JP2000515435A - 強制冷却式の制御電子装置を備えた電動工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電動モータ（２）によって駆動される、単相交流（４ａ）に接続可能な手持ち式の電動工具においては、電動モータ（２）がブラシレスかつスリップリングレスなモータであり、このモータの駆動エネルギーが、インプット側で単相交流（４ａ）で供給される、かつアウトプット側で、モータに適合した電流形式（４ｂ）を供給する制御電子装置（５）によって得られる。制御電子装置（５）は電動工具のハンドグリップ部分（１ａ）内に配置されていて、かつ、モータ（２）の冷却空気流（７）によって冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】 強制冷却式の制御電子装置を備えた電動工具 本発明は、請求項１の上位概念部分に記載の形式の電動工具に関する。 このような形式の電動工具は公知である。 冒頭に述べた形式の公知の電動工具では、回転数変更可能な駆動装置が、通常 はブラシ付モータで実現され、このブラシ付モータの駆動電圧は、回転数によっ て調整されるか、または数値規定によって調整され、従って目標回転数に調節さ れる。 ブラシ付モータのコレクタには電流が炭素ブラシを介して供給されるので、コ レクタも炭素ブラシも実際的には著しい損耗を被り、ブラシとコレクタとの間の 電流の影響下でコレクタが著しく不可避に加熱されるために、回転子巻線は過熱 および振動によって欠損の危機にさらされており、かつ、公知の電動工具には熱 に弱い構成部材が示されている。 三相電動機（非同期電動機または同期電動機）、電磁モータおよびリラクタン スモータはブラシ付モータに比べてはるかに損耗が少なく、かつ、運転中におけ るこれらのモータの熱的負荷は、ブラシ付モータの熱的負荷より著しく軽度にせ しめられる。しかし従来では、請求項１の上位概念部分に記載の形式の電動工具 において三相電動機を使用することは、考慮の対象にはならなかった。なぜなら ば、三相電流が使用箇所に設けられていないことがあり、また、少なくとも要求 される電圧および／または周波数（例えば２５０Ｖ／２００Ｈｚ；４２Ｖ／２０ ０Ｈｚ）に自由に変更可能ではないからである。 本発明の課題は、請求項１の上位概念部分に記載の形式の電動工具を改良して 、次のような工具を提供することである。すなわち、冒頭に述べた形式の公知の 工具に比べて、電動モータの損耗および熱的負荷が少なく生ぜしめられ、かつ、 強靱でかつ整備不要の構造形式を特徴とし、さらに電動モータのための駆動エネ ルギーを準備するために工具ケーシング内に設けられた構成部材にとっても、過 熱の危険性が何ら生じることのない工具を提供することである。 このような課題は、請求項１の特徴部に記載の構成により解決される。 本発明による電動工具では、インプット側で単相交流で供給され、アウトプッ ト側で、モータに必要とされる電流形式を供給する制御電子装置を工具のケーシ ング内に、本発明に相応に組み込んだ結果、実際的にはそれぞれ任意なブラシレ スかつスリップリングレスな電動モータ、ひいては温度の安定した耐摩耗性の電 動モータを駆動モータとして使用可能であり、さらに、制御電子装置は本発明に よれば、この制御電子装置 にとって過熱の危険性が確実に排除されているような形式で、工具ケーシング内 に埋設されている。 請求項２以下は、請求項１に記載の工具のさらに有利な実施例に関する。 以下に、本発明の実施例を図面につきさらに詳しく説明する。唯一の図面は、 概略的に図示された工具の長手方向断面図である。 図示された工具は衝撃式穿孔機であり、この衝撃式穿孔機はケーシング１を有 しており、ケーシング１内には電動モータ２が埋設されていて、この電動モータ ２は、クランク伝動装置３を備えた詳しくは図示されていない別個の衝撃装置３ ａを駆動し、この衝撃装置３ａは公知の構造形式を有していてよい。 電動モータ２は、ブラシレスかつスリップリングレスなモータであり、このモ ータの駆動エネルギーは、インプット側で単相交流４ａで供給され、アウトプッ ト側で、モータに適合した電流形式４ｂを供給する制御電子装置５によって得ら れ、しかもこの制御電子装置５にはモータ２のスイッチ切換えのために、手で操 作可能なスイッチ６が前接続されている。 電動モータ２は任意の公知の構造形式により、回転数制御可能な、ブラシレス かつスリップリングレスなモータ、例えばリラクタンスモータまたは三相電動機 であってよく、しかも制御電子装置５は例えばマイクロプロセッサによって次の ように、つまりその都度の モータが、このモータの運転のために必要な電流形式４ｂを前記制御電子装置５ によって得られるように制御されている。電動モータ２として三相電動機を使用 することに関連して、インプット側で単相交流４ａで供給される制御電子装置５ は、アウトプット側で有利には制御して変更可能な、かつ、有利には電源周波数 に比べて高い周波数の三相電流を供給し、ならびに、公知の構造形式を有する周 波数変換器により実現され得る。ただし、周波数変換器は小形化された構成を有 していなければならない。なぜならば、この周波数変換器は電動工具内に収納さ れるからであり、電動工具はその操作性に基づき、制限された重量、および制限 されたサイズをとらねばならない。 