WO2022004886A1

WO2022004886A1 - 毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法

Info

Publication number: WO2022004886A1
Application number: PCT/JP2021/025197
Authority: WO
Inventors: 昌代熊谷
Original assignee: 昌代熊谷
Priority date: 2020-07-03
Filing date: 2021-07-02
Publication date: 2022-01-06
Also published as: JPWO2022004886A1

Abstract

ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果に優れる毛髪補修剤の提供を課題とし、該課題は、加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤により解決される。　

Description

毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法

　本発明は、毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法に関し、より詳しくは、毛髪の補修効果に優れる毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法に関する。

　近年、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤（以下、ストレートパーマ剤とも称する）、トリートメント剤などの処理剤を用いた毛髪処理を行うことが一般的に行われている。

　しかし、これら処理剤の中には、アルカリ剤や酸化剤、還元剤などといった種々の成分が配合されており、毛髪処理を施した毛髪は、少なからず化学的損傷を受けるものがある。毛髪が化学的損傷を受けると、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさなどが損なわれ、日々の手入れが大変になるばかりか、その損傷度合によっては、視覚的に美しい毛髪とは言えない状態となってしまう。

　また、毛髪損傷を受けながらも、所望の効果を得るために毛髪処理を行ったとしても、必ずしも所望の効果を得られるとは限らない。毛髪処理における効果の出具合は、被処理者の髪質や毛髪状態によって様々であり、該効果の持続性もまた様々である。

　処理を行う者は、個人差による効果の出具合や持続性の差を低減するため、各被処理者に対して毛髪処理方法を微調整することもあるが、毛髪の損傷を抑制して補修することと、上記処理剤による毛髪処理の効果を十分に出すことの両立は困難であった。

　特許文献１では、加水分解タンパクとアニオン性化合物を含む毛髪処理剤が提案されている。
　この毛髪処理剤のｐＨは、アルカリ性にすると、毛髪が膨潤するので好ましくないので、酸性が好ましいと記載している。
　しかし、この毛髪処理剤では、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、パーマ等の処理剤の効果を高める点においては、更なる改善の余地がある。

　本発明者は、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤の効果を高めることができる毛髪処理方法を特許文献２において、先に提案した。

特開２０１５－８６１３８号ＷＯ２０１９／０５４４４６

　本発明者は、更に研究を進め、加水分解タンパクとアニオン性化合物を含有する毛髪補修剤［I］と、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪補修剤［II］を混合して、モデルＡの毛髪に塗布したところ、毛髪の補修効果を評価したところ、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について改善の余地があることがわかった。

　そこで、本発明の課題は、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果に優れる毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法を提供することにある。

　また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。

　上記課題は、以下の各発明によって解決される。

１．
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であることを特徴とする３液混合毛髪補修剤。　
２．
　前記１記載の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪補修方法。
３．
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、
　該３液混合毛髪補修剤に、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］とを混合してなることを特徴とする４液混合毛髪処理剤。
４．
　前記３記載の４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
５．
　ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
６．
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、
　該３液混合毛髪補修剤に、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する中性乃至アルカリ性である毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。

　本発明によれば、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果に優れる毛髪補修剤、毛髪処理剤及び毛髪処理方法を提供できる。

　以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。

＜第１の毛髪補修剤（３液混合毛髪補修剤）とそれを用いた毛髪補修方法＞
　本発明の第１の毛髪補修剤は、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］と毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤である。

　混合手法は格別限定されず、毛髪補修容器に、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］と毛髪補修剤［III］を同時にあるいは順次添加して撹拌機あるいは撹拌棒で撹拌・混合する。

　１．毛髪補修剤［I］
　毛髪補修剤［I］は、加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有するものが用いられる。

　毛髪補修剤［I］中の加水分解タンパクは、加水分解ケラチン及び加水分解コラーゲンを含むことが好ましい。

　毛髪補修剤［I］に含有される加水分解ケラチンは、格別限定されないが、羊毛由来の加水分解ケラチン、羽毛由来の加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン等を例示することができる。

　毛髪補修剤［I］に含有されるケラチンは、１種のケラチンを単独で用いてもよく、複数のケラチンを混合して用いてもよいが、本発明の効果をより高める観点から、特に、複数のケラチンを混合して用いることが好ましい。

　複数のケラチンを混合する場合には、各ケラチンの重量平均分子量が異なることが好ましく、重量平均分子量の異なるケラチンが、６種以上混合されることがさらに好ましい。これにより、毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を更に高めることができる。

　毛髪補修剤［I］に含有されるコラーゲンは、格別限定されないが、加水分解コラーゲン、イソステアロイル加水分解コラーゲンＡＭＰＤ等を例示することができる。

　毛髪補修剤［I］に含有されるコラーゲンは、１種のコラーゲンを単独で用いてもよく、複数のコラーゲンを混合して用いてもよいが、本発明の効果をより高める観点から、特に、複数のコラーゲンを混合して用いることが好ましい。

　複数のコラーゲンを混合する場合には、各コラーゲンの重量平均分子量が異なることが好ましく、重量平均分子量の異なるコラーゲンが、２種以上混合されることがさらに好ましい。これにより、毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を更に高めることができる。

　毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を好適に得るためには、毛髪処理剤に含有される成分の分子の大きさ（重量平均分子量）が重要となる。毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じた重量平均分子量のケラチン及びコラーゲンを供給することによって、損傷の抑制や補修を促進することができるためである。よって、毛髪の損傷を抑制し、補修することができる本願の効果を得るためには、毛髪の損傷部分の補修内容によって、重量平均分子量の異なるケラチンやコラーゲンを選択し、組み合わせることは好ましいことである。

　ケラチン及びコラーゲンの重量平均分子量と、それらの毛髪への効果の目安は次の通りである。
（１）重量平均分子量が数万：毛髪の繊維強化、造膜性強化、ハリコシ強化
（２）重量平均分子量が数千：ハリコシとやわらかさのバランス
（３）重量平均分子量が数百：やわらかさ、しなやかさの促進
　特に、後述する処理剤［Ｘ］の効果を高める観点から、重量平均分子量が数千のケラチン及びコラーゲンを含有することは、更に好ましいことである。

　本発明において、毛髪補修剤［I］の使用時のｐＨは、ｐＨ６前後（例えば５．５～６．０）で、酸性（弱酸性）とすることができるが、これに限定されず、アルギニン等のアルカリ成分を加えることで、ｐＨを中性乃至アルカリ性に調整することができる。これにより、３液混合毛髪補修剤のｐＨを中性乃至弱アルカリ性に調整することが容易となる。

　また、毛髪補修剤［I］は、アミノ酸誘導体を含有する。該アミノ酸誘導体はグルタミン酸の構造を備えることが好ましい。
　かかるアミノ酸誘導体としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン、またはジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンカリウムなどのジラウロイルグルタミン酸リシン塩が挙げられる。

　ジラウロイルグルタミン酸リシン塩は、毛髪に対して高い補修機能を有し、後述する処理剤［Ｘ］の効果を高めることができる。ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムの市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製「ペリセアＬ－３０」等が挙げられる。

　毛髪補修剤［I］は、起泡性成分を含有することも好ましいことである。起泡性成分を含有することによって、毛髪補修剤［I］を泡状で毛髪に塗布することができるため、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量でも効率的に毛髪全体に塗布することができるので好ましい。また、泡状で塗布することによって、毛髪補修剤［I］及び後述する処理剤［Ｘ］の浸透率が向上し、施術時間が短縮される効果も期待できる。

