JP4095210B2 - 記録方法および記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録(プリント)方法および装置に関し、特にインクジェット方式による記録装置に適用して好適なものである。なお、本発明は、一般的なプリント装置のほか、複写機、通信システムを有するファクシミリ,プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
プリント部たる記録ヘッドをプリント媒体上で走査させながらプリント動作を実行する所謂シリアル走査型の画像記録装置は、さまざまな画像形成に適用されている。特にインクジェット方式によるものは、近年高解像度化やカラー化が進み、画像品位が目覚しく向上したことから、急速に普及してきている。このような装置では、インクを例えば滴として吐出する吐出口を集積配置してなる所謂マルチノズルヘッドが用いられているが、現在では吐出口の集積密度を高め、かつ1ドット当たりのインク吐出量を小さくすることで更なる高解像度の画像形成が可能となってきている。一方、より銀塩写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インク)の他に、これらの濃度を低くした淡インクも同時に用いて記録を行うものなど、多彩な技術が展開されている。また、この高画質化が進むにつれて懸念されていた記録速度の低下についても、プリント素子数の増大や駆動周波数の向上、更には双方向プリントのような技術を採用することで対応が図られ、良好なスループットが得られるようになってきている。
【0003】
図17は上記マルチノズルを用いてプリントを行うプリンタの一般的構成を模式的に示す。この図において、1901は例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のインクに対応して設けたヘッドカートリッジであり、それぞれのヘッドカートリッジ1901はそれらのいずれかの色のインクを充填したインクタンク1902Tと、そのインクタンクから供給されるインクをプリント媒体上に吐出可能な吐出口を多数配列してなるヘッド部1902Hとから構成されている。
【0004】
図18はこのヘッド部1902Hの吐出口の配列態様を示すためにヘッド部1902Hをz方向から簡易的に示す。2001は吐出口であり、図示の例では1列に配列されている。
【0005】
再び図17を参照するに、1903は紙送りローラ(フィードローラ)であり、補助ローラ1904と協働してプリント媒体(記録紙)1907を挟持しつつ図の矢印方向に回転し、記録紙1907を随時y方向に搬送する。また、1905は記録紙1907を挟持しながら被プリント位置に向けて送給する一対の給紙ローラであり、ローラ1903および1904との間で記録紙1907を平坦に保持する機能も果たす。
【0006】
1906は4つのヘッドカートリッジ1901を支持し、プリント動作に際してこれらを主走査方向に移動させるためのキャリッジであり、プリントを実行しないとき、あるいはヘッド部1902Hのインク吐出性能を良好に保持するための回復動作を行うときには、図の破線で示した位置(ホームポジション)hに設定される。
【0007】
プリント開始前にホームポジションhに設定されているキャリッジ1906は、プリント開始命令の入来に応じてx方向に移動を開始し、ヘッド部1902Hに設けられた複数(n個)の吐出口からプリントデータに応じてインクを吐出して、吐出口配列範囲に対応した幅のプリントを行って行く。そして、記録紙1907のx方向端部までプリント動作が終了すると、片方向プリントの場合にはキャリッジ1906はホームポジションhに復帰し、再びx方向に向けてプリント動作を行う。また、双方向プリントであればホームポジションhに向かう−x方向の移動時にもプリント動作を行う。いずれにせよ、一方向へ向かう1回のプリント動作(1スキャン)が終了してから次回のプリント動作が開始される前に、紙送りローラ1903が図の矢印方向に所定量回転することで、所定量(吐出口配列幅分)だけy方向に記録紙1097が搬送される。これらのように、1スキャンのプリント動作と所定幅の記録紙搬送とを繰り返すことにより、記録紙1枚分のデータのプリントが完成する。
【0008】
さて、モノクロームプリンタとして文字,数字,記号などのキャラクタのみを記録するものと異なり、カラーイメージ画像をプリントするに当たっては、発色性、階調性、一様性など様々な要素が要求される。特に一様性に関しては、多数のノズル(本明細書では、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子を総括して言うものとする)を集積配置してなるマルチノズルヘッドの製作工程時に生じる僅かなノズル単位のばらつきが、プリント動作時において各ノズルのインク吐出量やインク吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的にはプリント画像の濃度むらとして画像品位を低下させる。
【0009】
図19〜図21を用いてその具体例を説明する。図19(a)において、3001はマルチノズルヘッドであり、図18に示したものと同様の構成であるが、ここでは簡単のため8個のノズル3002によって構成されているものとする。3003はノズル3002によって吐出されたインクドロップレットであり、この図のように揃った吐出量で、揃った方向にインクが吐出されるのが理想である。このような吐出が行われれば、図19(b)に示すようにプリント媒体上に揃った大きさのインクドットが着弾し、全体的にも濃度むらの無い一様な濃度分布が得られる(図19(c))。
【0010】
しかし実際には、ノズル1つ1つにそれぞればらつきがあり、そのまま上記と同じようにプリントを行ってしまうと、図20(a)に示したようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロップの大きさおよび向きにばらつきが生じ、紙面上に於いては図20(b)に示すようになる。この図によれば、ヘッド主走査方向に対し、周期的に白紙の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこの図の中央部分に見られるような白筋が発生したりしている。この状態で記録されたドットの集まりはノズル並び方向に対し、図20(c)図に示した濃度分布となり、結果的には、通常人間の目で見たときに、これらの現象が濃度むらとして感知されるのである。
【0011】
そこでこの濃度むら対策として次のような方法が提案されている。
【0012】
図21によりその方法を説明する。ここでは図19および図20で示したのと同様の領域についてのプリントを完成させるのにヘッド3001を図21の(a)に示すように3回スキャンしているが、図中縦方向8画素の半分である4画素を単位とする領域は2回の記録走査(パス)で完成している。この場合ヘッド3001の8ノズルは、図中上半分の4ノズルと、下半分の4ノズルとのグループに分けられ、1ノズルが1回のスキャンで形成するドットは、画像データをある所定の画像データ配列に従って約半分に間引いたものである。そして2回目のスキャン時に残りの半分の画像データへドットを埋め込み、4画素単位領域の記録を完成させる。以上のような記録法は分割記録法あるいはマルチパス記録法と称される。この記録方法を実施すれば、図20で用いた記録ヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル固有のプリント画像への影響が半減されるので、プリントされた画像は図21(b)のようになり、図20(b)に見られたようなるような白スジや黒スジが余り目立たなくなる。従って濃度むらも図21(c)に示すように図20(c)の場合と比べかなり緩和される。
【0013】
以上では同一記録領域に対し、2回の記録走査で画像を完成させる構成を説明したが、マルチパス記録はパス数が多いほど画像品位は向上する。しかし、一方でプリント時間は長くなるといういわばトレードオフの関係がある。
【0014】
このような状況下、画像をいかに迅速かつ美しく出力するかということを目的に、既に様々な提案がなされている。特開平5−31922号では、面積階調法による画像データ配列と非同期のドット配列パターンを間引きマスクとするという内容が開示されている。ここでは、所定のディザパターンに同調しないマスクパターンを用いることにより、複数パスでのデータ記録率をなるべく等分にし、滑らかな画像を得ようとしているものである。しかしこの方法では、目的とされた所定のディザパターンについては対応できるものの、すべての2値化方法に等しく対応するのは困難であった。
【0015】
また、特開平7−52390号は、ランダム性を持たせたマスタパターンを用いる記録方法を開示している。これによればすべての2値化法に対し、分割記録が主眼とするつなぎ部やノズルばらつきによる画像むらを改善することができる。
【0016】
ところで、上記に示した分割記録では、分割数が多くなるにつれ、1紙面分を記録するタイムコストが大きくかかり、記録のスループットが低下するという問題があった。これに対しては、キャリッジの往復走査の過程での記録(双方向プリント)を行うことで記録時間の短縮を図ることが考えられる。これによれば、従来1方向の記録走査が行われた後に、何の記録を行うことも無くホームポジションに復帰させるキャリッジ走査が全て省かれるので、1紙面の記録時間をほぼ半減させることができる。そして、実際モノクローム画像の記録方法として上記双方向プリントを行っているものも少なくない。
【0017】
しかし本発明が対象としているようなカラーインクジェット装置では、以下に示す要因により、双方向プリントの実現が困難であった。
【0018】
図22は現在一般に使用されている記録インクを記録媒体(紙)Pに着弾させるときの状態であり、ここでは異なる2色のインクドットを時間をおいて殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場合を示している(同図(a)および(b))。ここで注意すべきことは、2ドットの重なり部分において、先に記録されたドットのインクよりも後に打たれたドットのインクの方が紙面深さ方向に沈むことである。これは、吐出されたインク中の染料などの色素が記録媒体と物理的かつ化学的に結合する段階で、記録媒体と色素との結合が有限であるために、色素の種類によって結合力に大きな差がない限りは、先に吐出されたインク色素と記録媒体との結合が優先されるために記録媒体表面に多く残り、後から打たれたインク色素は記録媒体表面では結合しにくく、紙面深さ方向に沈んで染着するものと考えられる。この場合、2種類のインクを同一位置に着弾させたとしても、2種類のインクの打ち込み順序によって優先色が異なり、結果的に人間の視覚特性に対し異なる2色を表現してしまっていることとなる。
【0019】
