JP4815366B2 - 切削用のインサート及びホルダー並びに切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、スローアウェイチップのような切削用のインサート及びこれを取付けるホルダー並びにこれらからなる切削工具に関する。
図11に示した筒状の被切削部材(以下、筒状部材又はワークともいう)Wのように、その左右両端寄り部位に内径が大きい大内径部401,411と、内周面に内向きに突出する内径の小さい加工障壁部(小内径部ともいう)421を有し、内面の各径(違い)の境界部に直角壁面(段部)403,413を有するものについて、その各内径部の内周面及び両直角壁面(段部)403,413を旋削により加工する(切削する)場合において、これを高精度に仕上げるには、被切削部材Wのリチャック(チャックの繰り返し)をすることなく、ワンチャック(1回のチャック)でその加工をする必要がある。このようにワンチャックでその加工をする場合の最も基本的な加工法は次のようである。なお、本明細書においては、筒状部材Wは、図示の左側でチャック爪501によりチャックされている場合、切削工具が挿入される側(図示右側)を手前側といい、その反対側のチャックされる側を奥側という。そして、直角壁面のうち、原則として、切削工具が挿入される側を向くものを手前向き直角壁面といい、その反対(奥)側を向くものを奥向き直角壁面という。
すなわち、最も基本的な加工法は、図11に示した筒状部材Wにおける小内径部421の内周面と、手前側の大内径部401の内周面及びそれに連なる手前向き直角壁面(段部)403を、例えば、図12に示したようにして切削用の三角のインサート100をホルダー105に固定した第1切削工具110にてその切削をし、奥側の大内径部411の内周面及びそれに連なる奥向き直角壁面(段部)413を、例えば、図13に示したようにしてインサート120をホルダー125に固定した第2削工具130にてその切削をすることになる。これは、手前側における径違い部の手前向き直角壁面403は第1切削工具110にて加工できるが、奥側における径違い部の奥向き直角壁面413は第2切削工具130によらないと加工できないためである。すなわち、従来、上記のような加工は、基本的には2つの切削工具(以下、単に工具とも言う)が必要であった。しかし、このような手法によるときは、加工途中で、工具の交換を要することになるため、その分、加工サイクルが複雑化し、加工工数が増大するため、加工効率が低下する。
こうした問題は、1つのホルダーの先端に、前記した筒状部材Wにおける2つの直角壁面403,413の加工が可能なように、十分な間隔を保持して2つのインサートを固定した切削工具(例えば、特許文献1記載の技術参照)を用い、必要な切り込みで、送りをかけることで一応は解決できる。しかし、このように2つのインサートを間隔を保持して固定してなる切削工具では、筒状部材Wにおける小内径部421の領域が長くなると、2つのインサートの取付け位置の間隔が大きくなるため、加工可能の筒状部材の長さが制限されるといった問題がある。また、筒状部材の加工に対応したインサート取付け位置を有する切削工具がそれぞれ必要となり、切削工具の汎用性がなくなってしまう。
そこでこのような問題点を解決した切削工具として、特許文献2記載のものがある。このものは、第1、第2の2つのコーナー(切れ刃)を有する1つのインサートを、ホルダーの先端面に押付けて(あてがって)、ホルダーの軸線方向にネジで締付けることで、その固定をしてなるものである。特許文献2記載の切削工具は、ホルダーの先端面に板状をなすインサートを取付けてなるものであり、インサートはその取付け状態において、ホルダーの軸線を挟む両側に突出する形で、すくい面が互いに異なる面を向く切れ刃を有する構成とされている。しかして、このものによれば、一方の切れ刃で手前側における大内径部の内周面及び直角壁面(手前向き直角壁面)の加工が可能であり、しかも、他方の切れ刃で奥側における大内径部の内周面及び直角壁面(奥向き直角壁面)の加工も可能である。
特開2005−7556号公報 特開平9−267201号公報
