JP2000265395A - 防湿積層体 - Google Patents

防湿積層体

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JP2000265395A
JP2000265395A JP6688399A JP6688399A JP2000265395A JP 2000265395 A JP2000265395 A JP 2000265395A JP 6688399 A JP6688399 A JP 6688399A JP 6688399 A JP6688399 A JP 6688399A JP 2000265395 A JP2000265395 A JP 2000265395A
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Takashi Sako
隆 河向
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は高い防湿性を有し、しかもリサイクル
可能な防湿積層体を提供する。 【解決手段】紙支持体上の少なくとも片面に平板状顔料
と合成樹脂を含む防湿層を形成した防湿紙において、該
防湿層上に2〜10g/m2の塩化ビニリデンラテックス
を塗工して得られる被覆層を設けたことを特徴とする防
湿積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中において容易
に離解可能であり、古紙回収、リサイクルが可能な防湿
紙であり、特に防湿性が非常に優れた防湿積層体を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙支持体上にポリエチレンやポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどの被膜形成性を有
する高分子化合物フイルムをラミネートあるいは貼り合
わせて水蒸気の透過を防止することは公知の技術であ
る。これらの防湿積層体は粉末洗剤の包装箱や煎餅の箱
など、極端に水蒸気の侵入を嫌う商品の包装部材とされ
ている。しかし、このような積層体は、被膜層が強固で
あり、防湿性の機能は充分発揮できるが、古紙原料とし
て離解した際には、パルプ繊維が付着したフイルムがフ
ロック状に残存したり、被膜そのものが大きなシート状
に残存するなどの問題があり、古紙原料として使用でき
ず、使用後に焼却処分あるいは埋め立て処分するしかな
く、環境保護や資源の再利用の面から問題がある。これ
に対し古紙として再利用可能な防湿紙として、特定の組
成のパラフィンワックスを含むエマルジョンをクラフト
紙の片面または両面に塗布して防湿紙を製造する方法
(特開昭50−36711号公報)、紙支持体に対して
ある種の合成ゴム系ラテックスとワックス系エマルジョ
ンを混合した塗工液を塗工することを基本とする製造方
法が開示されている(包装技術、昭和57年9月号、4
2〜46頁)。
【0003】これらパラフィンワックスを使用する防湿
紙は、いずれも再離解性を有する防湿紙であるが、その
防湿性は粉末洗剤箱などに要求される防湿性にははるか
に及ばないものである。また、これらワックスを含む防
湿紙は、その防湿性がワックスの形成するごく薄い撥水
性層に依存しているため、包装時の折曲げ部分の防湿性
が極端に低下する傾向がある。さらにワックスの防湿層
表面へのブリードが避けられず、防湿紙の表面にラベル
を添付してもすぐ剥がれてしまう。また通常のホットメ
ルト接着剤では表面接着が不良等の問題が発生する。従
って、常温で液状のさらに強い接着力を持つホットメル
ト接着剤等使用できるものが非常に限定されるという問
題がある。また、再離解性を有する粘着テープを使用す
る方法もあるが、粘着テープを使用する場合は包装時の
作業性がホットメルト接着に比べ大幅に劣るという欠点
があり、実際上は特定の用途にしか用いられていないの
が現状である。
【0004】これに対し、本発明者らはワックスを含ま
ない防湿紙として特定のフィロケイ酸塩化合物と合成樹
脂ラテックスからなる防湿紙を開発した(特開平9−2
91499号公報)。この防湿紙はワツクスを用いてい
ないため、滑ったり、また折り目の防湿性が弱くなるこ
ともなく、通常の、または再離解可能なホツトメルト接
着剤が使用できるので、粘着テープを使用する必要もな
い。しかし、これら防湿紙の防湿性は15〜30μmの
ポリエチレンラミネート紙なみの透湿度であり、20〜
40g/m2・24hr程度しか得られず、透湿度が15g/m2
24hr以下の性能を要求される洗剤用包装箱、煎餅用箱な
どの用途への適用は困難であった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は非常に高い
防湿性を有し、かつ古紙として回収、リサイクル可能な
防湿積層体である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙支持体上の
少なくとも片面に平板状顔料と合成樹脂を含む防湿層を
形成した防湿紙において、該防湿層上に2〜10g/m2
の塩化ビニリデンラテックスを塗工して得られる被覆層
を設けたことを特徴とする防湿積層体である。
【0007】また本発明は、防湿層中にカップリング
剤、カップリング剤加水分解物、カップリング剤加水分
解物の縮合物、平板状顔料とカップリング剤加水分解物
の反応物の少なくとも一つが含まれていることを特徴と
する前項記載の防湿積層体である。
【0008】さらに本発明は、防湿層中に活性水素反応
性化合物あるいは活性水素反応性化合物と合成樹脂の反
応物の少なくとも一つが含まれていることを特徴とする
前項記載の防湿積層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】ポリ塩化ビニリデンフイルムは極
