JP2000314096A - 防湿積層体 - Google Patents

防湿積層体

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JP2000314096A
JP2000314096A JP11126111A JP12611199A JP2000314096A JP 2000314096 A JP2000314096 A JP 2000314096A JP 11126111 A JP11126111 A JP 11126111A JP 12611199 A JP12611199 A JP 12611199A JP 2000314096 A JP2000314096 A JP 2000314096A
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Shinichi Koga
慎一 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度条件下や結露した状態における保管、
および使用においても高い防湿性能を有し、かつ易離解
性を有し、再生利用が容易な防湿積層体を得る。 【解決手段】 紙支持体の少なくとも片面に平板状顔料
と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設けた防湿積
層体において、該紙支持体の水分変化1%当たりの寸法
変化率が、0.1%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対湿度100%
などの高湿度条件下においても充分な防湿性能を発揮
し、各種包装用途に適用でき、しかも使用した後、容易
に離解することができ、リサイクルが可能な防湿積層体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、製品の吸湿を防止するための防湿
包装手段としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ま
たは塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの高分子化合物
を、紙などの支持体上に塗工、または貼合、ラミネート
などの処理を施して被膜形成せしめた基材を用いること
が一般的に知られている。しかしながら、昨今に見られ
る積極的なリサイクル化の推進や環境保護への取り組み
といった社会的動向を背景に、これら防湿層を有する防
湿積層体の易離解性は、もはや必要不可欠な条件となり
つつある。
【0003】このような易離解性の防湿積層体を製造す
る方法としては、例えば特公昭55−22597号公
報、特開昭59−66598号公報等が知られている。
これらは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを
配合してなる水性エマルジョンを紙支持体表面に塗工し
たものである。しかし、このような防湿積層体は、防湿
層中に含まれるワックス成分が、防湿層表面にブリード
して蓄積するため、例えば情報記録用紙などの小判断裁
紙包装に用いた場合、ワックス成分が、隣接する情報記
録用紙に転移し、記録用紙の表面摩擦抵抗が大幅に低下
するため、冊間重送(複写機やプリンターなどで一度に
2枚以上の用紙が給紙される現象)などのトラブルを引
き起こす危険性が高くなる。また、このような防湿層
は、表面にブリードして形成されたパラフィン薄膜層に
て防水/防湿性を保持しているため、これら防湿積層体
を一般的な包装に用いた場合には、折り目や微少なキズ
等から水蒸気が侵入してしまい、充分な防湿性を保持す
ることが困難となってしまう。さらに、ワックスを含有
した紙を使用後に再離解して抄紙した再生紙は非常に滑
りやすく、またこのような再生紙は接着適性が悪く、例
えばダンボールの中芯などに用いた場合は、表面にライ
ナーを張り合わせる際に剥がれたりしてしまう問題が発
生する。
【0004】このようなワックスを含有する防湿積層体
の欠点を解決すべく、本発明者等は、以前、紙支持体上
に平板状顔料と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を
設けた防湿積層体(特開平9−21096号公報)を提
案した。この発明は、それ自体は水蒸気を通さないと思
われる顔料、例えばフィロケイ酸塩化合物粒子に見られ
るような平板状の顔料を合成樹脂ラテックスと混合して
防湿層を形成させたところ、平面的には水蒸気の透過面
積が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防
湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層
中の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過するこ
とから、水蒸気の所要透過距離が長くなり、結果として
大幅に防湿性能が向上することから見出された。しかし
ながら、このような防湿紙は、高湿度状況下における保
管、及び使用において、紙支持体の湿度変化に伴う伸縮
の影響から、防湿層を形成する合成樹脂ラテックス被膜
にクラックが発生するばかりか、平板状顔料と合成樹脂
ラテックス被膜との界面に空隙が発生してしまい、防湿
性能が著しく低下してしまうという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、相対湿度1
00%等の高湿度条件下や結露した状態における保管、
及び使用においても高い防湿性能を有し、かつ易離解性
を有し、再生利用が容易な防湿積層体を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って本発明の第一は、
紙支持体の少なくとも片面に平板状顔料と合成樹脂ラテ
ックスとからなる防湿層を設けた防湿積層体において、
該紙支持体の水分変化1%当たりの寸法変化率が、0.
