JP2002265467A - 光学活性を有するチアカリックスアレーン誘導体及びその製造法 - Google Patents

光学活性を有するチアカリックスアレーン誘導体及びその製造法

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JP2002265467A
JP2002265467A JP2001068323A JP2001068323A JP2002265467A JP 2002265467 A JP2002265467 A JP 2002265467A JP 2001068323 A JP2001068323 A JP 2001068323A JP 2001068323 A JP2001068323 A JP 2001068323A JP 2002265467 A JP2002265467 A JP 2002265467A
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Sotaro Miyano
壮太郎 宮野
Nobuhiko Iki
伸彦 壹岐
Naoya Morohashi
直弥 諸橋
Ryoichiro Naito
亮一郎 内藤
Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
Hisahiro Kobori
寿浩 小堀
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Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
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Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサー、分析試薬、分析媒体及び触媒配位
子等として有用である光学活性かご型分子骨格を有する
チアカリックス[4]アレーン誘導体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 一般式2 (式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−C
OR又は−ORであり、R、R及びRはアル
キル基である)で表されるチアカリックス[4]アレー
ン誘導体の硫黄原子の一つを酸化せしめてスルフィニル
化し、得られる光学活性チアカリックス[4]アレーン
誘導体対を光学分割して得られた1,3−オルタネート
型の鏡像異性体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサー、分析試
薬、分析媒体及び触媒配位子等として有用な新規光学活
性かご型分子骨格を有するチアカリックス[4]アレー
ン誘導体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】かご型構造を有する架橋アルキルフェノ
ール類は近年金属捕捉剤や基質特異性センサーとして有
用性が数多く報告されている。本発明者らは、これまで
に硫黄架橋構造を有する環状(かご型)アルキルフェノ
ール硫化物の高効率製造法を公開(特開平9−2275
53号など)しており、上記機能性物質やそのスルホン
酸誘導体の利用を可能にしている。また、架橋硫黄部を
酸化し、スルホニル、スルフィニル等の骨格に修飾する
方法(特願平10‐02789号)やこれら酸化体の金
属イオン識別能力(Tetrahedron Lett., 39, 7559(199
8))を明らかにしている。しかしながら、センサーや分
離材料としては、近年光学活性体の識別が強く要請され
ており、この要請に応えるために光学活性を有するかご
型分子の構築が急がれていた。既知の光学活性かご型分
子としてはシクロデキストリンが知られているが、天然
糖類の特徴である有機溶媒環境での使いにくさや、選択
的化学修飾の困難さから、その利用は、食品等一定の分
野に限られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光学活性な分子認識素
子開発の方法としては、化学修飾によってかご型分子の
側鎖に天然アミノ酸等の光学活性置換基を導入する方法
が一般的であり、本発明者らもこういった手法の光学活
性体を報告している(Chemistry Letters, 1998,106
5)。しかしながら、この方法では、不斉部位と認識部
位が隣接しているが同一でないという特徴があり、かご
型骨格自体の不斉を有する認識部位の構築が求められて
いた。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実状に際し、本発
明者らは、鋭意研究開発を行った結果、特定の立体配座
を有するチアカリックス[4]アレーンアルコキシ体の立
体選択的部分酸化反応により、架橋硫黄部の立体配置に
基づく不斉を発生させられることを見い出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は一般式1a又は
一般式1b
【0005】
【化3】 (式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−C
OR又は−ORであり、Rは水素原子又はアルキ
ル基、R及びRはアルキル基である)で表される光
学活性チアカリックス[4]アレーン誘導体を提供す
る。また、本発明は、一般式2
【0006】
【化4】 (式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−C
