JP2021000788A - 液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定板の開口内に露出するモールドを劣化しにくくし、液体吐出ヘッドの信頼性を高めること。【解決手段】連通板25と、連通板25に積層されるノズル基板23と、連通板25に積層されノズル基板23側に第2基板側端部72を有するコンプライアンス基板37と、コンプライアンス基板37に積層されノズル基板23側に第3基板側端部44を有する固定板14と、ノズル基板23と固定板14との間で、コンプライアンス基板37を覆うように配置されるモールド42と、を有する記録ヘッド3であって、コンプライアンス基板37は、第2基板側端部72に交差し連通板25に対向配置される上面70と、第2基板側端部72に交差し上面70に対向配置される下面71とを有し、モールド側端部領域45において、上面70は下面71よりも広いことを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置に関する。
液体を吐出するノズルと、ノズル側の面に取り付けられる固定板等の基板とを備えた液体吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドは、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧電素子(アクチュエーターの一種)を備え、この圧電素子の駆動によりノズル基板に開設されたノズルから液体を吐出させるように構成されている。また、ノズル基板が接合された側の面には、当該ノズル基板を露出させる開口が形成された固定板が設けられている。そして、固定板の開口の縁とノズル基板との間の領域には、接着剤や充填剤等で構成されるモールドが充填されている。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドは、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧電素子(アクチュエーターの一種)を備え、この圧電素子の駆動によりノズル基板に開設されたノズルから液体を吐出させるように構成されている。また、ノズル基板が接合された側の面には、当該ノズル基板を露出させる開口が形成された固定板が設けられている。そして、固定板の開口の縁とノズル基板との間の領域には、接着剤や充填剤等で構成されるモールドが充填されている。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、ノズルからインク等の液体が噴射された際に霧状のミストが発生する虞がある。ここで、モールドが固定板の開口内に露出しているため、発生したミストがモールドに付着し、液体に含まれる成分がモールドに侵入し、モールドが変形し、モールドに亀裂が生じるおそれがあった。さらに、モールドに亀裂が生じると、亀裂から液体が侵入し、液体吐出ヘッドが劣化するおそれがあった。
本願の液体吐出ヘッドは、第1基板と、前記第1基板に積層されるノズル基板と、前記第1基板に積層され、前記ノズル基板と異なる位置に位置し、前記ノズル基板側に第2基板の端部を有する第2基板と、前記第2基板に積層され、前記ノズル基板側に第3基板の端部を有し、前記第3基板の端部が前記第2基板の端部よりも前記ノズル基板と反対側にずれた位置に位置する第3基板と、前記ノズル基板と前記第3基板との間で、前記第2基板の一部を覆うように配置されるモールドと、を有する液体吐出ヘッドであって、前記第2基板は、前記第2基板の端部に交差し前記第1基板に対向配置される上面と、前記第2基板の端部に交差し前記上面と反対側の下面とを有し、前記第2基板の前記モールドにて覆われた領域において、前記上面は前記下面よりも広いことを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際と異ならせている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプリンター1の概要を示す概略図である。なお、プリンター1は、本願における液体吐出装置の一例である。
最初に、図1を参照し、本実施形態に係るプリンター1の概要を説明する。
図1は、実施形態1に係るプリンター1の概要を示す概略図である。なお、プリンター1は、本願における液体吐出装置の一例である。
最初に、図1を参照し、本実施形態に係るプリンター1の概要を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るプリンター1は、記録紙等の記録媒体2の表面に対してインクなどの液体を吐出して画像等の記録を行う装置である。プリンター1は、液体吐出ヘッドの一例である記録ヘッド3、記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向(X方向)に移動させるキャリッジ移動機構5、及び記録媒体2を副走査方向(搬送方向、Y方向)に搬送する搬送機構6等を備えている。主走査方向と副走査方向とは略直交する。インク80(図7B参照)は、液体供給源となるインクカートリッジ7に貯留されている。インクカートリッジ7は記録ヘッド3に対して装着されており、着脱可能である。
なお、インクカートリッジが、プリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジから供給流路を通じて、記録ヘッド3にインクが供給される構成も採用可能である。
なお、インクカートリッジが、プリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジから供給流路を通じて、記録ヘッド3にインクが供給される構成も採用可能である。
キャリッジ移動機構5は、タイミングベルト8を備えている。タイミングベルト8は、DCモーター等のパルスモーター9により駆動される。パルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に設置されたガイドロット10に沿って、主走査方向に往復移動する。
図2は、本実施形態に係る記録ヘッド3の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る記録ヘッド3の要部断面図である。なお、図3では、記録ヘッド3のうちのヘッド本体13と固定板14を示している。図4は、図3の破線で囲まれた領域45の拡大断面図である。
なお、図3の破線で囲まれた領域45は、本願におけるモールド側端部領域に対応し、以降、モールド側端部領域45と称す。また、図4は、モールド側端部領域45の状態を示す拡大断面図でもある。
次に図2〜図4を参照し、本実施形態に係る記録ヘッド3の概要を説明する。
なお、図3の破線で囲まれた領域45は、本願におけるモールド側端部領域に対応し、以降、モールド側端部領域45と称す。また、図4は、モールド側端部領域45の状態を示す拡大断面図でもある。
次に図2〜図4を参照し、本実施形態に係る記録ヘッド3の概要を説明する。
図2に示すように、記録ヘッド3では、ホルダー12、複数のヘッド本体13、及び、固定板14等が積層されている。ホルダー12は、合成樹脂製の部材であり、その上面にカートリッジ装着部15を有している。このカートリッジ装着部15には、各色のインクカートリッジ7に対応して複数のインク導入針16が主走査方向に沿って横並びに配置されている。インクカートリッジ7内に挿入されるインク導入針16は、中空針状の形態をとっている。インクカートリッジ7内に貯留されたインク80は、インク導入針16を介して、ホルダー12内の流路(図示省略)に導入される。
なお、インクカートリッジ7からホルダー12内にインク80を導入する手段として、インク導入針16を用いなくてもよい。例えば、インク80の供給側と受け手側にそれぞれインク80を吸収可能な多孔質部材を設け、この多孔質部材同士を接触させることで、インク80を授受する構成を採用することも可能である。
