明 細 書
同軸コネクタ及び測定用同軸プローブ
技術分野
[0001] 本発明は、同軸コネクタ、特に、同軸ケーブルの先端に接続され、相手方レセプタ クルに着脱自在な同軸コネクタ、及び、測定用同軸プローブに関する。
背景技術
[0002] 従来、同軸コネクタとして、特許文献 1に記載のものが知られている。この同軸コネ クタは図 11に示すように、外部導体部材 115を外側から保持する軸方向に移動可能 なスリーブ(可動部材 116、カップリングナット 117)を備えてレ、る。
[0003] ところが、この同軸コネクタでは、外部導体部材 115の外側に設けたスリーブは、そ れぞれが独立して移動可能な可動部材 116とカップリングナット 117からなり、二つの コイルばね 120, 121が設けられている。そして、可動部材 116はばね部 116aを有 し、先端部に突部 115bの逃げ部となりかつ突部 115bを規制する突部 116bを設け るなど、部品点数が多くて構造的に複雑であり、製造コストも高く付くという問題点を 有していた。また、先端部(突部 115b, 116b)の外形が大きくなつてその強度が保て ず、相手方コネクタへの脱着の繰り返しで変形、劣化しやすいものであった。
[0004] また、相手方コネクタとの装着 Z離脱の際に複雑な操作が必要であった。即ち、装 着時には、スリーブ(可動部材 116、カップリングナット 117)を外部導体部材 115の 先端突部 115bよりも相手方コネクタ側へ移動させ、スリーブの先端を相手方コネクタ に押し付けて位置決めした後、反対側に移動させてスリーブで外部導体部材 115の 先端部を押さえつけてロックさせる必要があった。
特許文献 1 :特開平 10— 32042号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] そこで、本発明の目的は、簡単な構成からなり、相手方レセプタクルへの装着/離 脱が容易で、繰り返しの使用に耐え得る同軸コネクタ及び測定用同軸プローブを提 供することにある。
課題を解決するための手段
[0006] 前記目的を達成するため、本発明は、同軸ケーブルの先端に接続され、相手方レ セプタクルに着脱自在な同軸コネクタにおいて、
先端部に相手方レセプタクルの外部導体の外周部に形成された溝部に嵌合する 突部が形成されたばね部を有する筒状のハウジングと、前記ハウジング内に収納さ れた筒状のプッシングと、前記プッシング内に収納されて前記相手方レセプタクルの 内部端子と接触する中心導体プローブと、前記ハウジングの外周部に軸方向に移動 可能に保持された筒状のスリーブと、を備え、
前記スリーブは、上部に前記ハウジングの外周部に弾性的に接触するロック片を有 し、かつ、下部に前記ハウジングのばね部の拡がりを規制する環状部を有し、 前記ハウジングはその外周部に前記ロック片が係脱可能な第 1係合部及び第 2係 合部を軸方向に所定の間隔で形成され、
前記ハウジングのばね部が前記相手方レセプタクルの溝部に嵌合する前には、前 記スリーブのロック片が前記第 1係合部に係合するとともにスリーブの環状部がハウ ジングのばね部に対する規制を解除した状態にあり、
前記ハウジングのばね部が前記相手方レセプタクルの溝部に嵌合した後は、前記 スリーブのロック片が前記第 2係合部と係合するとともにスリーブの環状部がハウジン グのばね部の拡がりを規制する状態にあること、
を特徴とする。
[0007] 本発明に係る同軸コネクタにおいては、ハウジングに対して弾性的に接触しつつ軸 方向に移動可能なスリーブを設けるという簡単な構成からなる。そして、相手方レセ プタクルに対する装着時には、作業者力 Sスリーブを指でつまんでハウジングの先端 部を相手方レセプタクルの外部導体に押し付けるのみで、ハウジングの先端ばね部 を外部導体の溝部に嵌合させ、かつ、スリーブが移動してそのロック片が第 2係合部 に係合し、スリーブの下部に設けた環状部がハウジングの先端ばね部の拡がりを規 制するロック状態が維持される。一方、相手方レセプタクルからの離脱時には、作業 者がスリーブを指でつまんで引き抜くだけで、ロック片が第 2係合部との係合を解除さ れるとともに、スリーブの環状部がハウジングの先端ばね部に対する規制を解除する
