JP2001510387A - 電気理髪装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 外側切断部材(1)および、この外側切断部材に相対的に駆動可能な内側切断部材(7)とを具える理髪装置であって、前記外側切断部材が薄刃(3)を有し、その間には毛髪導入開口部(4)が形成され、薄刃の端部には、毛髪を切断する前に、その毛髪を持ち上げるための歯(9)が形成される。毛髪を捕らえる効率を増加させるため、歯は異なる長さを有する。好ましくは、長い歯(9^a,9^b)および短い歯（9¹,9²）を互いに交互に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】 電気理髪装置 本発明は、外側切断部材と、この外側切断部材に相対的に駆動可能な内側切断 部材とを有し、前記外側切断部材が、切断面を形成する第一の壁部分および、こ の第一の壁部分に対して所定の角度で配置された少なくとも一つの第二の壁部分 により形成され、前記第一の壁部分が薄刃を有し、この薄刃の間に細長の毛髪導 入開口部が配置され、前記各切断部材の間の協動によって毛髪を切断する前に、 この毛髪を持ち上げる歯の列を形成するように、前記薄刃の端部が、前記前記第 二の壁部分を超えて延在する電気理髪装置に関するものである。 冒頭のパラグラフで規定した形式の理髪装置は、特開昭62-246396号より公知 である。薄刃端部の歯は、切断する毛髪を、薄刃の間にある毛髪導入開口部（ha ir-entry aperture）内に送るのを促進するために働く。実際には、部分的に毛 髪は歯の間では捕らえられずに平らになっており、その結果として前記毛髪導入 開口部内には毛髪が入らない。 本発明の目的は、冒頭のパラグラフで定義した形式の理髪装置の、毛髪を捕ら える効率を改良することにある。この目的のために、本発明による理髪装置は、 歯が第二の壁部分に対して異なる突出長さを有することを特徴とする。驚くべき ことに、この事が、切断動作当たりの、すなわち皮膚上の切断装置の平均移動長 さ当たりの毛髪を捕らえる量が増加することが見出された。これは以下の事実よ り説明できる。すなわち、大きな突出長さを有する二つの歯（長い歯）の間の距 離がここでは大きく、その結果として皮膚上で平らに横たわっている毛髪を起立 させることが可能である。こうした毛髪が一旦持ち上げられると、この毛髪は続 いてさらに持ち上げられ、小さい方の突出長さを有する歯（短い歯）によって毛 髪導入開口部（隙間）に案内される。もし全ての歯が同じ長さであれば、比較的 平らに横たわる毛髪は持ち上げられず、歯の下で平らになってしまう。この状況 において、もし全ての歯の長さが等しく、これら歯の間の距離を、例えば２倍、 または３倍にすると、これは、本質的に、平らに横たわるより多くの毛髪を起立 させる機会を増加させることとなる。しかしながら、毛髪を切断するためには、 歯の間の毛髪導入開口部の幅（隙間）を、所定の制限の間にしなければならない 。この幅は、例えば、毛髪導入開口部中の皮膚の***を考慮しても２倍に選ぶこ とはできない。歯の間の距離の増加は、このとき、例えば全ての第二の歯を取り 除くことによってのみ可能である。この場合、薄刃は歯で終端せず、第二の壁部 分近傍で終端する。この結果、歯によって持ち上げられた毛髪は毛髪導入開口部 へは適切に案内されない。なぜならば、この毛髪が歯の無い薄刃近傍の第二の壁 部分に当たり、その後薄刃の下で平らになるからである。したがって、少なくと も大部分、好ましくは全ての薄刃が歯を有することが望ましい。長い歯と短い歯 の両方を用い、例えば交互にすることにより、毛髪を捕らえる可能性が増加し、 その結果切断能力が改善される。 本発明を、切断部分のみを図示した理髪装置の一例を参照して、より詳細に説 明する。 