JP2001225593A - 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法

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JP2001225593A JP2000039765A JP2000039765A JP2001225593A JP 2001225593 A JP2001225593 A JP 2001225593A JP 2000039765 A JP2000039765 A JP 2000039765A JP 2000039765 A JP2000039765 A JP 2000039765A JP 2001225593 A JP2001225593 A JP 2001225593A
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Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Katsuya Tejima
勝弥 手嶋
Mayumi Yo
まゆみ 楊
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絵柄を構成する画像層を形成した曲面印刷用
転写フィルムに活性剤を塗布して行うカールフィットに
よる転写加工工程に際して、絵柄を構成する画像層のひ
び割れが発生せず、意匠性に優れた曲面印刷を行うこと
のできる曲面印刷用転写フィルムを提供することを主目
的とするものである。 【解決手段】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムと、
上記支持フィルムの一面に2種以上のインクまたはトナ
ーにより絵柄が構成される画像層とを少なくとも有する
曲面印刷用転写フィルムにおいて、上記2種以上のイン
クまたはトナーの内、転写加工を行う際に上記曲面印刷
用転写フィルムの上記画像層側の面に塗布される活性剤
の溶媒に上記インクまたはトナーの固形分を溶解させた
溶液の粘度が最も大きいインクまたはトナーが最下層と
なるように、支持フィルム上に上記2種以上のインクま
たはトナーが積層されて画像層が形成されていることを
特徴とする曲面印刷用転写フィルムを提供することによ
り上記目的を達成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、金属製
品、プラスチック成形体、セラミックス成形品等の各種
被印刷体の曲面(本明細書における「曲面」とは、曲面
等の非平面部分のみならず平坦部をも含むものとす
る。)に対して、転写方式により印刷を行うための曲面
印刷用転写フィルムおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より行われてきた曲面を有する各種
被印刷体に印刷を施す方法としては、円錐形や箱形とい
った単純な形状への印刷に適したドライオフセット印
刷、このドライオフセット印刷に適さない扁平形などへ
の印刷、厚いインク層が必要な印刷に適したスクリーン
印刷、さらには、基材、ワックス層、印刷インク層、熱
可塑性樹脂層からなる転写紙を用いて行い、被印刷体に
密着させて基材側から加熱することでインク層を転写す
る転写印刷、そして、凹版からシリコンゴムのパッドに
インクを写し取り、被印刷体に押しつける方法(一種の
オフセット印刷)で、時計の文字盤、電子部品のマーキ
ングなどの精密品にも利用されるパッド印刷等を挙げる
ことができる。
【0003】このような曲面への印刷法の中でも、特に
複雑な形状の被印刷体への絵付(印刷)が可能な印刷法
として、カールフィット(特殊曲面印刷)を挙げること
ができる。このカールフィットによる曲面への印刷は、
水溶性または水膨潤性フィルムからなる支持フィルム上
に活性剤により活性化された絵柄を構成する画像層を有
する転写フィルムを、上記画像層が上面となるように水
面に浮かべ、絵付される被印刷体をその上方から押し入
れて、水圧を利用して上記転写フィルムの画像層を被印
刷体の外周面に転写することによりなされる(特公昭5
2−41683号公報、特開昭54−33115号公
報)。
【0004】一方、近年の少ロット・多品種の流れのな
かで、印刷版を用いずに印刷が可能なオンデマンド印刷
が注目されてきており、インクジェット法や電子写真法
等のオンデマンド印刷により各種印刷物が作製されてい
る。本発明者らは既にこのようなオンデマンド方式の印
刷方法を上述したカールフフィットの印刷工程に取り入
れることを試みており、これにより、近年の少ロット・
多品種の要求に対応可能な曲面印刷用転写フィルムを迅
速かつ低コストで製造することができるようになってき
た。
【0005】このようなオンデマンド方式の中でも、電
子写真方式は代表的なものであり、従来のオフセット、
グラビア印刷に対するコスト的な優位性から、主に小部
数の冊子やチラシ、ポスターなどの印刷にこの電子写真
方式が用いられはじめている。最近では、軟包装用のフ
ィルムなど特殊な原反へ印刷できる装置も提案されてお
り、今後さらにその応用分野は広がるものと予想されて
いる。
【0006】本発明者らは、このような電子写真方式を
カールフィットに適用するため、カールフィットに用い
る曲面印刷用転写フィルムの画像層の印刷工程にこの電
子写真方式を取り入れることを検討してきた。しかしな
がら、通常電子写真方式で用いられるトナーで印刷され
た曲面印刷用転写フィルムの画像層は、曲面印刷用転写
フィルムを所定の溶媒上に浮かべ、ここへ被曲面印刷体
を降下させ液圧で被曲面印刷体表面に転写を行う際に、
絵柄(画像層)が延びにくいといった問題がある。した
がって、このような転写加工工程において、転写時もし
くはその後の絵柄(画像層)にひび割れが生じる可能性
があるという問題があった。
【0007】この問題は、トナーの活性剤への溶解性、
溶解後の粘度に起因するところが大きい。すなわち、カ
ールフィットによる転写加工工程を行う際に通常曲面印
刷用転写フィルムの画像層に活性剤が塗布されて、水等
の所定の溶媒上に浮かべられる。この際、トナーの活性
剤への溶解性、溶解後の粘度によっては、その後の被曲
面印刷体への転写加工工程において、支持フィルムの伸
びに伴って画像層が伸び広がることができず、転写時も
しくはその後の画像層にひび割れが生じる等の問題が発
生するのである。
【0008】これらの問題点は、現在では問題が生じて
いない従来のグラビア印刷等の方法により形成された画
像層でも、例えばより膨潤による伸びが大きい支持フィ
ルムを用いる等の材料の変更や工程の変更が行われた場
合、将来的には起こりうる問題点である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みて成し遂げられたものであり、絵柄を構成する
画像層を形成した曲面印刷用転写フィルムに活性剤を塗
布して行うカールフィットによる転写加工工程に際し
て、絵柄を構成する画像層のひび割れが発生せず、意匠
性に優れた曲面印刷を行うことのできる曲面印刷用転写
フィルムを提供することを主目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、所定の溶媒に膨潤する
支持フィルムと、上記支持フィルムの一面に2種以上の
インクまたはトナーにより絵柄が構成される画像層とを
少なくとも有する曲面印刷用転写フィルムにおいて、上
記2種以上のインクまたはトナーの内、転写加工を行う
際に上記曲面印刷用転写フィルムの上記画像層側の面に
塗布される活性剤の溶媒に上記インクまたはトナーの固
形分を溶解させた溶液の粘度が最も大きいインクまたは
トナーが最下層となるように、支持フィルム上に上記2
種以上のインクまたはトナーが積層されて画像層が形成
されていることを特徴とする曲面印刷用転写フィルムを
提供する。
【0011】このように、本発明の曲面印刷用転写フィ
ルムは、画像層を構成する2種以上のインクまたはトナ
ーが、これらのインクまたはトナーの固形分を所定の条
件で活性剤の溶媒に溶解させ、その溶液の粘度を測定し
た際に、粘度の最も大きいものが最下層となるように支
持フィルム上方に積層されて形成された画像層を有する
ものである。したがって、支持フィルムが膨潤により伸
び広がろうとする際に、支持フィルムに最も近い位置
(最下層)に配置された固形分溶液(活性剤の溶媒にイ
ンク、トナー、もしくは中間層の固形分を溶解させた溶
液を、以下、固形分溶液とする場合がある。)の粘度の
高いトナーからなるインクまたはトナーは、支持フィル
ムの膨潤による伸び広がりに伴うインクまたはトナーの
伸び広がりの速度を抑える働きをするものと考えられ、
これによりその上に積層された固形分溶液の粘度の比較
的低いトナーは、固形分溶液の粘度の高いトナーの広が
りに十分追従することができるものと予想される。した
がって、このように画像層を構成することにより、カー
ルフィットによる転写加工工程において、画像割れが生
じにくい曲面印刷用転写フィルムとすることができる。
【0012】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記2種以上のインク
またはトナーが、転写加工を行う際に上記曲面印刷用転
写フィルムの上記画像層側の面に塗布される活性剤の溶
媒に、上記インクまたはトナーの固形分を溶解させた溶
液の粘度が大きいインクまたはトナーから順に支持フィ
ルム上に積層されていることが好ましい。このように固
形分溶液の粘度の高い順に積層することにより、各イン
クもしくはトナーの層は、その下層にあるインクまたは
トナーの層の伸び広がりに十分追従することができると
予想されることから、さらに画像割れが生じにくい曲面
印刷用転写フィルムとすることができるからである。
【0013】また、本発明は請求項3において、所定の
溶媒に膨潤する支持フィルムと、上記支持フィルムの一
面形成された中間層と、この中間層の表面もしくは内部
に形成された少なくとも1種類のインクまたはトナーか
らなる画像層とを少なくとも有する曲面印刷用転写フィ
ルムにおいて、上記中間層が、転写加工を行う際に上記
曲面印刷用転写フィルムの上記画像層側の面に塗布され
る活性剤の溶媒に、上記画像層を構成するいずれのイン
クまたはトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度より、
上記中間層の固形分を溶解させた溶液の粘度が大きくな
る材料で形成された中間層であることを特徴とする曲面
印刷用転写フィルムを提供する。
【0014】この場合も、上述した請求項1に記載され
た発明と同様に、支持フィルム上に形成された中間層の
固形分溶液の粘度が、画像層のいずれのインクもしくは
トナーにおける固形分溶液の粘度より高いことにより、
支持フィルムの伸び広がりに伴う中間層の伸び広がりの
速度を抑える働きを有すると考えられ、これにより中間
層上に形成された固形分溶液の粘度が中間層のものより
低いトナーもしくはインクは、中間層の伸び広がりの速
度に十分に追従することができるものと予想される。し
たがって、このような構成とすることにより、画像層の
割れといった不具合のない曲面印刷用転写フィルムとす
ることができる。
【0015】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項4に記載するように、上記支持
フィルム上に中間層が形成され、この中間層の表面また
は内部に上記画像層が形成されており、かつ上記中間層
が、転写加工を行う際に上記曲面印刷用転写フィルムの
上記画像層側の面に塗布される活性剤の溶媒に、上記画
像層を構成するいずれのインクまたはトナーの固形分を
溶解させた溶液の粘度より、上記中間層の固形分を溶解
させた溶液の粘度が大きくなる材料で形成された中間層
であることが好ましい。このような構成とすることによ
り、上記請求項1または請求項2に記載された発明にお
いて得られる効果に加え、上記請求項3に記載した効果
と同様の効果をも得られることから、得られる曲面印刷
体において画像層の割れといった不具合がより少なくな
り、高品質の曲面印刷体を得ることができるからであ
る。
【0016】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項5に記載
するように、上記画像層を形成するインクまたはトナー
が、オンデマンド方式による印刷に用いられるインクま
たはトナーである場合に本発明はより効果的であり、特
に請求項6に記載するように、上記画像層を形成するイ
ンクまたはトナーが、電子写真方式による印刷に用いら
れるトナーである場合に効果的である。これらの印刷方
法により形成された画像層は、支持フィルムの膨潤に伴
う伸び広がりに追従することができずに、得られる曲面
印刷体において画像割れといった不具合が生じやすい性
質を有するからである。
【0017】上記請求項6に記載された発明において
