JP2002085599A - ラケット用ストリング - Google Patents

ラケット用ストリング

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JP2002085599A
JP2002085599A JP2000283462A JP2000283462A JP2002085599A JP 2002085599 A JP2002085599 A JP 2002085599A JP 2000283462 A JP2000283462 A JP 2000283462A JP 2000283462 A JP2000283462 A JP 2000283462A JP 2002085599 A JP2002085599 A JP 2002085599A
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resin
terpene
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racket
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JP2000283462A
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English (en)
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Shigeru Asai
茂 浅井
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Yonex KK
Original Assignee
Yonex KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 張設性が良好で張設時にストリングを傷つけ
るようなことがなく、そして更にスピン性を向上させる
ことができるストリングを提供する。 【解決手段】 テルペン系樹脂を2〜20wt%含有し
てなる樹脂混合物を合成樹脂製原糸の表面に被覆してな
るラケット用ストリングで、好ましくは、この混合物を
原糸の表面に2層に亘って被覆し、外層におけるテルペ
ン系樹脂の含有率及び被覆厚をその内層におけるテルペ
ン系樹脂の含有率及び被覆厚よりそれぞれ少なし、この
含有率及び被覆厚は、外層においてはそれぞれ2〜7w
t%、2〜7μmとし、内層においてはそれぞれ8〜2
0wt%、30〜80μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、テニス、バトミ
ントン、スカッシュ等のラケットに用いられるストリン
グに関するものである。
【0002】
【従来の技術】テニスプレーにおいては、ゲームを有利
に進めるためにボールにバックスピンをかけるスライス
ストロークやオーバースピンをかけるドライブストロー
クが好んで用いられ、このスピンを大きくかけることが
できるラケットやストリングが望まれている。このスピ
ンの度合いはストリングとボールとの摩擦抵抗に依存し
ており、この摩擦抵抗が大きければボールに大きなスピ
ンをかけることができるようになる。
【0003】そのため、従来は実開昭55−85062
号公報、実開昭59−5958号公報、実開昭59−8
5258号公報、実開平2−141471号公報に示さ
れているように、ストリングの表面に構造的な凹凸を付
与することによって摩擦抵抗を高めるようにしたものが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スピン
性を向上させるほどの凹凸が形成されたこれらのストリ
ングでは、ラケットフレームのグロメットの孔にストリ
ングを通したり、既に張られた縦ストリングに横糸を編
み込む際にストリングの凹凸が抵抗となって著しく張設
性を阻害し、時にはストリングに傷を付けて耐久性を低
下させるようなことが生じる。
【0005】本発明は上記のような問題点に鑑みて成さ
れたもので、その目的は張設性が良好で張設時にストリ
ングを傷つけるようなことがなく、そして更にスピン性
を向上させることができるストリングを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のラケット用ストリングは外周部にテルペン
系樹脂を2〜20wt%含有してなるのである。
【0007】テルペン系樹脂は粘着接着用樹脂として知
られ、この樹脂をラケット用ストリングの外周部に上記
の範囲内で含有させることによってストリングの張設性
を著しく阻害することなく、ストリングの粘着性を増
し、テニスボールなどとの摩擦抵抗を増大させることが
できる。
【0008】好ましくは、テルペン系樹脂の混合物を合
成樹脂製原糸の表面に被覆することで、これにより比較
的少量のテルペン系樹脂を有効に利用して大きなスピン
効果を得ることができる。
【0009】また、更に好ましくは、前記テルペン系樹
脂の混合物を前記原糸の表面に2層に亘って被覆し、外
層におけるテルペン系樹脂の含有率及び被覆厚をその内
層におけるテルペン系樹脂の含有率及び被覆厚よりそれ
ぞれ少なくすることで、この含有率及び被覆厚は、好ま
しくは、外層においてはそれぞれ2〜7wt%、2〜7