ので、ハウジングの先端ばね部が外部導体の溝部との嵌合を解除され、ハウジング が相手方レセプタクルから離脱する。また、ロック片は弹性的に第 1係合部及び第 2 係合部に係脱するために、使用者はロック感を得ることができる。
[0008] 本発明に係る同軸コネクタにおいて、ロック片はスリーブに設けた弾性片の先端に 設けた突部からなり、前記第 1係合部及び第 2係合部は前記ハウジングの外周部に 形成した環状の溝部であってもよい。さらに、前記弾性片はスリーブの筒状部に軸方 向に形成した複数のスリットによって構成されていてもよい。簡易な構造でロック手段 を形成できる。
[0009] また、ハウジングとスリーブとの間に弾性部材が介在されており、この弾性部材は第 1係合部がロック片と係合する方向にスリーブを付勢する構成とすることが好ましい。 同軸コネクタが相手方レセプタクルから離脱した際に、スリーブが確実に初期位置に 復帰することになる。
[0010] あるいは、スリーブは、ハウジングの上部外周面に弾性的に接触するロック片とハウ ジングのばね部外周面に接触して該ばね部の拡がりを規制する環状部とからなる第
1スリーブと、該第 1スリーブの上部及びハウジングの上部を覆う第 2スリーブとを接合 一体化して構成することが好ましい。スリーブを二つの部材で構成することにより、そ れぞれの部材を適切な形状に容易に製作でき、組立ても簡単なものになる。さらに、 第 2スリーブは外装ケースとしても機能し、ロック片などの内部部品を保護する。
[0011] そして、第 2スリーブの外径に対して第 1スリーブの外径が小さいことが好ましい。下 部に位置する第 1スリーブが細いので、携帯電話機などのケースに大きな穴を開ける ことなく挿入が可能となる。上部に位置する第 2スリーブが太いので、作業者が指で 容易につまむことができ、装着 Z離脱の作業がしゃすくなる。
[0012] さらに、前記同軸コネクタは測定用同軸プローブとして好適に用いることができる。
発明の効果
[0013] 本発明によれば、構成部品が少なくて組立てが容易であり、可動部材はスリーブの みであるので、相手方レセプタクルへの装着/離脱が容易で、繰り返しの使用に耐 えることができる。
図面の簡単な説明
[0014] [図 1]本発明に係る同軸コネクタ(測定用同軸プローブ)の第 1実施例を示す断面図 である。
[図 2]前記測定用同軸プローブの第 1組立工程を示す斜視図である。
[図 3]前記測定用同軸プローブの第 2組立工程を示す斜視図である。
[図 4]前記測定用同軸プローブの第 3組立工程を示す斜視図である。
[図 5]前記測定用同軸プローブの第 4組立工程を示す斜視図である。
[図 6]組み立てられた前記測定用同軸プローブと相手方レセプタクルを示す斜視図 である。
[図 7]前記測定用同軸プローブが相手方レセプタクルに嵌合する動作を示す断面図 である。
[図 8]本発明に係る同軸コネクタ(測定用同軸プローブ)の第 2実施例を示し、 (A)は 相手方レセプタクルから離脱時の断面図、 (B)は装着時の断面図である。
[図 9]本発明に係る同軸コネクタ(測定用同軸プローブ)の第 3実施例を示す断面図 である。
[図 10]前記測定用同軸プローブを使用して測定される通信機器の回路を示すブロッ ク図である。
[図 11]従来の同軸コネクタを示す断面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0015] 以下、本発明に係る同軸コネクタ及び測定用同軸プローブの実施例について添付 図面を参照して説明する。
[0016] (第 1実施例、図 1〜図 7参照)
