JP2001342069A - 高剛性の材料により構成された移動体装置 - Google Patents
高剛性の材料により構成された移動体装置Info
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Abstract
め機能を有する移動体装置において、高剛性で軽量の構
成材料によりその可動部分を構成することにより高速・
高精度の位置決めを達成すること。 【解決手段】 可動部分の一部又は全部が比剛性率10
0GPa以上の構成材料により構成された、位置決め機
能を有する移動体装置。
Description
より可動部分が構成された、高精度の位置決め機構を有
する移動体装置に関する。
置としては3次元測定器、直線度測定器、平面状物体の
パターンを形成するための露光機などをあげることがで
きる。このような高精度の位置決め装置を備えた移動体
装置においては主として静圧流体軸受け装置が用いられ
ている。また特に露光機においては最近の半導体ウェハ
ーや液晶パネルを製造するにあたってはパターンの微細
化に対応したさらに高精度の位置決め機能が求められて
いると共に、経済的にパターンを形成するために高速で
半導体ウェハーや液晶パネルなどの被露光ワークやレチ
クル等が搭載された移動体を動かして装置のスループッ
トを向上させることが求められている。しかしながら移
動体を高速で動かすことは必然的に振動が発生すること
であり、位置決め精度に関してはマイナスの要因であ
る。また一定の駆動力のもとで移動体を高速で動かすた
めには、可動部分の軽量化が必要である。
させるためには比剛性率(ヤング率/比重)の大きな材料
で構成された移動体を用いる必要がある。そのため従来
から用いられていた金属系の素材に代わって、近年では
セラミック製の構成材料を用いた可動部分が採用された
移動体装置もあらわれており、例えば特開平4−347
008にはセラミック製の流体軸受けは比剛性の面で金
属製のそれに優ることが開示されている。また特開平6
−297421にはアルミナ製の流体軸受けが実施例と
して開示されている。また同じく特開平6−29742
1には流体軸受けに用いられるセラミック材料の例が列
挙されており、この中には完全に焼結させればアルミナ
よりも比剛性率の大きなセラミック焼結体ができると推
定される窒化珪素や炭化珪素も挙げられている。
れば最も比剛性率が大きいと考えられる材質としては炭
化硼素が挙げられ、特開平7−97264にはその常圧
焼結法が開示されているが、この方法においては複雑大
型形状の製品を作ることは不可能であり、焼結度も96
%程度がその最大である。
技術においては次のような問題点があった。すなわち、
アルミナの比剛性率はそのヤング率が最大値近くになる
まで焼結させたとしても80〜95GPa程度であり、
この程度の比剛性率では露光機に求められる優れたスル
ープットと位置決め精度を達成するのに十分ではない。
スはアルミナに比べると難焼結体であると共に難成形体
でもあり、露光機用の可動部分に用いられるような大型
品を経済的に成形・焼結することは難しい。特に従来の
製造方法においては、小型のテストピースではない実用
に供される大型の製品においては加圧焼結(ホットプレ
ス)が必要とされており、この加圧焼結を用いる限りそ
の製造コストは莫大なものとなり、また複雑形状のもの
を製造することはできない。また例えば露光機の可動部
分を軽量化するためには、リブ構造や中空構造を採用す
ることが考えられるが、このような構造をとることはま
すますその成形・焼成が難しくなる結果を招いてしま
う。その中でも炭化硼素は最もその焼結が難しいセラミ
ックスであり、露光機用の可動部分に用いられるような
大型品を経済的に成形・焼結させることは不可能であっ
た。
たものであり、その目的とするところは露光機用静圧流
体軸受け装置のような位置決め機能を有する移動体装置
において、高剛性で軽量の構成材料によりその可動部分
を構成することにより高速・高精度の位置決めを達成す
ることにある。
解決すべく、可動部分の一部または全部が比剛性率10
0GPa以上の構成材料により構成された、位置決め機
能を有する移動体装置を提供する。また平均粒径が0.
