JP2000281793A - 吸水性材料 - Google Patents

吸水性材料

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JP2000281793A
JP2000281793A JP11088147A JP8814799A JP2000281793A JP 2000281793 A JP2000281793 A JP 2000281793A JP 11088147 A JP11088147 A JP 11088147A JP 8814799 A JP8814799 A JP 8814799A JP 2000281793 A JP2000281793 A JP 2000281793A
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Hisakazu Tanaka
寿計 田中
Chikaya Kato
哉也 加藤
Hideyuki Ishizu
秀行 石津
Shigeki Ideguchi
茂樹 井手口
Yoshiki Hasegawa
義起 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な吸水能力及び生分解性を有する吸水性材
料、特に高吸水性吸水性材料を提供する。 【解決手段】 無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質とを
反応させた後、反応生成物を加水分解せしめて得られる
樹脂を含んでなる吸水性材料に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無水ポリ酸性アミ
ノ酸とタンパク質を反応させた後、反応生成物を加水分
解せしめて得られる樹脂を含んでなる吸水性材料に関す
る。詳しくは、吸水機能と生分解性を有し、吸水性樹脂
および吸水性・保水性を有する成形体として利用可能な
吸水性材料に関するものであり、使い捨ての衛材製品や
家庭用品、止水材、土壌改良材、結露防止剤、農園芸用
保水剤などの吸水性樹脂として利用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から吸水性樹脂としてポリアクリル
酸塩部分架橋物、デンプンアクリル酸共重合体の加水分
解物、ポリエチレンオキシド部分架橋物、ビニルアルコ
ール−アクリル酸共重合体などの吸水性能を有する高分
子化合物が知られている。しかしこれらの高分子化合物
は吸水能としては優れるものの材料が容易に低分子へ分
解できないので、廃棄後の環境保全を考えると問題であ
る。またポリエチレンオキシド部分架橋物は吸水能力そ
のものが小さく実用性がない。
【0003】また、吸水性と生分解性を併せ持つ高分子
物質としては多糖類などの天然系樹脂、およびポリアミ
ノ酸系樹脂などが知られている。
【0004】多糖類などの天然系樹脂としてはヒアルロ
ン酸、およびアルカリゲネス族に属する微生物より産出
される多糖類が高吸水性を有することが知られている
(特開平4−200389号公報)が、充分な機能を有
するものの現在の製造法では安価に、かつ大量に入手す
ることが困難である。また、安価なセルロース、デンプ
ンを原料とする吸水性樹脂としては、多糖類をアミノ酸
類と混合し加熱乾燥して得られる吸水性樹脂が知られて
いる(特開平8−89796号公報)が、吸水能力が不
十分である。
【0005】ポリアミノ酸系樹脂についてはポリアスパ
ラギン酸のポリアミンによる部分架橋物を加水分解して
得られる吸水性樹脂(特開平7−309943号公報、
特開平9−169840号公報)、ポリアミン化合物が
リジン、オルニチン、シスチン、シスタミンなどのアミ
ノ酸である吸水性樹脂(特開平7−224163号公
報)、架橋剤がエチレングリコールグリシジルエーテル
などのジエポキシ化合物である吸水性樹脂(Polym.Mate
r.Sci.Eng.,79,232,1998)が知られているが、これらの
部分架橋物は、易分解性であるものの、充分な吸水特性
を得るためには、ポリアスパラギン酸の分子量を高める
ことが不可欠である。
【0006】また、ポリアスパラギン酸(特開平9−2
02825)、ポリグルタミン酸(特開平6−3223
58)、ポリリジン(特開平8−175901)、およ
びポリグルタミン酸とポリリジンの混合溶液(J.Appl.P
olym.Sci.,58,807,1995)にγ−放射線を照射してポリ
アミノ酸架橋体を得る方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な吸水
能力及び生分解性を有する吸水性材料、特に高吸水性吸
水性材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような従来技術における種々の欠点の存在に鑑
み、鋭意検討を重ねた結果、無水ポリ酸性アミノ酸とタ
ンパク質を反応させた後、反応生成物を加水分解するこ
とにより得られる吸水性材料が、高度の吸水性及び生分
解性を有することを見出すに及んで本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、[I]本発明は、無水ポリ酸性
