JP2001293862A - インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2001293862A
JP2001293862A JP2000109398A JP2000109398A JP2001293862A JP 2001293862 A JP2001293862 A JP 2001293862A JP 2000109398 A JP2000109398 A JP 2000109398A JP 2000109398 A JP2000109398 A JP 2000109398A JP 2001293862 A JP2001293862 A JP 2001293862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing plate
recording head
ink jet
jet recording
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000109398A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Okazawa
宣昭 岡沢
Tsuyoshi Kitahara
強 北原
Hiromi Mimura
博美 三村
Kiyoshi Mikoshiba
清 御子柴
Nobuyasu Uji
伸宜 宇治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2000109398A priority Critical patent/JP2001293862A/ja
Publication of JP2001293862A publication Critical patent/JP2001293862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッドケースの補強板の撓みを防止し、不良品
の発生や組立て作業性の低下を防止しうるインクジェッ
ト式記録へッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】多数のノズル開口8からなるノズル列と上
記各ノズル開口8に連通する圧力室7とを有する流路ユ
ニット1と、上記各圧力室7の圧力を変化させる圧電振
動子6と、上記流路ユニット1を保持するヘッドケース
2とを備え、ノズル列方向に延びるヘッドケース2の壁
部12に補強板20が内蔵され、上記補強板20を内蔵
する壁部12のノズル列方向の中央に、奥面に補強板2
0が露出するスリット21を形成したため、上記スリッ
ト21が形成される際、補強板20が保持され、ヘッド
ケース2の成形時等に補強板20が撓むのが防止され、
壁部12の表面に補強板20が露出するようなことがな
くなり、不良品の発生や組立て作業性の低下が防止され
るうえ、記録ヘッドを大型化することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の伸縮
によりノズル開口からインク滴を吐出させて画像や文字
を記録用紙に記録するインクジェット式記録ヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】圧力発生素子として縦振動の圧電振動子
を用いたインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッ
ド」という)は、一般に、図14および図15に示すよ
うに、多数のノズル開口8からなるノズル列と圧力室7
が形成された流路ユニット1と、この流路ユニット1が
貼着されるとともに、圧電振動子6が収容されるヘッド
ケース2とを備えている。
【0003】上記流路ユニット1は、ノズル開口8が列
設されたノズルプレート3と、上記各ノズル開口8に連
通する圧力室7が列設された流路基板4と、上記各圧力
室7の下部開口を塞ぐ振動板5とが積層されて構成され
ている。上記流路基板4には、各圧力室7とインク流路
10を介して連通し、各圧力室7に導入されるインクを
貯留するインク貯留室9が形成されている。この例で
は、ノズル列および圧力室7の列が2列設けられてい
る。
【0004】上記ヘッドケース2は、合成樹脂製で、上
下に貫通する収容空間16に圧電振動子6が収容される
ようになっている。上記収容空間16は、ノズル列方向
に延び、ノズル列に対応して2つ設けられている。上記
圧電振動子6は、後端側がヘッドケース2に取り付けら
れた固定基板11に固着されるとともに、先端面が振動
板5下面の島部5Aに固着されている。
【0005】そして、上記ヘッドケース2のふたつの収
容空間16の間に位置する壁部12には、補強板20が
一体的にインサートされ、圧電振動子6が伸縮した際に
上記壁部12等が変形するのを防止するようになってい
る。
【0006】そして、駆動回路14で発生させた駆動信
号をフレキシブル回路板13を介して圧電振動子6に入
力することにより、圧電振動子6が長手方向に伸縮され
る。この圧電振動子6の伸縮により、振動板5の島部5
Aを振動させて圧力室7内の圧力を変化させ、圧力室7
内のインクをノズル開口8からインク滴として吐出させ
るようになっている。図14において、15はインク貯
留室9にインクを供給するインク供給口である。
【0007】上記記録ヘッドは、一般に、つぎのように
してつくられている。すなわち、図16(a)に示すよ
うに、まず、ヘッドケース2を成形する型17を準備
し、上記型17の成形空間18内の壁面に形成された保
持部材19に、補強板20の両端部を保持させて補強板
20を壁部12の中央に位置するように位置決めする。
ついで、図16(b)に示すように、上記補強板20が