3μm〜1.5μmの炭化硼素を主成分とする粉体を成
形助剤及び焼結助剤と共に分散媒中に分散させたスラリ
ーを多孔質型に注型し、多孔質型に分散媒の一部を吸収
させることにより該スラリーを固化させた成形体を作
り、該成形体を乾燥後、非酸化性雰囲気下で常圧焼結す
るか又は非酸化性雰囲気下で常圧成形後HIP処理した
焼結体を作り、必要に応じて該焼結体の表面仕上げを行
うことを特徴とする、炭化硼素焼結体の製造方法ならび
に該炭化硼素焼結体により可動部分の一部又は全部が構
成された位置決め機能を有する移動体装置を提供する。
それにより露光機用静圧流体軸受け装置のような位置決
め機能を有する移動体装置において、高剛性で軽量の構
成材料によりその可動部分を構成することにより高速・
高精度の位置決めを達成可能となる。
いて説明する。本発明において用いられる可動部分の一
部または全部を構成する材料としては比剛性率が100
GPa以上、さらに好ましくは110GPa以上のもの
を用いることが好ましい。なお比剛性率とはヤング率を
かさ比重で割った値であり、かさ比重の単位は無名数で
あるので、結局比剛性率の単位はヤング率と同様にGP
aで表わすことができる。本発明においては好ましい下
限未満の比剛性率の材料を用いると位置決めの速度及び
精度が不十分である場合がある。また比剛性率の好まし
い上限が存在せず比剛性率は大きければ大きいほど好ま
しいことは自明であるが、セラミック材料を用いた場合
達成可能な比剛性率は200GPa程度である。そして
この様な好ましい比剛性率を達成するための好ましいセ
ラミックス焼結体としては後述の炭化硼素焼結体、炭化
珪素焼結体、金属含浸再結晶炭化珪素焼結体、反応焼結
シリコン含浸炭化珪素焼結体をあげることができる。
適な応用分野としては静圧流体軸受け装置を挙げること
ができる。静圧流体軸受け装置は3次元測定器や直線度
測定器などの高精度の位置決めが必要な分野に好適に用
いられるが、高精度に加えて強く高速移動が求められる
応用分野としては、半導体ウェハーや液晶パネルなどの
平板状物体のパターン形成に用いられる露光機を挙げる
ことができる。なお、露光機においては、半導体ウェハ
ーや液晶パネルなどの被露光ワークやレチクル等が搭載
された移動体を形成する機構部品は数多くあり、静圧流
体軸受け装置の可動部分と定義するのが不適当な場合も
あるが、露光機の可動部分を形成する部品であれば本発
明の技術を適用することが可能である。
切なものとしてはセラミックス焼結体を挙げることがで
きる。その中でも比剛性率が大きい点で、最も好ましい
セラミック焼結体としては、炭化硼素焼結体を挙げるこ
とができる。炭化硼素焼結体は常圧焼結により製造され
るものであって、その気孔率が10体積%以下であるこ
とが好ましく、3体積%以下であればさらに好ましい。
なおここでいう気孔率とは開気孔と閉気孔の両方を含む
気孔率であるが、本発明においては開気孔率は実質的に
0に近いため、気孔率は閉気孔率と実質的に同等であ
る。なお、炭化硼素焼結体は常圧焼結後、さらにHIP
処理を行うことにより、前記好ましい気孔率に到達させ
て高剛性にすることもできる。気孔率が好ましい上限を
超えると比剛性率が不十分であったり、焼結後の加工時
にチッピングを起こし易くなる等の不具合が発生する場
合がある。なお気孔率には特に好ましい下限はなく、所
望の比剛性率に到達するまで気孔率を小さくすれば良
い。
囲気はアルゴン、窒素、真空などの非酸化雰囲気で、最
高温度を2000〜2400℃とすることが好ましい。
この焼成条件で焼結させるためには焼結助剤が必要であ
る。その焼結助剤の主成分としては有機物が好ましく、
例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タール、
カーボンブラック、ポリカルボンシラン、炭化タングス
テンなどを適宜組合せて用いることができる。
もう一つの好ましい例として炭化珪素焼結体を挙げるこ
とができる。炭化珪素焼結体は前記炭化硼素焼結体に比
較するとその比剛性率においては劣るものの、価格が安
い点や、焼結後の加工性が優れているという利点があ
る。炭化珪素焼結体は常圧焼結により製造されるもので
あって、その気孔率が5体積%以下であることが好まし
く、3体積%以下であればさらに好ましい。なお、炭化
珪素焼結体は常圧焼結後、さらにHIP処理を行うこと
により、前記好ましい気孔率に到達させて高剛性にする
こともできる。気孔率が好ましい上限を超えると比剛性