アミノ酸とタンパク質とを反応させた後、反応生成物を
加水分解せしめて得られる樹脂を含んでなる吸水性材料
を提供するものであり、また[II]本発明は、無水ポリ
酸性アミノ酸が、ポリこはく酸イミドである上記[I]
記載の吸水性材料を提供するものであり、[III]本発
明は、生理食塩水の吸水倍率が10g/g以上である上
記[I]又は[II]記載の吸水性材料を提供するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用される無水ポリ酸性
アミノ酸としては、ポリこはく酸イミド、およびそれら
のコポリマー、誘導体が挙げられる。これらのうちポリ
こはく酸イミドが好ましい。
【0011】無水ポリ酸性アミノ酸の分子量は、重量平
均分子量で3,000以上であることが好ましく、さら
に好ましくは5,000以上であることが好ましい。重
量平均分子量で3、000以上であるとタンパク質と反
応した後、この反応生成物を加水分解により得られる高
分子化合物が水不溶性となり、本発明の目的とする吸水
性材料を得ることが可能になる。
【0012】上記無水ポリ酸性アミノ酸の製造方法につ
いては特に限定されない。例えば(a)D/L−アスパ
ラギン酸を加熱脱水縮合することにより製造する方法、
(b)D/L−アスパラギン酸を燐酸などの触媒の存在
下加熱脱水縮合することにより製造する方法、(c)適
当な溶媒中で、D/L−アスパラギン酸を燐酸などの触
媒の存在下加熱脱水縮合することにより製造する方法、
(d)無水マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸などとアン
モニアを加熱反応させマレイミド、もしくはマレアミド
酸を経て製造する方法、(e)無水マレイン酸、フマル
酸、リンゴ酸などとアンモニアを加熱反応させマレイミ
ド、もしくはマレアミド酸を生産し、燐酸などの触媒の
存在下製造する方法等がある。
【0013】これらの反応をL−アスパラギン酸につい
て示せば下式の通りである。
【0014】
【化1】
【0015】本発明で使用されるタンパク質の種類とし
ては、無水ポリ酸性アミノ酸と反応するアミノ基を側鎖
として2個以上有するものであれば特に限定されず、ま
たタンパク質の起源についても特に限定されない。、タ
ンパク質の起源に限定されない。タンパク質を例示すれ
ば、(a)バクテリア、酵母、糸状菌、または動物細胞
などの培養物から分離回収されるタンパク質、(b)大
豆、小麦、パパイヤなどの植物組織から回収されるタン
パク質、(c)牛乳、膵臓、肝臓、毛髪、骨などの動物
組織から回収されるタンパク質などが挙げられる。これ
らのタンパク質のうち回収精製、および入手が容易であ
るものが好ましく、そのような条件を満たすタンパク質
としては、例えば、グルテニン、オリゼニン、ゼイン、
カゼイン、ニカワ、ゼラチン、大豆から回収される大豆
タンパク質等が好ましく、中でも大豆から回収されるグ
ロブリンを主とするタンパク質は回収精製が容易であ
り、また安価であることから最も好ましい。
【0016】これらのタンパク質の形態はどのようなも
のであってもよい。例えば固形状あるいは粉末状等が挙
げられる。固形状等のタンパク質を予め溶剤に溶かした
溶液が取り扱いに便利であり、均一な配合液となるので
好ましい。
【0017】無水ポリ酸性アミノ酸に対するタンパク質
の割合は、無水ポリ酸性アミノ酸100重量部に対し、
0.1重量部〜1,000重量部の範囲であることが好
ましい。0.1重量部未満の場合ゲルが形成されずポリ
酸性アミノ酸及び/又はポリ酸性アミノ酸塩とタンパク
質との架橋体を含んでなる吸水性材料は水溶解性にな
り、吸水機能を有する架橋体とはならない。。また1,
000重量部を越えると、充分な吸水性能を得ることが
困難になる。
【0018】無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質を反応
させる際、場合により架橋剤を使用してもよい。用いる
架橋剤としては、特に制限はないが、例えば多価アルコ
ール、ポリアミン架橋剤が挙げられ、これらのうち、ポ
リアミン架橋剤が好ましい。多価アルコール類として
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセ
リン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリ
ストロール、ソルビトールが挙げられる。ポリアミン架
橋剤としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ポリエーテルポリアミンなどの鎖状脂肪族ポ
リアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタン3,9−ビス
(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサンピロ[5,5]ウンデカンなどの環状脂肪族ポリア
ミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等
の芳香族ポリアミン、ダイマー酸と脂肪族ポリアミンと
から得られるポリアミド類、及びリジンなどの塩基性ア
