JP2000326462A - ポリオレフィン系多層中空成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系多層中空成形体

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JP2000326462A
JP2000326462A JP11142357A JP14235799A JP2000326462A JP 2000326462 A JP2000326462 A JP 2000326462A JP 11142357 A JP11142357 A JP 11142357A JP 14235799 A JP14235799 A JP 14235799A JP 2000326462 A JP2000326462 A JP 2000326462A
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Japan
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olefin
propylene
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random copolymer
polymerization
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JP11142357A
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English (en)
Inventor
Noriaki Saito
則昭 斉藤
Masaya Takanori
真哉 高乗
Makoto Iijima
真 飯島
Takanori Nakajima
隆則 中島
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性に優れ、外観が良好なポリオレフィン
系重合体からなる多層中空成形体を提供すること。 【解決手段】 基層を内層側とし、着色層を表層側とす
るポリオレフィン系多層中空成形体であって、前記基層
は、オレフィン(共)重合体組成物(I)を主成分とす
る樹脂組成物[I]からなり、前記着色層は、オレフィ
ン(共)重合体組成物(II)と着色剤を含有する樹脂組
成物[II]からなるポリオレフィン系多層中空成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン(共)
重合体組成物(I)を主成分とする樹脂組成物[I]から
なる基層を内層側とし、オレフィン(共)重合体組成物
(II)と着色剤とを含有する樹脂組成物[II]からなる
着色層を表層側とする発色性に優れたポリオレフィン系
多層中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンを原料樹脂として用いた
中空成形体は、ポリプロピレンの有する、剛性、耐衝撃
性、耐熱性等の優れた特性により、様々な用途に使用さ
れている。しかしながら、顔料等の着色剤を添加し着色
したポリプロピレンからなる中空成形体を、特に家電製
品、車輛の外装部品、複写機のパネル等の事務用機器部
品、カメラのケース等として用いたときに、着色剤の発
色性が悪く、見栄えが不十分となり、家電製品や車輛等
の高級感に欠けるという問題点がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポ
リプロピレンを原料樹脂として用いた中空成形体の有す
る上記問題点を解決すべくなされたものであり、その目
的とするところは、剛性、耐衝撃性、耐熱性を有し、か
つ発色性に優れ、見栄えの良いポリオレフィン系多層中
空成形体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、オレフィン(共)
重合体組成物(I)を主成分とする樹脂組成物[I]から
なる基層を内層側とし、オレフィン(共)重合体組成物
(II)と着色剤とを含有する樹脂組成物[II]からなる
着色層を表層側としたポリオレフィン系多層中空成形体
が、上記目的を達成できることを見いだし、この知見に
基づき、本発明を完成するに至った。なお、本明細書中
において、「(共)重合体」という用語は、単独重合
体、ランダム共重合体およびブロック共重合体の総称し
て用いられる。
【0005】本願発明は以下の構成からなる。 (1)基層を内層側とし、着色層を表層側とするポリオ
レフィン系多層中空成形体であって、前記基層は、オレ
フィン(共)重合体組成物(I)を主成分とする樹脂組
成物[I]からなり、前記着色層は、オレフィン(共)
重合体組成物(II)と着色剤を含有する樹脂組成物[I
I]からなり、前記オレフィン(共)重合体組成物(I
I)は、ポリプロピレン(x)100重量部に対して、
オレフィンランダム共重合体(y)を15〜75重量部
の割合からなり、前記ポリプロピレン(x)は、プロピ
レン単独重合体および/またはプロピレン重合単位の含
有量が92重量%以上のプロピレン−オレフィンランダ
ム共重合体であり、前記オレフィンランダム共重合体
(y)は、主モノマー重合単位の含有量が90重量%以
下のオレフィンランダム共重合体であり、かつ、135
℃のテトラリンで測定した該オレフィンランダム共重合
体(y)の固有粘度[ηY]と該ポリプロプレン(x)
の固有粘度[ηX]との比[ηY]/[ηX]が0.7〜
1.2の範囲にあることを特徴とするポリオレフィン系
多層中空成形体。
【0006】(2)前記オレフィン(共)重合体組成物
(I)が、135℃のテトラリンで測定した固有粘度
[ηI]が1.8〜4.0dl/gのプロピレン単独重
合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含有す
るプロピレン−オレフィン共重合体であることを特徴と
する前記(1)項記載のポリオレフィン系多層中空成形
体。
【0007】(3)オレフィンランダム共重合体(y)
である主モノマー重合単位の含有量が90重量%以下の
オレフィンランダム共重合体が、プロピレン重合単位の
含有量が80〜40重量%であるエチレン−プロピレン
ランダム共重合体および/またはエチレン重合単位の含
有量が90〜40重量%のエチレン−オレフィン(オレ
フィンのうち、エチレン、プロピレンは除く)からなる
エチレン−オレフィンランダム共重合体であることを特
徴とする前記(1)〜(2)項のいずれか1項記載のポ
リオレフィン系多層中空成形体。
【0008】(4)オレフィン(共)重合体組成物(I
I)が、ポリプロピレン(x)とオレフィンランダム共
重合体(y)からなるブロック共重合体(II−BC)であ
り、ポリプロピレン(x)は、プロピレン単独重合体ま
たはプロピレン重合単位の含有量が92重量%以上のプ
ロピレン−オレフィンランダム共重合体からなる成分
(以下、これらを総称して(x-BC)成分ということが
ある)であり、オレフィンランダム共重合体(y)は、
プロピレン重合単位の含有量が80〜40重量%のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体からなる成分(以
下、これらを総称して(y-BC)成分ということがあ
る)であることを特徴とする前記(1)〜(2)項のい
ずれか1項記載のポリオレフィン系多層中空成形体。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、基層用の樹脂組
成物[I]の主成分であるオレフィン(共)重合体組成
物(I)は、プロピレン単独重合体、またはプロピレン
重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−オレフ
ィン共重合体であり、好ましくはプロピレン単独重合
体、プロピレン重合単位の含有量が90重量%以上のプ
ロピレン−オレフィンランダム共重合体、プロピレン重
合単位の含有量が70重量%以上のプロピレン−オレフ
ィンブロック共重合体である。これらの(共)重合体は
1種のみならず2種以上の混合物であってもよい。な
お、本明細書中において、「主成分」という用語は、あ
る物質を構成している成分のうちで主な成分をいい、組
成物及び混合物の場合には、その組成物及び混合物を構
成している成分のうち50重量%以上を占めている成分
をいう。
【0010】該オレフィン(共)重合体(I)がプロピ
レン−オレフィン共重合体である場合、プロピレンと共
重合されるプロピレン以外のオレフィンとしては、特に
限定はされないが、炭素数2、4〜12のオレフィンが
好ましく用いられる。具体的にはエチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン等が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみな
らず2種以上であってもよい。
【0011】該オレフィン(共)重合体組成物(I)の
立体規則性については、特に制限はなく結晶性ポリプロ
ピレンであれば、本発明の目的を達成するどのようなポ
リプロピレンであってもよい。具体的には13C−NMR
法(核磁気共鳴スペクトル法)で測定したアイソタクチ
ックペンタッド分率(mmmm)が0.80〜0.9
9、好ましくは0.85〜0.99の結晶性を有するポ
リプロピレンが使用される。
【0012】アイソタクチックペンタッド分率(mmm
m)とは、エイ ザンベリ(A.Zambelli)等によって提
案(Macromolecules 6, 925 (1973))された13C−NM
R法により測定される、ポリプロピレン分子鎖中のペン
タッド単位でのアイソタクチック分率であり、スペクト
ルの測定におけるピークの帰属はエイ ザンベリ(A.Zam
belli)等によって提案(Macromolecules 8, 687 (197
5))された帰属に従って決定される。具体的には、ポリ
マー濃度20重量%のo−ジクロロベンゼン/臭化ベン
ゼン=8/2重量比の混合溶液を用い、67.20MH
z、130℃にて測定することによって求められる。測
定装置としては、たとえばJEOL−GX270NMR
測定装置(日本電子(株)製)を用いることができる。
【0013】本発明において、オレフィン(共)重合体
組成物(I)は、前記のオレフィン(共)重合体以外
に、ポリエチレン等の他のオレフィン系重合体を本発明
の効果が損なわれない程度に含有したものであってもよ
い。
【0014】本発明において、オレフィン(共)重合体
組成物(I)は、135℃のテトラリン中で測定した固
有粘度[ηI]が1.8〜4.0dl/gの範囲にある
ものが好ましい。固有粘度[ηI]が1.8dl/gを
大きく下回ると、パリソンのドローダウンが大きくな
り、その結果、中空成形体の肉厚が不均一となり好まし
くない。また、4.0dl/gを大きく越えると、中空
成形機の押出負荷が大きくなる等の問題が生じる。
【0015】本発明において、オレフィン(共)重合体
組成物(I)の製造方法としては、どの様な方法を採用
しても良いが、以下に述べるオレフィン重合用触媒の存
在下に、プロピレンの単独重合あるいはプロピレンとプ
ロピレン以外のオレフィンとを共重合させる方法が好ま
しい。
【0016】該方法としては、チタン化合物等を含む遷
移金属化合物触媒成分と、遷移金属原子1モルに対し
0.05〜3000モルの周期表(1991年版)第1
族、第2族、第12族および第13族に属する金属より
なる群から選択された金属の有機金属化合物(AL1)
および遷移金属原子1モルに対し0〜3000モルの電
子供与体(E1)の組合せからなるオレフィン重合用触
媒の存在下に、プロピレンの単独またはプロピレンとプ
ロピレン以外のオレフィンを(共)重合させる方法であ
る。
【0017】該オレフィン重合用触媒において、遷移金
属化合物触媒成分として、ポリオレフィン製造用として
提案されている遷移金属化合物触媒成分を主成分とする
公知の触媒成分のいずれをも使用することができ、中で
も工業生産上、チタン含有固体触媒成分が好適に使用さ
れる。
【0018】チタン含有固体触媒成分としては、三塩化
チタン組成物を主成分とするチタン含有固体触媒成分
(特公昭56−3356号公報、特公昭59−2857
3号公報、特公昭63−66323号公報等)、マグネ
シウム化合物に四塩化チタンを担持した、チタン、マグ
ネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分とす
るチタン含有担持型触媒成分(特開昭62−10481
0号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭6
2−104812号公報、特開昭57−63310号公
報、特開昭57−63311号公報、特開昭58−83
006号公報、特開昭58−138712号公報等)な
どが提案されており、これらのいずれをも使用すること
ができる。
【0019】上記以外の遷移金属化合物触媒成分とし
て、通常メタロセンと称されるπ電子共役配位子を少な
くとも1個有する遷移金属化合物も用いることができ
る。この時の遷移金属は、Zr,Ti,Hf,V,N
b,TaおよびCrから選択することが好ましい。
【0020】π電子共役配位子の具体例としては、η−
シクロペンタジエニル構造、η−ベンゼン構造、η−シ
クロプタトリエニル構造、又は、η−シクロオクタテト
ラエン構造を有する配位子が挙げられ、特に好ましいの
は、η−シクロペンタジエニル構造を有する配位子であ
る。
【0021】η−シクロペンタジエニル構造を有する配
位子としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、イ
ンデニル基、フルオレニル基等が挙げられる。これらの
基は、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のよ
うな炭化水素基、トリアルキルシリル基のようなケイ素
置換炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、鎖状および環状アルキレン基などで置換され
ても良い。
【0022】遷移金属化合物がπ電子共役配位子を2個
以上含む場合には、そのうち2個のπ電子共役配位子同
士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキ
レン基、置換シクロアルキレン基、置換アルキリデン
基、フェニル基、シリレン基、置換ジメチルシリレン
基、ゲルミル基などを介して架橋していても良い。この
ときの遷移金属触媒成分は、上記のようなπ電子配位子
を少なくとも1個有する他に、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基のような炭化水素
基、ケイ素置換炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、置換スルホナト基、アミドシリレン基、アミドア
ルキレン基などを有しても良い。なお、アミドシリレン
基やアミドアルキレン基のような2価の基はπ電子共役
配位子と結合しても良い。
【0023】上記のような通常メタロセンと称されるπ
電子共役配位子を少なくとも1個有する遷移金属化合物
触媒成分は、微粒子状担体に担持させて用いることも可
能である。このような微粒子状担体としては、無機又は
有機化合物であっても、粒子径が5〜300μm、好ま
しくは10〜200μmの顆粒状ないしは球状の微粒子
固体が使用される。このうち、担体に使用する無機化合
物としては、SiO2,Al23,MgO,TiO2,Z
nO等およびまたはこれらの混合物または複合化合物が
挙げられる。これらの中では、SiO2またはAl23
を主成分とするものが好ましい。また、担体に使用する
有機化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜12のα