OR又は−ORであり、R、R及びRはアル
キル基である)で表されるチアカリックス[4]アレー
ン誘導体の硫黄原子の一つを酸化せしめてスルフィニル
化し、得られる光学活性チアカリックス[4]アレーン
誘導体対を光学分割することを特徴とする一般式1a又
は一般式1b(式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化
水素基、−COR又はORであり、Rは水素原子
又はアルキル基、R及びRはアルキル基である。)
で表される光学活性チアカリックス[4]アレーン誘導
体の製造方法を提供する。
【0007】また、本発明は、上記光学活性チアカリッ
クス[4]アレーン誘導体の製造方法において、硫黄原
子の酸化方法として酢酸存在下過ホウ酸ナトリウムを作
用させることを特徴とする光学活性チアカリックス
[4]アレーン誘導体の製造方法を提供する。また、本
発明は、上記光学活性チアカリックス[4]アレーン誘
導体の製造方法において、光学分割の方法が、置換基R
に光学活性基を導入してジアステレオマー対を形成し
た後これを分離する方法であることを特徴とする光学活
性チアカリックス[4]アレーン誘導体の製造方法を提
供する。また、本発明は、上記光学活性チアカリックス
[4]アレーン誘導体の製造方法において、光学分割の
ために導入する光学活性体が1−メントールであること
を特徴とする光学活性チアカリックス[4]アレーン誘
導体の製造方法を提供する。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0008】
【発明の実施の形態】上記一般式1で示される光学活性
チアカリックス[4]アレーン誘導体における置換基Y
は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素基、−COR又は
−ORである。炭化水素基としては、炭素数1〜12
の飽和又は不飽和炭化水素基が好ましく、具体的には、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシ
ル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−オク
チル、tert−オクチル、n−ノニル等のアルキル
基、ビニル、アリル等のアルケニル基、フェニル、メチ
ルフェニル、トルイル等の芳香族基、エチレン、プロピ
レン、ブテン等の重合物基、及びアセチレン、ブタジエ
ン等の重合物基が挙げられる。一般式1において、複数
のYは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式1において、Rは、水素原子又はアルキル基で
ある。アルキル基としては、炭素数が1〜4のものが好
ましく、具体例としては、メチル、エチル、n‐プロピ
ル、iso−プロピル、tert−ブチル等の低級アル
キル基が好ましい。一般式1において、複数のRは、
同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式1
において、R及びRはアルキル基である。R及び
のアルキル基としては、炭素数が1〜4のものが好
ましく、具体例としては、メチル、エチル、n‐プロピ
ル、iso−プロピル、tert−ブチル等の低級アル
キル基が好ましい。一般式1において、複数のR及び
は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0009】本発明の製造方法において、原料である一
般式2記載のチアカリックス[4]アレーン誘導体は既知
物質であり、一般式2におけるYは、一般式1における
Yと同一である。Rは、アルキル基であり、炭素数が
1〜4のものが好ましく、具体例としては、メチル、エ
チル、n‐プロピル等の低級アルキル基が好ましい。一
般式2記載のチアカリックス[4]アレーン誘導体の製造
法には特別の制約はないが、例えば特開平9‐2275
53号明細書記載の硫化環化方法と特開平10‐175
971号記載の立体選択的エトキシカルボニルメチル化
方法を組み合わせることで製造できる。当該合成では塩
基触媒と溶媒の組み合わせによって、環に対するアルコ
キシ基の配向すなわち立体配座が異なり、本発明の原料
である一般式2記載のチアカリックス[4]アレーン誘導
体の製造に塩基性セシウムイオンの共存下反応を行うこ
とで好適な結果が得られる。エトキシカルボニルメチル
化剤は、ハロゲン化酢酸エステルが好適で、ハロゲンの
種類に制約はない。具体的にはヨウ化酢酸エチル、臭化
酢酸エチル、塩化酢酸エチル等が入手容易で好ましい。
エトキシカルボニルメチル化剤の使用量は、原料に含ま
れる水酸基に対して1グラム当量以上であれば良く、好
ましくは1〜5グラム当量、さらに好ましくは1〜3グ
ラム当量である。
【0010】セシウムイオンを共存させるセシウム試薬
としては、炭酸セシウムのような塩基性塩、又は、水素
化セシウム、金属セシウム等が使用できるが、水酸化物
は好ましくない。セシウム試薬の使用量も原料に含まれ
る水酸基に対して1グラム当量以上であれば良く、好ま
しくは1〜5グラム当量、さらに好ましくは1〜3グラ
ム当量である。反応溶媒としてはアセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶媒が好ましく、N,N'‐ジメ
チルホルムアミドを共存させることで、テトラヒドロフ
ランも使用できる。溶媒の使用量は、原料1gあたり5
〜100mLで実施可能であるが、著しく少量又は多量
