JP2001179684A - 合成樹脂発泡体のスライス方法 - Google Patents
合成樹脂発泡体のスライス方法Info
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Abstract
厚さが1mm以下の極薄いスライス物にまで容易に経済
的にスライスできる合成樹脂発泡体のスライス方法を提
供すること。 【解決手段】 合成樹脂発泡体をスライス装置によって
所望の厚さのスライス物にスライスする方法において、
該合成樹脂発泡体の所望の厚さのスライス物とする側の
表面に補強層を積層して該合成樹脂発泡体をスライス装
置に供する。
Description
所望の厚さのスライス物にスライスする方法に関する。
さらに詳しくは、合成樹脂発泡体を、厚みの寸法精度良
く、厚さが1mm以下、例えば0.2〜0.3mmとい
った極薄いスライス物にまで容易に経済的にスライスで
きる合成樹脂発泡体のスライス方法に関する。
的薄いシート状物ないしフィルム状物は、一般に、厚さ
の比較的厚い合成樹脂発泡体をスライス装置によって所
望の厚さにスライスして所望の厚さのスライス物とする
方法によって製造されている。無論、合成樹脂発泡体の
シート状物ないしフィルム状物は、当初より発泡性合成
樹脂組成物をシート状ないしフィルム状に成形、発泡さ
せる方法によって製造することも可能ではあるが、この
方法では成形作業等が煩雑であったりして製造効率が悪
いという問題がある。したがって、合成樹脂発泡体の厚
さの比較的薄いシート状物ないしフィルム状物は、製造
効率等の点からして、専ら上記のようにスライス方法に
よって製造されている。
ス方法としては、図5に概念的に示すようなロール式ス
ライス装置を用いる方法が知られている。図5のロール
式スライス装置においては、スライス対象の発泡体21
が、反対方向に回転する一対の駆動ロール22と押えロ
ール22´間に噛み込まれ、駆動ロール22と押えロー
ル22´の回転に伴って矢印方向に移送され、刃23に
よって、所望の厚さの目的のスライス物24と、残部2
5とにスライスされる。また、図6に概念的に示すよう
なロールと押え金を組み合わせたスライス装置を用いる
方法も知られている。図6のスライス装置においては、
スライス対象の発泡体21が駆動ロール22と押え金2
6間に噛み込まれ、駆動ロール22の回転に伴って矢印
方向に移送され、刃23によって、所望の厚さの目的の
スライス物24と、残部25とにスライスされる。これ
ら従来のスライス方法においては、所望の厚さの目的の
スライス物24の厚みにどうしてもバラツキが生じて厚
みの寸法精度が悪いという問題がある。また、従来のス
ライス方法においては、厚さが1mm以下、例えば0.
2〜0.3mmといった極薄いスライス物を製造するこ
とは困難であるという問題もある。
が増大し、それに伴ってスライス物の厚みの寸法精度の
向上が一層強く求められるようになり、また厚さが極薄
いスライス物も求められるようになり、したがって、優
れた厚みの寸法精度で、かつ厚さが極薄いスライス物に
まで容易に経済的に合成樹脂発泡体をスライスできるス
ライス方法の出現が待望されている。
状況に鑑み、合成樹脂発泡体を、優れた厚みの寸法精度
で、厚さが1mm以下、例えば0.2〜0.3mmとい
った極薄いスライス物にまで容易に経済的にスライスで
きる合成樹脂発泡体のスライス方法を提供することにあ
る。
の目的を達成すべく鋭意研究した結果、合成樹脂発泡体
を所望の厚さのスライス物にスライスするに当たり、合
成樹脂発泡体の所望の厚さのスライス物とする側の表面
に補強層を積層してスライス装置でスライスすれば上記
本発明の目的を達成できることを見出して本発明を完成
した。
達成するために、合成樹脂発泡体をスライス装置によっ
て所望の厚さのスライス物にスライスする方法におい
て、該合成樹脂発泡体の所望の厚さのスライス物とする
側の表面に補強層を積層して該合成樹脂発泡体をスライ