率が不十分であったり、焼結後の加工時にチッピングを
起こし易くなる等の不具合が発生する場合がある。なお
気孔率には特に好ましい下限はなく、所望の比剛性率に
到達するまで気孔率を小さくすれば良い。
囲気はアルゴン、窒素、真空などの非酸化雰囲気で、最
高温度を1800〜2400℃とすることが好ましい。
この焼成条件で焼結させるためには焼結助剤が必要であ
る。その焼結助剤の主成分としては炭素原子を含む化合
物、硼素原子を含む化合物、アルミニウム原子を含む化
合物からなる群より選択された化合物が好ましく、例え
ば炭化硼素、アルミニウム、アルミナ、窒化アルミニウ
ム、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ、タール、カ
ーボンブラック、等を適宜組合せて用いることができ
る。
ましいもう一つの例として、再結晶炭化珪素焼結体に金
属を含浸させたものを挙げることができる。この金属含
浸再結晶炭化珪素焼結体は、上記の炭化珪素焼結体に比
べると焼結時の収縮が非常に小さいため、大型複雑形状
品に応用するのに有利である反面、比剛性率は炭化珪素
焼結体に比べるとやや落ちることや、含浸した金属に起
因する耐酸、耐アルカリ、耐プラズマなどの化学的特性
の低下が見られるなどの欠点もある。
め、本発明におけるセラミックス焼結体として使用する
ためには金属を含浸させて緻密体とする必要がある。含
浸させる金属としてはシリコン、アルミニウム、アルミ
ニウム合金などが好ましく、特に好適なものはシリコン
である。
ましいもう一つの例として、反応焼結により製造された
シリコン含浸炭化珪素焼結体を挙げることができる。こ
の反応焼結シリコン含浸炭化珪素焼結体はシリコン含浸
再結晶炭化珪素焼結体と比較すると、焼結時の寸法変化
に起因するクラックの発生を防止という観点からの寸法
・形状の自由度はやや劣るものの、反応焼結・シリコン
含浸が同時に行われるため製造コストが安いという利点
がある。
程前の成形工程における好ましい成形方法としては鋳込
成形を挙げることができる。鋳込成形とはセラミック粉
末を主成分とし成形助剤及び焼結助剤と共に溶媒中に分
散させたスラリーを多孔質型に注型し、多孔質型に溶媒
の一部を型の毛管吸引力やスラリーへの直接加圧等によ
り吸収させることにより該スラリーを固化させてから脱
型・乾燥させる成形方法である。溶媒としては水や各種
有機溶媒が用いられるが、最も汎用性があるのは水を主
成分とする溶媒である。なお、本発明における移動体装
置で特に大型・肉圧の製品を鋳込成形する場合において
は、長時間の着肉を行うとスラリーの沈降やいわゆるす
わりなどの現象により均一な成形体が得られない場合が
ある。この場合短時間で着肉を達成する方法のひとつと
して、着肉中のスラリーに加圧する加圧成形の手段をあ
げることができる。加圧のための圧力には特に制限はな
く、高圧にするほど着肉速度が大きくなるが、工業的に
は0.3MPa〜10MPa程度の圧力が適当である。
性やスラリー中の粉体の分散特性を向上させると共に成
形体のバインダーや可塑性付与剤として機能して成形体
強度を向上させるものであることが好ましく、好ましい
成形助剤としてはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸ア
ンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミン等のアル
ギン酸塩、ポリカルボン酸アンモニウム、ジブタルフタ
ール、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメ
チルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロ
ースアンモニウム、メチルセルロース、メチルセルロー
スナトリウム、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロ
キシルエチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アクリル酸またはそのアンモニウム塩のオリゴマ
ー、モノエチルアミンなどの各種アミン、ピリジン、ピ
ペリジン、水酸化テトラメチルアンモニウム、デキスト
リン、ペプトン、溶性デンプン、各種ポリマー、各種エ
マルジョン等の有機物や粘土類を挙げることができる。
させるとは増粘または解膠作用によりスラリーの粘性を
最適値に調節することやスラリーの流動特性にチクソト
