JP2003012864A - 難燃性重合体組成物の製造方法および難燃性重合体組成物 - Google Patents
難燃性重合体組成物の製造方法および難燃性重合体組成物Info
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Abstract
強さ、引張伸び、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲
性等の諸物性のバランスに優れ、機器内配線や自動車用
ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用材料等
の用途に、特に電線被覆に有用な難燃性のオレフィン系
重合体組成物の製造方法とその組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)未変性オレフィン系重合体、
(B)(b−1)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分
の二重結合の80%以上が飽和された水添共役ジエン系
重合体、さらに必要に応じ、(b−2)エチレンと炭素
数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、
ならびに、(C)官能基を含む変性ポリオレフィン系重
合体と(D)無機系難燃剤を含有する難燃性重合体組成
物の製造方法であって、予め、上記(B)成分と(C)
成分から得られた混合物(E)に、上記(A)成分およ
び(D)成分を混練りする。
Description
物の製造方法、ならびに、それにより得られる電線被覆
用重合体組成物に関する。さらに詳しくは、難燃性に優
れるとともに、燃焼した場合であってもハロゲンガス等
の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等の環境汚染
物質を含有することがなく、さらに、成形加工性、引張
強さ、引張伸び、可撓性(耐折り曲げ白化性)、及び耐
屈曲性等の諸物性のバランスに優れ、機器内配線や自動
車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用材
料等の用途、特に電線被覆用重合体組成物に有用な難燃
性のオレフィン系重合体組成物の製造方法に関する。
性質及び化学的性質に優れるところから、押出成形、射
出成形等の種々の方法で、フィルム、シート、パイプ、
容器、電線、ケーブル等に成形され、家庭用品及び工業
用材料として汎用されている。このようなオレフィン系
樹脂は、易燃性であるため、これを難燃化するための方
法が従来から種々開示されている。例えば、
系樹脂にハロゲン系の有機難燃剤を用いる方法が知られ
ている。しかし、これらの難燃剤は少量の配合で難燃効
果を発揮するものの、燃焼時に腐食性で有毒なガスを発
生するという問題がある。
ない難燃性プロピレン樹脂組成物が開示されている(例
えば、特開平2−263851号公報)。しかし、この
組成物は、難燃剤として、リン系の難燃剤を用いてお
り、その吸湿性に基づくブリードを防止する必要があ
り、ブリードの防止については、オレフィン系合成ゴム
及びシランカップリング剤の配合によって一定の改良が
認められるものの、可撓性や柔軟性等の物性及び無公害
かつ環境調和の観点からは必ずしも十分に満足し得るも
のではなかった。
プロピレン共重合ゴム、テトラブロモビスフェノールS
のビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル及び三酸
化アンチモンを有する難燃性ポリプロピレン組成物が開
示されている(特開昭61−183337号公報)。し
かし、この組成物は、難燃剤としてテトラブロモビスフ
ェノールSのビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテ
ルを用いているが、この化合物はいわゆる環境ホルモン
の疑いがあり、環境調和の観点から必ずしも十分に満足
し得るものではなかった。また、この組成物は、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴムを用いていることから衝撃強
度においては一定の改良が認められるものの、例えば、
電線被覆材として用いられる場合、配線、組み立て時に
要求される柔軟性については必ずしも十分に満足し得る
ものではなかった。
燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等の無機系金属化合物の水和物を用いる方法が開示され
ている(例えば、特開平10−279736号公報)。
しかし、このような無機系金属化合物の水和物を用いた
難燃性組成物においては、難燃性を高めるためには無機
系金属化合物の水和物の充填量を高める必要があり、充
填量を高めると機械的特性、特に引張伸びが低下し、ま
た成形加工性が低下するという問題がある。
鑑みなされたもので、難燃性に優れるとともに、成形加
工性、引張強さ、引張伸び、可撓性(耐折り曲げ白化
性)、耐屈曲性等の諸物性のバランスに優れ、機器内配
線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ等の
工業用材料等の用途に、特に電線被覆に有用な難燃性の
オレフィン系重合体組成物の製造方法、および、その組
成物を提供することを目的とする。
成するため鋭意研究した結果、(A)未変性オレフィン
系重合体、(B)(b−1)共役ジエン系重合体の共役
ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和された水添共
役ジエン系重合体、さらに必要に応じて、(b−2)エ
チレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体、ならびに、(C)官能基を含む変性ポリオ
レフィン系重合体の合計量100重量部に対し、(D)
無機系難燃剤を5〜500重量部含有する難燃性重合体
