JP2000344759A - アルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体並びにそれらの製造法 - Google Patents

アルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体並びにそれらの製造法

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JP2000344759A
JP2000344759A JP11158113A JP15811399A JP2000344759A JP 2000344759 A JP2000344759 A JP 2000344759A JP 11158113 A JP11158113 A JP 11158113A JP 15811399 A JP15811399 A JP 15811399A JP 2000344759 A JP2000344759 A JP 2000344759A
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Toshinori Tagusari
寿紀 田鎖
Noriyoshi Arai
則義 新井
Naoki Okuda
直紀 奥田
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド前駆体の原料、エポキシ樹脂の硬
化剤等として有用なアルキレン基含有芳香族テトラカル
ボン酸二無水物、アルキレン基含有芳香族テトラカルボ
ン酸及びアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸エス
テル並びにこれらの製造法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるアルキレン
基含有芳香族テトラカルボン酸二無水物、下記一般式
(2)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボ
ン酸、下記一般式(3)で表されるアルキレン基含有芳
香族テトラカルボンエステル及びこれらの製造法。 【化1】 (式中、R1及びR2は独立に水素原子又は炭素数1〜1
0のアルキル基を示し、nは5〜20の整数であり、R
3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素
数1〜10のアルキル基を示し、R3、R4、R5及びR6
の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルキル基であ
る)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物及びその誘導体並びにその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキレン鎖を含有する芳香族テ
トラカルボン酸二無水物としては、特公昭43−591
1号公報及び特公昭43−18914号公報に示される
エステル基を介して化合物、Zn.Prikl.Khim.第50巻、第
2354〜2358頁(1997)に示されるエーテル基を介した化合
物が報告されている。しかし、2価の官能基を介さず、
直接アルキレン鎖で連結された新規な芳香族テトラカル
ボン酸二無水物及びその製造法は、従来、知られていな
い。
【0003】近年、ポリイミド樹脂・エポキシ樹脂等に
おいては、性能向上のため種々の要求が出現してくるに
従い、現状で入手可能なモノマを用いた系では対応でき
なくなり、所望の特性を発現させるために、新規な構造
を有するモノマの開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、ポリイミド前駆体の原料、エポキシ樹脂の硬化剤等
として有用なアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸
二無水物を提供するものである。請求項2記載の発明
は、ポリイミド前駆体の原料、エポキシ樹脂の硬化剤等
として有用で、またアルキレン基含有芳香族テトラカル
ボン酸二無水物の原料としても有用なアルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸を提供するものである。請求項
3記載の発明は、ポリイミド前駆体の原料、ポリエステ
ル樹脂の原料等として有用で、またアルキレン基含有芳
香族テトラカルボン酸の原料としても有用なアルキレン
基含有芳香族テトラカルボン酸エステルを提供するもの
である。
【0005】請求項4記載の発明は、アルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸二無水物を高純度、高収率で製
造可能なアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無
水物の製造法を提供するものである。請求項5記載の発
明は、アルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸を高純
度、高収率で製造可能なアルキレン基含有芳香族テトラ
