JP2000281915A - 吸水性材料 - Google Patents

吸水性材料

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JP2000281915A
JP2000281915A JP11088144A JP8814499A JP2000281915A JP 2000281915 A JP2000281915 A JP 2000281915A JP 11088144 A JP11088144 A JP 11088144A JP 8814499 A JP8814499 A JP 8814499A JP 2000281915 A JP2000281915 A JP 2000281915A
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protein
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JP11088144A
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Hisakazu Tanaka
寿計 田中
Chikaya Kato
哉也 加藤
Hideyuki Ishizu
秀行 石津
Shigeki Ideguchi
茂樹 井手口
Yoshiki Hasegawa
義起 長谷川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使い捨ての衛材製品や家庭用品、止水材、土壌
改良材、結露防止剤、農園芸用保水剤などの吸水性樹脂
として利用可能な吸水特性を有し、かつ生分解性を有す
る吸水性材料を複雑な工程を経ることなく安価に提供す
ること。 【解決手段】 ポリ酸性アミノ酸類とタンパク質と架橋
剤を反応させることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ酸性アミノ酸類
とタンパク質と架橋剤を反応させた樹脂を含む吸水性材
料に関する。詳しくは、吸水機能と生分解性を有し、吸
水性樹脂および吸水性・保水性を有する成形体として利
用可能な吸水性材料に関するものであり、使い捨ての衛
材製品や家庭用品、止水材、土壌改良材、結露防止剤、
農園芸用保水剤などの吸水性樹脂として利用可能なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から吸水性樹脂としてポリアクリル
酸塩部分架橋物、デンプンアクリル酸共重合体の加水分
解物、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体などの吸
水性能を有する高分子化合物が知られている。しかしこ
れらの高分子化合物は吸水能としては優れるものの材料
が容易に低分子へ分解できないので、廃棄後の環境保全
を考えると問題である。
【0003】また、吸水性樹脂としてポリエチレンオキ
シド部分架橋物があるが、吸水能力そのものが小さく実
用性がない。
【0004】多糖類などの天然系樹脂としてのヒアルロ
ン酸、およびアルカリゲネス族に属する微生物より産出
される多糖類は吸水性樹脂として充分な機能を有するも
のの現在の製造法では安価に、かつ大量に入手すること
が困難である。
【0005】また、安価なセルロース、デンプンを原料
とする吸水性樹脂は、吸水能力が不十分である。
【0006】また、微生物培養によるγ−ポリグルタミ
ン酸の生産、およびε−リジンの生産も提案されている
が、得られる生産物は分離精製が困難であり、高価にな
ることが問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な吸水
能力及び生分解性を有する吸水性材料を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような従来技術における種々の欠点の存在に鑑
み、鋭意検討を重ねた結果、ポリ酸性アミノ酸類とタン
パク質と架橋剤を反応せしめて得られる樹脂を含んでな
る吸水性材料が高度の吸水性及び生分解性を有すること
を見出すに及んで本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち[I]本発明は、ポリ酸性アミノ
酸類とタンパク質と架橋剤とを反応せしめて得られる樹
脂を含んでなる吸水性材料を提供するものであり、[I
I]本発明は、ポリ酸性アミノ酸類が、ポリアスパラギ
ン酸及び/又はポリアスパラギン酸塩である上記[I]
記載の吸水性材料を提供するものであり、また[III]
本発明は、生理食塩水の吸水倍率が10g/g以上であ
る上記[I]又は[II]記載の吸水性材料を提供するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリ酸性アミ
ノ酸類としては、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
酸、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、およ
びそれらのコポリマー、誘導体が挙げられる。これらの