組成物の製造方法であって、予め、上記(B)成分と
(C)成分から得られた混合物(E)と、上記(A)成
分および(D)成分とを混練りすることによって、上記
諸特性を全て満足する難燃性重合体組成物が得られるこ
とを知見し本発明を完成させた。 すなわち、本発明に
よって、下記の難燃性重合体組成物の製造方法、及び、
その組成物が提供される。
(B)(b−1)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分
の二重結合の80%以上が飽和された水添共役ジエン系
重合体、さらに必要に応じ、(b−2)エチレンと炭素
数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、
ならびに、(C)官能基を含む変性オレフィン系重合体
の合計量100重量部に対し、(D)無機系難燃剤を5
〜500重量部含有する難燃性重合体組成物の製造方法
であって、予め、上記(B)成分と(C)成分から得ら
れた混合物(E)と、上記(A)成分および(D)成分
とを混練りすることを特徴とする難燃性重合体組成物の
製造方法。 [2]上記(A)成分と(B)成分と(C)成分との組
成割合は(A)+(B)+(C)=100重量%とした
場合、(A)成分は5〜60重量%、(B)成分は30
〜94重量%、(C)成分は1〜20重量%である上記
[1]に記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 [3]上記(C)成分に含まれる官能基が、酸無水物、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシア
ネート基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なく
とも1種である上記[1]または[2]に記載の難燃性
重合体組成物の製造方法。 [4]上記(B)成分を構成する(b−1)水添共役ジ
エン系重合体の、水添前の共役ジエン部分のビニル結合
含量が、55重量%以上である上記[1]〜[3]のい
ずれかに記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 [5]上記(B)成分を構成する(b−2)エチレンと
炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合
体が、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体、エ
チレンと1−ブテンとのランダム共重合体、エチレンと
1−ヘキセンとのランダム共重合体、またはエチレンと
1−オクテンとのランダム共重合体のいずれかである上
記[1]〜[4]のいずれかに記載の難燃性重合体組成
物の製造方法。 [6]上記(D)無機系難燃剤が、水酸化マグネシウム
及び水酸化アルミニウム又はそのいずれかである上記
[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性重合体組成物
の製造方法。 [7]上記(D)無機系難燃剤が、シランカップリング
剤で表面処理をしたものである上記[1]〜[6]のい
ずれかに記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 [8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法
により得られる難燃性重合体組成物。 [9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法
により得られる電線被覆用重合体組成物。
物の製造方法の実施形態を具体的に説明する。 本発明
の難燃性重合体組成物の製造方法は、(A)未変性オレ
フィン系重合体、(B)(b−1)共役ジエン系重合体
の共役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和された
水添共役ジエン系重合体、さらに必要に応じ、(b−
2)エチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとの
ランダム共重合体、ならびに、(C)官能基を含む変性
オレフィン系重合体との合計量100重量部(以下、
「重合体組成物(M)」という)に対し、(D)無機系
難燃剤(以下、「無機系難燃剤(D)」という)を5〜
500重量部含有する難燃性重合体組成物の製造方法で
あって、予め、上記(B)成分と(C)成分から得られ
た混合物(E)と、上記(A)成分および(D)成分と
を混練りすることを特徴とする難燃性重合体組成物の製
造方法を特徴とする。以下、各構成要素ごとにさらに具
体的に説明する。
性オレフィン系重合体、(B)(b−1)共役ジエン系
重合体の共役ジエン部分の二重結合の80%以上が飽和
された水添共役ジエン系重合体、さらに必要に応じ、
(b−2)エチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体、ならびに(C)官能基を含む
変性オレフィン系重合体とからなり、その組成割合は使
用目的に応じて任意ではあるが、(A)+(B)+
(C)=100重量%とした場合、(A)成分は5〜6
0重量%、好ましくは10〜50重量%、(B)成分は
30〜94重量%、好ましくは40〜80重量%、
(C)成分は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量
%である。
は、1種又は2種以上のモノオレフィンを高圧法又は低
圧法のいずれかによる重合から得られる結晶性のオレフ
ィン樹脂(重合体)であり、中でも、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテン−1が好ましい。このオレフ
ィン樹脂は単独重合体であってもよく、また、後述する
エチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのラン
ダム共重合体(b−2)と区別できる範囲内で、他のモ