の溶媒中では、反応進行が遅くなったり経済性が低下す
るため、好ましくは原料1gあたり10〜50mLであ
る。反応温度は、0℃以上200℃以下が好ましく、特
に好ましくは20〜100℃であり、通常は、溶媒の沸
点を利用して大気圧、加熱還流下で実施するのが簡便で
ある。反応は、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい
が、これは必ずしも必須ではなく、乾燥空気下で実施す
ることも可能である。不活性ガスの具体例としては、窒
素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。反応時間は反
応の進行状況を観測しながら設定すれば良く、ケトン系
溶媒を用いる場合は1時間から10日間、通常は2〜8
時間、N,N'−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフ
ラン溶媒を用いる場合は、通常は1〜5時間である。反
応生成物は、溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフ
等、通常の方法で精製すればよい。
【0011】次に、一般式2で表される化合物への光学
活性基の導入方法について説明する。一般式2における
がアルキル基である場合、すなわち、エステル基を
有する場合、そのエステル基は光学活性基の導入に先立
ち、加水分解してカルボン酸にすることが好ましい。一
般式2におけるエステル基は酸触媒又は塩基触媒の存在
下容易に加水分解されてカルボン酸へと変換可能であ
る。酸触媒としては、希塩酸、希硫酸、希硝酸等の無機
酸が好適であり、その使用量は加水分解を受けるエステ
ル基に対して0.01〜1グラム当量で実施可能であ
り、好ましい使用量は0.05〜0.1グラム当量であ
る。溶媒は、原料と水を共存させる目的からメタノー
ル、エタノール、プロパノール等の低級アルコールと水
との混合系が好ましく、水の共存量は加水分解を受ける
エステル基に対して1〜10グラム当量で実施可能であ
り、好ましい使用量は1.2〜5グラム当量である。反
応は、連続的な撹拌下で実施するのが好ましい。反応温
度は0℃以上で実施可能である。反応温度の上限は特に
ないが、通常、使用する溶媒の沸点以下での実施が好ま
しい。
【0012】塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物が好ましく、その使用量は加水分解を受けるエステル
基に対して1〜10グラム当量で実施可能であり、好ま
しい使用量は1.2〜2グラム当量である。溶媒は、原
料と水を共存させる目的からメタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコールと水との混合系が好ま
しく、水の共存量は加水分解を受けるエステル基に対し
て1〜10グラム当量で実施可能であり、好ましい使用
量は1.2〜5グラム当量である。反応は、連続的な撹
拌下で実施するのが好ましい。反応温度は0℃以上で実
施可能である。反応温度の上限は特にないが、通常、使
用する溶媒の沸点以下での実施が好ましい。
【0013】カルボン酸は通常のエステル化方法等で修
飾可能であり、光学活性を有するアルコール類、例えば
l−メントール等を用いてエステル化を行えば、該当す
る光学活性体が得られる。この目的で使用できる光学活
性を有する化合物としては、1−メントール以外に、例
えば、市販の1−フェニルエタノール、2−フェニル−
1−シクロヘキサノール、4−テトラデカノール等の光
学活性体が使用できる。エステル化の具体的方法として
は、溶媒中で塩化チオニル存在下当該アルコール類と接
触させることで好適な結果が得られる。溶媒としては、
ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−
ジオキサン等のエーテル系溶媒が使用できる。塩化チオ
ニルの使用量は原料のカルボキシル基当たり1〜10グ
ラム当量で実施可能であり、好ましい使用量は1.2〜
2グラム当量である。また、当該カルボキシル基と塩化
チオニルから予め酸塩化物を形成させた後に塩基触媒存
在下で光学活性アルコール類を混合してもよく、この場
合は、カルボキシル基当たり100〜500グラム当量
の塩化チオニルと原料カルボン酸を混合した後、過剰の
塩化チオニルを留去し、得られる酸塩化物と光学活性ア
ルコール類を混合することで、反応が進行する。
【0014】反応は、連続的な撹拌下で実施することが
好ましく、塩基触媒を共存させることで反応はさらに円
滑に進行する。カルボキシル基と塩化チオニルの反応は
室温以上沸点以下での実施が好ましく、反応時間は通常
1〜24時間である。また、生成した酸塩化物とアルコ
ールとの反応は、通常0℃以上で進行し、必要に応じて
溶媒の沸点以下で実施すればよい。反応時間は通常1〜
24時間である。また、この段階では、反応を促進させ
る目的で過剰量の有機塩基を溶存させてもよく、ピリジ
ン、ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、ジイソプ
ロピルエチルアミン等のアルキルアミン類が使用でき
る。塩化チオニルを使用しない方法としては、酸触媒の
存在下ディーンスターク冷却器等を使用して連続的に反
応生成水を留去しつつ加熱還流を行う方法が利用でき
る。酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸等
が使用でき、その使用量はカルボキシル基に対して0.