図17に示した構成において、右からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に配置された4色ヘッド1901は、往路走査では図示の記録開始位置からx軸が示す右方向に移動し、その過程で各色インクを吐出して記録動作を行う。このとき、紙面上への記録順序は上記配列順序に即するので、例えばある一定領域にグリーン(シアン+イエロー)信号が入力されていた場合には、各画素にシアン、イエローの順にインクが吸収される。従って、この走査では先に吸収されたシアンが優先色となり、シアンの色味の強いグリーンドットが形成される。一方、紙送りがy軸方向に行われた後の復路走査では、4色ヘッドは図の右側に位置し、今度は往路と逆の方向に移動しながら記録動作を行う。よって打ち込み順序も逆になり、この走査ではイエローの色味が強いグリーンドットが得られる。
【0020】
以上の記録走査が繰り返されると、記録ヘッドの往路記録、復路記録に応じて、シアンの色味の強いグリーンドットの領域とイエローの色味が強いグリーンドットの領域とが副走査方向(y方向)に交互に記録される。すなわち、もし分割記録を加味した記録走査を行わず、各往復走査毎にヘッドのy方向幅ずつの紙送りが行われた場合、シアンの色味の強いグリーンの領域とイエローの色味が強いグリーンの領域とがヘッド幅ずつ交互に繰り返され、一様であるべきグリーン画像に著しい画像劣化が生ずることになる。
【0021】
但し、この弊害も既に上述した分割記録法を用いることにより多少克服することができる。分割記録を行っても往路ではシアンの色味の強いグリーンドットが記録され、復路ではイエローの色味が強いグリーンドットが記録されるが、往復記録間の紙送り量はヘッド幅未満のものとなるので、一定領域での色味は双方の色味のドットが混在し、色むらも緩和されるのである。
【0022】
この構成および効果は米国特許第4748453号に既に開示されている。ここでは紙送り量の限定はないが、第1と第2(あるいはそれ以上)に分割した記録走査で同記録領域に水平垂直方向に交互に位置する画素への補完的な記録を行うことで、OHP用のプラスチックシート等の媒体上でのインクのビーディングを防止するとともに、カラー画像を形成するときには、混色画素のインク打ち込み順を第1走査と第2走査で逆転させることにより(往復記録)、カラーバンディング(色むら)を防止することができる効果を述べている。同号の発明においては各画素間のビーディングの防止を主たる目的としているので、1回の走査で記録される画素同士は、水平垂直方向において交互である(互いに隣接しない)ことが特徴づけられている。
【0023】
一方、本願発明の出願人による特開昭58−194541号においては、複数本の記録素子列を並列配置し、前記記録素子列に直交する方向に往復走行させてドット行列記録の主走査を行うにあたり、前記主走査の往路において記録ドット行列の各行および各列の少なくとも一方において記録すべき全ドットよりも少ない個数のドットを間欠的に記録するとともに、前記主走査の復路において前記各行および各列の少なくとも一方において残余のドットを間欠的に記録することにより、前記複数本の記録素子列による重複記録ドットにおける記録の重複の順序を前記主走査の往路と復路とにて互いに異ならせるようにした記録方法が開示されている。同号の発明においても、先に説明した分割記録のように紙送りを通常より少なくするような制限はなく、効果としてはカラーインクの重複記録に基づく記録画像の色調ずれ(色むら)による画像劣化の防止が記載されている。また、同号においてはこの色調ずれの防止が主目的とされているので、各走査で記録するドット位置についても特別な制限は無く、実施形態においては市松模様に加え、縦方向にのみ交互に記録する横間引き、横方向にのみ交互に繰り返す縦間引きが記載されている。
【0024】
また、カラープリンタに限定されていないが、特公昭63−38309号においても、綾目状(市松模様)パターンを用いて往復記録を行う構成が開示されている。同号の発明では、隣接するドットを連続して印写しないようにし、それによって印写ドットが乾かないうちに隣接するドットを印写してドット歪が生じるのを防止することを目的としている。よってここでは、上記米国特許第4748453号と同様に、間引きマスクが綾目状(市松模様)に限定されている。
【0025】
しかし、同号に示された市松模様のマスクによる分割記録を行っても、未だ完全には色むらの弊害は解決されない。
【0026】
図23および図24を用いてその理由を説明する。通常インクドロップレットの量は、紙面上の各画素に与えられた面積よりも大きく広がるように設計されている。これは記録率100%データの領域に対し、白紙(記録媒体の地)の部分が全く見えないようにするためである。従って、2分割記録法を行ったとき、画素自体は1回に50%しか記録されてないが、記録媒体(記録紙)はほぼ100%の領域が覆われていることになる。
【0027】
図23(a)および(b)はこの場合の紙面断面を示す。ここでは1パス目(往路走査)で白紙上に千鳥記録が行われ、2パス目(復路走査)で逆千鳥記録が行われる場合を示している。図23(a)は1パス目(往路)記録直後のインクの様子を示し、ここで黒く塗りつぶした部分はシアンインク、斜線で示す部分はイエローインクである。イエローインクはシアンインクと同位置に僅かな時間差をもって打ち込まれているので、紙に吸収されると、シアンインクはにじみが少なく濃度の濃い状態で、一方イエローインクはシアンインクの下側や周辺部に回り込むように大きくにじみ、濃度の薄い状態となる。また、このとき、これらのインクは隣接画素までその吸収が及び、紙面上が殆どインクで埋め尽くされた形となる(図23(b))。
【0028】
この条件の下で行われる2パス目(復路)の記録は、既に隣接のインクが吸収されている上に着弾される。2パス目は復路走査であるからイエローインクが先に、シアンインクは後に記録される(図23(b))。このままインクが吸収されると、最終的には図23(c)のように両色ともあまり表面に現れない吸収状態になる。そして、最終的な完成画像としては1番最初に記録されたシアンの濃度が最も強く強調され、この記録領域は、シアンが強調されたグリーン画像となる。逆に、復路走査を1パス目とした上記記録領域と隣合う記録領域においては、シアンとイエローとが逆転し、イエローを優先とした色味のグリーン画像が得られる。
【0029】
以上2つの記録領域が現れる様子を示したものが図24であり、図21で説明した方法で往復記録を16ノズルのマルチノズルヘッドを用いて実施した場合である。この図に見るように、常にヘッドの先行半分が8ドット幅からなる各領域の優先色を決定し、往復走査でその優先色が逆転していることがわかる。ここでは、千鳥状マスクを適用したものとして説明したが、先に述べた特開平7−52390号に開示されているランダムマスク記録法でも同様の結果であり、優先色の異なる2つの領域が交互に存在するため、分割記録においても未だ色むらが現れて画像を劣化させ、往復記録が困難な状態となっていた。
【0030】
上記色むらによる弊害の解決を図ったものとして、特開平6−22106号に開示された発明が挙げられる。これによれば、m×n画素のグループを記録単位とし、これらが互いに隣接しない配列マスクを用いて記録する。m×nで固めて記録する分、白紙領域へのはみ出し量が少なくなり、往路と復路との優先色の差も無くなり、色むらの弊害も軽減される効果が開示されている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平6−22106号に開示された技術も、近年求められるようになってきている高品位な写真調画像の記録には適していなかった。色むら抑制ヘの効果を十分にするための集中集合ドット単位の固まりが人間の視覚解像度を超えて、テクスチャーが確認されてしまうのである。すなわち、デスクトップパブリッシングや、グラフィック,テキスト画像に対しては十分対応しきれていたものの、近年需要が増している写真画質においては弊害となりうる。よって、現状では分割記録数を多くしたランダムマスクを用いることでの対応が一般的であるが、スループットを上げるために双方向プリントを行うと、やはり若干の色むらが残り、十分に対応できない状況にある。
【0032】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、高画質の画像を高速に形成できるようにすること、すなわち、色むらのない写真画質を双方向プリントにて高速に記録できるようにすることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録方法であって、
前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくすることを特徴とする。
【0034】
また、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録装置であって、
前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小となるよう規定し、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくなるようにする規定手段を具えたことを特徴とする。
【0035】
ここで前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の前記比率を番目の走査における記録データ量の前記比率より小となるようにすることができる。
【0036】
また、番目以降の走査における記録データ量の前記比率を、番目の走査における記録データ量の前記比率より大とし、番目の走査における記録データ量の前記比率より小となるようにすることができる。
【0037】
ここで、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大となるようにすることができる。
【0038】
以上において、前記記録ヘッドは、前記複数の吐出口の列を、色調を異にするインクに対応して複数、前記走査の方向に並列に有するものとすることができる。
【0039】
また、前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されるものとすることができる。
【0040】
また、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録方法であって、
前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の比率前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大とすることを特徴とする。
【0041】
また、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録装置であって、
前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の比率前記第1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大となるよう規定する手段を具えたことを特徴とする。
【0042】
これらにおいて、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくすることができる。
【0043】
