JP2004030923A - 光記録方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】 結晶部を未記録又は消去状態とし非晶質部を記録状態とする相変化型記録層を有する光学的情報記録用媒体に対して、最短マーク長を0.5μm以下とする複数のマーク長nT(Tはクロック周期、nは2以上の整数)の記録マークにより情報を記録する記録方法であって、記録マークを形成する際に記録層を溶融させるにたるPwなる記録パワーのレーザー光ビームを照射する時間的長さαiT(1≦i≦m)を、(Σαi)<0.5nとすることを特徴とする光記録方法。
【選択図】 図1
Description
近年、CDと互換性のある媒体として、相変化型の書換え可能なコンパクトディスク(CD−RW、CD−Rewritable)が広く使用されつつある。また、DVDについても、相変化型の書換え可能なDVDが各種提案されている。
CD−RWにおいては、反射率を15〜25%に落とした範囲内ではCDと記録信号及び溝信号の互換性が確保でき、反射率の低いことをカバーする増幅系を付加したCDドライブでは再生が可能である。
相変化を利用した情報の記録には、結晶、非晶質、又はそれらの混合状態を用いることができ、複数の結晶相を用いることもできるが、現在実用化されている書換可能相変化型記録媒体は、未記録・消去状態を結晶状態とし、非晶質のマークを形成して記録するのが一般的である。記録層の材料としてはいずれもカルコゲン元素、即ちS、Se、Teを含むカルコゲナイド系合金を用いることが多い。
このうち、GeTe−Sb2Te3疑似二元合金に過剰のSbを添加した系、特に、Ge1Sb2Te4、もしくはGe2Sb2Te5などの金属間化合物近傍組成が主に実用化されている。
そして、このような粒径及び光学特性の異なる結晶粒は、非晶質マークの周囲に成長しやすいために、マークのジッタが増加しやすく、或いは、周囲の結晶とは光学特性が異なるため、消え残りとして検出されやすかった。
このため、高線速での記録や、高密度のマーク長変調記録においては、良好な再生特性が得られないという問題があった。具体的には、書換え型DVDの規格では最短マーク長が0.6μmであるが、より最短マーク長を縮めていくと、急激にジッタが増加することが判明した。
これを、結晶状態と非晶質状態の光エネルギーの吸収効率をほぼ同じようにし、元の状態によらずマーク形状を安定させ、これによりジッタを低減するのである。さらには、結晶は溶融時に潜熱の分だけ余分に熱が必要なため、結晶状態のほうがより光エネルギーを吸収するようにするのが好ましい(Ac>Aa)。
すなわち、従来の4層構成を維持しながら高密度化を達成することは、GeTe−Sb2Te3疑似二元合金記録層では困難であった。
しかも、GeTe−Sb2 Te3疑似二元合金記録層では、複屈折率が短波長ほど実部が小さく虚部が大きくなるという波長依存性があるため、特に、短波長レーザー光を光源として用いた場合には、Ac>Aaなる条件を達成しにくい。
ただし、高速記録が行えることは、通常、結晶化速度が速く消去しやすいことを意味するため、非晶質マークも結晶化されやすく、記録されたマークの経時安定性が悪い場合が多い。
Jpn.J.Appl.Phys.,vol.69(1991),p2849 SPIE,Vol.2514(1995),pp294−301 Jpn.J.Appl.Phys.,vol.37(1998),pp3339−3342 Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.37(1998),pp2516−2520
速で記録再生可能な媒体が求められている。例えばCDの標準速度(1倍速)は1.2〜1.4m/sであるが、4倍速での記録が可能なCD−RWが商品化され、さらに8倍速、10倍速での記録が可能なCD−RWが求められている。
一方、書換え可能なDVDとしては、DVD−RAM、DVD+RW、DVD−RWなど各種のものが提案あるいは商品化されている。しかしながら、再生専用のDVDと同等の容量である4.7GBの書換え可能なDVDは未だ実用化されていない。
つまり、短いマークを高速で記録でき、かつマークの安定性のよい媒体が求められている。
本発明者らは、結晶化、非晶質化の原理について研究を重ねた結果、これらの特性全てを同時に満たす画期的な媒体を見いだした。
すなわち、本発明においては、短いマークが高速で良好に記録でき、かつ、マーク安定性のよい光記録媒体及びそれに適した光記録方法を提供する。
前記光学的情報記録用媒体として、前記相変化型記録層の溶融領域の非晶質化と前記溶融領域の周辺の固相結晶部の境界からの再結晶化との競合により前記非晶質部が形成される光学的情報記録用媒体を用い、
波長350〜680nmのレーザー光ビームを、開口数NAが0.55以上0.9以下の対物レンズを通して前記相変化型記録層に照射する光学系を用い、
記録マーク間には、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの前記レーザー光ビームを照射し、
前記記録マークについては、
一つの記録マークの時間的長さをnTとしたとき(Tはクロック周期、nは2以上の整数)、記録マークの時間的長さnTを、
(αi+βi)+η1+η2=nとし、η1はη1≧0なる実数、η2はη2≧0なる実数、0≦η1+η2≦2.0とする。α1=0.1〜1.5、αi=0.1〜0.8(2≦i≦m)、βi=0.3〜1.0(1≦i≦m−1)、βm=0〜1.5とする。αi(2≦i≦m)
及びβi(2≦i≦m−1)はiによらず一定とし、かつα1≧αiである。αi+βi-1=
1.0(3≦i≦m)として、αi(2≦i≦m)の記録パルスをクロック周期に同期さ
せる。さらに、β1及びβmをβiと異なる値をとりうるようにし、(Σαi)<0.5nとする。)となるように分割し、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては、記録層を溶融させるにたるPw≧Peなる
記録パワーPwの前記レーザー光ビームを照射し、
βiT(1≦i≦m)の時間内においては、0<Pb≦0.2Pe(ただし、βmTにおいては、0<Pb≦Peとなりうる)なるバイアスパワーPbの前記レーザー光ビームを
照射する
ことを特徴とする光記録方法に存する。
また、適切な記録層組成と層構成を選ぶことで、再生専用媒体との再生互換性に優れ、且つ、繰返しオーバーライト耐久性の高い相変化型光記録媒体が得られる。
より具体的には、いわゆるDVDディスクと再生互換を有し、その標準再生速度3.5m/sから倍速である7m/sを含む広い線速範囲で、1ビームオーバーライト可能であり、かつ1万回以上オーバーライトしても劣化を示さない、書き換え型DVDディスクに使用可能な光学的情報記録用媒体及び光記録方法が提供できる。
また、本発明の媒体は線速マージンが広いため、CAV方式やZCAV方式など、角速度一定で媒体を回転させ記録を行う場合にも、媒体の内外周の線速差による記録特性差の問題を克服できる。CAV方式を採用すれば、半径位置ごとにディスク回転速度を変更する必要がなく、アクセス時間の短縮がはかれる。
本発明者らの研究によれば、非晶質マークの消去、すなわち再結晶化は、(1)非晶質領域内の結晶核生成と、(2)非晶質部又は溶融部と、結晶部との境界を起点とする結晶成長、の2つのプロセスによって進行するが、前者の結晶核生成を殆ど起こらないようにし、実質的に、後者の結晶成長プロセスのみを利用することで、上記のような効果が得られることが分かった。
特に、微小なマークあるいは短いマークほど、このような周辺結晶部からの結晶成長のみによってマーク中心まで瞬時に結晶化されやすいため、極めて短時間で完全に消去することができる。従って、最短マーク長が0.5μm以下という微小なマークを用いる高密度記録媒体においてこそ、効果が顕著であり、100ナノ秒オーダー以下で消去ができ、高速でのオーバーライトが可能である。
なお、最短マーク長は、一般に、短いほど高密度記録ができるが、マークの安定性の面からは、10nm以上が好ましい。
に、狭いほど高密度記録ができるが、マークの安定性の面からは、0.1μm以上が好ましい。トラックは溝のみであっても、溝とランドの両方であってもよい。
すなわち、周辺結晶部からの結晶成長は、結晶化温度以上融点近傍以下のなかでも、融点に近い比較的高温域のみで進行し、低温では殆ど進行しないので、一旦形成された非晶質マークは結晶化されにくく、経時安定性に優れる。結晶化温度は通常100℃〜200℃の範囲であるが、この温度程度までは熱的安定性が維持できる。
さらに、本発明の媒体は、マーク長記録において、極めて揺らぎの少ない、スムースなマークエッジを形成できるという利点がある。
一般に、非晶質マークを記録する際には、記録層を一旦溶融し再凝固させ非晶質とするが、マーク辺縁部は中心に比べ低温であるため、従来は、マーク辺縁部では結晶核成長による再結晶化が起こりやすく、非晶質の混在した粗大グレインが生じ、マークエッジゆらぎの原因となっていた。
すなわち、周辺結晶部からの結晶成長は、結晶化温度以上融点近傍以下のなかでも、融点に近い比較的高温域のみで進行し、低温では殆ど進行しないので、溶融状態からの再凝固時に、温度が低下して融点を通過する時点の冷却速度のみによって、非晶質マークの境界形状が決まる。
さらにまた、マークエッジ形状も経時的に変化することなく安定なので、初期ジッタが小さいだけでなく、ジッタの経時劣化もほとんどない。
本媒体においては、非晶質マークと周辺結晶部との境界部が結晶成長の核となるのであって、非晶質マーク内部ではほとんど結晶核が発生しない。従って、マーク境界部からのみ結晶が成長する。
一方、従来のGeTe−Sb2Te3系の記録層は、非晶質マーク内に結晶核がランダムに生成し、それが成長して結晶化が進む。
両者の結晶化過程の差は、透過電子顕微鏡で確認できる。非晶質マーク形成後の両記録層に、比較的低いパワーの消去光を直流的に照射すると、GeTe−Sb2 Te3 系の記録層は、温度が高くなる非晶質マーク中央部から結晶化が進むのが観察されるのに対し、本発明記録層では、非晶質マーク周辺部から結晶成長しているのが観察される。特に、非晶質マークの前端及び後端からの結晶成長が著しい。
a、Nb、Vのうちの少なくとも1種)合金を主成分とする薄膜である。
Sb0.7Te0.3に過剰のSbを含む合金は、非晶質マーク周辺部の結晶からの結晶成長が、GeTe−Sb2Te3擬似二元合金系と比べて著しく大きいため、高線速でのオーバーライトが可能という特徴を有する。過剰のSbは、非晶質マーク内のランダムな結晶核生成及び結晶核成長を促進するのではなく、周辺結晶部からの結晶成長速度を大幅に増大する。
但し、SbTe二元合金では、結晶核生成も少なからず起こるため、非晶質マークの経時安定性が極めて悪く、適当な元素を添加する必要がある。
さて、非晶質マークの再結晶化が、実質的に周辺結晶部からの再結晶化のみに支配されているかどうかは、経時安定性の評価から間接的に知ることができる。
具体的な評価方法としては、高温高湿下の加速環境試験を行ったときの、再生信号の変調度を測定する方法が挙げられる。
記録後、80℃80%RHの条件下で1000時間経過ののち再生した信号の変調度をM1とすると、
マーク長変調方式は限定されず、EFM変調、EFMプラス変調、(1,7)RLL−NRZI(run length limited−non return to zero inverted )変調などを用いることができるが、図6に示すようなランダム信号を、最短マーク長を0.5μm以下として記録する。本評価の際には、最短マーク長は0.2μm程度以上とするのが好ましい。なお、全ての評価条件において上記式を満たす必要はなく、一つの評価条件において上記式を満たせばよい。
変調度は、その変調方式の最長マークの信号振幅をトップの信号強度で規格化したものである。図6にEFMプラス変調されたランダム信号を記録し再生したときのDC再生信号(直流成分を含む再生信号)の波形を示す。変調度は、14Tマークのトップの信号強度Itopと信号振幅I14との比I14/Itopとして定義される。
変調度が不変であれば、非晶質マークサイズは十分安定であると判断できる。加速試験前に記録したランダム信号の変調度が、加速試験後にも初期の値の90%以上を保っていれば、結晶核生成を実質的に伴わないことが推定できる。
記録再生光を案内する溝を設けた0.6mm厚のポリカーボネート基板上に、(ZnS
)80(SiO2)20第1保護層を膜厚68nm、Ge0.05Sb0.71Te0.24記録層を膜厚
18nm、(ZnS)80(SiO2)20第2保護層を膜厚20nm、Al0.995Ta0.005
反射層を膜厚250nm、この順に設け、さらに紫外線硬化樹脂保護層を膜厚4μm設けた。これら2枚を、記録層のある側を内側にしてホットメルト接着剤で貼合せて光記録媒体とした。本記録層組成は、線速約7m/s以上でオーバーライト可能とすべくSb/Te≒3とした。本媒体に、長径約100μm、短径約1.5μmの楕円レーザー光を、短軸方向に走査して溶融再結晶化して初期化した。
する。
なお、記録パワーPwを7mW以上としたとき、記録光の遮断によって、非晶質マークが形成されていた。
従来、このように著しく再結晶化しやすい材料は、マーク長記録用の記録層に適さないと考えられてきた。なぜなら、長マークを形成するために記録光を長く照射すると、溶融領域のほとんどは結晶化してしまうからである。
そのために、後述のごとく長さnTのマークの形成に、記録パワーPw印加区間とその遮断区間、即ちバイアスパワーPb印加区間を組み合わせた、パルス分割方式が極めて有
効であることを見いだしたのである。
該マークの始端の形状は先頭の矢羽型非晶質部の始端の形状によって、該マークの後端の形状は最後端の矢羽型非晶質部の後端の形状によってのみ定まる。
通常、非晶質部の始端形状はなめらかであるから、マーク始端形状もなめらかである。前方への熱の逃げにより冷却速度は十分高く保たれるから、ほぼ溶融領域先端の形状を反映し、従って記録パルスの立上がり時間により支配されるからである。記録パルス、即ちPw印加区間の立上がりは、2〜3ナノ秒以下であればよい。
さらに、層構成として前述の超急冷構造を適用して、記録層の冷却速度をできるだけ急峻にするとともに、冷却速度の空間分布をマーク後端付近で急峻になるようにして、マーク端部の位置がゆらがないようにすることも重要である。
すなわち、Sb0.7Te0.3に過剰のSb及びGeを加えた従来にない三元合金に着目し、高密度なマーク長変調記録への適性を検討した。その結果、図3に示すGeSbTe三元状態図において、4本の直線A、B、C、Dに囲まれた、極めて限定的なGe−Sb−Te比の記録層組成を用いた媒体が、高密度なマーク長変調記録において、繰返しオーバーライト耐久性と経時安定性に特に優れることを見いだしたものである。
(Sb0.7Te0.3)とGeを結ぶ直線A、
(Ge0.03Sb0.68Te0.29)と(Sb0.95Ge0.05)を結ぶ直線B、
(Sb0.9Ge0.1)と(Te0.9Ge0.1)を結ぶ直線C、及び
(Sb0.8Te0.2)とGeを結ぶ直線D
の4本の直線で囲まれた領域(ただし、境界線上を含まない)の組成を有するGeSbTe合金を主成分とする薄膜を記録層とする。この記録層に後述の層構成を用いることにより、最短マーク長0.5μm以下の高密度マーク長変調記録に非常に適した媒体となるのである。そして、DVDと同等の記録密度とDVDとの優れた再生互換性を得ることができる。
この組成範囲内では、SbyTe1-y合金においてy=0.7よりSb量が多いほど、過剰のSb量が増え、結晶化速度が速く高線速でのオーバーライトが可能になる。
過剰なSb量を制御すれば、さらに、8m/s以上の高線速で、上記のような高品質、高密度のオーバーライトが可能である。また、記録パルス分割方法(パルスストラテジー)を後述のように線速に応じて変化させることで、少なくとも3〜8m/sを含む広い線速範囲において良好なオーバーライトが可能になる。
Ge添加量が10原子%以下のSb0.7Te0.3共晶点近傍組成では、Sb/Te比が大きいほど結晶化速度が速くなる傾向がある。これは、Sb0.7Te0.3より過剰のSbはSbクラスタとして析出し再結晶化過程において結晶核として働くからである。そして、Sb0.7Te0.3より過剰のSbがない場合は消去性能が不十分で実質的にオーバーライト不可能である。また、初期化時に核生成がほとんどないため、初期化が困難で生産性が非常に悪いという問題もある(直線A)。
)1-x合金を主成分とする薄膜(0.04≦x<0.10、0.72≦y<0.8)とす
るのが好ましい。すなわち、線速度3m/s以上での記録には、Sb量を多くし、Sby
Te1-y合金においてy≧0.72とするのが好ましい。ただし、Sb量を多くすること
により非晶質マークの安定性が若干悪化するため、これを補うのにx≧0.04とGeを多めにするのが好ましい。