前記したように、特許文献2に記載の切削工具によれば、2つの切削工具を用いる場合の問題も解消されるし、特許文献1に記載の切削工具における問題もない。しかし、この特許文献2に記載の切削工具(以下、単に従来技術とも言う)による場合には、つぎのような解決すべき問題があった。というのは、特許文献2に記載の切削工具においては、インサートがホルダーの先端面にそれを押し当てた状態において、インサートの中央に開口された取付け用(固定用)の貫通穴にネジ部材を通し、ホルダーの先端面に設けられたねじ穴にそれをねじ込むことで、インサートの取付けをするという取付け構造とされている。
このような取付け構造を持つ特許文献2に記載の切削工具においては、インサートは、ホルダーの軸線回りに回り止めをなすように設けられた2つの壁相互の間に位置決めされてはいるものの、切削時に受ける切削抵抗に対し、十分な固定力を確保し難くいといった問題があった。このため、この従来技術においてはインサートが動きやすく、結果として、ビビリの発生や加工精度の維持に難点があるといった問題があった。これは、インサートの固定が、ホルダーの軸線方向にねじ込まれるネジ部材による締付けに依存しているためである。すなわち、このような固定では、ネジの外周面とインサートの貫通穴との間の隙間の存在や、切削抵抗(主分力)がネジ部材を曲げようとする作用を及ぼすことになるため、どうしてもインサートが動きやすい。
これに対して、インサートの固定力を高めるためには、ネジ部材に大径のものを用いる必要があるが、そのためにはホルダーの先端面を大きくする必要がある。一方、このようにすれば、小径の内径を有する筒状部材の加工には用いることができない場合がある。また、インサートにおける切れ刃長さを大きくするのも、切削抵抗の問題から困難であり、したがって、上記したような筒状部材Wにおける奥側の直角壁面(段部)の径方向の幅が大きい場合、その加工には不向きである。また、インサートをホルダーの先端面に押付けて固定しているため、その先端面が小さくなるほど、インサートの押付け面積(取付け時の保持面積)が小さくなり、したがって、その固定力が低下する。このように特許文献2に記載の従来技術によるときは、小径加工には使用できない場合があった。さらに、同文献に記載のインサートは、特殊形状のため、製造コストが高くつくという問題もあった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、上記したような筒状部材のように、内部の中間部位に小径部のような加工障壁部を有し、その前後の内周面及びその手前側及び奥側の直角壁面(手前向き直角壁面、奥向き直角壁面)の加工を要するものに好適な切削工具を提供することをその目的とする。
前記の目的達成のために請求項1に記載の本発明は、板状で、その主面において対向する2つの鋭角のコーナーを有し、その各コーナーには、切れ刃がすくい面を異なる主面側にして形成されており、
「その対向する2つのコーナーを対角線で結んだときこの対角線を挟んだ位置関係となる切れ刃であって異なるコーナーにおける切れ刃」、又は、「各コーナーにおいてコーナーを挟む両方の切れ刃」が、逃げ角の付くポジタイプとされていると共に、ホルダーにネジ止されるように、自身の厚み方向に貫通する貫通穴を備えた内径加工用のインサートを、該ホルダーのインサート取付け部に取付けてなる内径加工用の切削工具であって、
前記インサート取付け部は、ホルダーの先端面寄り部位の側部に、ホルダーの先端側に向けて低位となる座面と、この座面において切り立つ形で形成された壁面とを備えており、
このインサート取付け部に対し、前記インサートを、その1主面を前記座面に着座させると共に該インサートの側面を前記壁面で拘束してネジ止によって取付け、