さらに、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッド前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの複数回の走査で画像を記録する記録方法であって、
4回以上の走査で記録を行うとともに、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくして記録する第1工程と、
該第1工程より少ない複数回の走査によって同様のプリントを行うとともに、当該複数回の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定される第2工程と、
を具えたことを特徴とする。
【0044】
加えて、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッド前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの複数回の走査で画像を記録する記録装置であって、
4回以上の走査でプリントを行うモードであって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくして記録する第1モードと、
該第1モードより少ない複数回の走査によって同様のプリントを行うとともに、当該複数回の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定される第2モードと、
を具えたことを特徴とする。
【0045】
これらにおいて、前記第1工程または第1モードと第2工程または第2モードとの切換え選択を可能とすることができる。
【0046】
また、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への走査と、前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
前記記録ヘッドの4回以上の走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつの前記記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して記録媒体に画像を記録する工程であって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの1番目の走査における記録データ量の比率を前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大として記録する第1工程と、
前記第1工程と異なる回数の走査によって記録媒体上に画像を記録する第2工程と、
前記第1工程と前記第2工程とを切換える工程と、
を具えたことを特徴とする。
さらに、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への走査と、前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
前記記録ヘッドの4回以上の走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつの前記記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して記録媒体に画像を記録するモードであって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの1番目の走査における記録データ量の比率を前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大として記録する第1モードと、
前記第1モードと異なる回数の走査によって記録媒体上に画像を記録する第2モードと、
前記第1モードと前記第2モードとを切換える手段と、
を具えたことを特徴とする。
これらにおいて、前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくすることができる。さらに、前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうち少なくとも1番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されるものとすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の記録装置に係る実施形態を説明する。
【0048】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてのプリンタを例に挙げ説明する。
【0049】
そして、本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0050】
ここで、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0051】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0052】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの外殻をなす装置本体M1000は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004の外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0053】
前記シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
また、前記下ケースM1001は装置本体M1000の略下半部を、上ケースM1002は装置上本体M1000の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなし、その上面部及び前面部にはそれぞれ開口部が形成されている。
【0054】
さらに、前記排出トレイM1004はその一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0055】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0056】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、ブザーE0021(図7)をならすことによりプリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0057】
[記録動作機構]
次に、上記プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0058】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所望の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、搬送部M3029に搬送された記録シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0059】
(記録部)
ここで、前記記録部を説明する。
【0060】
前記キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載されるヘッドタンクH1000とからなる。
【0061】
記録ヘッドカートリッジ
まず、前記記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に基づき説明する。
【0062】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有し、前記記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0063】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクが用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0064】
そして,前記記録ヘッドH1001は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0065】
記録素子基板H1100には、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。また、前記記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と記録素子基板H1100とが電気的に接続されるよう電気配線基板H1300を保持している。この電気配線基板H1300は、前記記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、前記外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0066】
一方、前記インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が超音波溶着され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、前記係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0067】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0068】
(キャリッジ)
次に、図2に基づき前記キャリッジM4001を説明する。
【0069】
図示のように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1000をキャリッジM4001の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1000のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1000を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1000との係合部には不図示のヘッドセットプレートがばねを介して備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1000を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0070】
またキャリッジM4001の記録ヘッドH1000との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1000に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1000への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0071】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参照)。
【0072】
[スキャナ]