さらには、線速度7m/s以上でオーバーライトするには、記録層をGex(SbyTe1-y)1-x合金を主成分とする薄膜(0.045≦x≦0.075、0.74≦y<0.8)とするのが好ましい。すなわち、線速度7m/s以上での記録には、Sb量をさらに多くし、SbyTe1-y合金においてy≧0.74とするのが好ましい。このとき、非晶質マークの安定性を上げるため、Ge量はx≧0.045とする。一方、高線速ではジッタが悪化しやすいため、これを補うためにGe量はx≦0.075とする。
62−53886号公報、同62−152786号公報、特開平1−63195号公報、同1−211249号公報、同1−277338号公報)。
しかしながら、これらに記載された組成はいずれも、(Sb0.7Te0.3)とGeを結ぶ直線AよりSbプアな組成であり、本発明組成範囲とは異なる。
これらはむしろ、Sb2Te3金属化合物組成を主体としている。また、GeTe−Sb2Te3擬似二元合金系では、本発明とは逆に、過剰のSbは結晶化速度を遅らせるという効果があるため、5m/s以上の高線速でオーバーライトする場合には、GeTe−Sb2Te3の直線上、特にGe2Sb2Te5組成に、過剰のSbを含ませることはむしろ有害
である。
過剰なSbを含むSb0.7Te0.3近傍でGeを含む第3元素を選択的に加えた組成としては、特開平1−100745号公報(図4(a)組成範囲α)、特開平1−303643号公報(図4(a)組成範囲β)に記載されたものがある。
特開平1−303643号公報は、本願のごとき高密度記録においてSbが直線Dを超えて過剰に含まれると非晶質マークの経時安定性が損なわれるとの弊害について触れられていない。また、いずれの公報もGeが直線Cを超えて過剰に含まれることの弊害については触れていない。
特開平1−115685号公報は、組成範囲γを母体としてAu、Pdを添加するものであるが、低密度記録を目的とし、本発明組成とは直線A及び直線Bにより実質的に区別されている。該公報の組成は、マーク長約1.1μmに相当する低密度での記録(線速4m/s、周波数1.75MHz、デューティー50%の方形波)とDC消去に適したものであるため、短マークを含む高密度記録を目的とする本発明の組成とは、適する組成が異なると考えられる。
また、該公報においては、Geの量が10原子%より少ないと記録部と非記録部で十分な光量変化が得られないと記載されているが、本発明においては、保護層や反射層を含む層構成を工夫することによって、変調度60%以上という非常に大きな反射光量変化が得られている。
特開平3−71887号公報の組成範囲εは、低密度記録を目的とし、本発明組成とは直線Cによって実質的に区別されている。特に本発明組成範囲を利用することで、高密度記録において繰返しオーバーライト耐久性と経時安定性に優れるという本願思想は見られない。
特開平4−28587号公報の組成範囲ηは、極めてSbリッチおよびGeリッチな組
成を含んでおり、本発明組成とは直線Dによって実質的に区別されている。
以上述べたように、上記いずれの公報も、本発明の目的とする、最短マーク長が0.5μm以下となるような高密度なマーク長変調記録に関する技術的課題は明らかにされておらず、そのための最適組成の選択、層構成や記録方法の改善については全く開示されていない。
相変化型記録層は、上下の少なくとも一方を保護層で被覆されている。
あるいは、上記各層の順序を逆にして、図5(b)のように、基板1/反射層5/第2保護層4/記録層3/第1保護層2という順に積層される構成もとりうる。この層構成は、第1保護層側から集束光ビームを入射する場合に適している。このような構成は、対物開口数NAが0.7以上で、記録層と対物レンズの距離を縮める必要が高い場合に有用である。
なかでも、ポリカーボネート樹脂はCDにおいて最も広く用いられている実績もあり、安価でもあるので最も好ましい。
図5(b)に示す構成でも同様に樹脂あるいはガラスが使用できるが、基板自体は透明である必要はなく、むしろ平坦性や剛性を高めるために、ガラスやアルミニウム合金を用いることが好ましい場合がある。
基板には記録再生光を案内するピッチ0.8μm以下の溝を設けるが、この溝は、必ずしも幾何学的に台形状の溝である必要はなく、たとえば、イオン注入などによって、屈折率の異なる導波路のようなものを形成して光学的に溝が形成されていても良い。
図5(b)においても集束光ビーム入射側からみて、第2保護層4は記録層3と反射層5との間の相互拡散防止、放熱、記録層変形防止の機能を有する。図5(b)における第1保護層は、記録層の変形防止や、記録層と空気との直接接触防止(酸化汚染等の防止)、光ピックアップとの直接接触による損傷防止の機能がある。
図5(b)に記載の構成においては、第1保護層2のさらに外側には、それより硬質の誘電体や非晶質カーボン保護膜を設けたり、紫外線あるいは熱硬化性樹脂層を設けることが望ましい。あるいは、厚さ0.05〜0.6mm程度の透明な薄板を貼合わせ、この薄板を介して集束光ビームを入射することも可能である。
記録層3、保護層2、4、反射層5はスパッタリング法などによって形成される。
記録層用ターゲット、保護層用ターゲット、必要な場合には反射層材料用ターゲットを同一真空チャンバー内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが各層間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。
これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。
繰返し記録特性を考慮するとこれらの保護層の膜密度はバルク状態の80%以上であることが機械的強度の面から望ましい。混合物誘電体薄膜を用いる場合には、バルク密度として下式の理論密度を用いる。
記録層3の厚みが5nmより薄いと十分なコントラストが得られ難く、また結晶化速度が遅くなる傾向があり、短時間での消去が困難となりやすい。
一方100nmを越すとやはり光学的なコントラストが得にくくなり、また、クラックが生じやすくなる。
さらに、DVDなど再生専用ディスクと互換性をとれるほどのコントラストを得る必要があり、かつ、最短マーク長が0.5μm以下となるような高密度記録では、5nm以上25nm以下が好ましい。5nm未満では反射率が低くなりすぎ、また、膜成長初期の不均一な組成、疎な膜の影響が現れやすいので好ましくない。
また、記録層の密度はバルク密度の80%以上、より好ましくは90%以上であることが望ましい。ここでいう、バルク密度とは、もちろん、合金塊を作成して実測することも
できるが、上記(1)式において、各成分のモル濃度を各元素の原子%に置き換え、バルク密度を各元素の分子量に置き換えることで近似値が得られる。
このような高エネルギーの希ガスの照射効果をatomic peening効果という。一般的に使用されるArガスでのスパッタではatomic peening効果により、Arがスパッタ膜に混入される。膜中のAr量により、atomic peening効果を見積もることができる。すなわち、Ar量が少なければ、高エネルギーAr照射効果が少ないことを意味し、密度の疎な膜が形成されやすい。一方、Ar量が多ければ高エネルギーArの照射が激しく、密度は高くなるものの、膜中に取り込まれたArが繰返しオーバーライト時にvoidとなって析出し、繰返しの耐久性を劣化させる。記録層膜中の適当なAr量は、0.1原子%以上、1.5原子%以下である。さらに、直流スパッタリングよりも高周波スパッタリングを用いた方が、膜中Ar量が少なくして、高密度膜が得られるので好ましい。
記録層にさらに、O、N、及びSから選ばれる少なくとも一つの元素を、0.1原子%以上5原子%以下添加することで、記録層の光学定数を微調整することができる。しかし、5原子%を超えて添加することは、結晶化速度を低下させ消去性能を悪化させるので好ましくない。
経時安定性の向上と屈折率の微調整のために、Si、Sn、及びPbの少なくとも一種を、5原子%以下添加するのが好ましい。これら添加元素とGeの合計の含有量は15原子%以下が好ましい。これら元素はGeと同じ4配位ネットワークを持つ。
Agを8原子%以下添加することはやはり記録感度を改善する上で効果があり、特にGe原子量が5原子%を超える場合に用いれば、効果が顕著である。しかし、8原子%を超える添加は、ジッタを増加させたり、非晶質マークの安定性を損ねるので好ましくないし、Geと合わせた添加量が15原子%を超えると偏析を生じやすいので好ましくない。Agの含有量として最も好ましいのは、5原子%以下である。
初期化方法としては、Sb0.7Te0.3に過剰なSbを含む合金には、固相でのアニールによる初期化も可能であるが、さらにGeを含む組成では、一旦記録層を溶融させ再凝固時に徐冷して結晶化させる溶融再結晶化による初期化が望ましい。
本記録層は成膜直後には結晶成長の核がほとんどなく、固相での結晶化は困難であるが、溶融再結晶化によれば、少数の結晶核が形成されてのち、溶融して、結晶成長が主体となって高速で再結晶化が進むようである。
このとき、記録層を溶融するのは局所的かつ、1ミリ秒程度以下の短時間に限る。溶融領域が広かったり、溶融時間あるいは冷却時間が長すぎると、熱によって各層が破壊されたり、プラスチック基板表面が変形したりするためである。
このような熱履歴を与えるには、波長600〜1000nm程度の高出力半導体レーザー光を、長軸100〜300μm、短軸1〜3μmに集束して照射し、短軸方向を走査軸として、1〜10m/sの線速度で走査することが望ましい。同じ集束光でも円形に近いと溶融領域が広すぎ、再非晶質化がおきやすく、また、多層構成や基板へのダメージが大きく好ましくない。
初期化が溶融再結晶化によって行われたことは以下のようにして確認できる。すなわち、該初期化後の媒体に、直径約1.5μmより小さいスポット径に集束された、記録層を溶融するにたる記録パワーPwの記録光を、直流的に、一定線速度で照射する。案内溝がある場合は、その溝もしくは溝間からなるトラックに、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをかけた状態で行う。
なぜなら、記録光照射により記録層は一旦溶融されており、それを消去光照射で完全に再結晶化した状態は、記録光による溶融と消去光による再結晶化の過程を経ており、溶融再結晶化された状態にあるからである。
なお、初期化状態の反射率Riniと溶融再結晶化状態Rcryの反射率がほぼ同じであるとは、(Rini−Rcry)/{(Rini+Rcry)/2}で定義される両者の反射率差が20%以下であることを言う。通常、アニール等の固相結晶化だけでは、その反射率差は20%より大きい。
本発明の層構成は、急冷構造と呼ばれる層構成の一種に属する。急冷構造は、放熱を促進し、記録層再凝固時の冷却速度を高める層構成を採用することで、非晶質マーク形成のときの再結晶化の問題を回避しつつ、高速結晶化による高消去比を実現する。このため第2保護層膜厚は、5nm以上30nm以下とする。5nmより薄いと、記録層溶融時の変形等によって破壊されやすく、また、放熱効果が大きすぎて記録に要するパワーが不必要に大きくなってしまう。
本発明の記録層を用いると、最短マーク長0.5μm以下の高密度記録において低ジッ
タを実現できるが、本発明者らの検討によれば、高密度記録を実現するために短波長のレーザーダイオード(例えば、波長700nm以下)を用いる場合には、上記急冷構造の層構成についても、一層の留意が必要になる。特に、波長が500nm以下、開口数NAが0.55以上の小さな集束光ビームを用いた1ビームオーバーライト特性の検討において、マーク幅方向の温度分布を平坦化することが、高消去比及び消去パワーマージンを広く取るために重要であることが分かった。
いずれの場合にも、その上に設ける反射層5をとりわけ高熱伝導率の材料とすることにより、消去比及び消去パワーマージンを改善できる。
検討によれば、広い消去パワー範囲において、本発明記録層が持つ良好な消去特性を発揮させるには、単に膜厚方向の温度分布や時間変化のみならず、膜面方向(記録ビーム走査方向の垂直方向)の温度分布をできるだけ平坦化できるような層構成を用いるのが好ましい。
一方、熱伝導率が低くごく薄い第2保護層を介して、記録層から、極めて高熱伝導率の反射層への放熱を促進することで、記録層における温度分布が平坦になることがわかった。第2保護層の熱伝導率を高くしても放熱効果は促進されるが、あまり放熱が促進されると、記録に要する照射パワーが高くなる、すなわち、記録感度が著しく低下してしまう。
低熱伝導率の、薄い第2保護層を用いることにより、記録パワー照射開始時点の数nsec〜数十nsecにおいて、記録層から反射層への熱伝導に時間的な遅延をあたえ、その後に反射層への放熱を促進することができるため、放熱により必要以上に記録感度を低下させることがない。
従来知られている、SiO2、Ta2O5、Al2O3、AlN、SiN等を主成分とする
保護層材料は、それ自身の熱伝導率が高すぎて、本発明媒体の第2保護層4としては好ましくない。このように、金属酸化物や窒化物の熱伝導率は、同じ薄膜状態に比べても、本発明保護層で用いられる下記保護層にくらべて、1桁以上熱伝導率が高い。
従来用いられていた急冷構造は、膜厚方向の1次元的な熱の逃げにのみ注目し、記録層から反射層に早く熱を逃すことのみを意図しており、この平面方向の温度分布の平坦化に十分な留意が払われていなかった。
びそのエッジの形成を確実かつ明確なものとするには、超急冷構造が有効であり、かつ、膜面方向の温度分布の平坦化で、もともとTm近傍で高速消去可能であったものが、より高消去パワーまで確実に再結晶化による消去を確保できるからである。
好ましい結果をもたらす低熱伝導率の第2保護層材料としては、ZnS、ZnO、TaS2又は希土類硫化物のうちの少なくとも一種を50mol%以上90mol%以下含み
、かつ、融点又は分解点が1000℃以上の耐熱性化合物とを含む複合誘電体が望ましい。
あるいは、ZnS,ZnOもしくは希土類硫化物の組成の範囲を70〜90mol%とすることが望ましい。
これらと混合されるべき、融点又は分解点が1000℃以上の耐熱化合物材料としては、Mg,Ca,Sr,Y,La,Ce,Ho,Er,Yb,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Zn,Al,Si,Ge,Pb等の酸化物、窒化物、炭化物やCa,Mg,Li等のフッ化物を用いることができる。
特にZnOと混合されるべき材料としては、Y,La,Ce,Nd等希土類の硫化物あるいは硫化物と酸化物の混合物が望ましい。
そして、この第2保護層の膜厚が30nmより厚いとマーク幅方向の温度分布の十分な平坦化効果が得られないため、30nm以下とする。好ましくは25nm以下とする。5nm未満では、第2保護層部での熱伝導の遅延効果が不十分で、記録感度低下が著しくなり好ましくない。
第2保護層4の厚さは、記録レーザー光の波長が600〜700nmでは15nm〜25nmが好ましく、波長が350〜600nmでは5〜20nmが好ましく、より好ましくはは5〜15nmである。
一般には薄膜の熱伝導率はバルク状態の熱伝導率と大きく異なり、小さくなっているのが普通である。特に40nm未満の薄膜では成長初期の島状構造の影響で熱伝導率が1桁以上小さくなる場合があり好ましくない。さらに、成膜条件によって結晶性や不純物量が異なり、これが同じ組成でも熱伝導率が異なる要因になる。
薄膜の電気抵抗はその膜厚や測定領域の面積で規格化された抵抗率値で表す。体積抵抗率と面積抵抗率は通常の4探針法で測定でき、JIS K 7194によって規定されている。本法により、薄膜の熱伝導率そのものを実測するよりもはるかに簡便かつ再現性の良いデータが得られる。
本発明において好ましい反射層は、体積抵抗率が20nΩ・m以上150nΩ・m以下であり、より好ましくは20nΩ・m以上100nΩ・m以下である。体積抵抗率20nΩ・m未満の材料は薄膜状態では実質的に得にくい。体積抵抗率150nΩ・mより体積抵抗率が大きい場合でも、例えば300nmを超える厚膜とすれば面積抵抗率を下げるこ
とはできるが、本発明者らの検討によれば、このような高体積抵抗率材料で面積抵抗率のみ下げても、十分な放熱効果は得られなかった。厚膜では単位面積当たりの熱容量が増大してしまうためと考えられる。また、このような厚膜では成膜に時間がかかり、材料費も増えるため製造コストの観点から好ましくない。さらに、膜表面の微視的な平坦性も悪くなってしまう。
好ましくは、膜厚300nm以下で面積抵抗率0.2以上0.9Ω/□以下が得られるような、低体積抵抗率材料を用いる。0.5Ω/□が最も好ましい。
例えば、Siを0.3重量%以上0.8重量%以下、Mgを0.3重量%以上1.2重量%以下含有するAl−Mg−Si系合金である。
また、AlにTa,Ti,Co,Cr,Si,Sc,Hf,Pd,Pt,Mg,Zr,Mo,又はMnを0.2原子%以上2原子%以下含むAl合金は、添加元素濃度に比例して体積抵抗率が増加し、また、耐ヒロック性が改善され、耐久性、体積抵抗率、成膜速度等考慮して用いることができる。
Al合金に関しては、添加不純物量0.2原子%未満では、成膜条件にもよるが、耐ヒロック性は不十分であることが多い。また、2原子%より多いと上記の低抵抗率が得られにくい。