は、請求項7に記載するように、上記活性剤の溶媒が、
一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
アセテートからなるグループから選択される少なくとも
1種以上の化合物からなる主溶媒を、全溶媒中75重量
%以上含む溶媒であるか、もしくは請求項8に記載する
ように、上記活性剤の溶媒が、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
アセテートからなるグループから選択される少なくとも
1種以上の化合物からなる主溶媒、および一般式 R1−(C24O)2−R2 (式中、R1はOHもしくはCH3COO、CH3O、C2
5Oであり、R2はCH 3もしくはC25である。)で
示される化合物、およびCH3COOC24OCH3から
なるグループから選択される少なくとも1種以上の化合
物からなる第1補助溶媒を重量比で95/5〜60/4
0の範囲内で混合した混合溶媒を、全溶媒中85重量%
以上含む溶媒であることが好ましい。
【0018】上記請求項7または請求項8に記載された
発明においては、請求項9に記載するように、上記主溶
媒が、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物から選択される少なくとも1種以上の化合
物からなるものであることが特に好ましく、最も好まし
くは、請求項10に記載するように、上記化合物が、ブ
チルカルビトールアセテートである場合である。
【0019】このような溶媒を含む活性剤は、画像層を
構成するトナーが電子写真方式による印刷に用いられる
トナーである場合、得られる曲面印刷体における画像の
割れ等の不具合を防止する働きがある。したがって、電
子写真方式による印刷で画像層が形成された曲面印刷用
転写フィルムには特に好適に用いられる。よって、この
活性剤の溶媒にトナーもしくはインク、または中間層の
固形分を溶解した固形分溶液の粘度を基準に画像層のト
ナーもしくはインクの積層順、または中間層の材料等を
選択することにより、電子写真方式で画像層が印刷され
て形成された曲面印刷用転写フィルムであっても、カー
ルフィットによる転写加工工程における画像割れといっ
た不具合が生じ難い曲面印刷用転写フィルムとすること
ができるからである。
【0020】上記請求項1から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項11に
記載するように、上記所定の溶媒に膨潤する支持フィル
ムが、水溶性のフィルムであることが好ましい。カール
フィットによる転写加工工程は、安全面およびコスト面
から水を所定の溶媒として用いて行われることが好まし
く、かつ一般的である。したがって、上述したように、
支持フィルムは水溶性のフィルムを用いることが好まし
い。
【0021】さらに本発明においては、請求項12に記
載するように、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを準
備する工程と、この支持フィルムの一面に2種以上のイ
ンクまたはトナーにより絵柄が構成される画像層を形成
する工程とを少なくとも有する曲面印刷用転写フィルム
の製造方法において、上記画像層を形成する工程が、転
写加工を行う際に上記曲面印刷用転写フィルムの上記画
像層側の面に塗布される活性剤の溶媒に、上記インクま
たはトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度が最も大き
いインクまたはトナーが最下層となるように支持フィル
ム上に積層して形成する工程であることを特徴とする曲
面印刷用転写フィルムの製造方法を提供する。
【0022】このように画像層を形成することにより、
2種以上のトナーもしくはインクを固形分溶液の粘度が
最も高いものを最下層とするように支持フィルム上に積
層された曲面印刷用転写フィルムとすることができ、上
述した理由によりカールフィットによる転写加工工程お
よびその後の画像層の割れが生じ難い曲面印刷用転写フ
ィルムを製造することができる。
【0023】さらに、請求項12に記載された発明にお
いては、請求項13に記載するように、上記画素部を形
成する工程が、転写加工を行う際に上記曲面印刷用転写
フィルムの上記画像層側の面に塗布される活性剤の溶媒
に、上記インクまたはトナーの固形分を溶解させた溶液
の粘度が大きいインクまたはトナーから順に支持フィル
ム上に積層して形成する工程であることが好ましい。こ
のように固形分溶液の粘度が大きい順に支持層上に積層
することにより、転写加工工程において各層はその下層
の伸び広がりに十分追従することができるので、得られ
る曲面印刷用転写フィルムが画像割れ等の不具合のより
少ないものとすることができるからである。
【0024】また、本発明においては、請求項14に記
載するように、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを準
備する工程と、この支持フィルムの一面に中間層を形成
する工程と、さらに上記中間層の表面もしくは内部に少
なくとも1種類のインクまたはトナーにより絵柄が構成
された画像層を形成する工程とを少なくとも有する曲面
印刷用転写フィルムの製造方法において、上記中間層を
構成する材料が、転写加工を行う際に上記曲面印刷用転
写フィルムの上記画像層側の面に塗布される活性剤の溶
媒に上記画像層を構成するいずれのインクまたはトナー
の固形分を溶解させた溶液の粘度より、上記中間層の固
形分を溶解させた溶液の粘度が大きくなる材料が用いら
れることを特徴とする曲面印刷用転写フィルムの製造方
法を提供する。このようにしてインクもしくはトナー、
または中間層の材料を選択して用いることにより、中間
層を有する場合であっても、上述した理由により転写加
工工程における画像層の割れが生じにくい曲面印刷用転
写フィルムを製造することができる。
【0025】上記請求項12から請求項14までのいず
れかの請求項に記載される発明の場合、請求項15に記
載するように、上記画像層を形成する工程が、電子写真
方式により画像層を形成する工程であることが好まし
い。これは、上述したように、電子写真方式により印刷
され形成された画像層は、支持フィルムの膨潤に伴う伸
び広がりに追従することができずに、画像割れが生じや
すいことから、本発明を適用するとより顕著な効果を得
ることができるからである。
【0026】本発明においては、請求項16に記載する
ように、表面に画像層が印刷された曲面印刷体であっ
て、上記画像層は少なくとも2種以上のインクまたはト
ナーからなり、上記画像層が、上記画像層を転写加工し
た際に用いられた活性剤の溶媒に、上記インクまたはト
ナーの固形分を溶解させた溶液の粘度が小さいインクま
たはトナーから順に表面に積層されてなる画像層である
ことを特徴とする曲面印刷体を提供する。このような曲
面印刷体は、その製造に際して、上述した理由により画
像割れ等が生じ難い。したがって、このような画像層を
有する曲面印刷体は、画像割れ等の不具合の無い、品質
の良好な高意匠性を有するものとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面印刷用転写フ
ィルムについて詳細に説明する。本発明の曲面印刷用転
写フィルムは、大きく二つの実施態様に分けることがで
きる。
【0028】本発明の曲面印刷用転写フィルムの第1実
施態様は、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムの一面
に、2種以上のインクまたはトナーにより絵柄が構成さ
れる画像層を有する曲面印刷用転写フィルムにおいて、
上記画像層が、固形分溶液の粘度が最も高いインクまた
はトナーが最下層となるように支持フィルム上に積層さ
れた画像層であることを特徴とするものである。
【0029】すなわち、第1実施態様の特徴は、画像層
を形成するトナーもしくはインクの固形分を集め、これ
を活性剤に用いられる溶媒に溶解させて固形分溶液と
し、各トナーもしくはインクの固形分溶液の粘度を測定
する。そして、この粘度の最も高いものが最も下層とな
るように支持フィルム上に積層する。これにより、支持
フィルム上にまず上記固形分の粘度の最も高いインクま
たはトナーが積層される。このような構成で画像層を構
成することにより、以下のような作用効果が期待でき
る。
【0030】カールフィットによる転写加工工程におい
ては、所定の溶媒上に曲面印刷用転写フィルムを浮かべ
る前に、画像層の伸び広がりを助けるために曲面印刷用
転写フィルムの画像層側の面に活性剤が塗布される。こ
のように活性剤を塗布することにより、活性剤中の溶媒
が画像層の各トナーまたはインクの固形分を膨潤させ
る。そして、この状態で画像層側を上にして所定の溶媒
上に浮かべられる。この際、支持フィルムは、所定の溶
媒により膨潤して伸び広がる。本発明の曲面印刷用転写
フィルムにおける画像層においては、上述したように固
形分溶液の粘度が最も高いトナーもしくはインクが支持
フィルムに最も近い位置に配置されている。したがっ
て、この支持フィルムが伸び広がる際に、まず支持フィ
ルムの伸びはこの最も固形分溶液の粘度の高いトナーま
たはインクに伝わる。このトナーまたはインクは、上述
したように固形分溶液の粘度が高いことから、活性剤の
溶媒で膨潤した場合にも伸び広がりに際して他のトナー
もしくはインクより大きい力を必要とすることが予想さ
れ、したがって、支持フィルムの伸び広がりの速さに伴
うこのトナーもしくはインクの伸び広がりの速さを抑え
る働きを有することが考えられる。このため、このよう
な構成とすることにより、画像層の割れといった問題点
を防止することができるのである。
【0031】この実施態様においては、特に固形分溶液
の粘度が高いものから順に支持フィルム上に積層するこ
とが好ましい。これにより、支持フィルム上にまず上記
固形分溶液の粘度の最も高いインクまたはトナーが積層
され、そして固形分溶液の粘度が次に高いものがその上
に積層され、最上層には固形分溶液の粘度の最も低いト
ナーもしくはインクが積層されることになる。
【0032】このような構成とすることにより、画像部
を構成する各インクまたはトナーの各層上には、より固
形分溶液の粘度が低いトナーもしくはインクが配置され
ることになる。したがって、このトナーもしくはインク
は、その下層に形成されている固形分溶液の粘度のより
高いトナーもしくはインクの伸びに十分追従することが
可能であると考えられる。このため、このような構成と
することにより、画像層の割れといった問題点をより効
果的に防止することができるからである。
【0033】さらに、本発明の曲面印刷用転写フィルム
の第2実施態様は、所定の溶媒に膨潤する支持フィルム
の一面に中間層が形成され、この中間層の表面もしくは
内部に少なくとも1種類のインクもしくはトナーから構
成される画像層が形成された曲面印刷用転写フィルムに
おいて、上記中間層が、上記画像層を構成するいずれの
インクまたはトナーの固形分溶液の粘度より、上記中間
層の固形分溶液の粘度が高い材料で形成された中間層で
あることを特徴とするものである。
【0034】このような第2実施態様においては、支持
フィルム上に形成される中間層の固形分溶液の粘度が、
この中間層表面もしくは中間層内部に形成される画像層
を構成するインクもしくはトナーの固形分溶液の粘度よ
り高くなるように、インクもしくはトナー、または中間
層の材料が選択される。したがって、以下のような作用
効果が期待できる。
【0035】すなわち、カールフィットによる転写加工
工程においては、所定の溶媒上に曲面印刷用転写フィル
ムを浮かべる前に、画像層の伸び広がりを助けるために
曲面印刷用転写フィルムの中間層および画像層が形成さ
れた面に活性剤が塗布される。このように活性剤を塗布
することにより、活性剤中の溶媒が中間層および画像層
のトナーまたはインクの固形分を膨潤させる。そして、
この状態で画像層側を上にして所定の溶媒上に浮かべら
れる。この際、支持フィルムは、所定の溶媒により膨潤
して伸び広がる。この支持フィルムが伸び広がる際に、
まず支持フィルムの伸びは、支持フィルム上に形成され
た中間層に伝わる。本実施態様における中間層は、上述
したように画像層を構成するトナーもしくはインクより
固形分溶液の粘度が高い材料で形成されている。したが
って、中間層が活性剤の溶媒で膨潤した場合、伸び広が
りに際して比較的大きい力を必要とするものであり、し
たがって、支持フィルムの伸び広がりの速さに伴う画像
層のトナーもしくはインクの伸び広がりの速さを抑える
働きを有することが考えられる。そして、この中間層表
面もしくは内部には、固形分溶液の粘度がより低いトナ
ーもしくはインクから構成される画像層が配置されてい
る。したがって、このトナーもしくはインクは、その下
層に形成されている固形分溶液の粘度のより高い中間層
