JP2013230612A - 水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品並びにそれらの製造方法 - Google Patents

水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伸展度の低い水圧転写フィルムと、これを用いて得られる意匠性の高い加飾成形品を提供する。
【解決手段】剥離フィルムと、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有する水圧転写フィルム製造用転写箔であって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする水圧転写フィルム製造用転写箔、これを用いて得られる水圧転写フィルム及び加飾成形品、並びにそれらの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体面や曲面を有する成型体の表面に転写層を形成するのに好適な水圧転写フィルムの製造に用いられる水圧転写フィルム製造用転写箔、これを用いて得られる水圧転写フィルム及び加飾成形品並びにそれらの製造方法に関する。
自動車内装品、家電製品又はOA機器等には表面に木目調や金属調(金属光沢)などの装飾が施された成型品が利用されている。これらの成型品は複雑な三次元形状を有するものが多く、従来、その複雑な形状からなる成型品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法が検討されている。
こうした装飾方法として、水圧を利用した水圧転写法が知られている。この水圧転写法は、水溶性あるいは水膨潤性の水溶性フィルムに、所望の装飾層を印刷した転写フィルムを用意し、該転写フィルムの装飾層に、有機溶剤からなる活性剤組成物を塗布して、該装飾層を膨潤、粘着化させる(これを活性化という)。その前又は後に、前記転写フィルムを転写用の装飾層(印刷層)面を上面にして、水面上に浮遊させ、次いで、該転写フィルム上に被転写体となる物品を押圧して、水圧によって転写フィルムを被転写体の装飾処理をすべき被転写面に密着させた後、水溶性フィルムを除去して装飾層を転写する(例えば、特許文献1及び2参照)。
かかる水圧転写法に用いる水溶性フィルムは、水溶性という性質に由来して、空気中の水分を吸収してカールを生じ易く、また、この水溶性フィルム上に装飾層を形成した場合、空気中の湿度の影響でフィルムが伸縮し、装飾層の意匠性に悪影響を与えることがある。
特開昭60−66685号公報 特開昭61−165300号公報
また、従来の水圧転写フィルムは、水面上に浮遊させた際に絵柄が大幅に伸びてしまい、色濃度が低下して所定の意匠が発現しなかったり、柄流れが生じ易くなるという問題があった。そこで、水圧転写フィルムのプライマー層を、伸展性が比較的低い熱硬化性組成物を用いて形成する方法も考えられる。しかしながら、熱硬化性組成物を硬化させるために水圧転写フィルムを加熱すると、基材となる水溶性フィルムが劣化し、カーリングが生じるなどの問題があった。
本発明はこのような状況下で、伸展度の低い水圧転写フィルムと、これを用いて得られる意匠性の高い加飾成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プライマー層に熱硬化性組成物の硬化物を用いた水圧転写フィルム製造用転写箔を用いて水圧転写フィルムを製造し、次いで該水圧転写フィルムを用いて加飾成形品を製造することで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
[1]剥離フィルムと、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有する水圧転写フィルム製造用転写箔であって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする水圧転写フィルム製造用転写箔。
[2]前記ポリオール中におけるアクリルポリマーポリオールの含有量が5質量%以上である[1]に記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
[3]前記バインダー樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、及び硝化綿から選択される1種以上を含む[1]又は[2]に記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
[4]前記低艶パターンにおける艶消し剤の配合量が0.5〜50質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の水圧転写フィルム製造用転写箔の低艶パターン側及び/又は水溶性フィルムに活性剤を塗布する工程と、水圧転写フィルム製造用転写箔の低艶パターン側に水溶性フィルムを積層する工程と、剥離フィルムを剥離する工程とを有することを特徴とする水圧転写フィルムの製造方法。
[6]水溶性フィルムと、該水溶性フィルム上に部分的に設けられた低艶パターンと、プライマー層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする水圧転写フィルム。
[7][6]に記載の水圧転写フィルムのプライマー層側に、活性剤を塗布して軟化させる工程と、該水圧転写フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程と、被転写体の被転写面に残留した水溶性フィルムを除去する脱膜工程とを有することを特徴とする加飾成形品の製造方法。
[8]被転写体と、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有する加飾成形品であって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする加飾成形品。
本発明によれば、伸展度の低い水圧転写フィルムと、これを用いて得られる意匠性の高い加飾成形品を提供することができる。
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。
<水圧転写フィルム製造用転写箔>
