JP2001206736A - 着色膜被覆ガラス物品の製造方法および着色膜被覆ガラス物品 - Google Patents

着色膜被覆ガラス物品の製造方法および着色膜被覆ガラス物品

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JP2001206736A
JP2001206736A JP2000028836A JP2000028836A JP2001206736A JP 2001206736 A JP2001206736 A JP 2001206736A JP 2000028836 A JP2000028836 A JP 2000028836A JP 2000028836 A JP2000028836 A JP 2000028836A JP 2001206736 A JP2001206736 A JP 2001206736A
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Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 400℃以上の温度で熱処理しても、黄色〜
橙色で彩度が大きい、所望の透過光色調を有する着色膜
被覆ガラス物品の製造方法を提供する 【解決手段】 固形成分の重量%で表して、酸化珪素原
料(SiO2換算) 45〜93%、酸化チタン原料
(TiO2換算) 3〜30%、ただし酸化チタン原料
(TiO2換算)の少なくとも80重量%がβジケトン
でキレート化した酸化チタン原料である、および銀微粒
子原料(Ag換算) 5〜25%、を主成分として含有
する着色膜原料液をガラス基材表面に塗布し、前記塗布
膜に紫外光を照射し、その後に前記塗布膜を加熱する着
色膜被覆ガラス物品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色膜被覆ガラス物
品、特に自動車などの車両用や建築物の窓や鏡および光
学ガラス製品等に適した着色膜被覆ガラス物品を製造す
る方法および着色膜被覆ガラス物品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に貴金属による微粒子分散ガラスを
得る方法として、銀の無機塩または銅の無機塩をガラス
表面に塗布した後に焼成することにより、無機塩中の銀
や銅の微粒子がガラス基板内に浸透し、ガラスをコロイ
ド発色させるイオン交換法がある。また珪素アルコキシ
ドの溶液に金、銀のような金属の塩を溶解させ、これを
基材に塗布し熱処理することにより、金属微粒子を含む
珪素酸化物の被膜を形成させる方法がある。
【0003】特に、金や銀の微粒子の、表面プラズモン
により着色されたガラスは耐熱性、耐光性に優れてお
り、以前から着色ガラスやフィルターガラスとして利用
されてきた。一般に金属微粒子の表面プラズモン吸収は
微粒子を取り囲む媒体の屈折率に依存し、例えば金微粒
子を含有する酸化珪素−酸化チタン系の膜において、膜
の屈折率が高い酸化チタンがリッチな膜では青に発色
し、膜の屈折率が低い酸化珪素がリッチな膜では赤に発
色することが知られている(例えば特開平6−1918
96)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがゾルゲル法に
おいてソーダライムガラス基板上に銀微粒子が分散した
酸化珪素を主成分とする薄膜を得る場合、銀の原料とし
て硝酸銀を用いて光または熱により還元させる方法があ
るが、約400℃未満の温度では銀微粒子は安定に薄膜
中に存在する。ところが一度還元させた銀微粒子含有薄
膜を400℃以上の温度で熱処理すると銀微粒子が酸化
されて酸化銀微粒子となり銀微粒子のプラズモン吸収に
よる発色が失われる問題があった。(Journal of Sol-G
el Scienceand Technology 8,1035-1042(1997))このよ
うな場合、400℃以上の熱処理を必要とする製品(た
とえば自動車用ガラス)においては曲げ工程後、銀微粒
子の発色が失われ、所望の着色が得られなかった。
【0005】本発明は、400℃以上の温度で熱処理し
ても、黄色〜橙色で彩度が大きい、所望の透過光色調を
有する着色膜被覆ガラス物品の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、固形
成分の重量%で表して、酸化珪素原料(SiO2換算)
45〜93%、酸化チタン原料(TiO2換算)
3〜30%、ただし酸化チタン原料(TiO2換算)の
少なくとも80重量%がβジケトンでキレート化した酸
化チタン原料である、および銀微粒子原料(Ag換算)
5〜25%、を主成分として含有する着色膜原料
液をガラス基材表面に塗布し、前記塗布膜に紫外光を照
射し、その後に前記塗布膜を加熱する着色膜被覆ガラス
物品の製造方法である。
【0007】本発明における着色膜は、屈折率および耐
久性等を考慮して酸化珪素を主成分とするマトリックス
の中に銀の微粒子を分散させた、50〜10000nm
の膜厚を有するものが用いられる。この着色膜は、それ
ぞれ重量%で表して、酸化珪素45〜93%、酸化チタ
ン3〜30%、銀5〜25%を主成分として含有するこ
とが好ましい。
【0008】上記着色膜原料液の組成の各成分について
以下に説明する。酸化珪素は銀微粒子を固定するマトリ
ックス材として必要であり、さらに膜の反射率を押さえ
る低屈折率材として重要な役割を果たしている。その含