の伸びに十分追従することが可能であると考えられる。
このため、中間層の材料を上述したような材料とするこ
とにより、画像層の割れといった問題点を防止すること
ができるのである。
【0036】なお、上記第1実施態様の曲面印刷用転写
フィルムにおいては、中間層が形成されたものであって
もよく、この場合、第2実施態様に示すように中間層の
固形分溶液の粘度は、いずれのインクもしくはトナーに
おける固形分溶液の粘度より高い材料で構成されること
が好ましい。これはすなわち、画像層の最も支持フィル
ムに近い位置に配置されたインクもしくはトナーの固形
分溶液の粘度より高い固形分溶液の粘度を有する材料で
中間層が構成されることが好ましいのである。
【0037】一方、上記第2実施態様において、画像層
は少なくとも1種類のインクもしくはトナーで構成され
ていればよいのであり、2種類以上のインクもしくはト
ナーで構成されていてもよい。画像層が2種類以上のイ
ンクもしくはトナーで構成されている場合は、上記第1
実施態様のように、画像層を構成する各インクもしくは
トナーは、その固形分溶液の粘度が最も高いものが最下
層となるように構成されていることが好ましく、特に固
形分溶液の粘度が高い順に中間層表面もしくは中間層内
部に積層されて画像層が構成されていることが好まし
い。
【0038】上記第1実施態様および第2実施態様のい
ずれにおいても、固形分溶液とは、上述したように、カ
ールフィットによる転写加工工程を行う際に、上記曲面
印刷用転写フィルムの上記画像層側の面に塗布される活
性剤の溶媒に上記インクもしくはトナー、または中間層
の固形分を溶解させた溶液をいうものである。
【0039】この場合の活性剤の溶媒とは、その曲面印
刷用転写フィルムを用いてカールフィットによる転写加
工工程を行う前に、インクもしくはトナー、または中間
層が形成された曲面印刷用転写フィルムに実際に塗布さ
れる活性剤の溶液であり、曲面印刷用転写フィルムの種
類等により異なるものである。
【0040】このような活性剤の溶媒としては具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、ある
いはこれらの混合液であるガソリン、石油、ベンジン、
ミネラルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、トリクロルエチ
レン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素類、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、
アミルアルコール、ベンジルアルコール等の一価アルコ
ール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン
類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレン
グリコール、モノ・メチルエーテル、エチレングリコー
ル、モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール等の
エーテル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類等のエス
テル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミン類、そ
の他アセタール類、酸類、フラン類等が挙げられ、これ
らが単独あるいは混合溶剤として用いられる。
【0041】どの溶媒を固形分溶液の溶媒として用いる
かは、上述したように実際のカールフィットによる転写
加工工程において、曲面印刷用転写フィルムに応じて用
いられる活性剤により異なり、それぞれの曲面印刷用転
写フィルムに対して用いられる活性剤中の溶媒が、固形
分溶液の溶媒として用いられる。この溶媒は、通常画像
層の印刷方法、すなわちインクもしくはトナーの種類に
より大きく異なるものである。
【0042】本発明においては、上述したように電子写
真方式により印刷されて画像層が形成されたものが好ま
しいことから、電子写真方式用のトナーに対して用いら
れる活性剤の溶媒を用いることが好ましい。
【0043】このような溶媒としては、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
アセテートからなるグループから選択される少なくとも
1種以上の化合物からなる主溶媒を、全溶媒中75重量
%以上、好ましくは85重量%以上含む溶媒を固形分溶
液の溶媒の例として挙げることができる。このような溶
媒を活性剤の溶媒として用いた場合、電子写真方式で印
刷した画像部を画像割れ生じることなく伸び広げること
が可能であるからである。
【0044】また、電子写真方式用のトナーに対して用
いられる活性剤の溶媒における他の例としては、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
アセテートからなるグループから選択される少なくとも
1種以上の化合物からなる主溶媒、および一般式 R1−(C24O)2−R2 (式中、R1はOHもしくはCH3COO、CH3O、C2
5Oであり、R2はCH 3もしくはC25である。)で
示される化合物、およびCH3COOC24OCH3から
なるグループから選択される少なくとも1種以上の化合
物からなる第1補助溶媒を、重量比で95/5〜60/
40の範囲内で混合した混合溶媒を、全溶媒中85重量
%以上含む溶媒を挙げることができる。
【0045】上記主溶媒は、乾燥除去に問題がある場合
があることから、製造効率上問題が生じる可能性があ
る。一方、上記第1補助溶媒は水溶性でありかつ上記主
溶媒に対して相溶性を有することから、転写工程後の水
洗工程である程度除去することが可能となる。したがっ
て、上述したような混合溶媒を活性剤の溶媒として用い
ることにより、画像割れ等の不具合を防止しつつ、さら
に製造効率を向上させることができるからである。
【0046】上記主溶媒は、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
される化合物から選択される少なくとも1種以上の化合
物であることが好ましく、特にブチルカルビトールアセ
テートであることが好ましい。電子写真方式で印刷した
画像部を画像割れ生じることなく伸び広げる効果をより
顕著に奏し得るためである。
【0047】さらに上記活性剤中の溶媒には、転写加工
工程後の溶媒の除去を容易にする目的で、上記主溶媒と
相溶性を有し、かつ20℃での蒸気圧が10〜100m
mHgである少なくとも1種以上の化合物(以下、第2
補助溶媒とする場合がある。)を、活性剤の溶媒中に全
溶媒成分中5〜25重量%、好ましくは5〜15重量%
添加してもよい。
【0048】このような溶媒に溶解されて固形分溶液と
なるインクもしくはトナー、または中間層の固形分と
は、転写加工工程直前に画像層もしくは中間層を構成し
ている材料を示すものである。印刷インキおよび中間層
(高分子溶液)の場合は、印刷、乾燥後に印刷面に残存
する不揮発分であり、印刷インキでは主に樹脂分と顔料
・染料分であり、中間層(高分子溶液)では、樹脂分を
意味する。インキ中での状態(固体か、溶存しているか
など)は問わない。一方、湿式トナーの場合は、静電潜
像に対して電気泳動により吸着・固定化(現像)される
成分を示す。トナー中に含有されていても現像に関係し
ない樹脂、顔料分は含まれない。
【0049】このような固形分は、以下のような方法に
より採取される。すなわち、まず印刷インキ、および中
間層材料(高分子溶液)の場合、固形分は印刷、乾燥後
に印刷面に残存する不揮発分であるので、印刷インキあ
るいは高分子溶液(中間層材料)をシャーレや蒸発皿の
ような適当な容器にとり、これを印刷あるいはコーティ
ングと同様の条件で乾燥させる。乾燥条件を同一とする
ことにより、印刷あるいはコーティングにおける乾燥
に、熱あるいは放射線などによる硬化、架橋、酸化など
を利用する場合でも、採取した固形分が実際の不揮発分
と同一の性状とみなすことができる。また、湿式トナー
の場合は、一定の間隔をおいて対向させた2枚の電極の
間に湿式トナーを満たし、両電極間に直流電流を印加す
る。トナーの極性に応じてどちらかの極板に泳動してき
たトナーを回収し、上記と同様に実際の印刷工程と乾燥
条件を同一として溶媒を乾燥させて固形分とする。
【0050】さらに、ここでいう固形分溶液の濃度は、
上記活性剤の溶媒に上記固形分を3重量%溶解させたも
のであり、この濃度での粘度を測定することにより、上
記トナーもしくはインクの積層順、さらにはインクもし
くはトナー、または中間層の材料の選択が行われる。
【0051】上記固形分溶液の粘度の測定は、相対的粘
度の比較ができればよく、特に方式は問わない。すなわ
ち、B型粘度計などの回転粘度計、オストワルド粘度計
などの毛細管粘度計、落球式粘度計、振動式粘度計、超
音波式粘度計、音叉式粘度計、気泡粘度計、平行板粘度
計などを用いることができる。ただし、一連の相対的粘
度の測定においては、同一方式の同一機種を用いること
とする。
【0052】本発明は、このような固形分溶液の粘度を
測定することにより、測定された粘度に沿ってインクま
たはトナーの画像層中の積層順序を決定し、またインク
もしくはトナー、または中間層の材料を選択することに
より、画像割れの起こり難い曲面印刷用転写フィルムを
得ることができるのである。以下、このような本発明の
曲面印刷用転写フィルムを構成する各要素について、そ
れぞれ説明する。
【0053】(支持フィルム)本発明の曲面印刷用転写
フィルムは、第1実施態様においては、支持フィルム上
に2種類以上のインクまたはトナーからなる画像層が少
なくとも形成されてなるものであり、第2実施態様にお
いては、支持フィルム上に中間層とその表面もしくは内
部に形成された少なくとも1種類以上のインクまたはト
ナーからなる画像層とが少なくとも形成されてなるもの
である。
【0054】本発明に用いられるこのような支持フィル
ムは、カールフィットの印刷工程において、転写時に溶
媒上で十分に膨潤し、かつ多色印刷適性を有し、さらに
転写性、すなわち被曲面印刷体の表面に対し、十分にま
つわりつく性質を有するものであることが好ましい。な
お、本発明において「所定の溶媒に膨潤する」とは、所
定の溶媒に溶解するか膨潤するかのいずれかの性質を有
することを意味する。
【0055】このような支持フィルムの具体例として
は、例えば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイ
ン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテ
ルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン
酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、あるいはセルロ
ース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、
アルギン酸ソーダ等を挙げることができ、これらを単独
でもしくは混合して用いることができる。
【0056】本発明においては、上記所定の溶媒、すな
わちカールフィットにおいてこの転写フィルムを浮か
べ、膨潤させる溶媒は、特に限定されるものではない
が、コスト面および安全面から水であることが好まし
い。
【0057】このように所定の溶媒が水であった場合、
支持フィルムは水に膨潤するフィルムを用いることが好
ましく、具体的には上記したフィルムの内、澱粉系フィ
ルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルア
ルコールと澱粉との混合系からなるフィルム、あるいは
上記材料を紙、不織布、各種多孔質フィルムなどの液体
浸透性のあるベースにコーティングしたフィルムあるい
はラミネートしたフィルム等を挙げることができる。
【0058】本発明においては、中でもポリビニルアル
コール樹脂を主成分とするフィルムが最も好ましい。こ
のポリビニルアルコール樹脂を主成分とするフィルム
は、その重合度、けん化度、澱粉等の添加剤の配合等、
諸条件を変化させることにより、電子写真方式の印刷を
行う際に必要な機械的強度、取り扱い中の吸湿性、水に
浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、延展ないし拡
散に要する時間、転写時の変形のしやすさ等を制御する
ことができる。ポリビニルアルコール(PVA)樹脂を
主成分とする好ましいフィルムの例は、PVA80重量
%、高分子性水溶性樹脂15重量%、および澱粉5重量
%からなり、平衡水分が3%程度のものである。
【0059】このような支持フィルムの厚みは、10〜
100μmの範囲内が好ましく、より好ましくは20〜
