JP2000238933A - 給紙装置及び用紙ジャムの検知方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャム紙の除去が容易で且つジャムの誤検知
を低減できる給紙装置及び用紙ジャムの検知方法を提供
する。 【解決手段】 本発明の給紙装置は、給紙用ローラ２か
ら用紙検知手段６までの理論上の搬送所要時間に対して
余裕時間分を加味して設定されたタイムアウト時間内に
上記用紙検知手段６が用紙Ｐを検知しないとジャムと判
定して給紙動作を停止する給紙装置において、上記用紙
Ｐの送り方向サイズを検知可能なサイズ検知手段を備え
るとともに、該サイズ検知手段で得られた用紙サイズに
基づいて上記タイムアウト時間の設定を可変制御する制
御手段を有する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置の給紙装置に関し、
特に給紙される際の用紙ジャムを検知できる装置及び、
ジャムの検知方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機等の画像形成装置における給紙時
に用紙ジャムを検知する技術は既に公知である。その一
例を図５に基づいて説明する。図５は、従来の画像形成
装置の給紙装置を示す断面図である。一般に給紙装置
は、任意のサイズの用紙を載置可能な手差トレイ１、各
種サイズの用紙Ｐを収容する複数段給紙トレイ９、及び
ＬＣＴ１０と、各給紙用ローラ２及び搬送ローラ１１
と、画像形成部に用紙を送り込むレジストローラ５と、
このレジストローラ５まで用紙Ｐを案内する各ガイド
と、搬送路近傍に設けられた各用紙検知手段と、各用紙
検知手段の検知に基づいて用紙Ｐの搬送等を制御する制
御手段と、を備えた構成である。

【０００３】上記レジストローラ５前に設けられた用紙
検知手段としてのレジストセンサ６は、搬送された用紙
Ｐの先端がレジストローラ５のニップに当接してスキュ
ー矯正されるよう用紙通過から所定時間経過時に搬送を
停止させる制御信号を得るものである。そして、レジス
トローラ５前で一旦停止され待機する用紙Ｐは、画像形
成部の感光体ドラム１２上に形成された像に対して用紙
Ｐ上の転写位置の合うタイミングで駆動されるレジスト
ローラ５により転写ベルト１３上に送り込まれ、トナー
像が転写される。

【０００４】このレジストセンサ６前における用紙ジャ
ムの検知は次のようにして行われる。例えば、手差トレ
イ１にセットされた用紙Ｐは給紙コロ及び給紙用ローラ
２によりレジストローラ５へ搬送を開始されるが、ここ
で給紙開始時からレジストセンサ６までの到達所要時間
は、カウントされるタイムアウト時間と比較される。す
なわち、到達所要時間に対して設定されたタイムアウト
時間内にレジストセンサ６により用紙先端が検知されな
いときは、用紙ジャムが発生したと判定し給紙用ローラ
２の駆動を停止するように制御されている。このタイム
アウト時間は、レジストローラ５までの給紙搬送路長
と、その間の搬送速度とにより求められる理論値に、ジ
ャム誤検知が生じないように多少の余裕時間分を加えた
ものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
計算上の到達時間に余裕分を加えたタイムアウト時間を
設定した場合、その余裕カウント分だけ用紙Ｐが搬送路
の奥へ進入した状態で停止されるのでユーザによるジャ
ム処理が困難となりやすい。

【０００６】特に手差し給紙の場合、サイズ差の大きい
用紙が給紙されることもある。ここで、Ａ３等の大サイ
ズに対してジャムの誤検知を低減できる十分な時間余裕
分が設定され、その紙送り方向で小さなサイズの用紙Ｐ
（例えば最小サイズであるハガキ）が給紙される場合、
ジャム停止時には既に紙全体が機械内部へ入り込みユー
ザがジャム紙を取り除くことができなくなりサービスマ
ンコールとなる不具合があった。これに対して、タイム
アウト時間を短め（時間余裕分を最小）に設定すれば、
大きなサイズの用紙Ｐをも含めて実際にジャムが生じて
いないにも拘わらずちょっとした到達の遅れがジャムと
認識される誤検知の確率が上昇する。