めて優れた防湿性を有する。しかし、この成膜は強固で
あり、従ってこのフィルムを紙基材に積層したラミネー
トした積層体は、再離解するためパルパーに投入しても
大きなフイルムが残存し、古紙として再利用することは
できない。一方塩化ビニリデンラテツクスを塗工、乾燥
した皮膜はポリ塩化ビニリデンフイルムにくらべ防湿性
は劣るが、他の合成樹脂ラテックス皮膜に比し高い防湿
性を有する。
【0010】そこで、本発明者は塩化ビニリデンラテッ
クスを紙支持体に塗工することで、透湿度が15g/m2
24hr以下の性能を要求される分野に使用でき、しかも古
紙として離解、リサイクルできる防湿積層体を得られる
よう鋭意検討した。塩化ビニリデンラテックスを直接紙
支持体上に皮膜形成してこのような非常に高い防湿性を
得るには、塩化ビニリデン被覆層として20g/m2以上
が必要であった。これは紙支持体表面の凹凸が激しいこ
と、また支持体の吸収性が大きいことから塩化ビニリデ
ンラテックスが支持体中に多量に浸透し、有効な連続皮
膜が形成されないためと考えられる。本発明者らはこれ
らの現状に鑑みさらに検討したところ、塩化ビニリデン
被覆層を2回に分けて塗工することにより、15g/m2
前後の塗工量で所望の透湿度が得られることを確認し
た。しかし、このような塗工量では再離解した場合にか
なり大きな樹脂片がパルプスラリー中に残存し、再離解
後、古紙原料として利用するためには、特別なスクリー
ン選別を実施する必要があつた。ところがこれらの検討
の途中で、紙支持体への塩化ビニリデンラテックスの塗
工量が10g/m2以下になると再離解性が格段に向上
し、現有の設備で処理することができる程度になること
が判明した。
【0011】一方、塩化ビニリデンラテックスをフイル
ムのような平坦な面に塗工すれば粉末洗剤箱に必要な所
望の透湿度が得られることが知られていることから、紙
支持体上にポリビニルアルコールのようなバリアー性の
高い塗工層をあらかじめ形成すればフイルムと同様のバ
リアー性が得られることは自明である。このため、紙支
持体上にポリビニルアルコールの塗工層を形成したの
ち、該塗工面上に塩化ビニリデンラテックスを塗工する
ことを試みた。しかし、所望の透湿度を得るには依然1
0g/m2以上の塗工量が必要であった。しかし、紙支持
体上に塗工するポリビニルアルコールの塗工量を10g/
2となるよう多数回塗工したのち5g/m2前後の塩化ビ
ニリデン被覆層を形成すれば10g/m2・24hr程度の優れ
た防湿性が得られた。これは前塗工によって紙支持体の
凹凸を覆い平坦にした効果が現れたものと理解すること
ができる。
【0012】しかし、このような多数回の塗工によって
防湿紙を製造することは現実的でないため、平坦化を達
成するためには顔料を含む塗工層を設けることを検討し
た。その結果、本発明者の見いだした特定の平板状顔料
と合成樹脂ラテックスからなる防湿層を設けた防湿紙上
にさらに塩化ビニリデンラテックスを塗工してなる被覆
層をもうけることにより、塩化ビニリデンラテックスの
塗工量を大幅に低減させることができ、フイルムと同等
の極めて優れた防湿性と、リサイクル性が両立した防湿
積層体を得られることが判明した。これは平板状顔料が
塗工面に対して平行に多層配列し、水蒸気の透過距離が
増大することによって得られた防湿層と、塩化ビニリデ
ンラテックス塗工層の結晶性とあいまつて非常に良い防
湿性を発揮するものと推察される。この効果は、炭酸カ
ルシウムや、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカなど通常の
顔料の塗工では到底達成できないものであつた。
【0013】以下に本発明について詳細に説明する。塩
化ビニリデンラテックスは化学式
【0014】
【化1】
【0015】で表される化合物で皮膜の硬さの調節など
目的に応じたコモノマーを選択した塩化ビニリデン共重
合体である。コモノマー(共重合モノマー)としては、
塩化ビニル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノエ
チルなどのエチレン性不飽和カルボン酸化合物;α−メ
チルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合
物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシルエチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基
含有エチレン性不飽和化合物;アクリル酸グリシジルメ
タクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和酸のグリ
シジルエステル;アリルグリシジルエーテルなどの不飽
和アルコールのグリシジルエーテル;(メタ)アクリル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド系化合物等が挙げられ、これら
の重合性単量体を単独でまたは二種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0016】ポリ塩化ビニリデンフイルムは非常に高い
結晶性により防湿性を有するが、本発明に用いる塩化ビ
ニリデンラテックスの塗工による皮膜も防湿性を示すに
は皮膜の一部が結晶化している必要がある。この結晶化
の度合いは一般に10〜30%である。この結晶化部分
の存在が防湿性の向上に必要であることから、塩化ビニ
リデンラテックスを塗工したのちの乾燥工程で結晶化を
促進するするような状態を作ることが望ましい。このた
めには塩化ビニリデン共重合体のガラス転移点以上の温
度で乾燥したほうが好ましく、さらには100℃以上の
