JP2002036810A - 車輪駆動用軸受ユニット - Google Patents

車輪駆動用軸受ユニット

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JP2002036810A
JP2002036810A JP2000220385A JP2000220385A JP2002036810A JP 2002036810 A JP2002036810 A JP 2002036810A JP 2000220385 A JP2000220385 A JP 2000220385A JP 2000220385 A JP2000220385 A JP 2000220385A JP 2002036810 A JP2002036810 A JP 2002036810A
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female
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JP2000220385A
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Takeo Okuma
健夫 大熊
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NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブ4aと駆動軸部材18bとの回転方向に
関する相対変位を抑えて、トルク変動時に、スプライン
軸17とスプライン孔14とのスプライン係合部40で
歯打ち音が発生するのを防止する。 【解決手段】 上記駆動軸部材18bの中間部に雄側嵌
合部41を、上記ハブ4aの内端部に雌側嵌合部42
を、それぞれ設ける。このうちの雄側嵌合部41には、
ローレット加工により細かい凹凸を形成し、その外周面
を焼き入れ硬化させる。上記ハブ4aと駆動軸部材18
bとの組み合わせに伴って、上記雄側嵌合部41と雌側
嵌合部42とを圧入嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車輪駆動用軸
受ユニットは、等速ジョイントとハブユニットとを一体
化したもので、独立懸架式サスペンションに支持された
駆動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、F
R車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エン
ジン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全
輪}を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、上
記駆動輪を回転駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた軸受ユニットが、各種使用されている。又、
独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持すると共に、
この駆動輪を回転駆動する為の車輪駆動用軸受ユニット
は、等速ジョイントと組み合わせて、デファレンシャル
ギヤと駆動輪との相対変位や車輪に付与された舵角に拘
らず、駆動軸の回転を上記車輪に対して円滑に(等速性
を確保して)伝達する必要がある。図3は、この様な目
的で車輪支持用軸受ユニット1と等速ジョイント2とを
組み合わせた、一般的な自動車用車輪駆動装置を示して
いる。
【0003】上記車輪支持用軸受ユニット1は、外輪3
の内径側にハブ4及び内輪5を、複数個の転動体6、6
を介して回転自在に支持して成る。このうちの外輪3
は、その外周面に設けた第一のフランジ7により懸架装
置を構成するナックル8(後述する図4参照)に結合固
定した状態で、使用時にも回転しない。又、上記外輪3
の内周面には、複列の外輪軌道9、9を設けて、この外
輪3の内径側に上記ハブ4及び内輪5を、この外輪3と
同心に、回転自在に支持している。
【0004】このうちのハブ4は、外周面の外(軸方向
に関しては、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外
側。本明細書全体で同じ。各図の左側。)端寄り部分
に、車輪を支持する為の第二のフランジ10を設けてい
る。又、上記ハブ4の外周面の中間部に第一の内輪軌道
11を形成し、同じく内(軸方向に関しては、自動車へ
