JP2023005273A - 毛髪処理剤 - Google Patents

毛髪処理剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2023005273A
JP2023005273A JP2021107064A JP2021107064A JP2023005273A JP 2023005273 A JP2023005273 A JP 2023005273A JP 2021107064 A JP2021107064 A JP 2021107064A JP 2021107064 A JP2021107064 A JP 2021107064A JP 2023005273 A JP2023005273 A JP 2023005273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
agent
treatment agent
mass
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021107064A
Other languages
English (en)
Inventor
真由子 奥村
Mayuko Okumura
京史 山本
Kyoji Yamamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakano Seiyaku KK
Original Assignee
Nakano Seiyaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakano Seiyaku KK filed Critical Nakano Seiyaku KK
Priority to JP2021107064A priority Critical patent/JP2023005273A/ja
Publication of JP2023005273A publication Critical patent/JP2023005273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】毛髪に優れたコンディショニング効果を付与できる毛髪処理剤を提供することである。【解決手段】下記(A1)および下記(B1)を容器A内に含有する処理剤X;または下記(A1)を容器B内に含有する第1剤と、下記(B1)を容器C内に含有する第2剤とを含有する処理剤Y;を含む毛髪処理剤。(A1)ポリクオタニウム-64(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール【選択図】なし

Description

本発明は毛髪処理剤に関する。
毛髪にすべり、しなやかさ、まとまり感などを付与する目的で、従来からヘアリンスやヘアトリートメントなどが使用されている。一般的にヘアリンスやヘアトリートメントは、カチオン性界面活性剤、油剤、シリコーン誘導体、タンパク質加水分解物などのコンディショニング成分を含有し、これらの成分が毛髪表面に吸着することにより、コンディショニング効果を発揮させていた。
しかしながら、従来のヘアリンスやヘアトリートメントは、ヘアカラー、パーマを繰り返した毛髪に対するコンディショニング効果が弱く、またシャンプーによってコンディショニング効果が失われやすかった。
ヘアカラーやパーマなどの処理を行った毛髪に対するコンディショニング効果の向上、およびコンディショニング効果の持続性を高める技術として、アニオン性物質(ポリマー、タンパク質加水分解物など)とカチオン性物質(ポリマー、界面活性剤など)とを組み合わせるなどして毛髪にイオン性のコンプレックスを形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1~5)。
しかしながら、これらの技術においても、損傷の激しい毛髪や傷みの激しい毛先に対しては、コンディショニング効果が不十分であった。
特開平10-087441号公報 特開平10-120533号公報 特開2001-048751号公報 特開2001-192325号公報 特開2006-124278号公報
近年、ブリーチ処理後にヘアカラー処理をするヘアデザイン技術が流行しており、従来よりも毛髪の損傷が激しくなっている。そのため従来の毛髪処理剤では、損傷の激しい毛髪に対しては、コンディショニング効果が不十分であった。
また上記ヘアデザイン技術の流行と共に、毛髪のすべり感、しなやかさ、まとまりなどのコンディショニング効果を付与できる毛髪処理剤が希求されており、特に損傷の激しい毛髪に対しても優れたコンディショニング効果を付与できる毛髪処理剤が求められていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その目的は、毛髪に優れたコンディショニング効果を付与できる毛髪処理剤を提供することである。
上記課題を解決し得た本発明の毛髪処理剤は以下の構成を有する。
[1]下記(A1)および下記(B1)を容器A内に含有する処理剤X;または
下記(A1)を容器B内に含有する第1剤と、下記(B1)を容器C内に含有する第2剤とを含有する処理剤Y;
を含む毛髪処理剤。
(A1)ポリクオタニウム-64
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
[2] 前記処理剤X、または前記第1剤に含まれる前記ポリクオタニウム-64の含有量は、1質量%以下(0質量%は含まない)である[1]に記載の毛髪処理剤。
[3] 前記処理剤X、または前記第2剤に含まれる前記(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量は、15質量%以下(0質量%は含まない)である[1]または[2]に記載の毛髪処理剤。
[4] 前記毛髪処理剤は、更に下記(C1)および下記(C2)を容器D内に含有する処理剤Zを含むものである[1]~[3]のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
(C1)アミノ変性シリコーン
(C2)ジカルボン酸ジエステル
[5] 前記処理剤Zに含まれる前記(C1)アミノ変性シリコーンの含有量は、10質量%以下(0質量%は含まない)、
前記(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量は、7質量%以下(0質量%は含まない)である[4]に記載の毛髪処理剤。
[6] 前記処理剤X、または前記第1剤は、更に下記(A2)および/または下記(A3)を含有する[1]~[5]のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
(A2)カチオン化タンパク質
