明 細 書
光学的情報記録用媒体及び光記録方法 技術分野
本発明は、 書換え可能な DVDなど、 相変化型記録層を有する高密度記録用の 光記録媒体及び光記録方法に関わり、 特に、 1ビームオーバ一ライト時における 線速度依存性および記録パワー依存性と、 記録マークの経時安定性の改善された 光記録媒体及び光記録方法に関する。 背景技術
一般にコンパクトディスク (CD) や DVDは、 凹ピットの底部及び鏡面部か らの反射光の干渉により生じる反射率変化を利用して 2値信号の記録及びトラッ キング信号の検出が行われている。
近年、 CDと互換性のある媒体として、 相変化型の書換え可能なコンパクトデ イスク (CD— RW、 CD-R ew r i t a b 1 e) が広く使用されつつある。 また、 DVDについても、 相変化型の書換え可能な DVDが各種提案されている。 これら相変化型の書換え可能な CD及び DVDは、 非晶質と結晶状態の屈折率 差によって生じる反射率差および位相差変化を利用して記録情報信号の検出を行 う。 通常の相変化媒体は、 基板上に下部保護層、 相変化型記録層、 上部保護層、 反射層を設けた構造を有し、 これら層の多重干渉を利用して反射率差および位相 差を制御し CDや DVDと互換性を持たせることができる。
CD— RWにおいては、 反射率を 15〜25 %に落とした範囲内では CDと記 録信号及び溝信号の互換性が確保でき、 反射率の低いことをカバ一する増幅系を 付加した CDドライブでは再生が可能である。
なお、 相変化型記録媒体は消去と再記録過程を 1つの集束光ビームの強度変調 のみによって行うことができるため、 CD— RWや書換え可能 DVD等の相変化 型記録媒体において記録とは、 記録と消去を同時に行うオーバーライト記録を含
む。
相変化を利用した情報の記録には、 結晶、 非晶質、 又はそれらの混合状態を用 いることができ、 複数の結晶相を用いることもできるが、 現在実用化されている 書換可能相変化型記録媒体は、 未記録 '消去状態を結晶状態とし、 非晶質のマー クを形成して記録するのが一般的である。 記録層の材料としてはいずれもカルコ ゲン元素、 即ち S、 S e、 Teを含むカルコゲナイド系合金を用いることが多い。 例えば、 GeTe— S b2Te3疑似二元合金を主成分とする Ge SbTe系、 I nTe-S b 2 T e 3疑似二元合金を主成分とする I n S bTe系、 S b o. 7Te o. 3を共晶系を主成分とする A g I n S bTe系合金、 Ge S nTe系などである. このうち、 GeTe— S b2Te 3疑似二元合金に過剰の S bを添加した系、 特 に、 Ge!S b2Te4、 もしくは G e 2 S b 2T e 5などの金属間化合物近傍組成が 主に実用化されている。
これら組成は、 金属間化合物特有の、 相分離を伴わない結晶化を特徴とし結晶 成長速度が速いため、 初期化が容易で、 消去時の再結晶化速度が速い。 このため 従来より、 実用的なオーバ一ライト特性を示す記録層としては、 疑似二元合金系 や金属間化合物近傍組成が注目されていた (文献 Jpn. J. Appl. Phys., vol.69(1991), p2849、 あるいは SPIE, Vol.2514 (1995), PP294-301等) 。
しかし一方、 これら組成においては、 準安定な正方晶系の結晶粒が成長する。 この結晶粒は粒界が明確であり、 かつ大きさが不揃いで、 その方位により光学異 方性が顕著なため、 光学的なホワイトノイズを生起しやすいという問題がある。 そして、 このような粒径及び光学特性の異なる結晶粒は、 非晶質マークの周囲 に成長しやすいために、 マークのジッ夕が増加しやすく、 或いは、 周囲の結晶と は光学特性が異なるため、 消え残りとして検出されやすかつた。
このため、 高線速での記録や、 高密度のマーク長変調記録においては、 良好な 再生特性が得られないという問題があった。 具体的には、 書換え型 DVDの規格 では最短マーク長が 0. であるが、 より最短マーク長を縮めていくと、 急 激にジッタが増加することが判明した。
ところで、 ジッ夕の改善策として、 いわゆる吸収率補正がある。 従来の 4層構 成では、 通常、 記録層の吸収する光エネルギーは、 反射率の高い結晶状態で吸収 する光エネルギー A cが、 反射率の低い非晶質状態で吸収する光エネルギー A a より小さい (Acぐ Aa) 。 このためオーバ一ライト時に、 元の状態が結晶状態 であったか非晶質状態であったかにより、 新しい記録マークの形状等が変わって しまいジッ夕が増加するという問題がある。
これを、 結晶状態と非晶質状態の光エネルギーの吸収効率をほぼ同じようにし、 元の状態によらずマーク形状を安定させ、 これによりジッ夕を低減するのである。 さらには、 結晶は溶融時に潜熱の分だけ余分に熱が必要なため、 結晶状態のほう がより光エネルギーを吸収するようにするのが好ましい (Ac>Aa) 。
この関係を達成するには、 光吸収性の層を少なくとも 1層追加して 5層以上の 構成とし、 非晶質状態における光吸収の一部をこの吸収層で奪う方法がある。 例 えば、 Auや S iなどの吸収層を下部保護層と基板の間や上部保護層上に挿入す る (J n. J. Appl. Phys. , vol.37(1998), pp3339- 3342、 J n. L. Ap l. Phys. , Vol.37(1 998), pp2516-2520) 。
しかしながら、 このような層構成は、 吸収層の耐熱性や密着性に問題があり、 繰返しオーバーライトすると微視的変形や剥離などの劣化が顕著である。 また、 剥離等を生じやすいために経時安定性もそこねてしまう。
すなわち、 従来の 4層構成を維持しながら高密度化を達成することは、 GeT e— S b2Te 3疑似二元合金記録層では困難であった。
しかも、 06丁6—31^2丁63疑似ニ元合金記録層では、 複屈折率が短波長ほ ど実部が小さく虚部が大きくなるという波長依存性があるため、 特に、 短波長レ 一ザ一光を光源として用いた場合には、 A c>A aなる条件を達成しにくい。 そこで近年、 記録層材料として、 Ag I n S bTe四元系合金が使用されつつ ある。 Ag i n S bTe四元系合金は 40 d Bにも及ぶ高消去比が得られること が特徴であり、 従来の 4層構成で、 吸収率補正をすることなく、 高線速で高密度 のマーク長変調記録が行える。
ただし、 高速記録が行えることは、 通常、 結晶化速度が速く消去しやすいこと を意味するため、 非晶質マークも結晶化されやすく、 記録されたマークの経時安 定性が悪い場合が多い。
さて、 近年、 情報量が増大し、 記録時間の短縮や情報転送の高速化のために、 最近ではより高速で記録再生可能な媒体が求められている。 例えば CDの標準速 度 (1倍速) は 1. 2〜1. 4mZsであるが、 4倍速での記録が可能な CD— RWが商品化され、 さらに 8倍速、 10倍速での記録が可能な CD— RWが求め られている。
—方、 書換え可能な DVDとしては、 DVD— RAM、 DVD + RW, DVD 一 RWなど各種のものが提案あるいは商品化されている。 しかしながら、 再生専 用の DVDと同等の容量である 4. 7 GBの書換え可能な DVDは未だ実用化さ れていない。
つまり、 短いマークを高速で記録でき、 かつマークの安定性のよい媒体が求め られている。
しかし、 従来、 高速記録とマーク安定性は相反する性質と考えられ、 この両方 を同時に満たすことは困難と考えられてきた。
本発明者らは、 結晶化、 非晶質化の原理について研究を重ねた結果、 これらの 特性全てを同時に満たす画期的な媒体を見いだした。
すなわち、 本発明においては、 短いマークが高速で良好に記録でき、 かつ、 マ ーク安定性のよい光記録媒体及びそれに適した光記録方法を提供することを目的 とする。 発明の開示
本発明の第一の要旨は、 基板上に少なくとも相変化型記録層を有し、 結晶部を未記録 ·消去状態とし非晶質部を記録状態とし、 最短マーク長 0. 5 μπι以下の複数の記録マーク長により情報を記録するための光学的情報記録用媒 体であって、
消去が、 非晶質部又は溶融部と、 周辺結晶部との境界からの結晶成長によって 実質的に進行する再結晶化により行われることを特徴とする光学的情報記録用媒 体に存する。
本発明の第二の要旨は、 基板上に、 G e S b T eを主成分とする薄膜から なる相変化型記録層を有し、
該記録層の結晶部を未記録 ·消去状態とし非晶質部を記録状態とし、 最短 ク長 0. 5 m以下の複数の記録マーク長により情報を記録するための光学的情 報記録用媒体であって、
該媒体は、 一定線速度で、 記録層を溶融させるに足る記録 'ヮ— P wの記録光 を連続的に照射すると概ね結晶化され、
一定線速度で、 記録層を溶融させるに足る記録 ヾヮ一 P wの記録光を照射した のち遮断すると非晶質マークが形成されることを特徴とする光学的情報記録用媒 体に存する。
本発明の第三の要旨は、 基板上に、 記録再生光の入射方向から順に、 第 1保護 層、 相変化型記録層、 第 2保護層、 反射層、 を設けてなり、
該記録層の結晶部を未記録 ·消去状態とし非晶質部を記録状態とし、 最短 ク長 0. 5 m以下の複数の記録マーク長により情報を記録するための光学的情 報記録用媒体であって、
相変化型記録層は膜厚が 5 n m以上 2 5 n m以下で、 G e S b T e三元状態図 において、
( S b o. r T e o と G eを結ぶ直線 A
( Ια e 0. 03 S b 68 Γ e 0. 2.j) と ( S b。. 95 υ e o. 。 5) を辛百ぶ直! ¾B
( S b o. 9 G e o ) と ( T e n. 9 G e。. 1 ) を結ぶ直 HC、 及び
( S b o. s T e o :) と G eを結ぶ直線 D
の 4本の直線で囲まれた領域 (ただし、 境界線上を含まない) の組成を有する G e S b T e合金を主成分とする薄膜からなり、
第 2保護層は膜厚が 5 nm以上 3 0 n m以下である
ことを特徴とする光学的情報記録用媒体に存する。
本発明の他の要旨は、 上記媒体と併せ用いるに好ましい光記録方法に存する。 図面の簡単な説明
第 1図は、 非晶質マーク形状の例を示す図である。
第 2図は、 本発明の一例の媒体に記録を行った場合の反射率変化を示す図であ る。
第 3図は、 本発明の媒体の記録層の組成範囲を示す G e S b T e三元状態図で ある。
第 4図は、 従来の G e S b T e組成の範囲を示す G e S b T e三元状態図であ る。
第 5図は、 本発明の媒体の層構成の一例を示す模式図である。
第 6図は、 信号強度と信号振幅、 変調度の関係を示すための信号波形図である。 第 7図は、 反射率の第 1保護層膜厚依存性を説明するためのグラフである。 第 8図は、 パワー 3値変調記録方式の、 パルス分割方法の一例を示す図である。 第 9図は、 記録層の温度の時間変化を説明するための模式図である。
第 1 0図は、 マーク長変調記録に適したパワー 3値変調記録方式の、 パルス分 割方法の一例を示す図である。
第 1 1図は、 第 1 0図のパルス分割方法を実現するための、 3種のゲート発生 回路のタイミングを説明する概念図である。
第 1 2図は、 実施例 1及び比較例 1におけるジッターの再生光パワー依存性を 示すグラフである。
第 1 3図は、 実施例 1におけるジッタの記録パルス分割方法依存性を示すダラ フである。
第 1 4図は、 実施例 1におけるジッタの記録パルス分割方法依存性を示すグラ フである。
第 1 5図は、 実施例 2におけるジッター、 反射率及び変調度の記録パワー依存
性を示すグラフである。
第 1 6図は、 実施例 2におけるジッター、 反射率及び変調度の、 繰返しオーバ 一ライ卜回数依存性を示すグラフである。
第 1 7図は、 実施例 2 ( g 1 ) 及び実施例 2 ( d 2 ) におけるジッターのマ一 ク長依存性を示すグラフである。
第 1 8図は、 実施例 2におけるジッターの基板のチル卜角依存性を示すグラフ である。
第 1 9図は、 実施例 4における 1 0回オーバ一ライト後のジッターのひ!及び α 依存性を示すグラフである。
第 2 0図は、 実施例 4におけるジッター、 R t 0 ρ及び変調度の繰返しオーバ 一ライト回数依存性を示すグラフである。
第 2 1図は、 (a ) 実施例 6におけるジッターのパルス分割方法依存性、 (b ) ジッターの書込みパワー依存性、 並びに (c ) 1 0回オーバ一ライト後の R t o P及び変調度の書込みパワー依存性を示すグラフである。
第 2 2図は、 実施例 6におけるジッター、 R t o p及び変調度の繰返しオーバ —ライト回数依存性を示すグラフである。
第 2 3図は、 実施例 6におけるジッターのマーク長依存性を示すグラフである。 第 2 4図は、 (a ) 比較例 2におけるジッターのパルス分割方法依存性、 (b ) ジッターの書込みパワー依存性、 並びに (c ) 1 0回オーバ一ライト後の R t o P及び変調度の書込みパワー依存性を示すグラフである。
第 2 5図は、 比較例 3で用いた記録方法のパルス分割方法を示す図である。 第 2 6図は、 比較例 3におけるジッターのマーク長依存性及び線速依存性を示 すグラフである。
第 2 7図は、 比較例 6におけるジッターの P w及び P e依存性を示すグラフで ある。
第 2 8図は、 実施例 8におけるジッターの最短マーク長依存性を示すグラフで ある。
S
第 2 9図 、 実施例 1 0及び比較例 Sにおけるジッターの P w依存性を示すグ ラフである。
第 3 0図は、 デジタルデータ信号とゥォブル波形の関係を説明する図である。 第 3 1図は、 デジタルデータ信号によりゥォブル波形を変調させる機構を説明 する図である。
第 3 2図は、 実施例 1 1における変調度と R t 0 pの溝幅依存性を示すグラフ である。 発明の詳細な説明
本発明者らは、 結晶状態を未記録 ·消去状態、 非晶質状態を記録状態とする相 変化媒体において、 消去が、 非晶質部又は溶融部と、 周辺結晶部との境界からの 結晶成長によって実質的に進行する再結晶化により行われるような媒体が、 高速 かつ高密度で安定な記録を行うことができることを見いだした。 つまり、 高速で オーバーライ トすることができ、 マークエッジのジッ夕が小さい、 高密度のマー ク長変調記録を行うことができ、 形成されたマークの経時安定性が非常に良好で ある。
一般に、 非晶質マークの消去過程は、 記録層を結晶化温度以上融点近傍以下に 加熱し、 非晶質固相状態又は溶融状態としたのち、 冷却するときに再結晶化する ことによって起こる。
本発明者らの研究によれば、 非晶質マークの消去、 すなわち再結晶化は、 ( 1 ) 非晶質領域内の結晶核生成と、 (2 ) 非晶質部又は溶融部と、 結晶部との 境界を起点とする結晶成長、 の 2つのプロセスによって進行する力5'、 前者の結晶 核生成がほとんど起こらないようにし、 実質的に、 後者の結晶成長プロセスのみ を利用することで、 上記のような効果が得られることが分かつた。
通常、 結晶化は結晶化温度以上融点近傍以下で進行する力 \ 結晶核生成はその 温度範囲内でも比較的低温側、 結晶成長は高温側で進行する。 結晶核生成がなけ れば消去ができないというわけではなく、 非晶質部又は溶融部を囲む周辺結晶領
域との境界点を核として結晶成長が高速で進めば消去は可能である。
特に、 微小なマークあるいは短いマークほど、 このような周辺結晶部からの結 晶成長のみによってマーク中心まで瞬時に結晶化されやすいため、 極めて短時間 で完全に消去することができる。 従って、 最短マーク長が 0 . 5 /z m以下という 微小なマークを用いる高密度記録媒体においてこそ、 効果が顕著であり、 1 0 0 ナノ秒オーダー以下で消去ができ、 高速でのオーバ一ライ卜が可能である。
なお、 最短マーク長は、 一般に、 短いほど高密度記録ができるが、 マークの安 定性の面からは、 1 0 n m以上が好ましい。
また、 マークの横幅が狭いほど、 やはり周辺結晶部からの結晶成長のみによつ てマーク中心まで瞬時に結晶化されやすく好ましい。 従って、 情報を記録するト ラックのトラックピッチは、 例えば 0 . 8 m以下とし、 マークが横に広がらな いようにするのが好ましい。 通常、 マーク横幅はトラックピッチの半分程度とな る。 なお、 トラックピッチは、 一般に、 狭いほど高密度記録ができるが、 マーク の安定性の面からは、 0 . 1 / m以上が好ましい。 トラックは溝のみであっても、 溝とランドの両方であってもよい。
本発明の媒体は非晶質マークの^時安定性にも優れる。
すなわち、 周辺結晶部からの結晶成長は、 結晶化温度以上融点近傍以下のなか でも、 融点に近い比較的高温域のみで進行し、 低温では殆ど進行しないので、 一 旦形成された非晶質マークは結晶化されにくく、 経時安定性に優れる。 結晶化温 は通常 1 0 0で〜 2 0 0での範囲であるが、 この温度程度までは熱的安定性が維 持できる。
特に、 1 0 o :未満の通常の使用範囲では、 記録された非晶質マークは極めて 安定で、 記録済み信号の振幅はほとんど劣化しない。 逆に、 そのような経時安定 性から結晶核生成をほとんど伴わないことも結論できる。
さらに、 本発明の媒体は、 マーク長記録において、 極めて揺らぎの少ない、 ス ムースなマークエツジを形成できるという利点がある。
一般に、 非晶質マークを記録する際には、 記録層を一旦溶融し再凝固させ非晶
質とするが、 マーク辺緣部は中心に比べ低温であるため、 従来は、 マ一ク辺緣部 では結晶核成長による再結晶化が起こりやすく、 非晶質の混在した粗大グレイン が生じ、 マークエッジゆらぎの原因となっていた。
本発明媒体は、 消去時に、 非晶質部又は溶融部と、 結晶部との境界からの結晶 成長が支配的で、 かつ高速であるということは、 記録時にも同様の原理がはたら き、 溶融領域が再凝固し非晶質化する際にも、 周辺結晶部からの結晶成長のみが 起こり、 結晶核成長による結晶化は起こりにくくマークエッジがゆらぎにくいと いう特徴がある。
すなわち、 周辺結晶部からの結晶成長は、 結晶化温度以上融点近傍以下のなか でも、 融点に近い比較的高温域のみで進行し、 低温では殆ど進行しないので、 溶 融状態からの再凝固時に、 温度が低下して融点を通過する時点の冷却速度のみに よって、 非晶質マークの境界形状が決まる。
そして、 従来問題であった、 再凝固時に起きる結晶核成長による非晶質の混在 した粗大グレインが非晶質マーク周辺にほとんど全く形成されないのである。 こ れは、 マークエツジのゆらぎによるノィズ抑制に極めて効果的であることが分か つた。
さらにまた、 マークエッジ形状も経時的に変化することなく安定なので、 初期 ジッタが小さいだけでなく、 ジッ夕の経時劣化もほとんどない。
本発明の結晶化の原理についてより詳細に説明する。
本媒体においては、 非晶質マークと周辺結晶部との境界部が結晶成長の核とな るのであって、 非晶質マーク内部ではほとんど結晶核が発生しない。 従って、 マ ーク境界部からのみ結晶が成長する。
一方、 従来の G e T e— S b 2 T e 3系の記録層は、 非晶質マーク内に結晶核が ランダムに生成し、 それが成長して結晶化が進む。
両者の結晶化過程の差は、 透過電子顕微鏡で確認できる。 非晶質マーク形成後 の両記録層に、 比較的低いパワーの消去光を直流的に照射すると、 G e T e— S b 2 T e 3系の記録層は、 温度が高くなる非晶質マーク中央部から結晶化が進むの
が観察されるのに対し、 本発明記録層では、 非晶質マーク周辺部から結晶成長し ているのが観察される。 特に、 非晶質マークの前端及び後端からの結晶成長が著 しい。
このような原理で消去が行われる記録層組成は、 S b。.7T e。. 共晶点近傍組 成に、 過剰の S bと 20原子%程度までの他元素を添加した合金系に多く見いだ される。 すなわち、 My (S xT e !-x) x-y (0. 6≤x≤0. 9、 0<y≤0. 2、 Mは Ga、 Zn、 Ge、 Sn、 S i、 Cu、 Au、 A l、 Pd、 P t、 Pb、 C r、 Co、 0、 S、 S e、 Ta、 Nb、 Vのうちの少なくとも 1種) 合金を主 成分とする薄膜である。
S bo.7Τ e 3に過剰の S bを含む合金は、 非晶質マーク周辺部の結晶からの 結晶成長が、 GeTe— Sb2Te 3擬似二元合金系と比べて著しく大きいため、 高線速でのオーバーライトが可能という特徴を有する。 過剰の Sbは、 非晶質マ —ク内のランダムな結晶核生成及び結晶核成長を促進するのではなく、 周辺結晶 部からの結晶成長速度を大幅に増大する。
但し、 SbTe二元合金では、 結晶核生成も少なからず起こるため、 非晶質マ -クの経時安定性が極めて悪く、 適当な元素を添加する必要がある。
本発明者らの検討によれば、 Geの添加は、 結晶核生成の抑制に極めて効果的 である。
さて、 非晶質マークの再結晶化が、 実質的に周辺結晶部からの再結晶化のみに 支配されているかどうかは、 経時安定性の評価から間接的に知ることができる。 具体的な評価方法としては、 高温高湿下の加速環境試験を行ったときの、 再生 信号の変調度を測定する方法が挙げられる。
すなわち、 最短マーク長 0. 5 m以下の複数のマーク長により信号を記録し たとき、 記録直後に再生した信号の変調度を M。とし、
記録後、 80で 80 %RHの条件下で 1000時間経過ののち再'生した信号の 変調度を とすると、 下記式の関係を満たす。
Mi/M。 ≥ 0. 9
12
マーク長変調方式は限定されず、 EFM変調、 EFMプラス変調、 (1, 7) RLL - NRZ I (run length Umited— return to zero inverted) 変調な どを用いることができるが、 第 6図に示すようなランダム信号を、 最短マーク長 を 0. 5 m以下として記録する。 本評価の際には、 最短マーク長は 0.
