくなってしまう。
【0101】
図20および図21は、解像度に対応する単位画素面積と、ドット径に対応するドット面積との関係を示す図である。本実施形態では、図22(a)に示される1200dpi×1200dpiの解像度における1画素を、1ドットで充分に埋めることができるように、ドット径を45μmとしている。なお、エリアファクタからは、ドット径45μmに最適な解像度は1200dpi×1200dpiとなる。その場合、1画素当たりのインクの打ち込み量は100%となる。
【0102】
しかし、本実施形態の場合は、前述したように、特に中濃度領域の粒状感を小さくするために、淡インクの最大打ち込み量を200%に上げる必要がある。そこで本実施形態においては、図22(b)のように、主走査方向における解像度を1200dpiの2倍の2400dpiとすることによって、結果的に、主走査方向における単位面積(1200dpi×1200dpiの解像度における1画素の面積)当たりのドットの打ち込み量を2倍とした。したがって、2400dpi×1200dpiの記録解像度において、4×2の8画素のそれぞれにドットを1つずつ打ち込んだ場合、1200dpi×1200dpiの解像度における1画素当たりのインクの打ち込み量は200%となる。そして、この場合、ドット径45μmのドット面積1590μm2は、2400dpi×1200dpiの解像度における1画素当たりの面積224μm2の約7倍となる。
【0103】
「入力画像データの処理方法」
図23は、入力画像データを処理する画像処理部230の機能を説明するための機能ブロック図である。この画像処理部230は、色処理部210と量子化部220とからなり、入力されるR,G,B各色8ビット(256階調)の画像データをC,M,Y,K,Lc,Lm各色の4ビットデータとして出力するものとなっている。また、色処理部210は、色空間変換処理部211、色変換処理部212、および出力Γ処理部213を含む構成となっている。
【0104】
このような画像処理部230において、外部のホスト装置から入力されるR,G,B各色のビットデータは、まず色空間変換処理部211の3次元LUTによりR’,G’,B’各色の8ビットデータに変換される。この処理は前段色処理とも称され、入力画像の色空間(カラースペース)と出力装置の再現色空間との差を補正するための変換処理を行う。
【0105】
次に、前段色処理を施されたR’,G’,B’各色8ビットデータは、色変換処理部212の3次元LUTによってC,M,Y,K各色の8ビットデータに変換される。この処理は後段色処理とも称され、入力系のRGB系カラーから出力系のCMYK系カラーに変換する色変換処理である。さらに、C(シアン)とM(マゼンタ)のデータは、それぞれ濃インク用のデータと淡インク用のデータに分離される。その際、C(濃シアン)およびLc(淡シアン)用のデータは、それらの濃淡インクの打ち込み量を前述した図16または図17の関係とするように、分離される。同様に、M(濃マゼンタ)およびLm(淡マゼンタ)用のデータは、それらの濃淡インクの打ち込み量を前述した図16または図17の関係とするように、分離される。なお、図16および図17のLUTは、図22(b)の8画素(4×2)からなる、予め定められた所定の単位面積(600ppi×600ppiの解像度に相当する単位領域)毎に、濃淡インクの打ち込み量を決定する。したがって、図16および図17のLUTの横軸は、その所定の単位面積内に含まれる8画素(4×2)毎の入力階調レベルを平均化した値となる。
【0106】
後段色処理が施されたC,M,Y,K,Lc、Lm各色の8ビットデータは、出力Γ処理部213の1次元LUTによって出力Γ補正が施されてから、量子化処理部221によって2値化処理される。なお、本実施形態の場合、単位面積に対する淡インクの打ち込み量と、淡ドット配置を示した淡インク用インテックスパターンとの関係は、図24のようになる。つまり、淡インクの打ち込む量を0〜200%と増加させるにしたがって、単位面積に形成するドット数も0〜8個に増加させるのである。なお、図24において、0〜8の9レベルで示されるインデックスパターンは、図22(b)の8画素(4×2)に対してドットが0〜8個形成される場合の9階調に相当する。
【0107】
図26は、各階調レベル(濃度レベル)と、濃淡ドットのインデックスパターンとの関係を示す図である。この図26に示される各階調レベルと、図17に示される本発明のLUTにおける各階調レベルとは対応しており、このLUTに基づいて、各階調レベルが図26のインデックスパターンに変換される。図26から明らかなように、淡インクに関しては、▲1▼階調レベル(濃度レベル)0〜160の範囲においては、階調レベルが高くなるにしたがって、所定の単位面積に形成する淡ドット数を0から8個まで徐々に増加させていき、▲2▼単位面積あたりの形成量が第1最大量(8個)となる階調レベル160よりも高い階調レベルの範囲(160〜255)においては、階調レベルが高くなるにしたがって、所定の単位面積に形成する淡ドット数を8から0個まで徐々に減少させていく。また、濃インクに関しては、淡インクの形成量が最大となる第1最大量に対応する階調レベル160以降の階調レベルから濃インク数を増加させていき、階調レベルの範囲(160〜255)において所定の単位面積に形成する濃ドット数を0から4個まで徐々に増加させていく。このように本発明のLUTに基づき、各階調レベルをインデックスパターンに変換した場合、所定の単位面積に対して形成される淡ドットの最大形成数(8個)は、所定の単位面積に対して形成される濃ドットの最大形成数(4個)の2倍となる。なお、図17を考慮すれば明らかなように、図26においては、単位面積あたりに4個のドットが形成された場合に打ち込み量が100%となり、単位面積あたりに8個のドットが形成された場合には打ち込み量が200%となる。
【0108】