経時安定性をより重視する場合には添加成分としてはTaが好ましい。特に、ZnSを主成分とする上部保護層4に対しては、Taを0.5原子%以上、0.8原子%以下とするAlTa合金が、耐食性、密着性、高熱伝導率のすべてをバランス良く満足する反射層として望ましい。また、Taの場合わずか0.5原子%の添加で純AlやAl−Mg−Si合金に比べて、スパッタリング時の成膜レートが3〜4割アップするという製造上好ましい効果が得られる。
上記Al合金を反射層として用いる場合、好ましい膜厚は150nm以上300nm以下である。150nm未満では純Alでも放熱効果は不十分である。300nmを超えると、熱が水平方向より垂直方向に逃げて、水平方向の熱分布改善に寄与しないし、反射層そのものの熱容量が大きく、却って記録層の冷却速度が遅くなってしまう。また、膜表面の微視的な平坦性も悪くなる。
上記Ag合金を反射層として用いる場合、好ましい膜厚は40nm以上150nm以下である。40nm未満では純Agでも放熱効果は不十分である。150nmを超えると、熱が水平方向より垂直方向に逃げて、水平方向の熱分布改善に寄与しないし、不必要な厚膜は生産性を低下させる。また、膜表面の微視的な平坦性も悪くなる。
ところで、不純物の添加は一般的に結晶粒径を小さくし、粒界の電子散乱を増加させて熱伝導率を低下させると考えられる。添加不純物量を調節することは、結晶粒径を大きくすることで材料本来の高熱伝導率を得るために必要である。
なお、反射層は通常スパッタ法や真空蒸着法で形成されるが、ターゲットや蒸着材料そのものの不純物量もさることながら、成膜時に混入する水分や酸素量も含めて全不純物量を2原子%以下とする必要がある。このためにプロセスチャンバの到達真空度は1×10-3Pa以下とすることが望ましい。
また、10-4Paより悪い到達真空度で成膜するなら、成膜レートを1nm/秒以上、好ましくは10nm/秒以上として不純物が取り込まれるのを防ぐことが望ましい。
成膜条件は不純物量とは無関係に結晶粒径に影響を及ぼす場合もある。例えば、AlにTaを2原子%程度混入した合金膜は、結晶粒の間に非晶質相が混在するが、結晶相と非晶質相の割合は成膜条件に依存する。例えば、低圧でスパッタするほど結晶部分の割合が増え、体積抵抗率が下がり、熱伝導率が増加する。
膜中の不純物組成あるいは結晶性は、スパッタに用いる合金ターゲットの製法やスパッタガス(Ar,Ne,Xe等)にも依存する。
このように、薄膜状態の体積抵抗率は金属材料、組成のみによっては決まらない。
高熱伝導率を得るためには、上記のように、不純物量を少なくするのが望ましいが、一方で、AlやAgの純金属は耐食性や耐ヒロック性に劣る傾向があるため、両者のバランスを考慮して最適組成が決まる。
より具体的には、金属中最も高熱伝導率および低体積抵抗率であるAgはSを含む保護層との相性が悪く、繰返しオーバーライトした場合の劣化がやや速いという傾向がある。
また、高温高湿の加速試験環境下で腐食を生じやすい傾向がある。
そこで、低体積抵抗率材料としてAg及びAg合金を用い、上部保護層との間に界面層としてAlを主成分とする合金層を1nm以上100nm以下設けることも有効である。厚さを5nm以上とすれば、層が島状構造とならず均一に形成されやすい。
Al合金としては前述と同様に例えば、Ta,Ti,Co,Cr,Si,Sc,Hf,Pd,Pt,Mg,Zr,Mo,又はMnを0.2原子%以上2原子%以下含むAl合金が挙げられる。
界面層の厚さは1nm未満では保護効果が不十分で、100nmを超えると放熱効果が犠牲になる。
界面層の使用は、特に反射層がAg又はAg合金の場合に有効である。なぜなら、Agは本発明で好ましいとされる硫化物を含む保護層との接触により、比較的硫化による腐食を起こしやすいからである。
反射層の多層化は、高体積抵抗率材料と低体積抵抗率材料を組み合わせて所望の膜厚で所望の面積抵抗率を得るためにも有効である。
合金化による体積抵抗率調節は、合金ターゲットの使用によりスパッタ工程を簡素化できるが、ターゲット製造コスト、ひいては媒体の原材料比を上昇させる要因にもなる。従って、純Alや純Agの薄膜と上記添加元素そのものの薄膜を多層化して所望の体積抵抗率を得ることも有効である。
層数が3層程度までであれば、初期の装置コストは増加するものの、個々の媒体コストはかえって抑制できる場合がある。
反射層を複数の金属膜からなる多層反射層とし、全膜厚を40nm以上300nm以下とし、多層反射層の厚さの50%以上が体積抵抗率20nΩ・m以上150nΩ・m以下の金属薄膜層(多層であっても良い)とするのが好ましい。
さて、記録層及び保護層の厚みは、上記熱特性、機械的強度、信頼性の面からの制限の
他に、多層構成に伴う干渉効果も考慮して、レーザー光の吸収効率が良く、記録信号の振幅、すなわち記録状態と未記録状態のコントラストが大きくなるように選ばれる。
図6にEFMプラス変調されたランダム信号を記録し再生したときのDC再生信号(直流成分を含む再生信号)の波形を示す。変調度は、14Tマークのトップの信号強度Itopと信号振幅I14との比I14/Itopとして定義される。
Itopは実際上、未記録部(結晶状態)の溝内での反射率に相当する。I14は相変化媒
体の結晶部分と非晶質部分から反射光の強度差及び位相差が問題となる。
反射光の強度差は、基本的に結晶状態と非晶質状態の反射率差で決まる。上記記録後の変調度が概ね0.5以上であれば、低ジッタが実現できるとともに、上記DPD法によるトラッキングサーボも良好に作動する。
)80(SiO2)20保護層、Al0.995Ta0.005 反射層を設けたものとした。
各層の屈折率は実測値を用いている。波長650nmにおける各材料の複素屈折率は、上下の保護層は2.12−0.0i、反射層は1.7−5.3i、基板は1.56、記録層は非晶質状態(成膜直後の状態で測定)で3.5−2.6i、初期化後の結晶状態で2.3−4.1iである。
また、記録層、第2保護層、反射層の膜厚はそれぞれ、18nm、20nm、200nmで一定とした。
第1保護層膜厚依存性を見る限り、通常は振幅の変化は小さく、分母であるItop、す
なわち結晶状態の反射率に強く依存する。したがって、結晶状態反射率は可能な限り低いことが望ましい。
膜とした。このとき、第1の極小値d1は膜厚50〜70nm、第2の極小値d2は膜厚200〜220nmになる。以後は周期的に変化する。
結晶状態の反射率が極小となる第1保護層膜厚は、反射率が高い記録層であれば、実質上、保護層の屈折率のみで決まる。他の屈折率nにおける極小点膜厚は、d1、d2に2.1/nをかければほぼ求まるが、通常、保護層として用いられる誘電体はn=1.8〜2.3程度であり、d1は60〜80nm程度である。
第1保護層の屈折率nが1.8よりも小さいと、極小点における反射率が増加して変調度が著しく低下し、0.5未満となるので好ましくない。逆に、2.3以上とすると、極小点の反射率が低くなりすぎ20%を達成できず、フォーカスやトラッキングサーボが困難になるので好ましくない。
生産性の観点からは第1保護層膜厚は150nm以下にとどめるのが望ましい。なぜなら、現在、誘電体保護層のスパッタ法による成膜速度は高々15nm/秒であり、その成膜に10秒以上かけることはコストを上昇させるからである。また、膜厚変動の許容値が厳しくなるので生産上も好ましくない。即ち、図7からわかるように、反射率は所望の膜厚d0からΔdずれると、第1の極小値d1近傍でも、第2の極小値d2近傍でもおなじだ
け変動する。
って、d0が薄いほど膜厚の変動幅Δdは小さくなり、ディスク面内あるいはディスク間
の反射率変動を抑制出来るので有利である。
従って、安価な静止対向タイプのスパッタ装置で、基板の自公転機構を有しない装置では、第1の極小値d1近傍の膜厚を採用するのが望ましい。
一方で、厚い保護層は繰返しオーバーライト時の基板表面の変形を抑制する効果が大きいから、繰返しオーバーライト耐久性改善を重要視するならば、第2の極小値d2近傍の
膜厚を採用するのが望ましい。
なお、基板を介して記録再生光を入射させて記録または再生を行うような媒体においては、第1保護層をある程度厚くして、記録時に発生する熱から基板を保護しなければならない。記録時に記録層は、100ナノ秒程度であるが500〜600℃以上となる。このためには膜厚を50nm以上とするのが好ましい。50nm未満では、記録を繰り返すと基板に微視的な変形が蓄積され、ノイズや欠陥となりやすい。特に基板がポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチックからなる場合には重要である。
好ましい第一の記録方法は、上述の記録媒体に、マーク長変調された情報を複数の記録マーク長により記録するにあたり、
記録マーク間には、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの記録光を照射し、
一つの記録マークの時間的な長さをnTとしたとき(Tは基準クロック周期、nは2以上の整数)、
記録マークの時間的長さnTを、
また、Σi(αi+βi)+η1+η2=nとし、η1はη1≧0なる実数、η2はη2≧0な
る実数、0≦η1+η2≦2.0とする。
αi(1≦i≦m)はαi>0なる実数とし、βi(1≦i≦m)はβi>0なる実数とし、Σαi<0.5nとする。
α1=0.1〜1.5、β1=0.3〜1.0、βm=0〜1.5とし、αi=0.1〜0.8(2≦i≦m)とする。
なお、3≦i≦mなるiにおいてαi+βi-1=0.5〜1.5の範囲にあり、かつ、iによらず一定とする。)
の順に分割し、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては記録層を溶融させるにたるPw≧Peなる記
録パワーPwの記録光を照射し、βiT(1≦i≦m)の時間内においては、0<Pb≦
0.2Pe(ただし、βmTにおいては、0<Pb≦Peとなりうる)なるバイアスパワ
ーPbの記録光を照射する。
まず、上記のような高密度マーク長変調記録を実現するためには、波長350〜680
nmのレーザー光ビームを、開口数NAが0.55以上0.9以下の対物レンズを通して記録層に集光させて微小な集束光ビームスポットを得る。
そして、図8に示すように、少なくとも3値に記録光パワーを変調させることで、パワーマージン及び記録時線速マージンを広げることができる。
図8において、先頭記録パルスα1Tの開始位置、最終オフパルスβmTの終了位置は、必ずしも元の記録信号の開始位置、終了位置と一致する必要はない。0≦η1+η2≦2.0となる範囲内で、先頭にη1Tを置き、最後にη2Tを置いてよい。当該マーク前後のマークの長さやマーク間長さに応じて、η1Tやη2Tの長さを微調整することも、マークを正確に形成するのに有効である。
できる場合もある。最後のβm=0としてもよい。例えば、EFM変調において3T〜1
1Tのマークのうち11Tマーク、又はEFMプラス変調において3T〜14Tのマークのうち14Tマーク、等の長いマークほど熱が蓄積しやすいので、最後のβmを長くして
冷却時間を長めにするのが良い。
逆に、3Tマーク等の短いマークの場合にはβmを短くするのがよい。その調整幅は0
.5程度である。いわゆるDVD程度の線記録密度を超えるような高密度記録であれば、必ずしもそのような微調整をしなくても十分な記録信号品質が得られる。
図9(b)では、オフパルス区間のバイアスパワーPbがほとんど0のため、TL’は融点より十分低い点まで下がり、かつ、途中の冷却速度も大きい。従って、非晶質マークは記録パルスP1照射時に溶解し、その後のオフパルス時の急冷によって形成される。
一方、図9(a)では、オフパルス区間でも消去パワーPeが照射されるため、1番目の記録パルスP1照射後の冷却速度が遅く、オフパルス区間での温度降下で到達する最低温度TLが融点Tm近傍に留まり、さらに、後続の記録パルスP2により融点Tm近傍まで加熱され、非晶質マークが形成されにくい。
あるいは、結晶化温度Tcに近い比較的低温域での結晶核生成は毎回の消去プロセスでは支配的でなく、前述の初期化時に形成された結晶核となりうるSbクラスタが安定に存在するため、高温域の結晶成長のみが支配的であるとも考えられる。
従って、冷却速度及びTL’を制御することで再結晶化をほぼ完全に抑制し、溶融領域とほぼ一致するクリアな輪郭を有する非晶質マークが得られ、マークエッジのジッタが低減できる。
ロファイルでも非晶質マーク形成プロセスに大差がない。なぜなら、この材料では広い温度範囲、特に結晶化温度Tc近くの低温域でも、速度は若干遅いものの再結晶化を示すからである。あるいは、この材料では、比較的Tcに近い温度域での結晶核生成とTmに近い温度域での結晶成長とが律速になっているため、全体として広い温度域で比較的低速の再結晶化が起きるとも考えられる。
GeTe−Sb2Te3でも、Pb<Peとしてオフパルスを用いて粗大グレインを抑制する場合もあるが、Pb/Pe≦0.2とすると、Tc近傍での結晶化が抑制されすぎるために、かえって消去性能が低下する。
しかし、本発明に係る記録層材料では、Tcに近い比較的低温での結晶化はほとんど進まないと考えられるので、Pb/Pe≦0.2とするのが好ましい。あるいはより具体的には、0≦Pb≦1.5(mW)として、トラッキングサーボが安定する限り低いPbを用い、できるだけ急冷となるようにオフパルスを積極的に用いた方が、非晶質マークのエッジが明確に形成でき好ましい。
最先端のパルスα1Tは、余熱効果がないため、昇温のためにやや長時間を要する。あ
るいは、最先端のパルスの記録パワーを、後続のパルスより高めに設定することも有効である。
の記録パルスの後端をクロックパルスに同期させる。
また、Pbを再生光パワーPrと同じにすることも、回路を簡便化するには有効である。先頭パルスα1Tだけを後続パルスより長くすることは、いわゆるアイパターンにおい
て短マークと長マークの記録のバランスを良くするために必要なことである。或いは、先頭パルスのみ後続パルスより高パワーとしてもよい。
このようなパルスは、図11に示すような3種のゲート発生回路とそれらの間の優先順位を決めることで達成できる。
Gate1は記録パルス発生区間α1Tのみを、Gate2は後続パルスαi
T(2≦i≦m)を所定個数発生させるタイミングを決める。ここでパルス幅αiは2
≦i≦mにおいて一定値αcとする。Gate3はオフパルス発生区間βiTを発生する。Gate3がオン(レベル高)の間はPbを発生し、オフの間(レベル低)はPeを発生する。
α1の立ち上がりのタイミングとパルス幅のみを独立して決めることで、β1をβiと異
なる値とすることができる。
Gate3とGate1の立ち上がりは同期させるのが良い。Gate1、Gate2はそれぞれPwを発生させるが、Gate1、2がオンのときはGate3に優先する。
Gate1の遅延時間T1とα1、Gate2の遅延時間(T1+T2)とαcを指定すれば
、図10のストラテジーを指定できる。
1T未満として後続パルスの数を一個減らせば、図10(c)のm=n−2の場合のパルスとなる。このとき、α1T及びβm-2Tを、m=n−1の場合より長くすることで、形成されるマーク長をnTとする。
さて、本発明のさらなる適用例として、再生専用DVDと同等以上の記録密度で、少なくとも再生時には再生専用DVDと同等の信号品質を得るためには、下記のような記録方法を用いることが望ましい。
α1=0.3〜1.5、
α1≧αi=0.2〜0.8(2≦i≦m)、
αi+βi-1=1.0(3≦i≦m)、
βm=0〜1.5とするのが好ましい。
るため、Σαi<0.5nとし、kが小さいほど(Σαi)/nを減少させることが望ましい。すなわち、k=0又はk=1では(Σαi)<0.4n、k=2では(Σαi)<0.5nとするのが好ましい。
好ましくは、このような記録パルス分割方法を線速3m/s以上でのオーバーライトに適用するためには、本発明記録層Gex(SbyTe1-y)1-x において、特にyを0.72以上、線速7m/s以上でのオーバーライトにはyを0.74以上とする。すなわち、Sb/Te比を2.57以上、より好ましくは2.85以上のSbリッチとする。
特開平8−22644号公報には、Sb0.7Te0.3近傍組成にAg及びInを合計で10原子%程度添加したAgInSbTe記録層が記載されている。しかし、このAgInSbTe記録層でSb/Te比を2.57以上とすると、非晶質マークが極めて不安定となり保存安定性に問題があった。
以下、実験例を用いて比較説明する。EFMプラス変調のマーク長記録を行うにあたり、長さnTのマークを記録するに、線速2m/s〜5m/sの範囲において、波長630〜680nm、NA=0.6の光学系を用いて、記録パルスをn−1個に分割して記録する場合を考える。
本発明記録層の一例として、Ag0.05Ge0.05Sb0.67Te0.23(Sb/Te≒2.91)を用い、上記AgInSbTe記録層の一例として、Ag0.05In0.05Sb0.63Te0.27(Sb/Te≒2.33)を用いる。
第1保護層膜厚を100nm、記録層を20nm、第2保護層を20nm、反射層を200nmとし、いずれもβi =0.5程度(1≦i≦n−1)、Pw=10〜14(m
W)、Pe/Pw=0.5、Pb≒0とする。
このとき、従来のAg0.05In0.05Sb0.63Te0.27記録層では、α1=0.8〜1.