うち、工業的な製造が可能であり、安価に入手できると
いうでポリアスパラギン酸及び/又はポリアスパラギン
酸塩が好ましい。
【0011】ポリ酸性アミノ酸類の分子量は、重量平均
分子量で3,000以上であることが好ましく、より好
ましくは5,000以上である。重量平均分子量で3,
000以上であるとタンパク質と反応した後、この反応
生成物を加水分解することにより得られる高分子化合物
が水不溶性となり、目的とする吸水機能を有する材料を
得ることが可能になる。
【0012】上記ポリ酸性アミノ酸類の製造方法につい
ては特に限定されない。例えば(a)L−グルタミン酸
を含む培地中でポリ−γ−グルタミン酸生産菌を培養す
ることによりポリ−γ−グルタミン酸を製造する方法、
(b)D/L−アスパラギン酸を加熱脱水縮合すること
によりポリこはく酸イミドを製造し、該ポリこはく酸イ
ミドを加水分解することによりポリアスパラギン酸塩を
製造する方法、(c)D/L−アスパラギン酸を燐酸な
どの触媒の存在下加熱脱水縮合することによりポリこは
く酸イミドを製造し、該ポリこはく酸イミドを加水分解
することによりポリアスパラギン酸塩を製造する方法、
(d)適当な溶媒中で、D/L−アスパラギン酸を燐酸
などの触媒の存在下加熱脱水縮合することによりポリこ
はく酸イミドを製造し、該ポリこはく酸イミドを加水分
解することによりポリアスパラギン酸塩を製造する方
法、(e)無水マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸などと
アンモニアを加熱反応させマレイミド、もしくはマレア
ミド酸を経てポリこはく酸イミドを製造し、該ポリこは
く酸イミドを加水分解することによりポリアスパラギン
酸塩を製造する方法、(f)無水マレイン酸、フマル
酸、リンゴ酸などとアンモニアを加熱反応させマレイミ
ド、もしくはマレアミド酸を生産した後、触媒の存在下
ポリこはく酸イミドを製造し、該ポリこはく酸イミドを
加水分解することによりポリアスパラギン酸塩を製造す
る方法等がある。
【0013】これらの反応をL−アスパラギン酸につい
て示せば下式の通りである。
【0014】
【化1】
【0015】本発明で使用されるタンパク質の種類とし
ては、特に限定されず、またタンパク質の起源について
も特に限定されない。タンパク質を例示すれば、(a)
バクテリア、酵母、糸状菌、または動物細胞などの培養
物から分離回収されるタンパク質、(b)大豆、小麦、
パパイヤなどの植物組織から回収されるタンパク質、
(c)牛乳、膵臓、肝臓、毛髪、骨などの動物組織から
回収されるタンパク質などが挙げられる。これらのタン
パク質のうち回収精製、および入手が容易であるものが
好ましく、そのような条件を満たすタンパク質として
は、例えば、グルテニン、オリゼニン、ゼイン、カゼイ
ン、ニカワ、ゼラチン、大豆から回収される大豆タンパ
ク質等が好ましく、中でも大豆から回収されるグロブリ
ンを主とするタンパク質は回収精製が容易であり、また
安価であることから最も好ましい。
【0016】これらのタンパク質の形態はどのようなも
のであってもよい。例えば固形状あるいは粉末状等が挙
げられる。固形状等のタンパク質を予め溶剤に溶かした
溶液が取り扱いに便利であり、均一な配合液となるので
好ましい。
【0017】ポリ酸性アミノ酸類に対するタンパク質の
割合は、ポリ酸性アミノ酸類100重量部に対し、0.
1重量部〜1,000重量部の範囲であることが好まし
い。0.1重量部未満の場合ゲルが形成されず得られる
樹脂は水溶解性になり、吸水機能を有する架橋体とはな
らない。また1,000重量部を越えると、充分な吸水
性能を得ることが困難になる。
【0018】本発明における架橋剤としては、例えばエ
ポキシ架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾリン架橋
剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、多価ア
ルコール類、およびイソシアネート架橋剤が挙げられ
る。これらのうち、エポキシ架橋剤としては、例えばエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3ジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン
型エポキシ樹脂が例示される。ポリアミン架橋剤として
は、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、
ポリエーテルポリアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン3,9−ビス(3−アミノ
プロピル)−2,4,8,10−テトラオキサンピロ
[5,5]ウンデカンなどの環状脂肪族ポリアミン、m−
キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等の芳香族ポ
リアミン、ダイマー酸と脂肪族ポリアミンとから得られ
るポリアミド類、及びリジンなどの塩基性アミノ酸が挙
げられる。オキサゾリン架橋剤としては、例えば2,2