【０００７】そこで、本発明は、上記従来の用紙ジャム
検知における不具合に鑑みてなされたものであり、用紙
サイズに応じた適切なタイムアウト時間を設定すること
のできる給紙装置及び用紙ジャムの検知方法を提供する
ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の給紙装置は、回転駆動によって用紙を送り出す給紙
用ローラと、送られた用紙の到達タイミングを検知する
用紙検知手段と、を有し、上記給紙用ローラから用紙検
知手段までの到達所要時間に対して設定されたタイムア
ウト時間内に上記用紙検知手段によって用紙が検知され
ないときは給紙動作を停止する制御手段を備えた給紙装
置において、上記用紙の少なくとも送り方向のサイズを
検知可能なサイズ検知手段を備えるとともに、該サイズ
検知手段で得られた用紙サイズに基づいて、上記制御手
段により上記タイムアウト時間の設定を可変としたこと
を特徴としている。

【０００９】上記制御手段により上記用紙サイズと比例
するようにタイムアウト時間を変更するとよい。また、
上記用紙検知手段に、用紙の先端部を押し当てた状態で
画像形成と同期をとって回転駆動されるレジストローラ
前に設置されたレジストセンサを用いることができる。

【００１０】上記目的を達成する本発明の用紙ジャムの
検知方法は、搬送経路中の少なくとも２地点間における
用紙の通過タイミングを検知するとともに、各到達地点
の搬送所要時間に対して設定されたタイムアウト時間を
判定して搬送異常を検知する方法において、搬送される
用紙のサイズを検知し、該用紙サイズに応じて上記タイ
ムアウト時間を変更することを特徴としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例として画
像形成装置の給紙装置を図面に基づいて説明する。図１
は、本実施例の給紙装置の概略を示す断面図である。図
２は、この給紙装置のジャム検知方法を示すフローチャ
ートである。この給紙装置は、手差トレイ１と、給紙用
ローラ２と、用紙案内用の上ガイド３及び下ガイド４
と、レジストローラ５と、このレジストローラ５の上流
付近に設けられたレジストセンサ６と、このレジストセ
ンサ６の検知に基づいて用紙Ｐの搬送を制御するととも
にジャムの発生を判定する制御手段と、により構成され
ている。

【００１２】レジストセンサ６から検知信号を受けとる
制御手段は、ジャムの発生を次のようにして検知する。
図２に示すように、給紙信号の入力を受けて給紙モータ
がオン（Ｓ１）された後に給紙クラッチがオン（Ｓ２）
され、給紙用ローラ２が回転されるとそのフィードニッ
プに挟持された用紙Ｐが搬送路に進入する。これと同時
にジャム検知のタイマをスタートする（Ｓ３）。このタ
イマがタイムアウト（Ｓ６）する前にレジストセンサ６
に用紙Ｐ先端が到達してレジストセンサ６がオンされれ
ば（Ｓ４）、搬送動作を続行する（Ｓ５）。ここで、用
紙Ｐのカールや耳折れ、吸湿による紙のコシの低下等に
より用紙Ｐが搬送路に詰まりレジストセンサ６まで到達
できないときレジストセンサ６がオフの状態でタイムア
ウト（Ｓ６）となるため、この状態を用紙ジャムと判定
して給紙動作を停止させる（Ｓ７）。

【００１３】以上の制御は、従来の技術で説明した装置
と同様であり、さらに本発明の給紙装置では、用紙ジャ
ムを判定するためにカウントする上記タイムアウト時間
が、下記のサイズ検知手段により得られた紙送り方向の
用紙サイズ情報に応じて設定されることに特徴がある。
本実施例では、用紙Ｐのサイズ検知手段としては手差ト
レイ１のサイドガイド、及び上記レジストセンサ６を用
いている。

【００１４】図３は、手差トレイ１の斜視図である。ま
ず、ユーザは手差し用紙Ｐをセットする際にサイドガイ
ド７を用紙Ｐに合わせる。このサイドガイド７の裏面に
はラック＆ピニオンに付く手差し検知板８（スライドＶ
Ｒ）があり、このサイズ検知板がサイドガイド７と連動
してスライドし、この移動量を抵抗値の変化として読み
取ることにより用紙幅が検知される。この手差トレイ１
のサイドガイド７によるサイズ検知は一枚目の給紙時に
用いるもので、一枚目を給紙したときは用紙Ｐが縦にセ
ットされていると仮定し、定型サイズとしてその紙送り
方向のサイズを決定することができる。