2、αi=0.4〜0.6(2≦i≦n−1)が好ましい。特にα1=1.0、αi(2≦
i≦n−1)=0.5、βm=0.5とした場合、Σαiはnによらず0.5nとなる。
、αi=0.2〜0.4(2≦i≦n−1)が好ましい範囲となる。より具体的にはα1=0.6、αi(2≦i≦n−1)=0.35とすることができる。この場合、n=3の時
、Σαi≒0.32nとなり、n=4以上では、Σαi
≒0.33n〜0.34nとなる。
これはすなわち、本発明媒体においては、記録の際に照射される平均照射パワーを小さくし、実質的な記録パルス照射時間をΣαi<0.4nと小さくすることができることを
表している。
(1)高パワー記録による記録信号品質の劣化を低減できる。高パワー記録の問題点は、記録層に与えられる光エネルギーが多くなりすぎて記録層にこもることに起因している。このため冷却速度が遅くなって非晶質マークの再結晶化が生じたり、繰返しオーバーライト時の劣化が著しくなる。
低パワーのオフパルス区間を設けることで平均入力パワーを抑え、かつ、高熱伝導率の反射層により平面方向に熱を逃がすことにより、高パワー記録時でも、マーク後端部分、特に長マーク後端部分、の熱蓄積による悪影響を抑制でき、良好な長マークを形成できる。
(2)繰返しオーバーライト時における各層の熱ダメージを軽減でき、繰返し耐久性を改善できる。毎回の熱ダメージを小さくすることで、例えば、熱に弱いプラスチック基板の変形を抑制できる。また、ダメージの及ぶ範囲をレーザービームプロファイルの中心部分の、より狭い範囲に限定できる。
特に、熱が蓄熱されやすいn=4以上の長マークほど、実質の記録エネルギー照射の割合(Σαi)/nを減少させる効果が大きい。従って、熱ダメージを受けやすい5m/s
以下の低線速でも、媒体への悪影響を軽減することができる。
さらに、記録層を、Gex(SbyTe1-y)1-x合金を主成分とする薄膜(0.045≦x≦0.075、0.74≦y<0.8)とし、線速度に応じて記録パルス分割方法を可変とすることで、3m/s〜8m/sを含む広範囲の線速度でオーバーライト可能となる。
すなわち、図8のパルス分割方法において、m=n−kのkは一定とし、オーバーライト時の線速度が低いほど、Pb/Pe又はαiのいずれかを単調に減少させる。
なお、記録線密度を一定に保つために線速度に応じてクロック周期を変更することや、Pw、Peをそれぞれの線速度で最適に保つように変更することは、必要に応じて行ってよい。
提供する。なお、DVDの標準再生線速度は3.49m/sである。
すなわち、波長が600〜680nmの光を、開口数NAが0.55〜0.65の対物レンズを通し、基板を介して記録層に集光させ、最短マーク長を0.35〜0.45μmの範囲として、データの記録再生を行う光記録方法であって、
nは1〜14の整数とし、
m=n−1とし、
Pbは0≦Pb≦1.5(mW)の範囲で線速によらず一定とし、
Pe/Pwは0.4〜0.6の範囲で線速度に応じて変化しうるものとし、(i)記録線速度3〜4m/sの範囲においては、基準クロック周期をToとし、
α1=0.3〜0.8、
α1≧αi=0.2〜0.4であってiによらず一定(2≦i≦m)、
α2+β1≧1.0、
αi+βi-1 =1.0(3≦i≦m)、
βm=0.3〜1.5とし、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては記録パワーPw1の記録光を照射し、(ii)記録線速度6〜8m/sの範囲においては、基準クロック周期をTo/2とし、
α’1=0.3〜0.8、
α’1≧α’i=0.3〜0.5であってiによらず一定(2≦i≦m)、
α’i+β’i-1=1.0(3≦i≦m)、
β’m =0〜1.0とし、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては記録パワーPw2の記録光を照射するとしたとき、
α’i>αi(2≦i≦m)であり、
0.8≦Pw1/Pw2≦1.2である光記録方法である。本発明者らの実験によれば、図10のパルス分割方法を用いる限りでは、この設定で特に良好なジッタが得られた。
αi、βmの3個となり、記録信号源をより簡略化でき好ましい。
なお、nとして1から14までのすべての整数をとる必要はなく、EFMプラス変調では、3から11まで、及び14をとる。(1,7)RLL−NRZI(Run Length Limited-Non Return To Zero Inverted)符号等も使用可能である。
なお、記録密度を一定とするために、一般的に、1倍速記録時のクロック周期は2倍速記録時の倍になるように設定される。
なお、本発明は、上記のような、一定線速度を維持しながら記録領域全面に記録を行う方式(constant linear velocity、CLV方式)のみならず、一定の回転角速度で記録領域全面に記録を行う方式(constant angular velocity 、CAV方式)に対しても有効である。あるいは、半径方向を複数のゾーンに分割して、同一ゾーン内ではCLV方式でオーバーライトを行うZCLV(Zoned CLV)方式に対しても有効である。
光ディスクの直径は、86mm、90mm(シングルCDサイズ)、120mm(CDサイズ)、あるいは130mmのように様々あり、記録領域は半径20〜25mmから最大65mm近くに及ぶ。このとき内外周の線速度差は最大3倍近くなる。
この問題を解決するために、内外周で反射層膜厚を変化させて内周で反射層による放熱効果度が大きくなるように調節することができる。あるいは、記録層組成を変化させて、
外周で結晶化速度を高め、あるいは内周で非晶質形成に必要な臨界冷却速度を低めることも提案されている。しかし、そのような分布を与えたディスクの作成は、容易ではない。
本発明を、上記のように半径により線速度が変化する媒体に利用するためには、記録領域を半径により複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎にデータの基準クロック周波数及びパルス分割方法を切り替えて用いることが望ましい。
このとき、ゾーンによらずパルス分割数mを一定とし、外周ゾーンから内周ゾーンに向かって、Pb/Pe比及び/又はαi(iは1≦i≦mの少なくとも一つ)を単調に減少
させる。これによって、低線速度の内周部において、冷却速度不足により非晶質マークの形成が不完全となるのを防ぐことができる。なお、αi(iは1≦i≦mの少なくとも一
つ)を単調に減少させる、とは、例えばα1、α2、・・・、αmの中でα2のみを減少させることを指す。
より具体的には、図10で示されたパルス分割方法をベースに、線速に応じたパルス分割方法を用いることが、可変パルス分割方法回路を簡略化することができて望ましい。その際に、記録領域を半径方向にp個のゾーンに分割して、各ゾーンごとにクロック周期とパルス分割方法を変化させることが、半径位置に応じて連続的に変化させるよりも簡便である。
<vp>ave/<v1>aveは1.2〜3の範囲であって、<vq>max/<vq>minは1.5以下とするのが好ましい。同一ゾーン内では同一クロック周期と同一パルス分割方法を用いるのであるが、同一パルス分割方法でカバーできる線速範囲はおおむね1.5倍が限度である。
は1≦q≦pなる全てのqに対してほぼ一定であり、かつ、
m=n−1もしくはm=n−2、
α1=0.3〜1.5、
α1≧αi=0.2〜0.8(2≦i≦m)、
αi+βi-1=1.0(3≦i≦m)、
0≦Pb≦1.5(mW)、
0.4≦Pe/Pw≦0.6とする。
ここで、m=n−1の場合は、α1=0.3〜1.5、αi=0.2〜0.5、m=n−2の場合はα1=0.5〜1.5、αi=0.4〜0.8とすることが好ましい。
向かって、少なくともαi(iは2≦i≦mの少なくとも一つ)を単調に減少させる。
各ゾーンごとのαiの変更は0.1T刻みもしくは0.01T刻みとすることが好まし
い。
ここで、最外周ゾーンでの基準クロック周期Tpに対して、1/100程度の周期の高
周波ベースクロック発生回路を付加することで、すべてのゾーンにおけるTq及び分割パ
ルス長をこのベースクロックの倍数として発生させることが可能である。
DVDでは1倍速での基準クロック周波数は26MHz程度であるから、最高2.6GHz程度のベースクロック周波数、通常は一桁少なくて260MHz程度のベースクロック周波数で十分である。
本発明では、さらに、Pw、Pe/Pw比、Pbを一定として、パルス分割方法のみを変更することで、すべての線速に対応することも可能である。また、βmもゾーンによら
ず一定とし、α1とαmのみをゾーン依存パラメータとすることもできる。これは、ドライブの記録パルス制御回路を簡略化する上で極めて有用である。
次に、本発明の光記録方法を、ZCAV方式に適用した他の例について述べる。
記録領域が半径によってp個のゾーンに分割され、最内周側を第1ゾーン、最外周側を第pゾーンとし、第qゾーン(ただし、qは1≦q≦pの整数)における角速度をωq、
平均線速度を<vq>ave、最大線速度を<vq>max、最小線速度を<vq>min、基準クロック周期をTq、最短マークの時間的長さをnminTqとする。
ZCAV方式においては、記録線密度がほぼ一定であるように、外周部のゾーンに移行するほど、記録データの基準クロックTqを小さくすることが必要である。
すなわち、Tq<vq>aveが1≦q≦pなる全てのqに対してほぼ一定となるように、
ゾーンに応じてTqを変化させる。ここで、ほぼ一定とは、±1%程度の誤差を含むもの
とする。
また、同一ゾーン内の最大線速と最小線速を一定の範囲内にするために、
>aveの±10%未満の半径位置までが許容されるものとする。
より好ましくは、(<vq>max−<vq>min)が(<vq>max+<vq>min)の5%未満である。
ゾーンの幅は、記録領域を半径毎に等分割してもよいが、この条件を満たす限り等分割でなくてもよい。記録領域幅にもよるが、30〜40mm幅の記録領域については、概ね10個以上に分割される。
以上2つの条件は、記録線密度を一定とし、ひいてはマークの物理的長さ、或いはチャネルビット長を一定するための条件である。なお、チャネルビット長とは、トラックに沿った1チャネルビットあたりの長さである。
DVDとの再生互換性を、より確実に得るためには、基準再生速度vを約3.5m/s、基準クロック周期Tを約38.2nsecとしたとき、チャネルビット長vTの変動をほぼ±1%未満とするのが好ましい。
ZCAV媒体においてこの条件を満たすためには、下記(3)式
>min)の1%未満となるようにし、第qゾーンの幅は、平均半径<rq>aveの±1%未
満の半径位置までが許容されるものとする。このため、記録領域を200個以上のゾーンに分割する。かつ、
。ここで、ほぼ一定とは、±1%程度の誤差を含むものとする。
これにより、ZCAV方式ながら擬似的に、半径によらない等密度記録ができるため、CLV方式でも再生が可能となり、CLV方式のDVDプレーヤーとの互換性が高まる。
必要に応じて、ゾーン幅はより狭くしてもよい。
波長が600〜680nmの光を、開口数NAが0.55〜0.65の対物レンズを通し、基板を介して記録層に集光させ、データの記録再生を行うにあたり、
上記記録領域の最内周が半径20〜25mmの範囲にあり、最外周が半径55〜60mmの範囲にあり、最内周側ゾーンの平均線速度が3〜4m/sであり、
第qゾーン(ただし、qは1≦q≦pの整数)における角速度をωq、平均線速度を<
vq>ave、最大線速度を<vq>max、最小線速度を<vq>min、基準クロック周期をTq
、最短マークの時間的長さをnminTqとすると、
nは1〜14の整数であり、
m=n−1であり、
ωq 、Pb及びPe/Pwはゾーンによらず一定であり、
Tq<vq>aveは1≦q≦pなる全てのqに対してほぼ一定であり、かつ、
α1 1=0.3〜0.8、
α1 1≧α1 i=0.2〜0.4であってiによらず一定(2≦i≦m)、
α1 2+β1 1≧1.0、
α1 i+β1 i-1=1.0(3≦i≦m)とし、(ii)第pゾーンにおいては、
αp 1 =0.3〜0.8、
αp 1 ≧αp i =0.3〜0.5であってiによらず一定(2≦i≦m)、
αp i+βp i-1=1.0(2≦i≦m)としたとき、(iii)他のゾーンにおいては、α1 i≦αq i≦αp i(2≦i≦m)とし、αq 1は、α1 1とαp 1との間の値として記録を行う。
第1ゾーン、第pゾーンについては上記条件により記録を行い、他のゾーン(2≦q≦p−1なる第qゾーン)についてはα1 i≦αq i≦αp i(2≦i≦m)とし、αq 1は、α1 1とαp 1との間の値とする。この場合、αq 1の値は0.1Tもしくは0.01T刻みで設定することが望ましい。
好ましくは、α1 1≧αq 1≧αp 1 ただし、α1 1>αp 1)とする。
好ましくは、これらPe/Pw、Pb、Pw、βm、(α1 1、αp 1)、(α1 c、αp c)
の数値が、あらかじめ基板上に、プリピット列或いは溝変形により記載しておくことで、各記録媒体ごと、そして各ゾーンごとにドライブが最適のパルス分割方法及びパワーを選択することができてよい。これらは、通常、記録領域の最内周端もしくは最外周端に隣接した位置に記録される。バイアスパワーPbを再生パワーPrと同じにするのであれば、バイアスパワーPbはあえて記載しなくても良い場合もある。溝変形とは、具体的には溝蛇行(ウォブル)などである。
及びαiに関する情報を含ませてもよい。
これにより、アクセスする際にアドレス情報とともに該パルス分割方法情報も読み出し、パルス分割方法を切り替えることができ、特別な補正をすることなく、該記録媒体及び該アドレスの属するゾーンに適したパルス分割方法を選択することができる。
記録領域を半径方向に複数のゾーンに分割し、各ゾーン内においては、線速度一定で記録を行うものとし、
最内周ゾーンにおける記録線速度vinと最外周ゾーンにおける記録線速度voutの比vout/vinが1.2〜2であり、
αi=0.3〜0.6(2≦i≦m)及びβm=0〜1.5とし、
線速度によらずm、αi+βi-1(3≦i≦m)、α1T、Pe/Pw、及びPbを一定
とし、線速度に応じてαi(2≦i≦m)及び/又はβmを変化させることにより記録を行う。
ZCLV方式は、記録領域を半径方向の複数のゾーンに分割することはZCAV方式と同様であるが、同一ゾーン内ではCLVモード、即ち線速度一定でディスクを回転させながら記録を行う。
本発明媒体は、記録パルス分割方法をわずかに変更するのみで、線速3〜8m/sの広範囲で記録可能であるから、比較的少ないゾーン数に分割するZCLV方式が適用できる。
この際、ゾーンによらず等記録密度とするためには、各ゾーンでの線速度Vqと各ゾー
ンにおける記録データの基準クロック周期Tqは、Tq <vq>aveをqによらずほぼ一定とする。
βi-1(3≦i≦m)、α1T、Pe/Pw、及びPbを一定とし、線速度に応じてαi及
び/又はβmを変化させることにより記録を行う。
以上述べた、CLV方式、ZCAV方式、或いはZCLV方式において、オーバーライト時の線速度に応じて記録パルス分割法を可変とする例は、主としてβmを線速によらず
一定として、パルス発生回路を簡便化するものであったが、逆に、βmを積極的に変化さ
せることで、パルス発生回路の簡易化を図ることもまた可能である。
記録マーク間には、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの記録光を照射し、