なお、インクカートリッジ7からホルダー12内にインク80を導入する手段として、インク導入針16を用いなくてもよい。例えば、インク80の供給側と受け手側にそれぞれインク80を吸収可能な多孔質部材を設け、この多孔質部材同士を接触させることで、インク80を授受する構成を採用することも可能である。
ホルダー12の下方には、複数のヘッド本体13が取り付けられている。本実施形態においてヘッド本体13は、主走査方向に直交する方向に、ヘッド本体13のノズルの配列方向(Y方向、後述)の位置を揃えた状態で、主走査方向に沿って4つ配置されている。
各ヘッド本体13は、互いに位置決めされた状態で、固定板14によって固定されている。詳細には、各ヘッド本体13がホルダー12の収容部に収容された状態で、ヘッド本体13の下部と固定板14が接着されることでヘッド本体13が固定される。固定板14はホルダー12に対して接着、ねじ留め、勘合等によって固定される。言い換えると、各ヘッド本体13は、固定板14によってホルダー12の収容部に固定される。なお固定板14は、例えばステンレス鋼(SUS)により形成された部材であり、ヘッド本体13の下面及び側面を保護する。
また、固定板14には各ヘッド本体13のノズル24を露出させる開口14aが、各ヘッド本体13に対応して4つ形成されている。なお、記録ヘッド3に配置するヘッド本体13は1つ以上であれば、その数量は問わない。また、固定板14の外周形状もヘッド本体13側に折り曲げてある必要はない。
各ヘッド本体13は、互いに位置決めされた状態で、固定板14によって固定されている。詳細には、各ヘッド本体13がホルダー12の収容部に収容された状態で、ヘッド本体13の下部と固定板14が接着されることでヘッド本体13が固定される。固定板14はホルダー12に対して接着、ねじ留め、勘合等によって固定される。言い換えると、各ヘッド本体13は、固定板14によってホルダー12の収容部に固定される。なお固定板14は、例えばステンレス鋼(SUS)により形成された部材であり、ヘッド本体13の下面及び側面を保護する。
また、固定板14には各ヘッド本体13のノズル24を露出させる開口14aが、各ヘッド本体13に対応して4つ形成されている。なお、記録ヘッド3に配置するヘッド本体13は1つ以上であれば、その数量は問わない。また、固定板14の外周形状もヘッド本体13側に折り曲げてある必要はない。
次に、ヘッド本体13の構成について説明する。
図3に示すように、ヘッド本体13は、アクチュエーターユニット17及び流路ユニット18が積層された状態でヘッドケース19に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
図3に示すように、ヘッド本体13は、アクチュエーターユニット17及び流路ユニット18が積層された状態でヘッドケース19に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
本実施形態におけるヘッドケース19は、合成樹脂からなる箱状の部材である。図3に示すように、ヘッドケース19の中央部には、配列方向に沿って収容空間20及び貫通空間22が形成されている。
収容空間20は、アクチュエーターユニット17が収容される空間であり、アクチュエーターユニット17の高さ分だけヘッドケース19の下面から板厚方向(すなわち、下面に直交する方向)の途中まで凹んだ形状になっている。
貫通空間22は、この収容空間20の上面側に開口している。貫通空間22及び収容空間20には、圧電素子32に駆動信号を供給するフレキシブルケーブル35(配線の一種)が配置される。なお、フレキシブルケーブル35は、図2及び図3に示すように、貫通空間22の上面からヘッド本体13の外側まで延在し、ホルダー12内に設けられた制御基板(図示省略)に接続される。
また、ヘッドケース19の内部には、インク80が流れる液体流路21が形成されている。この液体流路21はホルダー12内の流路と、後述の共通液室26(本願における液室に相当)とを接続する流路である。本実施形態では、収容空間20及び貫通空間22を挟むように、ヘッド本体13の長手方向の両側に液体流路21が形成されている。
収容空間20は、アクチュエーターユニット17が収容される空間であり、アクチュエーターユニット17の高さ分だけヘッドケース19の下面から板厚方向(すなわち、下面に直交する方向)の途中まで凹んだ形状になっている。
貫通空間22は、この収容空間20の上面側に開口している。貫通空間22及び収容空間20には、圧電素子32に駆動信号を供給するフレキシブルケーブル35(配線の一種)が配置される。なお、フレキシブルケーブル35は、図2及び図3に示すように、貫通空間22の上面からヘッド本体13の外側まで延在し、ホルダー12内に設けられた制御基板(図示省略)に接続される。
また、ヘッドケース19の内部には、インク80が流れる液体流路21が形成されている。この液体流路21はホルダー12内の流路と、後述の共通液室26(本願における液室に相当)とを接続する流路である。本実施形態では、収容空間20及び貫通空間22を挟むように、ヘッド本体13の長手方向の両側に液体流路21が形成されている。
ヘッドケース19の下面には、流路ユニット18が配置されている。この流路ユニット18は、連通板25(本願における第1基板に相当)、ノズル基板23、及びコンプライアンス基板37(本願における第2基板に相当)が積層されて成る配列方向に沿って長尺な基板である。連通板25は、シリコン製の板材であり、本実施形態では、表面(上面及び下面)の結晶面方位を(110)面としたシリコン単結晶基板からなる。
この連通板25には、図3に示すように、液体流路21と連通し、各圧力室30に共通なインク80が貯留される共通液室26と、この共通液室26を介して液体流路21からのインク80を各圧力室30に個別に供給する個別連通路27と、圧力室30とノズル24とを連通するノズル連通路28とが形成されている。このように、連通板25には、内部に共通液室26が設けられている。すなわち、本願の第1基板は、内部に共通液室26が設けられた連通板25である。
共通液室26は、ノズル列方向に沿った長尺な空間であり、液体流路21に対応して、収容空間20及び貫通空間22を挟むように、両側にそれぞれ形成されている。個別連通路27は、共通液室26の圧力室30に対応する位置に複数形成されている。すなわち、個別連通路27は、圧力室30の並列方向(つまり、ノズル列方向)に沿って複数形成されている。同様に、ノズル連通路28も、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
この連通板25には、図3に示すように、液体流路21と連通し、各圧力室30に共通なインク80が貯留される共通液室26と、この共通液室26を介して液体流路21からのインク80を各圧力室30に個別に供給する個別連通路27と、圧力室30とノズル24とを連通するノズル連通路28とが形成されている。このように、連通板25には、内部に共通液室26が設けられている。すなわち、本願の第1基板は、内部に共通液室26が設けられた連通板25である。
共通液室26は、ノズル列方向に沿った長尺な空間であり、液体流路21に対応して、収容空間20及び貫通空間22を挟むように、両側にそれぞれ形成されている。個別連通路27は、共通液室26の圧力室30に対応する位置に複数形成されている。すなわち、個別連通路27は、圧力室30の並列方向(つまり、ノズル列方向)に沿って複数形成されている。同様に、ノズル連通路28も、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
ノズル基板23は、連通板25の下面に接合されたシリコン製の基板(例えば、シリコン単結晶基板)である。本実施形態のノズル基板23は、コンプライアンス基板37と重ならないように、コンプライアンス基板37から外れた領域に配置されている。すなわち、ノズル基板23は、連通板25の共通液室26の下面側の開口に重ならない連通板25の中央の領域に配置されている。