(A3)カチオン性界面活性剤
[7] 前記処理剤X、または前記第2剤は、更に下記(B2)を含有する[1]~[6]のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
(B2)アニオン性多糖類
以下のいずれかの塗布方法を含む[1]~[7]のいずれかに記載の毛髪処理剤の使用方法。
前記処理剤Xを毛髪に塗布する;
前記処理剤Xを毛髪に塗布した後、前記処理剤Zを塗布する;
前記第1剤を毛髪に塗布した後、前記第2剤を毛髪に塗布する;
前記第1剤を毛髪に塗布した後、前記第2剤を毛髪に塗布し、その後、処理剤Zを塗布する;
前記第2剤を毛髪に塗布した後、前記第1剤を毛髪に塗布する;
前記第2剤を毛髪に塗布した後、前記第1剤を毛髪に塗布し、その後、処理剤Zを塗布する;
前記第1剤、および前記第2剤を混合して混合剤を調製した後、該混合剤を毛髪に塗布する;または
前記第1剤、および前記第2剤を混合して混合剤を調製した後、該混合剤を毛髪に塗布し、その後、前記処理剤Zを塗布する;
本発明の毛髪処理剤は、ブリーチ処理やヘアカラー、パーマ等の化学的処理(以降、ブリーチ処理等という)が複数回施され、損傷が激しい毛髪に対して、優れた毛髪のすべり感、しなやかさ、まとまり(以下、コンディショニング効果という)を付与できる。
本発明の毛髪処理剤の適用対象となる毛髪は、好ましくはブリーチ処理等が施された毛髪、より好ましくは2回、または3回のブリーチ処理等が施された毛髪、さらに好ましくは4回以上のブリーチ処理等が施された毛髪である。
ホワイトブリーチなど、ブリーチ処理等を複数回繰り返した毛髪は、従来のヘアカラー処理された染髪やパーマ処理された毛髪と比べて毛髪の損傷が激しい。そのため従来の毛髪処理剤ではこのような損傷が激しい毛髪に対して十分なコンディショニング効果が得られなかった。
本発明の毛髪処理剤は、(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを必須成分とする。両成分を必須成分とすることで損傷の激しい毛髪に対して優れたコンディショニング効果、すなわち、毛髪のすべり感、しなやかさ、まとまりを付与できる。更に処理剤Zを使用することで、本発明の毛髪処理剤で付与されたコンディショニング効果の持続性、すなわち、毛髪処理剤で処理した後、毛髪を複数回シャンプーしてもコンディショニング効果を維持できる。
以下、本発明の毛髪処理剤について説明する。
本発明の毛髪処理剤は、下記処理剤X、または処理剤Yを含む。
処理剤X:同一の容器A内に(A1)ポリクオタニウム-64、および(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有する(1剤型処理剤ということがある)。
処理剤Y:第1剤と第2剤とを含む構成であり、第1剤は容器B内に(A1)ポリクオタニウム-64を含有し、第2剤は容器C内に(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有する。なお、第1剤と第2剤は夫々、異なる容器に含まれている(2剤型処理剤ということがある)。
本発明のコンディショニング効果は、毛髪処理時に(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが同時に毛髪に塗布されている状態になれば得られる。したがって塗布前は(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが共に同じ容器Aで保存されていてもよいし(1剤型処理剤)、(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが混ざらないように別々の容器Bと容器Cに分けて保存されていてもよい(2剤型処理剤)。
(A1)ポリクオタニウム-64
(A1)ポリクオタニウム-64は、下記式(I)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体である。
Figure 2023005273000001
ポリオクタニウムは複数の種類が存在するが、本発明者らが検討した結果、ポリオクタニウム-64とジカルボン酸ビスエトキシジグリコールとの組み合わせのみが損傷の激しい毛髪に対して優れたヘアコンディショニング効果を発揮する。
本発明では「LIPIDURE-C」(日油社製)などの各種市販のポリクオタニウム-64を使用できる。
(A1)ポリオクタニウム-64の含有量を多くするとコンディショニング効果、特に毛髪のすべり感向上に寄与する。一方、(A1)ポリオクタニウム-64の含有量が多すぎると毛髪が柔らかくなり過ぎて絡まりやすくなり、コンディショニング効果、すなわち、毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりが悪くなる傾向を示す。
(A1)ポリクオタニウム-64の含有量は処理剤X、または第1剤中に占める割合が好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.0025質量%以上、さらに好ましくは0.005質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下である。
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、下記式(II)で示される化合物である。
[化2]
O-CO-R-CO-OR・・・(II)
(式中、Rは炭素数2~10の直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を表し、Rはエトキシジグリコール基を表す。)
ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの具体例としては、例えばシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ビスエトキシジグリコール、アジピン酸ビスエトキシジグリコール、セバシン酸ビスエトキシジグリコール、フタル酸ビスエトキシジグリコール、テレフタル酸ビスエトキシジグリコール、アゼライン酸ビスエトキシジグリコールが挙げられる。
特にシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが好ましい。シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールとしては「Neosolue-Aqulio」(日本精化社製)などの各種市販品を用いることができる。
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、単独、または2種以上使用してもよい。
