JP2001171377A - 車両の駆動制御装置および4輪駆動車両の制御装置 - Google Patents

車両の駆動制御装置および4輪駆動車両の制御装置

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JP2001171377A JP2000308305A JP2000308305A JP2001171377A JP 2001171377 A JP2001171377 A JP 2001171377A JP 2000308305 A JP2000308305 A JP 2000308305A JP 2000308305 A JP2000308305 A JP 2000308305A JP 2001171377 A JP2001171377 A JP 2001171377A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両のずり下がりが抑制されるとともに運転者
が道路勾配を正確に知ることができるようにした車両の
駆動制御装置を提供する。 【解決手段】 車両の駆動力制御において、坂路発進ア
シスト制御手段350によれば、道路勾配を表す停車時
前後加速度Gxstpに対応して車両の駆動輪に駆動力を付
与する車両の駆動制御を行う場合に、車両の登坂発進時
において後退車速が零より大きい所定車速以下となるよ
うに車両の駆動力FT2(=FT1+dF)が設定されるこ
とから、車両の坂路発進に際してはアクセルペダル12
2の踏込前では所定車速以下で僅かに後退させられるの
で、車両のずり下がりが抑制されるとともに運転者が道
路勾配を正確に知ることができる。このため、運転者は
車両の発進に際して坂路勾配に応じて踏込を行うことが
できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動制御装
置に関し、特に車両発進時に道路勾配に対応した駆動力
を自動的に付与する制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】坂路発進に際して車両のずり落ちすなわ
ち後退を防止するために、車両に設けられた電動機にト
ルクを付与するようにした車両用駆動制御装置が提案さ
れている。たとえば、特開平7−322404号公報に
記載された駆動制御装置がそれである。これによれば、
車両のずり落ちが判断されると、アクセルペダルが僅か
に踏み込まれている状態で勾配路に車両が停止させるこ
とができるように駆動用電動機の出力トルクが補正さ
れ、熟練を要することなく坂路発進が行われるようにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駆動制御装置においては、勾配路に車両が停止させ
ることができるように駆動用電動機の出力トルクが自動
的に補正されるので、運転者は比較的急な道路勾配であ
っても平坦路と誤認したりして、車両発進時のアクセル
ペダルの踏込具合に混乱をきたす場合があるなどの改善
の余地があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、車両のずり下がりが
抑制されるとともに運転者が道路勾配を正確に知ること
ができるようにした車両の駆動制御装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、登坂方向への
発進時に道路勾配に対応して駆動輪に駆動力を付与する
車両の駆動制御装置において、道路勾配に対応して駆動
力を付与する場合に、降坂方向の車速が零より大きく且
つ零より大きい所定車速以下または降坂方向の加速度が
零より大きい所定加速度以下となるようにその駆動力を
設定することにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、登坂方向の車両
の発進時に道路勾配に対応して駆動力を付与する場合
に、降坂方向の車速が零より大きく且つ零より大きい所
定車速以下または降坂方向の加速度が零より大きい所定
加速度以下となるように車両の駆動力すなわち原動機の
駆動力が設定されることから、車両の坂路発進に際して
はアクセルペダルの踏込前では所定車速以下で僅かに後
退させられるので、車両のずり下がりが抑制されるとと
もに運転者が道路勾配を正確に知ることができる。この
ため、運転者は車両の登坂方向の発進に際して坂路勾配
に応じて踏込を行うことができる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】上記目的を達成す
るための第2発明の要旨とするところは、登坂方向の発
進時に道路勾配に対応して駆動輪に駆動力を付与する車
両の駆動制御装置において、停車中にブレーキペダルの
非操作継続時間が所定値よりも長い場合には、道路勾配
に対応した駆動力の付与を中止することにある。
【0008】
【第2発明の効果】このようにすれば、車両の停車中に
ブレーキペダルの非操作継続時間が所定値よりも長い場
合には、道路勾配に対応した駆動力の付与が中止される
ことから、前進意図のない状態ではずり下がりが許容さ
れるので、運転者に道路勾配の程度を知らせることがで
きる。
【0009】
【課題を解決するための第3の手段】上記目的を達成す
るための第3発明の要旨とするところは、登坂方向の発
進時に道路勾配に対応して駆動輪に駆動力を付与する車
両の駆動制御装置において、道路勾配に対応した駆動力
の付与を実行開始時には速やかに駆動力を上昇させ、道
路勾配に対応した駆動力の付与の中止時或いは終了時に
は緩やかに駆動力を減少させることにある。
【0010】
【第3発明の効果】このようにすれば、登坂方向の発進
時に道路勾配に対応して駆動輪に駆動力を付与する時に
は速やかに駆動力が上昇させられ、道路勾配に対応した
駆動力の付与の中止時には緩やかに駆動力が減少させら
れることから、登坂路発進時でのずり下がりの抑制が速
やかに行われるとともに、違和感なく駆動力の付与が中
止される。
【0011】
【課題を解決するための第4の手段】上記目的を達成す
るための第4発明の要旨とするところは、前輪および後
輪の一方を第1原動機で駆動可能とし、他方を第2原動
機により駆動可能とした4輪駆動車の制御装置におい
て、運転者の出力操作手段の操作程度と車速とに基づき
目標駆動力を求め、その目標駆動力に基づいて前輪側お
よび後輪側から出力すべき駆動力を、車両発進時におい
て道路勾配に基づいて制御するようにしたことにある。
【0012】
【第4発明の効果】このようにすれば、運転者の出力操
作手段の操作程度と車速とに基づいて目標駆動力が求め
られ、その目標駆動力に基づいて前輪側および後輪側か
ら出力すべき駆動力が車両発進時において道路勾配に基
づいて制御されることから、運転者の要求に合った目標
駆動力が適切に求められ、勾配発進走行時にそれに合っ
た前後輪の駆動力配分となる。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、第1発明の車両
の駆動制御装置は、所定の道路勾配の範囲内において、
降坂方向たとえば後退方向の車速が所定車速以下となる
ように又は降坂方向の加速度が所定加速度以下となるよ
うに、道路勾配に対応して車両の駆動力を設定するもの
である。このようにすれば、道路勾配が所定の道路勾配
を越える場合には、降坂方向の車速が所定車速以下とな
るように設定される車両の駆動力がそれ以上増加させら
れなくなるので、運転者が道路勾配を一層正確に知るこ
とができる。
【0014】また、好適には、前記所定車速は、数キロ
メータたとえば1乃至3km/h程度の微速である。また、
好適には、前記所定加速度は1.0m /sec2 の微加
速度である。このようにすれば、登坂路のずり下がりが
好適な値に抑制される。
【0015】また、好適には、前記車両の登坂方向への
発進時において、車速が所定値よりも高くなると前記道
路勾配に対応した駆動力の付与が中止される。このよう
にすれば、発進時に道路勾配に対応した駆動力の効果に
より車両が発進できたときには、それ以後において不要
な駆動力の付与が直ちに中止される。
【0016】また、好適には、前記各発明において、運
転者の要求する要求駆動力が零でない所定値以上である
ときには、道路勾配に対応した駆動力の付与が中止され
るものである。このようにすれば、要求駆動力が零から
所定値までの範囲内であるときには、道路勾配が大きく
なるのに対応して大きくなる駆動力が付与され、車両の
後退(ずり落ち)が好適に防止される。
【0017】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の実施例を図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例の駆動制御装置
が適用された4輪駆動車両すなわち前後輪駆動車両の動
力伝達装置の構成を説明する骨子図である。この前後輪
駆動車両は、前輪系を第1原動機を備えた第1駆動装置
すなわち主駆動装置10にて駆動し、後輪系を第2原動
機を備えた第2駆動装置すなわち副駆動装置12にて駆
動する形式の車両である。
【0019】上記主駆動装置10は、空気および燃料の
混合気が燃焼させられることにより作動させられる内燃
機関であるエンジン14と、電気モータおよび発電機と
して選択的に機能するモータジェネレータ(以下、MG
という)16と、ダブルピニオン型の遊星歯車装置18
と、変速比が連続的に変化させられる無段変速機20と
を同心に備えている。上記エンジン14は第1原動機す
なわち主原動機として機能し、MG16も車両の駆動源
である原動機として機能している。上記エンジン14
は、その吸気配管の吸入空気量を制御するスロットル弁
の開度θTHを変化させるためにそのスロットル弁を駆動
するスロットルアクチュエータ21を備えている。
【0020】上記遊星歯車装置18は、機械的に力を合
成し或いは分配する合成分配機構であって、共通の軸心
まわりに独立して回転可能に設けられた3つの回転要
素、すなわち上記エンジン14にダンパ装置22を介し
て連結されたサンギヤ24と、第1クラッチC1を介し
て無段変速機20の入力軸26に連結され且つ上記MG
16の出力軸が連結されたキャリヤ28と、第2クラッ
チC2を介して無段変速機20の入力軸26に連結され
且つブレーキB1を介して非回転部材たとえばハウジン
グ30に連結されるリングギヤ32とを備えている。上
記キャリヤ28は、サンギヤ24およびリングギヤ32
とかみ合い且つ相互にかみ合う1対のピニオン(遊星歯
車)34および36を、それらの自転可能に支持してい
る。上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、ブレー
キB1は、いずれも互いに重ねられた複数枚の摩擦板が
油圧アクチュエータによって押圧されることにより係合
させられたり、その押圧解除により解放されたりする油
圧式摩擦係合装置である。
【0021】上記遊星歯車装置18とそのキャリヤ28
に連結されたMG16は、エンジン14の作動状態すな
わちサンギヤ24の回転状態においてMG16の発電量
を制御することすなわちMG16の回転駆動トルクであ
る反力が逐次大きくなるようにキャリヤ28に発生させ
られることにより、リングギヤ32の回転数を滑らかに
増加させて車両の滑らかな発進加速を可能とする電気ト
ルコン(ETC)装置を構成している。このとき、遊星
歯車装置18のギヤ比ρ(サンギヤ24の歯数/リング
ギヤ32の歯数)がたとえば一般的な値である0.5と
すると、リングギヤ32のトルク:キャリヤ28のトル
ク:サンギヤ24のトルク=1/ρ:(1−ρ)/ρ:
1の関係から、エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえ
ば2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達されるので、
トルク増幅モードと称される。
【0022】また、上記無段変速機20は、入力軸26
および出力軸38にそれぞれ設けられた有効径が可変の
1対の可変プーリ40および42と、それら1対の可変
プーリ40および42に巻き掛けられた無端環状の伝動
ベルト44とを備えている。それら1対の可変プーリ4
0および42は、入力軸26および出力軸38にそれぞ
れ固定された固定回転体46および48と、その固定回
転体46および48との間にV溝を形成するように入力
軸26および出力軸38に対して軸心方向に移動可能且
つ軸心まわりに相対回転不能に取付られた可動回転体5
0および52と、それら可動回転体50および52に推
力を付与して可変プーリ40および42の掛かり径すな
わち有効径を変化させることにより変速比γ(=入力軸
回転速度/出力軸回転速度)を変更する1対の油圧シリ
ンダ54および56とを備えている。
【0023】上記無段変速機20の出力軸38から出力
されたトルクは、減速装置58、差動歯車装置60、お
よび1対の車軸62、64を介して1対の前輪66、6
8へ伝達されるようになっている。なお、本実施例で
は、前輪66、68の舵角を変更する操舵装置が省略さ
れている。
【0024】前記副駆動装置12は、第2原動機すなわ
ち副原動機として機能するリヤモータジェネレータ(以
下、RMGという)70を備え、そのRMG70から出
力されたトルクは、減速装置72、差動歯車装置74、
および1対の車軸76、78を介して1対の後輪80、
82へ伝達されるようになっている。
【0025】図2は、前記主駆動装置10の遊星歯車装
置18を種々の作動モードに切り換えるための油圧制御
回路の構成を簡単に示す図である。運転者によりP、
R、N、D、Bの各レンジ位置へ操作されるシフトレバ
ー90に機械的に連結されたマニアル弁92は、シャト
ル弁93を利用しつつ、シフトレバー90の操作に応答
して、Dレンジ、Bレンジ、Rレンジにおいて第1クラ
ッチC1の係合圧を調圧する第1調圧弁94へ図示しな
いオイルポンプから出力された元圧を供給し、Dレン
ジ、BレンジにおいてクラッチC2の係合圧を調圧する
第2調圧弁95へ元圧を供給し、Nレンジ、Pレンジ、
RレンジにおいてブレーキB1の係合圧を調圧する第3
調圧弁96へ元圧を供給する。上記第2調圧弁95、第