このノズル基板23の下面であるノズル面40には、複数のノズル24がノズル基板23の配列方向(Y方向)に沿って配列されることにより、ノズル列が形成されている。本実施形態では、2列に形成された圧力室30の列に対応して、ノズル列が2列形成されている。なお、ここでは搬送方向と配列方向が同じ方向である系について説明したが、必ずしも同じ方向でなくとも良い。例えば搬送方向と配列方向とが斜めに交差する系であっても良い。
このノズル基板23の下面であるノズル面40には、複数のノズル24がノズル基板23の配列方向(Y方向)に沿って配列されることにより、ノズル列が形成されている。本実施形態では、2列に形成された圧力室30の列に対応して、ノズル列が2列形成されている。なお、ここでは搬送方向と配列方向が同じ方向である系について説明したが、必ずしも同じ方向でなくとも良い。例えば搬送方向と配列方向とが斜めに交差する系であっても良い。
コンプライアンス基板37は、連通板25の下面であって、共通液室26に対応する領域に配置された可撓性を有する基板である。すなわち、コンプライアンス基板37は、連通板25のノズル基板23に覆われていない領域に接合されている。本実施形態におけるコンプライアンス基板37は、金属等の硬質な材料からなる固定基板38に、可撓性を有する封止膜39が積層された板材である。固定基板38の共通液室26に対向する領域は、厚さ方向に除去された開口部となっている。このため、共通液室26の下面は、封止膜39のみで封止され、共通液室26内のインク80の圧力変動を低減するコンプライアンス部として機能する。このように、コンプライアンス基板37は、共通液室26内の圧力変動を低減する。すなわち、本願の第2基板は、共通液室26内の圧力変動を低減するためのコンプライアンス基板37である。
また、本実施形態におけるコンプライアンス基板37は、ノズル基板23の外周に形成されている。すなわち、コンプライアンス基板37には、ノズル基板23(詳しくは、ノズル面40)を露出させる開口(図示省略)が形成されている。このコンプライアンス基板37のうち共通液室26に対向しない部分は、固定基板38と封止膜39との二層構造になっている。
なお、2列に形成された共通液室に対応して、ノズル基板を挟んで両側に共通液室に応じた形状のコンプライアンス基板をそれぞれ接合する構成を採用することもできる。
また、本実施形態におけるコンプライアンス基板37は、ノズル基板23の外周に形成されている。すなわち、コンプライアンス基板37には、ノズル基板23(詳しくは、ノズル面40)を露出させる開口(図示省略)が形成されている。このコンプライアンス基板37のうち共通液室26に対向しない部分は、固定基板38と封止膜39との二層構造になっている。
なお、2列に形成された共通液室に対応して、ノズル基板を挟んで両側に共通液室に応じた形状のコンプライアンス基板をそれぞれ接合する構成を採用することもできる。
本実施形態におけるアクチュエーターユニット17は、図3に示すように、圧力室形成基板29、振動板31、圧電素子32、及び封止板33からなり、ユニット化されている。このアクチュエーターユニット17は、ヘッドケース19の収容空間20内に収容可能な大きさに形成され、この収容空間20内に収容されている。
圧力室形成基板29は、シリコン製の硬質な板材であり、エッチングにより一部が板厚方向に完全に除去されて、圧力室30の元となる空間がノズル列方向に沿って複数形成されている。この空間は、下方が連通板25により区画され、上方が振動板31により区画されて、圧力室30を構成する。また、圧力室30は、ノズル列方向に直交する方向(Y方向)に長尺に形成され、長手方向の共通液室26側の端部に個別連通路27が連通し、他側(すなわちノズル24側)の端部にノズル連通路28が連通する。
振動板31は、弾性を有する薄膜状の部材であり、圧力室形成基板29の上面に積層されている。この振動板31によって、圧力室30の元となる空間の上部開口が封止されている。すなわち、振動板31によって、圧力室30の上面が区画されている。この振動板31における圧力室30の上部開口に対応する部分は、圧電素子32の撓み変形により、ノズル24から離れる方向あるいは接近する方向に変位する変位部として機能する。すなわち、振動板31における圧力室30の上部に対応する領域が、撓み変形が許容される駆動領域となる。そして、この駆動領域の変形(変位)により、圧力室30の容積は変化する。一方、振動板31における圧力室30の上部開口から外れた領域が、撓み変形が阻害される非駆動領域となる。
振動板31は、例えば、圧力室形成基板29の上面に形成された二酸化シリコン(SiO2)からなる弾性膜と、この弾性膜上に形成された二酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる絶縁体膜とで構成される。そして、この絶縁体膜上の、圧力室30の駆動領域に対応する位置に、圧電素子32が積層されている。
本実施形態における圧電素子32は、撓みモードの圧電素子である。この圧電素子32は、各ノズル24に対応してノズル列方向に沿って複数並設されている。各圧電素子32は、例えば、振動板31上から順に、下電極層、圧電体層、上電極層が順次積層されている。上記構成の圧電素子32は、下電極層と上電極層との間に電界が付与されると、それに応じて圧電体層が変形し、ノズル24から離れる方向あるいは接近する方向に撓み変形する。
封止板33には、図3に示すように、圧電素子32を収容可能な圧電素子収容空間34が形成されている。また、封止板33は、圧電素子収容空間34内に圧電素子32を収容した状態で、振動板31上に配置されている。本実施形態では、2列に形成された圧電素子32の列に対応する形で圧電素子収容空間34が2列形成されている。
そして、上記のように構成されたヘッド本体13では、インクカートリッジ7からのインク80が液体流路21、共通液室26、個別連通路27を介して圧力室30に流入される。この状態で、フレキシブルケーブル35を介して、駆動信号を圧電素子32に入力することで、圧電素子32を駆動させて圧力室30の容積を変化させる。この容積の変化により、ノズル連通路28を介して圧力室30と連通するノズル24からインク滴が吐出される。
また、ノズル24からインク滴が吐出される場合、ノズル24から吐出されるインク滴の一部が霧状のミストとなり、記録ヘッド3の記録媒体2と対向する面(例えば、ノズル面40)に付着する虞がある。このため、本実施形態1に係るプリンター1では、記録ヘッド3の記録媒体2と対向する面に付着したミスト(インク80)を取り除くワイピング処理が実施される。
また、ノズル24からインク滴が吐出される場合、ノズル24から吐出されるインク滴の一部が霧状のミストとなり、記録ヘッド3の記録媒体2と対向する面(例えば、ノズル面40)に付着する虞がある。このため、本実施形態1に係るプリンター1では、記録ヘッド3の記録媒体2と対向する面に付着したミスト(インク80)を取り除くワイピング処理が実施される。
図4に示すように、モールド側端部領域45では、連通板25にコンプライアンス基板37が積層されている。コンプライアンス基板37において、連通板25側の面が上面70であり、上面70に対向配置される面(上面70の反対側の面)が下面71である。さらに、コンプライアンス基板37の下面71から上面70に向かう端面(端部)は、本願における第2基板側端部に対応し、以降、第2基板側端部72、もしくは第2基板の端部72と称する。
ノズル基板23は、連通板25に、コンプライアンス基板37とX方向に異なる位置に積層されている。ノズル基板23(詳しくは、ノズル面40)は、固定板14の開口14aによって露出されている。一方、コンプライアンス基板37の上面70と対向配置される下面71は、固定板14に接合され、コンプライアンス基板37は固定板14によって保護されている。このように、固定板14はコンプライアンス基板37を保護する。
