JP2000280694A - 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体 - Google Patents

曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体

Info

Publication number
JP2000280694A
JP2000280694A JP11090066A JP9006699A JP2000280694A JP 2000280694 A JP2000280694 A JP 2000280694A JP 11090066 A JP11090066 A JP 11090066A JP 9006699 A JP9006699 A JP 9006699A JP 2000280694 A JP2000280694 A JP 2000280694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
toner
curved
resin
transfer film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11090066A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Mayumi Yo
まゆみ 楊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP11090066A priority Critical patent/JP2000280694A/ja
Publication of JP2000280694A publication Critical patent/JP2000280694A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Developers In Electrophotography (AREA)
  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属属製品、プラスチック成形体、セラミッ
クス成形品等の各種被印刷体の曲面に対して、簡易な転
写方式により印刷を行うための曲面印刷用転写フィルム
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 電子写真方式の印刷方法により印刷され
た、絵柄を構成する画像層を有する曲面印刷用転写フィ
ルムを用いて曲面印刷体を製造する際に、電子写真方式
のトナーとして、バインダー樹脂の少なくとも1成分の
ガラス転移温度を室温以下の樹脂である湿式トナーを用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、金属製
品、プラスチック成形体、セラミックス成形品等の各種
被印刷体の曲面(本明細書における「曲面」とは、曲面等
の非平面部分のみならず平坦部をも含むものとする。)
に対して、転写方式により印刷を行うための曲面印刷用
転写フィルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より行われてきた曲面を有する各種
被印刷体に印刷を施す方法としては、円錐形や箱形とい
った単純な形状への印刷に通したドライオフセット印
刷、このドライオフセット印刷に通さない偏平形などへ
の印刷、厚いインク層が必要な印刷に通したスクリ−ン
印刷、さらには、基材、ワックス層、印刷インク層、熱
可塑性樹脂層からなる転写紙を用いて行い、被印刷体に
密着させて基材側から加熱することでインク層を転写す
る転写印刷、そして、凹版からシリコンゴムのパッドに
インクを写し取り、被印刷体に押しつける方法(一種の
オフセット印刷)で、時計の文字盤、電子部品のマ−キ
ングなどの精密品にも利用されるパッド印刷等を挙げる
ことができる。
【0003】このような曲面への印刷法の中でも、特に
複雑な形状の被印刷体への絵付(印刷)が可能な印刷法
として、特殊曲面印刷(以下カ−ルフィットという)を
挙げることができる。このカ−ルフィットによる曲面へ
の印刷は、水溶性または水膨潤性フィルムからなる支持
フィルム上に活性剤により活性化された絵柄を構成する
画像層を有する転写フィルムを、前記画像層が上面とな
るように水面に浮かべ、絵付される被印刷体をその上方
から押し入れて、水圧を利用して前記転写フィルムの画
像層を被印刷体の外周面に転写することによりなされる
(特公昭52−41683号公報、特開昭54−331
15号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このカ−ルフィットの
印刷工程において、支持フィルムに画像層を形成する印
刷工程は、従来グラビア印刷によりなされていた。しか
しながら、このようにグラビア印刷により絵付のための
画像層を形成するためには、印刷版を作製する必要があ
り、このための時間、手間、およびコストがかかってし
まうという問題点がある。したがって、例えば開発段階
において試作品を作成しこれを評価しようとする場合等
の、短時間かつ低コストで曲面印刷体が必要な場合にお
いては利用しづらいといった問題があった。一方、近年
の少ロット・多品種の流れのなかで、印刷版を用いずに
印刷が可能なオンデマンド印刷が注目されてきており、
インクジェット法や電子写真法等のオンデマンド印刷に
より各種印刷物が作製されている。本発明者らは既にこ
のようなオンデマンド方式の印刷方法をカ−ルフィット
の印刷工程に取り入れることを発明し、出願に及んでい
る。これにより、近年の少ロット・多品種の要求に対応
可能な曲面印刷用転写フィルムを迅速かつ低コストで製
造することができる。
【0005】電子写真方式は、代表的なオンデマンド方
式であり、従来のオフセット、グラビア印刷に対するコ
スト的な優位性から、主に小部数の冊子やチラシ、ポス
タ−などの印刷に用いられ始めている。最近では、軟包
装用のフィルムなど特殊な原反へ印刷できる装置も発表
されており、今後さらにその応用分野は広がるものと予
想される。本発明者らは、電子写真方式をカ−ルフィッ
トの印刷工程に取り入れることを検討してきたが、通常
電子写真方式で用いられるトナ−は従来のカ−ルフィッ
トで用いられてきたインキとは性質が大きく異なり、そ
のため様々な不具合を生じた。不具合の一つとして、電
子写真方式で絵柄を印刷したフィルムを液圧転写に用い
た際の、絵柄と被曲面印刷体との接着力の不足がある。
また別の不具合として、液圧転写の際の絵柄の伸びにく
さがある。さらに別の不具合として、トナ−の支持フィ
ルムへの定着性が乏しいことがある。この場合は、トナ
−像を加熱し、バインダ−樹脂を一旦軟化させた後冷却
する工程を経れば定着性が得られるが、加える熱により
支持フィルムの収縮、変形や架橋が生じてしまうことが
多く好ましくない。
【0006】これらの不具合は、トナ−のバインダ−樹
脂の熱的性質に起因するところが大きく、作業温度下で
適当なタック性や流動性を持たない、即ちTgが室温以
上である場合に発生しやすい。乾式トナ−では、室温で
のブロッキングを防ぐためにバインダ−樹脂のTgは5
0℃以上である必要があり、また湿式トナ−において
も、熱溶融定着を必要とするようなバインダ−樹脂を用
いたものではTgが高く、上記の不具合が顕著に発生す
る。本発明は、上記の実状に鑑みて成し遂げられたもの
であり、電子写真方式により、カ−ルフィット転写時の
被曲面印刷体への接着性及び絵柄の延展性、絵柄の支持
フィルムへの定着性に優れた曲面印刷用転写フィルムを
提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、所定の溶媒に膨潤する
支持フィルムの一面に、電子写真方式により印刷された
絵柄を構成する画像層を積層してなる曲面印刷用転写フ
ィルムにおいて、前記電子写真方式のトナ−として、バ
インダ−樹脂の少なくとも1成分がガラス転移温度が室
温以下の樹脂である湿式トナ−を用いることを特徴とす
る曲面印刷用転写フィルムを提供すると共に、請求項5
において、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを用意す
る行程と、この支持フィルムの一面に電子写真方式によ
り絵柄を構成する画像層を印刷する行程とを少なくとも
有する曲面印刷用転写フィルムの製造方法において、前
記電子写真方式のトナ−として、バインダ−樹脂の少な
くとも1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂である
湿式トナ−を用いることを特徴とする曲面印刷用転写フ
ィルムの製造方法を提供する。
【0008】このように、バインダ−樹脂の少なくとも
1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂である湿
式トナ−を用いることにより、トナ−像が良好なタック
性を有するため、被曲面印刷体に強固に接着する曲面印
刷用転写フィルムを得ることができる。また、過剰な熱
を加えることなく、トナ−像が支持フィルム上に定着し
た曲面印刷用転写フィルムを得ることができる。さら
に、トナ−像が良好な流動性を有するため、液圧転写時
の延展性に優れた曲面印刷用転写フィルムを得ることが
できる。この曲面印刷用転写フィルムを用いてカ−ルフ
ィットにより曲面印刷を行うことにより、迅速かつ低コ
ストで意匠性に優れた曲面印刷体を得ることができる。
【0009】また、本発明は、請求項2に記載するよう
に、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムの一面に、接着
層が配置され、この接着層の表面に、電子写真方式によ
り印刷された絵柄を構成する画像層を積層してなる曲面
印刷用転写フィルムにおいて、前記電子写真方式のトナ
−として、バインダ−樹脂の少なくとも1成分がガラス
転移温度が室温以下の樹脂である湿式トナ−を用いるこ
とを特徴とする曲面印刷用転写フィルムである。このよ
うに、接着層が形成されると、使用する印刷機の種類毎
にトナ−材料を変更することなく、トナ−を強固に定着
させることが可能となる。この接着層は、請求項3に記
載するように前記所定の溶媒に不溶のものとすることが
できる。これにより、カ−ルフィットの転写工程におい
て、フィルムの伸びに伴ったトナ−像の乱れが生じるの
を防ぐことができる。
