WO2015178489A1

WO2015178489A1 - 切削工具の板状部材、ツールブロック、および切削工具

Info

Publication number: WO2015178489A1
Application number: PCT/JP2015/064788
Authority: WO
Inventors: 正寛黒川
Original assignee: 株式会社タンガロイ
Priority date: 2014-05-23
Filing date: 2015-05-22
Publication date: 2015-11-26
Also published as: JP2017121668A

Abstract

　本発明は、長手方向に沿って少なくとも１つの刃部（２Ａ）と保持部（２Ｂ）とが並んで位置付けられている板状部材（２）に向けられている。板状部材は、２つの対向する側面（７、８）と、上面（３）および下面（４）と、２つの端面（５、６）とを備える。２つの側面はそれぞれ長手方向に延在し、第１の側面（７）は外方に膨らむ湾曲面である。上下面はそれぞれ２つの側面の間において長手方向に延在する。２つの端面はそれぞれ長手方向に交差する方向に延在し、少なくとも一方の端面（５）側に刃部が位置付けられている。上面および下面の少なくとも一方は湾曲面である。保持部は、長手方向において、該長手方向に直交する断面形状が一定である。

Description

切削工具の板状部材、ツールブロック、および切削工具

　本発明は、切削工具の板状部材に関する。また、本発明はその板状部材を固定するためのツールブロックおよびクランプ部材、その板状部材を備える切削工具に関する。

　従来の切削工具には、特許文献１に示すようなものがある。すなわち、特許文献１は、被加工物の端面に溝加工をするための端面溝入れ用切削工具を開示する。この切削工具は、加工する溝の加工径の変化に対応したり、加工する溝幅の変化に対応したりするために、交換可能な調整ブレードと呼ばれる部材を用いる。調整ブレードの一部分は、湾曲した板形状とされる。その湾曲した板形状の部分に、溝入れインサートの形態の切削インサートが着脱自在に装着される。調整ブレードは、２本のボルトでホルダに固定される。

実開昭６３－１４０３０３号公報

　しかし、特許文献１の切削工具は、湾曲した板形状部分の突出し長さの調整機構を持たない。すなわち、湾曲した板形状部分の突出し長さは、固定されている。

　一般に、湾曲した板形状の部分のホルダからの突出し長さの長い切削工具は、被加工物との干渉が少なく、深い溝を加工でき、扱い易いという利点がある。反面、湾曲した板形状の部分の突出し長さの長い切削工具は、加工条件によってびびり振動が発生しやすく、仕上げ面の品位が低下してしまう場合がある。したがって、深い溝を加工できるようにしたい、または仕上げ面の品位を向上させたいという、トレードオフの関係にある要望に応えるために、そのような突出し長さを、被加工物の形状や切削条件などに応じて、適正に調整でき、かつそのように突き出す部材を安定して保持することに対する必要性がある。

　本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであり、その目的は、刃部付きの部材をよりしっかりと保持することを可能にすると共に、刃部の突出し長さの調整を可能にすることにある。

　本発明の一態様によれば、
　長手方向に沿って少なくとも１つの刃部と保持部とが並んで位置付けられている板状部材であって、
　２つの対向する側面であって、該２つの側面はそれぞれ長手方向に延在し、該２つの側面のうちの第１の側面は外方に膨らむ湾曲面である、側面と、
　上面および下面であって、該上面および該下面はそれぞれ前記２つの側面の間において前記長手方向に延在し、該上面および該下面は前記第１の側面の異なる側に位置付けられている、上面および下面と、
　２つの端面であって、該２つの端面はそれぞれ前記２つの側面の間かつ前記上面および前記下面の間に延在し、かつ前記長手方向に交差する方向に延在し、該２つの端面は前記第１の側面の異なる側に位置付けられていて、該２つの端面のうちの少なくとも一方の端面側に前記刃部が位置付けられている、端面と
を備え、
　前記上面および前記下面の少なくとも一方は湾曲面である、
板状部材
が提供される。

　好ましくは、前記保持部は、前記長手方向において、該長手方向に直交する断面形状が一定である。

　好ましくは、前記刃部にチップ座を有し、該チップ座に、切れ刃を備える切削インサートが着脱自在に装着される。この場合、前記切削インサートは、前記チップ座周辺の弾性により固定されるとよい。あるいは、前記刃部は、切れ刃を一体的に備えてもよい。

　好ましくは、２つの側面のうちの第２の側面は、内方に凹む湾曲面である。好ましくは、前記上面は外方に膨らむ湾曲面である。好ましくは、前記下面は外方に膨らむ湾曲面である。

　前記上面および前記下面の少なくとも一方は、中心軸線が前記長手方向に延びる仮想円筒の一部に沿った湾曲形状を有するとよい。上面は中心軸線が前記長手方向に延びる第１仮想円筒の一部に沿った湾曲形状を有するとよく、下面は中心軸線が前記長手方向に延びる第２仮想円筒の一部に沿った湾曲形状を有するとよい。前記第１仮想円筒の前記中心軸線を中心とした半径は、前記第２仮想円筒形状の前記中心軸線を中心とした半径と同じであってもよいが、好ましくは異なる。