この実施形態におけるプリンタは、記録ヘッドを示すようなスキャナと交換することで読取装置としても使用することができる。
【0073】
このスキャナは、プリンタ側のキャリッジと共に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像を副走査方向において読み取るようになっており、その読み取り動作と原稿の給送動作とを交互に行うことにより、1枚の原稿画像情報を読み取るようになっている。
【0074】
図6はこのスキャナM6000の概略構成を示す図である。
【0075】
図示のように、スキャナホルダM6001は箱型形状となしており、その内部には読み取りに必要な光学系・処理回路などが収納されている。また、このスキャナM6000をキャリッジM4001へと装着した時、原稿面と対面する部分にはスキャナ読取レンズM6006が設けられており、ここから原稿画像を読み取るようになっている。スキャナ照明レンズM6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光が原稿へと照射される。
【0076】
前記スキャナホルダM6001の底部に固定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM6001の外形形状は記録ヘッドH1000と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱することができる。
【0077】
また、スキャナホルダM6001には、前記処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出するよう設けられており、キャリッジM4001へとスキャナM6000を装着した際、前記スキャナコンタクトPCB M6004がキャリッジM4001側のコンタクトFPC E0011に接触し、前記基板を、前記キャリッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるようになっている。
【0078】
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図7は、この実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示す図である。
【0079】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
ここで、前記電源ユニットは、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0080】
さらに、メインPCBはこの実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASFセンサE0009、カバーセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有し、さらにCRモータE0001、LFモータE0002、PGモータE0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンドセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0081】
図8は、メインPCBの内部構成を示すブロック図である。
図において、E1001はCPUであり、このCPU E1001は内部にオシレータOSC E1002を有すると共に、発振回路E1005に接続されてその出力信号E1019によりシステムクロックを発生する。また、制御バスE1014を通じてROM E1004およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)E1006に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、ASICの制御、電源キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーからの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接続されるインクエンド検出信号(INKS)E1011及びサーミスタ温度検出信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御を司る。
【0082】
ここで、ヘッド検出信号E1013は、記録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インクエンド検出信号はインクエンドセンサE0006から出力されるアナログ信号、サーミスタ温度検出信号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0083】
E1008はCRモータドライバであって、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのCRモータ制御信号E1036に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、CRモータE0001を駆動する。E1009はLF/PGモータドライバであって、モータ電源E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータを駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生成してPGモータを駆動する。
【0084】
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1006からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。パラレルI/F E0016は、ASIC E1006からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続されるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、またパラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC E1006に伝達する。シリアルI/F E0017は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E1028を、外部に接続されるシリアルI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1006に伝達する。
【0085】
一方、前記電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1006からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0086】
またヘッド電源E1039は、メインPCB E0014上で平滑された後にフレキシブルフラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
E1007はリセット回路で、ロジック電源電圧E1040の低下を検出して、CPU E1001及びASIC E1006にリセット信号(RESET)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0087】
このASIC E1006は1チップの半導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCPU E1001によって制御され、前述したCRモータ制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレルI/F E0016およびシリアルI/F E0017との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、GAPセンサE0008からのGAP検出信号(GAPS)E1027、PGセンサE0007からのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0088】
さらに、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフレキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッドH1000に供給される。
【0089】
図9は、ASIC E1006の内部構成を示すブロック図である。
【0090】
なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
【0091】
図中、E2002はPLLであり、図9に示すように前記CPU E1001から出力されるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(PLLON)E2033により、ASIC E1006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
【0092】
また、E2001はCPUインターフェース(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、CPU E1001から出力されるソフトリセット信号(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2031及び制御バスE1014からの制御信号により、以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行ない、CPU E1001に対して割り込み信号(INT)E2034を出力し、ASIC E1006内部での割り込みの発生を知らせる。
【0093】
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用するバッファとして、上記の各記録用データバッファに代えてスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデータバッファE2026、送出バッファE2028などの領域を有する。
【0094】
また、このDRAM E2005は、CPU E1001の動作に必要なワーク領域としても使用されている。すなわち、E2004はDRAM制御部であり、制御バスによるCPU E1001からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行なう。
【0095】
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書込みデータ(E2038、E2041、E2044、E2053、E2055、E2057)などをRAM制御部に出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータ(E2040、E2043、E2045、E2051、E2054、E2056、E2058、E2059)を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0096】