ノマーと共重合してなる共重合体であってもよい。
ば、エチレン(主たる重合体がポリエチレンの場合は除
く)、プロピレン(主たる重合体がポリプロピレンの場
合は除く)、ブテン−1(主たる重合体がポリブテン−
1である場合は除く)、ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィ
ン;4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−
1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−
1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1等の分岐状α−オレフィン;並びに、上記α−オ
レフィンと共重合することができるモノマーを挙げるこ
とができる。これら共重合可能なモノマー成分は、15
重量%未満、好ましくは10重量%以下である。これら
を共重合した場合の共重合体の様式については特に制限
はなく、例えば、ランダム型、ブロック型、グラフト
型、これらの混合型等のいずれであってもよい。
る好ましい共重合体としては、プロピレン−エチレン共
重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ブテン−1
−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−
1共重合体等を挙げることができる。これらオレフィン
系重合体は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いる
ことができる。
系重合体(A)の配合量は、5〜60重量%であり、好
ましくは、10〜50重量%である。5重量%未満であ
ると、本発明の組成物の機械的強度、耐熱性が低下し、
60重量%を超えると、引張伸び及び柔軟性が低下す
る。
重合体(b−1)は、例えば、共役ジエンの単独重合
体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物とのランダム共重
合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエ
ン化合物の重合体ブロックとからなるブロック共重合
体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン
及び芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックと
からなるブロック共重合体、共役ジエン化合物の重合体
ブロックと共役ジエン及び芳香族ビニル化合物の共重合
体ブロックとからなるブロック共重合体、共役ジエン化
合物の重合体ブロックと芳香族ビニル化合物及び共役ジ
エンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー状
ブロックとからなるブロック共重合体、共役ジエン及び
芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックと芳香
族ビニル化合物及び共役ジエンからなり芳香族ビニル化
合物が漸増するテーパー状ブロックとからなるブロック
共重合体、ビニル結合が30重量%以下のポリブタジエ
ンブロックとビニル結合が30重量%を超える共役ジエ
ン化合物の重合体ブロックとからなるブロック共重合体
等のジエン系重合体(以下、「水添前重合体」というこ
とがある)の水素添加物等を挙げることができる。
において、水添前共重合体の共役ジエン部分のビニル結
合含量(水添前共重合体の共役ジエン部分の1,2−及
び3,4−ビニル結合の割合)としては特に制限はない
が、55重量%以上であることが好ましい。55重量%
未満であると、折り曲げ白化性の改良効果が不十分とな
ることがある。
は、官能基で変性したものであってもよく、例えば、酸
無水物、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、
イソシアネート基、及びエポキシ基からなる群から選ば
れる少なくとも1種を含む官能基変性重合体であっても
よい。
と芳香族ビニル化合物との組成割合(共役ジエン化合物
/芳香族ビニル化合物)は、重量比で、95/5〜40
/60が好ましく、さらに好ましくは93/7〜50/
50である。
られる共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエ
チル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オ
クタジエン等を挙げることができるが、工業的に利用で
き、また物性の優れた水添共役ジエン系重合体を得るた
めには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペ
ンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレ
ンがさらに好ましい。また、芳香族ビニル化合物として
は、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチ
ルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、
N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジ
ン等を挙げることができ、スチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。
用により重合体分子鎖がカップリング残基を介して延長
又は分岐された重合体であってもよい。この際用いられ
るカップリング剤としては、例えば、アジピン酸ジエチ
ル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブ
チルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロ
ロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−ク
ロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等を挙げるこ
とができる。
としては、2種又はそれ以上の水添前重合体のブレンド
物を水素添加したものであってもよい。さらに、2種又
はそれ以上の水添共役ジエン系重合体同士のブレンド物
であってもよい。
役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加したもの
であり、共役ジエン部分の二重結合の80%以上、好ま
しくは90%以上が飽和されたものである。飽和の割合
が80%未満であると、耐候性等が低下する。
しい重量平均分子量は、1万〜70万、さらに好ましく
は5万〜60万である。1万未満であると、水添共役ジ
エン系重合体をペレット化した場合ブロッキングしやす
くなり、かつオレフィン系重合体(A)とブレンドした
場合、機械的強度が低下する。70万を超えると、流動
性、加工性、成形外観等が劣るものとなる。
エン系重合体(b−1)の配合量は、30〜94重量%
であり、好ましくは、40〜80重量%である。30重
量%未満であると、引張伸び及び柔軟性が低下し、94
重量%を超えると、機械的強度及び耐熱性が低下する。
共重合体(b−2) 必要に応じ(B)成分として本発明に用いられるエチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体(b−2)は、ゴ
ム質重合体であり、α−オレフィン成分の含有率が、1
5〜65重量%、さらに好ましくは18〜60重量%の
ものである。65重量%を超えると、本発明の難燃性重
合体組成物の引張り特性が低下することがあり、15重
量%未満であると、耐屈曲性が低下することがある。ま
た、DSC(示査熱走査熱量計)によって測定される融
点ピークが、好ましくは100℃以下、さらに好ましく
は95℃以下のものである。100℃を超えると、本発
明の難燃性重合体組成物の耐屈曲性が低下することがあ
る。この共重合体を構成するα−オレフィン成分の炭素
数は、3〜10であり、引張強度及び引張伸びの観点か
らは、4〜8が好ましい。
共重合体(b−2)は、官能基を含む変性エチレン・α
−オレフィンランダム共重合体であってもよい。このよ
うな官能基としては、酸無水物、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、及びエポキ
シ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げるこ
とができる。変性エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体は、変性オレフィン系重合体と同様な方法で製造
することができる。
体(b−2)を構成するα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン等
を挙げることができる。中でも、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。従って、
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b−2)
の好ましい具体例としては、エチレンとプロピレンとの
ランダム共重合体、エチレンと1−ブテンとのランダム
共重合体、エチレンと1−ヘキセンとのランダム共重合
体、またはエチレンと1−オクテンとのランダム共重合
体のいずれかを挙げることができる。
共重合体(b−2)は、本発明の難燃性重合体組成物の
特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合
性モノマーとの共重合体であってもよい。このような他
の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニル
シクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボ
ルネン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽
和有機酸又はその無水物;1,4−ヘキサジエン、1,
6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエ
ン、6−メチルー1,5−ヘプタジエン、7−メチル−
1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロ
ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、2,3−ジイ
ソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−
3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペ
ニル−2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類
等を挙げることができる。
体(b−2)は、このような他の重合性モノマーから導
かれる単位を、全繰り返し構造単位の10モル%以下、
好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以
下の量で含有していてもよい。
体(b−2)は、エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体を1種単独で用いてもよく、また2種以上を組合
わせて用いてもよい。エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体(b−2)のメルトフローレート(MFR:
温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.