【００１５】また、二枚目以降の給紙時には、その搬送
過程で下記のようにしてレジストセンサ６により用紙サ
イズを読みとることができる。図４は、本実施例の要部
構成を模式的に示した図で、（ａ）は給紙前、（ｂ）は
レジストローラ５到達時、（ｃ）はジャム時の停止状態
を示している。この図において、Ｌ１は紙送り方向の用
紙長、Ｌ２は給紙用ローラ２のフィードニップからレジ
ストセンサ６の検知位置までの搬送路長、Ｌ３はレジス
トセンサ６の検知位置からレジストローラ５のニップま
での搬送路長、Ｌ４はジャム検知による停止時にフィー
ドニップから外側に残る用紙長である。

【００１６】図４（ｂ）中に示されるように用紙Ｐはレ
ジストローラ５に先端を当接させた状態で一旦停止され
た後、搬送駆動される。この用紙Ｐの紙送り方向長であ
るＬ１は、レジストローラ５による駆動開始時からカウ
ントされるレジストセンサ６のオン時間をＴ１とする
と、この時間Ｔ１と、搬送路長Ｌ３、及び搬送速度Ｖと
の間に成り立つ次の関係式により求められる。 Ｔ１＝Ｌ１−Ｌ３／Ｖ

【００１７】給紙とともにカウントを開始される上記タ
イムアウト時間は、レジストセンサ６までの理論上の到
達所要時間（Ｌ２／Ｖ）に余裕時間分αを加えた値とし
て設定するが、例えば、図４（ｃ）に示すようにユーザ
が指を用いてジャム紙を除去できる最小限の用紙長とし
てＬ４を確保するには、タイムアウト時間Ｔ２は用紙Ｐ
の紙送り方向長Ｌ１との関係で少なくとも下記の関係式
を満たすように設定される必要がある。このようにして
時間Ｔ２が用紙サイズに応じて設定変更され、紙送り方
向長Ｌ１に比例したタイムアウト時間Ｔ２が設定され
る。 Ｔ２≦（Ｌ１−Ｌ４）／Ｖ

【００１８】このとき、タイムアウト時間に含まれる余
裕時間分αは下記の式で示される。 Ｔ２＝Ｌ２／Ｖ＋α α＝Ｔ２−Ｌ２／Ｖ これにより、用紙Ｐが小さなサイズでもジャム処理停止
時には給紙口から取り除くために必要な長さＬ４が残
り、且つどのサイズに対してもジャムの誤検知を低減で
きる余裕時間分αを加味したタイムアウト時間Ｔ２を設
定するように制御することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
搬送される用紙サイズに基づいて、ジャムと判定される
タイムアウト時間を可変制御するので、用紙Ｐの紙送り
方向長に応じた適切なタイムアウト時間を設定すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の給紙装置を示す断面図である。

【図２】本実施例のジャム検知方法を示すフローチャー
トである。

【図３】本実施例に係る手差トレイの斜視図である。

【図４】本実施例の要部構成を模式的に示した図で、
（ａ）は給紙前、（ｂ）はレジストローラ到達時、
（ｃ）はジャム時の停止状態を示している。

【図５】従来の画像形成装置の給紙装置を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１，７，８ サイズ検知手段 ２ 給紙用ローラ ６ 用紙検知手段、レジストセンサ Ｌ１ 用紙の送り方向のサイズ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動によって用紙を送り出す給紙用
   ローラと、送られた用紙の到達タイミングを検知する用
   紙検知手段と、を有し、上記給紙用ローラから用紙検知
   手段までの到達所要時間に対して設定されたタイムアウ
   ト時間内に上記用紙検知手段によって用紙が検知されな
   いときは給紙動作を停止する制御手段を備えた給紙装置
   において、 上記用紙の少なくとも送り方向のサイズを検知可能なサ
   イズ検知手段を備えるとともに、該サイズ検知手段で得
   られた用紙サイズに基づいて、上記制御手段により上記
   タイムアウト時間の設定を可変としたことを特徴とする
   給紙装置。
2. 【請求項２】 上記制御手段により上記用紙サイズと比
   例するようにタイムアウト時間が変更されることを特徴
   とする請求項１記載の給紙装置。
3. 【請求項３】 上記用紙検知手段が、用紙の先端部を押
   し当てた状態で画像形成と同期をとって回転駆動される
   レジストローラ前に設置されたレジストセンサであるこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載の給紙装置。
4. 【請求項４】 搬送経路中の少なくとも２地点間におけ
   る用紙の通過タイミングを検知するとともに、各到達地
   点の搬送所要時間に対して設定されたタイムアウト時間
   を判定して搬送異常を検知する方法において、 搬送される用紙のサイズを検知し、該用紙サイズに応じ
   て上記タイムアウト時間を変更することを特徴とする用
   紙ジャムの検知方法。