なお、固定板14は、本願における第3基板に相当し、コンプライアンス基板37を保護する。固定板14のノズル基板23側の端部44は、本願における第3基板側端部に相当し、以降、第3基板側端部44、もしくは第3基板の端部44と称する。固定板14のノズル基板23側の端部44(第3基板側端部44)は、第2基板側端部72よりもノズル基板23とは反対側の位置に位置している。
ノズル基板23は、連通板25に、コンプライアンス基板37とX方向に異なる位置に積層されている。ノズル基板23(詳しくは、ノズル面40)は、固定板14の開口14aによって露出されている。一方、コンプライアンス基板37の上面70と対向配置される下面71は、固定板14に接合され、コンプライアンス基板37は固定板14によって保護されている。このように、固定板14はコンプライアンス基板37を保護する。
なお、固定板14は、本願における第3基板に相当し、コンプライアンス基板37を保護する。固定板14のノズル基板23側の端部44は、本願における第3基板側端部に相当し、以降、第3基板側端部44、もしくは第3基板の端部44と称する。固定板14のノズル基板23側の端部44(第3基板側端部44)は、第2基板側端部72よりもノズル基板23とは反対側の位置に位置している。
本実施形態では、モールド側端部領域45において、上面70は下面71よりも広くなっている。第2基板側端部72は、上面70と下面71とに交差し、上面70から下面71に向かう方向に階段状に傾斜している。さらに、第2基板側端部72は上面70に平行な面73を少なくとも1つ有している。
また、固定板14(コンプライアンス基板37)とノズル基板23との間には、空間41が形成されている。この空間41には、接着剤や充填剤(例えば、エポキシ系樹脂)等で構成されるモールド42が充填されている。本実施形態におけるモールド42は、第3基板側端部44からノズル基板23にわたって、コンプライアンス基板37を覆うように配置されている。このモールド42により、連通板25とコンプライアンス基板37との接合部分の端、連通板25とノズル基板23との接合部分の端、及び、コンプライアンス基板37と固定板14との接合部分の端が覆われる。モールド42はこれら接合部分を保護し、ミストとなりモールド42の表面に付着するインク80は、これらの接合部分に悪影響を及ぼさないようなる。
また、固定板14(コンプライアンス基板37)とノズル基板23との間には、空間41が形成されている。この空間41には、接着剤や充填剤(例えば、エポキシ系樹脂)等で構成されるモールド42が充填されている。本実施形態におけるモールド42は、第3基板側端部44からノズル基板23にわたって、コンプライアンス基板37を覆うように配置されている。このモールド42により、連通板25とコンプライアンス基板37との接合部分の端、連通板25とノズル基板23との接合部分の端、及び、コンプライアンス基板37と固定板14との接合部分の端が覆われる。モールド42はこれら接合部分を保護し、ミストとなりモールド42の表面に付着するインク80は、これらの接合部分に悪影響を及ぼさないようなる。
図4では本願の構成要素を分かりやすく図示するために、本願における上面70が一点鎖線で図示され、本願における下面71が二点鎖線で図示され、本願における第2基板側端部72が短い破線で図示され、本願における第3基板側端部44が長い破線で図示されている。
図4に示すように、本実施形態に係る記録ヘッド3は、連通板25と、連通板25に積層されるノズル基板23と、連通板25に積層されノズル基板23と異なる位置に位置するコンプライアンス基板37と、コンプライアンス基板37に積層されノズル基板23側に第3基板側端部44を有する固定板14と、ノズル基板23と固定板14との間でコンプライアンス基板37の一部(端部)を覆うように配置されるモールド42とを有する。
さらに、図4に長い破線で示される第3基板側端部44は、図4に短い破線で示される第2基板側端部72よりもノズル基板23と反対側に後退している。モールド側端部領域45において、図4に一点鎖線で示される上面70は、図4に二点鎖線で示される下面71よりも広い。図4に短い破線で示される第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に階段状に傾斜し、上面70に平行な面73を少なくとも一つ有する。この平行な面73は、例えば、平坦な第2基板の平行な面73に対応する位置以外をマスクし、エッチングを行うことにより形成することができる。
以降の説明では、モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、コンプライアンス基板37の第2基板側端部72とモールド42の表面との距離が最小になる部分を最薄部74と称する。モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、モールド42の最薄部74は、図4に矢印で示される最薄部74aである。
図4に示すように、本実施形態に係る記録ヘッド3は、連通板25と、連通板25に積層されるノズル基板23と、連通板25に積層されノズル基板23と異なる位置に位置するコンプライアンス基板37と、コンプライアンス基板37に積層されノズル基板23側に第3基板側端部44を有する固定板14と、ノズル基板23と固定板14との間でコンプライアンス基板37の一部(端部)を覆うように配置されるモールド42とを有する。
さらに、図4に長い破線で示される第3基板側端部44は、図4に短い破線で示される第2基板側端部72よりもノズル基板23と反対側に後退している。モールド側端部領域45において、図4に一点鎖線で示される上面70は、図4に二点鎖線で示される下面71よりも広い。図4に短い破線で示される第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に階段状に傾斜し、上面70に平行な面73を少なくとも一つ有する。この平行な面73は、例えば、平坦な第2基板の平行な面73に対応する位置以外をマスクし、エッチングを行うことにより形成することができる。
以降の説明では、モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、コンプライアンス基板37の第2基板側端部72とモールド42の表面との距離が最小になる部分を最薄部74と称する。モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、モールド42の最薄部74は、図4に矢印で示される最薄部74aである。
図5は、シート状に成形したモールド42上に、インク80を染み込ませた布51を当接させ、一定時間放置した後の状態を示す写真である。図6は、モールド42に付着したインク80の影響を示す模式図である。
図6には、膜厚が薄いシート状に成型されたモールド42が符号E1で図示され、膜厚が厚いシート状に成型されたモールド42が符号E2で図示されている。さらに、図6では、シート状に成型されたモールド42において、インク80が浸透した部分に符号42Aが付され、インク80が浸透していない部分に符号42Bが付され、以降、インク80が浸透した部分42A、及びインク80が浸透していない部分42Bと称す。
図6には、膜厚が薄いシート状に成型されたモールド42が符号E1で図示され、膜厚が厚いシート状に成型されたモールド42が符号E2で図示されている。さらに、図6では、シート状に成型されたモールド42において、インク80が浸透した部分に符号42Aが付され、インク80が浸透していない部分に符号42Bが付され、以降、インク80が浸透した部分42A、及びインク80が浸透していない部分42Bと称す。