本発明の第 1実施例である測定用同軸プローブ 1Aは、図 1に示すように、中心導 体プローブ 10と、ブッシング 20と、ノヽウジング 25と、スリーブ 30と、ディスク 21と、 ィ ノレばね 22と、キャップ 23とで構成されている。また、相手方レセプタクル 2は、図 7に 示すように、中心孔 4を有するケース 3にグランド端子 (外部導体) 5、第 1内部端子 6 、第 2内部端子 7を設けたもので、第 2内部端子 7は下方から第 1内部端子 6に弾性 的に接触している。第 2内部端子 7は自身のばね力にて第 1内部端子 6に接触し、以 下に説明するように測定用同軸プローブ 1 Aのプランジャ 11に押圧されて下方に橈
み、第 1内部端子 6から離間する。
[0017] 中心導体プローブ 10は、それぞれ導電性部材からなるプランジャ 11、コイルばね 1 2、バレル 13にて構成され、バレル 13に対してその下部からコイルばね 12を介して プランジャ 11の上部が揷入されている。
[0018] ハウジング 25は、導電性部材からなる筒状体であり、径の大きな上部 25aと径の小 さな下部 25bとからなり、下部 25bの先端部には相手方レセプタクル 2のグランド端子 5の外周部に形成された環状溝部 5a (図 7参照)に嵌合する突部 26bが形成された ばね部 26aを有している。このばね部 26aはハウジング 25の先端部に軸方向に形成 した複数のスリットによって構成され、軸方向と直交する方向に弾性的に変位可能で ある。また、ハウジング 25の上部 25aにはその外周部に第 1係合部 27a及び第 2係合 部 27bが軸方向に所定の間隔で環状の溝部として形成されている。
[0019] プッシング 20は、絶縁体からなる筒状体であり、その中心孔には前記中心導体プロ ーブ 10が収納されている。また、プッシング 20は前記ハウジング 25の中心孔に収納 されている。
[0020] スリーブ 30は、金属材料からそれぞれ筒状に形成された第 1スリーブ 31と第 2スリ ーブ 35とで構成されている。第 1スリーブ 31は鍔状部 31aにハウジング 25の外周部 に弾性的に接触する複数のロック片 32aを起立した状態で設け、このロック片 32aは 弾性片の先端に突部 32bを形成してなり、第 1スリーブ 31に軸方向に形成した複数 のスリットによって構成されている。また、第 1スリーブ 31の小径の下部は、前記ハウ ジング 25の先端ばね部 26aの外方への拡がりを規制する内径を有する環状部 33と されている。
[0021] 第 2スリーブ 35は、第 1スリーブ 31の上部を覆うとともに前記ハウジング 25の上部 2 5aを覆う筒状体であり、第 1スリーブ 31の鍔状部 31aを巻き込むようにかしめることで 第 1スリーブ 31と接合一体化されている。なお、第 1スリーブ 31と第 2スリーブ 35はか しめ以外に接着や溶接などで接合一体化してもよい。
[0022] ここで、測定用同軸プローブ 1Aの組立て手順について図 2〜図 6を参照して説明 する。まず、図 2に示すように、バレル 13に対してその下部からコイルばね 12を介し てプランジャ 11の上部を揷入し、中心導体プローブ 10を組み立てる。次に、図 3に
示すように、この中心導体プローブ 10をプッシング 20の中心孔に揷入し、該ブッシン グ 20をハウジング 25の中心孔に挿入する。さらに、ハウジング 25を第 1スリーブ 31の 中心孔に挿入する。第 1スリーブ 31に形成したロック片 32aの突部 32bはハウジング 25の外周部に形成した第 1係合部 27a及び第 2係合部 27bに弾性的に嵌合可能で あり、ハウジング 25は第 1スリーブ 31の上端が段差部 28に当接するまで挿入され、こ のとき、ロック片 32aの突部 32bが第 1係合部 27aに嵌合した状態となる。また、第 2ス リーブ 35の内周面とハウジング 25の上部 25aの外周面との間には、ロック片 32a力 S 若干外方に橈むだけのスペース 38 (図 1参照)が設けられてレ、る。