有量が少なすぎると膜の反射率が高くなりすぎる。従っ
て、着色膜原料液中の固形成分で表して、酸化珪素の含
有量はSiO2に換算して45〜93重量%であり、好
ましくは55〜93重量%である。
【0009】酸化チタンは、銀微粒子による発色を高め
るとともに、膜の屈折率を高めて膜の透過色調を銀微粒
子による黄色系から橙色系にシフトさせる成分である
が、それと同時に、膜の屈折率上昇に伴って着色膜被覆
ガラス物品の可視光反射率を高める。さらに光照射にお
いて着色膜原料液中の銀微粒子原料(例えば硝酸銀)を
銀微粒子に還元させる役割を担っている。酸化チタン原
料を含有しない着色膜原料液を塗布した膜に光照射して
も硝酸銀は還元されにくい。酸化チタン原料としてたと
えばアセチルアセトンのようなβジケトンでキレート化
したチタンアルコキシドや光触媒活性な酸化チタン微粒
子を混在させると硝酸銀は容易に光還元される。しかし
酸化チタン微粒子を混在させた系で作製した薄膜は40
0℃以上の熱処理を行った場合、銀微粒子は酸化されて
銀微粒子特有のプラズモン吸収が大きく減少して、透過
光色調は著しい退色を示す。一方、本発明による、アセ
チルアセトンのようなβジケトンでキレート化した酸化
チタンを混在させた系で作製した薄膜は400℃以上の
熱処理でも銀微粒子は安定に存在し、透過光色調の退色
は小さい。このことから銀微粒子の安定化にはアセチル
アセトのようなβジケトンでキレート化したチタンアル
コキシドが大きな効果を示していると考えられる。着色
膜原料液の金属酸化物および金属成分の合計量中の酸化
チタンの量は酸化チタンの量が多すぎると膜の屈折率が
高くなり反射率が高くなりすぎる。したがって着色膜原
料液中の固形成分で表して、酸化チタン原料はTiO2
に換算して3〜30重量%であり、より好ましくは5〜
25重量%である。さらに、本発明において着色膜原料
液に含有させる前記酸化チタン原料の4/5以上すなわ
ち80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最
も好ましくは100重量%としてβジケトンでキレート
化した酸化チタン原料を用いる。βジケトンにはアセチ
ルアセトンのほかにメチルアセチルアセトン、エチルア
セチルアセトン、ジエチルアセチルアセトンなどが挙げ
られる。前記酸化チタン原料の20重量%未満として、
チタンアルコキシド、酸化チタン微粒子、チタンカルボ
キシレートのようなチタンの原料を用いることができ
る。
【0010】銀は発色材料であり、その量が少なすぎる
と、十分な着色が得られず、その量が多すぎると膜の耐
久性が低下する場合があるので、着色膜原料液中の固形
成分で表して、銀微粒子原料の含有量は、Agに換算し
て、5〜25重量%が好ましく、より好ましくは7〜2
2重量%である。この銀微粒子原料としては、硝酸銀、
酢酸銀等を使用することができるが、安定で有機溶媒に
可溶性があり、光に対しても安定な硝酸銀が最も好まし
い。
【0011】前記着色膜原料液を基材表面に塗布した後
に、光照射または熱処理過程において、硝酸銀が分解し
て銀微粒子が形成されるが、銀の発色は光照射強度、時
間によって強くしたり弱くしたりすることもできる。マ
トリックスのシリカ膜は光に反応するような材料、例え
ば、アクリル基またはビニル基を有するシランのよう
な、分子内に二重結合をもつようなシラン、およびエポ
キシ基を有するシランを用いれば光照射時にゲル化でき
るし、熱処理過程でもさらに緻密化することが可能であ
る。
【0012】本発明で、着色膜を形成する酸化珪素の原
料としては、ゾルゲル法により透明でより強い膜を形成
でき、安定性に優れるもの、すなわち加水分解・重縮合
することができる珪素化合物その他を用いることがで
き、以下に具体的に述べる。
【0013】酸化珪素の原料である有機珪素化合物とし
ては、珪素のアルコキシドが好適で、例えばテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシ
シランが挙げられる。またこれらの縮合体(n≧2、た
だしnは縮合度を表す)、もしくは縮合体の混合物も好
便に用いられる。例えば縮合体としては、ヘキサエトキ
シジシロキサン(n=2)、オクタエトキシトリシロキ
サン(n=3)、デカエトキシテトラシロキサン(n=
4)、エトキシポリシロキサン(n≧5)などが使用で
きる。単量体(n=1)と縮合体(n≧2)の混合物か
らなる「エチルシリケート40」(商品名、コルコート
社製)〔組成は、J.Cihlarの文献、Colloids
and Surfaces A : Physicochem. Eng. Aspects 70 (1
993年) 253頁から268頁 に記載されており、重量分率で
単量体(n=1):12.8重量%、2量体(n=
2):10.2重量%、3量体(n=3):12.0重
量%、4量体(n=4):7.0重量%、多量体(n≧
5):56.2重量%、エタノール:1.8重量%)で
ある〕などが好適に使用できる。
【0014】また上記化合物のアルコキシル基の一部
が、アルキル基その他の炭化水素基と置換されたアルキ
ルトリアルコキシシランなども使用可能である。例え
ば、アルコキシ基がメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などの直鎖
状、あるいは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アクリロ
キシプロピル基などのようなアルケニル基、フェニル