μmとし、内層においてはそれぞれ8〜20wt%、5
0〜80μmとすることである。
【0010】これにより、ストリングをラケットに張設
するときにはテルペン系樹脂の粘着性によって張設が阻
害されることがほとんどなく、張設後には使用中に内層
のテルペン系樹脂が表面に現れてスピン性を増大させる
ことになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明のラケット用ストリ
ングの好適な実施形態について図面を参照にして説明す
る。
【0012】図1にはテニスストリング、ソフトテニス
ストリング、バドミントンストリングの一般的な構造を
示し、大別して図1の(a)、(b)に示す硬いモノフ
ィラメント芯糸からなるものと、図1の(c)、(d)
に示す柔らかいマルチフィラメント芯糸からなるものと
に分けられる。また、両者の中間として図1(e)に示
すようにマルチモノフィラメントタイプのものもある。
【0013】そして、これらのストリングを成形するマ
トリックス樹脂としては耐摩耗性に優れるポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が一般的に使
用されている。
【0014】従来のこの種のストリングにおいてボール
などとの摩擦抵抗を高める方法としてはもっぱらストリ
ングの表面に物理的な凹凸を形成することが行われてい
たが、本願発明者はこれとは全く異なり、樹脂の組成物
によって摩擦抵抗を高めることに着目したのである。そ
して、マトリックス樹脂に粘性を有する樹脂を添加する
ことによって摩擦抵抗を高めることができるのではない
かとの考えに至り、上記マトリックス樹脂との相溶性が
良いテルペン系樹脂を見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0015】ここでいうテルペン系樹脂とはテルペン樹
脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性水添テルペン樹脂、
芳香族変性テルペン樹脂、テルペンビスフェノール樹脂
を1種以上含む樹脂組成物を言う。上記樹脂の内、例え
ばテルペン樹脂は熱可塑性で、粘着・接着用樹脂として
使用され、耐酸性、耐アルカリ性にも優れ、エラストマ
ーあるいはプラスチックとの相溶性も良い樹脂として知
られている。
【0016】テルペン系樹脂はマトリックス樹脂と混合
して用いられ、テルペン系樹脂をマトリックス樹脂と混
合する場合には2〜20重量%の範囲とすることで、2
重量%以下ではボールにスピンを生じさせるような摩擦
抵抗をストリング表面に加えることができない。一方、
20重量%以上ではストリングの粘性が増してストリン
グをラケットに張設するのに支障をきたす。
【0017】好ましくは、芯部を形成するマトリックス
樹脂の外周部にテルペン樹脂を含む樹脂層で被覆するこ
とである。そして、好ましくは被覆樹脂層は更に2層構
造として、外層はマトリックス樹脂にテルペン樹脂を2
〜7wt%含有した厚さ2〜7μmの樹脂層とし、内層
はマトリックス樹脂にテルペン系樹脂を8〜15wt%
含有した厚さ30〜80μmの樹脂層とすることであ
る。
【0018】このような2層構造とすることにより、外
層はテルペン樹脂の含有量が少ないためこのストリング
をラケットに張設するときにその粘性によって張設に支
障をきたすことはないが、ストリングを張り上げてラケ
ットを使用するとその表面の層は薄層のため短時間の内
に摩耗して内層のテルペン樹脂を多く含む層が現れ、ボ
ールなどに対する優れたスピン効果を発揮することがで
きる。
【0019】以下に本発明の実験結果を示す。
【0020】<実験1>図2に示すように、芯部1をポ
リエステル樹脂とし、鞘部2を共重合ポリエステル樹脂
/芳香族変性テルペン樹脂=75/25(重量比)のブ
レンド物として通常の方法により溶融紡糸して、芯鞘2
重構造のモノフィラメントタイプの直径1.25mmの
テニスストリングを作成した。ここで鞘部における芳香
族変性テルペン樹脂の組成比を種々変えて、張設性と滑
り抵抗を測定した。この滑り抵抗の測定は、上記のよう
にして形成した10本の直径1.3mmのストリングを
平らな板の上に並べ、その上に幅25mm厚さ10mm
のフェルトを載せ、その上のほぼ全体に均等な重力がか
かるように2,000gの錘を載せ20mm/分の一定
速度でフェルトを引っ張るときの力を計測し滑り抵抗と
した。このときの滑り抵抗が高いほどスピン性が大きい
ことは確認済みである。上記試験1の結果を表1に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】上記の表1に示すように、テルペン樹脂の
鞘部の樹脂中における含有量が2wt%になると滑り抵
抗が増し、スピン特性が改善されることが判る。また、
テルペン樹脂の鞘部の樹脂中における含有量が25wt
%になると、張設性が悪く、実用的でなくなる。
【0023】<実験2>図3に示すように、芯糸30号
ナイロン6モノフィラメント3の周りに、0.6号ナイ
ロン6モノフィラメント4の側糸20本をナイロン用接
着剤にて接着し、ストリングの糸部を構成した。この糸
部の上に、ナイロン6樹脂またはポリウレタン樹脂にテ
ルペンフェノール樹脂を種々の割合(wt%)で添加し