[0023] 次に、図 4に示すように、第 2スリーブ 35をハウジング 25の上部 25a及び第 1スリー ブ 31のロック片 32aを覆うように被せ、第 2スリーブ 35の下部を第 1スリーブ 31の鍔状 部 31aにかしめて接合一体化する。ここで、図 5に示すように、同軸ケーブル 40の中 心導体 41 (図 1参照)を第 2スリーブ 35の開口部 36及びハウジング 25の開口部 29か ら挿入してバレル 13の溝部 13aにはんだ付けする。これにて中心導体 41がバレル 1 3及びコイルばね 12を介してプランジャ 11と電気的に導通状態となる。また、同軸ケ ーブノレ 40のシーノレド導体 42 (図 1参照)と接続されているアダプタ 43をハウジング 25 の開口部 29に嵌合させ、リング 44をアダプタ 43の外周部にかしめる。これにてシー ルド導体 42がアダプタ 43を介してハウジング 25と電気的に導通状態となる。なお、 図 1に示す符号 45は、図示しない測定器への接続用コネクタで、同軸ケーブル 40の 一端に設けられている。
[0024] さらに、ディスク 21をハウジング 25の上面に載置し、コイルばね 22を介してキャップ 23を第 2スリーブ 35の上部に嵌合一体化させる。コイルばね 22はハウジング 25を下 方に弾性的に押圧し、ロック片 32aの突部 32bが第 1係合部 27aに係合した位置を 保持させる。これにて、第 1スリーブ 31の環状部 33がハウジング 25の先端ばね部 26 aに対する規制を解除した位置 A (図 1参照)にセットされた状態が保持される。図 6は 、同軸ケーブル 40を接続して最終的に組み立てられた測定用同軸プローブ 1Aを示 している。
[0025] 次に、前記測定用同軸プローブ 1Aを相手方レセプタクル 2に装着する動作につい て図 7を参照して説明する。図 7 (A)は装着前の状態を示し、前述の如ぐ第 1スリー
ブ 31の環状部 33がハウジング 25の先端ばね部 26aに対する規制を解除した位置 A にセットされている。
[0026] ここで、ハウジング 25の先端ばね部 26aを相手方レセプタクル 2のグランド端子 5の 外周部に圧入してレ、くと、図 7 (B)に示すように、突部 26bがグランド端子 5の外周部 に圧接してばね部 26aが外方に若干拡径するとともに、プランジャ 11の先端が相手 方レセプタクル 2のケース 3の中心孔 4に突入する。さらに、ハウジング 25を押し込む と、図 7 (C)に示すように、突部 26bが環状溝部 5aに嵌合し、プランジャ 11の先端が 第 2内部端子 7を押圧して下方に変位させ、第 1内部端子 6との接続を解除する。こ れにて、第 2内部端子 7はプランジャ 11、コイルばね 12、バレル 13を介して同軸ケー ブル 40の中心導体 41と導通状態となり、この経路で信号が伝送されることになる。
[0027] さらに、スリーブ 30を下方に移動させると、前記ロック片 32aの突部 32bが第 1係合 部 27aとの係合を解除されて第 2係合部 27bと係合する。このとき、第 1スリーブ 31の 環状部 33がハウジング 25の先端ばね部 26aの外周部を包囲して該ばね部 26aの拡 力 Sりを規制する位置 B (図 1参照)にセットされる。これにて、先端ばね部 26aは外方へ の拡がりを規制され、外径方向への力が作用しても溝部 5aとの嵌合が解除されること はない。また、ばね部 26aの変形や破損が防止される。
[0028] また、第 2スリーブ 35の開口部 36の寸法 X (図 4参照)は、第 1スリーブ 31及び第 2 スリーブ 35が位置 A— B間を移動する際に同軸ケーブル 40と干渉しない寸法とされ ている。
