JP2000143288A - 着色膜被覆ガラス物品 - Google Patents

着色膜被覆ガラス物品

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JP2000143288A JP10317498A JP31749898A JP2000143288A JP 2000143288 A JP2000143288 A JP 2000143288A JP 10317498 A JP10317498 A JP 10317498A JP 31749898 A JP31749898 A JP 31749898A JP 2000143288 A JP2000143288 A JP 2000143288A
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Masahiro Hori
雅宏 堀
Taro Miyauchi
宮内太郎
Toshifumi Tsujino
敏文 辻野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い視感透過率、低い紫外線透過率及び低い
日射透過率を有する濃緑色のガラス物品、特にプライバ
シー保護用の自動車の後窓その他の自動車窓に適した着
色膜被覆ガラス物品を提供する。 【解決手段】 重量%表示でCeO2 0〜2.0%,TiO2 0〜2.0
%,Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3) 0.9〜2.2%,NiO
0〜0.2%,CoO 0〜0.03%,ただし,NiO+CoO 0.0010%以上,S
e 0〜0.0008%,且つFe2O3に換算したFeOがT-Fe2O3の10〜
40%を含有するソーダ・石灰・シリカガラスの組成を有
し、35〜65%の視感透過率、低い日射透過率、低い紫外
線透過率、および、特定の透過色調を有するカ゛ラス基板
と、その表面の少なくとも一部に被覆された50〜300nm
厚みの着色膜からなり、前記着色膜は、Si、AlおよびB
からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素の酸化物
と、着色成分としての、特定の割合のCu,Mn,およびNiの
元素の酸化物からなる着色膜被覆カ゛ラス物品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車などの
車両用や建築物の窓等に使用される着色膜被覆ガラス物
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の室内内装材の高級化に伴
う内装材の劣化防止の要請や冷房付加低減の観点から、
自動車用窓ガラスとして紫外線赤外線吸収能を付与した
様々なガラスが提案されている。そのうち自動車後部窓
ガラスには、プライバシー保護の見地から比較的に視感
透過率(可視光透過率ともいう)の低いガラスが好んで
用いられる。このようなガラスには次のようなものがあ
る。
【0003】例えば、特公平7−29813号に開示さ
れた暗灰色赤外線吸収ガラスはソーダ・石灰・シリカガ
ラス中に重量%で表して1.00〜1.7%のFe23
(全鉄)、少なくとも0.27%のFeO、0.002
〜0.005%Se、および0.01〜0.02%のC
oOからなる着色剤を含有している。このガラスは3.
9mmの厚さで32%以下の光透過率(視感透過率)及
び15%より小さな全太陽赤外線透過率(日射透過率)
を有する。
【0004】また、特開平8−157232号に開示さ
れた濃グレイ色ガラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス
中に重量%で表して、0.8〜1.4%のFe23(全
鉄)、0.21%以下のFeO、0.05〜1.0%の
TiO2、0.02〜0.05%のCoO、および0.
0005〜0.015%のSeからなる着色剤を含有し
ている。
【0005】米国特許第5,393,593号のクレーム
25に開示された中性暗灰色ガラスは、重量%で表して
66〜75%のSiO2、10〜20%のNa2O、5〜
15%のCaO、0〜5%のMgO、0〜5%のAl2
3、0〜5%のK2Oよりなる基礎ガラス成分と、1.
00〜2.2%Fe23(全鉄)、少なくとも0.20
%のFeO、0.0005〜0.005%のSe、およ
び0.010〜0.030%のCoOからなる着色剤と
を含有してなる。このガラスは3.9mmの厚さで35
%以下の視感透過率及び20%より小さな全太陽赤外線
透過率(日射透過率)を有する。
【0006】特表平8−506314号に開示されたガ
ラスは、ソーダ・石灰・シリカガラス中に以下の方程式
で計算される第一鉄含有量を有し、 FeO(重量%)≧0.007+(光学濃度−0.03
6)/2.3 重量%で表して0.25〜1.75%のFe23(全
鉄)を含み、Se,Co34,Nd23,NiO,Mn
O,V25,CeO2,TiO2,CuO及びSnOのう
ちの一つ以上により中間色に着色される。このガラスは
4mmの厚さで32%以上の可視光透過率(視感透過
率)を有し、紫外線透過率は25%以下、太陽直射熱透
過率(日射透過率)は可視光透過率よりも少なくとも7
%低く、主波長は好ましくは570nm未満である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平7−298
13号に開示された暗灰色赤外線吸収ガラス、前記特開
平8−157232号に開示された濃グレー色ガラス、
および前記米国特許第5, 393, 593号に開示され
た中性暗灰色ガラスは、いずれも希望する色調を得るた
めに多量のSeを使用している。Seは毒性を持ってお
りかつ非常に揮散し易いことから、多量のSeの使用は
その環境に及ぼす影響が大きいことから好ましくない。
【0008】また前記特表平8−506314号に開示
されたガラスのうち、プライバシー保護用に使用でき
る、例えば30〜32%の視感透過率を有するガラス
は、多量のSeを含有しており、前述と同様に環境保護
の観点から好ましくない。
【0009】本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み
て、多量のSeを含有せず、低い視感透過率、低い紫外
線透過率及び低い日射透過率を有する濃緑色のガラス物
品、特にプライバシー保護用の自動車の後窓、および熱
暑感を和らげると同時に優れた視認性を示す自動車窓に
適した着色膜被覆ガラス物品を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、重量
%で表して、 SiO2 65〜80%、 Al23 0〜 5%、 MgO 0〜10%、 CaO 5〜15%、 ただし、MgO+CaO 5〜15%、 Na2O 10〜18% K2O 0〜 5%、 ただし、Na2O+K2O 10〜20%、 B23 0〜 5%、 CeO2 0〜2.0%、 TiO2 0〜2.0%、 Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23) 0.9〜2.2%、 NiO 0〜0.2%、 CoO 0〜0.03%、 ただし、NiO+CoO 0.0010%以上、 Se 0〜0.0008%、 且つFe23に換算したFeOがT-Fe23の10〜
40%、の組成を有し、A光源を用いて測定した視感透