その取付け状態において、前記インサートにおける前記各コーナーが、前記座面を平面視したときにおいて、ホルダーの先端面寄り部位の側部から、互いに反対側に突出すると共に、一方のコーナーはホルダーの先端側に位置し、他方のコーナーはホルダーの後端側に位置しており、その先端側に位置する一方のコーナーにて、被切削部材の内周面において内向きに突出する加工障壁部のうち、被切削部材の回転軸に直角な手前向き直角壁面が旋削でき、その後端側に位置する他方のコーナーにて、前記加工障壁部のうち、被切削部材の回転軸に直角な奥向き直角壁面が旋削できるように、各コーナーにおける切れ刃に切れ刃角が付与されてなることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、前記貫通穴が、
前記主面において対向する2つの鋭角のコーナーの、ホルダーの側部からの突出量のうち、ホルダーの後端側に位置するコーナーの突出量T2が、ホルダーの先端側に位置するコーナーの突出量T1に比べて大きくなるように、
前記インサートにおいて偏在して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具である。
本発明に係る切削工具によれば、内周面において内向きに突出する加工障壁部(凸部)を有する被切削部材(筒状部材)の内面旋削(加工)ないし内径加工において、ワンチャックで、その加工障壁部の手前側と奥側にある大内径部の内周面と、加工障壁部における手前側及び奥側の直角壁面(手前向き直角壁面、奥向き直角壁面)について、そのインサートにおける2つのコーナー(切れ刃ともいう)を用いることで問題なく加工ができる。しかも、インサートの固定をホルダーの先端面に押付けた状態でねじ止めした従来技術とは異なり、ホルダーの先端面寄り部位の側部に形成されたインサート取付け部の座面に平置きして取付けたものである。したがって、従来技術に比べて、平置き取付けとされている分、インサートの取付けにおける固定力を高めることができる。かくして、本発明の切削工具によれば、切削中におけるインサートの動きやビビリ等の発生防止に有効であり、したがって、高精度の加工ができる。
とくに、内径が10mmに満たないような小物筒(軸)部品のように、内径が小さい筒状部材の内径加工(又は内面加工)においては、その内部に挿入するため、極めて細いホルダーしか使用できないことから、インサートの固定をホルダーの先端面に押付けた状態でねじ止めする構成の従来技術によるものでは、その取付け面積(押付け面積)が小さく、十分な固定力を得ることはできない。そして、この問題はコーナー(切れ刃)の突出量を大きくする必要がある場合ほど、相対的にホルダーを細くせざるを得ないことから、さらに顕著となり、従来技術による切削工具では最早対応できない。これに対し、本発明ではインサート取付け部における座面を、ホルダーの先端面寄り部位において前後(長手方向に)に、十分に大きく採ることができるから、内径が小さい筒状部材の内面加工に用いる切削工具として具体化する場合でも、インサートの取付けにおける固定力を十分に確保できるという効果がある。
また、本発明に係るインサートは、例えば、平行四辺形又はひし形で板状をなすインサート素材をベースに形成できる。すなわち、そのインサート素材における対向(対角方向)する2つの鋭角のコーナーに、切れ刃を、すくい面を異にして(異なる主面に)形成することで製造できる。したがって、従来技術のインサートのように特殊形状となるものに比べると、専用のインサート素材を要しない分、低コスト化が図られる。
本発明を実施するための最良の形態について、図面に基いて詳細に説明する(図1〜図9参照)。図中、1は、本発明の切削工具51を構成する内径加工用のインサートであり、一定厚さで平面視、概略ひし形を呈する板状のものであり、自身の厚み方向に貫通する、取付けネジ用のテーパー座付きの穴(貫通穴)3の付きのスローアウェイ方式のもの(スローアウェイチップ)である。このインサート1は、その主面5,6において対向する2つの鋭角の各切れ刃のコーナー(ノーズ)7,8に、それぞれ切れ刃がすくい面7a、8aを異なる主面5,6側にして形成されている。この各切れ刃のコーナー7,8はノーズ半径が無し(0)か、或いは0に近い微小アールとされている。そして、各コーナー7,8をはんさで、各切れ刃7b,7c,8b,8cが形成されている。ただし、その対向する2つのコーナー7,8を対角線(図示せず)で結んだとき、この対角線を挟んだ位置関係となる切れ刃であって異なるコーナー7,8における切れ刃7c,8cは、内周面の加工のため、ともに逃げ角(例えば13度)の付与されたポジタイプとされている。