　好ましくは、前記板状部材は、溝加工用の切削部材である。

　本発明の別の態様は、上記板状部材を保持するためのツールブロックを提供する。このツールブロックは、好ましくは、該板状部材の前記下面と接触する下面拘束面を有する。さらに、ツールブロックは、前記板状部材の前記第１の側面と接触する側面拘束面をさらに有する。該側面拘束面は、前記第１の側面と接触する少なくとも２つの接触部分を有し、該少なくとも２つの接触部分は、前記長手方向に対して交差する方向において前記第１の側面の少なくとも２つの箇所と接触するように構成されているとよい。

　本発明のさらなる別の態様は、上記板状部材を保持するための保持装置を提供する。保持装置は、好ましくは、該板状部材の前記下面と接触する下面拘束面を少なくとも有するツールブロックと、該ツールブロックとの間で固定部材の作用により前記板状部材を挟持するように構成されたクランプ部材であって、該クランプ部材は該板状部材の前記上面と接触する上面拘束面を有する、クランプ部材とを備える。

　本発明の、さらに異なる態様は、上記板状部材を備える切削工具を提供する。

図１は本発明の一実施形態に係る切削工具の斜視図である。図２は図１の切削工具の正面図である。図３は図１の切削工具の板状部材の斜視図である。図４は図３の板状部材の右側面図である。図５は図３の板状部材の正面図である。図６は図３の板状部材の平面図である。図７は図３の板状部材の左側面図である。図８は図１の切削工具の切削インサートの斜視図である。図９は図１の切削工具のツールブロックの斜視図である。図１０は図９のツールブロックの正面図である。図１１は図９のツールブロックの平面図である。図１２は図９のツールブロックの左側面図である。図１３は図１の切削工具のクランプ部材の斜視図である。図１４は図１３のクランプ部材の別方向からの斜視図である。図１５は図１の切削工具の板状部材による端面溝加工を説明する斜視図である。図１６は図１５の端面溝加工を説明する背面図である。図１７は図３の板状部材の、図４のＸＶＩＩ－ＸＶＩＩに沿った断面図である。

　本発明に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。

　図１および図２に示す、本発明の実施形態における切削工具１は、被加工物の端面に溝加工を行うための端面溝入れ用切削工具である。端面溝入れとは、図１５および図１６に概念図を示したような溝入れ加工である。工作機械（例えば旋盤）に取り付けた本実施形態の切削工具１を、回転方向Ｒに回転する被加工物６０の端面６０Ｅに対して被加工物６０の回転軸線Ｏ方向に送ると、円環状の溝６１が加工される。なお説明をわかりやすくするため、図１５および図１６には、切削工具１として、切削工具１のうちの板状部材２のみを示した。実際には、板状部材２はツールブロック３０へクランプ部材４０と固定部材５０とによって固定されることで、切削工具１となる。板状部材２を保持する保持装置は、ツールブロック３０、クランプ部材４０、および固定部材５０を含む。

　この切削工具１は、図８に示す切削インサート２０を用いる。切削インサート２０は、正面２０Ｆおよび左右の側面２０Ｌ、２０Ｒと、上面（すくい面）２０Ｔとの交差稜線部に切れ刃２０Ｅを有する。しかし切れ刃の形状や、切削インサート２０の形状は、この実施形態に限定されない。既知の様々な形状の切削インサート２０を適用できる。

　この実施形態の切削工具１は、端面溝入れ加工に特に適する切削工具１である。前述のとおり、端面溝入れ加工では、加工される溝６１の形状が円環状であるため、適用される切削工具１の切れ刃２０Ｅの周辺の部分は、湾曲した板状とされることが好ましい。切削工具１の切れ刃の周辺の部分が湾曲した板状とされることで、図１６の概念図に示すように、円環状の溝６１の中に板状の部分を収めることができ、切れ刃を支える剛性が維持される。本実施形態では、切れ刃周囲の湾曲した板状の部分を構成する部材として、板状部材２を用いる。

　切削インサート２０は、板状部材２のチップ座１３へ、着脱自在に装着される。端面溝入れ用切削工具１において、既知の様々な形状の溝入れ用切削インサート２０が適用できる。この実施形態で、切削インサート２０は、チップ座１３周辺の弾性によって固定される。すなわち、切削インサート２０を装着するときは、切削インサート２０の基端側のシャンク２２が、これに嵌まり合う内面形状を有するチップ座１３に押し込まれ、チップ座１３の周辺を弾性変形させることで切削インサート２０はチップ座１３に固定される。切削インサート２０を取り外すと、チップ座１３の周辺は、弾性変形から解放される。図４などに示した、板状部材２に設けられた穴２Ｈは、切削インサート２０を取り外すための専用工具用の穴である。切削インサート２０の取りつけや取り外しのための専用工具は、レンチ、ドライバなどと呼ばれる。切削工具１を切削加工に使用することにより、切削インサート２０が摩耗などの損傷をしたときは、別の切削インサート２０へ交換することができる。したがって、この切削工具１は繰り返し使用することができて、経済的である。このように切削インサート２０が、チップ座１３周辺の弾性によって固定されるようにすると、チップ座１３の周辺の構造が簡素なため、被加工物６０と干渉する部品がない。このため特に端面溝入れ加工において、切りくずの排出性が高く、精度の高い加工を行う上で有利である。

