JPH0953058A - 巻き崩れがない粘着テープ - Google Patents

巻き崩れがない粘着テープ

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JPH0953058A
JPH0953058A JP20620095A JP20620095A JPH0953058A JP H0953058 A JPH0953058 A JP H0953058A JP 20620095 A JP20620095 A JP 20620095A JP 20620095 A JP20620095 A JP 20620095A JP H0953058 A JPH0953058 A JP H0953058A
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JP
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tape
release sheet
adhesive
base material
sided
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JP20620095A
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English (en)
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Masabumi Murata
正文 村田
Hiroshi Ameno
泰士 飴野
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AMENO OYO KK
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
AMENO OYO KK
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の捲重体が巻き崩れしやすい欠点を改良
した作業性のよい剥離シート付き片面粘着テープ。 【解決手段】 片面剥離シート3の易剥離処理を施した
片面が通常の粘着剤4を介してテープ基材5と接合し、
当該片面剥離シート3の易剥離処理が施されていない面
はテープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂
層6で形成されている。また、片面剥離シートは易剥離
処理を施した一面と易剥離処理を施していない他面とを
有し、当該片面剥離シートの易剥離処理が施されていな
い面はテープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する
樹脂層から形成され、テープ基材の通常の粘着剤が形成
されていない面に接合している。さらに、テープ基材に
再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂はJIS K7
206によるビカット軟化温度が0℃以上の樹脂か、テ
ープ基材とのJIS Z0237による粘着力が200
g/25mm幅以下の再剥離性粘着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、組立工程、隙
間の充填、包装、広告板などのマーキング、掲示物の取
り付けなど様々な用途に使用される剥離シート付き片面
粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープには、剥離シートなしの片面
粘着テープ、剥離シート付きの片面や両面粘着テープな
どがあり、これらは粘着剤を塗工した幅広いシート状の
テープ基材を、剥離シート付きの場合には剥離シートと
ともに紙管などに巻き取り、巻き取った粘着テープを所
定の幅のテープに輪切りに切断することによって製造さ
れている。各々の製造方法を具体的に説明すると、図3
に示すように剥離シートなしの片面粘着テープ20は、
片面に粘着剤が付着しにくくなる処理を施したテープ基
材21に粘着剤を直接または間接的に塗工し、テープ基
材と粘着剤層22からなる二層構造に構成し、紙管など
に巻き取って製造していた。
【0003】また、図4に示すように両面粘着テープ3
0は、両面に易剥離処理を施した両面剥離シート23の
片面に粘着剤を塗工し、この両面剥離シートに塗工した
粘着剤の面にテープ基材21を接合させ、さらに通常の
粘着剤を剥離シートまたはテープ基材の、通常の粘着剤
が付着していない面に直接または間接に塗工することに
より、両面剥離シート23/粘着剤22/テープ基材2
1/粘着剤22の四層構造に構成し、紙管などに巻き取
って製造していた。
【0004】図3、4からわかるように、これらのテー
プが紙管などに巻き取られたとき、剥離シートなしの片
面粘着テープでは、テープ基材上に塗工された粘着剤
は、ひとつ内層側のテープ基材の粘着剤が付着しにくく
なる処理が施された面と接合し、この面と粘着する。ま
た、剥離シート付きの両面粘着テープでは、テープ基材
上に塗工された粘着剤は、ひとつ内層側にあるテープ基
材上に粘着剤を介して設けられた剥離シートの易剥離処
理面と接合し、ここでも剥離シートとテープ基材との粘
着が生じる。このように、巻き取られたテープの内外層
間は、易剥離処理などが施されているため、テープ基材
と粘着剤の粘着力に比べれば弱いものではあるが、ある
程度粘着しており滑らないので、巻き崩れなどを生じる
ことはなく巻き状態が保持されている。従って、幅の広
い原反を所定の幅に切断して幅の狭いテープを製造する
場合に、紙管に巻き取った原反をそのまま輪切りに切断
することによって、これらのテープを製造することが容
易であった。
【0005】しかし、図5に示すように剥離シート付き
片面粘着テープ40では、剥離シート23の易剥離処理
を施した面に通常の粘着剤を塗工し、さらにテープ基材
を接合させることにより、剥離シート23とテープ基材
21が粘着剤22を挟んだ三層構造に構成し、紙管など
に巻き取って製造しているが、紙管に巻き取った原反テ