　起泡性成分としては、毛髪補修剤［I］を泡状にすることができるものであれば格別限定されず、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤等を用いることができるが、毛髪補修剤［I］に含有する他の成分との相性の観点から、両性界面活性剤が好ましい。

　毛髪補修剤［I］には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、保湿成分、植物由来等エキスなどの他の成分を適宜配合することができる。

　保湿成分としては、ベタイン、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を好ましく例示することができる。保湿成分は、格別限定されないが、効果的な保湿を実現する観点から複数の保湿成分を含有することが好ましい。効果的な保湿が実現されることによって、本発明の毛髪処理後の毛髪は、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさ、処理剤の効果度合等が強化される。

　植物由来等エキスとしては、ツボクサエキス、イタドリ根エキス、オウゴンエキス、カンゾウ根エキス、チャ葉エキス、カミツレ花エキス、ローズマリー葉エキス、ダイズ種子エキス等を例示することができる。

　毛髪補修剤［I］には、その他、本発明の効果を損なわない範囲で、水、エタノール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ＰＣＡイソステアリン酸ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、ゼラチン、ココイルグルタミン酸ＴＥＡ、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、アラニン、グリシン、アルギニン、ＥＤＴＡ－２ナトリウム、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、メチルパラベン、香料等を適宜配合することができる。

　本発明の毛髪補修剤［I］は、例えば、総重量部を１００重量部とした場合、加水分解ケラチンが１０～８０重量部、加水分解コラーゲンが１０～８０重量部、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムが１～５０重量部であることが好ましい。

　２．毛髪補修剤［II］
　毛髪補修剤［II］は、低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する。

　本発明に用いる毛髪補修剤［II］は、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる。

　毛髪補修剤［II］中の低分子ケラチンが、重量平均分子量３００～５００のケラチンであり、中分子ケラチンが重量平均分子量３０００～５０００のケラチンであることが好ましい。

　毛髪補修剤［II］には、ｐＨ調整剤を含有することができ、アルカリ性に調整することができる。

　毛髪補修剤［II］において、その含有量は、例えば、２成分の総重量部を１００重量部とした場合、低分子ケラチンが１０～８０重量部、中分子ケラチンが１０～８０重量部であることが好ましい。

　毛髪補修剤［II］に含有されるケラチンは、低分子量のものと、中分子のものとが混合される。

　毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を好適に得るためには、毛髪処理剤に含有される成分の重量平均分子量が重要となる。毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じた重量平均分子量のケラチンを供給することによって、損傷の抑制や補修を促進することができるためである。

　よって、毛髪の損傷を抑制し、補修することができる本願の効果を得るためには、毛髪の損傷部分の補修内容によって、重量平均分子量の異なるケラチンを選択し、組み合わせる。

　ケラチンの重量平均分子量と、その毛髪への効果の目安は上述した通りである。

　重量平均分子量の異なるケラチンを混合して用いることによって、毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じたケラチンを供給して、効果的に損傷部分の補修を行うことができる。この結果、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］の効果を高めることができるという本発明の効果を得ることができる。

　毛髪補修剤［II］は、低分子量ケラチンと中分子量ケラチンをそれぞれ１種ずつ含有し、更に、上記重量平均分子量以外のケラチンを追加的に含有してもよい。

　さらに、毛髪補修剤［II］のｐＨは、アルカリ性とすることができ、好ましくはｐＨ１０程度（弱アルカリ性）である。アルカリ成分としては、塩基性アミノ酸であるアルギニンであることが好ましい。アルギニンは、元来毛髪に含有されるアミノ酸の一種でもあるため、毛髪や頭皮に負担をかけることなくケラチンの供給を促進することができると共に、毛髪に保湿性を与えることができるため好ましい。

　また、毛髪補修剤［II］は、アミノ酸誘導体を含有する。該アミノ酸誘導体はグルタミン酸の構造を備えることが好ましい。
　かかるアミノ酸誘導体としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン、またはジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンカリウムなどのジラウロイルグルタミン酸リシン塩が挙げられる。

　毛髪補修剤［II］は、起泡性成分を含有することも好ましいことである。起泡性成分を含有することによって、毛髪補修剤［II］を泡状で毛髪に塗布することができるため、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量でも効率的に毛髪全体に塗布することができるので好ましい。また、泡状で塗布することによって、毛髪補修剤［II］及び後述する処理剤［Ｘ］の浸透率が向上し、施術時間が短縮される効果も期待できる。

　起泡性成分としては、毛髪補修剤［II］を泡状にすることができるものであれば格別限定されず、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤等を用いることができるが、毛髪補修剤［II］に含有する他の成分との相性の観点から、両性界面活性剤が好ましい。

　毛髪補修剤［II］には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、保湿成分等の他の成分を適宜配合することができる。

　保湿成分としては、ベタイン、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を好ましく例示することができる。保湿成分は、格別限定されないが、効果的な保湿を実現する観点から複数の保湿成分を含有することが好ましい。

　毛髪補修剤［II］には、その他、本発明の効果を損なわない範囲で、水、グリセリン、ジプロピレングリコール、ラウラミドプロピルベタイン、フェノキシエタノール、メチルパラベン等を適宜配合することができる。

　３．毛髪補修剤［III］
　毛髪補修剤［III］は、少なくとも１種のアミノ酸を含有する。
　例えば、アミノ酸としては、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、パリン、プロリン、トレオニン（スレオニン）、イソロイシン、ヒスチジン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンが挙げられる。

　アルギニンは、血管拡張をさせ血流をスムーズにし、また、保湿効果を有する。
　アスパラギン酸は、頭皮の肌荒れ防止効果を有し、また、アンモニアと結合してアスパラギンになる。
　グリシンは、コラーゲンに多く含まれ、一番小さなアミノ酸であり、毛髪補修剤［I］の浸透性を増強する効果を有する。
　アラニンは、毛髪補修剤［I］の浸透性を増強する効果を有する。
　セリンは、柔軟性、弾力性を高める効果を有し、また、保湿効果を有する。
　パリンは、保湿効果を有し、また、頭皮の弾力性を高める効果を有する。
　プロリンは、保湿効果を有する。
　トレオニン（スレオニン）は、皮膚の保護剤であり、また、保湿効果を有する。
　イソロイシンは、毛髪に多く含まれ保湿性に優れ、頭皮や毛髪に適度な柔軟性を強力に与える効果を有する。
　ヒスチジンは、保湿効果を有し、また、毛髪のパサつき抑制による毛髪修復作用を有する。
　アスパラギンは、保湿効果を有する。
　システインは、たんぱく質の構造を強化し、毛髪の硬さや強さを向上させる効果を有する。
　グルタミンは、保湿効果を有する。
　グルタミン酸は、保湿効果を有し、また、皮膚や毛髪を柔軟にする効果を有する。
　ロイシンは、保湿効果を有する。
　リシンは、保湿効果を有し、また、頭皮に柔軟性や弾力性を高める効果を有する。
　メチオニンは、保湿効果を有し、また、頭皮や毛髪の成長促進効果を有する。
　フェニルアラニンは、保湿効果を有する。
　トリプトファンは、保湿効果を有し、また、油脂の酸化防止作用を奏する。
　チロシンは、保湿効果を有し、また、乳化安定剤としても使用できる。