一つの記録マークの時間的な長さをnTとしたとき(Tは基準クロック周期、nは2以上の整数)、
記録マークの時間的長さnTを、
また、Σi(αi+βi)+η1+η2=nとし、η1はη1≧0なる実数、η2はη2≧0な
る実数、0≦η1+η2≦2.0とする。
αi(1≦i≦m)はαi>0なる実数とし、βi(1≦i≦m)はβi>0なる実数とする。
α1=0.1〜1.5、β1=0.5〜1.0、βm=0〜1.5とし、2≦i≦mなる
iにおいてαiは0.1〜0.8の範囲にあり、かつ、iによらず一定とする。
なお、3≦i≦mなるiにおいてαi+βi-1は0.5〜1.5の範囲にあり、かつ、iによらず一定とする。)
の順に分割し、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては記録層を溶融させるにたるPw>Peなる記
録パワーPwの記録光を照射し、βiT(1≦i≦m)の時間内においては、0<Pb≦
0.2Pe(ただし、βmTにおいては、0<Pb≦Peとなりうる)なるバイアスパワ
ーPbの記録光を照射し、
線速度によらずm、αi+βi-1(3≦i≦m)、α1T、及びαiT(2≦i≦m)を一定とし、線速度が小さいほどβmが単調に増加するように変化させる光記録方法である。
そして、少なくとも3≦i≦m、好ましくは2≦i≦mにおいてαi+βi-1を、線速及びiによらず一定とすることにより、パルス発生回路を簡略化でき、かつ、αiを低線速
ほど単調に減少させて記録層の冷却速度を増加させることができる。通常、αi+βi-1=1.0とする。
このようなパルス分割方法を実現するためには、図11のゲート発生のタイミングの説明図において、基準クロック周期Tに同期させて(一定の遅延を付加することはありうる)、幅α1Tの固定長パルス一個(Gate1)と、後続する幅αiT(αcT)の固定長
パルスを複数個(Gate2)発生させる一方、最終オフパルス長βmTを決めるGat
e3のみ線速に応じて変化させれば良い。
Pwmax/Pwmin≦1.2、
Pe/Pw=0.4〜0.6、
0≦Pb≦1.5(mW)とするのが好ましい。
また、前述のように、少なくともオーバーライト時の線速度が5m/s以下の場合において、繰返しオーバーライト時の熱ダメージを防ぐために、m=n−1においてはΣαi
<0.4nとし、m=n−2においてはΣαi<0.5nとするのが好ましい。
線速度によらずPb、Pe/Pw比が一定であるような記録方法が適用できる。
この場合、少なくともPe/Pw比、Pb、Pw、α1T、αiT、(βL m、βH m)の数値が、あらかじめ媒体の基板上に、プリピット列或いは溝変形により記録されていれば、やはり最適なパルス分割方法が自動的に選択でき、好ましい。
CLV方式の再生専用DVDドライブには、マークを再生して得られる基準クロック周期をもとに、データクロックと回転同期信号を発生させて、回転制御を行う方式がある。
すなわち、記録されたマークから生成されるデータの基準クロック周期Tq ’が、該
ドライブの基準データクロックTrとほぼ一致するようにPLL(Phase Lock Loop )方式により回転同期制御することが可能であるから、多少の線速のゆらぎやチャネルビット長のゆらぎがあっても、再生回路でそのままデコードできるのである。
もちろん、基準データクロックがTr/2となるように回転同期が達成されれば、2倍速による再生が可能となる。このようなPLL方式による回転同期信号の発生回路等は、既に公知のDVDプレーヤーやDVD−ROMドライブでの方式をそのまま使用できる。
好ましい溝深さはd=λ/(20n)〜λ/(10n)である。λ/(20n)より浅すぎては、記録時のプッシュプル信号が小さくなりすぎてトラッキングサーボがかからず、λ/(10n)より深くては再生時のトラッキングサーボが安定しない。例えば、記録再生波長が630〜670nm程度、対物レンズの開口数NAが0.6〜0.65では、溝深さは25〜40nmの範囲であることが望ましい。
溝幅は0.25〜0.5μmであることが望ましい。0.25μmより狭いとプッシュプル信号が小さくなりすぎてしまう。0.5μmより広いと溝間の幅が狭くなり基板の射出成形時に樹脂が入り込みにくく、溝形状の基板への正確な転写が困難になる。
本発明媒体は、記録後に反射率が低下する。このような媒体において、溝内の反射率のほうを低くするためには、つまり、記録後の溝内の平均反射率をRGa、記録後の溝間の平均反射率をRLaとして、RGa<RLaとするためには、溝幅が溝間幅より狭いことが望ましい。
一方、記録前の溝内の平均反射率をRGb、記録前の溝間の平均反射率をRLbとするとき、上記RGa<RLaさえ満足すればRGb>RLbであってもよい場合には、溝幅を0.4〜0.5μmとすることで、溝内に記録される非晶質マークの幅を広げ、変調度を高めたり、ジッタを低減できることがある。
さて、これら溝には、未記録の特定トラックにアクセスするために、また、基板を一定線速度で回転させる同期信号を得るために、周期的な変形を設けることがある。一般的には、トラック横断方向に蛇行したウォブル(wobble)が形成されることが多い。すなわち、溝が一定周波数fwoで蛇行していれば、その周波数を検出することで、PLL方式により回転同期用の信号が取り出せる。
溝蛇行の振幅は、40〜80nm(peak−to−peak値)であることが望ましい。40nm未満では振幅が小さすぎてSN比が悪くなるし、80nmを超えると、図6に示す記録信号のエンベロープの上下端がウォブル信号に由来する低周波成分を多く含み、再生信号の歪みが大きくなってしまう。
ウォブルの周波数が、記録データの帯域に近い場合には、その振幅は80nm以下であることが望ましい。
もしくは位相変調された蛇行を形成すれば、これを再生することでアドレス情報を取得できる。
蛇行周波数fwoを一定として溝蛇行を形成すれば、fwoから生成された溝蛇行信号の基準周期Twもしくはその倍数又は約数から、データ用の基準クロック信号Tを発生させる
こともできる。
通常、ウォブルの周期は、データの周波数成分より十分に低周波又は高周波に設定し、データ信号成分との混合を防止し、帯域フィルタ等で容易に分別できるように設定される。特に、fwoがデータの基準クロック周期より1〜2桁程度低くすることは記録可能CD等でも実用化されている。
CLV方式に用いる媒体においては、PLL回転同期が達成されたのち、fwoを1〜2桁程度、倍してデータ基準クロックを生成する。このような方法で生成されたデータ基準クロックは、一般的に、回転同期のゆらぎの影響(fwoの0.1〜1%程度)から、データ基準クロック(周波数)と同じオーダーの揺らぎを伴いやすい。これは、データの検出のためのウィンドーマージンを悪化させる。
また、既に述べたZCAV法においては、基準クロック周期Tqは、各ゾーンの溝蛇行
の基準周期Twqの倍数もしくは約数として発生せしめるのが好ましい。すなわち、周波
数fwoをゾーンごとに変更しながら、一定角速度で溝蛇行を形成することで、fwoとして生成される基準クロックもしくはその逓倍数周波数を、データ用の基準クロックTqとし
て発生させることができる。
この際に、溝のウォブルを、(5)式を満たすような比較的高周波とすると、各ゾーンごとのデータ基準クロックの生成が容易になる。そして、ゾーンごとに基準クロックTq
を変化させ、可変パルス分割方法をこの信号に同期させて発生させることができ、分割された各パルスの位置精度やゆらぎが低減でき、好ましい。
ZCAV方式のゾーン分割の一例として、溝の一周を1ゾーンとすることが考えられる。このとき溝が、ゾーンによらず周期が一定のウォブルを有し、
溝ピッチをTP、蛇行周期をTwoとすると、近似的に
形成され、トラック一周だけ外周になるごとに、a個のウォブルが増加することになる。
そして、Tw0が、基準クロック周期Tの整数倍となっていること、すなわちTw0=m
T(mは自然数)となっていることは、Tw0から基準クロックを発生させる場合に、単
純に整数分の1とすればよいので、基準クロック発生回路を簡略化でき望ましい。この場合、mは近似的に自然数でなくてもよく、±5%程度のずれは許容できる。
c、n=1とすると、m≒34.7となり、近似的にウォブル周期Tw0=35Tとすれ
ば、一周ごとに含まれるウォブルの数が1個ずつ増えていく。
この場合には、CLV方式で、ウォブルが導入されているにもかかわらず、隣接トラックのウォブルの位相が常にそろっているために干渉(ビート)によるウォブル信号の再生振幅の変動が小さいという利点がある。
例えば、波長350〜500nmの青色レーザー光とNA=0.6以上の光学系を用いた、最短マーク長が0.3μm以下のマーク長変調記録を行う場合にも、本発明媒体及び記録方法は有効である。最短マーク長は、マークの安定性を考慮すれば10nm程度以上が好ましい。
その場合、トラック横断方向の温度分布を平坦化することに留意する必要があり、第2保護層の膜厚を5〜15nmと極めて薄くすることが有効である。
波長350〜450nmのレーザー光を用いる場合は、10nm以下とするのがより好ましい。
以下の実施例では、基板は射出成形で作成した。基板は厚さ0.6mmの射出成形されたポリカーボネート樹脂基板とし、特に断らない限り、溝ピッチ0.74μm、幅0.34μm、深さ30nmの溝をスパイラル上に形成したものを用いた。
特に断らない限り、溝は線速3.5m/sにおいて、周波数140kHzのウォブルを有し、ウォブルの振幅は約60nm(peak−to−peak値)とした。
特に断らない限り、該基板上に、図5(a)に示すような4層構成を成膜後、その上に紫外線硬化樹脂からなる保護層をスピンコートによって設け、もう1枚同じ層構成を有する0.6mm厚基板と貼り合わせた。また、以下の実施例及び比較例においては、図5(a)における第1保護層を下部保護層、第2保護層を上部保護層と呼ぶこととする。
810〜830nmのレーザー光ビームにより線速3.0から6.0m/sの範囲内で適当な線速度を選んで、初期化パワー500〜700mWの光を照射して全面を溶融して再結晶化させ初期(未記録)状態とした。
各層組成は蛍光X線分析、原子吸光分析、X線励起光電子分光法等を組み合わせて確認した。
記録層、保護層の膜密度は基板上に数百nm程度に厚く成膜した時の、重量変化から求めた。膜厚は蛍光X線強度を触針計で測定した膜厚で校正して用いた。
反射層の面積抵抗率は4探針法抵抗計{Loresta FP、(商品名)三菱油化(現ダイアインスツルメント)社製}で測定した。
抵抗測定は、絶縁物であるガラスもしくはポリカーボネート樹脂基板上に成膜した反射層、あるいは、図5の4層構成(紫外線硬化樹脂保護コート前)成膜後、最上層となる反射層で測定した。
上部保護層が誘電体薄膜で絶縁物であるため、4層構成であっても、反射層の面積抵抗率測定に影響はない。また、実質的に無限大の面積とみなせる、直径120mmのディスク基板形状のまま測定した。
得られた抵抗値Rを元に、以下の式で、面積抵抗率ρs及び体積抵抗率ρvを計算した。
特に断らない限り、記録再生評価にはパルステック製DDU1000評価機を用いた。光ヘッドの波長は637nm、対物レンズの開口数NAは0.6もしくは0.63である。ビーム径はそれぞれ約0.90μm及び約0.87μmである。なお、ビーム径は、ガウシアンビームでエネルギー強度がピーク強度の1/e2 以上となる領域に相当する。
記録する信号は、DVDで用いられている8−16変調(EFMプラス変調)されたランダム信号とした、特に断らない限り最短マーク長は0.4μmとした。また、特に断らない場合は、単一トラックのみ記録した状態で測定をおこなったので、クロストークの影響は入っていない。
記録は、DVDの標準線速度3.5m/sを1倍速として、1倍速、2倍速など様々な線速で行った。
後でも、Tに対して13%未満を維持できることが望ましい。
なお、再生専用DVDとの互換性確保の立場からは650〜660nmでの再生光での測定が重要であるが、本発明において波長は、単に集束光ビーム形状にわずかに影響するだけであり、再生光学系を調整すれば、本発明で使用したような637nm光学系と同様のジッタが660nm光学系でも得られることが確認されている。
記録層として、本発明に係るInGeSbTe系と従来公知のInAgSbTe四元系とを比較するために、AgとGeの組成以外はほぼ厳密に記録層組成及び層構成をそろえた媒体を表−1のように用意した。
両記録層は、AgとGeを置き換えた以外、組成はほとんど測定誤差の範囲内で十分同等とみなせる範囲である。下部保護層の膜厚が異なっているのは、媒体の反射率Rtopが同じとなるように調整したためである。記録層の屈折率が微妙に違うせいで、このような補正が必要なのであるが、記録層への光の吸収効率を同じにして、再生光による熱ダメージの影響を同じにして比較するためには必要な補正である。記録層膜厚及び上部保護層膜厚が同じであるから、放熱効果及び熱ダメージについては同等とみなせる。
基板は0.6mm厚のポリカーボネート樹脂で、溝ピッチ0.74μm、溝幅0.34μm、溝深さ27nm、ウォブル周波数140kHz(線速度3.5m/s)、ウォブル振幅60nm(peak−to−peak値)の溝が形成されており、該溝内に記録を行った。
すなわち、図10(a)に示すパルス分割方法において、m=n−1、αi+βi-1=1.0(2≦i≦m)、αi=αc=一定(2≦i≦m)とし、α1=0.5、αc=0.3、βm=0.5とし、Pw=13.5mW、Pe=6.5mW、Pb=0.8mWとした。
このように記録された信号に、再生光を繰返し照射し、再生光安定性を調べた。所定の再生光パワーPrで所定回数照射したのち、再生光パワーを0.5mWと十分低くしてジッタ等の測定を行った。結果を図12に示す。
実施例1の媒体は、再生光パワー1mWでは106 回まで全く再生光による劣化を示さなかった。0.1mWずつパワーを上げると徐々に劣化が早くなる程度である。
比較例1においてはまた、再生光により変調度が低下し、100回程度の照射で10%程度低下して落ち着いた。初期はジッタが急増するため、変調度の低下は不均一に進行していると考えられる。
実施例1及び比較例1の記録済媒体を、80℃/80%RHの環境下に放置して、加速試験を行ったところ、250時間後には実施例1のディスクの特性は、ほとんど全く変化していないのに対して、比較例1のディスクの記録信号は、ほぼ完全に消えていた。比較例1の組成の記録層材料では非晶質マークが極めて不安定なことがわかる。
実施例1の媒体について、80℃/80%RHの環境下で加速試験を行った。2000時間まで加速試験を実施した。加速試験前に記録した信号のジッタの悪化は1%程度に過ぎなかった。
また、変調度は初期が64%であったが、2000時間加速試験後も61%と、ほとんど変化しなかった。反射率もほとんど全く変化していなかった。2000時間後に未記録部に新たに記録を行った場合のジッタの悪化は3%程度であったが、実用上全く支障の無いレベルである。
また、実施例1の媒体において、ジッタの記録パルス分割方法依存性を、m=n−1及びm=n−2の場合について詳細に検討した。
また、図14は、線速7.0m/sにおいてそれぞれ(a)m=n−1、(b)m=n−2で記録した場合のジッタの、α1、αc依存性を示す等高線図である。各図の測定に用いたPw,Pe,Pb及びβmは各図の上に示している。
線速3.5m/sにおいては、m=n−1,m=n−2いずれの場合にも、α1=0.
