JP2001223080A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2001223080A
JP2001223080A JP2000029539A JP2000029539A JP2001223080A JP 2001223080 A JP2001223080 A JP 2001223080A JP 2000029539 A JP2000029539 A JP 2000029539A JP 2000029539 A JP2000029539 A JP 2000029539A JP 2001223080 A JP2001223080 A JP 2001223080A
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JP2000029539A
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Toru Kitaguchi
透 北口
Masaru Matsuoka
賢 松岡
Kazuko Shirai
和子 白井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多彩な発光色を呈し、有機EL素子の発光層
として有用な化合物及びこの化合物を含む有機EL素子
を提供する。 【解決手段】 化合物は、下記式(I)で表される。 【化1】 (式中、Xは電子吸引性基、Zはシアノ基、アミノ基又
はN−置換アミノ基を示し、R1、R2、R3及びR4は、
同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、複素環基、
シアノ基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示す。nは
0又は1を示す。R2及びR3は、互いに結合して環を形
成してもよい)式(I)の化合物は、有機EL素子の有
機層(特に発光層)を構成できる。有機EL素子は、一
対の電極と、この電極間に介在する有機層とで構成す
る。前記有機層は、式(I)の化合物を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の有機層(特に、発光層)として有用
な化合物、及び前記化合物を含む有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトロルミネッセンス素子
(以下、EL素子という場合がある)は、使用する材料
により無機EL素子と有機EL素子とに分類されてい
る。無機蛍光体材料(物質)を使用する無機EL素子
は、一部実用化されており、時計のバックライトなどに
使用されている。一方、有機EL素子は、無機EL素子
に比べ、高輝度、高効率、ならびに高速応答性などの点
で優れているため、その実用化が期待されている。
【0003】エレクトロルミネッセンス素子は、電子輸
送機能、ホール輸送機能、そして発光中心形成機能を有
する化合物によって構成されている。その構造として
は、1つの層が上記機能を全て備えた単層タイプ、異な
る層が各機能を備えている多層タイプなどが報告されて
いる。その発光原理は、一対の電極から注入された電子
とホールが発光層内で再結合して励起子を生成し、それ
が発光層を構成する発光材料分子を励起することに基づ
くと考えられている。
【0004】各層を構成する化合物としては、発光効率
の高い低分子量化合物や物理的強度が高い高分子化合物
などが使用されている。さらに、有機EL素子では、発
光層を構成する発光中心化合物を適宜選択することによ
って発光色を選択できるので、有機EL素子を用いたマ
ルチカラー及びフルカラー化が期待されている。
【0005】特開平8−73443号公報には、フェニ
ル基を有するピラジン基が二価の芳香族基に結合したピ
ラジン二量体が開示されており、有機層に前記ピラジン
誘導体を含む有機EL素子が開示されている。しかし、
前記ピラジン二量体の発光色は比較的波長の短い青色発
光である。従って、発光波長が制限され、用途が大きく
制限される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、有機EL素子用材料として有用な化合物及びそれを
用いた有機EL素子を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、発光波長を広い範囲
でコントロールできる化合物及びその化合物を用いた有
機EL素子を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、比較的簡単な構造
で、発光輝度が高く、耐久性に優れた化合物及びその化
合物を用いた有機EL素子を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、フルカラー化に有用
で、多彩な発光色を得ることができる有機EL素子を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、有機EL素子の発光層
として発光可能な特定の構造を有する化合物を使用する
ことにより、発光波長を広い範囲でコントロールでき、
優れた耐久性と高い輝度を有する有機エレクトロルミネ
ッセンス素子が得られることを見いだし、本発明を完成
した。
【0011】すなわち、本発明の化合物は、下記式
(I)で表わされる。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Xは電子吸引性基、Zはシアノ
基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示し、R1、R2
3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素
基、複素環基、シアノ基、アミノ基又はN−置換アミノ
基を示し、R2及びR3は、互いに結合して環を形成して
もよい。nは0又は1を示す)式(I)で表される化合
物は、有機EL素子の有機層を構成する。式(I)で表
される化合物は、下記式(II)又は(III)で表さ
れる化合物であってもよい。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、X、Z、R1、R3及びR4は、前
記に同じ)式(I)において、Xはシアノ基であるのが
好ましい。前記化合物は、電場の作用により発光可能で
ある。
【0016】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子は、一対の電極と、この電極間に介在する式