基、トルイル基、キシリル基などのアリール基、ベンジ
ル、フェネチル基などのアラルキル基またはγ−メルカ
プトプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−アミノプ
ロピル基などに置換されたものが例示できる。珪素のア
ルコキシド以外にも酸化珪素微粒子、例えば日産化学工
業株式会社製シリカゾルである「スノーテックス−O
L」など、も使用することができる。
【0015】酸化チタン原料として、前述のように、そ
の80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最
も好ましくは全量にβジケトンでキレート化した酸化チ
タン原料を用いることが最も好ましい。βジケトンでキ
レート化した酸化チタン原料としては、チタンアルコキ
シド、チタンアセチルアセトネート、チタンカルボキシ
レートのようなチタンの有機化合物をβジケトンでキレ
ート化したものが好適に使用される。チタンアルコキシ
ドとしては、一般にTi(OR)4 (Rは炭素数4まで
のアルキル基)で表わされるが、反応性から考えて、チ
タンイソプロポキシド、チタンブトキシドが望ましい。
βジケトンでキレート化したチタンアルコキシドは、一
般式として、Ti(OR)mLn(m+n=4,n≠0)
で表わされる。ここでORはプロポキシ基、ブトキシ基
のようなアルコキシル基であり、Lはβジケトンであ
る。この場合には、チタンアルコキシドをアセチルアセ
トンによってアセチルアセトネート化しても構わない
し、市販のチタンアセチルアセトネートも使用すること
ができる。酸化チタン原料の20重量%未満であれば、
β−ジケトンでキレート化した酸化チタン原料以外の酸
化チタン原料、例えばチタンアルコキシド等のチタンの
有機化合物や酸化チタン微粒子などを使用することがで
きる。
【0016】本発明における着色膜原料液は、前記酸化
珪素原料、前記酸化チタン原料、および前記銀微粒子原
料の他に、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化錫、
酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化バナジウム、酸
化クロム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化
セリウム、酸化ホウ素、酸化タンタル、酸化タングステ
ン、および酸化イッテルビウム等からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の酸化物の原料を、それぞれCo
34、ZrO2、Al23、Fe23、Bi23、Zn
O、SnO2、In23、Sb23、V25、Cr
23、CuO、MnO、NiO、Ce23、B2 3、T
25、WO3、およびYb23に換算して、合計で1
5重量%以下、より好ましくは10重量%以下、含有し
てもよい。
【0017】本発明の着色膜原料液は、上記各原料をそ
れぞれ溶媒に溶解しておき、それらを所定の割合で混合
することにより得られる。着色膜原料液中の各原料合計
(固形分)の濃度は3〜20重量%であることが好まし
い。本発明において珪素アルコキシドを用いる場合、そ
の加水分解触媒としては、硝酸、硫酸などの無機酸類、
酢酸、しゅう酸、蟻酸、プロピオン酸、p−トルエンス
ルホン酸などの有機酸類が用いられる。
【0018】本発明で使用される上記溶媒は被膜形成方
法に依存する。例えば、グラビアコート法、フレキソ印
刷法、ロールコート法の有機溶剤は蒸発速度の遅い溶媒
が好適である。これは、蒸発速度が速い溶媒では、十分
にレベリングが行われないうちに、溶媒が蒸発してしま
うためである。溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチルのそれを
100とした相対蒸発速度指数で、一般的に評価されて
いる。この値が40以下の溶媒は、きわめて遅い蒸発速
度をもつ溶媒として分類されており、このような溶媒
が、グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロールコート
法の有機溶媒として好ましい。
【0019】上記溶媒としては、例えば、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、などが挙げられる。グリコール系溶媒は塗膜
のレベリング剤としても作用する。そのなかでもエチレ
ングリコールは硝酸銀を溶かす溶媒として重要な役割を
持っている。
【0020】本発明に使用される着色膜原料液の溶媒
は、このような溶媒を少なくとも1種含むことが望まし
いが、コーティング液の粘度、表面張力などを調節する
ために、上記の溶媒を複数用いても構わない。また蒸発
速度が速くて100を越える相対蒸発速度を有する溶
媒、例えばメタノール(610)、エタノール(34
0)、n−プロパノール(300)、のような溶媒を、
上記の40以下の相対蒸発速度指数を有する溶媒に添加
してもよい。
【0021】本発明の着色膜原料液は、後述のコーティ
ング法により基材上に塗布され、その上にパターンマス
クを配置して、その後光照射処理が行なわれる。光照射
のための紫外線光源としては、300〜400nmの波
長の光を発光し、被照射面での照射紫外線の強度が1m
W/cm2以上になるような紫外線照射装置を用いるこ
とができる。そして、前記塗布膜に前記光源からの光を
1秒〜数分間照射する。