本明細書では以下、この切れ刃7c,8cを横切れ刃7c,8cともいう。なお、本形態では、各コーナー7,8における他の切れ刃7b,8bは、後述するようにホルダー21に取付けた際に、逃げ角が付与されるため、インサート自体においてはネガタイプのものとされているが、ポジタイプのものであってもよい。本明細書では以下、この他の切れ刃7b,8bを前切れ刃7b,8bともいう。なお、本明細書では各コーナーにおける2つの切れ刃を区別するために横切れ刃、前切れ刃としている。
また、インサート1は、その主面5,6において対向する2つの鈍角のコーナー12、13のうちの一方のコーナー13になる部位(図1右下)が、対向する2つの鋭角のコーナー7,8を結ぶ対角線(図示しない直線)に平行にカットされて、面をなしており、この面をなす側面9bと、図1右上のコーナー(切れ刃コーナー)8の前切れ刃8bに連なる側面9cとが、後述するよう、ホルダー21のチップ取付け部31に取付けられる際に、その壁面に拘束されるところである。
本例のインサート1では、貫通穴3が、主面5,6において対向する2つの鋭角の切れ刃のコーナー7,8(又はこの各コーナー7,8の近傍)を結ぶ図示しない対角線(直線)の略上にあるが、その中央(中間位置)にはなく、図1における左下の切れ刃(コーナー)7寄り位置に若干偏在して(ずらして)設けられている。これは、このようにしておくことで、ホルダー21のチップ取付け部31にインサート1が固定された際に、図1の左下のコーナー(切れ刃コーナー)7の突出量T1に対し、図1の右上のコーナー(切れ刃コーナー)8の突出量T2を大きく確保でき、奥向き直角壁面413の径方向の幅が広い場合でも対応(加工)できるようにするためである。なお、本例では、各切れ刃のコーナー7,8のすくい面7a、8aにはそれぞれブレーカ溝が凹設されている。また、2つの鋭角のコーナー7,8のノーズ角は、コーナー7が70度、コーナー8が75度とされている。
さて、次に前記したインサート1を取付けるホルダー21について説明する(主として図3〜図8参照)。このホルダー21は、棒状に真っ直ぐ延びるホルダー本体部23と、その先端寄り部位の一側に設けられたインサート取付け部31から形成されている。ホルダー本体部23は、横断面が円形をベースとして形成された基端側の大径シャンク部25と、ワークの内部に挿入されるように、大径シャンク部25の一側25aが三日月状に切削除去されて小径化された先端側の小径シャンク部27とからなっている。小径シャンク部27の先端面28寄り部位には、その一側が凹設されて、インサート1が固定されるインサート取付け部31が形成されている(図7、図8参照)。
このインサート取付け部31は、インサート1が平置き状態で着座されるように形成された平坦(平面からなる)な座面33と、インサート1の平面視、鈍角のコーナー12に対向する鈍角部位13に設けられた側面9bと前切れ刃8bに連なる方向の側面9cの2つの側面を拘束するように、ホルダー21の基端側にて切り立つ壁面35、36を備えている。ただし、2つの壁面35、36の平面視、交差部は、インサート1を拘束した際に、鈍角のコーナー13を逃がす逃げ部37が平面視、円弧状に凹設されている。なお、この2つの壁面35、36は、前記したインサート1の側面9b,9cを拘束した際に、各コーナー(切れ刃コーナー)7,8が、ホルダー21の互いに反対側に突出し、各コーナー7,8における前切れ刃7b,8bと横切れ刃7c,8cには、それぞれ所定の切れ刃角(α7、α8)、切れ刃角(β7、β8)が付与されるように形成されている(図1参照)。