図示を省略するが、シート状に成型されたモールド42の初期の形状は、平坦であり、湾曲していない。ところが、図5に示すように、インク80を染み込ませた布51を当接させ、一定時間放置すると、シート状に成型されたモールド42が湾曲するようになる。
インク80を染み込ませた布51を当接させ一定時間放置すると、布51が当接される面42aよりインク80が浸透し、布51が当接される面42aが膨潤したために、シート状に成型されたモールド42が湾曲したものと考えられる。
インク80を染み込ませた布51を当接させ一定時間放置すると、布51が当接される面42aよりインク80が浸透し、布51が当接される面42aが膨潤したために、シート状に成型されたモールド42が湾曲したものと考えられる。
インク80は、一般的な水性インク及び油性インクである。さらに、インク80はジェルインクなどを使用することができる。インク80は、色を出すための顔料(有機/無機)、インクの吐出安定性や保存安定性を確保するための溶剤(有機/無機)、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、及び防かび剤等を含む。
インク80に含まれる界面活性剤や溶剤(以下、溶剤成分と称す)は、それらが触れたモノに浸透する作用がある。溶剤成分が、固化した接着剤や充填剤(例えば、モールド42)などに触れると、その表面より内部に浸透し、接着剤や充填剤などの化学結合に影響を及ぼし、それらの体積を増加させたり(膨潤)、逆に減少させたり(干乾)する場合がある。
インク80に含まれる界面活性剤や溶剤(以下、溶剤成分と称す)は、それらが触れたモノに浸透する作用がある。溶剤成分が、固化した接着剤や充填剤(例えば、モールド42)などに触れると、その表面より内部に浸透し、接着剤や充填剤などの化学結合に影響を及ぼし、それらの体積を増加させたり(膨潤)、逆に減少させたり(干乾)する場合がある。
図6に符号E1,E2で示されるように、インク80が浸透した部分42Aが形成されると、インク80が浸透した部分42Aの体積が膨張し、インク80が浸透していない部分42Bの体積は変化しない。
図中に符号E1で示されるモールド42の膜厚が薄い場合、図中に符号E2で示されるモールド42の膜厚が厚い場合と比べて、モールド42におけるインク80が浸透した部分42Aの占有率が大きくなると、インク80が浸透した部分42Aの影響が大きくなり、シート状に成形されたモールド42が大きく湾曲するようになる。
一方、図中に符号E2で示されるモールド42の膜厚が厚い場合、図中に符号E1で示されるモールド42の膜厚が薄い場合と比べて、モールド42におけるインク80が浸透した部分42Aの占有率が小さくなると、インク80が浸透した部分42Aの影響が小さくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が小さくなる。
すなわち、モールド42にインク80が付着し一定時間経過すると、膜厚が薄いモールド42は、膜厚が厚いモールド42と比べて、内部応力が大きくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が大きくなる。一方、膜厚が厚いモールド42は、膜厚が薄いモールド42と比べて、内部応力が小さくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が小さくなる。
図中に符号E1で示されるモールド42の膜厚が薄い場合、図中に符号E2で示されるモールド42の膜厚が厚い場合と比べて、モールド42におけるインク80が浸透した部分42Aの占有率が大きくなると、インク80が浸透した部分42Aの影響が大きくなり、シート状に成形されたモールド42が大きく湾曲するようになる。
一方、図中に符号E2で示されるモールド42の膜厚が厚い場合、図中に符号E1で示されるモールド42の膜厚が薄い場合と比べて、モールド42におけるインク80が浸透した部分42Aの占有率が小さくなると、インク80が浸透した部分42Aの影響が小さくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が小さくなる。
すなわち、モールド42にインク80が付着し一定時間経過すると、膜厚が薄いモールド42は、膜厚が厚いモールド42と比べて、内部応力が大きくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が大きくなる。一方、膜厚が厚いモールド42は、膜厚が薄いモールド42と比べて、内部応力が小さくなり、シート状に成形されたモールド42の湾曲が小さくなる。
図7A〜図7Cは、図4に対応する図であり、比較例1に係る記録ヘッド91のモールド側端部領域45(以降、比較例1のモールド側端部領域45と称す)の状態を示す断面図である。図7Aは、インク80が付着していない比較例1のモールド側端部領域45の初期状態を示す図である。なお、図4も、インク80が付着していない本実施形態のモールド側端部領域45の初期状態を示す図である。図7Bは、比較例1のモールド側端部領域45にインク80が付着した直後の状態を示す断面図である。図7Cは、インク80が付着し一定時間経過した後の比較例1のモールド側端部領域45の状態を示す図である。
図7Aに示すように、比較例1のモールド側端部領域45では、上面70は下面71と同じ面積であり、第2基板側端部72は上面70から下面71に向かう方向に傾斜していない。すなわち、モールド側端部領域45において、第2基板側端部72は、上面70及び下面71に直交するように配置される。
一方、本実施形態のモールド側端部領域45では、上面70は下面71よりも広く、第2基板側端部72は上面70から下面71に向かう方向に階段状に傾斜している。
一方、本実施形態のモールド側端部領域45では、上面70は下面71よりも広く、第2基板側端部72は上面70から下面71に向かう方向に階段状に傾斜している。
比較例1のモールド側端部領域45では、下面71と第2基板側端部72との交点であるコンプライアンス基板37の端部75と、モールド42の表面との距離が局所的に薄くなっている。このため、比較例1では、モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、モールド42の最薄部74は、コンプライアンス基板37の端部75が配置される部分74b(最薄部74b)である。
一方、本実施形態のモールド側端部領域45は、比較例1のモールド側端部領域45における端部75が削られた形状を有する。このため、本実施形態のモールド側端部領域45は、比較例1のモールド側端部領域45と比べて、モールド42の最薄部74が別の部分に形成され、且つ、本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74a(図4参照)は、比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bよりも厚くなっている。
すなわち、比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bは本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74aよりも薄く、本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74aは比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bよりも厚い。この点が、比較例1のモールド側端部領域45と本実施形態のモールド側端部領域45との主な相違点である。
一方、本実施形態のモールド側端部領域45は、比較例1のモールド側端部領域45における端部75が削られた形状を有する。このため、本実施形態のモールド側端部領域45は、比較例1のモールド側端部領域45と比べて、モールド42の最薄部74が別の部分に形成され、且つ、本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74a(図4参照)は、比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bよりも厚くなっている。