7〜0.8、αc=0.35〜0.40の近傍において、最も低いジッタ(概ね7%以下
)が得られているのがわかる。
線速7.0m/sにおいては、m=n−1,m=n−2いずれの場合にも、α1=0.
5付近、αc=0.40付近において、最も低いジッタが得られているのがわかる。最小
のジッタが得られる近傍のα1、αcに対しては、いずれの場合もΣαi<0.5nなる条
件を満たす。
なお、本実施例では、線速3.5m/s、7.0m/sいずれの場合にも、m=n−2とすることで、より低いジッタ値が得られており、また、m=n−1の場合に比べて、大きいα1に対しても低ジッタが得られている。
5nが満たされている。
DVDの標準線速の1倍速から2.5倍速程度まで良好なオーバーライト特性が得られ
た。本媒体は、記録領域を3〜4ゾーンに分割して、ゾーン毎にわずかに記録パルスストラジーを変更することで、CAV方式であっても、記録領域全域において良好なオーバーライト特性を示す。
基板上に、下部保護層(ZnS)80(SiO2)20、記録層Ge0.05Sb0.73Te0.22
、上部保護層(ZnS)80(SiO2)20、反射層Al0.995Ta0.005
を、各層の膜厚を様々に変えて設けた。各層の膜厚を表−3に示す。すべての薄膜はスパッタ法で真空を解除せずに作成した。
反射層の成膜は到達真空度2×10-4Pa以下、Ar圧0.54Pa、成膜レート1.3nm/秒で行った。
その体積抵抗率は55nΩ・m、面積抵抗率は0.28Ω/□であった。
酸素、窒素等の不純物はX線励起光電子分光での検出感度以下で、全部併せてもほぼ1原子%未満であると見なせる。(ZnS)80(SiO2)20保護層の膜密度は3.50g
/cm3で、理論的バルク密度3.72g/cm3の94%であった。また、記録層密度はバルク密度の90%であった。熱シミュレーションから見積もった保護層の熱伝導率は3.5×10-4pJ/(μm・K・nsec)であった。
表−3に、各媒体の1倍速での最適パルス分割方法、ジッタ、Rtop、変調度をまとめた。
上部保護層膜厚を20nmとすると、初期ジッタ、1000回オーバーライト後のジッタ、ともに10%未満であった。上部保護層膜厚を30nmとすると、初期のジッタは良好であるが、繰返しオーバーライトによるジッタ増加が若干多く、1000回オーバーライト後は、ジッタが10〜12%となった。上部保護層膜厚を40nmとすると、初期ジッタが13%以上となり、また、繰返しオーバーライトで急激に悪化して20%以上とな
った。
さらに、記録層膜厚を30nmと厚くした実施例2(h2)は、初回記録ジッタが13%以上あり、繰返しオーバーライトによるジッタの悪化が著しかった。
下部保護層膜厚を45nmとした実施例2(i2)は、繰返しオーバーライト耐久性が悪かった。
また、反射層の厚みが250nmのほうが200nmよりも、いっそう良好なジッタが得られた。すなわち、このような高密度のマーク長記録においては、「超急冷構造」とするのが好ましいことがわかる。
2倍速ではα1=0.5、αc=0.4、βm=βn-1=0.5、Pw=14mWとし、1倍速ではα1=0.7、αc=0.3、βm=βn-1=0.5、Pw=14mWとした。このとき、2倍速では、Σαi=0.3n(n=3)、0.33n(n=4)、0.34n(
n=5)、0.38n以下(n=6〜14)であった。1倍速では、Σαi=0.33n
(n=3)、0.33n(n=4)、0.32n(n=5)、0.32n未満(n=6〜14)であった。
図15にその結果を示す。初回及び10回オーバーライト後のジッタの記録パワーPw依存性、並びに、10回オーバーライト後の、反射率Rtop及び変調度Modの記録パワーPw依存性、を示した。(a)は2倍速記録、(b)は1倍速記録の場合である。なお、Rtopは、図6でのItopに相当する。また、図中、DOW(Direct Overwrite)とはオーバーライトのことを指す。
次に、オーバーライト耐久性を評価した。図16にその結果を示す。ジッタ、反射率及び変調度について、それぞれオーバーライト1000回後までの値を示した。(a)は2倍速記録、(b)は1倍速記録の場合である。いずれの場合も、ジッタは、10回程度までは漸増するが10回以降は安定化し、ジッタ、変調度、反射率ともに1000回までほとんど劣化しなかった。
実施例2(g1)の媒体については、線速3〜8m/sの範囲において、Pw=14mW、Pb=1mW、Pe/Pw=0.5、βm=0.5で一定で、α1とαcのみを変化さ
せることで良好なジッタが得られた。すなわち、線速3〜5m/sにかけては、α1=0
.7、αc=0.35、線速5〜7m/sにかけては、α1=0.65、αc=0.4、線
速7〜8m/sにかけてはα1=0.55、αc=0.45、というように少なくとも3段階に変化させれば、概ね9%未満の良好なジッタが得られた。より細かく、1m/s刻みで、α1とαcを変化させれば、各線速度においてより良好なジッタが得られると考えられる。
なお、Pw=11〜14mWにおいて、Pe/Pwが0.4〜0.5で最良のジッタが得られた。また、Pbが1.5mWを越えるとジッタが急激に悪化した。ここで、Pe/Pw=0.5としてPb依存性を調べたところ、Pbが1.0mW未満なら、ほぼ最良のジッタが得られた。すなわち、Pb/Peは0.2未満が好ましい。
NA=0.6の光学系を用い、EFMプラス変調において最短マークである3Tマークの長さを、0.5μmから短縮していったときの、ジッタのマーク長依存性を評価した。記録線速は3.5m/sで一定であり、パルス分割方法も上記のもので一定とし、基準クロック周期を変化させてマーク長を変化させた。ただし、最短マーク長が0.46μm以上の場合は、装置上の制約から、再生速度3.5m/sではCLV制御が困難になるため、再生速度を5m/sとした。なお、最短マーク長0.4μmが、再生専用DVD規格に対応する。
図17にその結果を示す。(a)は実施例2(g1)の媒体、(b)は実施例2(d2)の媒体である。
なお、NA=0.63の光学系を用いると、約2%程度のジッタ低減が可能であった。また、再生時のイコライザーを最適化するとやはり2%程度のジッタ低減が可能であった。これに加えてNA=0.65の光学系を使用すれば、0.35μmでも十分良好なジッタが得られると考えられる。
実施例2(d2)の媒体は、マーク長0.45μm以上では概ね問題のないジッタが得られているが、0.45μm未満で急激にジッタが増加し、マーク長0.40μmではジッタ13%以上となり使用不可能となった。
次に、いわゆるチルトマージンを評価するため、実施例2(g1)の媒体に、EFMプラス変調されたランダムパターン信号を複数トラックにわたって記録後、基板を再生レーザー光の光軸に対して意図的に傾けて、再生時のジッタの変化を測定した。記録再生の光学系はNA=0.6、記録線速は1倍速又は2倍速、いずれも10回オーバーライト後の再生である。図18に測定結果を示した。チルトマージンは、ラジアル方向で±0.7〜0.8度、円周方向で±0.5〜0.6度であり、通常のドライブにおいて問題のないレベルであった。
実施例2(g1)の媒体の一部のトラックに、Pw=13mWとして、上記最適パルス分割方法を用い、EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、ジッタを測定した。そののち、本媒体を、80℃/80%RHの高温高湿下で加速試験を行った。加速試験500時間後及び1000時間後に、本トラックのジッタを再度測定したところ、1000時間後に1%程度悪化したのみであった。
また、加速試験1000時間後に、他のトラックに、上記と同一条件でランダムパターンを記録しジッタを測定したところ、2%程度の悪化が見られたが、この程度であれば実用上問題はない。
また、1倍速及び2倍速で同様に記録を行い、80℃/80%RHの高温高湿下で1000時間の加速試験前後での変調度を評価した。1倍速では、初期変調度が61%、加速試験後変調度が58%であった。2倍速では、初期変調度が60%、加速試験後変調度が58%であった。
<対再生光安定性>
実施例2(g1)の媒体に対し、再生光を、パワーを1.2mWまで上げて照射したが、10分程度では全く劣化しなかった。次にパワーを1.0mWとして、再生光を100万回まで繰返し照射したが、ジッタの増加は2%未満であった。
記録層組成をGe0.05Sb0.71Te0.24とした以外は実施例2と同様の層構成として、媒体を作成した。各層の膜厚及び評価結果をを表−4に示す。測定には、NA=0.63の光学系を使用した。
表−3と同様に、それぞれの層構成でα1、αc、βn-1を最適化し、かつ、Pw、Pe
もジッタが最低となるよう設定してジッタを評価した。
いずれも、1倍速で、最短マーク長0.4μmのマーク長変調記録が行えており、大きな初期変調度が得られている。
実施例3(a)については実施例2(a1)と同様、記録線速が1倍速と2倍速では良好な特性が得られたが、9m/sでは実施例2(a1)より1〜2%ジッタが高めであった。
また、上保護層膜厚が30nmである実施例3(a)〜(f)では、ジッタ10%未満が得られ、100回オーバーライト後も13%未満であった。上保護層膜厚が40nmと厚い実施例3(g)〜(i)では、ジッタは13%より大きい値しか得られなかった。
層構成は、下部保護層(ZnS)80(SiO2)20を膜厚215nm、記録層Ge0.05
Sb0.69Te0.26を18nm、上部保護層(ZnS)80(SiO2)20を18nm、反射
層Al0.995 Ta0.005 を200nmとした。本記録層組成は、線速3〜5m/sでの記録で良好な特性が得られるもので、いわゆる1倍速用である。しかし、過剰Sb量が実施例2、3よりわずかに少ないため、経時安定性に優れており、記録された情報の保存安
定性や繰返し再生による劣化、すなわち再生光耐久性を重視するには好ましい。
以下はNA=0.6の光学系で評価した。最適パルス分割方法の決定は以下のように行った。記録線速3.5m/sにおいて、Pw=13mW、Pe/Pw=0.5とし、図10においてβm=0.5で一定としてα1、αcを変化させて最小のジッタが得られるパル
ス分割方法を選んだ。図19に、10回オーバーライト後のジッタのα1及びαc依存性を、ジッターの等高線図として示す。α1=0.4〜0.8、αc=0.3〜0.35とすることでほぼ最良のジッタが得られたので、それを基本とし、α1=0.6、αc=0.35を選択した。このとき、Σαi=0.32n(n=3)、0.33n(n=4)、0.3
n(n=5)、0.35n未満(n=6〜14)であった。
変調度は65%と、再生専用DVDに比べても遜色ない値であった。Rtopは23%程度であるが、実際上15%以上であれば、既存の再生専用ドライブでも再生が可能であると考えられる。
そこで、本発明記録媒体にPw=12.5mW、線速3.5m/sにて画像データを記録し、市販の再生専用DVDプレーヤーで再生を試みたところ、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ信号、ジッタは通常の再生専用DVDと同等の特性が得られた。
図20に、Pw=12.5mWにおける、ジッタ、Rtop、変調度の繰返しオーバーライト回数依存性を示した。1000回以上のオーバーライト後も、十分に安定な特性を示している。
本媒体の一部のトラックに、Pw=13mWとして、上記最適パルス分割方法を用い、EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、ジッタを測定した。そののち、本媒体を、80℃/80%RHの高温高湿下で加速試験を行った。加速試験500時間後及び1000時間後に、本トラックのジッタを再度測定したところ、1000時間後に0.5%未満悪化したのみであった。また、変調度は初期が65%であり、加速試験後は63%であった。
また、加速試験1000時間後に、他のトラックに、上記と同一条件でランダムパターンを記録しジッタを測定したところ、1%程度の悪化が見られたが、この程度であれば実用上問題はない。
本媒体に対し、再生光を、パワーを1.3mWまで上げて照射したが、10分程度では全く劣化しなかった。次にパワーを1.0mWとして、再生光を100万回まで繰返し照射したが、ジッタの増加は1%未満であった。
実施例2(a1)の層構成において記録層をGe0.05Sb0.75Te0.20とした。評価はNA=0.6の光学系で行った。
α1=0.4、αc=0.3、βm=0.5、Pw=14mW、Pe/Pw=0.5にお
いて最良のジッタが得られた。初期変調度も十分に大きかった。10回オーバーライト後のジッタは10%をぎりぎりきり、1000回後も13%未満が維持された。
本媒体の一部のトラックに、Pw=14mWとして、上記最適パルス分割方法を用い、EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、ジッタを測定した。そののち、本媒体を、80℃/80%RHの高温高湿下で加速試験を行った。加速試験500時間後に、本トラックのジッタを再度測定したところ、2%程度悪化したのみであった。
また、加速試験500時間後に、他のトラックに、上記と同一条件でランダムパターン
を記録しジッタを測定したところ、3%程度の悪化が見られたが、この程度であれば実用上問題はない。
本媒体に対し、再生光を、パワーを1.0mWまで上げて照射したが、10分程度では全く劣化しなかった。次にパワーを1.0mWとして、再生光を100万回まで繰返し照射したが、ジッタの増加は3%未満であり、13%未満が維持された。
実施例4の層構成において、記録層をAg0.05Ge0.05Sb0.67Te0.23とした。NA=0.6の光学系で評価した。
線速度3.5m/sにおいて、ジッタのパルス分割方法依存性(α1及びαc)をPw=13mW、Pe/Pw=0.5、m=n−1、βm=0.5で測定したところ、図21(
a)に示す等高線図のようになった。α1=0.6、αc=0.35がほぼ最適であった。この場合、Σαi=0.32n(n=3)、0.33n(n=4)、0.33n(n=5
)、0.35n未満(n=6〜14)であった。
図22には、Pw=13mWにおけるジッタ、Rtop、変調度の10000回オーバーライト後の変化まで示した。ジッタが1%程度初期に増加する他は、全く劣化がなかった。
また、実施例1と同様の方法で、ジッタの最短マーク長依存性を測定した結果を図23に示す。最短マーク長0.38μmでジッタは10%未満と極めて良好であった。
なお、本媒体に対して、m=n−2としたパルス分割方法についても評価を行ったところ、α1=1.0、αc=0.5、βm=0.5において図21と同様な特性が得られた。
n=3でΣαi=0.48n、n=4でΣαi=0.48n、n≧5でΣαi=0.46n
〜0.47nであった。
実施例6の層構成において、記録層をAg0.05In0.05Sb0.63Te0.27とした。
線速度3.5m/sにおいて、Pw=13mW、Pe/Pw=0.5、βm=0.5と
して、ジッタのパルス分割方法依存性を評価したところ、図24(a)に示す等高線図が得られた。α1=1.0、αc=0.5が最適であり、この場合、Σαiはnによらず0.5nで一定であった。
記録パワー依存性及び1000回後までの繰返しオーバーライト特性を図24(b),(c)に示した。初回記録のジッタ及びパワーマージンは実施例5より良好であったが、繰返しオーバーライトにより劣化し、1000回後にはむしろ、より悪めのジッタとなった。
さらに再生光パワーを1mWまであげたところ、5分程度でジッタが悪化し、十数%まで増加した。この差は0.5〜1mWの記録感度差では説明がつかない。再生光劣化の主原因は50〜100℃程度に温度が上昇するためであり、本発明のGe添加が非晶質マークの熱安定性改善に効果的であることがわかる。
層構成を、(ZnS)80(SiO2)20下部保護層を膜厚90nm、Ge2Sb2Te5記録層を21nm、(ZnS)80(SiO2)20上部保護層を23nm、Al0.995Ta0.005反射層を200nmとした。
記録に際しては、図10(a)に示すパルス分割方法を基本とし、各マーク長、線速において最良のジッタが得られるように微調整を行った。
この媒体に対しては、図25に示すように、α1=αc=α0=0.3〜0.4で一定で
、βm=1.0としたストラテジーで概ね最良のジッタが得られた。また、Pw=13m