なお、上記では淡インクの打ち込む量を200%とした場合を説明したが、淡インクの打ち込み量は200%に限定されるものではない。淡インクを200%以上打ち込んだ場合であっても濃度上昇はある。したがって、淡インクの最大打ち込み量に対応する階調レベルと濃インクの打ち込みが開始される階調レベルとが同じである場合において、淡インクの最大打ち込み量を200%以上に設定すると、図17に示される濃インクが打ち込まれる濃度領域(階調レベルの幅)Bがより狭くなるため、更になる粒状感の低減を図ることができる。このように打ち込み量が200%以上の場合、単位面積に対する濃ドットの最大形成量である第2最大量(100%)に比べ、単位面積に対する淡ドットの最大形成量である第1最大量は2倍以上となる。
【0109】
また、淡インクの打ち込み量を200%とせずに175%としてもよい。すなわち、淡インクの最大打ち込み量に対応する階調レベルと濃インクの打ち込みが開始される階調レベルとが同じである場合において、淡インクの最大打ち込み量を175%に設定すると、200%の場合に比して、図17に示される濃インクが打ち込まれる濃度領域(階調レベルの幅)Bは広くなってしまうが、従来のLUTにおける濃度領域(階調レベルの幅)Bよりは狭く、粒状感を充分に低減させることができるので、淡インクの最大打ち込み量は少なくとも175%以上であればよい。このように打ち込み量が175%以上の場合、単位面積に対する濃ドットの最大形成量である第2最大量(100%)に比べ、単位面積に対する淡ドットの最大形成量である第1最大量は1.75倍以上となる。
【0110】
以上のように本実施形態によれば、図16や図17のLUTに示されるように、▲1▼淡インクについては、濃度レベルが高くなるにしたがって、淡ドットの形成量を第1最大量(例えば、200%)まで徐々に増加させてから徐々に減少させるように、淡ドットの形成量を決定する。また、▲2▼濃インクについては、上記第1最大量に対応する濃度レベル以下の所定の濃度レベル(濃インクが形成され始める濃度レベル)よりも高い濃度レベルの範囲において、当該濃度レベルが高くなるにしたがって、濃ドットの形成量を上記第1最大量(200%)よりも小さい第2最大量(100%)にまで徐々に増加させるように、濃ドットの形成量を決定する。このように、各濃度レベルに対応した濃淡ドットの形成量を決定することにより、従来に比して、淡ドットの最大形成量が多くなり、淡インクドットのみで形成される濃度領域が広がると共に、粒状感の目立ちやすい濃ドットが形成される濃度領域が狭まり、全体として粒状感が低減される。
【0111】
(第2の実施形態)
前述したように、図16のLUTを用いた場合には、濃インクを打ち込み始めるときの入力階調レベルが上がるために、結果的に、濃インクを打ち込み始めてからの中濃度領域、つまり粒状感を与えやすい濃度領域Aを狭くし、かつ濃インクが打ち込まれる濃度領域Bも狭くすることができる。一方、インクの最大打ち込み量は、被記録媒体の種類によって上限が決定されてしまう。そのため、その最大打ち込み量の範囲内においてドットの粒状感を小さくするように、濃インクを打ち込み始めるときの入力階調レベルを決定する必要がある。しかし、最大打ち込み量を上限値まで増やした場合には、他の色のインクとの混色によって2次色や3次色を表現するときに、インクの滲みによる画像の劣化が起こるおそれがある。
【0112】
本実施形態においては、濃インクを打ち込み始めるときの入力階調レベルを決定するために、粒状感を数値化する評価式を用いる。粒状感を数値化する評価式としては、Granularity評価関数を使用した評価式の他、ウイナースペクトラム とVTFを用いたDoolyとShawの評価式などが知られている。本例の場合は、Granularity評価関数を使用した評価式を用いた。 その評価式は、銀塩写真フィルムにおける粒状感を測定する尺度として使用されているRMS粒状度に、人間の視覚特性を取り入れたGranularity評価関数を使 用して、粒状感を評価するものである。具体的には、画像Pに視覚フィルタを掛けたP’、つまりFFT(高速フーリエ変換)した空間周波数性分P’を求め、そのP’内の画素値の標準偏差を粒状度Gとした。VTF(V)における観察距離は28.6cmを想定している。VTF(V)とは、各空間周波数毎に人間の眼が何レベル明暗を弁別できるかを測定したものである(Doolyの近似式)。以下 に、その評価式を示す。下式は、文献「インクジェットプリンタの高画質化とその評価」(キヤノン(株) 蒔田剛、後田淳)に掲載されている。
【0113】
【数3】
Figure 0005164303
【0114】
i:X方向の画素位置
j:Y方向の画素位置
N:画像PのX方向およびY方向のサイズ
【0115】
次に、このようなGranularity評価値(G)と被験者テストとの相関関係を求 めた。測定に使用したプリンタは、Canon製BJF-850(6色濃淡インクジェットプリンタ、解像度1200dpi×1200dpi、ドット径40μm)、ドラムスキャナはHowtek製ScanMaster4500である。本測定では、プリンタによって、均一濃度パッチ(グレースケール50%)をK(ブラック)インクを用いて出力し、解像度を1000dpiとしたドラムスキャナによって、その出力画像を読み取った。そのドラムスキャナによる入力画像を1024×1024[pixels]に切り取り、それをGranularity評 価関数を用いて評価した。図25は、その評価結果である。
【0116】
図25のGranularity評価値(G)と被験者テストの結果から、図16中の濃度領域Aの評価値を0.6以下に抑える必要があることが分かった。より好ましくは、0.4以下に抑えることにより、全濃度領域に渡って粒状感を小さくすることが可能となる。
【0117】