皮膜表面温度を保持するよう乾燥することが好ましい。
しかし、塗工直後に充分な結晶性を得ることができない
場合、塗工したのち40℃前後の温度で数時間以上熱処
理することにより結晶化を促進し、より優れた防湿性を
得ることができる。このように後熱処理をする場合で
も、塗工時の紙面温度は70℃以上の状態を数秒間保つ
ように乾燥することが好ましい。
【0017】塩化ビニリデンラテックスが塗工された直
後は、充分な結晶化が達成されていないため、巻き取り
がブロッキングを起こしやすくなる。このようにブロッ
キングしやすい場合はブロッキング防止のため塩化ビニ
リデン共重合体の塗布厚みよりも大きい粒子径の粉体を
添加することが望ましい。例えば塩化ビニリデン被覆層
が5g/m2である場合は、8μm程度の平均粒子径を持
つシリカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉体、ある
いはポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタア
クリレート等の有機粉体を添加することができる。ま
た、表面の滑りを発生させない範囲でワックスエマルジ
ョンを添加すると、ワツクスが塩化ビニリデン共重合体
の結晶化速度を急速に増加させる作用を有すること、ま
たワツクス自身の剥離性のため、ブロツキング防止に役
立つ場合がある。塩化ビニリデンラテックスの塗工量は
固形分換算で2〜10g/m2、さらに好ましくは1〜8g
/m2である。塗工量が2g/m2未満だと防湿性向上の効
果が発揮できず、10g/m2を越えた場合は積層体の離
解性が大幅に低下し、本発明の効果が達成できない。
【0018】本発明の防湿層に用いる平板状顔料とは、
アスペクト比が5以上である概略平板な結晶性の物質で
あり、かつ、レーザー回析法で測定した平均粒子径が1
〜300μmの範囲の物を指す。本発明においては、平
均粒子系が3〜200μmのものが好適であり、さらに
好ましくは5〜150μmである。特に防湿性の向上に
有効な粒子径は10〜100μmと考えられる。粒子径
が1μm未満の平板状顔料は塗工層中での配向が支持体
に対して平行になりにくいため防湿性向上効果が少なく
なり、また300μmを越えると平板状顔料の一部が塗
工層から突き出たり、また平板状顔料の厚みが増す程、
塗工層中に形成される平板状顔料の層数が少なくなって
しまうために防湿性能向上効果が減少すると推察され
る。このような場合は防湿層の塗工量を増大して対処す
る必要がある。これらの形状を有する平板状顔料を本発
明の防湿層に用いた場合、その塗工層厚みに対し小さす
ぎる粒子径のものを使用すると、塗工層中の顔料のう
ち、支持体に対して平行に配向するものが少なくなり、
結果として顔料の塗工量を増大する必要が生じる。従っ
て本発明者らの検討によると、塗工層厚みの1/10以
上の平均粒子径を有する平板状顔料を用いるのが好まし
い。一方塗工層厚みの10倍以上の平均粒子径を有する
平板状顔料は、塗工時に顔料粒子の一部が塗工層から突
出しやすくなったり、折曲げ時に塗工層に空隙を形成し
やすくなる場合があり好ましくなく、使用するとしても
少量にとどめる必要がある。
【0019】該平板状顔料は、フィロケイ酸塩鉱物、天
然燐片状黒鉛などが挙げられる。フィロケイ酸塩鉱物に
属するものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有
し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥
石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱
物がある。これらの中でも産出されるときの粒子が大き
く産出量が多い鉱物、例えば雲母族やタルクが好まし
い。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セ
リサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオ
タイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソー
ダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パ
ラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。これらの
うち最も好適な平板状顔料としては白雲母、金雲母、絹
雲母などの雲母系鉱物が粒子径の大きさ、アスペクト
比、コストなどの点から好適である。雲母系鉱物が他の
板状鉱物と大きく異なる点は、原鉱石が単結晶なため非
常に大きな板状でその結晶が非常に強固にもかかわら
ず、薄片状に劈開しやすい点である。
【0020】これら雲母系鉱物についてさらに詳述すれ
ば、白雲母粉末の化学組成は一般式;K2O・3Al2
3・6SiO2・2H2Oで表現されるものである。この
白雲母原石をハンマーミル等で乾式粉砕、もしくはガラ
スビーズを水中で粉砕媒として用いたサンドミル等の湿
式粉砕を行い、さらに分級して所望の粒子径分布の雲母
粉末を得ることができる。この際アスペクト比を維持す
るために、粉砕時に過大な力がかからないようにした
り、超音波をかけながら湿式粉砕(USP324020
3)するなどの配慮を施すことにより、アスペクト比の
高い雲母粉末を手に入れることができる。通常これらの
方法で得られたアスペクト比は電子顕微鏡の観察などに
よると10〜100である。白雲母に対し絹雲母(セリ
サイト)は化学組成としては類似しており、SiO 2
Al23の比率が僅かに大きく、K2Oの含有率が小さ
い。しかし、絹雲母は白雲母に比べ原石が細かいため、
一般に粉砕分級して得られた絹雲母の平均粒子径は0.