程度以上とするのが好ましい。 なお、 全ての評価条件において上記式を満たす必 要はなく、 一つの評価条件において上記式を満たせばよい。
一例としては、 最短マーク長 0. 4 ^ mの複数のマーク長により、 EFMプラ ス変調方式のランダム信号を記録する。
変調度は、 その変調方式の最長マークの信号振幅をトップの信号強度で規格化 したものである。 第 6図に E FMプラス変調されたランダム信号を記録し再生し たときの DC再生信号 (直流成分を含む再生信号) の波形を示す。 変調度は、 1 4Tマークのトップの信号強度 I t。。と信号振幅 I Hとの比 I 14Z I t。。として定 義される。
変調度が不変であれば、 非晶質マークサイズは十分安定であると判断できる。 加速試験前に記録したランダム信号の変調度が、 加速試験後にも初期の値の 90 %以上を保っていれば、 結晶核生成を実質的に伴わないことが推定できる。
本発明の記録層では、 周辺結晶部からの結晶成長は融点直下の高温領域で起こ りやすいため、 非晶質マーク形成のために記録層を溶融し再凝固させる時にも、 周辺結晶部から結晶成長が起こり得る。 従って、 溶融後の冷却速度が遅く非晶質 として固化するに必要な臨界冷却速度に達しない場合、 溶融領域全体がほとんど 瞬時に再結晶化してしまう。
これは以下の実験により確認できる。
記録再生光を案内する溝を設けた 0. 6 mm厚のポリカーボネート基板上に、 (Z n S) 8 S i 02) 2。第 1保護層を膜厚 68 nm、 G e o. os S b o. τ ιΤ β ο. 24記録層を膜厚 18 nm、 Z n S) 8 S i〇2 2。第 2保護層を膜厚 20 nm、 A 1 .995 T a。.。。5反射層を膜厚 250 nm、 この順に設け、 さらに紫外線硬化 樹脂保護層を膜厚 4 /zm設けた。 これら 2枚を、 記録層のある側を内側にしてホ
ッ卜メルト接着剤で貼合せて光記録媒体とした。 本記録層組成は、 線速約 7mZ s以上でオーバーライト可能とすべく S bZTe^Sとした。 本媒体に、 長径約 100 /zm、 短径約 1. 5 mの楕円レーザー光を、 短軸方向に走査して溶融再 結晶化して初期化した。
本媒体に、 波長 637 nm、 NA=0. 63の集束光を、 案内溝に従って線速 7m/sで照射した。 記録パワー Pwが 1 OmWの記録光を直流的に照射したの ち、 パワーを急激に落とし ImWとした。 即ち、 実質的に記録光を遮断した。 な お、 ビーム径は約 0. 9 mで、 ガウシアンビームでエネルギー強度がピーク強 度の 1/e 2以上となる領域に相当する。
第 2図に、 記録光を遮断した前後での反射率変化を示す。 第 2図の下段のごと く、 時間の経過に従って、 記録光を遮断した。 第 2図下段の左側で記録光が連続 的に、 すなわち直流的に照射され、 右側では遮断されている。 同じ領域を、 再生 パワー 1. OmWの再生光で走査したところ、 第 2図上段のような再生波形が得 られた。 これは反射率変化に対応している。
記録光を瞬間的に遮断した付近で反射率が低下しており、 その前後では反射率 はほぼ同じである。 TEM観察により、 反射率低下部は非晶質となっており、 そ の前後では結晶であることが確認された。 すなわち、 記録光を連続的に照射して いる限りは溶融部は再結晶化してしまい、 記録光を遮断した部分の近辺の溶融頜 域だけが非晶質化する。
これは、 記録光を連統的に照射した場合には、 後続部分からの余熱により記録 層の冷却速度が抑制され、 非晶質形成に必要な臨界冷却速度が得られないのに対 して、 記録光を一旦、 遮断することで、 後続部分からの余熱を遮断し、 冷却速度 を上げることができるからである。
なお、 記録パワー Pwを 7mW以上としたとき、 記録光の遮断によって、 非晶 質マークが形成されていた。
検討の結果、 本発明の媒体は、 一定線速度で、 記録層を溶融させるに足る記録 パワー Pwの記録光を連続的に照射すると概ね再結晶化され、 一定線速度で、 記
録層を溶融させるに足る記録パワー P wの記録光に続けて、 パワーがほぼ 0の記 録光を照射すると非晶質マークが形成されることが分かつた。 パヮ一がほぼ 0と は、 厳密に 0である必要はなく、 0≤P b≤0 . 2 P wなるバイアスパワー P b、 より好ましくは 0≤P b≤0 . 1 P wなるバイアスパワー P bとすることである。 本発明においては、 溶融部の再凝固時の再結晶化は、 ほとんど、 周辺の固相結 晶部からの結晶成長によってのみ起こる。 従って再結晶化部は非晶質マークの中 心部には形成されないため、 なめらかで連続的なマークエッジが形成される。 従来、 このように著しく再結晶化しやすい材料は、 マーク長記録用の記録層に 適さないと考えられてきた。 なぜなら、 長マークを形成するために記録光を長く 照射すると、 溶融領域のほとんどは結晶化してしまうからである。
しかし、 本発明者らの検討によれば、 最短マーク長 0 . 5 /z m未満という高密 度記録においては、 溶融領域の非晶質化と、 周辺の固相結晶部の境界からの再結 晶化との競合過程を積極的に用いたほうが、 良好なジッ夕を得ることができる。 そのために、 後述のごとく長さ n Tのマークの形成に、 記録パワー P w印加区 間とその遮断区間、 即ちバイアスパワー P b印加区間を組み合わせた、 パルス分 割方式が極めて有効であることを見いだしたのである。
パルス分割方式により記録すると、 第 1図のように、 矢羽型 (もしくは三日月 型) の非晶質部が連なって非晶質マークが形成される。
該マークの始端の形状は先頭の矢羽型非晶質部の始端の形状によって、 該マ一 クの後端の形状は最後端の矢羽型非晶質部の後端の形状によってのみ定まる。 通常、 非晶質部の始端形状はなめらかであるから、 マーク始端形状もなめらか である。 前方への熱の逃げにより冷却速度は十分高く保たれるから、 ほぼ溶融領 域先端の形状を反映し、 従って記録パルスの立上がり時間により支配されるから である。 記録パルス、 即ち P w印加区間の立上がりは、 2〜 3ナノ秒以下であれ ばよい。
一方、 非晶質部の後端形状は、 記録パルスの立下がり時間で決まる冷却速度と、 周辺、 特に後端の結晶部から進行する再結晶化領域の大きさとによって定まる。
冷却速度を十分高くするためには、 Pw印加区間の立下がりは、 2〜3ナノ秒以 下が望ましい。 再結晶化領域の大きさは、 オフパルス、 即ち Pb印加区間の長さ により正確に制御できる。
さらに、 層構成として前述の超急冷構造を適用して、 記録層の冷却速度をでき るだけ急峻にするとともに、 冷却速度の空間分布をマーク後端付近で急峻になる ようにして、 マーク端部の位置がゆらがないようにすることも重要である さて、 本発明者らは、 短マークを高速で記録でき、 かつ記録マークの経時安定 性に優れた光記録媒体について鋭意検討の結果、 S b。.7T e。.3共晶組成近傍に G eを添加した特定組成が特に優れることを見出すとともに、 層構成を適切に選 ぶことにより、 他の特性にも優れた光記録媒体を得た。
すなわち、 S b。.7Te。.3に過剰の S b及び Geを加えた従来にない三元合金 に着目し、 高密度なマーク長変調記録への適性を検討した。 その結果、 第 3図に 示す Ge S bTe三元状態図において、 4本の直線 A、 B、 C、 Dに囲まれた、 極めて限定的な Ge— S b— Te比の記録層組成を用いた媒体が、 高密度なマー ク長変調記録において、 繰返しオーバーライト耐久性と経時安定性に特に優れる ことを見いだしたものである。
すなわち、 Ge S bTe三元状態図において、
(S bo. rTeo.3) と Geを結ぶ直線 A、
(Geo.03 S bo.68 T e o.29) と ( S b。. ssG e。.。s) を結ふ 線 B、 (S bo.9Geo.1) と (Te。.9Geo. >) を結ぶ直線 C、 及び
(Sbo. aTeo.2) と Geを結ぶ直線 D
の 4本の直線で囲まれた領域 (ただし、 境界線上を含まない) の組成を有する Ge S bTe合金を主成分とする薄膜を記録層とする。 この記録層に後述の層構 成を用いることにより、 最短マーク長 0. 5 m以下の高密度マーク長変調記録 に非常に適した媒体となるのである。 そして、 DVDと同等の記録密度と DVD との優れた再生互換性を得ることができる。
かつ、 繰り返しオーバーライト耐久性や、 記録パワー '消去パワーの変動に対
して良好なジッ夕が得られるマ一ジンを広く確保できる。
この組成範囲内では、 S byT eい y合金において y = 0. 7より S b量が多い ほど、 過剰の Sb量が増え、 結晶化速度が速く高線速でのオーバ一ライトが可能 になる。
より具体的には、 EFMプラス変調記録 (8— 16変調のマーク長変調記録) において、 最短マークである 3Tマークの長さを 0. 4 / mあるいは 0. 35 / m程度まで短縮しても、 良好なジッタが得られる。 また、 十分なサーポ信号が得 られ、 既存の再生専用 D VDドライブでトラッキングサーボをかけることができ る。 さらに、 線速 1〜 1 OmZsのいずれかの線速度でオーバ一ライト可能であ る。
これにより、 再生専用 DVDと同容量でほぼ再生互換性のある書換え型 DVD を得ることができる。
過剰な S b量を制御すれば、 さらに、 8m s以上の高線速で、 上記のような 高品質、 高密度のオーバーライトが可能である。 また、 記録パルス分割方法 (パ ルスストラテジー) を後述のように線速に応じて変化させることで、 少なくとも 3〜 8m/ sを含む広い線速範囲において良好なオーバ一ライトが可能になる。 本組成について、 以下に詳細に説明する。
Ge添加量が 10原子%以下の S b。.7T e。.3共晶点近傍組成では、 S bZT e比が大きいほど結晶化速度が速くなる傾向がある。 これは、 Sb。.7Te。.3よ り過剰の S bは S bクラスタとして析出し再結晶化過程において結晶核として働 くからである。 そして、 S b。.7Te0.3より過剰の S bがない場合は消去性能が 不十分で実質的にオーバ一ライ卜不可能である。 また、 初期化時に核生成がほと んどないため、 初期化が困難で生産性が非常に悪いという問題もある (直線 A) 。
—方、 S bo. 7Te。.3共晶ニ元合金で S b量を増やしていくと、 結晶化速度が 速くなるのと引き替えに、 結晶化温度も低下し、 非晶質マークの経時安定性を損 ねてしまう。 また、 3mZs前後の低線速での記録に適さないし、 形成された非 晶質マークが短時間の再生光 (レーザーパワー約 lmW程度) 照射で消えてしま
う。 従って、 (Sb。.8Te。.2) と Geを結ぶ直線 Dよりも過剰の S bは含まれ るべきではない。
また、 直線 Aと Dで規定された過剰の S b量の範囲においては、 S bTe二元 のままでは、 結晶化温度が低いうえに過剰 S bの結晶核が存在して非晶質マーク が不安定になりすぎるため、 過剰 S b量が多いほど G eを添加する。 Geの 4配 位結合により、 結晶核生成をほぼ完全に抑制する。 結果として結晶化温度は上昇 し、 経時安定性が増す。 (Geo.03S bo.68Te。.29) と ( S b 0.95 G e 0. os) を結ぶ直線 Bはこの条件を規定している。 より好ましくは、 (Ge。.。3S b。.68 T e o.29) と (Sbo. sGeo. ,) を結ぶ直線 B' より多く Geを含ませる。
さらには、 Ge含有量が 10原子%以上となるとマーク長記録時のジッ夕が悪 化するし、 繰返しオーバ一ライトによって高融点の Ge化合物、 とくに GeTe が偏析しゃすくなる。 また、 成膜直後の非晶質膜の結晶化が極めて困難になるの で好ましくない (直線 C) 。 ジッ夕を低減するために、 より好ましくは Geは 7. 5原子%以下とする。
なお、 線速度 3mZs以上でオーバ一ライトするには、 記録層を Gex (S y Te!- y) !-x合金を主成分とする薄膜 (0. 04≤x<0. 10、 0. 72≤y <0. 8) とするのが好ましい。 すなわち、 線速度 3 m/ s以上での記録には、 S b量を多くし、 S byTeい y合金において y≥0. 72とするのが好ましい。 ただし、 S b量を多くすることにより非晶質マークの安定性が若干悪化するため、 これを補うのに x≥0. 04と Geを多めにするのが好ましい。
さらには、 線速度 7 m/ s以上でオーバ一ライトするには、 記録層を Gex (S byTe !-y) い 合金を主成分とする薄膜 (0. 045≤x≤ 0. 075、 0. 7 4≤y<0. 8) とするのが好ましい。 すなわち、 線速度 7 mZs以上での記録 には、 Sb量をさらに多くし、 S byT e !-y合金において y≥0. 74とするの が好ましい。 このとき、 非晶質マークの安定性を上げるため、 06量は ≥0. 045とする。 一方、 高線速ではジッ夕が悪化しやすいため、 これを補うために Ge量は x≤ 0. 075とする。
さて、 従来より Ge S bTe三元組成、 もしくはこの三元組成を母体として添 加元素を含有する記録層組成に関して報告がなされている (特開昭 6 1 - 258 787号公報、 同 62— 53886号公報、 同 62— 1 52786号公報、 特開 平 1一 63 1 95号公報、 同 1— 2 1 1249号公報、 同 1一 277338号公 報) 。
しかしながら、 これらに記載された組成はいずれも、 (S b。.7Te。.3) と G eを結ぶ直線 Aより S bプアな組成であり、 本発明組成範囲とは異なる。
これらはむしろ、 S b2T e 3金属化合物組成を主体としている。 また、 GeT e— S b2Te3擬似二元合金系では、 本発明とは逆に、 過剰の S bは結晶化速度 を遅らせるという効果があるため、 5 mZs以上の高線速でオーバ一ライトする 場合には、 Ge Te— S b2Te 3の直線上、 特に G e 2 S b 2T e 5組成に、 過剰の S bを含ませることはむしろ有害である。
過剰な S bを含む S b。. ;T e 0.3近傍で Geを含む第 3元素を選択的に加えた 組成としては、 特開平 1一 100745号公報 (第 4図 (a) 組成範囲 、 特 開平 1一 303643号公報 (第 4図 (a) 組成範囲 3) に記載されたものがあ る。
しかしながら、 特開平 1— 1 00745号公報は、 母体組成である S b e において 0. 10≤x 0. 80と極めて広範囲であり、 S b。.7T e。.3より S b過剰な領域のみを利用することで、 高密度記録において繰返しオーバ一ライト 耐久性と経時安定性に優れるという本願思想は見られない。
特開平 1一 303643号公報は、 本願のごとき高密度記録において S bが直 線 Dを超えて過剰に含まれると非晶質マークの経時安定性が損なわれるとの弊害 について触れられていない。 また、 いずれの公報も G eが直線 Cを超えて過剰に 含まれることの弊害については触れていない。
また、 本発明の記録層組成と一部重複する組成としては、 第 4図 (b) に示さ れるように、 特開平 1一 1 1 568 5号公報 (組成範囲ァ) 、 同 1— 2 5 134 2号公報 (組成範囲 (5) 、 同 3— 7 1 88 7号公報 (組成範囲 ε ) 及び同 4一 2
8 5 8 7号公報 (組成範囲 7? ) に記載されたものがある。
特開平 1一 1 1 5 6 8 5号公報は、 組成範囲 rを母体として A u、 P dを添加 するものであるが、 低密度記録を目的とし、 本発明組成とは直線 A及び直線 Bに より実質的に区別されている。 該公報の組成は、 マーク長約 1 . l ^ mに相当す る低密度での記録 (線速 4 mZ s、 周波数 1 . 7 5 MH z、 デューティ一 5 0 % の方形波) と D C消去に適したものであるため、 短マークを含む高密度記録を目 的とする本発明の組成とは、 適する組成が異なると考えられる。
特開平 1— 2 5 1 3 4 2号公報の組成範囲 δは、 S b。. 7 T e。. 3共晶に G eを 約 1 0原子%以上添加した系を主体とする、 極めて G eリッチな G e S b T e系 であり、 本発明組成とは直線 Cによって実質的に区別されている。 組成範囲 <5の うち G eが 1 0原子%より多く含まれる組成では、 前述のように結晶化速度が遅 く、 特に成膜後の記録層を結晶化させる初期化操作が困難であるために、 生産性 が低く実用に供されないという深刻な問題がある。 該公報においては、 この結晶 化速度の問題を克服するために、 結晶核となる A u、 P dを別途添加しているが、 本発明のように直線 Cより G eが少ない領域では、 そのような必要はない。
また、 該公報においては、 G eの量が 1 0原子%より少ないと記録部と非記録 部で十分な光量変化が得られないと記載されているが、 本発明においては、 保護 層や反射層を含む層構成を工夫することによって、 変調度 6 0 %以上という非常 に大きな反射光量変化が得られている。
特開平 3— 7 1 8 8 7号公報の組成範囲 εは、 低密度記録を目的とし、 本発明 組成とは直線 Cによって実質的に区別されている。 特に本発明組成範囲を利用す ることで、 高密度記録において繰返しオーバーライト耐久性と経時安定性に優れ るという本願思想は見られない。
特開平 4一 2 8 5 8 7号公報の組成範囲 7?は、 極めて S bリツチおよび G eリ ツチな組成を含んでおり、 本発明組成とは直線 Dによって実質的に区別されてい る。
以上述べたように、 上記いずれの公報も、 本発明の目的とする、 最短マーク長
が 0 . 5 m以下となるような高密度なマ一ク長変調記録に関する技術的課題は 明らかにされておらず、 そのための最適組成の選択、 層構成や記録方法の改善に ついては全く開示されていない。
次に、 本発明の光学的情報記録用媒体の層構成について説明する。 本発明の媒 体は、 上述した組成の記録層と以下の層構成を組み合わせることにより、 最短マ ーク長 0 . 5 /z m以下の高密度マーク長変調記録をする際に、 少なくとも 3 m " sから 8 m/ s、 好ましくは 1 m/ sから 1 0 mZ sをカバ一する広い線速範囲 でオーバ一ライト可能な媒体を実現することができる。 そして、 いわゆる D V D と再生互換を維持することができる。
相変化型記録層は、 上下の少なくとも一方を保護層で被覆されている。
さらに第 5図 (a ) に示すように、 基板 1ノ第 1保護層 2 記録層 3ノ第 2保 護層 4ノ反射層 5の構成を有し、 その上を紫外線もしくは熱硬化性の樹脂で被覆 (保護コート層 6 ) されている。 第 5図 (a ) のような各層の順序は、 透明基板 を介して記録再生用の集束光ビームを記録層に照射する場合に適している。
あるいは、 上'記各層の順序を逆にして、 第 5図 (b ) のように、 基板 1 Z反射 層 5 Z第 2保護層 4 Z記録層 3 Z第 1保護層 2という順に積層される構成もとり うる。 この層構成は、 第 1保護層側から集束光ビームを入射する場合に適してい る。 このような構成は、 対物開口数 N Aが 0 . 7以上で、 記録層と対物レンズの 距離を縮める必要が高い場合に有用である。
第 5図 (a ) に示す構成であれば、 基板には、 ポリカーボネート、 アクリル、 ポリオレフインなどの透明樹脂、 あるいは透明ガラスを用いることができる。 なかでも、 ポリ力一ボネ一ト樹脂は C Dにおいて最も広く用いられている実績 もあり、 安価でもあるので最も好ましい。
第 5図 (b ) に示す構成でも同様に樹脂あるいはガラスが使用できる力 基板 自体は透明である必要はなく、 むしろ平坦性や剛性を高めるために、 ガラスゃァ ルミニゥム合金を用いることが好ましい場合がある。
基板には記録再生光を案内するピッチ 0 . 8 以下の溝を設けるが、 この溝
は、 必ずしも幾何学的に台形状の溝である必要はなく、 たとえば、 イオン注入な どによって、 屈折率の異なる導波路のようなものを形成して光学的に溝が形成さ れていても良い。
第 5図 (a ) に記載の層構成においては、 記録時の高温による変形を防止する ため、 基板表面には第 1保護層 2が、 記録層 3上には第 2保護層 4が設けられる。 第 2保護層 4は記録層 3と反射層 5の相互拡散を防止し、 記録層の変形を抑制し つつ、 反射層 5へ効率的に熱を逃すという機能を併せ持つ。
第 5図 (b ) においても集束光ビーム入射側からみて、 第 2保護層 4は記録層 3と反射層 5との間の相互拡散防止、 放熱、 記録層変形防止の機能を有する。 第 5図 (b ) における第 1保護層は、 記録層の変形防止や、 記録層と空気との直接 接触防止 (酸化汚染等の防止) 、 光ピックアップとの直接接触による損傷防止の 機能がある。
反射層と基板のあいだに、 さらに保護層を設けてもよい。 例えば、 樹脂製基板 への熱ダメージを防ぐことができる。
第 5図 (b ) に記載の構成においては、 第 1保護層 2のさらに外側には、 それ より硬質の誘電体や非晶質カーボン保護膜を設けたり、 紫外線あるいは熱硬化性 樹脂層を設けることが望ましい。 あるいは、 厚さ 0 . 0 5〜 0 . 6 mm程度の透 明な薄板を貼合わせ、 この薄板を介して集束光ビームを入射することも可熊であ る。
さらに、 D V Dのような媒体においては、 第 5図 (a ) の媒体を記録層面を内 側として、 接着剤で貼り合せた構造をとる。 第 5図 (b ) の媒体では、 逆に記録 層面を外側にして貼り合せることになる。 さらに第 5図 (b ) の媒体においては、 一枚の基板の両面に射出成形によってトラッキング用の溝を形成し、 両面にスパ ッ夕法によって多層膜を形成しても良い。
記録層 3、 保護層 2、 4、 反射層 5はスパッタリング法などによって形成され る。
記録層用ターゲット、 保護層用ターゲット、 必要な場合には反射層材料用ター
ゲットを同一真空チャンバ一内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが 各層間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。
保護層 2、 4の材料としては、 屈折率、 熱伝導率、 化学的安定性、 機械的強度、 密着性等に留意して決定される。 一般的には透明性が高く高融点である金属や半 導体の酸化物、 硫化物、 窒化物、 炭化物や C a , M g, L i等のフッ化物を用い ることができる。
これらの酸化物、 硫化物、 窒化物、 炭化物、 フッ化物は必ずしも化学量論的組 成をとる必要はなく、 屈折率等の制御のために組成を制御したり、 混合して用い ることも有効である。
保護層 2、 4は厚さ方向で組成比や混合比を変化させてもよい。 また、 保護層 2、 4はそれぞれ複敎膜からなってもよい。 各膜は要求される特性に応じ、 材料 や組成比、 混合比を異ならせることができる。
繰返し記録特性を考慮するとこれらの保護層の膜密度はバルク状態の 8 0 %以 上であることが機械的強度の面から望ましい。 混合物誘電体薄膜を用いる場合に は、 バルク密度として下式の理論密度を用いる。
p =∑m i (0 i ( 1 )
m , :各成分 iのモル濃度
P i :単独のバルク密度
本発明の媒体の記録層 3は相変化型の記録層であり、 その厚みは一般的に 5 n mから 1 0 0 n mの範囲が好ましい。
記録層 3の厚みが 5 n mより薄いと十分なコントラストが得られ難く、 また結 晶化速度が遅くなる傾向があり、 短時間での消去が困難となりやすい。
—方 1 0 0 n mを越すとやはり光学的なコントラス卜が得にくくなり、 また、 クラックが生じやすくなる。
さらに、 D V Dなど再生専用ディスクと互換性をとれるほどのコントラストを 得る必要があり、 かつ、 最短マーク長が 0 . 5 以下となるような高密度記録 では、 5 n m以上 2 5 n m以下が好ましい。 5 n m未満では反射率が低くなりす
ぎ、 また、 膜成長初期の不均一な組成、 疎な膜の影響が現れやすいので好ましく ない。
一方、 25 nmより厚いと熱容量が大きくなり記録感度が悪くなるし、 結晶成 長が 3次元的になるため、 非晶質マークのエツジが乱れジッ夕が高くなる傾向に ある。 さらに、 記録層の相変化による体積変化が顕著になり繰返しオーバーライ ト耐久性が悪くなるので好ましくない。 マーク端のジッ夕及び繰返しオーバーラ ィ卜耐久性の観点からは 20 nm以下とすることがより望ましい。
また、 記録層の密度はバルク密度の 80 %以上、 より好ましくは 90 %以上で あることが望ましい。 ここでいう、 バルク密度とは、 もちろん、 合金塊を作成し て実測することもできるが、 上記 (1) 式において、 各成分のモル濃度を各元素 の原子%に置き換え、 バルク密度を各元素の分子量に置き換えることで近似値が 得られる。
記録層の密度はスパッ夕成膜法においては、 成膜時のスパッ夕ガス (Ar等の 希ガス) の圧力を低くする、 ターゲット正面にに近接して基板を配置するなどし て、 記録層に照射される高エネルギー A r量を多くすることが必要である。 高工 ネルギ一 A rはスパッ夕のために夕一ゲッ卜に照射される A rイオンが、 一部跳 ね返されて基板側に到達するものか、 プラズマ中の A rイオンが基板全面のシー ス電圧で加速されて基板に達するものかのいずれかである。
このような高エネルギーの希ガスの照射効果を a t om i c p e e n i ng 効果という。 一般的に使用される A rガスでのスパッ夕では a t om i c p e en i ng効果により、 A rがスパッ夕膜に混入される。 膜中の A r量により、 a t omi c p e e n i n g効果を見積もることができる。 すなわち、 A r量 が少なければ、 高エネルギー A r照射効果が少ないことを意味し、 密度の疎な膜 が形成されやすい。 一方、 A r量が多ければ高エネルギー A rの照射が激しく、 密度は高くなるものの、 膜中に取り込まれた A rが繰返しオーバ一ライト時に V 0 i dとなって析出し、 繰返しの耐久性を劣化させる。 記録層膜中の適当な A r 量は、 0. 1原子%以上、 1. 5原子%以下である。 さらに、 直流スパッタリン
グよりも高周波スパッタリングを用いた方が、 膜中 A Γ量が少なくして、 高密度 膜が得られるので好ましい。
本発明において、 記録層は上述の組成を有する Ge S bTe合金を主成分とす る薄膜からなる。 すなわち、 記録層中の Ge、 Sb、 Teの各元素量の比が上述 の組成範囲にあればよく、 記録層には必要に応じて他の元素を、 合計 10原子% 程度まで添加してもよい。
記録層にさらに、 0、 N、 及び Sから選ばれる少なくとも一つの元素を、 0. 1原子%以上 5原子%以下添加することで、 記録層の光学定数を微調整すること ができる。 しかし、 5原子%を超えて添加することは、 結晶化速度を低下させ消 去性能を悪化させるので好ましくない。
また、 オーバーライ 卜時の結晶化速度を低下させずに、 経時安定性を増すため に、 V、 Nb、 Ta、 C r > Co、 P t及び Z rの少なくとも一種を、 8原子% 以下添加するのが好ましい。 より好ましくは、 0. 1原子%以上 5原子%以下添 加する。 SbTeに対する、 これら添加元素と Geの合計の添加量は全部で 15 原子%以下であることが望ましい。 過剰に含まれると S b以外の相分離を誘起し てしまう。 特に、 Ge含有量が 3原子%以上、 5原子%以下の場合には添加効果 が大きい。