　しかし、切削インサート２０を板状部材２へ装着する固定方法は、この実施形態に限定されない。既知の様々な切削インサートの固定方法が適用可能である。例えば、押え駒などのクランプ部材や、ねじ止めによって切削インサートを固定することも可能である。しかし深い溝の加工および切りくずの排出性を考慮すれば、クランプ部材やねじ頭部が板状部材２から突出しない構造とすることが強く望ましい。

　また本発明は、着脱自在な切削インサート２０を用いることにも限定されない。板状部材２に、切れ刃を有するチップがろう付けされても構わない。また板状部材そのものが超硬合金やセラミックなどの硬質材料で作製され、切れ刃を一体的に備えてもよい（図示しない）。

　この実施形態の切削工具１では、正面２０Ｆと上面２０Ｔとの交差稜線部に形成される切れ刃２０Ｅの部分の幅（側面２０Ｌ、２０Ｒ間の長さ）が切れ刃の幅である。切削インサート２０では、切れ刃の幅は約４ｍｍである。すなわち、切削インサート２０を備えた切削工具１は、被加工物６０に溝幅が約４ｍｍの溝６１を加工することに適した端面溝入れ加工用の切削工具である。しかし切れ刃の幅も、この実施形態に限定されない。切れ刃の幅は、加工される被加工物の溝の幅に応じて、適宜選択されるとよい。

　前述のとおり、板状部材２は、ツールブロック３０へクランプ部材４０と固定部材５０とによって固定される。ツールブロック３０には、取り付け基準面３１がある。取り付け基準面３１の部分を旋盤などの工作機械の装着部に当接させつつ、ツールブロック３０は装着部に装着される。旋盤の装着部は、刃物台などと呼ばれる。ツールブロック３０の構成の詳細は後述する。まず、板状部材２について詳述する。

　板状部材２は、１つの刃部２Ａと、１つの保持部２Ｂとを有する。これら刃部２Ａと保持部２Ｂとは、長手方向ＬＡに沿って並んで位置付けられている。特に、刃部２Ａは、上記チップ座１３を含む。保持部２Ｂは長手方向ＬＡに延在し、以下の説明から明らかになるように長手方向に直交する断面形状が一定である。

　図３から図７に示すように、板状部材２は、上面３と、下面４と、２つの端面５、６と、第１の側面７と、第２の側面８とを有する。２つの端面５、６を、便宜的に前端面５および後端面６と呼ぶ。チップ座１３を含む刃部２Ａは、前端面５側に位置付けられている。特に、チップ座１３は、前端面５と上面３との交差領域に形成されている。なお説明をわかりやすくするために、上面３や前端面５など、空間内の向きを表す用語を用いているが、これは便宜上のものであって、空間内の絶対的な向きや位置関係を規定することを企図したものではない。特にことわりがない限り、その他の空間内の向きや位置関係を表す用語も同様である。

　図４、図６および図７に示すように、第１および第２の側面７、８は、それぞれ、細長く、長手方向ＬＡに延在する。そして、図３および図５などにみられるように、板状部材２の第１の側面７は、外方に突出するように湾曲する湾曲面である。すなわち第１の側面７は、外方に膨らむ湾曲面である。第１の側面７の反対側の（つまり第１の側面７に対向する）第２の側面８は、内方に凹むように湾曲する湾曲面である。第１および第２の側面７、８の形状は、被加工物の加工形状と干渉しないように、制約を受ける。すなわち図１６の概念図で示したように、端面溝入れ加工の場合、円環状に加工された溝６１の内部に、板状部材２の一部（先端側または前端面５側の部分）が入り込むことができることで、切れ刃２０Ｅを溝の奥まで送り込んでも、切削インサート２０ひいては切れ刃２０Ｅを安定して保持することができる。逆に言えば、板状部材２は、被加工物の円環状に加工された溝６１の中に干渉せずに入り込めるように、湾曲させられている。すなわち、第２の側面８の曲率半径は、被加工物の加工される円環状の溝６１の中心Ｏ側の壁面の加工径（直径）の半分（すなわち曲率半径ｒ１）以上とされる。第１の側面７の曲率半径は、この加工径（直径）の半分ｒ１に切れ刃の幅を足した曲率半径ｒ２（ｒ２＝ｒ１＋切れ刃の幅）以下とされる。これらのように第１のおよび第２の側面７、８の曲率半径が設定されることで、板状部材２は、加工される溝との間に、その両側で逃げが確保される。すなわち、板状部材２は、切削加工時、切削インサート２０の固定部分つまり刃部２Ａにおいて、その両側面７、８で正の逃げ角を有する。なお、板状部材２において、両側面７、８は刃部２Ａから保持部２Ｂに亘って、概ね同じ湾曲形状を有するので、保持部２Ｂの一部までが溝に挿入される切削加工でも、十分な逃げが確保できる。