5〜2μm程度であり、市販されているものはこれらの
範囲のものがほとんどである。このため本発明を実施す
るには絹雲母として特異的に大きい粒子径分布のものを
使用する必要があるため、粉砕条件を大幅に緩和した
り、汎用製品の分級残査粗粒子部分をさらに分級し、必
要な大きさのメッシュをパスした粒度分布のものを使用
する必要がある。かかる絹雲母は白雲母とほぼ同じアス
ペクト比を得ることができ、アスペクト比10〜50の
ものが一般的である。金雲母はマグネシウムの多い雲母
であり、鉄などの不純物が白雲母にくらべて多く含ま
れ、化学組成は一般式;K2O・6MgO・Al23
6SiO2・2H 2Oで表現されるものである。結晶系は
白雲母と同じで単斜晶系であるが、硬度が白雲母に比べ
低いため、金雲母を軟質雲母、白雲母を硬質雲母と称す
る。黒雲母も白雲母と同様に薄片状に粉砕されやすくそ
のアスペクト比は10〜100のものが一般的である。
白雲母及び金雲母は原石の大きさが絹雲母と比較して非
常に大きく、粉砕分級して粒度分布を任意に選ぶことが
可能である。一方絹雲母は、原石は小さいが劈開性が大
きく、白雲母と同様、粉砕物は平板状を呈し好ましい。
【0021】これら平板状顔料を支持体上に層形成する
ために用いる合成樹脂は、水蒸気の透過をできるだけ防
止するものが好ましい。種々の合成樹脂エマルジョンを
クラフト紙に20g/m2塗工したときの透湿度を測定し
てみると、透湿度が100〜300g/m2・24hr前後の値
を示すもの、400〜1000g/m2・24hr前後の値を示
すもの、さらには1000g/m2・24hr以上の値を示すも
のに大別できた。ここで、本発明に用いる合成樹脂エマ
ルジョンを紙支持体に塗工したものの透湿度は同様の測
定法で透湿度が500g/m2・24hr以下、さらに望ましく
は250g/m2・24hr以下が好適である。もちろん本発明
の効果を阻害しない範囲で、透湿度500g/m2・24hr以
上の合成樹脂エマルジョンを混合使用してもよい。本発
明に用いる合成樹脂は水性のエマルジョン(ラテック
ス)であり、 スチレン−ブタジエン(SBR)系共重
合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート
−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエ
ン系共重合体、アクリルエステル系共重合体、ポリエス
テル系、ポリウレタン系などが挙げられるが、耐水性の
面が良好で伸びがよく折割れによる塗工層の亀裂が生じ
にくいためにSBRが好適である。これらの合成樹脂は
単独、または二種類以上を混合して用いることができ
る。SBR系共重合体の重合性単量体はスチレン及び
1,3-ブタジエンを主体とするが、その他のスチレン
及び1,3-ブタジエンと共重合可能な単量体を本発明
の目的を損なわない範囲で使用することができる。その
他のスチレン及び1,3-ブタジエンと共重合可能な単
量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モ
ノエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸;α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合
物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシルエチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基
含有エチレン性不飽和化合物;アクリル酸グリシジルメ
タクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和酸のグリ
シジルエステル;アリルグリシジルエーテルなどの不飽
和アルコールのグリシジルエーテル;(メタ)アクリル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド系化合物等が挙げられ、これら
の重合性単量体を単独でまたは二種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0022】合成樹脂の最低造膜温度(MFT:一般に
合成樹脂のガラス転移温度より5〜10℃高い温度を示
す)は、0〜80℃、より好ましくは1〜65℃であ
る。合成樹脂のガラス転移温度(Tg)は−15〜70
℃、より好ましくは−10〜60℃である。合成樹脂の
粒子径、ゲル分率(THFなどの溶媒で抽出されない
量)、分子量などは特に限定されないが、粒子径は50
〜500nm、ゲル分率は10〜99%、分子量は数千
〜数十万の範囲が好ましい。本発明に使用する平板状顔
料と合成樹脂との配合(重量)比率(固形比)は10:
90〜80:20、好ましくは30:70〜65:35
である。
【0023】本発明で使用するカップリング剤として
は、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップ
リング剤等が挙げられる。カップリング剤の構造は、フ
ィロケイ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する