01〜1グラム当量で実施可能であり、好ましい使用量
は0.05〜0.1グラム当量である。溶媒は、水を共
沸除去する目的からトルエン、ベンゼン等が好ましい。
反応時間は、適宜選定すればよいが、通常1〜48時間
が好ましい。
【0015】光学活性を有するチアカリックス[4]ア
レーン誘導体の骨格の合成は、架橋部の4つの硫黄原子
のうち一つを酸化することにより達成される。当該酸化
反応に好適な酸化剤は、過ホウ酸ナトリウムである。反
応での使用量は、硫黄原子の合計数に対して0.4〜
0.6当量が好適で、より好ましくは0.45〜0.5
5当量である。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロ
ホルム等のハロゲン系溶媒や、酢酸、メタノール、エタ
ノール等のプロトン溶媒が使用でき、これらは混合して
使用しても良い。溶媒の使用量は、原料1gあたり5〜
200mLで実施可能であるが、著しく少量又は多量の
溶媒中では、反応進行が遅くなったり経済性が低下する
ため、好ましくは原料1gあたり10〜100mLであ
る。反応温度は、0〜100℃が好ましく、特に好まし
くは20〜60℃である。反応時間は反応の進行状況を
観測しながら設定すれば良く、通常は2時間から2日間
で反応が終了する。反応生成物には、光学活性環を有す
るチアカリックス[4]アレーン誘導体のジアステレオ
マー対が共に生成するので、溶媒を留去した後、これら
をカラムクロマトグラフ等で分離精製すれば純粋な光学
活性チアカリックス[4]アレーン部分スルフィニル体の
メントキシ誘導体等が得られる。
【0016】得られた光学活性チアカリックス[4]アレ
ーンアルコキシ体からは、必要に応じてカルボン酸エス
テルとして導入した光学活性基を除去することが可能で
ある。光学活性基は、酸又は塩基触媒の存在下容易に加
水分解されてカルボン酸へと変換可能である。酸触媒と
しては、希塩酸、希硫酸、希硝酸等の無機酸が好適であ
り、その使用量は加水分解を受けるエステル基に対して
0.01〜1グラム当量で実施可能であり、好ましい使
用量は0.05〜0.1グラム当量である。溶媒は、原
料と水を共存させる目的からメタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコールと水との混合系が好ま
しく、水の共存量は加水分解を受けるエステル基に対し
て1〜10グラム当量で実施可能であり、好ましい使用
量は1.2〜5グラム当量である。反応は、連続的な撹
拌下で実施するのが好ましい。反応温度は0℃以上で実
施可能である。反応温度の上限は特にないが、通常、使
用する溶媒の沸点以下での実施が好ましい。
【0017】塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物が好ましく、その使用量は加水分解を受けるエステル
基に対して1〜10グラム当量で実施可能であり、好ま
しい使用量は1.2〜2グラム当量である。溶媒は、原
料と水を共存させる目的からメタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコールと水との混合系が好ま
しく、水の共存量は加水分解を受けるエステル基に対し
て1〜10グラム当量で実施可能であり、好ましい使用
量は1.2〜5グラム当量である。反応連続的な撹拌下
で実施するのが好ましく、温度は0℃以上で実施可能で
ある。反応温度の上限は特にないが、通常、使用する溶
媒の沸点以下での実施が好ましい。加水分解されたカル
ボン酸は、通常のエステル化により、他のエステルにす
ることができる。本発明の光学活性チアカリックス
[4]アレーン誘導体は、センサー、分析試薬、分析媒
体及び触媒配位子等として有用である。本発明の化合物
は、環骨格自体に不斉環境を有することから、単に不斉
点を有する鎖状分子とは異なり分子包接等による光学分
割や異性体分析、不斉触媒調製が可能となる。具体的に
は水溶性光学活性有機分子の選択的抽出等に応用可能で
ある。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び製造例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら制
約されるものではない。 (製造例1) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[1.9.3.1.1 ,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエンの合成:ガ
ラス製フラスコ中、4‐t e r t‐ブチルフェノール4
5.2gに、単体硫黄14.4g及び水酸化ナトリウム
3.0gとテトラエチレングリコールジメチルエーテル
7.60gを加え、窒素雰囲気下撹拌しながら、4時間
かけて徐々に230℃に加熱し、さらに2時間撹拌し
た。この間、反応で生成する水及び硫化水素は除去し
た。この反応混合物を室温まで冷却し、エーテル500
mLを加え溶解させた後、1規定の硫酸水溶液で加水分
解した。分液したエーテル層を水洗し硫酸マグネシウム
で乾燥した。エーテルを留去した後に得られる反応混合
物を、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/クロロホルム)により分割し、粗生成物を得、
これをクロロホルム/アセトンから再結晶することによ
り、無色透明の結晶である5,11,17,23−テト
ラ−tert−ブチル−25,26,27,28−テト
ラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[1.