すなわち、比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bは本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74aよりも薄く、本実施形態のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74aは比較例1のモールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bよりも厚い。この点が、比較例1のモールド側端部領域45と本実施形態のモールド側端部領域45との主な相違点である。
図7Bに示すように、ノズル24からインク80が吐出されると、ノズル24から吐出されるインク滴の一部が霧状のミストとなり、モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着する。モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着したインク80は、モールド42の内部に浸透する。
なお、図7Cでは、モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着したインク80の図示が省略されている。
なお、図7Cでは、モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着したインク80の図示が省略されている。
すると、図7Cに示すように、インク80が付着したモールド42の表面が膨潤し、モールド42が湾曲しようとし、図中に太い矢印56で示される内部応力が発生し、モールド42の最薄部74bに内部応力が集中するようになる。さらに、図中に太い矢印56で示される内部応力が作用した状態で一定時間経過すると、モールド42の最薄部74bに集中する内部応力によって、モールド42の最薄部74bに亀裂57が発生する。
加えて、モールド42に亀裂57が生じると、亀裂57からインク80が侵入し、連通板25とコンプライアンス基板37との接合部分が、亀裂57から侵入したインク80によって劣化し、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離する等の不具合が生じるおそれが生じる。すなわち、モールド42に亀裂57が生じると、記録ヘッド91が劣化しやすくなる。
このように、比較例1の記録ヘッド91では、モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着したインク80によって、モールド42に亀裂57が生じ、記録ヘッド91が劣化しやすくなる。
加えて、モールド42に亀裂57が生じると、亀裂57からインク80が侵入し、連通板25とコンプライアンス基板37との接合部分が、亀裂57から侵入したインク80によって劣化し、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離する等の不具合が生じるおそれが生じる。すなわち、モールド42に亀裂57が生じると、記録ヘッド91が劣化しやすくなる。
このように、比較例1の記録ヘッド91では、モールド側端部領域45のモールド42の表面に付着したインク80によって、モールド42に亀裂57が生じ、記録ヘッド91が劣化しやすくなる。
本実施形態の記録ヘッド3は、比較例1の記録ヘッド91と比べて、モールド側端部領域45のモールド42の最薄部74が厚くなっている。すると、図6に符号E2で示される膜厚が厚いモールド42と同様に、図中に符号E1で示される膜厚が薄いモールド42と比べて、内部応力が小さくなる。すなわち、モールド側端部領域45のモールド42の最薄部74aが厚い本実施形態の記録ヘッド3は、モールド側端部領域45のモールド42の最薄部74bが薄い比較例1の記録ヘッド91と比べて、モールド42の内部応力が小さくなる。
本実施形態の記録ヘッド3は、モールド側端部領域45のモールド42の表面にインク80が付着しても、比較例1の記録ヘッド91と比べて、モールド42の内部応力が小さくなるので、亀裂57が生じにくくなる。さらに、本実施形態の記録ヘッド3は、比較例1の記録ヘッド91と比べて、亀裂57が生じにくいので、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド3が劣化するという不具合が生じにくくなり、記録ヘッド3の信頼性が高められる。
本実施形態の記録ヘッド3は、モールド側端部領域45のモールド42の表面にインク80が付着しても、比較例1の記録ヘッド91と比べて、モールド42の内部応力が小さくなるので、亀裂57が生じにくくなる。さらに、本実施形態の記録ヘッド3は、比較例1の記録ヘッド91と比べて、亀裂57が生じにくいので、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド3が劣化するという不具合が生じにくくなり、記録ヘッド3の信頼性が高められる。
図8は、図4に対応する図であり、比較例2に係る記録ヘッド92のモールド側端部領域45の状態を示す断面図である。
図8では、比較例2の第2基板側端部72が太い破線で図示され、比較例1の第2基板側端部72が細い破線で図示されている。
図8では、比較例2の第2基板側端部72が太い破線で図示され、比較例1の第2基板側端部72が細い破線で図示されている。
図8に示すように、比較例2に係る記録ヘッド92は、比較例1に係る記録ヘッド91と比べて、コンプライアンス基板37が短くなり、コンプライアンス基板37の第2基板側端部72をノズル基板23から後退させ、コンプライアンス基板37の第2基板側端部72をノズル基板23から遠ざけている。この点が、比較例2に係る記録ヘッド92と、比較例1に係る記録ヘッド91との相違点である。
モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、比較例2ではモールド42の最薄部74が最薄部74cであり、比較例1ではモールド42の最薄部74が最薄部74bである。コンプライアンス基板37の第2基板側端部72をノズル基板23から遠ざけると、モールド42の最薄部74を厚くすることができる。すなわち、比較例2のモールド42の最薄部74cは、比較例1のモールド42の最薄部74bよりも厚くなる。
すると、亀裂57が生じにくくなり、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド92が劣化するという不具合が生じにくくなる。
モールド側端部領域45に形成されたモールド42において、比較例2ではモールド42の最薄部74が最薄部74cであり、比較例1ではモールド42の最薄部74が最薄部74bである。コンプライアンス基板37の第2基板側端部72をノズル基板23から遠ざけると、モールド42の最薄部74を厚くすることができる。すなわち、比較例2のモールド42の最薄部74cは、比較例1のモールド42の最薄部74bよりも厚くなる。
すると、亀裂57が生じにくくなり、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド92が劣化するという不具合が生じにくくなる。
ところが、コンプライアンス基板37を短くし、コンプライアンス基板37の第2基板側端部72をノズル基板23から遠ざけるという比較例2に係る記録ヘッド92では、コンプライアンス基板37と連通板25との接触面積(接合面積)が狭くなり、コンプライアンス基板37と連通板25との接合強度が弱くなる。すると、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離しやすくなり記録ヘッド92の信頼性が低下するという新たな課題が生じる。