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量を多くするとコンディショニング効果を向上できる。一方、(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量が多くなり過ぎると毛髪に(A1)ポリクオタニウム-64、および/または(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(以下、有効成分ということがある)が多く吸着し過ぎて髪がベタついて、コンディショニング効果が悪くなる傾向を示す。
(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量は、処理剤X、または第2剤中に占める割合(2種以上の場合は合計)が好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であって、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
処理剤X、第1剤において、(A1)ポリクオタニウム-64以外の残部成分は、溶媒であり、溶媒としては水、エタノールなど公知の毛髪処理剤用の溶媒を使用でき、好ましくは水である。
また第2剤において、(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール以外の残部成分は、溶媒としては水、エタノールなど公知の毛髪処理剤用の溶媒を使用でき、好ましくは水である。
処理剤X、第1剤、第2剤は後記する成分(A2)、成分(A3)、成分(B2)などの有効添加成分や各種公知の添加剤を含有していてもよい。
また毛髪処理剤は処理剤X;または第1剤と第2剤からなる処理剤Yで構成されていてもよいが、更に処理剤Zを有する構成であってもよい。
本発明の毛髪処理剤は(A1)ポリクオタニウム-64、および(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを併用することで上記所望の効果が得られるが、更に下記(1)~(3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有効添加成分を含有させると、コンディショニング効果やコンディショニング効果の持続性を、より一層向上できるため好ましい。
(1)(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステル(処理剤Z)
(2)(A2)カチオン化タンパク質、および/または(A3)カチオン性界面活性剤
(3)(B2)アニオン性多糖類
(1)処理剤Z
処理剤Zは、(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルを含有する。(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルは併用する必要があり、(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールと共に使用すると、コンディショニング効果とコンディショニング効果の持続性を向上できる。
上記処理剤Zの添加効果は、(A1)ポリクオタニウム-64および(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールと共に毛髪に塗布されている状態になれば得られる。毛髪に塗布する前の(C1)アミノ変性シリコーンおよび(C2)ジカルボン酸ジエステルは、(A1)ポリクオタニウム-64や(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールと混ざらないように容器Bや容器Cとは別の容器Dで保存することが望ましい。
(C1)アミノ変性シリコーン
(C1)アミノ変性シリコーンは毛髪への吸着性に優れており、ダメージケアやコンディショニング効果、持続性の向上に効果を有する成分である。
(C1)アミノ変性シリコーンとしては、例えばアミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などのアモジメチコン;アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などの(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー;高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体などのアミノプロピルジメチコン等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、「DOWSIL SM 8904 COSMETIC EMULSION」、「DOWSIL BY22-079」、「DOWSIL FZ-4671」、「DOWSIL FZ-4672」、「DOWSIL SS-3551」(ダウ・東レ社製)などの各種市販品を用いることができる。
(C1)アミノ変性シリコーンは、単独または2種以上使用してもよい。
(C1)アミノ変性シリコーンの含有量を多くするとコンディショニング効果、および持続性を向上できる。一方、(C1)アミノ変性シリコーンの含有量が多すぎると、毛髪に吸着し過ぎて髪をすいたときの引っかかりが大きくなる等、コンディショニング効果や持続性が減少する傾向を示す。
(C1)アミノ変性シリコーンの含有量は、処理剤Zに占める割合(2種以上の場合は合計)が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
(C2)ジカルボン酸ジエステル
(C2)ジカルボン酸ジエステルは毛髪への有効成分の浸透促進に有効な成分であり、ダメージ回復効果、コンディショニング効果、持続性の向上に効果を有する成分である。
(C2)ジカルボン酸ジエステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル等のアジピン酸ジエステル;コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジオクチル等のコハク酸ジエステル;セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステルが挙げられる。
(C2)ジカルボン酸ジエステルとして各種市販品を用いることができる。
(C2)ジカルボン酸ジエステルは、単独または2種以上使用できる。
(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量を多くするとコンディショニング効果、および持続性を向上できる。一方、(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量が多すぎると、毛髪に多く吸着し過ぎてベタつきが出て、コンディショニング効果や持続性が減少する傾向を示す。
