JP2000205589A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器を通過する空気の風速分布が均一と
なり、熱交換器を通過する際の圧力損失が低減し、音が
静かになると共に熱交換器の性能を効率良く活用して容
量を小さくすることができる空気調和機を得ること。 【解決手段】 空気調和機本体を構成するケーシングの
内側の中央部に遠心式送風機を備え、この遠心式送風機
の周辺に熱交換器が配設され、ケーシングの内壁面には
熱交換器との間に吹出風路を形成する断熱材を配設し、
ケーシングの下端部にはパネルが取り付けられ、このパ
ネルの中央部に吸込口が、側縁部には吹出口が形成され
た空気調和機において、吹出風路の上流側の幅を下流側
の幅より小さくしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機に関す
るもので、特にその熱交換器を通過する空気の風速分布
の均一化を実現するための構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の天井埋め込み型空気調和機とし
て、例えば特開平６−３４１６５９号公報に開示されて
いるものが知られている。図６はその天井埋め込み型空
気調和機を示す断面図である。図において、１は空気調
和機本体で、本体１を構成するケーシング２の内側の中
央部にモーター５を備え、モーター５の軸の先端には遠
心式送風機６が固着されている。６ａは遠心式送風機６
の主板、６ｂは送風機シュラウドである。遠心式送風機
６の周辺に熱交換器７が配設され、ケーシング２の内壁
面には熱交換器７との間に吹出風路８を形成する断熱材
１０を配設している。ケーシング２の下端部にはパネル
９が取り付けられ、パネル９の中央部に吸込口３が、側
縁部には吹出口４が形成されている。２ａはケーシング
コーナー部である。
【０００３】次に動作について説明する。遠心式送風機
６がモーター５により駆動されると室内空気が吸込口３
から空気調和機本体１に吸い込まれる。吸い込まれた空
気は遠心式送風機６により熱交換器７側へ押し出され、
熱交換器７を通過することにより熱交換をされた後、熱
交換器二次側の吹出風路８を通り吹出口９から室内へ導
出される。
【０００４】図７は上記従来の天井埋め込み型空気調和
機における遠心式送風機の吹出風速分布を示す図であ
る。吸込口３から空気調和機本体１に吸い込まれた空気
は遠心式送風機６で直角方向に曲げられ熱交換器７側に
押し出されるため、遠心式送風機６から吹き出される風
速は図７に示すように送風機シュラウド６ｂ側が遅く、
主板６ａ側程速くなるといった分布の偏りが生じる。当
然熱交換器７を通過する風速も同様の分布の偏りが生じ
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来の天井埋め込み型
空気調和機は以上のように構成されているので、熱交換
器７を通過する風速分布に偏りがあるため熱交換効率が
劣り、熱交換器７の性能を最大限に活用することができ
ず容量を大きくしなければならないという問題点があっ
た。
【０００６】また、熱交換器７を通過した空気は、断熱
材１０の内壁面に衝突し直角方向に曲げられ吹出口４へ
向かうため、ケーシングコーナー部２ａで渦流による乱
れが生じたり、急偏向による大きな圧力損失が生じ、音
が大きくなるという問題点があった。
【０００７】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたもので、熱交換器を通過する空気の風速分布
が均一となり、熱交換器を通過する際の圧力損失が低減
し、音が静かになると共に熱交換器の性能を効率良く活
用して容量を小さくすることができる空気調和機を得る
ことを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明に係る空気調和
機は、空気調和機本体を構成するケーシングの内側の中
央部に遠心式送風機を備え、この遠心式送風機の周辺に
熱交換器が配設され、ケーシングの内壁面には熱交換器
との間に吹出風路を形成する断熱材を配設し、ケーシン
グの下端部にはパネルが取り付けられ、このパネルの中
央部に吸込口が、側縁部には吹出口が形成された空気調
和機において、吹出風路の上流側の幅を下流側の幅より
小さくしたものである。
【０００９】また、ケーシングの内壁面に、吹出風路の
上流側の幅を下流側の幅より小さくするためのガイドを
設けたものである。
【００１０】また、吹出風路の上流側の幅を下流側の幅
の１／３〜２／３になるように構成したものである。
【００１１】また、ガイドを、ケーシングの内壁面に配
設された断熱材で一体に形成したものである。
【００１２】また、ガイドを吸音プラスチック等の吸音
材で形成し、ケーシングとの間に空気層を設けたもので
ある。
【００１３】
【発明の実施の形態】実施の形態１．以下、この発明の
実施の形態１を図面を参照して説明する。図１はこの発
明の実施の形態１を示す図で、天井埋め込み型空気調和
機の断面図である。図において、１〜１０は上記従来装
置示す図６と同一又は相当部分を示す。１１はケーシン
グコーナー部２ａにおいて、ケーシング２の内壁面に配
設された断熱材１０に取り付けたガイドである。ガイド
１１を設けることによりケーシング２の天井面から遠心
式送風機６の羽根出口中央付近の上流側の吹出風路の短
手の幅Ｗ１は、下流側の風路幅Ｗ２のおよそ１／３〜２
／３の大きさになっている。
【００１４】上記のように構成された天井埋め込み型空
気調和機においては、遠心式送風機６がモーター５によ
り駆動されると、室内空気が吸込口３から本体１に吸い
込まれる。吸い込まれた空気は遠心式送風機６で直角方
向に曲げられ熱交換器７側へ押し出され熱交換器７を通
過し、吹出風路８に流出するが、その際風速が速い送風
機主板６ａ側の空気は、ケーシング２の内壁面に設けら
れたガイド１１によって速度成分が抑制され、静圧に変