(I)で表される化合物を含む有機層(特に、発光層)
とで構成されている。有機層は、(1)電子輸送機能及
びホール輸送機能から選択された少なくとも1種の機能
を有する発光層で形成された単層構造であってもよく、
又は(2)電子輸送機能及びホール輸送機能から選択さ
れた少なくとも1種の機能を有する層と発光層とで構成
された積層構造であってもよい。有機層は、式(I)で
表される化合物と、電子輸送機能及びホール輸送機能か
ら選択された少なくとも1種の機能を有する有機高分子
とで構成されていてもよく、有機層は分散層であっても
よい。有機高分子としては、N−ビニルカルバゾールの
単独又は共重合体などが使用できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、少なくとも下
記式(i)で表されるユニットを有している。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、Xは電子吸引性基を示す) 前記式(i)で表されるユニットを有する化合物として
は、通常、下記式(I)で表される化合物が使用され
る。
【0020】
【化6】
【0021】(式中、Xは電子吸引性基、Zはシアノ
基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示し、R1、R2
3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素
基、複素環基、シアノ基、アミノ基又はN−置換アミノ
基を示す。nは0又は1を示す。R2及びR3は、互いに
結合して環を形成してもよい。) Xで表される電子吸引性基としては、シアノ基、カルボ
ニル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原
子)などが挙げられる。電子吸引性基としては、シアノ
基が好ましい。
【0022】Z、R1、R2、R3及びR4で表されるN−
置換アミノ基には、式−NR56[R5及びR6は、同一
又は異なって、炭化水素基、複素環基、−COR7、−
COOR7、−CONR78、−COCONR78(R7
及びR8は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素
基、アシル基又は複素環基を示す)を示す。R5及びR6
は、隣接する窒素原子とともに複素環を形成してもよ
い]で表されるN−置換アミノ基が含まれる。
【0023】R1〜R8で表される炭化水素基としては、
直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基[例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチルなどのC1-20アルキル基
(好ましくはC1-12アルキル基、さらに好ましくはC
1-8アルキル基、特にC1-4アルキル基);ビニル、プロ
ペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニルなどの
2-20アルケニル基(好ましくはC2-12アルケニル基、
さらに好ましくはC2-6アルケニル基、特にC2-4アルケ
ニル基);ブチニル、ヘキシニルなどのC2-20アルキニ
ル基(好ましくはC 2-12アルキニル基、さらに好ましく
はC2-6アルキニル基)など]、脂環式炭化水素基[例
えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチ
ル、シクロデシルなどのC3-20シクロアルキル基(好ま
しくはC3-12シクロアルキル基)、前記シクロアルキル
基に対応するシクロアルケニル基など]、芳香族炭化水
素基[例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニルなどの
6-20アリール基(好ましくはC6-18アリール基)な
ど]、ベンジル、フェネチルなどのC7-20アラルキル基
(例えばC6-12アリール−C1-8アルキル基、好ましく
はC6-12アリール−C1-6アルキル基)などが挙げられ
る。
【0024】好ましい炭化水素基には、メチル、エチル
などのC1-4アルキル基、シクロヘキシルなどのC4-10
シクロアルキル基、フェニルなどのC6-12アリール基、
ベンジルなどのC6-12アリール−C1-4アルキル基が含
まれる。
【0025】R1〜R8で表される複素環基としては、窒
素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくと
も1種のヘテロ原子を含む複素環基が含まれ、単環式複
素環基に限らず、複数の複素環が縮合した縮合複素環
基、複素環と炭化水素環(非芳香族性炭化水素環又は芳
香族炭化水素環)とが縮合(オルソ縮合、オルソアンド
ペリ縮合など)した縮合複素環基であってもよい。複素
環基は、非芳香族性であってもよく芳香族性であっても
よい。さらに、複素環と炭化水素環とが縮合した縮合複
素環基においては、複素環又は炭化水素環のいずれかが
結合手を有していてもよい。
【0026】ヘテロ原子として窒素原子を有する複素環
基としては、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラ
ジニル基などの5員又は6員単環式複素環基、インドリ
ル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、カルバゾリ
ル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニ
ル、フェナジニル基などの5員又は6員複素環が炭化水
素環に縮合した縮合複素環基などが例示でき、ヘテロ原
子として酸素原子を有する複素環基としては、フリル基
などの5員又は6員単環式複素環基、イソベンゾフラニ
ル、クロメニル基などの5員又は6員複素環が炭化水素
環に縮合した縮合複素環基などが例示できる。ヘテロ原
子として硫黄原子を有する複素環基には、チエニルなど
の5員又は6員単環式複素環基、チアントレニル基など
の5員又は6員複素環が炭化水素環に縮合した縮合複素
環基などが含まれる。また、異種のヘテロ原子を有する
複素環基としては、モルホリニル、イソチアゾリル、イ
ソオキサゾリル基などの5員又は6員単環式複素環基、
フェノキサチイニル基などの5員又は6員複素環が炭化
水素環に縮合した縮合複素環基などが挙げられる。好ま
しい複素環基には、ヘテロ原子として少なくとも窒素原
子を有する5又は6員の複素環基(ピロリル、ピリジル
など)、ヘテロ原子として少なくとも窒素原子を有する
5又は6員の複素環基と芳香族炭化水素類が縮合した複