また、インクの濃度を決定する際にも、 Granularity評価関数をそのまま使用することができる。例えば、淡インクの濃度を決定する場合、淡インクの濃度を1/3、1/4、1/5、1/6と希釈して、ハイライト部においてドットが見えるか否か、中濃度部において濃インクのドットが見えるか否か判断材料として、主観評価とGranularity値を併用する。これにより、ハイライト部と中濃度部の粒状感を総合的に考慮して、インクの濃度を決定することが可能となる。
【0118】
Granularity評価関数を使用して、全濃度領域に渡って粒状感が小さな値(Granularity値0.4以下)になるように、インクの濃度とドット径を検討した。その結果、本例のような6色濃淡インクジェットプリンタにおいては、ドット径30μm( 吐出量2pl;ただしにじみ率約2.0とした場合)、淡インクのインク希釈率を濃インクに対して3分の1にすることによって、淡インクの最大打ち込み量が100%でも、全濃度領域に渡って粒状感を小さくできることが分かった。
【0119】
また、本実施例では、シアンとマゼンタについてのみ濃度の異なる2種類のインクを用意したが、イエロやブラックについても濃度の異なるインクを組み合わせて用いることも差し支えない。インクは、CMYKの組み合わせに限定されるものではなく、他の組み合わせに適用しても差し支えないし、金や銀等の特色について濃度の異なる2種類のインクを用いることも可能である。
【0120】
以上の画像処理により、全濃度領域に渡って粒状感の小さい高精細な画像記録をすることができる。
【0121】
(他の実施形態)
本発明において用いる記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドのみに特定されず、被記録媒体上にドットを形成可能な種々の記録素子を複数備えたものであればよい。
【0122】
上記実施形態では、600dpi×600dpiの単位領域毎に階調表現を行うと説明したが、階調表現を行う単位領域(単位面積)としては600dpi×600dpiの領域に限られるものではない。例えば、1200dpi×1200dpiの領域毎に階調表現を行うこととしてもよく、階調表現を行う単位面積の大きさは。上記実施形態の数値に何ら限定されるものではない。
【0123】
なお、上記では、便宜上、『600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域(単位面積)』という文言を使用したが、その600dpi×600dpiの解像度に相当する単位領域(単位面積)とは、(1/600)inch×(1/600)inchに相当する面積のことである。同様に、1200dpi×1200dpiの解像度に相当する単位領域(単位面積)とは、(1/1200)inch×(1/1200)inchに相当する面積のことであり、1200dpi×2400dpiの解像度に相当する単位領域(単位面積)とは、(1/1200)inch×(1/2400)inchに相当する面積のことである。
【0124】
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0125】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0126】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0127】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0128】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0129】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0130】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0131】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0132】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0133】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0134】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0135】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0136】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0137】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、淡ドットの最大形成量を多くして、淡インクドットのみで形成される濃度領域が広がると共に、粒状感の目立ちやすい濃ドットが形成される濃度領域が狭まるように、低濃度のドットと高濃度のドットの形成量を最適に設定しているため、全濃度領域に渡ってドットの粒状感を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例によるプリンタに用いる記録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、図3の記録ヘッドカートリッジに代えて本発明の一実施例によるプリンタに搭載可能なスキャナカートリッジの構成を示すために、そのスキャナカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施例のプリンタにおける電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示した電気回路のうちメインPCBの内部構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示したメインPCBのうちASICの内部構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施例のプリンタの動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の特徴的な構成部分の第1の実施形態において用いた記録ヘッドを、ノズル側から見た概略構成図である。