経時安定性の向上と屈折率の微調整のために、 S i、 S n、 及び Pbの少なく とも一種を、 5原子%以下添加するのが好ましい。 これら添加元素と Geの合計 の含有量は 15原子%以下が好ましい。 これら元素は Geと同じ 4配位ネットヮ ークを持つ。
Aし Ga、 I nを 8原子%以下添加することは、 結晶化温度を上昇させると 同時に、 ジッ夕を低減させたり、 記録感度を改善する効果もあるが、 偏析も生じ やすいため、 6原子%以下とするのが好ましい。 また、 Geとあわせた含有量は 1 5原子%以下、 好ましくは 13 %以下とすることが望ましい。
A gを 8原子%以下添加することはやはり記録感度を改善する上で効果があり、 特に Ge原子量が 5原子%を超える場合に用いれば、 効果が顕著である。 しかし、
8原子%を超える添加は、 ジッ夕を増加させたり、 非晶質マークの安定性を損ね るので好ましくないし、 G eと合わせた添加量が 1 5原子%を超えると偏析を生 じゃすいので好ましくない。 A gの含有量として最も好ましいのは、 5原子%以 下である。
さて、 本発明の記録媒体の記録層 3は、 成膜後の状態は通常、 非晶質である。 従って、 成膜後に、 記録層全面を結晶化して初期化された状態 (未記録状態) と する必要がある。
初期化方法としては、 S b。. 7 T e。. 3に過剰な S bを含む合金には、 固相での ァニールによる初期化も可能であるが、 さらに G eを含む組成では、 一旦記録層 を溶融させ再凝固時に徐冷して結晶化させる溶融再結晶化による初期化が望まし い。
本記録層は成膜直後には結晶成長の核がほとんどなく、 固相での結晶化は困難 であるが、 溶融再結晶化によれば、 少数の結晶核が形成されてのち、 溶融して、 結晶成長が主体となつて高速で再結晶化が進むようである。
また、 本発明の記録層は、 溶融再結晶化による結晶と、 固相でのァニールによ る結晶とは反射率が異なるため、 混在するとノイズの原因となる。 そして、 実際 のオーバ一ライト記録の際には、 消去部は溶融再結晶化による結晶となるため、 初期化も溶融再結晶化により行うのが好ましい。
このとき、 記録層を溶融するのは局所的かつ、 1ミリ秒程度以下の短時間に限 る。 溶融領域が広かったり、 溶融時間あるいは冷却時間が長すぎると、 熱によつ て各層が破壊されたり、 プラスチック基板表面が変形したりするためである。 このような熱履歴を与えるには、 波長 6 0 0〜 1 0 0 0 n m程度の高出力半導 体レーザ一光を、 長軸 1 0 0〜3 0 0 μ ιη, 短軸 1〜3 μ πιに集束して照射し、 短軸方向を走査軸として、 1〜1 O mZ sの線速度で走査することが望ましい。 同じ集束光でも円形に近いと溶融領域が広すぎ、 再非晶質化がおきやすく、 また、 多層構成や基板へのダメージが大きく好ましくない。
初期化が溶融再結晶化によって行われたことは以下のようにして確認できる。
すなわち、 該初期化後の媒体に、 直径約 1. 5 /imより小さいスポット径に集束 された、 記録層を溶融するにたる記録パワー Pwの記録光を、 直流的に、 一定線 速度で照射する。 案内溝がある場合は、 その溝もしくは溝間からなる卜ラックに、 トラツキンダサ一ボ及びフオーカスサーボをかけた状態で行う。
その後、 同じトラック上に消去パワー P e (≤Pw) の消去光を直流的に照射 して得られる消去状態の反射率が、 全く未記録の初期状態の反射率とほとんど同 じであれば、 該初期化状態は溶融際結晶状態と確認できる。
なぜなら、 記録光照射により記録層は一旦溶融されており、 それを消去光照射 で完全に再結晶化した状態は、 記録光による溶融と消去光による再結晶化の過程 を経ており、 溶融再結晶化された状態にあるからである。
なお、 初期化状態の反射率 R i n iと溶融再結晶化状態 R c ryの反射率がほぼ同じ であるとは、 (R i n i— R c r y) / { (R i n i + R c ry) /2} で定義される両者の 反射率差が 20 %以下であることを言う。 通常、 ァニール等の固相結晶化だけで- は、 その反射率差は 20 %より大きい。
次に、 記録層以外の層について述べる。
本発明の層構成は、 急冷構造と呼ばれる層構成の一種に属する。 急冷構造は、 放熱を促進し、 記録層再凝固時の冷却速度を高める層構成を採用することで、 非 晶質マーク形成のときの再結晶化の問題を回避しつつ、 高速結晶化による高消去 比を実現する。 このため第 2保護層膜厚は、 5 nm以上 30 nm以下とする。 5 nmより薄いと、 記録層溶融時の変形等によって破壊されやすく、 また、 放熱効 果が大きすぎて記録に要するパワーが不必要に大きくなつてしまう。
本発明の、 第 2保護層の膜厚は、 繰返しオーバーライトにおける耐久性に大き く影響し、 特にジッ夕の悪化を抑制する上でも重要である。 膜厚が 30 nmより 厚い場合には、 記録時に、 第 2保護層の記録側と、 反射層側とで温度差が大きく なり、 保護層の両側における熱膨張差から、 保護層自体が非対称に変形しやすく なる。 この繰返しは、 保護層内部に微視的塑性変形を蓄積させ、 ノイズの増加を 招くので好ましくない。
本発明の記録層を用いると、 最短マーク長 0 . 5 ix m以下の高密度記録におい て低ジッタを実現できるが、 本発明者らの検討によれば、 高密度記録を実現する ために短波長のレーザーダイオード (例えば、 波長 7 0 0 n m以下) を用いる場 合には、 上記急冷構造の層構成についても、 一層の留意が必要になる。 特に、 波 長が 5 0 0 n m以下、 開口数 N Aが 0 . 5 5以上の小さな集束光ビームを用いた 1ビームオーバーライト特性の検討において、 マーク幅方向の温度分布を平坦化 することが、 高消去比及び消去パヮーマージンを広く取るために重要であること が分かった。
この傾向は、 波長6 3 0〜 6 8 0 11 111、 A = 0 . 6前後の光学系を用いた、 D V D対応の光学系においても同様である。 このような光学系を用いた高密度マ —ク長変調記録においては、 特に、 熱伝導率の低い材料を第 2保護層として用い る。 好ましくはその膜厚を 1 0 n m以上 2 5 n m以下とする。
いずれの場合にも、 その上に設ける反射層 5をとりわけ高熱伝導率の材料とす ることにより、 消去比及び消去パワーマ一ジンを改善できる。
検討によれば、 広い消去パワー範囲において、 本発明記録層が持つ良好な消去 特性を発揮させるには、 単に膜厚方向の温度分布や時間変化のみならず、 膜面方 向 (記録ビーム走査方向の垂直方向) の温度分布をできるだけ平坦化できるよう な層構成を用いるのが好ましい。
本発明者らは、 媒体の層構成を適切に設計することにより、 媒体中のトラック 横断方向の温度分布を平坦にすることで、 溶融して再非晶質化されることなく、 再結晶化することのできる幅を広げ、 消去率及び消去パワーマージンを広げるこ とを試みた。
一方、 熱伝導率が低くごく薄い第 2保護層を介して、 記録層から、 極めて高熱 伝導率の反射層への放熱を促進することで、 記録層における温度分布が平坦にな ることがわかった。 第 2保護層の熱伝導率を高くしても放熱効果は促進されるが、 あまり放熱が促進されると、 記録に要する照射パワーが高くなる、 すなわち、 記 録感度が著しく低下してしまう。
本発明においては低熱伝導率の、 薄い第 2保護層を用いるのが好ましい。
低熱伝導率の、 薄い第 2保護層を用いることにより、 記録パワー照射開始時点 の数 n s e c〜数十 n s e cにおいて、 記録層から反射層への熱伝導に時間的な 遅延をあたえ、 その後に反射層への放熱を促進することができるため、 放熱によ り必要以上に記録感度を低下させることがない。
従来知られている、 S i 02、 T a 2〇5、 A l 2〇3、 A 1 N、 S i N等を主成分 とする保護層材料は、 それ自身の熱伝導率が高すぎて、 本発明媒体の第 2保護層 4としては好ましくない。 このように、 金属酸化物や窒化物の熱伝導率は、 同じ 薄膜状態に比べても、 本発明保護層で用いられる下記保護層にくらべて、 1桁以 上熱伝導率が高い。
—方、 反射層における放熱は、 反射層の厚みを厚くしても達成できるが、 反射 層の厚みが 3 0 0 n mを超えると、 記録層膜面方向よりも膜厚方向の熱伝導が顕 著になり、 膜面方向の温度分布改善効果が得られない。 また、 反射層自体の熱容 量が大きくなり、 反射層、 ひいては記録層の冷却に時間がかかるようになって、 非晶質マークの形成が阻害される。 最も好ましいのは、 高熱伝導率の反射層を薄 く設けて横方向への放熱を選択的に促進することである。
従来用いられていた急冷構造は、 膜厚方向の 1次元的な熱の逃げにのみ注目し、 記録層から反射層に早く熱を逃すことのみを意図しており、 この平面方向の温度 分布の平坦化に十分な留意が払われていなかった。
なお、 本発明の、 いわば 「第 2保護層での熱伝導遅延効果を考慮した超急冷構 造 J は、 本発明に係る記録層に適用すると、 従来の G e T e— S b 2 T e 3記録層 に比べて一層効果がある。 なぜなら、 本発明記録層は Tm近傍での再凝固時の結 晶成長が再結晶化の律速になっているからである。 Tm近傍での冷却即速度を極 限まで大きくして、 非晶質マーク及びそのエッジの形成を確実かつ明確なものと するには、 超急冷構造が有効であり、 かつ、 膜面方向の温度分布の平坦化で、 も ともと Tm近傍で高速消去可能であつたものが、 より高消去パワーまで確実に再 結晶化による消去を確保できるからである。
本発明においては、 第 2保護層の材料としては熱伝導が低い方が望ましいが、 その目安は 1 X 1 0— 3p J Z (um · K · n s e c ) である。 しかしながら、 こ のような低熱伝導率材料の薄膜状態の熱伝導率を直接測定するのは困難であり、 代わりに、 熱シミュレ一ションと実際の記録感度の測定結果から目安を得ること ができる。
好ましい結果をもたらす低熱伝導率の第 2保護層材料としては、 Z n S、 Z n O、 T a S 2又は希土類硫化物のうちの少なくとも一種を 5 Omo 1 %以上 90m 0 1 %以下含み、 かつ、 融点又は分解点が 1 0 0 0 以上の耐熱性化合物とを含 む複合誘電体が望ましい。
より具体的には L a, C e, Nd, Y等の希土類の硫化物を 60 m o 1 %以上 9 Omo 】%以下含む複合誘電体が望ましい。
あるいは、 Z n S, Z ηθもしくは希土類硫化物の組成の範囲を 7 0〜9 0m o 1 %とすることが望ましい。
これらと混合されるべき、 融点又は分解点が 1 0 0 ot:以上の耐熱化合物材料 としては、 Mg, C a, S r, Y, L a, C e, Ho, E r, Yb, T i, Z r, H f , V, Nb, T a, Z n, A 1 , S i, Ge , P b等の酸化物、 窒化物、 炭 化物や C a, Mg, L i等のフッ化物を用いることができる。
特に Z n〇と混合されるべき材料としては、 Y, L a, C e, Nd等希土類の 硫化物あるいは硫化物と酸化物の混合物が望ましい。
そして、 この第 2保護層の膜厚が 3 0 nmより厚いとマーク幅方向の温度分布 の十分な平坦化効果が得られないため、 3 0 nm以下とする。 好ましくは 2 5 n m以下とする。 5 nm未満では、 第 2保護層部での熱伝導の遅延効果が不十分で、 記録感度低下が著しくなり好ましくない。
第 2保護層 4の厚さは、 記録レーザ一光の波長が 6 0 0〜7 00 nmでは 1 5 nm〜2 5 nmが好ましく、 波長が 3 5 0〜6 0 0 nmでは 5〜2 0 nmが好ま しく、 より好ましくはは 5〜 1 5 nmである。
本発明においては、 非常に高熱伝導率で 3 0 0 nm以下の薄い反射層 5を用い
て、 横方向の放熱効果を促進するのが特徴である。
一般には薄膜の熱伝導率はバルク状態の熱伝導率と大きく異なり、 小さくなつ ているのが普通である。 特に 4 0 n m未満の薄膜では成長初期の島状構造の影響 で熱伝導率が 1桁以上小さくなる場合があり好ましくない。 さらに、 成膜条件に よって結晶性や不純物量が異なり、 これが同じ組成でも熱伝導率が異なる要因に なる。
本発明において良好な特性を示す高熱伝導率の反射層を規定するために、 反射 層の熱伝導率は直接測定することも可能であるが、 その熱伝導の良否を電気抵抗 を利用して見積もることができる。 金属膜のように電子が熱もしくは電気伝導を 主として司る材料においては熱伝導率と電気伝導率は良好な比例関係があるため である。
薄膜の電気抵抗はその膜厚や測定領域の面積で規格化された抵抗率値で表す。 体積抵抗率と面積抵抗率は通常の 4探針法で測定でき、 J I S K 7 1 9 4に よって規定されている。 本法により、 薄膜の熱伝導率そのものを実測するよりも はるかに簡便かつ再現性の良いデータが得られる。
本発明において好ましい反射層は、 体積抵抗率が 2 0 η Ω · m以上 1 5 0 η Ω • m以下であり、 より好ましくは 2 0 η Ω · m以上 1 0 0 η Ω · m以下である。 体積抵抗率 2 0 η Ω · m未満の材料は薄膜状態では実質的に得にくい。 体積抵抗 率 1 5 0 η Ω · mより体積抵抗率が大きい場合でも、 例えば 3 0 0 n mを超える 厚膜とすれば面積抵抗率を下げることはできるが、 本発明者らの検討によれば、 このような高体積抵抗率材料で面積抵抗率のみ下げても、 十分な放熱効果は得ら れなかつた。 厚膜では単位面積当たりの熱容量が増大してしまうためと考えられ る。 また、 このような厚膜では成膜に時間がかかり、 材料費も増えるため製造コ ストの観点から好ましくない。 さらに、 膜表面の微視的な平坦性も悪くなつてし まう。
好ましくは、 膜厚 3 0 0 n m以下で面積抵抗率 0 . 2以上 0 . 9 Ω /口以下が 得られるような、 低体積抵抗率材料を用いる。 0 . 5 Ω ロが最も好ましい。
本発明に適した材料は、 以下のとおりである。
例えば、 5 1を0. 3重量%以上 0. 8重量%以下、 Mgを 0. 3重量%以上 1. 2重量%以下含有する A〗— Mg— S i系合金である。
また、 A 1に Ta, T i, Co, C r , S i, S c, H f , Pd, P t, Mg, Z r, Mo, 又は Mnを 0. 2原子%以上 2原子%以下含む A 1合金は、 添加元 素濃度に比例して体積抵抗率が増加し、 また、 耐ヒロック性が改善され、 耐久性、 体積抵抗率、 成膜速度等考慮して用いることができる。
A 1合金に関しては、 添加不純物量 0. 2原子%未満では、 成膜条件にもよる 力 耐ヒロック性は不十分であることが多い。 また、 2原子%より多いと上記の 低抵抗率が得られにくい。
経時安定性をより重視する場合には添加成分としては T aが好ましい。 特に、 Z n Sを主成分とする上部保護層 4に対しては、 丁 &を0. 5原子%以上、 0. 8原子%以下とする A 1 T a合金が、 耐食性、 密着性、 高熱伝導率のすべてをバ ランス良く満足する反射層として望ましい。 また、 T aの場合わずか 0. 5原子 %の添加で純 A 1や A 1— Mg— S i合金に比べて、 スパッタリング時の成膜レ 一卜が 3 ~ 4割アップするという製造上好ましい効果が得られる。
上記 A 1合金を反射層として用いる場合、 好ましい膜厚は 150 nm以上 30 O nm以下である。 150 nm未満では純 A 1でも放熱効果は不十分である。 3 O O nmを超えると、 熱が水平方向より垂直方向に逃げて、 水平方向の熱分布改 善に寄与しないし、 反射層そのものの熱容量が大きく、 却って記録層の冷却速度 が遅くなつてしまう。 また、 膜表面の微視的な平坦性も悪くなる。
さらに、 Agに T i, V, Ta, Nb, W, Co, C r , S i , Ge, S n, S c, H f , Pd, Rh, Au, P t, Mg, Z r , Mo, 又は Mnを 0. 2原 子%以上 5原子%以下含む A g合金も望ましい。 経時安定性をより重視する場合 には添加成分としては T i、 Mgが好ましい。
上記 Ag合金を反射層として用いる場合、 好ましい膜厚は 40 nm以上 150 nm以下である。 40 nm未満では純 A gでも放熱効果は不十分である。 150
n mを超えると、 熱が水平方向より垂直方向に逃げて、 水平方向の熱分布改善に 寄与しないし、 不必要な厚膜は生産性を低下させる。 また、 膜表面の微視的な平 坦性も悪くなる。
本発明者らは上記、 A 1への添加元素、 A gへの添加元素は、 その添加元素濃 度に比例して、 体積抵抗率が増加することを確認している。
ところで、 不純物の添加は一般的に結晶粒径を小さくし、 粒界の電子散乱を増 加させて熱伝導率を低下させると考えられる。 添加不純物量を調節することは、 結晶粒径を大きくすることで材料本来の高熱伝導率を得るために必要である。 なお、 反射層は通常スパッ夕法や真空蒸着法で形成されるが、 ターゲットや蒸 着材料そのものの不純物量もさることながら、 成膜時に混入する水分や酸素量も 含めて全不純物量を 2原子%以下とする必要がある。 このためにプロセスチャン パの到達真空度は 1 X 1 0— 3 P a以下とすることが望ましい。
また、 1 0—4 P aより悪い到達真空度で成膜するなら、 成膜レートを I n mZ 秒以上、 好ましくは 1 0 n m/秒以上として不純物が取り込まれるのを防ぐこと が望ましい。
あるいは、 意図的な添加元素を 1原子%より多く含む場合は、 成膜レートを 1 0 n mZ秒以上として付加的な不純物混入を極力防ぐことが望ましい。
成膜条件は不純物量とは無関係に結晶粒径に影響を及ぼす場合もある。 例えば、 A 1に T aを 2原子%程度混入した合金膜は、 結晶粒の間に非晶質相が混在する が、 結晶相と非晶質相の割合は成膜条件に依存する。 例えば、 低圧でスパッ夕す るほど結晶部分の割合が増え、 体積抵抗率が下がり、 熱伝導率が増加する。
膜中の不純物組成あるいは結晶性は、 スパッ夕に用いる合金ターゲッ卜の製法 ゃスパッタガス (A r, N e , X e等) にも依存する。
このように、 薄膜状態の体積抵抗率は金属材料、 組成のみによっては決まらな い。
高熱伝導率を得るためには、 上記のように、 不純物量を少なくするのが望まし いが、 一方で、 A 1や A gの純金属は耐食性ゃ耐ヒロック性に劣る傾向があるた
め、 両者のバランスを考慮して最適組成が決まる。
さらなる高熱伝導と高信頼性をえるために反射層を多層化することも有効であ る。 このとき、 少なくとも 1層は全反射層膜厚の 50 %以上の膜厚を有する上記 低体積抵抗率材料として実質的に放熱効果を司り、 他の層が耐食性や保護層との 密着性、 耐ヒロック性の改善に寄与するように構成される。
より具体的には、 金属中最も高熱伝導率および低体積抵抗率である A gは Sを 含む保護層との相性が悪く、 繰返しオーバーライトした場合の劣化がやや速いと いう傾向がある。
また、 高温高湿の加速試験環境下で腐食を生じやすい傾向がある。
そこで、 低体積抵抗率材料として Ag及び Ag合金を用い、 上部保護層との間 に界面層として A 1を主成分とする合金層を 1 nm以上 100 nm以下設けるこ とも有効である。 厚さを 5 nm以上とすれば、 層が島状構造とならず均一に形成 されやすい。
A 1合金としては前述と同様に例えば、 Ta, 丁 i , Co, C r, S i, S c, H f, Pd, P t, Mg, Zて, Mo, 又は Mnを 0. 2原子%以上 2原子%以 下含む A 1合金が挙げられる。
界面層の厚さは 1 nm未満では保護効果が不十分で、 100 nmを超えると放 熱効果が犠牲になる。
界面層の使用は、 特に反射層が A g又は A g合金の場合に有効である。 なぜな ら、 Agは本発明で好ましいとされる硫化物を含む保護層との接触により、 比較 的硫化による腐食を起こしやすいからである。
さらに Ag合金反射層と A 1合金界面層を用いる場合、 Agと A 1は比較的相 互拡散しやすい組み合わせであるので、 A 1表面を 1 nmより厚く、 酸化して界 面酸化層を設けることがいっそう好ましい。 界面酸化層が 5 nm、 とくに 10 n mを越えるとそれが熱抵抗となり、 本来の趣旨である、 極めて放熱性の高い反射 層としての機能が損なわれるので好ましくない。
反射層の多層化は、 高体積抵抗率材料と低体積抵抗率材料を組み合わせて所望
の膜厚で所望の面積抵抗率を得るためにも有効である。
合金化による体積抵抗率調節は、 合金ターゲッ卜の使用によりスパッタエ程を 簡素化できるが、 ターゲット製造コスト、 ひいては媒体の原材料比を上昇させる 要因にもなる。 従って、 純 A 1や純 Agの薄膜と上記添加元素そのものの薄膜を 多層化して所望の体積抵抗率を得ることも有効である。
層数が 3層程度までであれば、 初期の装置コストは増加するものの、 個々の媒 体コストはかえつて抑制できる場合がある。
反射層を複数の金属膜からなる多層反射層とし、 全膜厚を 40 nm以上 300 nm以下とし、 多層反射層の厚さの 50%以上が体積抵抗率 20 ηΩ * m以上 1 50 ηΩ · m以下の金属薄膜層 (多層であっても良い) とするのが好ましい。 さて、 記録層及び保護層の厚みは、 上記熱特性、 機械的強度、 信頼性の面から の制限の他に、 多層構成に伴う千渉効果も考慮して、 レーザー光の吸収効率が良 く、 記録信号の振幅、 すなわち記録状態と未記録状態のコントラストが大きくな るように選ばれる。
例えば、 本発明媒体を書換え型 DVDに適用し、 再生専用タイプの DVDと互 換性を確保するとすれば、 変調度を高くとらねばならない。 また、 再生専用プレ —ヤーで通常用いられる、 DPD (Differential Phase Detection) 法と呼ばれ るトラツキンダサ一ボ法がそのまま適用できることが必要である。
第 6図に EFMプラス変調されたランダム信号を記録し再生したときの DC再 生信号 (直流成分を含む再生信号) の波形を示す。 変調度は、 14Tマークのト ップの信号強度 I【。。と信号振幅 I 14との比 I 14ノ I t。Pとして定義される。
I t。Pは実際上、 未記録部 (結晶状態) の溝内での反射率に相当する。 I Mは相 変化媒体の結晶部分と非晶質部分から反射光の強度差及び位相差が問題となる。 反射光の強度差は、 基本的に結晶状態と非晶質状態の反射率差で決まる。 上記 記録後の変調度が概ね 0. 5以上であれば、 低ジッ夕が実現できるとともに、 上 記 DP D法によるトラッキングサーボも良好に作動する。
第 7図に、 典型的な 4層構成における反射率差の計算例を示した。 ポリカーボ
ネート基板上に、 (Z nS) 8。 (S i 02) 20保護層、 G e 0. 05S b 0. 69T e 0. 2 6記録層、 (Z nS) s o (S i 02) 20保護層、 A 1 o. 995 T a o.。。5反射層を設け たものとした。
各層の屈折率は実測値を用いている。 波長 650 nmにおける各材料の複素屈 折率は、 上下の保護層は 2. 12-0. 0 し 反射層は1. 7— 5. 3 i、 基板 は 1. 56、 記録層は非晶質状態 (成膜直後の状態で測定) で 3. 5-2. 6 i、 初期化後の結晶状態で 2. 3-4. l iである。
また、 記録層、 第 2保護層、 反射層の膜厚はそれぞれ、 18 nm、 20 nm, 200 nmで一定とした。
第 1保護層膜厚依存性を見る限り、 通常は振幅の変化は小さく、 分母である I top すなわち結晶状態の反射率に強く依存する。 したがって、 結晶状態反射率は 可能な限り低いことが望ましい。
第 7図の計算例では、 第 1保護層を、 屈折率 n = 2. 12の (ZnS) 8。 (S i O 2) 2。膜とした。 このとき、 第 1の極小値 は膜厚 50〜マ 0 nm、 第 2の 極小値 d 2は膜厚 200〜220 nmになる。 以後は周期的に変化する。
結晶状態の反射率が極小となる第 1保護層膜厚は、 反射率が高い記録層であれ ば、 実質上、 保護層の屈折率のみで決まる。 他の屈折率 nにおける極小点膜厚は、 d 1 , d2に 2. 1/nをかければほぼ求まるが、 通常、 保護層として用いられる 誘電体は n=l. 8〜2. 3程度であり、 d ,は 60〜80 nm程度である。
第 1保護層の屈折率 nが 1. 8よりも小さいと、 極小点における反射率が増加 して変調度が著しく低下し、 0. 5未満となるので好ましくない。 逆に、 2. 3 以上とすると、 極小点の反射率が低くなりすぎ 20 %を達成できず、 フォーカス やトラッキングサ一ボが困難になるので好ましくない。
本発 ¾に係る記録層の組成範囲では、 第 7図とほぼ類似の光学特性が発揮され る。
生産性の観点からは第 1保護層膜厚は 150 nm以下にとどめるのが望ましい。 なぜなら、 現在、 誘電体保護層のスパッ夕法による成膜速度は高々 1 5 nm/秒
であり、 その成膜に 1 0秒以上かけることはコストを上昇させるからである。 ま た、 膜厚変動の許容値が厳しくなるので生産上も好ましくない。 即ち、 第 7図か らわかるように、 反射率は所望の膜厚 d。から A dずれると、 第 1の極小値 d i近 傍でも、 第 2の極小値 d 2近傍でもおなじだけ変動する。
—方、 製造上の膜厚分布は、 通常は d。に対して ± 2〜3 %が均一性の限度であ る。 従って、 d。が薄いほど膜厚の変動幅 A dは小さくなり、 ディスク面内あるい はディスク間の反射率変動を抑制出来るので有利である。
従って、 安価な静止対向タイプのスパッ夕装置で、 基板の自公転機構を有しな い装置では、 第 1の極小値 d!近傍の膜厚を採用するのが望ましい。
—方で、 厚い保護層は繰返しオーバーライト時の基板表面の変形を抑制する効 果が大きいから、 繰返しオーバ一ライト耐久性改善を重要視するならば、 第 2の 極小値 d 2近傍の膜厚を採用するのが望ましい。
なお、 基板を介して記録再生光を入射させて記録または再生を行うような媒体 においては、 第 1保護層をある程度厚くして、 記録時に発生する熱から基板を保 護しなければならない。 記録時に記録層は、 1 0 0ナノ秒程度であるが 5 0 0〜 6 0 0で以上となる。 このためには膜厚を 5 0 n m以上とするのが好ましい。 5 O n m未満では、 記録を繰り返すと基板に微視的な変形が蓄積され、 ノイズや欠 陥となりやすい。 特に基板がポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチックから なる場合には重要である。
次に、 本媒体と併せ用いるに好ましい光記録方法について説明する。
好ましい第一の記録方法は、 上述の記録媒体に、 マーク長変調された情報を複 数の記録マーク長により記録するにあたり、
記録マーク間には、 非晶質を結晶化しうる消去パワー P eの記録光を照射し、 一つの記録マークの時間的な長さを n Tとしたとき (Τは基準クロック周期、 ηは 2以上の整数) 、
記録マークの時間的長さ n Tを、
V i , a i T、 β ι Ύ , α
2 Τ、 3
2 Τ、 · · - 、
(ただし、 mはパルス分割数で m=n— k kは 0≤ k≤ 2なる整数とする。 また、 ∑ i ( a i+ i3 i) + 7? 7] 2=nとし、 7] 'は 7? i≥ 0なる実数、 7 2は 7?