−オレフィン重合体または共重合体、さらにはスチレン
またはスチレン誘導体の重合体または共重合体が挙げら
れる。
【0024】有機金属化合物(AL1)として、周期表
(1991年版)第1族、第2族、第12族および第1
3族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機
基を有する化合物、たとえば、有機リチウム化合物、有
機ナトリウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜
鉛化合物、有機アルミニウム化合物などを、前記遷移金
属化合物触媒成分と組み合わせて使用することができ
る。
【0025】特に、一般式AlR1 p2 q3-(p+q)(式
中、R1およびR2は、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基等の炭化水素基およびアルコキシ基の同種ま
たは異種を、Xはハロゲン原子を表わし、pおよびq
は、0<p+q≦3の正数を表わす)で表わされる有機
アルミニウム化合物を好適に使用することができる。
【0026】該有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−i−ヘキシルアル
ミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジ−n-プロピルアルミニウムクロライド、ジ−i
−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等の
ジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアル
キルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウム
ジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド
などの他ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコ
キシアルキルアルミニウム挙げることができ、好ましく
は、トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミ
ニウムモノハライドを使用する。これらの有機アルミニ
ウム化合物は、1種だけでなく2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0027】また、有機金属化合物(AL1)として、
アルミノキサン化合物も使用することができる。アルミ
ノキサンとは、下記一般式(1)もしくは一般式(2)
で表される有機アルミニウム化合物である。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】ここで、R3は炭素数1〜6、好ましく
は、1〜4の炭化水素基であり、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基、アリル基、
2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基等のア
ルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、およびアリール基などである化合物が挙げられる。
これらのうち特に好ましいのは、アルキル基であり、各
3は同一でも異なっていても良い。qは4〜30の整
数であるが、好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜
30である。
【0031】また、使用できる有機金属化合物(AL
1)として、更にホウ素系有機金属化合物が挙げられ
る。このホウ素系有機金属化合物は、遷移金属化合物と
ホウ素原子を含むイオン性化合物と反応させることによ
り得られる。このとき用いられる遷移金属化合物として
は、前記の遷移金属化合物触媒成分と同様のものが使用
可能であるが、好ましく用いられるのは、前述した通常
メタロセンと称される少なくとも1個のπ電子共約配位
子を有する遷移金属化合物触媒成分である。
【0032】ホウ素原子を含むイオン性化合物として
は、具体的には、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフ
ェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸メチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸トリジメチルアンモニウム、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアン
モニウム等が挙げられる。
【0033】ホウ素系有機金族化合物は、また、遷移金
属化合物とホウ素原子含有ルイス酸とを接触させること
によっても得られる。このとき用いられる遷移金属化合
物としては、前記の遷移金属化合物触媒成分と同様のも
のが使用可能であるが、好ましく用いられるのは、前述
した通常メタロセンと称される少なくとも1個のπ電子
共役配位子を有する遷移金属化合物触媒成分である。ホ
ウ素原子含有ルイス酸としては、下記の一般式(3)で
表される化合物が使用可能である。
【0034】
【化3】 BR456 (3)
【0035】(式中、R4、R5、R6は、それぞれ独立
して、フッ素原子、アルキル基、または、フッ素原子、
メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基を有し
てもよいフェニル基を示す。)
【0036】上記一般式で表される化合物として具体的
には、トリ(n−ブチル)ホウ素、トリフェニルホウ
素、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル]ホウ素、トリス(4−フルオロメチルフェニル)
ホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ
素、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ
素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等が挙げ
られ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が特に
好ましい。
【0037】電子供与体(E1)は、ポリオレフィンの
生成速度および/または立体規則性を制御することを目
的として必要に応じて使用される。電子供与体(E1)
として、たとえば、エーテル類、アルコール類、エステ
ル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル
類、アミン類、アミド類、尿素およびチオ尿素類、イソ
シアネート類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファイ
ト類、ホスフィナイト類、硫化水素およびチオエーテル
類、ネオアルコール類、シラノール類などの分子中に酸
素、窒素、硫黄、燐のいずれかの原子を有する有機化合
物および分子中にSi−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物などが挙げられる。
【0038】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n
−ブチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−
ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i
−ヘキシルエーテル、ジ−nオクチルエーテル、ジ−i
−オクチルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等が、アルコール類としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ぺンタノー
ル、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノ
ール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、グリセリン等が、またフェノール類とし
て、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ナフトール等が挙げられる。
【0039】エステル類としては、メタクリル酸メチ
ル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸−n−プロピル、酢酸−i−プロ
ピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸−n−ブチル、酢
酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル、安息
香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息
香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸−2−エチル
ヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニ
ス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸プロピル、アニ
ス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナ
フトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチ
ル、ナフトエ酸−2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エ
チル等のモノカルボン酸エステル類、コハク酸ジエチ
ル、メチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル等
の脂肪族多価カルボン酸エステル類、フタル酸モノメチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
−n−プロピル、フタル酸モノ−n−ブチル、フタル酸
ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−i−ブチル、フタル酸ジ
−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、i−フタル酸ジエチル、i−
フタル酸ジプロピル、i−フタル酸ジブチル、i−フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジエチル、
テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチル、ナフ
タレンジカルボン酸ジ−i−ブチル等の芳香族多価カル
ボン酸エステル類が挙げられる。
【0040】アルデヒド類としては、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が、カ
ルボン酸類として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
修酸、コハク酸、アクリル酸、マレイン酸、吉草酸、安
息香酸などのモノカルボン酸類および無水安息香酸、無
水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの酸無水物
が、ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン、
メチル−i−ブチルケトン、ベンゾフェノン等が例示さ
れる。
【0041】窒素含有化合物としては、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類、メチルアミン、ジ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、β(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジ
ン、キノリン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチル
ピリジン、2,2,5,6−テトラメチルピペリジン、
2,2,5,5,テトラメチルピロリジン、N,N,N
,N−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、
ジメチルアニリン等のアミン類、ホルムアミド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N,N,N
ペンタメチル−N −β−ジメチルアミノメチルリン酸
トリアミド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミ
ド類、N,N,N,N−テトラメチル尿素等の尿素
類、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート
等のイソシアネート類、アゾベンゼン等のアゾ化合物類
が例示される。
【0042】燐含有化合物としては、エチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ンオキシド等のホスフィン類、ジメチルホスファイト、
ジ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィンオキシド等のホスフィン
類、ジメチルホスファイト、ジ−n−オクチルホスファ
イト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト等のホスファイト
類が例示される。
【0043】硫黄含有化合物としては、ジエチルチオエ
ーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオ
エーテル等のチオエーテル類、エチルチオアルコール、
n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等のチオ
アルコール類が挙げられ、さらに、有機ケイ素化合物と
して、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、
トリフェニルシラノール等のシラノール類、トリメチル
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−i−プロピ
ルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、シクロペンチルメチルジメト
キシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシ
クロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、2−ノルボル
ニルメチルジメトキシシラン等の分子中にSi−O−C
結合を有する有機ケイ素化合物等が挙げられる。これら
の電子供与体は、1種の単独あるいは2種類以上を混合
して使用することができる。
【0044】オレフィン(共)重合体組成物(I)の製
造において、前記の遷移金属化合物触媒成分は、プロピ
レンまたはプロピレンと他のオレフィンとの混合物の
(共)重合に供する前に、予めオレフィンにより予備重
合して使用することが好ましい。
【0045】オレフィン(共)重合体組成物(I)の製
造方法において、前記予備活性化触媒またはオレフィン
(共)重合用触媒の使用量は、重合容積1リットルあた
り、予備活性化触媒中の遷移金属原子に換算して、0.