1%以下であることを特徴とする防湿積層体である。
【0007】本発明の第ニは、平板状顔料がカップリン
グ剤で処理されている前項基材の防湿積層体である。
【0008】本発明の第三は、防湿層中にラテックス架
橋剤が含まれている前項記載の防湿積層体である。特徴
とする防湿積層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明者等は、前述の如く平板状顔料と合成樹脂ラテッ
クスとからなる防湿層を有する防湿積層体の相対湿度1
00%の高湿度条件下における防湿性能の劣化が、紙支
持体の湿度変化に伴う伸縮に影響されていることを確
認、紙支持体の湿度変化に伴う伸縮率をより小さくする
ことにより、高湿度条件下で安定した防湿性を得ること
が可能であることを見いだした。即ち、本発明に用いら
れる紙支持体は、水分変化1%当たりの寸法変化率が、
紙の方向を問わず0.1%以下のものであれば特に制限
なく用いることができるが、具体的にはいわゆる緊張乾
燥によって得られた紙が特に好適に用いられる。通常、
環境変化による紙の収縮は、乾燥時に発生する単繊維間
収縮、および単繊維内収縮が、シート全体に波及するこ
とによって生ずるため、紙支持体の寸法安定性は、その
乾燥方法に大きく影響される。単繊維の収縮を抑える乾
燥方法としては、例えばヤンキードライヤーのような、
表面が高度に研磨された大径のシリンダードライヤー面
に湿潤状態の原紙を圧着ロールで密着させ強制的に乾燥
する、いわゆる緊張乾燥が挙げられる。このような紙と
しては、例えば、片艶クラフト紙や片艶晒クラフト紙、
純白ロール紙、Sロール紙、Gロール紙等がよく知られ
ている。前述の如き緊張乾燥を施した紙であれば、水分
変化1%当たりの寸法変化率を0.1%以下に抑えるこ
とは充分に可能である。またこのような紙は表面が高平
滑であることから、防湿積層体の支持体として用いた場
合、防湿層の平板状顔料の配向性が、塗工面に対して均
一、かつ基材表面に対して平行に配列しやすくなるた
め、防湿性能が格段に向上するという効果も有する。さ
らにこのような緊張乾燥紙としては、原紙の水分が40
%〜70%という水分領域で温度100℃またはそれ以
上で加圧して密着乾燥する方式、いわゆるプレス乾燥に
よって製造した紙も含まれる。
【0010】一方、多筒ドライヤーなどによる無緊張乾
燥がなされた紙は、いずれも乾燥時の収縮が大きく寸法
安定性に乏しい。一般的にこの乾燥方法で得られた上質
紙や中質紙、両更クラフト紙などは、いずれも水分変化
1%当たりの寸法変化率が0.1%を越えるものであ
り、これらの紙を防湿積層体の支持体として使用した場
合、高湿度環境下における防湿積層体の防湿性能の劣化
に影響する。しかし、このような多筒ドライヤーを用い
た場合でも、乾燥工程においてエキスパンダーロールや
マウントホープロールなどを併用することで寸法変化率
を0.1%以下に抑えた紙については必ずしもこの限り
ではない。また本発明における紙支持体の坪量は用途に
応じて任意に決定できるが、通常は30〜300g/m2
あり、さらに好ましくは40〜150g/m2である。な
お、塗工層を設けた後でも、紙支持体自身の寸法変化率
を測定することができる。即ち、既知の有機溶剤、例え
ばトルエンやアセトンなどに防湿紙自体を浸漬させ、ガ
ーゼなどで防湿層を徐々に擦り取ることによって得た紙
支持体を測定するものである。紙支持体自身の寸法変化
の値は、塗工層を設ける前と、塗工層を上記の手段で取
り去った後のものとを比較すると、殆ど変化は生じてい
ない。
【0011】本発明で使用する平板状顔料は、塗布加工
後も平板性(平板状)が保持されているものであれば特
に限定されるものではないが、この条件を満たす平板状
顔料の中でも、特にフィロケイ酸化合物(層状構造を有
する層状ケイ酸塩化合物)であることが好ましい。フィ
ロケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状であ
って明瞭な劈開を有し、カオリナイト(カオリン鉱
物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、
スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥
石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトな
どがある。これらの中でも特に雲母族、タルクが好まし
い。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セ
リサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオ
タイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソー
ダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パ
ラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。これらの
フィロケイ酸塩化合物の中でも、特に白雲母、絹雲母、
および金雲母がその粒子径の大きさ、アスペクト比など
の点から好適に用いられる。本発明において、これら平
板状顔料のより好ましい平均粒子径(レーザー回折法に
よる測定値)範囲は1μm〜100μmである。平均粒
子径が1μm以下のものは、塗工層中における平板状顔
料の配向が紙支持体に対して平行になりにくく、100
μm以上になると平板状顔料の一部が防湿層から突き出
たり、また平板状顔料の厚みは厚くなるに伴い、防湿層
中で平板状顔料が形成する層数が少なくなるために防湿
性能向上効果が減少する。また、本発明において使用す