素環基(例えば、カルバゾリル基)などが含まれる。
【0027】R5及びR6で表される基−COR7として
は、ホルミル基、アセチル、プロピオニル、ブチリル、
イソブチリルなどのC2-10脂肪族アシル基、ベンゾイ
ル、トルイル、ナフトイルなどのC7-20芳香族アシル
基、フロイル、ニコチノイル、イソニコチノイルなどが
挙げられる。
【0028】基−COOR7としては、カルボキシル
基、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル
などのC1-6アルコキシカルボニル基、フェニルオキシ
カルボニルなどのC6-12アリールオキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニルなどのC6-12アリール−C
1-4アルキルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカル
ボニルなどが挙げられる。
【0029】基−CONR78としては、カルバモイル
基、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−
エチルカルバモイルなどのN,N−ジC1-4アルキルカ
ルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイルなどの
N,N−ジC6-12アリールカルバモイル基、N,N−ジ
ベンジルカルバモイルなどのN,N−ジ(C6-12アリー
ル−C1-4アルキル)カルバモイル基、N−メチル−N
−ベンジルカルバモイルなどのR7及びR8が異なる炭化
水素基を有するカルバモイル基、N,N−ジアセチルカ
ルバモイル、N,N−ジピリジルカルバモイルなどの
N,N−ジ(5又は6員の複素環基)カルバモイル基な
どが挙げられる。
【0030】基−COCONR78としては、前記カル
バモイル基が結合したアシル基(例えば、カルバモイル
アシル、N,N−ジメチルカルバモイルアシルなど)な
どが挙げられる。
【0031】式−NR56において、R5及びR6が隣接
する窒素原子とともに結合して形成する複素環基として
は、アジリジニル、1−ピロリジニル、ピペリジノ、1
−ピロリル、インドリルなどの4〜8(特に5又は6)
員環程度の窒素原子に結合手を有する複素環基などが挙
げられる。
【0032】これらの炭化水素基、複素環基は、種々の
置換基[例えば、例えば、メチル、エチルなどのC1-6
アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基、C3-10シク
ロアルキル基、フェニルなどのC6-18アリール基、ハロ
ゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、メトキシ、エトキシなどのC1-4アルコキシ基、ヒ
ドロキシメチル基などのヒドロキシC1-4アルキル基、
シアノ基、第1〜3級アミノ基、ニトロ基など]を有し
ていてもよい。なお、置換基の種類又はその位置は、式
(I)の化合物の発光効率を低下させない限り特に制限
されない。例えば、置換基を有する炭化水素基として
は、アミノヘキシルなどの置換C1-6アルキル基、メチ
ルフェニル、クロロフェニルなどの置換C6-18アリール
基などが挙げられる。また、置換基を有する複素環基と
しては、ヘテロ原子(窒素原子など)にC1-6アルキル
基が置換したN−置換複素環基[例えば、N−メチルピ
リジルなどのN−C1-4アルキルピリジル、N−エチル
カルバゾリルなどのN−C1-4アルキルカルバゾリルな
ど]が挙げられる。
【0033】式(I)において、置換基の組み合わせと
しては、下記〜が挙げられる。
【0034】R2及びR3が互いに結合して環を形成す
る場合 X:シアノ基 Z:シアノ基、アミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基、
ジC6-12アリールアミノ基、ジ(C6-12アリール−C
1-4アルキル)アミノ基、及び窒素原子に結合手を有す
る5又は6員の複素環基から選択された少なくとも1種 R1:シアノ基、アミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基、
ジC6-12アリールアミノ基、ジ(C6-12アリール−C
1-4アルキル)アミノ基、及び窒素原子に結合手を有す
る5又は6員の複素環基から選択された少なくとも1種 R4:シアノ基 R2及びR3が環を形成せず、nが0の場合 X:シアノ基 Z:シアノ基 R1:ヘテロ原子として少なくとも窒素原子を有する5
又は6員の単環式複素環基、及びヘテロ原子として少な
くとも窒素原子を有する5又は6員の複素環と炭化水素
環が縮合した縮合複素環基から選択された少なくとも1
種 R2:水素原子、C1-4アルキル基、C4-10シクロアルキ
ル基、C6-12アリール基、及びC6-12アリール−C1-4
アルキル基から選択された少なくとも1種 R3:水素原子、C1-4アルキル基、C4-10シクロアルキ
ル基、C6-12アリール基、及びC6-12アリール−C1-4
アルキル基から選択された少なくとも1種 R4:水素原子、C1-4アルキル基、C4-10シクロアルキ
ル基、C6-12アリール基、C6-12アリール−C1-4アル
キル基から選択された少なくとも1種 R2及びR3が環を形成せず、nが1の場合 X:シアノ基 Z:シアノ基 R1:ヘテロ原子として少なくとも窒素原子を有する5
又は6員の単環式複素環基及びヘテロ原子として少なく
とも窒素原子を有する5又は6員の複素環と炭化水素環
が縮合した縮合複素環基から選択された少なくとも1種 R2:水素原子、C1-4アルキル基、C4-10シクロアルキ
ル基、C6-12アリール基、及びC6-12アリール−C1-4
アルキル基から選択された少なくとも1種 R3:水素原子、C1-4アルキル基、C4-10シクロアルキ
ル基、C6-12アリール基、及びC6-12アリール−C1-4
アルキル基から選択された少なくとも1種 R4:ヘテロ原子として少なくとも窒素原子を有する5
又は6員の単環式複素環基、及びヘテロ原子として少な
くとも窒素原子を有する5又は6員の複素環と炭化水素
環が縮合した縮合複素環基から選択された少なくとも1
種 前記式(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物
には、下記式(II)及び(III)で表される化合物
が含まれる。
【0035】
【化7】
【0036】(式中、X、Z、R1、R3及びR4は、前
記に同じ) 式(II)で表される代表的な化合物としては、2,5
