JP2001200106A - 難燃性重合体組成物 - Google Patents
難燃性重合体組成物Info
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Abstract
てもハロゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リ
ンや鉛等の環境汚染物質を含有することがなく、さら
に、成形加工性、引張強さ、引張伸び、可撓性(耐折り
曲げ白化性)、耐屈曲性及び柔軟性等の諸物性のバラン
スに優れ、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆
材、絶縁テープ等の工業用材料等の用途に特に有用な難
燃性のオレフィン系重合体組成物を提供する。 【解決手段】(A)(a−1)オレフィン系重合体1〜
99重量%、並びに(a−2)共役ジエン系重合体の共
役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和された水添
共役ジエン系重合体及び/又は(a−3)エチレンと炭
素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体
99〜1重量%からなる混合物100重量部に対し、
(B)無機系難燃剤を5重量部以上含有することを特徴
とする難燃性重合体組成物。
Description
物に関する。さらに詳しくは、難燃性に優れるととも
に、燃焼した場合であってもハロゲンガス等の有毒ガス
の発生がなく、また、リンや鉛等の環境汚染物質を含有
することがなく、さらに、成形加工性、引張強さ、引張
伸び、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性及び柔軟
性等の諸物性のバランスに優れ、機器内配線や自動車用
ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用材料等
の用途に特に有用な難燃性のポリオレフィン系重合体組
成物に関する。
理的性質及び化学的性質に優れるところから、押出成
形、射出成形等の種々の方法で、フィルム、シート、パ
イプ、容器、電線、ケーブル等に成形され、家庭用品及
び工業用材料として汎用されている。このようなオレフ
ィン系樹脂は、易燃性であるため、これを難燃化するた
めの方法が従来から種々開示されている。例えば、
系樹脂にハロゲン系の有機難燃剤を用いる方法が知られ
ている。しかし、これらの難燃剤は少量の配合で難燃効
果を発揮するものの、燃焼時に腐食性で有毒なガスを発
生するという問題がある。
ない難燃性プロピレン樹脂組成物が開示されている(例
えば、特開平2−263851号公報)。しかし、この
組成物は、難燃剤として、リン系の難燃剤を用いてお
り、その吸湿性に基づくブリードを防止する必要があ
り、ブリードの防止については、オレフィン系合成ゴム
及びシランカップリング剤の配合によって一定の改良が
認められるものの、可撓性や柔軟性等の物性及び無公害
かつ環境調和の観点からは必ずしも十分に満足し得るも
のではなかった。
プロピレン共重合ゴム、テトラブロモビスフェノールS
のビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル及び三酸
化アンチモンを有する難燃性ポリプロピレン組成物が開
示されている(特開昭61−183337号公報)。し
かし、この組成物は、難燃剤としてテトラブロモビスフ
ェノールSのビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテ
ルを用いているが、この化合物はいわゆる環境ホルモン
の疑いがあり、環境調和の観点から必ずしも十分に満足
し得るものではなかった。また、この組成物は、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴムを用いていることから衝撃強
度においては一定の改良が認められるものの、例えば、
電線被覆材として用いられる場合、配線、組み立て時に
要求される柔軟性については必ずしも十分に満足し得る
ものではなかった。
燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等の無機系金属化合物の水和物を用いる方法が開示され
ている(例えば、特開平10−279736号公報)。
しかし、このような無機系金属化合物の水和物を用いた
難燃性組成物においては、難燃性を高めるためには無機
系金属化合物の水和物の充填量を高める必要があり、充
填量を高めると機械的特性、特に引張伸びが低下し、ま
た成形加工性が低下するという問題がある。
鑑みなされたもので、難燃性に優れるとともに、燃焼し
た場合であってもハロゲンガス等の有毒ガスの発生がな
く、また、リンや鉛等の環境汚染物質を含有することが
なく、さらに、成形加工性、引張強さ、引張伸び、可撓
性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性及び柔軟性等の諸物
性のバランスに優れ、機器内配線や自動車用ハーネス等
の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用材料等の用途に特
に有用な難燃性のポリオレフィン系重合体組成物を提供
することを目的とする。
成するため鋭意研究した結果、(A)ポリオレフィン系
重合体、並びに特定の水添共役ジエン系重合体及び/又
はエチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのラ
ンダム共重合体からなる混合物100重量部に対し、
(B)無機系難燃剤を5重量部以上含有させることによ
って、燃焼時に有毒ガスの発生がなく、また、環境汚染
物質を含有することがなく、かつ上記諸特性を全て満足
する難燃性重合体組成物が得られることを知見し本発明
を完成させた。 すなわち、本発明によって、下記の難
燃性重合体組成物が提供される。
重合体1〜99重量%、並びに(a−2)共役ジエン系
重合体の共役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和
された水添共役ジエン系重合体及び/又は(a−3)エ
チレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体99〜1重量%からなる混合物100重量部
に対し、(B)無機系難燃剤を5重量部以上含有するこ
とを特徴とする難燃性重合体組成物。
1)ポリオレフィン系重合体が、未変性のポリオレフィ
ン系重合体と、官能基を含む変性ポリオレフィン系重合
体との混合物である前記[1]に記載の難燃性重合体組
成物。
含まれる官能基が、酸無水物基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ
基からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記
[2]に記載の難燃性重合体組成物。
2)水添共役ジエン系重合体の、水添前の共役ジエン部
分の側鎖ビニル結合含量が、55重量%以上である前記
[1]に記載の難燃性重合体組成物。
3)エチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとの
ランダム共重合体が、エチレンと1−ブテンとのランダ
ム共重合体及びエチレンと1−オクテンとのランダム共
重合体又はそのいずれかである前記[1]に記載の難燃
性重合体組成物。
マグネシウム及び水酸化アルミニウム又はそのいずれか
からなるものである前記[1]に記載の難燃性重合体組
成物。
カップリング剤で表面処理をしたものである前記[2]
又は[6]に記載の難燃性重合体組成物。
物の実施の形態を具体的に説明する。本発明の難燃性重
合体組成物は、(A)(a−1)ポリオレフィン系重合
体(1〜99重量%、並びに(a−2)共役ジエン系重
合体の共役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和さ
れた水添共役ジエン系重合体及び/又は(a−3)エチ
レンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム
共重合体99〜1重量%からなる混合物(以下、「混合
物(A)」ということがある)100重量部に対し、
(B)無機系難燃剤(以下、「無機系難燃剤(B)」と
いうことがある)を5重量部以上含有することを特徴と
する。以下、各構成要素ごとにさらに具体的に説明す
る。
レフィン系重合体(以下、「ポリオレフィン系重合体
(a−1)」ということがある)1〜99重量%、並び
に(a−2)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二
重結合の80%以上が飽和された水添共役ジエン系重合
体(以下、「水添共役ジエン系重合体(a−2)」とい
うことがある)及び/又は(a−3)エチレンと炭素数
が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体(以
下、「エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a
−3)」ということがある)99〜1重量%からなるも
のである。
は、1種又は2種以上のモノオレフィンを高圧法又は低
圧法のいずれかによる重合から得られる結晶性のポリオ
レフィン樹脂(重合体)であり、中でも、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン−1が好ましい。この
ポリオレフィン樹脂は単独重合体であってもよく、下記
に示す、他のモノマと共重合してなる共重合体であって
もよい。
ば、エチレン(主たる重合体がポリエチレンの場合は除
く)、プロピレン(主たる重合体がポリプロピレンの場
合は除く)、ブテン−1(主たる重合体がポリブテン−
1である場合は除く)、ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィ
ン;4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−
1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−
1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1等の分岐状α−オレフィン;並びに、前記α−オ
レフィンと共重合することができるモノマーを挙げるこ
とができる。これら共重合可能なモノマー成分の配合量
としては、好ましくは20重量%以下、さらに好ましく
は10重量%以下である。これらを共重合した場合の共
重合体の様式については特に制限はなく、例えば、ラン
ダム型、ブロック型、グラフト型、これらの混合型等の
いずれであってもよい。
用いられる好ましい共重合体としては、プロピレン−エ
チレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ブ
テン−1−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−
ブテン−1共重合体等を挙げることができる。これらポ
リポリオレフィン系重合体は1種単独で又は2種以上を
組合わせて用いることができる。
は、上述のポリオレフィン系重合体に、酸無水物基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネ
ート基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なく
とも1種を含む変性ポリオレフィン系重合体を用いるこ
ともでき、また、未変性のポリオレフィン系重合体と、
官能基を含む変性ポリオレフィン系重合体との混合物を
用いることもできる。混合物を用いる場合の混合比は、
未変性のポリオレフィン系重合体100重量部に対し
て、変性ポリオレフィン系重合体を5〜150重量部混
合することが好ましい。5重量部未満であると、機械的
強度の改良効果が不十分となることがあり、150重量
部を超えると、引張伸びが低下することがある。
物(A)中における配合量は、1〜99重量%であり、
好ましくは、20〜80重量%である。1重量%未満で
あると、本発明の組成物の機械的強度、耐熱性が低下
し、99重量%を超えると、引張伸び及び柔軟性が低下
する。