位置決めされた成形空間18内に樹脂材料を充填し固化
させてヘッドケース2を成形する。そして、上記ヘッド
ケース2を脱型したのち、収容空間16に圧電振動子6
を挿入するとともに、流路ユニット1を貼着して図14
および図15に示す記録ヘッドが得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
録ヘッドでは、ヘッドケース2を成形する際、補強板2
0の両端部だけを保持した状態で成形空間18内に樹脂
材料を充填するため、図16(c)に示すように、成形
時の圧力等によって補強板20が撓んだ状態で成形され
やすいという問題がある。このように、補強板20が撓
むと、壁部12の表面に補強板20が露出し、樹脂片が
脱落したり、樹脂の薄い層が膨れて圧電振動子6を収容
空間16内に挿入する際に障害になり、不良率が高くな
ったり組立て作業性を著しく低下させるおそれがある。
このような事態を防止するため、壁部12の肉厚を厚く
することも考えられるが、記録ヘッド自体を大型化する
とともにノズル列間の距離も広くなってしまうため、寸
法的に十分な肉厚をとることができないのが実情であ
る。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、ヘッドケースの補強板の撓みを防止し、不良品
の発生や組立て作業性の低下を防止しうるインクジェッ
ト式記録へッドおよびその製造方法の提供をその目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、複数のノ
ズル開口からなるノズル列と上記各ノズル開口に連通す
る圧力室と上記圧力室の開口を塞ぐ封止板とを有する流
路ユニットと、上記各圧力室の圧力を変化させる圧力発
生素子と、上記流路ユニットを保持するヘッドケースと
を備え、上記ノズル列方向に延びるヘッドケースの壁部
に補強板が内蔵されたインクジェット式記録ヘッドであ
って、上記補強板が内蔵された壁部のノズル列方向の途
中部に、奥面に補強板が露出したスリットが形成されて
いることを要旨とする。
【0011】また、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法は、複数のノズル開口からなるノズル列と
上記各ノズル開口に連通する圧力室とを有する流路ユニ
ットと、上記各圧力室の圧力を変化させる圧力発生素子
と、上記流路ユニットを保持するヘッドケースとを備
え、上記ノズル列方向に延びるヘッドケースの壁部に補
強板が内蔵されたインクジェット式記録ヘッドの製造方
法であって、上記ヘッドケースを成形する型の成形空間
内に、上記補強板のノズル列方向の途中部を保持して補
強板を位置決めする工程と、上記補強板が位置決めされ
た成形空間内に成形材料を充填してヘッドケースを成形
する工程とを含むことを要旨とする。
【0012】すなわち、本発明のインクジェット式記録
ヘッドは、補強板が内蔵された壁部のノズル列方向の途
中部に、奥面に補強板が露出したスリットが形成されて
いる。このため、上記スリットが形成される際に補強板
の途中部が保持され、ヘッドケースの成形時等に補強板
が撓むのが防止される。したがって、従来のように、壁
部の表面に補強板が露出したり樹脂の薄い層が膨れるよ
うなことがほとんどなくなり、不良品の発生や組立て作
業性の低下が防止される。また、壁部の肉厚を厚くして
記録ヘッドを大型化することもない。
【0013】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記壁部のノズル列方向の両端部に補強板を露出
させる凹部が形成されている場合には、上記凹部が形成
される際補強板の両端部が保持されて位置決めされ、ヘ
ッドケースの成形時等に補強板が撓むのが有効に防止さ
れる。
【0014】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記スリットが壁部の複数箇所に設けられている
場合には、補強板の撓みをより一層確実に防止し、不良
品の発生や組立て作業性の低下が防止される。
【0015】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記凹部がノズル開口側に設けられるとともに上
記スリットがノズル開口と反対側に形成され、上記凹部
の大きさがノズルを覆うカバーに隠れる大きさに形成さ
れている場合には、上記凹部とスリットが形成される際
に補強板のノズル開口側の両端と、反対側の途中部とが
保持されるため、補強板の撓みが確実に防止される。ま
た、上記凹部の大きさがノズルを覆うカバーに隠れる大
きさに形成されているため、例えば、記録ヘッドを斜め
に取り付けて使用する場合等に、上記凹部がカバーで隠
れ、上記凹部を伝ってインクがたれるおそれがほとんど
なくなる。
【0016】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記補強板がステンレス鋼製である場合や、上記
補強板がセラミックス製である場合には、ステンレス鋼
やセラミックスが比較的安価で高精度に加工できるた
め、コスト的に有利で精度も確保できる。
【0017】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記補強板の線膨張係数を、ヘッドケースを構成
する材料の線膨張係数とヘッドケースの成形収縮率を加
算した値と実質的に合わせるようにした場合には、ヘッ
ドケース成形後において、高い寸法精度を確保すること
ができる。
【0018】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、複数のノズル列を有し、上記複数のノズル列の間
