JP3177598B2 - ラケット用ストリング - Google Patents

ラケット用ストリング

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信弘 三好
浩太郎 河野
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東亜ストリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテニス、ス
カッシュ、バドミントン等のラケットに用いられるスト
リングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】古くから、ラケット用ストリングとし
て、羊腸、鯨筋等の天然素材が用いられてきたが、これ
ら天然ストリングは耐久性が十分なものではなかった。
そこで、例えばポリアミド繊維等の合成繊維を用いて耐
久性を向上させた合成ストリングが提案され、ラケット
用ストリングの主流となりつつある。
【0003】ところで、テニスプレーヤーの中には、テ
ニスボールにオーバースピンをかけるドライブストロー
クや、バックスピンをかけるスライスストロークを好む
者が存在する。スピンをかける場合は、単にラケットの
フェース面でテニスボールをはじき返すだけでなく、フ
ェースに張られたストリングでテニスボールが擦られ
る。従って、テニスボールとストリングとの摩擦係数が
高いほど、スピンがかかりやすい。
【0004】摩擦係数を高めてスピンをかけやすくした
ストリングとして、例えば実開昭55−85062号公
報、実開昭59−5958号公報等には、芯材の周りに
側糸を巻き付けて撚目状の凹凸を形成したものが提案さ
れている。また、実開昭59−85258号公報、実開
平2−141471号公報には、ストリングの外周に突
子を設けて凹凸を形成したものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、凹凸が
形成されたこれらのストリングでは、グロメット穴にス
トリングを通したり既に張られた複数本の縦糸の上下交
互に横糸を通したりしてストリングをラケットに張設す
る際、このグロメット穴や既に張られたストリングに凹
凸が引っかかって張設性が著しく低下してしまうことと
なる。張設性を低下させない程度の微少な凹凸を設ける
手段も考えられるが、微少な凹凸ではテニスボールとス
トリングとの摩擦係数を高める効果が低く、十分にはテ
ニスボールにスピンを与えることができなくなってしま
う。
【0006】本発明はこの問題に鑑みてなされたもので
あり、張設性が良好でありながらテニスボールとの摩擦
係数が高く、従って十分にテニスボールにスピンを与え
ることができるストリングを提供することをその目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
になされた発明は、芯材と、該芯材に螺旋状に巻き付け
られた大径側糸とを備えており、該大径側糸の伸び率が
該芯材の伸び率よりも大きく、引張荷重がかけられたと
きには、該芯材がほぼ直線状になり、かつ、該大径側糸
が該芯材の周りに沿った状態となり、該引張荷重が開放
されたときには、該芯材と該大径側糸とが互いに持ち合
った形状となり、該引張荷重がかけられたときの表面の
凹凸の程度が、引張荷重が開放されたときの表面の凹
凸の程度よりも大きいラケット用ストリングである
(請求項1)。
【0008】このストリングは、引張荷重(張力)がか
けられていない張設時には凹凸の程度が小さいため引っ
かかりが少なく、張設性が良好なものである。しかも、
引張荷重がかけられている張設後は、凹凸の程度が大き
くなってテニスボールとの摩擦係数が高くなり、従って
十分にテニスボールにスピンを与えることができる。
【0009】このようなストリングは、具体的には、
大径側糸の直径を該芯材の直径の0.4倍以上1.5倍
以下とすることによって得ることができる(請求項
2)。
【0010】大径側糸の切断時伸びは、芯材の切断時伸
びの3倍以上27倍以下が好ましい(請求項3)。伸び
率がこのような関係となるストリングとしては、芯材の
主要構成材料としてアラミド繊維を用い、大径側糸の材
質としてポリアミドを用いたものが挙げられる(請求項
4)。
【0011】これらの発明において張設性とスピン性能
とを両立させるには、27kgfの引張荷重がかけられ
たときのストリングの見かけ直径を、引張荷重がかけら
れないときのストリングの見かけ直径の1.1倍以上
1.5倍以下とすることが好ましい(請求項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ、本