ロピー性を付与することをさしており、特に焼結特性の
みを考慮してセラミック粉体の粒度分布幅を狭くした場
合スラリーはダイラタンシー性を示すようになるため、
この成形助剤の添加により流動特性をチクソトロピック
に改質することは重要である。
の好ましいセラミック粉体の粒度分布としては、平均粒
径の1/2より小さな粒径を持つ粉体の体積分率が10
%以上を占めるようにすることが好ましい。この体積分
率が好ましい下限未満になると、成形助剤の添加によっ
ては好ましいスラリーの流動特性が得られない場合があ
る。この体積分率には好ましい上限はなく、各粉体の焼
結特性により、焼結度が悪化しない範囲で粒度分布を広
くすることが好ましい。
結工程前の成形工程においては前述の鋳込成形が最も好
ましいが、別のもう一つの可能な成形方法としてCIP
成形を挙げることができる。CIP成形は成形体を生加
工により削り出していくため材料歩留が低く、生加工に
要するコストが高いという欠点はあるが、可塑性に劣る
材料を用いて大型複雑形状の成形体を製造するのには適
している。CIP成形においても同様に成形助剤は必要
であり、鋳込成形とほぼ同様の成形助剤を用いることが
できる。ただしCIP成形においては成形体の可塑性は
あまり必要としないので、焼結体の物性を低下させる可
能性がある粘土などの可塑性に重点をおいた成形助剤の
使用をひかえることが可能となる。
ックス焼結体を用いる場合の成形方法及び焼結方法に関
して述べてきたが、それぞれの工程に用いられる成形助
剤、焼結助剤として共通のものを用いる手段を優れた物
性の焼結体を得る手段としてあげることができる。これ
は例えば成形助剤が焼結に関与しないものである場合、
その成形助剤を焼結工程中で加熱により取り除く必要が
あり、その取り除かれた焼結助剤の分だけ充填が低くな
って焼結が妨げられてしまうことを防ぐためである。
しての働きを呈する成分としては、有機物及び粘土をあ
げることができ、その中でも特に好適なものは、高分子
有機物である。
する高分子有機物としては、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、弗素樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チロール樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、酢
酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル樹脂、セルロース樹脂、糖類などをあげることが
できる。高分子有機物の場合、焼結助剤として働くのは
主として炭素分であるため、焼結助剤としての効率を上
げるためには炭素分の含有量が多い有機物が好ましく、
例えばフェノール樹脂やフラン樹脂をあげることができ
る。
作用する高分子有機物は成形工程及び焼結工程において
均一にセラミックス粉体周辺に存在することが好まし
い。そのために通常考えられる方法としては溶媒中に高
分子有機物を溶解させた状態で成形し、成形工程の進行
に伴って溶媒分が減少し、ついには溶媒分が完全になく
なるにつれて溶解していた高分子有機物が粉体の間隙に
存在せしめるという方法を採ることができる。
工程中に均一に粉体周辺に存在せしめる手段としては、
使用する溶媒に実質的に溶解しない高分子有機物をあら
かじめコーティングした粉体を用いて成形する方法を挙
げることができる。例えば溶媒として水を用いて鋳込成
形を行う場合においては、まず有機溶媒に溶解するが水
には実質的に溶解しない高分子有機物を有機溶媒中に溶
解させ、該溶液とセラミックス粉体を混合した後に該混
合物から有機溶剤を蒸発などの手段により実質的に取り
除いた、高分子有機物がコーティングされた粉体を製造
する。次に高分子有機物がコーティングされた粉と水を
混合してスラリーを製造し、そのスラリーを用いて鋳込
成形を行う。有機溶媒を用いて鋳込成形を行う場合にお
いては全く逆に水溶性であるが該有機溶媒には実質的に
溶解しない高分子有機物を用いて、セラミックス粉体表
面をあらかじめコーティングしておけばよい。これは従
来の湿式成形法の常識となっている使用する溶媒に可溶
の成形助剤を用いるという概念の全く反対である。なお
この場合の各溶媒に対しての水溶性、油溶性というのは
水性または油性のエマルジョンを形成するものも含んで
応用することができる。また水や有機溶媒に溶解しない