過率(Ya)が35〜65%、ガラスの日射透過率(T
g)が50%以下、ISO規格に規定される紫外線透過
率(Tuv(ISO))が15%以下、および、L***
色系で表して、a*が−15〜−6で、かつb*が−5〜
8の範囲の透過色度を有し、C光源を用いて測定した主
波長(DW)が480〜550nmの範囲内にあり、刺
激純度(Pe)が11%以下であるガラス基板と、その
表面の少なくとも一部に被覆された50〜300nm厚
みの着色膜からなり、前記着色膜は、Si、Alおよび
Bからなる群より選ばれた少なくとも一種のガラス骨格
の形成成分元素の酸化物と、着色成分としての遷移金属
元素の酸化物からなり、前記ガラス骨格の形成成分元素
原子の総和は、前記着色膜中の酸素を除く構成元素の全
原子に対するモル%比率で表して、20〜70%であ
り、前記遷移金属元素原子の含有量は、それぞれ前記着
色膜中の酸素を除く構成元素の全原子に対するモル%比
率で表して、 Cu:10〜50%、 Mn:10〜50%、 Ni:1.0〜20%、 Co:0〜20%、 である着色膜被覆ガラス物品である。
【0011】以下に、本発明に用いるガラス基板の紫外
線赤外線吸収ガラス組成の限定理由について説明する。
但し、以下の組成は重量%で表示したものである。
【0012】SiO2はガラスの骨格を形成する主成分
である。SiO2が65%未満ではガラスの耐久性が低
下し、80%を越えるとガラスの溶解が困難になる。
【0013】Al23は、必須成分ではないが、ガラス
の耐久性を向上させる成分である。しかし含有量が大き
すぎるとガラスの溶解が困難になるので、その含有量は
0〜5%であり、好ましくは、0.1〜2%の範囲であ
る。
【0014】CaOはガラスの耐久性を向上させるとと
もに、成形時の失透温度、粘度を調整するのに用いられ
る。CaOが5%未満または15%を越えると失透温度
が上昇する。従ってCaOの含有量は5〜15%であ
る。MgOは、必須成分ではないが、CaOと同様にガ
ラスの耐久性を向上させるとともに、成形時の失透温
度、粘度を調整するのに用いることができる。MgOが
10%を越えると失透温度が上昇する。そして、MgO
とCaOの合計が5%未満ではガラスの耐久性が低下
し、15%を越えると失透温度が上昇する。従ってMg
Oの含有量は0〜10%であり、MgOとCaOの合計
の含有量は5〜15%である。
【0015】Na2Oはガラスの溶解促進剤として用い
られる。Na2Oが10%未満では溶解促進効果が乏し
く、Na2Oが18%を越えるとガラスの耐久性が低下
する。従ってNa2Oの含有量は10〜18%である。
2Oは、必須成分ではないが、Na2Oと同様にガラス
の溶解促進剤として用いることができる。K2OはNa2
Oに比して原料が高価であるため、5%を越えるのは好
ましくなく、0〜5%の範囲で使用される。またNa2
OとK2Oとの合計が10%未満では溶解促進効果が乏
しく、Na2OとK2Oの合計が20%を越えるとガラス
の耐久性が低下する。従ってNa2OとK2Oの合計の含
有量は10〜20%である。
【0016】B23は、必須成分ではないが、ガラスの
耐久性を向上させ、ガラスの溶解性を促進し、そして紫
外線の吸収を強める成分として用いることができる。B
23 が5%を越えると可視域の透過率も減少して、透過
色調が黄色みを帯び易くなると共に、B23の揮発等に
よる成形時の不都合が生じる。従ってB23の含有量は
0〜5%である。
【0017】酸化鉄は、ガラス中ではFe23とFeO
の状態で存在する。Fe23は紫外線吸収能を高める成
分であり、FeOは熱線吸収能を高める成分である。
【0018】Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe2
3)の含有量が0.9%未満では紫外線及び赤外線の
吸収効果が小さく、 所望の光学特性が得られない。他
方、T−Fe23が2.2%を超えると酸化第一鉄(F
eO)の有する熱線吸収効果による輻射熱で、ガラス溶
解時に熔解槽天井部の温度が耐熱温度以上になる畏れが
あるので好ましくない。更に、T−Fe23が多すぎる
とガラス溶融窯で連続的に生産を行う場合、異組成ガラ
ス素地との組成変更に時間を要するため好ましくない。
従ってT−Fe23の含有量は0.9〜2.2%であ
り、好ましくは、1.2%を越え1.7%以下である。
【0019】FeOとT−Fe23の比(FeO/T−
Fe23)が小さすぎると、FeO量が少ないため充分
な熱線吸収能が得られない。他方、FeO/T−Fe2
3の比が大きすぎると、FeOによる吸収が可視部の
長波長域にまで及び、視感透過率が低下し色調は青みを
帯び過ぎるので好ましくない。またこの比が大きすぎる
と、ガラス溶融の際に、融液が還元側によっていること
から硫化ニッケル石を発生することがあり、更にシリカ
の筋やシリカスカムを発生する原因ともなるため好まし
くない。本発明においてはFeO/T−Fe23比を1
0〜40%に設定することにより、高い紫外線吸収能と
熱線吸収能を有し、中性に近い緑色の色調のガラスが得
られる。なお、この場合のFeOの量としてはFe23
に換算した数値を用いる。
【0020】CoOは、Fe23と共存させることによ
り緑色系の色調を得るための成分であり、また視感透過
率をコントロールする成分でもある。CoOが0.03
%を越えると色調は青みが強くなり過ぎ、視感透過率も
低下する。CoO含有量はゼロであってもよいが、その
場合には後述のNiOが含有されている必要がある。C
oOは特に0.0005〜0.03%含まれることが好
ましい。
【0021】NiOは、CoOとともに視感透過率及び
色調を調整し、刺激感度を低減するための成分である。
NiO含量およびCoO含量のいずれか一方がゼロであ
ってもよいが、NiO含量およびCoO含量の合計は
0.0010%以上必要である。NiO量が0.2%を
越えると視感透過率が低下し過ぎ、透過色調も緑味が強
くなり過ぎるので好ましくない。またCoO量が0.0
3%を越えると視感透過率が低下し過ぎ、透過色調も青
味が強くなりすぎ好ましくない。中程度の視感透過率
(5mm厚みで45〜65%)が必要である場合には、
0.001〜0.05%のNiOおよび0〜0.01%
のCoOが含有されることが好ましく、低程度の視感透
過率(5mm厚みで10〜45%)が必要である場合に
は、0〜0.2%のNiOおよび0.001〜0.03
%のCoOが含有されることが好ましい。
【0022】NiOは、ガラスの冷却速度によって配位
数が変化し、発色の状態が異なることが知られている。
これは冷却処理によってNi2+周りの酸素配位数が6か
ら4に変化し、光の吸収特性が変化することによるもの
である。6配位Ni2+の光吸収は500〜640nmの
波長域にかけて存在するため、4配位Ni2+を用いるこ
とにより刺激純度を低減し好ましい色調を得ることがで
きる。乗用車の窓ガラスは、通常、安全のため風冷強化
処理を施される。NiOは窓ガラスのこの風冷強化処理
による変色を利用することにより、Seを添加すること
なく、ガラスの色調を目標値に近づけることができる。
【0023】Seは、必須成分ではないが、ピンクの発
色によりCoOの補色と相俟って刺激純度を低減するた
めの成分である。Se量が0.0008%を越えると視
感透過率が低下するとともに環境保護の観点からも好ま
しくない。Seを使用する場合は、0.0001〜0.