01〜100g/10分、さらに好ましくは0.05〜
50g/10分である。100g/10分を超えると、
本発明の難燃性重合体組成物の機械的強度が低下するこ
とがあり、0.05未満であると、組成物の流動性、加
工性、成形外観等が劣るものとなることがある。
体(b−2)は、必要に応じ水添共役ジエン系重合体
(b−1)と併用して使用される。その場合のエチレン
・α−オレフィンランダム共重合体(b−2)の配合量
は、(b−1)+(b−2)=100重量%とした場
合、1〜70重量%であり、さらには1〜50重量%で
あることが好ましい。エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体(b−2)は、水添共役ジエン系重合体(b
−1)と併用することにより得られる難燃性重合体組成
物の物性を大幅に損なわずに使用できる。
体 官能基を含む変性オレフィン系重合体(C)としては、
上述の未変性オレフィン系重合体(A)に、酸無水物、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシア
ネート基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少な
くとも1種を含む変性オレフィン系重合体が用いられ
る。重合体組成物(M)中における官能基を含む変性オ
レフィン系重合体(C)の配合量は、1〜20重量%で
あり、好ましくは、3〜15重量%である。1重量%未
満であると、機械的強度の改良効果が不十分となり、2
0重量%を超えると引張伸び及び引張強度が低下する。
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロ
タルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化
錫の水和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物等を挙げ
ることができる。中でも、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウムが好ましい。
表面を、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の
脂肪酸又はその金属塩;パラフィン、ワックス、ポリエ
チレンワックス、又はそれらの変性物;有機ボラン、有
機チタネート等の有機金属化合物;シランカップリング
剤等で表面処理をしたものであってもよい。中でも、シ
ランカップリング剤で表面処理をしたものは、引張強度
の改良効果が著しいので好ましい。
は水酸化アルミニウムを用いる場合は、結晶がよく成長
し、かつ凝集の少ないものが好ましい。BET比表面積
は20m2/g以下、特に好ましくは3〜10m2/g
の範囲にあり、かつ平均2次粒子径が0.2〜5μm、
特に好ましくは0.5〜3μmの範囲にある水酸化マグ
ネシウム又は水酸化アルミニウムである。水酸化マグネ
シウム又は水酸化アルミニウムは上記特性を充足するも
のであれば、合成品、天然品のいずれでもよい。水酸化
マグネシウムの合成品は塩化マグネシウム又は硝酸マグ
ネシウムとアンモニア又は水酸化カリウムとが十分接触
できる条件下で水性媒体中で接触せしめた後、加圧下で
加熱することにより得られる。シランカップリング剤の
水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムに対する添
加量は、0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量
%である。上記範囲の下限より少ないときには、水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウムの凝集力が強く、
組成物への分散性が劣ることとなり易い。上記範囲の上
限を超えても分散性がさらに向上することはなく、経済
的に好ましくない。シランカップリング剤による水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウムの表面処理方法と
しては、公知の方法、すなわち乾式法または湿式スラリ
ー法を用いることができる。均一処理という点で湿式ス
ラリー法がより好ましい。また、シランカップリング剤
をその水溶液中で加水分解させたもので水酸化マグネシ
ウム又は水酸化アルミニウムの表面処理をするため、通
常の水に可溶性のものが好ましい。シランカップリング
剤の種類によっては、酢酸等でpHを約4程度まで下げ
なければ加水分解しないものもある。このようなシラン
カップリング剤を用いた場合には、表面処理の過程で酸
により水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム表面
が侵食を受け、耐酸性の悪いものが生じたり、電線等の
用いた場合、被覆材の体積固有抵抗を下げるので好まし
くない。湿式スラリー法は水酸化マグネシウム又は水酸
化アルミニウムを水中に分散させ、高速攪拌下に、イオ
ン交換水に5重量%以下の濃度になるように溶解させた
シランカップリング剤を必要量徐徐に添加し、滴下終了
後、約15〜30分間高速攪拌を続ける。処理後のスラ
リーを濾別し、約120℃で乾燥する、または処理後の
スラリーをそのまま噴霧乾燥してもよい。高級脂肪酸又
はそのアルカリ金属塩で表面処理する場合には、水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウム中に、熱または溶
剤で溶かした高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩を噴霧
し、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式法で表面処理す
ることができる。水酸化マグネシウム又は水酸化アルミ
ニウムに対する高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩の添
加量は、BET法による比表面積の10〜80%、好ま
しくは15〜50%被覆できる量でよい。高級脂肪酸お
よびそのアルカリ金属塩としては、ステアリン酸、オレ
イン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸およ
びそれらのナトリウム塩、カリウム塩などが用いられ
る。
(D)の難燃効果を高めるために、必要に応じて、ポリ
燐酸アンモニウム系難燃剤、燐酸エステル等の燐系難燃
剤、シリコーン化合物;石英硝子等を用いてもよく、ま
た難燃助剤として、水ガラス、フリット等を用いてもよ
く、さらに、ドリップ防止のため窒化珪素短繊維等を用
いてもよい。
は、重合体組成物(M)100重量部に対し、5重量部
以上、好ましくは、25重量部以上、さらに好ましく