　図４の右側面図にみられるように、第１の側面７と対向する方向からみて、板状部材２の外郭形状は、それぞれ２つずつの長辺９、１０と短辺１１、１２とを有する略四辺形、特にここでは略長方形である。なおかつ２つの長辺９、１０は互いに略平行であり、長手方向に延びる。ここでは、第１の側面７と下面４との境界を第１の長辺９とする。また第１の側面７と前端面５との交差稜線を第１の短辺１１とする。第１の側面７と下面４との境界には、明瞭な交差稜線が形成されず、それらはなめらかに接続されているので、第１の長辺９は明瞭でないが、明瞭であるように構成されてもよい。もう１つの長辺（第２の長辺）１０も同様である。このように板状部材２が側面視で略四辺形とされることで、長手方向における保持部２Ｂの断面形状を一定にでき、長手方向ＬＡでの板状部材２のツールブロック３０からの突出し長さをよい容易にかつより確実に調整できる。具体的には、板状部材２は、下面４と第１の側面７との境界（交差稜線）の第１の長辺９と平行な方向（長手方向ＬＡ）へのツールブロック３０からの突出し長さの調整ができるように、その第１の長辺９と直交する断面の形状が所定の範囲で一定とされる。すなわち所定の範囲で板状部材２の断面形状が一定であり、この部分が保持部２Ｂとなるため、この第１の長辺９に平行な方向の任意の位置で、板状部材２はクランプ可能とされる。

　板状部材２の突出し長さの調整に必要な所定の範囲で、板状部材２とツールブロック３０およびクランプ部材４０との接触位置をずらすことができる。この所定の範囲は、第１の長辺９つまり長手方向ＬＡと直交する断面形状が一定の範囲内に定められる。この一定とされる断面形状を図１７に示す。図１７は、図４のＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ断面線での板状部材２の断面を示す。ただし、ＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ断面線での断面は長手方向ＬＡに直交する平面での断面である。また、図４の線Ｌ１と線Ｌ２との間の所定の範囲ＰＲの任意の箇所で、長手方向ＬＡに直交する平面での断面図は図１７に示す通りである。なお、線Ｌ１は傾斜面３ａの後端面６側の端部に沿った線であり、線Ｌ２は後端面６に沿った線である。板状部材２では、前端面５と後端面６とはそれぞれ長手方向ＬＡに直交するように延在する。しかし、前端面５と後端面６とはそれぞれ長手方向に交差する種々の方向に延在してもよい。

　板状部材２のチップ座１３の周辺には、上面３の一部である傾斜面３ａが形成されている。この傾斜面３ａは、切りくず排出のための切りくずポケットとされる面であり、刃部２Ａに含まれる。ただし、この実施形態の切削工具１では、傾斜面３ａは、凹状に湾曲せず、平面状とされている。したがって、傾斜面３ａは切りくずポケットとは呼ばず、切りくず誘導面と呼ばれてもよい。この切りくず誘導面は、被加工物の加工された溝の中から、切りくずが排出されるように誘導する面とされる。この実施形態の切削工具１で、断面形状が一定とされる所定の範囲は、上記範囲ＰＲであり、切りくず誘導面つまり傾斜面３ａよりも後端面側の部分の全域とされた。すなわち後端面６から切りくず誘導面の始まる範囲までの板状部材２の後端側部分の断面形状が一定とされる。このような形状に断面形状が形成されると、板状部材２を研削加工などで高精度に製作しやすい。つまり、クランプ剛性を高められる。しかし、これに限定されない。断面形状が一定とされる範囲は、板状部材２の先端側部分（前端面５側の部分）の突出し長さの調整量に応じて確保されればよい。突出し長さの調整に影響のない部分は、どのような形状とされても構わない。

　図１７の断面図および図５の正面図にみられるように、板状部材２のそれぞれ長手方向に延在する上面３および下面４は、それぞれ外方に膨らむ湾曲面である。上面３および下面４は、いずれも板状部材２をツールブロック３０へ固定するときに接触面とされる面である。板状部材２の取付時、その下面４は、ツールブロック３０と接触する。そして、板状部材２の取付時、その上面３は、クランプ部材４０と接触する。もしも上面３が湾曲面とされず、平面とされると、板状部材２とクランプ部材４０との接触状態が不安定になりやすい。なぜなら、板状部材２の第１の側面７および第２の側面８が湾曲しているため、クランプ力が加わって板状部材２が弾性変形すると、上面３は、下面２に対する傾斜角度が変化してしまう。すると上面３とクランプ部材４０との接触が、面接触から線接触または点接触に、変化してしまう。線接触および点接触のいずれの場合でも、接触箇所は上面３の角部の辺陵線に位置することになり、その角部がつぶれて塑性変形などが発生しやすい。したがって、切削加工中に、クランプ剛性が下がるなど、不具合が発生する場合がある。上面３を湾曲面とすることで、板状部材２が弾性変形しても、上面３は、その面内でクランプ部材４０としっかりと接触し続けることができる。この上面３に関する理由と同様の理由により、下面４も湾曲面とされている。

