JP2001239957A - 自動車用バンパーラバー - Google Patents

自動車用バンパーラバー

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JP2001239957A
JP2001239957A JP2000053198A JP2000053198A JP2001239957A JP 2001239957 A JP2001239957 A JP 2001239957A JP 2000053198 A JP2000053198 A JP 2000053198A JP 2000053198 A JP2000053198 A JP 2000053198A JP 2001239957 A JP2001239957 A JP 2001239957A
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opening
bumper rubber
pieces
elastic element
load
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JP2000053198A
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English (en)
Inventor
Seiichi Takahashi
誠一 高橋
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンパーラバー自体の形状依存性を高めて、
全体として低弾性で且つ撓みストロークの大きなバンパ
ーラバーを提供する。 【解決手段】 アンカー部を有しないお椀型の弾性体素
片2とアンカー部7を有するお椀型の弾性体素片3の開
口面2a,3a同士を突き合わせつつ凹凸嵌合させて球
状体4とし、その球状体4を貫通するプッシュロッド5
にて拘束する。荷重−撓み特性としては球状体4の形状
に大きく依存するために撓みストロークが大きくなり、
ストローク末期に反力が急激に上昇するのが望ましいと
される要求特性とも合致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のフードや
トランクリッド等に代表されるような開閉体もしくはそ
の開閉体に対応する車体側の開口部の一部に緩衝のため
に設けられる自動車用バンパーラバーの構造に関し、特
に荷重−撓み特性として理想的とされる要求特性にきわ
めて近似した特性を容易に得ることができるようにした
自動車用バンパーラバーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用バンパーラバーの代表的なもの
として例えば実開昭61−106639号公報に記載さ
れたものが広く知られている。このバンパーラバーは、
図14に示すように開閉体もしくは車体側開口部に直接
弾接することになる当接部101を高硬度のゴム材料で
形成する一方、それ以外の取付基部として開閉体もしく
は車体側開口部への係合部102となるべき部分を低硬
度ゴムにて形成して実質的に二層ゴム構造としてある。
なお、103はバンパーラバー100が取り付けられる
パネル、104はバンパーラバー100に弾接すること
になるパネルである。
【0003】そして、この種のバンパーラバーで100
は、開閉体の閉じ力の上昇を抑えるために、撓みストロ
ークの初期から中期段階では荷重(撓み反力)の立ち上
がりがきわめて緩慢であることが望ましく、且つ撓みス
トローク末期のいわゆる閉め切り直前時にその荷重が急
激に立ち上がるような特性すなわち図15に実線で示す
特性が理想的であるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のバンパーラ
バー100の構造では、バンパーラバー100自体が中
実形状であることも影響してその荷重−撓み特性の全て
をゴム硬度に依存しているため、実際の荷重−撓み特性
としては図15に破線で示すような撓みストロークの初
期段階から末期段階に向かって荷重が比例的に上昇する
いわゆる直線的な特性とならざるを得ず、上記の理想的
とされる要求特性を満たすことはできない。
【0005】また、圧縮に対する復元力をゴムの弾性力
のみに依存していて、撓みストローク(撓み変位量)が
小さく相手側部材である開閉体等への追従性が充分でな
いことから、開閉体の閉じフィーリング(閉操作フィー
リング)の悪化を招きやすい。