ープでは図からもわかるようにテープ基材の粘着剤が付
着していない面と、剥離シートの粘着剤が付着していな
い面とが接触するように巻き取られているため、この接
触面は滑りやすく自然に巻き崩れを生じやすい状態とな
る。
【0006】従って、幅の広い剥離シート付き片面粘着
テープ原反を切断して所定の幅の剥離シート付き片面粘
着テープを製造する場合に、剥離シートなしの片面粘着
テープおよび両面粘着テープで可能であった巻き取った
片面粘着テープ原反をそのまま輪切りに切断する方法で
は、切断の際にかかる力によって巻きずれを生じ、一定
の幅に切断することは困難であった。
【0007】そのため、幅の狭い剥離シート付きの片面
粘着テープを製造する場合には、紙管などに巻き取った
剥離シート付き片面粘着テープ原反をほどきながらスリ
ット装置を用いて所定の幅に複数のテープに切断し、そ
れぞれのテープを別の紙管などに巻き取るなどの方法で
製造するか、または紙管などに巻き取った原反に釘など
を刺したり、テープ表面を粗くする加工をするなどして
巻きずれを防止し、そのまま輪切りに切断して製造して
いた。
【0008】このようにして製造された剥離シート付き
片面粘着テープは、非常に滑りやすく、特に幅の狭いテ
ープでは、横方向の力によるわずかなずれでも巻きの崩
壊につながる上に、手作業に使用される場合が多いこと
も原因して巻き崩れを起こしやすいものであった。
【0009】従って、巻き崩れしやすいこれらの剥離シ
ート付き片面粘着テープを貼り付ける作業は、片手で剥
離シート付き片面粘着テープの巻き崩れを防止しながら
保持すると同時に剥離シートをつまみ、もう一方の手で
片面に粘着剤が塗工されたテープ基材を対象物に貼り付
ける作業をしなければならなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、剥離シ
ート付きの片面粘着テープ原反から幅の狭い剥離シート
付き粘着テープを製造するために、スリット装置を用い
る方法はそのまま輪切りに切断する工程に比べ複雑であ
り、長い時間が必要で、エネルギーの所要量が大きく、
またスリット装置の設備金額も大きいので、製造コスト
の上昇は避けられず、特別な場合にしか使用されていな
い。
【0011】また、剥離シート付き片面粘着テープ原反
に釘などを刺したり、テープ表面を粗くする加工をする
などして巻きずれを防止し、原反をそのまま輪切りに切
断する方法は、適用できる原反の厚さに限度があり、ま
た原反を切断するにあたり原反の残量が少なくなり幅が
減少してくると、もはや巻きずれを防止する事ができな
くなり、残った部分は廃棄せざるを得ないためかなりの
損失が生じていた。
【0012】一方、このような巻き崩れしやすい従来の
剥離シート付き片面粘着テープでは、前述のように、片
手で剥離シート付き片面粘着テープの巻き崩れを防ぎな
がら対象物に貼り付けなければならないため、作業性を
考慮すると、片手で保持できる円周の太さを越えないよ
うに製造せざるを得なかった。
【0013】従って、特にテープ基材が肉厚の剥離シー
ト付き片面粘着テープでは、長いテープを製造すること
が難しく、テープを対象物に貼り付けた後、残ったテー
プの長さが対象物の長さより短く使用することができな
い長さの使用残が多数発生し、資源とエネルギーの無駄
が生じていた。
【0014】さらに、貼り付け作業では、必ず両手を使
用せざるを得ない作業方法であったため、作業性が悪
く、例えば窓枠に貼る隙間防止テープや断熱テープなど
の建築用外装に用いる場合など、特に高所での作業では
危険性も大きかった。
【0015】一方、剥離シート付き片面粘着テープに印
刷を施し、テープ基材のみ型抜きを施すシールやラベル
などの用途や、粘着剤を塗布するために張力を負荷する
ことが不可能な多孔質テープ基材を基本とする隙間充填
テープや衝撃緩衝性梱包内部テープなど、剥離シート付
き片面粘着テープでなければならない用途が広く存在し
ている。
【0016】従って、本発明は、上述の問題点の原因と
なっている巻き崩れしやすいという欠点を改良し、剥離
シート付き片面粘着テープの経済的な製造方法および作
業性のよい剥離シート付き片面粘着テープを提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の剥離シート付き
片面粘着テープは、片面剥離シートの易剥離処理を施し
た片面が通常の粘着剤を介してテープ基材と接合し、当
該片面剥離シートの易剥離処理が施されていない面はテ
ープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂層で
形成されていることを特徴とする。
【0018】また、本発明の剥離シート付き片面粘着テ
ープは、片面剥離シートは易剥離処理を施した一面と易
剥離処理を施していない他面とを有し、当該片面剥離シ
ートの易剥離処理が施されていない面はテープ基材に再
剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂層から形成され、
テープ基材の通常の粘着剤が形成されていない面に接合
していることを特徴とする。
【0019】さらに、テープ基材に再剥離可能に貼り付
く性質を有する樹脂はJIS K7206によるビカッ
ト軟化温度が0℃以上の樹脂か、テープ基材とのJIS
Z0237による粘着力が200g/25mm幅以下
の再剥離性粘着剤であることを特徴とし、再剥離性粘着
剤が接合するテープ基材の通常の粘着剤層が形成されて
いない面を易剥離処理することも特徴とする。
【0020】剥離シート付きの片面粘着シートで巻きが
崩れない捲重体を作製するには、剥離シートとテープ基
材との間の付着力を高めればよいことがわかるが、この
ため剥離シートやテープ基材に通常の粘着剤を塗工した
のでは、粘着力が強すぎテープの貼り付けが容易ではな
く、またテープ基材上に粘着剤が残ってしまうことにな
るなど不都合なことが多く、このような粘着剤を使用す
ることはできなかった。本発明はこのような粘着剤を用
いずに、一般に粘着剤とはいえないビカット軟化温度が