3調圧弁96は、ハイブリッド制御装置104によって
駆動されるリニヤソレイド弁97からの出力信号に従っ
て第2クラッチC2およびブレーキB1の係合圧を制御
し、第1調圧弁94は、ハイブリッド制御装置104に
よってデューティー駆動される三方弁である電磁開閉弁
98からの出力信号に従って第1クラッチC1の係合圧
を制御する。
【0026】図3は、本実施例の前後輪駆動車両に設け
られた制御装置の構成を説明する図である。エンジン制
御装置100、変速制御装置102、ハイブリッド制御
装置104、蓄電制御装置106、ブレーキ制御装置1
08は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェ
ースを備えた所謂マイクロコンピュータであって、CP
UはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記
憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、種々の
制御を実行する。また、上記の制御装置は、相互に通信
可能に接続されており、所定の制御装置から必要な信号
が要求されると、他の制御装置からその所定の制御装置
へ適宜送信されるようになっている。
【0027】エンジン制御装置100は、エンジン14
のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制御の
ために図示しない燃料噴射弁を制御し、点火時期制御の
ために図示しないイグナイタを制御し、トラクション制
御ではスリップ中の前輪66、68が路面をグリップす
るようにエンジン14の出力を一時的に低下させるため
にスロットルアクチュエータ21を制御する。
【0028】上記変速制御装置102は、たとえば、無
段変速機20の伝動ベルト44の張力が必要かつ十分な
値となるように予め設定された関係から、実際の変速比
γおよび伝達トルクすなわちエンジン14およびMG1
6の出力トルクに基づいて、ベルト張力圧を調圧する調
圧弁を制御し、伝動ベルト44の張力を最適な値とする
とともに、エンジン14が最小燃費率曲線或いは最適曲
線に沿って作動するように予め記憶された関係から、実
際の車速Vおよびエンジン負荷たとえばスロットル開度
θとして表現されるスロットル弁開度θTH或いはアクセ
ルペダル操作量ACCに基づいて目標変速比γm を決定
し、実際の変速比γがその目標変速比γmと一致するよ
うに無段変速機20の変速比γを制御する。
【0029】また、上記エンジン制御装置100および
変速制御装置102は、たとえば図4に示す最良燃費運
転線に沿ってエンジン14の作動点すなわち運転点が移
動するように、たとえば上記スロットルアクチュエータ
21や燃料噴射量を制御するとともに無段変速機20の
変速比γを変更する。また、ハイブリッド制御装置10
4からの指令に応じて、上記エンジン14の出力トルク
TE または回転数NEを変更するために上記スロットル
アクチュエータ21や変速比γを変更し、エンジン14
の運転点を移動させる。
【0030】上記ハイブリッド制御装置104は、電池
などから成る蓄電装置112からMG16に供給される
駆動電流或いはそのMG16から蓄電装置112へ出力
される発電電流を制御するインバータ114を制御する
ためのMG制御装置116と、蓄電装置112からRM
G70に供給される駆動電流或いはそのRMG70から
蓄電装置112へ出力される発電電流を制御するインバ
ータ118を制御するためのRMG制御装置120とを
含み、シフトレバー90の操作位置PSH、スロットル
(アクセル)開度θ(アクセルペダル122の操作量A
CC)、車速V、蓄電装置112の蓄電量SOCに基づい
て、たとえば図5に示す複数の運転モードのうちからい
ずれか1つの選択を行うとともに、スロットル開度θ、
ブレーキペダル124の操作量BF に基づいて、MG1
6或いはRMG70の発電に必要なトルクにより制動力
を発生させるトルク回生制動モード、或いはエンジン1
4の回転抵抗トルクにより制動力を発生させるエンジン
ブレーキモードを選択する。
【0031】シフトレバー90がBレンジ或いはDレン
ジへ操作された場合、たとえば比較的低負荷の発進或い
は定速走行ではモータ走行モードが選択され、第1クラ
ッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2およびブ
レーキB1が共に解放されることにより、専らMG16
により車両が駆動される。なお、このモータ走行モード
において、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定さ
れた下限値を下回った不足状態となった場合や、駆動力
をさらに必要とするためにエンジン14を始動させる場
合には、後述のETCモード或いは直結モードへ切り換
えられて、それまでの走行を維持しながらMG16或い
はRMG70が駆動され、そのMG16或いはRMG7
0により蓄電装置112が充電される。
【0032】また、比較的中負荷走行または高負荷走行
では直結モードが選択され、第1クラッチC1および第
2クラッチC2が共に係合させられ且つブレーキB1が
解放されることにより遊星歯車装置18が一体的に回転
させられ、専らエンジン14によりまたはそのエンジン
14およびMG16により車両が駆動されたり、或いは
専らエンジン14により車両が駆動されると同時にMG
16により蓄電装置112の充電が行われる。この直結
モードでは、サンギヤ24の回転数即ちエンジン回転数
NE (rpm )とキャリヤ部材28の回転数すなわちMG
16の回転数NMG(rpm )とリングギヤ32の回転数即
ち無段変速機20の入力軸26の回転速度NIN(rpm )
とは同じ値であるから、二次元平面内において3本の回
転数軸(縦軸)すなわちサンギヤ回転数軸S、リングギ
ヤ回転数軸R、およびキャリヤ回転数軸Cと変速比軸
(横軸)とから描かれる図6の共線図では、たとえば1
点鎖線に示されるものとなる。なお、図6において、上
記サンギヤ回転数軸Sとキャリヤ回転数軸Cとの間隔は
1に対応し、リングギヤ回転数Rとキャリヤ回転数軸C
との間隔はダブルピニオン型遊星歯車装置18のギヤ比
ρに対応している。
【0033】また、たとえば発進加速走行では、ETC
モードすなわちトルク増幅モードが選択され、第2クラ
ッチC2が係合させられ且つ第1クラッチC1およびブ
レーキB1が共に解放された状態でMG16の発電量
(回生量)すなわちそのMG16の反力(MG16を回
転させる駆動トルク)が徐々に増加させられることによ
り、エンジン14が所定の回転数に維持された状態で車
両が滑らかに零発進させられる。このようにエンジン1
4によって車両およびMG16が駆動される場合には、
エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえばρ=0.5と
すると2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達される。
すなわち、MG16の回転数NMGが図6のA点(負の回
転速度すなわち発電状態)である場合には、無段変速機
20の入力軸回転数NINは零であるため車両は停止して
いるが、図6の破線に示すように、そのMG16の発電
量が増加させられてその回転数NMGがその正側のB点へ
変化させられることにともなって無段変速機20の入力
軸回転数NINが増加させられて、車両が発進させられる
のである。
【0034】シフトレバー90がNレンジ或いはPレン
ジへ操作された場合、基本的にはニュートラルモード1
または2が選択され、第1クラッチC1、第2クラッチ
C2、およびブレーキB1が共に解放され、遊星歯車装
置18において動力伝達経路が解放される。この状態に
おいて、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定され
た下限値を下回った不足状態となった場合などにおいて
は、充電・エンジン始動モードとされ、ブレーキB1が
係合させられた状態で、MG16によりエンジン14が
始動させられる。シフトレバー90がRレンジへ操作さ
れた場合、たとえば軽負荷後進走行ではモータ走行モー
ドが選択され、第1クラッチC1が係合させられるとと
もに第2クラッチC2およびブレーキB1が共に解放さ
れることにより、専らMG16により車両が後進走行さ
せられる。しかし、たとえば中負荷或いは高負荷後進走
行ではフリクション走行モードが選択され、第1クラッ
チC1が係合させられ且つ第2クラッチC2が解放され
るとともに、ブレーキB1がスリップ係合させられる。
これにより、車両を後進させる駆動力としてMG16の
出力トルクにエンジン14の出力トルクが加えられる。
【0035】また、前記ハイブリッド制御装置104
は、前輪66、68の駆動力に従った車両の発進時或い
は急加速時において、車両の駆動力を一時的に高めるた
めに、所定の駆動力配分比に従ってRMG70を作動さ
せ、後輪80、82からも駆動力を発生させる高μ路ア
シスト制御や、凍結路、圧雪路のような低摩擦係数路
(低μ路)における発進走行時において、車両の発進能
力を高めるために、RMG70により後輪80、82を
駆動すると同時に、たとえば無段変速機20の変速比γ
を低くさせて前輪66、68の駆動力を低下させる低μ
路アシスト制御を実行する。
【0036】蓄電制御装置106は、電池、コンデンサ
などの蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された
下限値SOCD を下回った場合には、MG16或いはR
MG70により発電された電気エネルギで蓄電装置11
2を充電あるいは蓄電するが、蓄電量SOCが予め設定
された上限値SOCU を上まわった場合には、そのMG
16或いはRMG70からの電気エネルギで充電するこ
とを禁止する。また、上記蓄電に際して、蓄電装置11
2の温度TB の関数である電力或いは電気エネルギの受
入制限値WINと持出制限値WOUT との間の範囲を、実際
の電力見込み値Pb 〔=発電電力PMG+消費電力PRMG
(負)〕が越えた場合には、その受入れ或いは持ち出し
を禁止する。
【0037】ブレーキ制御装置108は、たとえばTR
C制御、ABS制御、VSC制御などを実行し、低μ路
などにおける発進走行時、制動時、旋回時の車両の安定
性を高めたり或いは牽引力を高めるために、油圧ブレー
キ制御回路を介して各車輪66、68、80、82に設
けられたホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、8
2WBを制御する。たとえば、TRC制御では各車輪に設
けられた車輪回転(車輪速)センサからの信号に基づい
て、車輪車速(車輪回転速度に基づいて換算される車体
速度)たとえば右前輪車輪車速VFR、左前輪車輪車速V
FL、右後輪車輪車速VRR、左後輪車輪車速VRL、前輪車
速〔=(VFR+VFL)/2〕、後輪車速〔=(VRR+V
RL)/2〕、および車体車速(VFR、VFL、VRR、VRL
のうちの最も遅い速度)を算出する一方で、たとえば主
駆動輪である前輪車速と非駆動輪である後輪車速との差
であるスリップ速度ΔVが予め設定された制御開始判断
基準値ΔV1 を越えると、前輪にスリップ判定をし、且
つスリップ率RS 〔=(ΔV/VF )×100%〕が予
め設定された目標スリップ率RS1内に入るようにスロッ
トルアクチュエータ21、ホイールブレーキ66WB、6
8WBなどを用いて前輪66、68の駆動力を低下させ
る。また、ABS制御では、制動操作時において、各車
輪のスリップ率が所定の目標スリップ範囲内になるよう
に ホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WB
を用いて前輪66、68、後輪80、82の制動力を維
持し、車両の方向安定性を高める。また、VSC制御で
は、車両の旋回走行時において、図示しない舵角センサ
からの舵角、ヨーレートセンサからのヨーレート、2軸
Gセンサからの前後加速度および左右(横)加速度など
に基づいて車両のオーバステア傾向或いはアンダーステ
ア傾向を判定し、そのオーバステア或いはアンダーステ
アを抑制するように、ホイールブレーキ66WB、68W
B、80WB、82WBのいずれか、およびスロットルアク
チュエータ21を制御する。
【0038】図7は、上記ハイブリッド制御装置104
などの制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であ
る。図7において、出力トルク領域記憶手段130は、
たとえばハイブリッド制御装置104のRAM内に設け
られたものであり、RMG70の出力トルクを制限する
ための特性を表す複数種類の出力トルク領域が記憶され
ている。この複数種類の出力トルク領域には、本実施例
では図8に示されるように、RMG70の回転速度NRM
G を表す回転速度軸132とRMG70の出力トルクT
RMG を表す出力トルク軸134との二次元座標内に設定
された複数種類の領域であって、A1 線により示される
最大トルク値がA2 線よりも相対的に高い第1出力トル
ク領域すなわちA1 線の内側の領域と、トルク値が低い
A2 線により示される最大トルク値がA1 線よりも相対
的に低い第2出力トルク領域すなわちA2 線の内側の領
域とが含まれる。上記第1出力トルク領域は、たとえば
RMG70の最大定格(5分定格のような短時間定格)
を表すものであり、上記第2出力トルク領域はたとえば
30分定格のような長時間定格を表すものである。
【0039】車両運転状態判定手段136は、シフトレ
バー90の位置、アクセル開度θ、車速Vなどに基づい
て車両の発進走行であるか否かを判定する車両発進判定
手段138と、右前輪車輪車速VFR、左前輪車輪車速V
FL、右後輪車輪車速VRR、左後輪車輪車速VRLに基づい
て車輪特に主駆動輪である前輪66、68のスリップの
発生を判定する車輪スリップ判定手段140と、舵角お
よびヨーレートなどに基づいて車両の旋回走行における
アンダーステアを判定するアンダーステア判定手段14
2と、舵角が所定値よりも大きいことなどに基づいて車
