JPH07182930A - 被覆電線 - Google Patents
被覆電線Info
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- JPH07182930A JPH07182930A JP6304284A JP30428494A JPH07182930A JP H07182930 A JPH07182930 A JP H07182930A JP 6304284 A JP6304284 A JP 6304284A JP 30428494 A JP30428494 A JP 30428494A JP H07182930 A JPH07182930 A JP H07182930A
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Abstract
難燃性、引張特性、耐熱性及び耐摩耗性を有し、燃焼時
において多量の煙や有害な腐食性ガスを発生せず、かつ
被覆皮剥工程における端末加工性が良好であり、さら
に、コスト低廉で高速加工製造が可能である被覆電線を
提供する。 【構成】 (a)ポリプロピレン系樹脂40重量%以
上、(b)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性
された変性ポリエチレン1.5〜30重量%、及び
(c)エチレン系共重合体を48重量%未満を樹脂成分
として含有する樹脂混合物100重量部に対して、
(d)金属水和物50〜180重量部を配合してなる組
成物の被覆を、導体外周に形成させた被覆電線である。
Description
器の内部配線として好適な被覆電線に関し、詳しくは、
優れた難燃性、引張特性、耐熱性及び耐摩耗性を有し、
燃焼時において多量の煙や有害な腐食性ガスを発生せ
ず、さらに被覆皮剥工程における端末加工性が良好であ
り、かつ、高速押出による生産性に優れた被覆電線に関
する。
406に定められる自動車用電線や電子機器の内部配線
に使用される電線には、難燃性、引張特性、耐熱性、耐
摩耗性など種々の特性が要求されている。このため、こ
れら電線の被覆用材料としては、PVCあるいはハロゲ
ン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主
として使用されていた。しかしながら、このような電線
は燃焼時に多量の煙、腐食性ガスを発生するといった問
題点があることから、近年、燃焼時において煙の発生が
少なく、腐食性ガスの発生のない電線の研究が進められ
ている。そこで、これら電線の被覆材料としては、金属
水和物を高充填したエチレン系共重合体(エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体など)を使用することが検討されている。しかし、
これらの材料で被覆された電線は、引張強度や耐摩耗性
などの機械特性、耐熱性の面において自動車用電線や電
子機器の内部配線に使用する電線として満足できるもの
ではなかった。ところで、機械特性、耐熱性に優れるポ
リプロピレン組成物を被覆した電線の例が、特開昭62
−131052号公報に開示されているが、この組成物
を被覆した電線を自動車用電線として使用した場合、そ
の実施例にあるように、破断時応力が2〜10MPa程
度と引張強度が不足していることが問題であった。ま
た、その電線押出成形速度は10〜80m/min程度
と実際上、工業的に必要な電線押出成形速度である40
0〜500m/minと比較して極端に低速でしか成形
できず、高価となることも問題であった。さらに金属水
和物を高充填した組成物を導体外周に被覆した場合、ワ
イヤーストリッパーやキャスティングマシンを使用した
電線端末部の被覆皮剥工程において、被覆残渣が発生
し、装着する端子との接点不良を起こすという問題があ
った。
車用電線や電子機器の内部配線に必要な難燃性、引張特
性、耐熱性及び耐摩耗性を有し、燃焼時において多量の
煙や有害な腐食性ガスを発生せず、かつ被覆皮剥工程に
おける端末加工性が良好であり、さらに、安価な電線を
製造するために重要な要素である導体外周への被覆によ
る高速加工製造が可能である電線を提供することであ
る。
めに本発明においては、 (1)(a)ポリプロピレン系樹脂40重量%以上、
(b)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性され
た変性ポリエチレン1.5〜30重量%、及び(c)エ
チレン系共重合体を48重量%未満を樹脂成分として含
有する樹脂混合物100重量部に対して、(d)金属水
和物50〜180重量部を配合してなる組成物の被覆
を、導体外周に形成させたことを特徴とする被覆電線、
及び(2)前記樹脂混合物が、さらに(e)芳香族ビニ
ル−ジエンブロック共重合体を20重量%以下の範囲で
含有する(1)項記載の被覆電線が提供される。さらに
本発明の被覆電線の好ましい態様として以下のものが挙
げられる。(3)前記(a)ポリプロピレン系樹脂が、
エチレン成分の割合が0.5〜6.0重量%であるエチ
レン・プロピレンランダム共重合体を50重量%以上含
む前記(1)項記載の被覆電線、(4)前記(b)変成