【0022】次に、200〜700℃の温度で5〜20
0分間、加熱して、膜厚みが50から10000nm、
好ましくは50〜500nmの着色薄膜が形成される。
着色膜の透過光色調として大きな彩度(Lab表色系で
表して、(a2+b21/2)、例えば25以上の彩度が
要求される場合は、上記加熱温度は200℃以上で40
0℃未満であることが好ましく、Lab表色系で表し
て、aが−15〜+10で、かつbが10〜45の範囲
の色度およびLが70〜90の明度で表される透過色を
有する着色膜被覆ガラス物品が得られる。他方、400
℃〜700℃の温度の加熱により、得られる着色膜被覆
ガラス物品は、Lab表色系で表して、aが−12〜+
5で、かつbが10〜40の範囲の色度、15以上の値
の彩度、およびLが75〜95の明度で表される透過色
を有する。
【0023】このような色調を有するガラスは人の目に
強く感じる500nm以下の波長域を吸収しているので
眩しさを低減する効果も合わせ持っている。したがって
強い日差しがガラスを通して差し込んできたり、夜間の
対向車のヘッドライトの光が運転者の目に入ったりする
場合、このガラスを通して入ってきた光は人の目が眩し
さを感じる波長域を効果的に遮断されているので運転者
の目の負担を低減したり事故を未然に防ぐ効果を有す
る。また高齢者対策としても運転中の目の負担を軽減す
る効果がある。本発明の着色膜被覆ガラス物品は、70
%以上の可視光線透過率(Ya)を有し、そして400
〜500nmの波長域内のいずれかの波長の光に対する
透過率が50%以下であることが好ましい。
【0024】本発明の着色膜被覆ガラス物品が、強化処
理または/および曲げ処理された自動車の窓ガラスに用
いられる場合、上記200℃以上で400℃未満の温度
で加熱処理された着色膜被覆ガラス板を用いて、さらに
公知の強化/曲げのための600〜700℃の温度での
加工処理を行うことができる。また着色膜原料液を塗布
して乾燥したガラス板を上記400℃〜700℃の温度
の加熱しながら、公知の強化/曲げのための加工処理を
行えば、着色膜の形成を兼ねることができる。
【0025】本発明の着色膜原料液を塗布する基材とし
ては、ガラス基材が好適に使用され、ガラス基材として
透明なソーダライム珪酸塩ガラス組成のガラス板のほか
に、グリーン色に着色されたガラスや、ブロンズ色に着
色されたガラスおよび紫外線吸収能をもったガラスを使
用してもよい。青色に着色された基板にコーティングす
れば着色膜の黄色と基板の青色が補色の関係にあるので
得られる着色膜被覆板はグレーになり落ち着いたガラス
物品が得られる。本発明により得られる着色膜自体は、
あまり大きい紫外線遮蔽性能を有しないので、ガラス基
材として、370nmの波長の紫外光の透過率(T37
0nm)が10〜50%で、可視光線透過率が70〜9
0%、太陽光線透過率が40〜85%であり、厚みが
1.0mm〜5.5mmの紫外線赤外線吸収ガラス板が
好ましく用いられる。このように紫外線吸収ガラス板
に、本発明の着色膜形成用組成物をコーティングするこ
とにより、高い紫外線吸収能をもった着色ガラス板が得
られる。
【0026】本発明で使用するコーティング方法として
は、特に限定されるものではないが、例えばスピンコー
ト法、ディップコート法、スプレーコート法、印刷法等
が挙げられる。グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロ
ールコート法、スクリーン印刷法などの印刷法は、生産
性が高くコーティング液組成物の使用効率がよいので好
適である。
【0027】本発明における着色膜原料液の酸化珪素原
料、酸化チタン原料、および銀微粒子原料の種類や混合
割合は、溶剤および酸化チタンと銀微粒子と酸化珪素原
料の混和性や安定性、光学的には色、機械的には耐摩耗
性、化学的耐久性を考慮して決定するのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体的な実施例に
よりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。 [実施例1〜2、比較例1〜3] コーティング原液の調合 酸化珪素原料A:「エチルシリケート40」(コルコー
ト社製)62.6g、エチルセロソルブ55.04g、0.1mo
l/L(0.1規定)の硝酸(HNO3)7.52gを取り
2時間攪拌した後、メチルトリエトキシシラン14.64
g、エチルセロソルブ58.26g、0.1規定の硝酸1.8g
を加えさらに2時間攪拌し、酸化珪素原液Aを作製し
た。
【0029】酸化珪素原液B:「エチルシリケート4
0」50g、エチルセロソルブ44g、1.0mol/L
(0.1規定)の硝酸(HNO3)6gを2時間混合攪拌
し、酸化珪素原液Bを作製した。 酸化チタン原料C:テトライソプロポキシチタニウムと
アセチルアセトンとをモル比1:2で混合したものを酸
化チタン原料Cとした。 酸化チタン原料D:酸化チタン微粒子(TiO2微粒
子、平均粒径7nm、石原産業製、光触媒酸化チタン微
粒子「STS-01」) 銀微粒子原料:硝酸銀をエチレングリコールに20重量%
になるように溶解したものを銀微粒子原料とした。
【0030】上記酸化珪素原料A〜B、酸化チタン原料
C〜D、銀微粒子原料、および溶剤(エチルセロソル
ブ)、を表1に示す量を取って混合し、コーティング液
を調製した。なお、表1中、「EC」はエチルセロソル
ブを表している。
【0031】上記作製したコーティング液を、厚み3.