両の旋回走行を判定する旋回走行判定手段144と、ア
クセル開度変化率dθ/dtすなわちアクセルペダル1
22の操作速度が所定値以上であることに基づいて車両
の加速操作を判定する加速操作判定手段146と、アク
セル開度θが所定値以上であることに基づいて車両の高
負荷走行を判定する高負荷走行判定手段148と、アク
セル開度θおよび車速Vに基づいて車両の減速走行(非
制動)を判定する減速走行判定手段150とを備え、車
両の運転(走行)状態、すなわち、車両の発進走行、車
輪のスリップ、アンダーステア、旋回走行、加速操作、
高負荷走行、減速走行のいずれかを判定する。
【0040】出力トルク領域選択手段152は、車両の
運転状態たとえば車両発進、車輪スリップ、又はアンダ
ステアの有無に基づいて、上記出力トルク領域記憶手段
130に予め記憶された複数種類の出力トルク領域から
1つの出力トルク領域を選択する。出力トルク領域選択
手段152は、車両の発進状態、エンジン14により駆
動される前輪66、68のスリップ状態、或いはアンダ
ーステア状態では、そのような車両状態ではない場合に
比較して、最大トルク値が高い出力トルク領域を選択す
る。すなわち、車両運転状態判定手段136により、車
両発進、車輪スリップ、アンダステアのいずれかが判定
された場合には、第1出力トルク領域が選択され、旋回
走行、加速操作、高負荷走行、減速走行のいずれかが判
定された場合には、第2出力トルク領域が選択される。
すなわち、4輪駆動を行うRMG70の出力トルクの程
度を運転状態に応じて切り換えるために、出力トルク領
域が選択される。
【0041】第2原動機作動制御手段154は、上記出
力トルク領域選択手段152により車両の運転状態に基
づいて選択された1つの出力トルク領域に基づいて、R
MG70を作動させる。第2原動機作動制御手段154
は、基本的には、前後輪の静的荷重分配比或いは動的荷
重分配比に対応した大きさの駆動力分配比で後輪80、
82から駆動力を発生させるように、選択された出力ト
ルク領域内でRMG70を作動させる。すなわち、選択
された出力トルク領域から外れないように、換言すれば
選択された出力トルク領域の最大トルク値を越えないよ
うにRMG70を作動させるのである。第2原動機作動
制御手段154は、車両発進、車輪スリップ、アンダス
テアのいずれかの車両状態である場合には、4輪駆動効
果を高く得るために、出力トルク領域選択手段152に
より選択された第1出力トルク領域に基づいてRMG7
0を作動させ、旋回走行、加速操作、高負荷走行、減速
走行のいずれかの車両状態である場合には、4輪駆動効
果を長く得るために、出力トルク領域選択手段152に
より選択された第2出力トルク領域に基づいてRMG7
0を作動させる。
【0042】また、上記第2原動機作動制御手段154
は、車両運転状態判定手段136により、車両の発進走
行、前輪66、68のスリップ、アンダーステア、旋回
走行、加速操作、高負荷走行のいずれも判定されない場
合には、4輪駆動の不要と判定し、判定のばたつきを防
止するために、予め設定された遅れ時間後にRMG70
の作動を休止させる。
【0043】また、上記第2原動機作動制御手段154
は、出力トルク領域選択手段152により選択された出
力トルク領域がそれまでのものの最大トルク値よりも低
い最大トルク値の出力トルク領域である場合すなわち第
1出力トルク領域に代えて第2出力トルク領域が選択さ
れた場合は、出力トルク領域がそれまでのものの最大ト
ルク値よりも高い最大トルク値の出力トルク領域が選択
された場合すなわち第2出力トルク領域に代えて第1出
力トルク領域が選択された場合に比較して、緩やかにR
MG70の出力トルクを低下させ、後輪80、82の駆
動力の急減を防止する。
【0044】ABS制御判定手段158は、前記ブレー
キ制御装置108によるABS制御の実行中、すなわち
前記車輪速センサからの信号を利用して車両の制動操作
時において車輪のスリップ率が予め設定されたスリップ
率範囲内となるように各車輪の制動力を制御する制御の
実行中であるか否かを判定する。VSC制御判定手段1
60は、前記ブレーキ制御装置108によるVSC制御
の実行中、すなわち車両の旋回中においてステアリング
ホイールの舵角から車体方向が外れないように左右の車
輪の制動力或いは車輪の駆動力を制御してアンダーステ
ア或いはオーバステアを防止する制御の実行中であるか
否かを判定する。車輪速センサ異常判定手段164は、
上記車輪速センサの異常を、右前輪車輪車速VFR、左前
輪車輪車速VFL、右後輪車輪車速VRR、左後輪車輪車速
VRLの相対値に基づいて判定する。低温状態判定手段1
62は、図示しない温度センサにより検出された外気温
度が予め設定された判断基準値を下回った低温状態たと
えば路面凍結が発生し得る温度状態となったか否かを判
定する。舵角センサ異常判定手段166は、VSC制御
に用いるステアリングホイールの舵角を検出するための
舵角センサの異常を判定する。ヨーレートセンサ異常判
定手段168は、VSC制御に用いるヨーレートを検出
するためのヨーレートセンサの異常を判定する。
【0045】第2原動機作動制御手段154は、車輪速
センサ異常判定手段164により車輪速センサの異常が
判定された時、ABS制御判定手段158によるABS
制御の作動判定時或いはVSC制御判定手段160によ
るVSC制御の作動判定時には、たとえ4輪駆動の作動
条件が成立して実行している状態であってもRMG70
の作動を休止させる。また、第2原動機作動制御手段1
54は、低温状態判定手段162によって低温状態であ
ると判定された場合には、RMG70を優先的に作動さ
せて4輪駆動状態とする。さらに、上記第2原動機作動
制御手段154は、舵角センサ異常判定手段166によ
り舵角センサの異常が判定される場合、または、ヨーレ
ートセンサ異常判定手段168によりヨーレートセンサ
の異常が判定された場合は、たとえアンダーステア判定
手段142によりアンダーステアが判定されたとしても
RMG70を作動させず、4輪駆動を開始しない。
【0046】図9および図10は、ハイブリッド制御装
置104などの制御作動の要部を説明するフローチャー
トであって、図9は4輪駆動を行うRMG70の出力ト
ルク領域を切り換えるための出力トルク領域切換ルーチ
ンを示し、図10は、異常時或いは制御干渉時において
4輪駆動を中止或いは禁止する4輪駆動中止ルーチンを
示している。
【0047】図9の出力トルク領域切換および後輪切換
制御ルーチンでは、前記低温状態判定手段162に対応
するSA1において、外気温度が路面摩擦係数変化を生
じ得るような低温状態であるか否かが判断される。この
SA1の判断が肯定される場合は、SA16において4
WD不要カウンタがリセットされるとともに、前記出力
トルク領域選択手段152に対応するSA17におい
て、RMG70の出力トルク領域として最大トルク値が
A1 線により示された第1出力トルク領域が選択され
る。次いで、前記第2原動機作動制御手段154に対応
するSA18において、4輪駆動を実行するためにRM
G70が第1出力トルク領域内において作動させられ
る。
【0048】前記SA1の判断が否定される場合は、前
記車両発進判定手段138に対応するSA2において、
車両の発進状態であるか否かが、シフトレバー90の位
置、スロットル開度θ、車速Vなどに基づいて判断され
る。このSA2の判断が肯定される場合は、SA16以
下が実行されて4輪駆動を実行するためにRMG70が
第1出力トルク領域内において作動させられる。しか
し、上記SA2の判断が否定される場合は、前記車輪ス
リップ判定手段140に対応するSA3において、エン
ジン14により駆動される主駆動輪である前輪66、6
8のスリップが発生したか否かが判断される。このSA
3の判断が肯定される場合は、SA14において、前輪
66、68のスリップ率が所定値よりも大きいか否かが
判断される。この所定値は、出力トルク領域の切り換え
に対応するスリップの程度を判断するためのものであ
る。このSA14の判断が肯定される場合は、SA16
以下が実行されて4輪駆動を実行するためにRMG70
が第1出力トルク領域内において作動させられるが、S
A14の判断が否定される場合は、SA19において4
WD不要カウンタがリセットされ、SA20において現
在のRMG70の使用点すなわち図8の二次元図表内に
表される作動点がA2 線以上であるか否かが判断され
る。このSA20の判断が否定される場合はSA21に
おいて第2出力トルク領域が選択されるが、肯定される
場合はSA22において、RMG70の出力トルクを徐
々に減少させるために第1出力トルク領域から第2出力
トルク領域へすなわちA1 線からA2 線へ徐々に変化さ
せられる。本実施例では、上記SA20乃至SA22も
前記出力トルク領域選択手段152に対応している。
【0049】SA3の判断が否定される場合は、前記ア
ンダステア判定手段142に対応するSA4において、
アンダステアが発生しているか否かが舵角、前後左右の
2軸加速度、ヨーレートなどに基づいて判断される。こ
のSA4の判断が肯定される場合は、SA15におい
て、アンダステアが所定値以上の大きさであるか否かが
判断される。この所定値は出力トルク領域の切り換えに
対応するアンダステアの程度を判断するためのものであ
る。このSA15の判断が肯定される場合は前記SA1
6以下が実行され、4輪駆動を実行するためにRMG7
0が第1出力トルク領域内において作動させられる。し
かし、SA15の判断が否定される場合は、上記SA1
9以下が実行され、4輪駆動を実行するためにRMG7
0が第2出力トルク領域内において作動させられる。
【0050】SA4の判断が否定される場合は、前記旋
回走行判定手段144に対応するSA5において、ステ
アリングホイールの舵角が所定値よりも大きいか否かが
判断される。この所定値は4輪駆動を必要とする程の舵
角を判断するための値である。上記SA5の判断が否定
される場合は、前記加速操作判定手段146に対応する
SA6において、アクセル要求駆動力すなわちスロット
ル開度の変化率dθ/dtが所定値よりも大きいか否か
が判断される。この所定値も4輪駆動を必要とする程の
スロットル開度変化率を判断するための値である。この
SA6の判断が否定される場合は、前記高負荷走行判定
手段148に対応するSA7において、スロットル開度
θが所定値よりも大きいか否かが判断される。この所定
値も4輪駆動を必要とする程のスロットル開度θを判断
するための値である。このSA7の判断が否定される場
合は、前記減速走行判定手段150に対応するSA8に
おいて、車両の減速走行すなわちブレーキ操作しない非
加速走行であるか否かが、シフトレバー90の操作位
置、スロットル開度θ、車速Vなどに基づいて判断され
る。
【0051】上記SA5乃至SA8の判断のいずれかが
肯定された場合は、前記SA19以下が実行されること
により、4輪駆動を実行するためにRMG70が第2出
力トルク領域内において作動させられる。しかし、SA
1乃至SA8の判断がいずれも否定された場合、すなわ
ち低温状態でなく、車両の発進中ではなく、前輪66、
68のスリップおよびアンダステアが発生せず、旋回走
行中ではなく、加速要求操作がなく、高負荷走行ではな
く、減速走行でもない場合は、SA9において4WDカ
ウンタがインクリメントされた後、SA10において、
その4WDカウンタの内容が数秒程度の所定値以上とな
ったか否かが判断される。この4WDカウンタは、上記
SA8の判断が否定されてからの経過時間を計数するた
めのものであり、その所定値が、4輪駆動状態から2輪
(FF)駆動状態へ切り換える際のばたつきを防止する
ために設定された遅れ時間に対応している。
【0052】当初は上記SA10の判断が否定されるこ
とから、SA20以下が実行される。このとき、第1出
力トルク領域が選択されしかもRMG70の作動点がA
2 線以上の位置である場合は、第1出力トルク領域から
第2出力トルク領域へ徐々に変更され、第1出力トルク
領域が選択され且つRMG70の作動点がA2 線より下
である場合は、第1出力トルク領域から第2出力トルク
領域へ直ちに切り換えられ、第2出力トルク領域が選択
されている場合はそれが維持される。
【0053】以上のステップが繰り返し実行されるうち
に4WDカウンタの内容が所定値以上となってSA10
の判断が肯定されると、SA11において、車両の現在
の駆動状態が2輪(FF)駆動状態であるか否かが判断
される。このSA11の判断が否定される場合は、前記
第2原動機作動制御手段154に対応するSA12にお
いて、RMG70の駆動力が零に向かって緩やかに低下
させられることにより4輪駆動状態から2輪(FF)駆
動状態へ徐々に変化させられる。しかし、SA11の判
断が肯定される場合は、2輪(FF)駆動状態が維持さ
れる。
【0054】図10の4輪駆動中止制御ルーチンでは、
前記車輪速センサ異常判定手段164に対応するSB1
において、各車輪毎に設けられた車輪速センサのいずれ
かが異常であるか否かが判断される。このSB1の判断
が否定される場合は、前記ABS制御判定手段158に
対応するSB2においてABS制御中が判定されている
か否かが判断される。このSB2の判断が否定される場
合は、前記VSC制御判定手段160に対応するSB3
においてVSC制御中が判定されているか否かが判断さ
れる。上記SB1乃至SB3の判断のいずれかが肯定さ
れる場合は、前記第2原動機作動制御手段154に対応
するSB4において、4輪駆動作動すなわちRMG70
の作動が中止或いは禁止される。
【0055】しかし、上記SB1乃至SB3の判断がい
ずれも否定される場合は、前記舵角センサ異常判定手段
166に対応するSB5において舵角センサが異常であ
るか否かが判断され、このSB5の判断が否定される場
合は、前記ヨーレートセンサ異常判定手段168に対応
するSB6においてヨーレートセンサが異常であるか否
かが判断される。上記SB5およびSB6の判断のいず
れかが肯定される場合は、前記第2原動機作動制御手段
154に対応するSB7において、4輪駆動作動すなわ
ちRMG70の作動が中止或いは禁止される。しかし、
上記SB5およびSB6の判断のいずれもが否定される
