JP2000037923A - 印刷媒体及び印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷媒体の有する特性やこの印刷媒体に対し
最適な印刷をするのに必要な設定条件を単葉毎に印刷媒
体より印刷装置側に供給可能とすることで高品位な印刷
を可能とした印刷媒体及び印刷装置を提供する。 【解決手段】 用紙１は単葉の上質紙である。用紙１の
裏面には、４方向の各切断面に近い位置に印刷条件を記
録したバーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄが印刷されて
いる。バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄは、用紙１が
図示しない印刷装置にかけられた際に、図示しないバー
コードリーダーにより読み込まれるようになっている。
バーコードリーダーは、印刷装置内に設置されている。
印刷装置は、例えばインクジェットプリンタである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は印刷媒体及び印刷装
置に係わり、特に印刷媒体の有する特性やこの印刷媒体
に対し最適な印刷をするのに必要な設定条件を単葉毎に
印刷媒体より印刷装置側に供給可能とすることで高品位
な印刷を可能とした印刷媒体及び印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、パソコンで作成したデータ（特に
写真を含む画像データ）をプリンタで印刷する場合、出
力先の印刷媒体として用紙を選択し、パソコン上で用紙
種類やサイズ、およびカラーや白黒インク種類などの印
刷条件を設定する。

【０００３】近年はプリンタの性能向上と用紙の多様化
により、印刷条件の設定は複雑になり、また用紙の種類
も増えて印刷毎に用紙を取り替えたり、印刷条件を変更
することが多くなってきた。しかも、最近ではデジタル
技術の進歩により、情報量の大きなカラー画像データを
パソコンで印刷する事が可能となり、カラー印刷に適し
たプリンタや用紙の開発が進み、特に用紙に関しては多
種多様化している。

【０００４】したがって、パソコンで作成したデータ
（特に画像データ）をプリンタで印刷する場合、多種多
様な用紙の中から最適な用紙を選定し、かつプリンタの
印刷条件を細かく設定しなければならない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷媒
体の用紙の選択や印刷条件を設定することは、使用者に
とって手間がかかり、しかも専門的な知識が要求される
ためわかりにくい作業であった。そのため、用紙の選定
ミスや印刷条件をまちがえて設定することが頻繁に起こ
り、希望通りの印刷が出来なかったり、用紙が詰まった
りして用紙を無駄にしたり、印刷品質が低下する等の問
題があった。

【０００６】また、上記問題点を解決するためにプリン
タやパソコン側でわかりやすく、使いやすくする工夫も
なされているが、汎用的に利用出来るものではなかった
（特開平4-77694 、特開平6ー122224、特開平9ー99607
）。

【０００７】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、印刷媒体の有する特性やこの印刷媒体に
対し最適な印刷をするのに必要な設定条件を単葉毎に印
刷媒体より印刷装置側に供給可能とすることで高品位な
印刷を可能とした印刷媒体及び印刷装置を提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このため本発明（請求項
１）は、印刷装置にかけられ単葉毎に文字、図形、画
像、写真等が印刷される印刷媒体であって、単葉毎に該
印刷媒体の印刷特性及び印刷媒体に対し前記印刷装置が
最適な設定で印刷が出来るようにするための印刷設定条
件のいずれか少なくとも一つを予め記録した印刷情報記
録部を備えて構成した。

【０００９】印刷特性とは、印刷媒体の材質、サイズ、
厚さ、表面の粗さや穴、ミシン目の有無、コーティング
を施しているか否か等の加工状態、メーカー名、製造年
月日、インク受容量、型番等の少なくとも一つを含むも
のである（以下、同趣旨）。一方、印刷設定条件とは、
この印刷媒体の印刷特性から判断して印刷装置が最適な
設定となるように指定するもので、印刷媒体の印刷方
向、印刷媒体に対する最適なインクの種類、インクの乾
燥に必要な時間、印刷枠の設定、濃度、色相、彩度、明
度、コントラスト、カラー印刷か白黒印刷かの選択、グ
ラフィックかテキストかの選択、高品質印刷、標準印
刷、クィック印刷等の印刷品質の選択、指定プリンタ機
種等の少なくとも一つを含むものである（以下、同趣
旨）。