【図12】図11の記録ヘッドを複数用いる場合の説明図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿う拡大断面図である。
【図14】濃インクと淡インクの打ち込み量と反射濃度との関係の説明図である。
【図15】従来における、各階調レベル(濃度レベル)と、濃インクおよび淡インクの打ち込み量との関係を示す図である。
【図16】本発明の特徴的な構成部分の第1の実施形態における、各階調レベル(濃度レベル)と、濃インクおよび淡インクの打ち込み量との関係を示す図である。
【図17】従来のLUTと本発明にて用いるLUTの具体的な比較例の説明図である。
【図18】図15と図16における濃淡インクのコントラスト差の説明図である。
【図19】画素とドットとの関係の説明図である。
【図20】ドット面積と単位画素面積との関係の説明図である。
【図21】解像度と(ドット面積/単位画素面積)との関係の説明図である。
【図22】(a),(b)は、異なる解像度における画素とドットとの関係の説明図である。
【図23】本発明の特徴的な構成部分の第1の実施形態における画像データ処理部分のブロック構成図である。
【図24】図23の画像データ処理部分において用いられる、淡インク用インデックスパターンの説明図である。
【図25】粒状感の評価関数の値と主観評価との相関関係の説明図である。
【図26】各階調レベル(濃度レベル)と、濃淡ドットのインデックスパターンとの関係を示す図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M2015 紙間調整レバー
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
M6000 スキャナ
M6001 スキャナホルダ
M6003 スキャナカバー
M6004 スキャナコンタクトPCB
M6005 スキャナ照明レンズ
M6006 スキャナ読取レンズ1
M6100 保管箱
M6101 保管箱ベース
M6102 保管箱カバー
M6103 保管箱キャップ
M6104 保管箱バネ
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0006 インクエンドセンサ
E0007 PEセンサ
E0008 GAPセンサ(紙間センサ)
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ)
E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ)
E1004 ROM
E1005 発振回路
E1006 ASIC
E1007 リセット回路
E1008 CRモータドライバ
E1009 LF/PGモータドライバ
E1010 電源制御回路
E1011 INKS(インクエンド検出信号)
E1012 TH(サーミスタ温度検出信号)
E1013 HSENS(ヘッド検出信号)
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1016 RESUME(リジュームキー入力)
E1017 POWER(電源キー入力)
E1018 BUZ(ブザー信号)
E1019 発振回路出力信号
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1022 VHON(ヘッド電源ON信号)
E1023 VMON(モータ電源ON信号)
E1024 電源制御信号
E1025 PES(PE検出信号)
E1026 ASFS(ASF検出信号)
E1027 GAPS(GAP検出信号)
E0028 シリアルI/F信号
E1029 シリアルI/Fケーブル
E1030 パラレルI/F信号
E1031 パラレルI/Fケーブル
E1032 PGS(PG検出信号)
E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号)
E1034 PGモータ駆動信号
E1035 LFモータ駆動信号
E1036 CRモータ制御信号
E1037 CRモータ駆動信号
E0038 LED駆動信号
E1039 VH(ヘッド電源)
E1040 VM(モータ電源)
E1041 VDD(ロジック電源)
E1042 COVS(カバー検出信号)
E2001 CPU I/F
E2002 PLL
E2003 DMA制御部
E2004 DRAM制御部
E2005 DRAM
E2006 1284 I/F
E2007 USB I/F
E2008 受信制御部
E2009 圧縮・伸長DMA
E2010 受信バッファ
E2011 ワークバッファ
E2012 ワークエリアDMA
E2013 記録バッファ転送DMA
E2014 プリントバッファ
E2015 記録データ展開DMA
E2016 展開用データバッファ
E2017 カラムバッファ
E2018 ヘッド制御部
E2019 エンコーダ信号処理部
E2020 CRモータ制御部
E2021 LF/PGモータ制御部
E2022 センサ信号処理部
E2023 モータ制御バッファ
E2024 スキャナ取込みバッファ
E2025 スキャナデータ処理DMA
E2026 スキャナデータバッファ
E2027 スキャナデータ圧縮DMA
E2028 送出バッファ
E2029 ポート制御部
E2030 LED制御部
E2031 CLK(クロック信号)
E2032 PDWM(ソフト制御信号)
E2033 PLLON(PLL制御信号)
E2034 INT(割り込み信号)
E2036 PIF受信データ
E2037 USB受信データ