0℃以上である樹脂や、粘着力がきわめて小さい再剥離
性粘着剤などテープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を
有する付着性樹脂を用いて、剥離シートとテープ基材と
の間に付着力を付与し、巻き崩れを防止することを特徴
としている。
【0021】本発明の剥離シート付き片面粘着テープは
図1および図2に示すような構成を有しており、図1は
剥離シートを内側にして巻いた場合(以下、「内巻き」
という)を示し、図2は剥離シートを外側にして巻いた
場合(以下、「外巻き」という)を示している。図から
わかるように、本発明の剥離シート付き片面粘着テープ
1および2を巻き重ねた状態の捲重体としてみた場合、
内巻き、外巻きのいずれの場合も、片面剥離シート3の
易剥離処理を施した面Rが通常の粘着剤4を挟んでテー
プ基材5と接合し、当該剥離シート3の易剥離処理が施
されていない面が、テープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する付着性樹脂6からなるように構成されてい
る。一方、テープを引き戻し、テープ自体の構成をみる
と、剥離シートとテープ基材との位置関係は逆になり、
内巻きでは片面剥離シート3の易剥離処理を施した面R
が、テープ基材に形成された通常の粘着剤4と接合して
いるのに対し、外巻きでは、片面剥離シート3の易剥離
処理が施されていない面であるテープ基材に再剥離可能
に貼り付く性質を有する付着性樹脂6が、粘着剤層を形
成していない側のテープ基材5表面と接合するようにな
る。
【0022】なお、図2のように外巻きに本発明の粘着
テープを構成することによって、対象物に貼り付けた
後、剥離シートをテープ基材上に付着したまま残すこと
ができ、この剥離シートはテープ基材表面の保護シート
として機能させることができる。
【0023】本発明で使用できる、テープ基材に再剥離
可能に貼り付く性質を有する付着性樹脂としては、JI
S K7206によるビカット軟化温度が0℃以上の樹
脂であり、片面剥離シートの易剥離処理が施されていな
い面にこの樹脂層を形成するには、このような樹脂の溶
液または懸濁液を塗布、乾燥させて樹脂層を形成して
も、また、ラミネートすることによっても樹脂層を形成
することができる。
【0024】溶液または懸濁液として塗布に適する樹脂
としては、例えば、特定のアクリル系エマルジョン、ポ
リビニルブチラール、エポキシ樹脂などを列挙すること
ができるが、これらに限定されるものではない。なお、
スチレン−アクリル系樹脂を用いると、様々なテープ基
材に合わせて貼り付く性質を調節しやすいために好まし
い結果が得られる。
【0025】ラミネートに適する樹脂としては、例え
ば、特定のポリ塩化ビニリデン、脂肪族ポリエステルな
どを列挙することができるが、これらに限定されるもの
ではない。なお、エポキシ変性ポリ塩化ビニリデンを用
いると、テープ基材がリン酸エステルなどの可塑剤を含
む軟質ビニル系樹脂の場合に、貼り付く性質が十分に得
られ好ましい結果が得られる。
【0026】本発明で一般に粘着剤ではないビカット軟
化温度が0℃以上の樹脂により付着性が発揮される理由
は定かではないが、これらの樹脂がテープ基材との間に
水素結合やイオン結合のような弱い結合や、静電的な吸
引力を生じることが原因の一部であると考えられる。従
って、樹脂の構造としては、官能基を含むスチレン−ア
クリル系共重合体、エポキシ変性ポリ塩化ビニリデンの
ような極性の高い樹脂が好ましく、分子内にC=OやN
HやOHを含み、手で触った時にしっとりと付着感のあ
る樹脂が適している。しかし、これらの樹脂による付着
性はテープ基材の材質によっても著しく変化し、テープ
基材が水素結合やイオン結合を生じるような官能基を有
しない場合には、ビカット軟化温度が0℃以上の樹脂は
付着性をあまり発揮しない。一方、テープ基材がリン酸
クレゾールエステルなどの高極性可塑剤を多量に含む軟
質塩化ビニルや、ケイ酸単位を多量に含むシリコン樹脂
などの場合には、ビカット軟化温度が0℃以上のエポキ
シ変性ポリ塩化ビニリデンおよびスチレン−アクリル系
共重合体が著しい付着性を示す。以上のように本発明
は、ビカット軟化温度が0℃以上の樹脂を用いるため、
剥離シート上の樹脂表面を触ってもタック性はほとんど
なく、適合するテープ基材に押しつけたときに初めて付
着性が現れるものである。
【0027】一方、本発明ではテープ基材に最剥離可能
に貼り付く性質を有する樹脂として粘着力がきわめて小
さい再剥離性粘着剤も用いることができる。この場合
に、再剥離性粘着剤が示す粘着力は、テープ基材とのJ
IS Z0237による粘着力が200g/25mm幅
以下のものであることが必要であり、これらの再剥離性
粘着剤を塗布、乾燥することによって製造することがで
きる。このようなテープ基材とのJIS Z0237に
よる粘着力が200g/25mm幅以下の樹脂として、
例えば、特定のアクリル系溶液、アクリル系エマルジョ
ン、ゴム系溶液などを列挙することができるが、これら
に限定されるものではなく、また、通常の粘着剤に可塑
剤、架橋剤、オイルなどを添加し、粘着力を低下させる
ことによっても得ることができる。このように本発明で
用いる再剥離性粘着剤や粘着力はテープ基材の種類によ
って変わりうるが、テープ基材に合わせるように粘着力
を調節したアクリル系粘着剤で、JIS Z0237に
よる粘着力が20〜70g/25mm幅のものを用いる
と再剥離の際の作業性の面で特によい結果が得られる。
【0028】また、テープ基材に最剥離可能に貼り付く
性質を有す樹脂として粘着力がきわめて小さい再剥離性
粘着剤を用いる場合において、テープ基材が、例えばポ
リエステルやポリウレタンなど易剥離性を有しない素材
からなるような場合には、対象物に貼り付けた後の片面
粘着テープ表面に、用いた再剥離性粘着剤が残留する可
能性があり、用途によっては塵埃の付着による美観の喪
失や衛生性の低下などの好ましくない状況を作る原因と
なることがある。従って、テープ基材上への再剥離性粘