4mmで10cm×10cmの寸法の無着色透明ガラス
基板(可視光線透過率Ya 90.0%、太陽光線透過
率Tg 81.7%、紫外線透過率Tuv(ISO) 5
5.7%、可視光線反射率 8.0%、Lab表色系で
表した透過光の色度・明度 a=−1.41、b=0.
32、L=95.1)上にスピンコーティング装置でコ
ーティングした。室温で風乾後、実施例1、2および比
較例1について、その基板の塗布膜の上方約20cmか
ら紫外線照射装置(紫外線の中心波長365nm。ウシ
オ電機株式会社製:UV-402/1HNSC9-AA01)を用いて紫外
線照射を30秒間行った。被照射位置での紫外線強度を
光電流測定機(ウシオ電機株式会社製:UIT−10
0)を用いて測定したところ、照射紫外線の強度は、1
0mW/cm2であった。その後350℃または650
℃の温度でそれぞれ5分間加熱処理し、銀微粒子を生成
させ、着色膜をもつガラス板を得た。紫外線照射条件、
加熱処理条件は表2に示す通りである。着色膜の組成・
屈折率・膜厚、着色膜付きガラス板の可視光線透過率
(Ya)、太陽光線透過率(Tg)、紫外線透過率(T
uv)、可視光線反射率、色(透過光)等の特性を表3
〜5に示す。なお、実施例1および比較例1〜3におけ
る膜組成はメチル基を含有しているが、表3ではこのメ
チル基を除いた値で示している。また膜厚は触針計を用
いて測定した。表3の膜厚は熱処理温度が650℃の場
合を示しており、熱処理温度が350℃では膜厚はこの
値よりも若干大きくなる。なお、比較例3の低温加熱の
場合、光吸収は比較的広い範囲で生じており、表5の吸
収ピーク波長は明確には現れなかった。また可視光線透
過率、太陽光線透過率および可視光線反射率はJIS
R 3106により、紫外線透過率はISO規格905
0により、透過色度および反射色度はJIS Z 872
9によりそれぞれ測定した。また膜の屈折率は銀または
金属微粒子を含まないマトリックスの値である。得られ
た着色膜は、実施例1〜2、比較例1〜3のいずれも、
耐薬品性、耐摩耗性について良好な結果を示した。
【0032】表4の記載から、塗布膜の加熱温度が低温
(350℃)の場合、実施例1〜2では、透過光彩度
((a2+b21/2)の値は29〜37であり、比較例
1〜3の透過光彩度の値6〜9に比して、高い透過光彩
度を示していることがわかる。また高温加熱(650
℃)でも、実施例1〜2では、透過光彩度((a2
2 1/2)の値は20〜21であり、比較例1〜3の透
過光彩度の値4〜6に比して、高い透過光彩度を示して
いることがわかる。なお、塗布膜を低温(350℃)で
加熱して得られた着色膜付きガラス板を、さらに高温
(650℃)で再加熱した着色膜付きガラス板は、塗布
膜を高温(650℃)で加熱して得られる着色膜付きガ
ラス板とほぼ等しい透過光の色度・明度を有することが
確かめられた。
【0033】酸化チタン原料にアセチルアセトンでキレ
ート化したチタン化合物を用いて作製した銀微粒子分散
着色膜被覆ガラスである実施例1と、酸化チタン微粒子
を酸化チタン原料として使って作製した銀微粒子分散着
色膜被覆ガラスである比較例1について、それぞれ35
0℃および650℃で焼成した場合の透過スペクトルの
グラフを図1および図2に示した。実施例1のアセチル
アセトンでキレート化した酸化チタン原料を使用した膜
は銀の発色が650℃の焼成後も大きな吸収が観測され
るのに対して、比較例1の酸化チタン微粒子が入った膜
は650℃の焼成後に吸収が大きく減少しており、アセ
チルアセトンの酸化チタンの効果が明瞭に観察される。
【0034】
【表1】 ────────────────────────────────── 酸化珪素原液(g) 酸化チタン原料(g) 番号 ─────── ─────── 銀微粒子原料 EC A B C D (g) (g) ────────────────────────────────── 実施例1 5.26 0 0.967 0 1.02 2.75 比較例1 5.26 0 0 0.97 1.02 2.75 実施例2 0 5.26 0.967 0 1.02 2.75 比較例2 5.26 0 0.967 0 1.02 2.75 比較例3 5.26 0 0 0.97 1.02 2.75 ──────────────────────────────────
【0035】
【表2】 ──────────────────────────── 番号 UV照射処理条件(365nm) 熱処理温度 低温加熱 高温加熱 ──────────────────────────── 実施例1 10mW/cm2 350℃ 650℃ 比較例1 10mW/cm2 350℃ 650℃ 実施例2 10mW/cm2 350℃ 650℃ 比較例2 非照射 350℃ 650℃ 比較例3 非照射 350℃ 650℃ ────────────────────────────
【0036】
【表3】 ─────────────────────────────── 膜組成(酸化物換算重量%) 膜厚 番号 SiO2 TiO2 Ag 屈折率 (nm) ─────────────────────────────── 実施例1 71.0 14.2 14.80 1.53 180 比較例1 71.0 14.2 14.80 1.53 165 実施例2 71.0 14.2 14.80 1.53 180 比較例2 71.0 14.2 14.80 1.53 176 比較例3 71.0 14.2 14.80 1.53 183 ───────────────────────────────