に存在する壁部にスリットを形成させた場合には、ノズ
ル列の間に位置する壁部が変形しやすいうえ肉厚も厚く
できないことから、この部分に内蔵させる補強板の撓み
を防止する効果が顕著である。
【0019】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記圧力発生素子が縦振動モードの圧電振動子で
あり、上記圧電振動子の先端が封止板に固着されるとと
もに、後端側がヘッドケースに保持されている場合に
は、縦振動モードの圧電振動子を収容するヘッドケース
において、ノズル列方向に延びる壁部が変形しやすいう
え肉厚も厚くできないことから、この部分に内蔵する補
強板の撓みを防止する効果が顕著である。
【0020】また、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法は、ヘッドケースを成形する型の成形空間
内に、上記補強板のノズル列方向の途中部を保持して補
強板を位置決めする工程と、上記補強板が位置決めされ
た成形空間内に成形材料を充填してヘッドケースを成形
する工程とを含む。このため、補強板の途中部が保持さ
れて成形時等に補強板が撓むのが防止される。したがっ
て、従来のように、壁部の表面に補強板が露出したり樹
脂の薄い層が膨れるようなことがほとんどなくなり、不
良品の発生や組立て作業性の低下が防止される。また、
壁部の肉厚を厚くして記録ヘッド自体を大型化すること
もない。
【0021】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製
造方法において、成形空間内で上記補強板の両端部を保
持するようにした場合には、補強板の両端部が保持され
て位置決めされ、ヘッドケースの成形時等に補強板が撓
むのが有効に防止される。
【0022】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製
造方法において、上記補強板の途中部の複数箇所を保持
するようにした場合には、補強板の撓みをより一層確実
に防止し、不良品の発生や組立て作業性の低下が防止さ
れる。
【0023】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製
造方法において、上記補強板の両端部のノズル開口側を
保持するとともに上記補強板の途中部のノズル開口と反
対側を保持し、上記両端部を保持する保持部分の大きさ
がノズルを覆うカバーに隠れる大きさである場合には、
補強板のノズル開口側の両端と、反対側の途中部とが保
持されるため、補強板の撓みが確実に防止される。ま
た、上記保持部分の大きさがノズルを覆うカバーに隠れ
る大きさに形成されているため、例えば、記録ヘッドを
斜めに取り付けて使用する場合等に、上記保持部分によ
って形成される凹部がカバーで隠れ、上記凹部を伝って
インクがたれるおそれがほとんどなくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0025】図1は、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドの一実施の形態を示す図であり、図2および図3
は、上記インクジェット式記録ヘッドに用いるヘッドケ
ースを示す図である。この記録ヘッドは、基本的には図
14および図15に示すものと同様であり、以下同様の
部分は同じ符号を用いて説明する。
【0026】上記記録ヘッドは、圧電振動子6が収容さ
れるヘッドケース2と、このヘッドケース2のユニット
固着面に接着剤等で固着される流路ユニット1とを備え
ている。
【0027】上記流路ユニット1は、複数のノズル開口
8からなるノズル列が形成されたノズルプレート3と、
上記各ノズル開口8に連通する圧力室7が列設された流
路基板4と、上記各圧力室7の下部開口を塞ぐ振動板
(封止板)5とが積層されて構成されている。上記流路
基板4には、各圧力室7とインク流路10を介して連通
し、各圧力室7に導入されるインクを貯留するインク貯
留室9が形成されている。この例では、ノズル列および
圧力室7の列は、図1における紙面に垂直な方向にそれ
ぞれ2列設けられている。
【0028】上記ヘッドケース2は、熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂が射出成形されてなり、上下に貫通する収容
空間16に、上記各圧力室7に対応するよう圧電振動子
6が収容されるようになっている。上記収容空間16
は、ノズル列方向に延び、ノズル列に対応して2つ設け
られている。上記圧電振動子6は、縦振動モードの圧電
振動子6であり、後端側がヘッドケース2に取り付けら
れた固定基板11に固着されるとともに、先端面が振動
板5下面の島部5Aに固着されている。
【0029】上記ヘッドケース2のふたつの収容空間1
6の間に位置する壁部12には、補強板20が一体的に
インサートされている。このように、2列のノズル列の
間に位置する壁部12に補強板20を一体的にインサー
トしているため、上記壁部12の剛性が向上することに
より変形し難くなる。したがって、圧電振動子6の伸縮
に伴う壁部12の変形が少なくなり、不安定な吐出が生
じにくくなる。
【0030】ここで、上記補強板20を構成する材料と
しては、ある程度の剛性を有するものであれば、特に限
定するものではなく、各種の材料を選択することができ
るが、ステンレス鋼やセラミックスが好ましく用いられ
る。ステンレス鋼やセラミックスが比較的安価で高精度
に加工できるため、コスト的に有利で精度も確保できる
からである。特に、補強板20の両端部は、ヘッドケー
ス2をインサート成形する際に補強板20を保持するガ
イド部として機能するため、高精度が要求される。ま