図１は、本発明によるダブルアクション型切断装置を模式的に示す斜視図であ る。 図２は、全ての歯が等しい突出長さを有する従来の切断装置を詳細に示す図で ある。 図３は、図１の切断装置を、図２と同様に詳細に示す図である。 図４は、第一の実施形態の歯の長手方向断面図である。 図５は、第二の実施形態の歯の長手方向断面図である。 図６は、第三の実施形態の歯の長手方向断面図である。 図７は、環状の剃刀ヘッドを有するトリプルヘッド型の剃刀として構成した理 髪装置の平面図である。 図１に示す理髪装置の切断部１はＵ字型の外側切断部材１を有し、この外側切 断部材１は多数の薄刃３を有する第一の壁部分２を具え、薄刃３の間には細長の 毛髪導入開口部４が形成されている。この壁部分２の上面は切断面５を形成し、 この部分が剃髪時に皮膚と接触する。壁部分２の反対側において、切断部材１は 第二の壁部分６を有し、この壁部分６は第一の壁部分２に対して所定の角度で配 置されており、本例ではこの第一の壁部分に直角である。しかしながら、その代 わりに、この角度は傾斜角であっても良い。内側切断部材７は切断要素８を具え る。公知の方法により、切断部材７は往復動するように駆動される。切断要素８ と薄刃３との協動の結果として、毛髪は、毛髪導入開口部４（隙間）に捕らえら れる。薄刃３の端部は、その突出した端部が歯の列９を形成するように第二の壁 部分６を越えて延在する。図１に示す例においては、歯の列は二つの形式の歯、 すなわち交互に配置した長い歯９^a，９^b,..．および短い歯９¹，９²,..．を有す る。長い歯は、第二の壁部分を越えて、例えば0.8mm突出し、短い歯は0.4mm突出 する。しかしながら、例えば短い歯を二枚おきにしても、あるいは他の方法で配 置することができることは明白である。 ここで、まず第一に、なぜ、長い歯および短い歯の双方を有する切断装置にお いて、全て等しい長さの歯を有する切断装置よりも、より良く毛髪が持ち上げら れ、かつ毛髪導入開口部へ案内され得るかについて説明する。図２は従来の理髪 装置の歯の詳細を示すものであり、明確さのために、図１と比較して、歯を上下 反対にして示す。矢印Ｐは、皮膚上での切断装置の移動方向を示す。歯９は全て 等しい長さを有する。切られる毛髪10は、皮膚11上で比較的平らに横たわってい る。理髪装置が皮膚上を移動すると、歯９^cの先端12が毛髪と接触することとな る。歯の先端は常に丸みを帯びている。毛髪は比較的平らに横たわっているため 、毛髪は、毛髪導入開口部４に入るよりも、歯９^cの下に滑り込む。毛髪10は、 その先端10aに向かって皮膚から離れて配置され、歯９^bによって持ち上げられ得 るが、この持ち上がりは生じない。なぜならば、毛髪が歯９^cによって既に下方 へ押しつけられてしまっているからである。毛髪13がより起立した位置にある時 にのみ、歯９^dの先端14が毛髪の下に滑り込むことができ、その結果毛髪が持ち 上げられ、毛髪導入開口部４へ案内される 図３は、図２と同様の状熊を示すものであるが、ここでは、本発明により、長 い歯９^a，９^b,..．および短い歯９¹，９²,..．が交互に配置されたものとなって いる。図２と同様に、図３も毛髪10が比較的平らに横たわっている状態を示す。 短い歯９²がより引っ込んでいるため、毛髪は最初に短い歯９²とは接触せず、隣 接する長い歯９^bと最初に接触する。歯９^bは毛髪10の毛根15からはさらに離れて いる（毛髪はわずかに傾斜している）ため、歯９^bの位置においては毛 髪から皮膚までの距離はより大きく、その結果歯９^bの先端16はここで毛髪の下 に滑り込むことができ、かつ、この毛髪を持ち上げることができる。わずかに遅 れて、短い歯９²が、（破線で示すように）毛髪をさらに持ち上げ、続いてこの 毛髪を毛髪導入開口部４へ案内することを確実にする。