親水基と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水
基に大別され、特にその親水基部分はTi、Al等の金
属元素やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得
られる。一方、カップリング剤の疎水基部分について
は、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化合
物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に疎
水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果があ
る。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミノ
基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と樹
脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層樹
脂マトリックスとの接着性が高まる。従って、カップリ
ング剤の疎水基部分の組成は親和相手である樹脂との相
溶性で決まる。
【0024】該カップリング剤には、2−グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−アミ
ノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕エチルト
リメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)ア
ミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−
アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、
3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチ
ルジメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメ
トキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシ
シラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、、3
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルアセト
キシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2
−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チ
タネートなどが挙げられる。
【0025】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂を含む塗工液にカップリ
ング剤を直接添加する方法である。また、前処理法はあ
らかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリング剤で
処理した後、合成樹脂と混合して塗料を製造する方法で
ある。カップリング剤の添加量はフィロケイ酸塩化合物
100重量部(固形分)に対して0.1〜5重量部(固
形分または有効成分)、好ましくは0.5〜2重量部で
ある。添加量が0.1重量部未満の場合、カップリング
剤によるフィロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分とな
るため好ましくなく、5重量部を越える場合、カップリ
ング剤の効果が頭打ちとなるため不経済である。カップ
リング剤は水分によってアルコキシ基の全てあるいは一
部分が加水分解される。このとき、酸やアルカリが共存
すると加水分解速度が増大するので好ましい。さらに加
水分解したカップリング剤はカップリング剤同士との縮
合、平板状顔料の表面との反応、平板状顔料と反応した
カップリング剤と別のカップリング剤の縮合といった複
雑な反応を起こす。一般に添加した50%以上のカップ
リング剤が平板状顔料の表面と反応を起こしていると考
えられている。このようにしてカップリング剤で処理し
た平板状顔料は、表面の疎水性が高まるため、水性分散
液としたとき増粘して塗工できなかったり、分散不良と
なって凝集体が発生することがある。この場合、界面活
性剤やポリアクリル酸系の分散剤やイソプロピルアルコ
ール、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の湿潤剤
を用いて分散する。
【0026】本発明で使用する活性水素反応性化合物
は、合成樹脂に含まれるカルボキシル基、アミド基、水
酸基、スルホン酸基、メチロール基等の親水性官能基と
反応して合成樹脂を架橋、高分子化(三次元網目構造)
あるいは疎水化するものである。こうした架橋剤として
は(1)メチロール基を有し、上記親水性官能基と脱水
反応を起こすもの(メラミン−ホルムアルデヒド縮合反
応生成物など)、(2)アルデヒド基を有し、上記親水