(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量は、処理剤Zに占める割合(2種以上の場合は合計)が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であって、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
(2)(A2)カチオン化タンパク質、および/または(A3)カチオン性界面活性剤
(A2)カチオン化タンパク質と(A3)カチオン性界面活性剤の少なくとも1方、好ましくは両方を含有させると、コンディショニング効果を向上できる。
(A2)カチオン化タンパク質、および/または(A3)カチオン性界面活性剤は、処理剤X、または第1剤に含有させることが好ましい。
(A2)カチオン化タンパク質
(A2)カチオン化タンパク質は、特に有効成分の毛髪への付着性(吸着性)向上に寄与する成分である。
カチオン化タンパク質とは、タンパク質または加水分解タンパク質をカチオン化した化合物である。カチオン化タンパク質としては、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解コメタンパク、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解カゼインが例示される。
具体的には、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解コラーゲン、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解コメタンパク、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解シルク等がある。また、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク等の誘導体等が挙げられる。
これらの(A2)カチオン化タンパク質は、単独または2種以上使用できる。
(A2)カチオン化タンパク質の含有量を多くすると有効成分の毛髪への付着性が増してコンディショニング効果を向上できる。一方、(A2)カチオン化タンパク質の含有量が多すぎると毛髪に吸着する付着性向上成分が多くなり過ぎて、髪をすいたときの引っかかりが大きくなり、しなやかさが悪くなる等、コンディショニング効果が悪くなる傾向を示す。
(A2)カチオン化タンパク質の含有量は処理剤X、または第1剤中に占める割合(2種以上の場合は合計)が好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
(A3)カチオン性界面活性剤
(A3)カチオン性界面活性剤は、髪のすべり感向上に寄与する成分であり、コンディショニング効果向上に寄与する成分である。
(A3)カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、第三級脂肪族アミノ塩等が挙げられる。具体的にはラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムメチルサルフエート、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、エイコシルトリメチルアンモニウムクロライドなどのモノアルキル第四級アンモニウム塩;ジパルミチルジメチメルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジ長鎖アルキル第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらのなかでもモノアルキル第四級アンモニウム塩が好ましい。
(A3)カチオン性界面活性剤は、単独または2種以上使用してもよい。
(A3)カチオン性界面活性剤の含有量を多くすると、コンディショニング効果を向上できる。一方、(A3)カチオン性界面活性剤の含有量が多すぎると、毛髪が柔らかくなり過ぎて、まとまりが悪くなる傾向を示す。
(A3)カチオン性界面活性剤の含有量は、処理剤X、または第1剤に占める割合(2種以上の場合は合計)が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上であって、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
(3)(B2)アニオン性多糖類
(B2)アニオン性多糖類は、コンディショニング効果、特に毛髪のまとまり向上に有効な成分である。
(B2)アニオン性多糖類としては、例えば、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランの多価カルボキシメチルエーテルのナトリウム塩であるカルボキシメチルデキストランナトリウム等が挙げられる。これらのなかでもカルボキシメチルデキストランナトリウムが好ましい。
(B2)アニオン性多糖類は各種市販品を用いることができる。
(B2)アニオン性多糖類は、単独または2種以上使用できる。
(B2)アニオン性多糖類の含有量を多くするとコンディショニング効果を向上できる。一方、(B2)アニオン性多糖類の含有量が多すぎると、処理剤の粘度が高くなり過ぎて毛髪に均一に塗布しづらくなり、有効成分を十分に吸着させることができなくなり、コンディショニング効果が悪化する傾向を示す。
(B2)アニオン性多糖類の含有量は、処理剤X、または第1剤に占める割合(2種以上は合計)が好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
本発明の毛髪処理剤には、上記の各種有効添加成分以外にも必要に応じて公知の毛髪処理剤に配合されている各種公知の添加剤を配合してもよい。
公知の添加剤としては例えば、植物油(オリーブ油、ホホバ油、シア脂等)、脂肪酸、炭化水素(スクワラン、流動パラフィン等)、高級アルコールなどの油脂類、界面活性剤(アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤)、糖類(ソルビトール等)、フッ素系化合物類、消臭剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、溶剤、抗炎症剤、増粘剤、香料、色素等を挙げることができ、これらを適宜配合することができる。
本発明の毛髪処理剤は各種形態を採用でき、例えば、クリーム、ローション、乳液、ゲルなどの剤型等にすることができ、頭髪用化粧料に幅広く使用・応用できる。
本発明の毛髪処理剤の好適な使用方法について説明する。