また、E2006は1284I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、パラレルI/F E0016を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0016からの受信データ(PIF受信データE2036)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(1284送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0097】
E2007はUSBI/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、シリアルI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシリアルI/F E0017からの受信データ(USB受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(USB送信データ(RDUSB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信する。受信制御部E2008は、1284I/F E2006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
E2009は圧縮・伸長DMAであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に書込む。
【0098】
E2013は記録バッファ転送DMAで、CPUI/F E2001を介したCPU E1007の制御によってワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファE2014上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)する。また、E2012はワーククリアDMAであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御によって記録バッファ転送DMA E2015による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0099】
E2015は記録データ展開DMAであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2045を生成し、これをカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000へと転送データ(展開記録データ)とを一時的に格納するSRAMであり、記録データ展開DMAとヘッド制御部とのハンドシェーク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理されている。
【0100】
E2018はヘッド制御部で、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行なう。
【0101】
また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021を通じて記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
また、スキャナ読み取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021を通して入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処理DMAであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055をDRAM E2005上のスキャナデータバッファE2026に書込む。
E2027はスキャナデータ圧縮DMAで、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナデータバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書込み転送する。
【0102】
E2019はエンコーダ信号処理部であり、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E1001に提供する。CPU E1001はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。また、E2020はCRモータ制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、CRモータ制御信号E1036を出力する。
【0103】
E2022はセンサ信号処理部で、PGセンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサE0009、及びGAPセンサE0008等から出力される各検出信号を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御部DMA E2021に対してセンサ検出信号E2052を出力する。
【0104】
LF/PGモータ制御DMAE2021は、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、DRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御信号Eを出力する他、動作モードによっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E1033を出力する。
また、E2030はLED制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
【0105】
次に、上記のように構成された本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0106】
AC電源に本装置が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0107】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0108】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及びヘッド系のチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0109】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0110】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されている記録データを記録ヘッドH1000へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップS8へと進む。
【0111】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0112】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0113】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0114】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0115】
[ヘッドの構成]
ここで、本実施形態で用いるヘッドH1001の吐出口群の構成配置について説明する。
【0116】
図11は本実施形態で用いた高密度記録を実現するためのヘッドの模式的正面図である。この例では1列当たり600dpi(ドット/インチ)のピッチ(約42μmピッチ)で128個の吐出口を配列した吐出口列を1色当たり2列、互いに副走査方向(紙送り方向)に約21μmずらして、主走査方向(キャリッジスキャン方向)に設けてあり、合計256個の吐出口にて1200dpiの解像度を実現している。さらに、図示の例ではそのような吐出口列を6色に対応して主走査方向に並置し、6色について合計12列の吐出口列で1200dpiの記録を行う一体構造のヘッド構成としている。但し、製造上は並列する2色分が1チップとして同時に作成され、その後3チップを並列して接着させる構成をとっているので、隣り合う2チップ(ブラック(Bk)およびライトシアン(LC)の組、ライトマゼンタ(LM)およびシアン(C)の組、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の組)は他に比べ駆動条件が似通ったものとなっている。
【0117】
[記録方法]
以上説明した構成の記録装置およびヘッドを用い、本発明所期の目的を達成するための記録方法について以下に説明する。当該記録方法は図10の手順中で記録動作(ステップS7)等を行う際に反映させることができるものである。
【0118】
従来例で説明した特開平5−31922では、記録走査方向の違いに起因する色むらは各記録走査ごとのインク被覆率(はみ出し率)に依存することに着目し、各走査で着弾される紙面上のインク被覆率をなるべく均等にすることを目的とした。その手段として、同一記録走査で記録されるドット同士を集中ドットとしてm×n画素を固めて記録していた。本実施形態においても、被覆率を均等にする目的は上記提案と同等である。しかし、その手段は集中ドットを用いたものではなく、各記録走査での記録データ数の制御である。
【0119】
さて、図11に示した1200dpiの解像度のヘッドの場合、紙面上での1画素は約21μm四方の領域となるが、本実施形態で用いる1ドロップは約4plであり、紙面上では直径約45μmの円形ドットを形成する。このとき、1ドットの面積は1570μm2となり、1画素領域の21×21=441μm2よりはるかに大きくなる。
【0120】
先に図21を用いてマルチパスプリント法について説明し、ここでは2回の記録走査(2パス)で画像を完成させる構成を説明したが、本実施形態では8パスのマルチパスプリントを適用する。8パス程度のマルチパスプリントを行えば、多くの記録媒体では双方向プリントを行っても色むらは殆ど発生しない。しかし、記録媒体の種類によっては発生するものもあるし、特に最高品位の画像が要求されるモードでは厳しく評価される。
【0121】
従来の方法によれば、各記録走査で記録データを均等に分割するので、8パスプリントの場合は各パスにつき12.5%のデューティずつの記録が行われる。ここで、従来のランダムマスク法を取り入れると、1パス目のインク被覆率は12.5%×1570/441≒45%となり、全体の1/2近くの紙面が埋め尽くされてしまう。次いで2パス目では1パス目と同等の12.5%のデータが記録されるが、紙面上では残された100−45=55%の中での45%となるので、55×45/100≒25.0%となり、同じ12.5%のデータ記録率でも被覆率としてはかなり削減された値となる。これに従い、3パス以降の被覆率はさらに減少していく。