としては、例えば、共役ジエンの単独重合体、共役ジエ
ンと芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体、芳香族
ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重
合体ブロックとからなるブロック共重合体、芳香族ビニ
ル化合物の重合体ブロックと共役ジエン及び芳香族ビニ
ル化合物のランダム共重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブロックと共役
ジエン及び芳香族ビニル化合物の共重合体ブロックとか
らなるブロック共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブ
ロックと芳香族ビニル化合物及び共役ジエンからなり芳
香族ビニル化合物が漸増するテーパー状ブロックとから
なるブロック共重合体、共役ジエン及び芳香族ビニル化
合物のランダム共重合体ブロックと芳香族ビニル化合物
及び共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増する
テーパー状ブロックとからなるブロック共重合体、ビニ
ル結合が30重量%以下のポリブタジエンブロックとビ
ニル結合が30重量%を超える共役ジエン化合物の重合
体ブロックとからなるブロック共重合体等のジエン系重
合体(以下、「水添前重合体」ということがある)の水
素添加物等を挙げることができる。
において、水添前共重合体の共役ジエン部分の側鎖ビニ
ル結合含量(水添前共重合体の共役ジエン部分の1,2
−及び3,4−ビニル結合の割合)としては特に制限は
ないが、55重量%以上であることが好ましい。55重
量%未満であると、折り曲げ白化性の改良効果が不十分
となることがある。
は、官能基で変性したものであってもよく、例えば、酸
無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ
基、イソシアネート基、及びエポキシ基からなる群から
選ばれる少なくとも1種を含む官能基変性重合体であっ
てもよい。
と芳香族ビニル化合物との配合割合(共役ジエン化合物
/芳香族ビニル化合物)は、重量比で、95/5〜40
/60が好ましく、さらに好ましくは93/7〜50/
50である。
られる共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエ
チル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オ
クタジエン、クロロプレン等を挙げることができるが、
工業的に利用でき、また物性の優れた水添共役ジエン系
重合体を得るためには、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジ
エン、イソプレンがさらに好ましい。また、芳香族ビニ
ル化合物としては、例えば、スチレン、α―メチルスチ
レン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルス
チレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジン等を挙げることができ、スチレン、
α−メチルスチレンが好ましい。
用により重合体分子鎖がカップリング残基を介して延長
又は分岐された重合体であってもよい。この際用いられ
るカップリング剤としては、例えば、アジピン酸ジエチ
ル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブ
チルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロ
ロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−ク
ロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等を挙げるこ
とができる。
としては、2種又はそれ以上の水添前重合体のブレンド
物を水素添加したものであってもよい。さらに、2種又
はそれ以上の水添共役ジエン系重合体同士のブレンド物
であってもよい。
役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加したもの
であり、共役ジエン部分の二重結合の80%以上、好ま
しくは90%以上が飽和されたものである。飽和の割合
が80%未満であると、耐候性等が低下する。
しい数平均分子量は、1万〜70万、さらに好ましくは
5万〜60万である。1万未満であると、水添共役ジエ
ン系重合体をペレット化した場合ブロッキングしやすく
なり、かつポリポリオレフィン系重合体(a−1)とブ
レンドした場合、機械的強度が低下する。70万を超え
ると、流動性、加工性、成形外観等が劣るものとなる。
えば、特開平3−72512号公報第4頁右上欄第13
行〜第6頁左下第1行、特開平5−271325号公報
第3頁左欄42行〜第7頁右欄19行、特開平5−27
1327号公報第3頁左欄36行〜第7頁右欄31行に
開示されている方法によって得ることができる。
合物(A)中における配合量は、1〜99重量%であ
り、好ましくは、20〜80重量%である。1重量%未
満であると、引張伸び及び柔軟性が低下し、99重量%
を超えると、機械的強度及び耐熱性が低下する。後述す
るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a−
3)と併用する場合の配合量は、エチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(a−3)との合計で、1〜99
重量%であり、好ましくは、20〜80重量%である。
共重合体(a−3) 本発明に用いられるエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体(a−3)は、エチレン成分の含有率が、好ま
しくは35〜85重量%、さらに好ましくは40〜85
重量%のものである。35重量%未満であると、本発明
の難燃性重合体組成物の引張り特性が低下することがあ
り、85重量%を超えると、耐屈曲性が低下することが