−ビス(N−置換アミノ)−3,6−ジシアノピラジン
類[例えば、2,5−ビス(ジメチルアミノ)−3,6
−ジシアノピラジン、2,5−ビス(ジエチルアミノ)
−3,6−ジシアノピラジン、2−ジメチルアミノ−5
−ジエチルアミノ−3,6−ジシアノピラジンなどの2
−(モノ又はジC1-4アルキルアミノ)−5−(モノ又
はジC1-4アルキルアミノ)−3,6−ジシアノピラジ
ン;2,5−ビス(フェニルアミノ)−3,6−ジシア
ノピラジンなどの2−(モノ又はジC6-12アリールアミ
ノ)−5−(モノ又はジC6-12アリールアミノ)−3,
6−ジシアノピラジン;2,5−ビス(ベンジルアミ
ノ)−3,6−ジシアノピラジンなどの2−(モノ又は
ジC7-12アラルキルアミノ)−5−(モノ又はジC7-12
アラルキルアミノ)−3,6−ジシアノピラジン;2−
(ジメチルアミノ)−5−(フェニルアミノ)−3,6
−ジシアノピラジンなどの2−(モノ又はジC1-4アル
キルアミノ)−5−(モノ又はジC7-12アリールアミ
ノ)−3,6−ジシアノピラジン;2−(ジメチルアミ
ノ)−5−(ジベンジルアミノ)−3,6−ジシアノピ
ラジンなどの2−(モノ又はジC1-4アルキルアミノ)
−5−(モノ又はジC7-12アラルキルアミノ)−3,6
−ジシアノピラジン;2−(ジフェニルアミノ)−5−
(ジベンジルアミノ)−3,6−ジシアノピラジンなど
の2−(モノ又はジC7-12アリールアミノ)−5−(モ
ノ又はジC7-12アラルキルアミノ)−3,6−ジシアノ
ピラジン;2,5位に窒素原子に結合手を有する5又は
6員の複素環基が結合した3,6−ジシアノピラジン
(2,5−ジピロリジノ−3,6−ジシアノピラジン、
2,5−ジピペリジノ−3,6−ジシアノピラジン、2
−ピロリジノ−5−ピペリジノ−3,6−ジシアノピラ
ジンなど)など]などが挙げられる。
【0037】式(III)で表される代表的な化合物と
しては、1,2−ビス(メチリデンアミノ)−1,2−
ジシアノエテン類[例えば、1,2−ビス(メチリデン
アミノ)−1,2−ジシアノエテン、1,2−ビス(エ
チリデンアミノ)−1,2−ジシアノエテンなどの1,
2−ビス(C1-6アルキリデンアミノ)−1,2−ジシ
アノエテン;1,2−ビス(フェニルメチリデンアミ
ノ)−1,2−ジシアノエテンなどの1,2−ビス(C
6-18アリールメチリデンアミノ)−1,2−ジシアノエ
テン;1−(メチリデンアミノ)−2-(1−フェニル
メチリデンアミノ)−1,2−ジシアノエテンなどの1
−(C1-6アルキリデンアミノ)−2-(C 6-12アリール
メチリデンアミノ)−1,2−ジシアノエテン;R3
水素原子であり、R1及びR4がヘテロ原子として少なく
とも窒素原子を有する5又は6員の単環式複素環基
(1,2−ビス(1−ピリジルメチリデン)−1,2−
ジシアノエテンなど);R3が水素原子であり、R1及び
4がヘテロ原子として少なくとも窒素原子を有する5
又は6員の複素環と炭化水素環が縮合した縮合複素環基
(1,2-ビス(1−カルバゾリルメチリデンアミノ)
−1,2−ジシアノエテンなど)]、1−(メチリデン
アミノ)−2−アミノ−1,2−ジシアノエテン;nが
0であり、R3及びR4が、水素原子、C1-4アルキル
基、C4-10シクロアルキル基、C6-12アリール基、C
6-12アリール−C1-4アルキル基である化合物などが挙
げられる。
【0038】特に好ましい式(I)の化合物には、下記
式(IV)、(V)又は(VI)で表される化合物が含
まれる。
【0039】
【化8】
【0040】(式中、R1、R5及びR6は前記に同じ) 式(I)で表される化合物は、単独又は二種以上組み合
わせて使用してもよい。
【0041】[製造方法]本発明の化合物は、慣用の方
法、例えば、下記反応工程に従って調製してもよい。
【0042】
【化9】
【0043】(式中、X、Z、R1、R2、R3、R4及び
nは、前記に同じ) 前記反応工程に示されるように、式(Ia)で表される
化合物と式(Ib)で表される化合物とを反応(縮合)
させることにより、式(I)で表される本発明の化合物
を得ることができる。
【0044】式(Ia)で表される代表的な化合物とし
ては、例えば、ジアミノエテン類(1,2−ジシアノ−
1,2−ジアミノエテン(ジシアノマレオニトリル)、
1−シアノ−2−(ジメチルアミノ)−1,2−ジアミ
ノエテン、1、2−ジシアノ−2−(ジベンジルアミ
ノ)−1,2−ジアミノエテンなど)、モノアミノエテ
ン類(1,2−ジシアノ−2−(ジメチルアミノ)−1
−アミノエテンなど)など]などが挙げられる。
【0045】また、式(Ib)の化合物の代表的な例と
しては、カルボニル化合物[モノカルボニル化合物(エ
タナール、シクロヘキサンカルバルデヒド、ベンズアル
デヒド、ナフタレンカルバルデヒド、カルバゾールカル
バルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、ブタノン、
アセトフェノンなどのケトン類)、ジカルボニル化合物
(ジメチルグリオキサール(ジアセチル)、ジナフチル
ジケトン、ジピロリルジケトンなど)]などが挙げられ
る。
【0046】式(Ib)の化合物の使用量は、通常、式
(Ia)の化合物1モルに対して、0.5〜3モル、好
ましくは0.7〜2.5モル、さらに好ましくは0.8
〜2モル、特に0.8〜1.5モル程度である。なお、
ジアミノエテン類1モルに対して、モノカルボニル化合
物を2モル以上使用することにより、ジ(N−置換アミ
ノ)エテン類を調製してもよい。
【0047】特に、R1及び/又はZがN−置換アミノ
基(−NR56)である式(II)の化合物を、アミノ
ピラジンを用いて調製してもよい。例えば、2,5−ジ
アミノ−3,6−ジシアノピラジンと、前記基R5及び
6を有し、アミノ基と反応可能な化合物[例えば、ハ
ロゲン化アルキル(例えば、メチルハライドなどのC1-
4アルキルハライド、フェニルハライドなどのC6-12
リールハライド、ベンジルハライドなどのC7-20アラル
キルハライドなどのモノハロゲン化物;テトラメチレン
ジハライド、ペンタメチレンジハライドなどのポリメチ
レンジハライドなど)、酸ハライド(例えば、アセチル
ハライド、エタノイルハライドなどの脂肪族カルボン酸
のハロゲン化物、ベンゾイルハライドなど芳香族カルボ
ン酸のハロゲン化物)、イソシアネート(例えば、メチ
ルイソシアネートなどのC1-6アルキルイソシアネー
ト、フェニルイソシアネートなどのC6-12アリールイソ
シアネートなど)など]とを反応させることにより調製
してもよい。なお、2,5−ジアミノ−3,6−ジシア
ノピラジンなどのアミノピラジン類は、市販品を使用し