これによって、単位時間 当たりでより多くの毛髪が切断されることが理解される。このことは、切断能力 と、それによる切断効率を改善するものとなる。 切断効率は、歯の正しい頂角、すなわち歯９^a，９^b,..．の切断面５と壁部分1 7との間の角度β₁および、歯９¹，９²,..．の切断面５と壁部分18との間の角度 β₂を選択することによって、さらに改善することができる(図４参照)。これに 対して、鋭く尖った歯の先端は、先端が余り鋭くない歯よりも、より容易に毛髪 の下側へ滑り込むが、その一方、鋭い歯の先端部は、余り鋭くない歯よりも皮膚 を刺激し易い。鋭い歯の数が増えれば、より多く刺激を与えることになる。した がって、図５に示すように、長い歯９^a，９^b,..．の頂角β₁は、短い歯９¹，９² ,..．の頂角β₂よりも小さくなっている。短い歯の角度β₂は、より大きくする ことができる。なぜならば、短い歯は、既に持ち上げられている歯をさらに持ち 上げる働きをなすからである。 歯の先端に丸みを付けることは、歯の皮膚への刺激作用にも影響する。丸みの 半径をより小さくすれば、半径が大きい場合よりも、より刺激を与えやすくなる こととなる。しかしながら、より小さい丸みを持つ歯は、毛髪の下により簡単に 滑り込むことができる。好ましくは、短い歯９¹，９²,..．の丸みの半径Ｒ₂を、 長い歯９^a，９^b,..．の丸みの半径Ｒ₁よりも小さくする。短い歯による刺激作用 は小さくなる。なぜならば、短い歯が通過するその下の皮膚は、既に長い歯によ ってわずかに下方に押しつけられているからである。 理髪時の刺激作用を最小化するために、歯の端部20，21をわずかに傾斜させる (図６参照)。 明らかに、本発明は、一方の側にのみ歯の列を有する理髪装置、すなわち一方 の側で滑り出す(slide-out)あるいは振り出される(swing-out)トリマーを有する シェーバーにも適用可能である。 図７は、環状の剃刀ヘッド22を有するロータリー式シェーバーの形を取る理髪 装置のもう一つの例を示すものである。薄刃３はその間に毛髪導入開口部を有し 、ほぼ半径方向に向けられている。薄刃の端部全てが、異なる突出長さを有する 歯を形成する。本例では、二つの短い歯９¹，９²が二つの長い歯９^a，９^bの間に 配置されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．外側切断部材と、この外側切断部材に相対的に駆動可能な内側切断部材とを 有し、前記外側切断部材が、切断面を形成する第一の壁部分および、この第一の 壁部分に対して所定の角度で配置された少なくとも一つの第二の壁部分により形 成され、前記第一の壁部分が薄刃を有し、この薄刃の間に細長の毛髪導入開口部 が配置され、前記各切断部材の間の協動によって毛髪を切断する前に、この毛髪 を持ち上げる歯の列を形成するように、前記薄刃の端部が、前記前記第二の壁部 分を超えて延在する切断装置において、前記歯が前記第二の壁部分に対して異な る突出長さを有することを特徴とする切断装置。 ２．請求項１記載の装置において、二つの形式の歯、すなわち大きな突出長さを 有する長い歯と、小さい突出長さを有する短い歯とを有することを特徴とする切 断装置。 ３．請求項２記載の装置において、前記長い歯を、前記短い歯と交互に配置した ことを特徴とする切断装置。 ４．請求項２記載の装置において、前記長い歯の長さが約0.6〜1.0mmであり、前 記短い歯の長さが前記長い歯の長さの約半分であることを特徴とする切断装置。 ５．請求項２記載の装置において、前記薄刃の長手方向断面から見て、前記長い 歯の頂角が、前記短い歯の頂角よりも小さいことを特徴とする切断装置。 ６．請求項２記載の装置において、前記薄刃の長手方向断面から見て、前記短い 歯の先端部の丸みの半径が、前記長い歯の先端の丸みの半径よりも小さいことを 特徴とする切断装置。