本発明の毛髪処理剤は、ア)まずシャンプーで毛髪の汚れを落とした後、十分に水気を取り除いて髪を湿潤状態とすることが好ましい(以下、予洗ということがある)。
処理剤Xを用いた1剤型処理剤の場合は、イ)処理剤Xを毛髪に塗布し、毛髪全体に処理剤Xを伸ばしながらなじませる。
ウ)その後、毛髪処理剤をお湯ですすぎ流すことが好ましい(以下、湯洗ということがある)。
処理剤Xに加えて処理剤Zを使用する場合、ア)予洗後、イ)処理剤Xを毛髪に塗布し、毛髪全体に処理剤Xを伸ばしながらなじませた後、処理剤Xを除去することなく、すなわち、処理剤Xをすすぎ流すことなく、エ)処理剤Zを毛髪に塗布し、毛髪全体に処理剤Zを伸ばしながらなじませる。
ウ)その後、湯洗することが好ましい。
第1剤と第2剤とを用いた2剤型処理剤の場合は、第1剤と第2剤の塗布順序は特に限定されず、第1剤と第2剤の両方が毛髪に塗布された状態となればよい。したがって、下記I~IIIのいずれの使用形態であってもよい。
I:ア)予洗後、カ-1)第1剤を毛髪に塗布し、毛髪全体に第1剤を伸ばしながらなじませた後、第1剤を除去することなく、すなわち、第1剤をすすぎ流すことなく、カ-2)第2剤を毛髪に塗布し、毛髪全体に第2剤を伸ばしながらなじませる。
II:ア)予洗後、カ-3)第2剤を毛髪に塗布し、毛髪全体に第2剤を伸ばしながらなじませた後、第2剤を除去することなく、すなわち、第2剤をすすぎ流すことなく、カ-4)第1剤を毛髪に塗布し、毛髪全体に第1剤を伸ばしながらなじませる。
III:ア)予洗後、カ-5)第1剤と第2剤とを混合した混合剤を調製した後、カ-6)該混合剤を毛髪に塗布し、毛髪全体に混合剤を伸ばしながらなじませる。
ウ)上記カ-2)、カ-4)、カ-6)の後、湯洗することが好ましい。
2剤型処理剤に加えて更に処理剤Zを使用する場合、
上記I:ア)→カ-1)→カ-2)の後、または
上記II:ア)→カ-3)→カ-4)の後、または
上記III:ア)→カ-5)→カ-6)の後、
ウ)湯洗することなく、すなわち、第1剤と第2剤が毛髪に塗布された状態で、キ)処理剤Zを毛髪に塗布し、毛髪全体に処理剤Zを伸ばしながらなじませる。
その後、ウ)湯洗することが好ましい。
本発明では処理剤を塗布した状態で毛髪を例えば5~30分間放置してもよい。放置時間を設けることで各成分の髪への浸透・吸着がより促進され、コンディショニング効果、及び持続性を向上できる。
このような放置は、例えばイとウの間、イとエの間、カ-1とカ-2の間、カ-2とウの間、カ-2とキの間、カ-3とカ-4の間、カ-4とウの間、カ-4とキの間、カ-6とウの間、カ-6とキの間において行うことが好ましい。処理剤の塗布が複数ある場合は各処理剤の塗布間で放置してもよいし、あるいはいずれかの処理剤の塗布間で放置してもよい。
更に毛髪のダメージが強い場合は各処理剤を毛髪になじませた後で、スチーマーやローラーボール等を用いて加温放置した後、お湯で処理剤をすすぎ流してもよい。加温放置することで、各成分の浸透、および吸着がより促進され、コンディショニング効果やその持続効果を向上させることができる。加温放置する場合の加熱温度は、例えば30℃~60℃である。また該温度で放置する時間は、例えば5分~30分である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(ブリーチ処理)
パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理などの化学的処理を一切行っていない毛束を準備した。粉末ブリーチ剤(中野製薬株式会社製キャラデコ トーナー ブリーチパウダー EX)と過酸化水素系酸化剤(中野製薬株式会社製キャラデコ オキサイド N06)とを1:3(質量比)となるように混合したブリーチ剤を毛髪に質量比1:1の割合で塗布した後、35℃で30分間保持した後、45質量%ラウリル硫酸トリエタノールアミン溶液で毛髪を洗浄した。続いて湯洗によりラウリル酸トリエタノールアミン溶液を洗い落とし、その後、毛髪をドライヤーで完全に乾燥させた。この処理(ブリーチ→ラウリル硫酸トリエタノールアミン溶液洗浄→湯洗→乾燥)を3回繰り返した。得られたブリーチ後の毛束を用いて評価用試料を作製した。
なお、各評価用試料の作製に使用したブリーチ後の毛束は長さ20cm、重さ15gである。
(評価用試料の作製)
ブリーチ処理された毛髪を十分にお湯ですすぎ流した後(以下、予洗という)、毛髪処理剤を用いて以下のいずれかの処理を行った。
処理1:成分(A1)と成分(B1)の両方を含有した処理剤X1.0gを毛束に塗布した後、流水で処理剤Xを十分に洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全に乾燥させた。
処理2:成分(A1)を含有する処理剤A(第1剤)1.0gを毛束に塗布した後、成分(B1)を含有する処理剤B(第2剤)2.0g塗布した。塗布後、流水で処理剤A、Bを十分に洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全に乾燥させた。
処理3:成分(B1)を含有する処理剤B(第2剤)2.0g塗布した後、成分(A1)を含有する処理剤A(第1剤)1.0gを毛束に塗布した。塗布後、流水で十分に処理剤A、Bを洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全に乾燥させた。
なお、処方例によっては処理剤Aに成分(A1)が含まれておらず、また処理剤Bには成分(B1)が含まれていないことがある。各処理に使用した処理剤の成分組成は表1~7に記載の通りである。
毛髪処理剤で処理して得られた各試料について、以下の基準で評価した。なお、実施例No.2-4を評価基準とした。
(毛髪のすべり感の評価方法)
専門パネラー10名により以下の評価基準で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の基準で「毛髪のすべり感」について判定した。
[各パネラーの評価基準]
3点:すべり感が良い
2点:すべり感がやや良い
1点:すべり感が悪い
[すべり感の評価基準]
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:10点以上、15点未満
(毛髪のしなやかさの評価方法)
専門パネラー10名により以下の評価基準で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の基準で「毛髪のしなやかさ」について判定した。
[各パネラーの評価基準]
3点:しなやかさを感じる
2点:しなやかさをやや感じる
1点:しなやかさを感じない
[しなやかさの評価基準]
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:10点以上、15点未満