E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ)
E2039 受信バッファ制御部
E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/ラスタデータ)
E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/記録コード)
E2042 WDWF(ワークフィルデータ)
E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ/記録コード)
E2044 WDWP(並べ替え記録コード)
E2045 RDHDG(記録展開用データ)
E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ/展開記録データ)
E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ/展開記録データ)
E2049 ヘッド駆動タイミング信号
E2050 データ展開タイミング信号
E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み出しデータ)
E2052 センサ検出信号
E2053 WDHD(取込みデータ)
E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデータ)
E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/処理済データ)
E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ/処理済データ)
E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧縮データ)
E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮データ)
E2059 RDPIF(1284送信データ)
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 記録素子基板
H1100T 吐出口
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H1600d 連通路

Claims (12)

  1. 第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録することが可能な記録装置において、
    画像の階調レベルに応じて前記被記録媒体の単位領域に付与する前記第1のインクの最大量は、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上であり、前記第1のインクの付与量は、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少し、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零となってから前記最大の階調レベルまで零を維持し、
    前記第2のインクを用い始める階調レベルは、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルであり、
    前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数は、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多いことを特徴とする記録装置。
  2. 前記単位領域に記録すべき画像を示す入力画像データによって表現される色の低階調レベルから高階調レベルに至る範囲内において、前記階調レベルが高くなるに従って、前記第1のインクの付与量を前記第1のインクの最大付与量まで増加させ当該第1のインクの最大付与量に達したら減少させ、かつ前記第1のインクの最大付与量に対応する階調レベルと同じあるいはそれよりも小さい所定の階調レベルから前記階調レベルが高くなるに従って、前記第2のインクの付与量を前記第1のインクの最大付与量よりも小さい前記第2のインクの最大付与量にまで増加させるように、前記入力画像データに基づいて、前記単位領域に対する前記第1のインクの付与量に対応した第1の画像データおよび前記単位領域に対する前記第2のインクの付与量に対応した第2の画像データを生成するための生成手段を備えことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記入力画像データはRGBデータであることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記所定の階調レベルから前記第2のインクの最大付与量に対応する階調レベルの範囲内における各階調レベルに対応した前記単位領域に記録される画像の、粒状度評価関数における粒状度Gは0.6以下であり、
    前記粒状度評価関数は、画像Pに視覚フィルタをかけた画像P’内の画素値の標準偏差を粒状度Gとして、下式によって表されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
    Figure 0005164303
    i:X方向の画素位置
    j:Y方向の画素位置
    N:画像PのX方向およびY方向のサイズ
  5. 第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録するための画像データを生成する画像処理装置であって、
    前記被記録媒体の単位領域に記録すべき画像の階調レベルを示す入力画像データに基づいて、前記第1のインクの前記単位領域に対する付与量および前記第2のインクの前記単位領域に対する付与量に対応する画像データを生成するための生成手段を備え、
