JP2001110754A - 切削装置 - Google Patents

切削装置

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JP2001110754A
JP2001110754A JP29237799A JP29237799A JP2001110754A JP 2001110754 A JP2001110754 A JP 2001110754A JP 29237799 A JP29237799 A JP 29237799A JP 29237799 A JP29237799 A JP 29237799A JP 2001110754 A JP2001110754 A JP 2001110754A
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amount
temperature
elongation
workpiece
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JP29237799A
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Kazuma Sekiya
一馬 関家
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Disco Abrasive Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 例えば半導体ウェーハのような被加工物を切
削水を供給しながら切削する切削装置において、切削水
の温度変化に影響されることなく、常に精密な切削を行
うようにする。 【解決手段】 切削水の温度に対応して生じる被加工物
の伸びの量を、各温度ごとに予め記憶する第一の記憶手
段31と、切削水の温度を検出する温度検出手段30
と、第一の記憶手段31に記憶されている伸び量に基づ
き、温度検出手段30による検出温度における被加工物
の伸び量を認識する第一の認識手段34と、第一の認識
手段34において認識された被加工物の伸び量を、割り
出し送り量記憶手段35に記憶されている割り出し送り
量に加算して実際の割り出し送り量を求める第一の補正
手段36とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削水を供給しな
がら半導体ウェーハ等の被加工物を切削する切削装置に
関し、詳しくは、切削水の温度変化により被加工物等に
熱歪みが生じた場合にも、それに対応して精密な切削を
行うことを可能とした切削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図3に示す切削装置50におい
て半導体ウェーハWをダイシングして個々のチップとす
る場合においては、リング状のフレームFの開口部を塞
ぐように裏側から貼着されたテープTに半導体ウェーハ
Wが貼着されることにより半導体ウェーハWがテープT
を介してフレームFと一体となった状態で、保持手段5
1に保持される。そして、保持手段51がX軸方向に移
動し、切削手段52の作用を受けることにより切削が行
われる。
【0003】図4に示すように、切削手段52は、スピ
ンドルハウジング53によって回転可能に支持されたス
ピンドル54に切削ブレード55が装着され、更に切削
ブレード55が上方からブレードカバー56によって覆
われた構成となっており、ブレードカバー56の下端か
らは、切削ブレード55を両側から挟むようにして、切
削時に切削ブレード55と被加工物との接触部に切削水
を供給する一対の切削水供給ノズル57が配設されてい
る。また、切削水供給ノズル57は、これに限定される
ものではないが、スピンドルハウジング53の内部に形
成された切削水流通路(図示せず)に連通しており、こ
の切削水流通路を流れる切削水が切削水供給ノズル57
から供給される。
【0004】一方、図5に示すように、半導体ウェーハ
Wの表面には、一定の間隔を置いて格子状に配列された
複数の直線状領域であるストリートが存在し、ストリー
トによって区画された多数の矩形領域Pには回路パター
ンが施されている。そして、ストリートSを切削するこ
とにより、各矩形領域Pがチップとなる。
【0005】このような半導体ウェーハWを切削する際
は、保持手段51が−X方向に移動することにより、図
3に示すアライメント手段59の直下に位置付けられ、
ここで図5に示す最初に切削すべきストリートS1が検
出され、そのストリートS1と切削ブレード55とのY
軸方向の位置合わせがなされる。そして更に、保持手段
51が同方向に移動することにより高速回転する切削ブ
レード55がストリートS1に切り込んでストリートS
1が切削される。