ミノ酸が挙げられる。これらは1種、もしくは2種以上
混合して用いてもよい。
【0019】これら架橋剤の使用量は、ポリ酸性アミノ
酸及び/又はポリ酸性アミノ酸塩100重量部に対し
て、0.005〜20重量%、好ましくは0.005〜
5重量%、より好ましくは0.01〜1重量%である。
0.005重量%未満の場合には架橋効果が現れず、ま
た20重量%を超えて使用しても架橋剤の使用量に見合
った効果は得られず、吸水倍率が著しく小さくなる場合
がある。また、無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質を架
橋させる方法として、ジスルフィド結合を導入すること
もできる。無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質のジスル
フィド結合による架橋方法はUS−4,556,689
において詳しく述べられており、例示されている様々な
方法をそのまま用いることが可能である。例示すると、
(a)タンパク質中のアミノ基に、3−メルカプトプロ
ピルイミド塩酸塩、メチル4−メルカプトブチルイミド
塩酸塩、2−イミノチオラクトン、N−アセチルホモシ
ステインチオラクトンなど公知の架橋剤を用いてメルカ
プト基を導入し、システインなどを用いてチオール基を
導入した無水ポリ酸性アミノ酸と反応させることにより
導入する方法;(b)タンパク質中のアミノ基に、架橋
剤を用いてメルカプト基と反応しうるマレイミド基など
の官能基を導入し、チオール基を導入した無水ポリ酸性
アミノ酸と反応させることにより導入する方法などであ
る。
【0020】さらに、ポリ酸性アミノ酸塩とタンパク質
の架橋体を水中で膨潤させ放射線を照射することにより
さらに架橋しても良い。放射線としてはα線、β線、γ
線、電子線、中性子線、X線、荷電子線が挙げられ、好
ましくはγ線が用いられる。γ線吸収量は、好ましくは
1〜500KGyであり、通常室温、常圧下で架橋が進
行する。また、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中であ
るのがより好ましい。
【0021】本発明の吸水性材料の製造方法は、無水ポ
リ酸性アミノ酸とタンパク質を、場合により架橋剤の存
在下反応させた後、反応生成物を、pHを調整した水溶
液中で加水分解することにより得られる。
【0022】無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質を反応
させる際には、両者を均一にかつ充分に混合することが
望ましい。混合方法は特に限定されるものではなく、例
えば 1)両者を固体同士で混合する方法、2)両者を溶液状
態もしくは懸濁状態で混合する方法、3)何れか一方を
溶液状態もしくは懸濁状態とし、これに他方を添加して
混合する方法等、種々の方法を採用することができる。
これらの混合方法のうち、2)の方法が好ましい。
【0023】上記の混合方法において、溶媒は必要に応
じて使用される。使用する溶媒としては、無水ポリ酸性
アミノ酸、およびタンパク質が容易に溶解、もしくは懸
濁する必要があるため、水を用いることが最も好まし
い。
【0024】無水ポリ酸性アミノ酸の水溶液又は水懸濁
液とタンパク質の水溶液又は水懸濁液を混合することに
より上記混合が達成される。無水ポリ酸性アミノ酸とタ
ンパク質の水溶液、又は水懸濁液の濃度は0.1重量%
〜50重量%の範囲内であることが好ましい。水溶液ま
たは水懸濁液の濃度が0.1重量%に満たない場合に
は、該水溶液または水懸濁液量が多くなるとともに、水
を除去するために長時間加熱しなければならないので、
製造効率が低下する。また、濃度が50重量%を越える
場合には、該水溶液または水懸濁液中に充分均一に懸濁
させることが困難となるため好ましくない。
【0025】本発明にかかる吸水性材料は、無水ポリ酸
性アミノ酸とタンパク質とを加熱して反応を行うと共
に、反応生成物を加水分解することにより得ることがで
きる。加熱温度は、10℃〜200℃の範囲内であるこ
とが好ましく、20℃〜180℃の範囲内であることが
より好ましい。加熱温度が10℃に達しない場合には、
上記の反応が殆ど進行しないため好ましくない。また、
加熱温度が200℃を越える場合には、着色するため好
ましくない。加熱時間は、特に限定されるものではな
く、無水ポリ酸性アミノ酸、タンパク質、および溶媒の
種類や組み合わせ、加熱温度、所望する吸水性材料の物
性等に応じて適宜設定すればよい。具体的には、例え
ば、加熱温度が120℃である場合には、加熱時間は、
1分間から5時間とすればよい。
【0026】加水分解反応は、固形状反応生成物にアル
カリ水溶液を滴下するか、該生成物をアルカリ水溶液中
に加え、0〜100℃、好ましくは20〜50℃で、
0.5〜24時間反応させることにより行われる。アル
カリ水溶液に使用するアルカリは特に限定されず、例え
ばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合
物等の水酸化物または炭酸塩が挙げられ、具体的には、
LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2 Ca(O