は、50重量部以上である。5重量部未満であると、十
分な難燃性を有する組成物が得られない。上限は500
重量部以下、好ましくは、300重量部以下である。
じて、従来公知の方法により、硫黄架橋、過酸化物架
橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋等によって
架橋されるものであってもよい。
(B)成分と(C)成分とを混合して混合物(E)を
得、第二工程で、混合物(E)と(A)成分および
(D)成分とを混練りすることにより製造することがで
きる。第一工程で得られる、混合物(E)は、(B)成
分と(C)成分とをいかなる方法で混合してもよいが、
(B)成分、(C)成分が溶融する温度で混練り(以下
「溶融混練り」と記す)することが好ましい。第二工程
では、混合物(E)と(A)成分および(D)成分とを
同時に混練する以外に、混合物(E)と(A)成分とを
混練りした後、さらに(D)成分と混練りすることによ
り製造すること、また、混合物(E)と(D)成分とを
混練りした後、さらに(A)成分と混練りすることによ
り製造することもできる。第二工程で混合物(E)を使
用することにより(D)成分を短時間で均一に分散で
き、優れた難燃性重合体組成物が得られる。第二工程で
の混練りはいかなる方法で混練りすることもできるが、
(A),混合物(E)の各成分が溶融する温度で溶融混
練りすることが好ましい。(A),(B),(C),
(D)の各成分を一括して溶融混練りする場合は、本発
明の効果は得られない。
知の方法を用いることができる。例えば、各種押出機、
バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の公知の混練
機、及びそれらを組み合わせた混練機により溶融混練す
る方法等を挙げることができる。
ば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サンドイッチ
成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成形、パウ
ダースラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成形、カレン
ダー成形、ブロー成形等によって、実用上有用な成形品
に加工することができる。また、必要に応じて、発泡、
粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキ等の加工を施し
てもよい。
加剤、例えば、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不
活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定
剤;防菌・防かび剤;分散剤;軟化剤;可塑剤;発泡
剤;発泡助剤;酸化チタン、カーボンブラック等の着色
剤;フェライト等の金属粉末;ガラス繊維;金属繊維等
の無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維;複
合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカ
ー;ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、
アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリ
ン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットン
フロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリ
マービーズ等の充填剤又はこれらの混合物;ポリオレフ
ィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉等の充填
剤;低分子量ポリマー等を配合してもよい。これらの添
加剤は通常第二工程で添加される。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限を受けるものではない。なお、実施例、比較例中の部
及び%は、特に断らない限り重量基準である。また、実
施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。 1)1,2−結合等のビニル結合含量 1,2−結合等のビニル結合含量は、赤外分析法を用
い、ハンプトン法により算出した。 2)水添率 共役ジエンの水添率は、四塩化エチレンを溶媒に用い、
100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。 3)水添共役ジエン系重合体の重量平均分子量 水添共役ジエン系重合体の重量平均分子量(以下、「分
子量」ともいう)は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で求め
た。 4)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のエチ
レン成分含有量 赤外分析法を用いて測定した。 5)流動性 JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.1
6kgでのメルトフローレート(MFR)を測定し、成
形加工性の指標とした。 6)引張特性 JIS K6301に従ってサンプルの引張強さ、伸び
を測定した。 7)可撓性(耐折り曲げ白化性) 厚さ2mmの短冊状シートを180度折り曲げて、外側
の白化程度を観察し、下記の基準で評価した。 ○:ほとんど白化しないか、又は白化しない場合 △:やや白化が観察される場合 ×:白化が著しい場合 8)耐屈曲性 厚さ2mmの短冊状シートの180度折り曲げを10回
行い、下記の3段階で評価した。 ○:亀裂なし △:やや亀裂が観察される ×:割れる 9)酸素指数(O.I.) JIS K7201に従って酸素指数を測定した。酸素
指数は、所定の試験条件下において、材料の燃焼を持続
するために必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表
される最低酸素濃度の数値であり、この値が大きな程、
難燃性に優れていることになる。
分は、以下の通りである。 (A)未変性オレフィン系重合体 P−1:プロピレン−エチレンランダム共重合体(日本
ポリオレフィン(株)製、商品名:MD772H、MF
R=30g/10分) P−2:プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本
ポリケム(株)製、商品名:BC05B、MFR=50
g/10分) P−3:日本ポリケム(株)製 低密度ポリエチレン、
LJ800、MFR=18g/10分(190℃、2.