【0006】こうしてストリートS1が切削されると、
予め切削装置50に記憶されている一定のストリート間
隔Dだけ切削手段52を+Y方向に割り出し送りし、保
持手段51が+X方向に移動することにより、ストリー
トS1の隣りのストリートS2が切削される。このよう
にして順次切削手段52を+Y方向にストリート間隔分
だけ割り出し送りしながら保持手段51をX軸方向に往
復運動させることにより、同方向に形成されたストリー
トがすべて切削される。そして更に、保持手段51を9
0度回転させてから同様に切削を行うことにより、すべ
てのストリートが縦横に切削(ダイシング)され、個々
のチップが形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示したように、切削時には、切削ブレード55と半導体
ウェーハWとの接触部に切削水が供給されるため、切削
水の温度を一定に保つことができないと、切削水の温度
変化に伴って半導体ウェーハWに熱歪みが生じる場合が
ある。このような場合において、予め設定された一定の
ストリート間隔に基づいて切削手段52を割り出し送り
しながら切削を行うと、ストリートではなく、回路パタ
ーンが施された矩形領域Pを切削して損傷させてしまう
おそれがある。
【0008】また、切削水がスピンドルハウジング53
の内部に形成された切削水流通路を経由して切削水供給
ノズル57に達する構成の場合には、切削水に温度変化
があると、被加工物の熱歪みほどではないものの、スピ
ンドルハウジング53とスピンドル54とを備えたスピ
ンドルユニット58にも熱歪みが生じることがある。従
って、このような場合においても一定のストリート間隔
に基づいて切削手段52を割り出し送りしながら切削を
行うと、上記と同様の問題が起こりうる。更に、スピン
ドルユニット58の熱歪みはZ軸方向にも生じ得るの
で、この場合はスピンドル54に装着された切削ブレー
ド55の被加工物に対する切り込み深さにも誤差が生じ
る。
【0009】このような問題を解決するために、通常は
切削水の温度を常に一定に保つことができる定温水供給
装置を用いているが、スピンドル54の回転により発生
した熱等によって、定温水供給装置から切削水供給ノズ
ル57までの間に切削水の温度が変化することがあるた
め、定温水供給装置のみでは切削水の温度変化により切
削に誤差が生じるのを完全に回避することはできない。
また、定温水供給装置が故障したり定温水供給装置を使
用しない場合においては問題が大きい。
【0010】このように、切削水を供給しながら被加工
物を切削する場合においては、切削水の温度変化に影響
されることなく、常に精密な切削を行うことに課題を有
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の具体的手段として本発明は、被加工物を保持する保持
手段と、切削ブレードと該切削ブレードが装着されるス
ピンドルユニットとを備えて保持手段に保持された被加
工物に切削水を供給しながら切削を遂行する切削手段
と、該切削手段の割り出し送り量を記憶する割り出し送
り量記憶手段と、該割り出し送り量記憶手段に記憶され
た割り出し送り量にしたがって切削手段を割り出し送り
する割り出し送り手段と、被加工物に対する切削手段の
切り込み量を記憶する切り込み量記憶手段と、該切り込
み量記憶手段に記憶された切り込み量にしたがって切削
手段を切り込み送りする切り込み送り手段とを少なくと
も含む切削装置であって、切削水の温度に対応して生じ
る被加工物の伸びの量を、基準温度における伸び量を0
として各温度ごとに予め記憶する第一の記憶手段と、切
削水の温度を検出する温度検出手段と、第一の記憶手段
に記憶されている伸び量に基づき、温度検出手段による
検出温度における被加工物の伸び量を認識する第一の認
識手段と、該第一の認識手段において認識された被加工
物の伸び量を、割り出し送り量記憶手段に記憶されてい
る割り出し送り量に加算して実際の割り出し送り量を求
める第一の補正手段とを備えた切削装置を提供する。
【0012】そしてこの切削装置は、切削水の温度に対
応して生じるスピンドルユニットの割り出し送り方向の
伸びの量を、基準温度における伸び量を0として各温度
ごとに記憶する第二の記憶手段と、該第二の記憶手段に
記憶されている伸び量に基づき、温度検出手段による検
出温度におけるスピンドルユニットの割り出し送り方向
の伸び量を認識する第二の認識手段と、該第二の認識手
段において認識されたスピンドルユニットの伸び量を、
割り出し送り量記憶手段に記憶されている割り出し送り
量から減じて実際の割り出し送り量を求める第一の補正
手段とを備えたこと、切削水の温度に対応して生じる切
削手段の切り込み方向の撓みの量を、基準温度における
撓み量を0として各温度ごとに記憶する第三の記憶手段