性官能基と付加反応を起こすもの(グリオキザールな
ど)、(3)エポキシ基を有し、上記親水性官能基と開
環付加反応を起こすもの(ポリグリシジルエーテル化合
物、単官能エポキシ化合物など)、(4)多価金属を有
し上記親水性官能基と配位結合及び共有結合を形成する
もの(炭酸ジルコニウムなど)、(5)水溶液中でカチ
オン性を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成する
もの(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂、ポリアミドエピ
クロロヒドリン樹脂など)などがある。活性水素反応性
化合物の配合量は合成樹脂100重量部(固形分)に対
して0.01〜10重量部(固形分または有効成分)、
好ましくは0.1〜5重量部が望ましい。架橋剤の配合
量が0.01重量部未満の場合、防湿性向上の効果がほ
とんどなく、10重量部を越えると未反応の活性水素反
応性化合物が析出するなどの問題が発生するため好まし
くない。
【0027】これら防湿層の塗工量は5〜40g/m2
範囲が好適で、さらに好ましくは10〜25g/m2の範
囲である。塗工量が5g/m2以下になると防湿層の層形
成が不充分となるため防湿性が大幅に劣化し、40g/m
2以上になると透湿度の向上が頭打ちとなるので非経済
的である。防湿塗料は平板状顔料を水中で分散し合成樹
脂ラテックスエマルジョンあるいはアルカリ水や溶剤で
可溶化された合成樹脂ラテックスと混合するか、合成樹
脂ラテックスエマルジョン中またはアルカリ水や溶剤で
可溶化された合成樹脂ラテックス中で顔料を分散し、所
定の固形分に調整し塗料とする。また、被覆層は水溶性
樹脂と架橋剤を所定の固形分に調整し塗料とする。この
とき必要とあらば、増粘剤、分散剤、消泡剤、界面活性
剤、色合い調整剤、無機顔料、有機顔料を添加したりす
ることができる。また、片面にのみ防湿層を形成する場
合は塗工面の反対側にはカール防止のために水塗りをす
る方が好ましい。
【0028】防湿層及び被覆層を形成するための塗工設
備として特に限定はしないが、エアナイフコーター、バ
ーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ゲー
トロールコーターグラビアコーター、カーテンコータ
ー、スライドコーター、コンマコーター、ダイコーター
等から任意に選択することができる。特に防湿層形成の
場合、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコ
ーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式が、平
板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。支持体
としては、機械的離解作用によって水中で分散しやすい
ものとして、例えば広葉樹クラフトパルプや針葉樹クラ
フトパルプのような化学パルプ、セミケミカルパルプや
サーモメカニカルパルプのような機械パルプ、古紙パル
プ等から選ばれたパルプを一種類あるいは二種類以上を
混合した原料より製造した上質紙、中質紙、片艶クラフ
ト紙、両更クラフト紙、クラフト伸長紙、上質古紙、中
質古紙、古紙入りクラフト紙、クラフトライナー、ジュ
ートライナー、中芯原紙、板紙等が挙げられる。これら
の原紙の坪量に格別の限定はなく、30〜300g/m2
のものが適宜目的に応じて選択されて用いられる。ま
た、原紙中にサイズ剤や紙力増強剤などの各種内添剤を
含んだものや表面サイズされた原紙を用いてもかまわな
い。本発明の防湿積層体は、被膜形成性の良い塩化ビニ
リデンを使用するにもかかわらず、再離解性には全く問
題がない。即ち、本発明のように粒子径の大きな平板状
顔料を用いると、再離解の工程で、スラリーを攪伴する
機械力により平板状顔料が塗工層破断の起点となり、合
成樹脂被膜がその塗工層と共に破断して極小細片へ分解
する。即ち、ポリエチレンをラミネートしたポリラミ紙
を離解すると粗大な薄片が残存するのに対し、本件発明
の防湿積層体を離解すると、粗大な薄片を認めない状態
に離解することが可能である。
【0029】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。なお、下記の実施例は本発明を限定するもので
はない。なお実施例中の重量部は全て固形分換算であ
る。
【実施例】<実施例1>平板状顔料として絹雲母(商品
名:KF1325、平均粒子径13μm、アスペクト比
20〜30、中央カオリン(株)製)100重量部、ポリ
アクリル酸系分散剤(商品名:キャリボンL400、東
亞合成(株)製)0.4重量部、水100重量部を、カウ
レス分散機を用い回転数2000rpmで2時間分散し
た。得られたKF1325分散液100重量部とSBR
ラテックス(商品名:LX407S1X1、Tg14
℃、ゲル量80%、固形分48%、日本ゼオン(株)製)
120重量部を混合し防湿層塗料を調整し、未晒両更ク
ラフト紙にメイヤーバーで固形分として塗工量20g/m
2になるように手塗りした後、熱風循環乾燥機を用いて
110℃で1分間乾燥させ防湿層を形成した。次に塩化
ビニリデンラテックスとして、サランラテックス(商品