60μmの範囲内である。
【0060】(画素層)本発明の第1実施態様の曲面印
刷用転写フィルムにおいては、このような支持フィルム
の一面に絵柄を構成する画像層が、少なくとも2種以上
のインクもしくはトナーから構成され、さらに、この2
種以上のインクもしくはトナーがその固形分溶液の粘度
の高い順に積層してなるものである。
【0061】また、本発明の第2実施態様の曲面印刷用
転写フィルムにおいては、上記支持フィルムの一面に、
中間層が形成され、この中間層の表面もしくは内部に絵
柄を構成する画像層が、少なくとも1種以上のインクも
しくはトナーから構成されている。
【0062】このような画像層に用いられるインクもし
くはトナーは、曲面印刷用転写フィルムに用いられるも
のであれば特に限定されるものではなく、例えばグラビ
ア印刷用のインク等であってもよい。しかしながら、各
種オンデマンド方式の印刷により形成された画像層を有
する曲面印刷用転写フィルムにおいて、画像割れの不具
合が生じやすいことから、本発明においては、画像層が
オンデマンド方式の印刷に用いられるインクもしくはト
ナーにより構成されたものであることが、本発明の効果
をより顕著に奏し得る点で好ましい。
【0063】このようなオンデマンド方式の印刷方法と
しては、電子写真方式、インクジェット方式、熱転写方
式、マグネットグラフィ方式等を挙げることができる
が、本発明においては、電子写真方式により印刷されて
画像層が形成されたものが好ましく、したがって、電子
写真方式による印刷に用いられるトナーにより画像層が
形成されていることが好ましい。
【0064】ここで、本発明で用いられる電子写真方式
の印刷方法とは、感光体の光導電性表面を帯電させこれ
に像様露光を行なって静電潜像を形成する狭義の電子写
真方式に限らず、誘電体の表面を針電極などで走査して
静電潜像を形成する静電記録法、光導電体にバイアスを
印加しておき、これに像様露光を行なって静電潜像を形
成する方法など静電的に潜像を形成する工程を含む全て
の複写法をいうものである。また、画像層に形成される
絵柄とは意匠性を有するものに限定されるものではな
く、各種パターンやべた塗りも含むものである。
【0065】このような電子写真方式の印刷に用いられ
るトナーとしては、湿式トナーと乾式トナーとの二種類
があるが、曲面印刷用転写フィルムの画像層に用いられ
るトナーは、上記支持フィルムに仮接着し、乾燥被膜形
成が容易であり、さらに被曲面印刷体の表面に対して接
着し、かつ後述する活性剤にて容易に膨潤する樹脂をビ
ヒクルとして含むものが好ましい。このような樹脂とし
ては、ガラス転移温度が室温以下であるものを挙げるこ
とができる。湿式トナーは、基本的には樹脂と着色剤か
らなるトナー粒子が分散媒中に分散されたものであり、
ガラス転移温度の低い樹脂を用いた場合でも、樹脂の溶
媒和および粒子表面のζ電位により粒子間に適当な斥力
が働くためブロッキングが生じない。一方、乾式トナー
にこのようなガラス転移温度の低い樹脂をビヒクルとし
て用いた場合は、ブロッキングの問題が生じる可能性が
ある。したがって、カールフイット適性のある樹脂を用
いるためには、印刷に使用するトナーは、乾式トナーよ
り湿式トナーであることが好ましい。また、湿式トナー
では、現像後の溶媒の乾燥によりトナーが定着される。
したがって、定着性の面からも、バインダー樹脂のガラ
ス転移温度は室温以下であることが好ましく、湿式トナ
ーを用いることが好ましいといえる。以下、これらのト
ナーについてそれぞれ説明する。
【0066】(湿式トナー)上記湿式トナーは、上述し
たように基本的には樹脂と着色剤からなるトナー粒子が
分散媒中に分散されたものである。このようなトナー粒
子に用いられる樹脂としては、例えば、スチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、
スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹
脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メタ
クリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート
共重合樹脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合
樹脂、アクリル酸−メチルメタクリレート共重合樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、2−エチルヘキシ
ルアクリレート−メタクリル酸共重合体、ラウリルメタ
クリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重
合体、2−エチルヘキシルメタクリレート−ダイアセト
ンアクリルアミド共重合体などのアクリル樹脂などのう
ち、ガラス転移温度が室温以下であるものを単独で、あ
るいは被膜強度などの必要性に応じて室温以上のガラス
転移温度を持つものと混合して用いることができる。
【0067】湿式トナーの着色剤としては、通常、公知
の有機顔料又は無機顔料が用いられる。また、共重合樹
脂の分子が有色の原子団を有している場合には共重合樹
脂自体又は有色原子団を着色剤として利用することがで
きる。すなわち、着色剤が独立の成分であってもよい
し、共重合樹脂が着色剤として機能するものであっても
よい。
【0068】ブラック系の着色剤としては、例えば、カ
ーボンブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、或い
は、シアニンブラックなどの有機系着色剤を使用でき
る。
【0069】イエロー系着色剤としては、黄鉛、カドミ
ウムイエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、オーカーなどの
無機系顔料を使用できる。イエロー系着色剤としては、
次のような難溶性金属塩(アゾレーキ)も使用できる。
すなわち、アセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料である、
ハンザイエローG(C. I. No. pigment Yellow 1)、ハ
ンザイエロー10G(C. I. No. pigment Yellow 3)、
ハンザイエローRN(C. I. No. pigment Yellow 6
5)、ハンザブリリアントイエロー5GX(C. I. No. p
igment Yellow 74)、ハンザブリリアントイエロー10
GX(C. I. No. pigment Yellow 98)、パーマネント
イエローFGL(C. I. No. pigment Yellow97)、シム
ラレーキファストイエロー6G(C. I. No. pigment Ye
llow 133)、リオノールイエローK−2R(C. I. No.
pigment Yellow 169);アセト酢酸アリリド系ジスアゾ
顔料である、ジスアゾイエローG(C. I. No. pigment
Yellow12)、ジスアゾイエローGR(C. I. No. pigmen
t Yellow 13)、ジスアゾイエロー5G(C. I. No. pig
ment Yellow 14)、ジスアゾイエロー8G(C. I. No.p
igment Yellow 17)、ジスアゾイエローR(C. I. No.
pigment Yellow 55)、パーマネントイエローHR(C.
I. No. pigment Yellow 83);縮合アゾ顔料である、ク
ロモフタルイエロー3G(C. I. No. pigment Yellow 9
3)、クロモフタルイエロー6G(C. I. No. pigment Y
ellow 94)、クロモフタルイエローGR(C. I. No. pi
gment Yellow 95);ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔
料である、ホスタパームイエローH3G(C. I. No. pi
gment Yellow 154)、ホスタパームイエローH4G(C.
I. No. pigment Yellow 151)、ホスタパームイエロー
H2G(C. I. No. pigment Yellow 120)、ホスタパー
ムイエローH6G(C.I. No. pigment Yellow 175)、
ホスタパームイエローHLR(C. I. No. pigment Yell
ow 156);イソインドリノン系顔料である、イルガジン
イエロー3RLTN(C. I. No. pigment Yellow 11
0)、イルガジンイエロー2RLT、イルガジンイエロ
ー2GLT(C. I. No. pigment Yellow 109)、ファス
トゲンスーパーイエローGROH(C. I. No. pigment
Yellow 137)、ファストゲンスーパーイエローGRO
(C. I. No. pigment Yellow 110)、サンドリンイエロ
ー6GL(C. I. No. pigment Yellow 173)などを使用
できる。
【0070】その他のイエロー系着色剤としては、次の
ようなものを例示できる。すなわち、スレン系顔料であ
る、フラバントロン(C. I. No. pigment Yellow 2
4)、アントラミリミジン(C. I. No. pigment Yellow
108)、フタロイルアミド型アントラキノン(C. I. No.
pigment Yellow 123)、ヘリオファストイエローE3
R(C. I. No. pigment Yellow 99);金属錯体顔料で
ある、アゾ系ニッケル錯体顔料(C. I. No. pigment Gr
een 10)、ニトロソ系ニッケル錯体顔料(C. I. No. pi
gment Yellow 153)、アゾメチン系銅錯体顔料(C. I.
No. pigment Yellow117);キノフタロン顔料である、
フタルイミドキノフタロン顔料(C. I. No.pigment Yel
low 138)などを使用できる。
【0071】マゼンタ系着色剤としては、カドミウムレ
ッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン朱などの無機
系顔料を使用できる。マゼンタ系着色剤としては、次の
ようなアゾレーキ系顔料も使用できる。すなわち、ブリ
リアントカーミン6B(C. I. No. pigment Red 57:
1)、レーキレッド(C. I. No. pigment Red 53:1)、
パーマネントレッドF5R(C. I. No. pigment Red 4
8)、リソールレッド(C. I. No. pigment Red 49)、
ペルシアオレンジ(C. I. No. pigment Orange 17)、
クロセイオレンジ(C. I. No. pigment Orange 18)、
ヘリオオレンジTD(C. I. No. pigment Orange 1
9)、ピグメントスカーレット(C. I. No. pigmentRed
60:1)、ブリリアントスカーレットG(C. I. No. pigm
ent Red 64:1)、ヘリオレッドRMT(C. I. No. pigm
ent Red 51)、ボルドー10B(C. I. No.pigment Red
63)、ヘリオボルドーBL(C. I. No. pigment Red 5
4)などを使用できる。
【0072】マゼンタ系着色剤としては、次のような不
溶性アゾ系顔料(モノアゾ系、ジスアゾ系、及び縮合ア
ゾ系)も使用できる。すなわち、モノアゾ系またはジス
アゾ系の顔料である、パラレッド(C. I. No. pigment
Red 1)、レーキレッド4R(C. I. No. pigment Red
3)、パーマネントオレンジ(C. I. No. pigment Orang
e 5)、パーマネントレッドFR2(C. I. No. pigment
Red 2)、パーマネントレッドFRLL(C. I. No. pi
gment Red 9)、パーマネントレッドFGR(C. I. No.
pigment Red 112)、ブリリアントカーミンBS(C.
I. No. pigmentRed 114)、パーマネントカーミンFB
(C. I. No. pigment Red 5)、P.V.カーミンHR
(C. I. No. pigment Red 150)、パーマネントカーミ
ンFBB(C. I. No. pigment Red 146)、ノバパーム
レッドF3RK−F5RK(C. I. No. pigment Red 17
0)、ノバパームレッドHFG(C. I. No. pigment Ora
nge 38)、ノバパームレッドHF4B(C. I. No. pigment
Red 187)、ノバパームオレンジHL.HL−70(C.