【0122】
発明者らは、1パス目および2パス目すなわち最初の2回の記録走査での被覆率が45+25.0=70%となるので、8パスのマルチパスプリントでの優先色は、ほぼ最初の2パスで決定されてしまうことに着目した。双方向プリントの場合、1パス目と2パス目との記録方向は逆になるので、1パス目が往路プリントであったならば往路で最初に記録されたインクが、1パス目が復路であるならば復路で最初に記録されたインクがそれぞれ優先色になる。3パス〜8パスまでは残り約30%の白紙領域に対する効果しか関与せず、色むらにはほとんど関係していない。すなわち、最初の2パスで色むらによる画像品位低下が生じているのであって、換言すればこの最初の2パスでの色むらを抑制することができれば、画像全体の色むらによる弊害を著しく低減できるのである。
【0123】
発明者らは、1パス目と2パス目とのデータ記録率の和は12.5×2=25.0%に固定しながら、1パス目の被覆率と2パス目の被覆率との割合をほぼ同等にすることを目的として、1パス目の記録データを削減し、その分2パス目の記録データを増加させる実験を行った。計算上、2パス目までの被覆率が70%であるので、1パス目ではその半分の35%の被覆率となるようにデータ記録率を制御すればよい。この場合、逆算すれば35×441/1570=9.8%となるので、1パス目で約10%、2パス目では25−10=15%のデータ記録率とすればよいことになる。但しこの計算においては、同一記録パスで記録するドットは互いに隣接しないことを前提としている。
【0124】
図12は、1パス目と2パス目とのデータ記録率を1%刻みで変化させて実験した場合の色むらの評価結果を示す。色むらの目立ちやすい記録媒体を用いての実験結果であるが、1パス目のデータ記録率を9〜11%とすれば色むらはほとんど問題なくなり、10%では全く問題ないという結果が得られた。これは計算値とほぼ一致した答えである。
【0125】
図13は上記した内容を適用して実施した8パスプリントによる記録結果を示す。本実施形態で用いるヘッドは、上述のように実際には各色256個のノズルを有しているが、ここでは簡単のため、32個のノズルでシアンとイエローとからなるグリーン画像を記録する場合について説明する。
【0126】
本実施形態は8パス記録であるので、1度の記録走査でプリントできる全32画素領域を4画素ずつの記録領域に分割し、各記録領域について8回の記録走査で画像を完成させる。どの画像領域においても、最初に1パス記録領域の4つのノズルによってドットが記録される。一般的な8パス記録では、記録領域の12.5%の画素に往路あるいは復路で記録がなされるが、本実施形態の1パス記録領域では10%に記録データ率を低減している。図13では、ある往路の記録走査が終了した時点の画像記録状態を表している。1パス記録領域では全画像データのうち、10%の画素についてシアンが優先色のドットが記録されている。この段階で被覆率は約45%となっている。
【0127】
隣接する2パス記録領域では、新たに15%の画素データの記録がなされている。この領域では、既に前回の復路記録走査で着弾されたドットが10%程記録されているが、これらのドットはイエローが優先色のドットである。今回新たに記録された15%のドットが先に記録されたドットに重複した場合には、裏側へ潜り込み、優先色は1パス目のドットとなっている。ここまでの記録結果から明らかなように、シアンが優先色のドットとイエローが優先色のドットとがほぼ半分の割合で均等に分布しているとともに、2パス記録までの段階で画像領域の殆とが埋め尽くされている。
【0128】
3パス以降の記録領域では全て12.5%ずつのデータが記録されており、ドットの優先色は上記規則にしたがって背面に潜り込んでいる。3パス以降は残り30%の白紙領域をうめていくが、殆どのドットが2パスまでのドットの背面側に潜り込むので、ドットの優先色がシアンであろうとイエローであろうと、画像全体の優先色には殆ど影響を及ぼしていない。
【0129】
本実施形態では8パスを例に説明してきたが、本発明が有効であるのは、少なくとも4パス以上の分割記録を行う場合であると考えられる。もちろん、2パスプリントでも色むらに対する理論上の効果はあるが、分割記録法のもうひとつの目的であるノズルばらつきの濃度むらや、つなぎすじを目立たなくするという効果は、各記録走査でデータ記録率をなるべく均等にすることによって得られるものであるからである。2パスプリントの場合に本発明を適用すると、ほとんど1パス目では記録できず、2パス目で記録が行われることになりかねない。こうなると、分割記録の本来の効果が減殺されてしまうことになる。
【0130】
これに対し、8パス程度のマルチパスプリントであれば、1パス目と2パス目との記録率に多少の偏りが生じたところで、残りの6つのパスで均等に分割されていれば問題は生じない。1パス目および2パス目は色むら低減のための記録走査であり、3パス〜8パス目はノズルのばらつきによるむらおよびつなぎ筋対策のための記録走査であると意味付けできるのであり、これらが相俟って高品位の写真画質を達成する上で十分な効果が期待できるのである。そして本発明は、特に本実施形態で用いたような、実際に記録されるドット面積が1画素領域よりも大きい場合に効果が現れる。
【0131】
なお、マルチパス記録はパス数が多いほど画像品位が向上する一方、プリント時間は長くなる。そこで、、マルチパス記録を行わない1パスモード、2パスから8パスまでのマルチパスモードでの記録を可能とし、記録媒体の種類や用途に応じてプリントモードを適宜切り替えることができるようにすることもできる。
【0132】
また、実際の記録動作における各パスの記録データ比率の規定は、CPU E1001のソフトウェアとして行うもののほか、適宜のハードウェア、例えばASIC E1006の回路構成の一部として設けておくことができる。
【0133】
例えば、図9において、選択されたモードについて上述のように各パスの記録データ比率を定めるためのマスクパターンを展開用データバッファE2016に格納しておき、記録動作の進捗に応じてデータ展開DMA E2015がパスの番号を管理し、その番号に応じたマスクパターンにて、プリントバッファE2014に展開されている記録データがマスキングされるようにすることができる。これについては次に述べる実施形態についても同様である。
【0134】
[他の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では4パスプリントとし、前述の特開平6−22106号に記載された集中ドットマスクの効果も取り入れて被覆率を算出する。
【0135】
図14は本実施形態で用いる集中ドットを示し、横方向4ドット×縦方向1ドットの構成を単位とした画素配列で記録を行う。このように複数ドットが隣接していることが前提であれば、各ドットの重なり合った領域は被覆率の計算上互いに打ち消され、その分小さい値となる。本実施形態でも第1実施形態と同様の記録装置を用いるとすれば、1つの集中ドットの被覆率は約64%となる。但し、ここではm×n=4×1の集中ドットの単位同士は互いに隣接しないことを前提としている。被覆率が少ない分、1パス目のデータ記録率を大きく設定することができる。
【0136】
実施形態では4パスプリントとするので、均等にデータを分割すると各記録走査での記録率は25%となる。4×1単位の集中ドットで記録を行った場合、1パス目の被覆率は64%、2パス目の被覆率は23%となる。また、2パス目までの被覆率は87%となり、やはり最初の2パス目まででほとんど色むらが決まることになる。
【0137】
第1の実施形態と同様にこの被覆率を等分するためには、1パス目のデータ記録率を16%、2パスの記録率を34%とすればよい。
【0138】
図15はこの法則に従って記録を行った場合の模式図である。本実施形態で用いるヘッドも第1実施形態と同様図11に示すものであるが、ここでも簡単のため32個のノズルによってシアンおよびイエローからなるグリーン画像を記録する状態について説明する。
【0139】
本実施形態は4パス記録であるので、1度の記録走査でプリントできる全32画素領域を8画素ずつの記録領域に分割し、各記録領域について4回の記録走査で画像を完成させる。どの画像領域においても、最初に1パス目の記録領域の8つのノズルによってドットが記録される。従来の4パス記録では記録領域の25%画素に往路あるいは復路で記録がなされるが、本実施形態の1パス記録領域では記録データ率を16%に低減させている。図15はある往路の記録走査が終了した時点での画像記録状態を表している。1パス記録領域では、全画像データのうち、16%の画素についてシアンが優先色であるドットが記録されている。この段階で、被覆率は約44%となっている。
【0140】
隣接する2パス記録領域では、新たに34%の画素データの記録が行われている。この領域では、既に前回の復路記録走査で着弾されたドットが16%程記録されているが、これらのドットはイエローが優先色のドットである。今回新たに記録された34%のドットがこれら先に記録されたドットに重複した場合には、裏側に潜り込み、優先色は1パス目のドットとなっている。3パス以降の記録領域では全て25%ずつのテータが記録されており、ドットの優先色は上述と同様の規則に従って背面側に潜り込んでいる。
【0141】
この記録結果から明らかなように、2パスまでの段階で画像領域の殆とが埋め尽くされている。従って、3パス以降のドットの優先色がシアンであろうとイエローであろうと、画像全体の優先色には殆ど影響を及ぼしていないのである。このように、従来例と同様の集中ドット記録法を用いながらも、1パス目および2パス目のデータ記録率を、被覆率が均等になるように制御することにより、第1実施形態で説明した8パスプリントよりも少ない分割数で、色むらのない双方向プリントが実現可能となる。
【0142】
図16は4パスプリントにあって1パス目と2パス目との被覆率を同等にした場合の各集中ドット形態とデータ記録率との関係を示す。もし、各記録走査でのデータ記録率を25%に固定したまま、集中ドット法のみで色むらの発生を防止しようとすると、集中ドットの大きさはかなり大きな値になってしまう。逆に、第1実施形態と同様にデータ記録率のみを制御して4パスプリントを実施しようとすると、1パス目のデータ記録率は14%となり、マルチパスプリントの筋むら抑制の効果が少なくなる傾向にある。
【0143】
本発明および本実施形態が実現している写真画質では、粒状感や筋むらが人間が視覚で認識できる解像度限界を超えている。換言すれば、当該視覚解像度以上あればそれ以上の高解像を求める必要性も少ない。既に説明したように、集中ドットを大きくすることは、それだけで被覆率を小さく設定でき、ひいては色むら発生防止のために行っていたマルチパス数を少なくできるので、記録のスループットヲ向上する観点からも効果的である。すなわち、集中ドットの構成単位を視覚的に感知できない程度に設定しておく一方、データの記録率を適切に設定することによって、マルチパス記録の効果が十分得られるのであれば、色むらもなく、分割記録数も最低限度に留められた双方向プリントが可能となる。
【0144】