という意味は、全く溶解しないというわけではなく仮に
ごく微量溶解するにせよ実質的な意味でそれは無視する
ことができるという意味である。例えば高分子有機物と
してフェノール樹脂を用いる場合においては、フェノー
ル樹脂には油溶性のノボラック型と水溶性のレゾルシン
型があり、溶媒として水を用いて鋳込成形を行う場合は
油溶性のノボラック型を用い、溶媒として有機溶媒を用
いて鋳込成形を行う場合は水溶性のレゾルシン型を用い
ると好適である。この方法が優れている点としては例え
ば鋳込成形型が高分子有機物を吸い込むことによって目
詰まりを起こすことを防ぐことや、また成形体の乾燥工
程において高分子有機物の成形体中の部分的な偏析が発
生することを防ぐことをあげることができる。またこの
方法は従来の溶媒に可溶の助剤を使用する場合に比べる
と成形体にずば抜けて優れた可塑性及び/または強度を
付与する事ができる。この粉体にあらかじめ高分子有機
物をコーティングしておく場合の好ましい粉体と高分子
有機物の比率は、粉体100体積部に対して高分子有機
物1−40体積部であり、高分子有機物の量が好ましい
範囲の下限以下であると助剤としての効果が充分に発揮
できない場合があり、高分子有機物の量が好ましい上限
以上であると、焼結が充分に進まなかったり鋳込成形を
行う場合スラリーの粘性が高すぎて鋳込みに適さなくな
るなどの場合がある。
焼結助剤としての両方の働きを示す成分が発現する成形
助剤としての機能としては、成形工程において成形体に
可塑性及び/または強度を付与する機能をあげる事がで
きる。この可塑性とは成形体にしなやかさを与えること
により、工程中に成形体に何らかの応力がかかった場合
においても変形によるクラックが発生するのを抑える働
きをするものである。また強度とは文字通り成形体の強
度を向上させることにより、成形体に衝撃などの外力が
加えられた場合にも破損などが生じないようにすること
を意味している。可塑性は主として成形体中に溶媒が比
較的に多い場合に重要なファクターであり、成形体の乾
燥が進み溶媒が比較的少なくなってからは強度が重要な
ファクターとなる。
び焼結助剤の両方の働きを示す成分が発現する成形助剤
としての機能は主として可塑性及び/または強度である
ため、その他の機能を示す成形助剤として例えば解膠剤
や分散剤は別途加える必要がある場合が多い。また可塑
性や強度を向上させる成形助剤を更に別途組み合せて用
いることもできる。焼結助剤に関しても同様に、成形助
剤及び焼結助剤の両方の機能を呈する成分以外に、別の
焼結助剤と組み合せることも可能である。
に低減させる方法として該可動部分を中空構造および/
又はリブ構造とする手段を挙げることができる。この様
な複雑な構造をとるためには、剛性の高い材料、特にセ
ラミックス焼結体を用いる場合、焼結後の研削加工の工
数をなるべく少なくする必要があり、ニアネットシェイ
プ構造をできるだけ成形工程でおりこむ必要がある。
び/又はリブ構造のものを製造する手段として最も簡便
な手段としてはまず鋳込成形の型割によりこのような構
造を作りこむ手段を挙げることができる。鋳込成形に
は、成形体の両面に型を配して溶媒を吸収させる固形
(2重)鋳込成形と、成形体の片面に型を配してもう片
面の余剰泥漿を排出する排泥(1重)鋳込成形があり、
中空構造を作る場合には中空部の泥漿を排出するような
型割に、またリブ構造を作る場合には、固形鋳込成形で
リブ部分の両側からはさみこんだ型により溶媒を吸収す
る型割とする手段が好適である。
は焼結体同志の接合により目的とする構造を作りこむ手
段を挙げることができる。その場合の接合剤としては、
成形体を接合する場合には成形体を構成するセラミック
粉体と同じセラミック粉体を主成分として分散媒や増粘
剤等の添加剤を加えたものが好ましく、また焼成体を接
合する場合には各種合金やシリコンなどのろう剤が好ま
しい。
造を作りこむ手段としては、CIP成形後の生加工によ
り削り出す手段を挙げることができる。もちろん完全に
閉じた中空構造を生加工で削り出すことは不可能である
が、前記接合による方法と組み合せることにより、中空
構造を形成することができる。
構成材料を用いる必要があるが、汎用工業材料として最
も比剛性が大きいのは炭化硼素であり、本発明に用いら
れる構成材料としては価格面では炭化珪素などと比較す
ると劣るものの、物性面では最も好適である。
ましい炭化硼素の平均粒径は0.3μm〜1.5μmであ
り、これは通常の鋳込成形に比べると非常に微粒である