場合は本ルーチンが終了させられる。
【0056】上述のように、本実施例によれば、第2原
動機作動制御手段154(SA18)によって、出力ト
ルク領域選択手段152(SA17、SA21、SA2
2)により記憶された複数種類の出力トルク領域から車
両の運転状態に基づいて選択された1つの出力トルク領
域に基づいてRMG70が作動させられることから、車
両の運転状態に応じた必要かつ十分な出力トルク範囲で
RMG70が作動させられるので、所定の走行条件下に
おけるRMG70の使用が制限されることが少なくな
り、4輪駆動としての車両の走行性能が可及的に得られ
る。
【0057】また、本実施例によれば、出力トルク領域
記憶手段130に記憶された複数種類の出力トルク領域
は、RMG70の回転速度NRMG を表す回転速度軸13
2とそのRMG70の出力トルクTRMG を表す出力トル
ク軸134との二次元座標内に設定された複数種類の領
域であって、図8に示すような、最大トルク値が相対的
に高い第1出力トルク領域と、最大トルク値が相対的に
低い第2出力トルク領域とを含むものであることから、
4輪駆動の必要度合いにより、最大トルク値が相対的に
高い第1出力トルク領域と最大トルク値が相対的に低い
第2出力トルク領域とから車両の運転状態或いは走行状
態に応じて必要かつ十分な出力トルク領域が選択される
ことができるので、最大トルク値が高い第1出力トルク
領域での常時作動が防止され、RMG70の作動が確保
される。
【0058】また、本実施例によれば、第2原動機作動
制御手段154(SA18)は、出力トルク領域選択手
段152(SA17、SA21、SA22)により選択
された出力トルク領域がそれまでのものの最大トルク値
よりも低い最大トルク値の出力トルク領域である場合す
なわち第1出力トルク領域に代えて第2出力トルク領域
が選択された場合は、その出力トルク領域選択手段15
2により選択された出力トルク領域がそれまでのものの
最大トルク値よりも高い最大トルク値の出力トルク領域
である場合すなわち第2出力トルク領域に代えて第1出
力トルク領域が選択された場合に比較して、緩やかにR
MG70の出力トルクを低下させることから、第1出力
トルク領域に代えて第2出力トルク領域が選択された場
合のMG70により駆動される後輪80、82の駆動力
の急減が防止され、車両挙動の安定性が高められる。
【0059】また、本実施例によれば、第2原動機作動
制御手段154(SA12)は、4輪駆動状態からRM
G70を作動させない2輪駆動状態へ切り換える場合に
は、RMG70の出力トルクを零に向かって緩やかに或
いは徐々に低下させることから、4輪駆動状態から2輪
駆動状態への切り換え時における後輪80、82の駆動
力の急減が防止され、車両挙動の安定性が高められる。
【0060】また、本実施例によれば、出力トルク領域
選択手段152(SA17、SA21、SA22)は、
車両の発進状態、エンジン14により駆動される前輪6
6、68のスリップが大きい状態、或いはアンダーステ
アが大きい状態では、そのような車両状態ではない場合
に比較して、最大トルク値が高い第1出力トルク領域を
選択するものであることから、車両の発進状態、エンジ
ン14により駆動される前輪66、68のスリップが大
きい状態、或いはアンダーステアが大きい状態では、R
MG70により駆動される後輪80、82の駆動力が十
分に高められることができるので、4輪駆動の必要度合
いに応じてRMG70が作動させられることにより、発
進時には十分な駆動力が得られるとともに、発生した前
輪66、68のスリップの解消、車両のアンダーステア
の解消が好適に得られると同時に、可及的にRMG70
の過熱が抑制されて、その使用機会が拡大される利点が
ある。
【0061】また、本実施例によれば、各車輪速センサ
の異常を判定する車輪速センサ異常判定手段164(S
B1)と、各車輪速センサからの信号を利用し、車両の
制動操作時において車輪のスリップ率が予め設定された
スリップ率範囲内となるようにその車輪の制動力を制御
するABS制御を判定するABS制御判定手段158
(SB2)と、車両の旋回中においてステアリングホイ
ールの舵角から車体方向が外れないように左右の車輪の
制動力或いは車輪の駆動力を制御してアンダーステア或
いはオーバステアを防止するVSC制御を判定するVS
C制御判定手段162(SB3)とが備えられ、第2原
動機作動制御手段154(SA12)は、上記車輪速セ
ンサの異常時、またはそのABS制御判定手段158或
いはVSC制御判定手段160によるABS制御或いは
VSC制御の作動判定時には、RMG70の作動を休止
させるものであることから、車輪速センサの異常時、ま
たはそのABS制御手段或いはVSC制御手段の作動時
には、自動的に前輪66、68による前輪駆動状態に切
り換えられるので、車輪車速VFR、VFL、VRR、VRLの
いずれかの異常に起因するABS制御或いはVSC制御
の異常が回避され、或いは制御干渉が防止されて、安全
性が高められる。
【0062】また、本実施例によれば、外気温が走行路
面の摩擦係数の変化が予測される予め定められた温度を
下まわった低温状態を判定する低温状態判定手段162
(SA1)が設けられ、第2原動機作動制御手段154
(SA17)は、その低温状態判定手段162により低
温状態が判定された場合には、第1出力トルク領域に基
づいてRMG70を優先的に作動させるものであること
から、低温状態となると自動的にRMG70が作動させ
られて4輪駆動状態となるので、車両の安定性が確保さ
れる。
【0063】また、本実施例によれば、車両の発進走行
であるか否かを判定する車両発進判定手段138(SA
2)と、主駆動輪である前輪66、68のスリップの発
生を判定する車輪スリップ判定手段140(SA3)
と、舵角およびヨーレートに基づいて車両の旋回走行に
おけるアンダーステアを判定するアンダーステア判定手
段142(SA4)と、舵角が所定値よりも大きいこと
を判定する旋回走行判定手段144(SA5)と、アク
セルペダル操作速度すなわちdθ/dtが所定値以上で
あることなどに基づいて加速操作を判定する加速操作判
定手段146(SA6)と、アクセルペダル操作量すな
わちスロットル開度θが所定値以上である高負荷走行を
判定する高負荷走行判定手段148(SA7)と、車両
の減速走行を判定する減速走行判定手段150(SA
8)とを備え、第2原動機作動制御手段154は、車両
の発進走行、車輪のスリップ、アンダーステア、旋回走
行、加速操作、高負荷走行のいずれかが判定された場合
には、4輪駆動が必要な状態と判定してRMG70を作
動させるので、4輪駆動の必要状態となると自動的に第
2原動機が作動させられるので、車両の安定性が確保さ
れる。
【0064】また、本実施例によれば、第2原動機作動
制御手段154は、上記車両の発進走行、車輪のスリッ
プ、アンダーステア、旋回走行、加速操作、高負荷走行
のいずれも判定されない場合には、4輪駆動の不要と判
定して予め設定された遅れ時間後にRMG70の作動を
休止させて2輪駆動状態とすることから、可及的にRM
G70の作動が少なくされてその過熱が防止されるとと
もに、4輪駆動不要が判定されてから所定の遅れ時間後
に第2原動機の作動が休止されることによって判定のば
たつきが防止される。
【0065】また、本実施例によれば、ステアリングホ
イールの舵角を検出する舵角センサの異常を判定する舵
角センサ異常判定手段166(SB5)、または、ヨー
レートを検出するヨーレートセンサの異常を判定するヨ
ーレートセンサ異常判定手段168(SB6)が備えら
れ、第2原動機作動制御手段154は、その舵角センサ
異常判定手段166により舵角センサの異常が判定され
た場合、またはヨーレートセンサ異常判定手段168に
よりヨーレートセンサの異常が判定された場合は、前記
アンダーステア判定手段142によりアンダーステアが
判定されてもRMG70を作動させないので、舵角セン
サ異常或いはヨーレートセンサ異常により誤ってアンダ
ーステアが判定された場合は4輪駆動とされない利点が
ある。
【0066】図11は、上記ハイブリッド制御装置10
4などに設けられた他の制御機能の要部を説明する機能
ブロック線図である。図11において、4WD開始判定
手段230は、4輪駆動状態の開始条件すなわち2輪駆
動状態から4輪駆動状態への切換条件が成立したか否か
を、車両の運転走行状態に基づいて判定する。たとえ
ば、車両の発進走行、車輪のスリップ、アンダーステ
ア、旋回走行、加速走行、高負荷走行、減速走行のいず
れかに基づいて4輪駆動開始条件が成立したと判定す
る。実スリップ率算出手段232は、主駆動輪である前
輪66、68の回転速度NF を左前輪車輪66の回転速
度NFLと右前輪車輪68の回転速度NFRとの平均値を求
めることにより算出するとともに、副駆動輪である後輪
80、82の回転速度NR を左後輪車輪80の回転速度
NRLと右後輪車輪82の回転速度NRRとの平均値を求め
ることにより算出し、それら前輪66、68の回転速度
NF と後輪80、82の回転速度NR との差(NF −N
R )を前輪回転速度NF および後輪回転速度NR のいず
れか低い値で除することに基づいて実スリップ率S〔=
100%×(NF −NR )/min (NF 、NR )〕を逐
次算出する。また、目標スリップ率設定手段234に
は、望ましい4輪駆動を得るために予め求められた目標
スリップ率SO が設定され、記憶されている。この目標
スリップ率SO は一定値でもよいが、4輪駆動の走行状
態に応じて相互に異なる値とされてもよい。
【0067】トルク配分フィードバック制御手段236
は、上記実スリップ率Sと目標スリップ率SO とのスリ
ップ率偏差δsr1 (=S1 −SO 1 )を算出し、たとえ
ば数式1に示す予め設定されたフィードバック制御式を
用いて上記スリップ率偏差δsr1 が解消するようにすな
わち実スリップ率Sと目標スリップ率SO 1 とが一致す
るように、制御操作量である後輪トルク分担比Rr を算
出する。この後輪トルク分担比Rr は、4輪駆動時にお
いて運転者要求トルクに対応する車両の駆動力(駆動ト
ルク)のうちの後輪80、82が分担する比率であり、
1より小さい値である。したがって、前輪トルク分担比
は(1−Rr )となる。
【0068】(数式1) Rr =WRr +Kp1・δsr1 +Kd1・dδsr1 /dt+
Ki1・∫δsr1 dt+C1 但し、WRr は後輪荷重分担比、Kp1は比例定数すなわ
ち比例項ゲイン、Kd1は微分定数すなわち微分項ゲイ
ン、Ki1は積分定数すなわち積分ゲイン、C1 は定数で
ある。
【0069】そして、第2原動機作動制御手段238
は、前記トルク配分フィードバック制御手段236から
出力されたトルク配分たとえば後輪トルク分担比Rr と
運転者要求駆動力Tdrv とに基づいて、そのトルク配分
が達成されるようにRMG70を作動させる。すなわ
ち、運転者要求トルクTdrv と後輪トルク分担比Rr と
から後輪トルク(Tdrv ×Rr )を算出し、その後輪ト
ルクが出力されるようにRMG70を駆動するのであ
る。この運転者要求トルクTdrv は、たとえば図13に
示す予め記憶された関係から車速Vおよびスロットル開
度θに基づいて算出される。
【0070】トラクション制御中判定手段240は、前
記ブレーキ制御装置108によるトラクション(TR
C)制御の実行中であるか否かを判定する。フィードバ
ック制御作動変更手段242は、トラクション制御中判
定手段240によりトラクション制御中であると判定さ
れた場合には、上記トルク配分フィードバック制御手段
236によるフィードバック制御作動を、後輪トルク分
担比Rr すなわちRMG70の駆動力が数式1の場合よ
りも増加するように、好ましくは、4輪駆動状態の車両
の駆動力が低下しないように、或いは運転者要求トルク
Tdrv が略維持されるように変更する。
【0071】たとえば、フィードバック制御作動変更手
段242は、トラクション制御中において、数式1のフ
ィードバック制御式の制御偏差値である前記スリップ率
偏差δsr1 (=S1 −SO 1 )、またはそのスリップ率
偏差δsr1 を算出するための制御目標値である目標スリ
ップ率SO 1 および実際値である実スリップ率S1 の少
なくとも一方を、制御式の出力値である後輪80、82
のトルク分担率(後輪トルク分担比Rr )を数式1の場
合よりも上昇させるように変更する。たとえば、スリッ
プ率偏差δsr1 或いは実スリップ率S1 を所定値だけ増
加させた値δsr2 或いはS2 としたり、目標スリップ率
SO 1 を所定値だけ減少させた値SO 2とすることによ
り、数式1により算出される後輪トルク分担比Rr を増
加させる。
【0072】或いは、フィードバック制御作動変更手段
242は、上記とは別に或いは上記に併せて、トラクシ
ョン制御の実行中は、トルク配分フィードバック制御手
段236により用いられるフィードバック制御式のフィ
ードバックゲインKp1、Kd1、Ki1を、RMG70によ
り駆動される後輪80、82のトルク分担率(後輪トル
ク分担比Rr )を上昇させるように変更する。たとえ
ば、フィードバックゲインKp1、Kd1、Ki1の少なくと
も1つを、それらよりも所定値だけ大きい値Kp2、Kd
2、Ki2に更新し、定数C1 をC2 に変更することによ
り、数式1により算出される後輪トルク分担比Rr を数
式1の場合よりも増加させる。
【0073】或いは、フィードバック制御作動変更手段
242は、上記とは別に或いは上記に併せて、トラクシ
ョン制御の実行中は、トルク配分フィードバック制御手
段236により用いられる数式1のフィードバック制御
式から得られた制御出力値である後輪トルク分担比Rr
を、所定値だけ増加側に補正することにより逐次変更す
る。
【0074】図12は、前記ハイブリッド制御装置10
4などに設けられた他の制御作動の要部を説明するフロ
ーチャートである。図12において、前記4WD開始判
定手段230に対応するSC1では、4輪駆動の開始条
件が成立したか否かが車両の運転状態に基づいて判断さ
れる。このSC1の判断が否定される場合は、後輪トル
ク分担比Rr が零に設定された後、前記第2原動機作動
制御手段238に対応するSC6において、運転者の要