制御電子装置５は工具のケーシング１内に、この制御電子装置５が、モータ２ を取り囲むモータケーシング１ｂと直接的な熱交換を行うように埋設されており 、この場合モータケーシング１ｂは金属から成っており、および／または、図面 に示されているように、制御電子装置５は電動モータ２の冷却空気流７内に配置 されている。後者の、制御電子装置５を電動モータ２の冷却空気流７内に配置す る目的のために、制御電子装置５は工具ケーシング１のハンドグリップ部分１ａ 内に、モータ２の冷却空気流７が、少なくとも部分的にハンドグリップ１ａを貫 流して前記制御電子装置５を介して案内されるように埋設され、このため、冷却 空気流７は、ハンドグリップ部分１ａに設けられた複数の開口８を通ってこのハ ンドグリップ部分１ａ内へ達し、かつ、制御電子装置５の表面を擦過した後に、 ハンドグリップ部分１ａの前の、モータ室１０を閉鎖している壁に設けられた１ つの開口９を通ってモータ室１０内へ流入し、次いでこのモータ室１０において モータ２も冷却するためにこのモータ２を介して案内されている。冷却空気流は 、モータシャフト２ａに装着された羽根車１１によって生ぜしめられる。 図面に示された実施例では、制御電子装置５全体が冷却空気流７内に配置され ている。さらに、択一的には、制御電子装置５の冷却面のみ、もしくはこの冷却 面の一部分のみを冷却空気流７内に配置する一方で、実際的な電子装置構成部分 を冷却空気流７の範囲外の一箇所に配置することも可能である。 ケーシング１は（既に記載したように）ほぼ、モータケーシング１ｂとハンド グリップ部分１ａとによって形成され、両者は、互いに結合可能な別個の構成部 材である。モータケーシング１ｂが金属またはプラスチックから製造されている のに対して、ハンドグリップ部分１ａはプラスチックから成っている。このこと が、ハンドグリップ部分１ａの、一層強く加熱されたモータケーシング１ｂから の熱的な分離を保証している。 制御電子装置５に損傷を与える振動が、衝撃装置３ ａおよび、図示を省いた工具から、ケーシング１を介して制御電子装置５に伝達 せしめられないようにするために、有利には、制御電子装置５は、振動緩衝して 工具ケーシング１もしくはハンドグリップ部分１ａ内に埋設される。 ケーシング１をモータケーシング１ｂとハンドグリップ部分１ａとに分割する ことによって、振動緩衝のために、モータケーシング１ｂとハンドグリップ部分 １ａとを、振動緩衝装置１２、例えばゴム緩衝装置を介在させて結合することが 可能である。図面に示された電動工具では、電動工具の両外側にはそれぞれ２つ の、すなわち全部で４つのゴムエレメント１２が、モータケーシング１ｂとハン ドグリップ部分１ａとの間に配置されている。これらのゴムエレメント１２は機 械的な連結解除部を示しており、かつ、ハンドグリップ部分１ａの振動緩衝を保 証している。これにより、特に、ハンドグリップ部分１ａ内に設けられた制御電 子装置５が保護される。 さらに、振動緩衝装置を周波数変換装置自体に、すなわち制御電子装置５に設 置することも可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電動モータ（２）によって駆動される、単相交流（４ａ）に接続可能な手持 ち式の工具であって、ケーシング（１）を備えている形式のものにおいて、 −電動モータ（２）がブラシレスかつスリップリングレスのモータであり、該 モータの駆動エネルギーが、インプット側で単相交流（４ａ）で供給される、か つ、アウトプット側で、モータに適合した電流形式（４ｂ）を供給する周波数変 換器（５）によって得られ、該周波数変換器（５）が前記電動モータ（２）を、 電源周波数に比べて高い周波数を有する電流で駆動し、 −電動工具のケーシング（１）がモータケーシング（１ｂ）とハンドグリップ 部分（１ａ）とを有しており、 −周波数変換器（５）がハンドグリップ部分（１ａ）内に配置されており、 −モータ（２）の冷却空気流（７）の少なくとも一部が、前記ハンドグリップ 部分（１ａ）を通って、前記周波数変換器（５）の冷却面にわたって案内可能で あることを特徴とする、強制冷却式の制御電子装置を備えた電動工具。 ２．モータケーシング（１ｂ）とハンドグリップ部分（１ａ）とが、互いに結合 可能な別個の構成部分で ある、請求項１記載の電動工具。 ３．モータケーシング（１ｂ）が金属および／またはプラスチックから製造可能 であり、ハンドグリップ部分（１ａ）がプラスチックから製造可能である、請求 項２記載の電動工具。 ４．モータケーシング（１ｂ）とハンドグリップ部分（１ａ）とが、振動緩衝す る装置（１２）を介在して互いに結合されている、請求項１から３までのいずれ か１項記載の電動工具。 ５．周波数変換器（５）が、振動緩衝して埋設されている、請求項１から４まで のいずれか１項記載の電動工具。 ６．周波数変換器（５）が、電動モータ（２）の回転数を制御して変更可能に調 節することができるように構成されている、請求項１から５までのいずれか１記 載の電動工具。 ７．電動モータ（２）が三相電動機である、請求項１から６までのいずれか１項 記載の電動工具。 ８．電動モータ（２）がリラクタンスモータである、請求項１から６までのいず れか１項記載の電動工具。