ため成形体の充填があがりにくく、成形体の可塑性や強
度も発現しにくい粒度構成である。この様な成形体の物
性を向上させるためには前述の成形助剤としても焼結助
剤としても作用する助剤を用いることが好ましく、特に
好ましい助剤はフェノール樹脂、フラン樹脂などの樹脂
分である。焼結助剤としては上記樹脂分を単独で用いて
も良く、硼化チタン、ポリカルボシラン、炭化タングス
テン、炭化鉄、炭化タリウム、弗化アルミニウム、炭化
ジルコニウムなどと組み合せることもできる。
雰囲気下の焼結工程中の昇温過程において、蒸し焼きに
されて炭素分を骨格成分とする物質に変換され、この物
質が炭化硼素の粒成長を抑制して焼結助剤としての働き
を示す。この炭素分の焼結助剤としての作用は常圧焼結
に特有のものであり、焼成体中の炭化硼素結晶の平均粒
径を好ましい範囲である10μm以下におさえることが
できる。なお、粒成長が進み、結晶粒子径が好ましい範
囲を超えると強度などの物性に悪影響が及ぶ場合があ
る。なお、焼結前の炭化硼素はB4Cに比べて硼素分が
多い結晶を多量に含んでいる場合が多いが、それらの結
晶中に焼結助剤の炭素が取り込まれて、焼結体中の炭化
硼素はB4Cがその主成分となる。なお、焼結助剤とし
ての炭素分の一部は黒鉛結晶としても焼結体中に存在す
る。
結体を作成した。 (実施例1)炭化硼素粉末(平均粒径0.74μm、比重
2.5、エレクトロシュメルツベルクケンプテン社製)
に、所定量のノボラック型フェノール樹脂(比重1.1
8、昭和高分子(株)製)をアセトン溶液として加え、混
合攪拌し、アセトンを十分蒸発させた後粉砕して、フェ
ノール樹脂をコーティングした炭化硼素粉末を得た。こ
の炭化硼素粉末を25体積部、水75体積部となるよう
に各原料を調合し、混合攪拌してスラリーとした。なお
分散剤として、ポリカルボン酸アンモニウム塩(花王
(株)製)を炭化硼素粉末100重量部に対して1重量部添
加した。攪拌方法は、凝集粒子をできるだけ均一に分散
させることを目的に10000rpmの高速せん断応力を
加えた。その後300rpmで真空攪拌を行い脱泡し
た。このようにして得られた鋳込み成形用炭化硼素粉末
スラリーを35mmΦの石膏型に流し込み、排泥鋳込成
形を行った。5mm着肉させた後に排泥し、5分間放置
した後に離型、乾燥して成形体を得た。離型時と乾燥後
の重量変化から成形体の充填率を算出した。また前記乾
燥後の成形体から試験片を切り出し、アルキメデス法に
より乾燥体の充填率を測定した。さらに前記試験片を次
のヒートカーブで焼成した。 20〜1200℃(真空下):1時間 1200〜2250℃(Arガス雰囲気下):1時間40分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 得られた焼結体の相対密度をアルキメデス法により測定
した。これらの結果を表1に示す。なおフェノール樹脂
添加量は、炭化硼素粉末に対する体積部で表記した。
74μm、比重2.5、エレクトロシュメルツベルクケ
ンプテン社製)に、ノボラック型フェノール樹脂(比重
1.18、昭和高分子(株)製)のアセトン溶液とポリカ
ルボシランのヘキサン溶液との混合溶液を加え、混合攪
拌し、有機溶剤を十分蒸発させた後粉砕して、出発原料
である炭化硼素粉末とした。この粉末を用いて実施例1
と同一の方法、条件により成形・焼成を行った。なおフ
ェノール樹脂及びポリカルボシランの添加量は炭化硼素
粉末に対する体積部で表記した。
74μm、比重2.5、エレクトロシュメルツベルクケ
ンプテン社製)約200gに、炭化硼素の焼結助剤とし
てTiC、ZrC、Fe3C、TiB 2、AlF3粉末をそれぞれ所定の添
加量になるように配合した混合粉体に、水約1000g
を加えてポットミルで24時間混合し、炭化硼素粉末と
焼結助剤粉末を水中で均一に分散させた後、この混合物
を乾燥、粉砕して出発原料の炭化硼素質混合粉末を得
た。この粉末を用いて実施例1と同一の方法、条件によ
り成形・焼成を行った。なお各粉末焼結助剤の添加量
は、炭化硼素粉末に対する体積部で表記した。
と各種粉末系焼結助剤との混合粉末に、実施例1と同一
の方法でフェノール樹脂をコーティングさせた。この炭
化硼素粉末、粉末焼結助剤及びフェノール樹脂との混合
粉末を用いて、実施例1と同一の方法、条件により成形
・焼成を行った。
水70体積部を調合し、実施例1と同一の方法により成
形体を作製し、炭化硼素焼結体を製造し、得られた焼結
体の相対密度を測定した。なお分散剤として、ポリカル