【0037】
【表4】 ─────────────────────────────────── 実施例 Ya Tg Tuv 透過色調 透過色度明度 ガラス面 比較例 反射率 番号 (%) (%) (%) (a/b/L) (%) ─────────────────────────────────── 実施例1 低温加熱 73.6 70.1 45.5 黄橙色 -0.9/29.3/83.6 9.6 高温加熱 83.4 75.2 42.3 黄色 -8.5/19.2/90.8 9.7 比較例1 低温加熱 70.6 67.9 39.1 黄色 -2.1/9.0/83.5 7.2 高温加熱 88.0 80.0 47.7 薄い黄色 -2.9/5.1/93.7 7.6 実施例2 低温加熱 78.4 70.4 39.0 黄色 -11.4/35.0/87.2 8.8 高温加熱 83.3 75.9 43.7 黄色 -7.6/18.6/91.3 8.5 比較例2 低温加熱 73.0 71.8 46.7 薄い黄色 -0.7/7.2/84.9 7.7 高温加熱 85.3 78.6 47.0 薄い黄色 -2.0/4.5/92.3 8.6 比較例3 低温加熱 68.1 68.6 41.7 薄い黄色 -0.1/6.1/82.1 6.3 高温加熱 81.7 77.3 49.8 薄い黄色 0.3/3.6/90.0 6.5 ────────────────────────────────────
【0038】
【表5】 ─────────────────────────────────── 実施例 ガラス面 膜面 比較例 反射色度 膜面反射率 反射色度 吸収ピーク波長 番号 (a/b) (%) (a/b) (nm) ─────────────────────────────────── 実施例1 低温加熱 -2.5/8.5 11.4 -5.4/5.2 450 高温加熱 -4.7/2.3 9.9 -8.1/10.0 420 比較例1 低温加熱 -2.1/2.3 7.0 -1.6/3.5 435 高温加熱 -4.7/2.3 9.9 -8.1/10.0 430 実施例2 低温加熱 -3.0/7.2 9.7 -4.1/4.2 420 高温加熱 -2.0/-1.0 9.2 -5.2/0.2 432 比較例2 低温加熱 -6.4/1.9 6.0 11.0/-8.7 471 高温加熱 -4.3/2.5 8.9 -4.4/1.9 385 比較例3 低温加熱 -1.6/1.5 5.0 0.7/0.0 (ブロード) 高温加熱 0.6/-0.2 6.2 0.8/-0.8 380 ───────────────────────────────────
【0039】[比較例4〜7]前記実施例1〜2、比較
例1〜3に示した酸化珪素原料A〜B、酸化チタン原料
D〜E、銀微粒子原料、および溶剤を表6に示す量を取
って混合し、コーティング液を調製した。
【0040】上記作製したコーティング液を、実施例で
使用したものと同じ無着色透明ガラス基板上にスピンコ
ーティング装置でコーティングした。風乾後に、表7に
示す光照射、温度(高温)で熱処理し、銀微粒子を生成
させ、着色膜をもつガラス板を得た。着色膜の組成・屈
折率・膜厚、着色膜付きガラス板の可視光線透過率(Y
a)、太陽光線透過率(Tg)、紫外線透過率(Tu
v)、可視光線反射率、色(透過光)等の特性を表8〜
10に示す。
【0041】比較例4〜7では酸化チタンを添加してい
るにもかかわらず、透過色調すなわち、透過光彩度
((a2+b21/2)の値は約6であり、実施例におけ
る透過光彩度の値20〜21に比して小さく、銀微粒子
の発色はごくわずかな発色しか示しておらず、実施例で
示した効果は出ていないことがわかる。
【0042】
【表6】 ────────────────────────────────── 比較例 酸化珪素原液(g) 酸化チタン原料(g) 番号 ─────── ─────── 銀微粒子原料 EC A B D E (g) (g) ────────────────────────────────── 4 5.26 0 0.22 0.75 1.02 2.75 5 5.26 0 0.48 0.48 1.02 2.75 6 5.26 0 0.75 0.22 1.02 2.75 7 0 5.26 0.48 0.48 1.02 2.75 ──────────────────────────────────
【0043】
【表7】 ────────────────────────── 比較例 UV照射処理条件(365nm) 熱処理温度 ────────────────────────── 4〜7 10mW/cm2 650℃ ──────────────────────────
【0044】
【表8】 ─────────────────────────────── 比較例 膜組成(酸化物換算重量%) 膜厚 番号 SiO2 TiO2 Ag 屈折率 (nm) ─────────────────────────────── 比較例4 71.0 14.2 14.80 1.53 170 比較例5 同上 同上 同上 同上 160 比較例6 〃 〃 〃 〃 170 比較例7 〃 〃 〃 〃 180 ───────────────────────────────
【0045】