名:サランL402、旭化成工業(株))を該防湿層上にメ
イヤーバーで固形分として塗工量3g/m2手塗りした
後、熱風循環乾燥機を用いて110℃で1分間乾燥させ
被覆層を形成し、防湿積層体を作成した。
【0030】<実施例2〜5>塩化ビニリデンラテック
スとして、旭化成工業(株)製サランラテックスL511(実
施例2);旭化成工業(株)製サランラテックスX520(実
施例3);呉羽化学(株)製クレハロンラテックスDO81
8(実施例4);呉羽化学(株)製クレハロンラテックスD
O870(実施例5)とし、いずれも皮膜形成後40℃の環
境に24時間放置したこと以外は、実施例1と同様にし
て防湿積層体を作成した。
【0031】<実施例6>平板状顔料として白雲母(商
品名:マイカA21、平均粒子径20μm、アスペクト
比20〜30:山口雲母工業所(株)製)を用いたこと
以外は実施例1と同様にして防湿積層体を作成した。
【0032】<実施例7>カップリング剤KBM403
(グリシドキシシランカップリング剤:信越化学工業
(株)製)を用いて乾式前処理法によって表面処理され
た白雲母(商品名:マイカA21、平均粒子径20μ
m、アスペクト比20〜30:山口雲母工業所(株)
製)50重量部を水50重量部中にカウレス分散機を用
い回転数2000rpmで2時間分散した。得られたマイ
カA21分散液100重量部と、SBRラテックス(商
品名:LX407S1X1、固形分48%:日本ゼオン
(株)製)120重量部からなる防湿塗料を調整し、未
晒両更クラフト紙に固形分として15g/m2塗工後、1
10℃で1分間乾燥させて防湿層を形成させた。さらに
この上に塩化ビニリデンラテックスとしてサランラテッ
クス(商品名:サランL402、旭化成工業(株))を該防
湿層上にメイヤーバーで固形分として塗工量3g/m2
なるように手塗りした後、熱風循環乾燥機を用いて11
0℃1分間乾燥させ被覆層を形成し防湿積層体を作成し
た。
【0033】<実施例8>平板状顔料マイカA21を5
0重量部と、水50重量部と、SBRラテックス(商品
名:LX407S1X1、固形分48%:日本ゼオン
(株)製)120重量部、活性水素反応性化合物として
ソルビトールポリグリシジルエーテル(商品名:デナコ
ールEX614B、固形分98%以上、ナガセ化成
(株)製)2重量部をプロペラ式撹拌機にて混合して防
湿塗料を調整し、未晒両更クラフト紙に固形分として塗
工量15g/m2塗工後、110℃で1分間乾燥させて防
湿紙を製造した。次に塩化ビニリデンラテックスとして
サランラテックス(商品名:サランL402旭化成工業
(株))を該防湿層上にメイヤーバーで固形分として塗
工量3g/m2となるように手塗りした後、熱風循環乾燥
機を用いて110℃1分間乾燥させ被覆層を形成し防湿
積層体を作成した。
【0034】<実施例9>平板状顔料マイカA21を5
0重量部と、水50重量部と、SBRラテックス(商品
名:LX407S1X1、固形分48%、日本ゼオン
(株)製)120重量部、チタネート系カップリング剤
(商品名:プレンアクトKR44、味の素(株)製)2重量
部をプロペラ式撹拌機にて混合して防湿塗料を調整し、
未晒両更クラフト紙に固形分として塗工量15g/m2
工後、110℃で1分間乾燥させて防湿紙を製造した。
次に塩化ビニリデンラテックスとしサランラテックス
(商品名:サランL402旭化成工業(株))を該防湿層上
にメイヤーバーで固形分として塗工量3g/m2となるよ
うに手塗りした後、熱風循環乾燥機を用いて110℃で
1分間乾燥させ被覆層を形成し防湿積層体を作成した。
【0035】<実施例10〜12>被覆層の塗工量を各
2g/m2(実施例10)、8g/m2(実施例11)、10
g/m2(実施例12)としたこと以外は実施例1と同様
にして防湿積層体を作成した。
【0036】<実施例13>平板状顔料として金雲母
(商品名:W−40、平均粒子径25μm、アスペクト
比30〜40、(株)レプコ製)としたこと以外は実施例
2と同様にして防湿積層体を作成した。
【0037】<実施例14〜17>防湿層に用いる合成
樹脂ラテックスとして、各々SBRラテックス(商品
名:ポリラック686A3、Tg−1℃、ゲル量40
%、三井東圧化学(株)製)(実施例14)、ポリエステ
ルエマルジョン(商品名:バイロナールMD1400、
Tg23℃、東洋紡績(株)製)(実施例15)、アクリ
ルスチレンエマルジョン(商品名:AD−81B、Tg
20℃、ゲル量70%、カネボウNSC(株)製)(実施
例16)、アクリルニトリルブタジエンラテックス(商
品名:LX550、Tg−22℃、日本ゼオン(株)製)
(実施例17)を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て防湿積層体を作成した。
【0038】<比較例1>塩化ビニリデンラテックス塗
工層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして防
湿積層体を作成した。
【0039】<比較例2〜5>塩化ビニリデンラテック
ス塗工層を設けなかったこと以外は実施例6と同様にし
て防湿積層体を作成し、比較例2とした。同様に実施例
7に対し比較例3、実施例8に対し比較例4、実施例9