001〜1,000ミリモル、好ましくは0.005〜
500ミリモル使用する。遷移金属化合物触媒成分の使
用量を上記範囲とすることにより、プロピレンまたはプ
ロピレンと他のオレフィンとの混合物の効率的かつ制御
された(共)重合反応速度を維持することができる。
【0046】ここで、「重合容積」の用語は、液相重合
の場合には重合器内の液相部分の容積を、気相重合の場
合には重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0047】有機金属化合物(AL1)の使用量は、遷
移金属化合物触媒成分中の遷移金属原子1モルに対し
0.05〜3,000モル、好ましくは0.1〜1,0
00モルであり、電子供与体(E−1)の使用量は遷移
金属化合物触媒成分中の遷移金属原子1モルに対し0〜
3,000モル、好ましくは0〜2,000モルであ
る。
【0048】有機金属化合物(AL1)の含有量が小さ
すぎると、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレ
フィンの(共)重合における(共)重合反応速度が遅す
ぎ、一方過剰に大きくしても(共)重合反応速度の期待
されるほどの上昇は認められず非効率的であるばかりで
はなく、最終的に得られるオレフィン(共)重合体組成
物(I)中に残留する有機金属化合物残さが多くなる。
さらに電子供与体(E1)の含有量が過大になると
(共)重合反応速度が著しく低下する。
【0049】オレフィン(共)重合体組成物(I)にお
けるプロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィン
との混合物の(共)重合は、その重合プロセスとして公
知のオレフィン(共)重合プロセスが使用可能であり、
具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン
等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、他
にガソリン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒
中で、オレフィンの(共)重合を実施するスラリー重合
法、オレフィン自身を溶媒として用いるバルク重合法、
オレフィンの(共)重合を気相中で実施する気相重合
法、さらに(共)重合して生成するポリオレフィンが液
状である液相重合、あるいはこれらのプロセスの2以上
を組み合わせた重合プロセスを使用することができる。
【0050】上記のいずれの重合プロセスを使用する場
合も、重合条件として、重合温度は20〜120℃、好
ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜100
℃の範囲、重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは
0.3〜5MPaの範囲において、連続的、半連続的、
若しくはバッチ的に重合時間は5分間〜24時間程度の
範囲が採用される。上記の重合条件を採用することによ
り、ポリプロピレンを高効率かつ制御された反応速度で
生成させることができる。
【0051】(共)重合によって生成する(共)重合体
の分子量調節には、水素等の分子量調節剤を使用するこ
とが有効であり、この使用量を調節することにより
(共)重合体の固有粘度[ηI]を本発明の目的に合う
ように調節することができる。
【0052】(共)重合の終了後、必要に応じて公知の
触媒失活処理工程、触媒残さ除去工程、乾燥工程等の後
処理工程を経てオレフィン(共)重合体組成物(I)が
得られる。
【0053】本発明において、基層用の樹脂組成物
[I]は、成形体に耐衝撃性を付与する等の目的で、前
記オレフィン(共)重合体組成物(I)以外の樹脂を含
有することができる。該樹脂としては、高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状
超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等のエチレン系樹脂、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、1−ブテン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、石油樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、
エチレン−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−オレフ
ィン共重合体ゴム、水素化スチレン−共役ジエン共重合
体ゴム等が挙げられ、1種のみならず2種以上用いるこ
とができる。なお、基層用の樹脂組成物[I]は、本発
明の効果が損なわれない程度にオレフィン(共)重合体
組成物(I)以外の樹脂の含有量を50重量%以下含む
ことが可能である。
【0054】該樹脂の中では、以下に述べる(P1)〜
(P6)の群から選ばれる1種以上の樹脂が成形性の点
で好ましい。
【0055】(P1):密度が0.910〜0.930
g/cm3、メルトフローレート(MFR)[190
℃;21.18N]が0.01g/10min以上、特
に好ましくは0.1〜20g/10minのエチレン単
独重合体であり、通常、低密度ポリエチレンといわれて
いるものである。該エチレン単独重合体の製造方法とし
ては過酸化物を触媒として高圧法によりエチレンを重合
する方法が例示できる。
【0056】(P2):密度が0.920〜0.950
g/cm3、MFR[190℃;21.18N]が0.
01g/10min以上、特に好ましくは0.1〜20
g/10minのエチレン−酢酸ビニル共重合体。
【0057】(P3):密度が0.880〜0.940
g/cm3、MFR[190℃;21.18N]が0.