2≥0なる実数、 O r + Ti s S . 0とする。
a■ ( 1≤ i≤m) は a i〉0なる実数とし、 β i ( 1≤ i≤m) は) 3 ;〉0なる 実数とし、 ∑ a i<0. 5 nとする。
a ι= 0. 1 1. 5 β i= 0. 3 1. 0 ;3m=0 l . 5とし、 c = 0. 1 0. 8 (2≤ i≤m) とする。
なお、 3≤ i≤mなる iにおいて a i+ 3 =0. 5 1. 5の範囲にあり、 かつ、 iによらず一定とする。 )
の順に分割し、
a ,T (1≤ i≤m) の時間内においては記録層を溶融させるにたる Pw≥P e なる記録パワー Pwの記録光を照射し、 /3 iT ( 1≤ i≤m) の時間内においては, 0<P b≤ 0. 2 P e (ただし、 )3mTにおいては、 0 < P b≤ P eとなりうる) なるバイアスパワー P bの記録光を照射する。
上述の媒体に本記録方法を併せ用いることで、 記録層の再凝固時の冷却速度を 正確に制御し、 少なくとも 3mZ sから 8mZs、 さらには、 記録条件の設定に より lm/sから 1 5mZsの広い線速度範囲において、 最短マーク長 0. 5 β m以下の高密度マーク長変調記録が可能となり、 1 0 0 0回以上の繰返しオーバ —ライトが達成でき、 基準クロック周期 Tの 1 0 %未満の低ジッ夕が実現できる。 まず、 上記のような高密度マーク長変調記録を実現するためには、 波長 3 5 0 6 80 nmのレーザー光ビームを、 開口数 NAが 0. 5 5以上0. 9以下の対 物レンズを通して記録層に集光させて微小な集束光ビームスポットを得る。
より好ましくは、 NAを 0. 5 5以上0. 6 5以下とする。 NAが 0. 6 5を 超えると、 光軸の傾きによる収差の影響が大きくなるから、 対物レンズと記録面 との距離を極めて接近させる必要がある。 従って、 DVDなど、 0. 6 mm程度 の厚さの基板を介して集束光ビームを入射させる場合には、 NAは 0. 6 5程度
が上限となる。
そして、 第 8図に示すように、 少なくとも 3値に記録光パワーを変調させるこ とで、 パワーマージン及び記録時線速マージンを広げることができる。
第 8図において、 先頭記録パルス α の開始位置、 最終オフパルス i3mTの終 了位置は、 必ずしも元の記録信号の開始位置、 終了位置と一致する必要はない。
0≤ 7?i+ 7j 2≤2. 0となる範囲内で、 先頭に 7? を置き、 最後に 7? 2Tを置い てよい。 当該マーク前後のマークの長さやマーク間長さに応じて、 7? iTや 7)2Τ の長さを微調整することも、 マークを正確に形成するのに有効である。
或いは、 /3mのみをマーク長 ηΤに応じて変化させることにより、 良好なマーク を形成できる場合もある。 最後の 3m== 0としてもよい。 例えば、 EFM変調にお いて 3 T〜 1 1 Τのマークのうち 1 1 Τマーク、 又は E FMプラス変調において 3 Τ〜 14 Τのマークのうち 14 Τマーク、 等の長いマークほど熱が蓄積しやす いので、 最後の i3 mを長くして冷却時間を長めにするのが良い。
逆に、 3 Tマーク等の短いマークの場合には 3 mを短くするのがよい。 その調整 幅は 0. 5程度である。 いわゆる DVD程度の線記録密度を超えるような高密度 記録であれば、 必ずしもそのような微調整をしなくても十分な記録信号品質が得 られる。
また、 バイアスパワー P bの大きさを変えることでも、 マーク形状を制御でき る。 第 9図に、 2つの記録パルスを照射した際の記録層のある 1点の温度の時間 変化の例を示す。 媒体に対してビームを相対的に移動させながら記録パルス P 1、 オフパルス、 記録パルス P 2を連続的に照射した場合の、 記録パルス P 1を照射 した位置での温度変化である。 (a) は Pb = P eとした場合、 (b) は Pb 0とした場合である。
第 9図 (b) では、 オフパルス区間のバイアスパワー P bがほとんど 0のため、 TL' は融点より十分低い点まで下がり、 かつ、 途中の冷却速度も大きい。 従つ て、 非晶質マークは記録パルス P 1照射時に溶解し、 その後のオフパルス時の急 冷によって形成される。
一方、 第 9図 (a) では、 オフパルス区間でも消去パワー P eが照射されるた め、 1番目の記録パルス P 1照射後の冷却速度が遅く、 オフパルス区間での温度 降下で到達する最低温度 TLが融点 Tm近傍に留まり、 さらに、 後続の記録パル ス P 2により融点 Tm近傍まで加熱され、 非晶質マークが形成されにくい。
本発明の媒体に対して、 第 9図 (b) に示す、 急峻な温度プロファイルをとる ことは、 高温度域での結晶化を抑制し、 良好な非晶質マークを得る上で重要なこ とである。 なぜなら、 本発明媒体の記録層は、 融点直下の高温域でのみ大きな結 晶化速度を示すため、 記録層温度が高温域にほとんどとどまらない (b) のプロ ファイルをとることで、 再結晶化が抑制できると考えられるからである。
あるいは、 結晶化温度 T cに近い比較的低温域での結晶核生成は毎回の消去プ ロセスでは支配的でなく、 前述の初期化時に形成された結晶核となりうる S bク ラス夕が安定に存在するため、 高温域の結晶成長のみが支配的であるとも考えら れる。
従って、 冷却速度及び TL' を制御することで再結晶化をほぼ完全に抑制し、 溶融領域とほぼ一致するクリアな輪郭を有する非晶質マークが得られ、 マークェ ッジのジッ夕が低減できる。
一方、 GeTe— Sb2Te3擬似二元系合金では、 第 9図 (a) , (b) いず れの温度プロファイルでも非晶質マーク形成プロセスに大差がない。 なぜなら、 この材料では広い温度範囲、 特に結晶化温度 T c近くの低温域でも、 速度は若千 遅いものの再結晶化を示すからである。 あるいは、 この材料では、 比較的 Tじに 近い温度域での結晶核生成と Tmに近い温度域での結晶成長とが律速になってい るため、 全体として広い温度域で比較的低速の再結晶化が起きるとも考えられる。
GeTe— S b2Te3でも、 Pb<P eとしてオフパルスを用いて粗大グレイ ンを抑制する場合もある力 P b/P e≤0. 2とすると、 Tc近傍での結晶化 が抑制されすぎるために、 かえって消去性能が低下する。
しかし、 本発明に係る記録層材料では、 T cに近い比較的低温での結晶化はほ とんど進まないと考えられるので、 PbZP e≤0. 2とするのが好ましい。 あ
るいはより具体的には、 0≤P b l . 5 (mW) として、 トラッキングサ一ポ が安定する限り低い P bを用い、 できるだけ急冷となるようにオフパルスを積極 的に用いた方が、 非晶質マークのエッジが明確に形成でき好ましい。
第 8図のパルス分割方法において、 特に、 最先端の記録パルス e Tだけを後続 パルス en Tより長めにし、 また、 最先端及び最後端のオフパルス幅) 3 !T、 /3mT のみを他の^フパルスと別に設定するのが、 長マークと短マークの特性バランス を取る上で最も有効である。
最先端のパルス α ,Τは、 余熱効果がないため、 昇温のためにやや長時間を要す る。 あるいは、 最先端のパルスの記録パワーを、 後続のパルスより高めに設定す ることも有効である。
また、 パルスの切り替えをクロック周期 Τに同期させると、 パルス制御が簡単 になる。 マーク長変調記録に適し、 かつパルス制御回路が簡便なパルス分割方法 を第 1 0図に示す。 (a) のマーク長変調データを記録する際のパルス分割方法 として (b) に m=n— 1の場合、 (c) に m= n— 2の場合を示す。 なお (b) 、 (c) では図を簡略にするために Tを省略している。 いずれも、 (2≤ i≤m) 及び3i (2≤ i≤m- 1 ) は iによらず一定とし、 c ^a ι + β i-!= 1. 0 ( 3≤ i ≤m) として、 (2≤ i≤m) の記録パルスの後端をクロックパル スに同期させる。
また、 P bを再生光パワー P rと同じにすることも、 回路を簡便化するには有 効である。 先頭パルス c^Tだけを後続パルスより長くすることは、 いわゆるアイ パターンにおいて短マークと長マークの記録のバランスを良くするために必要な ことである。 或いは、 先頭パルスのみ後続パルスより高パワーとしてもよい。
このようなパルスは、 第 1 1図に示すような 3種のゲート発生回路とそれらの 間の優先順位を決めることで達成できる。
第 1 1図は本発明の記録方法によるパルス発生方法の一例の説明図である。
(a) はクロック信号、 (b) はデータ信号であり、 記録パルス発生回路中の 3 種のゲート発生回路から発生するゲート信号 (c) G a t e l、 (d) G a t e
2、 (e) Ga t e 3である。 これら 3種のゲート信号の優先順位を決めておく ことで、 本発明のパルス分割方法が達成できる。
G a t e 1は記録パルス発生区間ひ のみを、 G a t e 2は後続パルスひ iT (2≤ i≤m) を所定個数発生させるタイミングを決める。 ここでパルス幅 は 2≤ i≤mにおいて一定値ひ。とする。 G a t e 3はオフパルス発生区間 3 iTを 発生する。 Ga t e 3がオン (レベル高) の間は Pbを発生し、 オフの間 (レべ ル低) は P eを発生する。
α,の立ち上がりのタイミングとパルス幅のみを独立して決めることで、 i3!を /3 iと異なる値とすることができる。
G a t e 3と G a t e 1の立ち上がりは同期させるのが良い。 G a t e 1、 G a t e 2はそれぞれ Pwを発生させるが、 Ga t e l、 2がオンのときは Ga t e 3に優先する。 Ga t e 1の遅延時間 T】とひ" Ga t e 2の遅延時間 (Ti + T2) と acを指定すれば、 第 10図のストラテジーを指定できる。
ここで、 を 1 T以上とすれば、 第 10図 (b) の m==n— 1の場合のパルス となり、 1 T未満として後続パルスの数を一個減らせば、 第 10図 (c) の m = n— 2の場合のパルスとなる。 このとき、 ひ tT及び) Sm- 2Tを、 m=n— 1の場 合より長くすることで、 形成されるマーク長を nTとする。
さて、 本発明のさらなる適用例として、 再生専用 DVDと同等以上の記録密度 で、 少なくとも再生時には再生専用 DVDと同等の信号品質を得るためには、 下 記のような記録方法を用いることが望ましい。
すなわち、 波長が 350〜680 nmの光を、 開口数 ΝΑが 0. 55〜0. 9 の対物レンズを通して記録層に集光させ、 データの記録再生を行う光記録方法で あって、 m=n— 1又は m=n— 2、 0≤P b≤ 1. 5 (mW) 、 P eZPwは 0. 3以上 0. 6以下とする。 そして、
α ι= 0. 3〜 1. 5、
α ι≥ α . = 0. 2 ~ 0. 8 (2≤ i≤m) 、
a i+ β i-.= 1. 0 ( 3≤ i≤m) 、
とするのが好ましい。
P e/Pwの比を一定に保つことは、 パワー変動が生じたときに、 高パワーで 記録マークが大きいときには消去パヮーも大きくして消去可能な範囲を広げるた めである。 P eZPwが 0. 3未満では、 常に P eが低くて消去不十分となりや すい。 逆に 0. 6より大きいと、 P eが過剰でビーム中心での再非晶質化を招き やすく、 完全な再結晶化による消去が困難となる。 また、 記録層に照射されるェ ネルギ一量が大きくなりすぎ、 繰返しオーバーライトにより劣化しやすくなる。 さて、 本発明に係わる組成の記録層は、 a iが特に小さい範囲で良好なジッ夕が 得られるため、 ∑ひ i<0. 5 nとし、 kが小さいほど (∑ a i) Znを減少させ ることが望ましい。 すなわち、 =0又は¾:=1では (∑ cn) <0. 4n、 k = 2では (∑ n) <0. 5 nとするのが好ましい。
好ましくは、 このような記録パルス分割方法を線速 3 m/ s以上でのオーバ一 ライトに適用するためには、 本発明記録層 Gex (S byTe .-y) い xにおいて、 特に yを 0. 72以上、 線速 7mZs以上でのオーバーライトには yを 0. 74 以上とする。 すなわち、 S bZTe比を 2. 57以上、 より好ましくは 2. 85 以上の S bリツチとする。
本発明では、 記録層組成をこのように S bリッチとしても、 非晶質マークの安 定性が高く保存安定性も良好であることが、 好ましい特徴の一つである。
特開平 8— 22644号公報には、 S b。.7Te。.3近傍組成に A g及び I nを 合計で 10原子%程度添加した A g I n S bTe記録層が記載されている。 しか し、 この Ag I n S bTe記録層で S b/Te比を 2. 57以上とすると、 非晶 質マークが極めて不安定となり保存安定性に問題があった。
以下、 実験例を用いて比較説明する。 EFMプラス変調のマーク長記録を行う にあたり、 長さ nTのマークを記録するに、 線速 2m/s〜5mZsの範囲にお いて、 波長630~6801 111、 NA= 0. 6の光学系を用いて、 記録パルスを n- 1個に分割して記録する場合を考える。
本発明記録層の一例として、 A g 0. e 0. 05 S b 0. e 0. 23 (S b/T e =2. 9 1 ) を用い、 上記 Ag I n S bT e記録層の一例として、 Ago. 。5 I n o. osS b o. 63T e o. 27 (S b/Te = 2. 3 3) を用いる。
本発明組成の記録層も上記 A g I n S b Te記録層も、 光学定数はほぼ同じで あるため、 同じ層構成を用いて同等の反射率及び変調度を得ることができ、 した がって熱的に同等の層構成を適用できる。
第 1保護層膜厚を 1 0 0 nm、 記録層を 2 0 nm、 第 2保護層を 2 0 nm、 反 射層を 2 0 0 nmとし、 いずれも jS ! O . 5程度 (l≤ i≤n— 1 ) 、 Pw= 1 0〜 14 (mW) 、 P e/Pw=0. 5、 P b 0とする。
このとき、 従来の Ago.05 I no. 05S bo.63T e 0. 27記録層では、 "!=0. 8 〜: L . 2、 a i = 0. 4〜0. 6 (2≤ i≤n- 1) が好ましい。 特に
0、 a: (2≤ i≤n- 1) =0. 5、 )3 m= 0. 5とした場合、 ∑ e は nによら ず 0. 5 nとなる。
—方、 本発明の Ago.。5Ge o.05S bo.67丁 e o.23記録層では、 = 3〜 0. 5、 a i = 0. 2〜0. 4 (2≤ i≤η- 1) が好ましい範囲となる。 より具 体的にはひ, = 0. 6、 a i (2≤ i≤n- 1) =0. 3 5とすることができる。 この場合、 n = 3の時、 ∑ a i= 0. 3 2 ηとなり、 η = 4以上では、 ∑ a i = 0. 3 3 η〜0. 34 ηとなる。
これはすなわち、 本発明媒体においては、 記録の際に照射される平均照射パヮ 一を小さくし、 実質的な記録パルス照射時間を∑ α ι<0. 4 ηと小さくすること ができることを表している。
このことにより、 以下の効果が得られる。
(1) 高パワー記録による記録信号品質の劣化を低減できる。 高パワー記録の 問題点は、 記録層に与えられる光エネルギーが多くなりすぎて記録層にこもるこ とに起因している。 このため冷却速度が遅くなつて非晶質マークの再結晶化が生 じたり、 繰返しオーバ一ライト時の劣化が著しくなる。
低パワーのオフパルス区間を設けることで平均入力パワーを抑え、 かつ、 高熱
伝導率の反射層により平面方向に熱を逃がすことにより、 高パワー記録時でも、 マーク後端部分、 特に長マーク後端部分、 の熱蓄積による悪影響を抑制でき、 良 好な長マークを形成できる。
(2) 繰返しオーバ一ライ卜時における各層の熱ダメージを軽減でき、 繰返し 耐久性を改善できる。 毎回の熱ダメージを小さくすることで、 例えば、 熱に弱い プラスチック基板の変形を抑制できる。 また、 ダメージの及ぶ範囲をレーザービ ームプロファイルの中心部分の、 より狭い範囲に限定できる。
特に、 熱が蓄熱されやすい n = 4以上の長マークほど、 実質の記録エネルギー 照射の割合 (∑ c ) Znを減少させる効果が大きい。 従って、 熱ダメージを受け やすい 5mZ s以下の低線速でも、 媒体への悪影響を軽減することができる。 本発明では、 このように繰返しオーバーライト耐久性を改善でき、 従来に比し て 1桁以上大きいオーバ一ライト回数を達成できる。
さらに、 記録層を、 Gex (S byT e i-y) ,-x合金を主成分とする薄膜 (0. 045≤x≤0. 075、 0. 74≤y<0. 8) とし、 線速度に応じて記録パ ルス分割方法を可変とすることで、 SmZs〜8mZsを含む広範囲の線速度で オーバーライ卜可能となる。
すなわち、 第 8図のパルス分割方法において、 m=n— kの kは一定とし、 ォ —バーライト時の線速度が低いほど、 PbZP e又は のいずれかを単調に減少 させる。
なお、 記録線密度を一定に保っために線速度に応じてクロック周期を変更する ことや、 Pw、 P eをそれぞれの線速度で最適に保つように変更することは、 必 要に応じて行ってよい。
さて、 本発明ではさらに、 DVDの標準再生線速度の 1倍速と 2倍速の両方で、 最短マーク長を 0. 35〜0. 45 mとするいわゆる EFMプラス変調信号を 記録する方法を提供する。 なお、 DVDの標準再生線速度は 3. 49mZsであ る。
すなわち、 波長が 600〜680 nmの光を、 開口数 NAが 0. 55~0. 6
5の対物レンズを通し、 基板を介して記録層に集光させ、 最短マーク長を 0. 3 5〜0. 4 5 mの範囲として、 デ一夕の記録再生を行う光記録方法であって、
IIは 1〜 1 4の整数とし、
m= n— 1とし、
P bは 0≤P b≤ l . 5 (mW) の範囲で線速によらず一定とし、
P e/Pwは 0. 4〜0, 6の範囲で線速度に応じて変化しうるものとし、 ( i ) 記録線速度 3〜4mZsの範囲においては、 基準クロック周期を Toとし, a i= 0. 3 ~ 0. 8、
α!≥α ,= 0. 2〜0. 4であって iによらず一定 (2≤ i≤m) 、 α 2+ j3 ι≥ 1. 0、
a i + i-i= 1. 0 (3≤ i≤m) 、
3 m= 0. 3〜 1 . 5とし、
a .T (1≤ i≤m) の時間内においては記録パワー Pw,の記録光を照射し、 ( i i ) 記録線速度 6〜8mZsの範囲においては、 基準クロック周期を ToZ 2とし、
a ' i≥ a ' ■= 0. 3〜0. 5であって iによらず一定 (2≤ i≤m) 、 ' + β' ί-ι = 1. 0 (3≤ i≤m) 、
β, m= 0〜 l. 0とし、
a iT ( 1≤ i≤m) の時間内においては記録パワー P w2の記録光を照射す るとしたとき、
a' i>a . (2≤ i≤m) であり、
0. 8≤Pw,/Pw2≤ 1 - 2である光記録方法である。 本発明者らの実験に よれば、 第 1 0図のパルス分割方法を用いる限りでは、 この設定で特に良好なジ ッ夕が得られた。
ここで、 さらに a2+ 3 t= 1. 0とすれば、 パルス幅に関する独立パラメータ はひ,、 a -,, )3 mの 3個となり、 記録信号源をより簡略化でき好ましい。
なお、 nとして 1から 14までのすベての整数をとる必要はなく、 EFMブラ ス変調では、 3から 1 1まで、 及び 14をとる。 (1, 7) RLL— NRZ I (Run Length Limited- Non Return To Zero Inverted) 符号等も使用可能である。 なお、 記録密度を一定とするために、 一般的に、 1倍速記録時のクロック周期 は 2倍速記録時の倍になるように設定される。
なお、 本発明は、 上記のような、 一定線速度を維持しながら記録領域全面に記 録を行う方式 (constant linear velocity, CLV方式) のみならず、 一定の回 転角速度で記録領域全面に記録を行う方式 (constant angular velocity, CAV 方式) に対しても有効である。 あるいは、 半径方向を複数のゾーンに分割して、 同一ゾーン内では CLV方式でオーバーライトを行う Z CLV (Z on e d C LV) 方式に対しても有効である。
光ディスクの直径は、 86mm、 90 mm (シングル C Dサイズ) 、 120m m (CDサイズ) 、 あるいは 130mmのように様々あり、 記録頜域は半径 20 〜25 mmから最大 65 mm近くに及ぶ。 このとき内外周の線速度差は最大 3倍 近くなる。
一般に、 高密度のマーク長記録においては、 相変化媒体が良好なオーバーライ ト特性を示す線速範囲は、 線速比で 1. 5倍程度の範囲である。 線速度が速けれ ば、 記録層の冷却速度は速くなるので非晶質マークは形成されやすいが、 結晶化 温度以上に保たれる時間が短くなり、 消去が困難になる。 一方、 線速度が遅くな れば、 消去はされやすいが、 記録層の冷却速度は遅くなるので、 再結晶化しやす くなり、 良好な非晶質マークが形成されにくい。
この問題を解決するために、 内外周で反射層膜厚を変化させて内周で反射層に よる放熱効果度が大きくなるように調節することができる。 あるいは、 記録層組 成を変化させて、 外周で結晶化速度を高め、 あるいは内周で非晶質形成に必要な 臨界冷却速度を低めることも提案されている。 しかし、 そのような分布を与えた ディスクの作成は、 容易ではない。
一方、 本発明の媒体と光記録方法の組合せによれば、 ディスク最外周での線速
度、 即ち最大線速度がほぼ 1 OmZ s以下であれば、 CAV方式や ZCLV方式 においても、 良好な記録が可能である。
本発明を、 上記のように半径により線速度が変化する媒体に利用するためには、 記録領域を半径により複数のゾーンに分割し、 各ゾーン毎にデ一夕の基準クロッ ク周波数及びパルス分割方法を切り替えて用いることが望ましい。
すなわち、 所定の記録領域を有する光学的情報記録用媒体を角速度一定で回転 させて情報を複数のマーク長により記録する方法であって、 記録頜域最内周での 線速度が 2〜4m/sとなり記録頜域最外周での線速度が 6〜1 OmZsとなる ように該媒体を回転させ、 該記録領域は半径によって区切られた複数ゾーンから なり、 各ゾーン内の平均線速度に応じて記録密度がほぼ一定となるように基準ク ロック周期 Tを変化させる。
このとき、 ゾーンによらずパルス分割数 mを一定とし、 外周ゾーンから内周ゾ ーンに向かって、 P bZP e比及び Z又は a i ( iは 1≤ i≤mの少なくとも一つ) を単調に減少させる。 これによつて、 低線速度の内周部において、 冷却速度不足 により非晶質マークの形成が不完全となるのを防ぐことができる。 なお、 a, ( i は 1≤ i≤mの少なくとも一つ) を単調に減少させる、 とは、 例えばひ α2、 • · ·、 amの中で α2のみを減少させることを指す。
より具体的には、 第 10図で示されたパルス分割方法をベースに、 線速に応じ たパルス分割方法を用いることが、 可変パルス分割方法回路を簡略化することが できて望ましい。 その際に、 記録領域を半径方向に ρ個のゾーンに分割して、 各 ゾーンごとにクロック周期とパルス分割方法を変化させることが、 半径位置に応 じて連続的に変化させるよりも簡便である。
本発明では、 記録領域が半径によって ρ個のゾーンに分割され、 最内周側を第 1ゾーン、 最外周側を第 ρゾーンとし、 第 Qゾーン (ただし、 Qは l≤Q≤pの 整数) における角速度を ω。、 平均線速度を <vQ>ave、 最大線速度を <vq〉ma x、 最小線速度をぐ vq〉min、 基準クロック周期を Τ。、 最短マークの時間的長さ を nminT。とすると、
< V p>ave/< V l>aveii 1. 2〜3の範囲であって、 < V q〉 m a xノ < V。 > m inは 1. 5以下とするのが好ましい。 同一ゾーン内では同一クロック周期と同一 パルス分割方法を用いるのであるが、 同一パルス分割方法でカバーできる線速範 囲はおおむね 1. 5倍が限度である。
