JP4423715B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、内燃機関の始動方法の切換技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車装置のサンギヤとリングギヤとそれらサンギヤおよびリングギヤに常時かみ合うピニオンを自転可能且つ公転可能に支持するキャリヤとの3つの回転要素のうちの第1の回転要素に内燃機関を連結し、第2の回転要素にモータジェネレータを連結し、第3の回転要素に変速機を連結し、3つの回転要素の連結状態を切り換えることにより、モータ走行、モータおよびエンジン走行、発進走行、回生走行などを行うハイブリッド車両が知られている。たとえば、特開平9−170533号公報に記載された車両がそれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のハイブリッド車両は2モータ式の動力伝達機構であり、1モータ式の動力伝達機構とした場合のモータ走行中では、特に低速走行状態において内燃機関の始動ができない場合があった。
【0004】
これに対し、内燃機関に伝動ベルトを介してスタータモータを作動的に連結させ、モータのみによる低速走行中であっても内燃機関の始動を可能とすることが考えられる。しかしながら、内燃機関を専らスタータモータにより始動させるようにすると、たとえば、低温放置状態であるために伝動ベルトが固くなっている状態で内燃機関が始動させられるような場合には、伝動ベルトの滑りが発生し易く、寿命を著しく短縮させるおそれがあるなどの問題があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、伝動ベルトの耐久性を損なうことがないハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、スタータモータに伝動ベルトを介して作動的に連結された内燃機関と、モータジェネレータと、それら内燃機関およびモータジェネレータの動力がそれぞれ入力される第1回転要素および第2回転要素とそれら内燃機関およびモータジェネレータの動力を合成して第3回転要素から出力する遊星歯車装置とを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、(a) 冷間時であるか否かを判定する冷間時判定手段と、(b) その冷間時判定手段により冷間時であると判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータおよび伝動ベルトを用いないで、前記第3回転要素を固定した状態で前記モータジェネレータを回転させることによりその内燃機関を始動させる始動制御手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、冷間時判定手段により冷間時であると判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータおよび伝動ベルトを用いないで、始動制御手段により前記第3回転要素を固定した状態で前記モータジェネレータを回転させることにより伝動ベルトを用いないで内燃機関が始動させられることから、内燃機関をスタータモータにより始動させるようにする場合の不都合が解消される。すなわち、伝動ベルトが固くなっている状態で用いられることがないので、伝動ベルトの滑りや、その伝動ベルトの寿命を著しく短縮させるおそれが好適に防止される。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記始動制御手段は、前記冷間時判定手段により冷間時ではないと判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータによってその内燃機関を始動させるものである。このようにすれば、冷間時でない状態で内燃機関の始動要求があったときには、内燃機関に伝動ベルトを介して作動的に連結されたスタータモータによりその内燃機関が始動させられる。そのため、通常時は専らスタータモータにより内燃機関が始動させられることから、モータジェネレータで内燃機関を始動させる場合に比較して、そのモータジェネレータの制御が簡単となる。
【0009】
また、好適には、前記始動制御手段は、前記第1回転要素および前記第2回転要素と駆動輪との間の動力伝達を遮断し且つ前記第3回転要素を固定した状態で前記モータジェネレータを逆転させることにより前記内燃機関を始動させるものである。このようにすれば、車両停止時において、冷間状態の内燃機関が好適に始動させられる。
【0010】
また、好適には、前記ハイブリッド車両は、少なくとも冷間状態においてイグニションキー操作に応答して内燃機関始動要求が出される始動要求手段を備えたものである。このようにすれば、運転開始時において必ず内燃機関が起動させられて暖気されるので、前記始動制御手段による内燃機関の始動は長時間放置後の1回目において専ら行われる。
【0011】
また、好適には、前記制御装置は、内燃機関の冷却水温度に基づいてその暖気が為されているか否かを判断する暖気判定手段を備え、その暖気判定手段によって暖気が為されていないと判定された場合にその内燃機関を始動させるものである。このようにすれば、イグニションキー操作が為されても、暖気されている場合には内燃機関が始動させられないので、内燃機関の無用な始動を防止できる。
【0012】
また、好適には、前記始動制御手段によりモータ走行モードで走行中において内燃機関が始動させられた場合には、前記遊星歯車装置の3つの回転要素が一体的に回転させられる直結モードで車両が走行させられる。このようにすれば、内燃機関の動力で走行させられるとともに、内燃機関およびモータジェネレータの動力でも走行させられる。
【0013】