着剤の残留を防ぐことが必要となるが、これはテープ基
材が主として易剥離性を有するハロゲン化ポリマーやポ
リオレフィンなどのような素材からなるときには発生す
ることはなく、用いるテープ基材の種類によって発生す
ることがある二次的な問題であるといえる。
【0029】この問題を解決するために、テープを巻き
取った捲重体において塗工された再剥離性粘着剤と接触
するテープ基材表面に易剥離処理を施すことにより、再
剥離性粘着剤がテープ基材表面に残留しにくい特徴を付
与することができる。
【0030】テープ基材表面に施す易剥離処理には、化
学的性質を利用した処理と物理的性質を利用した処理と
があり、さらに、化学的性質を利用した処理と物理的性
質を利用した処理とを併用することによって相乗効果が
期待できる場合がある。
【0031】化学的性質を利用した処理法には、シリコ
ーン、ハロゲン化有機物、アルキル化物またはオレフィ
ン類などその他の易剥離性を付与する物質で基材表面を
覆う処理など種々の方法が挙げられ、再剥離性粘着剤が
接触するテープ基材表面を水素結合、イオン結合などが
生じにくい物質で覆うことによって易剥離性を付与する
ことができる。
【0032】テープ基材表面をシリコーン、ハロゲン化
有機物、アルキル化物またはオレフィン類などで覆う処
理方法には、例えば、シリル化剤やフッ化剤やアルキル
化剤などを作用させテープ基材表面に化学的修飾を直接
導入する方法、シリコーンやハロゲン化有機物やアルキ
ル化物やオレフィン類などを吹き付けたり、種々のコー
ターを用いて塗布する方法、あるいはシリル化された樹
脂やハロゲン化された樹脂やアルキル化された樹脂ある
いはオレフィン類樹脂などからなるフィルムやシートを
接着剤によってラミネートする方法または熱によるドラ
イラミネートする方法などがあり、必要に応じて、テー
プ基材表面に対する事前のプライマーなどによる前処理
や、後処理が組み合わされる。
【0033】物理的性質を利用した処理方法には、エン
ボス処理を伴うことを特徴とする手段があり、特にテー
プ基材が多孔質材料からなる場合には、基材表面の平滑
化を併用する手段を講じると効果が増加する。これは、
エンボス処理によって、再剥離性粘着剤に接触するテー
プ基材の面積を減少させ易剥離性を付与し、また、特に
テープ基材が多孔質材料からなる場合には、テープ基材
表面を平滑化する処理を併用することによって、再剥離
性粘着剤がテープ基材の表面孔に侵入し再剥離性粘着剤
がテープ基材上に残留することを防止するとともに、テ
ープ基材表面を易剥離性とすることができるためであ
る。
【0034】これらのエンボス処理の方法としては、例
えば、機械的な切削を伴う方法、熱による軟化を伴う方
法、成形済み材料を接合する方法など様々な方法があ
り、また、平滑化を伴うエンボス処理には、例えば、テ
ープ基材自体をエンボス化しながら製造する方法、溶剤
による部分溶解を伴う方法、熱による軟化を伴う方法、
無孔質成形済み材料を接合する方法など、様々な方法が
あり、それぞれ特定の方法に限定されるものではない。
【0035】テープ基材表面に平滑化エンボス処理を施
す具体的な方法としては、テープ基材の性質並びに製造
工程により次のような種々の方法が挙げられる。
【0036】例えば、テープ基材がダイからの押し出
し成形を含む製造工程にて成形される場合には、押し出
しダイからローレットロールを経由して引き出すことで
テープ基材自体をエンボス化しながら製造でき、テー
プ基材が発泡処理を含む製造工程にて成形される場合に
は、未発泡のテープ基材原料の片面を目の粗い布製など
のベルトに押しつけながら発泡させる方法が使用でき、
テープ基材が切削加工に適した物性を有する素材から
からなる場合には機械的な切削をテープ基材に直接加え
る方法が使用でき、加熱したローレットローラーなど
を使用することで容易にテープ表面が軟化してエンボス
処理を施すことができる場合には熱による軟化を伴う方
法が使用でき、多孔質からなるテープ基材が容易に溶
剤で表面に微少な部分溶解を生じ、ローレットローラー
などを使用することによって再剥離性粘着剤が多孔質の
テープ基材に浸透しない程度に表面孔を閉塞させる平滑
化と同時にエンボス処理を施すことができる場合には、
溶剤による部分溶解を伴う方法が使用でき、表面に凹
凸が形成されたフィルムなどを接着や融着にて接合可能
な場合には無孔質成形済み材料を接合する方法が使用で
きる。また、これらの方法に必要に応じて、テープ基材
表面を事前にプライマーで処理する方法を組み合わせる
など様々な方法があり、特定の処理方法に限定されるも
のではない。
【0037】以上のように、本発明の本質は、片面剥離
シートの易剥離処理を施した片面が通常の粘着剤を挟ん
でテープ基材と接合し、当該剥離シートの易剥離処理が
施されていない面が、これら特定のテープ基材に再剥離
可能に貼り付く性質を有する樹脂からなることを特徴と
するものであり、上述の樹脂を塗工またはラミネートし
たものに限定されるものではなく、例えば、剥離シート
自体がこのような性質を有する樹脂などで構成すること
もできる。このようなものとしては、片面付着性を高め
るプライマー処理を施したテフロンフィルムなどが挙げ
られる。
【0038】本発明で用いる片面剥離シートは、紙また
はPET、OPP、PEのようなポリマー製のフィルム
の片面に易剥離処理を施し、通常の粘着剤との接着力を
低下させ剥離シートと粘着剤とを剥離しやすくしたもの
であり、易剥離処理としては、例えば、シリコーン塗
布、フッ化炭化水素の塗布のような処理方法で行うこと
ができる。このような剥離シートは、一般の市販のもの
を用いることができる。
【0039】テープ基材としては、粘着テープの用途に
より、樹脂、金属、布、紙など種々の材質のものを用い
ることができる。また、通常の粘着剤としては、アクリ
ル系またはゴム系の粘着剤が一般的に広く用いられ、粘
着テープの用途によりJISZ0237による粘着力が
300g/25mm幅以上、特に、永久的な粘着を必要
とする場合には1000g/25mm幅以上の粘着力を