I. No. pigment Orange 36)、P.V.カーミンHF4
C(C. I. No. pigment Red 185)、ホスタバームブラ
ウンHFR(C. I. No.pigment Brown 25)、バルカン
オレンジ(C. I. No. pigment Orange 16)、ピラゾロ
ンオレンジ(C. I. No. pigment Orange 13)、ピラゾ
ロンレッド(C. I.No. pigment Red 38);縮合アゾ系
顔料である、クロモフタールオレンジ4R(C. I. No.
pigment Orange 31)、クロモフタールスカーレットR
(C. I. No.pigment Red 166)、クロモフタールレッド
BR(C. I. No. pigment Red 144)などを使用でき
る。
【0073】マゼンタ系着色剤としては、次のような縮
合多環系顔料も使用できる。すなわち、アントラキノン
系顔料である、ピランスロンオレンジ(C. I. No. pigm
entOrange 40)、アントアントロンオレンジ(C. I. N
o. pigment Orange 168)、ジアントラキノニルレッド
(C. I. No. pigment Red 177);チオインジゴ系顔料
である、チオインジゴマゼンタ(C. I. No. pigment Vi
olet 38)、チオインジゴバイオレット(C. I. No. pig
ment Violet 36)、チオインジゴレッド(C.I. No. pig
ment Red 88);ペリノン系顔料である、ペリノンオレ
ンジ(C. I. No. pigment Orange 43);ペリレン系顔
料である、ペリレンレッド(C. I. No.pigment Red 19
0)、ペリレンバーミリオン(C. I. No. pigment Red 1
23)、ペリレンマルーン(C. I. No. pigment Red 17
9)、ペリレンスカーレット(C. I.No. pigment Red 14
9)、ペリレンレッド(C. I. No. pigment Red 178);
キナクリドン系顔料である、キナクリドンレッド(C.
I. No. pigment Violet 19)、キナクリドンマゼンタ
(C. I. No. pigment Red 122)、キナクリドンマルー
ン(C. I. No. pigment Red 206)、キナクリドンスカ
ーレット(C. I. No. pigment Red 207);ピロコリン
系顔料;赤色系フルオルビン系顔料を使用できる。
【0074】その他のマゼンタ系着色剤としては、染付
けレーキ系顔料であるローダミン6Gレーキ(C. I. N
o. pigment Red 81)を使用できる。染付けレーキ系顔
料は、水溶性染料と沈殿剤を反応させてレーキ化し、固
着させるものである。
【0075】シアン系着色剤としては、群青、紺青、コ
バルトブルー、セルリアンブルーなどの無機系顔料を使
用できる。シアン系着色剤としては、次のようなものも
使用できる。すなわち、フタロシアニン系顔料である、
ファーストゲンブル−BB(C. I. No. pigment Blue 1
5)、スミトン・シアニン・ブルーHB(C. I. No. pig
ment Blue 15)、シアニンブルー5020(C. I. No.
pigment Blue 15:1)、モナストラルブルーFBR(C.
I. No. pigment Blue 15:2)、パロマーブルーB−48
10(C. I. No. pigment Blue 15:3)、モナストラル
ブルーFGX(C. I. No. pigment Blue 15:4)、リオ
ノールブルーES(C. I. No. pigmentBlue 15:6)、ヘ
リオゲンブルーL6700F(C. I. No. pigment Blue
15:6)、スミカプリント・シアニン・ブルーGN−O
(C. I. No. pigment Blue 15)、ヘリオゲンブルーL
7560(C. I. No. pigment Blue 16)、ファスト・
スカイブルーA−612(C. I. No. pigment Blue 1
7)、シアニン・グリーンGB(C. I. No. pigment Gre
en 7)、シアニングリーンS537−2Y(C. I.No. p
igment Green 36)、スミトン・ファストバイオレット
RL(C. I. No. pigment Violet 23);スレン系顔料
である、インダントロンブルー(PB-60P、PB-22、PB-2
1、PB-64);塩基性染料レーキ顔料である、メチルバイ
オレット・リン・モリブデン酸レーキ(PV-3)などを使
用できる。
【0076】その他、必要であれば光輝性顔料やマット
顔料を用いることも可能である。この光輝性顔料として
は、例えば、(1)パール顔料と呼ばれるもの、より具
体的には、貝殻の内側の部分や真珠の粉砕物、マイカの
微粒子に酸化チタンや酸化鉄を焼き付けてなる鱗片状箔
片(二酸化チタン被覆雲母)等;(2)金属粉、より具
体的には、アルミニウム、真鍮、青銅、金、銀等の粉
末、好ましくは、1〜120μmの微粒子又は鱗片状箔
片となっているもの;(3)蒸着されたプラスチックフ
ィルムの破片、より具体的には、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムに上記のような金属、通常はアルミニウ
ム、を蒸着して粉砕した銀色粉、蒸着後に透明な黄色に
塗装してから粉砕した金色粉;(4)屈折率の異なる2
種以上の樹脂層、例えばポリエステル樹脂層とアクリル
樹脂層、であって、それぞれ数μm以下の厚さのものが
多数積層してなり、光の干渉による虹彩色を生じさせる
複合フィルムを細かく切断して得た箔粉などを例示する
ことができる。
【0077】またマット顔料としては、カオリナイト、
ハロサイト、白雲母、タルクなどの粘土鉱物、無水シリ
カ、無水アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウムなどの合成無彩色顔料が挙げられる。
【0078】このようなトナー粒子には、必要に応じて
電荷制御剤、分散剤、定着剤等の添加剤が添加されてい
てもよい。
【0079】(乾式トナー)一方、本発明の曲面印刷用
転写フィルムの画像層を形成するトナーとして、乾式ト
ナーを用いることも可能である。このような乾式トナー
材料としては、二成分トナーと一成分トナーのどちらで
も好適に用いることができる。二成分トナー及び非磁性
一成分トナーは基本的にバインダー樹脂、着色剤、帯電
制御剤、および添加剤から構成され、磁性一成分トナー
は上記の材料の他に鉄、マグネタイトなどの磁性粉を含
む。バインダー樹脂はトナーの帯電性、熱定着性を考慮
して選択する必要がある。主なバインダー樹脂として
は、ポリスチレン、水添スチレン樹脂、スチレン・イソ
プチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ス
チレン・ブタジエン・塩素化パラフィン共重合体などの
ポリスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポ
リグルシジルメタクリレート、メチルメタクリレート・
ブチルメタクリレート共重合体、エチルメタクリレート
・アクリル酸共重合体などのアクリル樹脂;スチレン・
n−ブチルメタクリレート共重合体、スチレン・ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン・メ
チルメタクリレート共重合体、スチレン・グリシジルメ
タクリレート共重合体、スチレン・メチルメタクリレー
ト・n−ブチルアクリレート共重合体、スチレン・メチ
ルメタクリレート・ブチルアクリレート・N−エトキシ
メチルアクリルアミド共重合体、スチレン・n−ブチル
メタクリレート・無水マレイン酸共重合体、スチレン・
n−ブチルメタクリレート・アクリル酸共重合体などの
スチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂:フ
マル酸/エーテル化ジフェノール系ポリエステルなどの
ポリエステル樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹
脂;シリコン系樹脂;ブチラール樹脂;低分子量ポリエ
チレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低分子量ポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系
樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;ポリフッ化ビニリデ
ンなどのフッ素樹脂などの他、テルぺン樹脂、イミド樹
脂、ケトン樹脂、エチルセルロース、ロジン、アルキッ
ド樹脂などを用いることができる。
【0080】電荷調整剤は、正帯電用として、ニグロシ
ン系染料などの電子供与性染料、アルコキシ化アミン、
第4級アンモニウム塩、アルキルアミド、リン及びタン
グステンの単体及び化合物、モリブデン酸キレート顔
料、フッ素系活性剤、疎水性シリカなどが用いられる。
一方、負帯電用として、モノアゾ染料の金属錯塩等の電
子受容性染料、電子受容性有機錯体、塩素化ポリオレフ
ィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエステル、
銅フタロシアニンのスルホニルアミン、オイルブラツ
ク、ナフテン酸金属塩などの金属石鹸が用いられる。
【0081】また、着色剤は湿式トナーと同様の材料を
用いることができる。その他添加剤としては、クリーニ
ング剤(脂肪酸金属塩、フッ素系界面活性剤、酸化珪素
誘導体など)、流動化剤(コロイダルシリカ、シリコン
ワニス、金属石鹸、ノニオン界面活性剤など)、充填剤
(炭酸カルシクム、粘土鉱物、雲母など)などが必要に
応じてトナー中に添加される。
【0082】本発明においては、上記湿式トナーおよび
乾式トナーのいずれにおいても、その固形分を活性剤の
溶媒に溶解した固形分溶液を作成し、この粘度に基づい
て画像層における積層順が決定され、また用いるトナー
の固形分溶液の粘度により、後述する中間層の材料が選
択される。
【0083】(中間層)本発明の曲面印刷用転写フィル
ムの第2実施態様においては、上述した画像層が中間層
表面もしくは内部に形成されたものであり、上記画像層
を形成するインクもしくはトナーの固形分溶液の粘度よ
り大きい固形分溶液の粘度を有する材料から中間層が形
成されている点に特徴を有する。また、本発明の第1実
施態様においても、中間層を設けてもよく、この場合は
上述したように画像層を形成するインクもしくはトナー
において最も固形分溶液の粘度の高いものより高い固形
分溶液の粘度を有する材料で中間層が形成されることが
好ましい。
【0084】この中間層は、上記画像層を支持フイルム
上に直接印刷した際、支持フィルム上に絵柄(画像層)
が定着・固定しにくい場合に、これを定着・固定させる
ために設けられるものであり、また別の目的としては、
印刷後のフイルムを所定の溶媒に浮かべた際に、画像層
の膨潤性が不均一であるために画像が乱れることを防ぐ
ために設けられものである。
【0085】この中間層は、上述した点から、画像記録
に用いるトナーをその表面あるいは内部に固定すること
ができる性質を有する必要がある。更には、支持フィル
ムを膨潤、溶解させるための所定の溶媒に不溶で、後述
する活性剤に対する膨潤性や、被曲面印刷体に対する接
着性等を有することが好ましい。
【0086】本発明で設けられる中間層は、樹脂を主成
分とし、必要に応じて各種の添加剤が混入されたもので
ある。中間層に用いる樹脂としては、適度な粘着性を有
するために、トナービヒクルに用いられる樹脂と同様に
Tgの低いものが好ましい。
【0087】このような樹脂としては、例えば、脂肪酸
変性フタル酸アルキッド、マレイン酸アルキッドなどの
純枠あるいは変性アルキッド樹脂;ポリエチルアクリレ
ート、メタクリル酸/ラウリルメタクリレート共重合体
などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;アクリ
ルアミド/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体
などのアクリルアミド・アクリル共重合樹脂;スチレン
/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体
などのスチレン系樹脂;スチレン/n−ブチルメタクリ
レート共重合体などのスチレンアクリル樹脂;飽和、不
飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリイソブチレンなどの
ポリオレフィン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアセタールなどのポリアセ
タール樹脂;エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン
/エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系
樹脂;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリ
エチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキ
サイドなどのアルキレンオキサイド樹脂;ポリエーテル
ポリオール;ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニ
ルエーテル樹脂;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン及び
その誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガ
ム、プルラン、ベクチン、カラギニン、にかわ、アルブ
ミン、各種澱粉類、ふのり、大豆蛋白等の天然或いは半
合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジ
ンエステルなどを用いることができる。これらの樹脂
は、単独で用いてもよく、また相溶する範囲でブレンド
して用いても良い。
【0088】さらに、トナーの定着性を向上させるため
に、中間層に適当な表面凹凸又は空隙を設けることもで
きる。このためには中間層に填材を混入させる。用いら
れる填材としては、例えば、シリカ;アルミナ;カオリ
ナイト;モンモリロナイト、有機モンモリロナイト、サ
ポナイト、テニオライト、へクトライトなどの天然或い
は合成スメクタイト類粘土鉱物及びその誘導体;タル
ク;炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム;硫酸カルシウ
ム;硫酸バリウム;各種ゼオライト;酸化チタン;酸化
セリウム;酸化マグネシウム;酸化ジルコニウム;珪酸
ソーダ;珪酸カルシウム;珪酸カリウム;珪酸マグネシ
ウム;珪酸アルミニウム:珪藻土;硫化亜鉛;水酸化亜
鉛;炭酸亜鉛;酸化亜鉛;酸化錫;硫酸マグネシウム;
水酸化アルミニウム;ハイドロタルサイト;リトボンな
どの無機顔料、及び、炭素樹脂顔料;ポリスチレン樹
脂;尿素樹脂;ペンゾクアナミン系プラスチックピグメ
ント;メラミン樹脂;シリコン系樹脂;ポリウレタン系
樹脂;ポリエステル系樹脂;フッ素系樹脂;ポリアクリ
ル系樹脂;ポリアクリルアミド系樹脂;ポリプロピレ
ン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデンなどの有機顔
料が挙げられる。上記の材料のどれを選択してどのよう
な中間層の構成とするかは、画像形成の態様に応じて適
宜個別に設計されるものである。
【0089】このような中間層を支持フィルム上に形成
する手段としては、特に限定されるものではないが、グ
ラビアコート、オフセットグラビア、ロールコート、バ
ーコート、スプレーコート、超音波コート等の手段を挙
げることができ、上述した樹脂等の形成材料を適当な溶
剤に溶解する等により形成される。このような中間層の
厚みは、中間層に用いる材料の種類によって大きく異な
るものであるが、好ましくは2〜30g/m2の範囲内
である。
【0090】本発明においては、上記中間層の固形分が
活性剤の溶媒に溶解され固形分溶液とされ、この粘度に
基づいて用いる材料が選別される。すなわち、中間層に
求められる要求特性を満たし、かつ画像層のインクもし
くはトナーの固形分溶液の粘度より高い粘度となる材料
が選択されて用いられる。
【0091】(接着層)さらに、本発明のいずれの実施
態様の曲面印刷用転写フィルムにおいても、画像層上に
接着層を設けてもよい。カールフィットにより曲面印刷
用転写フィルムを被曲面印刷体に転写する際に、画像層
を構成するトナーの種類によっては、被曲面印刷体との
接着性が乏しい場合がある。特に膨潤促進剤の添加量が
多い場合等においては、被曲面印刷体に対する接着性が
低下するような場合もある。このような場合に、画像層
上に接着層を設けることにより、被曲面印刷体との接着
性を良好に保つことができるからである。
【0092】このような接着層は、特定の溶媒に膨潤し
て被曲面印刷体への接着性を発現するような1種以上の
樹脂材料で構成される。そのような樹脂としては、例え
ば、エチルセルロ−ス、ニトロセルロ−ス、酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体;脂肪酸変性フタル酸アルキ
ッド、マレイン酸アルキッドなどの純枠或いは変性アル
キッド樹脂;ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メチルメタ
クリレート共重合体、ラウリルメタクリレート・N,N
−ジメチルアクリルアミド共重合体などの(メタ)アク
リル樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合
体、ポリビニルトルエン、スチレン・イソプレン共重合
体などのスチレン系樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ
系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアセタール樹脂;エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリ
レート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;アミド樹
脂;ポリビニルアルコール樹脂;ゼラチン、カセイン、
澱粉、大豆蛋白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹
脂;ケトン樹脂;ロジン、ロジンエステルなどを用いる
ことができる。中間層と併用する場合は、中間層樹脂と
同一の溶媒に膨潤可能なものを選択することが好まし
い。
【0093】このような接着層を画像層上に形成する手
段としては、特に限定されるものではないが、グラビア
コート、オフセットグラビア、ロールコート、バーコー
ト、スプレーコート、超音波コート等の手段を挙げるこ
とができる。また、接着層の形成に際しては、適当な溶
剤に上記樹脂等を溶解させて形成してもよい。さらに、
この接着層の厚みは、接着層の材料の種類により異なる
ものであるが、好ましくは2〜30g/m2の範囲内で
ある。
【0094】(曲面印刷用転写フィルムの製造方法)次
に、上述した曲面印刷用転写フィルムの製造方法につい
て、上記第1実施態様の場合と、第2実施態様の場合と
に分けて説明する。
【0095】上記第1実施態様の曲面印刷用転写フィル
ムの製造方法は、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを
準備する工程と、この支持フィルムの一面に2種以上の
インクまたはトナーにより絵柄が構成される画像層を形
成する工程とを少なくとも有し、上記画像層を形成する
工程が、固形分溶液の粘度が大きいインクまたはトナー
から順に支持フィルム上に積層して形成する工程である
ところに特徴を有するものである。
【0096】すなわち、まず曲面印刷用転写フィルムの
画像層に用いられるインクもしくはトナーの固形分溶液
の粘度を測定する。そして、この固形分溶液の粘度の高
い順に支持フィルム上、必要であれば支持フィルム上に
形成された中間層上に積層することにより画像層を形成
する点が、この曲面印刷用転写フィルムの特徴となる。
【0097】本発明の第1実施態様においては、上述し
たように、画像層が電子写真方式による印刷により形成
されたものが好ましい。このような画像層が電子写真方
式により形成された上記第1実施態様の曲面印刷用転写
フィルムの製造方法の一例について、図面を用いて説明
する。
【0098】まず、図1(a)に示すように支持フィル
ム1を準備する。次いで、図1(b)に示すようなトナ
ータンク2、現像部3、記録ドラム4、圧胴5および記
録部6から構成される電子写真プリンター7を用い、記
録部6により形成された記録ドラム4上の静電潜像に応
じて付着したトナーAを支持フィルム1上に静電的に転
写する。ここで、このトナーAの転写の順序が、上述し
たように、予め測定された固形分溶液の粘度により決定
されており、固形分溶液の粘度の高い順に支持フィルム
1上に転写される。
【0099】上記現像部3としては、ローラー現像器、
スリット現像器、皿現像器など湿式トナー用の現像器で
あれば特に限定されるものではない。また、記録ドラム
4としては、感光体、誘電体ドラム等を用いることがで
きる。記録ドラム4が感光体の場合は記録部6はレーザ
発光装置であり、記録ドラム4が誘電体ドラムである場
合は、記録部6はレーザー発光装置の代わりに、静電潜
像を形成す針電極やイオンフローへッド等が用いられ
る。このような感光体等の記録ドラムから支持フィルム
へのトナー像の転写は、通常静電転写によるが、中間層
を使用する場合は、単なる圧カ定着によることも可能で
ある。この場合、中間層樹脂のガラス転移温度Tgが印
刷機内温度よりも高い場合は、十分な接着性を得るため
に支持フィルムを接着層樹脂のTg以上の温度に加熱す
ることが好ましい。
【0100】こうして図1(c)に示すような支持フィ
ルム1上に画像層8が形成された曲面印刷用転写フィル
ム9が形成される。得られた曲面印刷用転写フイルム9
は、図1(d)に示すように、後述する活性剤10が画
像層8上に塗布され、カールフィットによる転写工程に
送られる。
【0101】このように、第1実施態様の曲面印刷用転
写フイルムの製造方法は、少なくとも支持フイルムを準
備する工程と、この支持フイルムの一面に、例えば特定
の湿式トナーを用いて電子写真方式により絵柄を構成す
る等により画像層を印刷する工程からなり、画像層の印
刷工程において、固形分溶液の粘度の高い順に印刷され
る点に特徴を有するものであるが、必要に応じて、上記
支持フィルムと画像層との間に中間層を形成してもよ
く、また必要に応じて画像層の上に接着層を形成しても
よい。
【0102】次に、第2実施態様の曲面印刷用転写フィ
ルムの製造方法について説明する。本発明の第2実施態
様の曲面印刷用転写フィルムの製造方法は、所定の溶媒
に膨潤する支持フィルムを準備する工程と、この支持フ
ィルムの一面に中間層を形成する工程と、さらに上記中
間層の表面もしくは内部にインクまたはトナーにより絵
柄が構成された画像層を形成する工程とを少なくとも有
する曲面印刷用転写フィルムの製造方法において、上記
中間層を構成する材料が、上記画像層を構成するいずれ
のインクまたはトナーの固形分溶液の粘度より、上記中
間層の固形分溶液の粘度が大きくなる材料が用いられる
ことを特徴とするものである。
【0103】すなわち、本実施態様においては、画像層
を形成するインクもしくはトナーを選択し、このインク
もしくはトナーの固形分溶液を作成して粘度を測定す
る。また、中間層の固形分溶液を作成して粘度を測定す
る。そして、このインクもしくはトナーの固形分溶液の
粘度より中間層の固形分溶液の粘度が高くなるように、
インクもしくはトナーの材料、または中間層の材料を選
択する。そして、このような材料を用いて曲面印刷用転
写フィルムを製造する点に特徴を有するものである。
【0104】なお、本発明の第2実施態様の曲面印刷用
転写フィルムの製造方法においても、画像層を形成する
方法は電子写真方式による方法が好ましい。
【0105】(曲面印刷体の製造方法) (活性剤の塗布)次に、上記第1実施態様の曲面印刷用
転写フイルムを例として、これを用いた曲面印刷体の製
造方法について、その一形態を図面を用いて説明する。
図1(d)に示すように、曲面印刷用転写フィルム9を
調製した後、まずこの曲面印刷用転写フィルム9の画像
層8側に活性剤10を塗布する。ここで、画像層8上に
接着層が形成されている場合は、接着層上に活性剤10
が塗布される。
【0106】このように活性剤を塗布するのは、活性剤
を塗布して画像層等を膨潤させておかないと、その後溶
媒上に曲面印刷用転写フィルムを浮かべて膨潤させた際
に、支持フィルムの伸びに画像層等が追従できず、画像
割れが生じる可能性があるからである。また、被曲面印
刷体を上方から曲面印刷用転写フィルムに押し当てて転
写する際に、曲面印刷用転写フィルムが被曲面印刷体表
面に密着することができず、転写がうまくいかないため
である。本発明は、この活性剤を塗布した際の画像層、
もしくは画像層と中間層が膨潤した状態の特性を利用し
て、その後の転写加工工程における画像割れの不具合を
防止するようにしたものである。
【0107】このような活性剤は、上述したような溶媒
を含有するものであり、さらに、このような溶剤に、溶
剤に対して親和性を有する樹脂を添加したものを活性剤
として用いることができる。
【0108】このような樹脂としては、例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、スチ
レンならびにその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル単量体、アリルアルコールおよびアリルエステル類、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸またはフマル酸等の不飽和カルボン酸類、上
記の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体、同ニトリル
誘導体または同酸アミド誘導体、上記の不飽和カルボン
酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体および同
N−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシア
ネート、2−ヒドロキシエチル−アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル−メタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル−アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−メタク
リレート、エチレングリコール−モノアクリレート、エ
チレングリコール−モノメタクリレート、エチレングリ
コール−ジアクリレート、エチレングリコール−ジメタ