と、該第三の記憶手段に記憶されている撓み量に基づ
き、温度検出手段による検出温度における被加工物の切
り込み方向の撓み量を認識する第三の認識手段と、該第
三の認識手段において認識された被加工物の切り込み方
向の撓み量を、切り込み送り量記憶手段に記憶されてい
る切り込み量に加算して実際の切り込み量を求める第三
の補正手段とを備えたこと、切削水の温度の最大値は6
0℃、最小値は5℃であり、基準温度は15℃〜30℃
の範囲内で適宜決められることを付加的要件とする。
【0013】このように構成される切削装置によれば、
切削水の温度変化により被加工物に熱歪みが生じても、
切削水の温度に応じて被加工物の伸び量を認識し、その
伸び量に対応して切削手段の割り出し送り量を調整する
ことにより、切削ブレードによる切り込み位置と被加工
物の切削すべき位置との位置合わせがなされるため、定
温水供給装置を用いなくても、常に被加工物を高精度に
切削することができる。
【0014】また、切削水の温度変化により切削ブレー
ドが装着されたスピンドルユニットに熱歪みが生じた場
合においても、切削水の温度に応じてスピンドルユニッ
トのY軸方向の伸び量、Z軸方向の撓み量を認識し、そ
の伸び量、撓み量に応じてスピンドルユニットの割り出
し送り量、切削手段の切り込み量を調整することによ
り、切削ブレードによる切り込み位置と被加工物の切削
すべき位置との位置合わせがなされ、所望の切り込み深
さで切削ブレードが切り込むため、定温水供給装置を用
いなくても、常に被加工物を高精度に切削することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例とし
て、図1に示す構成の切削装置10について説明する。
なお、切削装置10は、図3に示した従来の切削装置5
0と外観構成は同様であり、同様に構成される部位には
同一の符号を付して説明する。
【0016】図1は切削装置10の内部構造を示したも
ので、被加工物を保持する保持手段51及び保持手段5
1をX軸方向に駆動する切削送り手段11、スピンドル
ユニット58と切削ブレード55とから構成される切削
手段52及び切削手段52をY軸方向に駆動する割り出
し送り手段12とZ軸方向に駆動する切り込み送り手段
13とを備えている。
【0017】保持手段51は、図2に示すように、X軸
方向に配設された第一のボールネジ14に螺合すると共
に一対のガイドレール15に摺動可能に係合したスライ
ド部16と、スライド部16に連結されたテーブル部1
7とから構成され、テーブル部17には、被加工物を吸
引する吸引部18と、吸引部18の周囲に形成されたク
ランプ部19とを備えている。また、テーブル部17の
X軸方向の両端には、テーブル部17のX軸方向の移動
に伴い伸縮し、切削水が装置内部に侵入するのを防止す
る蛇腹部17aが配設されている。
【0018】このような保持手段51において、被加工
物、例えば、図5に示したテープTを介してフレームF
と一体となった半導体ウェーハWを切削しようとする際
は、半導体ウェーハWがテープTを介して保持手段51
の吸着部18に吸引され、フレームFがクランプ部19
によって固定された状態で保持される。
【0019】以下、図1を参照して説明を続けると、第
一のボールネジ14は第一のモータ20に連結され、被
加工物の切削時は、第一のモータ20に駆動されて第一
のボールネジ14が回動するのに伴い、第一のボールネ
ジ14に螺合したスライド部16及びスライド部16に
連結されたテーブル部17がX軸方向に切削送りされる
構成となっており、第一のボールネジ14と第一のモー
タ20とガイドレール15とで切削送り手段11を構成
している。
【0020】一方、切削手段52は、スピンドルハウジ
ング53の後部側が支持部21に固定されて支持されて
おり、スピンドルハウジング53によって回動可能に支
持されたスピンドル54に切削ブレード55が装着され
た構成となっている。
【0021】支持部21は基台22から立設された壁部
23に沿ってZ軸方向に配設された第二のボールネジ2
4に螺合しており、第二のボールネジ24に連結された
第二のモータ25に駆動されて第二のボールネジ24が
回動することにより支持部21及びそれに支持された切
削手段52がZ軸方向に上下動する構成となっている。
また、支持部21のZ軸方向の位置は第一のリニアスケ
ール26によって計測され、計測により得られた位置情
報は、切削手段52のZ軸方向の移動の精密制御、即
ち、切削ブレード55の切り込み深さの精密制御に供さ
れる。このように、第二のボールネジ24と第二のモー
タ25と第一のリニアスケール26とで切り込み送り手
段13を構成している。
【0022】更に、基台22はY軸方向に配設された第