求駆動トルクTdrv および上記後輪トルク分担比Rr に
基づいて後輪80、82の駆動トルクが算出され、RM
G70からその駆動トルクが出力される。この場合は、
上記SC2において後輪トルク分担比Rr が零に設定さ
れているので、RMG70の出力トルクは零とされ、専
ら前輪66、68の駆動力で走行する2輪走行が行われ
る。
【0075】しかし、上記SC1の判断が肯定される
と、前記トラクション制御中判定手段240に対応する
SC3において、前記ブレーキ制御装置108によるト
ラクション制御の実行中であるか否かが判断される。こ
のSC3の判断が否定される場合は、前記トルク配分フ
ィードバック制御手段236に対応するSC4におい
て、実スリップ率Sと目標スリップ率SO とのスリップ
率偏差δsr1 (=S1 −SO 1 )が算出され、たとえば
数式1に示す予め設定されたフィードバック制御式から
実際のスリップ率偏差δsr1 に基づいてそれが解消する
ような後輪トルク分担比Rr が算出される。次いで、前
記第2原動機作動制御手段238に対応するSC6にお
いて、運転者の要求駆動トルクTdrv および上記後輪ト
ルク分担比Rr に基づいて後輪80、82の駆動トルク
(Tdrv ×Rr )が算出され、後輪80、82からその
駆動トルクが出力されるようにRMG70が駆動され
る。
【0076】トラクション制御中は上記SC3の判断が
肯定されるので、前記フィードバック制御作動変更手段
242に対応するSC5において、上記SC4の場合よ
りも後輪トルク分担比Rr が大きい値となるように、フ
ィードバック制御作動が変更される。たとえば、数式1
のフィードバックゲインKp1、Kd1、Ki1をそれよりも
所定値だけ大きい値Kp2、Kd2、Ki2に変更したフィー
ドバック制御式が用いられることにより後輪トルク分担
比Rr が算出される。そして、SC6では、運転者の要
求駆動トルクTdrv および上記後輪トルク分担比Rr に
基づいて後輪80、82の駆動トルク(Tdrv ×Rr )
が算出され、後輪80、82からその駆動トルクが出力
されるようにRMG70が駆動される。これにより、ト
ラクション制御中において車両の駆動力を確保するため
に、数式1を用いた場合よりも大きな駆動トルクが後輪
80、82から出力される。
【0077】以下において、上記本実施例の作動を図1
4のタイムチャートを用いて説明する。たとえば凍結路
などの低μ路のためにt1 時点において4輪駆動走行が
開始されたとすると、トラクション制御が実行されない
場合は、実線に示すように、前輪66、68のスリップ
により前輪回転速度NF および実スリップ率Sが変化
し、運転者要求トルクTdrv が維持されるように数式1
のフィードバック制御式に従って後輪トルク分担比Rr
が実線に示すように増加させられる。そして、この走行
が継続するうちに前輪66、68のスリップが収束して
前輪回転速度NFが低下するにともなって後輪トルク分
担比Rr も本来の値たとえば0.5程度に低下させられ
る。しかし、トラクション制御が実行される場合は、そ
のトラクション制御の効果によって前輪回転速度NF お
よび実スリップ率Sの上昇が抑制されるので、数式1の
フィードバック制御式を用いた場合には、スリップ率偏
差δsr1 (=S1 −SO 1 )が小さくなって後輪トルク
分担比Rr がそれほど増加させられず、車両全体の駆動
力が小さくなって運転者要求トルクTdrv を下回り、車
両の動力性能が得られなかったのである。すなわち、ト
ルク配分フィードバック制御236によるフィードバッ
ク制御作動によりRMG70のトルク配分が調節される
と、トラクション制御の実行によりエンジン14により
駆動される前輪66、68のスリップが抑制されて前後
輪の実スリップ率が目標値に接近させられるので、制御
装置104は上記トルク配分のフィードバック制御効果
が得られたように見て、RMG70の出力すなわち後輪
80、82へのトルク配分を小さくするので、車両の動
力性能が低下させられてしまうのである。
【0078】しかしながら、本実施例によれば、フィー
ドバック制御作動変更手段242(SC5)において、
たとえば、数式1のフィードバックゲインKp1、Kd1、
Ki1をそれよりも所定値だけ大きい値Kp2、Kd2、Ki2
に変更したフィードバック制御式が用いられることによ
り、数式1のフィードバック制御式の場合よりも大きな
値の後輪トルク分担比Rr が算出されるので、トルク分
担比Rr が大きい値となるように、フィードバック制御
作動が変更される。このため、トラクション制御中にお
いて数式1の場合よりも大きな駆動トルクが後輪80、
82から出力され、車両の動力性能が確保されるのであ
る。図14には、理解を容易にするために、フィードバ
ック制御作動変更手段242により目標スリップ率SO
2 が小さく変更された場合が示されている。この場合で
も、スリップ率偏差δsr2 (=S2 −SO 2 )が大きく
得られることから、フィードバック制御式により算出さ
れる後輪トルク分配比Rr も大きくなるので、大きな駆
動トルクが後輪80、82から出力され、車両の動力性
能が得られるのである。実スリップ率S1 がそれよりも
大きいS2 に変更されたり、算出されたスリップ率偏差
δsr2 を所定値だけ大きくなるように補正したりしても
上記と同様の効果が得られるし、数式1のフィードバッ
ク制御式により算出された制御出力値である後輪トルク
分配比Rr を直接所定値だけ大きくなるように補正した
りしても上記と同様の効果が得られる。
【0079】図15は、前記ハイブリッド制御装置10
4などに設けられた他の制御機能の要部を説明する機能
ブロック線図である。図15において、第1電動機作動
制御手段330は、4輪駆動状態では、運転者要求トル
クTdrv のうちの前輪荷重分担比である前輪トルク分担
比(1−Ktr)に相当する前輪駆動トルクを算出し、そ
の前輪駆動トルクが前輪66、68から出力されるよう
にMG16を制御する。たとえば直結モードにおいてエ
ンジン14とMG16とが同時に作動する場合には、そ
のエンジン14の出力と併せて上記前輪トルクとなるよ
うにMG16を制御する。また、第1電動機作動制御手
段330は、制動時においても、ブレーキペダル124
の操作量や惰行走行時の車速変化量などに基づいて決ま
る要求制動トルクのうちの前輪トルク分担比(1−Kt
r)に相当する前輪回生トルクを算出し、その前輪回生
トルクが前輪66、68から出力されるようにMG16
を制御する。
【0080】第2電動機作動制御手段332は、4輪駆
動状態では、運転者要求トルクTdrv のうちの後輪荷重
分担比である後荷重トルク分担比Ktrに相当する後輪駆
動トルクを算出し、その後輪駆動トルクが後輪80、8
2から出力されるようにRMG70を制御する。また、
第2電動機作動制御手段332は、制動時においても、
ブレーキペダル124の操作量や惰行走行時の車速変化
量などに基づいて決まる要求制動トルクのうちの後輪ト
ルク分担比Ktrに相当する後輪回生トルクを算出し、そ
の後輪回生トルクが後輪80、82から出力されるよう
にRMG70を制御する。なお、上記運転者要求トルク
Tdrv は、たとえば図13に示す予め記憶された関係か
ら実際の車速Vおよびスロットル開度θに基づいて決定
される。また、上記前輪荷重分担比(1−Ktr)および
後輪トルク分担比Ktrは、目標値でもあり、静的な前後
輪荷重分担比(一定値)、或いは車両の前後加速度(前
後G)を加味した動的な前後輪荷重分担比(前後Gの関
数)に基づいて決定される。
【0081】上記MG16およびRMG70は、そのコ
イルを絶縁する材料の絶縁性能を確保するなどのため
に、その温度TMGおよびTRMG によって使用が制限され
るものであり、たとえば図16に示す出力トルク領域内
で作動させられる必要がある。MG16の温度TMGまた
はRMG70の温度TRMG がTa 度である場合は、図1
6のT=Ta に示される最大トルク線の内側の領域内す
なわち出力制限値と回生制限値との範囲内で作動させら
れればよいが、Tc 度である場合は、図16のT=Tc
に示される最大トルク線の内側の小さな領域内で作動さ
せられねばならないのである。また、前記蓄電装置11
2は、その電解質の劣化、内部損傷、或いは寿命の低下
を防止するなどのために、その温度TB によってその持
出電力或いは受入電力が制限されるものであり、たとえ
ば図17に示すような、持出制限値WOUT と受入制限値
WINとの間の範囲内で使用される必要がある。
【0082】このため、第1電動機作動制限手段334
は、たとえば図16の関係からMG16の温度TMGで決
まる出力制限値或いは回生制限値や、たとえば図17の
関係から蓄電装置112の温度TB で決まる持出制限値
WOUT および受入制限値WINに基づいて、MG16の駆
動作動或いは回生作動を制限する。同様に、第2電動機
作動制限手段336は、たとえば図16の関係からRM
G70の温度TRMG で決まる出力制限値或いは回生制限
値や、たとえば図17の関係から蓄電装置112の温度
TB で決まる持出制限値WOUT 或いは受入制限値WINに
基づいて、RMG70の駆動作動或いは回生作動を制限
する。
【0083】第1電動機作動増大手段338は、上記第
2電動機作動制限手段336によってRMG70の駆動
作動或いは回生作動が制限された場合は、車両全体の駆
動力或いは回生制動力を維持するためにすなわち変化さ
せないために、その制限に相当する分だけMG16の駆
動出力或いは回生出力を増大させる。また、第2電動機
作動低減手段340は、前記第1電動機作動制限手段3
34によってMG16の駆動作動或いは回生作動が制限
された場合は、車両の前後輪のトルク分担率を維持する
ためにすなわち前後輪の駆動力配分比或いは制動力配分
比を予め定められた目標配分比とするために、その制限
に相当する分だけRMG70の駆動出力或いは回生出力
を低減させる。
【0084】図18は、前記ハイブリッド制御装置10
4の他の制御作動の要部を説明するフローチャートであ
って、エンジン14およびMG16を用いた直結走行モ
ードにおける前後輪トルク分配制御ルーチンを示してい
る。図18において、SD1の前処理では、図17の関
係から蓄電装置112の実際の温度TB に基づいて受入
制限値WIN、持出制限値WOUT が算出され、図16の関
係からMG16の温度TMGに基づいて温度制限済のMG
16の最大許容トルクTMGmax および最小許容トルクT
MGmin が算出され、図16の関係からRMG70の温度
TRMG に基づいて温度制限済のRMG70の最大許容ト
ルクTRMGmaxおよび最小許容トルクTRMGminが算出さ
れ、図示しない回転センサからの信号に基づいて、MG
16の回転速度NMG、RMG70の回転速度NRMG 、お
よび無段変速機20の入力軸回転速度NINが算出され、
たとえば図13に示す関係から実際の車速Vおよびスロ
ットル開度θに基づいて運転者要求トルクTdrv が算出
され、その運転者要求トルクTdrv 、補機駆動トルク、
必要充電トルクなどに基づいて必要エンジン出力PVが
算出される。ここで、上記運転者要求トルクTdrv や後
述の出力或いは出力トルクは、回生制動力或いはトルク
を表す負の値をも含むものであり、それらの増加或いは
減少という表現はそれらの絶対値に基づいている。
【0085】続いて、SD2では、エンジン14に出力
させるトルクの指令値を算出するために、図19のエン
ジン指令トルク算出ルーチンが実行される。すなわち、
SD21では、上記必要エンジン出力PV およびエンジ
ン回転速度NE に基づいて、エンジン14に出力させる
ためのエンジン出力トルク基本値TEbase (=PV /N
E )が算出される。次いで、SD22では、そのエンジ
ン出力トルク基本値TEbase に対してエンジン14の仕
様に関連する上限値TEmaxおよび下限値「0」の制限が
加えられ(0≦TEbase ≦TEmax)、制限済の値がエン
ジン出力トルク指令値TE とされる。エンジン14は、
その出力トルクがそのエンジン出力トルク指令値TE と
なるように制御される。
【0086】続くSD3では、たとえば図20に示すリ
ヤモータトルク仮決定ルーチンが実行されることによ
り、RMG70の出力トルク仮決定値TRMGtmpが算出さ
れる。すなわち、図20のSD31では、持出制限値W
OUT に基づいてRMG70の出力トルクの上限値TRMGm
axp が算出される。すなわち、数式2および数式3から
PRMG が求められ、これがRMG70の最大出力PRMGm
axp とされる。次いで、このPRMGmaxp とRMG70の
回転速度NRMG から数式4を満足するTRMG が求めら
れ、これがRMG70の最大出力トルクTRMGmaxp とさ
れる。数式3において、EFMGはMG16の効率、EF
CVT は無段変速機20の効率、EFRMG はRMG70の
効率である。数式4において、PRMGloss (NRMG ,T
RMG )はRMG70のパワー損失である。
【0087】 (数式2) PMG+PRMG =WOUT (数式3) 〔(PMG×EFMG+NE ×TEbase )×EFCVT 〕:(PRMG ×EFRMG ) =(1−Ktr):Ktr (数式4) NRMG ×TRMG +PRMGloss (NRMG ,TRMG )=PRMGmaxp
【0088】SD32では、受入制限値WINに基づいて
RMG70の出力トルクの下限値TRMGminp が算出され
る。すなわち、数式5および数式6からPRMG が求めら
れ、これがRMG70の最小出力PRMGminp とされる。
次いで、このPRMGminp とRMG70の回転速度NRMG
から数式7を満足するTRMG が求められ、これがRMG
70の最小出力トルクTRMGminp とされる。
【0089】 (数式5) PMG+PRMG =WIN (数式6) 〔(PMG×EFMG+NE ×TEbase )×EFCVT 〕:(PRMG ×EFRMG ) =(1−Ktr):Ktr (数式7) NRMG ×TRMG +PRMGloss (NRMG ,TRMG )=PRMGminp
【0090】続いて、前記第2電動機作動制御手段33
2に対応するSD33では、RMG70の出力トルク基