【0006】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、とりわけ簡易な構造でありながら、上記荷
重−撓み特性として理想的とされる要求特性を容易に実
現できるようにした構造を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、自動車の開閉体もしくはそれに対応する車体側開口
部の一部に緩衝のために設けられる自動車用バンパーラ
バーであって、お椀型をなす二つの弾性部材素片をその
開口面同士が互いに突き合わされるように重ね合わせた
ことを特徴としている。
【0008】この場合、二つの弾性体素片の開口面同士
の突き合わせ面は荷重作用方向に対してほぼ面直角とな
るように設定されていてもよく、また荷重作用方向に対
してほぼ平行となるように設定されていてもよい。
【0009】したがって、この請求項1に記載の発明で
は、お椀型の二つの弾性体素片同士を重ね合わせたこと
によって、バンパーラバー自体はその自由状態下では略
球状のものとなり、また最大変形時には球状形状が偏平
化して双方の弾性体素片同士が密着するような形状にま
で変形させることが可能となる。これは、圧縮に対する
復元力を含む荷重−撓み特性が、弾性体素片自体の硬度
のみならず弾性体素片の形状変化に大きく依存している
ことにほかならない。その結果、荷重−撓み特性として
は、撓みストロークの初期から中期段階にかけては荷重
の上昇を低く抑えて、撓みストロークの末期段階で初め
て急激に立ち上がるような理想的要求特性に近づけるこ
とができる。その上、上記のように弾性体素片自体の形
状依存性が高くなることによって撓み量(撓みストロー
ク)が著しく大きくなることから、開閉体等に対する追
従性も良好なものとなりその閉じフィーリングも改善さ
れることになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明における二つの弾性部材素片の開口面同士を突き
合わせたときにその両者が互いに凹凸嵌合するようにな
っていることを特徴としている。より具体的には、一方
の開口面に例えば凸状部を形成しておくとともに、他方
の開口面には上記凸状部に対応する凹溝を形成してお
き、突き合わせ時にその両者を凹凸嵌合させるものとす
る。
【0011】したがって、この請求項2に記載の発明で
は、二つの弾性体素片が繰り返し撓み変形したとしても
上記凹凸嵌合状態が維持されることにより、二つの弾性
体素片が突き合わせ面でずれてしまうのを防ぐことがで
きる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明における二つの開口面同士の突き合わせ
面が荷重作用方向に対してほぼ面直角となるように設定
されているとともに、二つの弾性部材素片を上記荷重作
用方向に貫通するプッシュロッドが設けられていること
を特徴としている。
【0013】したがって、この請求項3に記載の発明で
は、互いに重ね合わせた二つのお椀型の弾性体素片がプ
ッシュロッドに案内されるかたちで撓み変形と復元とを
繰り返すことになり、プッシュロッドがあることによっ
てその撓み変形と復元との再現性が高められることにな
る。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明を前提とした上で、お椀型をなす二つの弾性部材
素片同士を重ね合わせてなる球状体を荷重作用方向に二
つ重ね合わせるとともに、上記二つの弾性部材素片を貫
通するプッシュロッドに代えて、その二つの球状体を荷
重作用方向に貫通するプッシュロッドが設けられている
ことを特徴としている。
【0015】したがって、この請求項4に記載の発明で
は、荷重−撓み特性ならびに圧縮に対する復元力につい
てバンパーラバー自体の形状依存性が一段と高くなり、
特に撓み変形ストロークが大きくなるが故に開閉体等へ
の追従性がより良好なものとなる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項3または
4に記載の発明におけるいずれか一つの弾性体素片に、
開閉体もしくは車体側開口部への取付基部となる係合部
が一体に形成されていることを特徴としている。
【0017】したがって、この請求項5に記載の発明で
は、二つの弾性体素片を突き合わせたことによって略球
状に形成されるバンパーラバーは、上記係合部をもって
開閉体もしくは車体側開口部に容易に離脱しないように