カルボン酸の製造法を提供するものである。請求項6記
載の発明は、アセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸
を高純度、高収率で製造可能なアセチレン基含有芳香族
テトラカルボン酸の製造法を提供するものである。
【0006】請求項7記載の発明は、アセチレン基含有
芳香族テトラカルボン酸エステルを高純度、高収率で製
造可能なアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エス
テルの製造法を提供するものである。請求項8記載の発
明は、アルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸エステ
ルを高純度、高収率で製造可能なアルキレン基含有芳香
族テトラカルボン酸エステルの製造法を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化15】 (式中、R1及びR2は独立に水素原子又は炭素数1〜1
0のアルキル基を示し、nは5〜20の整数である)で
表されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無
水物に関する。
【0008】また、本発明は、一般式(2)
【化16】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
ルボン酸に関する。
【0009】また、本発明は、一般式(3)
【化17】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
義であり、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素
原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R3
4、R5及びR6の少なくとも1つは炭素数1〜10の
アルキル基である)で表されるアルキレン基含有芳香族
テトラカルボンエステルに関する。
【0010】また、本発明は、一般式(2)
【化18】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
ルボン酸を脱水閉環させることを特徴とする一般式
(1)
【化19】 (式中、R1、R2及びnは上記と同じ意義である)で表
されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無水
物の製造法に関する。
【0011】また、本発明は、一般式(4)
【化20】 (式中、R1及びR2は一般式(1)におけると同意義で
あり、mは1〜16の整数である)で示されるアセチレ
ン基含有芳香族テトラカルボン酸のアセチレン部位を水
素化反応させることを特徴とする一般式(2)
【化21】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
ルボン酸の製造法に関する。
【0012】また、本発明は、一般式(5)
【化22】 (式中、R1、R2及びmは一般式(4)におけると同意
義であり、R7は炭素数1〜10のアルキル基を示す)
で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
ステルを加水分解することを特徴とする一般式(4)
【化23】 (式中、R1、R2及びm上記と同意義である)で表され
るアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸の製造法に
関する。
【0013】また、本発明は、一般式(6)
【化24】 (式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基を示し、X
はヨウ素原子、臭素原子又は塩素原子を示す)で表され
るハロゲン化フタル酸ジエステルと一般式(7)
【化25】 (式中、R1、R2及びmは一般式(4)におけると同意
義である)で表されるジアセチレンとをパラジウム触媒
を用いてカップリングさせることを特徴とする一般式
(5)
【化26】 (式中、R1、R2、m及びR7は上記と同意義である)
で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
ステルの製造法に関する。
【0014】また、本発明は、一般式(5)
【化27】 (式中、R1、R2、m及びR7は上記と同意義である)
で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
ステルのアセチレン部位を水素化反応させることを特徴
とする一般式(3)
【化28】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは上記と
同意義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テト
ラカルボンエステルの製造法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の上記一般式(1)で表さ
れるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無水物