有するものを使用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の剥離シート付き片面粘着
テープを製造するには、次のような、大別して五種類の
製造方法があり、これらはテープ基材、剥離シート、通
常の粘着剤およびテープ基材に再剥離可能に貼り付く性
質を有する樹脂の性質によって、適宜選択されて製造さ
れる。以下に製造方法の概略を示す。
【0041】第一の方法は、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面にテープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する樹脂を付着形成し、易剥離処理面に通常の
粘着剤を塗布、乾燥後、当該粘着剤層にテープ基材を接
合させて、本発明の剥離シート付き片面粘着テープ原反
を製造する方法である。
【0042】第二の方法は、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面にテープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する樹脂を付着形成した剥離シートを作製し、
これとは別に、テープ基材に直接通常の粘着剤を塗布、
乾燥させたテープ基材を作製した後、剥離シートの易剥
離処理面とテープ基材上の通常の粘着剤の層とを接合さ
せ本発明の剥離シート付き片面粘着テープ原反を製造す
る方法である。
【0043】第三の方法は、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面にテープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する樹脂を付着形成した剥離シートを作製し、
これとは別に、工程剥離紙の易剥離処理面に通常の粘着
剤を塗布、乾燥後、これにテープ基材を接合し、通常の
粘着剤がのった工程剥離紙付きテープ基材を作製する。
ついで、工程剥離紙を剥離、回収しながら、このテープ
基材上の粘着剤と剥離シートの易剥離処理面とを接合し
て本発明の剥離シート付き片面粘着テープ原反を製造す
る方法である。
【0044】第四の方法は、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面にテープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する樹脂を付着形成した後、当該剥離シートの
テープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂面
にテープ基材を接合し、さらに、そのテープ基材の露出
している面に通常の粘着剤を塗布、乾燥して本発明の剥
離シート付き片面粘着テープ原反を製造する方法であ
る。
【0045】第五の方法は、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面にテープ基材に再剥離可能に貼り付く
性質を有する樹脂を付着形成し、当該剥離シートのテー
プ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂面にテ
ープ基材を接合した剥離シート−テープ基材接合体を作
製し、これとは別に、工程剥離紙の易剥離処理面に通常
の粘着剤を塗布、乾燥して工程剥離紙上に粘着剤層を形
成する。ついで、工程剥離紙を剥離、回収しながら、工
程剥離紙上の粘着剤と剥離シート−テープ基材接合体の
テープ基材面とを接合し、本発明の剥離シート付き片面
粘着テープ原反を製造する方法である。
【0046】以下、実施例を用いて、さらに詳しく説明
する。
【0047】
【実施例】
実施例1 ラミネート用接着剤として、東洋インキ製造株式会社製
オリバインBPS1109(アクリル系ポリマー、固形
分:39.5%、粘度:約5200cps、酢酸エチル
溶液)と東洋インキ製造株式会社製芳香族イソシアネー
ト系硬化剤BHS8515(固形分:37.5%、酢酸
エチル溶液)を100:2.4重量部の比で混合したも
のを用い、図6に示す工程にて市販の上質紙剥離紙の易
剥離処理が施されていない面に、コンマコーターにて平
均塗工固形分量が25g/m2 になるように塗布し、乾
燥後、市販のエポキシ変性ポリ塩化ビニリデンフィルム
(商品名:サランラップ、旭化成工業株式会社製、T
s:100℃以上)をラミネートして、一面がシリコン
易剥離処理面、反面が塩化ビニル製マーキングテープ基
材に再剥離可能に貼り付く性質を有するエポキシ変性ポ
リ塩化ビニリデン樹脂からなる付着加工済み剥離紙を作
製した。
【0048】その後、この付着加工済み剥離紙の易剥離
処理面に、塩化ビニル基材用の通常の粘着剤として、東
洋インキ製造株式会社製オリバインBPS5209(ア
クリル系ポリマー、固形分:約36.0%、粘度:約4
000cps、酢酸エチル/トルエン溶液)と東洋イン
キ製造株式会社製芳香族イソシアネート系硬化剤BHS
8515(固形分:37.5%、酢酸エチル溶液)を1
00:2重量部の比で混合したものを、図7に示すよう
にコンマコーターにて平均塗工固形分量が25g/m2
になるように塗布し、乾燥後、予め作製した工程剥離紙
付き塩化ビニル製マーキングテープ基材を、工程剥離紙
を剥離しながら接合させ、剥離紙の易剥離処理が施され
ていない面が塩化ビニル製マーキングテープ基材に再剥
離可能に貼り付く性質を有するエポキシ変性ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂からなる剥離紙付き片面粘着塩化ビニルマ
ーキングテープを試作した。
【0049】本試作による、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面が塩化ビニル製マーキングテープ基材
に最剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂からなる剥離
紙付き片面粘着塩化ビニルマーキングテープは、従来の
剥離シート付き片面粘着塩化ビニルマーキングテープの