装着される。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提とした上で、二つの開口面同士の突き合わ
せ面が荷重作用方向に対してほぼ面直角となるように設
定されていて、上記二つの開口面同士を突き合わせたと
きにその両者が弾性変形によっても離脱しないように互
いに凹凸嵌合するようになっているとともに、いずれか
一つの弾性体素片に、開閉体もしくは車体側開口部への
取付基部となる係合部が一体に形成されていることを特
徴としている。
【0019】したがって、この請求項6に記載の発明で
は、二つの弾性体素片が繰り返し撓み変形したとしても
上記凹凸嵌合状態が維持されることにより、二つの弾性
体素片が突き合わせ面でずれてしまうのを防ぐことがで
き、また、二つの弾性体素片を突き合わせたことによっ
て略球状に形成されるバンパーラバーは、上記係合部を
もって開閉体もしくは車体側開口部に容易に離脱しない
ように装着される。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明における二つの開口面同士の突き合わせ
面が荷重作用方向に対してほぼ平行となるように設定さ
れているとともに、その二つの弾性部材素片を重ね合わ
せたときに同時に互いに突き合わされるようにして開閉
体もしくは車体側開口部への取付基部となる係合部が各
弾性体素片ごとに個別に形成されていることを特徴とし
ている。
【0021】したがって、この請求項7に記載の発明で
は、請求項1に記載の発明と比べた場合に、二つの弾性
体素片の開口面同士の突き合わせ面が荷重作用方向と平
行となるように限定したものであり、その請求項1に記
載の発明と同様に、圧縮に対する復元力や荷重−撓み特
性は弾性体素片自体の硬度のみならず弾性体素片の形状
にも大きく依存するようになる。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の発明を前提とした上で、二つ一組の弾
性体素片がその円周上の一部で接続されるように半割り
展開形状に予め一体に形成されていて、上記接続部から
折り曲げることにより二つの弾性体素片の開口面同士が
突き合わされるようになっていることを特徴としてい
る。
【0023】したがって、この請求項8に記載の発明で
は、二つの弾性体素片同士が予め一体的につながってい
るものであるから、互いに相手側となる弾性体素片が自
律的に特定される。
【0024】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、荷重−
撓み特性や圧縮に対する復元力がお椀型の弾性体素片自
体の硬度のみならずその形状変化にも大きく依存するよ
うになるため、荷重−撓み特性として要求特性を満たす
ことができるようになるとともに、撓み変位量も大幅に
大きくなって相手側部材への追従性が良くなることか
ら、開閉体の閉じフィーリングが飛躍的に向上する効果
がある。
【0025】また、請求項2に記載の発明によれば、二
つの弾性体素片の開口面同士を突き合わせた時に両者が
凹凸嵌合することでその二つの弾性体素片同士の位置ず
れを未然に防止できることから、そのバンパーラバーの
撓み時や復元時の挙動が安定化し、本来の荷重−撓み特
性を長期にわたって維持できる効果がある。
【0026】請求項3に記載の発明によれば、互いに重
ね合わせた二つの弾性体素片を貫通するようにプッシュ
ロッドが設けられていることから、このプッシュロッド
による案内効果のためにバンパーラバーの撓み時や復元
時の挙動が一段と安定化するようになってその挙動再現
性に優れ、バンパーラバー本来の荷重−撓み特性が一段
と安定化する効果がある。
【0027】請求項4に記載の発明によれば、二つの弾
性体素片同士を重ね合わせてなる請求項3に記載の発明
の球状体を荷重作用方向に二つ重ね合わせた上でプッシ
ュロッドを貫通するように配置したものであるから、荷
重−撓み特性や圧縮に対する復元力について弾性体素片
自体の形状依存性が一段と高くなり、荷重−撓み特性を
要求特性に一段と近づけることができるようになるとと
もに、撓み変位量の一層の増大化に伴って相手側部材へ
の追従性も一段と向上することになる。
【0028】請求項5に記載の発明によれば、いずれか
一つの弾性体素片に係合部が一体に形成されているた
め、この係合部をもって開閉体もしくは車体側開口部に
バンパーラバーを装着することが可能であり、バンパー
ラバーの固定のために他の手段を一切必要としない利点