てもよく、慣用の方法により調製してもよい。例えば、
ジフェニルジスルフィドの存在下、3当量のシアン化水
素をオリゴマー化して、2,3−ジアミノ−3−(フェ
ニルチオ)アクリロニトリルを生成させ、このアクリロ
ニトリル誘導体を酸化カップリングさせて2,5−ジア
ミノ−3,6−ジシアノピラジンを調製してもよい。
【0048】反応は、反応に不活性な溶媒、例えば、脂
肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環族炭化水素類
(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼ
ン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホ
ルムなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、エステル
類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル),エー
テル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フランなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト
アミドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニ
トリルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシ
ド)などの存在下で行うことができる。また、必要によ
り、前記縮合反応は、触媒の存在下又は非存在下で行っ
てもよい。触媒としては、慣用の触媒、例えば、酸触媒
(例えば、硫酸、リン酸、塩酸などの無機酸、酢酸、ス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸)、塩
基触媒(例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸
化物又は酸化物など)などが挙げられる。また、反応を
促進するために五酸化リンなどの脱水剤を使用してもよ
い。触媒の使用量は、前記式(Ia)の化合物1モルに
対して、0.001〜1モル程度の範囲から選択でき
る。
【0049】反応温度は、0〜還流温度の範囲から選択
でき、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜10
0℃程度である。反応は常圧、減圧又は加圧下で行なう
ことができる。反応は、不活性ガス(例えば、窒素、ア
ルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下で行ってもよい。
【0050】上記反応工程により得られた式(I)の化
合物は、反応終了後、慣用の方法、例えば、濾過、濃
縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段によ
り、容易に分離精製できる。
【0051】本発明の特色は、化合物が、少なくとも前
記式(i)で表される特定のユニットを有している点に
ある。このような構造を有する一連の化合物は、電場の
作用(又は電圧印加、特にキャリアの注入)により発光
可能である。発光波長は、置換基などの違いによって変
化し、例えば、400〜700nm、好ましくは450
〜650nm、さらに好ましくは500〜600nm
(橙色〜赤色)程度である。従って、前記ユニット
(i)を有する一連の化合物を用いれば、置換基やその
置換位置などにより、電場の印加により、広い範囲の発
光波長をコントロールできる。そのため、本発明の化合
物は、フルカラー化が期待される有機EL素子におい
て、発光領域を形成する発光中心化合物として有用であ
り、有機EL素子の有機層(特に発光層)を構成でき
る。
【0052】[有機エレクトロルミネッセンス素子]本
発明の有機EL素子は、一対の電極と、この電極間に介
在する有機層とで構成されており、前記有機層は、少な
くとも前記式(I)で表される化合物を含んでいる。特
に、前記式(I)の化合物を含む層は、発光領域を形成
し、発光層を構成する。発光層は、皮膜形成可能な式
(I)の化合物を単独で使用してもよく、皮膜形成可能
又は非皮膜形成性の式(I)の化合物と皮膜形成能を有
するバインダーとで構成してもよい。バインダーとして
は、通常、皮膜形成能を有する樹脂(熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂)が使用できる。
【0053】熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル
系樹脂[ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル
(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレー
トなどの(メタ)アクリレート系単量体の単独または共
重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体など
の(メタ)アクリレート系単量体と共重合性単量体との
共重合体、ポリアクリロニトリルなど];ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの
ビニルアルコール系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル
系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−
ナイロン、6,12−ナイロンなどのポリアミド系樹
脂;ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリ
アルキレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体などのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ゴム変
性ポリスチレン(HIPSなど)、アクリロニトリル−
スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体などのスチレン系樹脂;フッ素系樹脂;
ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエ
ーテル;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルスル
ホン;ポリエーテルケトン;熱可塑性ポリイミド;熱可
塑性ポリウレタン;ノルボルネン系ポリマーなどが挙げ
られる。
【0054】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ
る。
【0055】これらのバインダーは、単独または二種以
上組合わせて使用してもよい。
【0056】式(I)の化合物の含有量は、バインダー
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3
重量部程度である。式(I)の化合物が少なすぎると十
分な明るさの発光が得られず、多すぎるとバインダー中
で消光し、輝度が低下する場合がある。
【0057】また、発光層には、必要により他の発光中
心化合物が含まれていてもよい。他の発光中心化合物と
しては、例えば、2,5−ビス(5−tert−ブチル−2
−ベンゾオキサゾイル)−チオフェン、ナイルレッド、
クマリン6、クマリン7などのクマリン類、4−(ジシ
アノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ
スチリル)−4H−ピラン、キナクリドンなどの酸素原
子、窒素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1
種のヘテロ原子を含む複素環化合物;ルブレン、ペリレ
ンなどの縮合多環式炭化水素;1,1,4,4−テトラ
フェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、1,4−ビ
ス(2−(4−エチルフェニル)エチニル)ベンゼン、
4.4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェ
ニルなどが挙げられる。これらの発光中心化合物は、単
独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの発
光中心化合物の含有量は、前記式(I)の化合物の発光
効率に影響を及ぼさない範囲で選択され、バインダー1
00重量部に対して、0.01〜10重量部、0.05
〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度で
ある。式(I)の化合物と他の発光中心化合物との割合
は、前者/後者(重量比)=40/60〜100/0、
好ましくは50/50〜95/5、さらに好ましくは6
0/40〜90/10程度である。
【0058】式(I)の化合物を含む発光層には、必要
により、電子輸送機能及び/又はホール輸送機能を付与
してもよい。このような機能を付与するためには、(1)
発光層に前記機能を有する有機高分子又は化合物を添加
してもよく、(2)前記機能を有する層を積層させてもよ
い。(1)の場合には、単層構造の有機EL素子を形成で
きる。
【0059】前記電子輸送機能及びホール輸送機能から
選択された少なくとも1つの機能を有する有機高分子と
しては、主鎖又は側鎖にホール輸送機能基及び電子輸送
機能基から選択された少なくとも1種の機能基を有する
ビニル系重合体、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポ
リ2,5−ジメトキシフェニレンビニレン、ポリナフタ
レンビニレンなどのポリフェニレンビニレン類;ポリパ
ラフェニレン、ポリ2,5−ジメトキシパラフェニレン
などのポリフェニレン類(特に、ポリパラフェニレン
類);ポリ(3−アルキルチオフェン)などのポリアル
キルチオフェン類、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェ
ン)などのポリシクロアルキルチオフェン類、ポリ(3
−(4−n−ヘキシルフェニル)チオフェン)などのポ
リアリールチオフェン類;ポリアルキルフルオレンなど
のポリフルオレン類;ポリ−N−ビニルカルバゾール
(PVK)、ポリ−4−N,N−ジフェニルアミノスチレ
ン、ポリ(N−(p−ジフェニルアミノ)フェニルメタ
クリルアミド)、ポリ(N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェ
ニル−4,4’−ジアミノメタクリルアミド)(PTP
DMA)、ポリ−4−(5−ナフチル−1,3,4−オキ
サジアゾール)スチレン;ポリメチルフェニルシラン;
芳香族アミン誘導体を側鎖または主鎖に有する重合体;
またはこれらの共重合体などが挙げられる。これらの有
機高分子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用して
もよい。特に、N−ビニルカルバゾールを主成分(例え
ば、50〜100重量%)とする単独又は共重合体、芳
香族アミン誘導体などが好ましい。
【0060】PVKは、非晶質で、耐熱性に優れている
(ガラス転移温度Tg:224℃)。上記PVKの重合
度は、特に制限されないが、例えば、100〜100
0、好ましくは200〜800程度である。
【0061】前記(I)の化合物と前記有機高分子とで
発光層を構成する場合、式(I)の化合物の含有量は、
前記有機高分子100重量部に対して、0.01〜10
重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好まし
くは0.1〜3重量部程度である。
【0062】なお、式(I)の化合物と前記有機高分子
とで構成された発光層には、必要に応じて、電子輸送機
能又はホール輸送機能を有する化合物を含有させてもよ
い。
【0063】電子輸送機能を有する化合物としては、例
えば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PB
D)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキ
サジアゾール(BND)、1,3−ビス[5−(4−tert
−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール]ベ
ンゼン(BPOB)、1,3,5−トリス[5−(4−te
rt−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアオール]
ベンゼン(TPOB)、1,3,5−トリス[5−(1−
ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール]ベンゼン
(TNOB)などのオキサジアゾール誘導体;3,5,
3’,5’−テトラキス−tert−ブチルジフェノキノン