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔の構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示す水圧転写フィルム製造用転写箔10は、剥離フィルム1、必要に応じて設けられる絵柄層4、プライマー層3及び該プライマー層3上に部分的に設けられた低艶パターン2とをこの順に有し、剥離フィルム1と絵柄層4との間に剥離層(図示せず)が形成されていてもよい。
[剥離フィルム]
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔における剥離フィルム1は、剥離層や絵柄層4と接触しても後で剥離する(剥がす)ことができるフィルムであれば良く、特に制限されるものではないが、非水溶性のものや耐熱性の高いものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルムや延伸フィルム、紙類、又はそれらをシリコーン等の離型剤でコーティングし、剥離処理したものが挙げられる。剥離フィルム1は、剥離処理されているものが剥がし易く好ましい。
[剥離層]
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔における剥離層は、剥離フィルム1と接触しても後で剥離することができる層であれば良く、例えば、剥離性に優れたアクリル樹脂、塩酢ビ樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合物)、オレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、弗素樹脂、シリコーン或は弗素で変性した各種の樹脂を含むものが挙げられ、必要に応じてワックスを混合することができる。
上述のワックスとしては、転写時に溶融して剥離性を発揮する各種のワックスが好ましい。好適に使用されるワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックスが挙げられる。特に好ましいワックスは比較的融点が高く且つ溶剤に溶けにくいマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックス等である。
[低艶パターン]
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔は、プライマー層3上に部分的に低艶パターン2が設けられている。この水圧転写フィルム製造用転写箔を用いて、水圧転写フィルムを製造し、次いでその水圧転写フィルムを用いて加飾成形品を製造した場合、低艶パターン2はプライマー層3上に部分的に存在し、その直上部及びその近傍においては低艶領域が形成される。すなわち、低艶パターン2は、加飾成形品の一部(低艶パターン2の直上部及びその近傍)に低艶を発現させる機能を有する。
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔10や水圧転写フィルム20を用いて得られる加飾成形品のグロスマット意匠は、低艶パターン2における低艶領域とその周囲の非低艶領域(プライマー層3が露出している領域)との間で光沢度の差を生じることに起因するものである。
低艶パターン2における低艶領域は視覚的に凹部として認識されるため、全体として、この低艶領域によって視覚的に凹凸模様として認識される。
低艶パターン2は、以下に説明するバインダー樹脂と艶消し剤とを含む。
(バインダー樹脂)
低艶パターン2に含まれるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、具体例としては、アクリル樹脂、アルキッドなどのポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂(例えばポリエステルウレタン系樹脂)、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール系樹脂)、硝化綿などのニトロセルロース系樹脂が挙げられる。必要に応じて、低艶領域の発現の程度、低艶領域とその周囲の非低艶領域との艶差のコントラストを調整するため、これらの樹脂を1種類以上混合してもよいし、上記に限定されるものではない。
また、物性を向上させるために、必要に応じて、成形性を損なわない程度に、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又はその硬化剤(イソシアネート等)を添加することが出来る。
低艶パターン2は、例えば後述する絵柄層4によって木目模様を表現しようとする場合には、木目の導管部分に低艶パターン2を同調させることにより、艶差により導管部分が視覚的に凹部となった模様が得られる。
(艶消し剤)
艶消し剤の具体例としては、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、及びケイ酸微粉末から選択される無機フィラーや、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は尿素系樹脂から選択される有機フィラーが挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
艶消し剤の体積平均粒径は、好ましくは0.5〜25μmであり、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。艶消し剤の体積平均粒径が25μm以下であれば、界面積が増大することによって加工時の応力が拡散し、界面に発生したボイド等がエネルギー吸収したり、粒子間距離が小さくなることによって粒子、又はボイド間で塑性変形が生じ、伸張時の白化を抑制することができる。また、艶消し剤の体積平均粒径が0.5μm以上であると、艶消し効果の観点から好ましい。なお、ここで言う体積平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
低艶パターン2中の艶消し剤の含有量は、グロスマット効果と成形加工性とのバランスの観点から、0.5〜50質量%であると好ましく、10〜50質量%であるとより好ましく、25〜50質量%であるとさらに好ましい。