がある。
【0029】請求項6に記載の発明によれば、二つの開
口面同士の突き合わせ面を荷重作用方向に対してほぼ面
直角となるように設定し、両者が弾性変形によっても離
脱しないように互いに凹凸嵌合するようになっていると
ともに、一方の弾性体素片に、開閉体もしくは車体側開
口部への取付基部となる係合部が形成されているもので
あるから、二つの弾性体素片同士の位置ずれを未然に防
止でき、そのバンパーラバーの撓み時や復元時の挙動が
安定化し、本来の荷重−撓み特性を長期にわたって維持
できるほか、上記係合部をもって開閉体もしくは車体側
開口部にバンパーラバーを装着することが可能であり、
バンパーラバーの固定のために他の手段を一切必要とし
ない効果がある。
【0030】請求項7に記載の発明によれば、二つの弾
性体素片同士の突き合わせ面を荷重作用方向と一致する
ように設定した上で、各弾性体素片ごとに互いに突き合
わされることになる係合部を個別に形成したものである
から、実質的に請求項1,5に記載の発明と同様の効果
が得られる。
【0031】請求項8に記載の発明によれば、互いに組
み合わされるべき二つのお椀型の弾性体素片同士が互い
につながるように予め一体に成形されているものである
から、相手側となるべき弾性体素片が一義的に決まって
いることになり、部品管理工数を削減できる効果があ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】図1〜5は本発明に係る自動車用
バンパーラバーの好ましい第1の実施の形態を示す図
で、例えばエンジンルーム開口縁のラジエータコアサポ
ート等の車体パネルに上向きに装着されてフード閉時に
そのフードのインナパネル側に弾接するタイプのバンパ
ーラバーの例を示している。なお、この実施の形態は、
請求項1〜3に記載の発明のほか請求項5に記載の発明
に対応している。
【0033】図1〜3に示すように、バンパーラバー1
は、ゴム等の弾性材料にて形成された上下一対のお椀型
の弾性体素片2,3についてその開口面2a,3aを互
いに突き合わせることで球状体4とし、この球状体4を
荷重作用方向に貫通するプッシュロッド5をもって弾性
体素片2,3同士の突き合わせ状態を保持することで形
成される。そして、一方の弾性体素片3には車体パネル
6側への取付基部となるべき係合部としてのアンカー部
7が一体に形成されており、このアンカー部7を車体パ
ネル6に形成された取付穴8に圧入することでバンパー
ラバー1が固定される。
【0034】ここで、一対の弾性体素片2,3の開口面
2a,3a同士を上下方向で突き合わせることによりそ
の突き合わせ面は必然的に荷重作用方向に対してほぼ面
直角な関係となっているとともに、図4の(A),
(B)に示すように一方の弾性体素片3の開口面3aに
は凹溝9Aもしくは9Bを、他方の弾性体素片2の開口
面2aには上記凹溝9Aもしくは9Bに対応する凸状部
10Aもしくは10Bをそれぞれ形成し、弾性体素片
2,3同士の突き合わせ時に両者を相互に嵌合させるこ
とで弾性変形に伴う弾性体素片2,3同士の位置ずれを
防止して上記突き合わせ状態を常に維持できるように設
定してある。
【0035】また、球状体4を貫通するプッシュロッド
5はゴムあるいは樹脂等にて形成されていて、上端には
フードに直接当接することになる大径の頭部11が一体
に形成されているとともに、下端には抜け止め用の球状
のストッパが12一体に形成されている。そして、プッ
シュロッド5が挿入される穴13a,13bについては
その直径をプッシュロッド5自体の軸径よりも充分に大
きく設定することで、球状体4の内部空間を常に大気開
放する機能を併せ持たせてある。
【0036】なお、プッシュロッド5はゴムあるいは樹
脂のほか金属等にて形成されたものでもよいが、フード
に直接当接することになる頭部11についてはその機能
よりしてゴムに代表されるような軟質材料にて形成され
ていることが条件となる。
【0037】以上のように構成されたバンパーラバー1
の挙動を図15に実線で示す荷重−撓み特性(要求特
性)と関連付けて説明すると、実質的にバンパーラバー
1に外力が作用していない自由状態下では図5の(A)
に示す状態にあり、それぞれの弾性体素片2,3は自己
復元力により復元しつつ両者の突き合わせ状態を維持す
るようにプッシュロッド5によって拘束されている。こ
の状態は図15の特性図でaの領域に対応している。
【0038】この状態から図5の(B)に示すようにプ