また、この座面33は、図3に示したように、小径シャンク部27の先端面28に向けて低位となすような傾斜面とされ、側面視(図3)におけるその傾斜角度θ1は、例えば10度に設定されている。このようにしておくことで、インサート1における各前切れ刃7b,8bがネガタイプであっても、それぞれ前逃げ角を確保できる。また、座面33は、インサート1を取付けた際に、図9に示したよう、各コーナー7、8の先端の高さが、ワークWの内周面の反対位置において、共にワークWの心(回転軸G)の高さに近づくように設定されている。すなわち、ホルダー21の座面33が、その先端面28側に向けて低位となるように形成されているため、両切れ刃の心出しにおける問題もない。傾斜角度θ1は、インサート1の大きさ、厚さ等の寸法に応じて設定すればよい。なお、傾斜角度θ1が小さく、前切れ刃7b,8bがネガタイプのために前逃げ角が十分取れないような場合には、前切れ刃7b,8bをポジタイプに形成しておけばよい。
また、座面33の中央又は略中央には、座面33と垂直方向に貫通するねじ穴34が形成されており、インサート1をその一方の主面(板面)6を座面33に平置きした状態において、前記した2つの側面9b,9cを壁面35,36に押付けるようにして拘束させた状態で、ねじ40をインサート1の貫通穴3に通し、ねじ穴34にねじ込むことで、インサート1はネジ止めにより固定されている。この固定状態において、2つのコーナー7,8は、座面33と反対側に位置するコーナー7と、座面33に接する主面6側のコーナー8とになっている。そして、図1に示したように、一方のコーナー7はホルダー21の先端側に位置し、他方のコーナー8はホルダー21の後端側に位置している。
しかして、インサート1は、インサート取付け部31に固定された状態において、各コーナー7,8が、座面33を平面視した(上から見た)際に、小径シャンク部27の反対側に突出量をそれぞれT1、T2として突出(オーバーハング)している(図1、図2参照)。そして、この取付け状態において、本形態では、各コーナー7,8における切れ刃に、上記したように所定の切れ刃角(α7、α8)と、所定の切れ刃角(β7、β8)が、それぞれ付与されている。すなわち、その先端側に位置する一方のコーナー7にて、上記したワークWの内周面において内向きに突出する加工障壁部421のうち、ワークの回転軸Gに直角な手前向き直角壁面403が旋削でき、その後端側に位置する他方のコーナー8にて、加工障壁部421のうち、ワークの回転軸Gに直角な奥向き直角壁面413が旋削できるように構成されている。因みに、この各角度は、α7が8度、α8が3度、そして、β7が12度であり、β8が12度である。また、本形態では、座面33に接する主面6側のコーナー8は、すなわち、小径シャンク部27の一側のうち、大径シャンク部25の一側25aが三日月状に切削除去されてなる側に突出するコーナー8は、上記もしたように、その突出量T2が、座面33と反対側に位置するコーナー7の突出量T1より大きく設定されており、上記したワークWの直角壁面のうち、奥側の奥向き直角壁面413のワークの径方向の幅より大きく設定されている。
次に、このような切削工具51により、図11に示したワークWの内面を加工(旋削)する場合の一例について、図10に基づいて説明する。なお、本形態では、図1における左下のコーナー7及びこのコーナーを挟む切れ刃7b,7cが、手前向き直角壁面403を加工する切れ刃であり、同図右上のコーナー8及びこのコーナーを挟む切れ刃8b,8cが、奥側の奥向き直角壁面413を加工するところである。図10の左側にてチャック爪(図示せず)に保持されて回転するワークWの内側に本形態の切削工具51の先端寄り部位を、ワークWの手前側から挿入し、コーナー7が加工障壁部(小内径部)421の内周面に対し、所定の切込み量となるようにして、工具をその奥側に横送りする(図10−A参照)。こうして小内径部421の内周面を加工した後、切削工具51をさらに横送りして、奥側の加工用のコーナー8を、奥側の大内径部411の端より左に位置させる。
そして、奥側の加工用のコーナー8が、大内径部411の奥側端においてその内周面に所定の切込み量となるように切削工具51を縦送りし、その状態の下で、手前側に横送りして奥側の大内径部411の内周面を加工する(図10−B参照)。そして、小内径部421の奥側の奥向き直角壁面413の位置において所定の切り込みとなったところで、その横送りを止、今度はワークWの回転軸(線)G側に対して直角に縦送りし(図10−C参照)、その奥側の加工用のコーナー8が小内径部421の内周面と干渉しない位置まで切削工具51を縦送りする。こうすることで、奥側の奥向き直角壁面413が加工される。