　この実施形態の切削工具１において、板状部材２の上面３および下面４は、それぞれ円筒面とされた。これは、上面３が長手方向に延びる第１仮想円筒Ｃ１の一部に沿った湾曲形状を有することを意味し、同様に下面４が長手方向に延びる第２仮想円筒Ｃ２の一部に沿った湾曲形状を有することを意味する。なお、上面３の第１仮想円筒Ｃ１の長手方向に延びる中心軸線Ｃａ１を中心とした半径Ｃｒ１は、下面４の第２仮想円筒Ｃ２の長手方向に延びる中心軸線Ｃａ２を中心とした半径Ｃｒ２と異なるが、これは同じであることを排除することを意図しない。しかし、上で述べたように、溝６１との干渉をさけるために第１のおよび第２の側面７、８が形作られるので、上面３に関する半径Ｃｒ１は、下面４に関する半径Ｃｒ２よりも大きく設計することが好ましく、板状部材２はそのように設計されている。なお、上面３の長手方向に直交する方向での断面が場所によって変化しないように、上面３は形成されていて、これは下面４についても同様である。

　このため上面３および下面４は、それぞれ、ツールブロック３０およびクランプ部材４０と、面のほぼ中央（つまり第１の側面７と第２の側面８とからほぼ等距離の箇所）で接触することができる。したがって、板状部材２のツールブロック３０への固定状態が、毎回安定する。しかし、これに限定されない。上面３および下面４の湾曲形状は、ツールブロック３０およびクランプ部材４０と接触できる形状であれば、どのような形状でも構わない。例えば、下面４におけるツールブロック３０への接触位置を、第２の側面８側などに偏らせても構わない。また上面３および下面４は、内方へ凹の湾曲面とされても構わない。しかし、後述するようにツールブロック３０側の接触面を平面で構成しているので、板状部材２の上面３および下面４は、外方に凸の湾曲面であることが好ましい。ツールブロック３０側の接触面を平面とすると、製造が容易であり、安いコストでクランプ剛性の高い切削工具１が得られる。板状部材２は、少なくとも上面３、下面４および第１の側面７の３つの面を接触面とすることで、強固にツールブロック３０へ固定される。この結果、クランプ剛性が高まり、びびり振動の発生を抑制することができる。したがって、この３面接触による固定により仕上げ面の品位を向上することができる。なお上面３および下面４を湾曲面とする際に、上面３および下面４の少なくともいずれか一方は、長手方向に細長い平面を多数並べる多面体によって近似されても構わない。板状部材２のツールブロック３０との接触により、塑性変形を起こさない程度の鈍角にされれば、多面体によって湾曲面が近似されて、多数の角部が形成されても構わない。ただし、上面３および下面４と側面７、８との角部に、単に平面状の面取りが付けられた程度のものは除外されるとよい。面取りなどを付けることで湾曲面とするときは、曲面状の面取り、いわゆるＲ面取りなどとするとよい。なお、曲面状の面取りのみで湾曲面とせず、上面３または下面４の全体を湾曲面とすることが好ましい。

　前述のとおり、図９および図１０に示すように、この実施形態の切削工具１のツールブロック３０は、取り付け基準面３１を有する。取り付け基準面３１には、長手方向が規定される。なお、ツールブロック３０の長手方向は、ツールブロック３０に板状部材２が取り付けられたときに板状部材２の上記長手方向ＬＡが一致するように規定されている。したがって、ツールブロック３０の長手方向を板状部材２の上記長手方向ＬＡと同じとみなして、以下の説明を続ける。

　ツールブロック３０は、全体的にみて、長手方向の任意の箇所で、その長手方向に直交する断面形状が一定であるように形成されている。長手方向ＬＡからみたツールブロック３０の一方の端面を正面３０Ｆとする。ここでは板状部材２の正面方向と合わせて、図１０の紙面表側の方向の面を正面３Ｆとする。取り付け基準面３１の周辺は、シャンク部と呼ぶこともできる。この取り付け基準面３１が、旋盤などの工作機械の刃物台へ押し付けられて、ツールブロック３０は工作機械へ装着される。つまりツールブロック３０は、板状部材２を保持し、それを工作機械へ装着するための部材である。

　この実施形態のツールブロック３０は、下面側に形成される取り付け基準面３１の近くに、それに直角な壁面３１ａを有する。この直角な壁面３１ａも、ツールブロック３０が工作機械に装着されるときの、幅方向の基準面とされることができる。ツールブロック３０の取り付け基準面３１および幅方向の基準面３１ａは、工作機械の刃物台やホルダ、アダプタなどに対応した形状を有し、その形状は任意に選択または設定され得る。