[0029] 測定用同軸プローブ 1 Aを相手方レセプタクル 2から離脱させるには、前記とは逆の 手順により、即ち、第 2スリーブ 35の外周部を指でつまんで上方に引き抜けばよい。 まず、スリーブ 30が上方に移動してロック片 32aの突部 32bが第 2係合部 27bとの係 合を解除され、第 1スリーブ 31の上端がハウジング 25の段差部 28に当接するととも にロック片 32aの突部 32bが第 1係合部 27aと係合し、第 1スリーブ 31の環状部 33が ハウジング 25の先端ばね部 26aに対する規制を解除する。これにて、ハウジング 25 の先端ばね部 26aの突部 26bが相手方レセプタクル 2のグランド端子 5の溝部 5aから 離脱することになる。そして、相手方レセプタクル 2においては、第 2内部端子 7が自 身の弾性にて上方に変位し、第 1内部端子 6との接続状態に復帰する。
[0030] ところで、図 7に示すように、環状部 33の内径と先端ばね部 26aの外径との隙間 H は、嵌合時における先端ばね部 26aの変位量 Yよりも小さく設定されている。変位量 Yとは、先端ばね部 26aの外径を Dとし、最大変位外径を Dmaxとすると、 Y= (Dma x_D) /2で算出される値である。
[0031] 第 1スリーブ 31のロック片 32aがハウジング 25の外周部に圧接する力と、ハウジン グ 25の先端ばね部 26aが相手方レセプタクル 2のグランド端子 5の外周部に圧接す る力の関係は、先端ばね部 26aを溝部 5aへ嵌合させようとする力 Fhiよりも、ロック片 32aが第 1係合部 27aへ嵌合する力 Fsiのほうが大きぐまた、ロック片 32aを第 2係合 部 27bから引き抜くための力 Fsoよりも、先端ばね部 26aを溝部 5aから引き抜くため の力 Fhoのほうが大きく設定されている。
[0032] 以上説明した測定用同軸プローブ 1Aは、ハウジング 25に対して軸方向に移動可 能に保持されたスリーブ 30を設けるという簡単な構成からなる。そして、相手方レセ プタクル 2への装着時には、第 2スリーブ 35を指でつまんでハウジング 25の先端ば ね部 26aを相手方レセプタクル 2のグランド端子 5に押し付けるのみで、ハウジング 25 の先端ばね部 26aをグランド端子 5の溝部 5aに嵌合させることができる。しかも、ロッ ク片 32aが第 2係合部 27bと係合することで、第 1スリーブ 31の下部に設けた環状部 33がハウジング 25の先端ばね部 26aの拡がりを規制するロック状態が維持される。
[0033] 一方、離脱させる際には、第 2スリーブ 35を指でつまんで引き抜くだけで、ロック片
32aが第 2係合部 27bとの係合を解除されるとともに第 1スリーブ 31の環状部 33がハ ウジング 25の先端ばね部 26aに対する規制を解除するため、ハウジング 25の先端ば ね部 26aがグランド端子 5の溝部 5aとの嵌合を容易に解除される。
[0034] また、ロック片 32aは弾性的に第 1係合部 27a及び第 2係合部 27bに係脱するため に、作業者は係脱時のロック感によって相手方レセプタクル 2への装着及び離脱の 感触を得ることができる。さらに、ばね部 26aやロック片 32aをハウジング 25や第 1スリ ーブ 31に軸方向に形成した複数のスリットによって構成しているため、簡易な構造で ばね部 26aやロック片 32aを形成できる。
[0035] また、ハウジング 25と第 2スリーブ 35との間にコイルばね 22を介在させているため、 第 1係合部 27aとロック片 32aとが互いに係合する方向にスリーブ 30を付勢することと
なり、測定用同軸プローブ 1 Aを相手方レセプタクル 2から離脱させた際に、スリーブ 30が確実に初期位置に復帰することになる。なお、コイルばね 22のばね力は、装着 時において、ロック片 32aの第 2係合部 27bに対する係合を解除させるほど強いもの でないことは勿論である。