また、好適には、前記ハイブリッド車両は、前記内燃機関およびモータジェネレータで前輪および後輪の一方の車輪を駆動すると共に、他のモータジェネレータでその他方の車輪を駆動する4輪駆動車両であり、車両の走行中において前記始動制御手段によってそのモータジェネレータを回転させることによりその内燃機関を始動させるときには、その他のモータジェネレータでその他方の車輪を駆動して走行するものである。このようにすれば、内燃機関を始動させるためにモータジェネレータによって一方の車輪が駆動され得ない期間中は、他のモータジェネレータで駆動される他方の車輪によって車両が走行させられるため、走行中における内燃機関の始動に伴う車両の駆動力の一時的な変化が抑制されて車両にショックが発生することが抑制される。
【0014】
また、好適には、前記第3回転要素は、2つの摩擦係合装置を介して非回転部材および変速機の入力軸にそれぞれ連結されるものであり、前記制御装置は、それら2つの摩擦係合装置が解放された状態で専ら前記モータジェネレータの駆動力に基づいて車両を走行させるモータ走行モードであるか否かを判定するモータ走行モード判定手段を含み、前記始動制御手段は、そのモータ走行モード判定手段によりモータ走行モードであると判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータを作動させてその内燃機関を始動させるものである。このようにすれば、モータ走行モードにおいて前記内燃機関の始動要求があったときには、始動制御手段により、スタータモータが作動させられて内燃機関が始動させられる。すなわち、モータ走行モードで走行中に内燃機関が始動させられて内燃機関の動力で走行可能となる。このモータ走行モードでは、モータジェネレータの動力が入力される第2回転要素が車両の駆動に寄与させられる一方で、第3回転要素と変速機の入力軸および非回転部材との間の2つの摩擦係合装置が解放されて第3回転要素および内燃機関の動力が入力される第1回転要素が自由回転状態とされて、内燃機関は動力伝達系とは切り離された独立状態とされるので、スタータモータを用いて内燃機関を始動させる場合に、そのスタータモータの出力トルクにより一時的に車両の駆動力が増加することがなく、車両にショックが発生するという問題が解消される。
【0015】
また、好適には、前記制御装置は、走行中に前記スタータモータを用いて前記内燃機関を始動させるものであり、そのスタータモータは、そのスタータモータから前記内燃機関に向かって動力が伝達される場合は係合させられるがその内燃機関からそのスタータモータに向かって動力が伝達される場合は解放させられる一方向クラッチを介してその内燃機関に作動的に連結されたものである。このようにすれば、内燃機関の始動のためにスタータモータによりその内燃機関を回転駆動する駆動系は、一方向クラッチが介在させられることによって車両の駆動系とは独立に設けられているので、内燃機関をスタータモータにより始動させるようにする場合の不都合が解消される。すなわち、スタータモータから内燃機関に向かう動力は伝達されるが、反対に内燃機関からスタータモータに向かう動力は伝達されないことから、走行中において内燃機関を独立状態で円滑に始動させることができるため、そのスタータモータの出力トルクにより一時的に車両の駆動力が増加して車両にショックが発生することが抑制されると共に、内燃機関の作動時においてスタータモータや伝動ベルトが回転駆動されないので、それらの回転に起因する動力損失が解消される。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用された4輪駆動車両すなわち前後輪駆動車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。この前後輪駆動車両は、前輪系を第1原動機を備えた第1駆動装置すなわち主駆動装置10にて駆動し、後輪系を第2原動機を備えた第2駆動装置すなわち副駆動装置12にて駆動する形式の複数の駆動装置を有するものである。
【0018】
上記主駆動装置10は、空気および燃料の混合気が燃焼させられることにより作動させられる内燃機関であるエンジン14と、電気モータおよび発電機として選択的に機能するモータジェネレータ(以下、MGという)16と、ダブルピニオン型の遊星歯車装置18と、変速比が連続的に変化させられる無段変速機20とを同心に備えている。上記エンジン14は第1原動機すなわち主原動機として機能している。上記エンジン14は、その吸気配管の吸入空気量を制御するスロットル弁の開度θTHを変化させるためにそのスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータ21を備えている。
【0019】
上記遊星歯車装置18は、機械的に力を合成し或いは分配する合成分配機構であって、共通の軸心まわりに独立して回転可能に設けられた3つの回転要素、すなわち上記エンジン14にダンパ装置22を介して連結されたサンギヤ24と、第1クラッチC1を介して無段変速機20の入力軸26に連結され且つ上記MG16の出力軸が連結されたキャリヤ28と、第2クラッチC2を介して無段変速機20の入力軸26に連結され且つブレーキB1を介して非回転部材たとえばハウジング30に連結されるリングギヤ32とを備えている。上記キャリヤ28は、サンギヤ24およびリングギヤ32とかみ合い且つ相互にかみ合う1対のピニオン(遊星歯車)34および36を、それらの自転可能に支持している。上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、ブレーキB1は、いずれも互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータによって押圧されることにより係合させられたり、その押圧解除により解放されたりする油圧式摩擦係合装置である。本実施例においては、上記のサンギヤ24が第1回転要素に、キャリア28が第2回転要素に、リングギヤ32が第3回転要素にそれぞれ相当する。
【0020】