換される。従って、熱交換器７を通過する空気の風速分
布の偏りが改善され、熱交換効率が向上するようにな
る。
【００１５】また、ケーシングコーナー部２ａでの風速
が弱まるため渦流発生による乱れが抑制され、下流側へ
スムーズに流れるようになるため、ガイド１１のない熱
交換器７下側を通過する空気もそれに引きずられ空気全
体が吹出口４に向かいスムーズに流れるようになる。従
って、圧力損失が低減し、騒音が低下する。図２はガイ
ド有無による騒音を比較した実験結果であり、実線（ガ
イド１１あり）、破線（ガイド１１なし）で示すように
ガイド１１を設けることにより騒音が低下することが確
認できた。
【００１６】また、ガイド１１の大きさについては、図
３の実験結果に示すように吹出口４の幅のおよそ１／３
〜２／３の大きさが最適である。
【００１７】上述の実施の形態によれば、熱交換器７を
通過する風速分布を均一化することができるため、熱交
換器７を通過する際の圧力損失が低減し、音が静かにな
ると共に、熱交換器７の性能を効率良く活用でき、容量
を小さくすることができる。
【００１８】実施の形態２．実施の形態１では断熱材１
０とガイド１１と別部品で構成したが、図４に示すよう
に、ケーシング２の内壁面に配設された断熱材１０でガ
イド１１を一体成形してもよい。実施の形態１の効果に
加え、断熱材１０が厚くできることにより断熱効果が高
まり冷房時のケーシング２の外壁面での結露防止効果の
向上が図れる。
【００１９】実施の形態３．図５はガイド１１を吸音材
で形成し、ケーシング２の内壁面との間に空気層１２を
設けたもので、吸音材で形成されたガイド１１と空気層
１２とにより吹出風路８を流れる空気の流体音を吸音す
るため、より低騒音化が図れる。
【００２０】
【発明の効果】この発明に係る空気調和機は、吹出風路
の上流側の幅を下流側の幅より小さくしたので、熱交換
器を通過する風速分布を均一化することができるため、
熱交換器を通過する際の圧力損失が低減し、音が静かに
なると共に、熱交換器の性能を効率良く活用でき、容量
を小さくすることができる。
【００２１】また、ガイドを、ケーシングの内壁面に配
設された断熱材で一体に形成したので、断熱材によりケ
ーシングの断熱効果が高まり、冷房時におけるケーシン
グ外壁面の露付の問題が軽減される。
【００２２】また、ガイドを吸音プラスチック等の吸音
材で形成し、ケーシングとの間に空気層を設けたので、
より低騒音化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の実施の形態１を示す図で、天井埋
め込み型空気調和機の断面図である。
【図２】 ガイド有無による騒音を比較した実験結果を
示す図で、風量と騒音の関係を示す図である。
【図３】 ガイド幅と騒音の関係を示す図である。
【図４】 実施の形態２を示す図で、天井埋め込み型空
気調和機の断面図である。
【図５】 実施の形態３を示す図で、天井埋め込み型空
気調和機の断面図である。
【図６】 従来の天井埋め込み型空気調和機を示す断面
図である。
【図７】 従来の天井埋め込み型空気調和機の送風機の
吹出風速分布を示す図である。
【符号の説明】
１ 空気調和機本体、２ ケーシング、２ａ ケーシン
グコーナー部、３ 吸込口、４ 吹出口、５ モータ
ー、６ 遠心式送風機、６ａ 主板、７ 熱交換。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 枝吉 敦史 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会 社内 (72)発明者 曽根 達男 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会 社内 (72)発明者 朝比奈 学 東京都千代田区大手町二丁目６番２号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 大矢 亮 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会 社内 (72)発明者 池田 尚史 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会 社内 Ｆターム(参考） 3L049 BB05 BB08 BB10 BC03 BD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 空気調和機本体を構成するケーシングの
    内側の中央部に遠心式送風機を備え、この遠心式送風機
    の周辺に熱交換器が配設され、前記ケーシングの内壁面
    には前記熱交換器との間に吹出風路を形成する断熱材を
    配設し、前記ケーシングの下端部にはパネルが取り付け
    られ、このパネルの中央部に吸込口が、側縁部には吹出
    口が形成された空気調和機において、 前記吹出風路の上流側の幅を下流側の幅より小さくした
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項２】 前記ケーシングの内壁面に、前記吹出風
    路の上流側の幅を下流側の幅より小さくするためのガイ
    ドを設けたことを特徴とする請求項１記載の空気調和
    機。
  3. 【請求項３】 前記吹出風路の上流側の幅を下流側の幅
    の１／３〜２／３になるように構成したことを特徴とす
    る請求項１記載の空気調和機。
  4. 【請求項４】 前記ガイドを、前記ケーシングの内壁面
    に配設された断熱材で一体に形成したことを特徴とする
    請求項２記載の空気調和機。
  5. 【請求項５】 前記ガイドを吸音プラスチック等の吸音
    材で形成し、前記ケーシングとの間に空気層を設けたこ
    とを特徴とする請求項２記載の空気調和機。
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