そして、 同一ゾーン内では、 coq、 Tq、 a β P e、 Pb、 及び Pwは一 定であり、 最短マークの物理的長さ nminTq<vq>aveは 0. 5 ;am以下であり、 T。<vq〉aveは 1≤Q≤Pなる全ての Qに対してほぼ一定であり、 かつ、 m= n— 1もしくは m= n— 2、
ι= 0. 3〜 1. 5、
αι≥α i=0. 2〜0. 8 (2≤ i≤m) 、
α ι -l· β 1 - · = 1. 0 (3≤ i≤m) 、
0≤P b≤ 1 - 5 (mW) 、
0. 4≤P e/Pw≤ 0. 6
とする。
ここで、 m=n— 1の場合は、 3〜1. 5、 α .= 0. 2~0. 5、 m=n— 2の場合は 5〜: L. 5、 >=0. 4〜0. 8とすることが好 ましい。
パルス分割方法は、 以下の法則に則って変化させることが重要である。 各ゾ一 ンごとに Pb、 Pw、 PeZPw比、 α,、 β ]3mは可変であり、 外周ゾーンか ら内周ゾーンに向かって、 少なくとも《i ( iは 2≤ i≤mの少なくとも一つ) を 単調に減少させる。
各ゾーンごとの a iの変更は 0. IT刻みもしくは 0. 0 IT刻みとすることが 好ましい。
ここで、 最外周ゾーンでの基準クロック周期 TPに対して、 1/100程度の周 期の高周波ベースクロック発生回路を付加することで、 すべてのゾーンにおける 1\及び分割パルス長をこのベースクロックの倍数として発生させることが可能で ある。
DVDでは 1倍速での基準クロック周波数は 26MHz程度であるから、 最高 2. 6 GHz程度のベースクロック周波数、 通常は一桁少なくて 260 MHz程 度のベースクロック周波数で十分である。
さらに、 該記録領域における Pwの最大値を Pwmax、 最小値を Pwminとする とき、 Pwmax/Pwmin≤ 1. 2とし、 Pe=Pw=0. 4〜0. 6、 0≤P b ≤ 1. 5 (mW) とすることができる。 これによれば、 3種類のパワーの設定範 囲を限定できるので、 パワー発生回路を簡便化できる。
本発明では、 さらに、 Pw、 P eZPw比、 Pbを一定として、 パルス分割方 法のみを変更することで、 すべての線速に対応することも可能である。 また、 /3 mもゾーンによらず一定とし、 a tと amのみをゾーン依存パラメータとすることも できる。 これは、 ドライブの記録パルス制御回路を簡略化する上で極めて有用で ある。
本発明においては、 記録時に光学ヘッドの半径位置情報から、 記録媒体上に仮 想的にゾーンを設定して記録を行っても良いし、 ディスクにあらかじめ記載され たアドレス情報やゾーン情報にしたがって、 ディスク上に物理的にゾーン構造を 設けてもよい。 仮想的であっても物理的であっても、 ゾーンによって決まる線速 度に応じた記録パルス分割方法を選定すればよい。
次に、 本発明の光記録方法を、 Z CAV方式に適用した他の例について述べる。 記録領域が半径によって P個のゾーンに分割され、 最内周側を第 1ゾーン、 最 外周側を第 Pゾーンとし、 第 Qゾーン (ただし、 Qは l≤Q≤pの整数) におけ る角速度を ω。、 平均線速度を <vq〉ave、 最大線速度をぐ vq〉max、 最小線速度 を <v。〉min、 基準クロック周期を T。、 最短マークの時間的長さを nminT。とす る。
ZCAV方式においては、 記録線密度がほぼ一定であるように、 外周部のゾー ンに移行するほど、 記録デ一夕の基準クロック Τ。を小さくすることが必要である c すなわち、 丁。 <vq〉aveが 1≤Q≤pなる全ての Qに対してほぼ一定となるよ うに、 ゾーンに応じて T。を変化させる。 ここで、 ほぼ一定とは、 ± 1 %程度の誤
差を含むものとする。
また、 同一ゾーン内の最大線速と最小線速を一定の範囲内にするために、
«Vq>max-<V q>min) Z « V q >m a x + < V q >ra i π ) く 10%
(2) を満たすようにゾーンの幅を決める。 すなわち、 (<V q>ma X—く V q〉min) が «V q>max+<V q>mi n) の 10 %未満となるようにし、 第 Qゾーンの幅は、 平均半径ぐ r q〉aveの土 10 %未満の半径位置までが許容されるものとする。 より好ましくは、 (<vq〉max— <vq〉mln) が (<v。〉max.+ <vq>min) の 5 %未満である。
ゾーンの幅は、 記録領域を半径毎に等分割してもよいが、 この条件を満たす限 り等分割でなくてもよい。 記録領域幅にもよるが、 30〜4 Omm幅の記録領域 については、 概ね 10個以上に分割される。
本発明者らの検討によれば、 最短マーク長 0. 程度でも、 (2) 式を満 たせば、 ジッ夕の値は実用レベルであった。
以上 2つの条件は、 記録線密度を一定とし、 ひいてはマークの物理的長さ、 或 いはチャネルビット長を一定するた'めの条件である。 なお、 チャネルビット長と は、 トラックに沿った 1チャネルビットあたりの長さである。
DVDとの再生互換性を、 より確実に得るためには、 基準再生速度 Vを約 3. 5m/ s、 基準クロック周期 Tを約 38. 2 n s e cとしたとき、 チャネルビッ ト長 vTの変動をほぼ土 1 %未満とするのが好ましい。
ZCAV媒体においてこの条件を満たすためには、 下記 (3) 式
(<. V q>max-<^ V q^>mi n) / <. V q>maX + <^ V q>mi n) ^\ 1 %
(3) を満たさねばならない。 すなわち、 (<V q〉ma X— <V q〉mi n) が «V q〉ma X + <V q>min) の 1 %未満となるようにし、 第 Qゾーンの幅は、 平均半径ぐ Γ。〉 aveの ± 1 %未満の半径位置までが許容されるものとする。 このため、 記録領域を
であり、 Tq<Vq〉aveが 1 なる全ての Qに対してほぼ一定となるように する。 ここで、 ほぼ一定とは、 ± 1 %程度の誤差を含むものとする。
これにより、 Z CAV方式ながら擬似的に、 半径によらない等密度記録ができ るため、 CLV方式でも再生が可能となり、 CLV方式の DVDプレーヤ一との 互換性が高まる。
必要に応じて、 ゾーン幅はより狭くしてもよい。
さて、 以上のような条件のもとで、 DVDと同等の記録密度を得る光記録方法 について説明する。
波長が 6 0 0〜6 8 0 nmの光を、 開口数 NAが 0. 5 5〜0. 6 5の対物レ ンズを通し、 基板を介して記録層に集光させ、 データの記録再生を行うにあたり、 上記記録領域の最内周が半径 2 0〜2 5 mmの範囲にあり、 最外周が半径 5 5 〜6 0 mmの範囲にあり、 最内周側ゾーンの平均線速度が 3〜 4m/" sであり、 第 Qゾーン (ただし、 Qは l ^q^pの整数) における角速度を ω。、 平均線速 度を <vq〉ave、 最大線速度を <vq〉max、 最小線速度を <vQ〉min、 基準クロ ック周期を TQ、 最短マークの時間的長さを IlminTqとすると、
nは 1 ~ 1 4の整数であり、
m=n— 1であり、
ω。、 P b及び P eZPwはゾーンによらず一定であり、
Tq<v。〉aveは 1≤ Q≤pなる全ての Qに対してほぼ一定であり、 かつ、
V q^max— < V q mi n) / (,< V g >m a X + <^ V q >m i n ) ^ 1 0 %
を満たし、
( ί ) 第 1ゾーンにおいては、
α!ι=0. 3〜0. 8、
α 11≥ α 1 , = 0. 2〜0. 4であって iによらず一定 (2≤ i≤m) 、
ι 2+β ≥ 1. 0、
α 1 i+ jS 1 i->= 1. 0 (3≤ i≤m) とし、
( i i ) 第 pゾーンにおいては、
αρι=0. 3〜0. 8、
ρ!≥αρ, = 0. 3〜0. 5であって iによらず一定 ( 2≤ i≤m) 、 ap i + ]3 p i -> = 1. 0 (2≤ i≤m) としたとき、
( i i i ) 他のゾーンにおいては、 ひ 1 i≤ひ q i≤ap i (2≤ i≤m) とし、 α。, は、 a とひ との間の値として記録を行う。
上記記録領域の最内周が半径 20〜2 5 mmの範囲にあり、 最外周が半径 5 5 〜6 0mmの範囲にある場合、 記録領域の半径幅は約 3 0〜40mmとなる。 そ して、 ディスクを最内周の第 1ゾーンにおいて <V !〉3^= 3〜 !!!ノ sとなる ように等角速度で回転させる。
第 1ゾーン、 第 pゾーンについては上記条件により記録を行い、 他のゾーン (2 Q≤ P— 1なる第 Qゾーン) にっぃてはひ ^ひ ^ひ (2≤ i≤m) とし、 α は、 ひ 1!と ap iとの間の値とする。 この場合、 α の値は 0. 1 Tも しくは 0. 0 1 Τ刻みで設定することが望ましい。
好ましくは、 a ^a ^a^ (ただし、 ひ 1!〉^1^) とする。
さらに、 P b、 P e/Pw, β 3mはゾーンによらず一定であり、 ひ のみをゾーンにより変化させれば、 線速 3〜8m/ sをすベてカバ一する広い線 速範囲で良好なオーバ一ライ卜特性を得ることができる。
好ましくは、 これら P eZPw、 P b、 Pw、 j3m、 ( , a\) 、 (a1 apc) の数値が、 あらかじめ基板上に、 プリピット列或いは溝変形により記載し ておくことで、 各記録媒体ごと、 そして各ゾーンごとにドライブが最適のパルス 分割方法及びパワーを選択することができてよい。 これらは、 通常、 記録領域の 最内周端もしくは最外周端に隣接した位置に記録される。 バイアスパワー P bを 再生パヮ一 P rと同じにするのであれば、 バイアスパワー P bはあえて記載しな くても良い場合もある。 溝変形とは、 具体的には溝蛇行 (ゥォブル) などである。 或いは、 プリピット列もしくは溝変形により、 アドレス情報をあらかじめ基板 上に記録した光学的情報記録用媒体に、 該アドレス情報とともに、 該アドレスに
おいて適当な α !及び a iに関する情報を含ませてもよい。
これにより、 アクセスする際にァドレス情報とともに該パルス分割方法情報も 読み出し、 パルス分割方法を切り替えることができ、 特別な補正をすることなく、 該記録媒体及び該ァドレスの属するゾーンに適したパルス分割方法を選択するこ とができる。
上記のような、 ゾーンごとに記録パルス分割方式を変更しながら、 ディスク全 周にわたって記録を行う方式は、 Z CLV方式 (Z o n e d CLV) でも適用 可能である。 以下に具体例を説明する。
記録領域 ¾半径方向に複数のゾーンに分割し、 各ゾーン内においては、 線速度 一定で記録を行うものとし、
最内周ゾーンにおける記録線速度 V inと最外周ゾーンにおける記録線速度 v。u tの比 v。u tZv inが 1. 2〜2であり、
線速度によらず m、 α 1 + /3 i-i (3≤ i≤m) 、 a iT, P e Pw、 及び P b を一定とし、 線速度に応じて (2≤ i≤m) 及び Z又は i3 mを変化させること により記録 行う。
Z CLV方式は、 記録頜域を半径方向の複数のゾーンに分割することは Z C A V方式と同様であるが、 同一ゾーン内では CLVモード、 即ち線速度一定でディ スクを回転させながら記録を行う。
このため、 本発明記録方法を Z CLV方式に適用する場合、 最内周ゾーンと最 外周ゾーンとの線速度をそれぞれ Vi n、 V。utとするとき、 Vl nと V。utの差を小 さくし、 例えば V。u tZVi nを 1. 2〜2とすることで、 媒体への線速度依存性の 負担を軽減する。
本発明媒体は、 記録パルス分割方法をわずかに変更するのみで、 線速 3 ~ 8m の広範囲で記録可能であるから、 比較的少ないゾーン数に分割する Z CLV 方式が適用できる。
この際、 ゾーンによらず等記録密度とするためには、 各ゾーンでの線速度 V。と
各ゾーンにおける記録デ一夕の基準クロック周期 Tqは、 Tqく V q〉aveを Qによ らずほぼ一定とする。
そして、 各ゾーンにおいて、 最適化された記録パルス分割方法を用いる。 すな わち、 ひ i=0. 3〜0. 5 (2≤ i≤m) 及び /3m=0〜: L. 5とし、 線速度に よらず m、 α ι + ι-ι (3≤ i≤m) 、 ひ !T、 PeZPw、 及び Pbを一定とし. 線速度に応じて a i及び 又は ]3 mを変化させることにより記録を行う。
以上述べた、 CLV方式、 ZCAV方式、 或いは Z CL V方式において、 ォー バ一ライト時の線速度に応じて記録パルス分割法を可変とする例は、 主として^ mを線速によらず一定として、 パルス発生回路を簡便化するものであつたが、 逆に、
)3 mを積極的に変化させることで、 パルス発生回路の簡易化を図ることもまた可能 である。
すなわち、 結晶部を未記録 ·消去状態とし非晶質部を記録状態とし、 最短マ一 ク長 0. 5 m以下の複数の記録マーク長により情報を記録するにあたり、
記録マーク間には、 非晶質を結晶化しうる消去パワー P eの記録光を照射し、 一つの記録マークの時間的な長さを nTとしたとき (Τは基準ク口ック周期、 ηは 2以上の整数) 、
記録マークの時間的長さ η Τを、
V iT, !Τ β ιΤ, α2Τ、 2Τ、 · · ·、
α ι Ύ, β ί Τ、 · · ·、 amT、 /3mT、 7? 2Τ
(ただし、 mはパルス分割数で m=n— k、 kは 0 k≤ 2なる整数とする。
また、 ∑ i (a i+ /3 + 7? 7?
とし、 7?!は 7? 0なる実数、 η
2は η
2≥0なる実数、 0≤ 7? , + 772≤2. 0とする。
a I (1≤ i≤m) は a i〉0なる実数とし、 β ( 1≤ i≤m) は ]3 i〉0なる 実数とする。
αι=0. 1〜1. 5、 >=0. 5〜: L. 0、 3m=0〜: L. 5とし、 2≤ i≤ mなる iにおいて a iは 0. 1〜0. 8の範囲にあり、 かつ、 iによらず一定とす る。
なお、 3≤ i≤mなる iにおいてひ i+i3 !は 0. 5〜 1. 5の範囲にあり、 かつ、 iによらず一定とする。 )
の順に分割し、
a iT (1≤ i≤m) の時間内にお ては記録層を溶融させるにたる Pw〉P e なる記録パワー Pwの記録光を照射し、 j3 iT ( 1≤ i≤m) の時間内においては, 0<P b≤ 0. 2 P e (ただし、 3mTにおいては、 0く P b P eとなりうる) なるバイアスパワー P bの記録光を照射し、
線速度によらず m、 α , + )3 ,'-ι (3≤ i≤m) 、 !丁、 及び c T (2≤ i≤ m) を一定とし、 線速度が小さいほど i3mが単調に増加するように変化させる光記 録方法である。
まず、 記録密度を一定に保っために、 上述の Z CAV方式もしくは ZCLV方 式を適用し、 基準クロック周期 Tは線速度に反比例させて変化させる。
そして、 少なくとも 3≤ i≤m、 好ましくは i≤mにおいて c + j3 ,を、 線速及び iによらず一定とすることにより、 パルス発生回路を簡略化でき、 かつ、 a ,を低線速ほど単調に減少させて記録層の冷却速度を増加させることができる。 通常、 ε + ,- != 1. 0とする。
このようなパルス分割方法を実現するためには、 第 1 1図のゲート発生のタイ ミングの説明図において、 基準クロック周期 Τに同期させて (一定の遅延を付加 することはありうる) 、 幅 α の固定長パルス一個 (Ga t e 1) と、 後続する 幅 aiT (acT) の固定長パルスを複数個 (Ga t e 2) 発生させる一方、 最終 オフパルス長; 3mTを決める Ga t e 3のみ線速に応じて変化させれば良い。
ここで、 各記録線速度での最大記録パワーを Pwmax、 最小記録パワーを Pwm inとするとき、
PWmax/PWm i n≤ 1. 2、
P e/Pw=0. 4〜0. 6、
0≤P b≤ 1. 5 (mW)
とするのが好ましい。
また、 前述のように、 少なくともオーバ一ライト時の線速度が 5 mZs以下の 場合において、 繰返しオーバ一ライト時の熱ダメージを防ぐために、 m=n— 1 においては∑cn<0. 4nとし、 m=n— 2においては∑cn<0. 5 nとする のが好ましい。
さらに、 オーバーライト時の最高線速度における 0mを /3H m、 最低線速度におけ る 0mを /S nとして、 各オーバーライト時の線速度における) 3 mを) 3 と /3H mの間 の値とし、 記録線速度によらず Pb、 P eZPw比が一定であるような記録方法 が適用できる。
この場合、 少なくとも P e Pw比、 Pb、 Pw、 α ,Τ iT, (/3L m、 β H m) の数値が、 あらかじめ媒体の基板上に、 プリピット列或いは溝変形により記 録されていれば、 やはり最適なパルス分割方法が自動的に選択でき、 好ましい。 さらにまた、 最大線速度が最小線速度の倍程度までであれば、 十分に実用的な 信号品質を維持しつつ、 記録線速度によらず/ 3 mが一定であるような光記録方法も 可能である。
CLV方式の再生専用 DVDドライブには、 マークを再生して得られる基準ク ロック周期をもとに、 データクロックと回転同期信号を発生させて、 回転制御を 行う方式がある。
上述のようにして、 最短マーク長、 或いはチャネルピット長が記録半径によら ずほぼ一定となるように、 Z CAV方式でマークが記録された媒体は、 本方式の 再生専用 DVDドライブで、 そのまま再生することが可能である。
すなわち、 記録されたマークから生成されるデータの基準クロック周期 To' が、 該ドライブの基準データクロック T rとほぼ一致するように PL L (Phase Lock Loop) 方式により回転同期制御することが可能であるから、 多少の線速のゆらぎ やチャネルビット長のゆらぎがあっても、 再生回路でそのままデコードできるの である。
特に、 全てのゾーンで最短マーク長が 0. 4 mでほぼ一定になるように記録 された EFMプラス変調データは、 記録されたマークから生成される回転同期信
号から、 PLL制御による CLV回転同期が達成される。 同時に、 周波数が 25 〜27MH zの範囲にある基準データクロック T rが発生され、 このクロックに 基づいて、 ゾーン間の遷移を意識することなく、 CLV記録媒体として再生する ことができる。
もちろん、 基準デ一夕クロックが T rZ2となるように回転同期が達成されれ ば、 2倍速による再生が可能となる。 このような PLL方式による回転同期信号 の発生回路等は、 既に公知の DVDプレーヤ一や DVD— ROMドライブでの方 式をそのまま使用できる。
さて、 本発明媒体は、 反射率以外の全ての信号特性において DVDとの再生互 換性を確保することができる。 このためには溝内記録が望ましく、 また、 溝のプ ッシュプル信号が小さいのが好ましい。 溝のプッシュプル信号が大きいと、 再生 時に使用する DP D法でのトラッキングサーボ信号が小さくなるからである。 従 つて溝深さを、 プッシュプル信号が最大となる (8 η) より浅くする必要が ある。 なお、 λは空気中での再生光波長、 ηは基板の屈折率である。 しかし、 記 録時には通常、 トラッキングサ一ポにプッシュプル信号を利用するので、 小さす ぎても好ましくない。
また、 再生信号特性については、 高い CN比を得るためには変調度 Mo dが 0. 5以上であるのが好ましい。 ただし、 Mo dは (DC再生信号のエンベロープの 振幅) Z (DC再生信号のエンベロープの上端値) とする。
好ましい溝深さは (20 η) 〜 I (10 η) である。 λ/ (20 η) より浅すぎては、 記録時のプッシュプル信号が小さくなりすぎてトラッキングサ —ボがかからず、 λ/ (10 η) より深くては再生時のトラッキングサーボが安 定しない。 例えば、 記録再生波長が 630~670 nm程度.、 対物レンズの開口 数 NAが 0. 6〜0. 65では、 溝深さは 25〜40 nmの範囲であることが望 ましい。
また、 DVDと同程度の容量を確保するには、 溝のピッチを 0. 6〜0. 8 mとする。 また、 溝ピッチを 0. 74 mとすると、 DVDとの互換性がとりや
すい。
溝幅は 0. 25〜0. 5 tmであることが望ましい。 0. 25 μπιより狭いと プッシュプル信号が小さくなりすぎてしまう。 0. 5 / mより広いと溝間の幅が 狭くなり基板の射出成形時に樹脂が入り込みにくく、 溝形状の基板への正確な転 写が困難になる。
本発明媒体は、 記録後に反射率が低下する。 このような媒体において、 溝内の 反射率のほうを低くするためには、 つまり、 記録後の溝内の平均反射率を RGa、 記録後の溝間の平均反射率を RL aとして、 RG aぐ RL aとするためには、 溝 幅が溝間幅より狭いことが望ましい。
例えば DVDと互換性をとるために、 溝ピッチを 0. 74 zmとすると、 溝幅 はその半分である 0. 37 mより狭いことが好ましい。
一方、 記録前の溝内の平均反射率を RGb、 記録前の溝間の平均反射率を RL bとするとき、 上記 RG a<RL aさえ満足すれば R G b〉R L bであってもよ い場合には、 溝幅を 0. 4~0. 5 zzmとすることで、 溝内に記録される非晶質 マークの幅を広げ、 変調度を高めたり、 ジッタを低減できることがある。
さて、 これら溝には、 未記録の特定トラックにアクセスするために、 また、 基 板を一定線速度で回転させる同期信号を得るために、 周期的な変形を設けること がある。 一般的には、 トラック横断方向に蛇行したゥォブル (wo bb 1 e) が 形成されることが多い。 すなわち、 溝が一定周波数 f w。で蛇行していれば、 その 周波数を検出することで、 P L L方式により回転同期用の信号が取り出せる。 溝蛇行の振幅は、 40〜80 nm ( e a k- t o-p e a k値) であること が望ましい。 40 nm未満では振幅が小さすぎて SN比が悪くなるし、 80 nm を超えると、 第 6図に示す記録信号のエンベロープの上下端がゥォブル信号に由 来する低周波成分を多く含み、 再生信号の歪みが大きくなつてしまう。
ゥォブルの周波数が、 記録データの帯域に近い場合には、 その振幅は 80nm 以下であることが望ましい。
さらに、 該蛇行周波数 fw。を搬送波として、 特定のアドレス情報に従って、 周
波数変調もしくは位相変調された蛇行を形成すれば、 これを再生することでアド レス情報を取得できる。
蛇行周波数 f w。を一定として溝蛇行を形成すれば、 f w。から生成された溝蛇行 信号の基準周期 Twもしくはその倍数又は約数から、 デ一夕用の基準クロック信号
Tを発生させることもできる。
通常、 ゥォブルの周期は、 デ一夕の周波数成分より十分に低周波又は高周波に 設定し、 データ信号成分との混合を防止し、 帯域フィル夕等で容易に分別できる ように設定される。 特に、 fw。がデータの基準クロック周期より 1〜2桁程度低 くすることは記録可能 CD等でも実用化されている。
CLV方式に用いる媒体においては、 PLL回転同期が達成されたのち、 fw。 を 1〜2桁程度、 倍してデータ基準クロックを生成する。 このような方法で生成 されたデータ基準クロックは、 一般的に、 回転同期のゆらぎの影響 ( 》。の0. 1〜1 %程度) から、 データ基準クロック (周波数) と同じオーダ一の揺らぎを 伴いやすい。 これは、 デ一夕の検出のためのウィンド一マ一ジンを悪化させる。 そこで、 溝蛇行信号とは別に、 データ基準クロックのゆらぎを補正するために、 一定データ長毎に、 プリピットゃ振幅の大きい特殊なゥォブルを挿入することも 有効である。 一方、 f w。がデータ基準クロック周波数 (1 T) もしくはその 1 00分 1から 100倍の範囲であれば、 回転同期達成後、 とりだされたゥォブル 信号をもとに、 そのままデータ基準クロックを発生しても十分な精度が確保でき る。 すなわち、
100/T ≥ f wo ≥ 1/ (100T) (5)
とする。