上記遊星歯車装置18とそのキャリヤ28に連結されたMG16は、エンジン14の作動状態すなわちサンギヤ24の回転状態においてMG16の発電量を制御することすなわちMG16の回転駆動トルクである反力が逐次大きくなるようにキャリヤ28に発生させられることにより、リングギヤ32の回転数を滑らかに増加させて車両の滑らかな発進加速を可能とする電気トルコン(ETC)装置を構成している。このとき、遊星歯車装置18のギヤ比ρ(サンギヤ24の歯数/リングギヤ32の歯数)がたとえば一般的な値である0.5とすると、リングギヤ32のトルク:キャリヤ28のトルク:サンギヤ24のトルク=1/ρ:(1−ρ)/ρ:1の関係から、エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえば2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達されるので、トルク増幅モードと称される。
【0021】
また、上記無段変速機20は、入力軸26および出力軸38にそれぞれ設けられた有効径が可変の1対の可変プーリ40および42と、それ1対の可変プーリ40および42に巻き掛けられた無端環状の伝動ベルト44とを備えている。それら1対の可変プーリ40および42は、入力軸26および出力軸38にそれぞれ固定された固定回転体46および48と、その固定回転体46および48との間にV溝を形成するように入力軸26および出力軸38に対して軸心方向に移動可能且つ軸心まわりに相対回転不能に取付られた可動回転体50および52と、それら可動回転体50および52に推力を付与して可変プーリ40および42の掛かり径すなわち有効径を変化させることにより変速比γ(=入力軸回転速度/出力軸回転速度)を変更する1対の油圧シリンダ54および56とを備えている。
【0022】
上記無段変速機20の出力軸38から出力されたトルクは、減速装置58、差動歯車装置60、および1対の車軸62、64を介して1対の前輪66、68へ伝達されるようになっている。なお、本実施例では、前輪66、68の舵角を変更する操舵装置が省略されている。
【0023】
前記副駆動装置12は、第2原動機すなわち副原動機として機能するリヤモータジェネレータ(以下、RMGという)70を備え、そのRMG70から出力されたトルクは、減速装置72、差動歯車装置74、および1対の車軸76、78を介して1対の後輪80、82へ伝達されるようになっている。
【0024】
そして、前記エンジン14のクランク軸に一方向クラッチ84を介して連結されたVプーリ85とスタータモータ86の出力軸に固定されたVプーリ87との間には、伝動ベルト88が巻き掛けられており、そのスタータモータ86によってもエンジン14が始動させられるようになっている。上記一方向クラッチ84はスタータモータ86からエンジン14に向かう方向へ動力を伝達する場合は係合させられるが、エンジン14からスタータモータ86へ向かう方向の動力が伝達されようとすると解放されるものである。また、上記Vプーリ85および87はスチール(鋼板)製或いは合成樹脂製であり、それらに巻き掛けられた伝動ベルト88はよく知られたスチールワイヤ、布、アラミド繊維等により補強された合成ゴム或いは合成樹脂から構成されたものである。伝動ベルト88のプーリ85、87側の表面すなわちトルク伝達面は、それら合成ゴム或いは合成樹脂で構成されている。
【0025】
図2は、前記主駆動装置10の遊星歯車装置18を種々の作動モードに切り換えるための油圧制御回路の構成を簡単に示す図である。運転者によりP、R、N、D、Bの各レンジ位置へ操作されるシフトレバー90に機械的に連結されたマニアル弁92は、シャトル弁93を利用しつつ、シフトレバー90の操作に応答して、Dレンジ、Bレンジ、Rレンジにおいて第1クラッチC1の係合圧を調圧する第1調圧弁94へ図示しないオイルポンプから出力された元圧を供給し、Dレンジ、BレンジにおいてクラッチC2の係合圧を調圧する第2調圧弁95へ元圧を供給し、Nレンジ、Pレンジ、RレンジにおいてブレーキB1の係合圧を調圧する第3調圧弁96へ元圧を供給する。上記第2調圧弁95、第3調圧弁96は、ハイブリッド制御装置104によって駆動されるリニヤソレイド弁97からの出力信号に従って第2クラッチC2およびブレーキB1の係合圧を制御し、第1調圧弁94は、ハイブリッド制御装置104によってデューティー駆動される三方弁である電磁開閉弁98からの出力信号に従って第1クラッチC1の係合圧を制御する。
【0026】
図3は、本実施例の前後輪駆動車両に設けられた制御装置の構成を説明する図である。エンジン制御装置100、変速制御装置102、ハイブリッド制御装置104、蓄電制御装置106、ブレーキ制御装置108は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、種々の制御を実行する。また、上記の制御装置は、相互に通信可能に接続されており、所定の制御装置から必要な信号が要求されると、他の制御装置からその所定の制御装置へ適宜送信されるようになっている。
【0027】
エンジン制御装置100は、エンジン14のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制御のために図示しない燃料噴射弁を制御し、点火時期制御のために図示しないイグナイタを制御し、トラクション制御ではスリップ中の前輪66、68が路面をグリップするようにエンジン14の出力を一時的に低下させるためにスロットルアクチュエータ21を制御する。
【0028】
上記変速制御装置102は、たとえば、無段変速機20の伝動ベルト44の張力が必要かつ十分な値となるように予め設定された関係から、実際の変速比γおよび伝達トルクすなわちエンジン14およびMG16の出力トルクに基づいて、ベルト張力圧を調圧する調圧弁を制御し、伝動ベルト44の張力を最適な値とするとともに、エンジン14が最小燃費率曲線或いは最適曲線に沿って作動するように予め記憶された関係から、実際の車速Vおよびエンジン負荷たとえばスロットル弁開度θTH或いはアクセルペダル操作量ACCに基づいて目標変速比γm を決定し、実際の変速比γがその目標変速比γm と一致するように無段変速機20の変速比γを制御する。
【0029】