01g/10min以上、特に好ましくは0.1〜20
g/10minのエチレン−オレフィン共重合体であ
り、通常、直鎖状低密度ポリエチレンといわれているも
の、および直鎖状超低密度ポリエチレンあるいは超低密
度ポリエチレンといわれているものである。該エチレン
−オレフィン共重合体は、エチレンを主モノマーとしこ
れにコモノマーとしてプロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のオレフィンの群から選ばれる
1種以上をチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等
の存在下で共重合させる等の方法により製造される。
【0058】(P4):MFR[190℃:21.18
N]が0.01g/10min以上、特に好ましくは
0.1〜10g/10minのエチレン−オレフィン共
重合体ゴム。エチレン重合単位の含有量は、50〜80
重量%が好ましく、65〜80重量%が特に好ましい。
該エチレン−オレフィン共重合体ゴムの製造方法として
は、エチレンを主モノマーとして、これにコモノマーと
してプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のオレフ
ィンの群から選ばれる1種以上をバナジウム系触媒また
は場合によってはチタン系触媒、メタロセン系触媒の存
在下で共重合させて得る方法を例示できる。
【0059】(P5):1−ブテン単独重合体または1
−ブテン−オレフィン共重合体。MFR[190℃;2
1.18N]は0.1〜20g/10minが特に好ま
しい。
【0060】(P6):水素化スチレン−共役ジエン共
重合体ゴム。非共役ジエンとしてはブタジエン、イソプ
レンが特に好ましい。
【0061】上記樹脂の樹脂組成物[I]中への含有量
は、樹脂の種類により異なるが、オレフィン(共)重合
体組成物(I)100重量部に対して、最大70重量部
が好ましく、特に好ましくは50重量部以下である。含
有量が多すぎると中空成形時のピンチオフ強度や成形体
のウエルド強度が低下することがある。
【0062】本発明において、基層用の樹脂組成物
[I]は、成形体に、より剛性や耐熱性を付与する等の
目的で、無機フィラーを含有することができる。該無機
フィラーとしては、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸
カリウムウィスカー、マイカ及びガラス繊維等が例示で
きる。これらの単独使用は勿論のこと2種以上を併用す
ることもできる。該無機フィラーの平均粒径は15〜
0.5μmが好ましく、平均粒径が大きすぎると耐衝撃
性が低下し、逆に小さすぎると無機フィラー粒子同士が
凝集し易くなり耐衝撃性の低下を招きやすい。
【0063】該無機フィラーの含有量は、無機フィラー
の種類により異なるが、オレフィン(共)重合体組成物
(I)100重量部に対し、最大70重量部が好まし
く、特に好ましくは50重量部以下である。含有量が多
すぎると成形性の悪化、ピンチオフ強度の低下、ウエル
ド強度の低下が生じ易い。
【0064】更に、樹脂組成物[I]には、上述の成分
に加えて、安定剤として酸化防止剤、中和剤、耐候剤、
紫外線吸収剤、その他添加剤として造核剤、帯電防止
剤、難燃剤、顔料や染料等の着色剤、過酸化物等の分子
量降下剤、無機フィラー用や着色剤用の分散剤等を、本
発明の目的を損なわない範囲で、含有させることができ
る。
【0065】本発明において、基層用の樹脂組成物
[I]は、上記のオレフィン(共)重合体組成物(I)、
オレフィン(共)重合体組成物(I)以外の樹脂、無機
フィラー、安定剤等前記の各種成分を混合して得られ
る。これらの各成分の混合には、例えばヘンシェルミキ
サー(商品名)、スーパーミキサー(商品名)などの高
速撹拌機付混合機、リボンブレンダー、タンブラーなど
の通常の混合装置を使用すればよい。また、溶融混練を
必要とする場合には通常の単軸押出機または二軸押出機
などが使われる。混練温度は使用される樹脂組成物
[I]の融点や粘度によって適宜選択されるが、通常は
190〜300℃、好ましくは200〜270℃であ
る。
【0066】本発明において、着色層用の樹脂組成物
[II]に用いるオレフィン(共)重合体組成物(II)を
構成するポリプロピレン(x)は、プロピレン単独重合
体および/またはプロピレン重合単位を92重量%以上
含有するプロピレン−オレフィンランダム共重合体であ
り、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン重合
単位の含有量95重量%以上のプロピレン−オレフィン
ランダム共重合体である。なお、これらの(共)重合体
は1種のみならず2種以上の混合物であってもよい。
【0067】該ポリプロピレン(x)のプロピレン重合
単位の含有量が92重量%を大きく下回ると、成形体の
耐熱性、剛性が低下することがあるので、上記範囲に調
整することが好ましい。
【0068】該ポリプロピレン(x)がプロピレン−オ
レフィンランダム共重合体である場合、プロピレンと共
重合されるプロピレン以外のオレフィンとしては、特に
限定はされないが、炭素数2〜12のオレフィンが好ま
しく用いられる。具体的にはエチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン等が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみならず
2種以上であってもよい。
【0069】ポリプロピレン(x)の立体規則性につい
ては、特に制限はなく結晶性ポリプロピレンであれば、
本発明の目的を達成するどのようなものであってもよ
い。具体的には13C−NMR法(核磁気共鳴スペクトル
法)で測定したアイソタクチックペンタッド分率(mm
mm)が0.80〜0.99、好ましくは0.85〜
0.99の結晶性を有するポリプロピレンが使用され
る。
【0070】ポリプロピレン(x)は、135℃のテト
ラリンで測定した固有粘度[ηX]が1.7〜3.5d
l/gの範囲にあることが好ましい。固有粘度[ηX
が1.7dl/gを大きく下回ると、中空成型時のパリ
ソンのドローダウンが大きくなり成形体の肉厚が不均一
になることがあり、また、3.5dl/gを大きく越え
ると着色層の厚みが不均一になることがあるため、上記
範囲に調整することが好ましい。
【0071】本発明において、着色層用の樹脂組成物
[II]に用いるオレフィン(共)重合体組成物(II)を
構成するオレフィンランダム共重合体(y)は、主モノ
マー重合単位の含有量(オレフィン共重合体中に最も多
く含有されるオレフィン重合単位の含有量)が90重量
%以下のオレフィンランダム共重合体であり、炭素数2
〜12のオレフィンが好ましく用いられる。具体的には
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、
これらのオレフィンは2種のみならず3種以上であって
もよい。また、これらのオレフィンランダム共重合体は
1種のみならず2種以上の混合物であってもよいが、こ
のとき、主モノマー重合単位の含有量は90重量%以下
となることが必要である。
【0072】オレフィンランダム共重合体(y)として
は、プロピレン重合単位を40〜80重量%含有するエ
チレンとプロピレンとのランダム共重合体、エチレン重
合単位を40〜90重量%含有するエチレンとエチレ
ン、プロピレン以外のオレフィンとのランダム共重合体
が、発色性が良く低温耐衝撃性に優れた成形体を与える
ので、好適である。
【0073】該オレフィンランダム共重合体(y)は、
80重量%以上、好ましくは85重量%以上の20℃キ
シレン可溶成分を含有することが好ましい。
【0074】オレフィン(共)重合体組成物(II)中の
ポリプロピレン(x)とオレフィンランダム共重合体
(y)の重量部の割合は、100重量部のポリプロピレ
ン(x)に対し、オレフィンランダム共重合体(y)を
15〜75重量部とする。オレフィンランダム共重合体
(y)の重量部の割合が15重量部を大きく下回ると発
色性、耐衝撃性が低下し、また、75重量部を大きく越
えると発色性、剛性、耐熱性が低下することがあるの
で、上記範囲に調整することが好ましい。
【0075】オレフィンランダム共重合体(y)とポリ
プロピレン(x)の135℃のテトラリンで測定した固
有粘度の比[ηY]/[ηX]は、0.7〜1.2の範囲
にあることが好ましい。この比が0.7未満になると発
色性が低下し、1.2を大きく上回ると耐衝撃性が低下
することがある。
【0076】また、オレフィン(共)重合体組成物(I
I)は、前記のポリプロピレン(x)とオレフィンラン
ダム共重合体(y)とを主成分として含有しているもの
であればよいが、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
法(GPC法)で測定した重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比である分子量分布(Mw/Mn)
が5以下、望ましくは4.5以下の狭い分子量分布とな
ることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が5より広
くなると、成形体の光沢が低下することがある。
【0077】さらに、該オレフィン(共)重合体組成物
(II)は、前述の基層用に用いるオレフィン(共)重合
体組成物(I)の製造方法として例示したポリオレフィ
ン製造用触媒を用いて、第一段階でポリプロピレン
(x)成分としてプロピレン単独重合体もしくはプロピ
レン重合単位の含有量が92重量%以上のプロピレン−
オレフィンランダム共重合体(以下、ブロック共重合体
を構成する成分として用いられる場合には、これらを総
称して(x−BC)成分ということがある)の製造(第1
重合工程)を行い、次いで、オレフィンランダム共重合
体(y)成分として主モノマー重合単位の含有量が90
重量%以下のオレフィンランダム共重合体(以下、ブロ
ック共重合体を構成する成分として用いられる場合に
は、(y−BC)成分ということがある)の製造(第2重
合工程)を行うことより得られるブロック共重合体(略
号:BC)を含有することが好ましい。ブロック共重合体
(BC)を構成する(x−BC)成分は、オレフィン(共)
重合体組成物(II)のポリプロピレン(x)の一部ない
し全部として組み込まれ、また、該ブロック共重合体
(BC)を構成する(y−BC)成分は、オレフィン(共)
重合体組成物(II)のオレフィンランダム共重合体
(y)の一部ないし全部として組み込まれる。オレフィ
ン(共)重合体組成物(II)中のブロック共重合体(B
C)の含有量は、ポリプロピレン(x)とオレフィンラ
ンダム共重合体(y)の合計量の50重量%以上である
ことが好ましい。ブロック共重合体(BC)を含有するこ
とで、オレフィン(共)重合体組成物(II)中でのポリ
プロピレン(x)とオレフィンランダム共重合体(y)
の分散性が良くなり、発色性が向上する。
【0078】前記ブロック共重合体(BC)の製造におい
て、第2重合工程で得られる(y−BC)成分は、プロピ
レン重合単位を40〜80重量%含有するエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体であることが好ましい。
【0079】オレフィン(共)重合体組成物(II)の好
ましい構成成分である前記ブロック共重合体(BC)の製
造方法について以下に例示する。
【0080】大粒径のチタン含有固体触媒成分(α)と
有機アルミニウム(β)、および所望に応じて使用され
る有機ケイ素化合物(γ)との組合せからなる立体規則
性触媒の存在下、気相中で(x−BC)成分の重合(第1
重合工程)を行い、次いで、(y−BC)成分の重合(第
2重合工程)を行うことにより、製造するのが好まし