の組み付け状態で車両の幅方向中央側。本明細書全体で
同じ。各図の右側。)端寄り部分に形成した小径段部1
2に、その外周面に第二の内輪軌道13を形成した上記
内輪5を外嵌固定している。又、上記ハブ4の中心部に
は、スプライン孔14を設けている。
【0005】一方、上記等速ジョイント2は、等速ジョ
イント用外輪15と、等速ジョイント用内輪16と、ス
プライン軸17とを備える。このうちの等速ジョイント
用外輪15とスプライン軸17とが、駆動軸部材18を
構成する。即ち、このスプライン軸17は上記駆動軸部
材18の外端部に設けられて、上記スプライン孔14と
係合自在であり、上記等速ジョイント用外輪15は上記
駆動軸部材18の内端部に設けられている。この等速ジ
ョイント用外輪15の内周面の円周方向複数個所には外
側係合溝19、19を、それぞれこの円周方向に対し直
角方向に形成している。又、上記等速ジョイント2を構
成する、上記等速ジョイント用内輪16は、中心部に第
二のスプライン孔20を、その外周面で上記各外側係合
溝19、19と整合する部分に内側係合溝21、21
を、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成している。
そして、これら各内側係合溝21、21と上記各外側係
合溝19、19との間にボール22、22を、保持器2
3により保持した状態で、これら各係合溝21、19に
沿う転動自在に設けている。尚、上記等速ジョイント2
の構成各部の形状等に就いては、周知のツェッパ型等速
ジョイントの場合と同様であり、本発明の要旨とは関係
しないので、詳しい説明は省略する。
【0006】上述の様な等速ジョイント2と前述の様な
車輪支持用軸受ユニット1とは、上記スプライン軸17
を上記ハブ4のスプライン孔14に、軸方向に関して内
側から外側に挿通する。そして、上記スプライン軸17
の外端部で上記ハブ4の外端面から突出した部分に設け
た雄ねじ部24にナット25を螺合し、更に緊締する事
により、互いに結合固定する。この状態で、前記内輪5
の内端面は上記等速ジョイント用外輪15の外端面に当
接するので、この内輪5が前記小径段部12から抜け出
る方向に変位する事はない。同時に、前記各転動体6、
6に適正な予圧が付与される。
【0007】更に、自動車の懸架装置への組み付け状態
では、前記等速ジョイント用内輪16の中心部に設けた
第二のスプライン孔20に、駆動軸26の外端部に設け
た雄スプライン部27をスプライン係合させる。そし
て、この雄スプライン部27の外端部外周面に全周に亙
って形成した係止溝28に係止した止め輪29を、上記
第二のスプライン孔20の外端開口周縁部に形成した係
止段部30に係合させて、上記雄スプライン部27が上
記第二のスプライン孔20から抜け出る事を防止する。
尚、上記駆動軸26の内端部は、図示しないデファレン
シャルギヤの出力軸部に設けた、やはり図示しないトリ
ポード型等速ジョイントのトラニオンの中心部に結合固
定する。
【0008】又、米国特許第4881842号明細書に
は、図4に示す様な車輪駆動用軸受ユニットが記載され
ている。この図4に示した従来構造の第2例の場合も、
ナックル8に固定した外輪3の内側にハブ4を、複列に
配置した転動体6、6により回転自在に支持している。
そして、このハブ4の中心部に形成したスプライン孔1
4に、駆動軸部材18aのスプライン軸17をスプライ
ン係合させている。このスプライン軸17の外端面に
は、このスプライン軸17を上記スプライン孔14に引
き込む為の工具を係止する、係止部31を形成してい
る。そして、上記スプライン軸17の外周面先端寄り部
分に形成した、内側係合部である係止溝32と、上記ハ
ブ4の内周面でこの係止溝32に対向する部分に設けら
れた、外側係合部である係止段部35とに止め輪33を
掛け渡す事により、上記スプライン軸17が上記ハブ4
から抜け出る事を防止している。又、この状態で、この
ハブ4と上記駆動軸部材18aの等速ジョイント用外輪
15との間で弾性リング34を弾性的に圧縮している。
又、上記ハブ4の内端寄り部分に、その外周面に第二の
内輪軌道13を形成した内輪5を外嵌すると共に、上記
ハブ4の内端部で上記内輪5の内端面よりも軸方向内方
に突出した部分の外周面に形成した係止溝36に、止め
輪37を係止している。そして、この止め輪37により
上記内輪5の内端面を抑え付けて、この内輪5の軸方向
へのずれ防止を図っている。
【0009】この様な上記米国特許第4881842号
明細書に記載された従来構造の第2例によれば、車輪支
持用軸受ユニット1aと等速ジョイント2aとの結合作