また、上記エンジン制御装置100および変速制御装置102は、たとえば図4に示す最良燃費運転線に沿ってエンジン14の作動点すなわち運転点が移動するように、たとえば上記スロットルアクチュエータ21や燃料噴射量を制御するとともに無段変速機20の変速比γを変更する。また、ハイブリッド制御装置104からの指令に応じて、上記エンジン14の出力トルクTE または回転数NE を変更するために上記スロットルアクチュエータ21や変速比γを変更し、エンジン14の運転点を移動させる。
【0030】
上記ハイブリッド制御装置104は、電池などから成る蓄電装置112からMG16に供給される駆動電流或いはそのMG16から蓄電装置112へ出力される発電電流を制御するインバータ114を制御するための第1MG制御装置116と、蓄電装置112からRMG70に供給される駆動電流或いはそのRMG70から蓄電装置112へ出力される発電電流を制御するインバータ118を制御するための第2MG制御装置120とを含み、シフトレバー90の操作位置PSH、アクセルペダル122の操作量ACC、車速V、蓄電装置112の蓄電量SOCに基づいて、たとえば図5に示す複数の運転モードのうちからいずれか1つを選択を行うとともに、アクセルペダル122の操作量ACC、ブレーキペダル124の操作量BF に基づいて、MG16或いはRMG70の発電に必要なトルクにより制動力を発生させるトルク回生制動モード、或いはエンジン14の回転抵抗トルクにより制動力を発生させるエンジンブレーキモードを選択する。
【0031】
シフトレバー90がBレンジ或いはDレンジへ操作された場合、たとえば比較的低負荷の発進或いは定速走行ではモータ走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2およびブレーキB1が共に解放されることにより、専らMG16により車両が駆動される。なお、このモータ走行モードにおいて、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値を下回った不足状態となった場合や、駆動力をさらに必要とするためにエンジン14を始動させる場合には、後述するETCモード或いは直結モードへ切り換えられて、それまでの走行を維持しながらMG16或いはRMG70が駆動され、そのMG16或いはRMG70により蓄電装置112が充電される。
【0032】
また、比較的中負荷走行または高負荷走行では直結モードが選択され、第1クラッチC1および第2クラッチC2が共に係合させられ且つブレーキB1が解放されることにより遊星歯車装置18が一体的に回転させられ、専らエンジン14によりまたはそのエンジン14およびMG16により車両が駆動されたり、或いは専らエンジン14により車両が駆動されると同時にMG16により蓄電装置112の充電が行われる。この直結モードでは、サンギヤ24の回転数即ちエンジン回転数NE (rpm )とキャリヤ28の回転数すなわちMG16の回転数NMG(rpm )とリングギヤ32の回転数即ち無段変速機20の入力軸26の回転速度NIN(rpm )とは同じ値であるから、二次元平面内において3本の回転数軸(縦軸)すなわちサンギヤ回転数軸S、リングギヤ回転数R、およびキャリヤ回転数軸Cと変速比軸(横軸)とから描かれる図6の共線図では、たとえば1点鎖線に示されるものとなる。なお、図6において、上記サンギヤ回転数軸Sとキャリヤ回転数軸Cとの間隔は1に対応し、リングギヤ回転数Rとキャリヤ回転数軸Cとの間隔はダブルピニオン型遊星歯車装置18のギヤ比ρに対応している。
【0033】
また、たとえば発進加速走行では、ETCモードすなわちトルク増幅モードが選択され、第2クラッチC2が係合させられ且つ第1クラッチC1およびブレーキB1が共に解放された状態でMG16の発電量(回生量)すなわちそのMG16の反力(MG16を回転させる駆動トルク)が徐々に増加させられることにより、エンジン14が所定の回転数に維持された状態で車両が滑らかに零発進させられる。このようにエンジン14によって車両およびMG16が駆動される場合には、エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえばρ=0.5とすると2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達される。すなわち、MG16の回転数NMGが図6のA点(負の回転速度すなわち発電状態)である場合には、無段変速機20の入力軸回転数NINは零であるため車両は停止しているが、図6の破線に示すように、そのMG16の発電量が増加させられてその回転数NMGがその正側のB点へ変化させられることに伴って無段変速機20の入力軸回転数NINが増加させられて、車両が発進させられるのである。
【0034】
シフトレバー90がNレンジ或いはPレンジへ操作された場合、基本的にはニュートラルモード1または2が選択され、第1クラッチC1、第2クラッチC2、およびブレーキB1が共に解放され、遊星歯車装置18において動力伝達経路が解放される。この状態において、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値を下回った不足状態となった場合などにおいては、充電・エンジン始動モードとされ、ブレーキB1が係合させられた状態で、MG16によりエンジン14が始動させられる。シフトレバー90がRレンジへ操作された場合、たとえば軽負荷後進走行ではモータ走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられるとともに第2クラッチC2およびブレーキB1が共に解放されることにより、専らMG16により車両が後進走行させられる。しかし、たとえば中負荷或いは高負荷後進走行ではフリクション走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2が解放されるとともに、ブレーキB1がスリップ係合させられる。これにより、車両を後進させる駆動力としてMG16の出力トルクにエンジン14の出力トルクが加えられる。