に対し比較例5とした。
【0040】<比較例6〜7>塩化ビニリデンラテック
ス塗工層の塗工量を各々1g/m2(比較例6)、15g/
2(比較例7)としたこと以外は実施例1と同様にし
て防湿積層体を作成した。
【0041】<比較例8〜12>塩化ビニリデンラテッ
クス塗工層を設けなかったこと以外は、実施例13〜1
7と同様にして防湿積層体を作成し、各々比較例8〜1
2とした。
【0042】<比較例13>平板状顔料ではなく粒状形
状をした炭酸カルシウム粉末(商品名:ソフトン180
0、製平均粒子径3.5μm、備北粉化(株))を用い
た以外は実施例1と同様にして防湿積層体を作成した。
【0043】<比較例14>SBRラテックスの代わり
にポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール10
4、クラレ(株)製)を用い、塗工量を20g/m2とし
た以外は実施例1と同様にして防湿積層体を作成した。
【0044】<試験方法> 1)透湿度 JIS Z0208(カップ法)B法で塗工面を外側に
して測定した。透湿度の基準として15g/m2・24hr以下
であれば充分実用性があるが、10g/m2・24hr以下であ
れば用途拡大が望める。 2)平均粒子径 島津レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−110
0 V2.0((株)島津製作所製)によって水中に分散
させた顔料の粒子径を以下の方法で測定した。なお、本
発明中における粒子径は平均粒子径(積算体積率が50
%の粒子径)である。 測定範囲:1〜150μmまたは0.1〜45μm 屈折率 :1.6 計算方法:直接計算法 測定回数:4回 測定間隔:2秒 3)離解性 約3cm四方の防湿紙8gを500mlの水と共に家庭
用ミキサーで(刃は繊維を切らないようにヤスリで削り
落としたものを使用)1分30秒間撹拌した。得られた
スラリーを実験室手抄きマシーンで坪量60g/m2の手
抄きシートを作成した。未離解物(フィルム片、紙片)
の有無を目視で評価し、未離解物を含まないものを○、
まばらに未離解物が散在するものを△、切断したサンプ
ルのエッジを含む未離解物があるものを×とした。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】<評価結果>表1より、塩化ビニリデンラ
テックスによる被覆層を設けると、透湿度が15g/m2
24hr程度以下を達成することができ、さらに40℃で熱
処理を行うと10g/m2・24hr以下を達成できることが明
らかである。表2より、架橋剤の種類に関わりなく透湿
度は低下することが明らかである。表3より、塩化ビニ
リデンラテックスによる被覆層の塗工量は2〜10g/m
2が好適であり、この範囲より少ないと被覆層を設けた
効果がなく、この範囲を越えると離解性が大幅に劣るこ
とが明らかである。表4より、防湿層に用いる合成樹脂
ラテックスや平板状顔料の種類に関係なく、塩化ビニリ
デンラテックスによる被覆層を設けることで防湿性が向
上することが明らかである。表5より、防湿層に平板状
顔料でない顔料を用いた場合、あるいは合成樹脂ラテッ
クス以外を使用した場合は防湿性が劣ることが明らかで
ある。
【0051】
【発明の効果】本発明によって、水中において容易に離
解可能でリサイクルが可能で、しかも特に高い防湿性を
要求される分野に採用可能な防湿積層体を提供するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AC03 AC05 AH06B AH06C AH06H AK01B AK01C AK16D AK16E AK25 AK73 AN02 BA05 BA06 BA13 CA13B CA13C CA30B CA30C DE02B DE02C DE02H DG10A GB15 JB20B JB20C JD15 JD15B JD15C JL16 YY00D YY00E 4L055 AG25 AG32 AG38 AG63 AG67 AG71 AG74 AG76 AG82 AG94 AG97 AH02 AH23 AH37 AH50 AJ02 AJ04 BE09 EA14 FA30 GA05 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体上の少なくとも片面に平板状顔料
    と合成樹脂を含む防湿層を形成した防湿紙において、該
    防湿層上に2〜10g/m2の塩化ビニリデンラテックス
    を塗工して得られる被覆層を設けたことを特徴とする防
    湿積層体。
  2. 【請求項2】防湿層中にカップリング剤、カップリング
    剤加水分解物、カップリング剤加水分解物の縮合物、平
    板状顔料とカップリング剤加水分解物の反応物の少なく
    とも一つが含まれていることを特徴とする請求項1記載
    の防湿積層体。
  3. 【請求項3】防湿層中に活性水素反応性化合物あるいは
    活性水素反応性化合物と合成樹脂の反応物の少なくとも
    一つが含まれていることを特徴とする請求項1〜2のい
    ずれかに記載の防湿積層体。
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