業を容易に行なえる。即ち、前述の図3に示した従来構
造の第1例の場合、車輪支持用軸受ユニット1と等速ジ
ョイント2とを結合する為に、スプライン軸17の雄ね
じ部24にナット25を螺合し、更に緊締する、面倒な
作業が必要となる。この様に上記車輪支持用軸受ユニッ
ト1と等速ジョイント2との結合作業が面倒であると、
車輪駆動用軸受ユニットの組立に要するコストが嵩む原
因となる。又、上記雄ねじ部24とナット25とを設け
る分、車輪駆動用軸受ユニットが大型化し、重量も嵩
む。これに対して、上述した従来構造の第2例の場合に
は、車輪支持用軸受ユニット1aと等速ジョイント2a
とを結合するのに、ハブ4の外端部内周面とスプライン
軸17の外端部外周面との間に、止め輪33を掛け渡す
だけで良い為、上記車輪支持用軸受ユニット1aと等速
ジョイント2aとの結合作業を容易に行なえて、組立に
要するコストの低減を図れる。
【0010】但し、上述した従来構造の何れの場合にし
ても、スプライン軸17の外周面に形成した雄スプライ
ン部38と、スプライン孔14の内周面に形成した雌ス
プライン部39とから成るスプライン係合部40の各歯
の円周方向に対向する側面同士の間に、中立状態(スプ
ライン軸17とハブ4との間でトルクが伝達されない状
態)で微小な隙間が生じる可能性がある。スプライン軸
17とハブ4との間では、このスプライン係合部40を
介してトルクを伝達するが、上述の様に雄、雌各スプラ
イン部38、39の各歯の側面同士の間に微小な隙間が
生じると、自動車の加減速時等に、上記雄、雌両スプラ
イン部38、39同士が円周方向に、僅かとは言え相対
変位する。そして、この相対変位に基づいて、これら両
スプライン部38、39の各歯の側面同士が衝撃的に強
く当接する事により、自動車の乗員に耳障りな歯打ち音
が発生する可能性がある。図3に示した従来構造の第1
例の場合には、前記ナット25の緊締により、前記ハブ
4及び内輪5と、このナット25及び前記駆動軸部材1
8との間に大きな摩擦力が作用する為、衝撃的に強く当
接する事はなく、特に大きな歯打ち音が発生する事は少
ない。これに対して、図4に示した従来構造の第2例の
場合には、スプライン軸17とハブ4との相対回転を阻
止する様な摩擦力があまり作用しない為、何らの対策も
施さない場合には、大きな歯打ち音が発生し易い。
【0011】そこで、上述した従来構造を実施する場合
には、例えば、上記雄スプライン部38の各歯を、上記
スプライン軸17の中心軸に対し(例えば10分程度)
傾斜させる様にねじり角を与えた形状に形成する事が考
えられている。又、この場合、上記雄スプライン部38
とスプライン係合させる上記雌スプライン部39の各歯
には、ねじり角を与えず、この雌スプライン部39の各
歯を、スプライン孔14の中心軸に対し平行に形成す
る。尚、上記雄スプライン部38は、上記スプライン軸
17の外周面に転造加工を施して、上述の様にねじり角
を与えた所定の形状に形成した後に、高周波焼き入れ処
理を施す事で、表面を硬化させる。これに対して、上記
雌スプライン部39は、上記スプライン孔14の内周面
にブローチ加工を施す事で、上述の様にねじり角を与え
ない所定の形状に形成した後、未焼き入れ状態のままと
する。
【0012】上述の様に雄スプライン部38を、ねじり
角を与えた形状に形成すれば、上記車輪支持用軸受ユニ
ット1aと等速ジョイント2aとを結合した状態で、上
記雄、雌両スプライン部38、39の各歯の側面同士
が、軸方向両端部で互いに押し付け合う為、自動車の走
行時に上記歯打ち音が発生するのを防止できる。これに
対して、上記雄、雌両スプライン部38、39の各歯を
軸方向に対し平行に形成すると共に、円周方向に隣り合
う各歯同士の間隔を規制する事により、これら両スプラ
イン部38、39の各歯の側面同士を軸方向全長に亙り
強く押し付け合わせる構造とする事も考えられる。この
様な構造の場合にも、上記歯打ち音の発生を防止できる
が、この場合には、形状並びに寸法精度を非常に厳密に
規制しなければならず、コストが嵩むだけでなく、上記
スプライン孔14内に上記スプライン軸17を圧入する
のに要する力(圧入力)が過大となる為、好ましくな
い。これに対して、上述の様に雄スプライン部38を、
ねじり角を与えた形状に形成する事で上記歯打ち音の発
生防止を図る場合には、上記各スプライン部38、39
の各歯の側面同士が軸方向両端部のみで互いに押し付け
合う為、上記圧入力を小さくできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した従来構造