9.3.1.13,79,1315,19]オクタ
コサ−1(25),3,5,7(28),9,11,1
3(27),15,17,19(26),21,23−
ドデカエン26.5gを得た。収率は45%であった。
【0019】(製造例2) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボニ
ルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1.
9.3.1.13,79,1315,19]オクタ
コサ−1(25),3,5,7(28),9,11,1
3(27),15,17,19(26),21,23−
ドデカエン(1,3−オルタネート型)の合成: 製造例1で得られた5,11,17,23−テトラ−t
ert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒド
ロキシ−2,8,14,20−テトラチア[1.9.
3.1.13,79,1315,19]オクタコサ
−1(25),3,5,7(28),9,11,13
(27),15,17,19(26),21,23−ド
デカエン10.0gを300mLのアセトンと共にガラ
ス製フラスコ中に入れ、無水炭酸セシウム27.7gと
共に撹拌、懸濁させた。ここに室温(約20℃)におい
てブロモ酢酸エチル13mLを1時間かけて滴下し、次
いで窒素雰囲気下で4時間加熱還流を行った。反応終了
後は、室温まで放冷し、沈殿をろ別した後、濃縮乾固し
て白色粉末を得た。この生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ベンゼン/n−ヘキサン)及び再結晶
(ベンゼン)に付し、5,11,17,23−テトラ−
tert−ブチル−25,26,27,28−テトラキ
ス(エトキシカルボニルメトキシ)−2,8,14,2
0−テトラチア[1.9.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン(1,3−オルタネ
ート型)の白色結晶11.1gを得た。収率は68%で
あった。得られた結晶の物性を以下に示す。 H‐NMR(δ, ppm, CDCl) 7.51(s, 8H, Ar-H), 4.6
0(s, 8H, OCH2CO), 4.22(q, J=7.2Hz, 8H, COOCH2), 1.
28(t, J=7.2Hz, 12H, CH3), 1.25(s, 36H, C(CH3)3) IR(cm-1, KBr) 2960, 1764, 1734
【0020】(実施例1) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラキス(エトキシカルボニ
ルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1.
9.3.1.13,79,1315,19]オクタ
コサ−1(25),3,5,7(28),9,11,1
3(27),15,17,19(26),21,23−
ドデカエン(1,3−オルタネート型)への光学活性基
の導入:撹拌機、油浴、還流冷却器、温度計を供えた2
00mLのフラスコに製造例2で得られた5,11,1
7,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,2
7,28−テトラキス(エトキシカルボニルメトキシ)
−2,8,14,20−テトラチア[1.9.3.1.
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン
(1,3−オルタネート型)10.00g(9.38m
mol)と10%含水エタノール200mLを入れ、こ
こに水酸化ナトリウム2.00g(50mmol)を加
えて24時間加熱還流を行った。反応液を室温まで放冷
後、ロータリーエバポレータを用いて減圧下でエタノー
ルを留去した後、1規定塩酸を加えて中和し、ジクロロ
メタン100mLを加えて反応生成物を溶解した。溶液
を分液ロートを用いて水洗した後、ジクロロメタン層に
無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、これをろ過
後、ロータリーエバポレータを用いて濃縮乾固させ生成
物8.76gを得た。収率は98%であった。
【0021】得られた生成物5.14gと塩化チオニル
100mLを還流冷却器を備えた500mLナス型フラ
スコに入れ、5時間加熱還流を行った。反応液を室温ま
で冷却した後、アスピレータを使用して過剰の塩化チオ
ニルを留去し、そのまま減圧下で80℃まで加熱して3
時間乾燥乾固させた。得られた反応生成物を窒素雰囲気
下で、ジクロロメタン40mLに溶解させ、これをA液
とした。別途、滴下ロートを備えた500mLナス型フ
ラスコにl−メントール6.74g(43.1mmo
l)、ピリジン1.8mL、4−ジメチルアミノピリジ
ン2.5g、ジクロロメタン40mLを加え、窒素雰囲
気下氷冷し、ここに、A液を滴下した。得られた混合液
を氷浴から出して室温(20℃)とし、次いで24時間
加熱還流を行った。反応液を室温まで冷却した後、溶媒
を減圧下で留去し、減圧乾燥して得られた固形物を、再
結晶(ジクロロメタンーメタノール)して、5,11,
17,23−テトラ−tert−ブチル−25,26,
27,28−テトラキス(メントキシカルボニルメトキ
シ)−2,8,14,20−テトラチア[1.9.3.