本値TRMGbase を、数式8から算出する。この出力トル
ク基本値TRMGbase は、RMG70から出力される基本
トルクであり、原則的にはこの値が出力されるようにR
MG70が駆動されるが、実際には、後述の上下限ガー
ド処理後の値が出力されるようにRMG70が駆動され
る。数式8において、GRRは副駆動装置12(減速装
置72)の減速比である。
【0091】(数式8) TRMGbase =Tdrv ×Ktr/GRR
【0092】そして、前記第2電動機作動制限手段33
6に対応するSD34では、上記出力トルク基本値TRM
Gbase に対して、蓄電装置112に由来する制限および
RMG70の温度に由来する制限を行うための、上記T
RMGmaxp およびTRMGminp 、前記TRMGmaxおよびTRMGm
inによる上下限ガード処理が数式9および数式10に従
って実行され、上下限ガード処理後の値がRMG70の
出力トルク仮決定値TRMGtmpとして決定される。
【0093】(数式9) TRMGminp ≦TRMGbase ≦TRMGmaxp (数式10) TRMGmin≦TRMGbase ≦TRMGmax
【0094】図18に戻って、SD4では、たとえば図
21に示すフロントモータトルク仮決定ルーチンが実行
されることにより、MG16の出力トルク仮決定値TMG
tmpが算出される。すなわち、図21のSD41では、
持出制限値WOUT に基づいてMG16の出力トルクの上
限値TMGmax が算出される。すなわち、数式11から上
記RMG70の出力トルク仮決定値TRMGtmpに基づいて
RMG70の出力PRMG が算出され、そのRMG70の
出力PRMG からMG16の最大出力PMG(=WOUT −P
RMG )が算出され、数式12からそのMG16の最大出
力PMG(=WOUT −PRMG )に基づいてMG16の最大
出力トルクTMGが求められ、これがTMGmaxpとされる。
また、RMG70の出力PRMG からMG16の最小出力
PMG(=WIN−PRMG )が算出され、数式12からその
MG16の最小出力PMG(=WIN−PRMG )に基づいて
MG16の最小出力トルクTMGが求められ、これがTMG
minpとされる。数式12において、PMGloss(NMG,T
MG)はMG16の損失である。
【0095】(数式11) PRMG =NRMG ×TRMGtmp+PRMGloss (NRMG ,TRM
G ) (数式12) NMG×TMG+PMGloss(NMG,TMG)=PMG
【0096】次いで、前記第1電動機作動制御手段33
0に対応するSD42では、MG16の出力トルク基本
値TMGbaseを、数式13から運転者要求トルクTdrv お
よびRMG70の出力トルク仮決定値TRMGtmp、エンジ
ン出力トルク基本値TEbaseに基づいて算出し、その出
力トルク基本値TMGbaseがMG16から出力されるよう
に指令する。数式13において、GRFは主駆動装置
(遊星歯車装置18および無段変速機20)の減速比で
ある。数式13では、運転者要求トルクTdrv からRM
G70の出力トルク仮決定値TRMGtmpに減速比GRRを
差し引いた値に基づいてMG16の出力トルク基本値T
MGbaseが算出されているので、たとえばSD34におい
てRMG70の出力トルクが制限されたときは、その分
だけMG16の出力トルク基本値TMGbaseが増加させら
れて、車両の合計駆動力或いは回生制動力が一定に保持
されるようになっている。したがって、本実施例では、
このSD42は、前記第1電動機作動増大手段338に
も対応している。
【0097】(数式13) TMGbase=(Tdrv −TRMGtmp×GRR)/GRF−T
Ebase
【0098】続いて、前記第1電動機作動制限手段33
4に対応するSD43では、上記出力トルク基本値TMG
baseに対して、蓄電装置112に由来する制限およびM
G16の温度に由来する制限を行うための、上記TMGma
xpおよびTMGminp、前記TMGmax およびTMGmin による
上下限ガード処理が数式14および数式15に従って実
行され、上下限ガード処理後の値がMG16の出力トル
ク仮決定値TMGtmp として決定される。
【0099】(数式14) TMGminp≦TMGbase≦TMGmaxp (数式15) TMGmin ≦TMGbase≦TMGmax
【0100】図18に戻って、SD5では、前輪(車
軸)の仮トルクTftmpが数式16から算出され、後輪
(車軸)の仮トルクTrtmpが数式17から算出される。
【0101】(数式16) Tftmp=(TMG+TEbase )×(NIN/NOUT )×EF
CVT ×GRF (数式17) Trtmp=TRMGtmp×GRR
【0102】次に、SD6において、上記後輪の仮トル
ク|Trtmp|が、前輪の仮トルクTftmpと後輪の仮トル
クTrtmpとの合計値|Tftmp+Trtmp|に後輪トルク分
配比Ktrを掛けた値以下であるか否か、すなわち、合計
値|Tftmp+Trtmp|に対する後輪の仮トルク|Trtmp
|の割合(|Trtmp|/|Tftmp+Trtmp|)が後輪ト
ルク分配比Ktr以下であるか否かが判断される。このS
D6の判断が肯定される場合は、SD7において、上記
後輪の仮トルクTRMGtmpがRMG70の出力トルクTRM
G として決定される。
【0103】しかし、上記SD6の判断が否定される場
合は、SD8において、RMG70の出力トルクが再計
算された後、上記SD7が実行される。このSD8で
は、たとえば図22に示すリヤモータ出力トルク再計算
ルーチンが実行される。図22のSD81では、数式1
8から前輪仮トルクTftmpと前輪トルク配分比(1−K
tr)および後輪トルク配分比Ktrの割合〔Ktr/(1−
Ktr)〕とに基づいて後輪のトルクTrtmpが算出され、
SD82では、数式19からその後輪のトルクTrtmpと
副駆動装置12の減速比GRRとに基づいてRMG70
の仮出力トルク値TRMGtmpが算出される。ここで、たと
えば、前記SD43によりMG16の出力トルクが制限
されたために、前輪の仮トルクTftmpと後輪の仮トルク
Trtmpとの合計値|Tftmp+Trtmp|に対する後輪の仮
トルク|Trtmp|の割合(|Trtmp|/|Tftmp+Trt
mp|)が後輪トルク分配比Ktrを上まわった場合には、
上記数式18によって、前輪仮トルクTftmpおよび後輪
仮トルクTrtmpの分配比(Trtmp/Tftmp)が予め定め
られた目標分配比である前輪トルク配分比(1−Ktr)
および後輪トルク配分比Ktrの分配比〔Ktr/(1−K
tr)〕となるように、すなわち実際の前後輪の駆動力配
分比或いは回生制動力配分比が目標分配比〔Ktr/(1
−Ktr)〕となるように後輪仮トルクTrtmpが上記MG
16の出力トルクの制限量に対応して低減されるので、
上記SD8は前記第2電動機作動低減手段340に対応
している。
【0104】(数式18) Trtmp=Tftmp×〔Ktr/(1−Ktr)〕 (数式19) TRMGtmp=Trtmp×GRR
【0105】上述のように、本実施例によれば、MG1
6(第1電動機)とRMG70(第2電動機)との熱定
格の相互関係が特定の状態とされるため、前後輪駆動車
両がその駆動力バランスを考慮したものとされることが
でき、走行安定性が保持されることができる。
【0106】また、本実施例によれば、MG16(第1
電動機)の熱定格がRMG70(第2電動機)の熱定格
よりも高くされたものであることから、後輪80、82
を駆動するRMG70の熱定格が前輪66、68を駆動
するMG16の熱定格よりも低く、後輪側のRMG70
の出力が先に制限されるが、後輪80、82であるため
に比較的車両の安定性が保持される利点がある。
【0107】また、本実施例によれば、第2電動機作動
制限手段336(SD34)によるRMG70の作動制
限時(駆動作動制限時或いは回生作動制限時)におい
て、第1電動機作動増大手段338(SD42)により
MG16の作動(駆動作動或いは回生作動)が増大させ
られるため、比較的車両の安定性を保ちつつ、車両の全
駆動力或いは回生制動力が確保される。たとえば、RM
G70の出力制限時においては運転者要求トルクTdrv
に対応する車両の全駆動力を変化させないようにMG1
6の出力が増大させられ、RMG70の回生制限時にお
いては車両の全回生制動トルクを変化させないようにM
G16の回生が増大させられることにより、車両の安定
性が保持されつつ、車両の全駆動力或いは回生制動力が
確保される。
【0108】また、本実施例によれば、第1電動機作動
制限手段334(SD43)によるMG16の作動制限
時において、第2電動機出力低減手段340(SD8)
により前後輪の分配比を目標分配比とするためにすなわ
ち後輪80、82のトルク分配比をKtrとするためにR
MG70の作動が低減させられるため、車両の安定性が
確保される。たとえば、MG16の出力制限時において
は前後輪のトルク分担比すなわち後輪トルク分担比Ktr
が維持されるように、またはそれよりも前輪駆動(F
F)となるようにRMG70の出力が低減させられ、ま
た、MG16の回生制限時においても同様にRMG70
の回生が低減させられることにより、車両の安定性が保
持されつつ、車両の全駆動力或いは回生制動力が確保さ
れる。
【0109】図23は、図9の他の制御作動を説明する
フローチャートである。このフローチャートにおいて
は、図9に比較して、SA1が削除され、且つSA2の
判断が肯定されたときに実行されるSA30が設けられ
ている点において相違し、他は同様である。図9と共通
する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】上記SA30では、外気温度が路面摩擦係
数変化を生じ得るような所定温度以下の低温状態であ
り、且つ路面勾配が所定角度以上の登坂走行であるか否
かが判断される。この登坂走行は、たとえば図示しない
前後Gセンサからの信号に基づいて判断される。或い
は、車両の停止時或いはアクセルペダル122が操作さ
れない惰行走行時に記憶された前後加速度と発進直前の
加速度との加速度差が路面勾配に対応することを利用し
て、その加速度差が所定値を越えた場合に登坂走行を判
定してもよい。この場合、平坦路における高加速度発進
においても登坂と誤判定されない利点がある。
【0111】上記SA30の判断が肯定される場合は、
SA16以下が実行されることにより相対的に大きな駆
動力を得ることができる第1出力トルク領域が選択さ
れ、その第1出力トルク領域に従ってRMG70が駆動
される。これにより、大きな駆動力が得られる4輪駆動
走行が行われる。しかし、上記SA30の判断が否定さ
れる場合は、SA19以下が実行されることにより、第
1出力トルク領域よりは最大トルクが小さく設定された
第2出力トルク領域が選択されるので、その第2出力ト
ルク領域に従ってRMG70が駆動される。これによ
り、平坦路や高μ路においては十分であるが、電力消費
が抑制された4輪駆動走行が行われ、RMG70の駆動
負荷が軽減される。
【0112】なお、上記SA30において、外気温度が
路面摩擦係数変化を生じ得るような所定温度以下の低温
状態であるか、或いは路面勾配が所定角度以上の登坂走
行であるか否かが判断されるようにしてもよい。この場
合、外気温度が路面摩擦係数変化を生じ得るような所定
温度以下の低温状態であるとき、および路面勾配が所定
角度以上の登坂走行であるときには、共にSA16以下
が実行されることにより相対的に大きな駆動力を得るこ
とができる第1出力トルク領域が選択され、その第1出
力トルク領域に従ってRMG70が駆動される。しか
し、外気温度が路面摩擦係数変化を生じ得るような所定
温度以下の低温状態でなく、しかも路面勾配が所定角度
以上の登坂走行でない場合に、SA19以下が実行され
ることにより、第1出力トルク領域よりは最大トルクが
小さく設定された第2出力トルク領域が選択されるの
で、その第2出力トルク領域に従ってRMG70が駆動
される。
【0113】図24は、前記ハイブリッド制御装置10
4などに設けられた他の制御機能の要部、すなわち前輪
66、68の駆動力に従った車両の登坂発進時におい
て、車両の駆動力を一時的に高めるために所定の駆動力
配分比に従ってRMG70を作動させ、後輪80、82
からも駆動力を発生させる高μ路アシスト制御を説明す
る機能ブロック線図である。図24において、目標出力
決定手段348は、たとえば図25に示す予め記憶され
た関係から実際の運転者による出力操作手段の操作程度
たとえばアクセルペダル122の操作量(アクセル開
度)θA と車速Vとに基づいて目標駆動力FT1を決定す
る。上記図25に示す関係は、運転者の要求駆動力或い
は要求加速力を実現するために予め実験的に求められた
ものである。
【0114】坂路発進アシスト制御手段350は、車両
の発進操作に先立ち且つアクセルペダル122の操作に
より車両が所定速度に到達するまで、道路勾配に対応し
た大きさの駆動力であって、登坂方向の発進時の車両の
降坂方向の速度(たとえば後退速度)すなわちずり落ち
速度が零より大きな所定車速以下たとえば1〜3km/h程
度の微速、または降坂方向に1.0m/sec2 程度の
加速度とする大きさの駆動力を車両に付与するようにす
る。すなわち、坂路発進アシスト制御手段350は、車
両が発進しようとする路面の勾配(角度)検出するため
にたとえば勾配に対応する停車時前後加速度Gxstpを車
両停止且つブレーキ操作時の図示しない前後加速度セン
サの出力信号に基づいて記憶する路面勾配検出手段35
2と、たとえば図26に示す予め記憶された関係から実
際の勾配に対応する停車時前後加速度Gxstpに基づいて
登坂発進時の後退を抑制するために付加すべき仮補正駆
動力dFK を決定する仮補正駆動力決定手段354と、
その仮補正駆動力決定手段354により決定された仮補
正駆動力dFK に基づいて、たとえば図27に示すよう
に、出力開始時にはたとえば0.2秒程度の立ち上がり
期間(t0 〜t1 )で相対的に速やかに増加して仮補正
駆動力dFK に到達するが、出力終了時にはたとえば1