三のボールネジ27に螺合しており、第三のボールネジ
27に連結された第三のモータ28に駆動されて第三の
ボールネジ27が回動するのに伴って基台22及びこれ
と一体となった切削手段52がY軸方向に移動する構成
となっている。また、基台22のY軸方向の位置は、第
二のリニアスケール29によって計測され、計測により
得られた位置情報は、切削手段52のY軸方向の移動の
精密制御、即ち、切削手段52の割り出し送りの精密制
御に供される。このように、第三のボールネジ27と第
三のモータ28と第二のリニアスケール29とで割り出
し送り手段12を構成している。
【0023】切削ブレード55を挟むようにして配設さ
れた切削水供給ノズル57は、温度検出手段30に接続
されており、切削水供給ノズル57から流出する切削水
の温度は温度検出手段30によって検出される。そし
て、温度検出手段30によって検出された切削水の温度
は、第一の記憶手段31、第二の記憶手段32、第三の
記憶手段33にそれぞれ設けられた記憶領域に記憶され
る。
【0024】第一の記憶手段31においては、切削水の
温度に対応して生じると考えられる被加工物の伸びの量
が、基準温度における伸び量を0として、各温度ごと
に、検出された切削水の温度が記憶されている記憶領域
とは別の領域に予め記憶され、第二の記憶手段32にお
いては、切削水の温度に対応して生じると考えられるス
ピンドルユニット58のY軸方向の伸びの量が、基準温
度における伸び量を0として、各温度ごとに、検出され
た切削水の温度が記憶されている記憶領域とは別の領域
に予め記憶され、第三の記憶手段33においては、切削
水の温度に対応して生じると考えられる切削手段52の
Z軸方向の撓みの量が、基準温度における伸び量を0と
して、各温度ごとに、検出された切削水の温度が記憶さ
れている記憶領域とは別の領域に予め記憶されている。
例えば、切削水の温度の最大値を60℃、最小値を5℃
とし、基準温度を15℃から30℃の範囲内で、例えば
22℃に決定し、基準温度における被加工物やスピンド
ルユニット58の伸び量、切削手段52の撓み量を0と
して、基準温度の前後における伸び量や撓み量の値を各
温度ごとにそれぞれ記憶させる。ここで記憶させる値
は、材質等の影響を受けるため、実測により得られた値
とするのが好ましい。
【0025】また、第一の認識手段34においては、第
一の記憶手段31に予め記憶されている各温度ごとの被
加工物の伸び量に基づき、温度検出手段30によって検
出した実際の切削水の温度の場合における半導体ウェー
ハWの伸び量を求める。一方、割り出し送り量記憶手段
35には、半導体ウェーハWのストリート間隔に対応し
た割り出し送り量が予め記憶されており、第一の補正手
段36においては、この割り出し送り量記憶手段35に
記憶されている割り出し送り量に、第一の認識手段34
において求めた被加工物の伸び量を加算することによ
り、切削水の温度変化に応じた割り出し送り量を算出す
る。
【0026】こうして算出された割り出し送り量に基づ
き、第三のモータ28の回動を制御して実際の切削手段
52の割り出し送り量を調整することにより、切削水の
温度変化により半導体ウェーハWに伸びがあった場合に
も、切削ブレード55と切削すべき位置、即ちストリー
トとのY軸方向の位置合わせが高精度になされるため、
確実にストリートを切削できるようになる。
【0027】また、特に切削水がスピンドルハウジング
53の内部を流通する場合は、切削水の温度が変化する
とスピンドルユニット58もY軸方向(割り出し送り方
向)における+Y方向、−Y方向に伸び、これによって
切削ブレード55のY軸方向の位置に誤差が生じ得る。
そこで、第二の記憶手段32には、切削水の温度とそれ
に対応したスピンドルユニット58の伸び量を予め記憶
させておく。
【0028】そして、第二の認識手段36において、第
二の記憶手段32に予め記憶されている各温度ごとのス
ピンドルユニット58の割り出し送り方向の伸び量に基
づき、温度検出手段30によって検出した実際の切削水
の温度の場合におけるスピンドルユニット58の割り出
し送り方向の伸び量を求める。一方、前述のように、割
り出し送り量記憶手段35には、半導体ウェーハWのス
トリート間隔に対応した割り出し送り量が記憶されてい
るため、第二の補正手段37においては、この割り出し
送り量記憶手段35に記憶されている割り出し送り量か
ら、第二の認識手段36において求めたスピンドルユニ
ット58の+Y方向の伸び量を減じることにより、切削
水の温度変化に応じた割り出し送り量を算出する。
【0029】なお、割り出し送り量の算出は、温度検出
手段30において検出された切削水の温度がその前に検
出された検出温度と異なる場合にのみ行い、検出された
切削水の温度における伸び量からその前の検出温度にお