ように、巻き止めのテープを外して展開した後、手を離
しても、自然に残ったテープが巻きほどけて、運搬や保
存に困るようなことはなく、また、塩化ビニル製カッテ
ィングマット上で切り抜き作業を行う際にも横滑りしに
くく、作業性が向上した。
【0050】実施例2 テープ基材に最剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂で
あるビカット軟化温度が0℃以上の樹脂の懸濁液とし
て、東洋インキ製造株式会社製トークリルW−460
(スチレン−アクリル系ポリマー、固形分:約55%、
粘度:約1500cps、水性エマルジョン、Ts:3
℃以上、Tg:3℃)を、図8に示す工程にて市販の上
質紙剥離紙の易剥離処理が施されていない面に、リバー
スコーターにて平均塗工固形分量が25g/m2 になる
ように塗布、乾燥して、一面がシリコン易剥離処理面、
反面がプラスチックテープ基材に最剥離可能に貼り付く
性質を有するスチレン−アクリル樹脂からなる付着加工
済み剥離紙を作製した。
【0051】ついで、図9に示す工程にて、市販のPE
Tテープ基材に、通常の粘着剤として東洋インキ製造株
式会社製オリバインBPS1109(アクリル系ポリマ
ー、固形分約39.5%、粘度約5200cps、酢酸
エチル溶液)と東洋インキ製造株式会社製芳香族イソシ
アネート系硬化剤BHS8515(固形分:37.5
%、酢酸エチル溶液)を100:2.4重量部の比で混
合したものをコンマコーターにて平均塗工固形分量が2
5g/m2 になるように塗布し、乾燥した。その後、当
該通常の粘着剤を塗布したPETテープ基材の粘着剤面
と、一面がシリコン易剥離処理面、反面がプラスチック
テープ基材に最剥離可能に貼り付く性質を有するスチレ
ン−アクリル樹脂からなる付着加工済み剥離紙の易剥離
処理面とを接合させて紙管に巻き取り、回転刃切断装置
にて幅約50ミリメートルに輪切りに切断し、剥離シー
トの易剥離処理が施されていない面がプラスチックテー
プ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有するスチレン−
アクリル樹脂からなる幅の狭い剥離シート付き片面粘着
PETテープを試作した。
【0052】本試作による、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面がプラスチックテープ基材に最剥離可
能に貼り付く性質を有するスチレン−アクリル樹脂から
なる幅の狭い剥離シート付き片面粘着PETテープは、
従来の幅の狭い剥離シート付き片面粘着PETテープの
ように、巻き止めを外して展開した後、手を離しても、
自然に残ったテープが巻きほどけて、運搬や保存に困る
ようなことはなかった。
【0053】実施例3 図10に示す工程にて、工程剥離紙として市販の上質紙
剥離紙の易剥離処理が施された面に、通常の粘着剤とし
て東洋インキ製造株式会社製オリバインBPS1109
(アクリル系ポリマー、固形分:約38.5〜40.5
%、粘度:約5200cps、酢酸エチル溶液)と東洋
インキ製造株式会社製芳香族イソシアネート系硬化剤B
HS8515(固形分:37.5%、酢酸エチル溶液)
を100:2.4重量部の比で混合したものをコンマコ
ーターにて平均塗工固形分量が25g/m2 になるよう
に塗布し、乾燥した後、当該工程剥離紙の通常の粘着剤
を塗布した面に、市販の厚さ1.5mmの発泡ポリウレ
タン衝撃吸収テープ基材を接合し、紙管に巻き取った。
【0054】その後、図11に示す工程にて、工程剥離
紙を剥離、回収しながら、発泡ポリウレタン衝撃吸収テ
ープ基材上の通常の粘着剤と、実施例2に記載した一面
がシリコン易剥離処理面、反面がプラスチックテープ基
材に最剥離可能に貼り付く性質を有するスチレン−アク
リル樹脂からなる剥離紙の易剥離処理が施された面とを
接合させて直径約10センチメートルに巻き取り、回転
刃切断装置にて幅約20ミリメートルに輪切りに切断
し、剥離シートの易剥離処理が施されていない面がプラ
スチックテープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有す
スチレン−アクリル樹脂からなる幅の狭い剥離紙付き片
面粘着発泡ポリウレタン衝撃吸収テープを試作した。
【0055】本試作による、剥離紙の易剥離処理が施さ
れていない面がプラスチックテープ基材に再剥離可能に
貼り付く性質を有するスチレン−アクリル樹脂からなる
幅の狭い剥離紙付き片面粘着発泡ポリウレタン衝撃吸収
テープは、巻き止めを外して展開した後、手を離して
も、残ったテープが自然に巻きほどけて、運搬や保存に
困るようなことはなく、また、最初に剥離フィルムをテ
ープの背に付着するように展開すると、それ以降は片手
で貼り付け作業を継続することが可能であった。また、
剥離紙の易剥離処理が施されていない面のプラスチック
テープ基材に再剥離可能に貼り付く性質を有するスチレ
ン−アクリル樹脂は粘着剤ではないため、剥離紙をつけ
たまま機械による二次加工も可能であった。
【0056】実施例4 図12に示す工程にて、市販PET剥離シートの易剥離
処理が施されていない面に、テープ基材とのJIS Z
−0237による粘着力が200g/25mm幅以下の
再剥離性粘着剤として、東洋インキ製造株式会社製オリ
バインBPS-5227−1(アクリル系ポリマー、固
形分:約41.5%、粘度:約2000cps、酢酸エ
チル/トルエン溶液、)と東洋インキ製造株式会社製イ
ミン系硬化剤BXX5134(固形分:約5.0%、ト
ルエン溶液)を100:7重量部の比で混合したものを
コンマコーターにて平均塗工固形分量が10g/m2
なるように塗布し、乾燥して、一面がシリコン易剥離処
理面、反面が再剥離性粘着剤からなるPET製剥離シー
トを作製した。この再剥離性粘着剤のステンレススチー
ルテープ基材とのJIS Z0237による粘着力は2
3℃、65%RHの条件で測定した結果約40g/25
mm幅であった。ついで、作製したPET製剥離シート
の再剥離性粘着剤面に市販の0.05mm厚ステンレス
スチールテープ基材を接合させて巻き取った。