る平板状顔料の好ましいアスペクト比(前記平均粒子径
を厚さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により測
定)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が1
0以上である。アスペクト比が5未満のものは塗工面に
対して顔料が平行に配向できなくなるため防湿性能が劣
る。また、アスペクト比は大きいほど塗工層中で平板状
顔料が形成する層数が多くなるので、高い防湿性能を得
ることができる。
【0012】本発明に用いられる合成樹脂ラテックス
は、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)、アク
リル−スチレンラテックス、メタクリレート−ブタジエ
ンラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテック
スなどが挙げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく折
割れによる塗工層の亀裂が生じにくいスチレン−ブタジ
エンラテックスが好適である。またスチレン−ブタジエ
ンラテックスは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メ
タ)アクリルグリシジルエーテルなどで変性されたスチ
レン−ブタジエンラテックス(変性SBR)を使用して
も構わない。また、本発明に使用する平板状顔料と合成
樹脂ラテックスとの配合(重量)比率(固形比)は3
0:70〜70:30、好ましくは40:60〜65:
35である。
【0013】また、これらの防湿性塗料にカップリング
剤、もしくは架橋剤を添加することによって、さらなる
防湿性能の向上が望める。カップリング剤は合成樹脂ラ
テックスと平板状顔料との親和性を高めて両者の界面に
おける微少な空隙を減少させることにより、また架橋剤
は、合成樹脂ラテックスの架橋密度を上げることによ
り、水蒸気の透過を阻害、防湿性能が大幅に向上すると
考えられる。さらに、防湿層表面のブロッキングも改善
される。また、架橋剤とカップリング剤を併用すること
により、さらに防湿性を向上させることも可能である。
本発明で使用するカップリング剤としては、親水基部分
にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分にTi
を含むチタネートカップリング剤、親水基部分にAlを
含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。カッ
プリング剤の構造は、平板状顔料、例えばフィロケイ酸
塩化合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、
樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別さ
れ、特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やS
iに結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。こ
の親水基と無機化合物の反応性は無機化合物がガラス、
シリカ、アルミナ、タルク、クレー、マイカなどのよう
に表面に水酸基を有する場合に高い。チタネートカップ
リング剤は無機化合物が炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムでも反応性が高い。一方、カップリ
ング剤の疎水基部分については、疎水基部分が有機オリ
ゴマーである場合、無機化合物表面に高分子有機質の被
膜を形成し、表面を完全に疎水化して樹脂マトリックス
との接着性を高める効果がある。また、疎水基部分がエ
ポキシ基、ビニル基、アミノ基等の反応性有機官能基を
有する場合、その官能基と樹脂マトリックスの反応性官
能基とが架橋し、より一層樹脂マトリックスとの接着性
が高まる。従って、カップリング剤の疎水基部分の組成
は親和相手である樹脂との相溶性で決まる。
【0014】このようなカップリング剤としては、例え
ば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グ
リシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチ
ル)アミノ〕エチルトリメトキシシラン、3−〔N−
(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシ
ラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピ
ルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチ
ル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、2−メ
タクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリ
ロキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエ
チルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−メルカプ
トエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、ビニルアセトキシシラン、2−クロロエチ
ルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−
クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロ
ピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミ
ノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0015】こうしたカップリング剤により、平板状顔
料をインテグラルブレンド法や前処理法などで表面処理
して使用する。インテグラルブレンド法は平板状顔料と
合成樹脂ラテックスを含む塗工液にカップリング剤を直
接添加する方法である。また、前処理法はあらかじめ平
板状顔料表面をカップリング剤で処理する方法である。
カップリング剤の添加量は平板状顔料100重量部(固
形分)に対して0.1〜5重量部(固形分または有効成
分)、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量が
0.1重量部未満の場合、カップリング剤による平板状
顔料表面の被覆が不十分となるため好ましくなく、5重
量部を越える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとな
るため不経済である。
【0016】このようにしてカップリング処理した平板
状顔料は、表面の疎水性が高まるため水性分散液とした
とき増粘して塗工できなかったり、分散不良となって凝
集体が発生することがある。この場合、界面活性剤やポ
リアクリル酸系の分散剤やイソプロピルアルコール、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム等の湿潤剤を用いて
分散する。本発明で使用するラテックス架橋剤は、合成
樹脂ラテックスに含まれるカルボキシル基、アミド基、
水酸基等の親水性官能基と反応して合成樹脂ラテックス
を架橋、高分子化(三次元網目構造)するものである。
こうした架橋剤としては(1)メチロール基を有し、上
記親水性官能基と脱水反応を起こすもの(メラミン−ホ
ルムアルデヒド縮合反応生成物など)、(2)アルデヒ
ド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こすもの
(グリオキザールなど)、(3)エポキシ基を有し、上
記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグリ
シジルエーテル化合物など)、(4)多価金属を有し上
記親水性官能基と配位結合および共有結合を形成するも
の(炭酸ジルコニウムなど)、(5)水溶液中でカチオ
ン性を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するも
の(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂など)などがある。
【0017】ラテックス架橋剤の配合量は合成樹脂ラテ
ックス100重量部(固形分)に対して0.01〜10
重量部(固形分または有効成分)、好ましくは0.1〜
5重量部が望ましい。架橋剤の配合量が0.01重量部
未満の場合、架橋剤と親水性官能基との反応性が著しく
低下するため好ましくなく、10重量部を越えても透湿
度向上や耐ブロッキングに対する効果が頭打ちとなった
り、未反応の架橋剤が析出するなどの問題が発生するた
め好ましくない。以上の材料を混合して防湿性塗料とす
るが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸などの分
散剤、消泡剤、界面活性剤、保水剤、色合い調整剤など
を添加したりすることができる。
【0018】この塗料を常法により紙支持体に塗工して
防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はしない
が、とりわけ防湿層の塗工の際には、ブレードコータ
ー、バーコーター、エアナイフコーターなどの塗工表面
をスクレイプする塗工方式の方が、平板状顔料の配向を
促す傾向があるのでより好ましい。またこの場合防湿層
の好ましい塗工量は、15〜40g/m2の範囲である。ま
た本発明では、防湿層を設けた後の防湿性能の指標とし
てJISZ0208カップ法により、塗工面を外側にし
てセットした場合に測定される透湿度の値を用いている
が、本発明において好ましい透湿度範囲は、40℃、1
00%RHの高湿度環境下において0〜100g/m2・24
hrである。この場合、透湿度が上限値を越えるものは、
本発明が目標とする防湿積層体としての実用性に乏しく
なるため、あまり有用であるとは言い難い。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。なお、特に断らない限り「部」および「%」はそれ
ぞれ「重量部」および「重量%」を表す。 <実施例1>金雲母顔料(商標:W40、(株)レプコ
製、平均粒子径25μm、アスペクト比30〜40)5
0重量部と、カルボン酸変性ラテックス(商標:LX4
07S1X2、日本ゼオン(株)製、固形分濃度:49
%)50重量部に対し、アンモニア0.5重量部を混合
・攪拌し、防湿性塗料とした。またこの防湿性塗料を、
坪量45g/m2、および水分変化1%当たりの寸法変化率
が0.095(%/%)である片艶未晒クラフト紙の光沢
面側に、メイヤーバーを用いて塗工量が20g/m2となる
ように塗工し、熱風循環乾燥機を用いて110℃、80
秒の条件にて乾燥し、防湿積層体を得た。
【0020】<実施例2>白雲母顔料(商標:AB3
2、山口雲母工業(株)製、平均粒子径20μm、アス
ペクト比20〜30)50重量部と、カルボン酸変性ラ
テックス(商標:LX407S1X2、日本ゼオン
(株)製、固形分濃度:49%)50重量部に対し、ア
ンモニア0.5重量部、およびアミノシランカップリン