ボンアンモニウム塩を炭化硼素粉末に対して1重量部添
加した。
シン型フェノール樹脂水溶液(昭和高分子(株)製)を炭
化硼素粉末100体積部に対し5−50体積部加えてス
ラリーを作成し、石膏型に鋳込成形を行った。その結果
はほとんど着肉現象が発生せず、成形体を得る事はでき
なかった。
果を表1に示す。なお表中の空欄は未測定であることを
示し、比較例2については成形体を得る事ができなかっ
たため当然ながら結果は表示していない。なお実施例
1,2,4の成形体は脱型時に高い可塑性を示し脱型時
の成形体を曲げたりひねったりしてもクラックが発生し
なかったのに対し、実施例3、比較例1の成形体に関して
は脱型時に成形体を少し曲げたりひねったりしただけで
クラックが発生した。また乾燥後の成形体に関しては実
施例1,2,4の成形体は高強度で10cmほどの高さ
から落下させても破損しないのに対し、実施例3、比較
例1の成形体は5cm程度の高さから落下させると大き
く破損した。なお、実施例3のサンプルは成形体の可塑
性や強度に関して他の実施例に比べて劣るものの、焼成
体の物性においては遜色がなく、成形時に変形や破損の
危険性が小さなプロセスにおいては充分に実用可能であ
る。
加率18.9体積部の組成にて、石膏成形による固形鋳
込成形、及び1.8MPaの加圧成形による排泥鋳込成
形の手段により成形体を作成した。なお、石膏成形にお
いては着肉予想時間の2倍の土締め時間を設定し、加圧
成形においては排泥終了後0.3MPaの圧力で10分
間の土締めを実施した。得られた成形体を乾燥して乾燥
体充填率を測定した後に、後述の焼成パターンI、IIに
従い焼結したサンプルをJISR1601の手法による
3点曲げ強度、JISR1602の手段による共振法に
よるヤング率および3点曲げによるヤング率、アルキメ
デス法による焼成体相対密度及びかさ比重を測定した。
その測定結果を表2に示す。
炭化硼素100体積部に対しTiB2を2.8体積部加
えたスラリーを実施例6と同様に成形・焼成して同様の
物性測定を行った。その測定結果を表3に示す。
りである。 I 20〜1200℃(真空下):1時間 1200〜2000℃(Arガス雰囲気下):1時間10分 2000〜2250℃(Arガス雰囲気下):30分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 加熱OFF(自然冷却、Arガス雰囲気下) II 20〜1200℃(真空下):3時間 1200〜2000℃(Arガス雰囲気下):2時間10分 2000〜2250℃(Arガス雰囲気下):30分 2250℃に保持(Arガス雰囲気下):30分 2250〜1200℃:(Arガス雰囲気下)2時間30分 1200〜200℃:(Arガス雰囲気下)2時間40分 加熱OFF(自然冷却、Arガス雰囲気下)
硼素焼結体(試料No1)、炭化珪素焼結体(試料No
2)、シリコン含浸再結晶炭化珪素焼結体(試料No
3)、反応焼結シリコン含浸炭化珪素焼結体(試料No
4)、アルミナ焼結体(比較試料)のそれぞれのサンプル
についてヤング率とかさ比重を測定した。なおヤング率
の測定法は共振法によるものである。
軸を完全に囲むスライダーとして用い、スライダーとガ
イド軸の間に圧縮空気を供給してスライダーをガイド軸
と比接触の状態で支持した後に駆動手段を用いてスライ
ダーを200mmのストロークで1mmずつ繰り返し往復
運動させて位置決め機能を評価した。その結果を表4に
示す。なお位置決め機能の評価は、位置決め分解能と位
置決めに要する時間を総合して評価したものであり◎は
特に優れていることを表わし、○は優れていることを表
わし×は劣っていることを表わしている。
の構成材料を移動体装置の可動部分に用いることによ
り、高速で高精度の位置決めが可能となり、露光機など
に好適に応用することができる。
Claims (28)
- 【請求項1】 可動部分の一部又は全部が比剛性率10
0GPa以上の構成材料により構成された、位置決め機
能を有する移動体装置。 - 【請求項2】 前記移動体装置が静圧流体軸受け装置で
ある、請求項1に記載の移動体装置。 - 【請求項3】 前記静圧流体軸受け装置が、平板状物体
のパターンを形成するための露光装置に用いられるもの
である、請求項2に記載の移動体装置。 - 【請求項4】 前記平板上物体が、半導体ウェハまたは
液晶パネルである、請求項3に記載の移動体装置。 - 【請求項5】 前記構成材料がセラミックス焼結体であ