た、補強板20の上端部は、インクの流路に近く、吐出
特性に影響することから高い精度が要求される。上記ス
テンレス鋼製やセラミックス製の補強板20では、これ
らの箇所を比較的容易に高精度に仕上げることができる
のである。
【0031】そして、上記ヘッドケース2の壁部12に
は、そのノズル開口8と反対側の略中央に、上下方向に
延び、奥面に補強板20が露出したスリット21が形成
されている。このスリット21は、後述するように、ヘ
ッドケース2の成形時に、補強板20の中央を挟持部材
で挟持した状態で成形することにより形成されたもので
ある。
【0032】また、上記ヘッドケース2の左右両端面に
は、上下方向に延び、補強板20を露出させる2本の凹
部22が形成されている。上記凹部22は、後述するよ
うに、ヘッドケース2の成形時に、補強板20の両端部
を保持部材で保持した状態で成形することにより形成さ
れたものである。図2および図3において、15はイン
ク貯留室9にインクを供給するインク供給口である。
【0033】そして、上記記録ヘッドは、駆動回路14
で発生させた駆動信号をフレキシブル回路板13を介し
て圧電振動子6に入力することにより、圧電振動子6が
長手方向に伸縮される。この圧電振動子6の伸縮によ
り、振動板5の島部5Aを振動させて圧力室7内の圧力
を変化させ、圧力室7内のインクをノズル開口8からイ
ンク滴として吐出させるようになっている。
【0034】つぎに、上記記録ヘッドの製造工程につい
て説明する。
【0035】まず、図4に示すように、ヘッドケース2
を成形する上型17Aと下型17Bとを準備する。上記
下型17Bには、ヘッドケース2を成形する成形空間1
8が凹設されている。上記下型17Bの成形空間18内
の底面には、ヘッドケース2の収容空間16を形成する
空間形成部23が突設されている。また、上記下型17
Bの成形空間内の両側面には、補強板20の両端部を保
持して補強板20を壁部12の中央に位置決めする保持
部材19が形成されている。
【0036】一方、上記上型17Aには、下型17Bと
合わさって型締めされた状態で、上記両保持部材19に
保持された補強板20の上端部中央を両面から挟持する
挟持部材24が垂設されている。
【0037】ついで、図5に示すように、上記下型17
Bの両保持部材19に補強板20を保持させる。この状
態で、上記補強板20が、壁部12の略中央に位置決め
されるようになっている。
【0038】つぎに、図6に示すように、上記下型17
Bと上型17Aとを合わせて型締めする。この状態で、
下型17Bの成形空間18内に保持された補強板20の
上端部中央が、上記挟持部材24により挟持されるよう
になっている。
【0039】そして、図7に示すように、型締めされた
上型17Aと下型17Bとで形成された成形空間18内
に樹脂材料25が充填されて固化されることにより、補
強板20がインサートされたヘッドケース2が形成され
る(図2および図3参照)。このとき、補強板20の中
央部が保持されて成形時等に補強板20が撓むのが防止
される。
【0040】そののち、上記ヘッドケース2を脱型す
る。このとき、保持部材19で保持されていた部分に凹
部22が形成され、挟持部材24で挟持されていた部分
にスリット21が形成される。そして、別途準備した圧
電振動子6を収容空間16内に収容するとともに、ヘッ
ドケース2に流路ユニット1が貼着され、本発明のイン
クジェット式記録ヘッドが得られる(図1参照)。
【0041】このようにして得られた記録ヘッドは、壁
部12の表面に補強板20が露出したり樹脂の薄い層が
膨れるようなことがなく、不良品の発生や組立て作業性
の低下が防止される。また、壁部12の肉厚を厚くして
記録ヘッドを大型化するようなこともない。
【0042】ここで、上記補強板20の線膨張係数は、
ヘッドケース2を構成する樹脂材料の線膨張係数とヘッ
ドケース2の成形収縮率を加算した値と実質的に合わせ
ることが好ましい。このようにすることにより、ヘッド
ケース2の成形後の収縮による歪が生じにくく、高い寸
法精度を確保することができるからである。
【0043】具体的には、例えば、ヘッドケース2を構
成する樹脂材料としてエポックス(三井石油化学工業社
製)を用いた場合、その線膨張係数は、1.3×10-5
/℃である。したがって、成形時の型温度180℃から
常温(25℃)のまでの温度差は155℃であり、この
温度差での収縮率は、約0.2%となる。そして、上記
樹脂材料の成形収縮率は、0.15%であることから、
線膨張係数と成形収縮率とを加算した収縮率は、0.3
5%となる。
【0044】そして、上記補強板20を構成する材質と
して、ステンレス鋼(SUS304)を選択することに
より、SUS304の線膨張係数が1.74×10-5
℃であることから、155℃の温度差における収縮率は
0.27%となり、補強板20の線膨張係数と、上記樹
脂材料の線膨張係数による収縮率と成形収縮率とを加算
した値とを実質的に合わせることが行われる。
【0045】さらに、線膨張係数が1.1×10-5/℃
で成形収縮率が0.1%の樹脂を選択すれば、上記樹脂
材料の線膨張係数による樹脂の収縮率と成形収縮率とを
加算した値と実質的に合わせることができ、さらに成形
後に高い精度を確保できる。
【0046】図8および図9は、本発明の第2の実施の
形態のインクジェット式記録ヘッドに用いるヘッドケー
ス2を示す。このヘッドケース2は、ヘッドケース2両
側面の凹部22が、ノズル開口8側(図9において上に
見えている側)に設けられるとともに、上記スリット2
1がノズル開口8と反対側(図8において上に見えてい
る側)に形成されている。上記スリット21は、複数
(この例では3個)設けられている。また、上記凹部2