すなわち、比較例2の記録ヘッド92では、モールド42に亀裂57は生じにくいが、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離しやすくなり、記録ヘッド92の信頼性が低下しやすくなる。
すなわち、比較例2の記録ヘッド92では、モールド42に亀裂57は生じにくいが、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離しやすくなり、記録ヘッド92の信頼性が低下しやすくなる。
なお、図示を省略するが、ノズル基板23と固定板14との間で、コンプライアンス基板37を覆うように配置されるモールド42の量を多くすることによっても、モールド42を厚くすることができる。ところが、ノズル基板23と固定板14との間で、コンプライアンス基板37を覆うよう過剰のモールド42が充填されると、モールド42がノズル基板23上に溢れだし、ノズル基板23のノズル面40がモールド42で覆われ、ノズル24が閉塞されるという不具合が生じる。
一方、本実施形態の記録ヘッド3では、コンプライアンス基板37と連通板25との接触面積(接合面積)を狭くすることなく、モールド42の最薄部74を厚くすることができる。さらに、本実施形態の記録ヘッド3では、ノズル基板23と固定板14との間で、コンプライアンス基板37の一部を覆うように適量のモールド42が充填され、過剰のモールド42を充填しなくてもモールド42の最薄部74を厚くすることができる。
従って、本実施形態の記録ヘッド3では、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離するという不具合や、モールド42がノズル基板23上に溢れだしノズル24が閉塞されるという不具合が生じることなく、モールド42に亀裂57が生じにくくなる。その結果、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド3が劣化するという不具合が生じにくくなり、記録ヘッド3の信頼性が高められる。
従って、本実施形態の記録ヘッド3では、コンプライアンス基板37が連通板25から剥離するという不具合や、モールド42がノズル基板23上に溢れだしノズル24が閉塞されるという不具合が生じることなく、モールド42に亀裂57が生じにくくなる。その結果、モールド42に生じる亀裂57によって記録ヘッド3が劣化するという不具合が生じにくくなり、記録ヘッド3の信頼性が高められる。
(実施形態2)
図9は、実施形態2に係る記録ヘッド3Aにおけるモールド側端部領域45の拡大断面図である。
図9に示すように、実施形態2に係る記録ヘッド3Aでは、第2基板側端部72のコーナー部65がカットされている。実施形態1に係る記録ヘッド3では、第2基板側端部72のコーナー部65がカットされていない、この点が本実施形態と実施形態1との相違点である。
すなわち、本実施形態に係る記録ヘッド3Aは、第2基板側端部72において、階段状に傾斜する部分のコーナー部65がカットされた構成を有する。
図9は、実施形態2に係る記録ヘッド3Aにおけるモールド側端部領域45の拡大断面図である。
図9に示すように、実施形態2に係る記録ヘッド3Aでは、第2基板側端部72のコーナー部65がカットされている。実施形態1に係る記録ヘッド3では、第2基板側端部72のコーナー部65がカットされていない、この点が本実施形態と実施形態1との相違点である。
すなわち、本実施形態に係る記録ヘッド3Aは、第2基板側端部72において、階段状に傾斜する部分のコーナー部65がカットされた構成を有する。
かかる構成によって、モールド側端部領域45において、モールド42の最薄部74がさらに厚くなり、インク80が内部に浸透することによって生じるモールド42の内部応力がさらに小さくなり、モールド42に亀裂57がさらに生じにくくなるという優れた効果を得ることができる。
コーナー部65がカットされる角度は、モールド側端部領域45におけるモールド42の最薄部74の厚みが最大となる角度、例えば、モールド42とノズル基板23のノズル面40とがなす角度が概略45度であることが好ましい。このようなコーナーカットは、例えばサンドブラストやマシニングセンタなどの機械的加工によって形成することができる。
コーナー部65がカットされる角度は、モールド側端部領域45におけるモールド42の最薄部74の厚みが最大となる角度、例えば、モールド42とノズル基板23のノズル面40とがなす角度が概略45度であることが好ましい。このようなコーナーカットは、例えばサンドブラストやマシニングセンタなどの機械的加工によって形成することができる。
(実施形態3)
図10A及び図10Bは、実施形態3に係る記録ヘッド3B,3Cにおけるモールド側端部領域45の拡大断面図である。
図10Aに示すように、モールド側端部領域45において、第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に傾斜する斜面67であってもよい。さらに、図10Bに示すように、モールド側端部領域45において、第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に傾斜する曲面68であってもよい。
図10A及び図10Bは、実施形態3に係る記録ヘッド3B,3Cにおけるモールド側端部領域45の拡大断面図である。
図10Aに示すように、モールド側端部領域45において、第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に傾斜する斜面67であってもよい。さらに、図10Bに示すように、モールド側端部領域45において、第2基板側端部72は、上面70から下面71に向かう方向に傾斜する曲面68であってもよい。
かかる構成によっても、モールド側端部領域45において、モールド42の最薄部74が厚くなり、インク80が内部に浸透することによって生じるモールド42の内部応力が小さくなり、モールド42に亀裂57が生じにくくなるという優れた効果を得ることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
液体吐出ヘッドは、第1基板と、前記第1基板に積層されるノズル基板と、前記第1基板に積層され、前記ノズル基板と異なる位置に位置し、前記ノズル基板側に第2基板の端部を有する第2基板と、前記第2基板に積層され、前記ノズル基板側に第3基板の端部を有し、前記第3基板の端部が前記第2基板の端部よりも前記ノズル基板と反対側にずれた位置に位置する第3基板と、前記ノズル基板と前記第3基板との間で、前記第2基板の一部を覆うように配置されるモールドと、を有する液体吐出ヘッドであって、前記第2基板は、前記第2基板の端部に交差し前記第1基板に対向配置される上面と、前記第2基板の端部に交差し前記上面と反対側の下面とを有し、前記第2基板の前記モールドにて覆われた領域において、前記上面は前記下面よりも広いことを特徴とする。
第2基板は、第1基板側に配置される上面と、第3基板側に配置される下面(上面に対向配置される下面面、上面と反対側の下面)と、上面及び下面に交差する側面(第2基板側端部)とを有する。モールド側端部領域において、第1基板側に配置される上面が第3基板側に配置される下面よりも広くなると、側面(第2基板の端部)は、第1基板から第3基板に向かう方向に傾斜し、第1基板に対して順テーパーの傾斜を有するようになる。そして、第1基板を底面とし、第3基板の端部と下面と側面と第1基板とノズル基板とで囲まれる空間が形成され、当該空間にモールドが充填される。
モールドは、第2基板を保護するように配置され、側面が第1基板に対して順テーパーに傾斜すると、側面が第1基板に対して逆テーパーに傾斜する場合と比べて、モールドが第2基板の一部を均一に覆い、モールドの耐性が高められ、例えば、モールドに亀裂などの不具合が生じにくくなる。すると、モールドによって保護される第2基板及び第2基板と第1基板との接続部分が劣化しにくくなり、液体吐出ヘッドの信頼性が高められる。