乃至2秒程度の立ち下がり期間(t2 〜t3 )でその仮
補正駆動力dFK から相対的に緩やかに減少する補正駆
動力dFを発生させる補正駆動力発生手段355と、そ
の補正駆動力dFを車両の駆動力に付与するために前記
目標駆動力FT1に加算する補正駆動力付与手段356と
を備えている。上記図26に示す関係は、登坂発進時の
車両の後退速度すなわちずり落ち速度が零より大きな所
定車速以下たとえば1〜3km/h程度の微速となるように
又は降坂方向に1.0m/sec2 程度の加速度となる
ように予め実験的に求められたものであり、所定の勾配
範囲内すなわち停車時前後加速度GxstpがG1 乃至G2
の範囲内において、停車時前後加速度Gxstpの増加に伴
って比例的に仮補正駆動力dFK が増加するように決定
されている。停車時前後加速度GxstpがG1 よりも小さ
い場合は補正駆動力dFを付与しなくても後退速度が緩
やかであり、停車時前後加速度Gxs tpがG2 よりも大き
い場合はそれ以後の後退速度を路面傾斜に伴って大きく
するために仮補正駆動力dFK の増加が飽和させられて
いる。
【0115】また、アクセル開度θA がたとえば図28
に示すような予め設定された関係θ A1=f(Gxstp
W)から実際の路面勾配Gxstpおよび車重Wに基づいて
求められた判断基準値θA1を越えたか否かに基づいて駆
動力の坂路発進アシスト補正が不要であるか否かを判定
する補正開始不可判定手段358と、アクセル開度θA
が予め設定された判断基準値θA2を越えたか否かに基づ
いて補正駆動力dFを付与する登坂発進アシスト制御を
中止するか否かを判定する補正中止判定手段360とが
設けられており、上記坂路発進アシスト制御手段350
すなわち補正駆動力付与手段356は、補正開始不可判
定手段358により駆動力の補正が不要であると判定さ
れた場合は登坂発進アシスト制御は行わないが、アクセ
ル開度θAがたとえば10°程度の勾配に対応する20
%程度の判断基準値θA1を越えたと判定された場合は登
坂発進アシスト制御を開始する。また、上記坂路発進ア
シスト制御手段350すなわち補正駆動力付与手段35
6は、登坂発進アシスト制御中において上記補正中止判
定手段360によりアクセル開度θA が予め設定された
判断基準値θA2を越えたと判定された場合はアクセルペ
ダル122の加速操作に基づく駆動力が高められるの
で、発進アシスト制御を中止或いは終了させる。
【0116】車速Vが1〜3km/h程度に予め設定さ
れた判断基準車速V1 以上であるか否かを判定する車速
判定手段362と、ブレーキペダル124の非操作が所
定時間T1 以上継続されているか否かを判定するブレー
キ非操作継続判定手段364とが設けられている。前記
坂路発進アシスト制御手段350すなわち補正駆動力付
与手段356は、車速判定手段362により車速Vが予
め設定された判断基準車速V1 以上ではない(判断基準
車速V1 よりも低い)と判定されるか、或いはブレーキ
非操作継続判定手段364によりブレーキペダル124
が所定時間T1以上連続操作されていないと判定された
場合には上記補正駆動力dFを車両の駆動力に付与する
が、車速Vが予め設定された判断基準車速V1 以上であ
ると判定されるか、或いはブレーキペダル124の非操
作が所定時間T1 以上継続されている場合には上記補正
駆動力dFを車両の駆動力に付与する登坂発進アシスト
制御は行わない。すなわち、上記坂路発進アシスト制御
手段350すなわち補正駆動力付与手段356による登
坂発進アシスト制御は、車両の停車中或いは車速Vが極
めて低い判断基準車速V1 よりも低い場合、ブレーキオ
ン操作がされているか或いはオフ操作がされていても所
定時間T1 以上連続していない場合に行われる。
【0117】原動機駆動制御手段366は、補正駆動力
付与手段356により補正駆動力dFが加算された目標
駆動力FT2(=FT1+dF)が得られるように車両の原
動機の出力を制御する。たとえば、前輪系の原動機であ
るエンジン14および/またはMG16から目標駆動力
T1を出力させ、後輪系の原動機であるRMG70から
登坂発進のための補正駆動力dFを出力させることによ
り、アクセルペダル122の操作前では専ら補正駆動力
dFにより車両の後退を1〜3km/h程度の僅かな速
度にとどめ、アクセルペダル122の操作により登坂発
進が開始された場合は4輪駆動状態として車両の総駆動
力を目標駆動力FT2とする。
【0118】図29および図30は、本実施例のハイブ
リッド制御装置104の制御作動の要部を説明するフロ
ーチャートであって、図29は駆動力制御ルーチンを、
図30は登坂発進補正駆動力算出ルーチンをそれぞれ示
している。
【0119】図29において、SE1では、図示しない
センサの出力信号から車速V、アクセルペダル122の
操作量であるアクセル開度θA 、前後加速度Gx などが
読み込まれる。次いで、前記目標出力決定手段348に
対応するSE2では、たとえば図25に示す予め記憶さ
れた関係から実際のアクセルペダル122の操作量(ア
クセル開度)θA と車速Vとに基づいて、運転者の要求
駆動力である目標駆動力FT1が決定される。続いて、前
記坂路発進アシスト制御手段350に対応するSE3お
よびSE4では、車両の発進操作に先立ち且つアクセル
ペダル122の操作により車両が所定速度に到達するま
で、道路勾配に対応した大きさの駆動力であって、登坂
発進時の車両の後退速度すなわちずり落ち速度が零より
大きな所定車速以下たとえば1〜3km/h程度の微速、ま
たは後退方向に1・0m/sec 2 程度の加速度とする
大きさの駆動力が車両に付与されるようにする。
【0120】図30は、上記SE3の作動を詳しく説明
する登坂発進補正駆動力を算出するルーチンを示してい
る。図30において、前記補正開始不可判定手段358
に対応するSE31では、アクセル開度θA がたとえば
図28に示すような予め設定された関係θA1=f(G
xstp、W)から実際の路面勾配Gxstpおよび車重Wに基
づいて求められた判断基準値θA1を越えたか否かに基づ
いて駆動力の坂路発進アシスト補正が不要であるか否か
が判断される。このSE31の判断が肯定された場合
は、アクセルペダル122が発進のためにたとえば20
%以上となるように比較的大きく操作された状態である
ので、SE32において、算出される補正駆動力dFを
零とするために路面勾配に対応する停車時前後Gセンサ
値Gxstpの内容が強制的に「0」に設定されることによ
り、実質的に補正駆動力の算出が開始されないようにす
る。
【0121】しかし、上記SE31の判断が否定される
場合は、アクセルペダル122が未だ発進操作されない
状態であるので、前記路面勾配検出手段352に対応す
るSE33、SE34、SE35が実行される。SE3
3では車両が停車中であるか否かがたとえば車速Vに基
づいて判断され、SE34ではブレーキペダル124が
操作されているか否かがたとえば図示しないブレーキス
イッチからの出力信号に基づいて判断される。SE33
およびSE34の判断が共に肯定された場合は、SE3
5において、そのときの前後Gセンサの出力値が路面勾
配を表す重力値Gxstpとして記憶される。
【0122】次いで、前記補正中止判定手段360に対
応するSE36において、アクセルペダル122の操作
による発進時の駆動力増加により登坂発進のための補正
が不要となったか否かを判断するために、アクセル開度
θA が予め設定された判断基準値θA2を越えたか否かが
判断される。このSE36の判断が肯定される場合は、
SE37において算出される補正駆動力dFを零とする
ために路面勾配に対応する停車時前後Gセンサ値Gxstp
の内容が優先的に「0」に設定されることにより、実質
的に補正駆動力の算出が開始されないようにする。
【0123】しかし、上記SE36の判断が否定される
場合は、前記仮補正駆動力決定手段354に対応するS
E38において、たとえば図26に示す予め記憶された
関係から実際の勾配に対応する停車時前後加速度Gxstp
に基づいて登坂発進時の後退を抑制するために付加すべ
き仮補正駆動力dFK が決定される。次いで、前記補正
駆動力発生手段355に対応するSE39において、上
記仮補正駆動力dFKに基づき、たとえば図27に示す
ように、補正駆動力付与開始直後にはたとえば0.2秒
程度の立ち上がり期間(t0 〜t1 )で相対的に速やか
に増加して仮補正駆動力dFK に到達するが、補正駆動
力付与終了時にはたとえば1乃至2秒程度の立ち下がり
期間(t2 〜t3 )でその仮補正駆動力dFK から相対
的に緩やかに減少する補正駆動力dFが発生させられ
る。
【0124】前記SE33の判断が否定される場合は、
前記車速判定手段362に対応するSE40において、
実際の車速Vが1〜3km/h程度に予め設定された判
断基準車速V1 以上となったか否かが判断される。この
SE40の判断が否定される場合は、車両が未だ登坂発
進により登坂車速が出ない状態であるので、登坂発進の
ための補正駆動力を付与するための制御を継続させるた
めにSE36以下が実行されるが、そのSE40の判断
が肯定される場合は、登坂発進時に車両がすでに前進走
行開始させられた状態であって登坂発進のために道路勾
配に対応した補正駆動力を付与する必要がなくなった状
態であるので、その補正駆動力を付与する制御を実質的
に終了させるために前記SE32以下が実行される。
【0125】また、前記SE34の判断が否定される場
合は、前記ブレーキ非操作継続判定手段364に対応す
るSE41において、ブレーキペダル124がたとえば
1秒程度に設定された所定時間T1 以上連続して操作さ
れていないか否かが判断される。このSE41の判断が
否定される場合は、運転者の前進意図が存在する可能性
がある状態であるので、登坂発進のための補正駆動力を
付与するための制御を継続させるためにSE36以下が
実行されるが、そのSE41の判断が肯定される場合
は、運転者の前進意図が存在しないと考えられ、登坂路
の車両のずり下がりを従来通りにした方がよい状態であ
るので、その補正駆動力を付与する制御を実質的に終了
させるために前記SE32以下が実行される。
【0126】次いで、図29に戻って、前記補正駆動力
付与手段356に対応するSE4では、上記SE39に
おいて算出された補正駆動力dFを車両の駆動力に付与
するために、前記SE2において求められた目標駆動力
T1に加算されることにより補正後の最終的な目標駆動
力FT2が算出される。そして、前記原動機駆動制御手段
366に対応するSE5において、SE39において算
出された補正駆動力dFが加算された目標駆動力F
T2(=FT1+dF)が得られるように車両の原動機の出
力を制御する。たとえば、前輪系の原動機であるエンジ
ン14および/またはMG16から目標駆動力FT1を出
力させ、後輪系の原動機であるRMG70から登坂発進
のための補正駆動力dFを出力させることにより、車両
の総駆動力が目標駆動力FT2とされる。
【0127】なお、上記SE4では、SE31(補正開
始不可判定手段358)により駆動力の補正が不要であ
ると判定された場合、登坂発進アシスト制御中において
SE36(上記補正中止判定手段360)によりアクセ
ル開度θA が予め設定された判断基準値θA2を越えたと
判定された場合、SE40(車速判定手段362)によ
り車速Vが予め設定された判断基準車速V1 以上ではな
い(判断基準車速V1よりも低い)と判定される場合、
或いはSE41(ブレーキ非操作継続判定手段364)
によりブレーキペダル124が所定時間T1 以上連続操
作されていないと判定された場合には、停車時前後加速
度Gxstpが零に設定され且つそれから求められる補正駆
動力dFも零とされるので、実質的に補正駆動力dFを
車両の駆動力に付与する登坂発進アシスト制御が行われ
ず、中止される。
【0128】上述のように、本実施例の車両の駆動力制
御において、坂路発進アシスト制御手段350によれ
ば、道路勾配を表す停車時前後加速度Gxstpに対応して
車両の駆動輪に駆動力を付与する車両の駆動制御を行う
場合に、車両の登坂発進時において車速が零より大きい
所定車速以下となるように又は降坂方向に1.0m/s
ec2 程度の加速度となるように車両の駆動力FT2(=
T1+dF)が設定されることから、車両の坂路発進に
際してはアクセルペダル122の踏込前では降坂方向に
所定車速以下或いは降坂方向に所定加速度以下で僅かに
後退させられるので、車両のずり下がりが抑制されると
ともに運転者が道路勾配を正確に知ることができる。こ
のため、運転者は車両の発進に際して坂路勾配に応じて
踏込を行うことができるようになる。すなわち、重力に
基づく車両後退方向の付勢力と摩擦などの固定クリープ
力との差である従来の車両の後退力FR は、図31に示
すように路面傾斜角すなわち停車時前後加速度Gxstp
大きくなるほど大きくなる性質があるが、前述のように
仮補正駆動力dFK が図26に示す関係から停車時前後
加速度Gxstpが大きくなるほど大きくなるように決定さ
れて前進方向の車両駆動力に付与されていることから、
上記重力に基づく車両後退方向の付勢力と目標駆動力F
T2(車両停止中では仮補正駆動力dFK となる)との差
である実際の後退力FR ' は上記従来の車両の後退力F
R よりも小さくされ、且つ略一定とされている。たとえ
ば、停車時前後加速度Gxstpが順次大きくなるGa 、G
b 、Gcにおいて、従来の後退力はFRa、FRb、FRc
あったのに対し、本実施例では仮補正駆動力dFK 分だ
け小さなFRa' 、FRb' 、FRc' とされており、それら
Ra' 、FRb' 、FRc' は相互に略同等の値とされてい
るのである。
【0129】また、本実施例によれば、道路勾配を表す
停車時前後加速度Gxstpに対応して車両の駆動輪に駆動
力を付与する車両の駆動制御を行う場合に、登坂発進に
際して、ブレーキ非操作継続判定手段364により車両
の停車中にブレーキペダル124の非操作継続時間が1
秒程度の所定のT1 時間よりも長いと判定された場合に
は、道路勾配に対応した駆動力dFの付与が中止される
ことから、運転者の前進意図のない状態では車両のずり
下がりが許容されるので、運転者に道路勾配の程度を知
らせることができる。