【0010】本発明の曲面印刷用転写フィルムにおいて
は、請求項4に記載するように、所定の溶媒に膨潤する
支持フィルムが、水溶性のフィルムであることが好まし
い。このように支持フィルムを水溶性のフィルムとする
ことにより、カ−ルフィットによる曲面印刷を行う際に
水を所定の溶媒として用いることができるので、コスト
面および安全性の面で好ましいからである。
【0011】さらに、本発明は、請求項6に記載するよ
うに、(1)請求項4から請求項5までのいずれかの製
造方法により曲面印刷用転写フィルムを調製する行程
と、(2)前記画像層および接着層の少なくとも一つを
膨潤させ得る活性剤を前行程で得た曲面印刷用転写フィ
ルムの画像層側の面に塗布する行程と、(3)前記曲面
印刷用転写フィルムを画像層が印刷された面を上にして
前記所定の溶媒上に浮かべる行程と、(4)溶媒上で膨
潤した曲面印刷用転写フィルムの上方から被曲面印刷体
を降下させ、その一部ないし全部を前記溶媒中に沈降さ
せ、溶媒の圧力により被曲面印刷体の表面に前記曲面印
刷用転写フィルムを延展・密着させる行程と、(5)被
曲面印刷体を溶媒から取出し、前記支持フィルムを被曲
面印刷体から洗浄除去する行程と、(6)支持フィルム
が除去された被曲面印刷体に保護層を形成する行程とを
有することを特徴とする曲面印刷体の製造方法である。
【0012】また、請求項7に記載するように、前記曲
面印刷用転写フィルムを画像層が印刷された面を上にし
て前記所定の溶媒上に浮かべる行程において、所定の溶
媒の温度を、湿式トナ−のバインダ−樹脂の少なくとも
1成分のガラス転移温度以上とすることにより、転写工
程における絵柄層の延展性と被曲面印刷体への接着性を
より良好なものとすることができる。
【0013】
【作用】このように、上述した電子写真方式の印刷方法
により印刷された、絵柄を構成する画像層を有する曲面
印刷用転写フィルムを用いて曲面印刷体を製造すること
により、オンデマンド方式と特徴を活かし、早急にかつ
低コストで曲面印刷体を製造することができるだけでな
く、特定のトナ−を用いることにより、意匠性にも優れ
た曲面印刷体を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面印刷用転写フ
ィルムについて詳細に説明する。本発明の曲面印刷用転
写フィルムは、電子写真方式により印刷された絵柄を構
成する画像層を積層してなる曲面印刷用転写フィルムに
おいて、前記電子写真方式のトナ−として、バインダ−
樹脂の少なくとも1成分がガラス転移温度が室温以下の
樹脂である湿式トナ−を用いることを特徴とするもので
ある。(図1)
【0015】このように、バインダ−樹脂の少なくとも
1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂である湿式ト
ナ−を用いることにより、通常の電子写真用トナ−で印
刷した場合に問題となる、カ−ルフィット転写時の被曲
面印刷体への接着性及び絵柄の延展性、絵柄の支持フィ
ルムへの定着性に優れた曲面印刷用転写フィルムを提供
することができる。したがって、従来の印刷版が必要な
グラビア印刷により印刷した曲面印刷用転写フィルムと
比較して、同等の意匠性、転写性を有する曲面印刷用転
写フィルムを低コストでかつ短時間に得ることができる
ため、試作品、校正用等にも利用でき、かつ近年の多品
種・少ロットの傾向にも十分対応することができる。
【0016】本発明で用いられる電子写真方式の印刷方
法とは、感光体の光導電性表面を帯電させこれに像様露
光を行なって静電潜像を形成する狭義の電子写真方式に
限らず、誘電体の表面を針電極、画像状イオン流などで
走査して静電潜像を形成する静電記録法、光導電体にバ
イアスを印加しておきこれに像様露光を行なって静電潜
像を形成する方法など静電的に潜像を形成する工程を含
む全ての複写法を包むものである。
【0017】図3にその一例を示す。図3において、誘
電体ドラム5に画像情報の電気信号に対応したイオンを
放出する記録部5からイオンが放出され、静電画像が記
録される。次に誘電体ドラム5が回転し、現像部7にお
いて静電画像と同極性(この場合はいわゆる反転現像が
行われる)、あるいは逆極性のトナーにより現像され静
電画像を顕像化される。そして顕像化されたトナー画像
は転写部に移り、トナーと逆極性のバイアスあるいは静
電荷を被記録材料を挟んで印加することで、誘電体ドラ
ム5に記録されたトナー画像が被記録材料に転写され
る。その後、誘電対ドラム5はクリーナー部で残存トナ
ー、静電荷等を除去し、初期状態に戻る。カラー画像を
得るには、各色画像信号に対応させてトナーを順次例え
ば、Y,M,C,Bkと切り替え、それらをこの場合4
回被記録材料に転写を繰り返すことで、フルカラー画像
を得ることができる。
【0018】本発明に用いられる支持フィルムは、カ−
ルフィットの印刷工程において、溶媒上における転写時
に、溶媒上で十分に膨潤し、かつ多色印刷適性を有し、
さらに転写性、すなわち被曲面印刷体の表面に対し、十
分にまつわりつく性質を有するものであることが好まし
い。なお、本発明において「所定の溶媒に膨潤する」と
は、所定の溶媒に溶解するか膨潤するかのいずれかの性
質を有することを意味する。このような支持フィルムの
具体例としては、例えば、デキストリン、ゼラチン、に
かわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋
白、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸アミド、ポ
リアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルメチルエ−テル、メチ
ルビニルエ−テルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビ
ニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、
あるいはセルロ−ス、アセチルセルロ−ス、アセチルブ
チルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチル
セルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−スなどのセルロ
−ス誘導体、アルギン酸ソ−ダ等を挙げることができ、
これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
【0019】本発明においては、上記所定の溶媒、すな
わちカ−ルフィットにおいてこの転写フィルムを浮か
べ、膨潤させる溶媒は、特に限定されるものではない
が、コスト面および安全面から水であることが好まし
い。このように所定の溶媒が水であった場合、支持フィ
ルムは水に膨潤するフィルムを用いることが好ましく、
具体的には上記したフィルムの内、澱粉系フィルム、ポ
リビニルアルコ−ル系フィルム、ポリビニルアルコ−ル
と澱粉との混合系からなるフィルム、あるいは上記材料
を紙、不織布、各種多孔質フィルムなどの液体浸透性の
あるベ−スにコ−ティングしたフィルムあるいはラミネ
−トしたフィルム等を挙げることができる。
【0020】本発明においては、中でもポリビニルアル
コ−ル樹脂を主成分とするフィルムが最も好ましい。こ
のポリビニルアルコ−ル樹脂を主成分とするフィルム
は、その重合度、けん化度、澱粉等の添加剤の配合等、
諸条件を変化させることにより、電子写真方式の印刷を
行う際に必要な機械的強度、取り扱い中の吸湿性、水に
浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、延展ないし拡
散に要する時間、転写時の変形のしやすさ等を制御する
ことができる。ポリビニルアルコ−ル(PVA)樹脂を
主成分とする好ましいフィルムの例は、PVA80重量
%、高分子性水溶性樹脂15重量%、および澱粉5重量
%からなり、平衡水分が3%程度のものである。このよ
うな支持フィルムの厚みは、10〜100μmの範囲内
が好ましく、より好ましくは20〜60μmの範囲内で
ある。
【0021】本発明の曲面印刷用転写フィルムは、この
ような支持フィルムの一面に絵柄を構成する画像層が種
層してなるものである。ここで、絵柄とは意匠性を有す
るものに限定されるものではなく、各種パタ−ンやべた
塗りも含むものである。画像層に用いられるトナ−は、
上記支持フィルムに仮接着し、乾燥被膜形成が容易であ
り、さらに転写体の表面に対して接着し、かつ後述する
活性剤にて容易に膨潤する樹脂をビヒクルとして含むも
のが好ましい。このような樹脂としては、少なくとも1
成分のガラス転移温度が室温以下であるものが特に好ま
しく使用される。このような樹脂は室温でタック性を有
するため、乾式トナ−に使用した場合、トナ−粒子同士
のブロッキングの問題が発生する。このため乾式トナ−
用バインダ−樹脂はガラス転移温度がが50℃以上であ
る必要があり、したがって、前述した好ましいガラス転
移温度を持つ樹脂は用いることができない。
【0022】一方、湿式トナ−は、基本的には樹脂と着
色剤からなるトナ−粒子が分散媒中に分散されたもので
あり、ガラス転移温度の低い樹脂を用いた場合でも、樹
脂の溶媒和及び粒子表面のζ(ゼーター)電位により粒
子間に適当な斥力が働くためブロッキングは生じない。
したがって、カ−ルフィット適性のある樹脂を用いるた
めには、印刷に使用するトナ−は湿式トナ−であること
が必要である。また、湿式トナ−では、現像後の溶媒の
乾燥によりトナ−が定着される。したがって、定着性の
面からも、バインダ−樹脂の少なくとも1成分のガラス
転移温度は室温以下であることが好ましい。
【0023】本発明に好ましく用いられる湿式トナ−
は、バインダ−樹脂として、スチレン−ブタジエン共重
合樹脂、スチレン−イソプレン共重合樹脂、スチレン−
アクリロニトリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン−アクリレ−ト共重合樹脂、エチレ
ン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メタクリレ−ト
共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレ−ト共重合樹
脂、酢酸ビニル−メチルメタクリレ−ト共重合樹脂、ア