W、Pe/Pw=0.4(Pe=5mW)、Pb=2.0mWが最適記録パワーであり、Pb/Pe=0.4と高めになっているが、これは、本比較例の記録層では図9におけるTLをある程度高めに維持する必要があるためである。
Pbが1mW未満でもジッタは悪いが、Pbが3mW以上でもやはりジッタは悪化した。
このパルス分割方法をベースとし、さらに、マーク長に応じてα0に対して0.02程
度の精密なパルス幅調整まで行い、実施例2と同様に、マーク長依存性を測定した。結果を図26(a)に示す。また、オーバーライト時の線速依存性を測定した。結果を図26(b)に示す。
線速依存性は、線速に応じて基準クロック周期を変更し、最短マーク長が0.4μmになるようにし、再生は常に3.5m/sで行った。また、線速依存性については、10回オーバーライト後のジッタと、その後DC消去した後に1回オーバーライト記録を行った場合のジッタとを載せた。
図26(a)に示すとおり、最短マーク長0.4μmでジッタ10%であり、より短くなると急激にジッタが悪化した。
また、図26(b)に示すとおり、記録線速5m/s以上でジッタが悪化している。しかし、一旦DC消去した後の記録ではジッタが2〜3%以上低下している。このことから、いわゆる結晶状態と非晶質状態の吸収率差による温度上昇の不均一により、消去不良もしくは非晶質マークの形状の歪みが生じ、ジッタが悪化していると考えられる。
本記録層は、もともと、粗大グレインがあるためジッタが高いが、それに加えて、線速5m/s以上では、オーバーライト時に以前のマークの消去が不十分になり、DC消去後記録とのジッタとの差として、その影響が明確に現れる。
なお、前述の実施例2(g1)の媒体に7m/sでオーバーライトした場合と、DC消去後記録した場合の、ジッタの差は0.5%未満であった。
Ge2Sb2Te5のようなGeTe−Sb2Te3擬似二元合金記録層を用いた記録媒体
の場合、保護層/記録層/保護層/反射層からなる4層構成では、5〜6m/s以上の高線速では、上記のようにDC消去後記録は問題ないがオーバーライト時にはジッタが悪化する。このため、ジッタ低減のために、さらに光吸収層などを追加して吸収率補正をするなどの対応が必要である。
実施例2(g1)において記録層をGe0.15Sb0.64Te0.21とした。初期結晶化が非常に困難で、複数回初期化ビームを照射してようやく初期化し、オーバーライトしてジッタを測定したが、パルス分割方法を図10の範囲内でどのように変更しても13%以下のジッタは得られなかった。また、繰返しオーバーライトしていくと、10回から100回までの間でジッタが数%増加した。
実施例2(g1)の層構成において、記録層をGe0.05Sb0.80Te0.15とした。7m/sにおいてα1=0.4、αc=0.3、βm=0.5、Pw=14mW,Pe/Pw=
0.5でほぼ最良のジッタが得られたが、ジッタは10回オーバーライト後で11%をぎりぎりきる程度であり、1000回後には13%以上となってしまった。
本媒体の一部のトラックに、Pw=14mWとして、上記最適パルス分割方法を用い、EFMプラス変調されたランダムパターンを記録し、ジッタを測定した。そののち、本媒体を、80℃/80%RHの高温高湿下で加速試験を行った。加速試験500時間後に、本トラックのジッタを再度測定したところ、3%程度悪化し、13%以上となった。
また、加速試験500時間後に、他のトラックに、上記と同一条件でランダムパターンを記録しジッタを測定したところ、5%程度の悪化が見られ、劣化が早かった。
本媒体に対し、再生光を、パワーを1.0mWまで上げて照射したところ、10分後にジッタが3%増加し、非常に不安定であった。また、変調度が低下しマークが消える傾向があった。
実施例2(a1)の媒体に対して、1倍速(線速度3.5m/s、基準クロック周期T=38.2nsec)から2.25倍速(7.9m/s、T=17nsec)において、α1T=τ1=19nsec、αcT=τc=11nsecですべての線速において一定とし、Tのみを線速に反比例させてEFMプラス信号を記録した。また、αi+βi-1=1.0で一定となるβiを決定した。なお、最終のオフパルス区間βmのみを、線速が遅いほど長くなるよう変化させた。
このようなパルス分割方法では、図11のゲート発生のタイミングの説明図において、基準クロック周期Tに同期させて(一定の遅延を付加することはありうる)、τ1=19
nsecの固定長パルス一個(Gate1)とτc=11nsecの固定長パルスをn−
2個(Gate2)発生させれば良く、さらに最終オフパルス長を決めるGate3のみ線速に応じて変化させれば良く、パルス発生回路を簡略化でき好ましい。さらに本実施例においては、記録パワーPw=13.5mW、Pe=5mW、Pb=0.5mWで一定としているため、パルス発生回路は極めて簡便化できる。ここで、線速が5m/s以下では、Σαi<0.47nが満足されているため、熱ダメージは十分抑制されている。
表−5に、各線速においてβmを変化させた場合の、ジッタの値をまとめた。
表中vは基準速度3.5m/sを表す。ピックアップの波長は637nm、NA=0.63である。ジッタの値自体は実施例2のように、パルス分割方法をより柔軟に可変とした場合にくらべ、若干悪い値となるが、ほぼ10%未満の値が、1倍速から2.25倍速まで得られている。
ここで、2倍速でβH m=0.3、1倍速でβL m=0.6(四角で囲まれた点)として、βmを線速に反比例させて変化させれば、1倍速から2倍速の各線速で10%未満のジッ
タが得られることがわかる。さらに、本実施例においては、βmのマージンは少ないもの
のβm=0.2として一定にしても、1倍速から2.25倍速まで10%未満のジッタが
得られる。このようにして、線速によって可変できるパルス発生回路を簡易化できる。
また、あらかじめ記録媒体上に、凹凸ピットもしくは変調された溝蛇行信号により、Pb、Pe/Pw,Pw,τ0、τc、(βL m ,βH m)を記載すれば最適な記録条件がオーバーライト時の線速度に応じて自動的に決定できる。
層構成を、下部保護層(ZnS)80(SiO2)20を膜厚215nm、記録層Ge0.05
Sb0.69Te0.26を19nm、上部保護層(ZnS)80(SiO2)20を20nm、反射
層Al0.995Ta0.005を200nmとした。
線速3.5m/sで、パルス分割方法をα1=0.5、αc=0.35、βm=0.5、
Pw=11mW、Pe=6.0mW、Pb=0.5mWとし、基準クロック周期Tを変化させて最短マーク長(3Tマーク長)を0.4μmから0.25μmまで変化させて記録を行った。3Tマークのマーク長が0.4μmのときのT=38.2nsec、0.2μmのときのT=19.1nsecである。記録レーザー波長は637nm、NA=0.63である。
この集束レーザー光はガウシアン分布を有しているために、中心部の高温部分だけを利用して、光学的分解能以上に高密度に記録することが可能である。
記録部分を波長432nm、NA=0.6、パワー0.5mWである青色レーザー光で再生した。このレーザー光は波長約860nmのレーザー光から非線形光学効果により発生されたものである。この層構成では、432nmにおいても変調度50%以上という大きな変調度が得られた。
さらに、図28に、記録に用いた637nm,NA=0.63の光学系で再生した場合と、432nm、NA=0.6の光学系で再生した場合のジッタを、最短マーク長依存性として示した。測定においてはイコライザーの設定値を各測定点において可能な限り最適化している。この記録媒体では、青色レーザー光再生では、最短マーク長0.3μmでも13%未満の良好なジッタが得られていることがわかる。
実施例2(a1)の層構成において、記録層をGe0.05Sb0.64Te0.31とした。
波長637nm、NA=0.63の光学系で記録評価を行った。線速3.5m/sにおいて、m=n−1,α1=0.4、αc=0.4、βm=0.4、Pb=0.5mW,Pe
=4.5mWで一定として、Pwのみを変化させて10回目までオーバーライト記録を行った。このときのジッタの記録パワー依存性を図27(a)に示す。図中、1writeとは未記録ディスクの初回記録を、1DOWとは1回目のオーバーライトを、10DOWとは10回目のオーバーライトを指す。
次に、Pw=8.5mWで一定として、Peのみを変化させて10回めまでオーバーライト記録を行った。このときのジッタの消去パワー依存性を図27(b)に示す。
いずれの場合も、初回記録(1write)では良好なジッタ得られるが1回でもオーバーライトするとジッタは急激に悪化した。本比較例における記録層組成は、図3において直線AよりTeリッチな組成であり、結晶化速度が遅いために十分な消去比が得られず、よって十分なオーバーライト特性が得られなかったと考えられる。
実施例2(a1)の層構成において、表−6に示すように記録層組成を変化させた。Ge0.05Sb0.73Te0.22ターゲットとGeとをコスパッタすることによりGe量を変化させたものである。
波長637nm、NA=0.63の光学系を用い、m=n−1、Pb=0.5mW、βm=0.5として、α1、αc、Pw,Peを変化させて10回オーバーライト後のジッタ
が最小となる条件を探した。
各記録層組成で得られた最小ジッタは表−6のようであった。Ge添加量が増えるにつれジッタが増加し、Geが10原子%以上だと、2倍速でのジッタが14%と非常に高くなってしまった。
なお、本媒体を80℃80%RHの条件下、加速試験を行ったところ、実施例9(a)に比べて実施例9(b)、(c)が若干、良好であった。すなわち、加速試験2000時間後に、加速試験前に記録した信号を読み出したところ、実施例9(a)〜(c)のいずれの場合においても、ジッタは1%程度悪化しているのみであった。
また、実施例9(a)〜(c)の初期変調度は61〜63%であり、2000時間の加速試験後も58〜59%の変調度が得られた。反射率もほとんど全く変化していなかった。特に、実施例9(b)、(c)では0.5%以内の増加であった。
実施例2(g1)の層構成において、記録層をInを添加したGeSbTeとした。InはGeSbTeターゲットにInSbTeをコスパッタして添加したものである。各記録層組成は、実施例10(a)がGe0.05Sb0.74Te0.21、実施例10(b)がIn0.023Ge0.048Sb0.719Te0.21、実施例10(c)がIn0.053Ge0.044Sb0.688Te
0.215、比較例8がIn0.118Ge0.041Sb0.617Te0.224である。
それぞれの媒体のジッタのパワー依存性を評価した結果を図29(a)(b)(c)(d)に示した。上段は記録線速3.5m/sの場合、下段は同7.0m/sの場合である。
用いた光学系はいずれも637nm、NA=.63である。線速3.5m/sの場合はα1=0.6、αc=0.35、βm=0.5とし、7.0m/sの場合はα1=0.4、αc=0.4、βm=0.5とした。Pb=0.5mWで一定とした。Peは2通りの値で一定とし、Pwのみ変化させてジッタのPw依存性を測定した。In量が2〜5原子%程度の添加でPwマージンが大幅に改善された。しかし、10原子%を越すと、添加しない場合よりかえってジッタが悪化した。
また、オーバーライト1000回後のジッタは、実施例10(a)〜(c)では、両線速ともに10原子%未満であったが、比較例8では両線速ともに13%より高くなった。
実施例10(b)の媒体について、80℃/80%RHの環境下で加速試験を行った。2000時間まで加速試験を実施した。加速試験前に記録した信号のジッタの悪化は1%程度に過ぎなかった。
また、初期変調度は61%であり、2000時間の加速試験後も57%の変調度が得られた。反射率もほとんど全く変化していなかった。
2000時間後に未記録部に新たに記録を行った場合のジッタの悪化は3%程度であったが、実用上全く支障の無いレベルである。
実施例2(g1)の層構成において、記録層をIn0.03Ge0.05Sb0.71Te0.21としたディスクを、表−7の溝形状を有するポリカーボネート樹脂基板上に成膜した。いずれも溝ピッチは0.74μmである。
すなわち、周波数fc=1/Tw=1/(32T)の無変調搬送波(余弦波もしくは正弦波)が、アドレス用のデジタルデータの0から1、あるいは1から0の切り替えで、ちょ
うど位相πだけずれる。デジタルデータ0、1の切り替え周期TdはTwより低周波で、TdはTwの整数分の1になっているので、位相がπシフトしても、ウォブル波形は連続的に変化している。
本変調方法の好ましい点は、ATIP(Absolute Time in Pregroove)に用いられる周波数(FM)変調と異なり、蛇行周波数が一定であり、かつ周期が32Tという高周波で変調しているために、ウォブルのクロックを参照してディスクの回転同期を確立するとともに、ウォブルのクロックに同期して直接データクロックを生成できることである。
このようにデジタルデータの変調で位相を変化させるには、例えば図31にあるような、リング変調器を用いる。デジタルデータは、0、1に対応して正負の電圧±Vを印可する。スタンパ原盤作成時に、フォトレジスト露光用のレーザー光を、±Vw の電圧間で2値位相変調されたウォブル波形に従って半径方向に蛇行させつつ露光する。このとき、リング変調機出力波をEO変調器に印可することで、露光用ビームを蛇行させることができる。
なる信号Vw・cos(2πfct)が入力されると、入力トランスの出力にはVw・co
s(2πfct)と−Vw・cos(2πfct)の二つの搬送波信号が現れる。デジタル
データ入力が正(+V)であれば、D1、D1’が導通し、搬送波Vw・cos(2πfct)はそのままD1を通過し変調は出力端子に現れる。−Vw・cos(2πfct)の搬送
波はD1’を経た後、出力側のトランスにより反転されてVw・cos(2πfct)とな
り、D1通過の出力と加え合わされてVw・cos(2πfct)の出力を得る。
もし、デジタルデータ入力が負(−V)、すなわちD2、D2’が導通になると、Vw・
cos(2πfct)の信号はダイオードD2を介して出力側トランスの下側に導かれるので、変調は出力端子では、これが反転して−Vwcos(2πfct)となる。
D2 ’の経路を通った搬送波は−Vw・cos(2πfct)となって合成され、変調は出力端子に現れる。
リング変調器の場合には、デジタルデータ入力が正か負かによって出力端子にVw・c
os(2πfct)か−Vw・cos(2πfct)を出力することになる。
このようにして変調されたウォブル波形が、EO変調器に入力され、露光用ビームを蛇行させることができる。
本実施例ではウォブル振幅はすべて60nm(peak−to−peak値)とした。
溝内にのみ記録を行う媒体の場合、記録再生光波長λ=637nm、基板の屈折率n=1.56に対して、溝深さの好ましい範囲は、下限がλ/(20n)=20.5nm、上限はλ/(10n)=40.8nmである。
本媒体の評価には、波長637nm、NA=0.63の光学系を用いた。
5、αc=0.3、βm=0.5、Pw=13mW、Pe=6mWとし、線速7m/sにおいては、α1=0.4、αc=0.35、βm=0.5、Pw=14mW、Pe=7mWと
した。
まず、溝内に線速3.5m/sにおいて記録を行い、Rtop及び変調度を測定した。また、3.5m/s及び7m/sで記録信号のジッタを測定した。結果を表−8に示す。
図32(a)(b)に変調度とRtopの溝形状依存性を示した。実施例11(h)〜(j)は、深さ42nmの溝を有するが、深さ27nmの場合に比べて反射率が大幅に低
下し、5%以上低くなって好ましくない。変調度は、特に溝が細い場合に低下し、幅0.23μmでは、深さ35nmでも、変調度低下が著しかった。
なお、本実施例は層構成は同じとしたが、もし、深さ42nmの場合に、反射率低下を補うために、反射率の高い層構成にすると、変調度低下は一層顕著になる。すなわち、深さ42nmの溝は、溝内用記録には適さない。
溝深さ40nm以上では、溝幅が0.3μm未満のときに、ウォブル信号が記録データ信号へ著しく漏れ込む。溝幅が0.3μm以上のときに比べ、線速3.5m/sではジッタが1〜2%以上悪化し、線速7m/sでは2〜3%も悪化する。
層構成を、下部保護層(ZnS)80(SiO2)20を膜厚65nm、記録層Ge0.05S