【００１０】これらの情報は、印刷情報記録部に予め記
録しておく。この印刷情報記録部は、単葉の印刷媒体に
対し物理的な加工処理を施すことで作成する。このこと
により、最適な印刷に必要な情報を単葉毎に予め記憶し
た印刷媒体を提供出来る。単葉毎の細かい設定条件等は
印刷情報記録部に集約されているため、設定条件を単葉
毎に判定したり、また各設定条件毎に仕様書を参照する
等の煩わしさから開放される。

【００１１】また、本発明（請求項２）は、前記印刷情
報記録部は、前記印刷媒体の表面、裏面及び切断面のい
ずれか少なくとも一面に記録されていることを特徴とす
る。

【００１２】印刷情報記録部は、印刷媒体の使用目的や
美観等を考慮して印刷媒体に加工する。例えば、印刷情
報記録部は、透明インキで印刷すれば印刷媒体の表面に
も加工可能である。また、切断面に加工すれば、表面及
び裏面の双方に印刷可能である。このように、印刷情報
記録部を印刷媒体の表面、裏面及び切断面のいずれか少
なくとも一面に記録可能としたことで、単葉毎の印刷を
する際に印刷作業に支障を来すことなく、確実に最適な
設定条件等が判定出来るようになる。

【００１３】更に、本発明（請求項３）は、前記印刷情
報記録部は、前記印刷特性及び／又は印刷設定条件が前
記印刷装置側に迅速に読み込まれるように、前記印刷装
置への送り開始口に近い位置を少なくとも含むように配
置及び／又は模様化したことを特徴とする。

【００１４】印刷情報記録部には、単葉毎の細かい設定
条件等が集約されているため、印刷の開始に先立ち確実
に印刷装置側に提供されるのが望ましい。このため、印
刷媒体に対し、印刷装置への送り開始口に近い位置を少
なくとも含むように加工するのが望ましい。印刷情報記
録部は、複数個設定すればより一層確実に印刷情報が提
供可能なため、印刷情報を提供し易いように、また美観
を考慮して配置及び／又は模様化する。この模様化に
は、文字、図形等による印刷の他、印刷媒体の印刷を施
さない部分に対し、孔等による加工を施すことにより実
現してもよい。このことにより、印刷媒体の美観を確保
しつつ、確実に印刷に必要な情報を提供出来る。

【００１５】更に、本発明（請求項４）は、印刷媒体に
対し単葉毎に文字、図形、画像、写真等を印刷する印刷
装置であって、前記印刷媒体の印刷特性及び印刷媒体に
対し前記印刷装置が最適な設定で印刷が出来るようにす
るための印刷設定条件のいずれか少なくとも一つを予め
記録した印刷情報記録部を備える印刷媒体と、前記印刷
情報記録部より前記印刷特性及び／又は印刷設定条件を
非接触に読み取る読み取り手段と、該読み取り手段で読
み取った印刷特性及び／又は印刷設定条件を基に印刷の
設定条件を変更する印刷設定変更手段を備えて構成し
た。

【００１６】印刷媒体には、印刷情報記録部を配設す
る。読み取り手段を印刷装置側に設けて、印刷情報記録
部より印刷特性及び／又は印刷設定条件を非接触に読み
取る。読み取り手段は、印刷装置内部に設けることも可
能であるし、また印刷装置外部に設けることも可能であ
る。但し、省スペース、省コスト等の点から印刷装置内
部に設けるのが望ましい。印刷設定変更手段では、読み
取り手段で読み取られた印刷特性及び／又は印刷設定条
件を基に印刷の設定条件を変更する。その後、文字、図
形、画像、写真等の印刷情報がパソコン等より供給され
ることにより、印刷媒体に対し単葉毎に印刷が行われ
る。このことにより、印刷媒体の有する特性や、この印
刷媒体に対し最適な印刷をするのに必要な設定条件が印
刷装置側に供給され、印刷媒体に適した印刷が高品位
に、かつ複雑な設定を行うことなく容易に行える。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本発明の第１実施形態の構成図を図
１に示す。図１において、用紙１は単葉の上質紙であ
る。用紙１の裏面には、４方向の各切断面に近い位置に
印刷条件を記録したバーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ
が印刷されている。バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ
は、用紙１が図示しない印刷装置にかけられた際に、図
示しないバーコードリーダーにより読み込まれるように
なっている。バーコードリーダーは、印刷装置内に設置
されている。印刷装置は、例えばインクジェットプリン
タである。