集中ドットの目立ち易さや色むら自体の自立ち易さは、記録媒体や記録画像の種類によって異なるものである。従って高品位の写真画像の形成を目的としたプリントモードにおいても、記録媒体等の条件毎に集中ドットの大きさやデータ記録率を適宜調整することができる。
【0145】
なお、図16では各記録走査のすべてで4×1画素の集中ドットマスクを用いたが、1パス目(あるいは奇数番目のパス)のみ集中ドットマスクを用い、残りの3パス(あるいは偶数番目のパス)では1ドット単位のランダムマスクを用いるようにしてもよい。記録ドットの被覆面積を小さくしなければならない記録走査は1パス目(あるいは優先色である奇数番目のパス)のみであり、2パス目以降(あるいは偶数番目のパス)はむしろ大きく設定すべきである。このようにすれば、実際に記録される集中ドットの数も減り、画像全体もより滑らかになることが期待される。
【0146】
いずれにせよ、本実施形態によれば、集中ドット単位でのマスクを用いつつ、1パス目と2パス目とのデータ記録率を制御して双方向記録を行うことにより、色むらもなく滑らかな画像をより高速に形成することが可能となった。
【0147】
なお、本発明が有効に用いられるヘッドの一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。 また、上述の第1および第2実施形態でそれぞれ例示した記録方法を複合的に採用した構成とすることもできる。すなわち、例えば第1実施形態のような記録を行う8パスモード(第1モード)と、第2実施形態のような集中ドットを用いる4パスモード(第2モード)とを具備した構成とすることもできる。そして、ユーザの所望に応じて各モードを切り替え、選択的に使用できるようになし、例えば画質を優先したい場合には8パスモードを、あるいは速度を優先したい場合には集中ドットを用いる4パスモードを選択することで、所望の記録物を適宜得ることができるようになる。
【0148】
なお、本発明が有効に用いられるヘッドの一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ある領域を記録ヘッドの複数回の走査で分割記録するマルチパス記録法(分割記録法)において、当該領域への1パス目のデータ記録率を2パス目以降のデータ記録率よりも少なく設定することにより、色むらのなく滑らかな画像をより高速に記録することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すものの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に用いる記録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態におけるスキャナカートリッジを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示したメインPCBの内部構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示したASICの内部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態において採用した記録ヘッドのノズル配列を示す図である。
【図12】マルチパス記録(プリント)法において、1パス目と2パス目とのデータ記録率を1%刻みで変化させて実験した場合の色むらの評価結果を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態を適用して行った8パスプリントによる記録状態を示す模式的平面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態で用いる集中ドットの構成単位を説明するための図である。
【図15】本発明の第2の実施形態を適用して行った4パスプリントによる記録状態を示す模式的平面図である。
【図16】本発明の第2の実施形態による効果を説明するための図である。
【図17】シリアル型カラープリンタを簡略化して示す斜視図である。
【図18】図17の装置に適用可能な記録ヘッドのノズル配列を示す図である。
【図19】(a)〜(c)はインクジェット記録が理想的に行なわれる状態を示す説明図である。
【図20】(a)〜(c)はインクジェット記録において生じうる濃度むら発生状態を示す説明図である。
【図21】(a)〜(c)は図20において説明した濃度むらの発生を防止するためのマルチパスプリントの原理を説明するための説明図である。
【図22】記録インクを記録媒体に着弾させるときの状態であり、(a)および(b)は異なる2色のインクドットを時間をおいて殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場合を示す説明図である。
【図23】(a)〜(c)はマルチパスプリント法で双方向プリントを行った場合の記録媒体へのインク浸透状態を説明するための模式的断面図である。
【図24】マルチパスプリント法で双方向プリントを行った場合の記録媒体上の記録状態を説明するための模式的平面図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M2015 紙間調整レバー
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
M6000 スキャナ
M6001 スキャナホルダ
M6003 スキャナカバー
M6004 スキャナコンタクトPCB
M6005 スキャナ照明レンズ
M6006 スキャナ読取レンズ1
M6100 保管箱
M6101 保管箱ベース
M6102 保管箱カバー
M6103 保管箱キャップ
M6104 保管箱バネ
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0006 インクエンドセンサ
E0007 PEセンサ
E0008 GAPセンサ(紙間センサ)
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ)
E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ)
E1004 ROM
E1005 発振回路
E1006 ASIC
E1007 リセット回路
E1008 CRモータドライバ
E1009 LF/PGモータドライバ
E1010 電源制御回路
E1011 INKS(インクエンド検出信号)
E1012 TH(サーミスタ温度検出信号)
E1013 HSENS(ヘッド検出信号)
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1016 RESUME(リジュームキー入力)
E1017 POWER(電源キー入力)
E1018 BUZ(ブザー信号)
E1019 発振回路出力信号
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1022 VHON(ヘッド電源ON信号)
E1023 VMON(モータ電源ON信号)
E1024 電源制御信号
E1025 PES(PE検出信号)
E1026 ASFS(ASF検出信号)
E1027 GAPS(GAP検出信号)
E0028 シリアルI/F信号
E1029 シリアルI/Fケーブル
E1030 パラレルI/F信号
E1031 パラレルI/Fケーブル
E1032 PGS(PG検出信号)
E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号)
E1034 PGモータ駆動信号
E1035 LFモータ駆動信号
E1036 CRモータ制御信号
E1037 CRモータ駆動信号
E0038 LED駆動信号
E1039 VH(ヘッド電源)
E1040 VM(モータ電源)
E1041 VDD(ロジック電源)
E1042 COVS(カバー検出信号)
E2001 CPU I/F
E2002 PLL
E2003 DMA制御部
E2004 DRAM制御部
E2005 DRAM
E2006 1284 I/F
E2007 USB I/F
E2008 受信制御部
E2009 圧縮・伸長DMA
E2010 受信バッファ
E2011 ワークバッファ
E2012 ワークエリアDMA
E2013 記録バッファ転送DMA
E2014 プリントバッファ
E2015 記録データ展開DMA
E2016 展開用データバッファ
E2017 カラムバッファ
E2018 ヘッド制御部
E2019 エンコーダ信号処理部
E2020 CRモータ制御部
E2021 LF/PGモータ制御部
E2022 センサ信号処理部
E2023 モータ制御バッファ
E2024 スキャナ取込みバッファ
E2025 スキャナデータ処理DMA
E2026 スキャナデータバッファ
E2027 スキャナデータ圧縮DMA
E2028 送出バッファ
E2029 ポート制御部
E2030 LED制御部
E2031 CLK(クロック信号)
E2032 PDWM(ソフト制御信号)
E2033 PLLON(PLL制御信号)
E2034 INT(割り込み信号)
E2036 PIF受信データ
E2037 USB受信データ
E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ)
E2039 受信バッファ制御部
E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/ラスタデータ)
E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/記録コード)
E2042 WDWF(ワークフィルデータ)
E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ/記録コード)
E2044 WDWP(並べ替え記録コード)
E2045 RDHDG(記録展開用データ)
E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ/展開記録データ)
E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ/展開記録データ)
E2049 ヘッド駆動タイミング信号
E2050 データ展開タイミング信号
E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み出しデータ)
E2052 センサ検出信号
E2053 WDHD(取込みデータ)
E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデータ)
E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/処理済データ)
E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ/処理済データ)
E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧縮データ)
E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮データ)
E2059 RDPIF(1284送信データ)