なお、上記艶消し剤を表面処理することによって、バインダー樹脂と艶消し剤との密着性を向上し、硬化した際に強靭な塗膜を形成させることができ、成形加工時のクラックや白化を抑制できるため好ましい。処理の手法としてはシランカップリング処理などが挙げられ、有機、無機に限定されることはない。
低艶パターン2の厚さは、0.5〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであるとより好ましく、1〜10μmであるとさらに好ましい。
[プライマー層]
プライマー層3は、ポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物である。
(ポリオール)
ポリオールとしては、ポリマーポリオールが好ましく、アクリルポリマーポリオール、ポリエステルポリマーポリオール、ポリエーテルポリマーポリオール、ポリカーボネートポリマーポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、アクリルポリマーポリオールが好ましく用いられる。
上記ポリマーポリオールは、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜80,000であることがより好ましく、20,000〜50,000であることが特に好ましい。ポリオールの分子量が1,000以上であると、耐溶剤性が改善し、絵柄層4を形成した際にプライマー層3が溶解する等の不具合が起こりにくくなり、100,000以下であるとインキ化した際に粘度が低下したり、ゲル化しにくくなるため作業性が向上する。
また、ポリオールとしては、水酸基価が30〜130mgKOH/gのものが好ましく、50〜130mgKOH/gのものがより好ましく、60〜120mgKOH/gのものがさらに好ましい。ポリオールの水酸基価が30mgKOH/g以上であると、耐汚染性が向上し、130mgKOH/g以下であると、プライマー層3の柔軟性が良好となる。尚、上記水酸基価は、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定することができる。
(イソシアネート)
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。プライマー層3に硬化剤を使用することで、加飾成形品の製造時における水圧転写フィルムを水面に浮遊させる工程で、水圧転写フィルムが溶解乃至膨潤することで発生しやすくなる過度の展伸を抑制することができる。
上記熱硬化性組成物は、さらに、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどを含有していてもよいが、ウレタン樹脂を含有すると上述の熱硬化性組成物との相溶性、可撓性、耐熱性等に優れるため好ましい。
ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオールを主剤とし、イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性、低艶パターン2との密着性等の観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとの組合せより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
また、ウレタン樹脂としては、ポリオール成分、ポリアミン成分及びイソシアネートの組合せより合成されるウレタンウレア樹脂が好ましく用いられ、ポリオール成分やイソシアネートとしては、上述したものを用いることができる。
ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が100℃以下のものが好ましく、40〜100℃のものがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下であると、プライマー層3の常温における柔軟性が優れ、40℃以上であると、加熱により凝集力が著しく低下したり、プライマー層3が溶解することがない。
プライマー層3におけるアクリルポリオールとウレタン樹脂との比率は、質量比で99:1〜50:50であると好ましく、90:10〜60:40であるとより好ましい。
また、必要に応じて、イソシアネート基を適当なブロック剤により保護して不活性化し、加熱によりイソシアネート基が再生するブロックイソシアネートを使用してもよい。ブロック剤としては、例えばフェノール、アルコール、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン、オキシム等、公知のブロック剤を用いてよい。
ブロックイソシアネートを使用することにより、プライマー層3により高い成形性を付与することができ、所望形状に成形した後に成形品を加熱処理し、イソシアネート基を再生、ポリオールと反応、硬化することにより、低艶パターン2、絵柄層4と良好な密着性を発現できる。
プライマー層3は、上述のアクリルポリオール、イソシアネートやその他の樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布し、必要に応じて乾燥し、硬化して形成することができる。プライマー層3の厚みについては、通常、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
[絵柄層]
本発明においては、所望により、剥離フィルム1とプライマー層3との間に絵柄層4を設けることができる。絵柄層4は、通常、バインダー樹脂と着色剤とを含有する。絵柄層4のバインダー樹脂としては、低艶パターン2と同様のものが挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
<水圧転写フィルム製造用転写箔の製造方法>
本発明の水圧転写フィルム製造用転写箔10は、例えば、剥離フィルム1の上に、必要に応じて絵柄層4を形成する工程(A)と、その上にプライマー層3を形成する工程(B)と、プライマー層3上に低艶パターン2を形成する工程(C)により製造することができる。