クリレート、無水マレイン酸、無水イタコン酸、メチル
ビニルケトン、ブタジエンエチレン、プロピレン、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、te
rt−ブチルアミノエチルメタクリレート、多価アルコー
ルのモノアリルエーテル等の単量体の単独重合体ないし
共重合体類等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、
尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フタル酸ジアリル系樹脂、
ケイ素樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂、ま
たはそれらの変性樹脂もしくは初期縮合物、天然樹脂、
ロジンおよびその誘導体、セルロース誘導体、天然また
は合成ゴム、石油樹脂等を挙げることができる。
【0109】これらの樹脂は、粘度調整が容易、塗布方
法を選ばない、トナーの保持時間が長い、転写時間を長
くとれる等の理由から、上記溶媒に添加して活性剤とす
ることが好ましく、添加量は5〜60重量%の範囲内で
あることが好ましい。
【0110】なお、画像層が電子写真法により印刷され
て形成されたものである場合は、上述した電子写真法に
より印刷された画像層に好適な溶媒に対し、屈折率が
1.40〜1.65の範囲内の無機顔料0.5〜30重
量%、およびアルキッド樹脂5〜20重量%を含有させ
た活性剤が好適に用いられる。
【0111】このような活性剤の塗布手段としては、グ
ラビアコート、オフセットグラビア、ロールコート、バ
ーコート、スプレーコート、超音波コートなどが適用で
き、活性剤の塗布量は、2〜30g/m2であり、好ま
しくは3〜15g/m2である。
【0112】(転写加工工程)次に、このように活性剤
が塗布された曲面印刷用転写フィルムを溶媒上、好まし
くは水上に浮かべる。この状態を図2(a)に示す。支
持フィルム1上に絵柄を構成する画像層8が印刷された
曲面印刷用転写フィルム9を溶媒上に浮かべる。上記支
持フィルム1はこの溶媒に膨潤するものであることか
ら、図2(a)に示すように支持フィルム1は膨潤して
広がった状態となる。この際、支持フィルム1上の画像
層8は上述したような構成となっているので、画像層の
割れ等が生じずに支持フィルム1の広がりに沿って伸び
広がる。
【0113】そして、このように曲面印刷用転写フィル
ム9が広がった状態で、図2(b)に示すように、溶媒
11上の曲面印刷用転写フィルム9の上方から被曲面印
刷体12を降下させ、その一部ないし全部を溶媒11中
に沈降させ、溶媒11の圧力により被曲面印刷体12の
表面に曲面印刷用転写フィルム9を延展・密着させる。
【0114】ここで、この被曲面印刷体としては、曲面
印刷用転写フィルムの画像層もしくは接着層が接着しう
る材料で形成されたものであれば、材料および形態共に
特に限定されるものではない。この被曲面印刷体に用い
ることができる材料としては、例えば、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、AES樹脂(ABS樹
脂の耐候性向上品)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリオレフィンオキシド樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂等のホモポリマー、もしくはコポリマーあるいはこ
れらのものから選択される混合物からなる合成樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、尿素樹
脂、繊維素系樹脂等の射出成形品、押し出し成形品、中
空成形品、真空成形品等からなる各種合成樹脂成形品を
はじめ、金属製品、セラミックス成形品等を挙げること
ができる。
【0115】また、形態面では、凹部または凸部を有す
るものや、平坦なもの、二次元もしくは三次元曲面を有
するものや貫通孔を有するもの、格子状のものなどほと
んどの形態のものを適用することができる。さらに、表
面に木、石、織物などの質感を生じさせるための微少な
エンボスが設けてあるもの等も適用することができる。
【0116】次いで、溶媒11中から被曲面印刷体12
を取出し、支持フィルム1を除去する。この支持フィル
ム1を除去するには、図2(c)に示すように、上記溶
媒11と同じ溶媒を用いて、膨潤した支持フィルムをシ
ャワー洗浄することが最も効率的であることから好まし
い。このようにシャワー洗浄を行うことにより、支持フ
ィルムを完全に除去すると共に、転写の際に生じる汚れ
をも除去することができる。ここでの溶媒の温度、洗浄
時間等は、用いる溶剤や支持フィルムにより大きく異な
るものであるが、例えば支持フィルムとしてポリビニル
アルコール(PVA)を用い、溶媒として水を用いた場
合は、一般的には水温15〜60℃、1〜10分程度洗
浄する事が好ましい。
【0117】そして、図2(d)に示すように支持フィ
ルムを除去した被曲面成形体12をエアーブロー、乾燥
炉等の手段により乾燥させる。乾燥後、被曲面印刷体1
2に保護層用の塗料を塗装ガン等を用いて塗布し(図2
(e))、塗布後乾燥炉内で乾燥させ(図2(f))保
護層を形成して曲面印刷体とする。
【0118】ここで保護層に用いられる材料は、熱可塑
性樹脂であっても、硬化性樹脂であってもよい。具体的
には、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化
性樹脂、分子中にエチレン性不飽和結合を有するプレポ
リマーあるいはオリゴマーまたは分子中エチレン性不飽
和結合を有するモノマーあるいはこれらの混合物を主成
分とする組成物からなる電離性放射線硬化性組成物等が
を挙げることができる。
【0119】(曲面印刷体)このようにして得られる曲
面印刷体は、その表面に固形分溶液の粘度が小さい順に
積層されたインクもしくはトナーから構成された画像層
を有するものである。このような画像層は、上述したよ
うにカールフィットによる転写加工工程において画像層
の割れが生じ難いものであり、したがって、このような
曲面印刷体は高品質なものとなる。特にこのような画像
層が電子写真方式により形成された場合は、電子写真方
式により印刷された画像層の特徴を活かし、早急に製造
することができかつ低コストであるということだけでな
く、上述したような特徴を有することから、絵柄のひび
割れのない意匠性に優れたものとすることができる。し
たがって、このような本発明の曲面印刷体は、小ロット
多品種の印刷にも安価で対応可能であり、かつ絵柄のひ
び割れ等の不具合がなく意匠性に優れているという効果
を有するものである。
【0120】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0121】
【実施例】[実施例1] (シアン湿式トナーの調製)以下の組成からなる組成物
47.5gを1mm径のガラスビーズ50gと共に混合
容器に入れ、ペイントシェイカー(レッドデビル社製、
商品名:RC−5000)で3時間分散させた。ガラス
ビーズを濾別した後、超音波ホモジナイザー(日本精機
製作所(株)製、商品名:US−300T)を照射しな
がらエクソン社製アイソパーL200gを投入し、ロー
タリーエバポレーターにてトルエンを蒸発除去した。再
度超音波ホモジナイザーによって分散処理し、アイソパ
ーLで360gまで希釈し、シアン湿式トナーを得た。 ・2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート共重合樹脂(2−エチルヘキシルア
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=8
5/15(重量比)、重量平均分子量105,000)15重
量部 ・C. I. Pigment Blue 15:1(PALOMAR BLUE B-4806
バイエル社製)15重量部 ・塩基性バリウムペトロネート(Witco社製)3重量部 ・トルエン30重量部
【0122】(マゼンダ湿式トナーの調製)上記シアン
湿式トナーにおけるC. I. Pigment Blue 15:1を、
C. I. Pigment Red 208(ノバパームドレッド HF
−2B、Clariant社製)に代えた以外は同様にしてマゼ
ンダ湿式トナーを調製した。
【0123】(イエロー湿式トナーの調製)上記シアン
湿式トナーにおけるC. I. Pigment Blue 15:1を、
C. I. Pigment Yellow 83(セイカファストエロー
M、大日精化工業(株)製)に代えた以外は同様にして
イエロー湿式トナーを調製した。
【0124】(ブラック湿式トナーの調製)上記シアン
湿式トナーにおけるC. I. Pigment Blue 15:1を、
カーボンブラック(MOGUL L、キャボット社製)に代え
た以外は同様にしてブラック湿式トナーを調製した。
【0125】上記得られた湿式トナーはいずれの湿式ト
ナーも均一に負に帯電しており、良好な分散安定性を呈
していた。
【0126】(活性剤の調製)以下の組成からなる組成
物100gを超音波ホモジナイザー(日本精機製作所
(株)製 US−300T)にて均一に分散させ、無色
透明の活性剤を得た。 ・シリカ(Aerosil 200、一次粒子径12nm、日本ア
エロジル(株)製)1.5重量% ・アルキッド樹脂(ハリフタールSL−280(油長7
5%アマニ油変性フタル酸樹脂)、ハリマ化学(株)製)
15重量% ・ブチルカルビトールアセテート83.5重量%
【0127】(トナー固形分の採取)上記各トナーで満
たされた容器中に、5cm×5cmの真鍮板2枚を1cmの間
隔で対向させた。電極間に1kVの電圧を印加し、トナ
ー帯電極性と反対の極板上に電着されたトナーを回収
し、これを室温にて乾燥させ固形分とした。これを数回
繰り返し、必要量のトナー固形分を採取した。
【0128】(固形分溶液の粘度の測定)各トナーの固
形分3重量部に対し、活性剤の溶媒であるブチルカルビ
トールアセテート97重量部を混合し、超音波ホモジナ
イザー(日本精機製作所(株)製US−300T)にて
均一に分散させ、固形分溶液を得た。これを22℃まで
冷却した後、各固形分溶液50mlを100mlのビー
カーに入れ、液温が22℃に保たれていることを確認し
た後、粘度を測定した。粘度測定には、振動式粘度計ビ
スコメイトVM-1A-L(山一電気(株)製)を用いた。
【0129】結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】(印刷)誘電体ドラム上に針電極により+
300Vの静電潜像をパターン状に形成させ、上記のイ
エロー湿式トナーを用いてローラー現像を行った。ドラ
ム上のトナー像は静電転写によりPVAフィルム上に転
写された。マゼンダ湿式トナーを用いてこの工程を繰り
返し、同一のパターンがイエロー → マゼンダの順に積
層された曲面印刷用転写フィルムを得た。
【0132】続いて上記印刷工程のイエロー湿式トナー
とマゼンダ湿式トナーの印刷順を入れ替え、マゼンダ
→ イエローの順に積層された曲面印刷用転写フィルム
を得た。同様の印刷工程を(イエロー、シアン)、(イ
エロー、ブラック)、(マゼンダ、シアン)の組合せに
ついても行った。
【0133】(転写)上述した各曲面印刷用転写フィル
ムの画像層側に上記活性剤をワイヤーバーにより13g
/m2の割合でコーティングし、活性剤が乾燥する前に
温度30℃の水面に画像層が上面となるようにして浮か
べた。
【0134】この曲面印刷用転写フィルムが水と上記活
性剤とにより元の1.3倍の大きさまで膨張した時点
で、枠によりそれ以上の伸びを抑制し20秒間放置し
た。その状態で曲面印刷用転写フィルムの上方からAB
S樹脂製の被曲面印刷体を押し入れ、水圧により被曲面
印刷体の外表面に曲面印刷用転写フィルムを密着させ
た。被曲面印刷体を水中から引き上げ、室温の水で最外
面に残存するポリビニルアルコールを洗浄・除去し、7
0℃で20分間乾燥した。乾燥後の被曲面印刷体に画像
層の保護のため、2液ウレタン塗料をスプレーコートし
た後、70℃、40分間乾燥して曲面印刷体を得た。
【0135】(評価)それぞれの転写物のひび割れの有
無を評価した。評価基準は以下の通りである。 ○:25倍の拡大鏡で観察してひび割れが見られない。 △:肉眼ではひび割れが見られないが、25倍の拡大鏡
で観察してひび割れが見られる。 ×:肉眼でひび割れが見られる。
【0136】結果を表2にまとめる。
【0137】
【表2】
【0138】表2から明らかなように、固形分溶液の粘
度の大きいトナーの上に固形分溶液の粘度の小さいトナ
ーを積層した場合は、ひび割れがみられず、逆に固形分
溶液の粘度の小さいトナーの上に固形分粘度の大きいト
ナーを積層した場合はひび割れが生じていた。
【0139】[実施例2]実施例1の結果を元に、シア
ン→マゼンダ→イエロー→ブラックの積層順で4色積層
した曲面印刷用転写フィルムを得た。印刷は、実施例1
の工程を4色分繰り返すことで行い、得られた曲面印刷
用転写フィルムは実施例1と同様にしてABS樹脂板に
カールフィットの転写加工工程を用いて転写した。
【0140】転写加工工程後のドットのひび割れは、2
5倍の拡大鏡でも観察されなかった。したがって、固形
分溶液の粘度により最適なトナーの積層順が決定できる
ことが明らかとなった。
【0141】[実施例3] (中間層の作成)下記組成からなる組成物を十分に混合
・溶解させた塗工液をポリビニルアルコールの薄膜フィ
ルタ上にワイヤーバーにより乾燥塗工量が0.2g/m
2となるように塗工、乾燥させ耐水性のある中間層を形
成した。 ・アクリルアミド/n−ブチルアクリレート/ラウリル