発明を詳説する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態にかかるラケ
ット用ストリング(以下単に「ストリング」ともいう)
が模式的に示された断面図である。このストリングは、
1本の芯材11、2本の大径側糸13、4本の第一小径側糸
15及び5本の第二小径側糸17を備えている。大径側糸1
3、第一小径側糸15及び第二小径側糸17は、芯材11の周
りに螺旋状に巻き付けられている。芯材11は、主要構成
材料としての2本のアラミド繊維を合撚し、この周りを
6本のポリアミド繊維で側巻きしたものである。大径側
糸13及び第一小径側糸15はポリアミド繊維であり、第二
小径側糸17はアラミド繊維である。大径側糸13の直径
は、芯材11の直径とほぼ同等とされている。なお、図1
中の仮想線(二点差線)Cは、このストリングの外接円
である。
【0014】図2(a)はこのストリングに引張荷重が
かけられていない状態が示された模式図であり、図2
(b)はこのストリングに引張荷重がかけられた状態が
示された模式図である。これらの図において網点模様が
付された部分は芯材11を示しており、網点模様が付され
ていない部分は大径側糸13を示している。
【0015】このストリングは、前述のように芯材11の
周りに大径側糸13等が螺旋状に巻き付けられて製造され
る。巻き付け時には芯材11に引張荷重がかけられるの
で、図2(b)に示されるように芯材11はほぼ直線状と
なり、その周りに大径側糸13が沿うように巻き付けられ
る。この際、大径側糸13にもある程度の引張荷重がかけ
られるので、伸び率の大きなポリアミド繊維からなる大
径側糸13は引き伸ばされた状態となる。巻き付け後に引
張荷重が開放されると、この大径側糸13が弛緩(収縮)
する。一方、伸び率の小さな芯材11はほとんど弛緩しな
い。この結果、大径側糸13の直径が芯材11の直径とほぼ
同等であることとも相まって、大径側糸13には芯材11を
屈曲させる力が発生する。そして、図2(a)に示され
るように芯材11と大径側糸13とが互いに持ち合った形状
となり、ストリングの表面はほぼ平滑となる。この状態
でストリングがラケットに張設されても、グロメット穴
や既に張られたストリングにストリングが引っかかるこ
とがなく、張設性が良好となる。張設後は、ストリング
に例えば27kgf(約60ポンド)程度の引張荷重が
加えられる。そうすると、アラミド繊維を主要構成材料
とする芯材11はほとんど伸びないので、図2(b)に示
されるようにほぼ直線状となる。一方、ポリアミド繊維
である大径側糸13は引張荷重によりある程度伸びるの
で、図2(b)に示されるように芯材11の周りに沿った
状態となる。そして、この大径側糸13により、ストリン
グに撚目状の凹凸が形成される。同時に、ストリングの
見かけ直径(ストリングの外接円の直径)が、図2
(a)のD1で示される状態から図2(b)のD2で示
される状態へと拡径する。こうして凹凸が形成されたス
トリングはテニスボールとの摩擦係数が高いので、テニ
スボールに十分スピンを与えることができる。
【0016】図1に示されたストリングでは、芯材11の
主要構成材料としてアラミド繊維を用いており、大径側
糸13としてポリアミド繊維を用いているが、用いられる
繊維の組み合わせはこれには限られない。大径側糸13の
伸び率が芯材11の伸び率よりも大きくなる組み合わせで
あれば、どのような繊維を用いても構わない。具体的に
は大径側糸13の切断時伸びを、芯材の切断時伸びの3倍
以上27倍以下、特に5倍以上20倍以下とするのが好
ましい。大径側糸13の切断時伸びが上記範囲未満である
と、ストリングに引張荷重がかけられても芯材11と大径
側糸13とが持ち合い状態を維持してしまい、ラケットに
張設した後の凹凸の程度が小さくなってしまうことがあ
る。切断時伸びが上記範囲を越えるような大径側糸13を
用いると、製造時に大径側糸13を巻き付けた後引張荷重
を開放しても芯材11を屈曲させる力があまり発生せず、
ストリングの表面が平滑とならずに張設性が低下してし
まうことがある。
【0017】なお、本明細書で用いる「切断時伸び」と
いう用語は、芯材11又は大径側糸13を254mm/mi
nの引張速度で切断するまで引っ張った場合の、元の長
さをLo、切断する直前の長さをLxとしたときの、下
記式 [(Lx−Lo)/Lo]×100 (%) で導かれる値を意味する。
【0018】大径側糸13とは、側糸の中でその直径が芯
材11の直径の0.4倍以上1.5倍以下のもののことで
あり、特にその直径を芯材11の直径の0.5倍以上1.