ポリエチレンが無水マレイン酸で変成されたポリエチレ
ンである前記(1)項記載の被覆電線、(5)前記
(c)エチレン系共重合体が、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、又はそ
れらの混合物である前記(1)項記載の被覆電線、
(6)前記(d)金属水和物が水酸化マグネシウムであ
る前記(1)項記載の被覆電線、(7)前記(e)芳香
族ビニル−ジエンブロック共重合体がスチレン−水添ブ
タジエン−スチレン共重合体である前記(2)項記載の
被覆電線。
電線の被覆材となる組成物に用いる各成分について説明
する。 (a)ポリプロピレン系樹脂 本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂として
は、エチレン・プロピレンランダム共重合体を50重量
%以上含有するものが好ましく、エチレン・プロピレン
ランダム共重合体以外のポリプロピレン系樹脂として、
エチレン・プロピレンブロック共重合体、ポリプロピレ
ン単独重合体、プロピレン・1−ブテンブロック共重合
体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピ
レン・4−メチルペンテン−1ブロック共重合体、プロ
ピレン・4−メチルペンテン−1ランダム共重合体、プ
ロピレン・1−ヘキセンブロック共重合体及びプロピレ
ン・1−ヘキセンランダム共重合体から選ばれる1種ま
たは2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。とりわ
け、エチレン・プロピレンランダム共重合体の割合が6
0重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ま
しくは80重量%以上のものを用いることが好ましい。
ここで用いられるエチレン・プロピレンランダム共重合
体は、エチレンとプロピレンとが実質的にランダム状に
重合したものであって、好ましくはエチレン含有量が
0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜5重量%であ
るものである。本発明のランダムコポリマーにおいて
は、エチレンはプロピレンと実質上ランダム状に結合し
ており、ブロックコポリマーとは異なってドメイン構造
を殆どとらない。エチレン含有量が0.5重量%未満の
ランダム共重合体は、フィラー受容性が乏しく、金属水
和物等を混練したときの引張強度や伸びの低下が大きい
から好ましくない。一方、エチレン含有量が6重量%を
越えるものは耐熱性に劣るから好ましくない。ポリプロ
ピレン系樹脂中におけるエチレン−プロピレンランダム
共重合体の占める割合が50重量%以上の場合、そのよ
うな組成物で導体外周を被覆した電線は、引張強度や伸
びが大きく、可とう性に優れるため、自動車や電子機器
の内部における配線がより自在に行える。ポリプロピレ
ン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜
20g/10分(荷重2.16kgf、230℃)の範
囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10g/10
分(荷重2.16kgf、230℃)の範囲である。エ
チレン・プロピレンランダム共重合体のメルトフローレ
ート(MFR)は、0.5〜10g/10分(荷重2.
16kgf、230℃)の範囲が好ましい。
る変性ポリエチレンは、ポリエチレンを、不飽和カルボ
ン酸及び/またはその誘導体(以下「不飽和カルボン酸
等」と略称する)で変性したものである。ポリエチレン
を不飽和カルボン酸等で変成するには、例えば、パーオ
キサイドの存在下、当該パーオキサイドの1分間半減期
温度以上の温度でポリエチレンと不飽和カルボン酸等と
を溶融、混練する等の方法を用いることができる。ま
た、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の不活
性溶媒の存在下で上記のポリエチレンを上記不飽和カル
ボン酸等と反応させてもよい。ポリエチレンと混練する
不飽和カルボン酸等及びパーオキサイドの割合は、ポリ
エチレン100重量部に対し、各々0.01〜1.0重
量部及び0.01〜0.5重量部とすることが好まし
い。ポリエチレンとしては、例えば超低密度ポリエチレ
ン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリ
エチレン(MDPE)、及び/または高密度ポリエチレ
ン(HDPE)が用いられる。そのMFRは0.5〜1
0g/10分(荷重2.16kgf、190℃)の範囲
のものが好ましい。不飽和カルボン酸としては、例えば
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸が用いられる。不飽
和カルボン酸誘導体としては、マレイン酸モノエステ
ル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン
酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン
酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル等があ
る。変成ポリエチレンとしては、無水マレイン酸で変成
されたポリエチレンが好ましい。
重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エ
チレン・プロピレンゴムなどのエチレン系共重合体が挙
げられる。これらのエチレン系共重合体のうち、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル
共重合体等のエチレン・アクリル酸エステル共重合体、
またはそれらの混合物が好ましく、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体が特に好ましい。これらのエチレン系共重合
体においては、コモノマーの割合が8〜30重量%であ
るものが特に好ましい。またMFRは0.1〜10g/
10分(荷重2.16kgf、190℃)の範囲が好ま
しい。 (d)金属水和物 本発明において、被覆組成物に配合される金属水和物の
種類に特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和
珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪
酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等の水酸基あるい
は結晶水を有する無機化合物が挙げられる。これらの金
属水和物は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組
み合わせて用いてもよいが、最も好ましいものは水酸化
マグネシウムである。これらの金属水和物においては
0.3〜1.0μの範囲の結晶粒子径を有しているもの
で、凝集が殆ど無いものが好ましい。このようなものと
しては、例えば協和化学工業株式会社製水酸化マグネシ
ウム系難燃剤キスマ5(登録商標)などがあり、特にキ
スマ5A、5B、5E、5Jなど表面処理を施したグレ
−ドが好ましい。
合体 電線の被覆材である組成物においては、前記のポリプロ
ピレン系樹脂、変性ポリエチレン、金属水和物、エチレ
ン系共重合体の他に、芳香族ビニル−ジエンブロック共
重合体を添加することもできる。これは、実質的にスチ
レン等の芳香族ビニル化合物の重合体からなるブロック
Aと、実質的にブタジエン等のジエン系化合物の重合体
からなる重合体のブロックBからなり、ブロックA、B
を、各々1つ以上含んでいるブロック状共重合体であ
る。ブロックAとしては、ポリスチレン、ポリo−メチ
ルスチレン、ポリm−メチルスチレン、ポリp−メチル
スチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリβ−メチルス
チレン、ポリジメチルスチレン、ポリトリメチルスチレ
ン等のブロックが好ましい。ブロックBとしては、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・イソプレン
共重合体のブロックが好ましい。本発明で用いられるブ
ロック共重合体の例としては、ポリスチレン−ポリブタ
ジエン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン
−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポ
リα−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポリα−メチ
ルスチレンブロック共重合体、ポリα−メチルスチレン
−ポリイソプレン−ポリα−メチルスチレンブロック共
重合体、ポリβ−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポ
リβ−メチルスチレンブロック共重合体、ポリβ−メチ
ルスチレン−ポリイソプレン−ポリβ−メチルスチレン
ブロック共重合体等、又はこれらのブロック共重合体の
水素化物が挙げられる。本発明においては、ブロックA
が殆ど水素化されておらず、ブロックBが選択的に水素
化されているブロック共重合体が特に好ましい。例え
ば、スチレン−水添ブタジエン−スチレン共重合体(=
スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体=S
EBS)が挙げられる。上記のブロック共重合体は、二
種以上を混合して用いてもよい。
物における(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)変性ポ
リエチレン、(c)エチレン系共重合体、(d)金属水
和物、(e)芳香族ビニル−ジエンブロック共重合体の
各々の割合について説明する。組成物中における前記
(a)ポリプロピレン系樹脂の占める割合は、樹脂成分
の総量、即ち(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)変性