【0035】
また、前記ハイブリッド制御装置104は、前輪66、68の駆動力に従った車両の発進時或いは急加速時において、車両の駆動力を一時的に高めるために、所定の駆動力配分比に従ってRMG70を作動させ、後輪80、82からも駆動力を発生させる高μ路アシスト制御や、凍結路、圧雪路のような低摩擦係数路(低μ路)における発進走行時において、車両の発進能力を高めるために、RMG70により後輪80、82を駆動させると同時に、たとえば無段変速機20の変速比γを低くさせて前輪66、68の駆動力を低下させる低μ路アシスト制御を実行する。
【0036】
蓄電制御装置106は、電池、コンデンサなどの蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値SOCD を下回った場合には、MG16或いはRMG70により発電された電気エネルギで蓄電装置112を充電あるいは蓄電するが、蓄電量SOCが予め設定された上限値SOCU を上まわった場合には、そのMG16或いはRMG70からの電気エネルギで充電することを禁止する。また、上記蓄電に際して、実際の電力見込み値(=消費電力+充電電力)Pb が、蓄電装置112の温度TB の関数である電力或いは電気エネルギの受入制限値WINと持出制限値WOUT との範囲を越えた場合には、その受入れ或いは持ち出しを禁止する。
【0037】
ブレーキ制御装置108は、たとえばTRC制御、ABS制御、VSC制御などを実行し、低μ路などにおける発進走行時、制動時、旋回時の車両の安定性を高めたり或いは牽引力を高めるために、油圧ブレーキ制御回路を介して各車輪66、68、80、82に設けられたホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBを制御する。たとえば、TRC制御では、各車輪に設けられた回転センサからの信号に基づいて、車輪車速(車輪回転速度に基づいて換算される車体速度)たとえば右前輪車輪車速VFR、左前輪車輪車速VFL、右後輪車輪車速VRR、左後輪車輪車速VRL、前輪車速〔=(VFR+VFL)/2〕、後輪車速〔=(VRR+VRL)/2〕、および車体車速(VFR、VFL、VRR、VRLのうちの最も遅い速度)Vを算出する一方で、たとえば主駆動輪である前輪車速と非駆動輪である後輪車速との差であるスリップ速度ΔVが予め設定された制御開始判断基準値ΔV1 を越えると、前輪にスリップ判定をし、且つスリップ率RS 〔=(ΔV/VF )×100%〕が予め設定された目標スリップ率RS1内に入るようにスロットルアクチュエータ21、ホイールブレーキ66WB、68WBなどを用いて前輪66、68の駆動力を低下させる。また、ABS制御では、制動操作時において、各車輪のスリップ率が所定の目標スリップ範囲内になるように、ホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBを用いて前輪66、68、後輪80、82の制動力を維持し、車両の方向安定性を高める。また、VSC制御では、車両の旋回走行時において、図示しない舵角センサからの舵角、ヨーレートセンサからのヨーレート、2軸Gセンサからの前後左右加速度等に基づいて車両のオーバステア傾向或いはアンダステア傾向を判定し、そのオーバステア或いはアンダステアを抑制するように、ホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBの何れか、およびスロットルアクチュエータ21を制御する。
【0038】
図7は、前記ハイブリッド制御装置104等の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、エンジン水温判定手段126は、イグニションキーのオン操作が為されたとき、エンジン14の冷却水温度が予め定められた所定値以下であるか否か、すなわちエンジン14の暖気が為されているか否かを判定する。上記所定値は、エンジン始動が可能な例えば0 (℃) 程度の温度である。本実施例においては、このエンジン水温判定手段126が暖気判定手段に対応する。また、始動要求手段128は、上記エンジン水温判定手段126によって水温が所定値以下、すなわち暖気が為されていないと判定された場合に、エンジン14の始動要求を発生させる。
【0039】
また、冷間時判定手段130は、上記始動要求手段128によってエンジン始動要求が出された場合に、温度センサ132により検出された環境温度、例えば、無段変速機20の油温、大気温度やエンジン14の表面温度等が極低温であるか否かを判定する。ここで、「極低温」とは、伝動ベルト88を構成する合成ゴム或いは合成樹脂が固くなる例えば−40〜0 (℃) 程度の温度をいう。温度センサ132は、例えばエンジン14やMG16の近傍、車両のエンジンルーム内、或いは無段変速機20の潤滑油路等に配設されており、それら配設位置の温度を測定して冷間時判定手段130に温度データを提供する。
【0040】
また、長時間放置判定手段134は、上記エンジン始動要求が出された場合に、タイマ等で計測されたイグニションオフからの経過時間があらかじめ定められた所定値よりも長いか否かを判定する。この所定値は、例えば上記極低温下において停止状態で放置された伝動ベルト88がプーリ85、87に巻き掛けられた楕円形状に癖がつき、滑らかに回転作動し得なくなる程度の時間であり、例えば、10分程度の長さである。そして、始動制御手段136は、これら冷間時判定手段130および長時間放置判定手段134の判定結果に基づき、MG16およびスタータモータ86を択一的に駆動し、何れかによってエンジン14を始動させる。すなわち、始動制御手段136は、冷間時判定手段130により冷間時であると判定されたエンジン14の始動時には、前記リングギヤ32を固定した状態で前記MG16を回転させることによりそのエンジン14を始動させる。なお、図においてはスタータモータ86とエンジン14との間に設けられている一方向クラッチ84を省略した。
【0041】