　毛髪補修剤［III］に含有するアミノ酸は、前記アミノ酸から選ばれる３種以上が好ましく、５種以上がより好ましく、１０種以上が特に好ましい。

　毛髪補修剤［III］には、上記のアミノ酸以外に、水、シクロメチコン、セタノール、ジメチコン、グリセリン、ステアルトリモニウムクロライド、アミノプロピルジメチコン、キシリチルグリコシド、無水キシリトール、キシリトール、加水分解ケラチン、アモジメチコン、ジココジモニウムクロリド、セテス-２０、ＰＣＡ-Ｎa、乳酸Ｎa、フェニルアラニン、ラウロイルグルタミン酸ジ（フィトステリル／オクチルドデシル）、水添レシチン、トレハロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジヒドロキシプロピルアルギニンＨＣl、メチルパラベン、プロピルパラベン、メチルイソチアゾリン、香料などを含むことができる。

　また、毛髪補修剤［III］には、上記のアミノ酸以外に、水、ジメチコン、シクロメチコン、セタノール、グリセリン、ステアルトリモニウムクロライド、コメヌカスフィンゴ糖脂質、水添レシチン、リゾレシチン、アミノプロピルジメチコン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、メチルイソチアゾリン、メチルクロロイソチアゾリノン、香料などを含むことができる。

　さらに、毛髪補修剤［III］のｐＨは、中性乃至アルカリ性とすることができ、好ましくはｐＨ７～１０程度である。

　４．毛髪補修方法
　第１の毛髪補修剤を用いた毛髪補修方法は、上記の毛髪補修剤［I］と、上記毛髪補修剤［II］と、上記毛髪補修剤［III］とを混合して中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を得て、毛髪に塗布する。

　上記のような本発明に係る３液混合毛髪補修剤を採用すると、毛髪補修剤［I］を毛髪に塗布し、次いで毛髪補修剤［II］を毛髪に塗布する従来手法と比較し、塗布の時間を節約でき、しかもハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果に優れる効果を発揮する。

　このような効果が発揮される理由については定かではないが、単に毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］とを混合しただけでは発揮されない効果を、毛髪補修剤［III］を併せて混合することによって発揮されるものと推察される。
　即ち、毛髪補修剤［III］に含まれる少なくとも１種のアミノ酸が毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］とに作用し、あたかもリンスインシャンプーと称される技術に類するような作用が働いているのではと考えられる。
　リンスインシャンプーの技術は、リンスはカチオン性界面活性剤（陽イオン性界面活性剤）であり、シャンプーがアニオン性界面活性剤（陰イオン性界面活性剤）であることから、単にリンスとシャンプーとを混合しても、その機能を打消しあってしまうところ、リンス成分として分子量の大きい陽イオン性ポリマーを用いることにより、シャンプー成分を先に毛髪や頭皮に対して作用させ、後にリンス成分を毛髪に作用させ、その時間差を利用して、いずれの効果も発揮させようとする技術である。

　本発明においては、単に毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］とを混合しただけでは、良好に発揮されない効果を、毛髪補修剤［III］を併せて混合することで、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］だけを混合しただけでは打ち消し合ってしまう効果を、少なくとも１種のアミノ酸が配合されている毛髪補修剤［III］により、リンスインシャンプーのような時間差を利用して効果が発揮されていることが推察される。
　または、少なくとも１種のアミノ酸が、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］との混合により打ち消し合う前に、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］の補修成分を直ちに毛髪内部まで浸透させることにより効果が発揮されていることが推察される。

　さらに、３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であることにより、酸性の補修剤に比べ、毛髪内部への補修成分の浸透速度が速くなっていることが推察される。これは、アルカリ性が、毛髪のキューティクルを剥がす作用（毛髪を損傷する作用）を奏することから、あえて毛髪を損傷させると考えられているアルカリ性の補修剤を塗布することにより、補修成分が毛髪に浸透させる入口を広げ、早期に補修成分を毛髪内部に浸透させることが出来ているものと推察される。このような効果は、中性よりも弱アルカリ性である方がより発揮される。

　このように、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］と毛髪補修剤［III］とが相俟って毛髪を補修することで、毛髪の早期の中性化を達成することができる。
　毛髪処理を施した毛髪は、少なからず化学的損傷を受けるものがあるが、これは毛髪がアルカリ性分に晒されることにより損傷を受けている。例えば、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤のような処理剤は、毛髪を膨潤させ処理剤を毛髪内部に浸透させるためアルカリ性である。
　本分野では、通常、アルカリ性のものは、毛髪を膨潤させ、毛髪内の栄養分を毛髪の外に出してしまうと考えられてきた。
　したがって、美容師や理容師は、できるかぎり速やかに毛髪処理後の毛髪を中性化させるように補修剤を塗布している。
　しかし、補修剤を塗布しても完全に中性化することは難しく、何日もアルカリ性である状態が持続してしまうことも多くある。アルカリ性である状態が持続すればするほど、毛髪のぱさつきや切れ毛等の毛髪損傷が引き起こされる。
　本発明に係る３液混合毛髪補修剤は、毛髪の早期の中性化を達成することができる。
　中性化の時間は、個人差にもよるが、２０～５０分以内には達成することができる。
　この効果は、後述する処理剤［Ｘ］を混合してなる４液混合毛髪処理剤による毛髪処理においてさらに顕著となる。

　さらに毛髪の損傷について言及すると、毛髪の損傷には、毛髪内部が損傷していることが多くあり、これは化学的損傷や質的損傷とも呼ばれている。
　このような損傷は、毛髪内部のマトリックス（間充物質）が、パーマ剤やカラー剤等の薬剤によるダメージを受けることが原因と言われている。
　内部損傷の多くは、マトリックスが流出、変質することが主な原因で、マトリックスが無くなると、繊維同士がバラバラになり枝毛になりやすくなり、同時に毛髪の保湿成分の流出による乾燥の原因にもなる。
　パーマやカラーなどは、主にマトリックス部に作用してその効果を発現させているが、損傷が起こっている状態の毛髪は、パーマがかかりにくい、カラーが染まりにくい、色落ちが早いという弊害が生ずる。
　マトリックスの修復には、シリコンや油脂類での修復は不可能であり、毛髪内部にマトリックスを修復させる成分を浸透させることが非常に有効な手段である。
　本発明は、毛髪内部に早期に栄養成分を浸透させ、毛髪の損傷を早期に回復させることができる非常に有用なものである。

＜第２の毛髪補修剤（４液混合毛髪処理剤）とそれを用いた毛髪処理方法＞
　本発明の第２の毛髪補修剤は、毛髪補修剤［I］と、毛髪補修剤［II］と、毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、該３液混合毛髪補修剤に処理剤［Ｘ］を混合してなる４液混合毛髪処理剤である。

　混合手法は格別限定されず、毛髪補修容器に、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］と毛髪補修剤［III］と処理剤［Ｘ］を同時に添加して、あるいは毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］と毛髪補修剤［III］とを混合し、処理剤［Ｘ］に添加して撹拌機あるいは撹拌棒で撹拌・混合する。

　１．毛髪補修剤［I］
　本発明の第２の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［I］は、加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［I］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　２．毛髪補修剤［II］
　本発明の第２の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［II］は、低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［II］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　３．毛髪補修剤［III］
　本発明の第２の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［III］は、少なくとも１０種のアミノ酸を含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［III］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　４．処理剤［Ｘ］
　本発明の第２の毛髪補修剤を構成する処理剤［Ｘ］は、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択されるものである。