0008%とりわけ0.0001〜0.0004%の範
囲が好ましい。このように、Seを従来必要とされてき
た量よりもはるかに少なく含有させるか、或いは全く使
用せずとも所望を得ることができる。
【0024】CeO2は必須成分ではないが、紫外線吸
収能を高める成分でありガラス中ではCe3+又はCe4+
の形で存在し、特にCe3+が可視域に吸収が少なく紫外
線吸収に有効である。また、TiO2は、必須成分では
ないが、特にFeOとの相互作用により紫外線吸収能を
高める成分である。いずれも本発明の目的とする緑色系
の色調及び特性を損なわない範囲で、紫外線吸収能を高
めるために、或いは黄色みを付加して目的とする色調を
得るために添加できる。ただし、高価なCeO2、Ti
2をそれぞれ2%より多く使用すると、コストを押し
上げることになり好ましくない。
【0025】また、上記の組成範囲のガラスに、還元剤
としてSnO2を0〜1%の範囲で添加してもよい。ま
た、本発明が目的とする薄い緑色系の色調を損なわない
範囲で通常通り着色剤として、MnO,MoO3,Cr2
3,V25等を1種類または2種以上同時に、本発明
が目的とする視感透過率及び中性色に近い青色系ないし
緑色系の色調を損なわない範囲で、添加しても良い。ま
た硫化ニッケル石の発生をさらに確実に防ぐために、Z
nOを0〜1%の範囲で添加しても良い。
【0026】本発明に用いるガラス基板は上記ガラス組
成を有するものであり、A光源を用いて測定した視感透
過率(Ya)が35〜65%、日射透過率(Tg)が5
0%以下、ISO規格に規定される紫外線透過率(Tu
v(ISO))が15%以下、ISOに規定される紫外線透
過率(Tuv)が15%以下であり、そして、L**
*表色系で表して、a*が−15〜−6で、かつb*が−
5〜8の範囲の色度(透過光)を有し、ガラスのC光源
を用いて測定した主波長(DW)が480〜550nm
の範囲内にあり、かつ刺激純度(Pe)が11%以下で
ある。前記ガラス基板の好ましい透過色度はL***
表色系で表して、a*が−15〜−9で、かつb*が0〜
7の範囲であり、更に好ましくはa*が−12〜−9
で、かつb*が0〜4の範囲である。
【0027】次に、上記ガラス組成を有するガラス基板
の表面の少なくとも一部に形成させる、着色膜について
説明する。前記黒色系着色膜被覆は、そのガラス骨格形
成成分元素が、珪素(Si)、アルミニウム(Al)お
よびホウ素(B)からなる群より選ばれた少なくとも一
種のガラス骨格の形成成分元素の酸化物と、着色成分と
しての遷移金属元素の酸化物からなり、前記ガラス骨格
形成成分元素原子の総和は、前記着色膜中の酸素を除く
構成元素の全原子に対するモル%比率で表して、20〜
70%であり、前記遷移金属元素原子は、それぞれ前記
着色膜中の酸素を除く構成元素の全原子に対するモル%
比率で表して、 Cu:10〜50%、 Mn:10〜50%、 Ni:1〜20%、 Co:0〜20%、 を主成分とする組成を有する。
【0028】この着色膜は、ガラス骨格形成成分元素と
なる、Siのアルコキシド、Alのアルコキシドおよび
Bのアルコキシドからなる群より選ばれた少なくとも一
種を含み、着色成分として少なくともCu、Mnおよび
Niの遷移金属の塩と、前記遷移金属を配位しうる官能
基を有する有機化合物を含有する着色膜形成用塗布液
を、前記ガラス基板上に塗布し、その後、前記ガラス基
板を焼成することにより得られる。
【0029】着色成分としてNiを含ませることによっ
て、以下の効果を奏する。 (1)着色膜の耐酸性を向上できる。(2)耐久性の良
好な範囲で、青〜灰色〜ブロンズの色調を出すことがで
きる。
【0030】以下に各構成要素について説明する。なお
以下、着色膜の組成の比率は、着色膜中の酸素を除く構
成元素原子のモル%で表している。
【0031】Si、AlおよびBは、その酸化物膜を、
例えばゾルゲル法により簡単に製造できる。これらの酸
化物は着色膜のガラス骨格の形成成分であり、少なくと
も1種が着色膜に含まれていればよい。Si、Alおよ
びBのガラス骨格形成元素原子の総和が、少なくなると
着色膜の可視光の反射率が高くなり、また着色膜の強度
が低下してしまう。一方、前記総和が多くなると、着色
膜は強固な膜となるものの、着色成分の割合が少なくな
りすぎて、所望の視感透過率の膜を得ることができなく
なり、また着色膜の色調が黄色みを帯びやすくなる。し
たがって、前記総和の範囲としては、20〜70モル%
であり、好ましくは20〜60モル%であり、更に好ま
しくは40〜55%である。また上述のガラス骨格形成
元素のなかでも、Siがより好ましく用いられる。
【0032】つぎに、着色成分である酸化物の遷移金属
元素は、Cu(銅)、Mn(マンガン)およびNi(ニ
ッケル)を必須成分としている。
【0033】このうち、Cu、Mnについては、黒色系
着色膜を得るための基本的成分である。CuとMnの比
率としては、それぞれ10モル%未満であると、着色膜
の視感透過率が高くなりすぎてしまい、所望の視感透過
率の膜を得ることができなくなる。またそれぞれ50モ
ル%を越えてしまうと、着色膜の屈折率が高くなってし
まい、可視光の反射率も上がりすぎてしまう。Cuおよ
びMnの比率は好ましくはそれぞれ15〜40モル%で
あり、より好ましくはそれぞれ20〜35%である。
【0034】つぎにNiについては、この着色膜の耐薬
品性、特に耐酸性を上げるために、必要な成分である。
Niが1.0モル%未満では、着色膜のイオン化傾向の
小さな電解液に対する耐性が低下してしまう。4モル%
以上では、さらに着色膜の耐酸性が向上するので、好ま
しい。
【0035】一方、Niが多くなると、着色膜の視感透
過率が高くなりすぎる、また着色膜の色調が黄色みを帯
びてしまう、などの傾向がある。したがって、20モル
%以下である必要があり、12モル%以下が好ましい。
【0036】また、Co(コバルト)については必須で
はないが、着色膜の色調の補正のための成分である。C
oが多くなりすぎると、Cu、Mn、Niの割合が相対
的に低くなってしまい、所望の光学特性が得られにくく
なるので、20モル%を上限とする。Coの比率は好ま
しくは0〜10モル%であり、より好ましくは0〜5%
である。
【0037】この着色膜中に含有されていても差し支え
ないその他の成分としてTiO2、ZrO2、CeO2
Al23等を挙げることができ、これらの成分はそれら
の金属のモル%で表して合計で10モル%まで含まれて
いてもよい。
【0038】次に着色膜形成用塗布液に含有させる前記
有機化合物について説明する。本発明では、着色成分で
ある遷移金属を配位しうる官能基を有する有機化合物を
用いる。前記官能基としては、CO−N−(CH3)2を例
示するころができる。この有機化合物は、具体的には、
N,Nジメチルホルムアミド、N,Nジメチルアセトア
ミド、およびNメチルピロリドンから選ばれる少なくと
も1種である。
【0039】そしてこの有機化合物は、着色成分である
遷移金属を配位しうる官能基を有することによって、発
色助剤として機能する。このような有機化合物を、着色
膜形成用液に添加することによって、着色膜は以下のよ
うな過程で形成されると考えられる。
【0040】例えばSiアルコキシドを含む着色膜形成
用塗布溶液が、基板に塗布され、そののち前記基板が焼
成されると、前記溶液中のガラス形成成分となるSiア
ルコキシドがまず分解して、Si−O−Siの分子構造
を持つ多孔質のゲルが生成され、さらに酸化してガラス
ネットワークを形成し始める。その際、前記溶液中の着
色剤である遷移金属は、前記有機化合物に配位されてい
るので、未だ酸化はされない。さらに焼成が進むと、ゲ
ルの多孔質中に存在する前記遷移金属イオンは、加熱に
より複合酸化物を形成しながら結晶化し、膜中に微粒子
となり析出する。これが、着色成分として機能する。こ