16kg荷重)
(S−1〜S−6)尚、表中の各記号は以下の通りであ
る。 BD : ブタジエン ST : スチレン IP : イソプレン A :芳香族ビニル化合物の重合体ブロック B :芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のランダ
ム共重合体ブロック C :芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のテーパ
ー状重合体ブロック D :高ビニル結合タイプの共役ジエン化合物の重合体
ブロック E :低ビニル結合タイプの共役ジエン化合物の重合体
ブロック。
共重合体(b−2) EP:エチレン・プロピレンランダム共重合体(JSR
(株)製、商品名:EP961SP、MFR=0.8g
/10分(230℃、2.16kg)、エチレン含量=
77重量%、融点=41℃) EB:エチレン・1−ブテンランダム共重合体(JSR
(株)製、商品名:EBM2021P)、MFR=1.
3g/10分(190℃、2.16kg)、エチレン含
量=80重量%、融点=69℃ EO:エチレン・1−オクテンランダム共重合体(ダウ
・ケミカル社製、商品名:ENGAGE8003、MF
R=1g/10分(190℃、2.16kg)、エチレ
ン含量=82重量%、融点=86℃) M−EP:無水マレイン酸変性エチレン・プロピレンラ
ンダム共重合体(JSR(株)製、商品名:EPT77
41P、MFR=0.8g/10分(230℃、2.1
6kg)、エチレン含量=77重量%、融点=41℃)
体 Q−1:酸無水物変性のポリプロピレン(三洋化成工業
(株)製、商品名:ユーメックス1001) Q−2:水酸基変性のポリプロピレン(三洋化成工業
(株)製、商品名:ユーメックス1210)
ネシウム(協和化学(株)製、商品名:キスマ5A) X−2:シランカップリング剤にて表面処理された合成
水酸化マグネシウム(協和化学(株)製、商品名:キス
マ5NH) X−3:表面処理していない合成水酸化マグネシウム
(神島化学(株)製、商品番号:#200) X−4:表面処理していない天然水酸化マグネシウム
(ソブエクレー(株)製、商品名:エブゾンRF)
(S−1)を50部、および、変性オレフィン系重合体
(C)として(Q−1)を10部、とを200℃に設定
したシリンダー径40mm、L/D=28の単軸押出機
(田辺プラスチック社製)を用いて、70rpmで溶融
混練りした後、ペレット化し混合物(E)を得た。次に
第2工程で未変性オレフィン系重合体(A)として(P
−1)を40部、無機系難燃剤(D)として(X−1)
を150部、および、第1工程で得られた混合物(E)
を60部、とを220℃に設定したシリンダー径50m
m、L/D=32の単軸押出機(日本プラコン社製:D
MG−50型)を用いて、70rpm溶融混練りした
後、ペレット化し、成形温度210℃、金型温度40℃
で射出成形し、物性評価用の試験片を作製した。物性評
価の結果を表3に示す。
を行い、溶融混練り・ペレット化し混合物(E)を得
た。次に第2工程として未変性オレフィン系重合体
(A)、無機系難燃剤(D)および第1工程で得られた
混合物(E)を220℃に設定した単軸押出機を用い
て、表3、表4に示す配合処方で溶融混練り・ペレット
化し、射出成形により物性評価用の試験片を作製した。
物性評価の結果を表3、表4に示す。
(b−2)成分としてEPを25部、および、(C)成
分として(Q−1)を10部、とを200℃に設定した
シリンダー径40mm、L/D=28の単軸押出機(田
辺プラスチック社製)を用いて、70rpmで溶融混練
りした後、ペレット化し混合物(E)を得た。次に第2
工程で(A)成分として(P−1)を40部、(D)成
分として(X−1)を150部、および、第1工程で得
られた混合物(E)60部、とを220℃に設定したシ
リンダー径50mm、L/D=32の単軸押出機(日本
プラコン社製:DMG−50型)を用いて、70rpm
で溶融混練りした後、ペレット化し、実施例1と同一条
件で射出成形により物性評価用の試験片を作製した。物
性評価の結果を表5に示す。
試験片を作製した。物性評価の結果を表5に示す。
合体(A)、水添共役ジエン系重合体(b−1)、変性
ポリオレフィン系重合体(C)および無機系難燃剤
(D)を220℃に設定したシリンダー径50mm、L
/D=32単軸押出機(日本プラコン社製:DMG−5
0型)を用いて、表6に示す配合処方で一括で70rp
mで溶融混練りした後、ペレット化し、実施例1と同一
条件で射出成形により物性評価用の試験片を作製した。
物性評価の結果を表6に示す。
示す実施例8〜9の結果から、2工程で溶融混練した本
発明の樹脂組成物は、表6に示す一括で溶融混練した比
較例1〜6に比べて、引張伸びが約10〜20%優れる
ことがわかる。