の第2例の場合、ハブ4と駆動軸部材18aとの結合作
業を容易にできる反面、雄スプライン部38と雌スプラ
イン部39とのスプライン係合部40の耐久性を十分に
確保するのが難しい。この理由に就いて、以下に説明す
る。上述した従来構造の第2例の如く、止め輪33によ
る結合構造を採用する場合、上記駆動軸部材18aから
上記ハブ4へのトルクの伝達は、主に、上記雄スプライ
ン部38と雌スプライン部39とのスプライン係合部4
0で行なう。この為、自動車の走行時に、このスプライ
ン係合部40に大きなトルクが加わり、このスプライン
係合部40でフレッチング摩耗が発生し易くなる。
【0014】即ち、上述した従来構造の第2例で歯打ち
音を抑える場合には、上記雌スプライン部39を構成す
る雌スプライン歯を上記ハブ4の中心軸と平行に形成す
ると共に、上記雄スプライン部38を構成する雄スプラ
イン歯を上記駆動軸部材18aの中心軸の方向に対して
捩れ角を持たせた方向に形成して、上記両スプライン部
38、39同士のスプライン係合部40を締め代を持た
せた嵌合状態にする。この為、このスプライン係合部4
0では、上記各雌スプライン歯と上記各雄スプライン歯
とが、互いに軸方向の全長に亙って接触する事なく、軸
方向の一部でのみ強く接触する状態となる。従って、こ
の接触部の面圧が大きくなり、この接触部で上記フレッ
チング摩耗がより発生し易くなる。この結果、このフレ
ッチング摩耗に基づいて上記スプライン係合部40に円
周方向の隙間が生じ易くなり、このスプライン係合部4
0の円周方向のがたつきが大きくなるまでの時間が短く
なる為、このスプライン係合部40の耐久性を十分に確
保するのが難しい。本発明の車輪駆動用軸受ユニット
は、上述の様な原因による上記フレッチング摩耗を防止
すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪駆動用軸受
ユニットは、前述の図4に示した従来構造の第2例と同
様に、外輪と、ハブと、転動体と、駆動軸部材と、止め
輪とを備える。このうちの外輪は、外周面に懸架装置に
結合固定する為の第一のフランジを、内周面に複列の外
輪軌道を、それぞれ有し、使用時にも回転しない。又、
上記ハブは、外周面の外端寄り部分に車輪を支持する為
の第二のフランジを、同じく中間部に直接又は別体の内
輪を介して第一の内輪軌道を、中心部にスプライン孔
を、それぞれ設けると共に、外周面の内端寄り部分にそ
の外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪を外嵌固定し
ている。又、上記転動体は、上記各外輪軌道と上記第
一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ、転
動自在に設けられている。又、上記駆動軸部材は、上記
スプライン孔とスプライン係合するスプライン軸を外端
部に設けると共に、内端部を等速ジョイントを構成する
等速ジョイント用外輪としている。更に、上記止め輪
は、上記スプライン軸の外端部外周面に設けられた内側
係合部と上記ハブの内周面でこの内側係合部に対向する
部分に設けられた外側係合部との間に掛け渡されて、上
記スプライン軸が上記スプライン孔から抜け出るのを防
止する。
【0016】特に、本発明の車輪駆動用軸受ユニットに
於いては、上記駆動軸部材の中間部外周面に、細かい凹
凸を形成した状態で焼き入れ硬化された円筒面状の雄側
嵌合部を、上記ハブの内端部に円筒面状の雌側嵌合部
を、それぞれ形成している。そして、これら雄側嵌合部
と雌側嵌合部とを、雄側嵌合部側に設けた上記凹凸を雌
側嵌合部に食い込ませる状態で圧入嵌合させている。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪駆動用軸受ユ
ニットによれば、組立作業の容易化を図れると共に、ス
プライン軸の外周面に設けた雄スプライン部と、スプラ
イン孔の内周面に設けた雌スプライン部との間のスプラ
イン係合部での歯打ち音の発生防止を図れる。即ち、本
発明によれば、ハブとスプライン軸との結合を止め輪に
より行なう為、組立作業の容易化を図れる。更に、上記
スプライン係合部から外れた部分で雄側嵌合部と雌側嵌
合部とを、雄側嵌合部側に設けた上記凹凸を雌側嵌合部
に食い込ませる状態で圧入嵌合させている為、上記ハブ
と上記スプライン軸とが、回転方向に関して勢い良く相
対変位する事がない。この為、上記雄スプライン部を構
成する各雄スプライン歯の側面と、上記雌スプライン部
を構成する各雌スプライン歯の側面とが勢い良く衝突す