のとき、前記ゲルはさらに焼き締められて、強固なシリ
カ質の膜を形成する。この結果、前記遷移金属酸化物で
着色されたシリカガラス膜となり、耐摩耗性や耐薬品性
を有する着色膜を得ることができる。
【0041】さらにこれら有機化合物のうち、溶媒とし
て機能するものもある。アルコキシドや遷移金属塩をよ
く溶解し、基板に対して塗れ性のよい有機化合物であれ
ば、溶媒としても機能させることが可能である。例え
ば、Nメチルピロリドンを用いた場合には、特に溶媒を
添加する必要はない。
【0042】なおこの有機化合物は、着色成分である遷
移金属塩の合計の総モル数に対する比率([有機化合物
(合計モル%)/着色成分(合計モル%)]×100
(%))が10%以上になるように、含有していること
が好ましい。塗布溶液にさらに溶媒を添加する場合、前
記有機化合物は1000%程度の比率まで含有すること
が好ましい。上述したように、有機化合物が溶媒として
も機能するときは、特にその上限は基本的に特に限定さ
れない。ただし着色の程度から、前記有機化合物は30
00%程度の比率まで含有することが好ましい。
【0043】つぎに着色膜形成用塗布液に用いる溶媒に
ついて説明する。用いられる溶媒は、アルコキシドや遷
移金属塩をよく溶解し、基板に対して塗れ性の良いもの
なら、特に限定はされない。具体的には、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、シクロヘキサノール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、セロソルブアセテート、ジアセトンア
ルコール、2−ブタノンなどが挙げられる。
【0044】また前記有機化合物として、Nメチルピロ
リドンを用いる場合は、さらにエチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルなどを溶媒として用いることもできる。
【0045】前記着色膜形成用塗布溶液の塗布方法は、
特に限定されるものではなく、スピンコート法、フレキ
ソコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ス
クリーン印刷法、グラビアコート法等、塗布溶液を平坦
にかつ薄く均一に塗布できる方法であればいかなる方法
でもよい。
【0046】前記着色膜形成用塗布溶液は、上記塗布方
法により基板上に塗布され、その後、酸化性雰囲気下で
100〜400℃の温度で5〜200分乾燥した後、5
00〜700℃以上の温度で10秒〜5分焼成すること
により、着色膜が形成される。
【0047】着色膜の厚みは、あまり薄すぎると十分な
着色が得られず、逆にあまり厚すぎると膜強度が低下
し、クラックが入りやすくなるので、50〜300nm
にすることが必要であり、好ましくは100〜300n
mであり、さらに好ましくは150〜250nmであ
る。着色膜の厚みは着色膜形成用塗布溶液の溶媒量、塗
布法の種類、塗布スピードなどにより調節することがで
きる。
【0048】着色膜はガラス基板(厚み2.0〜6.5
mm)の片側表面または両表面に被覆することができる
が、通常はガラス基板の片側表面に被覆される。また着
色膜はガラス基板の表面全体に被覆してもよいが、ガラ
ス基板の表面の一部のみに被覆してもよい。
【0049】ガラス基板の一方表面にのみ着色膜を被覆
した着色膜被覆ガラス物品が、自動車などのや建築物窓
に使用されるに際しては、着色膜の損傷を少なくするた
めに、着色膜面が車内側(屋内側)になるように(言い換
えれば、着色膜が被覆されていないガラス面が、車外側
(屋外側)になるように)設置されることが好ましい。こ
の場合、着色膜被覆ガラス物品の可視光反射率、特に着
色膜が被覆されていないガラス面側の可視光反射率があ
まり高いと、車外または屋外から見たときに、ぎらぎら
して外観を損なうので、この可視光反射率、特にガラス
面側の可視光反射率が10.0%以下になるように、着
色膜組成を選択することが好ましい。
【0050】本発明の着色膜被覆ガラス物品は、自動車
窓、特に後部窓、側部窓に用いられる場合、好ましくは
***表色系で表して、a*が−8〜−4、b*が−
5〜5の範囲の色度で表される透過色を有する。より好
ましくはL***表色系で表して、a*が−7〜5、b
*が−3〜2の範囲の色度で表される透過色を有する。
さらに好ましい透過色の色度および明度は、a*が−7
〜−5、b*が−3〜1の範囲で表される透過色を有す
る。
【0051】そしてこの着色膜被覆ガラス物品は、好ま
しくは5〜35%、より好ましくは15〜25%の視感
透過率(Ya)、好ましくは7〜35%の日射透過率
(Tg)と6%以下の紫外線透過率(Tuv(ISO))を
有する。
【0052】また本発明の着色膜被覆ガラス物品が、特
に自動車窓ガラス板として使用される場合では、車外側
からの反射色調、すなわち着色膜が被覆されていないガ
ラス面側から見た反射色調は中性灰色に近いことが外観
上好ましく、Lab表色系で表して、aが−2.0〜
2.0、bが−3.0〜3.0の範囲の反射色度を有す
ることが好ましい。さらに好ましい反射色の色度は、a
が−2.0〜1.0、bが−2.0〜1.0の範囲であ
る。
【0053】本発明の着色膜被覆ガラス物品は、プライ
バシー保護のための自動車の後部(リア)窓用または側
後部(リアサイド)窓用のガラス板として特に適してい
る。例えば自動車の後部窓の内側にハイマウントストッ
プランプと呼ばれる停止灯を設置する場合、この後部窓
のガラス板として、本発明のガラス基板の表面のうち、
上記停止灯に面する部分(停止灯の光が通過する部分)
には着色膜を被覆せず、それ以外の部分に着色膜を被覆
したものを使用することにより、停止灯の発光を効率よ
く車外に伝達しながら、プライバシー保護に適した後部
窓が得られる。また、自動車の後部(リア)窓用または
側後部(リアサイド)窓用のガラス板として、ガラス基
板の上方部のみに着色膜をパターニングしたものを使用
することにより、熱暑感を和らげるサンシェード効果を
有すると同時に優れた視認性を有する窓が得られる。
【0054】本発明の着色膜被覆ガラス物品は、これと
は別のガラス板(着色膜が被覆されていない着色または
非着色のガラス板でも良く、また前記着色膜被覆ガラス
物品と同種の着色膜被覆ガラス板であってもよい)と
を、ポリビニルブチラールやポリエステルのような透明
な樹脂材料からなる中間層の膜を介して、好ましくは前
記着色膜が内側(すなわち前記中間層の膜に面するよう
に)になるように、互いに接合して、合わせガラス板と
して使用することができる。また、着色膜被覆ガラス物
品と前記ガラス板とを、間隔(例えば0.1〜3mm)
を隔てて、好ましくは前記着色膜が内側になるように、
配置し、その周囲を気密な材料で密封しその内部空間
を、乾燥空気,気体,または高い真空度の気体で充填し
た積層体、すなわち複層ガラス板として使用することが
できる。このように着色膜を内側になるように接合また
は積層することにより、着色膜の耐候性をさらに高める
ことができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体的な実施例
により更に詳細に説明する。なお、以下の実施例および
比較例において、ガラス板の光学特性は次のようにして
測定した。 視感透過率(可視光透過率、Ya):JIS R 310
6(A光源使用) 日射透過率(太陽光透過率、Tg):JIS R 310
6(A光源使用) 紫外線透過率(Tuv(ISO)):ISO 9050 可視光反射率:JIS R 3106(A光源使用) 主波長(DW):JIS Z 8701(C光源使用) 刺激純度(Pe):JIS Z 8701(C光源使用) 色調(L***):JIS Z 8729 色調(Lab):JIS Z 8722、JIS Z 87
30
【0056】まず、本発明におけるガラス基板について