1.13,79,1315,19]オクタコサ−1
(25),3,5,7(28),9,11,13(2
7),15,17,19(26),21,23−ドデカ
エン(1,3−オルタネート型)の無色結晶5.14g
を得た。収率は60.9%であった。得られた結晶の物
性を以下に示す。
【0022】融点:231〜233℃ IR (KBr, cm−1) 2955(C-H),1765(C=O) FAB MS (m/z, 3-ニトロベンジルアルコール) : 1505(M
+1) H NMR (CDCl): 0.77〜2.06, 4.77〜4.83 (m, 20, l
-Menthol), 1.24(s, 36,But),4.72 (s, 8, -CH-), 7.
53 (d, 4, J=2.52, ArH), 7.55 (d, 4, J=2.49,ArH) 元素分析 : 計算値 for C88H128O12S: C, 70.
17; H, 8.46; S, 8.52.実測値: C, 70.04; H, 8.46; S,
8.54
【0023】(実施例2) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラキス(メントキシカルボ
ニルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア
[1.9.3.1.13,79,1315,19]オ
クタコサ−1(25),3,5,7(28),9,1
1,13(27),15,17,19(26),21,
23−ドデカエン(1,3−オルタネート型)の酸化:
実施例1で得られた5,11,17,23−テトラ−t
ert−ブチル−25,26,27,28−テトラキス
(メントキシカルボニルメトキシ)−2,8,14,2
0−テトラチア[1.9.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン(1,3−オルタネ
ート型)5.14g(3.28mmol)とクロロホル
ム150mLを還流冷却器を備えた500mLナス型フ
ラスコに入れ、ここに過ホウ酸ナトリウム四水和物0.
56g、酢酸240mLを加えて24時間加熱還流を行
った。反応液を室温まで冷却後、蒸留水300mLで希
釈し、200mLのクロロホルムで3回抽出を行った。
クロロホルム抽出液を減圧濃縮した後ここにベンゼンを
加えて共沸法によって酢酸を除去し、減圧乾燥して粗生
成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:30)で
精製し、得られたジアステレオマー対を再度シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:40)で分離して、各立体異性体を得た。
【0024】 収量 異性体a(M.W.1522.21) 無色結晶1.32g 収率26.5 % 異性体b(M.W.1522.21) 無色結晶1.54g 収率30.8 % 異性体a及び異性体bの物性を以下に示す。 異性体a 融点 : 215〜216℃ IR (KBr, cm−1) 2955(C-H), 1763(C=O), 1055(S=O) FAB MS (m/z, 3-ニトロベンジルアルコール) : 1521 (M
+1) H NMR (CDCl): 0.78〜2.10, 4.73〜4.83(M, 20, l-
Menthol), 1.22(s, 9, But), 1.25(s, 9, But), 1.25
(s, 9, But), 1.31(s, 9, But), 4.55(d, 1, J=15.2, -
CH-), 4.56(d, 1, J=15.0, -CH-), 4.62(d, 1, J=1
5.3, -CH-), 4.77(s, 2, -CH-), 4.84(d, 1, J=15.
3, -CH-), 4.92(d, 1, J=15.0, -CH-),5.00(d, 1,
J=15.2, -CH-), 7.39(d, 1, J=2.51, ArH), 7.41(d,
1, J=2.50,ArH) ,7.49(d, 1, J=2.51, ArH) ,7.53(d,
1, J=2.50, ArH), 7.78(d, 1, J=2.49, ArH),7.80(d,
1, J=2.65, ArH), 7.83(d, 1, J=2.49, ArH), 7.87(d,
1, J=2.65, ArH) 元素分析 : 計算値 for C88H128O13S: C, 69.
43; H, 8.48; S, 8.43.実測値: C, 69.22; H, 8.36; S,
8.49.
【0025】異性体b 融点 : 232〜234℃ IR (KBr, cm−1) 2957(C-H), 1763(C=O), 1055(S=O) FAB MS (m/z, 3-ニトロベンジルアルコール) : 1521(M
+1) H NMR (CDCl): 0.77〜2.09, 4.72〜4.86(m, 20, l-
Menthol), 1.22(s, 9, But), 1.26(s, 9, But), 1.26
(s, 9, But), 1.30(s, 9, But), 4.56(d, 1, J=15.0, -
CH-), 4.62(d, 1, J=14.9, -CH-), 4.74(s, 2, J=1
5.3, -CH-), 4.76(s, 2, -CH-), 4.78(d, 1, J=15.