【表9】 ────────────────────────────────── 比較例 Ya Tg Tuv 透過色調 透過色度明度 ガラス面反射率 番号 (%) (%) (%) (a/b/L) (%) ────────────────────────────────── 4 87.4 79.8 47.5 薄い黄色 -2.9/5.2/93.4 7.9 5 87.1 79.7 47.8 同上 -2.8/5.7/93.2 7.7 6 84.6 78.4 42.3 同上 -1.3/5.8/91.7 8.2 7 86.2 79.2 47.2 同上 -2.2/5.7/92.8 7.7 ──────────────────────────────────
【0046】
【表10】 ────────────────────────────────── ガラス面 膜面 比較例 反射色度 膜面反射率 反射色度 吸収ピーク波長 番号 (a/b) (%) (a/b) (nm) ────────────────────────────────── 4 -1.0/-0.1 8.0 -1.0/-0.3 380、420 5 -1.4/0.0 7.8 -1.4/-0.5 380、420 6 -1.8/0.6 8.3 -2.0/1.0 380、420 7 -1.5/0.3 7.9 -1.2/-0.6 380、420 ──────────────────────────────────
【0047】[実施例3]実施例1で使用したコーティ
ング液を、厚み2.1mmで10cm×10cmの寸法
の無着色透明ガラス基板(可視光線透過率Ya 90.
6%、太陽光線透過率Tg 82.1%、紫外線透過率
Tuv(ISO) 57.0%、可視光線反射率 8.0
%、Lab表色系で表した透過光の色度・明度 a=−
1.20、b=0.32、L=95.5)の一方表面上
にスピンコーティング装置でコーティングした。室温で
風乾後、その基板の塗布膜の上方約20cmから紫外線
照射装置(紫外線の中心波長365nm。ウシオ電機株
式会社製:UV-402/1HNSC9-AA01)を用いて紫外線照射を
30秒間行った。被照射位置での紫外線強度を光電流測
定機(ウシオ電機株式会社製:UIT−100)を用い
て測定したところ、照射紫外線の強度は、10mW/c
2であった。その後350℃の温度で5分間加熱処理
し、銀微粒子を生成させ、着色膜をもつガラス板を得
た。さらにこれを加熱炉の中に入れて2時間で610℃
まで昇温してそのまま10分間保持した後、自然冷却し
て着色膜を持つガラス板を得た。
【0048】この着色膜ガラス板と上記透明ガラス基板
とを着色膜が内側になるようにその間に厚み0.8mm
のポリビニルブチラール中間膜を挟んでオートクレーブ
中で250℃で15分間加熱加圧して、着色膜を中間に
有する合わせガラス板を得た。
【0049】着色膜被覆合わせガラス板の可視光線透過
率、可視光線反射率、透過色調等の特性を表11および
12に示す。なお吸収ピーク波長420nmにおける光
透過率は28%であった。これに対して、例えば比較例
6についての吸収ピーク波長380nmおよび420n
mにおける光透過率はそれぞれ72%および73%であ
り、実施例においては500nm以下の波長域の吸収が
比較例のそれよりも大きいことがわかる。
【0050】得られた着色膜は、耐薬品性、耐摩耗性に
ついて良好な結果を示した。なお表中の「ガラス面」の
反射率、反射色度の欄には、合わせガラスの両表面のう
ち着色膜付きのガラス板のガラス外面側から光を入射さ
せたときに全面から反射する光についての測定値を表し
ている。
【0051】
【表11】 ────────────────────────────────── 実施例 Ya Tg Tuv 透過色調 透過色度明度 ガラス面反射率 番号 (%) (%) (%) (a/b/L) (%) ────────────────────────────────── 3 83.4 74.8 41.5 黄色 -2.9/15.2/93.4 9.1 ──────────────────────────────────
【0052】
【表12】 ────────────────────────────────── ガラス面 膜面 実施例 反射色度 膜面反射率 反射色度 吸収ピーク波長 番号 (a/b) (%) (a/b) (nm) ────────────────────────────────── 3 -2.6/2.7 − − 420 ──────────────────────────────────
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、銀微粒子
を含有するシリカ−チタニア系着色膜被覆ガラス物品を
製造する方法において、酸化チタンに換算して、前記酸
化チタン原料の少なくとも80重量%としてアセチルア
セトンでキレート化した酸化チタン原料を用いることに
より、光照射によって生成した銀微粒子含有薄膜を40
0℃以上の温度で熱処理を行っても、安定に銀微粒子が
存在することができ、黄色〜橙色で彩度が大きい着色膜
が被覆されたガラス物品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例および比較例について、35
0℃加熱の場合の光透過率分布を対比して示すグラフ。
【図2】 本発明の実施例および比較例について、65
0℃加熱の場合の光透過率分布を対比して示すグラフ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形成分の重量%で表して、酸化珪素原