ける伸び量を減じて求まった値を補正すべき量とする必
要がある。これは、スピンドルユニット58に伸びがあ
った場合は、一度割り出し送り量を補正すれば、その後
に更に伸びがない限りは最初に設定した割り出し送り量
を調整する必要がないからである。
【0030】こうして算出された割り出し送り量に基づ
き第三のモータ28の回動を制御して実際の切削手段5
2の割り出し送り量を調整することにより、切削水の温
度変化によりスピンドルユニット58に伸びがあった場
合にも、切削ブレード55と切削すべきストリートとの
Y軸方向の位置合わせが高精度になされるため、確実に
ストリートを切削できるようになる。
【0031】更に、切削水がスピンドルハウジング53
の内部を流通することにより、切削水の温度が変化する
と切削手段52がZ軸方向(切り込み方向)に撓み、こ
れによって切削ブレード55の被加工物に対する切り込
み深さにも誤差が生じ得る。そこで、第三の記憶手段3
3には、切削水の温度とそれに対応した切削手段52の
撓み量を予め記憶させておく。
【0032】そして、第三の認識手段38においては、
第三の記憶手段33に予め記憶されている各温度ごとの
切削手段52の撓み量に基づき、温度検出手段30によ
って検出した実際の切削水の温度の場合における切削手
段52の撓み量を求める。一方、切り込み送り量記憶手
段39には、半導体ウェーハWの厚さ等に応じた切り込
み送り量が予め記憶されており、第三の補正手段40に
おいては、この切り込み送り量記憶手段39に記憶され
ている切り込み送り量に対し、第三の認識手段38にお
いて求めた切削手段52の+Z方向の撓み量を加算する
ことにより、切削水の温度変化に応じた切り込み送り量
を算出する。
【0033】こうして算出された切り込み送り量に基づ
き第二のモータ25の回動を制御して実際の切削手段5
2の切り込み送り量を調整することにより、切削水の温
度変化により切削手段52に撓みがあった場合にも、そ
れに対応して所望の切り込み深さでストリートを高精度
に切削できるようになる。
【0034】以上のようにして、切削水の温度の変化に
よる被加工物の伸び、スピンドルユニットの割り出し送
り方向の伸び、切削手段の切り込み方向の撓みがある場
合においても、切削すべき位置を正確に切削することが
できるため、半導体ウェーハにおいては回路パターンが
形成された矩形領域をあやまって切削してしまうという
ことがなくなる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る切削
装置によれば、切削水の温度変化により被加工物に熱歪
みが生じても、切削水の温度に応じて被加工物の伸び量
を認識し、その伸び量に対応して切削手段の割り出し送
り量を調整することにより、切削ブレードによる切り込
み位置と被加工物の切削すべき位置との位置合わせがな
されるため、定温水供給装置を用いなくても、常に被加
工物を高精度に切削することができる。従って、切削に
より形成された小片(例えば半導体ウェーハの場合はダ
イシングにより形成されたチップ)の品質が向上する。
【0036】また、切削水の温度変化により切削ブレー
ドが装着されたスピンドルユニットに熱歪みが生じた場
合においても、切削水の温度に応じてスピンドルユニッ
トのY軸方向の伸び量、Z軸方向の撓み量を認識し、そ
の伸び量、撓み量に応じてスピンドルユニットの割り出
し送り量、切削手段の切り込み量を調整することによ
り、切削ブレードによる切り込み位置と被加工物の切削
すべき位置との位置合わせがなされ、所望の切り込み深
さで切削ブレードが切り込むため、定温水供給装置を用
いなくても、常に被加工物を高精度に切削することがで
きる。従って、上記と同様に、切削により形成された小
片の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切削装置の構成の一例を示す説明
図である。
【図2】同切削装置を構成する保持手段及び切削送り手
段の構造を示す斜視図である。
【図3】従来の切削装置の外観を示す斜視図である。
【図4】同切削装置を構成する切削手段を用いて半導体
ウェーハを切削する様子を示す斜視図である。
【図5】テープを介してフレームに保持された半導体ウ
ェーハを示す平面図である。
【符号の説明】