ッシュロッド5の頭部11にフードPが当接してバンパ
ーラバー1に外力が作用するようになると、一対の弾性
体素片2,3からなる球状体4は車体パネル6とフード
Pとの間に挟まれた状態となり、全体として偏平球状に
変形するようになる。すなわち、球状体4はプッシュロ
ッド5によって案内されながら、荷重作用方向ではその
直径が小さくさるように圧縮変形する一方で荷重作用方
向と直交する方向ではその直径が拡径するように引張変
形し、フードPには初期反力が作用するようになる。こ
の時、弾性体素片2,3同士の突き合わせ面における位
置ずれは先に説明した凹溝9Aもしくは9Bと凸状部1
0Aもしくは10Bとの嵌合によって阻止される。この
状態は図15のbの領域に対応しており、反力(荷重)
とともに撓み量が緩やかに増大する。
【0039】さらに球状体4が圧縮変形を受けると、図
5の(C)に示すように荷重作用方向と直交方向での拡
径が限界近くに達するものの、荷重作用方向では上下の
弾性体素片2,3同士が一段と近接するかの如くなおも
容易にその変形が許容され、球状体4が一段と偏平化す
る。この状態は図15のcの領域に対応しており、反力
の増大はその前のbの領域よりも緩慢となり、いわゆる
一定反力に近い特性を得ることができることになる。
【0040】そして、図5の(D)に示すように球状体
4の荷重作用方向での圧縮変形が限界近くに達すると上
下の弾性体素片2,3同士が直接密着するようなかたち
となり、この状態をもってフードPは閉め切り状態とな
る。この状態は図15のdの領域に対応しており、上記
のように上下の弾性体素片2,3同士が直接接触してそ
れ以上の弾性変形が不可能となるために、フードPが閉
め切り状態となるのと同時に反力が急激に高くなる。
【0041】このように本実施の形態のバンパーラバー
1では、圧縮に体する復元力や荷重−撓み特性が各弾性
体素片2,3のゴム硬度だけでなくお椀型の形状そのも
のに大きく依存するようになるため、全体的に低弾性と
なって上記荷重−撓み特性としては図15に実線で示す
要求特性にきわめて忠実に合致させることができるよう
になるとともに、フードPに対する追従性もきわめて良
好なものとなる。
【0042】なお、図15の破線は図14に示した従来
技術での荷重−撓み特性を示しており、先に述べたよう
にその特性がゴム硬度のみに依存しているために、特に
撓みストロークの後半での特性が実線で示す要求特性か
ら大きく外れたものにならざるを得ないことになる。
【0043】また、図6は上記実施の形態におけるバン
パーラバー1の構造を一段と単純化した上で実測したと
きの荷重−撓み特性を示している。この実測に供した試
料Sは、図7に示すように肉厚t=2.5mmのお椀型
の一対の弾性体素片S1,S2の開口面同士を突き合わ
せて接着剤にて接着固定するとともに、荷重作用方向で
の直径D1を26mm、荷重作用方向と直交方向での直
径D2を32mmとした。そして、5mm/minの速
度で荷重を試料Sに加え、撓み量が20mmになるまで
圧縮変形させた。
【0044】図6のAは圧縮変形時の荷重特性を、同図
Bは復元時の荷重特性をそれぞれ示しており、同図から
明らかなように特に圧縮変形時の荷重特性は図15に示
した要求特性にきわめて近似したものになることが判明
した。
【0045】図8は本発明に係るバンパーラバーの第2
の実施の形態を示す図で、この実施の形態では一対の弾
性体素片同士を突き合わせた球状体を二つ積層するよう
にした点で第1の実施の形態のものと異なっている。な
お、この実施の形態は、請求項1,2に記載の発明のほ
か請求項4,5に記載の発明に対応している。
【0046】より詳しくは、図8に示すように、アンカ
ー部27を有するお椀型の弾性体素片22とアンカー部
を有しない同じくお椀型の弾性体素片23とを両者の開
口面22a,23aにて突き合わせて下側球状体24と
する一方、同じくアンカー部を有しない全く同一形状の
二つの弾性体素片25、26を両者の開口面25a,2
6aにて突き合わせて上部球状体28とし、これら双方
の球状体24,28を荷重作用方向に貫通するプッシュ
ロッド29をもってそれら二つの球状体24,28を拘
束してバンパーラバー21としたものである。なお、各
球状体24,28を形成している弾性体素片22,23
同士もしくは他方の弾性体素片25,26同士の突き合
わせ面における凹凸嵌合構造としては図4と同様の構造
が採用されている。
【0047】この第2の実施の形態では、一つ一つの球