グ剤(商標:KBM603、信越化学工業(株)製)
0.5重量部を混合・攪拌し、防湿性塗料としたこと以
外は、すべて実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
【0021】<実施例3>実施例1と同様の顔料および
合成樹脂ラテックス各50重量部に対し、アンモニア
0.5重量部、およびポリアミドポリ尿素−ホルムアル
デヒド縮合反応生成物(商標:SR302、住友化学
(株)製)0.5重量部を混合・攪拌し、防湿性塗料と
したこと以外は、すべて実施例1と同様にして防湿積層
体を得た。
【0022】<実施例4>実施例3と同様の防湿性塗料
を用い、これを坪量50g/m2、および水分変化1%当た
りの寸法変化率が0.063(%/%)である純白ロール
紙の光沢面側に、メイヤーバーを用いて塗工量が20g/
m2となるように塗工したこと以外は、すべて実施例1と
同様にして防湿積層体を得た。
【0023】<比較例1>実施例3と同様の防湿性塗料
を用い、これを坪量50g/m2、および水分変化1%当た
りの寸法変化率が0.16(%/%)である古紙70%配
合の中質紙のF面に、メイヤーバーを用いて塗工量が2
0g/m2となるように塗工したこと以外は、すべて実施例
1と同様にして防湿積層体を得た。
【0024】<比較例2>実施例2と同様の防湿性塗料
を用い、これを坪量70g/m2、および水分変化1%当た
りの寸法変化率が0.12(%/%)である晒クラフト紙
のF面に、メイヤーバーを用いて塗工量が20g/m2とな
るように塗工したこと以外は、すべて実施例1と同様に
して防湿積層体を得た。
【0025】<比較例3>顔料をタルク(商標:PCタ
ルク、ダイオーエンジニアリング(株)製、平均粒子径
2μm、アスペクト比2〜4)に変更したこと以外は、
すべて実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
【0026】実施例、および比較例を下記の方法で評価
し、その結果を表1に示す。 (透湿度の測定方法)各実施例、および比較例で得られ
た防湿積層体を試料とし、JISZ0208B法(カッ
プ法)に準拠した方法により、40℃、100%RHの
高湿環境下で、塗工面が高湿側となるようにして透湿度
の測定を行った。 (寸法変化率の測定、及び算出方法)J・TAPPI
No28に準拠。ただし本発明において、測定系内の湿
度は湿度調整機によって行い、温度は20℃一定とし
た。また変化させる相対湿度の範囲は20%RHから8
0%RHまでとし、65%RH→80%RH→20%R
Hを1サイクルとする操作を3サイクル繰り返して行っ
た。このとき、各湿度において紙支持体の寸法変化が安
定するまで充分に保持時間を設けた。求める寸法変化率
は、最終サイクルにて求められる寸法変化量(80%R
Hの歪み−20%RHの歪み)を水分量(80%RHの
水分−20%RHの水分)で除した値を用いる。
【0027】
【表1】
【0028】表1から、用いる紙支持体の寸法変化率が
0.1%を越えている場合、湿度変化に伴う伸縮の影響
から防湿層内に歪みが発生し、結果として所望する透湿
度が得られないことが明らかである(実施例1〜4、比
較例1〜2)。また、寸法安定性に優れた紙支持体を用
いた場合でも、防湿性塗料として使用する顔料が充分な
平板性を有していなければ、同様に所望する透湿度は得
られないことが明らかである(比較例3)。
【0029】
【発明の効果】本発明によって高湿度条件下や結露した
状態における保管、および使用においても高い防湿性能
を有し、かつ易離解性を有し、再生利用が容易な防湿積
層体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AC05H AK01B AK01C AL07 BA03 BA06 BA10B BA10C CA02B CA02C CA13B CA13C DE02B DE02C DE02H DE10B DE10C DE10H DG10A EJ67B EJ67C EJ67H GB15 JD04 JD04B JD04C JL04A JL16 JM01B JM01C YY00A YY00H 4L055 AG25 AG38 AG63 AG71 AG76 AG78 AG84 AG93 AG94 AG97 AG98 AH02 AH23 AH37 AH50 AJ04 EA09 FA19 FA30 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体の少なくとも片面に平板状顔料と
    合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設けた防湿積層
    体において、該紙支持体の水分変化1%当たりの寸法変
    化率が、0.1%以下であることを特徴とする防湿積層
    体。
  2. 【請求項2】平板状顔料がカップリング剤で処理されて
    いることを特徴とする請求項1記載の防湿積層体。
  3. 【請求項3】防湿層中にラテックス架橋剤が含まれてい
    ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防
    湿積層体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120287A1 (ja) * 2021-12-20 2023-06-29 凸版印刷株式会社 ガスバリア積層体及びその製造方法、並びに、包装袋
JP2023091151A (ja) * 2021-12-20 2023-06-30 凸版印刷株式会社 ガスバリア積層体及び包装袋
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