H)2 Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、MgCO3
CaCO3が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水
酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの0.1〜40
重量%水溶液を用いるのが一般的である。加えるアルカ
リの量は反応生成物のイミド環基1molに対し0.2
〜2.0molを用いることが好ましい。
【0027】反応終了後、反応生成物を多量のメタノー
ル、エタノール、アセトンなどに投入し、高分子化合物
を沈殿させることにより単離するか、またはイオン交換
水を蒸発乾固することにより目的物を得る。
【0028】本発明の吸水性材料は、吸水性および生分
解性の両方に優れている。
【0029】吸水性能は日本工業規格に規定されている
高吸水性樹脂の吸水量試験方法(JIS K−722
3)によるティーバック法による吸水量の試験により測
定ができる。ティーバック法で評価した場合、本発明に
よる吸水性材料は、イオン交換水に対し20倍以上、生
理食塩水(0.9重量%生理食塩水)に対して5倍以上
の吸水能を有する。
【0030】さらに、本発明による吸水性材料は土中の
細菌や微生物などにより分解可能な生分解性を有してい
るので、土中に埋めるだけで分解される。このため、廃
棄処分が簡単であり、かつ安全性に優れ、環境汚染など
の環境衛生問題を引き起こすこともない。従って、吸水
性材料は従来から知られている吸水性樹脂の全ての用途
に適用可能である。例えば、オムツや生理用品などの衛
生用品等の衛生分野、バップ剤用途などでの医療分野、
廃泥ゲル化剤などとしての土木・建築分野、食品分野、
工業分野、土壌改質剤、および保水剤などとしての農業
・園芸分野など多種多様な分野に利用することができ
る。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明する。なお、吸水性材料の諸性質は以下の方法で測定
した。 吸水倍率:例中、吸水性材料の吸水能は日本工業規格、
JIS K−7223に記載されている高吸水性樹脂の
吸水量試験方法に基づき行った。すなわち、乾燥樹脂
0.20g(0.9%塩化ナトリウムに対しては1.0
0g)を255メッシュナイロンシャー製のティーバッ
グ(200mm×100mm)に入れ、1000mlの
イオン交換水、または0.9%塩化ナトリウム水溶液に
浸漬して該樹脂を一定時間膨潤させた後、ティーバッグ
を引き上げて10分間水切りを行い、重量を測定した。
同様の操作をティ−バッグのみで行った場合の重量をブ
ランクとして測定を行った。吸水倍率W(g/g)は、
試料の質量a(g)、試料を入れたティ−バッグを所定
時間浸漬し、水切り後の質量b(g)、試料を入れない
ティ−バッグを所定時間浸漬し、水切り後の質量の平均
値c(g)から、次式に従って算出した。
【0032】
【数1】
【0033】(b)生分解率:生分解性試験は、修正M
ITI試験に従って実施した。即ち基礎培養液200m
lに、試験物質としての吸水性材料を100ppmとな
るように添加すると共に、活性汚泥を30ppmとなる
ように添加した。その後、この基礎培養液を暗所下で2
5℃に保ち、振とうしながら28日間培養した。上記期
間中、活性汚泥により消費された酸素量を定期的に測定
し、生物化学的酸素要求量(BOD)曲線を求めた。生
分解率(%)は、上記BOD曲線から得られる試験物質
(高分子組成物)の生物化学的酸素要求量A(mg)
と、BOD曲線から得られるブランク、つまり、基礎培
養液の酸素要求量B(mg)と、試験物質を完全酸化さ
せる場合に必要な全酸素要求量(TOD)C(mg)と
から、次式
【0034】
【数2】
【0035】に従って算出した。
【0036】[参考例1]1Lの金属製セパラブルフラス
コにL−アスパラギン酸100gおよび85%燐酸50
gを仕込み、反応温度180℃、減圧度600Paで、
攪拌しながら3.5時間反応させた。反応終了後、フラ
スコ中にDMF400mlを添加し反応生成物を均一に
溶解させた。得られた溶液をイオン交換水1.5Lに滴
下し生成樹脂を再沈させた後、スラリーをミキサーで粉
砕し減圧濾過を行った。ろ過後、イオン交換水のpHが
中性になるまで洗浄を行い、得られたケーキを150℃
で24時間熱風乾燥して、72.5gの白色粉末を得
た。得られた樹脂をGPCで測定した結果、重量平均分
子量は125,000であった。
【0037】[参考例2]参考例1と同様に、L−アスパ
ラギン酸100gを浴温260℃、窒素雰囲気下で、攪
拌しながら6時間反応させた。反応終了後、参考例1と
同様の操作により68.3gの白色粉末を得た。得られ
た樹脂をGPCで測定した結果、重量平均分子量は9,
000であった。
【0038】[参考例3]1Lのナスフラスコにマレイミ
ド25gをハイドロキノン25mgと共に入れ、水酸化
ナトリウム0.25gを添加した。反応温度100℃
で、減圧下3時間反応させた。参考例3で得られた生成
物25gを水およびメタノールで数回洗浄し、減圧下8
0℃で2時間乾燥し黄白色のポリこはく酸イミド23.