【0130】また、本実施例の補正駆動力付与手段35
6によれば、車両の登坂発進時に道路勾配を表す停車時
前後加速度Gxstpに対応して駆動輪に駆動力を付与する
車両の駆動制御を行う場合に、道路勾配に対応した駆動
力dFの付与を実行開始する時には速やかに駆動力を上
昇させ、道路勾配に対応した駆動力dFの付与の中止或
いは終了時には緩やかに駆動力を減少させられることか
ら、駆動力dFの付与の実行を開始する時には登坂路発
進時でのずり下がりの抑制が速やかに行われるととも
に、駆動力dFの付与の中止或いは終了時には違和感な
く駆動力の付与が中止される。
【0131】また、本実施例によれば、前輪66、68
および後輪80、82の一方を第1原動機たとえばエン
ジン14およびMG16で駆動可能とし、他方を第2原
動機たとえばMG70により駆動可能とした4輪駆動車
において、その4輪駆動車の制御装置が、運転者の出力
操作手段の操作程度たとえばアクセル開度θA と車速V
とに基づき目標駆動力FT1が求められ(目標出力決定手
段348)、その目標駆動力FT1に基づいて前輪側およ
び後輪側から出力すべき駆動力FT2が、車両発進時にお
いて道路勾配を表す停車時前後加速度Gxstpに基づいて
補正された値となるように前輪66、68および後輪8
0、82の駆動力が制御される(補正駆動力発生手段3
55、補正駆動力付与手段356)ので、運転者の要求
に合った目標駆動力が達成されると同時に、登坂発進走
行時にはその勾配に合った前後輪の駆動力配分とされ
る。
【0132】また、本実施例によれば、前記路面道路勾
配を表す停車時前後加速度Gxstpに対応して車両の駆動
輪に駆動力を付与する制御すなわち登坂アシスト制御を
行う車両の駆動制御において、仮補正駆動力決定手段3
54により所定の道路勾配の範囲内すなわちG1 乃至G
2 の範囲内において後退車速が所定車速以下となるよう
に道路勾配に対応して車両の駆動力が設定されることか
ら、道路勾配が所定の道路勾配を越える場合には、後退
車速が所定車速以下となるように設定される車両の駆動
力がそれ以上増加させられなくなるので、運転者が道路
勾配を一層正確に知ることができる。
【0133】また、本実施例によれば、前記仮補正駆動
力決定手段354、補正駆動力発生手段355、補正駆
動力付与手段356により、路面道路勾配を表す停車時
前後加速度Gxstpに対応して車両の駆動輪に駆動力を付
与するに際して、車両の登坂発進時において降坂方向の
車速すなわち後退車速が零より大きい所定車速以下とな
るように或いは降坂方向の加速度が所定加速度以下とな
るように車両の駆動力FT2(=FT1+dF)が設定され
る場合に、その所定車速は数キロメータたとえば1乃至
3km/hの車速とされるので、登坂路のずり下がりが好適
な値に抑制される。
【0134】また、本実施例によれば、補正中止判定手
段360により、前記運転者の要求する要求駆動力FT1
すなわちその要求駆動力FT1に対応するアクセル開度θ
A が零でない所定値θA2以上となったと判定された場合
には、道路勾配に対応した駆動力dFの付与が中止され
るものであることから、要求駆動力FT1すなわちその要
求駆動力FT1に対応するアクセル開度θA が零から所定
値θA2までの範囲内であるときには、道路勾配が大きく
なるのに対応して大きくなる駆動力が付与され、車両の
後退(ずり落ち)が好適に防止される。
【0135】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
【0136】たとえば、前述の実施例の車両は、前輪6
6、68をエンジン14およびMG16を備えた主駆動
装置10が駆動し、後輪80、82をRMG70を備え
た副駆動装置12が駆動する前後輪駆動(4輪駆動)形
式であったが、前輪駆動車両や後輪駆動車両であっても
よく、その原動機はエンジン、電動機、および油圧モー
タなどの少なくとも1つから構成されたものであっても
よい。要するに、目標駆動力FT1に対応する車両の駆動
力に仮補正駆動力dFK を付与(加算)することができ
る機能を備えた車両であればよく、たとえば原動機がエ
ンジンであれば、アクチュエータによってスロットル弁
が開閉制御されるものであればよい。原動機が電動機或
いは油圧モータであれば、その電動機或いは油圧モータ
を駆動する電機モータへの電流制御により容易に補正駆
動力dFK を付与され得る。
【0137】また、前述の実施例では、複数種類の制御
例が説明されていたが、それらの制御例は所定の車両に
おいて相互に適宜組み合わせて実施され得るものであ
る。
【0138】また、前述の実施例では、補正駆動力発生
手段355により登坂発進のための補正駆動力dFが予
め求められ、目標駆動力FT1に対応する車両の駆動力に
補正駆動力dFを付与するために補正駆動力付与手段3
56によりその補正駆動力dFが目標駆動力FT1に加算
されていたが、登坂発進のための補正係数(1より大)
が予め求められ、目標駆動力F1 に対応する車両の駆動
力にその補正係数を付与するためにその補正係数が目標
駆動力F1 に乗算されるようにしてもよく、登坂発進は
前進および後退のいずれであっても適用される。
【0139】また、前述の実施例の原動機駆動力制御手
段366では、上記補正駆動力dFをRMG70により
駆動される後輪80、82から出力させていたが、エン
ジン14或いはMG16に駆動される前輪66、68か
ら出力させてもよいし、4輪駆動状態であるときには、
そのときの駆動力配分比を変化させないようにRMG7
0により駆動される後輪80、82およびエンジン14
或いはMG16に駆動される前輪66、68から出力さ
せてもよい。
【0140】また、前述の実施例では、路面勾配検出手
段352は、車両停止中且つブレーキ操作中における前
後Gセンサの出力信号である停車時前後加速度Gxstp
記憶することにより路面勾配(路面傾斜)を検出してい
たが、傾斜計などにより路面勾配を検出するものであっ
てもよい。
【0141】また、前述の実施例の車両は、その動力伝
達経路に無段変速機20を備えたものであったが、遊星
歯車式或いは常時噛み合い型平行2軸式の有段変速機を
備えたものであってもよい。
【0142】また、前述の実施例では、ハイブリッド制
御装置104により図29、図30に示す車両の駆動力
制御が行われていたが、他の制御装置により実行されて
も差し支えない。
【0143】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を備えた4輪駆動
車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の遊星歯車装置を制御する油圧制御回路の
要部を説明する図である。
【図3】図1の4輪駆動車両に設けられた制御装置を説
明する図である。
【図4】図3のエンジン制御装置により制御されるエン
ジンの運転点の目標である最良燃費率曲線を示す図であ
る。
【図5】図3のハイブリッド制御装置により選択される
制御モードを示す図表である。
【図6】図3のハイブリッド制御装置により制御される
ETCモードにおける遊星歯車装置の作動を説明する共
線図である。
【図7】図3のハイブリッド制御装置などの制御機能の
要部を説明する機能ブロック線図である。
【図8】図7の出力トルク領域記憶手段において記憶さ
れた複数種類の出力トルク領域を示す図である。
【図9】図3のハイブリッド制御装置などの制御作動の
要部を説明するフローチャートであって、出力トルク領
域切換および後輪切換制御ルーチンを示す図である。
【図10】図3のハイブリッド制御装置などの制御作動
の要部を説明するフローチャートであって、4輪駆動中
止制御ルーチンを示す図である。
【図11】図3のハイブリッド制御装置などの制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図3のハイブリッド制御装置などの制御作動
の要部を説明するフローチャートであって、出力トルク
領域切換および後輪切換制御ルーチンを示す図である。
【図13】図11の第2原動機作動制御手段において、
運転者要求トルクを算出するための予め記憶された関係
を示す図である。
【図14】図12の制御作動を説明するタイムチャート
である。
【図15】図3のハイブリッド制御装置などの制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図16】図1または図3のMG或いはRMGの温度を
パラメータとする出力トルク領域を示す図である。
【図17】図3の蓄電装置における受入制限値WINおよ
び持出制限値WOUT の温度特性を示す図である。
【図18】図3のハイブリッド制御装置などの制御作動
の要部を説明するフローチャートである。
【図19】図11のSD2のエンジン指令トルク算出ル
ーチンを示す図である。
【図20】図11のSD3のRMG出力トルク仮決定ル
ーチンを示す図である。
【図21】図11のSD4のMG出力トルク決定ルーチ
ンを示す図である。
【図22】図11のSD8のRMG出力トルク再計算ル
ーチンを示す図である。
【図23】図9のフローチャートの他の例を示す図であ
る。
【図24】図3のハイブリッド制御装置などの制御機能
の他の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図25】図24の目標出力決定手段により目標駆動力
を決定するために用いられる予め記憶された関係を示す
図である。
【図26】図24の仮補正駆動力決定手段により仮補正
駆動力を決定するために用いられる予め記憶された関係
を示す図である。
【図27】図24の補正駆動力発生手段により補正駆動
力を発生させるために用いられる予め記憶された関係を
示す図である。
【図28】図24の補正開始不可判定手段において補正
開始不可を判定するための判断基準値を決定するために
用いられる予め記憶された関係を示す図である。
【図29】図24のハイブリッド制御装置の制御作動の
要部を説明するフローチャートであって、駆動力制御ル
ーチンを示している。
【図30】図24のハイブリッド制御装置の制御作動の
要部を説明するフローチャートであって、登坂発進補正
駆動力算出ルーチンを示している。
【図31】図24のハイブリッド制御装置の制御作動の
ずり下がり抑制効果を説明する図である。
【符号の説明】
14:エンジン(第1原動機) 66、68:前輪 70:リヤモータジェネレータ(第2原動機) 80、82:後輪 348:目標出力決定手段 350:坂路発進アシスト制御手段 352:勾配検出手段 354:仮補正駆動力決定手段 355:補正駆動力発生手段 356:補正駆動力付与手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/28 B60K 41/28 B60L 11/14 ZHV B60L 11/14 ZHV 15/20 15/20 J F02D 29/02 F02D 29/02 D 341 341 41/04 310 41/04 310G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 登坂方向への発進時に道路勾配に対応し
    て駆動輪に駆動力を付与する車両の駆動制御装置におい
    て、 道路勾配に対応して駆動力を付与する場合に、降坂方向
    の車速又は加速度が零より大きく且つ該零より大きい所
    定車速以下または所定加速度以下となるように該駆動力
    を設定することを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両の駆動制御装置は、道路勾配が
    所定範囲内であるときに前記駆動力を設定するものであ
    る請求項1の車両の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定車速は時速数キロメータである
    請求項1または2の車両の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定加速度は1m/sec2 程度で
    ある請求項1または2の車両の駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記車両の登坂方向への発進時におい
    て、車速が所定値よりも高くなると前記道路勾配に対応
    した駆動力の付与を中止するものである請求項1乃至4
    のいずれかの車両の駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 発進時に道路勾配に対応して駆動輪に駆
    動力を付与する車両の駆動制御装置において、 停車中にブレーキペダルの非操作継続時間が所定値より
    も長い場合には、道路勾配に対応した駆動力の付与を中
    止することを特徴とする車両の駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 発進時に道路勾配に対応して駆動輪に駆
    動力を付与する車両の駆動制御装置において、 道路勾配に対応した駆動力の付与を実行する時には速や
    かに駆動力を上昇させ、道路勾配に対応した駆動力の付
    与の中止時には緩やかに駆動力を減少させることを特徴
    とする車両の駆動制御装置。
  8. 【請求項8】 運転者の要求する目標駆動力が所定値以
    上のとき、道路勾配に対応した駆動力の付与を中止する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの車両の駆
    動制御装置。
  9. 【請求項9】 前輪および後輪の一方を第1原動機で駆
    動可能とし、他方を第2原動機により駆動可能とした4
    輪駆動車の制御装置において、 運転者の出力操作手段の操作程度と車速とに基づき目標
    駆動力を求め、該目標駆動力に基づいて前輪側および後
    輪側から出力すべき駆動力を、車両発進時において道路
    勾配に基づいて制御するようにしたことを特徴とする4
    輪駆動車両の制御装置。
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