0, -CH-), 4.85(d, 1, J=14.9, -CH-),4.96(d, 1,
J=15.3, -CH-), 7.40(d, 1, J=2.54, ArH), 7.44(d,
1, J=2.56,ArH) ,7.48(d, 1, J=2.54, ArH) ,7.54(d,
1, J=2.56, ArH), 7.73(d, 1, J=2.53, ArH),7.77(d,
1, J=2.51, ArH), 7.84(d, 1, J=2.53, ArH), 7.94(d,
1, J=2.51, ArH) 元素分析 : 計算値 for C88H128O13S: C, 69.
43; H, 8.48; S, 8.43.実測値: C, 69.13; H, 8.39; S,
8.23.
【0026】(実施例3) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラキス(メントキシカルボ
ニルメトキシ)−2,8,14,20−テトラチア
[1.9.3.1.13,79,1315,19]オ
クタコサ−1(25),3,5,7(28),9,1
1,13(27),15,17,19(26),21,
23−ドデカエン(1,3−オルタネート型)部分スル
フィニル体の加水分解による鏡像異性体対の合成:実施
例2で得られた光学活性体各々1.05g(0.69m
mol)を還流冷却器を備えた300mLナス型フラス
コにいれ、ここにエタノール100mL、水20mL、
水酸化ナトリウム5.75gを加えて24時間加熱還流
を行った。反応液を室温まで冷却後、6規定塩酸で中和
し、得られた懸濁液をろ過して固体を回収し、これをク
ロロホルムに溶解して、再度2規定塩酸で洗浄した。ク
ロロホルムを留去した後、微量の水分をベンゼン共沸法
で除去し、さらに減圧乾燥して、5,11,17,23
−テトラ−tert−ブチル−25,26,27,28
−テトラキス(カルボキシルメトキシ)−2,8,1
4,20−テトラチア[1.9.3.1.13,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエン(1,3−
オルタネート型)部分スルフィニル体の鏡像異性体対の
無色結晶をそれぞれ0.661g(収率99%)および
0.628g(収率99%)得た。
【0027】(実施例4) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラキス(カルボキシルメト
キシ)−2,8,14,20−テトラチア[1.9.
3.1.13,79,1315,19]オクタコサ
−1(25),3,5,7(28),9,11,13
(27),15,17,19(26),21,23−ド
デカエン(1,3−オルタネート型)部分スルフィニル
体の鏡像異性体対のメチルエステル化:実施例3で得ら
れた5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル
−25,26,27,28−テトラキス(カルボキシル
メトキシ)−2,8,14,20−テトラチア[1.
9.3.1.13,79,1315,19]オクタ
コサ−1(25),3,5,7(28),9,11,1
3(27),15,17,19(26),21,23−
ドデカエン(1,3−オルタネート型)部分スルフィニ
ル体の鏡像異性体対各々600mg(0.62mmo
l)をジクロロメタン200mL、メタノール100m
Lとともに還流冷却器を備えた500mLナス型フラス
コに入れ、濃塩酸0.5mLを加えて24時間加熱還流
を行った。反応液を室温まで冷却後、減圧下で溶媒を留
去し、次いでベンゼン共沸法で微量の水分を除去した。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)に付して5,1
1,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,2
6,27,28−テトラキス(メトキシカルボニルメト
キシ)−2,8,14,20−テトラチア[1.9.