工程(A)において、絵柄層4は公知の塗布方法又は印刷方法によって形成したり、あるいは樹脂フィルムを剥離フィルム1上にラミネートすることにより形成することができる。当該塗布方法としては、グラビアコート、リバースコート等が挙げられ、印刷方法としては、グラビア印刷等が挙げられる。絵柄層4は、全面ベタ印刷であってもよい。
工程(B)におけるプライマー層3の形成方法は、工程(A)における塗布方法や印刷方法と同様である。
工程(C)において、低艶パターン2は公知の印刷方法により形成することができ、例えば、バインダー樹脂及び艶消し剤を含むインキ及び柱状凹部のセル形状を有するグラビア版材を用いて、グラビア印刷、好ましくはグラビアオフセット印刷を施して形成することができる。
<水圧転写フィルム>
以下、本発明の水圧転写フィルムについて説明する。図2は、本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。
本発明の水圧転写フィルム20は、水溶性フィルム5と、該水溶性フィルム5上に部分的に設けられた低艶パターン2と、プライマー層3とをこの順に有する。また、本発明の水圧転写フィルム20は、図2に示すように、必要に応じてプライマー層3上に絵柄層4を有していてもよい。
本発明の水圧転写フィルム20を用いて被転写体に加飾を施すと、水溶性フィルム5が除去されることで低艶パターン2と高艶領域となるプライマー層3とが露出してグロスマット(艶差)意匠が発現し、これによって低艶領域が凹部に見えることで、加飾成形品に立体感のある意匠が発現する。
[水溶性フィルム]
本発明における水溶性フィルムとしては、水溶性又は水膨潤性を有するものであれば良く、従来水圧転写フィルムにおいて一般に使用されている水溶性フィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
水溶性フィルムを構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の各種水溶性ポリマーが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、水溶性フィルムには、マンナン、キサンタンガム、グアーガム等のゴム成分が添加されていてもよい。
上記の水溶性フィルムのうち、特に生産安定性と水に対する溶解性及び経済性の点から、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムが好ましい。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、PVA以外に、澱粉やゴム等の添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び澱粉やゴム等の添加剤の配合量等を変えることにより、水溶性フィルムに対して転写用の印刷層を形成する際に必要な機械的強度、取り扱い中の耐湿性、水面に浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、水中での延展又は拡散に要する時間、転写工程での変形のし易さ等を適宜調節することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる水溶性フィルムとして好適なものは、特開昭54−92406号公報に説明されているようなものであり、例えば、PVA樹脂80質量%、高分子水溶性樹脂15質量%、澱粉5質量%の混合組成からなり、平衡水分3%程度のものが好適である。
また、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは水溶性ではあるが、水に溶解する前段階では水に膨潤して軟化しつつもフィルムとして存続することが好ましい。フィルムとして存続している状態にあるときに水圧転写を行なうことにより、水圧転写時の転写用の各層の過度の流動、変形を防止することができるからである。
水溶性フィルムの厚さとしては、10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、膜の均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。一方、100μm以下であると、水に対する溶解性が適度であり、かつ印刷適性に優れる。以上の観点から、水溶性フィルムの厚さは、20〜60μmの範囲がより好ましい。
なお、上記の水溶性フィルムは、例えば紙、不織布、布等の水浸透性を有する基材と積層して使用することもできるが、このような水浸透性を有する基材と水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムとを積層したときには、水圧転写フィルムを水面に浮かべる前に前記水浸透性を有する基材を水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムから分離させるか、又は水面に浮かべた後の水の作用によって水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムから前記水浸透性を有する基材が分離するように構成しておくことが好ましい。
<水圧転写フィルムの製造方法>
本発明の水圧転写フィルム20の製造方法は、上述の水圧転写フィルム製造用転写箔10の低艶パターン2側及び/又は水溶性フィルム5に軟化剤を塗布する工程(i)と、水圧転写フィルム製造用転写箔20の低艶パターン2側に水溶性フィルム5を積層する工程(ii)と、剥離フィルム1を剥離する工程(iii)とを有することを特徴とする。
工程(i)における軟化剤は、低艶パターン2や、プライマー層3や、水溶性フィルム5を軟化し得るものであれば特に限定されないが、例えば、低艶パターン2側に塗布する場合、後述の活性剤等を用いることができ、また、水溶性フィルム5側に塗布する場合、水を用いることで容易に軟化することができる。
工程(ii)は、水圧転写フィルム製造用転写箔10の低艶パターン2側に水溶性フィルム5を重ね合わせて加圧することで、積層することができる。具体的には、水溶性フィルム5と水圧転写フィルム製造用転写箔10とを重ね合わせた状態で2つのロール胴間に導入することで連続的に積層することができる。
このようにして得られる水圧転写フィルム20は、上述の剥離層を有する水圧転写フィルム20であっても、ここから剥離層を省略したものであってもよい。
<加飾成形品>