1工程において水添共役ジエン系重合体とともにエチレ
ンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム共
重合体として、EP(エチレン−プロピレン共重合体)
[JSR(株)製、商品名:EP02P]、EB(エチ
レン・1−ブテンランダム共重合体)[JSR(株)
製、EBM2021P]、EO(エチレン−オクテン共
重合体)[ダウ・ケミカル製、商品名:ENGAGE8
003]、M−EP(無水マレイン酸変性エチレン−プ
ロピレン共重合体)[JSR(株)製、EPT7741
P]を用いた場合であり、いずれも引張強さ、引張伸
び、難燃性、可撓性(耐折り曲げ白化性)、耐屈曲性の
バランスに優れることがわかる。
難燃性に優れるとともに、燃焼した場合であってもハロ
ゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等
の環境汚染物質を含有することがなく、成形加工性、引
張強さ、引張伸び、可撓性(耐折り曲げ白化性)、及び
耐屈曲性等の諸物性のバランスに優れ、機器内配線や自
動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用
材料等の用途に特に有用な難燃性のオレフィン系重合体
組成物の製造方法とその組成物を提供することができ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】(A)未変性オレフィン系重合体、(B)
(b−1)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重
結合の80%以上が飽和された水添共役ジエン系重合
体、さらに必要に応じ、(b−2)エチレンと炭素数が
3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、なら
びに、(C)官能基を含む変性オレフィン系重合体の合
計量100重量部に対し、(D)無機系難燃剤を5〜5
00重量部含有する難燃性重合体組成物の製造方法であ
って、予め、上記(B)成分と(C)成分から得られた
混合物(E)と、上記(A)成分および(D)成分とを
混練りすることを特徴とする難燃性重合体組成物の製造
方法。 - 【請求項2】上記(A)成分と(B)成分と(C)成分
との組成割合は(A)+(B)+(C)=100重量%
とした場合、(A)成分は5〜60重量%、(B)成分
は30〜94重量%、(C)成分は1〜20重量%であ
る請求項1に記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 - 【請求項3】上記(C)成分に含まれる官能基が、酸無
水物、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イ
ソシアネート基及びエポキシ基からなる群から選ばれる
少なくとも1種である請求項1または2に記載の難燃性
重合体組成物の製造方法。 - 【請求項4】上記(B)成分を構成する(b−1)水添
共役ジエン系重合体の、水添前の共役ジエン部分のビニ
ル結合含量が、55重量%以上である請求項1〜3のい
ずれかに記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 - 【請求項5】上記(B)成分を構成する(b−2)エチ
レンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとのランダム
共重合体が、エチレンとプロピレンとのランダム共重合
体、エチレンと1−ブテンとのランダム共重合体、エチ
レンと1−ヘキセンとのランダム共重合体、またはエチ
レンと1−オクテンとのランダム共重合体のいずれかで
ある請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性重合体組成
物の製造方法。 - 【請求項6】上記(D)無機系難燃剤が、水酸化マグネ
シウム及び水酸化アルミニウム又はそのいずれかである
請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性重合体組成物の
製造方法。 - 【請求項7】上記(D)無機系難燃剤が、シランカップ
リング剤で表面処理をしたものである請求項1〜6のい
ずれかに記載の難燃性重合体組成物の製造方法。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法
により得られる難燃性重合体組成物。 - 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法
により得られる電線被覆用重合体組成物。
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