‘−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(3−
メチル−2−オキサゾリン)、1,4−ビス(2−(4
−メチル−5−フェニルオキサゾリン))ベンゼン、
2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス
(2−オキサゾリン)が挙げられる。アジリジン架橋剤
としては、例えば2,2−ビスヒドキシメチルブタノー
ル−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピネ−
ト]、ジフェニルメタン−ビス−4,4−N,N’−エ
チレンウレア、ヘキサメチレン−ビス−ω,ω−N,
N’−エチレンウレア、テトラメチレン−ビス−N,
N’−エチレンウレア、トリフェニルメタン−4,
4’,4”−テトラメチレン−ビス−N,N’−エチレ
ンウレア、p−フェニレンビスエチレンウレア、m−ト
ルイレン−ビス−N,N’−エチレンウレア、カルボニ
ルビスアジリジンおよびこれらのメチル誘導体、2−
(1−アジリジニル)エチル−メタクリレートおよびそ
の共重合体などが挙げられる。カルボジイミド架橋剤と
しては、例えばジシクロヘキシルカルボジミド、ジフェ
ニルカルボジミドまたはジ−(ジイソプロピル)フェニ
ルカルボジミドなどをはじめ、さらには、次の一般式で
示されるような、いわゆるイソシアネート基含有のカル
ボジミド化合物(A)
【0019】
【化2】
【0020】(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪
族の2価連結基を表わすものとする。) あるいは此等の化合物(A)より誘導される、いわゆる
イソシアネート基不含の、次の一般式
【0021】
【化3】
【0022】(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪
族の2価連結基を、また、R6はアルキル基、アラルキ
ル基またはオキシアルキレン基を表わすものとする。)
で示されるような、親水性基不含または親水性基含有カ
ルボジミド化合物(B)などのカルボジミド化合物が挙
げられる。多価アルコール類としては、例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリ
コール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロック共重合体、ペンタエリストロール、ソルビト
ールが挙げられる。さらにイソシアネート架橋剤として
は、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、フェ
ニレンジイソシアネート(PPDI)、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリ
ックMDI、トリジンジイソシアネート(TODI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォ
ロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソ
シアネート(XDI)、リジンジイソシアネート(LD
I)、テトラメチレンキシレンジイソシアネート(TM
XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ト
リス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、
ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリイ
ソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシ
アネートメチルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシ
アネート、およびそれらのウレタン変性体、アロファネ
ート変性体、ビューレット変性体、イソシアヌレート変
性体、カルボジイミド変性体、ブロックイソシアネー
ト、それらの混合物等が挙げられる。これらは1種、も
しくは2種以上混合で用いても良い。これら架橋剤の使
用量は、ポリ酸性アミノ酸類100重量部に対して、
0.005〜20重量%、好ましくは0.005〜5重
量%、より好ましくは0.01〜1重量%である。0.
005重量%未満の場合には架橋効果が現れず、また2
0重量%を超えて使用しても架橋剤の使用量に見合った
効果は得られず、吸水倍率が著しく小さくなる場合があ
る。
【0023】本発明における吸水性材料は、上記したポ
リ酸性アミノ酸類とタンパク質と架橋剤とを反応させる
ことにより得られる。ポリ酸性アミノ酸類とタンパク質
と架橋剤とを反応させるには、これらを均一にかつ充分
に混合することが望ましい。混合方法は特に限定される
ものではなく、例えば、(I)ポリ酸性アミノ酸類とタ
ンパク質を固体同士で混合した後、架橋剤を均一になる
ように添加する方法、(II)ポリ酸性アミノ酸類とタン
パク質を溶液状態もしくは懸濁状態で混合した後、架橋