本発明の加飾成形品は、被転写体と、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有し、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする。
(被転写体)
被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。
また、被転写面の形状は、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。これらの中で、通常、樹脂製構造体が多用される。この樹脂製構造体は、成型時において離型剤が付着するとともに、ゴミや脂分なども付着することがあり、水圧転写フィルムの各層を密着性よく転写させるために、予め脱脂液により被転写面を清浄化しておくことが好ましい。
<加飾成形品の製造方法>
本発明の加飾成形品の製造方法は、上述の水圧転写フィルム20のプライマー層3側を、活性剤を塗布して軟化させる工程(a)と、該水圧転写フィルム20を被転写体の被転写面に密着させる工程(b)と、被転写体の被転写面に残留した水溶性フィルム5を除去する脱膜工程(c)とを有する。
工程(a)は、水圧転写フィルム20を水面に浮遊させる前に、水圧転写フィルム20のプライマー層3側(水圧転写フィルム20が絵柄層4を有する場合には、絵柄層4側)に、例えばスプレーコート法で活性剤を塗布し、プライマー層3及び/又は絵柄層4の少なくとも一部を溶解又は膨潤して行うことができる。
本発明の加飾成形品の製造方法は、さらに必要に応じて、転写された低艶パターン2上に保護膜を形成する工程(d)を有していてもよい。
このようにして得られる加飾成形品は、被転写体上に、必要に応じて設けられる絵柄層4、プライマー層3及び低艶パターン2をこの順に有するものとなり、被転写体と絵柄層との間に剥離層を有していてもよい。
(活性剤組成物)
活性剤組成物は、プライマー層3や絵柄層4を活性化して、被転写体の被転写面に転写させる機能を有する組成物であれば特に制限はなく、また、被転写体の被転写面に各層を転写させるまで蒸発しないような性状を有することが好ましい。このような活性剤組成物としては、例えばエステル類、アセチレングリコール類、エーテル類、及び樹脂を含む組成物が好ましく挙げられる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、シュウ酸ジブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチルなどが好ましく挙げられる。
アセチレングリコール類としては、メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、エチルカルビトールアセテート、プロピルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが好ましく挙げられる。
エーテル類としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソアミルセロソルブなどが好ましく挙げられる。
また、樹脂としては、アクリレート系単量体の単独又は共重合体などの熱可塑性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フタル酸アルキッド樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂などが好ましく挙げられ、なかでも熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明で用いられる活性剤組成物の好ましい各組成の含有量は、エステル類は5〜40質量%、アセチレングリコール類は40〜80質量%、エーテル類は5〜30質量%、及び樹脂は1〜20質量%程度である。
活性剤組成物の塗布は、スプレーコート法などにより行えばよく、その塗布量は通常1〜50g/m2であり、好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは10〜20g/m2である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた水圧転写フィルム製造用転写箔及び水圧転写フィルムを使用した加飾成形品について以下に示す性能評価を行った。
(1)意匠性(グロスマット効果)
表面の意匠性を目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ :導管部が凹部として認識され、意匠性が高かった。
△ :意匠性に若干劣るが、実用上問題ない。
× :意匠が平面的で、意匠性に極めて劣るものであった。
(2)伸展度
水圧転写フィルムを水面に浮かべた際の伸展度を以下の方法で測定した。
(測定方法)
水圧転写フィルムの中央付近に水性ペンで直径40mmの円を描き、28〜32℃の試験浴に浮かべた。フィルムを着水させてから1分後に上記円の巾方向の大きさを測定し、伸び率を算出した。
実施例1
(水圧転写フィルム製造用転写箔の製造)
厚さ18μmの延伸ポリプロピレンフィルム(耐熱温度:140℃)の片面に、後述の低艶パターンの導管部と同調する木目模様の絵柄層をグラビア印刷により形成した。絵柄層は、バインダー樹脂として、硝化綿とアルキッド樹脂との混合樹脂を使用し、着色剤に弁柄及びカーボンブラックを所定の配合比率で使用した着色インキを用いた。
次に、絵柄層上に、アクリルポリマーポリオール(重量平均分子量:30,000、水酸基価:80mgKOH/g)と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)からなる熱硬化性組成物を塗工し、加熱硬化(硬化温度:80℃、硬化時間:12時間)して、厚さ2μmのプライマー層を形成した。
さらに、プライマー層上の一部に、上述の木目柄の導管部と同調するように低艶パターンをグラビア印刷により形成し、水圧転写フィルム製造用転写箔を得た。低艶パターンの形成には、バインダー樹脂である硝化綿とアルキッドの混合樹脂と、艶消し剤であるシリカ(体積平均粒径:5μm)とを質量比1:1で含むインキを使用した。
(水圧転写フィルムの製造)