ある。また、DSC(示査熱走査計)によって測定され
る融点ピークが、好ましくは100℃以下、さらに好ま
しくは95℃以下のものである。100℃を超えると、
本発明の難燃性重合体組成物の耐屈曲性が低下すること
がある。この共重合体を構成するα−オレフィン成分の
炭素数は、3〜10であり、引張強度及び引張伸びの観
点からは、4〜10が好ましい。
共重合体(a−3)は、官能基を含む変性エチレン・α
−オレフィンランダム共重合体であってもよい。このよ
うな官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、及びエポ
キシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種のを挙げ
ることができる。変性エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体は、変性ポリポリオレフィン系重合体と同様
な方法で製造することができる。
体(a−3)を構成するα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン等
を挙げることができる。中でも、1−ブテン、1−オク
テンが好ましい。従って、エチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(a−3)の好ましい具体例としては、
エチレンと1−ブテンとのランダム共重合体及びエチレ
ンと1−オクテンとのランダム共重合体又はそのいずれ
かを挙げることができる。
共重合体(a−3)は、本発明の難燃性重合体組成物の
特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合
性モノマーとの共重合体であってもよい。このような他
の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニル
シクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボ
ルネン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽
和有機酸又はその無水物;1,4−ヘキサジエン、1,
6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエ
ン、6−メチルー1,5−ヘプタジエン、7−メチル−
1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロ
ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−イソプロピルデン−2−ノルボルネン、6−クロロメ
チル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3
−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリ
デン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−
プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリ
エン類等を挙げることができる。
体(a−3)は、このような他の重合性モノマーから導
かれる単位を、全繰り返し構造単位の10モル%以下、
好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以
下の量で含有していてもよい。
体(a−3)は、エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体を1種単独で用いてもよく、また2種以上を組合
わせて用いてもよい。
体(a−3)のメルトフローレート(MFR:温度23
0℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.01〜1
00g/10分、さらに好ましくは0.05〜50g/
10分である。100g/10分を超えると、本発明の
難燃性重合体組成物の機械的強度が低下することがあ
り、0.05未満であると、組成物の流動性、加工性、
成形外観等が劣るものとなることがある。
体(a−3)の、混合物(A)中における配合量は、1
〜99重量%であり、好ましくは、20〜80重量%で
ある。1重量%未満であると、引張伸び及び柔軟性が低
下し、99重量%を超えると、機械的強度及び耐熱性が
低下する。水添共役ジエン系重合体(a−2)と併用す
る場合の配合量は、水添共役ジエン系重合体(a−2)
との合計で、1〜99重量%であり、好ましくは、20
〜80重量%である。
る無機系難燃剤(B)としては、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸
マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、酸化錫の水和物、硼砂
等の無機金属化合物の水和物,赤リン等を挙げることが
できる。中でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムが好ましい。これら無機系難燃剤(B)は1種単独
で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
表面を、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の
脂肪酸又はその金属塩;パラフィン、ワックス、ポリエ
チレンワックス、又はそれらの変性物;有機ボラン、有
機チタネート等の有機金属化合物;シランカップリング
剤等で表面処理をしたものであってもよい。中でも、ポ
リオレフィン系重合体が未変性のポリオレフィン系重合
体と官能基を含む変性ポリオレフィン系重合体との混合
物である場合、シランカップリング剤で表面処理をした
ものは、引張強度の改良効果が著しいので好ましい。
(B)の難燃効果を高めるために、必要に応じて、ポリ
燐酸アンモニウム系難燃剤、燐酸エステル等の燐系難燃
剤、シリコーン化合物;石英硝子等を用いてもよく、ま
た難燃助剤として、水ガラス、フリット等を用いてもよ