3.1.13,79,13 5,19]オクタコサ
−1(25),3,5,7(28),9,11,13
(27),15,17,19(26),21,23−ド
デカエン(1,3−オルタネート型)部分スルフィニル
体の鏡像異性体対を各々400mg(収率63%)及び
358mg(収率57%)を得た。得られた異性体a及
び異性体bの物性を以下に示す。
【0028】異性体a 融点 : 357〜360℃ IR (KBr, cm−1) 2955(C-H), 1771(C=O), 1065(S=O) H NMR (CDCl) : 1.22(s, 9, t-Bu), 1.25(s, 9, t-
Bu), 1.27(s, 9, t-Bu),1.30(s, 9, t-Bu), 3.76(s, 3,
Me), 3.77(s, 3, Me), 3.79(s, 3, Me), 3.80(s, 3, M
e), 4.52(d, 1, J=14.7, -CH-), 4.54(d, 1, J=13.7,
-CH-), 4.66(s, 2, -CH-), 4.67(d, 1, J=13.7, -
CH-), 4.72(d, 1, J=14.3, -CH-), 4.83(d, 1, J=1
4.3, -CH-), 4.91(d, 1, J=14.7,-CH-), 7.39(d,
1, J=2.56,ArH), 7.41(d, 1, J=2.55, ArH), 7.47(d,
1, J=2.56, ArH), 7.50(d, 1, J=2.55, ArH), 7.70(d,
1, J=2.52, ArH), 7.71(d, 1, J=2.58, ArH), 7.81(d,
1, J=2.52, ArH), 7.83(d, 1, J=2.58, ArH) [α]248 =−12.0°(C=0.53)
【0029】異性体b 融点 : 357〜360℃ IR (KBr, cm−1) : 2955(C-H), 1771(C=O), 1063(S=O) H NMR : 1.22(s, 9, t-Bu), 1.25(s, 9, t-Bu), 1.27
(s, 9, t-Bu), 1.30(s,9, t-Bu), 3.76(s, 3, Me), 3.7
7(s, 3, Me), 3.79(s, 3, Me), 3.80(s, 3, Me), 4.51
(d, 1, J=14.5, -CH-), 4.54(d, 1, J=14.0, -CH
-), 4.65(s, 2, -CH -), 4.67(d, 1, J=14.0, -CH
-), 4.71(d, 1, J=14.1, -CH-), 4.82(d, 1,J=14.1,
-CH-), 4.91(d, 1, J=14.5, -CH-), 7.39(d, 1, J=
2.51, ArH), 7.40(d, 1, J=2.55 ArH), 7.47(d, 1, J=
2.51, ArH), 7.50(d, 1, J=2.55, ArH),7.69(d, 1, J=
2.40, ArH), 7.71(d, 1, J=2.38, ArH), 7.81(d, 1, J=
2.40, ArH), 7.83(d, 1, J=2.38, ArH) [α]229 =+12.0°(C=0.39)
【0030】
【発明の効果】本発明の光学活性かご型分子骨格を有す
るチアカリックス[4]アレーン誘導体は、センサー、
分析試薬、分析媒体及び触媒配位子等として有用であ
る。また、本発明の製造方法によれば、光学活性を有す
るかご型分子であるチアカリックス[4]アレーン誘導
体を効率的かつ容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸橋 直弥 宮城県仙台市泉区松陵2―15―5 (72)発明者 内藤 亮一郎 宮城県仙台市太白区八木山弥生町5―15 高橋アパート203 (72)発明者 竹矢 晴彦 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 小堀 寿浩 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC83

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式1a又は一般式1b 【化1】 (式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−C
    OR又は−ORであり、Rは水素原子又はアルキ
    ル基、R及びRはアルキル基である)で表される光
    学活性チアカリックス[4]アレーン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式2 【化2】 (式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、−C
    OR又は−ORであり、R、R及びRはアル
    キル基である)で表されるチアカリックス[4]アレー
    ン誘導体の硫黄原子の一つを酸化せしめてスルフィニル
    化し、得られる光学活性チアカリックス[4]アレーン
    誘導体対を光学分割することを特徴とする一般式1a又
    は一般式1b(式中、Yは炭化水素基、ハロゲン化炭化
    水素基、−COR又はORであり、Rは水素原子
    又はアルキル基、R及びRはアルキル基である)で
    表される光学活性チアカリックス[4]アレーン誘導体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】硫黄原子の酸化方法として酢酸存在下過ホ
    ウ酸ナトリウムを作用させることを特徴とする請求項2
    記載の光学活性チアカリックス[4]アレーン誘導体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】光学分割の方法が、置換基Rに光学活性
    基を導入してジアステレオマー対を形成した後これを分
    離する方法であることを特徴とする請求項3記載の光学
    活性チアカリックス[4]アレーン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】光学分割のために導入する光学活性体が1
    −メントールであることを特徴とする請求項4記載の光
    学活性チアカリックス[4]アレーン誘導体の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009184996A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Sugai Chemical Industry Co Ltd カリックスアレン誘導体の製造方法
CN102140089A (zh) * 2011-02-23 2011-08-03 大连民族学院 硫代杯[8]芳烃二乙基乙酰胺及其合成方法和用途
CN108752329A (zh) * 2018-06-15 2018-11-06 深圳先进技术研究院 Ag+荧光探针、Ag+化学传感器

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