る事がなくなり、上記歯打ち音の発生を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、本発明の特徴は、車輪支持用軸
受ユニット1bと等速ジョイント2bとの結合作業の容
易化を図ると共に、スプライン軸17とスプライン孔1
4との間のスプライン係合部40での歯打ち音の発生防
止を図るべく、ハブ4aと駆動軸部材18bとの結合部
の構造を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作
用は、前述の図4に示した従来構造の第2例の場合とほ
ぼ同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複
する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴
部分、並びに上記従来構造の第2例と異なる部分を中心
に説明する。
【0019】本例の場合、炭素鋼の如く、焼き入れ硬化
可能な鉄系金属により造られた上記駆動軸部材18bの
中間部で、スプライン軸17と等速ジョイント用外輪1
5との間部分に、雄側嵌合部41を形成している。この
雄側嵌合部41は、上記スプライン軸17よりも少し大
径であり、外周面には細かい凹凸を、ローレット加工に
より形成している。尚、この細かい凹凸の形状は特に限
定はしないが、好ましくは、セレーションを細かくした
如き、それぞれが軸方向(図1の左右方向)に長い凹溝
及び突条を、円周方向に関して交互に且つ等間隔で形成
したものを使用する。何れにしても、上記雄側嵌合部4
1の外周面は、ローレット加工により上記細かい凹凸を
形成した後、焼き入れ硬化している。
【0020】一方、やはり炭素鋼の如き鉄系金属により
造られた、上記ハブ4aの内端部(図1の右端部)に
は、円筒面状の雌側嵌合部42を形成している。この雌
側嵌合部42の内径は、上記ハブ4aに形成したスプラ
イン孔14よりも大径である。従って、上記雌側係合部
42をその内周面に形成した部分の肉厚は、他の部分の
肉厚よりも小さくなっている。又、上記雌側嵌合部42
の自由状態での内径は、上記雄側嵌合部41の自由状態
での外径(細かい凹凸の外接円の直径)よりも、僅かに
小さい。
【0021】上述の様な雄側嵌合部41を有する上記駆
動軸部材18bと、上述の様な雌側嵌合部42を有する
上記ハブ4aとは、上記スプライン軸17を上記スプラ
イン孔14に挿入すると共に、上記雄側嵌合部41を上
記雌側嵌合部42に圧入する状態に組み合わせる。この
状態で、この雄側嵌合部41の外周面に形成した細かい
凹凸を構成する多数の突条の頂部が、上記雌側嵌合部4
2の内周面に食い込む。この食い込みに伴って、上記駆
動軸部材18bと上記ハブ4aとの、回転方向に関する
相対変位が抑えられる。この為、上記スプライン軸17
の雄スプライン部38と、上記スプライン孔14の雌ス
プライン部39とを係合させて成るスプライン係合部4
0に、多少のがたつきが存在しても、これら両スプライ
ン部38、39を構成する各歯の側面同士が勢い良くぶ
つかる事を防止して、自動車の走行時に上記歯打ち音が
発生するのを防止できる。尚、上記両スプライン部3
8、39を構成する各歯の側面同士の間に微小な隙間が
存在した場合には、この隙間が喪失するまで、上記駆動
軸部材18bと上記ハブ4aとが回転方向に、微小角度
だけ相対変位する。この様な相対変位の際には、上記雌
側嵌合部42を設けた上記ハブ4aの内端部が、微小量
だけ、捩り方向に弾性変形して、上記微小角度分の相対
変位を補償する。この内端部は肉厚が小さく、弾性変形
し易い為、この相対変位の補償は円滑に行なわれる。
【0022】この様に、上記雄側嵌合部41と上記雌側
嵌合部42との圧入嵌合により上記歯打ち音の発生を防
止している事に伴って、上記雄スプライン部38と上記
雌スプライン部39とを、何れも、捩り角を持たない、
真っ直ぐなスプラインとしている。従って、上記雄スプ
ライン部38と上記雌スプライン部39とを構成する各
スプライン歯は、それぞれ軸方向のほぼ全長に亙って、
均等に当接する。この為、当接面積が広くなり、当接圧
が低くなって、当接部が摩耗しにくくなる。この様に当
接部が摩耗しにくくなる事に伴って、上記雄スプライン
部38と上記雌スプライン部39とを、何れも、焼き入
れ等の、硬化の為の熱処理を施さない、生の状態のまま
としている。尚、上記ハブ4aの内端面と前記等速ジョ
イント用外輪15の外端面との間にはOリング45を挾
持して、上記両スプライン部38、39同士のスプライ
ン係合部に泥水等の異物が入り込まない様にしている。