く、さらに、ドリップ防止のため窒化珪素短繊維等を用
いてもよい。
は、混合物(A)100重量部に対し、5重量部以上、
好ましくは、25重量部以上、さらに好ましくは、50
重量部以上である。5重量部未満であると、十分な難燃
性を有する組成物が得られない。上限としては特に制限
はないが、例えば、500重量部を挙げることができ
る。
じて、従来公知の方法により、硫黄架橋、過酸化物架
橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋等によって
架橋されたものであってもよい。
限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、
各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等
の公知の混練機、及びそれらを組み合わせた混練機によ
り溶融混練する方法、また射出成形機でドライブレンド
する方法等を挙げることができる。本発明の組成物を製
造するには、各成分を一括して混合してもよく、任意の
成分をあらかじめ予備混合したのち、残りの成分を混合
してもよい。
ば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サンドイッチ
成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成形、パウ
ダースラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成形、カレン
ダー成形、ブロー成形等によって、実用上有用な成形品
に加工することができる。また、必要に応じて、発泡、
粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキ等の加工を施し
てもよい。
加剤、例えば、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不
活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定
剤;防菌・防かび剤;分散剤;軟化剤;可塑剤;発泡
剤;発泡助剤;酸化チタン、カーボンブラック等の着色
剤;フェライト等の金属粉末;ガラス繊維;金属繊維等
の無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維;複
合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカ
ー;ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、
アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリ
ン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットン
フロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリ
マービーズ等の充填剤又はこれらの混合物;ポリオレフ
ィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉等の充填
剤;低分子量ポリマー等を配合してもよい。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限を受けるものではない。なお、実施例、比較例中の部
及び%は、特に断らない限り重量基準である。また、実
施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。 1,2−結合等の側鎖ビニル結合含量 1,2−結合等の側鎖ビニル結合含量は、赤外分析法を
用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 共役ジエンの水添率は、四塩化エチレンを溶媒に用い、
100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。 水添共役ジエン系重合体の数平均分子量 水添共役ジエン系重合体の数平均分子量(以下、「分子
量」ともいう)は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で求めた。 エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のエチレン
成分含有量 赤外分析法を用いて測定した。 流動性 JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.1
6kgでのメルトフローレート(MFR)を測定し、成
形加工性の指標とした。 引張特性 JIS K6301に従ってサンプルの引張強さ、伸び
を測定した。 可撓性(耐折り曲げ白化性) 厚さ2mmの短冊状シートを180度折り曲げて、外側
の白化程度を観察し、下記の基準で評価した。 ○:ほとんど白化しないか、又は白化しない場合 △:やや白化が観察される場合 ×:白化が著しい場合 耐屈曲性 厚さ2mmの短冊状シートの180度折り曲げを10回
行い、下記の3段階で評価した。 ○:亀裂なし △:やや亀裂が観察される ×:割れる 酸素指数(O.I.) JIS K7201に従って酸素指数を測定した。酸素
指数は、所定の試験条件下において、材料の燃焼を持続
するために必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表
される最低酸素濃度の数値であり、この値が大きな程、
難燃性に優れていることになる。
分は、以下の通りである。 1.混合物(A) (1)ポリオレフィン系重合体(a−1) 未変性ポリオレフィン系重合体 P−1:プロピレン−エチレンランダム共重合体(日本
ポリオレフィン(株)製、商品名:MD772H、MF
R=30g/10分) P−2:プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本
ポリケム(株)製、商品名:BC05B、MFR=50
g/10分) P−3:日本ポリケム(株)製 低密度ポリエチレン、
LJ800、MFR=18g/10分(190℃、2.