クリル酸−メチルメタクリレ−ト共重合樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合樹脂、及び2−エチルヘキシルア
クリレ−ト−メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリ
レ−ト−2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト共重合
体、2−エチルへキシルメタクリレ−ト−ダイアセトン
アクリルアミド共重合体などのアクリル樹脂などのう
ち、ガラス転移温度が室温以下であるものを単独で、或
いは被膜強度などの必要性に応じて室温以上のガラス転
移温度を持つものと混合して用いることができる。
【0024】本発明のガラス転移温度(Tg)とは、構
造的に結晶化し得ない無定形の高分子物質の液体は、温
度を下げていくと過冷却されて、固化し、ガラス状にな
るが、この時の温度をいう。ガラス転移温度以上の無定
形高分子は、通常粘性液体として挙動し、粘着性と流動
性を持つ。ガラス転移温度の測定は、比容の温度特性を
調べることだけでなく、比熱、屈折率、誘電率、拡散定
数、弾性率などの温度変化からも求めることができる。
しかし、測定方法によって異なった転移温度が得られる
ことが多く、ガラス転移は熱力学的に平衡な相の二次転
移ではなく、むしろ時間効果の大きい緩和現象であるた
めと考えられている。本発明で用いられる湿式トナ−樹
脂は、1分子に複数の機能を持たせるために、基本的に
2種以上のモノマ−を共重合したものが用いられる。ラ
ンダム共重合体のガラス転移は、それぞれの単独共重合
体のガラス転移温度の中間で起こる。即ち、
【0025】 Tg=V1Tg1+V2Tg2 (1) 1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2 (2) ただし、V1、V2は成分1、2の体積分率、W1、W2
重量分率であり、温度はいずれも絶対温度である。例え
ば、Tgを25℃以下としたい場合、単独重合体のT
gが25℃以下のモノマ−同士を共重合する、単独重
合体のTgが25℃以下のモノマ−と、25℃以上のモ
ノマ−を共重合する、のどちらかで樹脂設計を行う。後
述するが、好ましいトナ−樹脂は、単独重合体がトナ−
溶媒に可溶なモノマ−と不溶又は難溶のモノマ−を共重
合したものであり、概ね、トナ−溶媒のような高絶縁性
溶媒に可溶な樹脂は、分子間力が小さいため室温以下の
Tgを有し、不溶又は難溶の樹脂は室温以上のTgを有
する場合が多い。従って前述ののケ−スであり、所望
のTgを得るためには、上記(1)、(2)式により高
Tg成分と低Tg成分の比率を決定する必要がある。
【0026】Tg=25℃となる高Tgモノマ−/低T
gモノマ−の組み合わせは、例えば、スチレン(100
℃)/ブタジエン(−58℃)=66/34、スチレン
(100℃)/イソプレン(−58℃)=66/34、
スチレン(100℃)/2−エチルヘキシルメタクリレ
−ト(−10℃)=40/60、酢酸ビニル(32℃)
/2−エチルヘキシルメタクリレ−ト(−10℃)=8
5/15、アクリル酸(106℃)/2−エチルヘキシ
ルメタクリレ−ト(−10℃)=38/62、メチルメ
タクリレ−ト(105℃)/2−エチルヘキシルメタク
リレ−ト(−10℃)=39/61、イソボニルメタク
リレ−ト(110℃)/2−エチルヘキシルメタクリレ
−ト(−10℃)=37/63、N−イソプロピルアク
リルアミド(85℃)/2−エチルヘキシルメタクリレ
−ト(−10℃)=44/56、メタクリル酸(228
℃)/2−エチルヘキシルアクリレ−ト(−50℃)=
45/55、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト(8
6℃)/2−エチルヘキシルアクリレ−ト(−50℃)
=66/34、メタクリル酸(228℃)/ラウリルメ
タクリレ−ト(65℃)=52/48、などである。共
重合樹脂のTgを25℃以下とするには、ここに例示し
た共重合組成よりも高Tg成分を少なく、低Tg成分を
多く設計すれば良い。
【0027】湿式トナ−においてトナ−粒子を溶媒中に
安定に分散させる手段として、トナ−中の顔料粒子を溶
媒親和性のある樹脂で被覆することが一般的に行われ
る。溶媒親和性を示す指標の一つに、溶解度パラメ−タ
−(SP値)があるが、樹脂と溶媒の関係を例にする
と、SP値により樹脂のその溶媒に対する溶解性の程度
を示すことができ、両者のSP値の差が小さければ、樹
脂のその溶媒に対する溶解性が大きく、その差が大きけ
れば溶解性が小さく、不溶性となることを示すものであ
る。トナ−粒子の分散安定性の観点から、本発明におい
て好ましく用いられるトナ−樹脂は、少なくとも2種類
以上のモノマ−A、Bの共重合樹脂であり、それぞれの
単独重合体のSP値(δ)が、以下の関係を満たすもの
である。樹脂の顔料表面への吸着は樹脂の分散媒に不溶
な部分(A)について起こり、分散媒に可溶な部分
(B)は顔料−樹脂粒子の再外殻にあり分散安定化に寄
与する。このためこのような湿式現像剤は、定着剤樹脂
の分散媒への溶解度が低い場合でも、高い分散安定性と
定着性を得ることができる。
【0028】|δA−δトナー溶媒|≧1.5、 |δB−δトナー溶媒|≦1.5、 |δA−δB|≧1.0 トナ−溶媒はイソパラフィンのような高絶縁性溶媒が一
般的に用いられる。使用できる高絶縁性溶媒の例として
は、n−ヘキサン(7.3)、n−ヘプタン(7.
5)、n−オクタン(7.5)、ノナン(7.6)、デ
カン(7.7)、ドデカン(7.9)、シクロヘキサン
(8.2)、パ−クロロエチレン(9.3)、トリクロ
ロエタン(9.9)等が挙げられる。カッコ内の数字は
各溶媒のSP値である。イソパラフィン系炭化水素溶媒
であるエクソン社製アイソパ−L(SP=7.1)をト
ナ−溶媒とした場合、モノマ−A(単独重合体のSP
値)の例として、エチレン(8.1)、ブタジエン
(8.4)、イソプレン(8.15)、イソブチレン
(7.7)、ラウリルメタクリレ−ト(8.2)、ステ
アリルメタクリレ−ト(7.8)、イソボニルメタクリ
レ−ト(8.2)、t−ブチルメタクリレ−トモノマ−
(8.2)などがあり、モノマ−B(単独重合体のSP
値)の例として、酢酸ビニル(9.4)、スチレン
(9.1)、メチルアクリレ−ト(9.7)、エチルア
クリレ−ト(9.2)、プロピルアクリレ−ト(9.
0)、メチルメタクリレ−ト(9.3)、エチルメタク
リレ−ト(9.1)、メタクリル酸(9.4)などがあ
る。
【0029】通常モノマ−Aの単独重合体のTgは室温
以上であり、モノマ−Bの単独重合体のTgは室温以下
であるため、これらを共重合する際の共重合比は、前述
の式(1)、(2)により共重合体が室温以下のガラス
転移温度を持つように設定される。更に好ましくは、ト
ナ−中で顔料粒子への十分な被覆を行うためにトナ−溶
媒に全体として不溶又は難溶となるように設定される。
以上、本発明でいう室温とは、本発明の転写フィルムが
外的コントロールで温度制御を必要としない範囲の温度
を意味し、そのような温度であれば特に制限はないが、
具体的には10〜30℃の範囲を意味する。
【0030】湿式トナ−の着色剤としては、通常、公知
の有機顔料又は無機顔料が用いられる。また、共重合樹
脂の分子が有色の原子団を有している場合には共重合樹
脂自体又は有色原子団を着色剤として利用することがで
きる。すなわち、着色剤が独立の成分であってもよい
し、共重合樹脂が着色剤として機能するものであっても
よい。ブラック系の着色剤としては、例えば、カ−ボン
ブラックやチタンブラック、四三酸化鉄などの無機系着
色剤、或いは、シアニンブラックなどの有機系着色剤を
使用できる。
【0031】イエロ−系着色剤としては、黄鉛、カドミ
ウムイエロ−、黄色酸化鉄、チタン黄、オ−カ−などの
無機系顔料を使用できる。イエロ−系着色剤としては、
次のような灘溶性金属塩(アゾレ−キ)も使用できる。
すなわち、アセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料である、
ハンザイエロ−G(C.I.No.PigmentYe
llow 1)、ハンザイエロ−10G(C.I.N
o.PigmentYellow 3)、ハンザイエロ
−RN(C.I.No.Pigment Yellow
65)、ハンザブリリアントイエロ−5GX(C.
I.No.Pigment Yellow 74)、ハ
ンザブリリアントイエロ−10GX(C.I.No.P
igment Yellow 98)、パ−マネントイ
エロ−FGL(C.I.No.Pigment Yel
low 97)、シムラレ−キファストイエロ−6G
(C.I.No.Pigment Yellow 13
3)、リオノ−ルイエロ−K−2R(C.I.No.P
igment Yellow169);アセト酢酸アリ
リド系ジスアゾ顔料である、ジスアゾイエロ−G(C.
I.No.Pigment Yellow 12)、ジ
スアゾイエロ−GR(C.I.No.Pigment
Yellow 13)、ジスアゾイエロ−5G(C.
I.No.Pigment Yellow 14)、ジ
スアゾイエロ−8G(C.I.No.Pigment
Yellow 17)、ジスアゾイエロ−R(C.I.
No.Pigment Yellow 55)、パ−マ
ネントイエロ−HR(C.I.No.Pigment
Yellow 83);縮合アゾ顔料である、クロモフ
タルイエロ−3G(C.I.No.Pigment Y
ellow 93)、クロモフタルイエロ−6G(C.
I.No.PigmentYellow 94)、クロ
モフタルイエロ−GR(C.I.No.Pigment
Yellow 95);ペンズイミダゾロン系モノア
ゾ顔料である、ホスタパ−ムイエロ−H3G(C.I.
No.Pigment Yellow 154)、ホス
タパ−ムイエロ−H4G(C.I.No.Pigmen
t Yellow 151)、ホスタパ−ムイエロ−H
2G(C.I.No.Pigment Yellow
120)、ホスタパ−ムイエロ−H6G(C.I.N
o.Pigment Yellow 175)、ホスタ
パ−ムイエロ−HLR(C.I.No.Pigment
Yellow 156);イソインドリノン系顔料で
ある、イルガジンイエロ−3RLTN(C.I.No.
Pigment Yellow 110)、イルガジン
イエロ−2RLT、イルガジンイエロ−2GLT(C.