2は、その大きさが、ノズルを覆うカバー(図示せず)
に隠れる大きさに形成されている。それ以外は、図2お
よび図3に示すものと同様であり、同様の部分には同じ
符号を付している。
【0047】上記記録ヘッドは、つぎのような製造工程
で製造される。まず、図10に示すように、ヘッドケー
ス2を成形する上型17Aと下型17Bとを準備する。
上記下型17Bには、ヘッドケース2を成形する成形空
間18が凹設され、上記成形空間18内の底面には、ヘ
ッドケース2の収容空間16を形成する空間形成部23
が突設されている。また、上記下型17Bの成形空間1
8内の両側面には、補強板20の両端部を保持して補強
板20を壁部12の中央に位置決めする保持部材19が
形成されている。この保持部材19の高さ寸法tが、ノ
ズルを覆うカバーに隠れる大きさに設定されている。
【0048】一方、上記上型17Aには、下型17Bと
合わさって型締めされた状態で、上記両保持部材19に
保持された補強板20の上端部中央を両面から挟持する
挟持部材24が、所定間隔を隔てて3つ垂設されてい
る。
【0049】ついで、図11に示すように、上記下型1
7Bの両保持部材19に補強板20を保持させる。この
状態で、上記補強板20が、壁部12の略中央に位置決
めされるようになっている。
【0050】つぎに、図12に示すように、上記下型1
7Bと上型17Aとを合わせて型締めする。この状態
で、下型17Bの成形空間18内に保持された補強板2
0の上端部の3箇所が、上記挟持部材24により挟持さ
れるようになっている。
【0051】そして、型締めされた上型17Aおよび下
型17Bの間に形成された成形空間18内に樹脂材料2
5が充填されて固化されることにより、補強板20がイ
ンサートされたヘッドケース2が形成される(図8およ
び図9参照)。このとき、上記補強板20の上端部の3
箇所を保持するようにしたため、補強板20の撓みをよ
り一層確実に防止し、不良品の発生や組立て作業性の低
下が防止される。
【0052】そののち、上記ヘッドケース2を脱型す
る。このとき、保持部材19で保持されていた部分に凹
部22が形成され、挟持部材24で挟持されていた部分
にスリット21が形成される。そして、別途準備した圧
電振動子6を収容空間16内に収容するとともに、ヘッ
ドケース2に流路ユニット1が貼着され、インクジェッ
ト式記録ヘッドが得られる。
【0053】このようにして得られた記録ヘッドは、図
13に示すように、ノズル開口8側に形成された凹部2
2が、ノズルを覆うカバー25に隠れる大きさに形成さ
れるため、記録ヘッドを斜めに取り付けて使用する場合
等に、上記凹部22がカバー25で隠れ、上記凹部22
を伝ってインクが記録紙26にたれるおそれがない。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
式記録ヘッドによれば、スリットが形成される際、補強
板が保持され、ヘッドケースの成形時等に補強板が撓む
のが防止される。したがって、従来のように、壁部の表
面に補強板が露出したり樹脂の薄い層が膨れるようなこ
とがほとんどなくなり、不良品の発生や組立て作業性の
低下が防止される。また、壁部の肉厚を厚くして記録ヘ
ッド自体を大型化してしまうこともない。
【0055】また、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法によれば、補強板の両端部と途中部とが保
持されて成形時等に補強板が撓むのが防止される。した
がって、従来のように、壁部の表面に補強板が露出した
り樹脂の薄い層が膨れるようなことがほとんどなくな
り、不良品の発生や組立て作業性の低下が防止される。
また、壁部の肉厚を厚くして記録ヘッド自体を大型化し
てしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施
の形態を示す断面図である。
【図2】上記インクジェット式記録ヘッドに用いるヘッ
ドケースを斜め下から見た図である。
【図3】上記ヘッドケースを斜め上から見た図である。
【図4】上記インクジェット式記録ヘッドの製造方法の
工程を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は下型
の横断面図である。
【図5】上記製造方法の工程を示す図であり、(a)は
縦断面図、(b)は下型の横断面図である。
【図6】上記製造方法の工程を示す縦断面図である。
【図7】上記製造方法の工程を示す横断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のインクジェット式
記録ヘッドに用いるヘッドケースを斜め下から見た図で
ある。
【図9】上記ヘッドケースを斜め上から見た図である。
【図10】上記インクジェット式記録ヘッドの製造方法
の工程を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は下
型の横断面図である。
【図11】上記製造方法の工程を示す図であり、(a)
は縦断面図、(b)は下型の横断面図である。
【図12】上記製造方法の工程を示す縦断面図である。
【図13】上記インクジェット式記録ヘッドの使用状態
を示す説明図である。
【図14】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す分
解斜視図である。
【図15】上記インクジェット式記録ヘッドを示す断面
図である。
【図16】上記インクジェット式記録ヘッドの製造工程
を示す横断面図であり、(a)は補強板を位置決めした
状態、(b)は樹脂を充填した状態、(c)は得られた
ヘッドケースである。
【符号の説明】