図8は、前記ハイブリッド制御装置104の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、図示しないイグニションキーのオン操作直後に実行されるエンジン始動手段選択ルーチンを示している。すなわち、ルーチンの開始時には、車両はシフトレバー90がPレンジに入れられた停止状態であり、且つエンジン14、MG16、およびRMG70は何れも駆動されていない。また、クラッチC1、C2およびブレーキB1は何れも開放状態にある。イグニションキーのオン操作が為されると、前記エンジン水温判定手段126に対応するステップSA1において、エンジン水温が前記所定値以下であるか否かが判断される。車両の走行直後等のような直前までエンジン14が駆動されていた(すなわち、暖気ができている)状況下では、この判断が否定されるので直ちにルーチンが終了させられる。暖気が完了していれば、ドライバの運転操作等に応じてエンジン14の始動要求が発生した場合に直ちに始動可能であるため、このイグニションキーのオン操作時にエンジン14の始動の必要はないのである。
【0042】
しかしながら、エンジン水温が前記所定値以下である場合には、エンジン14を始動要求に備えて暖気する必要があるため、上記ステップSA1の判断が肯定されてステップSA2に進む。始動要求手段128に対応するステップSA2では、上記イグニションキーのオン操作に応答してエンジン14の始動要求が発生させられる。
【0043】
続いて、冷間時判定手段130および長時間放置判定手段134に対応するステップSA3においては、例えばエンジンルーム内等の温度が極低温であるか否かが判断されると共に、イグニションキーのオフ操作から長時間経過しているか否かが判断される。温度が極低温であって且つ経過時間が前述した所定値以上になっていれば、この判断が肯定されるのでステップSA4に進む。すなわち、このような条件下では伝動ベルト88が固くなっていることから、スタータ86でエンジン14を始動しようとすると伝動ベルト88の滑り延いては損傷が生じ易いため、MG16によるエンジン始動ステップに進む。
【0044】
前記始動制御手段136に対応するステップSA4においては、MG16によるエンジン始動が選択され、図9の下段に示されるようにブレーキB1が係合させられることによりリングギヤ32が固定されると共にMG16が逆転させられる。これにより、遊星歯車装置18のサンギヤ24がキャリア28とは反対方向(順方向)に回転させられるため、そのサンギヤ24に連結されたエンジン14の出力軸が順方向に回転させられてそのエンジン14が始動させられる。すなわち、車両停止時において冷間状態のエンジン14が容易に始動させられる。そのため、伝動ベルト88が滑り易い状況下でスタータモータ86によるエンジン始動が為されないことから、その滑りによる損傷延いては寿命低下が防止される。このとき、スタータモータ86とエンジン14との間に設けられている一方向クラッチ84(OWC)は、係合させられない。
【0045】
しかしながら、ステップSA3において極低温ではないと判断されるか、或いはイグニションキーのオフ操作からの経過時間が十分に短いと判断された場合には、伝動ベルト88の滑りが生じ難いので、スタータモータ86によるエンジン始動ステップ(ステップSA5)に進む。前記始動制御手段136に対応するステップSA5においては、図9の上段に示されるようにスタータモータ86が起動されることにより、その回転が一方向クラッチ84を介してエンジン14に伝達され、そのエンジン14が始動させられる。このように、イグニションキーのオン操作に伴うエンジン始動においては、MG16による始動とスタータモータ86による始動とが使い分けられるが、MG16によるエンジン始動は前述したようなスタータモータ86による始動が好ましくない場合だけに限定されるので、そのMG16の制御はそれほど複雑にはならない。このとき、クラッチC1、C2、ブレーキB1は開放させられることにより、サンギヤ24およびキャリア28と前輪66、68との間の動力伝達経路が遮断されていることから、スタータモータ86によって回転させられるのはエンジン14の出力軸だけであるため、その回転が遊星歯車装置18を介して他の部材に伝達されることに起因する動力損失は生じない。
【0046】
ところで、上記のようなイグニションオン操作時以外、すなわち車両の走行中やイグニションオン状態における車両の停止中等においては、車両は必要に応じて暖気制御されるため、図8に示されるエンジン始動手段選択ルーチンは適用されない。すなわち、エンジン14は常に暖気されているため、スタータモータ86の起動を制限する必要はない。図10は、このような車両の走行中等における前記ハイブリッド制御装置104の制御機能を説明する機能ブロック線図である。図10において、モータ走行モード判定手段138は、車両が前記モータ走行モードにあるか否かを判定する。また、始動要求判定手段140は、そのモータ走行モードの実施中に、停止させられているエンジン14の始動要求が為されたか否かを判定する。この始動要求の有無は、例えばDレンジにあるときに、アクセル開度の急激な増大や蓄電制御装置106からの充電要求の有無等に基づいて判断される。そして、始動制御手段136は、これらモータ走行モード判定手段138および始動要求判定手段140の判定に基づき、スタータモータ86を起動してエンジン14を始動させる。なお、図においてはエンジン14等が省略されている。
【0047】
図11は、前記ハイブリッド制御装置104の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、例えばシフトレバー90がDレンジやRレンジにあるときに間歇的に実行されるエンジン始動制御ルーチンを示している。図11において、前記のモータ走行モード判定手段138に対応するステップSB1においては、モータ走行モードであるか否かが判断される。モータ走行モードではなくエンジン14が駆動中である場合には、この判断が否定されるので直ちに本ルーチンが終了させられる。一方、モータ走行モードの実施中にはこの判断が肯定されるのでステップSB2に進む。