　処理剤［Ｘ］は、所望の毛髪処理が可能な処理剤であれば格別限定されず、市販品であっても良い。なお、市販品の処理剤は、ユーザ自身で処理されることが前提とされている商品であり、頭皮や毛髪の乾燥防止のため油分が多く含有されているので、油分が多く含有されていない処理剤であることが好ましい。
　処理剤［Ｘ］として市販品を用いる場合、一般的に市販されるヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤は、アルカリ性であるためそのまま用いることができる。
　トリートメント剤として市販品を用いる場合は、通常市販されるトリートメント剤が酸性であるため、アルカリ剤を添加してアルカリ性にして用いることが好ましい。
　アルカリ剤は格別限定されないが、アルギニン等を好ましく用いることができる。
　なお、処理剤［Ｘ］としてパーマネントウェーブ剤を用いる場合には、毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］、毛髪補修剤［III］と混合した際に、希釈して使用することが好ましい。これにより中性化の速度を遅らせ、望ましいパーマネントをかけることができる。

　５．毛髪処理方法
　第２の毛髪補修剤を用いた毛髪補修方法（毛髪処理方法）は、上記の毛髪補修剤［I］と、上記の毛髪補修剤［II］と、上記の毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、該３液混合毛髪補修剤に処理剤［Ｘ］を混合して、４液混合毛髪処理剤を得て、毛髪に塗布する。

　上記のような本発明に係る４液混合毛髪処理剤を採用すると、毛髪補修剤［I］を毛髪に塗布し、次いで処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布し、次いで毛髪補修剤［II］を毛髪に塗布する従来手法と比較し、塗布及び処理の時間を節約でき、しかもハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果に優れる効果を発揮する。
　また、毛髪の補修効果により毛髪自体が修繕されることから、処理剤による毛髪処理の効果も向上する。
　さらに、上述したようにアルカリ性となった毛髪を早期に中性化する効果も達成できる。

　処理剤［Ｘ］はアルカリ性である。本分野では、通常、アルカリ性のものは、毛髪を膨潤させ、毛髪内の栄養分を毛髪の外に出してしまうと考えられてきた。
　よって、アルカリ性の処理剤［Ｘ］で毛髪を処理した後には、酸リンスなどによって毛髪を中和させることが常識であった。

　本実施形態によれば、４液混合毛髪処理剤を塗布後、アルカリ側にある毛髪のｐＨが、ｐＨ調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されるので、酸リンスによる中和処理も必要なく、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、処理剤［Ｘ］の効果を高めることができる。
　また、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる毛髪の補修効果が良好となる。

　本実施形態による効果が発揮される理由については以下のように推察される。
　ケラチン等の加水分解タンパクと、例えばジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム等のグルタミン酸の構造を備えるアミノ酸誘導体が含まれる酸性の毛髪処理剤［I］と、低分子ケラチンと中分子ケラチンと、例えばジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム等のグルタミン酸の構造を備えるアミノ酸誘導体が含まれるアルカリ性である毛髪補修剤［II］と、少なくとも１種のアミノ酸を含有する中性乃至アルカリ性である毛髪補修剤［III］と、例えば、アルカリ性である処理剤［Ｘ］として染毛剤（ヘアカラー剤）を混合した場合、該混合液はアルカリ性である。
　該混合液が毛髪に塗布されると、そのアルカリ成分により毛髪のキューティクルを開き、過酸化水素（Ｈ_２Ｏ_２）と染料が毛髪内部に浸透し、過酸化水素がメラニン色素を分解することで毛髪が脱色され、同時に、初めは無色である染料が酸素と結び付き発色し、染毛する。
　酸化した染料を構成する分子は互いにくっつき合うことで大きくなり、キューティクルの隙間から毛髪の外へ出にくくなる。
　しかし、この状態は、アルカリ性である混合液により毛髪のｐＨがアルカリ性となっていることが想定される。毛髪のｐＨがアルカリ性であると、キューティクルが開いたままの状態になり、毛髪が損傷されている恐れがある。
　しかしながら、本実施形態における混合液によると、単に毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］とを混合しただけでは、良好に発揮されない効果を、毛髪補修剤［III］を併せて混合することで、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］だけを混合しただけでは打ち消し合ってしまう効果を、少なくとも１種のアミノ酸が配合されている毛髪補修剤［III］により、リンスインシャンプーのような時間差を利用して効果が発揮され、これにより、毛髪のｐＨがアルカリ性であることにより毛髪表面が開いた状態で、毛髪補修剤［I］と毛髪補修剤［II］の各々の補修作用が、互いに打ち消し合うことなく毛髪内部への早期の浸透を促進させ、毛髪自体が持つ自己修復能力を早期に発現される効果が奏されることが推察される。
　毛髪自体が持つ自己修復能力が早期に発現されることで、早期の中性化（ｐＨ）が達成できる。中性化の時間は、個人差にもよるが、２０～５０分以内には達成することができる。
　また、処理剤［Ｘ］として染毛剤（ヘアカラー剤）を用いた場合、その後の毛髪の状態より、毛髪に対して悪影響を及ぼし得る過酸化水素も十分に除去されているものと推察される。

　以上、本発明の好ましい態様を説明したが、３液混合毛髪補修剤を用いた毛髪補修方法において、上記の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布した後、処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布することも好ましい態様である。
　また、処理剤［Ｘ］による毛髪の処理後、３液混合毛髪補修剤を複数回塗布することも好ましい態様である。塗布回数を重ねることにより、より補修効果が増す。

　さらに、４液混合毛髪処理剤を用いた毛髪処理方法において、上記の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布した後、処理剤［Ｘ］を含む４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布することも好ましい態様である。
　この場合も、処理剤［Ｘ］を含む４液混合毛髪処理剤による毛髪の処理後、３液混合毛髪補修剤を複数回塗布することも好ましい態様である。

　また、本発明の毛髪補修方法はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の処理の前に、別途の前処理剤を用いたり、本発明の処理後に、別途の後処理剤を用いてもよい。このとき、前処理剤や後処理剤は、毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］又は毛髪補修剤［III］の何れか１種を用いてもよいし、それらから１種又は２種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。

　本発明において、３液混合毛髪補修剤又は４液混合毛髪処理剤の塗布方法は、格別限定されず、泡状、液状、ミルク状、ジェル状、クリーム状等で塗布することができる。特に、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量で効率的に毛髪全体に塗布できる観点から、泡状で塗布することが好ましい。

　３液混合毛髪補修剤又は４液混合毛髪処理剤は、そのまま（原液のまま）塗布してもよいし、水等で希釈して塗布してもよい。原液が補修効果を奏する上では好ましい。

＜その他の毛髪補修方法（１）＞
　本発明のその他の毛髪補修方法（１）は、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することである。

　毛髪補修剤［I］は、加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［I］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　また、毛髪補修剤［II］は、低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［II］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　さらに、毛髪補修剤［III］は、少なくとも１種のアミノ酸を含有するものであり、前述した本発明の第１の毛髪補修剤を構成する毛髪補修剤［III］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　さらにまた、処理剤［Ｘ］は、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択されるものであり、前述した本発明の第２の毛髪補修剤を構成する処理剤［Ｘ］と同一であるので、それらの説明を援用することとし、ここでの説明は省略する。

　本発明のその他の毛髪補修方法（１）は、処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布し、前記塗布後、所定時間経過させることを特徴とする。
　ここで、所定時間とは、処理剤［Ｘ］による毛髪処理が完了する時間である。
　毛髪処理剤は該処理成分を毛髪内部に浸透させるべく、毛髪を膨潤させるアルカリ性に調整されて使用されることが多い。
　従って、これまでの毛髪処理の常識としては、毛髪処理を行う美容師や理容師は、なるべく毛髪の損傷を避けるべく短時間で毛髪処理を終えるようにしていた。