などのジフェノキノン類;1,2,3,4,5−ペンタ
フェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP);
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)錯体、ビ
ス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリス(1
0−ヒドロキシベンゾ[h]キノリラート)ベリリウム錯体
などのキノリン酸錯体が挙げられる。特に、PBDが好
ましい。
【0064】ホール輸送機能を有する化合物としては、
例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン(TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン(NPD)、1,1−ビス[(ジ−4−ト
リルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、N,N,N’,
N’−テトラ(3−メチルフェニル)−1,3−ジアミ
ノベンゼン(PDA)、4,4’,4”−トリス(3−
メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン
(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス(1−
ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(1−T
NATA)、4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフ
ェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNAT
A)、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリ
フェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス[4
−(3−メチルフェニルフェニルアミノ)フェニル]ベ
ンゼン(m−MTDAPB)、トリフェニルアミンなど
の芳香族第3級アミン類;フタロシアニン類などが挙げ
られる。
【0065】前記電子輸送機能又はホール輸送機能を有
する化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用し
てもよい。
【0066】電子及び/又はホール輸送機能を有する化
合物の含有量は、バインダー(及び/又は前記有機高分
子)100重量部に対して、10〜200重量部、好ま
しくは30〜150重量部、さらに好ましくは50〜1
30重量部程度である。
【0067】なお、発光層が電子輸送機能およびホール
輸送機能のうち、いずれかの機能を具備していない場合
や、各機能を向上させる場合には、その機能を有する層
を、従来の方法(例えば、蒸着法や溶液塗布法など)に
より積層させてもよい。これらの層は、低分子化合物で
あっても、高分子化合物であってもよい。
【0068】有機層を構成する各層の厚みは、特に制限
されず、それぞれ1nm〜1μm、好ましくは5〜80
0nm、さらに好ましくは10〜500nm、特に15
〜300nm程度である。
【0069】有機EL素子の陽極としては、真空蒸着法
などにより形成された透明電極(例えば、インジウム−
すず−酸化物(ITO)電極)などが使用され、陰極と
しては、仕事関数の小さい高導電性金属(例えば、マグ
ネシウム、リチウム、アルミニウム又は銀など)が使用
される。陰極としてマグネシウムを使用する場合には、
有機EL素子用フィルムとの接着性を向上させるため
に、少量(例えば、1〜10重量%)の銀と共蒸着させ
てもよい。
【0070】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法としては、特に制限されず、慣用の方法に
より製造できる。例えば、透明な基板上に前記透明電極
(ITO電極など)の皮膜を形成させ、このITO電極
上に、式(I)の化合物を含む塗布液を慣用の方法(例
えば、スピンコーティング法、キャスト法など)などに
より塗布又は流延し、有機層(発光層など)を形成す
る。さらにこの有機層上に蒸着法などにより陰極を形成
させることにより製造できる。また、必要により、電子
輸送及び/又はホール輸送機能を有する層を、蒸着、塗
布などの慣用の方法により、陽極又は発光層上に積層さ
せてもよい。
【0071】なお、基板としては、例えば、発光中心化
合物からの発光を透過可能な程度に透明な基板(例え
ば、ソーダガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなど
のガラス板など、あるいはポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホンなどの高分子シートまたはフ
ィルムなど)が挙げられる。フレキシブルな有機EL素
子を作製する場合には、高分子フィルムが好ましい。
【0072】有機EL素子全体(有機層及び電極など)
の厚みは、特に制限されないが、50nm〜10μm、
好ましくは100nm〜8μm、さらに好ましくは30
0nm〜5μm程度である。
【0073】本発明によれば、有機EL素子の有機層
(特に発光層)の構成成分として特定の構造を有する化
合物を使用するので、広範囲の発光波長を制御でき、多
彩な発光色を得ることができる。さらに、比較的簡単な
構造の化合物を用いて、高輝度及び高耐久性に優れた有
機EL素子を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】本発明では、特定の構造を有する化合物
の置換基やその位置を選択することにより、広範囲の発
光波長を制御できる。そのため、フルカラー化が期待さ
れる有機EL素子の発光層として特に有用である。ま
た、前記化合物は発光輝度が高いので、小さな電圧でも
強い発光を得ることができ、耐久性に優れた有機EL素
子を得ることができる。
【0075】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0076】実施例1 ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK:関東化学
(株)製)249.4mgと、2−(4−ビフェニル)
−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オ
キサジアゾール(PBD:アルドリッチ社製)250.