試験例1〜9で説明する。 [試験例1〜9]酸化物に換算し重量%で表示して表1
および表2に示した組成になる原料を、ケイ砂、石灰
石、苦灰石、ソーダ灰、ボウ硝、酸化第二鉄、酸化ニッ
ケル、酸化コバルト、ホウ酸、酸化チタン、酸化セリウ
ム、スラグ及び炭素系還元剤を用いて調合し、この原料
を電気炉中で1450℃に加熱、溶融した。4時間溶融
した後、ステンレス板上にガラス素地を流し出し、室温
まで徐冷して厚み約6mmのガラスを得た。次いで、こ
のガラス板を厚さが4mmになるように研磨してサンプ
ルとした。得られたガラスの組成は表1および表2の記
載に一致した。なお表中、各成分の濃度はいずれも重量
%表示である。また表には、「Fe23に換算した全酸
化鉄含有量(重量%)」に対する「Fe23に換算した
FeO含有量(重量%)」の比の値(FeO/T-Fe2O3)を示
しており、これらの値は原料中のスラグ及び炭素系還元
剤の使用量を調節することによって設定した。
【0057】
【表1】 =================================== 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 試験例5 試験例6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− SiO2 70.5 71.0 70.5 70.4 70.4 70.4 Al23 1.8 1.4 1.55 1.4 1.5 1.4 MgO 3.8 3.9 4.0 3.9 3.9 4.0 CaO 7.8 8.0 7.9 8.5 7.9 8.0 Na2O 13.9 13.0 13.3 12.9 13.0 13.0 K2O 1.0 0.7 0.7 0.6 0.7 0.7 B23 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 NiO 0.009 0.012 0.018 0.020 0.001 0.007 CoO 0 0.004 0.008 0.005 0.002 0.002 TiO2 0.03 0.5 0.03 0.03 0.03 0.03 CeO2 0 0 0 0.5 0 0 Se 0 0 0 0 0 0 T-Fe23 1.25 1.0 1.1 1.0 1.7 1.5 FeO/T-Fe2O3 27 28 26 26 18 29 ===================================
【0058】
【表2】
【0059】次いで、この約4.0mmの厚みのガラス
板サンプルについて、光学特性として、A光源を用いて
測定した視感透過率Ya(%)、日射透過率Tg
(%)、ISO 9050に規定される紫外線透過率T
uv(ISO)(%)、C光源を用いて測定した主波長DW
(nm)、刺激純度Pe(%)、L***表色系におけ
る透過光の色度a*,b*を測定した。得られたサンプル
の光学特性値を表3及び表4に示す。
【0060】
【表3】 =================================== 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 試験例5 試験例6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Ya 59.1 49.8 48.7 48.0 52.8 49.8 Tg 29.9 32.6 33.1 33.0 28.3 25.6 Tuv(ISO) 9.3 9.7 11.5 8.5 4.5 6.1 DW 532 512 500 502 538 507 Pe 4.3 3.9 5.2 4.7 6.8 4.7 a* -11.5 -12.2 -11.3 -11.3 -14.9 -13.5 b* 5.7 3.9 1.2 1.9 7.4 3.5 ===================================
【0061】
【表4】
【0062】表3および4から明らかなように、本試験
例のサンプルは、A光源を用いて測定した視感透過率
(Ya)が37〜60%であり、日射透過率(Tg)が
25〜35%であり、紫外線透過率(Tuv(ISO))が4
〜12%であり、C光源を用いて測定した主波長(D
W)が495〜540nmの範囲内にあり、刺激純度
(Pe)が3〜6%であり、C光源を用いて測定したL
***表色系における色度a*は−15〜−9であり、
*は0〜7である光学特性を有するガラスである。
【0063】次に着色膜について説明する。本実施例に
おいて、各コーティング膜を構成する金属別のモル比
を、表6および表7に示した。また固形分比というの
は、用いた各種金属酸化物は、各実施例および比較例で
焼成した温度における酸化物重量である。表に記載され
ている固形分比を次のように定義する。
【数1】固形分比(重量%)=(焼成後の重量)/(コ
ーティング液の重量) 構成している元素は、焼成後に表5に示す酸化物になる
と見なして重量百分率を計算した。
【0064】
【表5】
【0065】<原料液の調合>エチルシリケート(コル
コート社製「エチルシリケート40」)50gに、1N
塩酸30gと、溶媒としてエチルセロソルブ 40gを
加え、室温で12時間攪拌した。この溶液を酸化珪素原
液とした。ホウ酸トリメチル103.9gに、1N塩酸
27gとエチルセロソルブを加えて希釈したものを原料
液とした。アルミニウム−sec−ブトキシド246.
3gにアセト酢酸エチル130.1gとエチルセロソル
ブ643.1gを加えたものを原料液とした。
【0066】硝酸銅3水和物に対してエチルセロソルブ
を加え、固形分を10.0%としたものを、銅原料液と
した。硝酸マンガン6水和物に対してエチルセロソルブ
を加え、固形分を13.0%としたものを、マンガン原
料液とした。硝酸ニッケル6水和物に対してエチルセロ
ソルブを加え、固形分を10.0%としたものを、ニッ
ッケル原料液とした。硝酸コバルト6水和物に対してエ
チルセロソルブを加え、固形分を10.0%としたもの
を、コバルト原料液とした。硝酸セリウム6水和物に対
してエチルセロソルブを加え、攪拌しながら90℃に加
温し一時間処理した。この溶液を硝酸セリウム原液とし
た。CeO2 固形分を23.2%としたものを、セリ
ウム原料液とした。硝酸クロム9水和物に対してエチル
セロソルブを加え、固形分を10.0%としたものを、
クロム原料液とした。
【0067】[実施例1〜27]上記のように調整した
各原料液を用いて、表6および表7に示される組成比に
なるように各元素別の原料液を秤量する。そして全体の
固形分比に適合するように、これら原料液および有機化
合物を溶媒で希釈し、混合攪拌して、コーティング液を
調合した。
【0068】
【表6】 =================================== 実 骨格成分 着色成分 固形分 有機化合物 溶媒 施 −−−−−−− −−−−−−−−− −−−−− 例 Si B Al Cu Mn Ni Co (wt%) 種類 量 比率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 43.8 0.0 0.0 25.5 20.4 10.2 0.0 10.0 DMF 15 308 EC 2 46.2 0.0 0.0 26.9 21.5 5.4 0.0 5.0 DMF 15 321 EtOH 3 43.8 0.0 0.0 23.0 23.0 10.2 0.0 10.0 DMF 15 308 EC 4 45.0 0.0 0.0 26.2 23.6 5.2 0.0 10.0 DMF 15 327 EC 5 47.6 0.0 0.0 21.4 21.4 9.5 0.0 10.0 DMF 15 327 EC 6 48.5 0.0 0.0 21.8 21.8 7.8 0.0 10.0 DMF 15 333 EC 7 53.1 0.0 0.0 19.9 19.9 7.1 0.0 10.0 DMF 15 360 EC 8 43.8 0.0 0.0 23.5 22.5 10.2 0.0 10.5 DMF 10 205 EC 9 50.0 0.0 0.0 22.5 22.5 5.0 0.0 10.0 DMF 10 228 EC 10 54.5 0.0 0.0 20.5 20.5 4.5 0.0 10.0 DMF 10 247 EC 11 43.8 0.0 0.0 23.5 22.5 10.2 0.0 10.0 DMF 5 103 EC 12 49.0 0.0 0.0 22.1 22.0 6.8 0.0 10.0 DMF 10 187 EC 13 54.1 0.0 0.0 20.2 20.3 5.4 0.0 10.0 DMF 10 204 EC 14 43.8 0.0 0.0 23.5 22.5 5.1 5.1 10.0 DMF 10 227 EC 15 46.2 0.0 0.0 24.2 24.2 5.4 0.0 10.0 DMHA 10 150 EC ===================================