I.No.Pigment Yellow l09)、
ファストゲンス−パ−イェロ−GROH(C.I.N
o.Pigment Yellow 137)、ファス
トゲンス−パ−イエロ−GRO(C.I.No.Pig
ment Yellow 110)、サンドリンイエロ
−6GL(C.I.No.Pigment Yello
w 173)などを使用できる。
【0032】その他のイエロ−系着色剤としては、次の
ようなものを例示できる。すなわち、スレン系顔料であ
る、フラバントロン(C.I.No.Pigment
Yellow 24)、アントラミリミジン(C.I.
No.Pigment Yellow l08)、フタ
ロイルアミド型アントラキノン(C.I.No.Pig
ment Yellow 123)、ヘリオフフストイ
エロ一E3R(C.I.No.Pigment Yel
low 99);金属錯体顔料である、アゾ系ニッケル
錯体顔料(C.I.No.Pigment Green
10)、ニトロソ系ニッケル錯体顔料(C.I.N
o.Pigment Yellow 153)、アゾメ
チン系銅錯体顔料(C.I.No.Pigment Y
ellow117);キノフタロン顔料である、フタル
イミドキノフタロン顔料(C.I.No.Pigmen
t Yellow 138)などを使用できる。
【0033】マゼンタ系着色剤としては、カドミウムレ
ッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン朱などの無機
系顔料を使用できる。マゼンタ系着色剤としては、次の
ようなアゾレ−キ系顔料も使用できる。すなわち、ブリ
リアントカ−ミン6B(C.I.No.Pigment
Red57:1)、レ−キレッド(C.I.No.P
igment Red53:1)、パ−マネントレッド
F5R(C.I.No.Pigment Red 4
8)、リソ−ルレッド(C.I.No.Pigment
Red 49)、ペルシアオレンジ(C.I.No.
PigmentOrange 17)、クロセイオレン
ジ(C.I.No.Pigment Orange 1
8)、ヘリオオレンジTD(C.I.No.Pigmen
t Orange 19)、ピグメントスカ−レット
(C.I.No.PigmentRed60:1)、ブ
リリアントスカ−レットG(C.I.No.Pigme
ntRed64: 1)、ヘリオレッドRMT(C.
I.No.PigmentRed 51)、ボルド−
10B(C.I.No.Pigment Red6
3)、ヘリオボルド−BL(C.I.No.Pigme
nt Red 54)などを使用できる。
【0034】マゼンタ系着色剤としては、次のような不
溶性アゾ系顔料(モノアゾ系、ジスアゾ系、及び縮合ア
ゾ系)も使用できる。すなわち、モノアゾ系またはジス
アゾ系の顔料である、パラレッド(C.I.No.Pi
gment Red 1)、レ−キレッド4R(C.
I.No.Pigment Red 3)、パ−マネン
トオレンジ(C.I.No.Pigment T Or
ange 5)、パ−マネントレッドFR2(C.I.
No.Pigment Red 2)、パ−マネントレ
ッドFRLL(C.I.No.Pigment Red
9)、パ−マネントレッドFGR(C.I.No.P
igment Red 112)、ブリリアントカ−ミ
ンBS(C.I.No.Pigment Red 11
4)、パ−マネントカ−ミンFB(C.I.No.Pi
gment Red 5)、P.V.カ−ミンHR
(C.I.No.Pigment Red 150)、
パ−マネントカ−ミンFBB(C.I.No.Pigm
ent Red 146)、ノバパ−ムレッドF3RK
−F5RK(C.I.No.Pigment Red
170)、ノバパ−ムレッドHFG(C.I.No.P
igment Orange 38)、ノバパ−ムレッ
ドHP4B(C.I.No.Pigment Red
187)、ノバパ−ムオレンジHL.HL−70(C.
I.No.Pigment Orange 36)、
P.V.カ−ミンHF4C(C.I.No.Pigme
nt Red 185)、ホスタバ−ムブラウンHFR
(C.I.No.Pigment Brown 2
5)、バルカンオレンジ(C.I.No.Pigmen
t Orange 16)、ピラゾロンオレンジ(C.
I.No.Pigment Orange 13)、ピ
ラソロンレッド(C.I.No.Pigment Re
d 38);縮合アゾ系顔料である、クロモフタ−ルオ
レンジ4R(C.I.No.Pigment Oran
ge 31)、クロモフタ−ルスカ−レットR(C.
I.No.Pigment Red 166)、クロモ
フタ−ルレッドBR(C.I.No.Pigment
Red 144)などを使用できる。
【0035】マゼンタ系着色剤としては、次のような縮
合多膿系顔料も使用できる。すなわち、アントラキノン
系顔料である、ピランスロンオレンジ(C.I.No.
Pigment Orange 40)、アントアント
ロンオレンジ(C.I.No.Pigment Ora
nge 168)、ジアントラキノニルレッド(C.
I.No.Pigment Red 177);チオイ
ンジゴ系顔料である、チオインジゴマゼンタ(C.I.
No.Pigment Violet 38)、チオイ
ンジゴバイオレット(C.I.No.Pigment
Violet36)、チオインジゴレッド(C.I.N
o.Pigment Red 88);ペリノン系顔料
である、ペリノンオレンジ(C.I.No.Pigme
nt Orange 43);ペリレン系顔料である、
ペリレンレッド(C.I.No.Pigment Re
d l90)、ペリレンバ−ミリオン(C.I.No.
Pigment Red 123)、ペリレンマル−ン
(C.I.No.Pigment Red 179)、
ペリレンスカ−レット(C.I.No.Pigment
Red 149)、ペリレンレッド(C.I.No.
Pigment Red 178);キナクリドン系顔
料である、キナクリドンレッド(C.I.No.Pig
ment Violet l9)、キナクリドンマゼン
タ(C.I.No.Pigment Red 12
2)、キナクリドンマル−ン(C.I.No.Pigm
ent RedPigment 06)、キナクリドン
スカ−レット(C.I.No.Pigment Red
207);ピロコリン系顔料;赤色系フルオルビン系
顔料を使用できる。
【0036】その他のマゼンタ系着色剤としては、染付
けレ−キ系顔料であるロ−ダミン6Gレ−キ(C.I.
No.Pigment Red 81)を使用できる。
染付けレ−キ系顔料は、水溶性染料と沈殿剤を反応させ
てレ−キ化し、固着させるものである。シアン系着色剤
としては、群青、紺青、コバルトブル−、セルリアンブ
ル−などの無機系顔料を使用できる。シアン系着色剤と
しては、次のようなものも使用できる。すなわち、フタ
ロシアニン系顔料である、ファ−ストゲンブル−BB
(C.I.No.Pigment Blue 15)、
スミトン・シアニン・ブル−HB(C.I.No.Pi
gment Blue 15)、シアニンブル−502
0(C.I.No.Pigment Blue 15:
1)、モナストラルブル−FBR(C.I.No.Pi
gment Blue 15:2)、パロマ−ブル−B−
4810(C.I.No.Pigment Blue
15:3)、モナストラルブル−FGX(C.I.N
o.Pigment Blue 15:4)、リオノ−
ルブル−ES(C.I.No.Pigment Blu
e 15:6)、ヘリオゲンブル−L6700F(C.
I.No.Pigment Blue 15:6)、ス
ミカプリント・シアニン・ブル−GN−O(C.I.N
o.Pigment Blue 15)、ヘリオゲンブ
ル−L7560(C.I.No.Pigment Bl
ue 16)、ファスト・スカイブル−A−612
(C.I.No.Pigment Blue 17)、
シアニン・グリ−ンGB(C.I.No.Pigmen
t Green 7)、シアニングリ−ンS537−2
Y(C.I.No.Pigment Green 3
6)、スミトン・ファストバイオレットRL(C.I.