16kg荷重)
(株)製、商品名:ユーメックス1001) Q−2:水酸基変性のポリプロピレン(三洋化成工業
(株)製、商品名:ユーメックス1210)
(S−1〜S−9)。
共重合体(a−3) EP:エチレン・プロピレンランダム共重合体(JSR
(株)製、商品名:EP961SP、MFR=0.8g
/10分(230℃、2.16kg)、エチレン含量=
77重量%、融点=41℃) EB:JSR(株)製、EBM2021P(エチレン・
1−ブテンランダム共重合体)、MFR=1.3g/1
0分(190℃、2.16kg)、エチレン含量=80
重量%、融点=69℃ EO:エチレン・1−オクテンランダム共重合体(ダウ
・ケミカル社製、商品名:ENGAGE8003、MF
R=1g/10分(190℃、2.16kg)、エチレ
ン含量=82重量%、融点=86℃) M−EP:無水マレイン酸変性エチレン・プロピレンラ
ンダム共重合体(JSR(株)製、商品名:EPT77
41P、MFR=0.8g/10分(230℃、2.1
6kg)、エチレン含量=77重量%、融点=41℃)
ウム(協和化学(株)製、商品名:キスマ5A) X−2:シランカップリング剤にて表面処理された水酸
化マグネシウム(協和化学(株)製、商品名:キスマ5
NH)
製、商品名:DC4−7105
及び水添共役ジエン系重合体(a−2)、並びに無機系
難燃剤(B)を220℃に設定した単軸押出機を用い
て、表3〜7に示す配合処方で混合・ペレット化し、射
出成形により物性評価用の試験片を作製した。物性評価
の結果を表3〜7に示す。表3〜7に示す実施例1〜2
7の結果から、本発明の樹脂組成物は、表8に示す比較
例1〜3に比べて、引張強さ、引張伸び、難燃性、柔軟
性、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性のバランス
に優れることがわかる。また、表5に示す実施例15〜
16、表7に示す実施例23、27は、水添共役ジエン
系重合体とともにゴム質重合体として、EP(エチレン
−プロピレン共重合体)[日本合成ゴム(株)製、商品
名:EP02P]、EO(エチレン−オクテン共重合
体)[ダウ・ケミカル製、商品名:ENGAGE820
0]、M−EP(無水マレイン酸変性エチレン−プロピ
レン共重合体)[JSR(株)製、EPT7741P]
を用いた場合であり、いずれも引張強さ、引張伸び、難
燃性、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性のバラン
スに優れることがわかる。
本発明の範囲外であるため、引張強さ、引張伸び、難燃
性、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性のバランス
が劣る。
及びエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(a−
3)、並びに無機系難燃剤(B)を220℃に設定した
単軸押出機を用いて、表9〜13に示す重量比率で混合
・ペレット化し、射出成形により物性評価用の試験片を
作製した。物性評価の結果を表9〜13に示す。なお、
表9〜13の配合処方の数値は、重量部である。
から、以下のことがわかる。本発明の実施例28〜38
の組成物は、表13に示す比較例4〜6の組成物と比べ
て、引張強さ、引張伸び、難燃剤、及び可撓性のバラン
スに優れている。これに対し、比較例6の組成物は、エ
チレン・α−オレフィンランダム共重合体(a−3)が
配合されていないため、引張伸びが小さく僅かな変形に
よって破壊し易い。比較例4は、ポリオレフィン系重合
体(a−1)が配合されていないため、引張強度に劣り
僅かな応力により大きく変形する。
難燃性に優れるとともに、燃焼した場合であってもハロ
ゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等
の環境汚染物質を含有することがなく、さらに、成形加
工性、引張強さ、引張伸び、可撓性(耐折り曲げ白化
性)、耐屈曲性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優
れ、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶
縁テープ等の工業用材料等の用途に特に有用な難燃性の
ポリオレフィン系重合体組成物を提供することができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】(A)(a−1)ポリオレフィン系重合体
1〜99重量%、並びに(a−2)共役ジエン系重合体
の共役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和された
水添共役ジエン系重合体及び/又は(a−3)エチレン
と炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重
合体99〜1重量%からなる混合物100重量部に対
し、(B)無機系難燃剤を5重量部以上含有することを
特徴とする難燃性重合体組成物。 - 【請求項2】前記(A)成分を構成する(a−1)ポリ
オレフィン系重合体が、未変性のポリオレフィン系重合
体と、官能基を含む変性ポリオレフィン系重合体との混
合物である請求項1に記載の難燃性重合体組成物。 - 【請求項3】前記変性ポリオレフィン系重合体に含まれ
る官能基が、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基から
なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記
載の難燃性重合体組成物。 - 【請求項4】前記(A)成分を構成する(a−2)水添
共役ジエン系重合体の、水添前の共役ジエン部分の側鎖
ビニル結合含量が、55重量%以上である請求項1に記
載の難燃性重合体組成物。 - 【請求項5】前記(A)成分を構成する(a−3)エチ
レンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム
共重合体が、エチレンと1−ブテンとのランダム共重合
体及びエチレンと1−オクテンとのランダム共重合体又
はそのいずれかである請求項1に記載の難燃性重合体組
成物。 - 【請求項6】前記(B)無機系難燃剤が、水酸化マグネ
シウム及び水酸化アルミニウム又はそのいずれかからな
るものである請求項1に記載の難燃性重合体組成物。 - 【請求項7】前記(B)無機系難燃剤が、シランカップ
リング剤で表面処理をしたものである請求項2又は6に
記載の難燃性重合体組成物。
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