状体24,28の特性は図1に示したものと同様のもの
となることは明らかであるから、二つの球状体24,2
8を重ね合わせた場合にはそれらの総和もしくは相乗効
果として撓みストロークを一段と大きく確保できる利点
がある。
【0048】図9,10は本発明に係るバンパーラバー
の第3の実施の形態を示す図で、この実施の形態では第
1,第2の実施の形態におけるプッシュロッド5,29
を廃止した点でそれらの実施の形態のものと異なってい
る。なお、この実施の形態は、請求項1,2に記載の発
明のほか請求項6,8に記載の発明に対応している。
【0049】この第3の実施の形態におけるバンパーラ
バー31では、アンカー部37を有するお椀型の弾性体
素片32とアンカー部を有しないお椀型の弾性体素片3
3とをその円周上の一部の薄肉状の接続部35にて相互
に接続するかの如く球状体34の半割り展開形状に予め
一体に形成し、上記接続部35をもって折り返すことに
より弾性体素片32,33同士をその開口面32a,3
3aにて突き合わせるようにしたものである。なお、こ
の実施の形態においても、弾性体素片32,33同士の
突き合わせ面における凹凸嵌合構造としては図4の
(B)と同様の構造が採用されている。そして、第1,
第2の実施の形態のようなプッシュロッドを有していな
いがためにその最大変形時の形状は図11のようにな
る。
【0050】本実施の形態では、第1の実施の形態のも
のと比べた場合にプッシュロッドの有無が異なるだけで
あるから、荷重−撓み特性としてはその第1の実施の形
態のものと同様の特性が得られるほか、特に二つの弾性
体素片32,33同士が予め接続されているために、互
いに組み合わされるべき相手側の弾性体素片が一義的に
定まっていることになり、完全に独立している二つの弾
性体素片同士を突き合わせる場合と比べて部品管理工数
を低減できる効果がある。
【0051】図12,13は本発明に係るバンパーラバ
ーの第4の実施の形態を示しており、この実施の形態で
は弾性体素片同士の突き合わせ面を荷重作用方向と直交
する平面としてではなく、荷重作用方向と平行な平面と
して設定した点で上記第3の実施の形態のものと異なっ
ている。なお、この実施の形態は、請求項1および請求
項7,8に記載の発明に対応している。
【0052】すなわち、図12,13に示すように、半
割り状のアンカー部47aを有する一対のお椀型の弾性
体素片42,43同士をその円周上の一部の接続部45
にて相互に接続するかの如く球状体44の半割り展開形
状に予め一体に形成し、上記接続部45をもって折り返
すことにより弾性体素片42,43同士の開口面42
a,43aを荷重作用方向と平行な突き合わせ面をもっ
て相互に突き合わせることでバンパーラバー41とした
ものである。なお、半割り状のアンカー部47a,47
a同士も同時に突き合わされることで初めて図1と同様
のアンカー部として機能することになる。
【0053】ここで、この実施の形態においても、弾性
体素片42,43同士の突き合わせ面における凹凸嵌合
構造として図4と同様の構造を採用してもよいが、本実
施の形態では上記凹凸嵌合は必ずしも必要ではない。そ
の理由は、本実施の形態のバンパーラバー41はその突
き合わせ面が荷重作用方向と平行であるため、バンパー
ラバー41が圧縮変形した場合に上記突き合わせ面がそ
の都度口開きする可能性が高いためである。ただし、上
記のように突き合わせ面が口開きしたとしても荷重−撓
み特性が安定していて再現性があれば実用上は何ら問題
はない。
【0054】本実施の形態においても上記第3の実施の
形態と同様の作用効果が得られることは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバンパーラバーの第1の実施の形
態を示す図で、その半断面説明図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1の下面図。
【図4】(A),(B)ともに図1のQ部拡大説明図。
【図5】図1に示すバンパーラバーの圧縮変形時の挙動
を示す説明図。
【図6】荷重−撓み特性の実測値を示す説明図。
【図7】実測に供した試料の説明図。
【図8】本発明に係るバンパーラバーの第2の実施の形
態を示す半断面説明図。
【図9】本発明に係るバンパーラバーの第3の実施の形
態を示す半断面説明図。
【図10】図9に示すバンパーラバーの分解図。
【図11】図9に示すバンパーラバーの圧縮変形時の挙
動を示す説明図。
【図12】本発明に係るバンパーラバーの第4の実施の