4mg及び発光中心化合物[2,5−ビス(ジベンジル
アミノ)−3,6−ジシアノピラジン]4.4mgを、
トルエン10mlに溶解し、塗布液を調製した。ガラス
基板上にインジウム−スズ−酸化物(ITO)皮膜を形
成させ、前記塗布液をスピンコーティング法により、こ
のITO皮膜上に膜厚67nm((株)東京精密製SU
RFCOM575Aにより測定)の有機皮膜を形成させ
た。次いで、前記有機皮膜上に、厚み200nmのAl
/Li電極(高純度化学(株)製、Li含有量0.78
重量%)を真空蒸着法により作製し、有機エレクトロル
ミネッセンス素子を得た。
【0077】得られた有機エレクトロルミネッセンス素
子のITO電極を陽極、Al/Li電極を陰極とし、大
気中で両電極間に直流電場を印加して発光させた。発光
スペクトルのピークは565.2nm(浜松ホトニクス
(株)製マルチチャンネル検出器PMA−11により測
定)であった。発光輝度は26V印加電圧で1390c
d/m2(ミノルタ(株)製輝度計LS−110により
測定)であった。なお、印加電圧に対する発光輝度の値
を示すグラフを図1に示す。
【0078】実施例2〜5 各成分を表1に示す割合で使用する以外、実施例1と同
様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を製造し、
発光スペクトルピーク及び発光輝度を実施例1と同様に
測定した。結果を表1に示す。なお、各実施例の発光中
心化合物としては、下記式(VII−1;実施例2)、
(VII−2;実施例3)、(VII−3;実施例
4)、及び(VIII;実施例5)で表される化合物を
使用した。
【0079】
【化10】
【0080】
【表1】
【0081】実施例で得られた有機エレクトロルミネッ
センス素子は、電場の作用により多彩な発光が可能であ
り、高い発光輝度を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた有機エレクトロル
ミネッセンス素子の印加電圧に対する発光輝度を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB00 AB02 AB04 BB02 CA01 CA05 CA06 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 4C204 BB05 CB25 DB01 EB01 FB03 GB13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、Xは電子吸引性基、Zはシアノ基、アミノ基又
    はN−置換アミノ基を示し、R1、R2、R3及びR4は、
    同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、複素環基、
    シアノ基、アミノ基又はN−置換アミノ基を示し、R2
    及びR3は、互いに結合して環を形成してもよい。nは
    0又は1を示す)で表わされる化合物であって、有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の有機層を構成する化合
    物。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される化合物が、下記式
    (II)又は(III)で表される化合物である請求項
    1記載の化合物。 【化2】 (式中、X、Z、R1、R3及びR4は、前記に同じ)
  3. 【請求項3】 Xがシアノ基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 電場の作用により発光可能である請求項
    1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 一対の電極間に有機層を有する有機エレ
    クトロルミネッセンス素子であって、前記有機層が請求
    項1記載の式(I)で表される化合物を含む有機エレク
    トロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 有機層が、式(I)で表される化合物で
    構成された発光層を有する請求項5記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 有機層が、(1)電子輸送機能及びホー
    ル輸送機能から選択された少なくとも1種の機能を有す
    る発光層で形成された単層構造、又は(2)電子輸送機
    能及びホール輸送機能から選択された少なくとも1種の
    機能を有する層と発光層とで構成された積層構造を有す
    る請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】 有機層が、式(I)で表される化合物
    と、電子輸送機能及びホール輸送機能から選択された少
    なくとも1種の機能を有する有機高分子とを含む請求項
    5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 【請求項9】 有機高分子が、N−ビニルカルバゾール
    の単独又は共重合体である請求項8記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6821650B2 (en) * 2000-09-12 2004-11-23 Skc Co. Ltd. Organic electro-luminescence device
JP2005260094A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Sharp Corp 電子素子
KR100924064B1 (ko) 2003-01-28 2009-10-27 에스케이씨 주식회사 적색 발광물질 및 이를 포함하는 유기 전기발광 소자

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