　この場合、短時間で毛髪処理を終えることから、処理成分が毛髪内部にしっかりと浸透せず、必ずしも望ましい毛髪処理ができているとは限らない。しかし、美容師や理容師は、毛髪自体が深刻なダメージを受け補修困難な毛髪にするよりは、処理効果が低減する状況を甘受し短時間で毛髪処理を終えるようにしていることが実情である。毛髪自体が深刻なダメージを受け補修困難となることは大変深刻な問題なのである。

　本発明のその他の毛髪補修方法は、処理剤［Ｘ］による毛髪処理時間を通常よりも長くする点に特徴を有する。

　ヘアカラー剤の場合、一般的に約２０～４０分で洗い流すところ、本発明のその他の毛髪補修方法は、約２５～５０分経過後、前記３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布する。
　ブリーチ剤の場合、一般的に約１０～３０分で洗い流すところ、本発明のその他の毛髪補修方法は、約１５～４０分経過後、前記３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布する。
　パーマネントウェーブ剤の場合、一般的に約５～３０分で洗い流すところ、本発明のその他の毛髪補修方法は、約１０～４０分経過後前記３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布する。
　縮毛矯正剤の場合、一般的に約５～３０分で洗い流すところ、本発明のその他の毛髪補修方法は、約１０～４０分経過後、前記３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布する。

　本発明のその他の毛髪補修方法は、一般的な処理時間に比べ、約１.２～２倍程度処理時間を長くすることにより、しっかりと毛髪内部に処理成分を浸透させ所望の毛髪処理を完成させつつ、高い毛髪補修効果を奏するすることができる。

＜その他の毛髪補修方法（２）＞
　また、本発明のさらなるその他の毛髪補修方法は、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する髪補修剤［III］とを混合した中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤と、
　該３液混合毛髪補修剤に、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１０種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することである。

　本発明のその他の毛髪補修方法（２）は、本発明のその他の毛髪補修方法（１）において、処理剤［Ｘ］に代え、毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］、毛髪補修剤［III］、及び処理剤［Ｘ］を混合した４液混合毛髪処理剤を用いる態様である。
　本態様においても、４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布し、前記塗布後、所定時間経過させることを特徴とする。

　用いられる、毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］、毛髪補修剤［III］及び処理剤［Ｘ］は、本発明のその他の毛髪補修方法（１）と同様であるため、説明を援用する。

　本発明のその他の毛髪補修方法（２）においても、一般的な処理時間に比べ、約１.２～２倍程度処理時間を長くすることにより、しっかりと毛髪内部に処理成分を浸透させ所望の毛髪処理を完成させつつ、高い毛髪補修効果を奏するすることができる。

　なお、４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布し、前記塗布後、所定時間経過後、第１の毛髪補修剤である３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布する前に、４液混合毛髪処理剤を洗い流してもよいが、毛髪補修成分を常に毛髪に留めておく観点より、洗い流さずに第１の毛髪補修剤である３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することが好ましいことである。

　以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。

（実施例１）
　１．３液混合毛髪補修剤の調製
　以下のようにして毛髪補修剤を調製した。

（３液混合毛髪補修剤１）
　毛髪補修剤［I］を原液で５ｇに水を１５ｇ混合したものと、毛髪補修剤［II］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［III］５０ｇとを混合し、３液混合毛髪補修剤１を調製した。
　毛髪補修剤［I］は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。ｐＨは、６程度であった。
　毛髪補修剤［II］は、重量平均分子量３００のケラチン及び重量平均分子量３０００のケラチン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。ｐＨは、約８程度であった。
　毛髪補修剤［III］は、水、アルギニン、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸を含有し、クリーム状とした。ｐＨは、７程度であった。
　３液混合毛髪補修剤１は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤２）
　前記毛髪補修剤１において、毛髪補修剤［I］を原液５ｇにした以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤２を調製した。
　３液混合毛髪補修剤２は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤３）
　前記毛髪補修剤１において、毛髪補修剤［I］を原液７ｇ、毛髪補修剤［II］を原液３ｇに変更した以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤３を調製した。
　３液混合毛髪補修剤３は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤４）
　前記毛髪補修剤１において、毛髪補修剤［I］を原液３ｇ、毛髪補修剤［II］を原液７ｇに変更した以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤４を調製した。
　３液混合毛髪補修剤４は、中性乃至弱アルカリであった。

（比較毛髪補修剤１）
　前記３液混合毛髪補修剤４において、毛髪補修剤［III］を添加混合しない以外は、同様にして、比較毛髪補修剤１を調製した。

　２．毛髪処理
　３液混合毛髪補修剤１～４、比較毛髪補修剤１を用いて、モデルＡの毛髪処理を行った。モデルＡはブリーチ剤により、毛髪に少しのくせ、パサつきがあった。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、以下の評価項目について、以下の評価基準に基づいて評価し、その結果を表１に示した。
（１）評価項目
〔ハリコシ〕、〔ツヤ〕、〔手ざわり〕、〔くせ毛がおさまりボリュームがおさまる〕、〔毛先のチリつきがおさまる〕の５項目について評価し、その結果を表１に示す。
（２）評価基準
　〔ハリコシ〕
　　　◎：ハリコシがあり、最も良好である。
　　　〇：ハリコシが適度にあり、良好である。
　　　△：ハリコシは普通である。
　　　×：ハリコシがなく、不良である。
　〔ツヤ〕
　　　◎：ツヤがあり、最も良好である。
　　　〇：ツヤが適度にあり、良好である。
　　　△：ツヤは普通である。
　　　×：ツヤがなく、不良である。
　〔手ざわり〕
　　　◎：手ざわりが非常に良く、最も良好である。
　　　〇：手ざわりが良く、良好である。　　
　　　△：普通の手ざわりである。
　　　×：手ざわりが悪く、不良である。　　
　〔くせ毛がおさまりボリュームがおさまる〕
　　　◎：くせ毛、ボリュームがおさまっており最も良好である。
　　　〇：くせ毛、ボリュームが多少おさまっており良好である。
　　　△：くせ毛多少みられ、ボリュームも多少あるが普通である。　　
　　　×：くせ毛、ボリュームがおさまっておらず不良である。　
　〔毛先のチリつきがおさまる〕
　　　◎：毛先のチリつきが全く見られず、最も良好である。
　　　〇：毛先のチリつきが見られず、良好である。　　
　　　△：毛先のチリつきが多少あるが普通である。　　
　　　×：毛先のチリつきがみられ、不良である。

　表１から、３液混合毛髪補修剤１、２、３、４は、比較毛髪補修剤１に比べ、補修効果が良好に発揮されることが分かった。

　３液混合毛髪補修剤２は、その他に比べ補修効果がさらに優れることが分かった。毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］ともに原液且つ同量で混合することに起因しているものと推察される。

（実施例２）
　１．３液混合毛髪補修剤の調製
　以下のようにして３液混合毛髪補修剤を調製した。

（３液混合毛髪補修剤５）
　実施例１の毛髪補修剤２において、毛髪補修剤［I］を原液１ｇ、毛髪補修剤［II］を原液１ｇ、毛髪補修剤［III］１０ｇに代えたものを混合し、３液混合毛髪補修剤５を調製した。
　３液混合毛髪補修剤５は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤６）
　前記毛髪補修剤５において、毛髪補修剤［I］を原液２．５ｇ、毛髪補修剤［II］を原液２．５ｇに変更した以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤６を調製した。
　３液混合毛髪補修剤６は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤７）
　前記毛髪補修剤５において、毛髪補修剤［I］を原液５ｇ、毛髪補修剤［II］を原液５ｇに変更した以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤７を調製した。
　３液混合毛髪補修剤７は、中性乃至弱アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤８）
　前記毛髪補修剤５において、毛髪補修剤［III］を５０ｇに変更した以外は同様にして、３液混合毛髪補修剤８を調製した。
　３液混合毛髪補修剤８は、中性乃至弱アルカリであった。