(毛髪のまとまりの評価方法)
専門パネラー10名により以下の評価基準で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の基準で、「毛髪のまとまり」について判定した。
[各パネラーの評価基準]
3点:まとまりが良い
2点:まとまりがやや良い
1点:まとまりが悪い
[まとまりの評価基準]
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:10点以上、15点未満
(コンディショニング効果の持続性の評価用試料の作製)
ブリーチ処理された毛髪を予洗した後、毛髪処理剤を用いて以下のいずれかの処理を行って準備した試料を用いてコンディショニング効果の持続性を評価した。
処理1a:成分(A1)と成分(B1)の両方を含有した処理剤X1.0gを毛束に塗布した後、成分(C1)を含有する処理剤Z2.0gを塗布した。その後、水で十分に処理剤X、処理剤Zを洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全乾燥させた。その後、[シャンプー(中野製薬株式会社製ラデュラNシャンプー ライトモイスト)→湯洗→タオルドライ→ドライヤー乾燥]を10回繰り返した。
処理2a:成分(A1)を含有する処理剤A(第1剤)1.0gを毛束に塗布した後、成分(B1)を含有する処理剤B(第2剤)2.0g塗布した。成分(C1)を含有する処理剤Z2.0g塗布した。塗布後、水で十分に処理剤A、処理剤B、処理剤Zを洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全乾燥させた。その後、[シャンプー(中野製薬株式会社製ラデュラNシャンプー ライトモイスト)→湯洗→タオルドライ→ドライヤー乾燥]を10回繰り返した。
処理3a:成分(B1)を含有する処理剤B(第2剤)2.0g塗布した後、成分(A1)を含有する処理剤A(第1剤)1.0gを毛束に塗布した。成分(C1)を含有する処理剤Z2.0g塗布した。塗布後、水で十分に処理剤A、B、処理剤Zを洗い流した。その後、毛束をドライヤーで完全乾燥させた。その後、[シャンプー(中野製薬株式会社製ラデュラNシャンプー ライトモイスト)→湯洗→タオルドライ→ドライヤー乾燥]を10回繰り返した。
なお、処方例によっては処理剤Zに成分(C1)および/または(C2)が含まれていないことがある。各処理に使用した処理剤Zの成分組成は表8、表9に記載の通りである。
毛髪処理剤で処理して得られた各試料について、以下の基準で評価した。
(コンディショニング効果の持続性の評価方法)
専門パネラー10名により以下の評価基準で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の基準で「コンディショニング効果の持続性」について判定した。
(毛髪のすべり感の評価方法)
3点:コンディショニング効果が持続している
2点:コンディショニング効果がやや持続している
1点:コンディショニング効果が持続していない
[コンディショニング効果の持続性の評価基準]
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:10点以上、15点未満
表1~9において各成分の数値は、質量%を示し、成分が水溶液等の場合は純分換算したものである。
Figure 2023005273000002
Figure 2023005273000003
Figure 2023005273000004
Figure 2023005273000005
Figure 2023005273000006
Figure 2023005273000007
Figure 2023005273000008
Figure 2023005273000009
Figure 2023005273000010
(実施例1)
表1に示す第1剤である処理剤A(処方例I-1~I-9;処方I-31~38)、表2に示す第2剤である処理剤B(処方例II-4)、表3に示す処理剤X(処方例I-3とII-4を含むI・II-1;処方I-8とII-8を含むI・II-2)を表10に示すように組み合わせて毛髪処理をした。なお、成分(A1)を含有していない例は比較例である。各評価結果を表10に示す。
Figure 2023005273000011
実施例1では処理剤A中の(A1)ポリクオタニウム-64の含有量が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
(A1)ポリクオタニウム-64を含有した処理剤Aを用いた実験No.1~7ではいずれもコンディショニング効果に優れており、特に毛髪に優れたすべり感を付与できた。(A1)ポリクオタニウム-64が多くなると毛髪のすべり感が向上する傾向を示したが、含有量が多くなり過ぎると毛髪のすべり感が低下する傾向を示した。
(A1)ポリクオタニウム-64を含有した処理剤Aを処理剤Bの後に塗布した実験No.10;(A1)ポリクオタニウム-64を含有した処理剤Aと処理剤Bを混合してから塗布した実験No.11;(A1)ポリクオタニウム-64と(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有した処理剤Xを塗布した実験No.12は、いずれも毛髪に優れたすべり感などの優れたコンディショニング効果を付与することができた。これらの実施例からは塗布順序にかかわらず、所定の成分を毛髪に塗布できれば優れたコンディショニング効果が得られることがわかる。
一方、(A1)ポリクオタニウム-64を含有しない処理剤Aを用いた実験No.8~9、13~20では毛髪にすべり感を付与できないなど、いずれもコンディショニング効果が悪かった。
(実施例2)
表1に示す処理剤A(処方例I-3)、および表2に示す処理剤B(処方例II-1~II-9、II-31~II-38)を表11に示す組み合わせで毛髪処理をした。各評価結果を表11に示す。
Figure 2023005273000012
実施例2では処理剤B中の(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
実験No.1-1~1-6はいずれも優れたコンディショニング効果が得られており、特に優れたすべり感を付与できた。(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが多くなると毛髪のすべり感が向上する傾向を示したが、含有量が多くなり過ぎると毛髪のすべり感が低下する傾向を示した。
一方、(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有しない処理剤Bを用いた実験No.1-7~1-16では毛髪にすべり感などのコンディショニング効果を付与できなかった。