形態を示す半断面説明図。
【図13】図12に示すバンパーラバーの分解図。
【図14】従来のバンパーラバーの一例を示す断面説明
図。
【図15】荷重−撓み特性の要求特性を示す説明図。
【符号の説明】 1…バンパーラバー 2,3…弾性体素片 2a,3a…開口面 4…球状体 5…プッシュロッド 7…アンカー部(係合部) 9A,9B…凹溝 10A,10B…凸状部 21…バンパーラバー 22,23…弾性体素片 24…下側球状体 25,26…弾性体素片 27…アンカー部(係合部) 28…上側球状体 29…プッシュロッド 31…バンパーラバー 32,33…弾性体素片 34…球状体 35…接続部 37…アンカー部(係合部) 41…バンパーラバー 42,43…弾性体素片 44…球状体 47a…アンカー部(係合部)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の開閉体もしくはそれに対応する
    車体側開口部の一部に緩衝のために設けられる自動車用
    バンパーラバーであって、 お椀型をなす二つの弾性部材素片をその開口面同士が互
    いに突き合わされるように重ね合わせたことを特徴とす
    る自動車用バンパーラバー。
  2. 【請求項2】 二つの弾性部材素片の開口面同士を突き
    合わせたときにその両者が互いに凹凸嵌合するようにな
    っていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用バ
    ンパーラバー。
  3. 【請求項3】 二つの開口面同士の突き合わせ面が荷重
    作用方向に対してほぼ面直角となるように設定されてい
    るとともに、二つの弾性部材素片を上記荷重作用方向に
    貫通するプッシュロッドが設けられていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の自動車用バンパーラバ
    ー。
  4. 【請求項4】 お椀型をなす二つの弾性部材素片同士を
    重ね合わせてなる球状体を荷重作用方向に二つ重ね合わ
    せるとともに、上記二つの弾性部材素片を貫通するプッ
    シュロッドに代えて、その二つの球状体を荷重作用方向
    に貫通するプッシュロッドが設けられていることを特徴
    とする請求項3に記載の自動車用バンパーラバー。
  5. 【請求項5】 いずれか一つの弾性体素片に、開閉体も
    しくは車体側開口部への取付基部となる係合部が一体に
    形成されていることを特徴とする請求項3または4に記
    載の自動車用バンパーラバー。
  6. 【請求項6】 二つの開口面同士の突き合わせ面が荷重
    作用方向に対してほぼ面直角となるように設定されてい
    て、 上記二つの開口面同士を突き合わせたときにその両者が
    弾性変形によっても離脱しないように互いに凹凸嵌合す
    るようになっているとともに、 いずれか一つの弾性体素片に、開閉体もしくは車体側開
    口部への取付基部となる係合部が一体に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用バンパーラ
    バー。
  7. 【請求項7】 二つの開口面同士の突き合わせ面が荷重
    作用方向に対してほぼ平行となるように設定されている
    とともに、その二つの弾性部材素片を重ね合わせたとき
    に同時に互いに突き合わされるようにして開閉体もしく
    は車体側開口部への取付基部となる係合部が各弾性体素
    片ごとに個別に形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の自動車用バンパーラバー。
  8. 【請求項8】 二つ一組の弾性体素片がその円周上の一
    部で接続されるように半割り展開形状に予め一体に形成
    されていて、上記接続部から折り曲げることにより二つ
    の弾性体素片の開口面同士が突き合わされるようになっ
    ていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の自動車用バンパーラバー。
JP2000053198A 2000-02-29 2000-02-29 自動車用バンパーラバー Pending JP2001239957A (ja)

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