10…切削装置 11…切削送り手段 12…割り出し送り手段 13…切り込み送り手段 14…第一のボールネジ 15…ガイドレール 16…スライド部 17…テーブル部 18…吸引部 19…クランプ部 20…第一のモータ 21…支持部 22…基台 23…壁部 24…第二のボールネジ 25…第二のモータ 26…第一のリニアスケール 27…第三のボールネジ 28…第三のモータ 29…第二のリニアスケール 30…温度検出手段 31…第一の記憶手段 32…第二の記憶手段 33…第三の記憶手段 34…第一の認識手段 35…割り出し送り量記憶手段 36…第一の補正手段 37…第二の補正手段 38…第三の認識手段 39…切り込み送り量記憶手段 40…第三の補正手段 50…切削装置 51…保持手段 52…切削手段 53…スピンドルハウジング 54…スピンドル 55…切削ブレード 56…ブレードカバー 57…切削水供給ノズル 58…スピンドルユニット W…半導体ウェーハ T…テープ F…フレーム S1、S2…フレーム D…ストリート間隔 P…矩形領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を保持する保持手段と、切削ブ
    レードと該切削ブレードが装着されるスピンドルユニッ
    トとを備えて該保持手段に保持された被加工物に切削水
    を供給しながら切削を遂行する切削手段と、該切削手段
    の割り出し送り量を記憶する割り出し送り量記憶手段
    と、該割り出し送り量記憶手段に記憶された割り出し送
    り量にしたがって切削手段を割り出し送りする割り出し
    送り手段と、該被加工物に対する該切削手段の切り込み
    量を記憶する切り込み量記憶手段と、該切り込み量記憶
    手段に記憶された切り込み量にしたがって該切削手段を
    切り込み送りする切り込み送り手段とを少なくとも含む
    切削装置であって、 切削水の温度に対応して生じる被加工物の伸びの量を、
    基準温度における伸び量を0として各温度ごとに予め記
    憶する第一の記憶手段と、 切削水の温度を検出する温度検出手段と、 該第一の記憶手段に記憶されている伸び量に基づき、該
    温度検出手段による検出温度における該被加工物の伸び
    量を認識する第一の認識手段と、 該第一の認識手段において認識された該被加工物の伸び
    量を、該割り出し送り量記憶手段に記憶されている割り
    出し送り量に加算して実際の割り出し送り量を求める第
    一の補正手段とを備えた切削装置。
  2. 【請求項2】 切削水の温度に対応して生じるスピンド
    ルユニットの割り出し送り方向の伸びの量を、基準温度
    における伸び量を0として各温度ごとに記憶する第二の
    記憶手段と、 該第二の記憶手段に記憶されている伸び量に基づき、温
    度検出手段による検出温度における該スピンドルユニッ
    トの割り出し送り方向の伸び量を認識する第二の認識手
    段と、 該第二の認識手段において認識された該スピンドルユニ
    ットの伸び量を、該割り出し送り量記憶手段に記憶され
    ている割り出し送り量から減じて実際の割り出し送り量
    を求める第一の補正手段とを備えた請求項1に記載の切
    削装置。
  3. 【請求項3】 切削水の温度に対応して生じる切削手段
    の切り込み方向の撓みの量を、基準温度における撓み量
    を0として各温度ごとに記憶する第三の記憶手段と、 該第三の記憶手段に記憶されている撓み量に基づき、温
    度検出手段による検出温度における該被加工物の切り込
    み方向の撓み量を認識する第三の認識手段と、 該第三の認識手段において認識された該被加工物の切り
    込み方向の撓み量を、切り込み送り量記憶手段に記憶さ
    れている切り込み量に加算して実際の切り込み量を求め
    る第三の補正手段とを備えた請求項1または2に記載の
    切削装置。
  4. 【請求項4】 切削水の温度の最大値は60℃、最小値
    は5℃であり、基準温度は15℃〜30℃の範囲内で適
    宜決められる請求項1乃至3に記載の切削装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040727A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Disco Abrasive Syst Ltd 板状物の分割方法
JP2010162642A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Disco Abrasive Syst Ltd 切削ブレードの管理方法
JP2015076516A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 株式会社東京精密 ダイシング装置
US10870220B2 (en) 2018-03-08 2020-12-22 Disco Corporation Chuck table and processing apparatus including the same

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