上記で得られた水圧転写フィルム製造用転写箔に、表面に軟化剤として水を塗布した厚さ40μmのPVAフィルムを、水圧転写フィルム製造用転写箔の低艶パターン側に重ね合わせて加圧し、剥離フィルムである延伸ポリプロピレンフィルムを剥離して水圧転写フィルムを得た。
(加飾成形品の製造)
上述のようにして得た水圧転写フィルムの絵柄層表面に、下記組成の活性剤組成物を10g/m2塗布し、水溶性フィルム側が水面側を向くように水面に浮遊させた後、水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって低艶パターン、プライマー層及び絵柄層を被転写体の被転写面に密着させて転写する工程を経て、該被転写体の被転写面上より水溶性フィルムを除去する脱膜工程を行った。このようにして得られた加飾成形品は、最表面に低艶パターンとプライマー層とが露出したものとなった。
得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度を上記の方法で評価した。結果を第1表に示す。
(活性剤組成物の組成)
フタル酸系アルキッド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
実施例2
プライマー層を、アクリルポリオール(重量平均分子量:30,000、水酸基価:80mgKOH/g)及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる組成物と、ウレタンウレア樹脂(ガラス転移点:40℃)との質量比8:2の混合樹脂を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
実施例3
低艶部分のバインダー樹脂としてアクリルポリマーポリオール(重量平均分子量:30,000、水酸基価:80mgKOH/g)を用いた以外は、実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
実施例4
低艶部分のバインダー樹脂としてアクリル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
比較例1
低艶パターンを形成する際に、艶消し剤を含有しないインキを用い、かつ、プライマー層を設けなかった以外は実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
比較例2
プライマー層を設けなかった以外は実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
比較例3
プライマー層を形成する際にヘキサメチレンジイソシアネートを用いなかった以外は、実施例1と同様にして水圧転写フィルム製造用転写箔、水圧転写フィルム及び加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の意匠性及び水圧転写フィルムの伸展度の評価結果を第1表に示す。
Figure 2013230612
上述のように、実施例1〜2で得られた加飾成形品は良好なグロスマット意匠を示すものであり、また伸展度が十分に抑制されていた。
本発明の水圧転写フィルムは、転写加工性が良好であり、グロスマット意匠に優れた加飾成形品を提供することができる。得られた加飾成形品は、自動車内装材、建材、家具類、電気製品のハウジング等として好適に利用することができる。
1 剥離フィルム
2 低艶パターン
3 プライマー層
4 絵柄層
5 水溶性フィルム
10 水圧転写フィルム製造用転写箔
20 水圧転写フィルム

Claims (8)

  1. 剥離フィルムと、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有する水圧転写フィルム製造用転写箔であって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする水圧転写フィルム製造用転写箔。
  2. 前記ポリオール中におけるアクリルポリマーポリオールの含有量が5質量%以上である請求項1に記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
  3. 前記バインダー樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、及び硝化綿から選択される1種以上を含む請求項1又は2に記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
  4. 前記低艶パターンにおける艶消し剤の配合量が0.5〜50質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルム製造用転写箔。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム製造用転写箔の低艶パターン側及び/又は水溶性フィルムに軟化剤を塗布する工程と、水圧転写フィルム製造用転写箔の低艶パターン側に水溶性フィルムを積層する工程と、剥離フィルムを剥離する工程とを有することを特徴とする水圧転写フィルムの製造方法。
  6. 水溶性フィルムと、該水溶性フィルム上に部分的に設けられた低艶パターンと、プライマー層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする水圧転写フィルム。
  7. 請求項6に記載の水圧転写フィルムのプライマー層側に、活性剤を塗布して軟化させる工程と、該水圧転写フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程と、被転写体の被転写面に残留した水溶性フィルムを除去する脱膜工程とを有することを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  8. 被転写体と、プライマー層と、該プライマー層上に部分的に設けられた低艶パターンとをこの順に有する加飾成形品であって、該低艶パターンがバインダー樹脂と艶消し剤とを含み、かつ、該プライマー層がポリオールとイソシアネートとを含有する熱硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする加飾成形品。
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