2以下とするのが好ましい。大径側糸13の直径が上記範
囲未満であると、製造時に大径側糸13を巻き付けた後引
張荷重を開放しても芯材11を屈曲させるだけの力を発生
させることができず、ストリングの表面が平滑とならず
に張設性が低下してしまうとともに、張設後の凹凸の程
度が少なくなってしまうことがある。大径側糸13の直径
が上記範囲を越えると、ストリング表面に大径側糸13が
大きく浮き上がり、ラケットに張設する前から凹凸の程
度が大きくなって張設性が低下してしまうことがある。
なお、本明細書において、この芯材11のように複数の繊
維を組み合わせて構成される場合の「芯材の直径」とい
う用語は、この芯材11の外接円の直径を意味する。
【0019】このストリングにおいて、大径側糸13を芯
材11の周りに螺旋状に巻き付けて引張荷重を開放した
際、大径側糸13に芯材11を屈曲させる力を発生させるに
は、大径側糸13として弾性係数の高いものを用いるのが
好ましい。好ましい大径側糸13の材質としては、例えば
合成樹脂が挙げられる。
【0020】このストリングにおいて、27kgfの引
張荷重がかけられたときのストリングの見かけ直径(図
2(b)中のD2)を、引張荷重がかけられないときの
ストリングの見かけ直径(図2(a)中のD1)の1.
1倍以上1.5倍以下とするのが好ましい。こうするこ
とにより、引張荷重がかけられないときの平滑性、すな
わち張設性と、引張荷重がかけられたときのスピン性能
との両立を図ることができる。
【0021】このストリングでは、前述のように2本の
アラミド繊維を合撚してこの周りを6本のポリアミド繊
維で側巻きして芯材11を構成しているが、芯材11に用い
られるアラミド繊維及びポリアミド繊維の数は、増減さ
れてもよい。
【0022】図3は、本発明の他の実施形態にかかるラ
ケット用ストリングが模式的に示された断面図である。
このストリングは、1本の芯材11、3本の大径側糸13、
7本の第一小径側糸15及び4本の第二小径側糸17を備え
ている。大径側糸13、第一小径側糸15及び第二小径側糸
17は、芯材11の周りに螺旋状に巻き付けられている。芯
材11は、主要構成材料としての1本のアラミド繊維を撚
入れし、この周りを6本のポリアミド繊維で側巻きした
ものである。大径側糸13及び第一小径側糸15はポリアミ
ド繊維であり、第二小径側糸17はアラミド繊維である。
【0023】このストリングでも、図1に示されたスト
リングと同様、大径側糸13に芯材11の主要構成材料であ
るアラミド繊維よりも伸び率の大きなポリアミド繊維を
用いており、また大径側糸13の直径が芯材11の直径の
0.4倍以上1.5倍以下とされている。従って、引張
荷重がかかっていない状態では表面が平滑であり、張設
時にストリングがグロメット穴や既に張られたストリン
グに引っかかることがなく、張設性が良好となる。ま
た、張設後は引張荷重がかけられるのでストリングに撚
目状の凹凸が形成され、テニスボールとの摩擦係数が高
められてテニスボールに十分スピンを与えることができ
る。
【0024】図4(a)から図4(c)は、それぞれ本
発明のさらに他の実施形態にかかるラケット用ストリン
グが模式的に示された断面図である。図4(a)に示さ
れたストリングは、1本の芯材11、2本の大径側糸13、
5本の第一小径側糸15及び5本の第二小径側糸17を備え
ている。また、図4(b)に示されたストリングは、1
本の芯材11及び2本の大径側糸13を備えている。また、
図4(c)に示されたストリングは、1本の芯材11、2
本の大径側糸13、8本の第一小径側糸15及び4本の第二
小径側糸17を備えている。これら図4(a)から図4
(c)に示されたストリングも、図1に示されたストリ
ングと同様、大径側糸13に芯材11の主要構成材料である
アラミド繊維よりも伸び率の大きなポリアミド繊維を用
いており、また大径側糸13の直径が芯材11の直径の0.