【0048】
前記の始動要求判定手段140に対応するステップSB2においては、エンジン始動要求が発生したか否かが判断される。始動要求がない場合には、この判断が否定されるため、エンジン始動制御ルーチンが終了させられる。しかしながら、アクセルペダル122の急激な踏み込みすなわち加速要求があった場合や、蓄電装置112の蓄電量SOCが不足となった場合等には、始動要求判定が肯定されてステップSB3に進む。
【0049】
そして、始動制御手段136に対応するステップSB3において、スタータモータ86を起動することにより、エンジン14が始動させられて本ルーチンが終了する。すなわち、イグニションキーのオン操作時以外では、原則としてスタータモータ86によってエンジン14が始動させられる。このとき、前記の図1に示されるようにスタータモータ86は一方向クラッチ84を介してエンジン14の出力軸に連結されていることから、エンジン14からスタータモータ86に向かう動力は伝達されない。そのため、走行中においてもエンジン14を独立状態で円滑に始動させ得る。しかも、モータ走行モードにおいては前述したようにクラッチC2およびブレーキB1が開放状態にあることから、サンギヤ24は無段変速機20の入力軸26に動力を伝達すること無く自由回転させられるため、スタータモータ86の出力トルクによって一時的に車両の駆動力が増加し、車両にショックが発生することもない。このようにしてエンジン14が始動させられた後は、例えば前記の直結モードにモード切り換えが為されてエンジン14の駆動力およびMG16の駆動力で車両が走行させられることとなる。
【0050】
上述のように、本実施例によれば、冷間時判定手段130(ステップSA3)により冷間時であると判定されたエンジン14の始動時には、始動制御手段136(ステップSA4)によりブレーキB1でリングギヤ32を固定した状態でMG16を回転させることによりスタータモータ86を用いないでエンジン14が始動させられることから、伝動ベルト88が固くなっている状態で用いられることに起因する伝動ベルト88の滑りや、その伝動ベルト88の寿命を著しく短縮させるおそれが好適に防止される。
【0051】
また、本実施例においては、冷間時でない状態でのエンジン始動は、始動制御手段136(ステップSA5)により、そのエンジン14に伝動ベルト88を介して作動的に連結されたスタータモータ86により為される。そのため、通常時は専らスタータモータ86によりエンジン14が始動させられることから、MG16でエンジン14を始動させる場合に比較して、そのMG16の制御が簡単となる。
【0052】
また、本実施例においては、冷間時においては、ブレーキB1だけを係合させた状態で、すなわち、クラッチC1、C2が開放させられてサンギヤ24およびキャリア28と前輪66、68との間の動力伝達を遮断し且つリングギヤ32を固定した状態で、MG16を逆転させることにより、エンジン14が始動させられる。そのため、車両停止時において、冷間状態のエンジン14が好適に始動させられる。
【0053】
また、本実施例においては、冷間状態においてイグニションキー操作(オン操作)に応答して始動要求手段128(ステップSA2)によりエンジン始動要求が出されるため、運転開始時において必ずエンジン14が起動させられて暖気されるので、始動制御手段136(ステップSA4またはステップSA5)によるエンジン14の始動は長時間放置後の1回目において専ら行われる。
【0054】
また、本実施例においては、エンジン14の冷却水温度に基づいてその暖気が為されているか否かを判断するエンジン水温判定手段126(ステップSA1)が備えられ、そのエンジン水温判定手段126によって水温が所定値以下であること、すなわち暖気が為されていないことが判定された場合に、エンジン14が始動させられる。そのため、イグニションキー操作が為されても、暖気されている場合にはエンジン14が始動させられないので、無用な始動を防止できる。
【0055】
また、本実施例においては、モータ走行モード判定手段138(ステップSB1)によりモータ走行モードであると判定されている間に、始動要求判定手段140(ステップSB2)によりエンジン14の始動要求があることが判定された場合には、始動制御手段136(ステップSB3)により、スタータモータ86が作動させられてエンジン14が始動させられるが、MG16の動力が入力されるキャリア28が車両の駆動に寄与させられる一方で、リングギヤ32と無段変速機20の入力軸26およびハウジング30との間の2つの摩擦係合装置クラッチC2およびブレーキB1が解放されてリングギヤ32およびエンジン14の動力が入力されるサンギヤ24が自由回転状態とされて、エンジン14は動力伝達系とは切り離された独立状態とされるので、スタータモータ86を用いて始動させる場合に、そのスタータモータ86の出力トルクにより一時的に車両の駆動力が増加することがなく、車両にショックが発生するという問題が解消される。
【0056】
また、本実施例においては、エンジン14の始動のためにスタータモータ86によりそのエンジン14を回転駆動する駆動系は、一方向クラッチ84が介在させられることによって車両の駆動系とは独立に設けられている。そのため、エンジン14をスタータモータ86により始動させるようにする場合に、スタータモータ86からエンジン14に向かう動力は伝達されるが、反対にエンジン14からスタータモータ86に向かう動力は伝達されないことから、走行中においてエンジン14を独立状態で円滑に始動させることができるため、そのスタータモータ86の出力トルクにより一時的に車両の駆動力が増加して車両にショックが発生することが抑制されると共に、エンジン14の作動時においてスタータモータ86や伝動ベルト88が回転駆動されないので、それらの回転に起因する動力損失が解消される。
【0057】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0058】