の製造の1例についてその概要を説明する。例えば、4
−ハロゲン化フタル酸無水物又はジカルボン酸をエステ
ル化し、一般式(6)で表されるハロゲン化フタル酸ジ
エステルを得、これをパラジウム触媒を用いて1/2当
量の一般式(6)で表されるジアセチレンとカップリン
グさせることによって得られる一般式(5)で表される
アセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エステルのエ
ステル部位を加水分解して一般式(4)で表されるアセ
チレン基含有芳香族テトラカルボン酸とし、次いでその
アセチレン部位を水素化してアルキレン化し一般式
(2)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボ
ン酸とした後、これを脱水閉環することによって得られ
る。
【0016】以下、より詳細に、原料からさかのぼって
上記一般式(1)で表されるアルキレン基含有芳香族テ
トラカルボン酸二無水物へ至るまでの工程を示す。一般
式(6)で表されるハロゲン化フタル酸ジエステルは、
4−ハロゲン化フタル酸無水物又は4−ハロゲン化フタ
ル酸を硫酸などの酸触媒の存在下、一価記載のアルコー
ルと加熱環流しさらにトルエンを加えて生成する水を共
沸によって除去する方法、または4−ハロゲン化フタル
酸無水物又は4−ハロゲン化フタル酸を過剰量の塩化チ
オニルと加熱環流した酸塩化物とした後、一価記載のア
ルコールを加え加熱環流する方法等によって得られる。
【0017】上記パラジウム触媒は、第三級ホスフィン
を配位子とするパラジウム錯体であり、特にテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)塩化ビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が好ま
しい。また、パラジウム触媒は、酢酸パラジウム等トリ
フェニルホスフィンと異なる配位子を有するパラジウム
錯体とトリフェニルホスフィンを共存させ反応系中で発
生させてもよい。パラジウム触媒の使用量は、ハロゲン
化フタル酸ジエステルに対し、1〜10モル%程度が望
ましい。
【0018】ハロゲン化水素のトラップ用塩基として
は、ジエチルアミン、トリエチルアミン等記載のアミン
類、ナトリウムエチラート等記載のアルカリ金属アルコ
ラート等が挙げられる。トラップ用塩基の使用量は、ハ
ロゲン化フタル酸ジエステルに対し、当量以上であれば
よいが、液状アミン類の場合、過剰量加えることによっ
て溶媒を兼ねることも可能である。
【0019】また、反応を促進する目的で助触媒として
よう化銅CuI(I)を添加してもよい。よう化銅Cu
I(I)の使用量は、ハロゲン化フタル酸ジエステルに
対し、1〜10モル%程度が望ましい。反応溶媒として
は、ハロゲン化フタル酸ジエステル及びジアセチレンを
溶解させ、カップリング反応時に不都合な副反応を起こ
さない溶媒であればよいが、特にテトラヒドロフランが
望ましい。
【0020】一般式(4)で表されるアセチレン基含有
芳香族テトラカルボン酸は、一般式(5)で示されるア
セチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エステルを酸加
水分解するとによって、または、アルカリ加水分解後酸
析するとによって得られる。
【0021】一般式(2)で表されるアルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸は、一般式(4)で表されるア
セチレン基含有芳香族テトラカルボン酸のアセチレン部
位を水素化することによって得られる。水素化反応の触
媒としては、活性炭に5〜10重量%担持されたパラジ
ウム、酸化プラチナ等が挙げられる。触媒の使用量は、
アセチレン基含有テトラカルボン酸に対し、活性炭に5
〜10重量%担持されたパラジウムの場合、10重量%
程度、酸化プラチナの場合、1〜2重量%程度が望まし
い。
【0022】反応溶媒としては、アルキレン基含有芳香
族テトラカルボン酸を溶解させ、水素化反応時に不都合
な副反応を起こさない溶媒であればよく、そのような溶
媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等記載のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。水
素化反応は、常温・常圧の条件で行うことが好ましく、
高温・高圧下で行う場合、芳香環まで水素化される可能
性がある。
【0023】なお、一般式(2)で示されるアルキレン
基含有芳香族テトラカルボン酸は、一般式(3)で示さ
れるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸エステル
を脱アルコールすることによっても得られる。一般式
(3)で示されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボ
ン酸エステルは、一般式(5)で示されるアセチレン基
含有芳香族テトラカルボン酸エステルのアセチレン部位
を水素化反応させることによっても得られる。