7gを得た。得られたポリこはく酸イミドをGPCで測
定した結果、重量平均分子量は2万であった。
【0039】[実施例1]参考例1で得たポリこはく酸イ
ミド10gをイオン交換水50gに懸濁し、これに大豆
タンパク質(不二製油製)1gをイオン交換水10gに
懸濁した液に添加した。添加後得られた混合物を、乾燥
機を用いて120℃で70分間加熱することにより、乾
燥物10.5gを得た。この乾燥物を100gのイオン
交換水に水酸化ナトリウム4.2gを溶解した液を添加
して室温で3時間攪拌し加水分解させ、粘ちょう液を得
た。この液にメタノール600mlを添加し、生成した
沈殿物を減圧ろ過後、メタノールで洗浄し、60℃で1
2時間減圧乾燥して白色粉末状の樹脂8.4gを得た。
得られた吸水性材料の吸水倍率、および生分解率を表1
に記載した。
【0040】[実施例2]実施例1において、大豆タンパ
ク質を10.0gに代えた他は実施例1と同様にして白
色粉末状の樹脂16.6gを得た。得られた吸水性材料
の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0041】[実施例3]実施例1において、参考例2に
おいて得た無数ポリアミノ酸に代えた他は実施例2と同
様にして白色粉末状の樹脂9.8gを得た。得られた吸
水性材料の吸水倍率、および生分解率を表1に記載し
た。
【0042】[実施例4]実施例1において、参考例3に
おいて得た無数ポリアミノ酸に代えた他は実施例2と同
様にして白色粉末状の樹脂9.5gを得た。得られた吸
水性材料の吸水倍率、および生分解率を表1に記載し
た。
【0043】[比較例1]実施例1において、大豆タンパ
ク質を0.005gに代えた他は実施例1と同様にして
白色粉末状の樹脂8.4gを得た。得られた吸水性材料
の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の吸水性材料は、高吸水性を有
し、かつ生分解性を有するので、土中の細菌や微生物な
どにより土中に埋めるだけで分解され、廃棄処分が簡単
であり、かつ安全性に優れ、環境汚染などの環境衛生問
題を引き起こすこともない。従って、オムツや生理用品
などの衛生用品等の衛生分野、医療分野、土木・建築分
野、食品分野、工業分野、農園芸分野など多種多様な分
野に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/14 ZAB C08L 101/14 ZAB (72)発明者 長谷川 義起 大阪府大阪市淀川区東三国3−2−15− 308 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA11 BA24 BB10 DA19 4J001 DA01 DB09 DB10 DC07 EA36 FA03 GE11 JA20 4J002 CL02X CM04W GD03 4J031 AA04 AA57 AB06 AC07 AD01 AE19 AF01 AF07 AF17 CD05 4J043 PA02 PA15 QB06 RA34 SA05 SA62 SB01 XA02 XA03 XA12 XA19 YB02 YB08 YB14 YB31 ZA04 ZB60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水ポリ酸性アミノ酸とタンパク質とを
    反応させた後、反応生成物を加水分解せしめて得られる
    樹脂を含んでなる吸水性材料。
  2. 【請求項2】 無水ポリ酸性アミノ酸が、ポリこはく酸
    イミドである請求項1記載の吸水性材料。
  3. 【請求項3】 生理食塩水の吸水倍率が10g/g以上
    である請求項1又は2記載の吸水性材料。
JP11088147A 1999-03-30 1999-03-30 吸水性材料 Pending JP2000281793A (ja)

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