また、 既に述べた Z CAV法においては、 基準クロック周期 Τ。は、 各ゾーンの 溝蛇行の基準周期 Twqの倍数もしくは約数として発生せしめるのが好ましい。 す なわち、 周波数 fw。をゾーンごとに変更しながら、 一定角速度で溝蛇行を形成す ることで、 fw。として生成される基準クロックもしくはその通倍数周波数を、 デ 一夕用の基準クロック Tqとして発生させることができる。
この際に、 溝のゥォブルを、 (5) 式を満たすような比較的高周波とすると、 各ゾーンごとのデ一夕基準クロックの生成が容易になる。 そして、 ゾーンごとに 基準ク口ック Tqを変化させ、 可変パルス分割方法をこの信号に同期させて発生さ せることができ、 分割された各パルスの位置精度やゆらぎが低減でき、 好ましい。
ZCAV方式のゾーン分割の一例として、 溝の一周を 1ゾーンとすることが考 えられる。 このとき溝が、 ゾーンによらず周期が一定のゥォブルを有し、
溝ピッチを TP、 蛇行周期を Tw。とすると、 近似的に
2 7C ' TP=a - Two - v o
(ただし、 aは自然数)
なる関係を満たすようにすると、 周期 Tw。が一定のゥォブルが、 全記録領域にわ たって形成され、 トラック一周だけ外周になるごとに、 a個のゥォブルが増加す ることになる。
そして、 Tw。が、 基準クロック周期 Tの整数倍となっていること、 すなわち T wo=mT (mは自然数) となっていることは、 Tw。から基準クロックを発生さ せる場合に、 単純に整数分の 1とすればよいので、 基準クロック発生回路を簡略 化でき望ましい。 この場合、 mは近似的に自然数でなくてもよく、 ±5%程度の ずれは許容できる。
すなわち、 TP = 0. 74 mに対して、 v。=3. 5 m/ s , Τ=38. 23 η s e c、 η= 1とすると、 m= 34. 7となり、 近似的にゥォブル周期 Τ w。= 35 Tとすれば、 一周ごとに含まれるゥォブルの数が 1個ずつ増えていく。
この場合には、 CLV方式で、 ゥォブルが導入されているにもかかわらず、 隣 接トラックのゥォブルの位相が常にそろっているために干渉 (ビート) によるゥ ォブル信号の再生振幅の変動が小さいという利点がある。
以上、 本発明の適用例について述べたが、 本発明は相変化媒体一般のマーク長 記録における線速度依存性及び記録パワー依存性を改善するのに有効であり、 書 換え型 DVDに限定されるものではない。
例えば、 波長 350〜 500 nmの青色レーザ一光と ΝΑ= 0. 6以上の光学
系を用いた、 最短マーク長が 0. 3 m以下のマーク長変調記録を行う場合にも、 本発明媒体及び記録方法は有効である。 最短マ一ク長は、 マークの安定性を考慮 すれば 1 0 nm程度以上が好ましい。
その場合、 トラック横断方向の温度分布を平坦化することに留意する必要があ り、 第 2保護層の膜厚を 5〜 1 5 nmと極めて薄くすることが有効である。
波長 3 5 0〜 45 0 nmのレーザ一光を用いる場合は、 1 0 nm以下とするの がより好ましい。
さらに、 本発明媒体は、 溝と溝間の両方をトラックとして記録を行う、 いわゆ るランド &グループ記録に適用してもよい。 ランドとグループで同等の記録特性 を満たさなければならない困難さはあるものの、 溝幅が広いままトラックピッチ を狭めやすく、 高密度記録に適している。 溝幅 GWと溝間幅 LWをともに 0. 2 〜0. 4 imとすることで、 高密度でありながら安定したトラッキングサ一ボ性 能が得られる。 また、 GW/LW比が 0. 8以上 1. 2以下であれば、 溝及び溝 間双方の信号品質を同等に保てる。 クロストークを低減するためには、 溝深さ d =λ/ (7 η) 〜λ/ (5 η) 又は λΖ (3. 5 η) 〜λΖ (2. 5 η) とする ことが望ましい。 実施例
以下に実施例を示すが、 本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定 されるものではない。
以下の実施例では、 基板は射出成形で作成した。 基板は厚さ 0. 6mmの射出 成形されたポリカーボネート樹脂基板とし、 特に断らない限り、 溝ピッチ 0. 7 4 um, 幅 0. 34 zm、 深さ 3 0 nmの溝をスパイラル上に形成したものを用 いた。
特に断らない限り、 溝は線速 3. 5m/ sにおいて、 周波数 1 40 kHzのゥ ォブルを有し、 ゥォブルの振幅は約 6 0 nm (p e a k— t 0— p e a k値) と した。
なお、 溝形状は、 U溝近似の光学回折法を用いて測定した。 走査型電子顕微鏡 や走査型プローブ顕微鏡で溝形状を実測しても良い。 この場合、 溝深さの半分の 位置における溝幅を用いる。
特に断らない限り、 該基板上に、 第 5図 (a) に示すような 4層構成を成膜後、 その上に紫外線硬化樹脂からなる保護層をスピンコートによって設け、 もう 1枚 同じ層構成を有する 0. 6 mm厚基板と貼り合わせた。 また、 以下の実施例及び 比較例においては、 第 5図 (a) における第 1保護層を下部保護層、 第 2保護層 を上部保護層と呼ぶこととする。
成膜直後の記録層は非晶質であり、 長軸約 90 ^m、 短軸約 1. 3 mに集光 した波長 810〜830 nmのレーザ一光ビームにより線速 3. 0から 6. 0 m Zsの範囲内で適当な線速度を選んで、 初期化パワー 500〜70 OmWの光を 照射して全面を溶融して再結晶化させ初期 (未記録) 状態とした。
各層組成は蛍光 X線分析、 原子吸光分析、 X線励起光電子分光法等を組み合わ せて確認した。
記録層、 保護層の膜密度は基板上に数百 nm程度に厚く成膜した時の、 重量変 化から求めた。 膜厚は蛍光 X線強度を触針計で測定した膜厚で校正して用いた。 反射層の面積抵抗率は 4探針法抵抗計 {Lo r e s t a FP、 (商品名) 三 菱油化 (現ダイァインスツルメント) 社製 } で測定した。
抵抗測定は、 絶縁物であるガラスもしくはポリカーボネ一ト樹脂基板上に成膜 した反射層、 あるいは、 第 5図の 4層構成 (紫外線硬化樹脂保護コート前) 成膜 後、 最上層となる反射層で測定した。
上部保護層が誘電体薄膜で絶縁物であるため、 4層構成であっても、 反射層の 面積抵抗率測定に影響はない。 また、 実質的に無限大の面積とみなせる、 直径 1 2 Ommのディスク基板形状のまま測定した。
得られた抵抗値 Rを元に、 以下の式で、 面積抵抗率 p s及び体積抵抗率 P Vを 計算した。
p s =F · R (6)
β V— P S ' t ( 7 )
ここで、 tは膜厚、 Fは測定する薄膜領域の形状で決まる補正係数であり、 4. 3〜4. 5の値をとる。 ここでは、 4. 4とした。
特に断らない限り、 記録再生評価にはパルステック製 DDU 1 0 0 0評価機を 用いた。 光ヘッドの波長は 6 3 7 nm、 対物レンズの開口数 N Aは 0. 6もしく は 0. 6 3である。 ビーム径はそれぞれ約 0. 9 0 ^111及び約0. 8 7 mであ る。 なお、 ビーム径は、 ガウシアンビームでエネルギー強度がピーク強度の 1Z e 2以上となる領域に相当する。
記録は第 1 0図に示したパルス分割方法で、 特に断らない限り m=n— 1とし、 a i + l3 i - i= l . 0 (2≤ i≤m) とした。 P bはすべての線速度において再生 パワーと同じ 1. OmWで一定とした。 P eZPwは特に断らない限り、 0. 5 で一定とした。 P bを、 0. 8~ 1. OmWの間で一定とし、 Pwを変化させて 変調度及びジッ夕を測定した。
記録する信号は、 DVDで用いられている 8— 1 6変調 (E FMプラス変調) されたランダム信号とした、 特に断らない限り最短マーク長は 0. 4 mとした。 また、 特に断らない場合は、 単一トラックのみ記録した状態で測定をおこなった ので、 クロストークの影響は入っていない。
記録は、 DVDの標準線速度 3. 5m/sを 1倍速として、 1倍速、 2倍速な ど様々な線速で行った。
再生は常に線速 3. 5mZsで行い、 ジッタはイコライザー通過後の再生信号 を 2値化した後に測定した。 なお、 ジッ夕はエッジ · トウ 'クロックジッタ (ed ge-to clock jitter) を指し、 測定値は基準クロック周期 Tに対する%で表示し た。 イコライザーの特性は再生専用 DVD規格に準拠した。 基準クロック周期 Τ = 3 8. 2 n s e c . (2 6. 1 6 MHz ) に対して概ね 1 0 %未満 (より好ま しくは 8 %未満) のジッ夕と、 5 0 %以上の変調度、 好ましくは 6 0 %以上の変 調度が得られることが好ましい。 さらにまた、 繰返しオーバ一ライト後のジッ夕 増加が少なく、 少なくとも 1 0 0回後、 好ましくは 1 0 0 0回後でも、 Tに対し
て 13%未満を維持できることが望ましい。
なお、 再生専用 DVDとの互換性確保の立場からは 6 50- 660 nmでの再 生光での測定が重要であるが、 本発明において波長は、 単に集束光ビーム形状に わずかに影響するだけであり、 再生光学系を調整すれば、 本発明で使用したよう な 637 nm光学系と同様のジッ夕が 660 nm光学系でも得られることが確認 されている。
(実施例 1及び比較例 1 )
記録層として、 本発明に係る I nGe S bTe系と従来公知の I nAgS bT e四元系とを比較するために、 A gと Geの組成以外はほぼ厳密に記録層組成及 び層構成をそろえた媒体を表一 1のように用意した。
両記録層は、 A gと Geを置き換えた以外、 組成はほとんど測定誤差の範囲内 で十分同等とみなせる範囲である。 下部保護層の膜厚が異なっているのは、 媒体 の反射率 R t 0 pが同じとなるように調整したためである。 記録層の屈折率が微 妙に違うせいで、 このような補正が必要なのであるが、 記録層への光の吸収効率 を同じにして、 再生光による熱ダメ一ジの影響を同じにして比較するためには必 要な補正である。 記録層膜厚及び上部保護層膜厚が同じであるから、 放熱効果及 び熱ダメージについては同等とみなせる。
基板は 0. 6mm厚のポリカーボネート樹脂で、 溝ピッチ 0. 74 /zm、 溝幅 0. 3 ιιτη, 溝深さ 27 nm、 ゥォブル周波数 140 k H z (線速度 3. 5m /s) , ゥォブル振幅 60 nm ( e a k- t o-p e a k値) の溝が形成され ており、 該溝内に記録を行った。
この 2種類の媒体に対して、 記録線速度 3. 5mZs、 T=38. 2ナノ秒に おいて、 EFMプラス変調で記録を行ったところ、 良好なオーバーライト記録特 性を示した。 オーバーライト記録条件は、 それぞれのディスクの特性が必ずしも ベストとなる条件ではなく、 両方の特性が表一 1に示すようにほぼ同等となるよ うな共通の条件で行った。
すなわち、 第 10図 (a) に示すパルス分割方法において、 m=n— 1、 α ,+
i3 i-i = 1. 0 (2≤ i≤m) 、 a i = o; c =—定 (2≤ i ^m) とし、
P b= 0. 8mWとした。
このように記録された信号に、 再生光を繰返し照射し、 再生光安定性を調べた。 所定の再生光パワー P rで所定回数照射したのち、 再生光パワーを 0. 5mWと 十分低くしてジッタ等の測定を行った。 結果を第 12図に示す。
実施例 1の媒体は、 再生光パワー lmWでは 106回まで全く再生光による劣化 を示さなかった。 0. lmWずつパワーを上げると徐々に劣化が早くなる程度で ある。
一方、 比較例 1の媒体は、 再生光パワー lmW以上のすべての再生光において、 最初の 100~ 1000回までの間に急激にジッ夕が増加したのち徐々に悪化す る。 全体としてジッ夕値が高いが、 初期のジッ夕悪化が致命的である。
比較例 1においてはまた、 再生光により変調度が低下し、 100回程度の照射 で 10%程度低下して落ち着いた。 初期はジッ夕が急増するため、 変調度の低下 は不均一に進行していると考えられる。
実施例 1及び比較例 1の記録済媒体を、 80でノ80%RHの環境下に放置し て、 加速試験を行ったところ、 250時間後には実施例 1のディスクの特性は、 ほとんど全く変化していないのに対して、 比較例 1のディスクの記録信号は、 ほ ぼ完全に消えていた。 比較例 1の組成の記録層材料では非晶質マークが極めて不 安定なことがわかる。
このように実施例 1のディスクにおいては、 初期のオーバーライト記録特性と ともに、 耐再生光安定性、 経時安定性に優れている。 これは、 Sb。.7Te。.3に 過剰の S bを含む合金系において、 Geの適量の添加が非常に効果的であること を示している。
実施例 1の媒体について、 80 :/80 %RHの環境下で加速試験を行った。 2000時間まで加速試験を実施した。 加速試験前に記録した信号のジッ夕の悪 化は 1 %程度に過ぎなかった。
また、 変調度は初期が 64%であったが、 2000時間加速試験後も 6 1 %と、 ほとんど変化しなかった。 反射率もほとんど全く変化していなかった。 2000 時間後に未記録部に新たに記録を行った場合のジッ夕の悪化は 3%程度であった が、 実用上全く支障の無いレベルである。
また、 実施例 1の媒体において、 ジッ夕の記録パルス分割方法依存性を、 m= n- 1及び m=n— 2の場合について詳細に検討した。
第 13図は、 線速 3. 5m//sにおいてそれぞれ (a) m=n— 1、 (b) m ==n— 2で記録した場合のジッ夕の、 a" ac依存性を示す等高線図である。 また、 第 14図は、 線速 7. Om/sにおいてそれぞれ (a) m=n— 1、 (b) m=n— 2で記録した場合のジッ夕の、 α,、 a c依存性を示す等高線図で ある。 各図の測定に用いた Pw, P e, P b及び 3 mは各図の上に示している。 線速 3. 5mZsにおいては、 m=n— 1, m= n— 2いずれの場合にも、 α ι=0. 7〜0. 8、 c=0. 35〜0. 40の近傍において、 最も低いジッ夕 (概ね 7%以下) が得られているのがわかる。
線速 7. OmZsにおいては、 m=i — 1, m= n— 2いずれの場合にも、 a , = 0. 5付近、 α<:=0. 40付近において、 最も低いジッ夕が得られているの がわかる。 最小のジッ夕が得られる近傍の a " (^に対しては、 いずれの場合も ∑ αι<0. 5 ηなる条件を満たす。
なお、 本実施例では、 線速 3. 5m s、 7. Om/ sいずれの場合にも、 m =n— 2とすることで、 より低いジッ夕値が得られており、 また、 m=n— 1の 場合に比べて、 大きい a tに対しても低ジッ夕が得られている。
さらに、 上記実施例 1の媒体を、 NA=0. 63の評価機を用いて、 表一 2の ように、 記録パルス分割方法を変えて、 ジッ夕の線速依存性を評価した。 なお、 基準クロック周期 Tは線速に反比例させている。 パルス分割方法は、 m=n— 1、 a i+ j3 i-i= 1. 0 (2≤ i≤m) 、 ai = ac =—定 (2≤ i≤m) としている。 Pw、 Pb、 P eは線速によらず一定とした。 ここで、 表一 2のパルス分割方法 では、 全線速度において、 ∑ cn<0. 5 nが満たされている。
DVDの標準線速の 1倍速から 2. 5倍速程度まで良好なオーバ一ライト特性 が得られた。 本媒体は、 記録領域を 3〜4ゾーンに分割して、 ゾーン毎にわずか に記録パルスストラジーを変更することで、 CAV方式であっても、 記録領域全 域において良好なオーバーライト特性を示す。
また、 波長 660 nm、 NA=0. 65の評価機を用いて記録再生を行っても、 同様の結果が得られた。
(実施例 2 )
基板上に、 下部保護層 (Z n S) 8Q (S i〇2) so, 記録層 Ge o. 05S b o. 73T e o. 22, 上部保護層 (Z n S) 8。 (S i〇2) 20、 反射層 A I o. 995 T a 0.。05を、 各層の膜厚を様々に変えて設けた。 各層の膜厚を表— 3に示す。 すべての薄膜は スパッタ法で真空を解除せずに作成した。
反射層の成膜は到達真空度 2 X 10 P a以下、 1"圧0. 54 P a、 成膜レ ート 1. 3 nm/秒で行った。
その体積抵抗率は 55 ηΩ · m、 面積抵抗率は 0. 28 ΩΖ口であった。
酸素、 窒素等の不純物は X線励起光電子分光での検出感度以下で、 全部併せて もほぼ 1原子%未満であると見なせる。 (ZnS) 8。 (S i O2) 2。保護層の膜密 度は 3. 50 gZcm3で、 理論的バルク密度 3. 72 g/ c m3の 94 %であつ た。 また、 記録層密度はバルク密度の 90 %であった。 熱シミュレーションから 見積もった保護層の熱伝導率は 3. 5 X 10_4p J / ( im · K · n s e c) で あった。
このようにして作成した媒体に、 1倍速及び 2倍速それぞれにおいて、 第 10 図 (a) に示すパルス分割方法を、 各媒体の層構成ごとに最適化して用い、 記録 (オーバ一ライト) を行った。 そののち、 初回、 10回、 1000回オーバーラ ィト後のジッ夕を測定した。 測定には、 記録再生ともに、 波長 637 nm、 NA =0. 63の光学系を用いた。
表— 3に、 各媒体の 1倍速での最適パルス分割方法、 ジッ夕、 R t o p、 変調 度をまとめた。
いずれも、 1倍速で、 最短マーク長 0. 4 ; mのマーク長変調記録が行えてお り、 大きな初期変調度が得られている。
上部保護層膜厚を 20 nmとすると、 初期ジッ夕、 1000回オーバーライト 後のジッ夕、 ともに 10%未満であった。 上部保護層膜厚を 30 nmとすると、 初期のジッ夕は良好であるが、 繰返しオーバーライトによるジッ夕増加が若干多 く、 1000回オーバーライト後は、 ジッ夕が 10〜 12 %となった。 上部保護 層膜厚を 40 nmとすると、 初期ジッ夕が 13 %以上となり、 また、 繰返しォー バーライ卜で急激に悪化して 20%以上となった。
さらに、 記録層膜厚を 30 nmと厚くした実施例 2 (h 2) は、 初回記録ジッ 夕が 13%以上あり、 繰返しオーバーライトによるジッ夕の悪化が著しかった。 下部保護層膜厚を 45 nmとした実施例 2 ( i 2) は、 繰返しオーバ一ライト 耐久性が悪かった。
また、 反射層の厚みが 250 nmのほうが 200 nmよりも、 いっそう良好な ジッタが得られた。 すなわち、 このような高密度のマーク長記録においては、 「超急冷構造」 とするのが好ましいことがわかる。
次に、 実施例 2 (g 1) の媒体の、 ジッタの記録パワー Pw依存性を評価した。 パルス分割方法は、 第 10図において m=n— 1とし、 Pw= 14mW、 Pe/ Pw=0. 5、 i3m=0. 5として、 1倍速及び 2倍速で記録した。 そののち、 α >及びひ c=c (2≤ i≤m) に対するジッ夕の依存性を評価した。
2倍速では 5、
14mW とし、 1倍速では(^ = 0 . 7、 = = 0. 3、 3 m= /3 n- . = 0. 5、 Pw= 14 mWとした。 このとき、 2倍速では、 ∑ ai = 0. 3 n (n = 3) 、 0. 33 η (η = 4) 、 0. 34η (η = 5) 、 0. 38 η以下 (η = 6〜: L 4) であった。 1倍速では、 ∑ c =0. 33 η (η = 3) 、 0. 33 η (η = 4) 、 0. 32 η (η= 5) 、 0. 32 η未満 (η=6〜: 14) であった。
第 15図にその結果を示す。 初回及び 10回オーバーライト後のジッ夕の記録 パワー Pw依存性、 並びに、 1 0回オーバーライ卜後の、 反射率 R t o p及び変
調度 Mo dの記録パワー Pw依存性、 を示した。 (a) は 2倍速記録、 (b) は 1倍速記録の場合である。 なお、 R t o pは、 第 6図での I t o pに相当する。 また、 図中、 DOW (Direct Overwrite) とはオーバーライトのことを指す。 次に、 オーバーライト耐久性を評価した。 第 16図にその結果を示す。 ジッ夕、 反射率及び変調度について、 それぞれオーバ一ライト 1000回後までの値を示 した。 (a) は 2倍速記録、 (b) は 1倍速記録の場合である。 いずれの場合も、 ジッタは、 10回程度までは漸増するが 10回以降は安定化し、 ジッ夕、 変調度、 反射率ともに 1000回までほとんど劣化しなかった。
さらに、 本媒体を、 線速 9mZsで、 基準クロック周期を 14. 9 n s e cと した以外は上記 2倍速 (線速 7 m/ s) と同じパルス分割方法で、 Pw=14m Wとしてオーバーライトを行った。 消去比は 30 d B以上の十分な値が得られた。 また、 ジッ夕も 1 1 %未満と良好であった。
実施例 2 (g 1) の媒体については、 線速 3〜8mZsの範囲において、 Pw = 14mW、 Pb= lmW、 P e/Pw=0. 5、 ^=0. 5で一定で、 と acのみを変化させることで良好なジッタが得られた。 すなわち、 線速 3〜 5 m/ sにかけては、 £^=0. 7、 ac=0. 35、 線速 5〜7mZsにかけては、 α ,= 0. 65、 c= 0. 4、 線速 7~8mZsにかけては =0. 55、 ac = 0. 45、 というように少なくとも 3段階に変化させれば、 概ね 9%未満の良好 なジッ夕が得られた。 より細かく、 lmZs刻みで、 a iと aeを変化させれば、 各線速度においてより良好なジッ夕が得られると考えられる。
なお、 Pw= 1 1〜 14mWにおいて、 ? 6 ? が0. 4〜0. 5で最良の ジッ夕が得られた。 また、 ? 1:カ 1. 5mWを越えるとジッタが急激に悪化した。 ここで、 P e/Pw=0. 5として P b依存性を調べたところ、 ? カ 1. 0m W未満なら、 ほぼ最良のジッ夕が得られた。 すなわち、 13/? 6は0. 2未満 でなければばらない。
次に、 上部保護層膜厚が 20 nmの実施例 2 (g 1) と、 40 nmの実施例 2
(d 2) を比較する。 両媒体に対して、 記録マーク長依存性を、 1倍速において
下記のように測定した。
NA=0. 6の光学系を用い、 E FMプラス変調において最短マークである 3 Tマークの長さを、 0. 5 mから短縮していったときの、 ジッタのマーク長依 存性を評価した。 記録線速は 3. 5mZsで一定であり、 パルス分割方法も上記 のもので一定とし、 基準クロック周期を変化させてマーク長を変化させた。 ただ し、 最短マ一ク長が 0. 46 m以上の場合は、 装置上の制約から、 再生速度 3. SmZsでは CLV制御が困難になるため、 再生速度を 5 mZsとした。 なお、 最短マーク長 0. 4 mが、 再生専用 DVD規格に対応する。
第 17図にその結果を示す。 (a) は実施例 2 (g 1) の媒体、 (b) は実施 例 2 (d 2) の媒体である。
実施例 2 (g 1) の媒体は、 最短マーク長 0. 38 m程度まで、 ジッ夕が 1 3 %未満で使用可能であることがわかる。
なお、 NA=0. 63の光学系を用いると、 約 2 %程度のジッタ低減が可能で あった。 また、 再生時のイコライザ一を最適化するとやはり 2 %程度のジッタ低 減が可能であった。 これに加えて NA=0. 65の光学系を使用すれば、 0. 3 5 mでも十分良好なジッタが得られると考えられる。
実施例 2 (d 2) の媒体は、 マーク長 0. 45 m以上では概ね問題のないジ ッ夕が得られているが、 0. 45 m未満で急激にジッ夕が増加し、 マ一ク長 0. 40 mではジッ夕 13 %以上となり使用不可能となった。
次に、 いわゆるチルトマージンを評価するため、 実施例 2 ( 1) の媒体に、 E F Mプラス変調されたランダムパターン信号を複数トラックにわたつて記録後、 基板を再生レーザ一光の光軸に対して意図的に傾けて、 再生時のジッ夕の変化を 測定した。 記録再生の光学系は NA=0. 6、 記録線速は 1倍速又は 2倍速、 い ずれも 10回オーバーライト後の再生である。 第 18図に測定結果を示した。 チ ルトマ一ジンは、 ラジアル方向で ± 0. 7〜0. 8度、 円周方向で ±0. 5〜0. 6度であり、 通常のドライブにおいて問題のないレベルであった。