アクリレート共重合樹脂1.0重量部 ・エチルセルロース(商品名:エトセルSTD200、
ダウケミカル社製)0.5重量部 ・MEK8.5重量部
【0142】上記中間層材料の樹脂分をブチルカルビト
ールアセテートに3重量%の濃度で溶解せしめ、実施例
1と同様にして粘度を測定したところ、22℃における
粘度は32.1cpsであり、上記湿式トナーのいずれ
の固形分溶液の粘度よりも高かった。
【0143】(印刷)誘電体ドラム上に針電極により+
300Vの静電潜像をパターン状に形成させ、実施例1
のイエロートナーを用いてローラー現像を行った。ドラ
ム上のトナー像は静電転写により接着層を設けたPVA
フィルム上に転写された。
【0144】続いて同様の印刷をマゼンダトナー、シア
ントナー、ブラックトナーのそれぞれについても行い、
中間層上に各色のトナー像が積層された曲面印刷用転写
フィルムを得た。
【0145】(転写、評価)実施例1と同様にして、上
記の各フィルムを用いて転写した曲面印刷体を得た。得
られた曲面印刷体を、25倍の拡大鏡により観察したと
ころ、いずれの曲面印刷体においてもひび割れは認めら
れなかった。
【0146】[実施例4]実施例3と同様にして予め中
間層を設けたPVAを準備し、その中間層側の表面に、
実施例2と同様に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ックの積層順で4色積層した印刷を施し、曲面印刷用転
写フィルムを得た。得られた曲面印刷用転写フィルムを
実施例1と同様にしてABS樹脂に転写し、曲面印刷体
を得た。
【0147】曲面印刷体の表面を25倍の拡大鏡で観察
したところ、各色のドットはきれいに伸び広がってお
り、ひび割れは認められなかった。
【0148】
【発明の効果】本発明の曲面印刷用転写フィルムは、画
像層を構成する2種以上のインクまたはトナーが、これ
らのインクまたはトナーの固形分を所定の条件で活性剤
の溶媒に溶解させ、その溶液の粘度を測定した際に、粘
度の最も大きいものが最下層となるように支持フィルム
上方に積層されて形成された画像層を有するものであ
る。したがって、支持フィルムが膨潤により伸び広がろ
うとする際に、支持フィルムに最も近い位置に配置され
た固形分溶液の粘度の高いトナーからなるインクまたは
トナーは、支持フィルムの膨潤による伸び広がりに伴う
インクまたはトナーの伸び広がりの速度を抑える働きを
するものと考えられ、これによりその上に積層された固
形分溶液の比較的粘度の低いトナーは、固形分溶液の粘
度の高いトナーの広がりに十分追従することができるも
のと予想される。したがって、このように画像層を構成
することにより、カールフィットによる転写加工工程に
おいて、画像割れが生じにくい曲面印刷用転写フィルム
とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真方式の印刷により曲面印刷用転写フィ
ルムを形成する工程の一例を示す説明図である。
【図2】カールフィットによる印刷工程の一例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1…支持フィルム 7…電子写真プリンター 8…画像層 9…曲面印刷用転写フィルム 10…活性剤 11…溶媒 12…被曲面印刷体 A…トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 まゆみ 埼玉県入間郡三芳町竹間沢311番地 株式 会社大日本トータルプロセス建材内 Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 BA18 BA22 BA25 BB07 BB09 BB10 BB23 DA53 DA57 FA42 3B005 EA02 EB01 FA17 FB22 FB27 FB40 FE04 FG02X GA28

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムと、
    前記支持フィルムの一面に2種以上のインクまたはトナ
    ーにより絵柄が構成される画像層とを少なくとも有する
    曲面印刷用転写フィルムにおいて、 前記2種以上のインクまたはトナーの内、転写加工を行
    う際に前記曲面印刷用転写フィルムの前記画像層側の面
    に塗布される活性剤の溶媒に前記インクまたはトナーの
    固形分を溶解させた溶液の粘度が最も大きいインクまた
    はトナーが最下層となるように、支持フィルム上に前記
    2種以上のインクまたはトナーが積層されて画像層が形
    成されていることを特徴とする曲面印刷用転写フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記2種以上のインクまたはトナーが、
    転写加工を行う際に前記曲面印刷用転写フィルムの前記
    画像層側の面に塗布される活性剤の溶媒に、前記インク
    またはトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度が大きい
    インクまたはトナーから順に支持フィルム上に積層され
    ていることを特徴とする請求項1記載の曲面印刷用転写
    フィルム。
  3. 【請求項3】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムと、
    前記支持フィルムの一面形成された中間層と、この中間
    層の表面もしくは内部に形成された少なくとも1種類の
    インクまたはトナーからなる画像層とを少なくとも有す
    る曲面印刷用転写フィルムにおいて、 前記中間層が、転写加工を行う際に前記曲面印刷用転写
    フィルムの前記画像層側の面に塗布される活性剤の溶媒
    に、前記画像層を構成するいずれのインクまたはトナー
    の固形分を溶解させた溶液の粘度より、前記中間層の固
    形分を溶解させた溶液の粘度が大きくなる材料で形成さ
    れた中間層であることを特徴とする曲面印刷用転写フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記支持フィルム上に中間層が形成さ
    れ、この中間層の表面または内部に前記画像層が形成さ
    れており、かつ前記中間層が、転写加工を行う際に前記
    曲面印刷用転写フィルムの前記画像層側の面に塗布され
    る活性剤の溶媒に、前記画像層を構成するいずれのイン
    クまたはトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度より、
    前記中間層の固形分を溶解させた溶液の粘度が大きくな
    る材料で形成された中間層であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の曲面印刷用転写フィルム。
  5. 【請求項5】 前記画像層を構成するインクまたはトナ
    ーが、オンデマンド方式による印刷に用いられるインク
    またはトナーであることを特徴とする請求項1から請求
    項4までのいずれかの請求項に記載の曲面印刷用転写フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 前記画像層を構成するインクまたはトナ
    ーが、電子写真方式による印刷に用いられるトナーであ
    ることを特徴とする請求項5記載の曲面印刷用転写フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】 前記活性剤の溶媒が、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
    される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
    アセテートからなるグループから選択される少なくとも
    1種以上の化合物からなる主溶媒を、全溶媒中75重量
    %以上含む溶媒であることを特徴とする請求項6記載の
    曲面印刷用転写フィルム。
  8. 【請求項8】 前記活性剤の溶媒が、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
    される化合物、イソホロン、および3−メトキシブチル
    アセテートからなるグループから選択される少なくとも
    1種以上の化合物からなる主溶媒、および一般式 R1−(C24O)2−R2 (式中、R1はOHもしくはCH3COO、CH3O、C2
    5Oであり、R2はCH 3もしくはC25である。)で
    示される化合物、およびCH3COOC24OCH3から
    なるグループから選択される少なくとも1種以上の化合
    物からなる第1補助溶媒を重量比で95/5〜60/4
    0の範囲内で混合した混合溶媒を、全溶媒中85重量%
    以上含む溶媒であることを特徴とする請求項6記載の曲
    面印刷用転写フィルム。
  9. 【請求項9】 前記主溶媒が、一般式 CH3COOC24OC24O−R (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示す。)で示
    される化合物から選択される少なくとも1種以上の化合
    物からなることを特徴とする請求項7または請求項8に
    記載の曲面印刷用転写フィルム。
  10. 【請求項10】 前記化合物が、ブチルカルビトールア
    セテートであることを特徴とする請求項9記載の曲面印
    刷用転写フィルム。
  11. 【請求項11】 前記所定の溶媒に膨潤する支持フィル
    ムが、水溶性のフィルムであることを特徴とする請求項
    1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の曲面
    印刷用転写フィルム。
  12. 【請求項12】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを
    準備する工程と、この支持フィルムの一面に2種以上の
    インクまたはトナーにより絵柄が構成される画像層を形
    成する工程とを少なくとも有する曲面印刷用転写フィル
    ムの製造方法において、 前記画像層を形成する工程が、転写加工を行う際に前記
    曲面印刷用転写フィルムの前記画像層側の面に塗布され
    る活性剤の溶媒に、前記インクまたはトナーの固形分を
    溶解させた溶液の粘度が最も大きいインクまたはトナー
    が最下層となるように支持フィルム上に積層して形成す
    る工程であることを特徴とする曲面印刷用転写フィルム
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記画素部を形成する工程が、転写加
    工を行う際に前記曲面印刷用転写フィルムの前記画像層
    側の面に塗布される活性剤の溶媒に、前記インクまたは
    トナーの固形分を溶解させた溶液の粘度が大きいインク
    またはトナーから順に支持フィルム上に積層して形成す
    る工程であることを特徴とする請求項12記載の曲面印
    刷用転写フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを
    準備する工程と、この支持フィルムの一面に中間層を形
    成する工程と、さらに前記中間層の表面もしくは内部に
    少なくとも1種類のインクまたはトナーにより絵柄が構
    成された画像層を形成する工程とを少なくとも有する曲
    面印刷用転写フィルムの製造方法において、 前記中間層を構成する材料が、転写加工を行う際に前記
    曲面印刷用転写フィルムの前記画像層側の面に塗布され
    る活性剤の溶媒に前記画像層を構成するいずれのインク
    またはトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度より、前
    記中間層の固形分を溶解させた溶液の粘度が大きくなる
    材料であることを特徴とする曲面印刷用転写フィルムの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記画像層を形成する工程が、電子写
    真方式により画像層を形成する工程であることを特徴と
    する請求項12から請求項14までのいずれかの請求項
    に記載の曲面印刷用転写フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 表面に画像層が印刷された曲面印刷体
    であって、前記画像層は少なくとも2種以上のインクま
    たはトナーからなり、前記画像層が、前記画像層を転写
    加工した際に用いられる活性剤の溶媒に前記インクまた
    はトナーの固形分を溶解させた溶液の粘度が小さいイン
    クまたはトナーから順に表面に積層されてなる画像層で
    あることを特徴とする曲面印刷体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008129738A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-30 Sony Corporation パターン形成方法および電子素子の製造方法
JP2015066785A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 水圧転写フィルム用活性剤組成物、及びこれを用いた加飾成形品の製造方法

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