    前記生成手段は、前記単位領域に付与する前記第1のインクの最大量を、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上とし、前記第1のインクの付与量を、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少させ、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零としてから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルを、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルとし、前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数を、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多くするように、前記画像データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記入力画像データによって表現される色の低階調レベルから高階調レベルに至る範囲内において、前記階調レベルが高くなるに従って、前記第1のインクの付与量を前記第1のインクの最大付与量まで徐々に増加させ当該第1のインクの最大付与量に達したら減少させ、かつ前記第1のインクの最大付与量に対応する階調レベルと同じあるいはそれよりも小さい所定の階調レベルから前記階調レベルが高くなるに従って、前記第2のインクの付与量を前記第1のインクの最大付与量よりも小さい前記第2のインクの最大付与量にまで増加させるように、前記画像データを生成することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記単位領域に付与する前記第1のインクの最大付与量は、前記単位領域に付与する前記第2の最大付与量の2倍以上であることを特徴する請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 前記生成手段は、前記単位領域に対して形成すべき第1のインクのドット数と前記第2のインクのドット数とに対応する前記画像データを生成することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記入力画像データはRGBデータであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 第1のインクと、当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて、被記録媒体に画像を記録するための画像データを生成するデータ生成方法であって、
    前記被記録媒体の単位領域に記録すべき画像の階調レベルを示す入力画像データに基づいて、前記第1のインクの前記単位領域に対する付与量および前記第2のインクの前記単位領域に対する付与量に対応する画像データを生成するための生成工程を備え、
    前記生成工程は、前記単位領域に付与する前記第1のインクの最大量を、前記単位領域に付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上とし、前記第1のインクの付与量を、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少させ、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零としてから前記最大の階調レベルまで零を維持し、前記第2のインクを用い始める階調レベルを、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルとし、前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数を、前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多くするように、前記画像データを生成することを特徴とするデータ生成方法。
  11. 請求項10に記載のデータ生成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 第1のインクと当該第1のインクと同系色で且つ第1のインクよりも高い濃度を示す第2のインクを用いて被記録媒体に画像を記録することが可能な記録装置と、当該記録装置において記録されるべき画像の階調レベルを示す画像データを供給するためのデータ供給装置と、を含む記録システムであって、
    前記画像データに基づいて前記被記録媒体の単位領域に対して付与する前記第1のインクの最大量は、前記画像データに基づいて前記単位領域に対して付与する前記第2のインクの最大量の1.75倍以上であり、前記第1のインクの付与量は、当該第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベルを越えて階調レベルが大きくなるにしたがって減少し、且つ、階調レベルが最大の階調レベルよりも低いときに零となってから前記最大の階調レベルまで零を維持し、
    前記第2のインクを用い始める階調レベルは、前記第1のインクの付与量が前記第2のインクの最大量の1.75倍に達したときの階調レベル以上の階調レベルであって、且つ、前記第1のインクの付与量が最大量に達したときの階調レベル以下の範囲を含む階調レベルであり、
    前記画像データに基づいて前記第1のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数は、前記画像データに基づいて前記第2のインクによって前記単位領域内で表現可能な階調の段階数よりも多いことを特徴とする記録システム。
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