剤を添加する方法、(III)ポリ酸性アミノ酸類とタンパ
ク質の何れか一方を溶液状態もしくは懸濁状態とし、こ
れに他方を添加し混合した後、架橋剤を添加する方法
等、種々の方法を採用することができる。
【0024】これらの方法のうち、(II)ポリ酸性アミ
ノ酸類とタンパク質を溶液状態もしくは懸濁状態で混合
した後、架橋剤を添加する方法が好ましい。上記の混合
方法において、溶剤は必要に応じて使用される。使用す
る溶剤としては、ポリ酸性アミノ酸類、およびタンパク
質が容易に溶解もしくは懸濁する必要があり、このため
溶剤は水を用いることが最も好ましい。ポリ酸性アミノ
酸類の水溶液、タンパク質の水懸濁液を混合した後、架
橋剤溶液を添加することにより上記混合が達成される。
水溶液、または懸濁液濃度は0.1重量%〜50重量%
の範囲内であることが好ましい。水溶液または懸濁液濃
度が0.1重量%未満の場合には、該水溶液または懸濁
液量が多くなるとともに、水を除去するために長時間加
熱しなければならないので、製造効率が低下する。ま
た、濃度が50重量%を越えると、該水溶液または懸濁
液中に充分均一に懸濁させることが困難となるため好ま
しくない。
【0025】上記反応の際の加熱温度は、10℃〜20
0℃の範囲内であることが好ましく、20℃〜180℃
の範囲内であることがより好ましい。加熱温度が10℃
に達しない場合には、上記の反応が殆ど進行しないため
好ましくない。また、加熱温度が200℃を越える場合
には、着色するため好ましくない。加熱時間は、特に限
定されるものではなく、ポリ酸性アミノ酸類、タンパク
質、架橋剤、および溶媒の種類や組み合わせ、加熱温
度、所望する吸水性材料の物性等に応じて適宜設定すれ
ばよい。具体的には、例えば、加熱温度が120℃であ
る場合には、加熱時間は、1分間から5時間とすればよ
い。
【0026】反応終了後、反応生成物を多量のメタノー
ル、エタノール、アセトンなどに投入し、高分子化合物
を沈殿させることにより単離するか、またはイオン交換
水を蒸発乾固することにより目的物を得る。
【0027】上記した無水ポリ酸性アミノ酸類とタンパ
ク質と架橋剤を反応して得られる本発明の樹脂を、該樹
脂中の官能基と反応しうる官能基を有する架橋剤と接触
反応させ、該樹脂の表面近傍を架橋することによりさら
に吸水量、耐塩性、および吸水速度などの吸水特性を高
めることができる。
【0028】この場合使用される架橋剤としては、無水
ポリ酸性アミノ酸類とタンパク質と架橋剤の反応生成物
中の官能基と反応しうる複数の反応性基を有する架橋剤
であれば特に制限なく用いることができる。そのような
架橋剤としては、例えば上記に掲げた架橋剤が挙げられ
る。これら架橋剤の使用量は、ポリ酸性アミノ酸類とタ
ンパク質と架橋剤との反応生成物に対して、0.005
〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%、より
好ましくは0.01〜1重量%である。0.005重量
%未満の場合には表面処理効果が現れず、また20重量
%を超えて使用しても架橋剤の使用量に見合った効果は
得られず、吸水倍率が著しく小さくなる場合がある。
【0029】本発明の吸水性材料に架橋剤を混合する場
合、水および親水性有機溶剤を含む処理用液を用いるの
が処理効果を高める上でより好ましい。この場合、処理
用液を構成する水の量は、吸水性材料に対して0.1〜
5重量%である。この量が0.1重量%未満の場合は、
吸水性材料の表面近傍への架橋剤の適度な浸透が困難と
なり、表面架橋層が適度に形成されない。また、5重量
%を越えると、過度に浸透して吸水倍率が著しく小さく
なる場合がある。処理用液を構成する親水性有機溶剤と
しては、架橋剤を溶解させ、吸水性樹脂の性能に影響を
及ぼさないものであれば特に制限されない。そのような
親水性有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブ
チルアルコール、t−ブチルアルコールなどの低級アル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチル
スルホキシド等のスルホキシド類などを挙げることがで
きる。該親水性有機溶剤の使用量は、吸水性材料に対し
て0.1〜6重量%である。親水性有機溶剤の使用量が
0.1重量%未満の場合は反応生成物と処理用液との混
合が不均一になる場合がある。また、6重量%を越える
量を用いても使用量に見合った効果は得られず、コスト
の上昇を招くだけで、工業的に好ましくない。吸水性材
料と架橋剤とを混合する方法としては、吸水性材料に該
処理溶液を噴霧あるいは滴下することが一般的である。
反応はこれら混合物を加熱することにより達成される。
加熱温度は80℃〜200℃の範囲である。
【0030】さらに、ポリ酸性アミノ酸類とタンパク質
と架橋剤の反応生成物を水中で膨潤させ放射線を照射す
ることによりさらに表面架橋しても良い。放射線として
はα線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線、荷電子
線が挙げられ、好ましくはγ線が用いられる。γ線吸収