    料(SiO2換算) 45〜93%、酸化チタン原料
    (TiO2換算) 3〜30%、ただし酸化チタン原
    料(TiO2換算)の少なくとも80重量%がβジケト
    ンでキレート化した酸化チタン原料である、および銀微
    粒子原料(Ag換算) 5〜25%、を主成分とし
    て含有する着色膜原料液をガラス基材表面に塗布し、前
    記塗布膜に紫外光を照射し、その後に前記塗布膜を加熱
    する着色膜被覆ガラス物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記着色膜原料液は、前記酸化珪素原
    料、前記酸化チタン原料、および前記銀微粒子原料の他
    に、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウ
    ム、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化錫、酸化イ
    ンジウム、酸化アンチモン、酸化バナジウム、酸化クロ
    ム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化セリウ
    ム、酸化ホウ素、酸化タンタル、酸化タングステンおよ
    び酸化イッテルビウムからなる群より選ばれる少なくと
    も1種の酸化物の原料を、それぞれCo34、Zr
    2、Al23、Fe23、Bi23、ZnO、Sn
    2、In 23、Sb23、V25、Cr23、Cu
    O、MnO、NiO、Ce23、B23、Ta25、W
    3におよびYb23に換算して、合計で15重量%以
    下含有する請求項1記載の着色膜被覆ガラス物品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱は200℃以上で400℃未満
    の温度で行う請求項1または2記載の着色膜被覆ガラス
    物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記着色膜被覆ガラス物品は、Lab表
    色系で表して、aが−15〜+10で、かつbが10〜
    45の範囲の色度で表される透過色を有する請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の着色膜被覆ガラス物品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱は400℃以上の温度で行う請
    求項1または2記載の着色膜被覆ガラス物品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記加熱を行いながら強化処理または/
    および曲げ処理をおこなう請求項5記載の着色膜被覆ガ
    ラス物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記着色膜被覆ガラス物品は、Lab表
    色系で表して、aが−12〜+5で、かつbが10〜4
    0の範囲の色度で表される透過色を有する請求項5また
    は6記載の着色膜被覆ガラス物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%で表して酸化珪素 45
    〜93%、酸化チタン 3〜30%、および銀
    微粒子 5〜25%、ただし酸化チタン含有
    量の少なくとも80重量%がβジケトンでキレート化し
    た酸化チタン原料から由来する、を主成分とする組成を
    有する着色膜がガラス基板表面に被覆されてなり、前記
    着色膜およびガラス基板は最終的に400℃以上の熱処
    理が施されるいる着色膜被覆ガラス物品。
  9. 【請求項9】 前記着色膜被覆ガラス物品は、Lab表
    色系で表して、aが−12〜+5で、かつbが10〜4
    0の範囲の色度で表される透過色を有する請求項8記載
    の着色膜被覆ガラス物品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記着色膜被覆ガラス物品の膜面の可
    視光線反射率が12%以下である請求項8または9記載
    の着色膜被覆ガラス物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100697401B1 (ko) 2005-05-26 2007-03-20 주식회사 두산 나노 실버가 코팅된 유리 용기의 제조방법
CN102127326A (zh) * 2010-12-28 2011-07-20 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种二氧化钒基复合镀膜液和复合薄膜及其制备方法和应用
JP2012020937A (ja) * 2004-01-26 2012-02-02 Pilkington North America Inc ガラス基材上への酸化鉄コーティングの蒸着
US8771875B2 (en) 2007-09-12 2014-07-08 Sony Corporation Substance and battery including the same

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