b0.73Te0.22を16nm、上部保護層(ZnS)80(SiO2)20を20nm、第1反
射層Al0.995Ta0.005を膜厚40nm、第2反射層Agを膜厚70nmとした。
下部保護層から第1反射層までは真空を解除することなくスパッタ法で作成し、第1反射層を成膜後大気解放し数分放置後、再び真空にてスパッタ法により第2反射層を成膜した。
第2反射層成膜後、スピンコート法により紫外線硬化樹脂を、オーバーコート層として4μm積層した。出来たディスクは2枚をオーバーコート層が向かい合うように貼り合わせた。
第1反射層の成膜は到達真空度4×10-4Pa以下、Ar圧0.55Paで行った。体積抵抗率は55nΩ・mであった。酸素、窒素等の不純物はX線励起光電子分光での検出感度以下で、全部併せてもほぼ1原子%未満であると見なせた。
第2反射層の成膜は到達真空度4×10-4Pa以下、Ar圧0.35Paで行った。体積抵抗率は32nΩ・mであった。酸素、窒素等の不純物はX線励起光電子分光での検出感度以下で、全部併せてもほぼ1原子%未満であると見なせた。
波長637nm、NA0.60の光学系を使用して、線速3.5m/s、α1=0.4
、αc=0.35、βm=0.5なるパルス分割方法を用いて10回オーバーライト後のジッタを測定したところ、Pw=11mW,Pe=6.0mW,Pb=0.5mWで最小ジッタ6.5%を得た。
この媒体を、80℃、80%RHの高温高湿下に500時間放置した後、同様に記録を行ったところ全く劣化がみられなかった。
溝ピッチ0.74μm、溝幅0.3μm、溝深さ40nmの、ウォブルを有する螺旋状の溝を形成したスタンパを作成し、これをもとに、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂基板を射出成形によって形成した。
表−9に示すように、半径22.5mmから58.5mmまでの36mmを記録領域とし、記録領域を255バンド(ゾーン)に分割した。各バンドには191トラックが含まれる。
各バンドの終端がちょうど191トラック目になるようにバンド幅を設定しているので、各バンド幅は正確に36/255とはなっていない。このため、記録領域の最外終端は58.54mmである。
チャネルビット長は0.133μmとし、線速3.49m/sにおいて基準クロック26.16MHz(T=38.23nsec)が得られる。ウォブルの周期は各バンドの中心半径においてチャネルビット長の9倍となるように設定した。その物理的な周期は1.2μmである。
各バンドの中心半径におけるチャネルビット長総数、及びウォブルの総数をまず計算し、同一バンド内では1周あたりに含まれるチャネルビット数、あるいはウォブルの数が一定となるようにする。
以上の前提から、各バンド中心半径において3.49m/sの線速度が得られるようにディスクを回転させたときに、ウォブル周期は、ちょうどDVDデータの基準クロック周期T=38.23nsecの9倍となる。
この媒体を、表−9の最内周バンドのバンド中心半径において線速度が3.49m/sになるように回転させ、ZCAV方式の媒体として使用する。CAV回転中の各バンドのウォブルから再生される搬送波の周期を1/9倍して、各バンドにおけるデータ基準クロックTqを生成させ、該クロックに基づいてEFMプラス変調されたデータの記録を行う
。
再生するときには、以下のように、記録されたデータから生成されるデータ基準クロック周波数が26.16MHzとなるように回転同期を達成すれば、各ゾーンでのチャネルビット長のばらつきは±1%未満となり、実質的にCLVモードでの再生を支障なく行うことができる。
このようなPLL制御による回転制御は、現在DVD−ROMの再生で行われており、その方式をそのまま適用できる点で有用である。
実施例2(a1)の層構成において、反射層をAl0.975Ta0.025とした。体積抵抗率は220nΩ・mであった。膜厚200nmから400nmまで変えて複数のサンプルを作成し、表−3の測定と同様に、それぞれに図10(a)の中で最適なパルス分割方法を用いて、ジッタ測定を行った。膜厚300nm前後で12%という最良のジッタを得た。それより反射層を厚くしても、薄くしてもさらに悪いジッタしか得られなかった。
実施例11(a)の層構成において、上部保護層の膜厚を23nmとした。
本媒体に、溝内記録を行った。波長405nm、NA=0.65の光学系を用い、ほぼ円形でスポット径が約0.5μm(ガウシアンビームの1/e2強度における径)のビー
ムを生成し、0.6mm厚の基板を介して記録再生を行った。
線速度4.86m/sで、最短マーク(3Tマーク)の長さを0.25μmとしたEFMプラス変調信号を記録した。
実施例2と同様の記録パルス分割方法で、m=n−1、α1=0.5、αc=0.38、βm=0.67とし、Pw=9.5mW,Pb=0.5mW,Pe=4.0mWにて10
回オーバーライトを行ったところ、ジッタは10%であった。
青色レーザーでの記録再生では、実施例7の場合に比べても、より高品質の記録が可能であることがわかった。また、現行の赤色レーザーに合わせて設計された媒体でも、そのまま青色レーザーで記録再生して高密度化を図ることができる。
実施例2(a1)の層構成において、記録層をGa0.05Ge0.05Sb0.68Te0.22とした媒体を用意した。初期化も実施例2(a1)と同様に行った。測定には、波長637nm、NA=0.63の光学系を用いた。
最短マーク3Tの長さを0.4μmとしたEFMプラス変調信号を、線速度3.5m/sで行った。実施例2と同様の記録パルスストラテジーでm=n−1、αi+βi-1=1.0(2≦i≦m)、αi=αc=一定(2≦i≦m)とし、α1=0.5、αc=0.3、βm=0.5とし、Pw=13.5mW、Pe=6.0mW、Pb=0.5mWとし、オー
バーライト特性を評価した。初回記録(非オーバーライト)、10回オーバーライト、100回オーバーライト、1000回オーバーライトで、それぞれジッタは6.9%、6.7%、7.0%、7.3%と良好であった。
さらに、線速度7.0m/sで同様に、α1=0.4、αc=0.35、βm=0.5と
し、Pw=14.0mW、Pe=7.0mW、Pb=0.5mWとし、オーバーライト特性を評価した。初回記録(非オーバーライト)、10回オーバーライト、100回オーバーライト、1000回オーバーライトで、それぞれジッタは7.4%、7.7%、8.0%、8.5%と良好であった。
変調度はいずれも55〜60%の値が得られた。
本媒体を80℃/80%RHの加速試験環境下に1000時間放置したところ、試験前に記録を行った。加速試験前に記録した信号のジッタの悪化は1%未満であった。また、変調度は、52〜57%の値が得られた。
実施例2と同様に、0.6mm厚さのポリカーボネート樹脂基板にピッチ0.74μmのウォブル溝を形成し、図5(b)のごとく、反射層、第2保護層、記録層、第1保護層の順に形成した。
反射層Al0.995Ta0.005は膜厚165nm、第2保護層(ZnS)80SiO2)20は
膜厚20nm、記録層In0.03Ge0.05Sb0.70Te0.22を膜厚16nm、第1保護層(ZnS)80(SiO2)20を膜厚68nm、それぞれスパッタリング法により成膜した。
そののち、第1保護層に対向して、0.6mm厚さのガラス板を密着させた。初期化は、ガラス基板を介して、500mW程度のレーザー光を線速5m/sで照射し、行った。
このガラス基板を介して、波長637nm、NA=0.6の光学系を用いてレーザー光を記録層に照射し記録再生を行った。記録は、レーザー入射側から見て凹凸の遠い側に行った。実施例2における溝内に相当する。
最短マーク3Tの長さを0.4μmとしたEFMプラス変調信号を、線速度3.5m/sで行った。実施例2と同様の記録パルスストラテジーでm=n−1、αi+βi-1=1.0(2≦i≦m)、αi=αc=一定(2≦i≦m)とし、α1=0.9、αc=0.35、
βm=0.5とし、Pw=12.0mW、Pe=6.0mW、Pb=0.5mWとし、オ
ーバーライト特性を評価した。10回オーバーライト後で、ジッタは10.5%、変調度は61%であった。
さらに、線速度7.0m/sで同様に、α1=0.55、αc=0.40、βm=0.5
とし、Pw=13.0mW、Pe=5.5mW、Pb=0.5mWとし、オーバーライト特性を評価した。10回オーバーライト後で、ジッタは11.2%、変調度は61%であった。
また、適切な記録層組成と層構成を選ぶことで、再生専用媒体との再生互換性に優れ、且つ、繰返しオーバーライト耐久性の高い相変化型光記録媒体が得られる。
より具体的には、いわゆるDVDディスクと再生互換を有し、その標準再生速度3.5m/sから倍速である7m/sを含む広い線速範囲で、1ビームオーバーライト可能であり、かつ1万回以上オーバーライトしても劣化を示さない、書き換え型DVDディスクに使用可能な光学的情報記録用媒体及び光記録方法が提供できる。
また、本発明の媒体は線速マージンが広いため、CAV方式やZCAV方式など、角速度一定で媒体を回転させ記録を行う場合にも、媒体の内外周の線速差による記録特性差の問題を克服できる。CAV方式を採用すれば、半径位置ごとにディスク回転速度を変更する必要がなく、アクセス時間の短縮がはかれる。
Claims (15)
- 結晶部を未記録又は消去状態とし非晶質部を記録状態とする相変化型記録層を有する光学的情報記録用媒体に対して、最短マーク長を0.5μm以下とする複数のマーク長の記録マークにより情報を記録する記録方法であって、
前記光学的情報記録用媒体として、前記相変化型記録層の溶融領域の非晶質化と前記溶融領域の周辺の固相結晶部の境界からの再結晶化との競合により前記非晶質部が形成される光学的情報記録用媒体を用い、
波長350〜680nmのレーザー光ビームを、開口数NAが0.55以上0.9以下の対物レンズを通して前記相変化型記録層に照射する光学系を用い、
記録マーク間には、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの前記レーザー光ビームを照射し、
前記記録マークについては、
一つの記録マークの時間的長さをnTとしたとき(Tはクロック周期、nは2以上の整数)、記録マークの時間的長さnTを、
(αi+βi)+η1+η2=nとし、η1はη1≧0なる実数、η2はη2≧0なる実数、0≦η1+η2≦2.0とする。α1=0.1〜1.5、αi=0.1〜0.8(2≦i≦m)、βi=0.3〜1.0(1≦i≦m−1)、βm=0〜1.5とする。αi(2≦i≦m)
及びβi(2≦i≦m−1)はiによらず一定とし、かつα1≧αiである。αi+βi-1=
1.0(3≦i≦m)として、αi(2≦i≦m)の記録パルスをクロック周期に同期さ
せる。さらに、β1及びβmをβiと異なる値をとりうるようにし、(Σαi)<0.5nとする。)となるように分割し、
αiT(1≦i≦m)の時間内においては、記録層を溶融させるにたるPw≧Peなる
記録パワーPwの前記レーザー光ビームを照射し、
βiT(1≦i≦m)の時間内においては、0<Pb≦0.2Pe(ただし、βmTにおいては、0<Pb≦Peとなりうる)なるバイアスパワーPbの前記レーザー光ビームを照射する
ことを特徴とする光記録方法。 - k=0又はk=1では(Σαi)<0.4nとする請求項1に記載の光記録方法。
- βmをマーク長nTに応じて変化させる請求項1に記載の光記録方法。
- 短いマークの場合にはβmを短くする請求項3に記載の光記録方法。
- 記録線速度によらずαi+βi-1=1.0(3≦i≦m)とし、Pb,Pw,Pe/Pw比、αi、β1、βmは記録線速度に応じて可変であり、記録線速度が低いほど少なくともαi(iは1≦i≦mの少なくとも一つ)を単調に減少するように変化させることを特徴とする請求項1乃至は4のいずれかに記載の光記録方法。
- 記録線速度が低いほどβmが単調に増加するように変化させる請求項5に記載の光記録方
法。 - 各記録線速度での最大記録パワーをPwmax、最小記録パワーをPwminとするとき、Pwmax/Pwmin≦1.2、Pe/Pw=0.4〜0.6、0≦Pb≦1.5(mW)である請求項5に記載の光記録方法。
- 最大記録線速度におけるβmをβH m、最小記録線速度におけるβmをβL mとしたとき、各オーバーライト時の線速度におけるβmをβL mとβH mの間の値とし、記録線速度によらずP
b、Pe/Pw比が一定である請求項5乃至は7に記載の光記録方法。 - 記録線速度によらずβmが一定である請求項5又は7のいずれかに記載の光記録方法。
- 所定の記録領域を有する光学的情報記録用媒体を角速度一定で回転させて情報を複数のマーク長により記録する方法であって、
該記録領域は半径によって区切られた複数ゾーンからなり、各ゾーン内の平均線速度に応じて記録密度がほぼ一定となるように基準クロック周期Tを変化させる記録方法であって、
上記記録領域は半径によってp個のゾーンに分割され、最内周側を第1ゾーン、最外周側を第pゾーンとし、第qゾーン(ただし、qは1≦q≦pの整数)における角速度をωq、平均線速度を<vq>ave、最大線速度を<vq>max、最小線速度を<vq>min、基準
クロック周期をTq、最短マークの時間的長さをnminTqとすると、
<vp>ave/<v1>aveは1.2〜3の範囲であって、<vq>max/<vq>minは1.5以下であり、
(i)同一ゾーン内では、ωq、Tq、αi、βi、Pe、Pb、及びPwは一定であり、最短マークの物理的長さnminTq<vq>aveは0.5μm以下であり、Tq<vq>aveは1
≦q≦pなる全てのqに対してほぼ一定であり、かつ、
m=n−1もしくはm=n−2、
α1=0.3〜1.5、
α1≧αi=0.2〜0.8(2≦i≦m)、
αi+βi-1=1.0(3≦i≦m)、
0≦Pb≦1.5(mW)、
0.4≦Pe/Pw≦0.6であり、
(ii)ゾーンによらずmを一定とし、各ゾーンごとにPb、Pw、Pe/Pw、αi(
1≦i≦m)、β1、βmは可変であり、外周ゾーンから内周ゾーンに向かって、少なくともαi(iは2≦i≦mの少なくとも一つ)を単調に減少させる請求項5又は6に記載の
光記録方法。 - 該記録領域におけるPwの最大値をPwmax、最小値をPwminとするとき、Pwmax/P
wmin≦1.2である請求項10に記載の光記録方法。 - 波長が600〜680nmの光を、開口数NAが0.55〜0.65の対物レンズを通し、基板を介して記録層に集光させ、データの記録再生を行う光記録方法であって、
第qゾーン(ただし、qは1≦q≦pの整数)における角速度をωq、平均線速度を
<vq>ave、最大線速度を<vq>max、最小線速度を<vq>min、基準クロック周期をTq、最短マークの時間的長さをnminTqとすると、
nは1〜14の整数であり、
m=n−1であり、
ωqはゾーンによらず一定であり、
Tq<vq>aveは1≦q≦pなる全てのqに対してほぼ一定であり、かつ、
(i)第1ゾーンにおいては、
α1 1=0.3〜0.8、
α1 1≧α1 i=0.2〜0.4であってiによらず一定(2≦i≦m)、
α1 2+β1 1≧1.0、
α1 i+β1 i-1=1.0(3≦i≦m)とし、
(ii)第pゾーンにおいては、
αp 1=0.3〜0.8、
αp 1≧αp i=0.3〜0.5であってiによらず一定(2≦i≦m)、
αp i+βp i-1=1.0(2≦i≦m)とし、
(iii)他のゾーンにおいては、α1 i≦αq i≦αp i(2≦i≦m)とし、αq 1はα1 1とαp 1との間の値とする請求項10又は11に記載の光記録方法。 - α1 1≧αq 1≧αp 1(ただし、α1 1>αp 1)である請求項10乃至12のいずれかに記載の光記録方法。
- Pb、Pe/Pw、β1、βmはゾーンによらず一定であり、α1、αi(2≦i≦m)のみをゾーンにより変化させる請求項12又は13に記載の光記録方法。
- 所定の記録領域を有する光学的情報記録用媒体を回転させて情報を複数のマーク長により記録する方法であって、
記録領域を半径方向に複数のゾーンに分割し、各ゾーン内においては、線速度一定で記録を行うものとし、
最内周ゾーンにおける記録線速度vinと最外周ゾーンにおける記録線速度voutの比vout/vinが1.2〜2である請求項5又は6に記載の光記録方法。
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