【0057】その後、図13に示す工程にて、ステンレ
ススチールテープ基材と付着加工済み剥離シートを接合
させたものの露出したステンレススチール面に、通常の
粘着剤として東洋インキ製造株式会社製オリバインBP
S1109(アクリル系ポリマー、固形分:約39.5
%、粘度:約5200cps、酢酸エチル溶液)と東洋
インキ製造株式会社製芳香族イソシアネート系硬化剤B
HS8515(固形分:37.5%、酢酸エチル溶液)
を100:2.4重量部の比で混合したものをコンマコ
ーターにて平均塗工固形分量が25g/m2 になるよう
に塗布し、乾燥して紙管に巻き取った。
【0058】本試作による、片面剥離シートの易剥離処
理が施されていない面がステンレステープ基材とのJI
S Z0237による粘着力が約40g/25mm幅の
再剥離性粘着剤からなる剥離シート付き片面粘着ステン
レススチールテープは、台所のステンレストップキッチ
ンユニット間の隙間を塞ぎ、間隙に食品などが落下する
ことを防止するテープとして使用可能なものであるが、
テープ基材のステンレススチールは反発して巻き崩れし
やすい性質を持つにも関わらず、巻き止めのテープを外
して展開した後、手を離しても、残ったテープが自然に
巻きほどけて、運搬や保存に困るようなことはなかっ
た。また、最初に剥離フィルムをテープの背に付着する
ように展開すると、それ以降は片手で貼り付け作業を継
続することが可能であった。また、剥離フィルムが図2
に示すような外巻きになるため、テープの貼り付け直後
から剥離シートを取り除くまでは、当該剥離シートがス
テンレス面の保護フィルムとしての役割を果たすことに
なる。
【0059】実施例5 実施例4と同じ市販のPET剥離シートの易剥離処理が
施されていない面に、テープ基材とのJIS Z023
7粘着力が200g/25mm幅以下の再剥離性粘着剤
として、東洋インキ製造株式会社製オリバインBPW4
960(アクリル系ポリマー、固形分:約29%、粘
度:約3500cps、水性エマルジョン)を、リバー
スコーターにて平均塗工固形分量が20g/m2 になる
ように塗布し、乾燥して、一面がシリコン易剥離処理
面、反面がネオプレンと表面物性が極めて似ているポリ
ブタジエンシートとのJIS Z0237による粘着力
が65g/25mm幅の再剥離性粘着剤からなる付着加
工済み剥離シートを作製し、紙管に巻き取った。
【0060】その後、図10に示す工程とほぼ同じにて
(ただし、図中「発砲ポリウレタン衝撃吸収テープ基
材」は「黒色ネオプレン発泡体断熱/防音テープ基材」
である)、工程剥離紙として市販の上質紙剥離紙の易剥
離処理が施された面に、通常の粘着剤として東洋インキ
製造株式会社製オリバインBPS1109(アクリル系
ポリマー、固形分:約39.5%、粘度:約5200c
ps、酢酸エチル溶液)と東洋インキ製造株式会社製芳
香族イソシアネート系硬化剤BHS8515(固形分:
約37.5%、酢酸エチル溶液)を100:2.4重量
部の比で混合したものをコンマコーターにて平均塗工固
形分量が25g/m2 になるように塗布し、乾燥した。
ついで、この工程剥離紙の通常の粘着剤を塗布した面
に、熱ローラー法を用いて、片面を滑面に、他面を平滑
化エンボス処理した、厚さ約5ミリメートルの黒色ネオ
プレン発泡体断熱/防音テープ基材の滑面側を接合し、
紙管に巻き取った。
【0061】その後、図15に示す工程にて、黒色ネオ
プレン発泡体断熱/防音テープ基材の露出した平滑化エ
ンボス処理面と、上記PET製剥離シートのポリブタジ
エンシートとのJIS Z0237による粘着力が65
g/25mm幅以下の再剥離性粘着剤が塗工された面と
を接合させて、工程剥離紙を剥離、回収しながら、直径
約30センチメートルに巻き取り、回転刃切断装置にて
幅約20ミリメートルに輪切りに切断し、剥離シートの
易剥離処理が施されていない面がテープ基材に再剥離可
能に貼り付く性質を有す樹脂からなる幅の狭い剥離シー
ト付き片面粘着黒色ネオプレン発泡体断熱/防音テープ
を試作した。
【0062】本試作による、剥離シートの易剥離処理が
施されていない面が再剥離性粘着剤からなる幅の狭い剥
離シート付き片面粘着黒色ネオプレン発泡体断熱/防音
テープは、窓のサッシ用充填断熱/防音テープとして使
用可能な性能を備えており、また、直径約30センチメ
ートル程度と、従来の市販の窓の隙間充填用の幅の狭い
剥離シート付き片面粘着断熱/防音テープにはない長尺
巻きではあるが、巻き止めのテープを外して展開した
後、手を離しても、残ったテープが自然に巻きほどけ
て、作業の継続が困難になるようなことはなく、また、
剥離シートが図2に示すような外巻きになっているので
当該剥離シートをテープの背に付着したまま展開する
と、片手で貼り付け作業を継続でき、しかも剥離フィル
ムが保護フィルムの役割を果たすことが可能であった。
【0063】
【発明の効果】本発明に従い、粘着テープ捲重体におい
て片面剥離シートの易剥離処理を施した片面が通常の粘
着剤を挟んでテープ基材と接合し、当該剥離シートの易
剥離処理が施されていない面が、テープ基材に再剥離可
能に貼り付く性質を有する樹脂からなることを特徴とす
る本発明の剥離シート付き片面粘着テープを構成するこ
とによって、剥離シートとテープ基材の通常の粘着剤が
形成されていない面との間に付着性を付与することがで
き、巻き崩れのおそれがないものが得られる。従って、
幅の広い剥離シート付きの片面粘着テープから幅の狭い
剥離シート付きの片面粘着テープを製造する際に、高価
なスリット装置を用いる必要もなくなく、巻き取った幅
の広いテープをそのまま輪切りに切断するだけで容易に
製造することができる。また、巻き取った原反に釘など
を刺して巻き崩れを防ぐ必要もなく、ほぼ全量を幅の狭
い剥離シート付き片面粘着テープに切断することが可能
となる。さらに、釘を刺して巻き崩れを防ぐ方法では、
打ち込める釘の長さによって、巻き取れるテープ長さに
限界があったが、本発明の剥離シート付き粘着シートで
はそのような限界はなく、長いテープ長の太巻きのもの
でも容易に製造することができる。