　２．毛髪処理
　３液混合毛髪補修剤５～８を用いて、モデルＢの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変えて行った。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価し、その結果を表２に示した。

　表２から、毛髪の補修効果である、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について、３液混合毛髪補修剤５～８で発揮されることが分かった。
　また表２の結果より、毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］が、毛髪補修剤［III］に比べて配合量の割合が低い場合、補修効果が下がることがわかる。

（実施例３）
　１．４液混合毛髪処理剤の調製
　以下のようにして４液混合毛髪処理剤を調製した。

（４液混合毛髪処理剤１）
　処理剤［Ｘ］としてヘアカラー剤（ｐＨ１０位）を用いて、該ヘアカラー剤８０ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で３ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で３ｇと、毛髪補修剤［III］２０ｇとを混合した中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を混合し、４液混合毛髪処理剤１を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤と同様の組成のものを用いた。

（４液混合毛髪処理剤２）
　前記４液混合毛髪処理剤１において、毛髪補修剤［I］を原液４ｇ、毛髪補修剤［II］を原液４ｇ、毛髪補修剤［III］３０ｇに変更した以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤２を調製した。

（４液混合毛髪処理剤３）
　前記４液混合毛髪処理剤１において、毛髪補修剤［I］を原液５ｇ、毛髪補修剤［II］を原液５ｇ、毛髪補修剤［III］５０ｇに変更した以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤３を調製した。

　２．毛髪処理
　得られた４液混合毛髪処理剤１、２、３を用いて、モデルＣの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変えて行った。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　また、４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布後、どれくらいの時間で中性化されたかを計測した。
　以上の結果を表３に示した。

　表３より、毛髪の補修効果である、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について、４液混合毛髪補修剤１、２、３で発揮されることが分かった。
　また、ヘアカラー剤はｐＨ１０位であるにもかかわらず、３０～４５分程度で毛髪が中性化されていることが分かった。
　また、処理後の毛髪を経過観察したところ、毛髪の染毛が進まなかったことが確認できた。これは、カラー剤に含まれる過酸化水素が十分に除去されており、毛髪内部に残留していないことが推察される。

（実施例４）
　１．４液混合毛髪処理剤の調製
　以下のようにして４液混合毛髪処理剤を調製した。

（４液混合毛髪処理剤４）
　処理剤［Ｘ］としてストレートパーマ剤（ｐＨ１２位）を用いて、該ストレートパーマ剤１００ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で３ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で３ｇと、毛髪補修剤［III］５ｇとを混合した中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を混合し、４液混合毛髪処理剤４を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤と同様の組成のものを用いた。

（４液混合毛髪処理剤５）
　前記４液混合毛髪処理剤４において、毛髪補修剤［I］を原液４ｇ、毛髪補修剤［II］を原液４ｇ、毛髪補修剤［III］１０ｇに変更した以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤５を調製した。

（４液混合毛髪処理剤６）
　前記４液混合毛髪処理剤４において、毛髪補修剤［I］を原液５ｇ、毛髪補修剤［II］を原液５ｇ、毛髪補修剤［III］２０ｇに変更した以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤６を調製した。

（４液混合毛髪処理剤７）
　前記４液混合毛髪処理剤４において、毛髪補修剤［I］２ｇを水８ｇで希釈（４倍希釈）したものに代え、毛髪補修剤［II］を原液２ｇ、毛髪補修剤［III］２０ｇに変更した以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤７を調製した。

　２．毛髪処理
　得られた４液混合毛髪処理剤４、５、６、７を用いて、モデルＤの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変えて行った。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　また、４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布後、どれくらいの時間で中性化されたかを計測した。
　以上の結果を表４に示した。

　表４より、毛髪の補修効果である、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について、４液混合毛髪補修剤４、５、６、７で発揮されることが分かった。

　また、４液混合毛髪補修剤４、５、６は、ストレートパーマ剤がｐＨ１２位であるにもかかわらず、２０～４５分程度で毛髪が中性化されていることが分かった。さらに、４液混合毛髪補修剤７に比べ、原液の毛髪補修剤［I］を使用することにより、中性化の時間が短縮されることが分かった。

（実施例５）
　１．通常の処理時間よりも長い毛髪処理方法
　処理剤［Ｘ］として、ブリーチ剤（ｐＨ１２位）を用いて、毛髪補修剤として実施例１における毛髪補修剤２を用いた。
　ブリーチ剤をモデルＥの毛髪に塗布し、３０分程度放置した。その後ブリーチ剤を洗い流し、実施例１における毛髪補修剤２を毛髪に塗布した。

　２．通常の処理時間による毛髪処理方法
　処理剤［Ｘ］として、ブリーチ剤（ｐＨ１２位）を用いて、毛髪補修剤として実施例１における毛髪補修剤２を用いた。
　ブリーチ剤をモデルＥの毛髪に塗布し、２０分程度放置した。その後ブリーチ剤を洗い流し、実施例１における毛髪補修剤２を毛髪に塗布した。

　毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変えて行った。

　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　また、毛髪の処理結果について評価した。
　以上の結果を表５に示した。

　表５より、通常の処理時間よりも長い毛髪処理方法は、通常の処理時間による毛髪処理方法に比べ毛髪の補修効果である、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について発揮されることが分かった。また、所望の脱色がなされ、毛髪処理としても優れることが分かる。
　本発明者は、ストレートパーマ剤やパーマ剤を用いた実験でも同様の結果を確認した。

（実施例６）
　１．通常の処理時間よりも長い毛髪処理方法
　処理剤［Ｘ］としてストレートパーマ剤（ｐＨ１２位）を用いて、該ストレートパーマ剤１００ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［III］５０ｇとを混合した中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を混合し、４液混合毛髪処理剤を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤２と同様の組成のものを用いた。
　該４液混合毛髪処理剤をモデルＦの毛髪に塗布し、３５分程度放置した。その後４液混合毛髪処理剤を洗い流し、実施例１の毛髪補修剤２を毛髪に塗布した。

　２．通常の処理時間による毛髪処理方法
　処理剤［Ｘ］としてストレートパーマ剤（ｐＨ１２位）を用いて、該ストレートパーマ剤１００ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［III］５０ｇとを混合した中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を混合し、４液混合毛髪処理剤を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤２と同様の組成のものを用いた。
　該４液混合毛髪処理剤をモデルＦの毛髪に塗布し、２０分程度放置した。その後４液混合毛髪処理剤を洗い流し、実施例１の毛髪補修剤２を毛髪に塗布した。

　毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変えて行った。

　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　また、毛髪の処理結果について評価した。
　以上の結果を表６に示した。

　表６より、通常の処理時間よりも長い毛髪処理方法は、通常の処理時間による毛髪処理方法に比べ毛髪の補修効果である、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果について発揮されることが分かった。また、くせ毛がしっかり矯正され、毛髪処理としても優れることが分かる。
　本発明者は、ストレート剤やパーマ剤を用いた実験でも同様の結果を確認した。