ぐ加速試験 >
実施例 2 (g 1) の媒体の一部のトラックに、 Pw= 1 3mWとして、 上記最 適パルス分割方法を用い、 E FMプラス変調されたランダムパターンを記録し、 ジッタを測定した。 そののち、 本媒体を、 8 Ο^Ζ δ 0 %RHの高温高湿下で加 速試験を行った。 加速試験 500時間後及び 1 000時間後に、 本トラックのジ ッタを再度測定したところ、 1 000時間後に 1 %程度悪化したのみであった。 また、 加速試験 1 000時間後に、 他のトラックに、 上記と同一条件でランダ ムパターンを記録しジッ夕を測定したところ、 2 %程度の悪化が見られたが、 こ の程度であれば実用上問題はない。
また、 1倍速及び 2倍速で同様に記録を行い、 80で/ /80 %RHの高温高湿 下で 1000時間の加速試験前後での変調度を評価した。 1倍速では、 初期変調 度が 6 1 %、 加速試験後変調度が 58 %であった。 2倍速では、 初期変調度が 6 0 , 加速試験後変調度が 58 %であった。
<対再生光安定性 >
実施例 2 (g 1) の媒体に対し、 再生光を、 パワーを 1. 2 mWまで上げて照 射したが、 10分程度では全く劣化しなかった。 次にパワーを 1. OmWとして、 再生光を 100万回まで繰返し照射したが、 ジッタの増加は 2 %未満であった。
(実施例 3 )
記録層組成を Ge。. osS b o. τ,Τ e ο. 24とした以外は実施例 2と同様の層構成 として、 媒体を作成した。 各層の膜厚及び評価結果をを表一 4に示す。 測定には、 ΝΑ= 0. 63の光学系を使用した。
表— 3と同様に、 それぞれの層構成で α,、 ac, 3 n-!を最適化し、 かつ、 Pw, P eもジッ夕が最低となるよう設定してジッ夕を評価した。
実施例 3 (a) については実施例 2 (a 1) と同様、 記録線速が 1倍速と 2倍 速では良好な特性が得られたが、 9 mZ sでは実施例 2 ( a 1 ) より 1〜 2 %ジ ッ夕が高めであった。
また、 上保護層膜厚が 30 nmである実施例 3 (a) 〜 (ί) では、 ジッ夕 1 0%未満が得られ、 1 00回オーバーライト後も 1 3 %未満であった。 上保護層
膜厚が 40 nmと厚い実施例 3 (g) 〜 ( i ) では、 ジッタは 1 3 %より大きい 値しか得られなかった。
(実施例 4)
層構成は、 下部保護層 (Z n S) 80 (S i O2) 2。を膜厚 2 1 5 nm、 記録層 G e 0. 05S b o. 69T e 0. 26を 1 8 nm、 上部保護層 (Z n S) 8。 (S i O2) 20を 1 8 nm, 反射層 A 1。.995 T a。.。。5を 2 0 0 nmとした。 本記録層組成は、 線速 3〜5mZsでの記録で良好な特性が得られるもので、 いわゆる 1倍速用である。 し力 し、 過剰 S b量が実施例 2、 3よりわずかに少ないため、 経時安定性に優れ ており、 記録された情報の保存安定性や繰返し再生による劣化、 すなわち再生光 耐久性を重視するには好ましい。
以下は NA=0. 6の光学系で評価した。 最適パルス分割方法の決定は以下の ように行った。 記録線速 3. 5mZ sにおいて、 Pw= 1 3mW、 P eZPw= 0. 5とし、 第 1 0図において 3m= 0. 5で一定として a" acを変化させて最 小のジッ夕が得られるパルス分割方法を選んだ。 第 1 9図に、 1 0回ォ一バーラ イト後のジッ夕の 及び ac依存性を、 ジッターの等高線図として示す。
4〜0. 8、 ac= 0. 3〜0. 3 5とすることでほぼ最良のジッ夕が得られたの で、 それを基本とし、 cn= 0. 6、 ac= 0. 3 5を選択した。 このとき、 Σ α i = 0. 3 2 η (η = 3) 、 0. 3 3 η (η = 4) 、 0. 3 η (η= 5) 、 0. 3 5 η未満 (η = 6〜 1 4) であった。
変調度は 6 5 %と、 再生専用 DVDに比べても遜色ない値であった。 R t o p は 2 3 %程度であるが、 実際上 1 5 %以上であれば、 既存の再生専用ドライブで も再生が可能であると考えられる。
そこで、 本発明記録媒体に Pw= 1 2. 5mW、 線速 3. 5m/sにて画像デ —夕を記録し、 市販の再生専用 DVDプレーヤーで再生を試みたところ、 フォー カスサーボ、 トラッキングサーボ信号、 ジッタは通常の再生専用 DVDと同等の 特性が得られた。
ぐ繰返しオーバ一ライト耐久性 >
第 2 0図に、 Pw= 1 2. 5mWにおける、 ジッ夕、 R t o p、 変調度の繰返 しオーバ一ライト回数依存性を示した。 1 0 0 0回以上のオーバーライト後も、 十分に安定な特性を示している。
ぐ加速試験 >
本媒体の一部のトラックに、 Pw= 1 3mWとして、 上記最適パルス分割方法 を用い、 EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、 ジッタを測定した。 そののち、 本媒体を、 8 0で/ 8 0 %RHの高温高湿下で加速試験を行った。 加 速試験 500時間後及び 1 0 0 0時間後に、 本トラックのジッ夕を再度測定した · ところ、 1 0 0 0時間後に 0. 5 %未満悪化したのみであった。 また、 変調度は 初期が 6 5 %であり、 加速試験後は 6 3 %であった。
また、 加速試験 1 0 0 0時間後に、 他のトラックに、 上記と同一条件でランダ ムパターンを記録しジッ夕を測定したところ、 1 %程度の悪化が見られたが、 こ の程度であれば実用上問題はない。
<対再生光安定性 >
本媒体に対し、 再生光を、 パワーを 1. 3 mWまで上げて照射したが、 1 0分 程度では全く劣化しなかった。 次にパワーを 1. OmWとして、 再生光を 1 00 万回まで繰返し照射したが、 ジッタの増加は 1 %未満であった。
(実施例 5 )
実施例 2 (a 1) の層構成において記録層を Ge。.。5S b。.75T e。.2。とした。 評価は NA=0. 6の光学系で行った。
α ,= 0. 4、
0. 5において最良のジッ夕が得られた。 1 0回オーバ一ライト後のジッ夕は 1 0 % をぎりぎりきり、 1 0 0 0回後も 1 3 %未満が維持された。
<加速試験 >
本媒体の一部のトラックに、' Pw= 1 4mWとして、 上記最適パルス分割方法 を用い、 EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、 ジッタを測定した。 そののち、 本媒体を、 8 0 / / 8 0 %RHの高温高湿下で加速試験を行った。 加
速試験 5 0 0時間後に、 本トラックのジッ夕を再度測定したところ、 2 %程度悪 化したのみであった。
また、 加速試験 5 0 0時間後に、 他のトラックに、 上記と同一条件でランダム パターンを記録しジッ夕を測定したところ、 3 %程度の悪化が見られたが、 この 程度であれば実用上問題はない。
<対再生光安定性〉
本媒体に対し、 再生光を、 パワーを 1. OmWまで上げて照射したが、 1 0分 程虔では全く劣化しなかった。 次にパヮ一を 1. OmWとして、 再生光を 1 00 万回まで繰返し照射したが、 ジッタの増加は 3 %未満であり、 1 3 %未満が維持 された。
(実施例 6 )
実施例 4の層構成において、 記録層を A g。. 。5G e。.。5 S b。. e。.23とし た。 NA=0. 6の光学系で評価した。
線速度 3. 5mZsにおいて、 ジッ夕のパルス分割方法依存性 (a t及び ac) を Pw= 1 3mW、 P e/Pw= 0 - 5、 m=n— l、 β m= 0. 5で測定したと ころ、 第 2 1図 (a) に示す等高線図のようになった。 a t=0. 6、 ac=0. 3 5がほぼ最適であった。 この場合、 ∑ cn= 0. 3 2 η (η = 3) 、 0. 33 η
(η = 4) 、 0. 3 3 η (η= 5) 、 0. 3 5 η未満 (η = 6〜 1 4) であった。 第 2 1図 (b) に、 初回、 1 0回、 1 0 0 0回オーバ一ライト後のジッ夕のパ ヮ一依存性を、 第 2 1図 (c) に、 1 0回オーバーライト後の R t o p及び変調 度のパワー依存性を示した。 1 0 0 0回オーバ一ライト後まで広い記録パワーの 範囲において、 良好なジッ夕が維持され、 また、 R t o p 1 8 %、 変調度 6 0% 以上が達成できた。
第 2 2図には、 Pw= 1 3mWにおけるジッ夕、 R t o p、 変調度の 1 0 00 0回オーバーライト後の変化まで示した。 ジッ夕が 1 %程度初期に増加する他は、 全く劣化がなかった。
また、 実施例 1と同様の方法で、 ジッ夕の最短マーク長依存性を測定した結果
を第 2 3図に示す。 最短マーク長 0. 3 8 μιηでジッ夕は 1 0 %未満と極めて良 好であった。
なお、 本媒体に対して、 m=n— 2としたパルス分割方法についても評価を行 つたところ、 ◦、
0. 5において第 2 1図と同様な 特性が得られた。 n = 3で∑ひ i= 0. 48 n、 η = 4で 48 η、 η ≥5で∑ a i=0. 46 η〜0. 47 ηであった。
(比較例 2 )
実施例 6の層構成において、 記録層を A g。.。5 I n。. 。5S b。.63T e。.27とし た。
線速度 3. 5m/sにおいて、
0. 5として、 ジッ夕のパルス分割方法依存性を評価したところ、 第 24図 (a) に 示す等高線図が得られた。
α ι= ΐ . 0、 a
c=0. 5が最適であり、 この場合、 ∑ ひ>は11によらず 0. 5 nで一定であった。
記録パワー依存性及び 1 0 0 0回後までの繰返しオーバーライト特性を第 24 図 (b) , (c) に示した。 初回記録のジッタ及びパワーマ一ジンは実施例 5よ り良好であつたが、 繰返しオーバ一ライトにより劣化し、 1 0 00回後にはむし ろ、 より悪めのジッタとなった。
さらに再生光パワーを lmWまであげたところ、 5分程度でジッ夕が悪化し、 十数%まで増加した。 この差は 0. 5〜lmWの記録感度差では説明がつかない。 再生光劣化の主原因は 5 0〜 1 0 0で程度に温度が上昇するためであり、 本発明 の Ge添加が非晶質マークの熱安定性改善に効果的であることがわかる。
(比較例 3 )
層構成を、 (Z n S) 3。 (S i〇2) 2。下部保護層を膜厚 9 0 nm、 Ge 2S b 2Te 記録層を 2 1 nm、 (Z n S) 8。 (S i 02) 2。上部保護層を 2 3 nm、 A 1 a 。 反射層を 2 0 0 nmとした。
記録に際しては、 第 1 0図 (a) に示すパルス分割方法を基本とし、 各マーク 長、 線速において最良のジッタが得られるように微調整を行った。
この媒体に対しては、 第 25図に示すように、 a,= ac=a。=0. 3〜0. 4 で一定で、 3m=l. 0としたストラテジーで概ね最良のジッ夕が得られた。 また Pw= 13mW, P e/Pw=0. 4 (P e = 5 mW) 、 P b = 2. 0 mWが最 適記録パワーであり、 Pb/P e = 0. 4と高めになっているが、 これは、 本比 較例の記録層では第 9図における T Lをある程度高めに維持する必要があるため である。
P b力 1 mW未満でもジッ夕は悪いが、 P b力 3 mW以上でもやはりジッ夕は 悪化した。
このパルス分割方法をべ一スとし、 さらに、 マーク長に応じてひ。に対して 0. 02程度の精密なパルス幅調整まで行い、 実施例 2と同様に、 マーク長依存性を 測定した。 結果を第 26図 (a) に示す。 また、 オーバ一ライト時の線速依存性 を測定した。 結果を第 26図 (b) に示す。
線速依存性は、 線速に応じて基準クロック周期を変更し、 最短マーク長が 0. 4 mになるようにし、 再生は常に 3. 5m sで行った。 また、 線速依存性に ついては、 10回オーバーライト後のジッ夕と、 その後 DC消去した後に 1回ォ ーバ一ライト記録を行った場合のジッ夕とを載せた。
第 26図 (a) に示すとおり、 最短マーク長 0. 4 でジッタ 10 %であり、 より短くなると急激にジッ夕が悪化した。
また、 第 26図 (b) に示すとおり、 記録線速 5 m/ s以上でジッ夕が悪化し ている。 しかし、 一旦 DC消去した後の記録ではジッタが 2〜 3%以上低下して いる。 このことから、 いわゆる結晶状態と非晶質状態の吸収率差による温度上昇 の不均一により、 消去不良もしくは非晶質マークの形状の歪みが生じ、 ジッ夕が 悪化していると考えられる。
なお、 線速 7 m/ sでオーバ一ライト後のジッタは 20 %以上であつたが、 D C消去後の記録では 15%程度になった。 従って、 高線速時におけるジッ夕が高 くなるのは、 適切なパルス分割方法が選択されていなかったからではないと考え られる。
本記録層は、 もともと、 粗大ダレインがあるためジッ夕が高いが、 それに加え て、 線速 5mZs以上では、 ォ一バーライト時に以前のマークの消去が不十分に なり、 DC消去後記録とのジッタとの差として、 その影響が明確に現れる。
なお、 前述の実施例 2 (g 1) の媒体に 7 m/ sでオーバーライトした場合と、 DC消去後記録した場合の、 ジッタの差は 0. 5 %未満であった。
Ge 2S b2T e 5のような Ge Te— S b2Te 3擬似二元合金記録層を用いた記 録媒体の場合、 保護層 記録層 保護層 反射層からなる 4層構成では、 5〜6 m/ s以上の高線速では、 上記のように D C消去後記録は問題ないがオーバ一ラ イト時にはジッ夕が悪化する。 このため、 ジッ夕低減のために、 さらに光吸収層 などを追加して吸収率補正をするなどの対応が必要である。
(比較例 4)
実施例 2 (g 1 ) において記録層を Ge。. 15S b。. 64T e。.21とした。 初期結 晶化が非常に困難で、 複数回初期化ビームを照射してようやく初期化し、 オーバ —ライ卜してジッ夕を測定したが、 パルス分割方法を第 1 0図の範囲内でどのよ うに変更しても 1 3 %以下のジッタは得られなかった。 また、 繰返しオーバーラ ィ卜していくと、 1 0回から 1 0 0回までの間でジッ夕が数%増加した。
(比較例 5 )
実施例 2 (g 1 ) の層構成において、 記録層を Ge。. 。5S b o. 8。Te。.· 15とし た。 7mZsにおいて 4、 ひ c=0. 3、 β m= 0. 5、 P w= 1 4mW, P e/Pw=0. 5でほぼ最良のジッ夕が得られたが、 ジッ夕は 1 0回オーバー ライト後で 1 1 %をぎりぎりきる程度であり、 1 0 0 0回後には 1 3 %以上とな つてしまった。
<加速試験 >
本媒体の一部のトラックに、 Pw= 1 4mWとして、 上記最適パルス分割方法 を用い、 E FMプラス変調されたランダムパターンを記録し、 ジッタを測定した。 そののち、 本媒体を、 8 0で/ 8 0 %RHの高温高湿下で加速試験を行った。 加 速試験 5 0 0時間後に、 本トラックのジッタを再度測定したところ、 3 %程度悪
化し、 13 %以上となった。
また、 加速試験 500時間後に、 他のトラックに、 上記と同一条件でランダム パターンを記録しジッ夕を測定したところ、 5%程度の悪化が見られ、 劣化が早 かった。
ぐ対再生光安定性 >
本媒体に対し、 再生光を、 パワーを 1. OmWまで上げて照射したところ、 1 0分後にジッ夕が 3 %増加し、 非常に不安定であった。 また、 変調度が低下しマ ークが消える傾向があった。
(実施例 7 )
実施例 2 (a 1) の媒体に対して、 1倍速 (線速度 3. 5m/s、 基準クロッ ク周期 T= 38. 2 n s e c) から 2. 25倍速 (7. 9m/s、 T= 17 n s e c ) において、 a >T=て 19 n s e c、 o;cT=て c= 1 1 n s e cですベ ての線速において一定とし、 Tのみを線速に反比例させて EFMプラス信号を記 録した。 また、 ί + Ζ^-,- Ι. 0で一定となる iを決定した。 なお、 最終のォ フパルス区間 3mのみを、 線速が遅いほど長くなるよう変化させた。
このようなパルス分割方法では、 第 1 1図のゲート発生のタイミングの説明図 において、 基準クロック周期 Tに同期させて (一定の遅延を付加することはあり うる) 、 て 19 n s e cの固定長パルス一個 (Ga t e l) と て <:=l l n s e cの固定長パルスを n— 2個 (Ga t e 2) 発生させれば良く、 さらに最終ォ フパルス長を決める G a t e 3のみ線速に応じて変化させれば良く、 パルス発生 回路を簡略化でき好ましい。 さらに本実施例においては、 記録パワー Pw=13. 5mW、 P e = 5mW、 Pb = 0. 5 mWで一定としているため、 パルス発生回 路は極めて簡便化できる。 ここで、 線速が 5 m/ s以下では、 S ai O. 47 η が満足されているため、 熱ダメージは十分抑制されている。
表一 5に、 各線速において 3mを変化させた場合の、 ジッ夕の値をまとめた。 表 中 Vは基準速度 3. 5m/ sを表す。 ピックアップの波長は 637 nm、 NA = 0. 63である。 ジッ夕の値自体は実施例 2のように、 パルス分割方法をより柔
軟に可変とした場合にくらべ、 若干悪い値となるが、 ほぼ 10%未満の値が、 1 倍速から 2. 25倍速まで得られている。
ここで、 2倍速で i3H m=0. 3、 1倍速で 3 = 0. 6 (四角で囲まれた点) として、 3mを線速に反比例させて変化させれば、 1倍速から 2倍速の各線速で 1 0 %未満のジッ夕が得られることがわかる。 さらに、 本実施例においては、 i3mの マ一ジンは少ないものの i3m=0. 2として一定にしても、 1倍速から 2. 25倍 速まで 10 %未満のジッ夕が得られる。 このようにして、 線速によって可変でき るパルス発生回路を簡易化できる。
また、 あらかじめ記録媒体上に、 凹凸ピットもしくは変調された溝蛇行信号に より、 Pb、 P e/Pw, Pw, て 。、 て c、 (j3 L m, iS H m) を記載すれば最適な 記録条件がオーバーライ卜時の線速度に応じて自動的に決定できる。
(実施例 8 )
層構成を、 下部保護層 (Z n S) 8。 (S i 00 2。を膜厚 215 nm、 記録層 G 60.053130.69丁60. 26を19 nm、 上部保護層 (Zn S) 8。 (S i 02) 20を 2 0 nm、 反射層 A 10. 995 T a0.。05を 200 nmとした。
線速 3. 5mZsで、 パルス分割方法を α,= 0. 5、 a c= 0. 35、 3m=0. 5、 Pw= 1 lmW、 P e = 6. 0 mW、 Pb = 0. 5mWとし、 基準クロック 周期 Tを変化させて最短マーク長 (3 Τマーク長) を 0. 4 111から 0. 25 mまで変化させて記録を行った。 3 Tマークのマーク長が 0. のときの T
= 38. 2 n s e c、 0. 2 mのときの T=19. l n s e cである。 記録レ 一ザ一波長は 637 nm、 NA= 0. 63である。
この集束レーザー光はガウシアン分布を有しているために、 中心部の高温部分 だけを利用して、 光学的分解能以上に高密度に記録することが可能である。
記録部分を波長 432 nm、 NA-0. 6、 パワー 0. 5mWである青色レー ザ一光で再生した。 このレーザ一光は波長約 860 nmのレーザ一光から非線形 光学効果により発生されたものである。 この層構成では、 432 nmにおいても 変調度 50%以上という大きな変調度が得られた。
さらに、 第 28図に、 記録に用いた 637 nm, NA=0. 63の光学系で再 生した場合と、 432 nm、 NA= 0. 6の光学系で再生した場合のジッ夕を、 最短マーク長依存性として示した。 測定においてはイコライザ一の設定値を各測 定点において可能な限り最適化している。 この記録媒体では、 青色レーザー光再 生では、 最短マーク長 0. 3 でも 13 %未満の良好なジッ夕が得られている ことがわかる。
(比較例 6 )
実施例 2 (a 1 ) の層構成において、 記録層を Ge。.。5S b。.64Te。.31とし た。
波長 637 nm、 NA- 0. 63の光学系で記録評価を行った。 線速 3. 5 m Zsにおいて、 m=n— 1, α != 0. 4、 c= 0. 4、 3m= 0 - 4、 P b = 0' 5mW, P e = 4. 5mWで一定として、 P wのみを変化させて 10回目までォ ーバ一ライト記録を行った。 このときのジッ夕の記録パワー依存性を第 27図
(a) に示す。 図中、 lwr i t eとは未記録ディスクの初回記録を、 1DOW とは 1回目のオーバーライトを、 10DOWとは 10回目のオーバーライトを指 す。
次に、 Pw=8. 5 mWで一定として、 P eのみを変化させて 10回めまでォ —バーライト記録を行った。 このときのジッタの消去パワー依存性を第 27図
(b) に示す。
いずれの場合も、 初回記録 (lwr i t e) では良好なジッ夕得られるが 1回 でもオーバ一ライトするとジッタは急激に悪化した。 本比較例における記録層組 成は、 第 3図において直線 Aより T eリッチな組成であり、 結晶化速度が遅いた めに十分な消去比が得られず、 よって十分なオーバーライト特性が得られなかつ たと考えられる。
(実施例 9及び比較例 7)
実施例 2 (a 1) の層構成において、 表一 6に示すように記録層組成を変化さ せた。 G e。.。5S b。.73T e。.22ターゲッ卜と G eとをコスパッタすることによ
り G e量を変化させたものである。
波長 637 nm、 NA= 0. 63の光学系を用い、 m=n— 1、 Pb = 0. 5 mW、 /3 m= 0. 5として、 c 、 U c , P w, P eを変化させて 1 0回オーバ一ラ ィト後のジッ夕が最小となる条件を探した。
各記録層組成で得られた最小ジッ夕は表— 6のようであった。 G e添加量が增 えるにつれジッ夕が増加し、 G eが 1 0原子%以上だと、 2倍速でのジッ夕が 1 4%と非常に高くなつてしまった。
なお、 本媒体を 80で80 %RHの条件下、 加速試験を行ったところ、 実施例 9 (a) に比べて実施例 9 (b) 、 (c) が若干、 良好であった。 すなわち、 カロ 速試験 2000時間後に、 加速試験前に記録した信号を読み出したところ、 実施 例 9 (a) 〜 (c) のいずれの場合においても、 ジッタは 1 %程度悪化している のみであった。
また、 実施例 9 (a) 〜 (c) の初期変調度は 6 1〜63 %であり、 2000 時間の加速試験後も 58〜59%の変調度が得られた。 反射率もほとんど全く変 化していなかった。 特に、 実施例 9 (b) 、 (c) では 0. 5 %以内の増加であ つた。
次に、 Ge。.。5S b。.73Te。.22夕一ゲッ卜と T aとをコスパッタすることに より、 T aを添加した。 その結果、 Ge S bTeに対して Taを 1〜2原子%添 加したときに、 最良のジッ夕が得られた。
(実施例 10及び比較例 8)
実施例 2 (g 1) の層構成において、 記録層を I nを添加した Ge S bT eと した。 I nは Ge SbTeタ一ゲッ卜に I n S b T eをコスパッ夕して添加した ものである。 各記録層組成は、 実施例 1 0 (a) が G e 0. osS bo.74T e ο.21、 実施例 10 (b) が I η。.。23Ge。.。48S b。.719Te。.21、 実施例 10 (c) が I no. ossG e o. 04 S b o. essT e o. 2 1 5、 比較例 8力 s I n o. 1 1 sG e o. C i S b o.