たブレンド物を被覆樹脂5として押し出し成形機にてコ
ーティングした。これに通常のオイリング処理を行い、
実験1同様に張設性と滑り抵抗を測定し、その結果を表
2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】上記表2の結果から、被覆樹脂中における
テルペン樹脂の含有量が2wt%以上の場合、滑り抵抗
が顕著に向上するが、21を%になると張設性が悪くな
って実用的でなくなることが判る。
【0026】上記の実験例2では被覆樹脂を一層として
いるが、ストリングのテニスラケットなどにおける張設
性を良好なものとするためには、被覆樹脂層を2層構造
とし、外層を薄層にすると共にテルペン樹脂の含有率を
小さくし、一方、その内層を厚層にしてテルペン樹脂の
含有率を増やすことである。即ち、外層におけるテルペ
ン樹脂の含有率を2〜7wt%とすることによって張設
性は従来と比べてそれ程損なわれることなくストリング
の張設作業を行うことができる。そして、調節後のラケ
ット使用時にスピン特性が増すように、外層の肉厚は薄
い2〜7μmとしてラケットの使用後の早い時期に外層
がボールの打球によって摩耗し、テルペン樹脂の含有量
が多い内層が現れるようにすることである。そして、内
層はテルペン樹脂の含有量を8〜20wt%とし、その
被覆厚を30〜80μmの厚みにすることである。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明のラケット用ストリ
ングでは、その外周部にテルペン樹脂を2〜20wt%
含有しているため、ストリングの張設性を著しく阻害す
ることなく、ストリングの粘着性を増し、テニスボール
などとの摩擦抵抗を増大させてスピン効果を増すことが
できる。そして、このストリングの外表面は断面円形な
どの平滑面となっているので、交差するストリング同士
がお互いに傷つけ合うことがない。
【0028】また、テルペン系樹脂の混合物を合成樹脂
製原糸の表面に被覆した場合には、比較的少量のテルペ
ン系樹脂を有効に利用して大きなスピン効果を得ること
ができる。
【0029】更にまた、テルペン系樹脂の混合物を前記
原糸の表面に2層に亘って被覆し、外層におけるテルペ
ン系樹脂の含有率及び被覆厚をその内層におけるテルペ
ン系樹脂の含有率及び被覆厚よりそれぞれ少なくした場
合には、ストリングをラケットに張設するときにはテル
ペン系樹脂の粘着性によって張設が阻害されることがほ
とんどなく、張設後には使用中に内層のテルペン系樹脂
が表面に現れてスピン性を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラケット用ストリングの種々の断面形状
を示す図である。
【図2】本発明の第1の実験例に係るラケット用ストリ
ングの断面形状を示す図である。
【図3】本発明の第2の実験例に係るラケット用ストリ
ングの断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1 芯部 2 鞘部 3 モノフィラメント 4 側糸 5 被覆樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周部にテルペン系樹脂を2〜20wt
    %含有してなるラケット用ストリング。
  2. 【請求項2】 テルペン系樹脂を2〜20wt%含有し
    てなる樹脂層が合成樹脂製原糸の表面に被覆されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載のラケット用ストリン
    グ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層が前記原糸の表面に2層に亘
    って被覆され、外層におけるテルペン系樹脂の含有率及
    び被覆厚がその内層における該テルペン系樹脂の含有率
    及び被覆厚よりそれぞれ小さいことを特徴とする請求項
    2記載のラケット用ストリング。
  4. 【請求項4】 前記外層における前記テルペン系樹脂の
    含有率が2〜7wt%、被覆厚が2〜7μmで、前記内
    層における前記テルペン系樹脂の含有率が8〜20wt
    %で、被覆厚が30〜80μmであることを特徴とする
    請求項3記載のラケット用ストリング。
JP2000283462A 2000-09-19 2000-09-19 ラケット用ストリング Pending JP2002085599A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177355A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Gosen:Kk ラケット用ストリングの製造方法及び装置
WO2017183285A1 (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 ヨネックス株式会社 ラケット用ストリング
CN109069907A (zh) * 2016-04-27 2018-12-21 尤尼克斯株式会社 弦组、纵线用弦及横线用弦

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