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 記録素子基板
H1100T 吐出口
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク

Claims (26)

  1. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録方法であって、
    前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくすることを特徴とする記録方法。
  2. 前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の前記比率を番目の走査における記録データ量の前記比率より小とすることを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
  3. 番目以降の走査における記録データ量の前記比率を、番目の走査における記録データ量の前記比率より大とし、番目の走査における記録データ量の前記比率より小とすることを特徴とする請求項1または2に記載の記録方法。
  4. 前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大とすることを特徴とする請求項3に記載の記録方法。
  5. 前記記録ヘッドは、前記複数の吐出口の列を、色調を異にするインクに対応して複数、前記走査の方向に並列に有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録方法。
  6. 前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録方法。
  7. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録方法であって、
    前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の比率前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大とすることを特徴とする記録方法。
  8. 前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項7に記載の記録方法。
  9. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッド前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの複数回の走査で画像を記録する記録方法であって、
    4回以上の走査で記録を行うとともに、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率 をほぼ等しくして記録する第1工程と、
    該第1工程より少ない複数回の走査によって同様のプリントを行うとともに、当該複数回の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定される第2工程と、
    を具えたことを特徴とする記録方法。
  10. 前記第1工程と第2工程との切換え選択を可能としたことを特徴とする請求項9に記載の記録方法。
  11. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への走査と、前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
    前記記録ヘッドの4回以上の走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつの前記記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して記録媒体に画像を記録する工程であって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの1番目の走査における記録データ量の比率を前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大として記録する第1工程と、
    前記第1工程と異なる回数の走査によって記録媒体上に画像を記録する第2工程と、
    前記第1工程と前記第2工程とを切換える工程と、
    を具えたことを特徴とする記録方法。
  12. 前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項11に記載の記録方法。
  13. 前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうち少なくとも1番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されることを特徴とする請求項11または12に記載の記録方法。
  14. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録装置であって、
    前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小となるよう規定し、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくなるようにする規定手段を具えたことを特徴とする記録装置。
  15. 前記規定手段は、前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の前記比率を番目の走査における記録データ量の前記比率より小となるよう規定することを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
  16. 前記規定手段は、3番目以降の走査における記録データ量の前記比率を、番目の走査における記録データ量の前記比率より大とし、番目の走査における記録データ量の前記比率より小となるよう規定することを特徴とする請求項14または15に記載の記録装置。
  17. 前記規定手段は、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記プリント媒体の被覆率の和を50%より大となるようにすることを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
  18. 前記記録ヘッドは、前記複数の吐出口の列を、色調を異にするインクに対応して複数、前記走査の方向に並列に有することを特徴とする請求項14ないし17のいずれかに記載の記録装置。
  19. 前記同一画像領域に対する前記4回以上の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されることを特徴とする請求項14ないし18のいずれかに記載の記録装置。
  20. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの4回以上の走査で画像を記録する記録装置であって、
    前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの番目の走査における記録データ量の比率前記第1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大となるよう規定する手段を具えたことを特徴とする記録装置。
  21. 前記番目の走査および前記番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項20に記載の記録装置。
  22. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッド前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への往復走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつ前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して前記記録ヘッドの複数回の走査で画像を記録する記録装置であって、
    4回以上の走査でプリントを行うモードであって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの奇数番目の走査における記録データ量の比率の和を、前記4回以上の走査のうちの前記奇数番目の走査と反対方向の偶数番目の走査における記録データ量の比率の和より小とし、且つ、前記奇数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率と、前記偶数番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率をほぼ等しくして記録する第1モードと、
    該第1モードより少ない複数回の走査によって同様のプリントを行うとともに、当該複数回の走査のうち少なくとも番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定される第2モードと、
    を具えたことを特徴とする記録装置。
  23. 前記第1モードと第2モードとの切換え選択を可能としたことを特徴とする請求項22に記載の記録装置。
  24. インクを吐出するための複数の吐出口を配列してなる記録ヘッドの前記複数の吐出口の配列方向とは異なる方向への走査と、前記走査方向と直交する方向への記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
    前記記録ヘッドの4回以上の走査と、前記複数の吐出口の配列幅未満の量ずつの前記記録媒体の搬送とにより、前記記録媒体の同一画像領域に対して記録媒体に画像を記録するモードであって、前記同一画像領域における記録データ全体の量に対する前記4回以上の走査のうちの1番目の走査における記録データ量の比率を前記1番目の走査と反対方向の2番目の走査における記録データ量の比率より小とするとともに、且つ、前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体の被覆率の和を50%より大として記録する第1モードと、
    前記第1モードと異なる回数の走査によって記録媒体上に画像を記録する第2モードと、
    前記第1モードと前記第2モードとを切換える手段と、
    を具えたことを特徴とする記録装置。
  25. 前記1番目の走査および前記2番目の走査での記録ドットによる前記記録媒体のそれぞれの被覆率をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項24に記載の記録装置。
  26. 前記4回以上の走査のうち少なくとも1番目の走査での画素の配列がm×n(m,nは整数)の画素群を単位として規定されることを特徴とする請求項24または25に記載の記録装置。
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