No.Pigment Violet 23);スレン
系顔料である、インダントロンブル−(PB−60P、
PB−22、PB−21、PB−64);塩基性染料レ
−キ顔料である、メチルバイオレット・リン・モリブデ
ン酸レ−キ(C.I.No.Pigment Viol
et3)などを使用できる。
【0037】その他、必要であれば光輝性顔料やマット
顔料を用いることも可能である。この光輝性顔料として
は、例えば、(1)パ−ル顔料と呼ばれるもの、より具
体的には、貝殻の内側の部分や真珠の粉砕物、マイカの
微粒子に酸化チタンや酸化鉄を焼き付けてなる鱗片状箔
片(二酸化チタン被覆雲母)等;(2)金属粉、より具
体的には、アルミニウム、真鈴、青銅、金、銀等の粉
末、好ましくは、1〜120μmの微粒子又は鱗片状箔
片となっているもの;(3)蒸着されたプラスチックフ
ィルムの破片、より具体的には、ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムに上記のような金属、通常はアルミニウ
ム、を蒸着して粉砕した銀色粉、蒸着後に透明な黄色に
塗装してから粉砕した金色粉;(4)屈折率の異なる2
種以上の樹脂層、例えばポリエステル樹脂層とアクリル
樹脂層、であって、それぞれ数μm以下の厚さのものが
多数積層してなり、光の干渉による虹彩色を生じさせる
複合フィルムを細かく切断して得た箔粉などを例示する
ことができる。
【0038】またマット顔料としては、カオリナイト、
スメクタイト、ハロサイト、白雲母、タルクなどの粘上
鉱物、無水シリカ、無水アルミナ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの合成無彩色顔料が
挙げられる。このようなトナ−には、必要に応じて電荷
制御剤、分散剤、定着剤等の添加剤が添加されていても
よい。本発明の湿式トナ−を作製する方法は、公知のい
かなる方法に従ってもよいが、溶媒置換法又は冷却造粒
法による作製が好ましく行われる。溶媒置換法は、ト
ナ−樹脂が可溶で、かつトナ−溶媒と相溶性のある揮発
性の溶媒にトナ−樹脂を溶解させ、更に顔料及び必要に
応じて分散剤などを添加する、ビ−ズミル、ボ−ルミ
ル、ハイスピ−ドディスパ−ザ−により顔料を粉砕す
る、この分散液にトナ−溶媒を添加する、ロ−タリ
−エバポレ−タ−等により顔料分散に用いた溶媒を除去
する、粒子径を均一化するために再度分散を行う、の
工程から成る。一方冷却造粒法は、トナ−樹脂が可溶
となる温度以上に加熱したトナ−溶媒にトナ−樹脂を飽
和濃度付近まで溶解させ、更に顔料及び必要に応じて分
散剤などを添加し高固形分濃度のスラリ−とする、プ
ラネタリ−ミキサ−等で十分に混練する、攪拌しなが
ら室温付近まで冷却し樹脂を析出させる、トナ−溶媒
で希釈し、ビ−ズミル、ボ−ルミル、ハイスピ−ドディ
スパ−ザ−等により粒径を均一化する、の工程から成
る。作製方法により樹脂造粒の形態が異なると考えら
れ、実際に粒径、分散性、帯電性等のトナ−物性に違い
が生じる。作製方法の選択は、出発物質の性質や、トナ
−に要求される物性等を考慮して慎重に検討されなけれ
ばならない。
【0039】次に、本発明の異なる側面である接着層が
設けられた曲面印刷用転写フィルムについて説明する。
これは、支持フィルムと画像層との間に接着層が設けら
れたことを特徴とする曲面印刷用転写フィルムである。
(図2) この接着層は、前記画像層を支持フィルム上に直接印刷
した際、支持フィルム上に絵柄が定着・固定しにくい場
合にこれを定着・固定せしめるために設けられるもので
あり、また別の目的としては、印刷後のフィルムを所定
の溶媒に浮かべた際に、画像層の膨潤性が不均一である
ために画像が乱れることを防ぐために設けられものであ
る。この接着層は、上述した点から、画像記録に用いる
トナ−をその表面或いは内部に固定することができる性
質を有する必要がある。更には、支持フィルムを膨潤、
溶解させるための所定の溶媒に不溶で、後述する活性剤
に対する膨潤性や、被曲面印刷体に対する接着性等を有
することが好ましい。
【0040】本発明で設けられる接着層は、樹脂を主成
分とし、必要に応じて各種の添加剤が混入されるもので
ある。接着層に用いる樹脂としては、適度な粘着性を有
するために、トナ−樹脂同様Tgの低いものが好まし
い。例えば、脂肪酸変性フタル酸アルキッド、マレイン
酸アルキッドなどの純枠或いは変性アルキッド樹脂;ポ
リエチルアクリレ−ト、メタクリル酸/ラウリルメタク
リレ−ト共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびそ
の金属塩;アクリルアミド/2−エチルへキシルメタク
リレ−ト共重合体などのアクリルアミド・アクリル共重
合樹脂;スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イ
ソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン/n
−ブチルメタクリレ−ト共重合体などのスチレンアクリ
ル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリイ
ソブチレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリビニルホ
ルマ−ル、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルアセタ−
ルなどのポリアセタ−ル樹脂;エチレン/酢酸ビニル共
重合体、エチレン/エチルアクリレ−ト共重合樹脂など
のポリエチレン系樹脂;ポリビニルビロリドンおよびそ
の共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化
ポリエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド樹
脂;ポリエ−テルポリオ−ル;ポリビニルメチルエ−テ
ルなどのポリビニルエ−テル樹脂;アルギン酸ナトリウ
ム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロアオ
イ、トラガントガム、プルラン、ペクチン、カラギニ
ン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、ふのり、大豆蛋
白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹
脂;ロジン及びロジンエステルなどを用いることができ
る。これらの樹脂は、ホモポリマ−としてだけでなく、
相溶する範囲でブレンドして用いても良い。
【0041】さらに、トナ−の定着性を向上させるため
に、接着層に適当な表面凹凸又は空隙を設けることもで
きる。このためには接着層に填材を混入させる。用いら
れる項材としては、例えば、シリカ;アルミナ;カオリ
ナイト;モンモリロナイト、有機モンモリロナイト、サ
ポナイト、テニオライト、ヘクトライトなどの天然或い
は合成スメクタイト類粘土鉱物及びその誘導体;タル
ク;炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム;硫酸カルシウ
ム;硫酸バリウム;各種ゼオライト;酸化チタン;酸化
セリウム;酸化マグネシウム;酸化ジルコニウム;珪酸
ソ−ダ;珪酸カルシウム;珪酸カリウム;珪酸マグネシ
ウム;珪酸アルミニウム;珪藻土;硫化亜鉛;水酸化亜
鉛;炭酸亜鉛:酸化亜鉛;酸化錫;硫酸マグネシウム;
水酸化アルミニウム;ハイドロタルサイト;リトボンな
どの無機顔料、及び、炭素樹脂顔料;ポリスチレン樹
脂;尿素樹脂;ペンゾクアナミン系プラスチックピグメ
ント;メラミン樹脂;シリコン系樹脂;ポリウレタン系
樹脂;ポリエステル系樹脂;フッ素系樹脂;ポリアクリ
ル系樹脂;ポリアクリルアミド系樹脂;ポリプロピレ
ン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデンなどの有機顔
料が挙げられる。
【0042】このような接着層を支持フィルム上に形成
する手段としては、特に限定されるものではないが、グ
ラビアコ−ト、オフセットグラビア、ロ−ルコ−ト、バ
−コ−ト、スプレ−コ−ト、超音波コ−ト等の手段を挙
げることができ、上述した樹脂等の形成材料を適当な溶
剤に溶解する等により形成される。このような接着層の
厚みは、接着層に用いる材料によっても異なるが、好ま
しくは2〜30g/平方メートルの範囲内である。次
に、上述した曲面印刷用転写フィルムの製造方法につい
て説明する。本発明の曲面印刷用転写フィルムの製造方
法は、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを用意する工
程と、この支持フィルムの一面に電子写真方式により絵
柄を構成する画像層を印刷する工程とを少なくとも有
し、前記電子写真方式のトナ−として、バインダ−樹脂
の少なくとも1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂
である湿式トナ−を用いることを特徴とするものであ
る。
【0043】この所定の溶剤に膨潤する支持フィルムに
ついては上述した通りであるので、支持フィルムを用意
する工程についての説明は省略する。以下、上記支持フ
ィルム上に電子写真方式の印刷方法により絵柄を構成す
る画像層を印刷する工程の一例について説明する。ま
ず、図4(a)に示すように支持フィルム2を用意す
る。次いで、図4(b)に示すような湿式トナ−を充填
したトナ−タンク13、ディベロッパ−14、感光体1
5から構成される湿式電子写真プリンタ−17を用い、
レ−ザ−18により形成された感光体15上の静電潜像
に応じて付着したトナ−粒子を支持フィルム2に静電的
に転写する。ディベロッパ−としては、ロ−ラ−現像
器、スリット現像器、皿現像器など湿式トナ−用の現像
器であれば好ましく用いられる。また、感光体の代わり
に誘電体ドラムを用い、レ−ザ−の代わりに針電極やイ
オンフロ−ヘッドにより静電潜像を形成する方式も有効
である。感光体等の記録ドラムから支持フィルムへのト
ナ−像の転写は通常静電転写によるが、接着層を使用す
る場合は、単なる圧力定着によることも可能である。接
着層樹脂のTgが機内温度よりも高い場合は、十分な接
着性を得るために支持フィルムを接着層樹脂のTg以上
に加熱することが好ましい。
【0044】こうして図4(c)に示すような支持フィ
ルム上に画像層3が形成された曲面印刷用転写フィルム
が形成される。得られた曲面印刷用転写フィルム1
は、4(d)に示すように、後述する活性剤19が画
像層3上に塗布され、カ−ルフィットによる転写工程に
送られる。このように、本発明の曲面印刷用転写フィル
ムの製造方法は、少なくとも支持フィルムを用意する工
程と、この支持フィルムの一面に特定の湿式トナ−を用
いて電子写真方式により絵柄を構成する画像層を印刷す
る工程から成るものであるが、必要に応じて、上記支持
フィルムと画像層との間に接着層を形成してもよい(図
2参照)。次に、上述した曲面印刷用転写フィルムを用
いた曲面印刷体の製造方法について説明する。
【0045】本発明の曲面印刷体の製造方法において、
(図に示すように、)曲面印刷用転写フィルム1を調製
した後、まずこの曲面印刷用転写フィルム1の画像層3
側に活性剤19を塗布する。このように活性剤を塗布す
るのは、活性剤を塗布して画像層等を膨潤させておかな
いと、その後溶媒上に曲面印刷用転写フィルムを浮かべ
て膨潤させた際に、支持フィルムの伸びに画像層等が追
従できず、画像割れを生じてしまうためである。また、
被曲面印刷体を上方から曲面印刷用転写フィルムに押し
当てて転写する際に、曲面印刷用転写フィルムが被曲面
印刷体表面に密着することができず、転写がうまくいか
ないためである。このような活性剤は、画像層、又は画
像層および接着層を膨潤させうるものであればよく、ま
た、画像層の顔料を溶解させず、転写が行われるまで蒸
発せず、さらに被曲面印刷体表面を浸食したり、被曲面
印刷体が塗料により下塗りされているときにはこの塗料