い。
【0081】ここで、立体規則性触媒におけるチタン含
有固体触媒(α)は、無担体でも使用できるが、マグネ
シウム化合物、シリカ化合物及びアルミナ等の無機担体
やポリスチレン等の有機担体に担持して用いてもよく、
さらには、エーテル類やエステル類の電子供与体を反応
させて付加したものを用いることも可能である。
【0082】具体例としては、マグネシウム化合物のア
ルコール溶液を噴霧して得られるマグネシウム化合物の
アルコール付加物からなる固体粒子を部分乾燥し、次い
で、ハロゲン化チタン及び電子供与体で処理してなるチ
タン含有固体触媒(特開平3−119003号公報)、
及びマグネシウム化合物をテトラヒドロフラン/アルコ
ール/電子供与体の溶液に溶解し、ハロゲン化チタン単
独又はハロゲン化チタンと電子供与体とを組合せて析出
させたマグネシウム化合物担体をハロゲン化チタン及び
電子供与体で処理してなるチタン含有固体触媒(特開平
4−103604号公報)を挙げることができる。
【0083】また、チタン含有固体触媒(α)として
は、平均粒径が25〜300μm、好ましくは30〜1
50μmのもの、更に、粒径分布は正規分布における均
一度が2.0以下のものが、得られるブロック共重合体
粒子の流動性が良好であり長時間の安定運転が可能とな
り好ましい。
【0084】有機アルミニウム化合物(β)としては、
一般式がAlR1 p2 q3-(p+q)(式中、R1およびR2
は同種または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、
アリ−ル基等の炭化水素基およびアルコキシ基を、Xは
ハロゲン原子若しくは水素原子を表わし、pおよびq
は、0<p+q≦3の正数を表わす)で表わされる有機
アルミニウム化合物を好適に使用することができる。
【0085】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−i−ヘキシルアル
ミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジ−n-プロピルアルミニウムクロライド、ジ−i
−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等の
ジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアル
キルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウム
ジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド
などの他ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコ
キシアルキルアルミニウム挙げることができ、好ましく
は、トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミ
ニウムモノハライドを使用する。これらの有機アルミニ
ウム化合物は、1種だけでなく2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0086】有機ケイ素化合物(γ)としては、トリメ
チルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−i−プロ
ピルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、シクロペンチルメチルジメト
キシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシ
クロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、2−ノルボル
ニルメチルジメトキシシラン等の分子中にSi−O−C
結合を有する有機ケイ素化合物等を挙げることができ
る。
【0087】ブロック共重合体(BC)の製造において
は、上記のようなチタン含有固体触媒成分(α)、有機
アルミニウム化合物(β)及び所望に応じて有機ケイ素
化合物(γ)を配合した立体規則性触媒を、第1重合工
程のプロピレンもしくはプロピレンとオレフィンとの
(共)重合に用いる。この際、オレフィン(共)重合体
組成物(I)と同様に、チタン含有固体触媒成分(α)
はエチレンによる予備活性化処理により固有粘度が15
〜100dl/gの高分子量ポリエチレンを担持させた
予備活性化処理触媒として使用することが好ましい。
【0088】重合方式は、回分式、半連続式または連続
式のいずれであってもよいが、工業的には連続式を採用
することが好ましい。
【0089】ブロック共重合体(BC)の製造において、
第1重合工程は、気相重合法、スラリー重合法、塊状重
合法を採用することができるが、この工程に引き続いて
行う第2重合工程は気相重合法とすることが好ましいこ
とから、第1重合工程も気相重合法とすることが好まし
い。尚、第2重合工程としてスラリー重合法や塊状重合
法を採用すると、(y−BC)成分が溶液中に溶出し、安
定運転の継続が困難になることがあるため、好ましくな
い。
【0090】第1重合工程における(x−BC)成分の重
合条件は、採用する重合形式によっても異なるが、気相
重合法の場合、一定量のポリプロピレンパウダーを分散
剤として混合撹拌しながら、予備活性化されたチタン含
有触媒等を含有する立体規則性触媒の存在下、重合温度
を20〜120℃、好ましくは40〜100℃、重合圧
力を大気圧から9.9MPa、好ましくは0.59〜
5.0MPaに制御して、プロピレンと必要に応じてプ
ロピレン以外のオレフィンを供給し、重合を行う。
【0091】この際、有機アルミニウム(β)とチタン
含有触媒成分(α)の使用割合は、Al/Ti=1〜5
00(モル比)、好ましくは10〜30の範囲とする。
また、有機アルミニウム化合物(β)と有機ケイ素化合
物(γ)の使用割合は、通常Al/Si=1〜10(モ
ル比)であり、好ましくは、1.5〜8である。
【0092】(x−BC)成分の分子量は、その固有粘度
[ηX-BC]が固有粘度[ηX]の所定の範囲を満足する
よう、水素等の分子量調節剤を使用することで調節す
る。
【0093】(x−BC)成分を重合した後、生成したパ
ウダーの一部を抜き出し、固有粘度、プロピレン重合単
位の含有量等の測定と、触媒単位重量当たりの重合収率
の測定を行い、ポリマーの性状をチェックしておくこと
が好ましい。
【0094】次に、上記の第1重合工程に引き続いて、
(x−BC)成分を生成する第2重合工程を実施する。こ
の第2重合工程の重合条件は、重合温度は20〜120
℃、好ましくは40〜100℃、重合圧力は大気圧から
9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaに制
御して、エチレンとプロピレンの混合モノマーを供給し
て、ランダム共重合を行う。
【0095】また、(x−BC)成分の重量に対する(y
−BC)成分の重量は、重合時間を調整したり、一酸化炭
素や硫化水素等の重合活性調節剤を使用することによ
り、制御することが可能である。
【0096】(y−BC)成分の分子量は、その固有粘度
[ηy-BC]が固有粘度[ηX]の所定の範囲を満足する
よう、水素等の分子量調節剤を使用することで調節す
る。
【0097】以上の第2重合工程の終了後に、必要に応
じてモノマー除去、公知の触媒失活処理工程等の後処理
工程を経てブロック共重合体(BC)が得られる。
【0098】本発明において、オレフィン(共)重合体
組成物(II)は、ポリプロピレン(x)およびオレフィ
ンランダム共重合体(y)に、所望に応じて、安定剤、
分子量降下剤等の各種添加剤を混合して得られる。
【0099】本発明において、着色層用の樹脂組成物
[II]は、前記のオレフィン(共)重合体組成物(II)
と着色剤とを含有するものであり、その他、所望に応じ
て添加される各種添加剤によって構成される。
【0100】着色剤としては、特に限定されるものでは
なく、カーボンブラック、ベンガラ系、キナクリドン
系、フタロシアニン系、ベンジジン系、チタン系の顔
料、ならびにアゾ系、アントラキノン系の顔料および染
料を例示することができる。
【0101】また、各種添加剤としては、酸化防止剤、
中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤等の安定剤、タルク、炭
酸カルシウム等の無機フィラー、造核剤、帯電防止剤、
難燃剤等を挙げることができる。
【0102】樹脂組成物[II]に含有される上記各成分
の混合には、例えばヘンシェルミキサー(商品名)、ス
ーパーミキサー(商品名)などの高速撹拌機付混合機、
リボンブレンダー、タンブラーなどの通常の混合装置を
使用すればよい。また、溶融混練を必要とする場合には
単軸押出機あるいは二軸押出機などが使われる。混練温
度は190〜300℃が一般的であり、好ましくは20
0〜270℃である。また、オレフィン(共)重合体組
成物(II)を得るためのポリプロピレン(x)とオレフ
ィンランダム共重合体(y)との混合をこれら添加剤と
の混合と同時に行ってもよい。
【0103】本発明のポリオレフィン系多層中空成形体
は、前述の樹脂組成物[I]からなる基層を内層側と
し、前述の樹脂組成物[II]からなる着色層を表層側と
する2層以上の多層中空成形体である。
【0104】本発明のポリオレフィン系多層中空成形体
の多層構造としては、基層を内層とし、着色層を表面層
とした二層構造(基層/表面層)、基層を内層とし、着
色層を表面層とし、さらに透明層を設けた三層構造(基
層/表面層/最表面層)が例示できる。このとき透明層
(最表面層)としては、透明性が高い(共)重合体を用
いることが必要であり、このような(共)重合体として
は、プロピレン単独重合体やプロピレン−オレフィンラ
ンダム共重合体、オレフィン(共)重合体組成物(II)
等が例示できる。これらを用いることで、成形体は高い
光沢を示し、またプロピレン単独重合体を用いること
で、表面の傷付き防止に効果があり好ましい。
【0105】本発明において、多層中空成形体の製造方
法としては、複数の押出機と多層ダイを用いた多層中空
成型方法が例示できる。具体的には、基層用の押出機に
樹脂組成物[I]を供給し、表面層用の押出機に樹脂組
成物[II]を供給し、多層ダイを介して多層パリソンを
押出し、また必要に応じてプリブローを行い、中空成型
用金型、好ましくは金型表面の空気抜き対策を施した金
型に該パリソンを保持させ、次いで、該パリソンの内部
へ加圧空気(0.5〜1MPa)を吹き込むことによっ
てパリソンを膨張させて金型内壁へ圧接し、成形体の形
状が固定されるまで空気圧を保持する成型方法を例示で
きる。
【0106】更に、多層中空成形体の表面光沢を高める
ために、特開平2−88216号公報、特開平4−35
1526号公報、特開平4−77231号公報、特開平
8−276431号公報、特開平6−91736号公
報、特開平8−25468号公報、特開平8−4796
6号公報、特開平7−314538号公報等に開示され
た転写技術を採用することが好ましい。
【0107】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
さらに詳細に説明する。実施例および比較例において使
用する用語の定義および測定方法は以下の通りである。
【0108】−樹脂組成物− 固有粘度[η]:オストヴァルト粘度計(三井東圧化学
(株)製)を用い、135℃のテトラリン中で測定した
値(単位:dl/g)。 共重合体中のコモノマー重合単位の含有量:13C−NM
R法(日本電子(株)製FT−NMRスペクトロメータ
ー)で測定された各ピークの面積から算出した(単位:
重量%)。
【0109】−多層中空成形体− 外観性:押出温度200℃、一定のダイギャップで1.