量は、好ましくは1〜500KGyであり、通常室温、
常圧下で架橋が進行する。また、窒素、アルゴンなどの
不活性ガス中であるのがより好ましい。
【0031】本発明の吸水性材料は、吸水性および生分
解性の両方に優れている。
【0032】吸水性能は日本工業規格に規定されている
高吸水性樹脂の吸水量試験方法(JIS K−722
3)によるティーバック法による吸水量の試験により測
定ができる。ティーバック法で評価した場合、本発明に
よる吸水性材料は、イオン交換水に対し20倍以上、生
理食塩水(0.9重量%生理食塩水)に対して5倍以上
の吸水能を有する。
【0033】さらに、本発明による吸水性材料は土中の
細菌や微生物などにより分解可能な生分解性を有してい
るので、土中に埋めるだけで分解される。このため、廃
棄処分が簡単であり、かつ安全性に優れ、環境汚染など
の環境衛生問題を引き起こすこともない。従って、吸水
性材料は従来から知られている吸水性樹脂の全ての用途
に適用可能である。例えば、オムツや生理用品などの衛
生用品等の衛生分野、バップ剤用途などでの医療分野、
廃泥ゲル化剤などとしての土木・建築分野、食品分野、
工業分野、土壌改質剤、および保水剤などとしての農業
・園芸分野など多種多様な分野に利用することができ
る。
【0034】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明する。なお、吸水性材料の諸性質は以下の方法で測定
した。 吸水倍率:例中、吸水性材料の吸水能は日本工業規格、
JIS K−7223に記載されている高吸水性樹脂の
吸水量試験方法に基づき行った。すなわち、乾燥樹脂
0.20g(0.9%塩化ナトリウムに対しては1.0
0g)を255メッシュナイロンシャー製のティーバッ
グ(200mm×100mm)に入れ、1000mlの
イオン交換水、または0.9%塩化ナトリウム水溶液に
浸漬して該樹脂を一定時間膨潤させた後、ティーバッグ
を引き上げて10分間水切りを行い、重量を測定した。
同様の操作をティ−バッグのみで行った場合の重量をブ
ランクとして測定を行った。吸水倍率W(g/g)は、
試料の質量a(g)、試料を入れたティ−バッグを所定
時間浸漬し、水切り後の質量b(g)、試料を入れない
ティ−バッグを所定時間浸漬し、水切り後の質量の平均
値c(g)から、次式に従って算出した。
【0035】
【数1】
【0036】(b)生分解率:生分解性試験は、修正M
ITI試験に従って実施した。即ち基礎培養液200m
lに、試験物質としての吸水性材料を100ppmとな
るように添加すると共に、活性汚泥を30ppmとなる
ように添加した。その後、この基礎培養液を暗所下で2
5℃に保ち、振とうしながら28日間培養した。上記期
間中、活性汚泥により消費された酸素量を定期的に測定
し、生物化学的酸素要求量(BOD)曲線を求めた。生
分解率(%)は、上記BOD曲線から得られる試験物質
(吸水性材料)の生物化学的酸素要求量A(mg)と、
BOD曲線から得られるブランク、つまり、基礎培養液
の酸素要求量B(mg)と、試験物質を完全酸化させる
場合に必要な全酸素要求量(TOD)C(mg)とか
ら、次式
【0037】
【数2】
【0038】に従って算出した。
【0039】[参考例1]1Lの金属製セパラブルフラス
コにL−アスパラギン酸100gおよび85%燐酸50
gを仕込み、反応温度180℃、減圧度600Paで、
攪拌しながら3.5時間反応させた。反応終了後、フラ
スコ中にDMF400mlを添加し反応生成物を均一に
溶解させた。得られた溶液をイオン交換水1.5Lに滴
下し生成樹脂を再沈させた後、スラリーをミキサーで粉
砕し減圧濾過を行った。ろ過後、イオン交換水のpHが
中性になるまで洗浄を行い、得られたケーキを150℃
で24時間熱風乾燥して、72.5gのポリこはく酸イ
ミドの白色粉末を得た。得られた樹脂をGPCで測定し
た結果、重量平均分子量は125,000であった。ポ
リこはく酸イミド30gを200gのイオン交換水に水
酸化ナトリウム12.3gを溶解した液を添加して室温
で3時間攪拌し加水分解させ、粘ちょう液を得た。この
液にメタノール1000mlを添加し、生成した沈殿物
を減圧ろ過後、メタノールで洗浄し、60℃で12時間
減圧乾燥して白色粉末状のポリアスパラギン酸のナトリ
ウム塩26.4gを得た。
【0040】[参考例2]参考例1と同様に、L−アスパ
ラギン酸100gを浴温260℃、窒素雰囲気下で、攪
拌しながら6時間反応させた。反応終了後、参考例1と
同様の操作により68.3gのポリこはく酸イミドの白
色粉末を得た。得られた樹脂をGPCで測定した結果、
重量平均分子量は9,000であった。ポリこはく酸イ
ミド30gを参考例1と同様に加水分解を行い、白色粉
末状のポリアスパラギン酸のナトリウム塩25.3gを
得た。
【0041】[参考例3]1Lのナスフラスコにマレイミ
ド25gをハイドロキノン25mgと共に入れ、水酸化
ナトリウム0.25gを添加した。反応温度100℃
で、減圧下3時間反応させた。参考例3で得られた生成
物25gを水およびメタノールで数回洗浄し、減圧下8
0℃で2時間乾燥し黄白色のポリこはく酸イミド23.