（実施例７）
　毛髪の状態が非常に傷んでおり、全くハリコシ、ツヤがなく、目視においてパサつきも目立ち、また、手ざわりも非常に悪く、切れ毛が多かったモデルＧに対して、実施例１の毛髪補修剤２により毛髪処理を行った。
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　その結果、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果が発揮されることが確認できた。

　モデルＧは、自己の毛髪に対して、市販品のトリートメントを複数回試行していたが、全く補修効果がなかったとのことであったが、本発明に係る毛髪補修剤による毛髪処理を行うことにより、通常の補修剤では補修不可能のような状態の毛髪においても、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果が発揮されることが確認できた。

（実施例８）
　１．３液混合毛髪補修剤の調製
　以下のようにして毛髪補修剤を調製した。

（３液混合毛髪補修剤９）
　毛髪補修剤［I］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［III］５０ｇとを混合し、３液混合毛髪補修剤９を調製した。
　毛髪補修剤［I］は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［II］は、重量平均分子量３００のケラチン及び重量平均分子量３０００のケラチン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［III］は、水、アルギニン、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸を含有し、クリーム状とした。
　３液混合毛髪補修剤９のｐＨは７～８程度の弱アルカリ性であった。

（３液混合毛髪補修剤１０）
　前記３液混合毛髪補修剤９にクエン酸をさらに加え、３液混合毛髪補修剤１０を調製した。
　３液混合毛髪補修剤１０のｐＨは６程度の弱酸性であった。

　２．毛髪処理
　得られた３液混合毛髪補修剤９、１０を用いて、シャンプー後のモデルＨの毛髪補修を行った。毛髪補修は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　その結果、３液混合毛髪補修剤９については、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果が、実施例１の毛髪補修剤２と同等程度発揮されることが確認できた。
　これに対して、３液混合毛髪補修剤１０は、ツヤはあったが、髪全体が少し広がり、毛先が少し広がり且つひっかかることを確認した。
　これは、３液混合毛髪補修剤のｐＨに起因しているものと推察される。即ち、弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤９は、弱酸性である３液混合毛髪補修剤１０に比べ、そのアルカリ成分により、毛髪のキューティクルを開いた状態とすることができ、含有する毛髪の栄養成分が早期浸透することができることに起因しているものと推察される。

（実施例９）
　１．４液混合毛髪処理剤の調整
　以下のようにして４液混合毛髪処理剤を調製した。

（４液混合毛髪処理剤８）
　処理剤［Ｘ］としてヘアカラー剤（ｐＨ１０位）を用いて、該ヘアカラー剤８０ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で２ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で２ｇと、毛髪補修剤［III］２０ｇとを混合した中性乃至弱アルカリ性である３液混合毛髪補修剤を混合し、４液混合毛髪処理剤８を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤と同様の組成のものを用いた。
　４液混合毛髪処理剤８のｐＨは７～８程度の弱アルカリ性であった。

（４液混合毛髪処理剤９）
　前記４液混合毛髪処理剤８にクエン酸をさらに入れ、４液混合毛髪処理剤９を調製した。
　４液混合毛髪処理剤９のｐＨは６程度の弱酸性であった。

　２．毛髪処理
　得られた４液混合毛髪処理剤８、９を用いて、モデルＩの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。

　３．評価
　毛髪の補修効果について、実施例１と同様の評価項目について、同様の評価基準に基づいて評価した。
　その結果、４液混合毛髪処理剤８については、ハリコシ、ツヤ、手ざわり、くせ毛がおさまりボリュームがおさまる、毛先のチリつきがおさまる効果が発揮されることが確認できた。また、切れ毛も目立たなくなったことが確認できた。さらに、カラー剤による染まり具合もとても良いことが確認できた。
　これに対して、４液混合毛髪補修剤９は、手ざわりは良くはなっていたが、ツヤはあったがくすんだツヤであり、毛先が少し広がり、少し切れ毛が目立ち、カラー剤による染まり具合が悪い感じであったことを確認した。
　これは、４液混合毛髪処理剤のｐＨに起因しているものと推察される。即ち、弱アルカリ性である４液混合毛髪処理剤８は、弱酸性である４液混合毛髪補修剤９に比べ、そのアルカリ成分により、毛髪のキューティクルを開いた状態とすることができ、含有する毛髪の栄養成分及びカラー剤の成分が早期浸透することができることに起因しているものと推察される。

（実施例１０）
　１．３液混合毛髪補修剤の調製
　以下のようにして毛髪補修剤を調製した。

（３液混合毛髪補修剤１１）
　毛髪補修剤［I］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で５ｇと、毛髪補修剤［III］３０ｇとを混合し、３液混合毛髪補修剤１１を調製した。
　毛髪補修剤［I］は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［II］は、重量平均分子量３００のケラチン及び重量平均分子量３０００のケラチン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［III］は、水、アルギニン、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸を含有し、クリーム状とした。
３液混合毛髪補修剤１１のｐＨは中性であった。
　また、３液混合毛髪補修剤１１は、アウトバストリートメント（洗い流さないトリートメント）として用いた。

（比較毛髪補修剤）
　他社製のアウトバストリートメントを用いた。他社製のアウトバストリートメントは弱酸性であり、通常の油が多く含有されている。

　２．毛髪処理
　３液混合毛髪補修剤１１と、他社製のアウトバストリートメントを用いて、モデルＪの毛髪補修を行った。毛髪補修は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。毛髪補修はシャンプー後濡れている状態の毛髪に塗布した。

　３．評価
（１）塗布直後、（２）塗布日の朝、（３）塗布日の夕方、（４）２日目のシャンプー後、（５）１週間経過後、について毛髪の経過観察を行った。
　結果は以下の通りであった。

「３液混合毛髪補修剤１１」
　（１）塗布直後；べとつきがない。毛髪内部にトリートメントが浸透している感じがあった。その後、毛髪を乾燥させたところ、まとまりがあったことが確認できた。
　（２）塗布日の朝；手ざわりが良い。
　（３）塗布日の夕方；切れ毛が目立たない。
　（４）２日目のシャンプー後；毛髪がやわらかい感じがあった。毛髪内部が保湿されている感じがし、しっかりまとまりがあることが確認できた。
　（５）１週間経過後；実施例１と同様の評価項目に関して良好な結果が確認できた。また、塗布後から時間経過するにつれて、どんどん毛髪の状態が良くなっていくことが確認できた。

「他社製のアウトバストリートメント」
　（１）塗布直後；表面にオイルが残っている感じがあり、毛髪が重く感じる。市販されている他社製のアウトバストリートメントには、通常の油が含有されていることに起因するものと思われる。
　（２）塗布日の朝；ツヤがあった。これも油によるものと思われる。
　（３）塗布日の夕方；ツヤはあるが、切れ毛が目立ってきた。
　（４）２日目のシャンプー後；ツヤの差は３液混合毛髪補修剤１１と差がなくなった。切れ毛が目立つことが確認できた。
　（５）１週間経過後；塗布直後に比べ、毛髪の状態に変化はみられなかった。

　以上の評価から、通常の油が含有されているような市販品の他社製のアウトバストリートメントは、そのオイル成分により、塗布直後は、毛髪にまとまりをもたせ、ツヤがあるようにすることは出来るが、時間経過と共に、乾燥し、切れ毛が目立っていく。
　これに対して、本発明に係る３液混合毛髪補修剤は、塗布後から時間経過するにつれて、どんどん毛髪の状態が良くなっていくことが確認できた。