6 17 T e 0. 224であ
それぞれの媒体のジッ夕のパワー依存性を評価した結果を第 29図 (a) (b)
(c) (d) に示した。 上段は記録線速 3. 5mZsの場合、 下段は同 7. 0m Zsの場合である。
用いた光学系はいずれも 637 nm、 NA = . 63である。 線速 3. 5m/s の場合はひ ι=0. 6、 ac= 0. 35、 Sm= 0. 5とし、 7. Om/sの場合は α ι=0. 4、 c= 0. 4、 3m= 0. 5とした。 P b = 0. 5mWで一定とした c P eは 2通りの値で一定とし、 Pwのみ変化させてジッ夕の Pw依存性を測定し た。 I n量が 2〜5原子%程度の添加で Pwマージンが大幅に改善された。 しか し、 10原子%を越すと、 添加しない場合よりかえってジッ夕が悪化した。
また、 オーバ一ライト 1000回後のジッ夕は、 実施例 10 (a) 〜 (c) で は、 両線速ともに 10原子%未満であつたが、 比較例 8では両線速ともに 13% より高くなつた。
ぐ加速試験 >
実施例 10 (b) の媒体について、 80Τ:/"80 %RHの環境下で加速試験を 行った。 2000時間まで加速試験を実施した。 加速試験前に記録した信号のジ ッ夕の悪化は 1 %程度に過ぎなかった。
また、 初期変調度は 61 %であり、 2000時間の加速試験後も 57%の変調 度が得られた。 反射率もほとんど全く変化していなかった。
2000時間後に未記録部に新たに記録を行った場合のジッタの悪化は 3%程 度であつたが、 実用上全く支障の無いレベルである。
(実施例 1 1 )
実施例 2 (g 1 ) の層構成において、 記録層を I no.03Ge。. bo. "T e o.21としたディスクを、 表— 7の溝形状を有するポリカーボネート樹脂基板上に 成膜した。 いずれも溝ピッチは 0. 74 mである。
ゥォブルの変調方式としては、 搬送波の周期 Twが基準デ一夕クロック周期 T = 38. 2ナノ秒の 32倍である、 2値位相変調とした。 ここで位相変調ゥォブル とは、 第 30図に示すように、 デジタルデータ信号の 0又は 1に対応して、 ゥォ ブル波の位相を πだけ、 ずらすものである。
すなわち、 周波数 f e = 1 /Tw= 1ノ (32 T) の無変調搬送波 (余弦波もし くは正弦波) 力 アドレス用のデジタルデータの 0から 1、 あるいは 1から 0の 切り替えで、 ちょうど位相 Τだけずれる。 デジタルデータ 0、 1の切り替え周期 T dは Twより低周波で、 Tdは Twの整数分の 1になっているので、 位相が πシフ トしても、 ゥォブル波形は連続的に変化している。
本変調方法の好ましい点は、 AT I P (Absolute Time in Pregroove) に用い られる周波数 (FM) 変調と異なり、 蛇行周波数が一定であり、 かつ周期が 32 Tという高周波で変調しているために、 ゥォブルのクロックを参照してディスク の回転同期を確立するとともに、 ゥォブルのクロックに同期して直接データクロ ックを生成できることである。
このようにデジタルデータの変調で位相を変化させるには、 例えば第 31図に あるような、 リング変調器を用いる。 デジタルデータは、 0、 1に対応して正負 の電圧土 Vを印可する。 スタンパ原盤作成時に、 フォトレジスト露光用のレーザ 一光を、 土 Vwの電圧間で 2値位相変調されたゥォブル波形に従って半径方向に蛇 行させつつ露光する。 このとき、 リング変調機出力波を EO変調器に印可するこ とで、 露光用ビームを蛇行させることができる。
以下、 少し詳細に説明する。 図の、 無変調搬送波入力端子に周期 c o s (2 π f c t) なる信号 Vw - c o s (2 π f c t ) が入力されると、 入力トランスの出力 には Vw - c o s (2 π f c t ) と一 Vw' c o s (2 π f c t ) の二つの搬送波信 号が現れる。 デジタルデータ入力が正 ( + V) であれば、 D !、 D,' が導通し、 搬送波 Vw ' c o s (2 π f c t ) はそのまま D !を通過し変調は出力端子に現れる。 - Vw - c o s (2 π f c t) の搬送波は D i ' を経た後、 出力側のトランスにより 反転されて V» · c o s (2 π f c t ) となり、 通過の出力と加え合わされて V w · c 0 s (2 π f c t ) の出力を得る。
もし、 デジタルデータ入力が負 (一V) 、 すなわち D 2、 D2' が導通になると、 Vw · c 0 s (2 π f c t ) の信号はダイオード D 2を介して出力側トランスの下側 に導かれるので、 変調は出力端子では、 これが反転して— Vw · c 0 s (2 π f c
t ) となる。
—方、 入力側トランスの出力で一 Vw - C O S (27T f c t ) であった搬送波は ダイオード D2' を介して出力側トランスの同相入力に加わるため、 そのままの極 性で (― Vw - c o s (27U f c t ) のまま) 変調波出力端子に現れる。 従って、 ダイオード D 2並びに D 2' の経路を通った搬送波は一 Vw · c 0 s (27Γ f c t) となって合成され、 変調は出力端子に現れる。
リング変調器の場合には、 デジタルデ一夕入力が正か負かによって出力端子に
Vw · C O S ( 2 7C f c t ) か一 Vw - C O S (27T f c t ) を出力することになる。 このようにして変調されたゥォブル波形が、 EO変調器に入力され、 露光用ビ
—ムを蛇行させることができる。
本実施例ではゥォブル振幅はすべて 6 0 nm (p e a k - t o-p e a k値) とした。
溝内にのみ記録を行う媒体の場合、 記録再生光波長 λ = 6 3 7 nm、 基板の屈 折率 n= l . 5 6に対して、 溝深さの好ましい範囲は、 下限が (2 0 η) = 20. 5 nm, 上限は λ/ ( 1 0 η) =40. 8 nmである。
本媒体の評価には、 波長 6 3 7 nm、 NA= 0 - 6 3の光学系を用いた。
実施例 2と同じく、 m= n— 1、 ι + β i-i= 1 - 0 (2≤ i≤m) 、 α .=
c=一定 (2 i≤m) とした記録パルス分割方法で、 線速 3. 5mZsにおいて は、
6mWと し、 線速 7m/ sにおいては、 (^= 0. 4、 a c= 0. 3 5、 j3
m= 0. 5、 Pw = 14mW、 P e = 7mWとした。
まず、 溝内に線速 3. 5m/sにおいて記録を行い、 R t o p及び変調度を測 定した。 また、 3. 5 mZs及び 7 mZsで記録信号のジッタを測定した。 結果 を表— 8に示す。
まず、 実施例 1 1 (k) は、 深さ 1 8 nmと非常に浅い溝を有するが、 プッシ ュプル信号がほとんど検出できず、 トラッキングサーボをかけることができなか つた。 また、 このような浅い溝を均一に形成することは、 スタンパ作成上も非常
に難しく、 実際上、 トラッキングサ一ボ信号に非常に大きなむらが観測された。 第 32図 (a) (b) に変調度と R t o pの溝形状依存性を示した。 実施例 1 1 (1!) 〜 (j ) は、 深さ 42 nmの溝を有するが、 深さ 27 nmの場合に比べ て反射率が大幅に低下し、 5%以上低くなつて好ましくない。 変調度は、 特に溝 が細い場合に低下し、 幅 0. 23 ^mでは、 深さ 35 nmでも、 変調度低下が著 しかった。
なお、 本実施例は層構成は同じとしたが、 もし、 深さ 42 nmの場合に、 反射 率低下を補うために、 反射率の高い層構成にすると、 変調度低下は一層顕著にな る。 すなわち、 深さ 42 nmの溝は、 溝内用記録には適さない。
溝深さ 40 nm以上では、 溝幅が 0. 3 未満のときに、 ゥォブル信号が記 録データ信号へ著しく漏れ込む。 溝幅が 0. 3 以上のときに比べ、 線速 3. 5 m/ sではジッ夕が 1〜 2 %以上悪化し、 線速 7 m/ sでは 2〜 3 %も悪化す る。
(実施例 12 )
層構成を、 下部保護層 (Z n S) 8。 (S i 02) 2。を膜厚 65 nm、 記録層 Ge 0. 05S b o. 73T e 0.22を 16 nm、 上部保護層 (Zn S) a。 (S i〇2) 20を 20 nm、 第 1反射層 A 1 o. 99ST a0.。05を膜厚 40 nm、 第 2反射層 Agを膜厚 7 0 nmとした。
下部保護層から第 1反射層までは真空を解除することなくスパッ夕法で作成し、 第 1反射層を成膜後大気解放し数分放置後、 再び真空にてスパッ夕法により第 2 反射層を成膜した。
第 2反射層成膜後、 スピンコート法により紫外線硬化樹脂を、 オーバ一コート 層として 4 πι積層した。 出来たディスクは 2枚をオーバーコート層が向かい合 うように貼り合わせた。
第 1反射層の成膜は到達真空度 4Χ 10—4P a以下、 八 1:圧0. 55 P aで行 つた。 体積抵抗率は 55 η Ω · πιであった。 酸素、 窒素等の不純物は X線励起光 電子分光での検出感度以下で、 全部併せてもほぼ 1原子%未満であると見なせた。
第 2反射層の成膜は到達真空度 4 X 10—4P a以下、 八 1"圧0. 35 P aで行 つた。 体積抵抗率は 32 ηΩ · ΠΊであった。 酸素、 窒素等の不純物は X線励起光 電子分光での検出感度以下で、 全部併せてもほぼ 1原子%未満であると見なせた。 波長 637 nm、 NA0. 60の光学系を使用して、 線速 3. 5mZs、 α .= 0. 4、 « c=0. 35、 3 m= 0. 5なるパルス分割方法を用いて 10回オーバ —ライト後のジッ夕を測定したところ、 Pw= l lmW, P e = 6. OmW, P b = 0. 5 mWで最小ジッ夕 6. 5%を得た。
この媒体を、 80で、 80 %RHの高温高湿下に 500時間放置した後、 同様 に記録を行つたところ全く劣化がみられなかった。
(実施例 13 )
溝ピッチ 0. 74 izm、 溝幅 0. 3 m、 溝深さ 40 nmの、 ゥォブルを有す る螺旋状の溝を形成したスタンパを作成し、 これをもとに、 直径 120mm、 厚 さ 0. 6mmのポリカーボネ一卜樹脂基板を射出成形によって形成した。
表一 9に示すように、 半径 22. 5mmから 58. 5mmまでの 36mmを記 録頜域とし、 記録領域を 255バンド (ゾーン) に分割した。 各バンドには 19 1トラックが含まれる。
各バンドの終端がちょうど 191 トラック目になるようにバンド幅を設定して いるので、 各バンド幅は正確に 36/255とはなっていない。 このため、 記録 領域の最外終端は 58. 54 mmである。
チャネルビット長は 0. 133 /xmとし、 線速 3. ^ SmZsにおいて基準ク ロック 26. 16MHz (T=38. 23 n s e c ) が得られる。 ゥォブルの周 期は各バンドの中心半径においてチャネルビット長の 9倍となるように設定した。 その物理的な周期は 1. 2 mである。
各バンドの中心半径におけるチャネルビット長総数、 及びゥォブルの総数をま ず計算し、 同一バンド内では 1周あたりに含まれるチャネルビット数、 あるいは ゥォブルの数が一定となるようにする。
表一 9に示すように、 バンド始終端で、 ± 1 %の精度で、 チャネルビット数あ
るいはゥォブルの数が一定である。 すなわち、 Z C AV方式で CL V方式と変わ りない線密度一定の記録ができ、 再生専用 DVDの規格を十分満足する。
以上の前提から、 各バンド中心半径において 3. 4 SmZsの線速度が得られ るようにディスクを回転させたときに、 ゥォブル周期は、 ちょうど DVDデ一夕 の基準クロック周期 T= 38. 23 n s e cの 9倍となる。
この媒体を、 表一 9の最内周バンドのバンド中心半径において線速度が 3. 4 9m/sになるように回転させ、 Z CAV方式の媒体として使用する。 CAV回 転中の各バンドのゥォブルから再生される搬送波の周期を 1 /9倍して、 各バン ドにおけるデータ基準ク口ック Τ。を生成させ、 該クロックに基づいて E FMブラ ス変調されたデータの記録を行う。
再生するときには、 以下のように、 記録されたデータから生成されるデ一夕基 準クロック周波数が 26. 16 MHzとなるように回転同期を達成すれば、 各ゾ —ンでのチャネルビット長のばらつきは土 1 %未満となり、 実質的に CL Vモ一 ドでの再生を支障なく行うことができる。
すなわち、 上記基準クロック 26. 16MHz (T= 38. 23 n s e c) を 水晶発振器により発生させ、 この位相と、 記録されたデータから生成されるデ一 夕基準クロックと位相とを比較し、 両者が同期するよう、 通常の PLL (Phase Locked Loop) 制御方式により回転速度を微調整する。
このような P LL制御による回転制御は、 現在 DVD— ROMの再生で行われ ており、 その方式をそのまま適用できる点で有用である。
(実施例 14)
実施例 2 (a 1) の層構成において、 反射層を A 1。.975T a。.。25とした。 体 積抵抗率は 220 ηΩ · mであった。 膜厚 200 nmから 400 nmまで変えて 複数のサンプルを作成し、 表— 3の測定と同様に、 それぞれに第 10図 (a) の 中で最適なパルス分割方法を用いて、 ジッタ測定を行った。 膜厚 300 nm前後 で 12%という最良のジッ夕を得た。 それより反射層を厚くしても、 薄くしても さらに悪いジッ夕しか得られなかった。
(実施例 1 5 )
実施例 1 1 (a) の層構成において、 上部保護層の膜厚を 2 3 nmとした。 本媒体に、 溝内記録を行った。 波長 40 5 nm、 NA- 0. 6 5の光学系を用 レ 、 ほぼ円形でスポット径が約 0. (ガウシアンビームの 1 /e 2強度にお ける径) のビームを生成し、 0. 6mm厚の基板を介して記録再生を行った。
線速度 4. 8 6m/sで、 最短マーク (3 Tマーク) の長さを 0. 2 5 / mと' した EFMプラス変調信号を記録した。
実施例 2と同様の記録パルス分割方法で、 m=n— l、 α , = 0. 5、 ひ c=0. 3 8、 3 m- 0. 6 7とし、 Pw=9. 5 mW, P b = 0. 5 mW, P e =4. 0 mWにて 1 0回オーバーライトを行ったところ、 ジッ夕は 1 0 %であった。
青色レーザーでの記録再生では、 実施例 7の場合に比べても、 より高品質の記 録が可能であることがわかった。 また、 現行の赤色レーザ一に合わせて設計され た媒体でも、 そのまま青色レーザ一で記録再生して高密度化を図ることができる。 (実施例 1 6 )
実施例 2 (a 1) の層構成において、 記録層を G a。.。5Ge。.。5S b。.68T e 。.22とした媒体を用意した。 初期化も実施例 2 (a 1 ) と同様に行った。 測定に は、 波長 6 3 7 nm、 NA= 0. 6 3の光学系を用いた。
最短マーク 3 Tの長さを 0. 4 /imとした E FMプラス変調信号を、 線速度 3. 5m/sで行った。 実施例 2と同様の記録パルスストラテジーで m=n— 1、 a ι + β ·-!= 1 - 0 ( 2≤ i≤m) 、 on- a c:一定 (2≤ i≤m) とし、 (^=0. 5、 c=0. 3、 j3m= 0. 5とし、 Pw= 1 3. 5 mW、 P e = 6. 0mW、 P b = 0. 5mWとし、 オーバーライト特性を評価した。 初回記録 (非オーバ一 ライト) 、 1 0回オーバ一ライト、 1 0 0回オーバ一ライト、 1 0 0 0回オーバ —ライトで、 それぞれジッ夕は 6. 9 %、 6. 7 %, 7. 0 %、 7. 3 %と良好 であった。
さらに、 線速度 7. Om/ sで同様に、 (^= 0. 4、 ac= 0. 3 5、 β m= 0. 5とし、 Pw= 1 4. OmW、 P e = 7. 0 mW、 P b = 0. 5mWとし、 ォー
バ一ライト特性を評価した。 初回記録 (非オーバーライト) 、 1 0回オーバ一ラ イト、 1 0 0回オーバーライト、 1 0 0 0回オーバーライトで、 それぞれジッタ は 7 . 4 %、 7. 7 %、 8 . 0 %、 8 . 5 %と良好であった。
変調度はいずれも 5 5〜6 0 %の値が得られた。
本媒体を 8 0t /8 0 %RHの加速試験環境下に 1 0 0 0時間放置したところ、 試験前に記録を行った。 加速試験前に記録した信号のジッ夕の悪化は 1 %未満で あった。 また、 変調度は、 5 2〜5 7 %の値が得られた。 '
(実施例 1 7)
実施例 2と同様に、 0 . 6 mm厚さのポリカーボネート樹脂基板にピッチ 0 . 74 /xmのゥォブル溝を形成し、 第 5図 (b) のごとく、 反射層、 第 2保護層、 記録層、 第 1保護層の順に形成した。
反射層 A 10. 99 s T a o.。。5は膜厚 1 6 5 nm、 第 2保護層 (Z n S) 8。 (S i 02) 20は膜厚 20 nm、 記録層 I n o. 03G e 0. b o. 70T e 0. 22を膜厚 1 6 n m、 第 1保護層 (Z n S) 8。 (S i O2) 2。を膜厚 6 8 nm、 それぞれスパッタリ ング法により成膜した。
そののち、 第 1保護層に対向して、 0. 6 mm厚さのガラス板を密着させた。 初期化は、 ガラス基板を介して、 5 0 OmW程度のレーザー光を線速 5 m/ sで 照射し、 行った。
このガラス基板を介して、 波長 6 3 7 nm、 NA=0. 6の光学系を用いてレ 一ザ一光を記録層に照射し記録再生を行った。 記録は、 レーザー入射側から見て 凹凸の遠い側に行った。 実施例 2における溝内に相当する。
最短マーク 3 Tの長さを 0. 4 mとした E FMプラス変調信号を、 線速度 3. 5m/sで行った。 実施例 2と同様の記録パルスストラテジーで m=n— 1、 ι + β , - ι= 1 . 0 ( 2 ≤ i≤m) 、 a i= ac =—定 (2≤ i≤m) とし、 ^^ = 0 9、 « c= 0. 3 5、 i3 m= 0 . 5とし、 Pw= 1 2 . 0 mW、 P e = 6 . 0 mW、 P b = 0. 5mWとし、 オーバ一ライト特性を評価した。 1 0回オーバーライト 後で、 ジッ夕は 1 0 . 5 %、 変調度は 6 1 %であった。
さらに、 線速度 7. Om/sで同様に、 55、 c= 0. 40、 i3m= 0. 5とし、 Pw= 13. OmW、 P e = 5. 5 mW、 P b = 0. 5mWとし、 オーバ一ライト特性を評価した。 1 0回オーバ一ライト後で、 ジッタは 1 1. 2 %、 変調度は 6 1 %であった。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 高速でオーバ一ライトすることができ、 マークエッジのジッ 夕が小さい、 高密度のマーク長変調記録を行うことができ、 形成されたマークの 経時安定性が非常に良好な光学的情報記録用媒体が得られる。
また、 適切な記録層組成と層構成を選ぶことで、 再生専用媒体との再生互換性 に優れ、 且つ、 繰返しオーバーライト耐久性の高い相変化型光記録媒体が得られ る。
より具体的には、 いわゆる DVDディスクと再生互換を有し、 その標準再生速 度 3. 5 m/sから倍速である 7 mZsを含む広い線速範囲で、 1ビームオーバ —ライト可能であり、 かつ 1万回以上オーバーライトしても劣化を示さない、 書 き換え型 D V Dディスクに使用可能な光学的情報記録用媒体及び光記録方法が提 供できる。
また、 本発明の媒体は線速マ一ジンが広いため、 C AV方式や Z CAV方式な ど、 角速度一定で媒体を回転させ記録を行う場合にも、 媒体の内外周の線速差に よる記録特性差の問題を克服できる。 CAV方式を採用すれば、 半径位置ごとに ディスク回転速度を変更する必要がなく、 アクセス時間の短縮がはかれる。
表一 7
実施例 1 比較例 1
記録層材料 1 n 0.035 G e 0.055 S b ο 70 Ί. e 0 21 I Π 0.04 A 20.05 0 b 0.69 T e 0.22
S b/T e 3. 3 3. 1
下保護層 6 8 7 4
膜厚 1 6 1 6
(nm) 上保護層 2 0 2 0
反射層 2 5 0 2 5 0
記録光学系 6 3 7 nm. NA= 0. 6 3
記録パワ ー等 Pw = 13.5mW、 P e = 6.5 mW、 P b =0.8 mW
記録パルスストラテジ- a J =0.5 , a c =0.3 β a =0.5
R top (%) 1 8. 8 1 8. 3
変調度 (%) 6 4. 6 6 5. 4
ジッ夕 (% ) 6. 7— 7. 0 % 6. 9 ~ 7. 2 %
τ
表一 4
表一 シ ッタ (%)
2. 2 5倍速 2. 0倍速 1. 5倍速 1倍速
1 0 A
0 l 0. 2 1 1 . 9 1 4. 8 丄 ΰ . 4
0. 1 9. 7 1 0 . 6 1 1. 4 1 . 5
0. 2 9. 8 8 . 9 9. 0 1 0. 0
0. 3 l 1. 2 9 . 5 8. 4 8. 9
0. 4 l 2. 5 1 0 . 3 8. 2 8. 7
0. 5 1 3. 7 1 1 . 1 8. 3 8. 7
0. 6 > 1 3 > 1 3 8. 7 8. 7
0. 7 > 1 3 > 1 3 > 1 3 9. 5
表一 6
記録線速 1 a c P P e 最小 ジッ夕
(m/s) (96) 実施例? ( a ) 3. 5 0. 7 0. 3 5 1 3. 5 6. 0 6. 0
G e 0.05 S bo.73 i' e 0.22 7. 0 0. 5 0. 4 1 3. 5 7. 0 8. 1 実施例? (b) 3. 5 0. 6 0. 3 5 1 3. 5 6. 5 6. 2
G e 0.067 S b o γιγ e 0.216 7. 0 0. 4 0. 4 1 3. 0 6. 5 8. 2 実施例? ( c) 3 · 5 0. 4 0. 3 1 3. 5 6. 5 6. 6
G e o 098 S b o 693 T e o 2o9 7. 0 0, 3 0. 3 1 4. 0 6. 5 9. 9 比較例 7 3. 5 0. 4 0. 3 1 3. 0 6. 5 8. 1
G e 0.115S b0.68 丁 e 0.205 7. 0 0, 3 0. 3 1 4. 0 8. 5 1 4. 1
7 グルーブ深さ グループ幅 (nm) m) 実施例 1 1 (a) 2 7 0. 27
(b) 2 7 0. 3 3
(c) 2 7 0. 4 2
(d) 3 5 0. 2 7
(e) 3 5 0. 33
(f ) 3 5 0. 42
(^) 3 5 0. 2 3
(" 4 2 0. 2 7
(i) 4 2 0. 3 3 ) 4 2 0. 42
(戈) 1 8 0. 27
8
、,、
ンッタ ソッタ (%)
3. 5 m/ s 7 m/s 実施例 1〗 (a) 6. 4 9 7. 8 0
(b) 5. 9 7 7. 6 2
(c) 5. 5 2 7. 3 5
(d) 7. 2 6 8. 4 2
(e) 6. 8 5 8. 3 9
( f ) 6. 0 5 7. 8 4 ) 7. 7 0 8. 9 0
( ) 9. 1 1 0. 4 9
( ) 7. 6 6 1 0. 0 1
( ) 6. 5 9 9. 0 1
(¾) 測定不可
バント' 中心 <ンド中, 、 バント' 中心 パンド始端とバンド中心での バンド終端とバンド中心での バント' 終
Band 半径 (mm)
の半径 の円周長 での総 it チャネルビッ ト長の差 チャネルビット長の差 端のトラ f ' mm) 本ルビ,ト 数 No.
バン!: ½i¾ パン卩 ί*4¾ 繁 誤 差
?ク 蟹聽 fク 誤 差
(nm) (%) (nm) (%) (MHz)
0 22. 5000 22. 6413 22. 57067 141. 8157 1063530 132. 9268 - 0. 4065 - 0. 305¾ 133. 7618 0. 4285 0. 321% 190 2. 9067
1 22. 6413 22. 7827 22. 71201 142. 70377 1070010 132. 9518 -0. 3815 -0. 286% 133. 7818 0. 484 0. 336¾ 381 2. 9249
2 22. 7827 22. 9240 22. 85335 143. 59163 1077300 132. 8765 -0. 4568 -0. 343% 133. 7008 0. 3675 0. 276¾ 572 2. 9431
3 22. 9240 23. 0654 22. 99469 144. 4799 1083780 132. 9014 -0. 4319 -0. 324¾ 133. 7208 0. 3875 0. 291% 763 2. 9613
4 23. 0654 23. 2067 23. 13603 145. 36796 1090260 132. 926 -0. 4073 -0. 305X 133. 7406 0. 4073 0. 305% 954 2. 9795
5 23. 2067 23. 3480 23. 27737 146. 25603 1096740 132. 9504 -0. 3829 -0. 287¾ 133. 7601 0. 4268 0. 320¾ 1145 2. 9977
6 23. 3480 23. 4894 23. 41871 147. 14409 1103220 132. 9744 -0. 3589 - 0. 269¾ 133. 7794 0. 4461 0. 335% 1336 3. 0159
7 23. 4894 23. 6307 23. 56005 148. 03216 1110510 132. 9012 -0. 4321 -0. 324% 133. 7009 0. 3676 0. 276¾ 1527 3. 0341
8 23. 6307 23. 7721 23. 70139 148. 92023 1116990 132. 9253 -0. 4080 -0. 306% 133. 7203 0. 3870 0. 290¾ 1718 3. 0523
9 23. 7721 23. 9134 23. 84273 149. 80829 1123470 132. 949 -0. 3843 -0. 288¾ 133. 7395 0. 4062 0. 305% 1909 3. 0705
10 23. 9134 24. 0547 23. 98407 150. 69636 1129950 132. 9725 -0. 3608 -0. 271% 133. 7585 0. 4252 0. 319% 2100 3. 0887
4
100 36. 6340 36. 7753 36. 70467 230. 62224 1729350 133. 101 -0. 2323 -0. 174X 133. 6145 0. 2812 0. 211% 19290 4. 7269
101 36. 7753 36. 9167 36. 84601 231. 51031 1736640 133. 0536 -0. 2797 - 0. 210% 133. 565 0. 2317 0. 174% 19481 4. 7451
102 36. 9167 37. 0580 36. 98735 232. 39837 1743120 133. 0685 - 0. 2646 - 0. 199X 133. 578 0. 2447 0. 183% 19672 4. 7633
103 37. 0580 37. 1994 37. 12869 233. 28644 1749600 133. 0832 -0. 2501 -0. 188% 133. 5908 0. 2575 0. 193% 19863 4. 7815
104 37. 1994 37. 3407 37. 27003 234. 1745 1756080 133. 0978 -0. 2355 -0. 177¾ 133. 6036 0. 2703 0. 203% 20054 4. 7997
105 37. 3407 37. 820 37. 41137 235. 06257 1763370 133. 0512 -0. 2821 -0. 212% 133. 5548 0. 2215 0.画 20245 4. 8179
106 37. 4820 37. 6234 37. 55271 235. 95064 1769850 133. 0659 -0. 2674 -0. 201% 133. 5676 0. 2343 0.画 20436 4. 8361
107 37. 6234 37. 7647 37. 69405 236. 8387 1776330 133. 0804 -0. 2529 -0.讓 133. 5803 0. 2470 0. 185% 20627 4. 8543
108 37. 7647 37. 9061 37. 83539 237. 72677 1782810 133. 0943 -0. 2385 -0. 179¾ 133. 5929 0. 2596 0. 195% 20818 4. 8725
109 37. 9061 37. 0474 37. 97673 238. 61483 1789290 133. 1091 -0. 2242 -0.画 133. 6054 0. 2721 0. 204¾ 21009 4. 8907
110 38. 0474 38. 1887 38. 11807 239. 5029 1796580 133. 0633 -0. 2700 -0. 203¾ 133. 5576 0. 2243 0.画 21200 4. 9089
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