る、請求項1乃至4に記載の移動体装置。 - 【請求項6】 前記セラミックス焼結体が炭化硼素焼結
体である、請求項5に記載の移動体装置。 - 【請求項7】 前記炭化硼素焼結体が常圧焼結により製
造されたものであってその気孔率が10体積%以下であ
る、請求項6に記載の移動体装置。 - 【請求項8】 前記炭化硼素焼結体が常圧焼結によって
製造されたものであるかまたは常圧焼結後HIP処理す
ることにより製造されたものであってその気孔率が3体
積%以下である、請求項6に記載の移動体装置。 - 【請求項9】 前記炭化硼素焼結体が有機物を焼結助剤
の主成分として用いて焼結されたものである、請求項6
乃至8に記載の移動体装置。 - 【請求項10】 前記セラミックス焼結体が炭化珪素焼
結体である、請求項5に記載の移動体装置。 - 【請求項11】 前記炭化珪素焼結体が常圧焼結により
製造されたものであってその気孔率が5体積%以下であ
る、請求項10に記載の移動体装置。 - 【請求項12】 前記炭化珪素焼結体が常圧焼結により
製造されたものであるかまたは常圧焼結後HIP処理す
ることにより製造されたものであってその気孔率が3体
積%以下である、請求項10に記載の移動体装置。 - 【請求項13】 前記炭化珪素焼結体が、炭素原子を含
む化合物、硼素原子を含む化合物、アルミニウム原子を
含む化合物からなる群より選択された化合物を焼結助剤
の主成分として用いて焼結されたものである、請求項1
0乃至12に記載の移動体装置。 - 【請求項14】 前記セラミックス焼結体が再結晶炭化
珪素焼結体に金属を含浸させたものである、請求項5に
記載の移動体装置。 - 【請求項15】 前記金属がシリコンである、請求項1
4に記載の移動体装置。 - 【請求項16】 前記セラミックス焼結体が反応焼結に
より製造されたシリコン含浸炭化珪素焼結体である、請
求項5に記載の移動体装置。 - 【請求項17】 前記セラミックス焼結体が鋳込成形に
より製造された成形体を焼結したものである、請求項5
乃至16に記載の移動体装置。 - 【請求項18】 前記鋳込成形時に成形助剤として有機
物および/又は粘土を主成分として用いる、請求項17
に記載の移動体装置。 - 【請求項19】 前記成形助剤は、焼結時には焼結助剤
としての作用も発現するものである、請求項18に記載
の移動体装置。 - 【請求項20】 前記セラミックス焼結体がCIP成形
により製造された成形体を生加工後焼結したものであ
る、請求項5乃至16に記載の移動体装置。 - 【請求項21】 前記比剛性率100GPa以上の構成
材料により構成された可動部分の一部又は全部が、中空
構造および/又はリブ構造をとるものである、請求項1
に記載の移動体装置。 - 【請求項22】 前記構成材料がセラミックス焼結体で
あり、前記中空構造および/又はリブ構造が鋳込成形時
の型割により形成されたものである、請求項21に記載
の移動体装置。 - 【請求項23】 前記構成材料がセラミックス焼結体で
あり、前記中空構造および/又はリブ構造が成形体同志
の接合により形成されたものである、請求項21に記載
の移動体装置。 - 【請求項24】 前記構成材料がセラミックス焼結体で
あり、前記中空構造および/又はリブ構造が、焼結体同
志のろう付けにより形成されたものである、請求項21
に記載の移動体装置。 - 【請求項25】 前記構成材料がセラミックス焼結体で
あり、前記中空構造および/又はリブ構造が、CIP成
形後の生加工により形成されたものである、請求項21
に記載の移動体装置。 - 【請求項26】 平均粒径が0.3μm〜1.5μmの
炭化硼素を主成分とする粉体を成形助剤及び焼結助剤と
共に溶媒中に分散させたスラリーを多孔質型に注型し、
多孔質型に溶媒の一部を吸収させることにより該スラリ
ーを固化させた成形体を作り、該成形体を乾燥後、非酸
化性雰囲気下で常圧焼結するか又は非酸化性雰囲気下で
常圧焼結後HIP処理した焼結体を作り、必要に応じて
該焼結体の表面仕上げを行うことを特徴とする、炭化硼
素焼結体の製造方法。 - 【請求項27】 前記成形助剤として焼結助剤としての
作用も呈するものを用いることを特徴とする、請求項2
6に記載の炭化硼素焼結体の製造方法。 - 【請求項28】 可動部分の一部又は全部が請求項26
または27に記載の製造方法により製造された炭化硼素
焼結体により構成された、位置決め機能を有する移動体
装置。
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