ポリエチレン及び(c)エチレン系共重合体、もしくは
これらの樹脂成分にさらに(e)芳香族ビニル−ジエン
ブロック共重合体を含む樹脂混合物総量の40重量%以
上が好ましい。この割合が40重量%以上の場合は、組
成物を被覆した電線の加熱変形率がより低く、耐摩耗性
や引張特性などの機械特性が特に良好であることから、
自動車用電線や電子機器の内部配線材として好適であ
る。(b)変性ポリエチレンの配合量は、樹脂混合物の
1.5〜30重量%の範囲であり、好ましくは5〜20
重量%の範囲である。樹脂混合物中における変性ポリエ
チレンの配合量が1.5重量%より少なくなると、電線
の耐摩耗性や引張特性が十分ではなく、逆に変性ポリエ
チレンの配合量が30重量%を超える場合は、組成物の
流動性が低下するため、電線を高速押出被覆することが
できない。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエ
チレン系共重合体(c)は、これを被覆中に配合するこ
とによって電線の難燃性が向上する。但し、その割合は
被覆組成物中の樹脂成分の総量(樹脂混合物)、すなわ
ち(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)変性ポリエチレ
ン、(c)エチレン系コポリマーの合計量100重量部
に対して、48重量%未満である必要がある。この割合
が48重量%以上になると、被覆電線の耐熱性、引張特
性、端末加工性の低下がおこるため好ましくない。難燃
性を向上させる上で、組成物中の樹脂成分の総量の10
重量%以上48重量%未満が好ましい。電線被覆用の組
成物中の(d)金属水和物の配合量は、樹脂混合物10
0重量部に対して50〜180重量部の範囲であり、好
ましくは65〜150重量部である。金属水和物の配合
量が50重量部よりも少ないと、自動車用及び電子機器
内部配線用の電線として十分な難燃性が得られない。一
方、180重量部を超えると、電線の引張強度や伸びが
著しく低下する。また電線製造するための押出成形加工
性も著しく低下するため好ましくない。
ック共重合体を配合すると、被覆電線の引張強度や伸び
などを改善することができるが、その配合量は、被覆組
成物中の樹脂成分の総量、すなわち樹脂混合物((a)
+(b)+(c)+(e))の20重量%以下が好まし
く、5〜15重量%がさらに好ましい。樹脂成分の総量
の20重量%より配合量が多くなると、成形加工性が著
しく低下するから好ましくない。さらに得られる電線の
難燃性を向上させるために、組成物にカーボンブラック
や赤燐、錫化合物、繊維状水酸化マグネシウム等を添加
してもよい。また、必要に応じてポリエチレン系樹脂、
銅害防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、顔料
等を添加しても良い。
出成形機を用いて上述の組成物を被覆層として導体周囲
に押出被覆することにより製造される。このときの押出
成形機の温度は、シリンダー内で約190℃、クロスヘ
ッド部で約200℃程度にすることが好ましい。なお、
本発明の被覆電線は、上述の組成物を被覆層として導体
の外周に被覆されたものすべてを包含し、特にその構造
を制限するものではない。被覆層の厚さ、導体の太さな
どは、従来のものと特に異ならない。これらは電線の種
類、用途等によって異なり、適宜に設定することができ
る。図1〜図3に本発明の被覆電線の構造例を示した。
図1は、単線または撚線からなる導体1の外周に被覆層
2が絶縁層として形成されている本発明の第1の電線例
であり、図2は、導体1の外周に絶縁層3、遮蔽層4が
この順に設けられ、その外周に被覆層22が保護層(シ
ース)として設けられている本発明の第2の電線例であ
る。また、図3(A)は、内部導体11の外周にコルデ
ル絶縁体5が卷回され、その外周に外部導体21が設け
られ、さらにその外周に被覆層32が絶縁保護層(シー
ス)として設けられている同軸ケーブルの横断面図を、
図3(B)は図3(A)中のC−Cに沿って外部導体2
1及び被覆層32のみを切断した同軸ケーブルの一部切
欠正面図をそれぞれ示し、本発明電線の第3の例であ
る。
らに詳しく説明する。 実施例1〜13、比較例1〜8 表1、表2に示す各成分を各配合割合で室温にてドライ
ブレンドし、バンバリーミキサーを用いて混練温度18
0℃、混練時間15分の条件で溶融混練することによっ
て各実施例、比較例に対応する組成物を得た。次に、汎
用の電線被覆装置を使用して、得られた組成物を導体径
0.9mmの軟銅線上に厚み0.35mmで押出被覆し
被覆電線を製造した。各被覆電線につき、被覆層の引張
試験による抗張力(MPa)、伸び(%)を測定した。
試験は標線間25mm、引張速度50mm/minでお
こなった。また、電線の難燃性をJIS C 3005
に準じて評価した。接炎時間は15秒とし、炎を静かに
取り去った後の炎が自然に消えるまでの時間(水平燃焼
時間)を測定した。被覆層の耐熱性の評価として、被覆
電線の加熱変形率をJIS C 3005に準じて評価
した。試験温度は120℃、荷重は306gfとし、被
覆層の変形率が30%以下のものを合格とした。電線の