に接触する転写時にこの塗料を急激に溶解させないもの
であることが望ましい。なお、例えば画像層が完全に乾
燥する前に曲面印刷用転写フィルムを溶媒上に浮かべて
転写を行う場合等、この活性剤の塗布工程が必要無い場
合もある。
【0046】このような活性剤の例としては、例えばペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、あるいはこ
れらの混合液であるガソリン、石油、ベンジン、ミネラ
ルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、トリクロルエチレン、パ
−クロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素類、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−
ル、プロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、アミルア
ルコ−ル、ベンジルアルコ−ル等の一価アルコ−ル類、
エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリ
ン等の多価アルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、エチル
エ−テル、イソプロピルエ−テル、エチレングリコ−
ル、モノ・メチルエ−テル、エチレングリコ−ル、モノ・
エチルエ−テル、ジエチレングリコ−ル等のエ−テル
類、酢酸エステル類、酪酸エステル類等のエステル類、
ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミン類、その他アセ
タ−ル類、酸類、フラン類等が挙げられ、これらが単独
あるいは混合溶剤として用いられる。
【0047】また、このような溶剤に、溶剤に対して親
和性を有する樹脂を添加したものを活性剤として用いる
ことができる。このような樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、ス
チレンならびにその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエス
テル単量体、アリルアルコ−ルおよびアリルエステル
類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸またはフマル酸等の不飽和カルポン酸
類、上記の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体、同ニ
トリル誘導体または同酸アミド誘導体、上記の不飽和カ
ルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロ−ル誘導体お
よび同N−アルキルメチロ−ルエ−テル誘導体、グリシ
ジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、アリル
グリシジルエ−テル、ビニルイソシアネ−ト、アリルイ
ソシアネ−ト、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト、2
−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レ−ト、エチレングリコ一ルモノアクリレ−ト、エチレ
ングリコ−ルモノメタクリレ−ト、エチレングリコ−ル
ジアクリレ−ト、エチレングリコ一ルジメタクリレ−
ト、無水マレイン酸、無水イタコン酸、メチルビニルケ
トン、ブタジエンエチレン、プロピレン、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレ−ト、ビニルピリジン、tert−
ブチルアミノエチルメタクリレ−ト、多価アルコ−ルの
モノアリルエ−テル等の単量体の単独重合体ないし共重
合体類等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、フェノ−ル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素
樹脂、エボキシ系樹脂、フタル酸ジアリル系樹脂、ケイ
素樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂、または
それらの変性樹脂もしくは初期縮合物、天然樹脂、ロジ
ンおよびその誘導体、セルロ−ス誘導体、天然または合
成ゴム、石油樹脂等を挙げることができる。
【0048】これらの樹脂は、粘度調整が容易である、
塗布方法を選ばない、インクの保持時間が長い、転写時
間を長くとれる等の理由から、上記溶媒に添加して活性
剤とすることが好ましく、添加量は5〜60重量%の範
囲内であることが好ましい。このような活性剤組成の例
として好ましいものを以下に示すが、この活性剤の組成
は膨潤させる材料に応じて設計されたものであり、本発
明の活性剤がこれに限定されるものではない。 (活性剤組成例1) ・キシレン:5〜10重量部 ・エチレングリコ一ルモノブチルェ−テル:20〜30
重量部 ・ブチルカルビト−ルアセテ−ト:30〜40重量部 ・フタル酸エステル(DBP):20〜30部 ・セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(CAB):0.9
重量部 ・酢酸エチル:1〜5重量部 (活性剤組成例2) ・アルキッド樹脂:15重量部 ・ニトロセルロ−ス:2重量部 ・重炭酸バリウム:30重量部 ・フタル酸エステル(DBP):35重量部 ・エチレングリコ一ルモノプチルエ−テル:14重量部 ・プチルセロソルブアセテ−ト:52重量部 ・マレイン酸:少量
【0049】このような活性剤の塗布手段としては、グ
ラビアコ−ト、オフセットグラビア、ロ−ルコ−ト、ハ
−コ−ト、スプレ−コ−ト、超音波コ−トなどが適用で
き、活性剤の塗布量は、2〜30g/平方メートルであ
り、好ましくは3〜15g/平方メートルである。次
に、このように活性剤が塗布された曲面印刷用転写フィ
ルムを溶媒上、好ましくは水上に浮かべる。この状態を
図5(a)に示す。支持フィルム上に絵柄を構成する
画像層3が印刷された曲面印刷用転写フィルムを溶媒
上に浮かべる。上記支持フィルム2はこの溶媒に膨潤す
るものであることから、図5(a)に示すように支持フ
ィルム2は膨潤して広がった状態となる。この際、支持
フィルム上の画像層3も活性剤が塗布されているため
この支持フィルム2の広がりに添って同様に広がる。こ
れにより、曲面印刷用転写フィルムが広がった状態とな
る。曲面印刷用転写フィルムを溶媒上に浮かべる際の溶
媒の温度は、画像層を形成するトナ−樹脂の少なくとも
1成分のガラス転移温度以上とすることが好ましい。こ
れにより、トナ−樹脂が適当な流動性と粘着性を持ち、
画像層の広がりや被曲面印刷体への接着性が良好になる
ためである。
【0050】そして、このように曲面印刷用転写フィル
が広がった状態で、図5(b)に示すように、溶媒
20上の曲面印刷用転写フィルムの上方から被曲面印
刷体21を降下させ、その一部ないし全部を溶媒20中
に沈降させ、溶媒20の圧力により被曲面印刷体21の
表面に曲面印刷用転写フィルム1を延展・密着させる。
ここで、この被曲面印刷体としては、曲面印刷用転写フ
ィルムの画像層もしくは接着層が接着しうる材料で形成
されたものであれば、材料および形態共に特に限定され
るものではない。この被曲面印刷体に用いることができ
る材料としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
カ−ボネ−ト樹脂、AES樹脂(ABS樹脂の耐優性向
上品)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
オレフィンオキシド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のホモ
ポリマ−、もしくはコポリマ−あるいはこれらのものか
ら選択される混合物からなる合成樹脂、メラミン樹脂、
フェノ−ル樹脂、ホルマリン樹脂、尿素樹脂、繊維素系
樹脂等の射出成形品、押し出し成形品、中空成形品、真
空成形品等からなる各種合成樹脂成形品をはじめ、金属
製品、セラミックス成形品等を挙げることができる。
【0051】また、形態面では、凹部または凸部を有す
るものや、平坦なもの、二次元もしくは三次元曲面を有
するものや貫通孔を有するもの、格子状のものなどほと
んどの形態のものを適用することができる。さらに、表
面に木、石、織物などの質感を生じさせるための微少な
エンボスが設けてあるもの等も適用することができる。
次いで、溶媒20中から被曲面印刷体21を取出し、支
持フィルムを除去する。この支持フィルムを除去するに
は、図5(c)に示すように、前記溶媒20と同じ溶媒
を用いて、膨潤した支持フィルムをシャワ−洗浄するこ
とが最も効率的であることから好ましい。このようにシ
ャワ−洗浄を行うことにより、支持フィルムを完全に除
去すると共に、転写の際に生じる汚れをも除去すること
ができる。ここでの溶媒の温度、洗浄時間等は、用いる
溶剤や支持フィルムにより大きく異なるものであるが、
例えば支持フィルムとしてポリビニルアルコ−ル(PV
A)を用い、溶媒として水を用いた場合は、一般的には
水温15〜60℃、1〜10分程度洗浄する事が好まし
い。
【0052】そして、図5(d)に示すように支持フィ
ルムを除去した被曲面成形体21をエア−ブロ−、乾燥
炉等の手段により乾燥させる。乾燥後、被曲面印刷体に
保護層塗布装置22を用いて保護層23を形成して更に
乾燥工程を行い、曲面印刷体とする(図5(e)、5
(f))。ここで保護層に用いられる材料は、熱可塑性
樹脂であっても、硬化性樹脂であってもよい。具体的に
は、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性
樹脂、分子中にエチレン性不飽和結合を有するプレポリ
マ−あるいはオリゴマ−または分子中エチレン性不飽和
結合を有するモノマ−あるいはこれらの混合物を主成分
とする組成物からなる電離性放射線硬化性組成物等がを
挙げることができる。
【0053】また、上述した電離性放射線硬化性組成物
に使用される、分子中にエチレン性不飽和結合を有する
プレポリマ−あるいはオリゴマ−としては、例えば不飽
和ポリエステル類、ポリエステルアクリレ−ト、エポキ
シアクリレ−ト、ウレタンアクリレ−ト、ポリオ−ルア
クリレ−ト、メラミンアクリレ−トなどの各種アクリレ
−ト類、ポリエステルメタクリレ−ト、エポキシメタク
リレ−ト、ウレタンメタクリレ−ト、ポリオ−ルメタク
リレ−ト、メラミンメタクリレ−トなどの各種メタクリ
レ−ト類などであり、分子中にエチレン性不飽和結合を
有するモノマ−としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレンなどのスチレン系モノマ−、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキ
シエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニルな
どのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピルなどのメタクリル酸エステル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド、
アクリル酸2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル、
メタクリル酸(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アク
リル酸2−(N、N−ジエチルアミノ)ブロピルなどの
不飽和酸の置換アミノアルコ−ルエステル類、エチレン
グリコ−ルジアクリレ−ト、ブロピレングリコ−ルジア
クリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト、