【0064】また、巻き崩れしやすい従来の剥離シート
付き片面粘着テープを貼り付ける作業では、片手で剥離
シート付き片面粘着テープの巻き崩れを防止しながら保
持すると同時に剥離シートをつまみ、もう一方の手で片
面に通常の粘着剤が塗布されたテープ基材を対象物に貼
り付ける作業をしなければならなかった。しかし、本発
明の剥離シート付き片面粘着テープを貼り付ける作業で
は、剥離シート付き片面粘着テープが巻き崩れを生じる
可能性が殆ど無くなったので、特に巻き崩れを防止する
ことなく片手でテープを保持するだけで対象物に貼り付
ける作業ができるようになり、きわめて能率的であり、
短時間で作業を完成させることができる。
【0065】さらに、外巻きのテープとした場合には、
剥離シートはテープ基材の通常の粘着剤に接合しない
面、すなわち対象物に貼り付けたテープ基材の外側に付
着したままの状態で残り、あえて剥離シートを剥がす作
業を行わなくともテープを保持した手で直接対象物にテ
ープを貼り付けることが可能となり、もう一方の手を作
業員が自らの姿勢を維持するために用いることができ、
特に高所での作業における危険性が著しく減少される。
【0066】また、本発明による剥離シート付き片面粘
着テープは、巻き崩れを生じにくいため、巻き径が大き
な長尺のテープでも容易に取り扱うことができるので、
残りのテープの長さが貼り付ける対象物の長さに足りず
短くて使用することができない短尺の使用残の発生数が
少なくなる。すなわち、廃棄物量が減少し、資源とエネ
ルギーの節約になり、経済的である。
【0067】さらに、本発明による剥離シート付き片面
粘着テープは、貼り付け後も剥離シートをテープ基材の
表面に付着させたままにしておくと剥離シートがテープ
基材表面を保護するので、建築用途などの使用現場での
わずかな不注意によって傷を受けやすい用途では、剥離
シートを剥がす必要のある時期まで、積極的に剥離シー
トを付着させたままの状態にすることによって、当該本
発明による剥離シート付き片面粘着テープが傷つき性能
が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による剥離シート付き片面粘着テープを
剥離シートを内巻きにした場合の構成を示す図である。
【図2】本発明による剥離シート付き片面粘着テープを
剥離シートを外巻きにした場合の構成を示す図である。
【図3】剥離シートなしの片面粘着テープの構成を示す
図である。
【図4】剥離シート付きの両面粘着テープの構成を示す
図である。
【図5】従来の剥離シート付きの片面粘着テープの構成
を示す図である。
【図6】実施例1において、剥離紙−エポキシ変性ポリ
塩化ビニリデンラミネートフィルムを作製する工程を示
す図である。
【図7】実施例1において、剥離紙付き片面塩化ビニル
マーキングテープを作製する工程を示す図である。
【図8】実施例2において、スチレン−アクリル樹脂付
着剥離紙を作製する工程を示す図である。
【図9】実施例2において、剥離シート付き片面PET
テープを作製する工程を示す図である。
【図10】実施例3において、テープ基材接合工程剥離
紙を作製する工程を示す図である。
【図11】実施例3において、片面粘着発泡ポリウレタ
ン衝撃吸収テープを作製する工程を示す図である。
【図12】実施例4において、剥離シート接合ステンレ
ススチールを作製する工程を示す図である。
【図13】実施例4において、剥離シート付き片面粘着
ステンレススチールテープを作製する工程を示す図であ
る。
【図14】実施例5において、片面粘着黒色ネオプレン
発泡体断熱/防音テープを作製する工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 内巻きの剥離シート付き片面粘着テープ 2 外巻きの剥離シート付き片面粘着テープ 3 剥離シート 4 通常の粘着剤 5 テープ基材 6 付着性樹脂 10 コンマコーター 11 リバースコーター 12 乾燥機 20 剥離シートなしの片面粘着テープ 21 テープ基材 22 粘着剤 23 剥離シート 30 剥離シート付きの両面粘着テープ 40 剥離シート付きの片面粘着テープ A 接着面 P エポキシ変性ポリ塩化ビニリデン面 Q スチレン−アクリル樹脂面 R 易剥離処理面 S 再剥離可能粘着剤面 T 粘着剤面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面剥離シートの易剥離処理を施した片
    面が通常の粘着剤を介してテープ基材と接合し、当該片
    面剥離シートの易剥離処理が施されていない面はテープ
    基材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂層で形成
    されている剥離シート付き片面粘着テープ。
  2. 【請求項2】 片面剥離シートは易剥離処理を施した一
    面と易剥離処理を施していない他面とを有し、当該片面
    剥離シートの易剥離処理が施されていない面はテープ基
    材に再剥離可能に貼り付く性質を有する樹脂層から形成
    され、テープ基材の通常の粘着剤が形成されていない面
    に接合している剥離シート付き片面粘着テープ。
  3. 【請求項3】 テープ基材に再剥離可能に貼り付く性質
    を有する樹脂がビカット軟化温度が0℃以上の樹脂であ
    る請求項1または2に記載の剥離シート付き片面粘着テ
    ープ。
  4. 【請求項4】 テープ基材に最剥離可能に貼り付く性質
    を有する樹脂がテープ基材とのJIS Z0237によ
    る粘着力が200g/25mm幅以下の再剥離性粘着剤
    である請求項1または2に記載の剥離シート付き片面粘
    着テープ。
  5. 【請求項5】 再剥離性粘着剤が接合するテープ基材の
    通常の粘着剤層が形成されていない面が易剥離処理され
    ている請求項4に記載の剥離シート付き片面粘着テー
    プ。
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