7gを得た。得られたポリこはく酸イミドをGPCで測
定した結果、重量平均分子量は2万であった。ポリこは
く酸イミド30gを参考例1と同様に加水分解を行い、
白色粉末状のポリアスパラギン酸のナトリウム塩25.
8gを得た。
【0042】[実施例1]参考例1で得たアスパラギン酸
のナトリウム塩10gをpH6.0の水溶液50gに溶
解させた。これに大豆タンパク質(不二製油製)1g、
およびエチレングリコールジグリシジルエーテル1gを
添加した。添加後得られた混合溶液を、乾燥機を用いて
180℃で30分間加熱することにより、乾燥物9.1
gを得た。乾燥物をメタノールで洗浄し、60℃で12
時間減圧乾燥して白色粉末状の樹脂8.1gを得た。得
られた吸水性材料の吸水倍率、および生分解率を表1に
記載した。
【0043】[実施例2]実施例1において、大豆タンパ
ク質を10.0gに代えた他は実施例1と同様にして白
色粉末状の樹脂17.2gを得た。得られた吸水性材料
の吸水倍率、および生分解率を表1に記載した。
【0044】[実施例3]実施例1において、参考例2に
おいて得たポリアスパラギン酸ナトリウム塩に代えた他
は実施例2と同様にして白色粉末状の樹脂8.5gを得
た。得られた吸水性材料の吸水倍率、および生分解率を
表1に記載した。
【0045】[実施例4]実施例2において、参考例3に
おいて得た無水ポリアミノ酸に代えた他は実施例2と同
様にして白色粉末状の樹脂7.9gを得た。得られた吸
水性材料の吸水倍率、および生分解率を表1に記載し
た。
【0046】[比較例1]実施例1において、エチレング
リコールジグリシジルエーテルを0.01gに代えた他
は実施例1と同様にして白色粉末状の樹脂8.4gを得
た。得られた高分子組成物の吸水倍率、および生分解率
を表1に記載した。
【0047】
【表1】
【0048】
【0049】
【発明の効果】本発明の吸水性材料は、高吸水性を有
い、かつ高度の生分解性を有するので、土中の細菌や微
生物などにより土中に埋めるだけで分解され、廃棄処分
が簡単であり、かつ安全性に優れ、環境汚染などの環境
衛生問題を引き起こすこともない。従って、オムツや生
理用品などの衛生用品等の衛生分野、医療分野、土木・
建築分野、食品分野、工業分野、農園芸分野など多種多
様な分野に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 77:04 89:00 (72)発明者 長谷川 義起 大阪府大阪市淀川区東三国3−2−15− 308 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA11 BA24 BB10 DA19 4F070 AA54 AA62 AC36 AC45 AC46 AC48 AC49 AC55 AC64 AC65 AC66 AC84 AC87 AE08 GA06 4J001 DA01 DB02 DC12 EA36 FA03 FB01 FC01 JA20 JB17 4J002 AD00X AD01X AD02X AD03X CD01Y CD05Y CH01Y CH02Y CH05Y CL00Y CL02W CM04W EC046 EC056 ED036 EL116 EN036 EN076 EN116 ER006 ET006 ET016 EU016 EU196 EU216 EW046 FD14Y FD146 GA02 GB01 GD03 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ酸性アミノ酸類とタンパク質と架橋
    剤とを反応せしめて得られる樹脂を含んでなる吸水性材
    料。
  2. 【請求項2】 ポリ酸性アミノ酸類が、ポリアスパラギ
    ン酸及び/又はポリアスパラギン酸塩である請求項1記
    載の吸水性材料。
  3. 【請求項3】 生理食塩水の吸水倍率が10g/g以上
    である請求項1又は2記載の吸水性材料。
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