4倍以上1.5倍以下とされている。従って、引張荷重
がかかっていない状態では表面が平滑であり、張設時に
ストリングがグロメット穴や既に張られたストリングに
引っかかることがなく、張設性が良好となる。また、張
設後は引張荷重がかけられるのでストリングに撚目状の
凹凸が形成され、テニスボールとの摩擦係数が高められ
てテニスボールに十分スピンを与えることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳説する。
【0026】[実施例1]図1に示されたタイプのスト
リングを得るべく、1000デニールのアラミド繊維
(帝人社製の「テクノーラ」)2本を合撚し、これに1
05デニールのポリアミド繊維6本で側巻きして芯材11
を得た。この芯材11の直径は、0.56mm、切断時伸
びは4.6%であった。
【0027】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての14号ポリアミド製モノフ
ィラメント糸(直径0.62mm、切断時伸び26.8
%)2本、第一小径側糸15としての0.8号ポリアミド
製モノフィラメント糸4本及び第二小径側糸17としての
177デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノ
ーラ」)5本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。
この組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングし
て、実施例1のストリングを得た。
【0028】[実施例2]図4(a)に示されたタイプ
のストリングを得るべく、1000デニールのアラミド
繊維(帝人社製の「テクノーラ」)2本を合撚し、これ
に105デニールのポリアミド繊維6本で側巻きして芯
材11を得た。この芯材11の直径は、0.56mm、切断
時伸びは4.6%であった。
【0029】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての8号ポリアミド製モノフィ
ラメント糸(直径0.48mm、切断時伸び27.6
%)2本、第一小径側糸15としての0.8号ポリアミド
製モノフィラメント糸5本及び第二小径側糸17としての
177デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノ
ーラ」)5本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。
この組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングし
て、実施例2のストリングを得た。
【0030】[実施例3]図4(b)に示されたタイプ
のストリングを得るべく、1000デニールのアラミド
繊維(帝人社製の「テクノーラ」)2本を合撚し、これ
に105デニールのポリアミド繊維6本で側巻きした。
そして、これにポリアミド樹脂製の接着剤を塗工し、
0.8号ポリアミド製モノフィラメント糸7本及び17
7デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノー
ラ」)7本を第二次側巻きして、芯材11を得た。この芯
材11の直径は、0.83mm、切断時伸びは4.4%で
あった。
【0031】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての6号ポリアミド製モノフィ
ラメント糸(直径0.42mm、切断時伸び26.4
%)2本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。この
組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングして、実
施例3のストリングを得た。
【0032】[実施例4]図3に示されたタイプのスト
リングを得るべく、3000デニールのアラミド繊維
(帝人社製の「テクノーラ」)1本を撚入れし、これに
105デニールのポリアミド繊維6本で側巻きして芯材
11を得た。この芯材11の直径は、0.65mm、切断時
伸びは4.5%であった。
【0033】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての6号ポリアミド製モノフィ
ラメント糸(直径0.42mm、切断時伸び26.4
%)3本、第一小径側糸15としての0.8号ポリアミド
製モノフィラメント糸7本及び第二小径側糸17としての
177デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノ
ーラ」)4本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。
この組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングし
て、実施例4のストリングを得た。
【0034】[実施例5]図4(c)に示されたタイプ
のストリングを得るべく、3000デニールのアラミド
繊維(帝人社製の「テクノーラ」)1本を撚入れし、こ
れに105デニールのポリアミド繊維6本で側巻きして
芯材11を得た。この芯材11の直径は、0.65mm、切
断時伸びは4.5%であった。
【0035】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての8号ポリアミド製モノフィ
ラメント糸(直径0.48mm、切断時伸び27.6
%)2本、第一小径側糸15としての0.8号ポリアミド
製モノフィラメント糸8本及び第二小径側糸17としての
177デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノ
ーラ」)4本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。
この組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングし
て、実施例5のストリングを得た。
【0036】[実施例6]図4(c)に示されたタイプ
のストリングを得るべく、3000デニールのアラミド
繊維(帝人社製の「テクノーラ」)1本を撚入れし、こ
れに105デニールのポリアミド繊維6本で側巻きして
芯材11を得た。この芯材11の直径は、0.65mm、切
断時伸びは4.6%であった。
【0037】この芯材11にポリアミド樹脂製の接着剤を
塗工し、大径側糸13としての10号ポリアミド製モノフ
ィラメント糸(直径0.54mm、切断時伸び26.0
%)2本、第一小径側糸15としての0.8号ポリアミド
製モノフィラメント糸8本及び第二小径側糸17としての
177デニールのアラミド紡績糸(帝人社製の「テクノ
ーラ」)4本を螺旋状に巻き付けて、組糸を作製した。
この組糸の表面を、ポリアミド樹脂でコーティングし
て、実施例6のストリングを得た。
【0038】[各実施例のストリングの評価] [見かけ直径の測定]各実施例のストリングの見かけ直
径を、引張荷重なしの状態及び引張荷重27kgfの状
態で測定した。それぞれ5カ所ずつ測定し、その平均値
を算出した。これらの結果が、下記の表1に示されてい
る。
【0039】[張設性の評価]各実施例のストリングを
ラケットに張設し、その際の張設性を評価した。凹凸が
設けられていない通常のストリングと同等のものを「良
好」とした。この結果が下記の表1に示されている。
【0040】[スピン性能の評価]各実施例のストリン
グが張設されたラケットを用意し、上級クラスのアマチ
ュアプレーヤーにストロークしてもらい、スピンのかか
り易さを評価した。凹凸が設けられていない通常のスト
リングよりもスピンがかかりやすいものを「良好」とし
た。この結果が下記の表1に示されている。
【0041】
【表1】
【0042】表1において、いずれのストリングも、引
張荷重27kgfの状態で測定した見かけ直径D2と引
張荷重なしの状態で測定した見かけ直径D1との比であ
るD2/D1の値が、1.1以上となっている。このこ
とは、引張荷重がかけられないときの凹凸の程度が小さ
く、かつ引張荷重がかけられたときの凹凸の程度が大き
いことを示している。引張荷重がかけられないときの凹
凸の程度が小さいということは表面が平滑ということで
あり、それ故に各ストリングとも張設性の評価が「良
好」となっている。また、引張荷重がかけられたときの
凹凸の程度が大きいということはテニスボールとの摩擦
係数が大きいということであり、それ故に各ストリング
ともスピン性能の評価が「良好」となっている。これら
の各評価結果より、本発明の優位性が証明された。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のラケット
用ストリングを用いれば、張設性とスピン性能とを両立
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるラケット
用ストリングが模式的に示された断面図である。
【図2】図2(a)は図1に示されたストリングに引張
荷重がかけられていない状態が示された模式図であり、
図2(b)はこのストリングに引張荷重がかけられた状
態が示された模式図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態にかかるラケッ
ト用ストリングが模式的に示された断面図である。
【図4】図4(a)から図4(c)は、それぞれ本発明
のさらに他の実施形態にかかるラケット用ストリングが
模式的に示された断面図である。
【符号の説明】
11・・・芯材 13・・・大径側糸 15・・・第一小径側糸 17・・・第二小径側糸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−275404(JP,A) 特開 昭55−108375(JP,A) 特公 平6−34842(JP,B2) 実公 平2−199(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 51/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材と、該芯材に螺旋状に巻き付けられ
    た大径側糸とを備えており、 該大径側糸の伸び率が該芯材の伸び率よりも大きく、 引張荷重がかけられたときには、該芯材がほぼ直線状に
    なり、かつ、該大径側糸が該芯材の周りに沿った状態と
    なり、該引張荷重が開放されたときには、該芯材と該大
    径側糸とが互いに持ち合った形状となり、 引張荷重がかけられたときの表面の凹凸の程度が、
    引張荷重が開放されたときの表面の凹凸の程度よりも大
    きいラケット用ストリング。
  2. 【請求項2】 大径側糸の直径が芯材の直径の0.
    4倍以上1.5倍以下である請求項1に記載のラケット
    用ストリング。
  3. 【請求項3】 大径側糸の切断時伸びが、芯材の切
    断時伸びの3倍以上27倍以下である請求項2に記載の
    ラケット用ストリング。
  4. 【請求項4】 芯材の主要構成材料がアラミド繊維で
    あって、大径側糸の材質がポリアミドである請求項2
    又は3に記載のラケット用ストリング。
  5. 【請求項5】 27kgfの引張荷重がかけられたとき
    のストリングの見かけ直径が、引張荷重がかけられない
    ときのストリングの見かけ直径の1.1倍以上1.5倍
    以下である請求項1から4のいずれかに記載のラケット
    用ストリング。
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