1、6−へキサンジオ−ルジアクリレ−ト、ジエチレン
グリコ−ルジアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ
アクリレ−ト、ジプロピレングリコ−ルジアクリレ−
ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロピレン
グリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジ
メタクリレ−トなどの多官能性化合物、および/または
分子中に2個以上のチオ−ル基を有するポリチオ−ル化
合物、例えばトリメチロ−ルプロパントリチオグリコレ
−ト、トリメチロ−ルプロパントリチオプロピオネ−
ト、ペンタエリスリト−ルテトラチオグリコレ−トなど
が挙げられる。
【0054】さらに、保護層に用いられる熱可塑性樹脂
としては、例えば硝化綿、酢酸繊維素、酪酸繊維素、ア
クリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニ
ルブチラ−ル樹脂等が挙げられる。このように、本発明
の曲面印刷体の製造方法は、電子写真方式を用いること
で迅速かつ低コストで、従来のグラビア印刷と同等の意
匠性の優れた曲面印刷体を得ることができる。したがっ
て、例えば各種試作品の作成や校正に用いることも可能
であり、また近年の少ロット・多品種の傾向にも十分対
応することができる製造方法である。この効果は、この
製造方法で得られる曲面印刷体も同様に奏するものであ
る。
【0055】 (実施例1) (シアン湿式トナ−の作製) ・ラウリルメタクリレ−ト/N−イソプロピルアミド共重合樹脂 3部 (ラウリルメタクリレ−ト/N−イソプロピルアミド(重量比)=50/5 0、重量平均分子量125、000、Tg=−10℃) ・C.I.No.Pigment Blue 15:4 (MONASTRALBLUEFGX、ゼネカ(株)製) 3部 ・不乾性油型アルキド樹脂 (フタルキッド926−70(不揮発分70%)、日立化成(株)製) 1.5部 ・テトラヒドロフラン 40部 から成る組成物47.5gを1mm径のガラスビ−ズ5
0gとともに混合容器に入れ、ペイントシェ−カ−(レ
ッドデビル社製RC−5000)で3時間分散させた。
ガラスビ−ズを濾別した後、超音波ホモジナイザ−(日
本精機製作所(株)製US−300T)を照射しながら
エクソン社製アイソパ−L200gを投入し、ロ−タリ
−エバポレ−タ−にてテトラヒドロフランを蒸発除去し
た。再度超音波ホモジナイザ−によって分散処理した
後、ナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)
0.2gを加え、ガラスビ−ズ150gとともに再び混
合容器に入れ、ペイントシェ−カ−で3時間分散させ
た。得られた分散液からガラスビ−ズを除き、アイソパ
−Lで360gまで希釈し、シアン湿式トナ−を得た。
【0056】(マゼンタ湿式トナ−の作製)シアントナ
−におけるC.I.No.Pigment Blue
15:4をC.I.No.Pigment Red5
7:1(No.587 Carmine 6B TON
ER、大同化成工業(株)製)に代えた以外は同様にし
てマゼンタ湿式トナ−を作製した。 (イエロ−湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I.No.Pigment Blue 15:1を
C.I. Pigment Yellow 17(セイ
カファストイエロ−No.19、大日精化(株)製)に
代えた以外は同様にしてイエロ−湿式トナ−を作製し
た。 (ブラック湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I.No.Pigment Blue 15:1を
カ−ボンブラック(MA−100、三菱化学(株)製)
に代えた以外は同様にしてブラック湿式トナ−を作製し
た。得られたトナ−はいずれも均一に正に帯電してお
り、良好な分散安定性を呈していた。
【0057】(曲面印刷用転写フィルムの作製)誘電体
ドラム上にイオンフロ−ヘッドにより−150Vの静電
潜像をパタ−ン状に形成させ、上記のトナ−を用いてロ
−ラ−現像を行った。ドラム上のトナ−像は静電転写に
よりPVAフィルム上に逐次転写され、この工程を4色
分繰り返すことによりフルカラ−の曲面印刷用転写フィ
ルムを得た。得られた画像は解像力に優れており、また
PVAフィルム上に強固に定着していた。 (転写)得られた曲面印刷用転写フィルムの印刷された
画像層上に活性剤(大橋化学工業(株)C、P、A−H
NORMAL EX)をワイヤ−バ−により13g/
平方メートルの割合でコ−ティングし、活性剤が乾燥す
る前に温度25℃の水面に画像層が上面となるようにし
て浮かべた。
【0058】この曲面印刷用転写フィルムが水と活性剤
とにより十分膨潤したことを確認した後、曲面印刷用転
写フィルムの上方からABS樹脂製の被曲面印刷体を押
し入れ、被曲面印刷体の外表面に曲面印刷用転写フィル
ムを密着させた。被曲面印刷体を水中から引き上げ、室
温の水で最外面に残存するポリビニルアルコ−ルを洗浄
除去し、70℃で20分間乾燥した。乾燥後の被曲面印
刷体に画像層の保護のため、2液ウレタン塗料をスプレ
−コ−トした後、70℃、40分間乾燥して曲面印刷体
を得た。得られた曲面印刷体は、転写時の絵柄のつきま
わりが良好で、PVA洗浄除去時の剥離、白抜けのない
意匠性の優れたものであった。
【0059】 (実施例2) (シアン湿式トナ−の作製) ・2−エチルヘキシルアクリレ−ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト 共重合樹脂(2−エチルヘキシルアクリレ−ト/2−ヒドロキシエチルメ タクリレ−ト(重量比)=70/30、重量平均分子量178、000、 T g=−22℃) 15部 ・アマニ油変性アルキッド樹脂(ハリフタ−ル3100、ハリマ化成(株) 製) 7.5部 ・C.I.No.Pigment Blue 15:1(PALOMARB LUEB−4806 バイエル社製) 15部 ・アイソパ−L(エクソン社製) 30部 から成る組成物500gを120℃に加熱しながらダブ
ルプラネタリ−ミキサ−で3時間混練し、引き続き攪拌
しながら0.5℃/minの速度で室温まで徐冷しペ−
スト状の顔料分散体を得た。顔料分散体15部に対して
25部の割合でアイソパ−Lを添加し、ペイントシェ−
カ−(レッドデビル社製RC−5000)で12時間ビ−
ズ分散しマスタ−トナ−とした。マスタ−トナ−400
gに電荷調整剤として塩基性バリウムペトロネ−ト(W
itco社製)16.7g部を加え、更にアイソパ−L
で2700gまで希釈し、シアン湿式トナ−を得た。
【0060】(マゼンタ湿式トナ−の作製)シアントナ
−におけるC.I.No.Pigment Blue
15:1をC.I.No.Pigment Red 1
76(PVカ−ミンHF−3C、Clariant社
製)に代えた以外は同様にしてマゼンタ湿式トナ−を作
製した。 (イエロ−湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I. Pigment Blue 15:1をC.
I.No.Pigment Yellow 180(P
VFAST YellowHG、Clariant社
製)に代えた以外は同様にしてイエロ−湿式トナ−を作
製した。 (ブラック湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I.No.Pigment Blue 15:1を
カ−ボンブラック(MA−100、三菱化学(株)製)
に代えた以外は同様にしてブラック湿式トナ−を作製し
た。得られたトナ−はいずれも均一に負に帯電してお
り、良好な分散安定性を呈していた。
【0061】 (接着層の作製) ・アクリルアミド/n−ブチルアクリレ−ト/ラウリルアクリレ−ト共重合 樹脂 1部 ・MEK 9部 から成る組成物を十分に混合・溶解させた塗工液をポリ
ビニルアルコ−ルの薄膜フィルム上にワイヤ−バ−によ
り乾燥塗工量が7g/m2となるように塗工、乾燥させ
耐水性のある接着層を形成した。 (曲面印刷用転写フィルムの作製)誘電体ドラム上に針
電極により+300Vの静電潜像をパタ−ン状に形成さ
せ、上記のトナ−を用いてロ−ラ−現像を行った。ドラ
ム上のトナ−像は静電転写により上記の接着層を塗布し
たPVAフィルム上に逐次転写され、この工程を4色分
繰り返すことによりフルカラ−の曲面印刷用転写フィル
ムを得た。得られた画像は解像力に優れており、またP
VAフィルム上の接着層に強固に定着していた。 (転写)得られた曲面印刷用転写フィルムを用い、実施
例1と同様にして曲面印刷体を得た。得られた曲面印刷
体は、転写時の絵柄のつきまわりが良好で、PVA洗浄
除去時の剥離、白抜けのない意匠性の優れたものであっ
た。
【0062】 (比較例) (シアン湿式トナ−の作製) 実施例1における組成物を、 ・2−エチルヘキシルメタクリレ−ト/メタクリル酸共重合樹脂(2−エチ ルヘキシルメタクリレ−ト/メタクリル酸(重量比)=50/50、重量 平均分子量 140、000、Tg=72℃) 3部 ・C.I.NO.Pigment Blue 15:4(MONASTRA L BLUE FGX、ゼネカ(株)製) 3部 ・テトラヒドロフラン 40部 に代えた以外は実施例1と同様にして、シアン湿式トナ
−を得た。 (マゼンタ湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I.No.Pigment Blue 15:4を
C.I.No.Pigment Red 57:1(N
o.587Carmine 6B TONER、大同化
成工業(株)製)に代えた以外は同様にしてマゼンタ湿
式トナ−を作製した。 (イエロ−湿式トナ−の作製)
【0063】シアントナ−におけるC.I.No.Pi
gment Blue 15:4をC.I.No.Pi
gment Yellow 109(イルガジンイエロ
−2GLTE、チバ・スペシャリティ−・ケミカルズ
(株)製)に代えた以外は同様にしてイエロ−湿式トナ
−を作製した。 (ブラック湿式トナ−の作製)シアントナ−における
C.I.No.Pigment Blue 15:4を
カ−ボンブラック(MA−100、三菱化学(株)製)
に代えた以外は同様にしてブラック湿式トナ−を作製し
た。得られたトナ−はいずれも均一に負に帯電してお
り、良好な分散安定性を呈していた。
【0064】(曲面印刷用転写フィルムの作製)実施例
1と同様にしてフルカラ−の曲面印刷用転写フィルムを
得た。得られた画像は定着性に乏しく、指で強く擦ると
PVAフィルムから剥離した。 (転写)得られた曲面印刷用転写フィルムを用い、実施
例1と同様にして曲面印刷体を得た。トナ−がPVA上
に定着できていないため、活性剤をワイヤ−バ−で塗布
する際に画像の剥がれが生じた。また、転写工程におい
て、絵柄がABSに強固に接着せず、PVA洗浄除去時
に剥離、白抜けが生じた。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、所定の
溶媒に膨潤する支持フィルムの一面に、電子写真方式に
より印刷された絵柄を構成する画像層を積層してなる曲
面印刷用転写フィルムにおいて、前記電子写真方式のト
ナ−として、バインダ−樹脂の少なくとも1成分がガラ
ス転移温度が室温以下の樹脂である湿式トナ−を用いる
ことにより、オンデマンド方式と特徴を活かし、早急に
かつ低コストで曲面印刷体を製造することができるだけ
でなく、特定のトナ−を用いることにより、意匠性にも
優れた曲面印刷体を製造することが可能となった。ま
た、所定の溶媒に膨潤する支持フィルムの一面に、接着
層が配置され、この接着層の表面に、電子写真方式によ
り印刷された絵柄を構成する画像層を積層してなる曲面
印刷用転写フィルムにおいて、前記電子写真方式のトナ
−として、バインダ−樹脂の少なくとも1成分がガラス