たとえば、前述の実施例の車両では、前輪66、68をエンジン14およびMG16を備えた主駆動装置10が駆動し、後輪80、82をRMG70を備えた副駆動装置12が駆動する形式であったが、後輪80、82を主駆動装置10が駆動し、前輪66、68を副駆動装置12が駆動する形式であってもよい。
【0059】
また、前述の実施例の車両は、エンジン14の出力エネルギがMG16により電気エネルギに変換され、後輪80、82を駆動するRMG70がその電気エネルギにより作動させられていたが、エンジン14の出力エネルギが油圧ポンプにより油圧エネルギに変換され、後輪80、82を駆動する油圧モータがその油圧エネルギにより作動させられる形式の車両であっても差し支えない。
【0060】
また、実施例の車両では、前輪66、68および後輪80、82が共に駆動輪として機能し得る4輪駆動車両に本発明が適用された場合について説明したが、エンジン14およびMG16を有する主駆動装置10だけを備えた2輪駆動車両にも本発明は同様に適用され得る。
【0061】
また、実施例においては、車両の走行中においては専らスタータモータ86を用いてエンジン14を始動させることにより、その始動に伴う駆動力の変化延いては車両のショックが抑制されていたが、車両の走行中においてもMG16でエンジン14を始動させてもよい。このような場合には、例えば、クラッチC1、C2を開放すると共にブレーキB1を係合させる一方、それらの係合状態の変化に伴う駆動力の変化をRMG70の駆動力で補うようにすれば、駆動力の変化や車両のショックを防止できる。或いは、車両の走行中にはクラッチC1、C2を係合させる一方、ブレーキB1を開放させることで前輪66、68の回転をエンジン14に伝達して所謂押しがけによるエンジン始動をするように構成してもよい。
【0062】
また、実施例においては、スタータモータ86が一方向クラッチ84を介してエンジン14に連結されていたが、一方向クラッチ84を設ける代わりに、エンジン14の始動時において、その出力軸に設けられたたギヤにスタータモータ86の出力軸に設けられたギヤが一時的に係合させられるように構成されていてもよい。
【0063】
また、実施例においては、冷間時且つ長時間放置時にスタータモータ86によるエンジン始動が禁止されていたが、冷間時或いは長時間放置時にスタータモータ86による始動を禁止してもよい。すなわち、図8に示されるフローチャートのステップSA3において、「極低温または長時間放置後の始動」であるか否かを判定し、極低温であると判断されるか、イグニションキーのオフ操作からの経過時間が十分に長いと判断(肯定)された場合には、ステップSA4に進んでMG16によりエンジン14を始動し、何れも否定された場合だけステップSA5に進んでスタータモータ86で始動するように構成することもできる。
【0064】
また、実施例においては、イグニションキー操作に応答して前記図8に示される制御ルーチンが実行されていたが、イグニションキーのオン状態で定期的にその制御ルーチンを実行することもできる。
【0065】
また、実施例においては、エンジン14およびMG16と前輪66、68との間に無段変速機20が備えられていたが、有段変速機がこれに代えて設けられていてもよい。
【0066】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の遊星歯車装置を制御する油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図3】図1の4輪駆動車両に設けられた制御装置を説明する図である。
【図4】エンジン制御装置および変速制御装置の制御作動を説明する最良燃費運転線である。
【図5】図3のハイブリッド制御装置により選択される制御モードを示す図表である。
【図6】遊星歯車装置の各要素の回転数を説明する共線図である。
【図7】図3のハイブリッド制御装置等の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図8】図3のハイブリッド制御装置等によるエンジン始動ルーチンの一例である。
【図9】図8の制御ルーチンにおける摩擦係合要素やMG等の作動状態を示す図表である。
【図10】図3のハイブリッド制御装置による走行中におけるエンジン始動制御機能を説明する機能ブロック線図である。
【図11】図3のハイブリッド制御装置による走行中におけるエンジン始動制御ルーチンの一例である。
【符号の説明】
14:エンジン(内燃機関)
16:モータジェネレータ
18:遊星歯車装置
24:サンギヤ(第1回転要素)
28:キャリア(第2回転要素)
32:リングギヤ(第3回転要素)
86:スタータモータ
88:伝動ベルト
130:冷間時判定手段
136:始動制御手段

Claims (2)

  1. スタータモータに伝動ベルトを介して作動的に連結された内燃機関と、モータジェネレータと、それら内燃機関およびモータジェネレータの動力がそれぞれ入力される第1回転要素および第2回転要素と該内燃機関およびモータジェネレータの動力を合成して第3回転要素から出力する遊星歯車装置とを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    冷間時であるか否かを判定する冷間時判定手段と、
    該冷間時判定手段により冷間時であると判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータおよび伝動ベルトを用いないで、前記第3回転要素を固定した状態で前記モータジェネレータを回転させることにより該内燃機関を始動させる始動制御手段と
    を、含むことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記始動制御手段は、前記冷間時判定手段により冷間時ではないと判定された内燃機関の始動時には、前記スタータモータによって該内燃機関を始動させるものである請求項1のハイブリッド車両の制御装置。
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