ス装置に供することを特徴とする合成樹脂発泡体のスラ
イス方法を提供する。
ては、従来から知られ、合成樹脂発泡体のスライスに用
いられているような各種のスライス装置を適宜選択して
用いることができる。その例として、上記の図5に示す
ようなロール式スライス装置、図6に示すようなロール
と押え金を組み合わせたスライス装置等が挙げられる。
これらの中でも、図5に示すような駆動ロールと押えロ
ールを組み合わせたスライス装置の一種である同様の基
本的構造を有する皮漉機が好ましく用いられる。
体を、該合成樹脂発泡体の所望の厚さのスライス物とす
る側の表面に補強層を積層してからスライス装置に供す
ることが肝要である。本発明においては、この積層した
補強層の作用により、合成樹脂発泡体を優れた厚みの寸
法精度で、かつ厚さが極薄いスライス物にまで容易にス
ライスできるという本発明の所期の効果が達成される。
補強層の作用により所期の効果の達成される理由は、補
強層により、スライス装置において発泡体の所望の厚さ
のスライス物とする側の表面に加えられる圧力が、当該
表面に広く分散され均一化されるためと考えられる。補
強層の積層を行わない場合には、本発明の所期の効果を
達成することができない。また、本発明においては、合
成樹脂発泡体の表面に補強層を積層するという簡便な手
段により所期の効果を達成できるのであるから、経済的
に所期の効果を達成することができる。本発明の実施態
様の一例を概念的断面図として図1に示す。図1の例に
おいては、スライス対象の発泡体1の所望の厚さのスラ
イス物とする側の表面1aに補強層2が積層され、この
補強層2の積層された発泡体1が駆動ロール3と押えロ
ール4間に噛み込まれ、駆動ロール3及び押えロール4
の回転に伴って矢印方向に移送され、刃5によって、所
望の厚さの目的のスライス物6と、残部7とにスライス
される。本発明においては、必要に応じて、発泡体1の
スライス後に残部7となる側の表面1bにも補強層を積
層することができる。また、必要に応じて、残部7を、
再度スライス対象の発泡体1として用いて上記と同様に
スライスを行って、残部7から所望の厚さの目的のスラ
イス物を取得することができる。また、本発明において
は、目的のスライス物6の厚さは、その用途等の必要に
応じて適宜設定することができるが、優れた寸法精度で
1mm以下、例えば0.2〜0.3mmという極薄い厚
さにすることができる。
いて合成樹脂発泡体表面に加えられる圧力を表面に広く
分散させ均一化させ得て、かつ、平滑で、合成樹脂発泡
体の移送を円滑に行い得るものであれば、各種のフィル
ム状物を適宜選択して用いることができる。その例とし
て、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム等の合成樹脂フィルムや、紙等
が挙げられる。この補強層2の厚さは、必要に応じて適
宜設定することができるが、一般に、100〜300μ
mが適当である。
積層の形態は、必要に応じて各種の形態を採ることがで
きる。例えば、図2に概念的断面図として示すように、
補強層2が発泡体1の表面に単に載置して積層するだけ
の積層形態とすることができる。上記図1の本発明の実
施態様例における補強層2の積層形態は、この図2の積
層形態が採用されている。この図2の積層形態において
は、補強層2と発泡体1の積層面の摩擦抵抗に依存し
て、補強層2と発泡体1が同時に刃5の方向(図1にお
ける矢印方向)に移送される。また、図3に概念的断面
図として示すように、補強層2が発泡体1の表面に粘着
剤層8を介して積層されている積層形態とすることもで
きる。この場合、補強層2を単に載置する場合に比較す
ると、補強層2と発泡体1とがより一体となるため、ス
ライス物の厚み精度が若干向上する。また、図4に概念
的断面図として示すように、補強層2が発泡体1の表面
に粘着剤層8、支持体層9、および粘着剤層または接着