転移温度が室温以下の樹脂である湿式トナ−を用いるこ
とにより、オンデマンド方式と特徴を活かし、早急にか
つ低コストで曲面印刷体を製造することができるだけで
なく、トナーの使用範囲がさらに広くなり、より画像性
能に優れ、意匠性にも優れた曲面印刷体を製造すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲面印刷用転写フィルムの一概念図で
ある。
【図2】本発明の曲面印刷用転写フィルムの別形態の一
概念図である。
【図3】電子写真法の画像形成プロセスを示す一概念図
である。
【図4】本発明の電子写真方式の印刷方法により絵柄を
構成する画像層を印刷するプロセスを示す一概念図であ
る。
【図5】本発明の転写フィルムを用いて、曲面被転写体
に画像を曲面転写するプロセスを示す一概念図である。
【符号の説明】
1 曲面印刷用転写フィルム 2 支持フィルム 3 画像層 4 接着層 5 誘電体ドラム 6 記録部 7 現像部 8 トナー像 9 湿式トナー 10 転写部 11 クリーナー部 12 電子写真プロセスによる画像形成装置 13 トナータンク 14 ディベロッパー 15 感光体 17 湿式電子写真プリンター 18 レーザー 19 活性剤 B トナー粒子 20 溶媒 21 被曲面印刷体 22 保護層塗布装置 23 保護層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムの
    一面に、電子写真方式により印刷された絵柄を構成する
    画像層を積層してなる曲面印刷用転写フィルムにおい
    て、前記電子写真方式のトナ−として、バインダ−樹脂
    の少なくとも1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂
    である湿式トナ−を用いることを特徴とする曲面印刷用
    転写フィルム。
  2. 【請求項2】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムの
    一面に、接着層が配置され、この接着層の表面に、電子
    写真方式により印刷された絵柄を構成する画像層を積層
    してなる曲面印刷用転写フィルムにおいて、前記電子写
    真方式のトナ−として、バインダ−樹脂の少なくとも1
    成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂である湿式トナ
    −を用いることを特徴とする曲面印刷用転写フィルム。
  3. 【請求項3】 前記接着層が、前記所定の溶媒に不溶
    であることを特徴とする請求項2の曲面印刷用転写フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記所定の溶媒に膨潤する支持フィル
    ムが、水溶性のフィルムであることを特徴とする請求項
    1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の曲面印
    刷用転写フィルム。
  5. 【請求項5】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを
    用意する行程と、この支持フィルムの一面に電子写真方
    式により絵柄を構成する画像層を印刷する行程とを少な
    くとも有する曲面印刷用転写フィルムの製造方法におい
    て、前記電子写真方式のトナ−として、バインダ−樹脂
    の少なくとも1成分がガラス転移温度が室温以下の樹脂
    である湿式トナ−を用いることを特徴とする曲面印刷用
    転写フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 所定の溶媒に膨潤する支持フィルムを
    用意する行程と、この支持フィルムの一面に接着層を配
    置し、この接着層の表面に電子写真方式により絵柄を構
    成する画像層を印刷する行程とを少なくとも有する曲面
    印刷用転写フィルムの製造方法において、前記電子写真
    方式のトナ−として、バインダ−樹脂の少なくとも1成
    分がガラス転移温度が室温以下の樹脂である湿式トナ−
    を用いることを特徴とする曲面印刷用転写フィルムの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 (1)請求項5、請求項6のいずれかの
    製造方法により曲面印刷用転写フィルムを調製する行程
    と、(2)前記画像層および接着層の少なくとも一つを
    膨潤させ得る活性剤を前行程で得た曲面印刷用転写フィ
    ルムの画像層側の面に塗布する行程と、(3)前記曲面
    印刷用転写フィルムを画像層が印刷された面を上にして
    前記所定の溶媒上に浮かべる行程と、(4)溶媒上で膨
    潤した曲面印刷用転写フィルムの上方から被曲面印刷体
    を降下させ、その一部ないし全部を前記溶媒中に沈降さ
    せ、溶媒の圧力により被曲面印刷体の表面に前記曲面印
    刷用転写フィルムを延展・密着させる行程と、(5)被
    曲面印刷体を溶媒から取出し、前記支持フィルムを被曲
    面印刷体から洗浄除去する行程と、(6)支持フィルム
    が除去された被曲面印刷体に保護層を形成する行程とを
    有することを特徴とする曲面印刷体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記曲面印刷用転写フィルムを画像層
    が印刷された面を上にして前記所定の溶媒上に浮かべる
    行程において、所定の溶媒の温度を、湿式トナ−のバイ
    ンダ−樹脂の少なくとも1成分のガラス転移温度以上と
    する請求項7の曲面印刷体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求頃7、8の製造方法により得られ
    る曲面印刷体。
JP11090066A 1999-03-30 1999-03-30 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体 Withdrawn JP2000280694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11090066A JP2000280694A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11090066A JP2000280694A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000280694A true JP2000280694A (ja) 2000-10-10

Family

ID=13988179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11090066A Withdrawn JP2000280694A (ja) 1999-03-30 1999-03-30 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000280694A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100436779B1 (ko) * 2001-06-28 2004-06-23 주식회사 한국큐빅 피전사체의 회전을 이용하는 수압전사 장치 및 방법
JP2013230612A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Dainippon Printing Co Ltd 水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品並びにそれらの製造方法
JP2016172795A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 株式会社アイセロ 水圧転写用ベースフィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100436779B1 (ko) * 2001-06-28 2004-06-23 주식회사 한국큐빅 피전사체의 회전을 이용하는 수압전사 장치 및 방법
JP2013230612A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Dainippon Printing Co Ltd 水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品並びにそれらの製造方法
JP2016172795A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 株式会社アイセロ 水圧転写用ベースフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4585009B2 (ja) 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法
US5547804A (en) Liquid toner, ink composition, and methods of producing the same
AU2003217351B2 (en) Method and apparatus for making signs having an adhesive
JPH03209272A (ja) 像形成装置および方法
JP2000141992A (ja) 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法
JP2002019390A (ja) 繊維製品用の熱転写ラベル
JP2000280694A (ja) 曲面印刷用転写フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた曲面印刷体
JP4663002B2 (ja) 電子写真捺染用液体現像剤と、これを用いる電子写真捺染方法、装置及びプロセスカートリッジ
JP2000318391A (ja) 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法
JP2004341140A (ja) 静電潜像現像用トナー及び液体現像剤並びにそれらを用いる画像形成方法、装置、プロセスカートリッジ
US5506189A (en) Mass transferable donor ribbons for use in thermal dye transfer imaging
JP2001228654A (ja) 湿式現像剤、曲面印刷用転写フィルム、及びそれらの製造方法
JP2001225593A (ja) 曲面印刷用転写フィルムおよびその製造方法
JP3824187B2 (ja) 画像転写用静電記録体および画像転写方法
JP2003237220A (ja) 画像形成方法
JP2002040719A (ja) 湿式現像剤、曲面印刷用転写フィルム、及びそれらの製造方法
JP3738926B2 (ja) 画像転写用静電記録体および画像転写方法
JPH1195487A (ja) 直描型平版印刷原版の製版方法
JP3907020B2 (ja) 画像転写用静電記録体および画像転写方法
JP4546841B2 (ja) 電子写真捺染用ブラック現像剤及び電子写真捺染方法
JP2001225594A (ja) 曲面印刷用転写フィルム活性剤
JPH1016281A (ja) 画像転写用静電記録体および画像転写方法
JPH11334151A (ja) 画像形成装置
JPH11277996A (ja) 昇華捺染用金属板及び化粧金属板
WO1988003669A2 (en) High-quality color printer

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606