【0024】一般式(1)で示されるアルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、一般式(2)で示
されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸を減圧
下(好ましくは1〜5mmHg)で150〜180℃に1〜
6時間保ち、脱水することによって得られる。また、一
般式(1)で示されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物は、一般式(2)で示されるアルキレ
ン基含有芳香族テトラカルボン酸を2当量以上の無水酢
酸等の脱水剤の共存下1〜60分加熱環流後、脱水剤を
除去することによっても得られる。
【0025】前記各一般式中、炭素数1〜10のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基
等が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0027】(1)4−ブロモフタル酸ジメチルエステ
ル〔一般式(6)で、2つのR7がともにメチル基で、
Xが臭素原子である化合物〕の合成 4−ブロモフタル酸二無水物40.79g(0.18モ
ル)、メタノール177.55g(5.54モル)及び
濃硫酸17.62g(0.18モル)の混合溶液を8時
間加熱環流した。メタノールを減圧留去した残りの混合
液を室温まで放冷後、氷水200gに注加した。混合液
を酢酸エチル600ml(200ml×3)で抽出し、有機
層を飽和炭酸水素ナトリウム、次いで飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
4−ブロモフタル酸ジメチルエステルを得た(46.3
0g、0.170モル、収率94%)。
【0028】(2)1,10−ビス[3,4−ジ(メト
キシカルボニル)フェニル]−1,9−デカジイン〔一
般式(5)で、R1及びR2が水素原子であり、4つのR
7がともにメチル基で、mが6である化合物〕の合成 4−ブロモフタル酸ジメチルエステル1.00g(3
6.6モル)、1,9−デカジイン0.245g(1
8.3モル)、ジメチルアミン10.34g(141モ
ル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)0.0846g(0.0732モル)、よう化
銅(I)0.0139g(0.0732モル)の混合液
を窒素雰囲気下4時間加熱環流した。混合液を室温まで
冷却後、固体を濾別し、固体を酢酸エチルで洗浄した。
洗浄液と濾液の混合物を減圧濃縮して得られる油状物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することに
よって1,10−ジ[3,4−ジ(メトキシカルボニ
ル)フェニル]−1,9−デカジインを得た(0.86
g、1.66モル、91%)。
【0029】(3)1,10−ビス[3,4−ジ(カル
ボキシ)フェニル]−1,9−デカジイン〔一般式
(4)で、R1及びR2が水素原子であり、mが6である
化合物〕の合成 1,10−ビス[3,4−ジ(メトキシカルボニル)フ
ェニル]−1,9−デカジイン50.32g(97.0
モル)、水酸化カリウム35.87g(543モル)、
水322.85gの混合液を13時間加熱環流した後、
副生したメタノールを減圧留去した。放冷後、撹拌下濃
塩酸50mlを滴下し、生成した白色固体を濾別・減圧乾
燥することによって1,10−ビス[3,4−ジ(カル
ボキシ)フェニル]−1,9−デカジインを得た(4
1.29g、89.3モル、92%)。
【0030】(4)1,10−ビス[3,4−ジ(カル
ボキシ)フェニル]−デカン〔一般式(2)で、R1
びR2が水素原子であり、nが10である化合物〕の合
成 1,10−ビス[3,4−ジ(カルボキシ)フェニル]
−1,9−デカジイン22.71g(49.1モル)、
10重量%のパラジウムを担持させた活性炭1.14
g、メチルアルコール1200mlをオートクレーブに仕
込み、室温下、水素圧力1.0kg/cm2で水素化を行っ
た。10%Pd/Cを濾別し、濾液を減圧濃縮することによ
って1,10−ビス[3,4−ジ(カルボキシ)フェニ
ル]−デカンを得た(21.09g、44.8モル、9
1%)。
【0031】(5)1,10−ビス[3,4−ジ(カル
ボキシ)フェニル]−デカン二無水物〔一般式(1)
で、R1及びR2が水素原子であり、nが10である化合
物〕の合成 1,10−ビス[3,4−ジ(カルボキシ)フェニル]
−デカン14.41g(30.6モル)を減圧下160
℃で6時間保つことによって1,10−ビス[3,4−
ジ(カルボキシ)フェニル]−デカン二無水物を得た
(13.04g、30.0モル、98%)。
【0032】得られた酸無水物のIRスペクトルを図1
に、1H−NMRスペクトルを図2に示す。分析データ
を以下に示す。 MS;m/z 434 IR(KBr法);2924cm-1、2853cm-1、18
50cm-1、1767cm-1、1262cm-1、887cm-1
737cm-1 1 H−NMR(溶媒:CDCl3);δ:1.16〜1.