　ツールブロック３０は、板状部材２の下面４と接触する下面拘束面３２を有する。下面拘束面３２は、長手方向に延在し、その長手方向の任意の箇所で、その長手方向に直交する断面形状が一定であるように形成されている。下面拘束面３２は、板状部材２の下面４が当接可能であるように、位置付けられている。本実施形態では、第１の側面７が湾曲することに伴い上面３と下面４とが所定の円弧ＣＡ（図１７）の両端の位置関係を有する。加えて、図２において上面３側に位置付けられる切れ刃２０Ｅは取り付け基準面３１に対して略平行に配置されている。それ故、下面４が当接することになる下面拘束面３２は、取り付け基準面３１に対して傾斜している。つまり、板状部材２がツールブロック３０上に載置されたとき、板状部材２の図１７における円弧ＣＡに対して交差する方向、例えば略直交する方向に下面拘束面３２は向けられている。特に、下面拘束面３２は、板状部材２の下面３を介して、第２の側面８側から第１の側面７側への力を、板状部材２に付与するように、傾斜されている。この実施形態で、ツールブロック３０の下面拘束面３２は、湾曲形状の下面４との接触状態を一様にするべく、平面とされている。しかし下面拘束面３２の形状はこれに限定されない。下面拘束面３２は、下面４とある程度一様な接触面積を有して接触できる形状であれば、どのような形状の面とされても構わない。下面拘束面３２の取り付け基準面３１に対する図１０の正面図に示す傾斜角度Ａは、９０°以上、なおかつ１７０°以下の範囲であることが好ましい。傾斜角度Ａは、１００°以上、なおかつ１３０°以下の範囲であることがさらに好ましい。このような傾斜角度Ａに設定されると、下面拘束面３２が板状部材２の下面４と接触するときに、第１の側面７側に向かう拘束力を板状部材２に対して発生させ、板状部材２をツールブロック３０へ固定する安定性が高まる。この実施形態で、下面拘束面３２の取り付け基準面３１に対する傾斜角度Ａは、約１１５°である。

　ツールブロック３０は、板状部材２の第１の側面７と接触する側面拘束面３３をさらに有する。この実施形態で、側面拘束面３３は、２段構造とされている。すなわち側面拘束面３３は、第１の接触部分３４および第２の接触部分３５の２つの接触部分を有する。下面拘束面３２側から順に、第１の接触部分３４および第２の接触部分３５は並んで配置されている。側面拘束面３３、第１の接触部分３４および第２の接触部分３５は、それぞれ、長手方向に延在し、その長手方向の任意の箇所で、その長手方向に直交する断面形状が一定であるように形成されている。板状部材２の第１の側面７は、湾曲面であるため、側面拘束面３３の形状を、板状部材２の第１の側面７の湾曲形状と完全に一致させると、様々な形状の板状部材に対して、ツールブロック３０を兼用させることができない。またツールブロック３０の側面拘束面３３の形状を、第１の側面７の湾曲形状と完全に一致させることは、製造上難しい場合がある。そこで、この実施形態では、側面拘束面３３を２段構造とすることで、正面視したときの（図２における）板状部材２の第１の側面７とツールブロック３０の側面拘束面３３との接触箇所を積極的に２箇所とし、様々な曲率半径の第１の側面７を有する板状部材に対して同一のツールブロック３０を適用可能とする。そして、側面拘束面３３を２段構造とすることで、板状部材２をツールブロック３０に安定して固定することができるようにする。すなわち側面拘束面３３は、第１の接触部分３４および第２の接触部分３５を有することから、板状部材２の第１の側面７と、長手方向に対して交差する方向において少なくとも２箇所で接触する。加えて、下面４と下面拘束面３２とが接触することにより、３箇所での接触で板状部材２の姿勢が安定的に定まる。したがって、板状部材２の第１の側面７の曲率半径の多少の違いを吸収でき、また板状部材２の固定が非常に安定する。なお、本実施形態では、第１の接触部分３４は下面拘束面３２に対して鋭角をなすように延在する。図１０において第１の接触部分３４の取り付け基準面３１に対する傾斜角度は下面拘束面３２の取り付け基準面３１に対する傾斜角度Ａよりも小さい。また、図１０において第２の接触部分３５の取り付け基準面３１に対する傾斜角度は約９０°であり、第１の接触部分３４の取り付け基準面３１に対する傾斜角度よりも大きい。

　ツールブロック３０は、取り付け基準面３１と対向する位置にある上面３０Ｔに、クランプ部材４０と接触する誘導面３６を有する。上面３０Ｔの誘導面３６は、側面拘束面３３を挟んで、下面拘束面３２の略反対側にある。

　クランプ部材４０は、図１３および図１４に示されている。クランプ部材４０は、全体的にみて、長手方向の任意の箇所で、その長手方向に直交する断面形状が一定であるように形成されている。クランプ部材４０はそれぞれ長手方向に延びる上面４０Ｔと下面４０Ｌとを有する。下面４０Ｌは、特に、板状部材２およびツールブロック３０のそれぞれに当接する面を有して構成されている。図１３および図１４にみられるように、クランプ部材４０は、板状部材２の上面３と接触する上面拘束面４１と、ツールブロック３０の誘導面３６と接触する被誘導面４２とをその下面４０Ｌに有する。上面拘束面４１および被誘導面４２は、それぞれ、（スリット４０Ｓの箇所を除いて）全体的にみて、長手方向の任意の箇所で、その長手方向に直交する断面形状が一定であるように形成されている。