次に、切削工具51を手前側に横送りし、手前側の加工用のコーナー7が小内径部における手前向き直角壁面403の位置においてその手前向き直角壁面403に対して所定の切り込みとなる位置でその横送りを止める。次に、縦送りして手前向き直角壁面403を切削する(図10−D参照)。そして、手前側の大内径部401の内周面に対して所定量の切り込みとなる位置において縦送りを止、今度は切削工具51を手前側に横送りし、手前側の大内径部401の内周面を加工する(図10−E参照)。
かくして、本形態の切削工具51においては、ワークWの内側の中間に位置するような加工障壁部(小内径部)421における手前側と奥側とに存在する直角壁面403,413も含めて、その内周面を、ワンチャックで問題なく加工できる。なお、前記した内周面の加工順は、1例であり、いずれの部位から加工することも可能であるし、いずれの部位の加工においても、その送りは前記したのと逆に設定してもよい。
本形態の切削工具51においては、上記したようなワークも問題なく加工できるのであるが、次のような特有の効果がある。すなわち、本形態の切削工具51は、インサート1の固定をホルダー21の先端面28に押付けた状態でねじ止めした従来技術とは全く異なる。すなわち、本形態の切削工具51においては、インサート1をホルダー21の先端面28寄り部位の側部に形成されたインサート取付け部31の座面33に平置きして取付けたものである。したがって、上記形態においては、特に手前向き直角壁面403の加工用のコーナー7で切削する場合の切削抵抗における主分力は座面33で主として受けられるために、インサート1の固定力ないし安定性が極めて高い。したがって、インサート1の動きやビビリ等の発生防止に有効であり、高精度の加工ができる。また、奥向き直角壁面413の加工用のコーナー8で切削する場合には、切削抵抗における主分力の多くがネジ部材40かかるが、その場合でも、ネジ部材40には引張り力(軸力)として作用するために、従来のように曲げ力がネジ部材40には直接作用する場合に比べると、インサート1の固定力も高い。したがって、トータルとしてみると、従来技術に比べるとインサート1の固定力が高く、その動きやビビリ等の発生防止に有効であり、高精度の加工ができる。
また、本発明に係るインサート1は、上記もしたように、平行四辺形で板状をなす素材をベースに形成できる。すなわち、その素材における対角方向の2つの鋭角のコーナーに、切れ刃を、すくい面を異にして形成することなどで容易に製造できる。したがって、従来技術におけるインサートのように特殊形状の素材を要しないから、低コスト化が図られる。また、ホルダーについても同様のことがいえる。
さらに、本発明においては、インサートは、チップ取付け部における座面に対して、平置きによる取付けとなるから、ホルダーの先端部の径が小さい場合でも、座面を、ホルダーの前後(軸方向)に十分長く形成することが可能であり、したがって、インサートの取付けのための面積を大きく確保できる。すなわち、インサートの固定における保持面積を大きく確保できるため、インサートをホルダーの先端面に押付けた状態でねじ止めしていた従来技術に比べると、小径加工用のものとして具体化する場合でも、固定力不足となることを容易に回避できる。したがって、内径が10mm以下のワークで、その内部に小径部があるようなワークであっても、ワンチャックでしかも1つの切削工具で奥側の直角壁面の加工もできる。すなわち、従来は、困難とされていた小径ワークの加工においても問題なく加工ができる。このため、この種の小物(軸部品)の内径加工に極めて好適である。
上記においては、所謂、平行四辺形(ひし形チップ)に近い形状のインサートとして具体化したが、本発明は、このような形状のものに限定されるものではなく、対向する2つの鋭角のコーナーを有するインサートに広く適用できる。また、スローアウェイ方式に関係なく広くインサートに具体化できる。さらに、上記例では、切削工具(ホルダー)の先端側に位置する切れ刃が座面と反対側に位置し、切削工具(ホルダー)の先端から離間する側に位置する切れ刃が座面側に位置するものとして具体化したが、これはその逆としても具体化できることはいうまでもない。