（実施例１１）
　１．３液混合毛髪補修剤の調製
　以下のようにして毛髪補修剤を調製した。

（３液混合毛髪補修剤１２）
　毛髪補修剤［I］を原液で４ｇと、毛髪補修剤［II］を原液で４ｇと、毛髪補修剤［III］１２ｇとを混合し、さらに、アルギニンを微量混合し、３液混合毛髪補修剤１２を調製した。
　毛髪補修剤［I］は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［II］は、重量平均分子量３００のケラチン及び重量平均分子量３０００のケラチン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを１：１：０．２（重量比）で含有し、液状とした。
　毛髪補修剤［III］は、水、アルギニン、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、タウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸を含有し、クリーム状とした。
３液混合毛髪補修剤１１のｐＨは微アルカリであった。

（３液混合毛髪補修剤１３）
　３液混合毛髪補修剤１２のアルギニンを追加混合しないものを３液混合毛髪補修剤１３とした。
　３液混合毛髪補修剤１３のｐＨは中性であった。

　２．毛髪処理
　３液混合毛髪補修剤１２と、３液混合毛髪補修剤１３を用いて、モデルＫの毛髪補修を行った。毛髪補修は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。毛髪補修はシャンプー後濡れている状態の毛髪に塗布した。
　また、モデルＬにも同様の毛髪補修を行った。

　３．評価
（モデルＫ）
　アルギニンを追加混合した３液混合毛髪補修剤１２は、塗布直後、直ぐに補修剤がなじむ感じが確認できた。また、２日目には、ツヤがあることが確認できた。さらに、１週間後には、実施例１と同様の評価項目に関して良好な結果が確認できた。
　アルギニンを追加混合しない３液混合毛髪補修剤１３は、塗布直後は、毛髪が少し手にからむことはあったが、１週間後には、実施例１と同様の評価項目に関して良好な結果が確認できた。

（モデルＬ）
　アルギニンを追加混合した３液混合毛髪補修剤１２は、塗布後３日目、毛髪の広がりがおさまっており、ツヤが良く、くせのおさまりが良く、切れ毛のおさまりも良いことが確認できた。
　アルギニンを追加混合しない３液混合毛髪補修剤１３は、塗布後３日目、３液混合毛髪補修剤１２に比べ、毛髪の広がりのおさまり具合は良くなかったが、その他は３液混合毛髪補修剤１２と同程度の効果が確認できた。

　以上の評価から、３液混合毛髪補修剤１２、１３は、中性乃至微アルカリであることにより、補修成分が毛髪内部に浸透し、早期に髪質が改善できることが分かった。また、よりアルカリであることにより、早期浸透性が高まり、早期に効果が奏されることが分かった。

（実施例１２）
　１．４液混合毛髪処理剤の調製
　以下のようにして毛髪処理剤を調製した。

（４液混合毛髪処理剤１０）
　処理剤［Ｘ］としてヘアカラー剤（ｐＨ１０位）を用いて、該ヘアカラー剤８０ｇに、毛髪補修剤［I］を原液で２ｇにアルギニンを加えたものと、毛髪補修剤［II］を原液で２ｇと、毛髪補修剤［III］２０ｇとを混合し、４液混合毛髪処理剤１０を調製した。
　毛髪補修剤［I］、毛髪補修剤［II］及び毛髪補修剤［III］は、いずれも実施例１の３液混合毛髪補修剤と同様の組成のものを用いた。
ヘアカラー剤はいわゆる５トーンの白髪染めを用いた。
４液混合毛髪処理剤１０のｐＨは９程度の弱アルカリ性であった。

（４液混合毛髪処理剤１１）
　前記４液混合毛髪処理剤１０の毛髪補修剤［I］にアルギニンを加えない以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤１１を調製した。
　４液混合毛髪処理剤１１のｐＨは９程度の弱アルカリ性であった。

　２．毛髪処理
　４液混合毛髪処理剤１０と、４液混合毛髪処理剤１１を用いて、モデルＭの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。

　３．評価
　塗布直後～３０分後までの毛髪表面のｐＨを確認した。その結果を表７に示す。また、塗布後の染まりの様子及び仕上がり具合は以下のように評価できた。

（１）ｐＨの変化

（２）塗布後の染まりの様子及び仕上がり具合
　４液混合毛髪処理剤１０は、４液混合毛髪処理剤１１に比べ、塗布直後、カラー剤が馴染んだ感じを確認できた。ｐＨの変化からも４液混合毛髪処理剤１０は塗布直後からｐＨが下がっていた。ｐＨが早期に中性になっていくことでカラー剤が馴染んだものと推察される。
　なお、塗布後の仕上がりとしては、いずれの処理剤も、手ざわりやツヤの差は見られず、その後の染まり具合、手ざわり、ツヤの差は見られず、実施例１と同様の評価項目に関して良好な結果が確認できた。
　また、いずれの処理剤も、３０分後には毛髪が中性となっていることが確認できた。

（実施例１３）
　１．４液混合毛髪処理剤の調製
　以下のようにして毛髪処理剤を調製した。

（４液混合毛髪処理剤１２）
　４液混合毛髪処理剤１０の処理剤［Ｘ］として用いたヘアカラー剤（ｐＨ１０位）を、１１トーンのおしゃれ染めとした以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤１２を調製した。
　４液混合毛髪処理剤１２のｐＨは９程度の弱アルカリ性であった。

（４液混合毛髪処理剤１３）
　前記４液混合毛髪処理剤１２の毛髪補修剤［I］にアルギニンを加えない以外は同様にして、４液混合毛髪処理剤１３を調製した。
　４液混合毛髪処理剤１３のｐＨは９程度の弱アルカリ性であった。

　２．毛髪処理
　４液混合毛髪処理剤１２と、４液混合毛髪処理剤１３を用いて、モデルＯの毛髪処理を行った。毛髪処理は、同じ髪の毛で場所を変え、同時に行った。

　３．評価
　塗布直後～４０分後までの毛髪表面のｐＨを確認した。その結果を表７に示す。また、塗布後の染まりの様子及び仕上がり具合は以下のように評価できた。

（１）ｐＨの変化

（２）塗布後の染まりの様子及び仕上がり具合
　４液混合毛髪処理剤１２は、４液混合毛髪処理剤１３に比べ、毛髪の中性化が早期になされていることが確認できた。
　なお、４液混合毛髪処理剤１２、１３のいずれも、塗布後の仕上がりとしては、手ざわりやツヤの差は見られず、その後の染まり具合、手ざわり、ツヤの差は見られず、実施例１と同様の評価項目に関して良好な結果が確認できた。
　また、いずれの処理剤も、４０分後には毛髪が中性となっていることが確認できた。

Claims

　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であることを特徴とする３液混合毛髪補修剤。　
　請求項１記載の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪補修方法。
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、
　該３液混合毛髪補修剤に、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］とを混合してなることを特徴とする４液混合毛髪処理剤。
　請求項３記載の４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
　ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する毛髪補修剤［III］とを混合してなる３液混合毛髪補修剤が中性乃至弱アルカリ性であり、
　該３液混合毛髪補修剤に、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤を毛髪に塗布し、
　前記処理剤［Ｘ］が混合された４液混合毛髪処理剤の塗布後、所定時間経過後、
　加水分解タンパクとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［I］と、
　低分子ケラチンと中分子ケラチンとアミノ酸誘導体を少なくとも含有する毛髪補修剤［II］と、
　少なくとも１種のアミノ酸を含有する中性乃至アルカリ性である毛髪補修剤［III］とを混合してなる中性乃至弱アルカリ性の３液混合毛髪補修剤を毛髪に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。