0kgのパリソンを押出し、幅150mm×長さ300
mm×厚み20mm、胴部中央部の肉厚3mmの中空成
形体を成形し、得られた中空成形体の外観を目視で評価
した。 発色性:上記中空成形体の表面を目視で評価した。 ○:色に深みがあり鮮明で、見栄えがよい。 ×:色の深み、鮮明度がなく、見栄えがよくない。
【0110】基層に用いる樹脂組成物[I]の製造 各実施例、比較例で基層に用いる樹脂組成物[I]の製
造について以下に示す。
【0111】オレフィン(共)重合体組成物(I−A) (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 撹拌機付きステンレス製反応器中に、デカン37.5リ
ットル、無水塩化マグネシウム7.14kg、および2
−エチル−1−ヘキサノール35.1リットルを入れ、
140℃で4時間加熱攪拌して均一な溶液とした。この
溶液に無水フタル酸1.67kgを添加し、130℃で
1時間さらに撹拌して、無水フタル酸を均一に溶解し
た。
【0112】得られた均一溶液を室温(23℃)に冷却
した後、−20℃に保持した四塩化チタン200リット
ル中に3時間かけて全量滴下した。滴下終了後、4時間
かけて110℃に昇温し、同温度を保持しながらフタル
酸ジ−i−ブチル5.03リットルを添加し、さらに2
時間撹拌を継続して反応させた。反応終了後、熱濾過に
より採取した固体部を275リットルの四塩化チタン中
に懸濁させ、再び110℃で2時間攪拌して、反応を継
続させた。
【0113】反応終了後、再び熱濾過により固体部を採
取し、洗浄液中に遊離のチタンが検出されなくなるまで
n−ヘキサンにて充分洗浄した。続いて、濾過により溶
媒を除去し、得られた固体部を減圧乾燥して、チタン
2.4重量%を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷
移金属化合物触媒成分)を得た。
【0114】(2)チタン含有担持型触媒成分の予備重
合 窒素置換したステンレス製反応器(内容積3リットル、
傾斜羽根付き)に、n−ヘキサン1.8リットル、トリ
エチルアルミニウム6mmol、ジイソプロピルジメト
キシシラン0.6mmol、および前項で調整したチタ
ン含有担持型触媒成分15g(チタン原子換算で7.5
16mmol)を添加した後、プロピレン25gを供給
し、20℃で4時間、予備重合を行った。分析の結果、
チタン含有担持型触媒成分1g当たり、1.4gのポリ
プロピレンが生成していた。
【0115】(3)オレフィン(共)重合体組成物(I
−A)の製造 窒素置換した連続式横型気相重合器(I)(内容積11
0リットル、撹拌機付き、長さ/直径=3.7)に、ポ
リプロピレンパウダーを25kg装入し、前項で予備重
合したチタン含有担持型触媒成分をチタン含有担持型触
媒成分として0.62g/hで供給し、同時に、トリエ
チルアルミニウムおよびジイソプロピルジメトキシシラ
ンをチタン含有担持型触媒成分中のチタン原子に対し、
それぞれモル比が90および15となるように、いずれ
も15重量%n−ヘキサン溶液として、連続的に供給し
た。
【0116】重合温度70℃の条件下、重合器内の圧力
が1.77MPaを保持するようにプロピレンを供給
し、同時に重合器内の水素濃度のプロピレン濃度に対す
るモル比が0.0013となるように水素を供給して、
第1重合工程のプロピレンの気相重合を実施した。得ら
れたポリマーの一部を抜き出し、分析を行ったところ、
第1重合工程で得られたプロピレン単独重合体の固有粘
度[ηI-PP]は2.7dl/gであった。
【0117】60℃に保った連続式横型気相重合器(I
I)(内容積110リトル、撹拌機付き、長さ/直径=
3.7)に第1重合工程で得られたポリマーを連続して
供給しながら、重合器内の圧力が1.57MPaを保持
するようにプロピレンを供給し、同時に重合器内のプロ
ピレンに対する水素モル比およびエチレンモル比が0.
016および0.2を保つように水素およびエチレンを
供給して、第2重合工程のランダム共重合を実施した。
【0118】重合期間中は重合器内の重合体の保有レベ
ルが60容積%を維持するように重合器からポリマーを
9.5kg/hの速度で抜き出した。
【0119】抜き出したポリマーを、水蒸気を5容積%
含む窒素ガスにより100℃にて30分間接触処理し、
固有粘度[ηI]が2.8dl/g、エチレン重合単位
の含有量が8.0重量%のブロック共重合体(オレフィ
ン(共)重合体組成物(I−A))を得た。
【0120】得られたポリマー中の第2重合工程で得ら
れたエチレン−プロピレンランダム共重合体の重合割合
I-BCは14.0重量%、エチレン重合単位の含有量は
57重量%、固有粘度[ηI-RC]は3.41dl/gで
あった。
【0121】尚、第2重合工程で得られたポリマーのエ
チレン重合単位の含有量と重合割合は、予めエチレン/
プロピレンの反応量比を変化させて調製した共重合体を
標準サンプルとして、赤外線吸収スペクトルで検量線を
作り、第2重合工程で得られたポリマー中のエチレン重
合単位の含有量を求め、更に全ポリマー中のエチレン重
合単位の含有量から第1重合工程と第2重合工程で得ら
れた重合体の重合割合を算出した。
【0122】また、第2重合工程で生成したポリマーの
固有粘度[ηI-BC]は、第1重合工程で生成したポリプ
ロピレンの固有粘度[ηI-PP]、最終的に得られたブロ
ック共重合体の固有粘度[ηI]および第2重合工程で
生成したランダム共重合体の全重合体に対する重合割合
I-BCから次式により求められる。 [ηI-BC]={[ηI]×100−[ηI-PP]×(100−W
I-BC)}/WI-BC
【0123】(4)樹脂組成物[I]の製造 樹脂組成物[I]の製造例として以下に樹脂組成物(I−
A),(I−B),(I−C),(I−D),(I−E)を示
す。 樹脂組成物(I−A) 上記のオレフィン(共)重合体組成物(I−A)を10
0重量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’
−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタンを0.15重量部、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを
0.15重量部、ステアリン酸カルシウムを0.1重量
部の割合で混合し、次いでシリンダー設定温度230
℃、バレル内径65mmの造粒機を用いてペレット状の
樹脂組成物(I−A)を製造した。
【0124】樹脂組成物(I−B) オレフィン(共)重合体組成物(I−A)の製造条件を変
え、表1に示すプロピレン単独重合体であるオレフィン
(共)重合体組成物(I−B)を製造した。このオレフ
ィン(共)重合体組成物(I−B)を100重量部に対
して、低密度ポリエチレン[MFR(190℃;21.