[0036] また、スリーブ 30を第 1スリーブ 31と第 2スリーブ 35という二つの部材で構成してい るため、第 1スリーブ 31及び第 2スリーブ 35をそれぞれ適切な形状に容易に製作で き、同軸ケーブル 40の接続などの組立ても簡単なものになる。さらに、第 2スリーブ 3 5は外装ケースとしても機能し、ロック片 32aやハウジング 25などの内部部品を保護 する。
[0037] そして、第 2スリーブ 35の外径に対して第 1スリーブ 31の外径が小さいため、携帯 電話機などのケースに大きな穴を開けることなく挿入が可能となる。一方、上部に位 置する第 2スリーブ 35が太いので、指で容易につまむことができ、装着/離脱の作業 力 Sしゃすくなる。
[0038] (第 2実施例、図 8参照)
図 8に本発明の第 2実施例である測定用同軸プローブ 1Bを示す。この測定用同軸 プローブ 1Bは、前記第 1実施例で用いたキャップ 23を省略し、第 2スリーブ 35に天 井部 37を設けてこの天井部 37とハウジング 25の上端に載置したディスク 21との間に コイルばね 22を介在させたものである。他の構成や動作及び作用効果は前記第 1実 施例と同様である。なお、図 8では図 1と同じ部品、部分には共通する符号を付し、重 複する説明は省略する。
[0039] (第 3実施例、図 9参照)
なお、前記第 1及び第 2実施例に示したコイルばね 22は必ずしも必要なものではな レ、。図 9にコイルばね 22を省略した第 3実施例である測定用同軸プローブ 1Cを示す 。この場合、第 2スリーブ 35の上端は単にキャップ 24で覆われている。他の構成や動 作及び作用効果は前記第 1実施例と同様である。なお、図 9では図 1と同じ部品、部 分には共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
[0040] (特性測定、図 10参照)
次に、測定用同軸プローブを用いて携帯電話機の電気特性を測定する場合につ
いて説明する。図 10は携帯電話機 120の高周波回路部分を示し、 122はアンテナ 素子、 123はデュプレクサ、 131は送信側アイソレータ、 132は送信側増幅器、 133 は送信側段間用バンドパスフィルタ、 134は送信側ミキサである。また、 135は受信 側増幅器、 136は受信側段間用バンドパスフィルタ、 137は受信側ミキサ、 138は電 圧制御発振器、 139はローカル用バンドパスフィルタである。
[0041] アンテナ素子 122とデュプレクサ 123との間に相手方レセプタクル 2が揷入されて おり、同軸ケーブル 40を介して図示しない測定器に接続された測定用同軸プローブ 1A (1B, 1C)を装着することにより、携帯電話機 120の製造工程において、高周波 回路部分の電気特性をチェックする。
[0042] (他の実施例)
なお、本発明に係る同軸コネクタ及び測定用同軸プローブは、前記実施例に限定 されるものではなぐその要旨の範囲内で種々に変更することができる。
[0043] 特に、相手方レセプタクルの構成、形状は任意であり、特開 2003— 123910号公 報、同 2002— 100442号公報、同 2001— 176612号公報などに記載の相手方レ セプタクルを用いることも可能である。また、ハウジング、プッシング、中心導体プロ一 ブ、スリーブの細部の形状なども任意である。
[0044] また、前記実施例では本発明を測定用同軸プローブに適用した例を示したが、測 定用以外の同軸コネクタに適用できることは勿論である。
産業上の利用可能性
[0045] 以上のように、本発明は、同軸ケーブルの先端に接続され、相手方レセプタクルに 着脱自在な同軸コネクタ及び測定用プローブに有用であり、特に、簡単な構成から なり、相手方レセプタクルへの装着 Z離脱が容易で、繰り返しの使用に耐え得る点で 優れている。