【００１８】次に、本発明の第１実施形態の作用を説明
する。用紙１の裏面に対し、染料・顔料を使用してバー
コード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを印刷する。用紙１の４
方向に、バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを印刷する
のは、印刷の際の送り方向として横方向又は縦方向の場
合があるからである。バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２
ｄには、用紙１に帰属する印刷特性と、この用紙１に対
する印刷装置側の望まれる印刷設定条件を情報として含
んでいる。

【００１９】印刷特性や印刷設定条件は、用紙１と印刷
装置との組み合わせや各メーカーの特殊性等に応じて設
定項目数を変更してもよい。例えば、バーコード２ａ，
２ｂ，２ｃ，２ｄには、印刷設定条件を含まず、印刷特
性として用紙１の製造メーカーの型番のみを設定してお
く等も可能である。この場合には、バーコード２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄをバーコードリーダーにより読み込んだ
後、図示しないパソコン等の記憶部に予め記憶しておい
た各メーカーの型番と比較し、一致したメーカーの型番
に帰属する印刷設定条件で印刷装置による印刷を行う等
してもよい。なお、バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ
には同一の情報を記録するのが好ましいが、例えば用紙
の長辺又は短辺を区別するための情報を付加してもよ
い。

【００２０】図１に示すように、バーコード２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄは、各切断面に近い位置に配設する。こ
れは、バーコードリーダーが、迅速にバーコード２ａ，
２ｂ，２ｃ，２ｄを読めるように配慮するためである。
印刷装置は、バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを素早
く読み取ることにより、印刷装置側に要求される望まし
い印刷設定条件が単葉毎に判断出来、その後の印刷処理
をスムーズに行うことが可能となる。従って、種類の異
なる用紙１を複数枚重ね合わせて印刷装置に設定したと
しても、すべての用紙１に対し理想的な印刷が可能とな
る。

【００２１】また、バーコード２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ
を印刷することで、この面が例えば用紙１の裏面である
ことを示すことが出来る。更に、バーコード２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄは印刷ではなく、凹凸で設定することも
出来る。用紙１が厚く、裏面だけに凹凸の刻印を施せ
ば、目の不自由な方にも容易にかつ確実に裏面を区別出
来る。

【００２２】なお、用紙１の材質は、紙（普通紙、コー
ト紙、光沢紙等）の他にフィルム（例えばＰＥＴフィル
ム、塩ビフィルム等）、布（例えばキャンバスクロス
等）、または２種類以上の素材を組み合わせたり、積層
させたり、表面を有機樹脂や無機粒子等でコーティング
したものを用いてもよい。

【００２３】バーコードのパターンは有色または透明イ
ンキで印刷してもよい。透明インキで印刷した場合に
は、用紙１の表側にパターンを印刷することも可能であ
る。また、バーコードに代えて、暗号、数字、記号等を
印刷してもよいし、磁気ストライプを印刷または蒸着す
る方法を用いてもよい。更に、用紙１の印刷可能枠の外
側にデジタル化された細かい切り込みや、孔による加工
等を施してもよい。

【００２４】これらの印刷や加工を施す場合には、バー
コードリーダーに代えて、ＯＣＲ装置や磁気ヘッド、光
センサー等を用いるようにする。なお、本発明の第１実
施形態では、用紙１の４方向に、バーコード２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄを印刷したが、印刷装置に対し、用紙１
の搬送方向が一方向に定まっているような場合には用紙
１の１方向のみにバーコードを配設してもよい。

【００２５】次に、本発明の第２実施形態について説明
する。本発明の第２実施形態の構成図を図２に示す。図
２において、用紙１の裏面の相対するコーナーには、切
断面に一致するようにバーコード２ｅ，２ｆが配設され
ている。バーコード２ｅとバーコード２ｆには同一の情
報が記録されている。かかる構成により、印刷装置に対
し、用紙１が用紙１の４方向のいずれの方向から搬送さ
れてもバーコードリーダーは素早くバーコード２ｅ又は
バーコード２ｆの情報を得ることが出来る。

【００２６】次に、本発明の第３実施形態について説明
する。本発明の第３実施形態の構成図を図３に示す。図
３において、用紙１の裏面にはバーコード２ｇが整然と
複数個配設されている。かかる構成により、バーコード
２ｇがバーコードリーダーに読み取られる頻度が高くな
るため、より一層確実に印刷特性や印刷設定条件をパソ
コン側若しくは印刷装置側に伝えることが出来る。