【0023】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、外輪3aの外周面を
単なる円筒形とし、懸架装置への取付時にこの外輪3a
を、ナックル8(図1、4参照)に設けた取付孔に内嵌
固定する様にしている。又、ハブ4bの外周面に複列の
第一、第二の内輪軌道11a、13aを設けるべく、こ
のハブ4bの本体部分に、それぞれの外周面にこれら第
一、第二の内輪軌道11a、13aを設けた、1対の内
輪5a、5bを外嵌し、かしめ部43により固定してい
る。
【0024】又、このかしめ部43の端面を、駆動軸部
材18cを構成する、等速ジョイント用外輪15の外端
面に、当接若しくは近接させている。そして、この等速
ジョイント用外輪15の外端面に形成した保持溝44に
保持したOリング45を上記かしめ部43の端面に弾性
的に当接させて、このかしめ部43と上記等速ジョイン
ト用外輪15との間をシールしている。又、本例の場合
には、上記ハブ4bの内周面に設ける外側係合部を、ス
プライン孔14の外端縁部に形成した段部46としてい
る。車輪駆動用車軸ユニットの組み立て時にこの段部4
6には、スプライン軸17の外周面に形成した係止溝3
2に係止した止め輪33が係合し、このスプライン軸1
7が上記スプライン孔14から抜け出る事を防止する。
【0025】上述の様な構造により、上記ハブ4bと上
記駆動軸部材18Cとを結合した本例の場合にも、炭素
鋼の如く、焼き入れ硬化可能な鉄系金属により造られた
上記駆動軸部材18cの中間部で、上記スプライン軸1
7と等速ジョイント用外輪15との間部分に、雄側嵌合
部41aを形成している。そして、この雄側嵌合部41
aの外周面に、ローレット加工に基づいて、雄セレーシ
ョンのピッチを細かくした如き細かな凹凸を形成すると
共に、この凹凸を形成した外周面部分を、焼き入れ硬化
させている。
【0026】一方、上記ハブ4bの内端部で上記かしめ
部43の基端部に対応する部分の内周面には、雌側嵌合
部42aを形成している。この雌側嵌合部42aの内周
面は円筒面であり、上記ハブ4bの中心部に形成したス
プライン孔14の内径よりも大きな内径を有する。又、
上記雌側嵌合部42aの自由状態での内径は、上記雄側
嵌合部41aの自由状態での外径よりも僅かに小さい。
又、上記雌側嵌合部42aの内周面は、特に焼き入れ等
により硬化する事なく、生の軟らかいままとしている。
【0027】上述の様な雄側嵌合部41aを有する上記
駆動軸部材18cと、上述の様な雌側嵌合部42aを有
する上記ハブ4bとは、上記スプライン軸17を上記ス
プライン孔14に挿入すると共に、上記雄側嵌合部41
aを上記雌側嵌合部42aに圧入する状態に組み合わせ
る。この状態で、この雄側嵌合部41aの外周面に形成
した細かい凹凸を構成する多数の突条の頂部が、上記雌
側嵌合部42aの内周面に食い込む。この食い込みに伴
って、上記駆動軸部材18cと上記ハブ4bとの、回転
方向に関する相対変位が抑えられる。この為、上記スプ
ライン軸17の雄スプライン部38と、上記スプライン
孔14の雌スプライン部39とを係合させて成るスプラ
イン係合部40に、多少のがたつきが存在しても、これ
ら両スプライン部38、39を構成する各歯の側面同士
が勢い良くぶつかる事を防止して、自動車の走行時に上
記歯打ち音が発生するのを防止できる。
【0028】尚、本例の場合には、上記雄スプライン部
38と上記雌スプライン部39とのうちの雌スプライン
部39を、捩り角を持たない、真っ直ぐなスプラインと
している。一方、上記雄スプライン部38は、従来構造
に比べて小さな(例えば8分程度の)捩り角で、僅かに
傾斜したスプライン歯を有し、その外周面は、焼き入れ
により硬化させている。従って、上記雄スプライン部3
8と上記雌スプライン部39とを構成する各スプライン
歯は、ほぼがたつきなく嵌合するが、製造誤差等によっ
ては、僅かながたつきを生じる場合もある。この様な場
合でも、上記雄側嵌合部41aと上記雌側嵌合部42a
との嵌合に基づき、歯打ち音の発生を防止する。又、上
記雄スプライン部38を構成するスプライン歯の傾斜角
度は緩い為、この雄スプライン部38を構成するスプラ
イン歯と上記雌スプライン部39を構成するスプライン
歯との当接面積は、前述した従来構造の場合に比べて広
くなり、当接圧が低くなって、当接部が摩耗しにくくな
る。
【0029】又、本例の場合には、上記ハブ4bの本体
部分の中間部にキャップ47を、上記スプライン軸17
の端面に近接対向させた状態で嵌合固定して、この中間
部を塞いでいる。そして、このキャップ47と上記Oリ