(実施例3)
表1に示す処理剤A(処方例I-8、I-9)、および表2に示す処理剤B(処方例II-8、II-9)、処理剤X(処方I・II-2)を表12に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表12に示す。
Figure 2023005273000013
実施例3では処理剤A中に(A1)ポリクオタニウム-64、および処理剤B中に(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有しない場合のコンディショニング効果に与える影響を検討した。
(A1)ポリクオタニウム-64、および(B1)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含有しない処理剤を用いた実験No.2-1~2-5では毛髪にすべり感、しなやかさ、まとまりを付与できなかった。
(実施例4)
表1および表4に示す処理剤A(処方例I-4、I-10~I-18)、および表2に示す処理剤B(処方例II-4)を表13に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表13に示す。
Figure 2023005273000014
実施例4では処理剤A中の(A2)カチオン化タンパク質、および(A3)カチオン性界面活性剤が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
(A2)カチオン化タンパク質、および/または(A3)カチオン性界面活性剤を含有した処理剤Aを用いた実験No.3-1~3-8では、毛髪にすべり感、しなやかさ、まとまりを付与でき、優れたコンディショニング効果が得られた。また(A2)カチオン化タンパク質、および(A3)カチオン性界面活性剤を含有しない処理剤Aを用いた実験No.4、3-9)では、毛髪のしなやかさ、およびまとまりに対する効果が実験No.3-1~3-8よりも劣っていた。
(実施例5)
表5に示す処理剤A(処方例I-19~I-28)、および表2に示す処理剤B(処方例II-4)を表14に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表14に示す。
Figure 2023005273000015
実施例5では処理剤A中の(A2)カチオン化タンパク質、および(A3)カチオン性界面活性剤の含有量が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
(A2)カチオン化タンパク質の含有量が0.05%以上、1.5%以下の処理剤Aを用いた実験No.4-2~4-4、(A3)カチオン性界面活性剤の含有量が0.025%以上、1.75%以下の処理剤Aを用いた実験No.4-7~4-9では、毛髪のすべり感、しなやかさ、まとまりがより一層向上した。
(実施例6)
表4に示す処理剤A(処方例I-14)、および表2、表6に示す処理剤B(処方例II-4、II-10~II-13)を表15に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表15に示す。
Figure 2023005273000016
実施例6では処理剤B中の(B2)アニオン性多糖類が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
(B2)アニオン性多糖類を含有していない処理剤Bを用いた実験No.3-5、5-4と(B2)アニオン性多糖類を含有した処理剤Bを用いた実験No.5-1~5-3を比較すると、(B2)アニオン性多糖類を含有することで、毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさを付与し、特に毛髪に優れたまとまりを向上できた。
(実施例7)
表4に示す処理剤A(処方例I-14)、および表7に示す処理剤B(処方例II-14~II-19)を表16に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表16に示す。
Figure 2023005273000017
実施例7では処理剤B中の(B2)アニオン性多糖類の含有量が毛髪のすべり感、毛髪のしなやかさ、毛髪のまとまりに与える影響を検討した。
(B2)アニオン性多糖類の含有量が0.001%以上1.5%以下の処理剤Bを用いた実験No.6-1~6-4)では、毛髪のすべり感、しなやかさ、まとまりのうち、少なくとも2点以上のコンディションが向上した。
(実施例8)
表4に示す処理剤A(処方例I-14)、表6に示す処理剤B(処方例II-10)、表8に示す処理剤Z(処方例III-1~III-9)、表3に示す処理剤X(処方例I・II-1)を表17に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表17に示す。
Figure 2023005273000018
実施例8では処理剤Zの(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルがコンディショニング効果、及びコンディショニング効果の持続性に与える影響を検討した。
(C1)アミノ変性シリコーン、または(C2)ジカルボン酸ジエステルの一方のみを含有した処理剤Zを用いた実験No.7-1~7-4と比べると、(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルの両方を含有した処理剤Zを用いた実験No.7-5~7-8は、コンディショニング効果、及びその持続性のいずれも優れており、特にコンディショニング効果の持続性が極めて良好であった。
実験No.7-5、7-10、7-11は添加剤の処理剤の添加順序を変更した例であるが、いずれも優れた持続性を示した。
一方、(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルのいずれも含有しない処理剤Zを用いた実験No.7-9はコンディショニング効果が持続性しなかった。
(実施例9)
表4に示す処理剤A(処方例I-14)、および表6に示す処理剤B(処方例II-10)、および表9に示す処理剤Z(処方例III-10~III-19)を表18に示すように組み合わせて毛髪処理をした。各評価結果を表18に示す。
Figure 2023005273000019
実施例9では(C1)アミノ変性シリコーン、および(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量がコンディショニング効果、及びその持続性に与える影響を検討した。