剤層10を順次介して積層されている積層形態とするこ
ともできる。上記各積層形態は、得られる目的のスライ
ス物の用途等に応じて適宜選択することができる。例え
ば、目的のスライス物を粘着ラベルとして用いる場合
は、図3あるいは図4の積層形態を採用し、補強層とし
て剥離紙を用いれば、目的のスライス物を、ラベルとし
ての所望の形状に型抜き等により賦形するのみにて、直
ちに粘着ラベルとして使用することができる。また、発
泡体のスライス物のみが所望される場合は、図2の積層
形態を採用すれば、粘着剤層を設ける等の余分な資材と
手数を要することなく、より簡便に目的の発泡体スライ
ス物を取得することができる。
しては、目的の発泡体のスライス物の引張り強度等を補
強するものであれば、各種のフィルム状物を適宜選択し
て用いることができる。その例として、ポリエステルフ
ィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィ
ルム等の合成樹脂フィルムや、不織布、紙、セロファ
ン、アルミ箔等が挙げられる。この支持体層9の厚さ
は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般
に、15〜40μmが適当である。
おける粘着剤層8、あるいは粘着剤層または接着剤層1
0に用いる粘着剤としては、補強層2と発泡体1、補強
層2と支持体層9、あるいは支持体層9と発泡体1を粘
着し得るものであれば、市販の各種粘着剤を適宜選択し
て用いることができる。この粘着剤の例として、主材と
してポリイソブチレン等の合成ゴム、天然ゴム、アクリ
ル樹脂等を用い、これらにテルペン系樹脂、ロジン系樹
脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、
鉱油等の粘着性付与剤と、フタル酸エステル、ヒマシ油
等の可塑剤等を必要に応じて加えた粘着剤等が挙げられ
る。これらの粘着剤には、必要に応じてポリイソシアネ
ート等の架橋剤を加えても良い。また、粘着剤層または
接着剤層10に用いる接着剤としても、支持体層9と発
泡体1を接着し得るものであれば、市販の各種接着剤を
適宜選択して用いることができる。この接着剤の例とし
て、ニトリルゴム系、ウレタン系、クロロプレンゴム
系、アクリル系接着剤等が挙げられる。上記粘着剤層
8、あるいは粘着剤層または接着剤層10の厚さは、必
要に応じて適宜設定することができるが、一般に、25
〜100μmが適当である。
を好適にスライスの対象とすることができる。その例と
して、発泡ポリエチレン等の発泡ポリオレフィン、発泡
ポリウレタン、発泡フェノール樹脂、発泡ユリア樹脂、
発泡エポキシ樹脂等の合成樹脂フォームや、これらにガ
ラス粉末等の無機充填材を充填して難燃化させた合成樹
脂フォーム、ガラス繊維等の無機強化材を用いて難燃化
と共に強度の強化された合成樹脂フォーム等が挙げられ
る。また、これらのスライスの対象とする合成樹脂発泡
体の形状は、用いるスライス装置の種類、構造等にもよ
るが、必要に応じて適宜設定することができ、例えば、
ブロック状、種々の厚さの板状ないしシート状とするこ
とができる。一般に、厚さ2〜10mmの板状ないしシ
ート状が適当である。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
(支持体フィルムと両面の粘着剤層の厚さの合計150
μm)を介して、厚さ4mmの板状の発泡ポリエチレン
(発泡倍率40倍)の上面に、厚さ130μmの両面に
シリコーンを塗布した紙製の剥離紙を積層した。この剥
離紙を両面粘着テープを介して積層した板状の発泡ポリ
エチレンを、図5に概念的に示すような駆動ロールと押
えロールを組み合わせた基本構造を有する皮漉機(押え
ロール下端と刃の間隔0.7mm)に供して、上面に剥
離紙の積層された目的のスライス物を得た。この得られ
たスライス物における発泡ポリエチレン層の厚さは0.