【0069】
【表7】 =================================== 実 骨格成分 着色成分 固形分 有機化合物 溶媒 施 −−−−−−− −−−−−−−−− −−−−− 例 Si B Al Cu Mn Ni Co (wt%) 種類 量 比率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 16 47.5 0.0 0.0 23.6 23.6 5.2 0.0 10.0 NMP 10 132 EC 17 0.0 26.7 0.0 33.3 26.7 13.3 0.0 10.0 DMF 10 169 EC 18 0.0 42.1 0.0 26.3 21.1 10.5 0.0 10.0 DMF 10 250 EC 19 21.1 10.5 10.5 26.3 21.1 10.5 0.0 10.0 DMF 10 216 EC 20 46.7 0.0 0.0 24.5 24.5 4.4 0.0 10.0 DMF+NMP 7+42 850 −− 21 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 FA 10 327 EC 22 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 2P 10 175 EC 23 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 DEF 10 147 EC 24 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 NMF 10 252 EC 25 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 ε-C 10 175 EC 26 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 アセトアミト゛ 10 252 EC 27 46.2 0.0 0.0 24.3 24.3 5.3 0.0 10.0 DMAc 10 252 EC ===================================
【0070】なお、表6,7中の有機化合物の種類の欄
において、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミド
を、「DMHA」はN,Nジメチルホルムアミドを、「NM
P」は N−メチルピロリドンを、「FA」はホルムア
ミドを、「2P」は2−ピロリドンを、「DEF」は
N,N-ジエチルホルムアミドを、「NMF」はN-メチ
ルホルムアミドを、「εC」はε-カフ゜ロラクタムを、「DMA
c」はN-メチルアセトアミドをそれぞれ表し、溶媒の欄
において、「EC」はエチルセロソルブを、「EtOH」は
エチルアルコールをそれぞれ表す。また、有機化合物の
「量」には、塗布溶液の全体に対する有機化合物の量を
重量%で示したものであり、「比率」の欄は、[有機化
合物(合計モル%)/着色成分(合計モル%)]×100
(%)で計算される値である。
【0071】上記調合したコーティング液を、厚み3.
4mmで100mm×100mmの寸法の着色ガラス基
板(ガラス組成(重量%);SiO2 70.4,Al23 1.4
0,Fe23(全鉄)1.0、ただしFe23に換算したF
eOがT-Fe23の25%、CaO 8.5,MgO 3.
9,Na2O 12.9,K2O 0.60,CeO2 1.50,B2
30.0,NiO 0.020,CoO 0.005,TiO2 0.03,Ce
O 0 .5,Se 0.0000、視感透過率Ya=52.
2%,日射透過率Tg=32.3%,紫外線透過率Tu
v(ISO)=10.3%,可視光反射率=5.53%,透過
色調;薄黄緑,L***表色系の色度で表して、透過
光色度a*=−10.8,b*=1.8,主波長DW(C光
源)=502nm,刺激純度Pe(C光源)=3.9%の片側
表面上に、上記作製したコーティング液を、スピンコー
ティングを行った。スピンコーティングの回転数は、実
施例1〜4と実施例13〜27は1500rpmであり、実施
例5〜7は1600prmであり、実施例10〜12は1700rp
m、実施例9,28、29は2000rpmで行った。なお実施
例8のみフレキソコート法で成膜した。
【0072】成膜後の基板を室温で風乾後、遠赤外線炉
で最高到達温度300℃で約5分間加熱して焼成した。
ついで、膜強度を増加させる目的で基板を最高到達温度
660℃で熱処理したところ、着色膜付きガラス板を得
た。
【0073】着色膜の厚み、着色膜を持つガラス板の視
感透過率(a光源利用)Ya、透過色度(L***
色系におけるa*、b*の値、ただし括弧内はLab表色
系におけるa、bの値)、それぞれガラス面での可視光
反射率(a光源利用)Rgおよび反射色度(Lab表色
系)、それぞれ膜面での可視光反射率(a光源利用)R
fおよび反射色度(Lab表色系)の特性を表8および
表9に示す。
【0074】また着色膜について下記のような耐薬品性
試験(耐酸性、耐アルカリ性)、耐ボイル性試験、耐め
っき液性試験、および耐摩耗性試験をおこなった。
【0075】耐酸性試験は、0.1規定の硫酸に2時間
浸漬して、その前後の視感透過率変化[試験後の視感透
過率(%)−試験前の視感透過率(%)]が1%以内の
変化のものを良好と判断した。耐アルカリ性試験は、
0.1規定の苛性ソーダに2時間浸漬して、その前後の
視感透過率変化1%以内の変化のものを良好と判断し
た。さらに耐ボイル性試験は、100℃の熱湯中に2時
間浸漬して、その前後の視感透過率変化1%以内の変化
のものを良好と判断した。耐めっき液試験については、
20℃のCu(SO42に400秒浸漬し、さらに52
℃のNiSO4に100秒間浸漬して、その前後の視感
透過率変化1%以内の変化のものを良好と判断した。耐
摩耗性試験としてのテーバー試験は、250gの転動輪
で、500回摩擦の前後での視感透過率変化が2%以
内、かつヘイズ率4%以内の変化を良好と判断した。
【0076】以上述べた実施例1〜27 得られた着色
膜付きガラス板は、A光源を用いて測定した視感透過率
(Ya)が3〜33%であり、C光源を用いて測定した
***表色系における透過光の色度a*は−8〜−5
であり、b*は−10〜4であって、青緑〜緑〜黄緑の
色調の光学特性を有している。特に実施例3,5,8、
9,15,16,19,21〜25、28,および29
は−7〜−5のa*、−3〜1のb*の好透過色調を有す
る。またいずれの実施例も、そのガラス面の可視光反射
率は4.4〜7.2%で低く、ガラス面の反射色調もL
ab表色系で表してaが−1.3〜0.9、bが−2.