18N)2.5g/10min、密度0.918g/c
3]とエチレン−プロピレン共重合体ゴム[MFR
(190℃;21.18N)0.4g/10min、プ
ロピレン重合単位の含有量23重量%]を各10重量
部、テトラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t
−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンを0.15重量部、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイトを0.15重量部、
ステアリン酸カルシウムを0.1重量部の割合で混合
し、次いでシリンダー設定温度230℃、バレル内径6
5mmの造粒機を用いてペレット状の樹脂組成物(I−
B)を製造した。
【0125】樹脂組成物(I−C) 前記のオレフィン(共)重合体組成物(I−A)を10
0重量部に対して、タルク(平均粒径2μm)を20重
量部、エチレン−プロピレン共重合体ゴム[MFR(1
90℃;21.18N)0.4g/10min、プロピ
レン重合単位の含有量23重量%]を20重量部、テト
ラキス[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
を0.15重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)フォスファイトを0.15重量部、ステアリン
酸カルシウムを0.1重量部の割合で混合し、次いでシ
リンダー設定温度230℃、バレル内径65mmの造粒
機を用いてペレット状の樹脂組成物(I−C)を製造し
た。
【0126】樹脂組成物(I−D) オレフィン(共)重合体組成物(I−B)の製造条件を変
え、表1に示すプロピレン単独重合体であるオレフィン
(共)重合体組成物(I−D)を製造し、樹脂組成物
(I−B)と同様の組成及び加工条件で、樹脂組成物
(I−D)を製造した。
【0127】樹脂組成物(I−E) オレフィン(共)重合体組成物(I−B)の製造条件を変
え、表1に示すプロピレン単独重合体であるオレフィン
(共)重合体組成物(I−E)を製造し、樹脂組成物
(I−B)と同様の組成及び加工条件で、樹脂組成物
(I−E)を製造した。
【0128】オレフィン(共)重合体組成物(II)の製
造 オレフィン(共)重合体組成物(II)の製造例として、
以下にオレフィン(共)重合体組成物(II−A),(II
−B),(II−C),(II−D),(II−E)を示す。
【0129】オレフィン(共)重合体組成物(II−A)
の製造 (1)チタン含有固体触媒成分(α)の調製 窒素置換したステンレス製オートクレーブに、無水Mg
Cl2953g、および乾燥EtOH3.52リットル
を入れ、105℃で加熱攪拌して溶解させた。1時間撹
拌後、105℃に加熱した加圧窒素(1.1MPa)で
この溶液を2流体スプレーノズルからスプレー塔中に噴
霧した。窒素ガスの流量は38リットル/minであっ
た。スプレー塔内は冷却用として導入した液体窒素によ
り−15℃に保持した。塔内底部の冷却ヘキサン中に捕
集された生成物2730gを得た。生成物の分析結果か
ら、このものの組成はMgCl2・6EtOHであっ
た。
【0130】この生成物を篩い分け、粒径45〜212
μmで球状の担体2180gを得た。得られた担体を、
30リットル/minの流量の窒素を用いて、室温で2
00時間通気乾燥を行い、組成がMgCl2・EtOH
の乾燥担体を得た。
【0131】ステンレス製反応器に、精製1,2−ジク
ロルエタン4.8リットル、乾燥担体400g、四塩化
チタン3.2リットルを装入し、撹拌下に100℃に加
熱した後、フタル酸ジ−i−ブチル0.136リットル
を加え、更に100℃で2時間加熱した後、熱濾過によ
り液層部を除いた。得られた固体部に精製1,2−ジク
ロルエタン6.4リットル、および四塩化チタン3.2
リットルを加え、100℃で1時間加熱した後、熱濾過
により液層部を除いた。得られた固体を、洗浄液中に遊
離のチタンが検出されなくなるまで精製ヘキサンにて十
分洗浄した。次いで、濾過により溶媒を分離し、固体部
を乾燥して平均粒径115μm、チタン含有量1.6重
量%のチタン含有固体触媒成分(α)を得た。
【0132】(2)チタン含有固体触媒成分(α)の予
備重合 窒素置換したステンレス製反応器(内容積3リットル、
傾斜撹拌翼付き)に、40℃での動粘度が7.3センチ
ストークの飽和炭化水素溶剤(エッソ石油(株)製CR
YSTOL−52)1.7リットル、トリエチルアルミ
ニウム105mmol、ジイソプロピレジメトキシシラ
ン16mmol、および前項で調製したチタン含有固体
触媒成分140gを装入し、40℃でプロピレン分圧が
0.15MPaを保つようプロピレンを供給して、7時
間反応させて、予備重合を行った。分析の結果、チタン
含有固体触媒1g当たり3.0gのポリプロピレンが精
製していた。
【0133】(3)プロピレン−オレフィンブロック共
重合体の製造 窒素置換した連続式横型気相重合器(I)(内容積10
0リットル、撹拌機付き、長さ/直径=6)にポリプロ
ピレンパウダーを25kg導入し、前項で予備重合を行
ったチタン含有固体触媒成分をチタン含有固体触媒とし
て0.5g/hで、さらにトリエチルアルミニウム、お
よびジイソプロピルジメトキシシランをチタン含有固体
触媒成分中のチタン原子に対し、それぞれモル比が90
および30となるように連続的に供給した。
【0134】重合温度70℃で、重合器内の圧力が2.
6MPaを保持するようにプロピレンを連続的に供給
し、同時に、ポリプロピレンの固有粘度を調整するため
に、プロピレンに対する水素のモル比=0.003を保
持するよう水素を連続的に供給して、第1重合工程のプ
ロピレンの気相重合を実施した。得られたポリマーの一
部を抜き出し、分析を行った結果、このポリプロピレン
の固有粘度[ηx-BC]は2.50dl/gであった。
【0135】第1重合工程で得られたポリマーを、連続
式横型気相重合器(II)(内容積100リットル、撹拌
機付き、長さ/直径=6)に連続的に供給しながら、重
合温度60℃で、重合器内の圧力が2.1MPaを保持
するようプロピレンを連続的に供給し、同時に、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体の固有粘度[ηy-BC
およびエチレン重合単位の含有量を調整するために、プ
ロピレンに対する水素モル比(=0.058)およびエ
チレンモル比(=0.23)を保持するように水素およ
びエチレンを供給して、第2重合工程のエチレンとプロ
ピレンのランダム共重合を実施した。また、ブロック共
重合体中のエチレン−プロピレンランダム共重合体の含
有割合を調整するために一酸化炭素を供給した。
【0136】重合期間中は重合器内のポリマーの保有レ
ベルを50容積%に維持するように重合器から10.5
kg/hの速度で粉体を抜き出した。
【0137】抜き出した粉体を、水蒸気を5容積%含む
窒素ガスにより100℃にて30分間接触処理し、固有
粘度[ηII-BC]が2.45dl/g、エチレン重合単
位の含有量が8.75重量%のポリマーを得た。
【0138】得られたポリマー(II−A)は、ポリプロ
ピレン(x)に該当するプロピレンホモポリマー成分の
含有量75重量%、オレフィンランダム共重合体(y)
に該当するエチレン−プロピレンランダム共重合体成分
の含有率25重量%のブロック共重合体(II−A)であ
り、エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の固有
粘度[ηy-BC]は2.30dl/g,エチレン−プロピ
レンランダム共重合体成分中のエチレン重合単位の含有
量は35重量%であった。
【0139】尚、第2重合工程で得られたエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体中のエチレン重合単位の含有
量と重量割合は、予めエチレン−プロピレンの反応量比
を変化させた共重合体を調整し、これを標準サンプルと
して、赤外吸収スペクトルで検量線を作り、前記ランダ
ム共重合体中のエチレン重合単位の含有量を求め、更に
全ポリマー中のエチレン重合単位の含有量から重合割合
を算出した。
【0140】エチレン−プロピレンランダム共重合体の
固有粘度[ηy-BC]は、ブロック共重合体中の第1重合
工程で生成したポリプロピレンの含有量Wx-BC(単位:
重量%)と第2重合工程で生成したランダム共重合体の
含有量Wy-BC(単位:重量%)、ブロック共重合体の固
有粘度[ηII-BC]とポリプロピレンの固有粘度[ηx
-BC]から次式により求められる。 [ηy-BC]=([ηII-BC]×100−[ηx-BC]×W
x-BC)/Wy-BC
【0141】(4)樹脂組成物[II]の製造 樹脂組成物[II]の製造例として、以下に樹脂組成物
(II−A),(II−B),(II−C),(II−D),
(II−E)を示す。 樹脂組成物(II−A) オレフィン(共)重合体組成物(II)として上記ブロッ
ク共重合体(II−A)を100重量部に対して、着色剤
としてシルバーメタリック色用の加工顔料(平均粒径が
63ミクロンのアルミニウム粉末を50重量%、カーボ
ンブラック0.85重量%、ステアリン酸亜鉛を49.
15重量%からなる混合物)を2重量部、テトラキス
[メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.