(C1)アミノ変性シリコーンの含有量が1.25%以上7.5%以下の処理剤Zを用いた実験No.8-2~8-4、および(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量が0.03%以上2.5%以下の処理剤Zを用いた実験No.8-7~8-9では、コンディショニング効果、及び持続性のいずれにもより優れた効果を示した。

Claims (8)

  1. 下記(A1)および下記(B1)を容器A内に含有する処理剤X;または
    下記(A1)を容器B内に含有する第1剤と、下記(B1)を容器C内に含有する第2剤とを含有する処理剤Y;
    を含む毛髪処理剤。
    (A1)ポリクオタニウム-64
    (B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
  2. 前記処理剤X、または前記第1剤に含まれる前記(A1)ポリクオタニウム-64の含有量は、1質量%以下(0質量%は含まない)である請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. 前記処理剤X、または前記第2剤に含まれる前記(B1)ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの含有量は、15質量%以下(0質量%は含まない)である請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
  4. 前記毛髪処理剤は、更に下記(C1)および下記(C2)を容器D内に含有する処理剤Zを含むものである請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
    (C1)アミノ変性シリコーン
    (C2)ジカルボン酸ジエステル
  5. 前記処理剤Zに含まれる前記(C1)アミノ変性シリコーンの含有量は、10質量%以下(0質量%は含まない)、
    前記(C2)ジカルボン酸ジエステルの含有量は、7質量%以下(0質量%は含まない)である請求項4に記載の毛髪処理剤。
  6. 前記処理剤X、または前記第1剤は、更に下記(A2)および/または下記(A3)を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
    (A2)カチオン化タンパク質
    (A3)カチオン性界面活性剤
  7. 前記処理剤X、または前記第2剤は、更に下記(B2)を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
    (B2)アニオン性多糖類
  8. 以下のいずれかの塗布方法を含む請求項1~7のいずれかに記載の毛髪処理剤の使用方法。
    前記処理剤Xを毛髪に塗布する;
    前記処理剤Xを毛髪に塗布した後、前記処理剤Zを塗布する;
    前記第1剤を毛髪に塗布した後、前記第2剤を毛髪に塗布する;
    前記第1剤を毛髪に塗布した後、前記第2剤を毛髪に塗布し、その後、処理剤Zを塗布する;
    前記第2剤を毛髪に塗布した後、前記第1剤を毛髪に塗布する;または、
    前記第1剤を毛髪に塗布した後、前記第2剤を毛髪に塗布し、その後、処理剤Zを塗布する;
    前記第1剤、および前記第2剤を混合して混合剤を調製した後、該混合剤を毛髪に塗布する;または
    前記第1剤、および前記第2剤を混合して混合剤を調製した後、該混合剤を毛髪に塗布し、その後、前記処理剤Zを塗布する;
JP2021107064A 2021-06-28 2021-06-28 毛髪処理剤 Pending JP2023005273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021107064A JP2023005273A (ja) 2021-06-28 2021-06-28 毛髪処理剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021107064A JP2023005273A (ja) 2021-06-28 2021-06-28 毛髪処理剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023005273A true JP2023005273A (ja) 2023-01-18

Family

ID=85107215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021107064A Pending JP2023005273A (ja) 2021-06-28 2021-06-28 毛髪処理剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023005273A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6900383B2 (ja) 毛髪強化組成物及び毛髪を強化するための方法
JPWO2008096497A1 (ja) 毛髪剤用乳化組成物
JP2006321869A (ja) カチオン変性トラガントガム及び該物質を含む化粧料組成物
JP5943652B2 (ja) 多剤式毛髪化粧料および毛髪処理方法
JP2017519005A (ja) ヘアケア製品および毛髪をケアするための方法
JP5575453B2 (ja) 毛髪処理剤
JP2007126371A (ja) 毛髪化粧料
JP2006248985A (ja) 3剤式毛髪化粧料および毛髪処理方法
JP6739141B2 (ja) 多剤式毛髪処理剤
JP2017206483A (ja) 毛髪化粧料
JP2017019748A (ja) 毛髪化粧料
JP4625893B1 (ja) 毛髪処理剤
JP2023005273A (ja) 毛髪処理剤
JP5128978B2 (ja) 毛髪コンディショニング剤およびこれを用いた毛髪のコンディショニング方法
JP6913613B2 (ja) 毛髪化粧料
JP2016121091A (ja) 毛髪化粧料
JP4587094B2 (ja) 毛髪硬化処理剤
JP7460107B2 (ja) 多剤式毛髪化粧料、および毛髪処理方法
JP7350303B2 (ja) 毛髪化粧料、および毛髪処理方法
JP5988723B2 (ja) 毛髪トリートメント用組成物
JP4577961B2 (ja) 2剤式毛髪化粧料及びこれを用いた毛髪処理方法
JP6108597B2 (ja) 毛髪化粧料および多剤式毛髪化粧料
JP7264458B2 (ja) 毛髪化粧料
JP5774263B2 (ja) 乳化型毛髪化粧料
JP7277902B2 (ja) 毛髪化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240408