3〜0.5であって中性灰色に近い。また膜面の可視光
反射率は4.0〜9.9%と低い値であった。また各着
色膜は、耐薬品性試験(耐酸性、耐アルカリ性)、耐ボ
イル性、耐めっき液性、および耐摩耗性について、いず
れも視感透過率変化は1%以内であり、良好な結果を示
した。
【0077】
【表8】 =================================== 実 膜 透過光学特性 ガラス面反射 膜面反射 施 厚 −−−−−−−−−−−− −−−−−−− −−−−−−− 例 (nm) Ya a*(a) b*(b) Rg a b Rf a b −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 220 18.8 -8.0(-6.7) 4.0(3.7) 4.4 0.2 -1.6 4.8 -1.0 -6.4 2 215 11.7 -6.9(-5.3) -4.8(-5.1) 4.9 -1.3 0.5 5.8 1.8 3.7 3 195 13.9 -6.9(-5.6) -0.3(-0.6) 5.3 -0.7 -1.6 7.5 -0.4 -6.4 4 180 11.9 -6.7(-5.4) -5.1(-5.4) 4.9 -1.3 -0.8 5.9 1.9 3.8 5 174 17.1 -7.3(-5.8) 1.4(1.1) 5.1 0.1 -1.8 7.0 -2.3 -5.2 6 199 21.6 -5.8(-4.5) 1.9(1.7) 4.8 -0.3 -2.3 5.8 -3.0 -0.3 7 178 25.0 -7.2(-6.1) 3.9(3.6) 4.6 0.2 -0.8 5.5 -0.3 -7.0 8 210 15.1 -7.0(-5.6) -2.0(-2.2) 5.1 -0.3 -1.6 7.8 -0.7 -5.5 9 214 24.4 -6.7(-5.4) 0.0(-0.3) 4.6 0.8 -1.5 4.0 0.2 -6.5 10 212 24.4 -7.2(-6.1) 1.6(1.3) 4.8 -0.8 -1.6 6.0 -0.8 -7.3 11 215 18.0 -6.7(-5.5) 3.8(3.4) 4.8 -0.1 -0.5 6.7 -0.5 -6.7 12 201 25.2 -6.7(-5.4) 1.7(1.4) 4.8 0.8 -1.7 4.1 -0.5 -6.2 13 198 31.2 -7.7(-6.1) 3.2(2.7) 5.6 0.3 -1.6 5.2 -0.7 -5.5 14 200 16.3 -7.7(-6.4) 2.2(1.9) 5.1 -0.3 -1.3 7.4 -1.5 0.2 15 210 14.9 -6.9(-5.5) -3.0(-3.4) 5.0 -0.6 -1.6 6.1 -1.6 1.7 ===================================
【0078】
【表9】 =================================== 実 膜 透過光学特性 ガラス面反射 膜面反射 施 厚 −−−−−−−−−−−− −−−−−−− −−−−−−− 例 (nm) Ya a*(a) b*(b) Rg a b Rf a b −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 16 211 17.3 -6.8(-5.4) -3.1(-2.0) 4.9 -0.8 -1.6 7.7 -0.4 -6.4 17 206 12.7 -7.2(-5.7) -0.6(-0.8) 5.1 0.7 -1.6 6.9 -0.4 -6.5 18 184 19.3 -7.1(-5.6) 1.5(1.1) 4.8 0.8 -1.7 5.6 -0.5 -6.2 19 200 18.0 -6.9(-5.6) 1.3(1.0) 4.7 0.9 -1.8 6.9 -0.3 -6.3 20 197 32.7 -7.0(-5.5) -0.1(-0.4) 7.2 0.7 -1.6 4.9 -0.4 -6.6 21 219 14.3 -7.0(-5.5) -2.0(-2.4) 5.1 0.1 -2.3 6.8 -1.7 -2.3 22 196 18.6 -7.2(-6.1) 0.1(-0.2) 4.9 0.6 -1.5 8.2 -0.4 -7.1 23 195 16.1 -6.4(-5.2) -0.8(-1.2) 4.7 0.8 -1.5 5.2 0.2 -6.5 24 201 13.6 -7.5(-6.2) -3.5(-3.8) 4.9 -0.6 -1.6 7.1 -1.6 1.7 25 205 16.7 -6.2(-5.2) -4.0(-4.5) 4.8 -1.2 0.5 6.8 1.9 4.0 26 200 18.6 -6.9(-5.4) -1.7(-1.9) 5.1 0.1 -2.3 6.3 -1.7 -2.3 27 196 21.7 -6.9(-5.6) -1.0(-1.5) 5.3 0.1 -2.2 6.0 -1.6 -2.2 ===================================
【0079】[比較例]以下に比較例について述べる。
前述のように調製した各原料液を用いて、表10に示さ
れる組成比になるように各元素別の原料液を秤量する。
そして全体の固形分比に適合するように、エチルセロソ
ルブを溶媒として希釈し、混合攪拌して、コーティング
液を調合した。
【0080】
【表10】 ================================= 比 骨格 着色成分 固形分 有機化合物 較 −−−−−−−−−−−−−− −−−−−− 例 Si Cu Mn Ni Co Ce Cr (重量%) 種類 量 比率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 43.8 28.1 28.1 0.0 0.0 0.0 0.0 10.0 DMF 15 259 2 43.8 25.5 20.4 0.0 10.2 0.0 0.0 10.5 2EG 15 259 3 48.8 28.4 28.4 0.0 0.0 11.4 0.0 7.0 PEG300 15 457 4 48.8 28.4 28.4 0.0 0.0 0.0 11.4 10.0 PEG300 15 457 =================================
【0081】なお、表中の有機化合物の種類の欄におい
て、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを、
「2EG」はジエチレングリコールを、「PEG300」はポ
リエチレングリコール(分子量=300)をそれぞれ表
す。また有機化合物の「量」および「比率」は表6,7
におけると同じ意味を示す。
【0082】上記調合したコーティング液を、実施例と
同様のガラス基板上にスピンコーティングを行い、その
後は実施例と同じ条件で、風乾・遠赤外線炉熱処理・熱
処理をおこなって着色膜付きガラス板を得た。なお、ス
ピンコーティングの回転数は、比較例1が1500rpmであ
り、比較例3,4が3000rpmであった。なお比較例2は
フレキソコート法で成膜した。
【0083】着色膜を持つガラス板の光学特性について
も、実施例と同様に測定し、結果を表11に示す。な
お、耐薬品性試験、耐めっき試験、耐摩耗性試験につい
ても、同様に測定した。判断基準も、上記実施例と同様
である。耐酸性および耐めっき液性の結果を表12に示
す。
【0084】
【表11】 ================================== 比 膜 透過光学特性 ガラス面反射 膜面反射 較 厚 −−−−−−−− −−−−−−− −−−−−−− 例 (nm) Ya a* b* Rg a b Rg a b −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 240 14.2 -6.1 -6.5 4.8 -1.2 -0.5 3.9 1.8 3.7 2 220 22.0 -6.9 5.6 5.4 0.1 -0.5 11.1 -0.5 -6.7 3 165 44.1 -9.8 11.9 5.9 2.5 -3.9 7.6 0.9 -9.1 4 247 13.0 -6.7 0.3 5.3 0.6 -1.6 5.5 -0.3 -6.6 ==================================
【0085】
【表12】
【0086】各比較例は、着色膜中にNiを含有しない
ので、比較例4を除き、発色状態もよくなく、また着色
膜の耐久性については、いずれの比較例も、耐アルカリ
性、耐ボイル性、および耐摩耗性は良好であるものの、
耐酸性および耐めっき液性が悪く、色抜け(脱色)を起
こしていることがわかった。なお、Ceを含有せずにC
eを含有する比較例3では、Cu、Mnを含んでいるに
もかかわらず、Ce含有により、遷移金属酸化物(C
u、Mn)による光吸収が無くなっていることがわかっ
た。
【0087】[実施例28]ガラス基板として、前記実
施例1〜29で使用したガラス基板と同じ組成と厚みを
有する70cm×140cmの寸法のガラス板を準備す
る。
【0088】実施例16で使用したコーティング液を使
用し、上記ガラス基板の片側表面(車内側になる面)の