15重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイトを0.15重量部、およびステアリ
ン酸カルシウムを0.1重量部の割合で混合し、次いで
シリンダー設定温度230℃、バレル内径65mmの造
粒機を用いてペレット状の樹脂組成物(II−A)を製造
した。
【0142】樹脂組成物(II−B) ブロック共重合体(II−A)の製造条件を変え、表2に
示す、ポリプロピレン(x)成分がエチレン重合単位
2.7重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体
であるブロック共重合体(II−B)を製造した。オレフ
ィン(共)重合体組成物(II)としてこのブロック共重
合体(II−B)を100重量部に対して、着色剤として
シルバーメタリック色用の加工顔料(平均粒径が63ミ
クロンのアルミニウム粉末を50重量%、カーボンブラ
ック0.85重量%、ステアリン酸亜鉛を49.15重
量%からなる混合物)を2重量部、テトラキス[メチレ
ン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタンを0.15重量
部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイトを0.15重量部、およびステアリン酸カルシ
ウムを0.1重量部の割合で混合し、次いでシリンダー
設定温度230℃、バレル内径65mmの造粒機を用い
てペレット状の樹脂組成物(II−B)を製造した。
【0143】樹脂組成物(II−C) ブロック共重合体であるオレフィン(共)重合体組成物
(II−A)の製造条件を変え、表2に示すプロピレン−
オレフィンブロック共重合体(C)を製造した。このブ
ロック共重合体(C)を90重量部に対して固有粘度
[ηx-1]が2.2dl/gのプロピレン単独重合体を
10重量部の割合で添加してオレフィン(共)重合体組
成物(II−C)を得た。オレフィン(共)重合体組成物
(II)としてこのオレフィン(共)重合体組成物(II−
C)を100重量部に対して、着色剤としてシルバーメ
タリック色用の加工顔料(平均粒径が63ミクロンのア
ルミニウム粉末を50重量%、カーボンブラック0.8
5重量%、ステアリン酸亜鉛を49.15重量%からな
る混合物)を2重量部、テトラキス[メチレン−3−
(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタンを0.15重量部、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
を0.15重量部、およびステアリン酸カルシウムを
0.1重量部の割合で混合し、次いでシリンダー設定温
度230℃、バレル内径65mmの造粒機を用いてペレ
ット状の樹脂組成物(II−C)を製造した。
【0144】樹脂組成物(II−D) ブロック共重合体であるオレフィン(共)重合体組成物
(II−A)の製造条件を変え、表3に示すプロピレン−
オレフィンブロック共重合体であるオレフィン(共)重
合体組成物(II−D)を製造した。このブロック共重合
体を100重量部に対して、着色剤としてシルバーメタ
リック色用の加工顔料(平均粒径が63ミクロンのアル
ミニウム粉末を50重量%、カーボンブラック0.85
重量%、ステアリン酸亜鉛を49.15重量%からなる
混合物)を2重量部、テトラキス[メチレン−3−
(3’ −5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタンを0.15重量部、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイ
トを0.15重量部、ステアリン酸カルシウムを0.1
重量部の割合で混合し、次いでシリンダー設定温度23
0℃、バレル内径65mmの造粒機を用いてペレット状
の樹脂組成物(II−D)を製造した。
【0145】樹脂組成物(II−E) ブロック共重合体であるオレフィン(共)重合体組成物
(II−A)の製造条件を変え、表3に示すプロピレン−
オレフィンブロック共重合体であるオレフィン(共)重
合体組成物(II−E)を製造した。このオレフィン
(共)重合体組成物(II−E)を100重量部に対し
て、シルバーメタリック色用の加工顔料(平均粒径が6
3ミクロンのアルミニウム粉末を50重量%、カーボン
ブラック0.85重量%、ステアリン酸亜鉛を49.1
5重量%からなる混合物)を2重量部、テトラキス[メ
チレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.15
重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイトを0.15重量部、およびステアリン酸カ
ルシウムを0.1重量部の割合で混合し、次いでシリン
ダー設定温度230℃、バレル内径65mmの造粒機を
用いてペレット状の樹脂組成物(II−E)を製造した。
【0146】実施例1〜4及び7〜8、比較例1〜2 表1に示す基層用の樹脂組成物[I]として製造例(I−
A)〜(I−E)を基層用(内層用)の押出機に供給
し、表2,3に示す着色層用の樹脂組成物[II]として
製造例(II−A)〜(II−E)を着色層用(表層用)の
押出機に供給し、押出温度200℃、一定のダイギャッ
プで1.0kgの2層溶融パリソンを押出し、このパリ
ソンを40℃の金型により成形して、幅150mm×長
さ300mm×厚み20mm、胴部中央部の肉厚3mm
(基層:2.5mm、着色層:0.5mm)の多層中空
成形体を得た。得られた多層中空成形体の特性を表4に
示す。
【0147】実施例5 基層用の樹脂組成物(I−B)を基層用(内層用)の押
出機に供給し、着色層用の樹脂組成物(II−B)を着色
層用(表層用)の押出機に供給し、更に固有粘度2.2
dl/gのプロピレン単独重合体からなる樹脂組成物を
透明層用(最表層用)の押出機に供給し、押出温度20
0℃、一定のダイギャップで1.0kgの3層溶融パリ
ソンを押出し、このパリソンを40℃の金型により成形
して、幅150mm×長さ300mm×厚み20mm、
胴部中央部の肉厚3mm(基層:2.4mm、着色層:
0.4mm、透明層:0.2mm)の多層中空成形体を
得た。得られた多層中空成形体は、発色性に優れた(評
価○)成形体であった。
【0148】実施例6 最表層用の押出機に供給する樹脂組成物を、固有粘度が
2.2dl/g、1−ブテン重合単位の含有量3.5重
量%のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体に代え
た以外は実施例5と同様にして、多層中空成形体を成形
した。得られた多層中空成形体は、発色性に優れた(評
価○)成形体であった。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
【発明の効果】本発明の多層中空成形体は、顔料等の着
色剤の発色性に優れたものであり、従来のポリプロピレ
ンでは困難であった大型の家電製品、車輛の外装部品、
事務用機器部品に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/12 C08L 23/12 53/00 53/00 // C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES (C08L 23/12 23:02) (C08L 23/12 23:16 23:08) Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA15X AA20 AA20X AA75 AA88 AB03 AB18 AE09 AH07 AH12 AH16 BB05 BB06 BC04 4F100 AK03A AK03B AK07A AK07B AK62A AK62B AK64A AK64B AL01A AL01B AL03B AL05A AL05B BA02 BA16 CA13B DA01 DD31 GB16 GB32 GB48 JA06A JA06B JJ03 JK01 JK10 JL10B YY00A YY00B 4J002 BB052 BB121 BB122 BB141 BB142 BB152 BP021 DA036 DE116 DE136 EE056 EQ016 EU026 FD010 FD030 FD096 GF00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基層を内層側とし、着色層を表層側とす
    るポリオレフィン系多層中空成形体であって、前記基層
    は、オレフィン(共)重合体組成物(I)を主成分とす
    る樹脂組成物[I]からなり、前記着色層は、オレフィ
    ン(共)重合体組成物(II)と着色剤を含有する樹脂組
    成物[II]からなり、前記オレフィン(共)重合体組成
    物(II)は、ポリプロピレン(x)100重量部に対し
    て、オレフィンランダム共重合体(y)を15〜75重
    量部の割合からなり、前記ポリプロピレン(x)は、プ
    ロピレン単独重合体および/またはプロピレン重合単位
    の含有量が92重量%以上のプロピレン−オレフィンラ
    ンダム共重合体であり、前記オレフィンランダム共重合
    体(y)は、主モノマー重合単位の含有量が90重量%
    以下のオレフィンランダム共重合体であり、かつ、13
    5℃のテトラリンで測定した該オレフィンランダム共重
    合体(y)の固有粘度[ηY]と該ポリプロプレン
    (x)の固有粘度[ηX]との比[ηY]/[ηX]が
    0.7〜1.2の範囲にあることを特徴とするポリオレ
    フィン系多層中空成形体。
  2. 【請求項2】 前記オレフィン(共)重合体組成物
    (I)が、135℃のテトラリンで測定した固有粘度
    [ηI]が1.8〜4.0dl/gのプロピレン単独重
    合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含有す
    るプロピレン−オレフィン共重合体であることを特徴と
    する請求項1記載のポリオレフィン系多層中空成形体。
  3. 【請求項3】 オレフィンランダム共重合体(y)であ
    る主モノマー重合単位の含有量が90重量%以下のオレ
    フィンランダム共重合体が、プロピレン重合単位の含有
    量が80〜40重量%であるエチレン−プロピレンラン
    ダム共重合体および/またはエチレン重合単位の含有量
    が90〜40重量%のエチレン−オレフィン(オレフィ
    ンのうち、エチレン、プロピレンは除く)からなるエチ
    レン−オレフィンランダム共重合体であることを特徴と
    する請求項1〜2のいずれか1項記載のポリオレフィン
    系多層中空成形体。
  4. 【請求項4】 オレフィン(共)重合体組成物(II)
    が、ポリプロピレン(x)とオレフィンランダム共重合
    体(y)からなるブロック共重合体(II−BC)であり、
    ポリプロピレン(x)は、プロピレン単独重合体または
    プロピレン重合単位の含有量が92重量%以上のプロピ
    レン−オレフィンランダム共重合体からなる成分(以
    下、これらを総称して(x-BC)成分ということがあ
    る)であり、オレフィンランダム共重合体(y)は、プ
    ロピレン重合単位の含有量が80〜40重量%のエチレ
    ン−プロピレンランダム共重合体からなる成分(以下、
    これらを総称して(y-BC)成分ということがある)で
    あることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項記載
    のポリオレフィン系多層中空成形体。
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