ング45との間部分で上記スプライン軸17及びスプラ
イン孔14が存在する空間の容積を小さくして、この空
間に封入するグリースの量を少なくできる様にしてい
る。尚、このグリースは、上記雄スプライン部38と上
記雌スプライン部39とが擦れ合った場合も、摩耗を抑
える為に封入する。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、組立作業を容易にしてコストの低減を図れ
ると共に、乗員に耳障りな歯打ち音の発生を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】同第2例を示す断面図。
【図3】従来構造の第1例を示す断面図。
【図4】同第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b 車輪支持用軸受ユニット 2、2a、2b 等速ジョイント 3、3a 外輪 4、4a、4b ハブ 5、5a、5b 内輪 6 転動体 7 第一のフランジ 8 ナックル 9 外輪軌道 10 第二のフランジ 11、11a 第一の内輪軌道 12 小径段部 13、13a 第二の内輪軌道 14 スプライン孔 15 等速ジョイント用外輪 16 等速ジョイント用内輪 17 スプライン軸 18、18a、18b、18c 駆動軸部材 19 外側係合溝 20 第二のスプライン孔 21 内側係合溝 22 ボール 23 保持器 24 雄ねじ部 25 ナット 26 駆動軸 27 雄スプライン部 28 係止溝 29 止め輪 30 係止段部 31 係止部 32 係止溝 33 止め輪 34 弾性リング 35 係止段部 36 係止溝 37 止め輪 38 雄スプライン部 39 雌スプライン部 40 スプライン係合部 41、41a 雄側嵌合部 42、42a 雌側嵌合部 43 かしめ部 44 保持溝 45 Oリング 46 段部 47 キャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に懸架装置に結合固定する為の第
    一のフランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ
    有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面の外端寄り
    部分に車輪を支持する為の第二のフランジを、同じく中
    間部に直接又は別体の内輪を介して第一の内輪軌道を、
    中心部にスプライン孔を、それぞれ設けると共に、外周
    面の内端寄り部分にその外周面に第二の内輪軌道を形成
    した内輪を外嵌固定したハブと、上記各外輪軌道と上記
    第一、第二の各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転
    動自在に設けられた転動体と、上記スプライン孔とスプ
    ライン係合するスプライン軸を外端部に設けると共に、
    内端部を等速ジョイントを構成する等速ジョイント用外
    輪とした駆動軸部材と、上記スプライン軸の外端部外周
    面に設けられた内側係合部と上記ハブの内周面でこの内
    側係合部に対向する部分に設けられた外側係合部との間
    に掛け渡されて、上記スプライン軸が上記スプライン孔
    から抜け出るのを防止する止め輪とを備えた車輪駆動用
    軸受ユニットに於いて、上記駆動軸部材の中間部外周面
    に、細かい凹凸を形成した状態で焼き入れ硬化された円
    筒面状の雄側嵌合部を、上記ハブの内端部に円筒面状の
    雌側嵌合部を、それぞれ形成すると共に、これら雄側嵌
    合部と雌側嵌合部とを、雄側嵌合部側に設けた上記凹凸
    を雌側嵌合部に食い込ませる状態で圧入嵌合させた事を
    特徴とする車輪駆動用軸受ユニット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006240488A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2010091039A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Gkn Driveline Japan Ltd 連結装置
JP2013543462A (ja) * 2010-11-29 2013-12-05 本田技研工業株式会社 短縮されたドライブシャフトステム

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