　クランプ部材４０は、ここでは締め付けボルトである固定部材５０によって、ツールブロック３０へ固定される（取り付けられる）。段付き穴４０Ｈを介して固定部材５０をルーツブロック３０のねじ穴３０Ｈに締め付けることで、クランプ部材４０は、板状部材２をツールブロック３０へ固定するように、板状部材２をツールブロック３０との間で挟持することができる。すなわち、ツールブロック３０は、固定部材５０に対応する固定手段を有する。つまり固定部材５０が締め付けボルトのとき、ツールブロック３０は、締め付けボルトのおねじに対応するめねじのねじ穴３０Ｈを上面３０Ｔに有する。この実施形態の切削工具１では、前述のように、板状部材２はツールブロック３０との３点接触（３箇所での接触）で姿勢が安定的に定まる。したがって、板状部材２の上面３をクランプ部材４０の上面拘束面４１で押さえることにより、板状部材２は、ツールブロック３０へよりしっかりと固定される。この実施形態で、固定部材５０は４本の締め付けボルトとされた。しかしこれに限定されない。固定部材５０は１本の締め付けボルトでも構わない、また２本、３本または５本以上の締め付けボルトとされても構わない。もちろん、ボルト以外の締結方法が採用されても構わない。

　ツールブロック３０の誘導面３６は、取り付け基準面３１に対して、下面拘束面３２の傾斜方向と略同じ向きに傾斜している。さらに、板状部材２の上面３に当接することになる上面拘束面４１は長手方向において直交する面内で被誘導面４２と逆向きに傾斜するように形成されている。そのため、誘導面３６が被誘導面４２と係合してクランプ部材４０が固定部材５０によりしっかりとツールブロック３０に取り付けられることで、クランプ部材４０の（長手方向において直交する面内で被誘導面４２と逆向きに傾斜する）上面拘束面４１は、上面３を介して、板状部材２に、板状部材２の第１の側面７側に引き込む力を付与することができる。つまり、クランプ部材４０の上面拘束面４１は、板状部材２の上面３と接触するとき、板状部材２を側面拘束面３３側に押さえる力を発生させることができる。これらの構造の相乗効果で、板状部材２はツールブロック３０に、非常に強固に固定される（保持される）。その結果、板状部材２のクランプ剛性が高まり、びびり振動の発生が大幅に抑制される。したがって、仕上げ面の品位が大幅に向上する。

　この実施形態のクランプ部材４０は、さらに、２本のスリット４０Ｓを有する。各スリット４０Ｓは、長手方向に直交する方向に形成されている。このスリットは、クランプ部材４０の弾性変形を助長するために設けられる。スリットが設けられることで、クランプ部材４０は、弾性変形しやすくなり、板状部材２およびツールブロック３０と、より広範囲でぴったりと接触できるようになる。したがって、さらに板状部材２のクランプが安定する。しかし、これに限定されない。スリットは、１本や、３本以上とされても構わない。スリットは、設けられなくても構わない。

　板状部材２は、長手方向に細長い形状を有し、長手方向において所定の範囲に延在する保持部２Ｂでその長手方向に直交する方向での断面形状が一定であるように形成されている。そして、板状部材２を保持するための面（つまり、ツールブロック３の下面拘束面３２および側面拘束面３３、クランプ部材４０の上面拘束面４１）も、それぞれ、長手方向に延び、その長手方向に直交する方向での断面形状が一定であるように形成されている。したがって、ツールブロック３０の正面３０Ｆからの板状部材２の切れ刃２０Ｅ周囲つまり刃部２Ａの突き出し量を、長手方向で任意に設定することが容易である。そして、上で述べたように、クランプ部材４０および固定部材５０を用いて、しっかりと板状部材２をツールブロック３０に取り付けることができるので、その突き出し量を相対的に長くしても、板状部材２にびびり振動などが生じる可能性を低減できる。

　板状部材２とツールブロック３０とは、それぞれ、所定の間隔で互いに係合する係合部を備えてもよい。例えば、板状部材２とツールブロック３０とのうち一方に凸部を設け、他方に凹部を設けるなどの方法で、板状部材２の突出し長さを段階的に調整できるようにしてもよい。さらに、板状部材２とツールブロック３０とに、目盛りなどの目印を設けることで、長手方向におけるツールブロック３０の正面３０Ｆからの板状部材２の突出し長さを視覚的に確認できるようにするとなおよい。その他、板状部材の突出し長さを調整するための、種々の従来技術を適用できる。

　切削インサート２０または板状部材２の切れ刃、および切れ刃の周辺の工具材料は、超硬合金、サーメット、セラミック、立方晶窒化硼素等の硬質材料またはこれら硬質材料の表面にＰＶＤまたはＣＶＤコーティング膜を被膜したもの、またはダイヤモンドの中から選択することが好ましい。