1 流路ユニット 2 ヘッドケース 6 圧電振動子 7 圧力室 8 ノズル開口 12 壁部 20 補強板 21 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三村 博美 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 御子柴 清 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 宇治 伸宜 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AG12 AG53 AN01 AP02 AP25 AP45 AP79 BA03 BA14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口からなるノズル列と上
    記各ノズル開口に連通する圧力室と上記圧力室の開口を
    塞ぐ封止板とを有する流路ユニットと、上記各圧力室の
    圧力を変化させる圧力発生素子と、上記流路ユニットを
    保持するヘッドケースとを備え、上記ノズル列方向に延
    びるヘッドケースの壁部に補強板が内蔵されたインクジ
    ェット式記録ヘッドであって、上記補強板が内蔵された
    壁部のノズル列方向の途中部に、奥面に補強板が露出し
    たスリットが形成されていることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記壁部のノズル列方向の両端部に補強
    板を露出させる凹部が形成されている請求項1記載のイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記スリットが壁部の複数箇所に設けら
    れている請求項1または2記載のインクジェット式記録
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記凹部がノズル開口側に設けられると
    ともに上記スリットがノズル開口と反対側に形成され、
    上記凹部の大きさがノズルを覆うカバーに隠れる大きさ
    に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    インクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記補強板がステンレス鋼製である請求
    項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット式記録
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記補強板がセラミックス製である請求
    項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット式記録
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記補強板の線膨張係数を、ヘッドケー
    スを構成する材料の線膨張係数とヘッドケースの成形収
    縮率を加算した値と実質的に合わせるようにした請求項
    1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】 複数のノズル列を有し、上記複数のノズ
    ル列の間に存在する壁部にスリットを形成させた請求項
    1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】 上記圧力発生素子が縦振動モードの圧電
    振動子であり、上記圧電振動子の先端が封止板に固着さ
    れるとともに、後端側がヘッドケースに保持されている
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 複数のノズル開口からなるノズル列と
    上記各ノズル開口に連通する圧力室とを有する流路ユニ
    ットと、上記各圧力室の圧力を変化させる圧力発生素子
    と、上記流路ユニットを保持するヘッドケースとを備
    え、上記ノズル列方向に延びるヘッドケースの壁部に補
    強板が内蔵されたインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法であって、 上記ヘッドケースを成形する型の成形空間内に、上記補
    強板のノズル列方向の途中部を保持して補強板を位置決
    めする工程と、上記補強板が位置決めされた成形空間内
    に成形材料を充填してヘッドケースを成形する工程とを
    含むことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 成形空間内で上記補強板の両端部を保
    持するようにした請求項10記載のインクジェット式記
    録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記補強板の途中部の複数箇所を保持
    するようにした請求項10または11記載のインクジェ
    ット式記録ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 上記補強板の両端部のノズル開口側を
    保持するとともに上記補強板の途中部のノズル開口と反
    対側を保持し、上記両端部を保持する保持部分の大きさ
    がノズルを覆うカバーに隠れる大きさである請求項10
    〜12のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッドの製造方法。