うち、その一方の長辺(140cm)の中央部の10c
m×30cmの長方形部分を除いた部分にコーティング
液をフレキソ印刷法により塗布した。塗布したガラス基
板を室温で風乾した後、遠赤外線炉で最高到達温度30
0℃で1分間加熱焼成した。ついで、この着色膜付きガ
ラス板の周辺部をマスキングのプリント処理を行い、2
00℃で2分間、焼成した。さらに、このガラス板表面
の着色膜の所定の位置に、防曇ヒーター兼アンテナの線
用のペーストを線状に塗布し、200℃で2分間加熱し
てプリント処理した。ついでこのガラス板を、公知の曲
げ強化炉の中で760℃で5分間加熱した直後に急冷し
て良好な外観を持つ自動車用リア窓用着色膜付き曲げ強
化ガラス板を得た。
【0089】このガラス板のうち、上記長方形部分は着
色膜で被覆されずにガラス基板の薄黄緑色に着色され、
約52%の視感透過率を有しており、長方形部分以外の
部分は着色膜で被覆されて濃青緑色に着色され、約17
%の視感透過率を有しており、長方形部分およびその他
の部分は曲げ強化処理前と同じ色調を有していた。得ら
れた着色膜は耐薬品性(耐酸性および耐アルカリ性)、
耐ボイル性、耐めっき液性、および耐摩耗性のいずれに
ついても良好な結果を示した。このガラス板はプライバ
シー保護用で、しかも上記長方形部分にハイマウントス
トップランプを設置するのに適していた。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低い視感
透過率と日射透過率及び低い紫外線透過率をもち、色調
範囲が青緑・緑・黄緑領域に亘る広い色調範囲で、さら
に耐薬品性(とくに耐酸性)、耐ボイル性、耐めっき液
性、および耐摩耗性を示す着色膜被覆ガラス物品が得ら
れる。
【0091】また本発明の着色膜被覆ガラス物品は、自
動車窓用、特にプライバシー保護のための自動車の後部
(リア)窓用のガラス板として適している。例えば自動
車の後部窓の内側に設置する停止灯(ハイマウントスト
ップランプ)に面するガラス板部分(停止灯の光が通過
する部分)には着色膜を被覆せず、それ以外の部分に着
色膜を被覆したものを使用することにより、停止灯の発
光を効率よく車外に伝達しながら、プライバシー保護に
適した後部窓が得られる。また、自動車の後部(リア)
窓用または側後部(リアサイド)窓用のガラス板とし
て、ガラス基板の上方部のみに着色膜をパターニングし
たものを使用することにより、熱暑感を和らげるサンシ
ェード効果を有すると同時に優れた視認性を有する窓が
得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 3/095 C03C 3/095 17/27 17/27 (72)発明者 辻野 敏文 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB03 AB09 AC06 AC07 AC08 CA01 CA03 CB04 CB05 4G062 AA01 BB03 DA06 DA07 DB01 DB02 DB03 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 EA01 EB04 EC01 EC02 EC03 ED01 ED02 ED03 EE03 EE04 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FB02 FB03 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 FL02 FL03 GA01 GA10 GB01 GC01 GC02 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM01 NN07 NN12 NN13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表して、 SiO2 65〜80%、 Al23 0〜 5%、 MgO 0〜10%、 CaO 5〜15%、 ただし、MgO+CaO 5〜15%、 Na2O 10〜18% K2O 0〜 5%、 ただし、Na2O+K2O 10〜20%、 B23 0〜 5%、 CeO2 0〜2.0%、 TiO2 0〜2.0%、 Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23) 0.9〜2.2%、 NiO 0〜0.2%、 CoO 0〜0.03%、 ただし、NiO+CoO 0.0010%以上、 Se 0〜0.0008%、 且つFe23に換算したFeOがT-Fe23の10〜
    40%、の組成を有し、A光源を用いて測定した視感透
    過率(Ya)が35〜65%、ガラスの日射透過率(T
    g)が50%以下、ISO規格に規定される紫外線透過
    率(Tuv(ISO))が15%以下、および、L***
    色系で表して、a*が−15〜−6で、かつb*が−5〜
    8の範囲の透過色度を有し、C光源を用いて測定した主
    波長(DW)が480〜550nmの範囲内にあり、刺
    激純度(Pe)が11%以下であるガラス基板と、その
    表面の少なくとも一部に被覆された50〜300nm厚
    みの着色膜からなり、前記着色膜は、Si、Alおよび
    Bからなる群より選ばれた少なくとも一種のガラス骨格
    の形成成分元素の酸化物と、着色成分としての遷移金属
    元素の酸化物からなり、前記ガラス骨格の形成成分元素
    原子の総和は、前記着色膜中の酸素を除く構成元素の全
    原子に対するモル%比率で表して、20〜70%であ
    り、前記遷移金属元素原子の含有量は、それぞれ前記着
    色膜中の酸素を除く構成元素の全原子に対するモル%比
    率で表して、 Cu:10〜50%、 Mn:10〜50%、 Ni:1.0〜20%、 Co:0〜20%、 である着色膜被覆ガラス物品。
  2. 【請求項2】 前記着色膜中のNiが、4〜20モル%
    である請求項1に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板が、L***表色系で
    表して、a*が−15〜−9、かつb*が0〜7である請
    求項1または2に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  4. 【請求項4】 前記ガラス基板が、L***表色系で
    表して、a*が−12〜−9で、かつb*が0〜4である
    請求項1または2に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  5. 【請求項5】 前記着色膜被覆ガラス物品が、L**
    *表色系で表して、a*が−8〜−4で、かつb*が−5
    〜5の範囲の色度で表される透過色を有する請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  6. 【請求項6】 前記着色膜被覆ガラス物品が、L**
    *表色系で表して、a*が−7〜−5で、かつb*が−3
    〜2の範囲の色度で表される透過色を有する請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  7. 【請求項7】 前記着色膜被覆ガラス物品が、L**
    *表色系で表して、a*が−7〜−5で、かつb*が−3
    〜1の範囲の色度で表される透過色を有する請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  8. 【請求項8】 前記着色膜被覆ガラス物品は5〜35%
    の視感透過率(Ya)を有する請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  9. 【請求項9】 前記着色膜被覆ガラス物品は15〜25
    %の視感透過率(Ya)を有する請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  10. 【請求項10】 前記ガラス基板は自動車の後部窓用ま
    たは側後部窓用のガラス板である請求項1〜9のいずれ
    か1項に記載の着色膜被覆ガラス物品。
  11. 【請求項11】 前記ガラス基板は自動車の後部窓用ガ
    ラス板であり、前記着色膜は、前記ガラス基板のうち、
    窓の内側に設置する停止灯に面する部分を除く部分に被
    覆されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色
    膜被覆ガラス物品。
  12. 【請求項12】 前記ガラス基板は自動車の後部窓用ま
    たは側後部窓用のガラス板であり、前記着色膜は、前記
    ガラス基板のうち、後部窓または側後部窓の上部に相当
    する部分に被覆されている請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の着色膜被覆ガラス物品。
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