本発明に係るインサートをホルダーのインサート取付け部に取付けてなる切削工具を、インサートの一方の主面(貫通穴の座側)側から見た図、及びその状態におけるインサートの拡大図。 図1の裏面(反対)側から見た図、及びその状態におけるインサートの拡大図。 図1を矢印A方向から見た図及びインサート近傍を含む拡大図。 図1の切削工具をその左下から見た斜視図、及びそのインサート近傍を含む拡大図。 図1の切削工具をその右上から見た斜視図、及びそのインサート近傍を含む拡大図。 図1の切削工具を図2の右下から見た斜視図、及びそのインサート近傍を含む拡大図。 図4においてインサートを外したホルダーのチップ取付け部の拡大図。 図5においてインサートを外したホルダーのチップ取付け部の拡大図。 図1の切削工具をその左端から見た拡大図であって、両切れ刃の心高さを説明する図。 図1の切削工具でワークを加工する状態の説明図。 筒状の被切削部材(筒状部材)を説明する図。 図11の筒状部材を加工する従来の基本的加工法の説明図。 図11の筒状部材を加工する従来の基本的加工法の説明図。
符号の説明
1 インサート
3 貫通穴
5,6 インサートの主面
7,8 対向する2つの鋭角のコーナー(切れ刃コーナー)
7a,8a すくい面
7b,8b 切れ刃(前切れ刃)
7c,8c 切れ刃(横切れ刃)
9b,9c 拘束されるインサートの側面
21 ホルダー
28 ホルダーの先端面
31 インサート取付け部
33 座面
35,36 壁面
51 切削工具
403 手前向き直角壁面
413 奥向き直角壁面
421 加工障壁部
α7、α8 切れ刃角
β7、β8 横切れ刃角
W ワーク(被切削部材)
G 被切削部材の回転軸

Claims (2)

  1. 板状で、その主面において対向する2つの鋭角のコーナーを有し、その各コーナーには、切れ刃がすくい面を異なる主面側にして形成されており、
    その対向する2つのコーナーを対角線で結んだときこの対角線を挟んだ位置関係となる切れ刃であって異なるコーナーにおける切れ刃、又は、各コーナーにおいてコーナーを挟む両方の切れ刃が、逃げ角の付くポジタイプとされていると共に、ホルダーにネジ止されるように、自身の厚み方向に貫通する貫通穴を備えた内径加工用のインサートを、該ホルダーのインサート取付け部に取付けてなる内径加工用の切削工具であって、
    前記インサート取付け部は、ホルダーの先端面寄り部位の側部に、ホルダーの先端側に向けて低位となる座面と、この座面において切り立つ形で形成された壁面とを備えており、
    このインサート取付け部に対し、前記インサートを、その1主面を前記座面に着座させると共に該インサートの側面を前記壁面で拘束してネジ止によって取付け、
    その取付け状態において、前記インサートにおける前記各コーナーが、前記座面を平面視したときにおいて、ホルダーの先端面寄り部位の側部から、互いに反対側に突出すると共に、一方のコーナーはホルダーの先端側に位置し、他方のコーナーはホルダーの後端側に位置しており、その先端側に位置する一方のコーナーにて、被切削部材の内周面において内向きに突出する加工障壁部のうち、被切削部材の回転軸に直角な手前向き直角壁面が旋削でき、その後端側に位置する他方のコーナーにて、前記加工障壁部のうち、被切削部材の回転軸に直角な奥向き直角壁面が旋削できるように、各コーナーにおける切れ刃に切れ刃角が付与されてなることを特徴とする切削工具。
  2. 前記貫通穴が、
    前記主面において対向する2つの鋭角のコーナーの、ホルダーの側部からの突出量のうち、ホルダーの後端側に位置するコーナーの突出量T2が、ホルダーの先端側に位置するコーナーの突出量T1に比べて大きくなるように、
    前記インサートにおいて偏在して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
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