45(m、12H)、δ:1.67(quintet、4
H)、δ:2.81(t、4H)、δ:7.69(d、
2H)、δ:7.81(s、2H)、δ:7.92
(d、2H)
【0033】
【発明の効果】請求項1記載のアルキレン基含有芳香族
テトラカルボン酸二無水物は、ポリイミド前駆体の原
料、エポキシ樹脂の硬化剤等として有用なものである。
請求項2記載のアルキレン基含有芳香族テトラカルボン
酸は、ポリイミド前駆体の原料、エポキシ樹脂の硬化剤
等として有用で、またアルキレン基含有芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物の原料としても有用なものである。請
求項3記載のアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸
エステルは、ポリイミド前駆体の原料、ポリエステル樹
脂の原料等として有用で、またアルキレン基含有芳香族
テトラカルボン酸の原料としても有用なものである。
【0034】請求項4記載のアルキレン基含有芳香族テ
トラカルボン酸二無水物の製造法は、アルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸二無水物を高純度、高収率で製
造可能なものである。請求項5記載のアルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸の製造法は、アルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸を高純度、高収率で製造可能な
ものである。請求項6記載のアセチレン基含有芳香族テ
トラカルボン酸の製造法は、アセチレン基含有芳香族テ
トラカルボン酸を高純度、高収率で製造可能なものであ
る。
【0035】請求項7記載のアセチレン基含有芳香族テ
トラカルボン酸エステルの製造法は、アセチレン基含有
芳香族テトラカルボン酸エステルを高純度、高収率で製
造可能なものである。請求項8記載のアルキレン基含有
芳香族テトラカルボン酸エステルの製造法は、アルキレ
ン基含有芳香族テトラカルボン酸エステルを高純度、高
収率で製造可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】1,10−ビス[3,4−ジ(カルボキシ)フ
ェニル]−デカン二無水物のIRスペクトルである。
【図2】1,10−ビス[3,4−ジ(カルボキシ)フ
ェニル]−デカン二無水物の1H−NMRスペクトルで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 直紀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 4C037 RA07 RA08 RB14 4H006 AA01 AA02 AB49 AC11 AC24 AC48 BA05 BA25 BA32 BA37 BA48 BA53 BA69 BA92 BB14 BB15 BB17 BB25 BC10 BC11 BC34 BS30 BT32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は独立に水素原子又は炭素数1〜1
    0のアルキル基を示し、nは5〜20の整数である)で
    表されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無
    水物。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
    義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
    ルボン酸。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
    義であり、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素
    原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R3
    4、R5及びR6の少なくとも1つは炭素数1〜10の
    アルキル基である)で表されるアルキレン基含有芳香族
    テトラカルボンエステル。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化4】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
    義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
    ルボン酸を脱水閉環させることを特徴とする一般式
    (1) 【化5】 (式中、R1、R2及びnは上記と同じ意義である)で表
    されるアルキレン基含有芳香族テトラカルボン酸二無水
    物の製造法。
  5. 【請求項5】 一般式(4) 【化6】 (式中、R1及びR2は一般式(1)におけると同意義で
    あり、mは1〜16の整数である)で示されるアセチレ
    ン基含有芳香族テトラカルボン酸のアセチレン部位を水
    素化反応させることを特徴とする一般式(2) 【化7】 (式中、R1、R2及びnは一般式(1)におけると同意
    義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テトラカ
    ルボン酸の製造法。
  6. 【請求項6】 一般式(5) 【化8】 (式中、R1、R2及びmは一般式(4)におけると同意
    義であり、R7は炭素数1〜10のアルキル基を示す)
    で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
    ステルを加水分解することを特徴とする一般式(4) 【化9】 (式中、R1、R2及びm上記と同意義である)で表され
    るアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸の製造法。
  7. 【請求項7】 一般式(6) 【化10】 (式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基を示し、X
    はヨウ素原子、臭素原子又は塩素原子を示す)で表され
    るハロゲン化フタル酸ジエステルと一般式(7) 【化11】 (式中、R1、R2及びmは一般式(4)におけると同意
    義である)で表されるジアセチレンとをパラジウム触媒
    を用いてカップリングさせることを特徴とする一般式
    (5) 【化12】 (式中、R1、R2、m及びR7は上記と同意義である)
    で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
    ステルの製造法。
  8. 【請求項8】 一般式(5) 【化13】 (式中、R1、R2、m及びR7は上記と同意義である)
    で表されるアセチレン基含有芳香族テトラカルボン酸エ
    ステルのアセチレン部位を水素化反応させることを特徴
    とする一般式(3) 【化14】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは上記と
    同意義である)で表されるアルキレン基含有芳香族テト
    ラカルボンエステルの製造法。
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