JP2000109398A 2000-04-11 2000-04-11 インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法 Pending JP2001293862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000109398A JP2001293862A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000109398A JP2001293862A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001293862A true JP2001293862A (ja) 2001-10-23

Family

ID=18622099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000109398A Pending JP2001293862A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001293862A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102211457A (zh) * 2010-03-26 2011-10-12 精工爱普生株式会社 液体喷射头、液体喷射头单元及液体喷射装置
JP2011201226A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102211457A (zh) * 2010-03-26 2011-10-12 精工爱普生株式会社 液体喷射头、液体喷射头单元及液体喷射装置
JP2011201226A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US8113632B2 (en) 2010-03-26 2012-02-14 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head, liquid ejecting head unit, and liquid ejecting apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4899328B2 (ja) 液体噴射ヘッド
JPH07195689A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP3687662B2 (ja) 液体噴射ヘッド
US8113632B2 (en) Liquid ejecting head, liquid ejecting head unit, and liquid ejecting apparatus
US6286942B1 (en) Ink jet recording head with mechanism for positioning head components
JP2002361868A (ja) インクジェット式記録ヘッド、及び、その製造方法
JP3262075B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
EP1193067B1 (en) Ink jet recording head
JP2001293862A (ja) インクジェット式記録ヘッドおよびその製造方法
JP2004209655A (ja) 液体噴射ヘッド
EP3456538B1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JPH0757545B2 (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2001113697A (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP4014766B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド
KR100252697B1 (ko) 프린트헤드의기록액분사장치및그제조방법
JP4517917B2 (ja) 液体噴射ヘッド
JP4035827B2 (ja) 液体噴射装置
JP4635685B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2001162792A (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP2021000788A (ja) 液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置
JP3484888B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド
US6224806B1 (en) Method of molding cavity plate of ink jet printer head
JP4577045B2 (ja) 液体噴射ヘッド
JP2006231583A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射ヘッド
JPH06238895A (ja) インクジェットヘッドおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050816

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20051021

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060411