耐摩耗性は、JASO規格(JAPANESE AUTOMOBILE STAN
DARD ORGANIZATION )の付属書第9頁に記載の摩耗テー
プ法に基づいて、付属書表4の「呼び」0.3〜0.5
の条件(おもりの質量450g)で最小摩耗抵抗値を測
定した。最小摩耗抵抗が457mm以上のものを合格
(○)とした。
グマシンを使用した場合に生じた被覆材残渣の長さが
0.3mm以下のものを○、0.3〜0.6mmのもの
を△、0.6mm以上のものを×とした。この判断基準
の根拠は、被覆材残渣が0.3mm以下の場合は、被覆
電線の端末加工時において問題がなかったが、それより
大きなものは端子接続工程で接点不良を起こすという問
題があることによる。各組成物の押出成形性について
は、φ50mmの押出成形機を使用し、押出温度200
℃で0.9mmの軟銅線に被覆をおこなって評価した。
押出成形速度が400m/min以上のものを○、10
0〜400m/minのものを△、100m/min以
下のものを×として評価した。なお、被覆電線の難燃
性、耐熱性、耐摩耗性、端末加工性の評価用試験サンプ
ルは基本的に400m/minで成形したものを使用し
た。これ以下の押出速度でしか成形できないものはその
材料の最高押出速度のものをサンプルとして使用した。
表1、表2に評価結果をまとめて示した。
ように、各実施例の被覆電線は、機械的強度、伸び、難
燃性、耐熱性及び耐摩耗性の電線特性に優れ、また電線
の端末加工性及び組成物(被覆物)の押出成形性にも優
れる。これに対して各比較例は、電線の端末加工性及び
組成物の押出成形性が劣るものであり、また前記電線特
性の1つ以上が劣ったものであって、被覆電線として満
足できるものではない。
樹脂、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された
変性ポリエチレン、及びエチレン・酢酸ビニル共重合体
等のエチレン系共重合体を必須樹脂成分として含有する
樹脂混合物に金属水和物を配合してなる組成物で導体外
周が被覆されているので、自動車用電線や電子機器の内
部配線に必要な優れた難燃性、機械特性、耐熱性及び耐
摩耗性を有し、かつ、端末加工性が良好である。さら
に、前記組成物に芳香族ビニル−ジエンブロック共重合
体が配合されている場合には機械特性がより向上する。
また、本発明の被覆電線において被覆される前記組成物
は高速押出成形性に優れているため、被覆電線製造の生
産性が高く、被覆電線としてのコストメリットが大き
く、工業的価値がきわめて高い。
成されている本発明の第1の電線例の横断面図である。
れ、その外周に被覆層が保護層として設けられている本
発明の第2の電線例の横断面図である。
体が卷回され、その外周に外部導体が設けられ、さらに
その外周に被覆層が絶縁保護層として設けられている同
軸ケーブルで、本発明の第3の電線例の横断面図であ
り、図3(B)は、図3(A)中のC−Cに沿って外部
導体及び被覆層のみを切断した同軸ケーブルの一部切欠
正面図である。 1 導体 2 被覆層(絶縁層) 3 絶縁層 4 遮蔽層 5 コルデル絶縁体 11 内部導体 21 外部導体 22 被覆層(保護層) 32 被覆層(絶縁層)
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)ポリプロピレン系樹脂40重量%
以上、(b)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変
性された変性ポリエチレン1.5〜30重量%、及び
(c)エチレン系共重合体を48重量%未満を樹脂成分
として含有する樹脂混合物100重量部に対して、
(d)金属水和物50〜180重量部を配合してなる組
成物の被覆を、導体外周に形成させたことを特徴とする
被覆電線。 - 【請求項2】 前記樹脂混合物が、さらに(e)芳香族
ビニル−ジエンブロック共重合体を20重量%以下の範
囲で含有する請求項1記載の被覆電線。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-307458 | 1993-11-12 | ||
JP30745893 | 1993-11-12 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07182930A true JPH07182930A (ja) | 1995-07-21 |
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ID=17969313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06304284A Expired - Lifetime JP3068422B2 (ja) | 1993-11-12 | 1994-11-14 | 被覆電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3068422B2 (ja) |
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