　この切削工具の板状部材は、様々な切削工具に適用されて、その切削工具が工作機械に装着されることにより、鋼材などの切削加工に利用できる。特に、上記板状部材は、旋盤用のバイトや回転切削工具などに適用されて、被加工物の端面に溝加工するときに有効である。実施形態には旋盤用の端面溝入れ用切削工具だけを記載したが、トレパニング工具と呼ばれるような回転切削工具などにも本発明は適用が可能である。トレパニング工具とは、溝入れ加工または穴あけ加工のための回転切削工具である。

　この発明の切削工具の板状部材、ツールブロック、および切削工具などは、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更及び追加が可能である。例えば、上記板状部材２は板状部材の後端面側にもチップ座を含む刃部が設けられてもよい。この場合、後端面側の切れ刃は、前端面側の切れ刃に対して勝手違いの切れ刃とされてもよい。

　本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。

Claims

　長手方向に沿って少なくとも１つの刃部（２Ａ）と保持部（２Ｂ）とが並んで位置付けられている板状部材（２）であって、
　２つの対向する側面（７、８）であって、該２つの側面（７、８）はそれぞれ長手方向（ＬＡ）に延在し、該２つの側面（７、８）のうちの第１の側面（７）は外方に膨らむ湾曲面である、側面と、
　上面（３）および下面（４）であって、該上面（３）および該下面（４）はそれぞれ前記２つの側面の間において前記長手方向に延在し、該上面（３）および該下面（４）は前記第１の側面（７）の異なる側に位置付けられている、上面および下面と、
　２つの端面（５、６）であって、該２つの端面（５、６）はそれぞれ前記２つの側面の間かつ前記上面および前記下面の間に延在し、かつ前記長手方向に交差する方向に延在し、該２つの端面（５、６）は前記第１の側面（７）の異なる側に位置付けられていて、該２つの端面（５、６）のうちの少なくとも一方の端面（５）側に前記刃部が位置付けられている、端面と
を備え、　
　前記上面（３）および前記下面（４）の少なくとも一方は湾曲面である、
板状部材。
　前記保持部（２Ｂ）は、前記長手方向において、該長手方向に直交する断面形状が一定である、請求項１に記載の板状部材。
　前記刃部にチップ座（１３）を有し、該チップ座に、切れ刃を備える切削インサート（２０）が着脱自在に装着される、請求項１または２に記載の板状部材。
　前記切削インサート（２０）は、前記チップ座（１３）周辺の弾性により固定される、請求項３に記載の板状部材。
　前記刃部は、切れ刃を一体的に備える、請求項１または２に記載の板状部材。
　前記２つの側面のうちの第２の側面（８）は、内方に凹む湾曲面である、請求項１から５のいずれか一項に記載の板状部材。
　前記上面（３）は外方に膨らむ湾曲面である、請求項１から６のいずれか一項に記載の板状部材。
　前記下面（４）は外方に膨らむ湾曲面である、請求項１から７のいずれか一項に記載の板状部材。
　前記上面（３）は、中心軸線が前記長手方向に延びる第１仮想円筒（Ｃ１）の一部に沿った湾曲形状を有し、
　前記下面（４）は、中心軸線が前記長手方向に延びる第２仮想円筒（Ｃ２）の一部に沿った湾曲形状を有する、
請求項７または８に記載の板状部材。
　前記第１仮想円筒（Ｃ１）の前記中心軸線（Ｃａ１）を中心とした半径（Ｃｒ１）は、前記第２仮想円筒形状（Ｃ２）の前記中心軸線（Ｃａ２）を中心とした半径（Ｃｒ２）と異なる、請求項９に記載の板状部材。
　前記板状部材（２）は、溝加工用の切削部材である、請求項１から１０のいずれか一項に記載の板状部材。
　請求項１から１１のいずれか一項に記載の板状部材（２）を保持するためのツールブロック（３０）であって、
　該板状部材（２）の前記下面（４）と接触する下面拘束面（３２）を有するツールブロック。
　前記板状部材（２）の前記第１の側面（７）と接触する側面拘束面（３３）をさらに有し、
　該側面拘束面（３３）は、前記第１の側面（７）と接触する少なくとも２つの接触部分（３４、３５）を有し、該少なくとも２つの接触部分は、前記長手方向に対して交差する方向において前記第１の側面の少なくとも２つの箇所と接触するように構成されている、
請求項１２に記載のツールブロック。
　請求項１から１１のいずれか一項に記載の板状部材（２）を保持するための保持装置であって、
　該板状部材（２）の前記下面（４）と接触する下面拘束面（３２）を少なくとも有するツールブロック（３０）と、
　該ツールブロック（３０）との間で固定部材（５０）の作用により前記板状部材を挟持するように構成されたクランプ部材（４０）であって、該クランプ部材（４０）は該板状部材の前記上面（３）と接触する上面拘束面（４１）を有する、クランプ部材（４０）と
を備える、保持装置。
　請求項１から１１のいずれか一項に記載の板状部材（２）を備える切削工具。