4mmであり、その厚さの寸法精度は優れたものであっ
た。
面に、実施例1で用いたと同様の剥離紙を、両面粘着テ
ープや粘着剤を用いることなく単に載置して積層した。
この剥離紙を単に載置して積層した板状の発泡ポリエチ
レンを、実施例1で用いたと同様の皮漉機に供して、上
面に剥離紙の積層された目的のスライス物を得た。この
得られたスライス物における発泡ポリエチレン層の厚さ
は0.4mmであり、その厚さの寸法精度は優れたもの
であった。
れた厚みの寸法精度で、厚さが1mm以下、例えば0.
2〜0.3mmといった極薄いスライス物にまで容易に
経済的にスライスすることができる。本発明のスライス
方法により得られたスライス物は、上記のとおり優れた
厚みの寸法精度を有するので、種々の分野で好適に用い
ることができる。
図である。
積層形態の一例を概念的に示す断面図である。
積層形態の他の例を概念的に示す断面図である。
積層形態のさらに他の例を概念的に示す断面図である。
である。
を概念的に示す断面図である。
面 1b :発泡体のスライス後に残部となる側の表面 2 :補強層 3 :駆動ロール 4 :押えロール 5 :刃 6 :所望の厚さの目的のスライス物 7 :残部 8 :粘着剤層 9 :支持体層 10 :粘着剤層または接着剤層 21 :発泡体 22 :駆動ロール 22´:押えロール 23 :刃 24 :所望の厚さを有する目的のスライス物 25 :残部 26 :押え金
Claims (5)
- 【請求項1】 合成樹脂発泡体をスライス装置によって
所望の厚さのスライス物にスライスする方法において、
該合成樹脂発泡体の所望の厚さのスライス物とする側の
表面に補強層を積層して該合成樹脂発泡体をスライス装
置に供することを特徴とする合成樹脂発泡体のスライス
方法。 - 【請求項2】 補強層が、合成樹脂発泡体の所望の厚さ
のスライス物とする側の表面に載置して積層されている
請求項1に記載の合成樹脂発泡体のスライス方法。 - 【請求項3】 補強層が、合成樹脂発泡体の所望の厚さ
のスライス物とする側の表面に粘着剤層を介して積層さ
れている請求項1に記載の合成樹脂発泡体のスライス方
法。 - 【請求項4】 補強層が、合成樹脂発泡体の所望の厚さ
のスライス物とする側の表面に粘着剤層、支持体層、お
よび粘着剤層または接着剤層を順次介して積層されてい
る請求項1に記載の合成樹脂発泡体のスライス方法。 - 【請求項5】 スライス装置が、ロール式スライス装置
およびロールと押え金を組み合わせたスライス装置から
選ばれたスライス装置である請求項1に記載の合成樹脂
発泡体のスライス方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36817499A JP4430182B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 合成樹脂発泡体のスライス方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP36817499A JP4430182B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 合成樹脂発泡体のスライス方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001179684A true JP2001179684A (ja) | 2001-07-03 |
JP4430182B2 JP4430182B2 (ja) | 2010-03-10 |
Family
ID=18491145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36817499A Expired - Lifetime JP4430182B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 合成樹脂発泡体のスライス方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4430182B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2104603A1 (de) * | 2006-12-20 | 2009-09-30 | Construction Research & Technology GmbH | Verfahren zur herstellung eines gewebearmiertes hartschaumträgerelements und hartschaumträgerelement |
JP2010142931A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 研磨パッド及びその製造方法 |
US20100228209A1 (en) * | 2009-03-06 | 2010-09-09 | Giovanni Carlucci | Absorbent core |
JP2015051489A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 富士紡ホールディングス株式会社 | 研磨パッドの製造装置及び製造方法 |
WO2023042280A1 (ja) * | 2021-09-14 | 2023-03-23 | 住友電気工業株式会社 | 電極、電池セル、セルスタック、電池システム、及び電極の製造方法 |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36817499A patent/JP4430182B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
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