モールドは、第2基板を保護するように配置され、側面が第1基板に対して順テーパーに傾斜すると、側面が第1基板に対して逆テーパーに傾斜する場合と比べて、モールドが第2基板の一部を均一に覆い、モールドの耐性が高められ、例えば、モールドに亀裂などの不具合が生じにくくなる。すると、モールドによって保護される第2基板及び第2基板と第1基板との接続部分が劣化しにくくなり、液体吐出ヘッドの信頼性が高められる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第2基板の端部は、前記上面から前記下面に向かう方向に階段状に傾斜し、前記上面に平行な面を少なくとも一つ有することが好ましい。
側面(第2基板側端部)が、上面から下面に向かう方向に階段状に傾斜し、上面に平行な面を少なくとも一つ有すると、側面(第2基板側端部)が第1基板に対して順テーパーに傾斜する場合と同様に、モールドが第2基板の一部を均一に覆い、モールドの耐性が高められ、例えば、モールドに亀裂などの不具合が生じにくくなる。すると、モールドによって保護される第2基板及び第2基板と第1基板との接続部分が劣化しにくくなり、液体吐出ヘッドの信頼性が高められる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第2基板の端部では、前記階段状に傾斜する部分のコーナー部がカットされていることが好ましい。
側面(第2基板側端部)において、階段状に傾斜する部分のコーナー部がカットされると、階段状に傾斜する部分のコーナー部がカットされない場合と比べて、モールドがコーナー部を覆いやすくなり、モールドの耐性がさらに高められる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第2基板の端部は、前記上面から前記下面に向かう方向に傾斜する斜面または曲面を有することが好ましい。
側面(第2基板側端部)が、上面から下面に向かう方向に傾斜する斜面または曲面を有すると、側面が第1基板に対して順テーパーに傾斜する場合と同様に、モールドが第2基板を覆いやすくなり、例えばモールドに亀裂が生じにくくなり、モールドの耐性が高められる。すると、モールドによって保護される第2基板及び第2基板と第1基板との接続部分が劣化しにくくなり、液体吐出ヘッドの信頼性が高められる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第1基板は、内部に液室が設けられた連通板であることが好ましい。
第1基板が内部に液室が設けられた連通板であると、当該液室を介してノズル基板のノズルに液体を供給することができる。さらに、液体吐出ヘッドは、液室の圧力を変化させることによって、ノズル基板のノズルから所定量の液体を吐出することができるようになる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第2基板は、前記液室内の圧力変動を低減するためのコンプライアンス基板であることが好ましい。
第2基板が液室内の圧力変動を低減するためのコンプライアンス基板であると、液室内の圧力変動が低減されるので、液体吐出ヘッドは、ノズル基板のノズルから安定して所定量の液体を吐出できるようになる。
上記液体吐出ヘッドでは、前記第1基板、前記ノズル基板、前記第2基板を少なくとも含むヘッド本体と、前記ヘッド本体を収容するホルダーと、を更に有し、前記第3基板は、前記ヘッド本体を前記ホルダーに固定する固定板であることが好ましい。
第3基板が第2基板を保護する固定板であると、固定板を設けない場合と比べて、第2基板が劣化しにくくなり、例えば、外部からの耐衝撃性が高められた液体吐出ヘッドを提供することができる。
液体吐出装置は、上記液体吐出ヘッドを有することを特徴とする。
モールドの耐性が高められ、モールドに亀裂などの不具合が生じにくくなると、モールドによって保護される第2基板が劣化しにくくなり、液体吐出ヘッドの信頼性が高められる。さらに、当該液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置の信頼性も高められる。
1…プリンター、3,3A,3B,3C…記録ヘッド、13…ヘッド本体、14…固定板、23…ノズル基板、25…連通板、37…コンプライアンス基板、38…固定基板、39…封止膜、40…ノズル面、41…空間、42…モールド、44…第3基板側端部、70…上面、71…下面、72…第2基板側端部、73…上面に平行な面、74,74a,74b,74c…最薄部。
Claims (8)
- 第1基板と、
前記第1基板に積層されるノズル基板と、
前記第1基板に積層され、前記ノズル基板と異なる位置に位置し、前記ノズル基板側に第2基板の端部を有する第2基板と、
前記第2基板に積層され、前記ノズル基板側に第3基板の端部を有し、前記第3基板の端部が前記第2基板の端部よりも前記ノズル基板と反対側にずれた位置に位置する第3基板と、
前記ノズル基板と前記第3基板との間で、前記第2基板の一部を覆うように配置されるモールドと、
を有する液体吐出ヘッドであって、
前記第2基板は、前記第2基板の端部に交差し前記第1基板に対向配置される上面と、前記第2基板の端部に交差し前記上面と反対側の下面とを有し、
前記第2基板の前記モールドにて覆われた領域において、前記上面は前記下面よりも広いことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第2基板の端部は、前記上面から前記下面に向かう方向に階段状に傾斜し、前記上面に平行な面を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2基板の端部では、前記階段状に傾斜する部分のコーナー部がカットされていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2基板の端部は、前記上面から前記下面に向かう方向に傾斜する斜面または曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1基板は、内部に液室が設けられた連通板であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2基板は、前記液室内の圧力変動を低減するためのコンプライアンス基板であることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1基板、前記ノズル基板、及び前記第2基板を少なくとも含むヘッド本体と、
前記ヘッド本体を収容するホルダーと、
を更に有し、
前記第3基板は、前記ヘッド本体を前記ホルダーに固定する固定板であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする液体吐出装置。
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JP2019116209A JP2021000788A (ja) | 2019-06-24 | 2019-06-24 | 液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019116209A Pending JP2021000788A (ja) | 2019-06-24 | 2019-06-24 | 液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021000788A (ja) |
-
2019
- 2019-06-24 JP JP2019116209A patent/JP2021000788A/ja active Pending
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