【００２７】このとき、本発明の第１実施形態や第２実
施形態で述べたのと同様に、バーコードリーダーが早く
バーコード２ｇを読めるようにするため、バーコード２
ｇは、各切断面に近い位置を含むように配設するのが望
ましい。なお、バーコード２ｇは整然と配設するとして
説明したが、模様化するように工夫してもよい。この場
合の模様には、配置を工夫することで、メーカー名等の
情報を視覚的に表現することが出来る。また、図形等を
構成するように工夫すれば、美観等やその他の各種情報
をも表現することが出来る。

【００２８】次に、本発明の第４実施形態について説明
する。本発明の第４実施形態の構成図を図４及び図５に
示す。図４において、用紙１の裏面にはバーコード２ｈ
が縦方向に帯状に印刷されている。また、図５には、バ
ーコード２ｉが横方向に帯状に印刷されている。かかる
構成により、バーコード２ｈ，２ｉは帯状に一本で構成
されているため、用紙１を裁断する前に複数枚に渡り単
純加工し易い。この場合、一方向のみにバーコード２ｈ
又はバーコード２ｉが配設されるため、印刷方向の定ま
った用途に対し特に有効である。

【００２９】次に、本発明の第５実施形態について説明
する。本発明の第５実施形態の構成図を図６に示す。図
６において、用紙１の切断面にはバーコード２ｊが、用
紙１の厚みを利用して印刷されている。バーコード２ｊ
は、紙面前方側の他、紙面後方側にも同様に印刷されて
いる。かかる構成により、バーコード２ｊは用紙１の切
断面という目立たない場所に印刷出来るため、例えば用
紙１の表面及び裏面の双方に対し印刷したいような用途
には特に有効である。なお、本発明の第１実施形態と同
様に、用紙１の切断面の４方向に対し印刷を施すように
してもよい。

【００３０】また、バーコードリーダーは、印刷装置の
外部に配設することも可能である。この場合には、バー
コードを用紙１の切断面に近い位置に配設する必要性は
薄くなる。しかしながら、省スペース、省コストを考慮
すれば、バーコードリーダーは印刷装置の内部に配設す
るのが望ましい。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、印
刷媒体の有する特性や、この印刷媒体に対し最適な印刷
をするのに必要な印刷装置側に要求される設定条件を印
刷情報記録部に予め記憶し、これらの情報を印刷媒体か
ら非接触に印刷装置側に読み取らせるようにしたこと
で、高品位な印刷が可能となる。

【００３２】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施形態の構成図

【図２】 本発明の第２実施形態の構成図

【図３】 本発明の第３実施形態の構成図

【図４】 本発明の第４実施形態の一構成図

【図５】 本発明の第４実施形態の別構成図

【図６】 本発明の第５実施形態の構成図

【符号の説明】

１ 用紙 ２ａ〜２ｊ バーコード

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷装置にかけられ単葉毎に文字、図
   形、画像、写真等が印刷される印刷媒体であって、単葉
   毎に該印刷媒体の印刷特性及び印刷媒体に対し前記印刷
   装置が最適な設定で印刷が出来るようにするための印刷
   設定条件のいずれか少なくとも一つを予め記録した印刷
   情報記録部を備えたことを特徴とする印刷媒体。
2. 【請求項２】 前記印刷情報記録部は、前記印刷媒体の
   表面、裏面及び切断面のいずれか少なくとも一面に記録
   されていることを特徴とする請求項１記載の印刷媒体。
3. 【請求項３】 前記印刷情報記録部は、前記印刷特性及
   び／又は印刷設定条件が前記印刷装置側に迅速に読み込
   まれるように、前記印刷装置への送り開始口に近い位置
   を少なくとも含むように配置及び／又は模様化したこと
   を特徴とする請求項１又は請求項２記載の印刷媒体。
4. 【請求項４】 印刷媒体に対し単葉毎に文字、図形、画
   像、写真等を印刷する印刷装置であって、前記印刷媒体
   の印刷特性及び印刷媒体に対し前記印刷装置が最適な設
   定で印刷が出来るようにするための印刷設定条件のいず
   れか少なくとも一つを予め記録した印刷情報記録部を備
   える印刷媒体と、前記印刷情報記録部より前記印刷特性
   及び／又は印刷設定条件を非接触に読み取る読み取り手
   段と、該読み取り手段で読み取った印刷特性及び／又は
   印刷設定条件を基に印刷の設定条件を変更する印刷設定
   変更手段を備えたことを特徴とする印刷装置。